JP2009196847A - ガラス成形体の製造方法 - Google Patents

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将也 木下
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Abstract

【課題】複雑な条件設定を必要とせず、液滴成形法によって高い形状精度を有するガラス成形体を製造する方法を提供する。
【解決手段】下型に溶融ガラス滴を滴下する滴下工程と、下型と上型とで、滴下した溶融ガラス滴を加圧成形する加圧工程とを有する。加圧工程は、第1加圧工程と、第1加圧工程の後に行われる第2加圧工程とを有し、第1加圧工程におけるプレス荷重よりも、第2加圧工程におけるプレス荷重の方が大きい。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学素子等として用いるガラス成形体の製造方法に関する。
デジタルカメラ用レンズ、DVD等の光ピックアップレンズ、携帯電話用カメラレンズ、光通信用のカップリングレンズなど、種々の光学デバイス用の光学素子として、ガラス素材を成形金型で加圧成形して製造したガラス成形体が多く用いられている。このような光学素子として用いられるガラス成形体は、近年の光学製品の小型化、高精度化に伴って、ますます高いレベルのものが要求されるようになってきている。
このようなガラス成形体の製造方法の1つとして、予め所定質量及び形状を有するガラスプリフォームを作製し、該ガラスプリフォームを成形金型とともに加熱して加圧成形する方法(以下、「リヒートプレス法」ともいう)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の記載によれば、冷却過程でのプレス工程にて、型の温度と軸位置とを、プレス圧力(荷重)を決定する条件として、型に加えるプレス圧力(荷重)を制御することにより、ガラス素材(ガラスプリフォーム)の質量差などから起こるガラス成形体の形状バラツキを抑制することができるとされている。しかし、リヒートプレス法においては、1回の成形を行う度に金型及びガラスプリフォームの加熱と冷却とを繰り返す必要があり、1回の成形に要する時間が非常に長くなってしまうという問題があった。
一方、ガラス成形体の別の製造方法として、溶融ガラス滴の温度よりも低い所定温度に保持した成形金型の上に溶融ガラス滴を滴下して、滴下した溶融ガラス滴が冷却・固化する前に成形金型にて加圧成形する方法(以下、「液滴成形法」ともいう。)が知られている(例えば、特許文献2、3参照)。この方法は成形金型等の加熱と冷却を繰り返す必要がなく、溶融ガラス滴から直接ガラス成形体を製造することができるので、1回の成形に要する時間を非常に短くできることから注目されている。
また、特許文献3には、上型と下型との距離が光学素子の所定厚みに相当する距離に達する前に、上型及び下型がガラス滴に適用する圧力(荷重)をガラス滴の変形がほとんど起こらない程度の微小な値に保持することで、形状精度を向上させる方法が記載されている。
特開2001−80924号公報 特開2007−186358号公報 特開2002−234740号公報
しかしながら、液滴成形法は、上述の通り、溶融ガラス滴よりも低い所定温度に保持した成形金型に、高温で溶融状態のガラス滴を滴下し、滴下した溶融ガラス滴が冷却・固化する前に加圧成形する方法である。そのため、溶融ガラス滴の温度は、成形金型との接触面からの放熱によって急速に低下するのみであり、加圧中のガラスの温度を人為的に正確に制御することは非常に困難である。
このような特徴を有する液滴成形法において、高い形状精度を得るために重要なパラメータの1つにプレス荷重がある。一般的に、転写面の形状精度を向上させるためには、プレス荷重はできるだけ大きく設定することが好ましい。しかし、プレス荷重を大きく設定した場合には、プレス開始タイミング(溶融ガラス滴を下型に滴下してから、上型と下型とによる加圧開始までの時間)が早いときには、ガラス成形体の厚みが薄くなりすぎ、また、ガラスが金型に融着しやすくなる。一方、プレス開始タイミングが遅いときには、ガラスの周辺部が先に冷却されて変形しにくくなることから、中心部の転写面の形状精度が悪化し、また、周辺部にワレ等の欠陥が発生しやすくなる。
そのため、実際には、プレス荷重を十分に大きく設定することができず、製造するガラス成形体の大きさや形状、厚み等によっては要求精度を確保できない場合があるという問題があった。
