JP2014094849A - ガラス成形品の製造方法および製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】主板部および側板部を有する3D形状のガラス成形品をダイレクトプレス法を用いて製造する場合に、転写性および離型性を確保することができ、また成形時における割れの発生が防止できるガラス成形品の製造方法および製造装置を提供する。
【解決手段】このガラス成形品の製造方法は、主板部13のうら面12aおよび側板部16のうら面12bを成形するための第1金型61と、主板部13のおもて面11aおよび側板部16のおもて面11bを成形するための第2金型62と、主板部13のうら面12aのみを成形するための第3金型とを用い、第1金型61および第2金型62を相対的に近接させることにより、ガラス素材10Fを第1金型61および第2金型62によって規定されるキャビティ内に充填させた後に、ガラス素材10Fから第1金型61を離隔させ、その後、ガラス素材10Fが載置された第2金型62に第3金型64を近接させてガラス素材10Fを加圧して、その後、ガラス素材10Fから第3金型64を離隔させる。
【選択図】図6
【解決手段】このガラス成形品の製造方法は、主板部13のうら面12aおよび側板部16のうら面12bを成形するための第1金型61と、主板部13のおもて面11aおよび側板部16のおもて面11bを成形するための第2金型62と、主板部13のうら面12aのみを成形するための第3金型とを用い、第1金型61および第2金型62を相対的に近接させることにより、ガラス素材10Fを第1金型61および第2金型62によって規定されるキャビティ内に充填させた後に、ガラス素材10Fから第1金型61を離隔させ、その後、ガラス素材10Fが載置された第2金型62に第3金型64を近接させてガラス素材10Fを加圧して、その後、ガラス素材10Fから第3金型64を離隔させる。
【選択図】図6
Description
本発明は、ガラス成形品の製造方法および製造装置に関し、特に、主板部と側板部とがダイレクトプレス法によって一体成形されてなるガラス成形品の製造方法および製造装置に関する。
ガラス成形品の一つとして、スマートフォンやタブレット端末に代表されるディスプレイ装置等に具備されるカバーガラスが広く普及している。カバーガラスは、ディスプレイ装置等の外表面において露出して現れる部位であり、優れたデザイン性が要求される。
近年においては、カバーガラスとして、主板部とその外縁に連設された側板部とで構成される略箱形状等の複雑な3D(three dimension)形状のものが要求されている。また、製造工程の簡略化の観点から、カバーガラスの製造方法においても、溶融されたガラス素材から最終形状がほぼ直接的に得られるダイレクトプレス法の適用が求められている。
なお、主板部および側板部を有する3D形状のカバーガラスの製造方法が開示されたものではないが、ガラス成形品をダイレクトプレス法にて製造する方法が開示された文献として、たとえば特開2000−319026号公報(特許文献1)、および特開2003−201147号公報(特許文献2)がある。
ここで、3D形状を有するカバーガラスをダイレクトプレス法を用いて製造するためには、金型面の形状がカバーガラスに良好に転写されること(転写性)、金型がカバーガラスから良好に離れること(離型性)、および、金型をカバーガラスから離した際に熱収縮に起因してカバーガラスに割れが発生しないこと等が重要になる。
特に、主板部と側板部とをダイレクトプレス法を用いて一体成形する場合、主板部と側板部とでは、転写性、離型性、熱収縮の程度に差が生じることから、従来の平面ガラスからなるカバーガラスでは問題にならなかった製造時の課題が発生する。
すなわち、上記の観点からの手立てを何ら講じずに主板部および側板部を有する3D形状のカバーガラスをダイレクトプレス法にて製造した場合には、転写性や離型性が損なわれたりカバーガラスに割れが生じたりすることとなってしまい、歩留まりが大幅に低下するかあるいはその製造自体が行なえなくなってしまう問題が発生する。
したがって、本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、主板部および側板部を有する3D形状のガラス成形品をダイレクトプレス法を用いて製造する場合に、転写性および離型性を確保することができ、また成形時における割れの発生が防止できるガラス成形品の製造方法および製造装置を提供することにある。
この発明に基づいたガラス成形品の製造方法は、主板部および上記主板部の外縁の少なくとも一部から連設された側板部を含むガラス成形品を製造するためのガラス成形品の製造方法であって、以下の工程を備える。
上記主板部のうら面および上記側板部のうら面を成形するための第1金型と、上記主板部のおもて面および上記側板部のおもて面を成形するための第2金型と、上記主板部の上記うら面のみを成形するための第3金型とを準備する工程と、上記第2金型に溶融したガラス素材を供給する工程と、上記第1金型および上記第2金型を相対的に近接させることにより、上記ガラス素材を上記第1金型および上記第2金型によって規定されるキャビティ内に充填させて、上記ガラス素材を1次加圧する工程と、上記ガラス素材の上記1次加圧の後に、上記1次加圧された上記ガラス素材から上記第1金型を離隔させる工程と、上記第1金型の離隔後に、上記ガラス素材が載置された上記第2金型に上記第3金型を近接させて上記ガラス素材を2次加圧する工程と、上記ガラス素材の上記2次加圧後に、上記ガラス素材が上記2次加圧された後のガラス成形品から上記第3金型を離隔させ、上記ガラス成形品を上記第2金型から離型する工程とを備える。
上記製造方法の他の形態においては、上記ガラス素材のガラス転移点をTgとした場合に、上記第1金型の離隔開始時における上記ガラス素材の温度は、(Tg−30)℃以上(Tg+100)℃以下であり、上記第3金型の離隔開始時における上記ガラス素材の温度は、(Tg−200)℃以上(Tg−30)℃以下である。
上記製造方法の他の形態においては、上記ガラス成形品の平面視した状態における大きさが、40mm×40mm以上かつ300mm×300mm以下の大きさに収まる大きさである。
上記製造方法の他の形態においては、上記主板部と上記側板部とが成す入隅側の角度が、90°以上150°以下であり、上記ガラス成形品の上記主板部の上記おもて面の法線方向に沿った全高が、1mm以上10mm以下である。
上記製造方法の他の形態においては、上記離型後の上記ガラス成形品の少なくともおもて面を研磨仕上げする工程をさらに備える。
上記製造方法の他の形態においては、上記ガラス素材を上記第1金型および上記第2金型によって規定されるキャビティ内に充填させる工程において、上記側板部の上記主板部が連設される側とは反対側の端部において、上記主板部とは反対方向に延びる素材逃がし部がさらに設けられ、上記離型後の上記ガラス成形品において、上記素材逃がし部が研磨加工により削除される工程をさらに備える。
上記製造方法の他の形態においては、上記2次加圧の加圧力は、上記1次加圧の加圧力よりも低い。
上記製造方法の他の形態においては、上記ガラス成形品は、対象物の表面を覆うカバーガラスである。
上記製造方法の他の形態においては、上記対象物は、ディスプレイの画像表示部である。
この発明に基づいたガラス成形品の製造装置は、主板部および上記主板部の外縁の少なくとも一部から連設された側板部を含むガラス成形品を製造するためのガラス成形品の製造装置であって、以下の構成を備える。
上記主板部のうら面および上記側板部のうら面を成形するための第1金型と、上記主板部のおもて面および上記側板部のおもて面を成形するための第2金型と、上記主板部の上記うら面のみを成形するための第3金型と、溶融したガラス素材を供給する素材供給部と、上記第1金型を移動させる第1駆動部と、上記第2金型を移動させる第2駆動部と、上記第3金型を移動させる第3駆動部と、上記第1駆動部、上記第2駆動部、上記第3駆動部、および上記素材供給部を制御する制御部とを備える。
上記制御部は、上記第2金型に溶融した上記ガラス素材を上記素材供給部から供給した後、上記第1金型および上記第2金型を相対的に近接させることにより、上記ガラス素材を上記第1金型および上記第2金型によって規定されるキャビティ内に充填させて、上記ガラス素材を1次加圧し、上記ガラス素材の上記1次加圧の後に、上記1次加圧された上記ガラス素材から上記第1金型を離隔させ、上記前1金型の離隔後に、上記ガラス素材が載置された上記第2金型に上記第3金型を近接させて上記ガラス素材を2次加圧し、上記ガラス素材の上記2次加圧後に、上記ガラス素材が上記2次加圧された後のガラス成形品から上記第3金型を離隔させるように、上記第1駆動部、上記第2駆動部、上記第3駆動部、および上記素材供給部を制御する。
上記製造装置の他の形態においては、上記キャビティは、上記ガラス成形品の上記主板部に対応する形状を有する第1キャビティ部と、上記ガラス成形品の上記側板部に対応する形状を有する第2キャビティ部とを含み、上記第1金型および上記第2金型が接近した状態において、上記第2キャビティ部は、上記第1キャビティ部の外縁の少なくとも一部に連設されるように構成され、上記第1キャビティ部と上記第2キャビティ部とが成す入隅側の角度が、90°以上150°以下である。
上記製造装置の他の形態においては、上記キャビティは、上記第2キャビティ部の上記第1キャビティ部側とは反対側に位置する端部から連設され、上記第1金型および上記第3金型によって規定される素材逃がし部をさらに含む。
本発明によれば、主板部および側板部を有する3D形状のガラス成形品をダイレクトプレス法を用いて製造する場合に、転写性および離型性を確保することができ、また成形時における割れの発生が防止できるガラス成形品の製造方法および製造装置を提供することができる。
