JP2019043834A - 3dカバーガラス、およびその成形用金型 - Google Patents

3dカバーガラス、およびその成形用金型 Download PDF

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Abstract

【課題】プレス成形時のしわの発生を抑制できる3Dカバーガラス成形用金型の提供。【解決手段】中心部が平坦で周辺部の少なくとも一部に曲面部を有する3Dカバーガラスの成形用金型であって、成形用金型は、中心部に対応するプレス面Aおよび曲面部に対応するプレス面Bを有する一対の凸型および凹型を含み、プレス成形時における凸型および凹型のプレス面A間の最近接距離D、およびプレス成形時における凸型および凹型のプレス面B間の最近接距離をD1、最終製品の3Dカバーガラスの板厚に対し所定の条件を満たすことを特徴とする3Dカバーガラス成形用金型。【選択図】図4

Description

本発明は、携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末といったモバイル機器やCID(Center Information Display)、クラスターといった車載ディスプレイに使用される画像表示装置のための3次元形状をしたカバーガラス(3Dカバーガラス)、およびその成形用金型に関する。
携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末といったモバイル機器の意匠性を向上させるため、モバイル機器に使用される画像表示装置に、図1に示すような3Dカバーガラスの適用が検討されている。図1は3Dカバーガラス100の一構成例を示した図であり、中心部110が平面で周辺部に3次元曲面形状をなす曲面部120を有している。
画像表示装置のカバーガラスは薄型化に加え一定の強度が要求されるため化学強化処理が施されるが、周辺部に3次元曲面を有する3Dカバーガラスは化学強化処理による反りの発生が問題となる。図2(a),(b)は、3Dカバーガラスの化学強化処理による反りの発生を示した模式図であり、図2(a)は化学強化処理前、図2(b)は化学強化処理後における3Dカバーガラスの化学強化処理による反りの発生状態を示した断面模式図である。この場合、図2(a)に示すように、例えば、化学強化処理前は中心部が平坦であるのに対し、図2(b)に示すように、化学強化処理後は該中心部に凸状に反りが発生する。
特許文献1は、このように発生する化学強化処理による3Dカバーガラスの反りを補正する方法を提案している。
特表2016−524582号公報
特許文献1に示す手順で形成する3Dカバーガラス用として、図2に示した反りを反転させた金型の断面模式図を図3(a)に示す。図3(a)に示す一対の金型は、凸型200および凹型300で構成され、最終製品の3Dカバーガラスで平面となる該3Dカバーガラスの中心部に対応するプレス面が曲面となり平坦性が低い特徴がある。このようなプレス面の平坦性が低い金型を用いて3Dカバーガラスをプレス成形する際、図3(b)において、矢印aで示すように、一対の金型同士の嵌合がずれると、金型同士のセンターにズレが生じ、金型のプレス面間の板厚クリアランスが不均一になる。ここで、板厚クリアランスとは、凸型と凹型とで3Dカバーガラスを成形する際の、対向する凸型表面と凹型表面との間の任意の位置における最短距離を意味する。
そして、この板厚クリアランスが不均一となることで、最終製品の3Dカバーガラス100では平面となる中心部110の四隅に相当する部位の圧力制御が困難になり、図3(c)に示すように、部位によって圧力が不均一になる。図3(c)の例で説明すると、相対的に、矢印bで示す部位には圧力が集中しており、破線cで囲った部位には圧力が集中していない。そのため、最終製品の3Dカバーガラス100は、その平面となる中心部110のうち、とくに四隅に相当する部位にしわが発生し、さらに、このしわが、四隅からの応力分布により中心部110の四隅だけでなく、該四隅以外の部位にも発生してしまう問題があった。ここで、しわとは成形中に材料が局所的にたるんで生じる線状の外観欠点であり、直線光をサンプルに透過させスクリーンに映してその明暗で欠点を確認する手法や、直線光の複屈折による位相差(リターデーション)を数値化することで確認できる。
