JP2018078257A - 磁気抵抗効果素子、磁気抵抗効果素子製造方法および磁気メモリ - Google Patents

磁気抵抗効果素子、磁気抵抗効果素子製造方法および磁気メモリ Download PDF

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Abstract

【課題】本発明が解決しようとする課題は、素子にダメージを与えずにショートパスを遮断する磁気抵抗効果素子、磁気抵抗効果素子の製造方法及び磁気メモリを提供することである。【解決手段】実施形態の磁気抵抗効果素子は、第1磁性層20と、第1磁性層20上に設けられた非磁性層15と、非磁性層15上に設けられた第2磁性層16と、第2磁性層16側方に設けられた第1絶縁層18と第1絶縁層18を覆う第2絶縁層20と、第1絶縁層18と第2絶縁層20との間に存在する第1導電層19と、第2磁性層16上の第1部分17aと第2絶縁層20側方の第2部分17bとを含む第1電極17と、を具備し、第2部分17bの下面の高さは第1導電層19の上端部の高さ以下である。【選択図】 図1

Description

本発明の実施形態は、磁気抵抗効果素子、磁気抵抗効果素子製造方法および磁気メモリに関する。
ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)及び磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM:Magnetoresistive RAM)のように、磁気を利用した磁気抵抗効果素子が、開発されている。
磁気抵抗効果素子加工時に側面に付着する再付着物が電極と接触し、ショートパスとなる懸念がある。素子にダメージを与えずにショートパスを遮断する方法が必要である。
米国特許出願公開第2016/0072045号明細書 米国特許出願公開第2016/0013397号明細書
本発明が解決しようとする課題は、素子にダメージを与えずにショートパスを遮断する磁気抵抗効果素子、磁気抵抗効果素子の製造方法及び磁気メモリを提供することである。
上記の課題を達成するために、実施形態の磁気抵抗効果素子は、第1磁性層と、第1磁性層上に設けられた非磁性層と、非磁性層上に設けられた第2磁性層と、第2磁性層側方に設けられた第1絶縁層と、第1絶縁層を覆う第2絶縁層と、第1絶縁層と第2絶縁層との間に存在する第1導電層と、第2磁性層上の第1部分と第2絶縁層側方の第2部分とを含む第1電極と、を具備し、第2部分の下面の高さは第1導電層の上端部の高さ以下である。
第1の実施形態の磁気抵抗効果素子の断面図である。 第1の実施形態の磁気抵抗効果素子の製造方法を説明するための図である。 第1の実施形態の磁気抵抗効果素子の製造方法を説明するための図である。 第2の実施形態の磁気抵抗効果素子の断面図である。 第2の実施形態の磁気抵抗効果素子の製造方法を説明するための図である。 第3の実施形態の磁気抵抗効果素子の断面図である。 第3の実施形態の磁気抵抗効果素子の製造方法を説明するための図である。 第4の実施形態の磁気抵抗効果素子の断面図である。 第4の実施形態の磁気抵抗効果素子の製造方法を説明するための図である。 磁気記憶装置の一例を示す図である。 磁気記憶装置内のメモリセルを示す断面図である。
以下図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。同じ符号が付されているものは、互いに対応するものを示す。なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比が異なって表される場合もある。
本願明細書内で、「上」及び「上方」は積層体の積層方向を示しており、また、「側面」及び「側方」は積層方向に交差する方向を示している。交差する方向としては、典型的には直交する方向が挙げられるが、必ずしもこれに限定されることは無い。一方、第1方向は積層体の積層方向を示しており、第2方向は第1方向と交差する方向を示している。なお、積層方向は、典型的には、積層体に含まれる2つの層同士の間を最短で結ぶ方向に対応している。
第1の実施形態
(構造)
図1を用いて、第1の実施形態の磁気抵抗効果素子の構造について、説明する。
図1に示されるように、第1の実施形態の磁気抵抗効果素子Aは、下部電極11、シフト調整層12、スペーサー層13、第1磁性層14、非磁性層15、第2磁性層16、第1絶縁層18、第2絶縁層20、第1導電層19、及び、上部電極17を含んでいる。シフト調整層12は、下部電極11の上方に積層されている。スペーサー層13は、シフト調整層12の上方に積層されている。第1磁性層14は、スペーサー層13の上方に積層されている。非磁性層15は、第1磁性層14の上方に積層されている。第2磁性層16は、非磁性層15の上方に積層されている。上部電極17は、第1部分17aと第2部分17bを含んでいる。上部電極17の第1部分17aは第2磁性層16の上方に積層され、第2部分17bは第1部分17aの側方に設けられている。すなわち第2方向において第1部分17aと第2部分17bは対向しているともいえる。尚、本願明細書内の「対向」は互いに向き合っていることを示しており、例えば、第1部分17aと第2部分17bが接する場合や第1部分17aと第2部分17bが離間する場合であってもよく第1部分17aと第2部分17bの間にこれらと他の構成要素があってもよい。
図1の例では、第1磁性層14は、断面積S1を持つ。第2磁性層16は、断面積S2を持ち、S2はS1より小さい。シフト調整層12及びスペーサー層13は、ほぼ同じ断面積S1を持ち、非磁性層15は第2磁性層16とほぼ同じ断面積S2である。