本発明に基づいた実施の形態について、以下、図面を参照しながら説明する。実施の形態の説明において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。実施の形態の説明において、同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。
[実施の形態1]
(ディスプレイ装置100,ディスプレイ用カバーガラス10)
図1は、実施の形態におけるディスプレイ用カバーガラス10を備えるディスプレイ装置100の分解した状態を示す斜視図である。図2は、図1中のII−II線に沿った矢視断面図である。
(ディスプレイ装置100,ディスプレイ用カバーガラス10)
図1は、実施の形態におけるディスプレイ用カバーガラス10を備えるディスプレイ装置100の分解した状態を示す斜視図である。図2は、図1中のII−II線に沿った矢視断面図である。
図1に示すように、ディスプレイ装置100は、ディスプレイ用カバーガラス10と、平板状の形状を有する外装プレート20と、外装プレート20の上に配置される回路基板30と、回路基板30の上に実装されるディスプレイ40とを備える。
ディスプレイ用カバーガラス10は、外装プレート20に取り付けられる(矢印AR参照)。ディスプレイ用カバーガラス10は、回路基板30、およびディスプレイ40を、外装プレート20上に封止する。
ディスプレイ用カバーガラス10は、ディスプレイ40の画像表示部42を覆うように設けられるガラス成形品10Gを含む。
(ガラス成形品10G)
本実施の形態におけるガラス成形品10Gは、たとえば、外径130mm×60mm、厚み0.8mmの大きさを有している。なお、ガラス成形品10Gの平面視した状態における大きさは、実用上の大きさを考慮すると、40mm×40mm以上かつ300mm×300mm以下の大きさに収まる大きさであるとよい。
本実施の形態におけるガラス成形品10Gは、たとえば、外径130mm×60mm、厚み0.8mmの大きさを有している。なお、ガラス成形品10Gの平面視した状態における大きさは、実用上の大きさを考慮すると、40mm×40mm以上かつ300mm×300mm以下の大きさに収まる大きさであるとよい。
図2に示すように、ディスプレイ用カバーガラス10のガラス成形品10Gは、主板部13と側板部16とを有する。ガラス成形品10Gは、おもて面11およびうら面12を有し、カバーガラス10のおもて面11は、主板部13のおもて面11aと側板部16のおもて面11bとから構成されている。また、ガラス成形品10Gのうら面12は、主板部13のうら面12aと側板部16のうら面12bとから構成されている。
主板部13は、略平板状の形状を有する。ガラス成形品10Gがディスプレイ40に取り付けられた状態においては、主板部13のおもて面11a側が主として外部に露出する。
側板部16は、全体として環状の形状を有し、主板部13の外縁に連設され、主板部13の外縁から外方に向かうにしたがって主板部13から遠ざかる方向に湾曲する湾曲部14と、主板部13の外縁から外方に向かうにしたがって主板部13から遠ざかる方向に延在する傾斜部15とを含む。これにより、主板部13のおもて面における角部の外縁は、丸みを帯びた形状となる。
傾斜部15は、湾曲部14を挟んで主板部13の反対側に位置している。これにより、ガラス成形品10Gは、主板部13側から傾斜部15側に向かうにつれて、湾曲部14において3D形状を持って湾曲するように成形されている。
さらに、図2に示すように、主板部13の延在方向(図2中AR13)と側板部16の傾斜部15の延在方向(図2中AR15)との成す角、すなわち主板部13と側板部16とが成す入隅側の角度θ1は、90°以上150°以下であることが望ましい。
主板部13と側板部16とが成す入隅側の角度θ1が90°未満の場合には、後述する成形工程において、第1上型61(図4参照)から加圧成形品を離型するのが困難になるとともに、離型前のガラス素材の収縮によって過度のストレスが側板部16に加わり、側板部16が割れが易くなる。一方、主板部13と側板部16とが成す入隅側の角度θ1が150°より大きい場合には、ガラス成形品10Gのデザイン性が優れず、3D形状における付加価値が下がる。
なお、傾斜部15は、図示するように平板状に成形されていてもよいし、湾曲部14と同様に、主板部13の外縁から外方に向かうにしたがって主板部13から遠ざかる方向に湾曲した湾曲板状に成形されていてもよい。また、主板部13の全周において側板部16が環状に設けられる必要は必ずしもなく、主板部13の外縁の一部にのみ(たとえば、平面視略矩形状の主板部13の相対する一対の辺にのみ)側板部16が設けられる構成であってもよい。
ガラス成形品10Gの画像表示部42側に位置するうら面12a側からおもて面11a側に向かって、所定の画像情報を含む光L(図2参照)が主板部13を透過する。画像表示部42上に表示された各種の画像情報は、使用者により認識される。主板部13のおもて面11aがタッチパネル式のディスプレイ面を構成している場合、主板部13のおもて面11aは、使用者の手指(図示せず)によって押圧されたり、主板部13のおもて面11aはペン(図示せず)などによって押圧されたりする。
以上のようなガラス成形品10Gは、ガラス組成として、50重量%以上70重量%以下のSiO2と、5重量%以上15重量%以下のAl2O3と、0重量%以上5重量%以下のB2O3と、5重量%以上20重量%以下のNa2Oと、0重量%以上10重量%以下のK2Oと、0重量%以上10重量%以下のMgOと、0重量%以上10重量%以下のCaOと、0重量%以上5重量%以下のBaOと、0重量%以上5重量%以下のTiO2と、0重量%以上15重量%以下のZrO2と、を含有しているとよい。
このような組成のガラスは、ガラス転移点の温度Tgとした場合、プレス成形にてガラスに転写される形状に大きく影響を及ぼす(Tg−30)[℃]〜(Tg+150)[℃]の温度範囲において、適切なガラス粘性を維持し良好な転写性を確保した状態で面転写を完了でき、かつ、ガラスの熱収縮による割れを抑制することができる。
(Tg−30)[℃]〜(Tg+150)[℃]の温度範囲において、ガラスの線膨張係数αは70〜110[×10−7/℃]であることが望ましい。たとえば100℃以上300℃以下の範囲で98[×10−7/℃]の線膨張係数αを有するガラスを使用してもよい。またガラス粘性をη[Pa・s]とすると、logη=11.0〜14.5であることが望ましい。上記のような特性を持つガラスは、割れの無い湾曲したカバーガラスの成形に適している。
(製造装置)
以上のようなガラス成形品10Gは、ダイレクトプレス法を使用して製造される。図3は、ガラス成形品10Gの製造装置50の概略構成を示す模式図である。図3に示すように、ガラス成形品10Gの製造装置50は、溶融したガラス素材10Eを貯留する連続溶融炉71と、連続溶融炉71の下部に接続されたノズル73とを備える。連続溶融炉71とノズル73とは、溶融したガラス素材10Eを下型62に供給するための素材供給部70を構成する。
以上のようなガラス成形品10Gは、ダイレクトプレス法を使用して製造される。図3は、ガラス成形品10Gの製造装置50の概略構成を示す模式図である。図3に示すように、ガラス成形品10Gの製造装置50は、溶融したガラス素材10Eを貯留する連続溶融炉71と、連続溶融炉71の下部に接続されたノズル73とを備える。連続溶融炉71とノズル73とは、溶融したガラス素材10Eを下型62に供給するための素材供給部70を構成する。
製造装置50は、ノズル73から流出するガラス素材10Eを切断するガラスカッター63を備える。ガラスカッター63は、たとえばエアーシリンダー85により駆動され、ガラス素材10Eを適宜切断して適切な量に分割する。
製造装置50は、ガラスカッター63により切断され落下するガラス素材を受けるための下型62と、下型62と共にガラス素材を加圧し成形する第1上型61および第2上型64と、を備える。
下型62は、ガラス成形品10Gの主板部13のおもて面11aおよび側板部16のおもて面11bを成形するための第2金型として機能する。第1上型61は、ガラス成形品10Gの主板部13のうら面12aおよび側板部16のうら面12bを成形するための第1金型として機能する。第2上型64は、ガラス成形品10Gのうら面12を成形するための第3金型として機能する。第1上型61と下型62とは、ガラス成形品10Gを加圧成形するための成形用金型60Aを構成する。第2上型64と下型62とは、ガラス成形品10Gを加圧成形するための成形用金型60Bを構成する。
製造装置50は、制御部90を備える。制御部90は、第1駆動部としてのサーボモーター81と、第2駆動部としてのサーボモーター82と、第3駆動部としてのサーボモーター83と、上述のエアーシリンダー85と、上述の素材供給部70の動作を制御する。制御部90は、エアーシリンダー85によるガラス素材10Eの切断のタイミング、下型62の移動のタイミング、第1上型61および第2上型64の移動のタイミングなどの、ガラス成形品10Gの製造に係る一連のシーケンスを制御する。
サーボモーター81は、制御部90からの指令を受け、図3中に両矢印で示すDR1方向(垂直方向)に第1上型61を往復移動させ、第1上型61と下型62とを近接および離隔させる。同様に、サーボモーター83は、制御部90からの指令を受け、図3中に両矢印で示すDR1方向(垂直方向)に第2上型64を往復移動させ、第2上型64と下型62とを近接および離隔させる。サーボモーター82は、制御部90からの指令を受け、図3中に両矢印で示すDR2方向(水平方向)に下型62を移動させる。第1上型61を移動させるサーボモーター81と、第2上型64を移動させるサーボモーター83とは、それぞれ独立して制御される。