また、特許文献3に記載の方法によれば、ガラスの中心部と外周部の温度差を小さくすることができ、ヒケ(局部的な熱収縮による形状不良)の発生を防止して形状精度を向上させる効果が得られる。しかし、下型に滴下した溶融ガラス滴の冷却速度は非常に速いために、十分な効果の得られる条件幅が小さく、条件設定のために多くの時間と労力を要するという問題があった。
本発明は上記のような技術的課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、複雑な条件設定を必要とせず、液滴成形法によって高い形状精度を有するガラス成形体を製造する方法を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有するものである。
(1)下型に溶融ガラス滴を滴下する滴下工程と、
前記下型と上型とで、滴下した前記溶融ガラス滴を加圧成形する加圧工程と、を有するガラス成形体の製造方法において、
前記加圧工程は、第1加圧工程と、該第1加圧工程の後に行われる第2加圧工程とを有し、
前記第1加圧工程におけるプレス荷重よりも、前記第2加圧工程におけるプレス荷重の方が大きいことを特徴とするガラス成形体の製造方法。
(2)前記第1加圧工程から前記第2加圧工程への切替は、加圧成形されるガラスの厚みが、所定の厚みになった時点で行うことを特徴とする(1)に記載のガラス成形体の製造方法。
(3)前記第1加圧工程から前記第2加圧工程への切替は、前記第1加圧工程の開始から所定の時間が経過した時点で行うことを特徴とする(1)に記載のガラス成形体の製造方法。
(4)前記加圧工程は、前記第2加圧工程の後に、前記第2加圧工程よりもプレス荷重の小さい第3加圧工程を有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載のガラス成形体の製造方法。
本発明において、溶融ガラス滴を加圧成形する加圧工程は、第1加圧工程と、該第1加圧工程の後に行われる第2加圧工程とを有し、第1加圧工程におけるプレス荷重よりも、第2加圧工程におけるプレス荷重の方が大きいため、ガラスが最終的に固化する段階におけるプレス荷重を十分に大きく設定することができる。従って、複雑な条件設定を必要とせず、液滴成形法によって高い形状精度を有するガラス成形体を製造することができる。
以下、本発明の実施の形態について図1〜図6を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明のガラス成形体の製造方法の1例を示すフローチャートである。また、図2及び図3は、本実施形態で用いるガラス成形体の製造装置の1例を示す模式図であり、図2は滴下工程における状態を、図3は加圧工程における状態を、それぞれ示している。図4及び図5は、加圧工程におけるプレス荷重の変化を示すグラフである。また、図6は、本実施形態で用いるガラス成形体の製造装置の別の例を示す模式図であり、滴下工程における状態を示している。
先ず、本実施形態で用いるガラス成形体の製造装置10の構成について、図2及び図3を用いて説明する。ガラス成形体の製造装置10は、溶融ガラス22を貯留する溶融槽21、溶融槽21の下部に接続された滴下ノズル23、溶融ガラス滴20を受けるための下型11、下型11と共に溶融ガラス滴20を加圧する上型12を有している。
下型11は、図示しない駆動手段により、滴下ノズル23の下方で溶融ガラス滴20を受けるための位置(滴下位置P1)と、上型12と対向して溶融ガラス滴20を加圧成形するための位置(加圧位置P2)との間で移動可能に構成されている。
上型12は、サーボモータ15及びボールネジ14によって上下方向に移動可能に構成されている。サーボモータ15の動作はサーボドライバ16によって制御される。サーボドライバ16によってサーボモータ15を制御する方法として、上型12の位置を制御するモード(位置制御モード)と、上型12に負荷される荷重を制御するモード(荷重制御モード)とがある。これら2つの制御モードを切り替え可能に構成しておくことが好ましい。
なお、本発明において、加圧成形のために上型12を駆動する駆動手段は、サーボモータ15に限定されるものではなく、エアシリンダ、油圧シリンダ、リニアモータ、ステッピングモータなどの公知の駆動手段を適宜選択して用いることができる。
また、上型12の側方には、下型11と上型12とが所定の間隔となったこと、即ち、加圧成形されているガラスの厚みが所定の厚みとなったことを検出するための位置検出器17が配置されている。位置検出器17で検出された位置情報はサーボドライバ16に送られる。