第2磁性層16の側面、及び非磁性層15の側面を覆うように、第1絶縁層18が設けられる。第1絶縁層18の上端部は第2磁性層16の上面より上に位置している。また、第1絶縁層18の側面に堆積し、第1絶縁層18の側面を覆い、上部電極17付近まで達するように第1導電層19が設けられる。第1導電層19は第1磁性層14と接し、第1絶縁層18の側面に下端部から上端部にかけて存在している。なお、上端部まで存在していなくてもよく、例えば上端部よりも下の位置まで存在していてもよい。すなわち、第1導電層19の上端部の高さは、上部電極17の第2部分17bの下面の高さ以上ともいえる。そして、第1絶縁層18及び第1導電層19の突出した部分とともに、第1導電層19の側面、第1磁性層14の側面、スペーサー層13の側面、並びにシフト調整層12の側面を第2絶縁層20で覆う。すなわち、第2方向において第1絶縁層18は、第2磁性層16及び第1部分17aに対向して設けられる。第2絶縁層20は、第2方向において第1絶縁層18、第1磁性層14、スペーサー層13及びシフト調整層12と対向して設けられる。第1導電層19は、第1絶縁層18と第2絶縁層20との間に存在する。第2方向において第2部分17b及び第1導電層19の間に第2絶縁層の少なくとも一部が設けられている。第2部分17bの下面の高さは第1導電層19の上端部の高さ以下となっている。ここで、第2部分17bの下面の高さとは、最も第2絶縁層20側(第2絶縁層20と接する場合も含む)の位置における下面の高さを指す。
また、第1絶縁層18は、第1方向に対して交差する面に沿う方向において第2磁性層16を囲んでいるともいえ、第2絶縁層20は第1方向に対して交差する面に沿う方向において第1絶縁層18を囲んでいるともいえる。すなわち、第1絶縁層18は、第2磁性層16側方を囲んでいるといえ、第2絶縁層20は、第1絶縁層18側方を囲んでいるともいえる。囲んでいるとは、周囲を取り囲んでもよいし、少なくとも一部が取り囲んでもよい。
図1に例示する第3絶縁層21は、磁気抵抗効果素子Aの周囲を覆い、下部電極11及び上部電極17と接するように設けられる。
例えば、シフト調整層12、スペーサー層13、第1磁性層14、非磁性層15及び第2磁性層16は、第1方向から見ると、それぞれ円形をしている。すなわち、シフト調整層12、スペーサー層13、第1磁性層14、非磁性層15及び第2磁性層16は、それぞれ円柱状である。
尚、図1の例によらず、下部電極11と第3絶縁層21は、接しなくてもよい。例えば、下部電極11と第3絶縁層21の間に第2絶縁層20が設けられてもよいし、下部電極11と第3絶縁層21の間に下地層が設けられてもよい。
図1の例によらず、シフト調整層12、スペーサー層13、第1磁性層14、非磁性層15、及び第2磁性層16の断面積が、シフト調整層12、スペーサー層13、第1磁性層14、非磁性層15、第2磁性層16の順に小さくなってもよい。
図1では、第1絶縁層18は、非磁性層15及び第2磁性層16の側面を覆っているが、少なくとも第2磁性層16の側面を覆えばよい。
尚、図1では下部電極11と第1磁性層14との間に、シフト調整層12とスペーサー層13が設けられているが、省略してもよい。この場合、下部電極11が、第1磁性層14と接してもよい。
図1では示されていないが、第2磁性層16と非磁性層15との界面、及び第1磁性層14と非磁性層15との界面に、磁性層と非磁性層の原子拡散を防止する中間層が設けられてもよい。
図1の例によらず、第2磁性層16と上部電極17の間にハードマスク除去時や上部電極形成時のダメージ等から磁性層16を保護する第2導電層を設けてもよい。
また、図1では示されていないが、下部電極11とシフト調整層12の間にシフト調整層13、磁性層14の結晶性を向上させる下地層を設けてもよい。
(動作原理)
第1磁性層14、第2磁性層16とそれらに挟まれる非磁性層15とによって、磁気トンネル接合(Magnetic Tunnel Junction)が形成される。以下では、磁気抵抗効果素子を、MTJ素子ともよぶ。
第1磁性層14、第2磁性層16は磁性を持った材料を含んでおり、第1磁性層14と第2磁性層16を総称して磁性層ともよぶ。第2磁性層16の磁化の方向は、可変であり、第1磁性層14の磁化の方向は、固定状態であり所定の方向を有する。磁化の方向が可変である第2磁性層16を記憶層、可変層、磁化自由層ともよび、磁化の向きが固定状態である第1磁性層14を参照層、固定層ともよぶ。図1における第1磁性層14、及び第2磁性層16内の矢印は、第1磁性層14、及び第2磁性層16の磁化の方向を示している。
図1を用いて、垂直磁化を説明する。第1磁性層14及び第2磁性層16は、層面に対して垂直、或いは概ね垂直方向に磁気異方性を有する。第2磁性層16及び第1磁性層14の容易磁化方向は、磁性層の層面に対して垂直、或いは概ね垂直である。層面に対して垂直、或いは概ね垂直方向の容易磁化方向(磁気異方性)において、層面に対して垂直、或いは概ね垂直方向を向く磁化のことを、垂直磁化とよぶ。したがって、本実施形態のMTJ素子は、垂直磁化型MTJ素子である。
尚、容易磁化方向とは、あるマクロなサイズの強磁性体を想定した場合に、外部磁界のない状態で自発磁化がその方向を向くと最も磁性体の内部エネルギーが低くなる方向である。
次に、本実施形態のMTJ素子のデータ保持機構について説明する。2電極11、17間に第1磁性層14と第2磁性層16が位置している。電極11、17を介して第2磁性層16に、磁化反転電流が供給された場合において、その電流によって発生するスピン偏極された電子の角運動量が第2磁性層16の磁化(スピン)に伝達されることにより、反転する。すなわち、電流が流れる向きに応じて、第2磁性層16の磁化の方向は、可変となる。尚、磁化反転電流とは、磁化の方向を反転させるための電流である。
