JP4666679B2 - モールドプレス成形装置、及び成形体の製造方法 - Google Patents
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例えば、成形しようとするレンズの曲率半径が小さかったり、凸部が深かったりする場合には、図4に示すように、成形型(下型5)の成形面と、その上に載置された成形素材7との間に空隙Oが形成されることがあり、この空隙Oにトラップされた雰囲気ガスによって成形面形状が良好に転写されず、形状不良が発生しやすいという問題がある。
例えば、高画素の小型撮像機器などに極めて有利に使用される、高屈折ガラス素材(nd≧1.7など)の中には、化学的反応性が高く、プレス成形時に成形型との界面において、融着、発泡、又は傷状痕などの好ましくない外観不良要因が発生しやすいものがある。このような成形素材に対しては、例えば、プレス温度条件を下げるなどして(例えば、ガラス粘度で108.5dPa・s以上)、プレス成形時の化学的反応性を抑える必要があるが、プレス温度を下げると成形素材の粘度が高くなり、成形素材の延展に支障をきたすため、成形途中における成形素材の割れや、成形型の破壊が生じやすくなってしまうという問題がある。
このように、特許文献1の方法では、ガラス塊が鋳型内に充填されるまでは、プランジャと中型の相互の接近によってガラス塊が変形され、ガラス塊が鋳型内に充填された後は、ガラス塊を介してプランジャの移動に中型が追従して下降するが、この工程中、プランジャと中型の移動速度、すなわち、ガラス塊を変形させる押圧速度について制御がなされていない。
したがって、従来の成形装置では、成形しようとする光学素子の形状や、成形素材に用いる材料に最適な条件が必ずしも適用できず、歩留や性能上の制約となっていた。
このような構成とすれば、成形素材が押圧変形しやすい状態にあるときには、上下型の押圧によって成形素材を大きく変形させるとともに、その後に成形素材が受ける押圧速度を低速領域下で精緻に制御することにより、成形サイクルを短縮する上での不利を少なくすることができる。
例えば、成形素材に印加される押圧荷重を検知手段によって検知し、検知した押圧荷重に応じて上下型の相対速度を制御してもよい。あるいは、上下型の相対速度を所定のスケジュールで制御する工程と、押圧荷重を検知して適用荷重を制御する工程とを、プレス成形工程中の適時に切り替える構成としてもよい。
さらに、発明に係るモールドプレス成形装置は、成形素材の温度を検知する検知手段を備え、検知手段の検知結果に基づいて前記上下型の相対速度を制御する構成としているが、このような構成とすれば、成形素材の個体差などによって異なる実際の成形状況に応じて、成形素材が受ける押圧速度を緻密に制御することができる。
このような方法とすれば、成形素材が押圧変形しやすい状態にあるときには、上下型の押圧によって成形素材を大きく変形させるとともに、その後に成形素材が受ける押圧速度を低速領域下で精緻に制御することにより、成形サイクルを短縮する上での不利を少なくすることができる。
さらに、本発明においては、前記上下型のそれぞれの移動速度を制御して、前記上下型の相対速度を制御する方法とすることができる。
また、前記成形素材に印可される押圧荷重を検知して、前記上下型の相対速度を制御する方法とすることができ、前記成形素材の温度を検知して、前記上下型の相対速度を制御する方法とすることもできる。もちろん、上下型の相対速度を制御する過程と、押圧荷重のみを制御する過程を併用してもよい。
このような方法とすれば、成形素材の個体差などによって異なる実際の成形状況に応じて、成形素材が受ける押圧速度を緻密に制御することができる。
このような方法とすれば、成形サイクルの短縮化を図ることができ、冷却により成形素材の粘度が上がっても、成形素材が受ける押圧速度を十分に低速とすることで、その転写精度への影響を少なくすることができる。
なお、図1は、本発明に係るモールドプレス成形装置(以下、単に「成型装置」という)の実施形態を示す説明図である。
また、上下型4,5の対向面に形成される成形面は、成形しようとする光学素子の形状をもとに、精密な形状加工を施すことによって形成することができ、この成形面には、成形素材7との離型性にすぐれた膜を形成するのが好ましい。例えば、上下型4,5に形成される成形面には、貴金属膜、炭素膜、水素化炭素膜などの公知の離型膜を形成することができる。
その結果、成形素材7が受ける押圧速度は、上下型4,5の相対速度(X−Y)と等しくなり、押圧速度を十分に低速としつつ、押圧速度の微細な速度制御を可能とすることができる。
例えば、上下型4,5が第一の所定温度域(例えば、成形素材7のガラス粘度で6×107〜7×108dPa・s)にあり、成形素材7が押圧変形しやすい状態にあるときには、上下型4,5の押圧によって成形素材7を大きく変形させる第一プレスを、例えば、下型5を停止させたまま、上型4を下型5に向けて移動させ、得ようとする光学素子の所定肉厚+30μm程度になるまで、成形素材7が受ける押圧速度が100μm/sec程度となるようにしてプレス成形を行う。