下型62は、サーボモーター82により、ノズル73の下方でガラス素材を受けるための位置(ガラス滴下ポジションP1)と、第1上型61と対向してガラス素材を加圧成形するための位置(成形ポジションP2)と、第2上型64と対向してガラス素材を加圧成形するための位置(成形ポジションP3)と、下型62からガラス素材を取り出すための位置(取出しポジションP4)との間で移動可能に構成されている。
制御部90によってサーボモーター81を制御する方法としては、第1上型61の位置を制御するモード(位置制御モード)と、第1上型61に付加される荷重を制御するモード(荷重制御モード)とがある。これら2つの制御モードを切り替え可能に構成しておくことが好ましい。サーボモーター81は、最大3トンのプレス圧力でガラス素材をプレス成形可能な仕様に設けられる。
同様に、制御部90によってサーボモーター83を制御する方法としては、第2上型64の位置を制御するモード(位置制御モード)と、第2上型64に付加される荷重を制御するモード(荷重制御モード)とがある。これら2つの制御モードを切り替え可能に構成しておくことが好ましい。サーボモーター83は、最大3トンのプレス圧力でガラス素材をプレス成形可能な仕様に設けられる。
なお、本実施の形態において、加圧成形のために第1上型61を駆動する第1駆動部、および、第2上型64を駆動する第2駆動部は、サーボモーター81,83に限定されるものではなく、エアーシリンダー、油圧シリンダ、リニアモーター、ステッピングモーターなどの公知の駆動手段を適宜選択して用いることができる。
図3に示す製造装置50では、第1上型61および第2上型64がDR1方向に移動する構成としているが、製造装置50はこの構成に限定されるものではない。第1上型61および第2上型64は固定しておき、下型62がDR2方向に加えてDR1方向に移動可能である構成としてもよく、または、第1上型61および第2上型64と下型62との両方がDR1方向に移動する構成としてもよい。
第1上型61、第2上型64、および下型62の材料は、耐熱合金(ステンレスなど)、炭化タングステンを主成分とする超鋼材料、各種セラミックス(炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウムなど)、カーボンを含む複合材料など、ガラス成形品10Gを製造するための成形金型として公知の材料の中から適宜選択して用いることができる。第1上型61、第2上型64、および下型62を同一の材料で構成してもよいし、それぞれ別の材料で構成してもよい。
第1上型61、第2上型64、および下型62の表面には、耐久性の向上やガラス素材との融着を防止するための被覆層を設けておくことも好ましい。被覆層の材料に特に制限はなく、たとえば、種々の金属(クロム、アルミニウム、チタンなど)、窒化物(窒化クロム、窒化アルミニウム、窒化チタン、窒化硼素など)、酸化物(酸化クロム、酸化アルミニウム、酸化チタンなど)などを用いることができる。被覆層の成膜方法にも制限はなく、公知の成膜方法の中から適宜選択して用いればよい。たとえば、真空蒸着、スパッタ、CVDなどが挙げられる。
第1上型61、第2上型64、および下型62は、図示しない加熱手段によって所定温度に加熱できるように構成されている。加熱手段としては、公知の加熱手段を適宜選択して用いることができる。たとえば、被加熱部材の内部に埋め込んで使用するカートリッジヒーターや、被加熱部材の外側に接触させて使用するシート状のヒーター、赤外線加熱装置、高周波誘導加熱装置などを用いることができる。
図4に第1上型61の断面形状を示す。第1上型61は、ガラス成形品10Gの主板部13のうら面12aを成形する第1平坦領域61aと、側板部16のうら面12bを成形する第1側面領域61bとを含む。
図5に第2上型64の断面形状を示す。第2上型64は、ガラス成形品10Gの主板部13のうら面12aのみを成形するための第3平坦領域64aと、第3平坦領域64aに対して垂直方向に延びる第3側面領域64bとを含む。第3側面領域64bは、加圧時にガラス素材に接触することはない。
(製造方法)
以下、ダイレクトプレス法を使用してガラス成形品10Gを得る製造方法について説明する。図6は、実施の形態1におけるガラス成形品10Gの製造方法を示す流れ図である。図6に示すように、まず工程(S11)において、第1上型61、第2上型64、および下型62を含む成形用金型60A,60Bが準備される。
以下、ダイレクトプレス法を使用してガラス成形品10Gを得る製造方法について説明する。図6は、実施の形態1におけるガラス成形品10Gの製造方法を示す流れ図である。図6に示すように、まず工程(S11)において、第1上型61、第2上型64、および下型62を含む成形用金型60A,60Bが準備される。
このとき第1上型61、第2上型64、および下型62は、それぞれ所定の温度に加熱される。所定の温度とは、ガラス成形品10Gに良好な転写面を形成できる温度であればよい。一般的に、成形用金型60A,60Bの温度が低すぎると高精度な転写面を形成することが困難になる。逆に、必要以上に温度を高くしすぎることは、ガラスとの融着が発生し易くなったり、成形用金型60A,60Bの寿命が短くなったりする虞があるため好ましくない。
通常は、加圧成形するガラスのガラス転移点温度Tgに対し、(Tg−100)℃以上(Tg+100)℃以下の範囲の温度に設定する。実際には、ガラスの種類、ガラス成形品10Gの形状および大きさ、成形用金型60A,60Bの材料、保護膜の種類など、種々の条件を考慮に入れて適正な温度を決定する。第1上型61、第2上型64、および下型62の加熱温度は同じ温度であってもよいし、異なる温度であってもよい。
本実施の形態においては、成形用金型60A,60Bを所定温度に加熱した後、溶融した状態の高温のガラス素材10Fを供給して加圧成形することから、成形用金型60A,60Bの温度を一定に保ったまま、一連の工程を行うことができる。さらに、成形用金型60A,60Bの温度を一定に保ったまま、複数のガラス成形品10Gを繰り返し製造することもできる。
したがって、1つのガラス成形品10Gを製造する毎に成形用金型60A,60Bの昇温と冷却を繰り返す必要がないことから、極めて短時間で効率よくガラス成形品10Gを製造することができる。ここで、成形用金型60A,60Bの温度を一定に保つとは、成形用金型60A,60Bを加熱するための温度制御における目標設定温度を一定に保つという意味である。したがって、各工程実施中において、ガラス素材10Fとの接触などによる成形用金型60A,60Bの温度変動を防止しようとするものではなく、かかる温度変動については許容される。
次に工程(S12)において、下型62をガラス滴下ポジションP1(図3参照)に配置する。下型62の現在位置を検出した結果、下型62がガラス滴下ポジションP1に配置されている場合には、下型62の移動は行なわれない。一方、下型62の現在位置を検出した結果、下型62がガラス滴下ポジションP1以外の位置に配置されている場合には、制御部90からの指令によりサーボモーター82が起動し、下型62をガラス滴下ポジションP1へ移動させる。
次に工程(S13)において、ガラス素材を切断する。図7は、実施の形態1のガラス素材を切断する工程を示す断面図である。図3を参照して説明した通り、溶融した状態で連続溶融炉71内に貯留されたガラス素材10Eは、ノズル73を経由して連続溶融炉71から流出し、自重によりノズル73から液線状に落下する。ノズル73から流出したガラス素材10Fをガラスカッター63を用いて切断し、図7に示す滴状の形状を有するガラス素材10Fを得る。ガラス素材10Fは、下型62へ向かって落下する。
下型62は、ガラス成形品10Gの主板部13のおもて面11aを成形する第2平坦領域62aと、側板部16のおもて面11bを成形する第2側面領域62bとを含む。
次に工程(S14)において、溶融した状態の高温のガラス素材10Fを下型62へ滴下する。図8は、実施の形態1のガラス素材10Fを下型62へ滴下する工程を示す断面図である。ガラスカッター63により切断され落下するガラス素材10Fは、下型62の上に溜め受けられる。図9に示すように、下型62上に供給されたガラス素材10Fは、下型62上で濡れ広がる。下型62に滴下されたガラス素材10Fの温度は、たとえば800℃以上900℃以下の範囲であってもよい。
次に工程(S15)において、下型62を成形ポジションP2(図3参照)に移動する。制御部90からの指令によりサーボモーター82を起動させ、水平方向(図3に示すDR2方向)に下型62を移動させることにより、下型62は、ノズル73の下方のガラス滴下ポジションP1から、第1上型61の下方の成形ポジションP2に移動する。成形ポジションP2に移動した下型62の成形面と、第1上型61の成形面とは、互いに対向する。
次に工程(S16)において、第1上型61を下降する。図9は、実施の形態1の第1上型61を下降する工程を示す断面図である。下型62に対向する第1上型61は、図10中の白抜き矢印に示すように、下降移動する。制御部90からの指令によりサーボモーター81が起動し、第1上型61を下型62へ向かって移動させる。これにより、第1上型61と下型62とが近接する。
図10から図11を参照して、第1上型61の下降移動を続け、ガラス素材10Fを第1上型61と下型62とによって規定されるキャビティCA内に充填させて、ガラス素材10Fを1次加圧する。
図11に示すように、キャビティCAは、第1上型61の第1平坦領域61aと下型62の第2平坦領域62aとが対向する領域によって規定され、ガラス成形品10Gの主板部13に対応する形状を有する第1キャビティ部CA1と、第1上型61の第1側面領域61bと下型62の第2側面領域62bとが対向する領域によって規定され、ガラス成形品10Gの側板部16に対応する形状を有する第2キャビティ部CA2とを含む。