これに対して、同様に電極11、17を介して第1磁性層14にも磁化反転電流が供給される。この場合、第1磁性層14の磁化の方向は、固定状態になっており、所定方向に維持されている。第1磁性層14の磁化の方向が「所定方向に維持」或いは「固定状態である」とは、外部から2電極間に供給された第2磁性層16の磁化反転電流が、第1磁性層14内を流れた場合に、流れる前と流れた後とを比べた時に第1磁性層14の磁化の方向が所定方向に保たれていることを意味する。
したがって、MTJ素子Aにおいて、外部から2電極11、17を介して供給された磁化反転電流の大きい磁性層が第1磁性層14として用いられ、且つ、第1磁性層14よりも2電極11、17を介して供給された磁化反転電流の小さい磁性層が第2磁性層16として用いられることによって、磁化の方向が可変の第2磁性層16と磁化の方向が維持された第1磁性層14とを含むMTJ素子Aが形成される。
スピン偏極された電子により磁化反転を引き起こす場合、その磁化反転電流の大きさは、磁性層のダンピング定数、保磁力、異方性磁界及び体積に比例するため、これらの値が適切に調整されることによって、第2磁性層16の磁化反転電流と第1磁性層14の磁化反転電流との間に差を設けることができる。
2電極11、17を介して供給された第2磁性層16の磁化反転電流がMTJ素子Aに供給された場合に、第2磁性層16の磁化の向きが電流の流れる向きに応じて変化し、第1磁性層14と第2磁性層16との相対的な磁化配列が変化する。これによって、MTJ素子Aは、高抵抗状態(磁化配列が反平行な状態)又は低抵抗状態(磁化配列が平行な状態)のいずれか一方の状態であるかによって、データを保持することができる。
(各層の材料)
下部電極11は、電気抵抗が低く、拡散耐性に優れた材料から形成されることが好ましい。下部電極11は、平坦な垂直磁化の磁性層を成長させるために、バッファ層としての機能を有していてもよい。下部電極11は、タンタル(Ta)、銅(Cu)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)等の金属層を含む積層構造を有している。
上部電極17に用いられる材料は、電気抵抗が低く、拡散耐性を有する材料であることが好ましい。上部電極17の材料には、例えば、Taが用いられる。
スペーサー層13には、ルテニウム(Ru)及びTaなどの金属から形成される。
第1磁性層14の材料に、例えば、FePd、FePt、CoPd、CoPt等のL1構造又はL1構造を持つ導電性の強磁性材料、CoFeBなど導電性の軟磁性材料、TbCoFe等の導電性のフェリ磁性材料が用いられる。第1磁性層14は、磁性材料(例えば、NiFe、Fe又はCoなど)と非磁性材料(Cu、Pd又はPtなど)とから形成される導電性の人工格子でもよい。
シフト調整層(シフト補正層、バイアス磁界層ともよばれる)12は、第2磁性層16に対する第1磁性層14からの磁界をゼロに近づけるために、第1磁性層14に隣接するように設けられている。シフト補正層12の磁化は、固定状態であり、シフト補正層の磁化の向きは、第1磁性層14の磁化の向きと反対に設定される。例えば、シフト調整層12は、第1磁性層14と同じ材料から形成される。
非磁性層15の材料に、酸化マグネシウム(MgO)、窒化マグネシウム(MgN)、酸化アルミニウム(Al)、窒化アルミニウム(AlN)、あるいは、それらの積層膜等の絶縁材料が用いられる。例えば、非磁性層15は、MgOを主成分とする絶縁膜から形成される。非磁性金属又は非磁性半導体が、非磁性層15に用いられてもよい。
第2磁性層16は、第4周期(原子番号19番から原子番号36番)の元素を含む磁性体から形成されている。例えば、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、及びコバルト(Co)からなるグループから選択される1以上の元素を主成分として含んでいる。ニッケル(Ni)が、磁性元素として、Mn、Fe及びCoの代わりに用いられてもよい。第2磁性層16は、Mn、Fe及びCoのうち少なくとも1つに加えて、ホウ素(B)を含んでいてもよい。 第2磁性層16は、例えば、CoFeBから形成される。
第1絶縁層18はHfNなどの絶縁体が用いられる。
第1導電層19は、例えばFe、Pd、Pt、Co等を1つ以上含む膜である。
第2絶縁層20は第3絶縁層21よりも物理エッチング耐性の高い絶縁体であり、例えばAlOなどが用いられる。
第3絶縁層21にはSiN、SiOなどの絶縁膜が用いられる。
中間層(図示せず)の材料は、CoFeBなどである。中間層を備えることで、磁性層と非磁性層15の 原子拡散防止等の特性向上を可能にする。
第2導電層(図示せず)の材料は、例えばTa、Ptなどである。第2導電層を備えることで、ハードマスク除去時や上部電極形成時のダメージ等から磁性層16を保護する事ができる。
下地層(図示せず)の材料は、例えばTa、Ru、Hfなどを含む導電体である。下地層を備えることで、シフト調整層13、磁性層14の結晶性を向上させる事が出来る。
(製造方法)
図2及び図3を用いて、第1の実施形態のMTJ素子Aの製造方法について説明する。 図2及び図3は、本実施形態のMTJ素子の製造方法の各工程を説明するための断面工程図である。
まず下部電極11上に、下部電極11側から順に、シフト調整層12、スペーサー層13、第1磁性層14、非磁性層15、第2磁性層16及びハードマスク23が、スパッタ法又はALD(Atomic Layer Deposition)法などを用いて、それぞれが堆積される。これによって、トップフリー型のMTJ素子を形成するための積層体(被加工層)1Zが形成される(図2(a))。