本願発明は、上記の問題点を解決するため、プレス成形時のしわの発生を抑制できる3Dカバーガラス成形用金型、およびプレス成形時のしわの発生が抑制された3Dカバーガラスの提供を目的とする。
上記した目的を達成するため、中心部が平坦で周辺部の少なくとも一部に曲率半径100[mm]以下の3次元曲面をなす曲面部を有する3Dカバーガラスの成形用金型であって、
前記成形用金型は、前記中心部に対応する平坦なプレス面Aおよび前記曲面部に対応するプレス面Bを有する一対の凸型および凹型を含み、最終製品の3Dカバーガラスの板厚をt[mm]とするとき、プレス成形時における前記凸型および前記凹型のプレス面A間の最近接距離D[mm]がt[mm]以上、t+0.02[mm]以下であり、
前記凸型のプレス面Bにおいて、前記プレス面Aの中心からみて周辺方向に曲率半径が100[mm]以下になる最初の位置を前記プレス面Aと前記プレス面Bとの境界線と定義し、前記境界線上の任意の点を原点とし、前記原点から前記プレス面Aに平行で前記境界線に垂直な線をX軸とし、前記X軸は前記原点から見てプレス面Aの方向をマイナス方向、その逆方向をプラス方向とし、前記プレス面Aの法線方向をZ軸とし、XZ平面での断面図をとり、前記断面図において前記プレス面Bの個々の部位における、プレス成形時における前記凸型および前記凹型のプレス面B間の最近接距離をD1[mm]とするとき、前記凸型を基準として前記X軸のプラス方向における前記D1の変化量ΔD1/ΔXの最大値が0.01[mm]以上であり、かつD1の最大値がt+0.10[mm]以上、t+0.50[mm]以下である3Dカバーガラス成形用金型を提供する。
また、3Dカバーガラス成形用金型において、前記凸型および前記凹型は熱伝導率が50[W/(m・K)]以上の材料からなり、前記凸型および前記凹型の体積を各々V1[mm3]およびV2[mm3]とするとき、これらの比V1/V2が、0.5以上、2.0以下が好ましい。
また、3Dカバーガラス成形用金型において、前記凸型および前記凹型の少なくとも一方は、前記プレス面Aの裏面に下記(1)〜(3)を満たす凹部が設けられていることが好ましい。
(1)前記凹部は、前記プレス面Aの裏面の中心を含む。
(2)前記凹部は、前記プレス面Aの裏面の中心を通り、前記境界線との2つの交点間の直線距離dx[mm]が最小となる直線の方向をX’軸方向とするとき、前記X’軸方向において、前記プレス面Aの裏面全体にわたって設けられている。
(3)前記X’軸方向のうち、前記直線距離dx[mm]に相当する線分に対して交点を有し直交する方向における前記プレス面Bの最大長さをL[mm]とし、前記X’軸方向の直交方向における前記凹部の最小長さをL’[mm]とし、最大長さをL”[mm]とするとき、L>L”であり、かつ、比(L’/L)が0.5以上、0.98以下である。
また、3Dカバーガラス成形用金型において、前記凹部は、下記(4)を満たすことが好ましい。
(4)前記凹部は、前記X’軸方向の直交方向における端部が、前記X’軸方向に平行な直線形状、または前記X’軸の直交方向に対し線対称形状である。
また、3Dカバーガラス成形用金型において、前記凹部の深さは0.1[mm]以上、5[mm]以下が好ましい。
また、3Dカバーガラス成形用金型において、前記凹部は、前記深さが均一であることが好ましい。
また、3Dカバーガラス成形用金型は、さらに前記凸型および前記凹型の嵌合部を覆うリング型を有することが好ましい。
また、3Dカバーガラス成形用金型は、500℃における前記凸型の熱膨張係数が、50×10-7/K以上が好ましい。
また、3Dカバーガラス成形用金型は、前記凸型は、Z軸方向からみて外周が多角形の凸部を有し、前記凹型は、Z軸方向からみて外周が前記多角形に相当する凹部を有し、
前記多角形は、Z軸方向からみて2つの直線部を繋き、丸みを帯びた部分を含む角部を有し、
前記X軸および前記Z軸に直交する軸をY軸とし、XY平面での断面図をとり、前記断面図において前記プレス面Bの個々の部位における、プレス成形時における前記凸型および前記凹型のプレス面B間の、前記多角形の直線部分における前記最近接距離GSに対して、前記多角形の前記角部における前記最近接距離GCが長い部分を含むことが好ましい。
また、3Dカバーガラス成形用金型は、前記凸型は、XZ平面での断面図において、前記プレス面Bにおける形状が、Z軸方向において前記プレス面Aから離間するにつれて、X軸方向において前記プレス面A側に傾斜する部分を含むことが好ましい。