図12に示すように、第1キャビティ部CA1の延在方向(図中AR66)と第2キャビティ部CA2が主として延在する方向(図中AR67)との成す角、すなわち第1キャビティ部CA1と第2キャビティ部CA2とが成す入隅側の角度θ2は、製造されるガラス成形品10Gの形状に合わせて90°以上150°以下とされる。
第1キャビティ部CA1と第2キャビティ部CA2とが成す入隅側の角度θ2が90°未満の場合には、第1上型61を加圧成形品から離型するのが困難であるとともに、離型前のガラス素材10Fの収縮によって過度のストレスが掛かり、加圧成形品の側板部16が割れやすくなる。一方、第1キャビティ部CA1と第2キャビティ部CA2とが成す入隅側の角度θ2が150°より大きい場合には、製造されるガラス成形品10Gのデザイン性が優れず、3D形状における付加価値が下がる。
図12に示すように、第2キャビティ部CA2は、第1キャビティ部CA1から離れる方向に湾曲して延在しているため、第1キャビティ部CA1から第2キャビティ部CA2へガラス素材10Fが容易に流動できるように、第1キャビティ部CA1の厚み(第1平坦領域61aと第2平坦領域62aとの間の距離t1)は、第2キャビティ部CA2の厚み(第1側面領域61bと第2側面領域62bとの間の距離t2)よりも大きいことが好ましい。
プレス加工の開始時のガラス素材10Fの温度は、(Tg+50)℃以上(Tg+200)℃以下に設定される。たとえばTgが540℃の場合、プレス直前のガラス素材10Fの温度を680℃としてもよい。ガラス素材10Fの温度は、たとえば放射温度計によって測定することができる。このような温度設定を得るためには、ガラス転移点の温度Tgに対し、第1上型61の温度を(Tg−60)℃以上(Tg−20)℃以下に設定し、下型62の温度を(Tg−80)℃以上(Tg−10)℃以下に設定するとよい。たとえばTgが540℃の場合、第1上型61の温度を500℃とし、下型62の温度を520℃としてもよい。この第1次加圧における加圧力は、20kgf/cm2〜50kgf/cm2が好ましい。
所定の時間が経過した後、次に工程(S17)において、第1上型61を上昇移動させ、第1上型61をガラス素材10Fから離型させる。図13は、実施の形態1の第1上型61を離型させる工程を示す断面図である。たとえばプレス成形の開始から成形用金型60を7秒間保持する。その後、第1上型61を図13に示す白抜き矢印の方向に沿って上昇させ、ガラス素材10Fの厚み方向に第1上型61を移動させて、第1上型61を離型する。
第1上型61の離型動作のための移動を開始するときのガラス素材10Fの温度の下限値は、ガラス素材10Fの熱収縮を十分小さくし割れなどの欠陥が発生することを抑制する観点から、(Tg−30)℃に設定される。一方、温度の上限値は、側板部16における転写性を満足できるように、(Tg+100)℃に設定される。たとえばTgが540℃の場合、第1上型61の離型動作の開始時のガラス素材10Fの温度は、510℃以上640℃以下に設定されるとよい。
所定の時間が経過し、ガラス素材10Fの一次加圧成形が完了すると、次に工程(S19)において、第1上型61を上昇する。第1上型61によるプレス加工の時間は5s以上15s以下の時間から任意に選択されるのが好ましい。
たとえば、7秒間でプレス成形が完了するように設定することができ、この場合、プレス成形の開始から7秒間経過後、第1上型61の上昇が開始され、第1上型61と下型62とが離隔する。
次に工程(S18)において、下型62を成形ポジションP3(図3参照)に移動する。制御部90からの指令によりサーボモーター83を起動させ、水平方向(図3に示すDR2方向)に下型62を移動させることにより、下型62は、第1上型61の下方の成形ポジションP2から、第2上型64の下方の成形ポジションP3に移動する。成形ポジションP3に移動した下型62の成形面と、第2上型64の成形面とは、互いに対向する。
次に工程(S19)において、第2上型64を下降する。図14は、実施の形態1の第2上型64を下降する工程を示す断面図である。下型62に対向する第2上型64は、図14中の白抜き矢印に示すように、下降移動する。制御部90からの指令によりサーボモーター83が起動し、第2上型64を下型62へ向かって移動させる。これにより、第2上型64と下型62とが近接し、再び第2上型64によって、ガラス素材10Fに対して2次加圧を行なう。このとき、第2上型64は、第3平坦領域64aのみがガラス素材10Fに接触し、第3側面領域64bはガラス素材10Fには接触しない。
この第2次加圧における加圧力は、第1次加圧における加圧力よりも低い圧が好まし。具体的には、20kgf/cm2〜50kgf/cm2であるとよい。第2次加圧時には、ガラス素材10Fの温度が低下し、ガラス素材10Fが固まり始めているため、第1次加圧のような圧力で加圧するとガラス素材10Fに割れが生じる可能性があるからである。
第2上型64によるガラス素材10Fの再加圧時の開始時おける、第2上型64の温度およびガラス素材10Fの温度は、第1上型61がガラス素材10Fから離型する際の温度に設定させるとよい。
所定の時間が経過し、ガラス素材10Fの2次(最終)加圧成形が完了すると、次に工程(S20)において、第2上型64を上昇する。図15は、実施の形態1の第2上型64を上昇する工程を示す断面図である。第2上型64によるプレス加工の時間(合計)は3s以上10s以下の時間から任意に選択されるのが好ましい。
たとえば、5秒間でプレス成形が完了するように設定することができ、この場合、プレス成形の開始から5秒間経過後、第2上型64の上昇が開始され、第2上型64と下型62とが離隔する。
第2上型64がガラス素材10Fからの離型動作のための上昇を開始するときのガラス素材10Fの温度は、第2上型64の成形面により成形されるガラス素材10Fの表面が十分に硬化できるように、(Tg−200)℃以上(Tg−30)℃以下に設定される。たとえばTgが540℃の場合、第1上型61の上昇開始時のガラス素材10Fの温度は、340℃以上510℃以下に設定されるとよい。
ここで、ガラス素材10Fを所望の形状に成形するまでの時間を、第1キャビティ部CA1と第2キャビティ部CA2とにおいて比較すると、第2キャビティ部CA2の方が第1キャビティ部CA1よりも早く成形できる。
これは、ガラス素材10Fの温度分布に主として起因し、第2キャビティ部CA2がキャビティCAの端部に設けられるため、第1上型61の第1側面領域61bの加圧により押し広げられた比較的低温のガラス素材10Fを成形すること、第1側面領域61bの近傍においては、ガラス素材10Fの量に対して第1上型61の面積が大きく放熱し易いことが影響している。
また、製造される加圧成形品にあっては、主板部13に要求される面粗さに比較して側板部16に要求される面粗さが比較的厳しくないため、この点においても第2キャビティ部CA2の方が第1キャビティ部CA1よりも早く成形できる理由となる。
そのため、第1キャビティ部CA1においては、下型62と第1上型61とによる1次加圧および下型62と第2上型64とによる第2次加圧を行なう一方、第2キャビティ部CA2においては下型62と第1上型61とによる第1次加圧のみを行なう。これにより、加圧成形品において所望の主板部13および側板部16の形状を成形することができる。
また、成形時間が短い第2キャビティ部CA2において、第2次加圧の際には、第2上型64をガラス素材10Fに接触させないようにすることで、第2上型64へのガラス素材10Fの固着を防止することもできる。
次に工程(S21)において、下型62を取出しポジションP4(図3参照)に移動する。制御部90からの指令によりサーボモーター82を起動させ、水平方向(図3に示すDR2方向)に下型62を移動させることにより、下型62は、第2上型64の下方の成形ポジションP3から、第2上型64に対向しない取出しポジションP4に移動する。このとき下型62の成形面上には、プレス成形が完了しほぼ硬化したガラス素材10Fが載置されている。
次に工程(S22)において、成形用金型60Bからガラス素材10Fを取り出し、ガラス素材10Fを回収する。たとえば、真空吸着を利用した吸引装置などの公知の離型装置などを用いて行なえばよい。これにより、ガラス素材10Fが下型62から外される。図16は、成形用金型60Bから取り出されたガラス素材10Fを示す断面図である。
次に工程(S23)において、温度がさらに低下して固化したガラス素材10Fを研磨する。図16に示すガラス素材10Fに対し、破線BLよりも下側の領域が研磨され除去される。これにより、ガラス素材10Fの表面のうち、下型62に接触していた表面が除去される。ガラス素材10Fが下型62に滴下すると、ガラス素材10Fから下型62への熱伝達によってガラス素材10Fの温度の低下が始まる。そのため、プレス成形後のガラス素材10Fの下型62側の転写性が悪化する虞がある。そこで、プレス成形後のガラス素材10Fに研磨処理を施すことで、ガラス素材10Fの表面の面精度を向上し、所望の表面性状を有するガラス成形品10Gが得られる。たとえばガラス成形品10Gの表面粗さRaを20nm未満とすることができる。図17は、研磨完了後のガラス成形品10Gを示す断面図である。
図17に示すガラス成形品10Gの製造が完了した後、引き続いてガラス成形品の製造を行なう場合には、下型62を再びガラス滴下ポジションP1に移動し(工程(S12))、以降の工程を繰り返せばよい。なお、本実施の形態のガラス成形品10Gの製造方法は、本明細書中で説明した以外の別の工程を含んでもよい。たとえば、ガラス素材10Fを取り出す前にガラス素材10Fの形状を検査する工程や、ガラス素材10Fを回収した後に成形用金型60をクリーニングする工程を設けることも好ましい。