尚、図示していない中間層、第2導電層及び下地層を堆積させる場合にも、スパッタ法又はALD法などを用いる。
第2磁性層16の上面に設けられるハードマスク23は、リソグラフィ及びエッチングによって所定の形状(例えば、断面積S2(S2<S1)、高さdを持つ円柱状)のパターン23Aに加工され、第1磁性層14、第2磁性層16、シフト調整層12を含む積層体1Zを加工するためのマスクとして用いられるパターン23Aが、積層体1Zの上部に形成される(図2(b))。
パターン23Aをマスクに用いて、積層体1Zに対するイオンミリングが実行される。
積層体1Zを加工するためのイオンミリングは、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)及びキセノン(Xe)などの不活性ガスを用いたイオンミリングである。本実施形態において、積層体1Zは、Arを用いたイオンミリングによって加工される。尚、積層体1Zは、ガスクラスターイオンを用いたエッチングによって加工されてもよい。
イオンミリングにおける積層体1Zに対するイオン(イオンビーム)900の入射角度θは、例えば、積層体1Z内に含まれる被加工層の層面に対して垂直な方向を基準(0°)として、50°程度に設定される。
第1磁性層14の上面をストッパとして、イオンミリングが実行されることによって、図2(c)に示されるように、ハードマスク23のパターン23Aに対応した形状を有する第2磁性層16及び非磁性層15が、第1磁性層14上に形成される。
パターン23A、第2磁性層16及び非磁性層15を覆うように、所定の層の厚さT1(例えば、3nm)を有する第1絶縁層18が、形成される(図2(d))。
尚、第1絶縁層18は、イオンビームスパッタ、イオンプレーティング、真空蒸着、ALD法、又は、CVD法などの真空成膜技術を用いて形成されたのち、自然酸化もしくは酸素・窒素プラズマ等により絶縁化されてもよい。
第2磁性層16及び非磁性層15の側面の第1絶縁層18は、例えばHfN、WNなどから選択される1つの材料から形成される。
第1絶縁層18が形成された後にイオンミリングによって、非磁性層15の側面、第2磁性層16の側面及びパターン23Aの側面以外の第1絶縁層18を除去する。さらに、第1絶縁層18の側面に沿って再びイオンミリングを実行すると、所定の形状(例えば、シフト調整層12、スペーサー層13、第1磁性層14の断面積S1)の第1磁性層14、スペーサー層13、及びシフト調整層12が形成される。その際に、第1絶縁層18の側面を覆うように第1導電層19が形成される。(図2(e))
第1導電層19は、イオンミリングにより生じる残渣である。図2(e)のイオンミリングを実行する際、第1磁性層14由来の残渣が第1絶縁層18の側面を覆うように堆積し、第1導電層19を形成する。
図3(a)に示されるように、積層体の加工によって所定の形状(例えば、第1磁性層14の断面積S1)のMTJ素子が形成された後、ハードマスク23(パターン23A)は例えば酸素プラズマエッチングなどによって除去される。
シフト調整層12の側面、スペーサー層13の側面、第1磁性層14、第2磁性層16上面、第1絶縁層18、第1導電層19、を覆うように、所定の層の厚さT1(例えば、3nm)を有する第2絶縁層20が、形成される(図3(b))。この時、角度を付けて成膜する事で、第2磁性層16上の第2絶縁層20は第1導電層19の上面や側面にある第2絶縁層20よりも薄膜にできる。
尚、第2絶縁層20は、イオンビームスパッタ、イオンプレーティング、真空蒸着、ALD法、又は、CVD法などの真空成膜技術を用いて形成されたのち、自然酸化もしくは酸素・窒素プラズマ等により絶縁化されてもよい。
第2絶縁層20が形成されたのち、第3絶縁層21が、積層構造の第1絶縁層18を含むMTJ素子を覆うように、例えば、CVD法によって、堆積される(図3(c))。
図3(d)に示されるように、第3絶縁層21が形成された後、例えばイオンミリングによって、第3絶縁層21の上面が第2磁性層16の上面と同じかこれよりも下に位置するまで第3絶縁層21を除去する((図3(d))。この時、第2絶縁層20は第3絶縁層21よりもイオンミリング耐性が高いので、第1導電層19の上面や側面に残る。ただし、第2磁性層16上面に形成された第2絶縁層20の薄い部分は削られ、第2磁性層16が露出する。
第2磁性層16を露出させたのち、上部電極17を、例えばスパッタリング法によって第2磁性層16上、第2絶縁層20、及び第3絶縁層21上に形成する(図3(e))。
以上の製造工程によって、第1の実施形態のMTJ素子Aが、形成される。
ここで、従来の製法では第1磁性層14形成時の側面付着物に起因するショートが懸念されている。特に第1磁性層14にPt、Pdなどの絶縁化の難しい材料を用いた場合には大きな影響が出ると考えられる。第1磁性層14形成後に再付着物をイオンミリング等によって除去する工程はMTJ素子側面にイオンミリングによるダメージを与える可能性が高く、20nm以下の微小なMTJ素子では側面ダメージの影響を無視できない。また、第1磁性層14形成時のイオンミリングの条件によって再付着物が付かない様にコントロールするなどの方法では、ショートを完全に抑制する事は難しい。
第1の実施形態のMTJ素子Aは、第1導電層19の形成後に更に第2絶縁層20を形成する事で、MTJ素子にダメージを与えることなく、確実に第1導電層19と上部電極17との接触を防ぐ事が出来る。
第2絶縁層20は、第1導電層19と上部電極17との接触を防ぐように、第1導電層の少なくとも一部を覆うものであればよい。
第2の実施形態
以下、図4乃至図5を参照して、第2の実施形態のMTJ素子B及びその製造方法について説明する。
尚、本実施形態において、第1の実施形態と共通の構成要素に関する説明は、必要に応じて、行う。