本実施形態においては、上型12のみが加圧方向に移動する構成としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、上型12は固定しておき、下型11のみが加圧方向に移動する構成としてもよいし、下型11と上型12の両方を移動型としてもよい。
下型11及び上型12の材料は、耐熱合金(ステンレス等)、炭化タングステンを主成分とする超硬材料、各種セラミックス(炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム等)、カーボンを含む複合材料など、ガラス成形体を加圧成形するための成形金型として公知の材料の中から適宜選択して用いることができる。下型11及び上型12を同一の材料で構成してもよいし、それぞれ別の材料で構成してもよい。
また、下型11の耐久性向上や溶融ガラス滴20との融着防止などのため、表面に被覆層を設けておくことも好ましい。被覆層の材料にも特に制限はなく、例えば、種々の金属(クロム、アルミニウム、チタン等)、窒化物(窒化クロム、窒化アルミニウム、窒化チタン、窒化硼素等)、酸化物(酸化クロム、酸化アルミニウム、酸化チタン等)等を用いることができる。被覆層の成膜方法にも制限はなく、公知の成膜方法の中から適宜選択して用いればよい。例えば、真空蒸着、スパッタ、CVD等が挙げられる。
下型11及び上型12は、図示しない加熱手段によって所定温度に加熱できるように構成されている。加熱手段としては、公知の加熱手段を適宜選択して用いることができる。例えば、被加熱部材の内部に埋め込んで使用するカートリッジヒーターや、被加熱部材の外側に接触させて使用するシート状のヒーター、赤外線加熱装置、高周波誘導加熱装置等を用いることができる。
次に、図1に示すフローチャートに従い、本発明のガラス成形体の製造方法の各工程について順を追って説明する。
先ず、下型11及び上型12をそれぞれ所定温度に加熱する(工程S11)。所定温度とは、ガラス成形体25に良好な転写面を形成できる温度であればよい。一般的に、下型11や上型12の温度が低すぎると高精度な転写面を形成することが困難になってくる。逆に、必要以上に温度を高くしすぎることは、ガラスとの融着が発生しやすくなったり、下型11及び上型12の寿命が短くなったりするおそれがあるため好ましくない。通常は、加圧成形するガラスのガラス転移点温度をTgとしたとき、Tg−100℃からTg+100℃の範囲の温度に設定する。実際には、ガラスの種類、ガラス成形体の形状や大きさ、下型11や上型12の材料、保護膜の種類など種々の条件によって適正な温度が異なるため、実験的に適正な温度を求めておくことが好ましい。下型11と上型12の加熱温度は同じ温度であってもよいし、異なる温度であってもよい。
本実施形態においては、下型11及び上型12をそれぞれ所定温度に加熱した後、溶融ガラス滴20を滴下して加圧成形することから、下型11及び上型12の加熱温度を一定に保ったまま一連の工程を行うことができる。更に、下型11及び上型12の加熱温度を一定に保ったまま、複数のガラス成形体25を繰り返し製造することもできる。従って、1つのガラス成形体25を製造する毎に下型11及び上型12の昇温と冷却を繰り返す必要がないことから、極めて短時間で効率よく光学素子を製造することができる。
ここで、下型11及び上型12の加熱温度を一定に保つというのは、下型11及び上型12を加熱するための温度制御における目標設定温度を一定に保つという意味である。従って、各工程実施中における溶融ガラス滴20との接触等による温度変動を防止しようとするものではなく、かかる温度変動については許容される。
次に、下型11を滴下位置P1に移動し(工程S12)、下型11に溶融ガラス滴20を滴下させる(滴下工程S13)(図2参照)。
溶融槽21は図示しないヒーターによって加熱され、内部に溶融ガラス22が貯留されている。溶融槽21の下部には滴下ノズル23が設けられており、溶融ガラス22が自重によって滴下ノズル23の内部に設けられた流路を通過し、表面張力によって先端部に溜まる。滴下ノズル23の先端部に一定質量の溶融ガラスが溜まると、滴下ノズル23の先端部から自然に分離して、一定質量の溶融ガラス滴20が下方に滴下する。
滴下する溶融ガラス滴20の質量は滴下ノズル23の先端部の外径や加熱温度などによって調整可能であり、ガラスの種類等によるが、0.1gから2g程度の溶融ガラス滴20を滴下させることができる。また、滴下ノズル23の内径、長さ、加熱温度などによって溶融ガラス滴20の滴下間隔を調整することができる。従って、これらの条件を適切に設定することで、所望の質量の溶融ガラス滴20を所望の間隔で滴下させることが可能である。