(作用・効果)
実施の形態1に係る製造方法によって製造されたガラス成形品10Gは、主板部13および側板部16を有する3D形状をダイレクトプレス法を用いて製造する場合にも、転写性および離型性を確保することができ、また成形時における割れの発生が防止できる。したがって、高精度にかつ歩留まりよくガラス成形品10Gを製造することが可能になり、高品位のカバーガラス10を安価に得ることができる。さらには、ダイレクトプレス法を使用しつつも、側板部16を転写性よく成形することができるため、側板部16に対する追加加工が不要となり、ガラス成形品の製造工程を大幅に簡略化させることが可能になり、この点においても安価にガラス成形品10Gを製造することができる。
実施の形態1に係る製造方法によって製造されたガラス成形品10Gは、主板部13および側板部16を有する3D形状をダイレクトプレス法を用いて製造する場合にも、転写性および離型性を確保することができ、また成形時における割れの発生が防止できる。したがって、高精度にかつ歩留まりよくガラス成形品10Gを製造することが可能になり、高品位のカバーガラス10を安価に得ることができる。さらには、ダイレクトプレス法を使用しつつも、側板部16を転写性よく成形することができるため、側板部16に対する追加加工が不要となり、ガラス成形品の製造工程を大幅に簡略化させることが可能になり、この点においても安価にガラス成形品10Gを製造することができる。
[実施の形態2]
(製造装置)
実施の形態2のガラス成形品10Gの製造装置は、図3に示す実施の形態1の製造装置50と基本的に同一の構成を備えている。但し、実施の形態2では、工程(S23)において、ガラス素材10Fの研磨工程を行なわない。他の工程は、実施の形態1と同じである。
(製造装置)
実施の形態2のガラス成形品10Gの製造装置は、図3に示す実施の形態1の製造装置50と基本的に同一の構成を備えている。但し、実施の形態2では、工程(S23)において、ガラス素材10Fの研磨工程を行なわない。他の工程は、実施の形態1と同じである。
(製造方法)
図18は、実施の形態2の第2金型の構造、およびガラス素材を切断する工程を示す断面図である。図19は、実施の形態2のガラス素材を下型へ滴下する工程を示す断面図である。図20は、実施の形態2の第1金型を下降する工程を示す第1断面図である。図21は、実施の形態2の第1金型をさらに下降する工程を示す第2断面図である。図22は、実施の形態2の第1金型を上昇する工程を示す断面図である。図23は、実施の形態2の第3金型を下降する工程を示す断面図である。図24は、実施の形態2の第3金型を上昇する工程を示す断面図である。図25は、実施の形態2の成形用金型から取り出されたガラス成形品を示す断面図である。
図18は、実施の形態2の第2金型の構造、およびガラス素材を切断する工程を示す断面図である。図19は、実施の形態2のガラス素材を下型へ滴下する工程を示す断面図である。図20は、実施の形態2の第1金型を下降する工程を示す第1断面図である。図21は、実施の形態2の第1金型をさらに下降する工程を示す第2断面図である。図22は、実施の形態2の第1金型を上昇する工程を示す断面図である。図23は、実施の形態2の第3金型を下降する工程を示す断面図である。図24は、実施の形態2の第3金型を上昇する工程を示す断面図である。図25は、実施の形態2の成形用金型から取り出されたガラス成形品を示す断面図である。
図18を参照して、実施の形態1の場合と同様に、溶融した状態で連続溶融炉71内に貯留されたガラス素材10Eは、ノズル73を経由して連続溶融炉71から流出し、自重によりノズル73から液線状に落下する。ノズル73から流出したガラス素材10Eをガラスカッター63を用いて切断し、図7に示す滴状の形状を有するガラス素材10Fを得る。ガラス素材10Fは、下型62へ向かって落下する(図6のS13参照)。
図19を参照して、溶融した状態の高温のガラス素材10Fを下型62へ滴下する。ガラスカッター63により切断され落下するガラス素材10Fは、下型62の上に溜め受けられる。下型62上に供給されたガラス素材10Fは、下型62上で濡れ広がる。(図6のS14参照)。
図20を参照して、下型62を成形ポジションP2に移動する。成形ポジションP2に移動した下型62の成形面と、第1上型61の成形面とは、互いに対向する(図6のS15参照)。次に、第1上型61を下降する。下型62に対向する第1上型61は、図20中の白抜き矢印に示すように、下降移動する。これにより、第1上型61と下型62とが近接する(図6のS16参照)。
第1上型61の下降移動を続け、ガラス素材10Fを第1上型61と下型62とによって規定されるキャビティCA内に充填させて、ガラス素材10Fを1次加圧する。
図21に示すように、実施の形態1の場合と同様に、キャビティCAは、第1上型61の第1平坦領域61aと下型62の第2平坦領域62aとが対向する領域によって規定され、ガラス成形品10Gの主板部13に対応する形状を有する第1キャビティ部CA1と、第1上型61の第1側面領域61bと下型62の第2側面領域62bとが対向する領域によって規定され、ガラス成形品10Gの側板部16に対応する形状を有する第2キャビティ部CA2とを含む。第1キャビティ部CA1と第2キャビティ部CA2とが成す入隅側の角度θ2は(図12参照)、実施の形態1の場合と同様に、製造されるガラス成形品10Gの形状に合わせて90°以上150°以下とされる。
図22を参照して、所定の時間が経過した後、第1上型61を上昇移動させ、第1上型61をガラス素材10Fから離型させる(図6のS17参照)。
図23を参照して、下型62を成形ポジションP3に移動する(図6のS18参照)。成形ポジションP3に移動した下型62の成形面と、第2上型64の成形面とは、互いに対向する。次に、第2上型64を下降する(図6のS19参照)。下型62に対向する第2上型64は、図23中の白抜き矢印に示すように、下降移動する。このとき、第2上型64は、第3平坦領域64aのみがガラス素材10Fに接触し、第3側面領域64bはガラス素材10Fには接触しない。
図24を参照して、所定の時間が経過し、ガラス素材10Fの2次(最終)加圧成形が完了すると、次に工程(S22)において、第2上型64を上昇する(図6のS20参照)。
このように、実施の形態1と同様の理由から、第1キャビティ部CA1においては、下型62と第1上型61とによる1次加圧および下型62と第2上型64とによる第2次加圧を行なう一方、第2キャビティ部CA2においては下型62と第1上型61とによる第1次加圧のみを行なう。
次に、下型62を取出しポジションP4(図3参照)に移動する(図6のS21参照)。このとき下型62の成形面上には、プレス成形が完了しほぼ硬化したガラス素材10Fが載置されている。
図25を参照して、成形用金型60Bからガラス素材10Fを取り出し、ガラス素材10Fを回収する。たとえば、真空吸着を利用した吸引装置などの公知の離型装置などを用いて行なえばよい。これにより、ガラス素材10Fが下型62から外される(図6のS22参照)。本実施の形態では、ガラス素材10Fに対して研磨工程(図6のS23参照)は実施しない。以上の工程により、ガラス成形品10Gが得られる。
(作用・効果)
以上、本実施の形態に係る製造方法によって製造されたガラス成形品10Gによっても、実施の形態1の場合と同様の作用効果を得ることを可能とする。
以上、本実施の形態に係る製造方法によって製造されたガラス成形品10Gによっても、実施の形態1の場合と同様の作用効果を得ることを可能とする。
[実施の形態3]
(ディスプレイ装置100A,ディスプレイ用カバーガラス10A)
図26は、本実施の形態におけるディスプレイ用カバーガラス10Aを備えるディスプレイ装置100Aの分解した状態を示す斜視図である。図27は、図26中のXXVII−XXVII線に沿った矢視断面図である。
(ディスプレイ装置100A,ディスプレイ用カバーガラス10A)
図26は、本実施の形態におけるディスプレイ用カバーガラス10Aを備えるディスプレイ装置100Aの分解した状態を示す斜視図である。図27は、図26中のXXVII−XXVII線に沿った矢視断面図である。
図26に示すディスプレイ装置100Aは基本的には、図1に示すディスプレイ装置100と同じであり、相違点は、回路基板30の上にスピーカー31が実装され、ディスプレイ用カバーガラス10Aには、スピーカー31を露出させるための穴部10Hが設けられている。
カバーガラス10Aに穴部10Hを形成する場合には、穴部10Hには、側板部16を形成する際と同じ課題が生じる。具体的には、穴部10Hの領域は、側板部16と同様に、転写性、離型性、熱収縮の程度に差が生じることから、従来の平面ガラスからなるカバーガラスでは問題にならなかった製造時の課題が発生する。
すなわち、側板部に加えて穴部10Hを有する3D形状のカバーガラスをダイレクトプレス法にて製造した場合には、転写性や離型性が損なわれたりカバーガラスに割れが生じたりすることとなってしまい、歩留まりが大幅に低下するかあるいはその製造自体が行なえなくなってしまう問題が発生する。
そこで、本実施の形態では、側板部16の製造工程において穴部10Hを同時に成形するようにしたものである。これにより、穴部10Hを形成する際に生じる課題を、側板部16を形成する際に生じる課題とともに解決することを可能とする。以下、本実施の形態について、図を参照しながら詳細に説明する。なお、特に説明の無い箇所については、実施の形態1と同じ形状、材料、製造条件を適用する。
(ガラス成形品10G)