図4を用いて、第2の実施形態のMTJ素子Bの構造について、説明する。
図1に示す第1の実施形態のMTJ素子Aでは、第2絶縁層20が第1導電層19に沿って設けられているが、図4に示されるように、第2の実施形態のMTJ素子Bは、第2絶縁層20が第3絶縁層21に沿って設けられ、突出した第1絶縁層18と第1導電層19を覆っている構造を有している。
図5を用いて、第2の実施形態のMTJ素子Bの製造方法について説明する。ここでは、図2も適宜用いて、本実施形態のMTJ素子Bの製造方法について説明する。
図5は、本実施形態のMTJ素子Bの製造方法の各工程を説明するための断面工程図である。
まず、第1の実施形態と同様に、図2の工程が行われる。
次に、図5を用いて工程を説明する。
積層体の加工によって所定の形状のMTJ素子が形成された後、第3絶縁層21が、積層構造の第1絶縁層18を含むMTJ素子を覆うように、例えば、CVD法によって、堆積される(図5(a))。
第3絶縁層21が形成された後、例えばイオンミリングによって、ハードマスク23と第2磁性層16の界面よりも第3絶縁層21が下になるまで第3絶縁層21を除去する(図5(b))。
尚、図5(b)によらず、第3絶縁層21を除去する際に、第3絶縁層21が磁性層16より上になるようにイオンミリングを行ってもよい。
第3絶縁層21を除去した後、ハードマスク23(パターン23A)は例えば酸素プラズマエッチングなどによって除去される(図5(c))。
第1導電層19、第3絶縁層21上面及びMTJ素子上面を覆うように、所定の層の厚さT1(例えば、3nm)を有する第2絶縁層20が、例えばスパッタリング法によって、形成される。この時、角度を付けて成膜する事で、第2磁性層16の第1導電層19は側面より薄膜となる(図5(d))。(例えば、1nm以下)
第2絶縁層20形成の後、例えばスパッタエッチングなどによって第2磁性層16の第2絶縁層20を除去する。この時、その他の部分に堆積された第2絶縁層20は層の厚さが厚いので完全には除去されずに残る(図5(e))。
第2磁性層16を露出させた後、上部電極17を、第2磁性層16の上面、第2絶縁層、及び第3絶縁層21上に、例えばスパッタリング法によって形成する(図5(f))。
以上の製造工程によって、第2の実施形態のMTJ素子Bが、形成される。
第1の実施形態と同様にMTJ素子にダメージを与えることなく、確実に第1導電層19と上部電極17との接触を防ぐ事が出来る。また、本実施形態のMTJ素子Bは第3絶縁層21の上面に沿って、第2絶縁層が形成されるため、製造過程がMTJ素子Aよりも簡便である。具体的には、MTJ素子Aは第1の実施形態では、第2絶縁層20の付いた状態で第3絶縁層21をイオンミリングにより、削ってMTJ素子上部を露出させる工程がある。第2絶縁層20は第3絶縁層21と比べてかなり硬いため、MTJ素子上部のくぼみ部分内部に付着した第3絶縁層21を削るのが難しい。一方で、第2の実施形態では、MTJ素子上部を露出させる工程後に第2絶縁層20を付けるので、第2絶縁層20の硬さに制限が無い。また、MTJ素子上部を露出させる工程の後にパターン23Aを除去するので、MTJ素子上部のくぼみ内には第3絶縁層21が形成されず、上記の様な懸念がなく、製造過程がMTJ素子Aよりも簡便である。
第3の実施形態
以下、図6乃至図7を参照して、第3の実施形態のMTJ素子C及びその製造方法について説明する。
尚、本実施形態において、第2の実施形態と共通の構成要素に関する説明は、必要に応じて、行う。
(構造)
図6を用いて、第3の実施形態のMTJ素子Cの構造について、説明する。
図4に示す第2の実施形態のMTJ素子Bと、第3の実施形態のMTJ素子Cの差異は、図6に示されるように、シフト調整層12、スペーサー層13、第1磁性層14、及び第1導電層19の側面を覆った第4絶縁層22を有している点である。すなわち、第4絶縁層22は第3絶縁層21にも接する構造を有している。また、第2方向において、第4絶縁層22はシフト調整層12、スペーサー層13、第1磁性層14、及び第1導電層19に対向しているともいえる。
第4絶縁層22の材料は、例えばSiNである。
(製造方法)
図7を用いて、第3の実施形態のMTJ素子Cの製造方法について説明する。ここでは、図2も適宜用いて、本実施形態のMTJ素子Cの製造方法について説明する。
図7は、本実施形態のMTJ素子の製造方法の各工程を説明するための断面工程図である。
まず、第2の実施形態と同様に、図2の工程が行われる。
図7を用いて工程を説明する。
積層体の加工によって所定の形状のMTJ素子が形成された後、第4絶縁層22が、MTJ素子を覆うように、例えば、CVD法によって、基板に堆積される(図7(a))。
次に第3絶縁層21が、MTJ素子を覆うように、例えば、スパッタリング法によって、基板に堆積される(図7(b))。
第3絶縁層21が形成された後、例えばイオンミリングによって、第3絶縁層21の上面が第2磁性層16の上面と同じかこれよりも下になるまで第3絶縁層21を除去する(図7(c))。 尚、図7(b)によらず、第3絶縁層21を除去する際に、第3絶縁層21が磁性層16より上になるようにイオンミリングを行ってもよい。
第3絶縁層21を除去した後、ハードマスク23(パターン23A)は例えば酸素プラズマエッチングなどによって除去される(図7(d))。
第1導電層19、第3絶縁層21上面及びMTJ素子上面を覆うように、所定の層の厚さT1(例えば、3nm)を有する第2絶縁層20が、例えばスパッタリング法によって、形成される。この時、角度を付けて成膜する事で、第2磁性層16の第1導電層19は側面より薄膜となる(図7(e))。(例えば、1nm以下)