また、二段階のプレス成形に限らず、三段階以上のプレス成形を行うこともできる。この場合、例えば、上記と同様の第一プレスに次いで、成形素材7が所定の温度まで冷却されたときに、下型5の移動を開始して、上下型4,5を同じ方向に移動させながら、その相対速度を制御する第二プレスを行った後に、成形素材7がさらに冷却された段階で、上下型4,5の相対速度を変化させ、又は下型5を停止させて第三プレスを行うようにすることができる。
したがって、本実施形態によれば、上下型4,5の間に成形素材7を供給してヒータ11に所定のプレス温度に加熱した後に、又は所定のプレス温度に加熱された成形素材7を上下型4,5の間に供給した後、上下型4,5が相対的に接近する間に、成形素材7の冷却を開始して、成形サイクルの短縮化を図ることができる。
プレス成形に先立って、バリウムホウケイ酸塩ガラス(nd1.59、νd61.3)を、溶融状態から浮上ガスを噴出する受け型に流下させ、両凸曲面形状に予備成形することにより成形素材(ガラスプリフォーム)7を得た。
図5は、第二プレスにおける上下型4,5の相対速度、すなわち、成形素材7が受ける押圧速度による成形素材7の凹面側の表面伸び率の違いを示すグラフであり、横軸がプレス成形前の成形素材7の中心点からの距離、縦軸がプレス成形後の成形素材(成形体)7の表面伸び率を示している。
換言すれば、図5はプレス成形時の上下型4,5の相対速度により、成形素材7の変形領域と、その表面伸び率とが異なることを示しており、成形素材7が受ける押圧速度が速いと、凹メニスカスレンズにおいて中央部で急激な変形が生じ、これに起因する割れの発生率が高まることを示している。
そして、成形素材7が受ける押圧速度を十分に低速としながら、押圧速度の微細な制御を精度よく達成するには、単独の荷重印加装置(プレス軸駆動手段)のみでは困難であり、本実施例のように、上下型4,5を同じ方向に移動させながら、その相対速度を制御することによって初めて可能となる。
次に、実施例1と同様にバリウムホウケイ酸塩ガラスを両凸曲面形状に予備成形した成形素材(ガラスプリフォーム)7を用いて、この成形素材7を上下型の間に供給し、上下型を相対的に接近させて、凸メニスカスレンズのプレス成形を行った。
4 上型
5 下型
7 成形素材
10 下プレス軸駆動手段
13 制御手段
Claims (11)
- 互いに対向する成形面が形成された一対の上下型と、
前記上下型のそれぞれを同軸上に移動させる駆動手段と、
前記上下型の少なくとも一方の移動速度を制御して、前記上下型が同じ方向に移動しながら相対的に近接するように、前記上下型の相対速度を制御する制御手段と、
成形素材の温度を検知する検知手段とを備え、
前記制御手段が、前記検知手段の検知結果に基づいて、前記上下型の相対速度を制御することを特徴とするモールドプレス成形装置。 - 前記制御手段が、前記上下型の一方が他方に向かって所定量移動した後に、前記上下型の他方も同じ方向に移動させて、前記上下型の相対速度を制御することを特徴とする請求項1に記載のモールドプレス成形装置。
- 前記制御手段が、前記成形素材に付加する荷重を制御することを特徴とする請求項1〜2のいずれか1項に記載のモールドプレス成形装置。
- 互いに対向する成形面を有する一対の上下型の間に成形素材を供給し、前記上下型を近接させることによって、加熱により軟化させた前記成形素材をプレス成形する成形体の製造方法であって、
プレス成形の全過程、又は一部の過程において、
前記上下型の一方を他方に向かって移動させつつ、前記上下型の他方も同じ方向に移動させることにより、
前記上下型が同じ方向に移動しながら相対的に近接するように、前記上下型の相対速度を制御するにあたり、
前記成形素材の温度を検知して、その検知結果に基づいて、前記上下型の相対速度を制御することを特徴とする成形体の製造方法。 - 所定の第一温度に加熱されて軟化した状態の前記成形素材を所定肉厚まで押圧する第一プレスと、
前記成形素材が前記第一の温度より低い第二の温度に降温した後に、前記上下型を同方向に移動させつつ相対速度を制御しながら前記成形素材を押圧する第二プレスとを行うことを特徴とする請求項4に記載の成形体の製造方法。 - 前記第二プレスにおける前記上下型の相対速度を、前記第一プレスにおける前記上下型の相対速度よりも小さくしたことを特徴とする請求項5に記載の成形体の製造方法。
- 所定の第一温度に加熱されて軟化した状態の前記成形素材を所定肉厚まで押圧する第一プレスを行い、前記第一プレスにおいて、前記上下型を同方向に移動させつつ相対速度を制御しながら前記成形素材を押圧することを特徴とする請求項4に記載の成形体の製造方法。
- 前記上下型のそれぞれの移動速度を制御して、前記上下型の相対速度を制御することを
特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載の成形体の製造方法。 - 前記成形素材に印可される押圧荷重を検知して、適用荷重を制御する過程を有することを特徴とする請求項4〜8のいずれか1項に記載の成形体の製造方法。
- 前記成形素材の温度を検知して、前記上下型の相対速度を制御することを特徴とする請求項4〜9のいずれか1項に記載の成形体の製造方法。
- 前記上下型が相対的に接近する間に、前記成形素材の冷却を開始することを特徴とする請求項4〜10のいずれか1項に記載の成形体の製造方法。
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