図26および図27に示すように、穴部10Hがガラス成形品10Gのおもて面11に開口する開口径は、現実的に要求される最小値である0.5mm以上とすることができる。穴部10Hの径が小さいほど、本実施の形態の製造装置および製造方法を好適に用いることができる。また穴部10Hがおもて面11に開口する開口は、実用上最大と考えられる10mm×50mmに収まる大きさとすることができる。穴部10Hは、おもて面11において10×50mm以下の開口寸法D(図3参照)を有する。たとえば、外径130mm×60mm、厚み0.8mmのガラス成形品10Gに対し、上記開口の寸法を4mm×25mmとすることができる。なお、ガラス成形品10Gの平面視した状態における大きさは、実用上の大きさを考慮すると、40mm×40mm以上かつ300mm×300mm以下の大きさに収まる大きさであるとよい。
図26および図27に示すように、穴部10Hがガラス成形品10Gのおもて面11に開口する開口径は、現実的に要求される最小値である0.5mm以上とすることができる。穴部10Hの径が小さいほど、本実施の形態の製造装置および製造方法を好適に用いることができる。また穴部10Hがおもて面11に開口する開口は、実用上最大と考えられる10mm×50mmに収まる大きさとすることができる。穴部10Hは、おもて面11において10×50mm以下の開口寸法D(図3参照)を有する。たとえば、外径130mm×60mm、厚み0.8mmのガラス成形品10Gに対し、上記開口の寸法を4mm×25mmとすることができる。なお、ガラス成形品10Gの平面視した状態における大きさは、実用上の大きさを考慮すると、40mm×40mm以上かつ300mm×300mm以下の大きさに収まる大きさであるとよい。
ガラス成形品10Gは、おもて面11とうら面12とは、主表面18を構成する。主表面18は、おもて面11とうら面12とを含む。穴部10Hは、主表面18に含まれるおもて面11またはうら面12に対して窪んだ凹形状に形成されている。ガラス成形品10Gの主表面18には、凹形状が形成されている。本実施の形態では、当該凹形状はガラス成形品10Gの主板部13を貫通する貫通孔として形成されている。他の例では、凹形状は、主表面18に対して窪んだ、有底の穴形状に形成されてもよい。
(製造装置)
以上のような穴部10Hを有するガラス成形品10Gは、上記実施の形態1と同様に、ダイレクトプレス法を使用して製造される。ガラス成形品10Gの製造装置は、第1上型61の形状を除き、図3に示す製造装置50と同じである。
以上のような穴部10Hを有するガラス成形品10Gは、上記実施の形態1と同様に、ダイレクトプレス法を使用して製造される。ガラス成形品10Gの製造装置は、第1上型61の形状を除き、図3に示す製造装置50と同じである。
図28に本実施の形態に用いられる第1上型61の断面形状を示す。第1上型61は、ガラス成形品10Gの主板部13のうら面12aを成形する第1平坦領域61aと、側板部16のうら面12bを成形する第1側面領域61bと、窪み部10Vを成形する凸部領域61cとを含む。
本実施の形態の凸部領域61cは、円錐台形状に形成されている。凸部領域61cは中心軸Cを中心に対称な形状を有し、円錐台の側面を形成するテーパ面61tを有する。テーパ面61tは、中心軸Cに対して傾斜している。中心軸Cの延びる方向は、図3に示すDR1方向である。テーパ面61tは、DR1方向に対して傾斜する。
凸部領域61cの第1平坦領域61aに対する法線方向における突出寸法Hは、すなわち図3に示すDR1方向に沿う寸法H2は、0.5mm以上10.0mm以下である。凸部領域61cの高さ(DR1方向に沿う寸法)は、穴部10Hを成形するために現実的に要求される値から決定されればよい。ガラス成形品10Gを貫通する穴部10Hをプレス工程で成形する場合には、凸部領域61cの高さを相対的に大きくし、ガラス成形品10Gの厚みを超える寸法にする必要がある。たとえば、本実施の形態では、第1上型61に対して凸部領域61cが下型62側に突起する寸法を1.2mmとし、傾斜角度を3°とした。
テーパ面61tが中心軸Cに対して傾斜する傾斜角度θは、1°以上20°以下、好ましくは3°以上5°以下である。傾斜角度θは、穴部10Hに要求される寸法精度、プレス成形時の凸部領域61cの離型の容易性、凸部領域61cを含む第1上型61の生産性および強度などを考慮して、最適な値に決定されればよい。
図29に第2上型64の断面形状を示す。第2上型64は、ガラス成形品10Gの主板部13のうら面12aのみを成形するための第3平坦領域64aと、第3平坦領域64aに対して垂直方向に延びる第3側面領域64bとを含む。第3側面領域64bは、加圧時にガラス素材に接触することはない。また、第2上型64には、第1上型61に設けられるような凸部領域は設けられていない。
(製造方法)
以下、ダイレクトプレス法を使用してガラス成形品10Gを得る製造方法について説明する。本実施の形態におけるガラス成形品10Gの製造方法の流れは、図6に示すフローと同じである。まず工程(S11)において、第1上型61、第2上型64、および下型62を含む成形用金型60A,60Bが準備される。このとき第1上型61、第2上型64、および下型62は、それぞれ所定の温度に加熱される。
以下、ダイレクトプレス法を使用してガラス成形品10Gを得る製造方法について説明する。本実施の形態におけるガラス成形品10Gの製造方法の流れは、図6に示すフローと同じである。まず工程(S11)において、第1上型61、第2上型64、および下型62を含む成形用金型60A,60Bが準備される。このとき第1上型61、第2上型64、および下型62は、それぞれ所定の温度に加熱される。
次に工程(S12)において、下型62をガラス滴下ポジションP1(図3参照)に配置する。次に工程(S13)において、ガラス素材を切断する。図30は、実施の形態3のガラス素材を切断する工程を示す断面図である。図3を参照して説明した通り、溶融した状態で連続溶融炉71内に貯留されたガラス素材10Eは、ノズル73を経由して連続溶融炉71から流出し、自重によりノズル73から液線状に落下する。ノズル73から流出したガラス素材10Eをガラスカッター63を用いて切断し、図30に示す滴状の形状を有するガラス素材10Fを得る。ガラス素材10Fは、下型62へ向かって落下する。
次に工程(S14)において、溶融した状態の高温のガラス素材10Fを下型62へ滴下する。図31は、実施の形態3のガラス素材10Fを下型62へ滴下する工程を示す断面図である。ガラスカッター63により切断され落下するガラス素材10Fは、下型62の上に溜め受けられる。図31に示すように、下型62上に供給されたガラス素材10Fは、下型62上で濡れ広がる。ガラス素材10Fは、穴部10Hが形成される位置、すなわち凸部領域61cが配置される位置を避けて、下型62に滴下されることが好ましい。下型62に滴下されたガラス素材10Fの温度は、たとえば800℃以上900以下の範囲であってもよい。
次に工程(S15)において、下型62を成形ポジションP2(図3参照)に移動する。次に工程(S16)において、第1上型61を下降する。図32は、実施の形態3の第1上型61を下降する工程を示す断面図である。下型62に対向する第1上型61は、図32中の白抜き矢印に示すように、下降移動する。図32に示すように、第1上型61には、凸部領域61cが設けられている。
図33を参照して、第1上型61の下降移動を続けることにより、第1上型61に対し下方に突出する凸部領域61cが第1上型61と下型62との間に配置される。図33に示す状態では、凸部領域61cの先端部と下型62との間には隙間が形成されている。
図33では、第1上型61の第1平坦領域61a(成形面)がガラス素材10Fに接触し、ガラス素材10Fの加圧成形が開始されている。しかし、凸部領域61cの周囲にはガラス素材10Fが未だ充填されていない。つまり、凸部領域61cは、その周囲にガラス素材10Fが充填されるよりも先に、第1上型61と下型62との間の、ガラス素材10Fが凸部領域61cによって成形されるべき鉛直方向の位置に配置される。なお、凸部領域61cを配置する時点でガラス素材10Fの加圧成形が開始されていることは必須ではなく、第1上型61はガラス素材10Fに対し非接触であってもよい。
次に、図34を参照して、第1上型61をさらに下降させ、凸部領域61cの周囲にガラス素材10Fを充填する。図34は、実施の形態3の凸部領域61cの周囲にガラス素材10Fを充填する工程を示す断面図である。図33に示す状態から第1上型61をさらに下降して第1上型61と下型62とを近接させることにより、ガラス素材10Fが第1上型61の第1平坦領域61a(成形面)と下型62の第2平坦領域62aとによって、プレス加工される。第1上型61は、下型62と共に、ガラス素材10Fを加圧し成形する。
このとき、加圧成形されたガラス素材10Fが押し広げられて水平方向(図中左右方向)に伸ばされ、第1上型61の第1平坦領域61a(成形面)および下型62の第2平坦領域62aにガラス素材10Fが充填される。このとき、水平方向に押し広げられたガラス素材10Fが凸部領域61cにまで到達し、凸部領域61cの周囲にもガラス素材10Fが充填される。
第1上型61でガラス素材10Fをプレスする際、凸部領域61cを溶融したガラス素材10Fに挿入しても構わないが、下型62にガラス素材10Fが接触すると同時に、急激な温度低下、すなわちガラスの硬化が始まるため、板厚や穴の大きさによっては穴部10Hの転写性が劣る場合がある。穴部10Hの転写性の観点からは、加圧成形されたガラス素材10Fが押し広げられて、凸部領域61cにまで到達し、凸部領域61cの周囲にガラス素材10Fが充填されることが好ましい。プレス加工の開始時のガラス素材10Fの温度は、上記実施の形態1と同じである。