第2絶縁層20形成の後、例えばスパッタエッチングなどによって第2磁性層16の絶縁層を除去する。この時、その他の部分に堆積された第2絶縁層20は層の厚さが厚いので完全には除去されずに残る(図7(f))。
第2磁性層16を露出させた後、上部電極17を、第2磁性層の上面、第2絶縁層20、及び第3絶縁層21上に、例えばスパッタリング法によって形成する(図7(g))。
以上の製造工程によって、第3の実施形態のMTJ素子Cが、形成される。
本実施形態のMTJ素子Cは、第1の実施形態と同様に、MTJ素子にダメージを与えることなく、第1導電層19と上部電極17との接触を防ぐ事が出来る。また、第2の実施形態と同様の理由により、第1の実施形態よりも簡便に製造できる。さらに、第3の実施形態では、第4絶縁層22をMTJ素子に備えることで、製造過程での自然酸化などの外的要因を防ぐことが可能である。
第4の実施形態
以下、図8乃至図9を参照して、第4の実施形態のMTJ素子B及びその製造方法について説明する。
尚、本実施形態において、第1の実施形態と共通の構成要素に関する説明は、必要に応じて、行う。
図8を用いて、第4の実施形態のMTJ素子Bの構造について、説明する。
図1に示す第1の実施形態のMTJ素子Aでは、第1絶縁層18が非磁性層15、第2磁性層16側面を覆う様に形成されているが、図9に示す第4の実施形態のMTJ素子Dは第1絶縁層18が第2磁性層16側面を覆っている。すなわち、第2方向において、第1絶縁層18は、非磁性層15とは対向せず、第2部分17bと第2磁性層16と対向している。
(製造方法)
図9を用いて、第4の実施形態のMTJ素子Dの製造方法について説明する。ここでは、図3も適宜用いて、本実施形態のMTJ素子Dの製造方法について説明する。
図9は、本実施形態のMTJ素子Dの製造方法の各工程を説明するための断面工程図である。
第1の実施形態と同様に、まず下部電極11上に、下部電極11側から順に、シフト調整層12、スペーサー層13、第1磁性層14、非磁性層15、第2磁性層16及びハードマスク23が、スパッタ法又はALD法などを用いて、それぞれが堆積される。これによって、トップフリー型のMTJ素子を形成するための積層体(被加工層)1Zが形成される(図9(a))。
尚、図示していない中間層、第2導電層及び下地層を堆積させる場合にも、スパッタ法又はALD法などを用いる。
第2磁性層16の上面に設けられるハードマスク23は、リソグラフィ及びエッチングによって所定の形状(例えば、断面積S2(S2<S1)、高さdを持つ円柱状)のパターン23Aに加工され、第1磁性層14、第2磁性層16、シフト調整層12を含む積層体1Zを加工するためのマスクとして用いられるパターン23Aが、積層体1Zの上部に形成される(図9(b))。
パターン23Aをマスクに用いて、積層体1Zに対するイオンミリングが実行される。
非磁性層15の上面をストッパとして、イオンミリングが実行されることによって、図 9(c)に示されるように、ハードマスク23のパターン23Aに対応した形状を有する第2磁性層16が、非磁性層15上に形成される。
パターン23A及び第2磁性層16を覆うように、所定の層の厚さT1(例えば、3nm)を有する第1絶縁層18が、形成される(図9(d))。
第1絶縁層18が形成された後にイオンミリングによって、第2磁性層16の側面及びパターン23Aの側面以外の第1絶縁層18を除去する。さらに、第1絶縁層18の側面に沿って再びイオンミリングを実行すると、所定の形状(例えば、シフト調整層12、スペーサー層13、第1磁性層14の断面積S1及び非磁性層15の断面積S1/2(S1>S1/2>S1))のシフト調整層12、スペーサー層13、第1磁性層14、及び非磁性層15が形成される。その際に、第1絶縁層18の側面と非磁性層15の側面を覆うように第1導電層19が形成される(図9(e))。
その後、第1の実施形態と同様に図3の工程が行われる。ただし、図3の工程は、非磁性層15の側面を第1導電層18が覆って配置されたままで行われる。すなわち、第1絶縁層18が非磁性層15の側面を覆わずに、図3の工程が行われる。
以上の製造工程によって、第4の実施形態のMTJ素子Dが、形成される。
非磁性層15にイオンミリング耐性の高い材料が使われる場合において、非磁性層15上面でイオンミリングを止める事は、第1の実施形態の第1磁性層14上面で止める事と比べて容易である。すなわち、製造過程がMTJ素子AよりもMTJ素子Dの方が、簡便に作製できる。
実施形態の適用例
上述の実施形態の適用例について、図10及び図11を用いて説明する。本実施形態のMTJ素子Aは、磁気メモリ、例えばMRAMのメモリ素子として、用いられる。本適用例において、STT―MRAM(Spin-torque transfer MRAM)が例示される。
(適用例の基本構成)
図10に示されるように、本適用例のSTT―MRAMは、MTJ素子A、カラム制御回路3A、3B、ロウ制御回路4、書き込み回路5A、5B、及び読み出し回路6Aを含む。
メモリセルアレイMCAは、複数のメモリセルMCを含む。複数のメモリセルMCは、メモリセルアレイMCA内にアレイ状に配置される。複数のメモリセルMCは、メモリセルアレイMCA内に延びる複数のビット線BL、bBLはカラム方向に延び、ワード線WLに接続される。ビット線BL、bBLはカラム方向に延び、ワード線WLはロウ方向に延びる。2本のビット線BL、bBLは1組のビット線対を形成している。
メモリセルMCは、1つのMTJ素子Aと、1つの選択トランジスタ2とを含む。選択トランジスタ2は、例えば電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor)である。