更に、溶融ガラス滴20を滴下ノズル23から下型11に直接滴下させるのではなく、図6に示すように、貫通細孔19を設けた体積調整部材18によって微小化した微小滴24を下型11に滴下させてもよい。滴下ノズル23から滴下した溶融ガラス滴20が、体積調整部材18に衝突すると、衝突した溶融ガラス滴20の一部が微小滴24となって貫通細孔19を通過し、下方に配置された下型11に滴下する。この方法によって、例えば1mm3〜100mm3といった微小なガラス成形体の製造が可能となる。また、貫通細孔19の直径を変更することによって、滴下ノズル23を交換することなく溶融ガラス滴の体積を調整することができ、多種のガラス成形体を効率よく製造することができるため好ましい。この方法は、特開2002−154834号公報に詳細に記載されている。
使用できるガラスの種類に特に制限はなく、公知のガラスを用途に応じて選択して用いることができる。例えば、ホウケイ酸塩ガラス、ケイ酸塩ガラス、リン酸ガラス、ランタン系ガラス等の光学ガラスが挙げられる。
次に、下型11を加圧位置P2に移動し(工程S14)、上型12を下方に駆動して溶融ガラス滴20を加圧成形する(加圧工程S15)(図3参照)。本実施形態において、加圧工程S15は、第1加圧工程S151及び第2加圧工程S152の2つの工程を有している。
図4は、本実施形態の加圧工程におけるプレス荷重の変化を示すグラフであり、横軸は時間、縦軸はプレス荷重を示している。第1加圧工程S151(時間t1からt2まで)におけるプレス荷重はW1、第2加圧工程S152(時間t2からt3まで)におけるプレス荷重はW2であり、W1よりもW2の方が大きい。
上述のように、ガラス成形体の形状精度を高めるために加圧工程の開始時から大きなプレス荷重を加えると、プレス開始タイミングが早いときには、ガラス成形体の厚みが薄くなりすぎ、また、ガラスが金型に融着しやすくなる。一方、プレス開始タイミングが遅いときには、ガラスの周辺部が先に冷却されて変形しにくくなることから、中心部の転写面の形状精度が悪化し、また、周辺部にワレ等の欠陥が発生しやすくなる。そのため、プレス荷重を十分に大きく設定することができず、高い形状精度を有するガラス成形体を得ることができないという問題があった。
本発明者は、鋭意検討の結果、ガラスが冷却され、最終的に固化する段階におけるプレス荷重を十分に大きくすることで、高い形状精度を有するガラス成形体が得られることを突き止めた。本実施形態の加圧工程S15は、第1加圧工程S151及び第2加圧工程S152の2つの工程を有しており、第1加圧工程S151におけるプレス荷重W1よりも、第2加圧工程S152におけるプレス荷重W2の方が大きくなるように加圧することから、ガラスが最終的に固化する段階におけるプレス荷重を十分に大きく設定することができる。従って、複雑な条件設定を必要とせず、液滴成形法によって高い形状精度を有するガラス成形体を製造することができる。
本発明の効果を得るためには、W2がW1よりも大きい設定であればよいが、W2が1.2×W1よりも小さいと効果が十分ではない場合があり、また、W2が5×W1よりも大きいと、第1加圧工程S151から第2加圧工程S152に切り替わる際の衝撃が大きくなって形状精度に悪影響を及ぼす場合がある。そのため、W2は、1.2×W1〜5×W1の範囲であることがより好ましい。
なお、各工程の間、プレス荷重が均一である必要はなく、プレス荷重を時間的に変化させてもよい。その場合、第1加圧工程S151から第2加圧工程S152に切り替わる際のプレス荷重が、上記範囲であることが好ましい。
第1加圧工程S151から第2加圧工程S152への切り替えは、加圧成形されるガラスの厚みが所定の厚みになった時点で行ってもよいし、また、第1加圧工程S151の開始から所定の時間が経過した時点で行ってもよい。
第1加圧工程S151から第2加圧工程S152への切り替えを、加圧成形されるガラスの厚みが所定の厚みになった時点で行う場合、ガラス成形体の厚みバラツキを小さくできるというメリットがある。この場合、第1加圧工程S151は、位置制御モードでサーボモータ15を制御し、第2加圧工程S152は、荷重制御モードでサーボモータ15を制御することが好ましい。また、図3に示すように、位置検出器17から送られた位置情報に基づいてサーボモータ15の動作を制御することで、ガラス成形体の厚みバラツキをより小さく抑えることができる。