所定の時間が経過した後、次に工程(S17)において、第1上型61を上昇移動させ、第1上型61をガラス素材10Fから離型させる。図35および図36は、実施の形態3の第1上型61を離型させる工程を示す断面図である。たとえばプレス成形の開始から成形用金型60を7秒間保持し、その後、第1上型61を図35および図36に示す白抜き矢印の方向に沿って上昇させ、ガラス素材10Fの厚み方向に第1上型61を移動させて、第1上型61を離型する。
ガラス成形品10Gの主面(おもて面11およびうら面12)と凸部領域61cにより成形される穴部10Hとにおいて、所望の形状を形成するまでの時間を比較すると、穴部10Hの方が早く完了できる。これは、ガラスゴブの温度分布、穴部10Hはガラス成形品10Gの端部に設けられるため凸部領域61cはプレスにより押し広げられた比較的低温のガラス素材10Fを成形すること、凸部領域61cの近傍ではガラス素材10Fの量に対して金型の面積が大きく放熱し易いこと、主面に対して穴部10Hの側面は要求される面粗さが比較的厳しくないこと、などを理由とする。穴部10Hの成形条件は、略側板部16の成形条件と同じである。
凸部領域61cは、図28を参照して説明したように、円錐台形状に形成されており、円錐台の側面を構成するテーパ面61tを有する。図3に示すDR2方向はガラス素材10Fの表面の延びる方向であり、図3に示すDR1方向はガラス素材10Fの厚み方向、すなわちガラス素材10Fの表面の法線方向である。テーパ面61tは、ガラス素材10Fの表面の法線方向に対して傾斜している。テーパ面61tを有する凸部領域61cは、第1上型61から下型62へ向かうにつれて先細になる形状を有する。
凸部領域61cの移動方向に対しテーパ面61tが傾斜しているため、第1上型61の離型動作時に凸部領域61cがガラス素材10Fから抜き易くなる。加えて、ガラス素材10Fに対し凸部領域61cを相対移動すれば、凸部領域61cはガラス素材10Fに接触しなくなり、凸部領域61cがガラス素材10Fから離型した状態が速やかに得られる。
図35は、ガラス素材10Fから離型した凸部領域61cを示す拡大図である。図35に示すように、凸部領域61cの周囲および凸部領域61cに対し下型62側に充填されたガラス素材10Fは、凸部領域61cによって成形され、窪み部10Vが形成される。凸部領域61cの側面がテーパ面61tとして形成されているので、凸部領域61cが上昇移動して窪み部10Vの底部から凸部領域61cが離れると、凸部領域61cのテーパ面61tと窪み部10Vの内側面との間に空隙Gが形成される。これにより、10Vを成形した凸部領域61cの表面の全部が窪み部10Vから離れ、凸部領域61cがガラス素材10Fに対し非接触となり、凸部領域61cのガラス素材10Fからの離型が行なわれる。
所定の時間が経過し、ガラス素材10Fの一次加圧成形が完了すると、次に工程(S17)において、第1上型61を上昇する。図36は、実施の形態3の第1上型61を上昇する工程を示す断面図である。
次に工程(S18)において、下型62を成形ポジションP3(図3参照)に移動する。成形ポジションP3に移動した下型62の成形面と、第2上型64の成形面とは、互いに対向する。
次に工程(S19)において、第2上型64を下降する。図37は、実施の形態3の第2上型64を下降する工程を示す断面図である。下型62に対向する第2上型64は、図37中の白抜き矢印に示すように、下降移動する。これにより、第2上型64と下型62とが近接し、再び第2上型64によって、ガラス素材10Fの加圧を行なう。このとき、第2上型64は、第3平坦領域64aのみがガラス素材10Fに接触し、第3側面領域64bはガラス素材10Fには接触しない。また、窪み部10Vの内部にも金型は存在しない。
所定の時間が経過し、ガラス素材10Fの二次(最終)加圧成形が完了すると、次に工程(S20)において、第2上型64を上昇する。図38は、実施の形態3の第2上型64を上昇する工程を示す断面図である。
次に工程(S21)において、下型62を取出しポジションP4(図3参照)に移動する。下型62は、第2上型64の下方の成形ポジションP3から、第2上型64に対向しない取出しポジションP4に移動する。このとき下型62の成形面上には、プレス成形が完了しほぼ硬化したガラス素材10Fが載置されている。
次に工程(S22)において、成形用金型60Bからガラス素材10Fを取り出し、ガラス素材10Fを回収する。たとえば、真空吸着を利用した吸引装置などの公知の離型装置などを用いて行なえばよい。これにより、ガラス素材10Fが下型62から外される。図39は、成形用金型60Bから取り出されたガラス素材10Fを示す断面図である。図39に示すガラス素材10Fには、凸部領域61cにより成形された窪み部10Vが形成されている。
次に工程(S23)において、温度がさらに低下して固化したガラス素材10Fを研磨する。図39に示すガラス素材10Fに対し、破線BLよりも下側の領域が研磨され除去される。これにより、ガラス素材10Fの表面の面精度を向上し、所望の表面性状を有するガラス成形品10Gが得られる。
図40は、研磨完了後のガラス成形品10Gを示す断面図である。図39に示すガラス素材10Fが研磨されたことにより、ガラス素材10Fに形成された窪み部10Vの底面が除去される。これにより、厚み方向にガラス成形品10Gを貫通する穴部10Hが形成された、欠陥の無い穴付きのガラス成形品10Gを得ることができる。
(作用・効果)
実施の形態3に係る製造方法によって製造されたガラス成形品10Gにおいても、実施の形態1と同様の作用効果を得ることを可能とする。また、凸部領域61cを有する第1上型61を用いて、穴部10Hの成形条件を略側板部16の成形条件と同一にすることで、製造工程を増加させることなく、転写性、離型性を損なわず、また、カバーガラスに割れを生じさせることなく穴付きのガラス成形品10Gを得ることができる。
実施の形態3に係る製造方法によって製造されたガラス成形品10Gにおいても、実施の形態1と同様の作用効果を得ることを可能とする。また、凸部領域61cを有する第1上型61を用いて、穴部10Hの成形条件を略側板部16の成形条件と同一にすることで、製造工程を増加させることなく、転写性、離型性を損なわず、また、カバーガラスに割れを生じさせることなく穴付きのガラス成形品10Gを得ることができる。
なお、本実施の形態における製造方法を、実施の形態2の製造方法に適用することも可能である。
[実施の形態4]
次に、図41から図49を参照して、実施の形態1の変形例としてのディスプレイ用カバーガラスおよびその製造方法について説明する。用いる製造装置は、図3に示す製造装置50と同じである。また、特に説明の無い箇所については、実施の形態1と同じ形状、材料、製造条件を適用する。
次に、図41から図49を参照して、実施の形態1の変形例としてのディスプレイ用カバーガラスおよびその製造方法について説明する。用いる製造装置は、図3に示す製造装置50と同じである。また、特に説明の無い箇所については、実施の形態1と同じ形状、材料、製造条件を適用する。
図41は、本実施の形態の第1金型を下降する工程を示す断面図である。図42は、本実施の形態4の第1金型を上昇する工程を示す断面図である。図43は、本実施の形態の第3金型を下降する工程を示す断面図である。図44は、本実施の形態の第3金型を上昇する工程を示す断面図である。図45は、成形用金型から取り出されたガラス素材を示す断面図である。図46は、主板部の研磨完了後のガラス成形品を示す断面図である。図47から図49は、素材逃がし部の研磨完了後のガラス成形品を示す第1から第3断面図である。
本実施の形態におけるガラス成形品10Gにおいては、ガラス素材10Fを第1上型61および下型62によって規定されるキャビティCA内に充填させる工程において、側板部16の主板部13が連設される側とは反対側の端部において、主板部13とは反対方向に延びる素材逃がし部10Xがさらに設けられ、離型後のガラス成形品10Gにおいて、素材逃がし部10Xが研磨加工により削除される工程をさらに備えている。以下、その製造工程について説明する。基本的な製造フローは、図6に示すフローと同じであり、研磨工程(S23)において、素材逃がし部10Xを研磨により除去する工程が追加される。
実施の形態1における、図6に示すS11からS15、図7から図10までの工程は同じである。図41を参照して、工程(S16)において、第1上型61を下降する。下型62に対向する第1上型61は、図41中の白抜き矢印に示すように、下降移動する。本実施の形態において、第1上型61および下型62によって規定されるキャビティCAには、第2キャビティ部CA2の第1キャビティ部CA1側とは反対側に位置する端部から連設され、第1上型61の延在部64xおよび下型62の延在部62xによって規定される素材逃がし部としての第3キャビティ部CA3が設けられている。
第1上型61が下型62に向けて下降することで、第1キャビティ部CA1、第2キャビティ部CA2および第3キャビティ部CA3を有するキャビティCA内に隙間なく、ガラス素材10Fが押し広げられる。このとき、水平方向に押し広げられたガラス素材10Fが第3キャビティ部CA3にまで到達する。
図42を参照して、所定の時間が経過し、ガラス素材10Fの一次加圧成形が完了すると、次に工程(S17)において、第1上型61を上昇移動させ、第1上型61をガラス素材10Fから離型させる。
図43を参照して、次に工程(S18)において、下型62を成形ポジションP3(図3参照)に移動する。成形ポジションP3に移動した下型62の成形面と、第2上型64の成形面とは、互いに対向する。次に工程(S19)において、第2上型64を下降する。下型62に対向する第2上型64は、図43中の白抜き矢印に示すように、下降移動する。これにより、第2上型64と下型62とが近接し、再び第2上型64によって、ガラス素材10Fの加圧を行なう。このとき、第2上型64は、第3平坦領域64aのみがガラス素材10Fに接触し、第3側面領域64bおよび延在部62xはガラス素材10Fには接触しない。