MTJ素子Aの一端は、ビット線BLに接続され、MTJ素子Aの他端は、選択トランジスタ2の電流経路の一端(ソース/ドレイン)に接続される。選択トランジスタ2の電流経路の他端(ドレイン/ソース)は、ビット線bBLに接続される。選択トランジスタ2の制御端子(ゲート)は、ワード線WLに接続される。
以上により、カラム方向に配列される複数のメモリセルMCは、共通のビット線対(BL,bBL)に接続される。
ビット線BL、bBLの一端及び他端には、カラム制御回路3A、3Bが接続される。カラム制御回路3A、3Bは、外部からのアドレス信号に基づいて、ビット線BL、bBLの活性化及び非活性化を制御する。ワード線WLの一端は、ロウ制御回路4に接続される。ロウ制御回路4には、外部からのアドレス信号に基づいてワード線WLの活性化及び非活性化を制御する。
書き込み回路5A、5Bは、カラム制御回路3A、3Bをそれぞれ介して、ビット線BL、bBLの一端及び他端に接続される。書き込み回路5A、5Bは、書き込み電流IWRを生成する電流源や電圧源などのソース回路、書き込み電流IWRを吸収するシンク回路を、それぞれ有する。
読み出し回路6Aは、カラム制御回路3Aを介して、ビット線BL、bBLに接続される。読み出し回路6Aは、読み出し電流を発生する電圧源または電流源、読み出し信号の検知及び増幅を行うセンスアンプ、及びデータを一時的に保持するラッチ回路などを含んでいる。
MTJ素子Aに対するデータの書き込み時、メモリセルMCに対して、書き込み電流を供給する。
書き込み回路5A、5Bは、MTJ素子Aに対するデータの書き込み時、メモリセルMCに書き込まれるデータに応じて、書き込み電流IWRをメモリセルMC内のMTJ素子Aに双方向に流す。すなわち、MTJ素子Aに書き込むデータに応じて、ビット線BLからビット線bBLに向かう書き込み電流IWR、或いはビット線bBLからビット線BLに向かう書き込み電流IWRが、書き込み回路5A、5Bから出力される。
読み出し回路6Aは、MTJ素子Aに対するデータの読み出し時、メモリセルMCに対して、読み出し電流を供給する。
書き込み電流IWRの電流値は磁化反転閾値より大きく設定される。読み出し電流の電流値は読み出し電流によってMTJ素子Aの記憶層の磁化が反転しないよう、磁化反転閾値より小さく設定される。
読み出し電流が供給されたMTJ素子Aの抵抗値の大きさに応じて電流値または電位が異なる。この抵抗値の大きさに応じた変動量(読み出し信号、読み出し出力)に基づいて、MTJ素子Aが記憶するデータが判別される。
上記構成要素のほか、メモリセルMC内のMTJ素子Aは、例えば上述の実施形態にかかるMTJ素子Aは、MTJ素子Bでも、MTJ素子Cでも、MTJ素子Dでもよい。また、メモリセルアレイMCAと同じチップ内に、例えばバッファ回路、ステートマシン(制御回路)、または、ECC(Err Checking and Correcting)回路などが設けられてもよい。さらに、図10及び図11の例によらず、STT−MRAMにおいて、2つの読み出し回路6AがメモリセルアレイMCAのカラム方向の一端及び他端にそれぞれ設けられてもよい。
(メモリセルの構造)
図11において、メモリセルMCは、半導体基板30のアクティブ領域内に形成される。アクティブ領域は、半導体基板30の素子分離領域に埋め込まれた絶縁膜31によって、区画されている。半導体基板30上は、第3絶縁層21A、21B、21Cによって覆われている。
MTJ素子Aは、第3絶縁層21C内に設けられている。
MTJ素子Aの上端は、上部電極17を介してビット線BLに接続される。また、MTJ素子Aの下端は、第3絶縁層21A、21B内に埋め込まれたコンタクト配線BECを介して、選択トランジスタ2のソース/ドレイン拡散層34Bに接続される。選択トランジスタ2のソース/ドレイン拡散層34Aは、第3絶縁層21A内のコンタクト配線bBECを介してビット線bBLに接続される。
選択トランジスタ2は、プレーナ構造の電界効果トランジスタとして構成される。すなわち、選択トランジスタ2は、ソース/ドレイン拡散層21A、及びソース/ドレイン拡散層21B間のアクティブ領域AA上にゲート絶縁膜32を介して、ゲート電極33を有する。ゲート電極33は、ロウ方向に延び、ワード線WLとして用いられる。
上記の他に、第3絶縁層21C内に設けられるMTJ素子Aは、MTJ素子B、MTJ素子Cであってもよい。
また、図9の例によらず、MTJ素子Aはコンタクト配線BECの直上からずれた位置に配置されてもよい。具体的には、MTJ素子Aは例えば中間配線層を用い、選択トランジスタ2のゲート電極33上などに配置されてもよい。
さらに、選択トランジスタ2は、3次元構造の電界効果トラジスタであってもよい。3次元構造の電界効果トランジスタとしては、例えばRCAT(Recess Channel Array Transistor)やFinFETなどがある。RCATは、ゲート電極が、半導体領域内の溝内にゲート絶縁膜を介して埋め込まれた構造を有する。FinFETはゲート電極33が、短冊状の半導体領域にゲート絶縁膜を介して立体交差した構造を有する。
図11の例によらず、2つのメモリセルMCがカラム方向に隣接して1つのアクティブ領域内に設けられてもよい。この場合、2つのメモリセルMCは、1つのビット線bBL及びソース/ドレイン拡散層34Aを共有するように設けられている。これによって、メモリセルMCのセルサイズが縮小される。