また、第1加圧工程S151から第2加圧工程S152への切り替えを、第1加圧工程S151の開始から所定の時間が経過した時点で行う場合、いずれの工程も荷重制御モードによってサーボモータ15を制御すればよいため、制御システムを単純化することができ、簡易な構成で高精度なガラス成形体を得ることができるというメリットがある。
なお、第1加圧工程S151の前や、第2加圧工程の後に、別の工程を有していてもよい。また、第1加圧工程S151と第2加圧工程S152の間に、プレス荷重の異なる別の工程を有していてもよい。
図5は、別の実施形態におけるプレス荷重の変化を示すグラフである。横軸は時間、縦軸はプレス荷重を示している。この実施形態では、第2加圧工程S152の後に、第3加圧工程S153(時間t3からt4まで)を有しており、第3加圧工程S153におけるプレス荷重W3は、第2加圧工程S152におけるプレス荷重W2よりも小さい。
第2加圧工程S152が終了した後、すぐに荷重を0にして下型11と上型12の間隔を開けると、下型11又は上型12にガラス成形体25が張り付きやすく、場合によってはガラスの小片が付着してしまう場合がある。本実施形態のように、第2加圧工程S152の後に、第2加圧工程S152よりもプレス荷重の小さい第3加圧工程を設けることで、このようなガラスの付着を効果的に防止することができる。ガラスの付着を効果的に防止するという観点からは、第3加圧工程S153におけるプレス荷重W3は、0.1×W2〜0.5×W2の範囲とすることが特に好ましい。
溶融ガラス滴20は、加圧工程S15の間、下型11や上型12との接触によって冷却・固化してガラス成形体25となる。ガラス成形体25が、加圧を解除しても形成された転写面の形状が崩れない温度にまで冷却された後、加圧を解除する。ガラスの種類や、ガラス成形体の大きさや形状、必要な精度等によるが、通常はガラスのTg近傍の温度まで冷却されていればよい。
最後に、上型12を上方に移動して退避させ、固化したガラス成形体25を回収し(工程S16)、ガラス成形体25の製造が終了する。その後、引き続いてガラス成形体の製造を行う場合は、下型11を再び滴下位置P1に移動し(工程S12)、以降の工程を繰り返せばよい。
なお、本発明のガラス成形体の製造方法は、ここで説明した以外の別の工程を含んでいてもよい。例えば、ガラス成形体25を回収する前にガラス成形体25の形状を検査する工程や、ガラス成形体25を回収した後に下型11や上型12をクリーニングする工程等を有していてもよい。
本発明の製造方法により製造されたガラス成形体は、デジタルカメラ等の撮像レンズ、DVD等の光ピックアップレンズ、光通信用のカップリングレンズ等の各種光学素子として用いることができる。また、リヒートプレス法によって光学素子を製造するためのガラスプリフォームとして用いることもできる。
(実施例1)
図2、図3に示したガラス成形体の製造装置10を用いて、図1に示したフローチャートに従ってガラス成形体25を製造した。
製造するガラス成形体25は、外径がφ4mm、中心の厚みが2.1mmの両凸球面レンズとした。ガラス材料はTgが530℃のリン酸系ガラスを用い、外径がφ6mmの白金製の滴下ノズル23から下型11に滴下した。下型11及び上型12の材料には、いずれも炭化タングステンを主成分とする超硬材料を用いた。工程S11における加熱温度は、上型12が490℃、下型11が570℃とした。
加圧工程S15は、第1加圧工程S151と第2加圧工程S152からなり、いずれも荷重制御モードでサーボモータ15を制御した。第1加圧工程S151におけるプレス荷重W1は300N、第2加圧工程S152におけるプレス荷重W2は900Nとした。また、第1加圧工程S151から第2加圧工程S152への切り替えは、第1加圧工程S151の開始から5秒が経過した時点で行った。滴下から第1加圧工程S151の開始までの時間(プレス開始タイミング)は15秒、第2加圧工程S152の加圧時間は12秒とした。
第2加圧工程S152の終了後、上型12を上方に退避させ、真空吸着によりガラス成形体25の回収を行った。その後、工程S12から工程S16までを同様に繰り返して合計30個のガラス成形体25を製造した。
得られた30個のガラス成形体25について、転写面の形状精度の評価を行った。転写面の形状精度の評価は、テーラーホブソン株式会社製の表面形状測定器PGI840を用いて、球面からのずれ量の最大値を求めた。また、50倍の顕微鏡を用いて、ガラス成形体25の周辺部のワレの有無を確認した。更に、使用後の下型11と上型12の表面を観察し、20μm以上のガラスの付着物の個数を調査した。製造条件と評価結果を表1に示す。