図44を参照して、所定の時間が経過し、ガラス素材10Fの二次(最終)加圧成形が完了すると、次に工程(S20)において、第2上型64を上昇する。
図45を参照して、工程(S21)において、下型62を取出しポジションP4(図3参照)に移動する。下型62は、第2上型64の下方の成形ポジションP3から、第2上型64に対向しない取出しポジションP4に移動する。このとき下型62の成形面上には、プレス成形が完了しほぼ硬化したガラス素材10Fが載置されている。
次に工程(S22)において、成形用金型60Bからガラス素材10Fを取り出し、ガラス素材10Fを回収する。たとえば、真空吸着を利用した吸引装置などの公知の離型装置などを用いて行なえばよい。これにより、ガラス素材10Fが下型62から外される。図45に示すガラス素材10Fには、素材逃がし部10Xが形成されている。
次に工程(S23)において、温度がさらに低下して固化したガラス素材10Fを研磨する。図45に示すガラス素材10Fに対し、破線BLよりも下側の領域が研磨され除去される。これにより、図46に示す、ガラス素材10Fの表面の面精度を向上し、所望の表面性状を有するガラス素材10Fが得られる。
図47を参照して、ガラス素材10Fから、素材逃がし部10Xを除去する。図47に示すガラス素材10Fに対し、破線BL1よりも上側の領域(素材逃がし部10X)が研磨され除去される。また、図48に示すように、破線BL2よりも外側の領域(素材逃がし部10X)を研磨し除去してもよい。図49は、素材逃がし部10Xが研磨され除去された後のガラス成形品10Gである。
(作用・効果)
実施の形態4に係る製造方法によって製造されたガラス成形品10Gにおいても、実施の形態1と同様の作用効果を得ることを可能とする。また、素材逃がし部10Xを形成した後に素材逃がし部10Xを削除する工程を採用することで、ガラス成形品10Gの寸法精度を高めることが可能となる。
実施の形態4に係る製造方法によって製造されたガラス成形品10Gにおいても、実施の形態1と同様の作用効果を得ることを可能とする。また、素材逃がし部10Xを形成した後に素材逃がし部10Xを削除する工程を採用することで、ガラス成形品10Gの寸法精度を高めることが可能となる。
なお、本実施の形態における製造方法を、実施の形態2の製造方法に適用することも可能である。
また、上述した本発明の実施の形態1から4において、ガラス製品として、ディスプレイ装置のディスプレイ面を覆うカバーガラスを例示しているが、これに限定されず、たとえば、電子機器(モバイルコンピュータ、デジタルカメラ等)等の外装カバーに本発明を適用してもよい。
以上のように本発明に基づいた各実施の形態について説明を行なったが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 ディスプレイ用カバーガラス、10A ディスプレイ用カバーガラス、10E,10F ガラス素材、10G ガラス成形品、10H 穴部、10X 素材逃がし部、10V 窪み部、11,11a,11b おもて面、12,12a,12b うら面、13 主板部、14 湾曲部、15 傾斜部、16 側板部、20 外装プレート、30 回路基板、31 スピーカー、40 ディスプレイ、42 画像表示部、50 製造装置、60A,60B 成形用金型、61 第1上型、62x,64x 延在部、61a 第1平坦領域、61b 第1側面領域、61c 凸部領域、61t テーパ面、64 第2上型、64a 第3平坦領域、64b 第3側面領域、62 下型、63 ガラスカッター、64 第2上型、70 素材供給部、71 連続溶融炉、73 ノズル、81,82,83 サーボモーター、85 エアーシリンダー、90 制御部、100,100A ディスプレイ装置、CA キャビティ部、CA1 第1キャビティ部、CA2 第2キャビティ部、CA3 第3キャビティ部。
Claims (12)
- 主板部および前記主板部の外縁の少なくとも一部から連設された側板部を含むガラス成形品を製造するためのガラス成形品の製造方法であって、
前記主板部のうら面および前記側板部のうら面を成形するための第1金型と、前記主板部のおもて面および前記側板部のおもて面を成形するための第2金型と、前記主板部の前記うら面のみを成形するための第3金型と、を準備する工程と、
前記第2金型に溶融したガラス素材を供給する工程と、
前記第1金型および前記第2金型を相対的に近接させることにより、前記ガラス素材を前記第1金型および前記第2金型によって規定されるキャビティ内に充填させて、前記ガラス素材を1次加圧する工程と、
前記ガラス素材の前記1次加圧の後に、前記1次加圧された前記ガラス素材から前記第1金型を離隔させる工程と、
前記第1金型の離隔後に、前記ガラス素材が載置された前記第2金型に前記第3金型を近接させて前記ガラス素材を2次加圧する工程と、
前記ガラス素材の前記2次加圧後に、前記ガラス素材が前記2次加圧された後のガラス成形品から前記第3金型を離隔させ、前記ガラス成形品を前記第2金型から離型する工程と、
を備えるガラス成形品の製造方法。 - 前記ガラス素材のガラス転移点をTgとした場合に、
前記第1金型の離隔開始時における前記ガラス素材の温度は、(Tg−30)℃以上(Tg+100)℃以下であり、
前記第3金型の離隔開始時における前記ガラス素材の温度は、(Tg−200)℃以上(Tg−30)℃以下である、請求項1に記載のガラス成形品の製造方法。 - 前記ガラス成形品の平面視した状態における大きさが、40mm×40mm以上かつ300mm×300mm以下の大きさに収まる大きさである、請求項1または請求項2のいずれかに記載のガラス成形品の製造方法。
- 前記主板部と前記側板部とが成す入隅側の角度が、90°以上150°以下であり、
前記ガラス成形品の前記主板部の前記おもて面の法線方向に沿った全高が、1mm以上10mm以下である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のガラス成形品の製造方法。 - 前記離型後の前記ガラス成形品の少なくともおもて面を研磨仕上げする工程をさらに備えた、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のガラス成形品の製造方法。
- 前記ガラス素材を前記第1金型および前記第2金型によって規定されるキャビティ内に充填させる工程において、前記側板部の前記主板部が連設される側とは反対側の端部において、前記主板部とは反対方向に延びる素材逃がし部がさらに設けられ、
前記離型後の前記ガラス成形品において、前記素材逃がし部が研磨加工により削除される工程をさらに備えた、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のガラス成形品の製造方法。 - 前記2次加圧の加圧力は、前記1次加圧の加圧力よりも低い、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のガラス成形品の製造方法。
- 前記ガラス成形品は、対象物の表面を覆うカバーガラスである、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のガラス成形品の製造方法。
- 前記対象物は、ディスプレイの画像表示部である、請求項8に記載のガラス成形品の製造方法。
- 主板部および前記主板部の外縁の少なくとも一部から連設された側板部を含むガラス成形品を製造するためのガラス成形品の製造装置であって、
前記主板部のうら面および前記側板部のうら面を成形するための第1金型と、
前記主板部のおもて面および前記側板部のおもて面を成形するための第2金型と、
前記主板部の前記うら面のみを成形するための第3金型と、
溶融したガラス素材を供給する素材供給部と、
前記第1金型を移動させる第1駆動部と、
前記第2金型を移動させる第2駆動部と、
前記第3金型を移動させる第3駆動部と、
前記第1駆動部、前記第2駆動部、前記第3駆動部、および前記素材供給部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記第2金型に溶融した前記ガラス素材を前記素材供給部から供給した後、前記第1金型および前記第2金型を相対的に近接させることにより、前記ガラス素材を前記第1金型および前記第2金型によって規定されるキャビティ内に充填させて、前記ガラス素材を1次加圧し、前記ガラス素材の前記1次加圧の後に、前記1次加圧された前記ガラス素材から前記第1金型を離隔させ、前記前1金型の離隔後に、前記ガラス素材が載置された前記第2金型に前記第3金型を近接させて前記ガラス素材を2次加圧し、前記ガラス素材の前記2次加圧後に、前記ガラス素材が前記2次加圧された後のガラス成形品から前記第3金型を離隔させるように、前記第1駆動部、前記第2駆動部、前記第3駆動部、および前記素材供給部を制御する、ガラス成形品の製造装置。 - 前記キャビティは、前記ガラス成形品の前記主板部に対応する形状を有する第1キャビティ部と、前記ガラス成形品の前記側板部に対応する形状を有する第2キャビティ部とを含み、
前記第1金型および前記第2金型が接近した状態において、前記第2キャビティ部は、前記第1キャビティ部の外縁の少なくとも一部に連設されるように構成され、
前記第1キャビティ部と前記第2キャビティ部とが成す入隅側の角度が、90°以上150°以下である、請求項10に記載のガラス成形品の製造装置。 - 前記キャビティは、前記第2キャビティ部の前記第1キャビティ部側とは反対側に位置する端部から連設され、前記第1金型および前記第3金型によって規定される素材逃がし部をさらに含む、請求項11に記載のガラス成形品の製造装置。
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