例えば本実施形態に係る磁気抵抗効果素子がメモリセルアレイに実装された場合、メモリセルアレイ中の磁気抵抗効果素子は第1磁性層14と導電層19が接しないものも含まれる。形成プロセスにおいて第1磁性層14と導電層19は接しショートパスを起こす可能性があるため、保険として第2絶縁層20が設けられている。したがって、本実施形態に係る磁気抵抗効果素子は、第1磁性層14と導電層19が接しない磁気抵抗効果素子も本発明の範囲に含まれる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、説明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
2・・・選択トランジスタ、3・・・カラム制御回路、4・・・ロウ制御回路、5・・・書き込み回路、6・・・読み出し回路、11・・・下部電極、12・・・シフト調整層、13・・・スペーサー層、14・・・第1磁性層、15・・・非磁性層、16・・・第2磁性層、17・・・上部電極、18・・・第1絶縁層、19・・・第1導電層、20・・・第2絶縁層、21・・・第3絶縁層、22・・・第4絶縁層、30・・・半導体基板、31・・・絶縁膜、32・・・ゲート絶縁膜、33・・・ゲート電極、34・・・ソース/ドレイン拡散層

Claims (14)

  1. 第1磁性層と、
    前記第1磁性層上に設けられた非磁性層と、
    前記非磁性層上に設けられた第2磁性層と、
    前記第2磁性層側方に設けられた第1絶縁層と、
    前記第1絶縁層の少なくとも一部を覆う第2絶縁層と、
    前記第1絶縁層と前記第2絶縁層との間に存在する導電層と、
    前記第2磁性層上の第1部分と前記第2絶縁層側方の第2部分とを含む第1電極と、
    を具備し、
    前記第2部分の下面の高さは前記導電層の上端部の高さ以下である磁気抵抗効果素子。
  2. 前記第1絶縁層の上端部が第2磁性層の上面より上に位置する請求項1記載の磁気抵抗効果素子。
  3. 前記第2絶縁層は、前記第1磁性層側方及び前記導電層を覆う請求項1及び2記載の磁気抵抗効果素子。
  4. 第1磁性層と、
    第2磁性層と、
    前記第1磁性層と前記第2磁性層との間に設けられた非磁性層と、
    前記第1磁性層から前記第2磁性層に向かう第1方向に対して交差する第2方向において少なくとも前記第2磁性層と対向する部分を含む第1絶縁層と、
    前記第2方向において前記第1絶縁層と対向する部分を含む第2絶縁層と、
    前記第1絶縁層と前記第2絶縁層との間に存在する導電層と、
    前記第1方向において前記第2磁性層と対向する第1部分と前記第2方向において前記第2絶縁層と対向する第2部分とを含む電極と、を具備し、
    前記第2方向において、前記第2部分及び前記導電層の間に前記第2絶縁層の少なくとも一部が設けられた磁気抵抗効果素子。
  5. 前記第1絶縁層は、前記第2方向において前記第1部分と対向する部分を含む請求項4記載の磁気抵抗効果素子。
  6. 前記第2絶縁層は、前記導電層及び前記第2方向において前記第1磁性層を覆う請求項4及び5記載の磁気抵抗効果素子。
  7. 第1磁性層と、
    第1部分及び前記第1磁性層から前記第1部分に向かう第1方向に対して交差する面に沿う方向において前記第1部分を囲んだ第2部分を含む電極と、
    前記第1磁性層及び前記第1部分の間に設けられた非磁性層と、
    前記第1部分及び前記非磁性層の間に設けられた第2磁性層と、
    前記第1方向に対して交差する面に沿う方向において前記第2磁性層を囲んだ第1絶縁層と、
    前記第1方向に対して交差する面に沿う方向において前記第1絶縁層を囲んだ第2絶縁層と、
    前記第1絶縁層と前記第2絶縁層との間に存在する第1導電層と、
    を具備し、
    前記第1方向に対して交差する面に沿う方向において前記第2部分及び前記第1導電層の間に前記第2絶縁層の少なくとも一部が設けられた磁気抵抗効果素子。
  8. 前記導電層は、前記第1磁性層と接する請求項1乃至7のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子。
  9. 前記第1絶縁層は、前記非磁性層を覆う請求項1乃至8のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子。
  10. 前記第2絶縁層は、前記第2部分を覆う請求項1、2、4、5、7、8、9のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子。
  11. 前記導電層は、前記第1磁性層が含む複数の元素のうちの少なくとも1つの元素を含む請求項1乃至10のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子。
  12. 前記第2絶縁層の周囲に第3絶縁層を含む請求項1乃至11のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子。
  13. 複数のメモリセルを備え、前記複数のメモリセルの少なくとも1つは、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子を含む磁気メモリ。
  14. 第1磁性層を形成する工程と、
    第1磁性層上に非磁性層を形成する工程と、
    前記非磁性層上に第2磁性層を形成する工程と、
    前記第2磁性層側方に第1絶縁層を形成する工程と、
    前記第1磁性層を加工するとともに前記第1絶縁層の側面に導電層を形成する工程と、
    前記第1導電層の少なくとも一部を覆う第2絶縁層を形成する工程と、
    前記第2磁性層上の第1部分と前記第2絶縁層側方の第2部分を含み、前記第2部分の下面の高さは前記導電層の上端部の高さ以下である電極を形成する工程と、を含む磁気抵抗効果素子の製造方法。
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