また、本発明の3Dカバーガラス成形用金型の、前記凸型と前記凹型との間に平面状のガラス板を載置した後、加熱して、3Dカバーガラスを成形した後、冷却する、3Dカバーガラスの製造方法を提供する。
3Dカバーガラスの製造方法は、前記ガラス板の500℃における熱膨張係数は、前記凸型の500℃における熱膨張係数より大きく、両者の差を、20×10-7/K以下とすることが好ましい。
3Dカバーガラスの製造方法は、前記冷却後の3Dカバーガラス板は、曲げ角度の最大値が60°以上90°以下であることが好ましい。
また、平面視した形状が、角部が丸みを帯びた部分があるものを含む多角形であり、中心部が平面で、該多角形の少なくとも2辺の周辺部に曲率半径100[mm]以下の3次元曲面をなす曲面部を有する3Dカバーガラスであって、前記中心部に対し垂直に波長543[nm]の光を照射することで測定した1[mm]厚さ当たりのリタデーションの最大値が16[nm/mm]以下である3Dカバーガラスを提供する。
また、3Dカバーガラスにおいて、前記多角形は、矩形であることが好ましい。
また、3Dカバーガラスにおいて、前記曲面部において、前記中心部の中心、若しくは前記中心部の重心からみて周辺方向に、曲率半径が100[mm]以下になる最初の位置を前記中心部と前記曲面部との境界線と定義したとき、前記中心部の境界線上の任意の点を原点とし、前記原点から前記中心部に平行で前記境界線に垂直な線をX軸とするとき、前記X軸方向における前記曲面部の長さが、0.5[mm]以上、50[mm]以下が好ましい。
また、3Dカバーガラスにおいて、前記曲面部の曲げ深さが0.5[mm]以上、30[mm]以下が好ましい。
また、3Dカバーガラスは、板厚が0.3[mm]以上、2.0[mm]以下が好ましい。
また、3Dカバーガラスは、曲げ角度の最大値が60°以上90°以下であることが好ましい。
また、3Dカバーガラスは、平面視した形状における対角サイズが50[mm]以上、1000[mm]以下が好ましい。
さらに、3Dカバーガラスは、化学強化されていることが好ましい。
本発明の3Dカバーガラス成形用金型によれば、プレス成形時において、3Dカバーガラスの中心部に発生する顕著なしわを抑制できる。
図1は、3Dカバーガラスの一構成例を示した図である。 図2(a),(b)は、3Dカバーガラスの化学強化処理による反りの発生を示した断面模式図であり、図2(a)は化学強化処理前、図2(b)は化学強化処理後を示している。 図3(a)〜(c)は、図2に示した反りを反転させた従来の金型によるプレス成形を示した図である。 図4は、本発明の実施形態にかかる3Dカバーガラス成形用金型の一構成例を示した斜視図である。 図5は、図4の3Dカバーガラス成形用金型の側面図である。 図6は、図5の3Dカバーガラス成形用金型の嵌合状態を示した断面図である。 図7(a),(b)は、凸型のプレス面における各部の位置関係を説明する図であり、図7(a)は凸型のプレス面の斜視図、図7(b)は凸型のプレス面の平面図である。 図8(a)は、嵌合状態の本発明の実施形態にかかる3Dカバーガラス成形用金型の各部の位置関係を説明するための部分断面図であり、図8(b)は実施例/比較例における3Dカバーガラス成形用金型の各部の位置関係を示した部分断面図である。 図9(a)〜(c)は、本発明の実施形態にかかる3Dカバーガラス成形用金型によるプレス成形を示した説明図である。 図10は、本発明の実施形態にかかる3Dカバーガラス成形用金型の一構成例を示した平面図である。 図11は、凸型のプレス面における各部の位置関係を説明する平面図である。 図12は、本発明の実施形態にかかる3Dカバーガラスの断面模式図である。 図13は、図4にX−Y−Z軸を追記した図である。 図14は、本発明の実施形態にかかる3Dカバーガラス成形用金型の一構成例を示した断面図である。 図15(a),(b)は、本発明の実施形態にかかる凸型の構成例を示した部分断面図である。 図16(a)は、嵌合状態の本発明の実施形態にかかる3Dカバーガラス成形用金型の各部の位置関係を説明するための部分断面図であり、図16(b)は実施例4における3Dカバーガラス成形用金型の各部の位置関係を示した部分断面図である。
以下、図面を参照して本発明を説明する。