Figure 2009196847
(実施例2)
実施例1と異なり、第1加圧工程S151は、位置制御モードでサーボモータ15の制御を行い、第1加圧工程S151から第2加圧工程S152への切り替えは、加圧成形されるガラス成形体25の中心部の厚みが2.2mmになった時点で行った。第1加圧工程S151の終了直前の時点におけるプレス荷重W1は370N、第2加圧工程S152におけるプレス荷重W2は900Nであった。なお、プレス荷重W1及びW2は、下型11の下部に配置した荷重センサによる測定値である。その他の条件は実施例1と同様とした。
実施例1と同様に30個のガラス成形体25の製造と評価を行った。評価結果を表1に併せて示す。
(実施例3)
第2加圧工程S152までを実施例1と同じ条件で実施した後、第3加圧工程S153を実施してからガラス成形体25の回収を行う方法で、合計30個のガラス成形体25の製造と評価を行った。第3加圧工程S153は、荷重制御モードでサーボモータ15を制御し、プレス荷重W3は250Nとした。評価結果を表1に併せて示す。
(比較例1)
第2加圧工程S152におけるプレス荷重W2を300Nとした以外は、実施例1と同様の条件で30個のガラス成形体25を製造した。ガラス成形体25の中心の厚みを2.1mmとするため、プレス開始タイミングを9秒とした。評価結果を表1に併せて示す。
(比較例2)
第1加圧工程S151におけるプレス荷重W1を900Nとした以外は、実施例1と同様の条件で30個のガラス成形体25を製造した。ガラス成形体25の中心の厚みを2.1mmとするため、プレス開始タイミングを22秒とした。評価結果を表1に併せて示す。
表1に示したように、実施例1、2で製造したガラス成形体の形状精度は、比較例1、2で製造した物よりも明らかに高精度であり、周辺部のワレも発生していないことが確認された。また、第3加圧工程S153を設けた実施例3は、成形後の下型及び上型へのガラスの付着が特に抑制されていることが確認された。
本発明のガラス成形体の製造方法の1例を示すフローチャートである。 ガラス成形体の製造装置の1例を示す模式図である(滴下工程)。 ガラス成形体の製造装置の1例を示す模式図である(加圧工程)。 プレス荷重の変化を示すグラフである。 別の実施形態におけるプレス荷重の変化を示すグラフである。 ガラス成形体の製造装置の別の例を示す模式図である(滴下工程)。
符号の説明
10 ガラス成形体の製造装置
11 下型
12 上型
14 ボールネジ
15 サーボモータ
16 サーボドライバ
17 位置検出器
18 体積調整部材
19 貫通細孔
20 溶融ガラス滴
21 溶融槽
22 溶融ガラス
23 滴下ノズル
24 微小滴
25 ガラス成形体
P1 滴下位置
P2 加圧位置
S13 滴下工程
S15 加圧工程
S151 第1加圧工程
S152 第2加圧工程
S153 第3加圧工程
W1 第1加圧工程におけるプレス荷重
W2 第2加圧工程におけるプレス荷重
W3 第3加圧工程におけるプレス荷重

Claims (4)

  1. 下型に溶融ガラス滴を滴下する滴下工程と、
    前記下型と上型とで、滴下した前記溶融ガラス滴を加圧成形する加圧工程と、を有するガラス成形体の製造方法において、
    前記加圧工程は、第1加圧工程と、該第1加圧工程の後に行われる第2加圧工程とを有し、
    前記第1加圧工程におけるプレス荷重よりも、前記第2加圧工程におけるプレス荷重の方が大きいことを特徴とするガラス成形体の製造方法。
  2. 前記第1加圧工程から前記第2加圧工程への切替は、加圧成形されるガラスの厚みが、所定の厚みになった時点で行うことを特徴とする請求項1に記載のガラス成形体の製造方法。
  3. 前記第1加圧工程から前記第2加圧工程への切替は、前記第1加圧工程の開始から所定の時間が経過した時点で行うことを特徴とする請求項1に記載のガラス成形体の製造方法。
  4. 前記加圧工程は、前記第2加圧工程の後に、前記第2加圧工程よりもプレス荷重の小さい第3加圧工程を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のガラス成形体の製造方法。
JP2008039811A 2008-02-21 2008-02-21 ガラス成形体の製造方法 Pending JP2009196847A (ja)

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