本発明の一実施形態にかかる3Dカバーガラス成形用金型(以下「本3Dカバーガラス成形用金型」という)は、図1に示す3Dカバーガラス100のように、中心部110が平面で周辺部に3次元曲面形状をなす曲面部120を有する3Dカバーガラスを対象とした成形用金型である。但し、本3Dカバーガラス成形用金型が対象とする3Dカバーガラスは、中心部が平面で周辺部の少なくとも2辺に曲率半径100[mm]以下の3次元曲面形状をなす曲面部を有すれば、図示したものに限定されず、後述するように矩形に限らず多角形でもよい。図1に示す3Dカバーガラス100は、周辺部の全周にわたって曲面部120が設けられているが、図中、4辺のうち例えば、左側および右側の周辺部(辺)にのみ曲面部を有していたり、図中、上側および下側の周辺部(辺)にのみ曲面部を有したりしてもよい。
また、図1に示す3Dカバーガラスは、上側および左側の周辺部(辺)にのみ曲面部を有したり、図中、上側および右側の周辺部(辺)にのみ曲面部を有したり、図中、下側および左側の周辺部(辺)にのみ曲面部を有したり、図中、下側および右側の周辺部(辺)にのみ曲面部を有したりしてもよい。さらに、図1に示す3Dカバーガラスは、上側を除く3辺の周辺部(辺)に曲面部を有したり、図中、下側を除く3辺の周辺部(辺)に曲面部を有したり、図中、左側を除く3辺の曲面部を有したり、図中、右側を除く3辺の周辺部(辺)にのみ曲面部を有したりしてもよい。
なお、曲面部における曲率半径を100[mm]以下に限定する理由は、手で触れたときのフィット感に優れているからである。なお、曲面部における曲率半径は、画像表示装置の仕様にもよるが、例えば、スマートフォンであれば、フィット感を高める上で、50[mm]以下の部分を有することが好ましく、20[mm]以下の部分を有することがより好ましく、10[mm]以下の部分を有することがさらに好ましい。また、落下時の応力集中による割れを防ぐ理由から、曲面部における曲率半径は、0.2[mm]以上であればよく、0.5[mm]以上が好ましく、1.0[mm]以上がより好ましい。
図4は、本3Dカバーガラス成形用金型の一構成例を示した斜視図であり、図5は、図4の本3Dカバーガラス成形用金型の側面図であり、図6は、図5の本3Dカバーガラス成形用金型の嵌合状態を示した断面図である。
図4〜図6に示す本3Dカバーガラス成形用金型は、凸型20、凹型30およびリング型40で構成されており、図1に示す3Dカバーガラス100の成形に使用できる。
凸型20は、そのプレス面21が、3Dカバーガラス100の中心部110に対応する平坦なプレス面A(21a)、3Dカバーガラス100の曲面部120に対応するプレス面B(21b)を有する。なお、平坦なプレス面A(21a)は、その曲率半径が100[mm]超である。
凹型30は、そのプレス面31が、3Dカバーガラス100の中心部110に対応する平坦なプレス面A(31a)、3Dカバーガラス100の曲面部120に対応するプレス面B(31b)を有する。なお、平坦なプレス面A(31a)は、その曲率半径が100[mm]超である。
本3Dカバーガラス成形用金型は、プレス成形時において、凸型20のプレス面A(21a)と凹型のプレス面A(31a)とが対向し、凸型20のプレス面B(21b)と凹型のプレス面B(31b)とが対向する一対の金型である。
凸型20は、図4に示すように、プレス面21の裏面に凹部22を有してもよい。詳しくは後述するが、こうすることにより、プレス成形時に金型に加わる圧力分布を最適化できる。これにより、プレス成形時において、最終製品の3Dカバーガラスでは平面となる中心部の四隅に相当する部位に発生するしわ、さらに四隅以外の中心部の部位に発生するしわをさらに抑制できる。
また、本3Dカバーガラス成形用金型は、窒素流入口および型内部窒素の抜け溝を有してもよい。これは、3Dカバーガラスの成形時において、凸型20および凹型30の嵌合は大気中で通常実施されるが、このとき、例えば図4に示す、凹型30に設けられた流入口32から窒素を導入して、金型内部を窒素置換することにより、プレス成形時における金型の劣化を抑制する。但し、金型内部に窒素が残留していると、金型のプレス面とガラスが未転写となり成形精度が低下する。そのため、例えば図4に示す、凹型30に抜け溝33を設け、そこから金型内部の余剰な窒素を逃して、成形精度の低下を防止するとよい。なお、流入口、抜け溝は、凹型30に限らず、凸型20に設けてもよい。
また、本3Dカバーガラス成形用金型は、リング型40を有してもよく、凸型20および凹型30を嵌合した後、このリング型40で嵌合部を覆ってもよい。リング型40は、嵌合部からの異物の侵入を抑制できるので、異物原因による傷発生などの問題を抑制でき、最終製品の3Dカバーガラスの品質を向上できる。
本3Dカバーガラス成形用金型は、プレス形成時において、凸型20、および凹型30のプレス面A(21a,31a)間の最近接距離D[mm]、ならびにプレス面B(21b,31b)間の最近接距離D1[mm]が以下に述べる条件を満たすことで、プレス成形時に発生する3Dカバーガラスのしわを抑制できる。
なお、プレス成形時において、プレス面A間の距離、およびプレス面B間の距離は変化する。そのため、プレス面A間の距離が最も近づいた時の距離を最近接距離D[mm]とし、プレス面B間の距離が最も近づいた時の距離を最近接距離D1[mm]とする。
ここで、最終製品の3Dカバーガラスの板厚をt[mm]とするとき、本3Dカバーガラス成形用金型は、プレス成形時におけるプレス面A間の最近接距離D[mm]が、t[mm]以上、t+0.02[mm]以下であるとよい。その理由は、プレス面A間の最近接距離D[mm]がt+0.02[mm]よりも大きいと、プレス面Aでガラスをプレスしたときにプレス面Aとガラス表面との空間が大きい個所が生じ、その部分のプレス圧が小さくなり、中心部にしわが生じるおそれがあるからである。
プレス成形後の3Dカバーガラスは、さらに化学強化処理を施してもよい。なお、プレス成型後の3Dカバーガラスに化学強化処理をする場合であっても、上記した最終製品の3Dカバーガラスの板厚t[mm]は、化学強化処理前の3Dカバーガラスの板厚を指す。具体的に、最終製品の3Dカバーガラスの板厚t[mm]は、0.3[mm]以上、2.0[mm]以下が好ましい。
プレス面B間の最近接距離D1[mm]については、図7および図8を参照して説明する。
図7(a),(b)は、凸型のプレス面における各部の位置関係を説明する図であり、図7(a)は凸型のプレス面の斜視図、図7(b)は凸型のプレス面の平面図である。
凸型のプレス面21は、プレス面A21a、およびプレス面B21bを有している。
図7(b)に示す、凸型のプレス面B21bの領域において、平坦なプレス面A21aの中心21a0からみて周辺方向に曲率半径が100[mm]以下になる最初の位置を、プレス面A21aとプレス面B21bとの境界線21cと定義する。境界線21c上の任意の点を原点21dとし、原点21dからプレス面A21aに平行で境界線21cの接線に垂直な線の方向をX軸方向とする。X軸は原点21dから見てプレス面A21aの方向をマイナス方向とし、その逆方向をプラス方向とする。なお、原点21dは、本明細書において(X軸方向における)「曲げ起点」ともいう。さらに、プレスA21aの法線方向をZ軸とする。この前提の下、XZ平面での断面図をとる。なお、図7において、凸型のプレス面Bの領域について記載したのは、プレス面Aとプレス面Bとの境界が、凹型よりも凸型のほうが内側となるためである。なお、図7(b)のように全周にわたってプレス面B21bを有する凸型21において、X軸方向は、凸型21の外縁のうち直線となる一辺と平行な方向を示しているが、例えば、四隅の少なくとも1つの(平面視で丸みを帯びた)曲線部分の中心点を含む(図7(b)でいう例えば、斜め45°の)方向をX軸方向とする場合であっても、以下に説明する条件を満足する。
図8(a)は、嵌合状態の本3Dカバーガラス成形用金型のXZ平面での部分断面図である。図中、凸型および凹型のプレス面A間は最近接距離D[mm]であり、凸型および凹型のプレス面B間は最近接距離D1[mm]である。なお、最近接距離は、本明細書では、クリアランス、または、板厚クリアランスともいう。
XZ平面においてプレス面Bの個々の部位における、プレス成形時の凸型および凹型のプレス面B間の最近接距離をD1[mm]とする。このとき、X軸方向のプラス方向に向かう凸型の位置を基準として、プレス面B間の最近接距離D1[mm]の変化量ΔD1/ΔXの最大値を0.01以上にすることにより、プレス成形時のしわの発生を抑制できる。この点について、図9を参照して説明する。
図9(a)に示す本3Dカバーガラス成形用金型は一対の凸型20および凹型30を有する。但し、凸型20および凹型30のプレス面21a,21b,31a,31bの形状は、本3Dカバーガラス成形用金型の特徴を強調するためデフォルメしている。図中、破線よりも内側に、最終製品の3Dカバーガラスでは平面となる該3Dカバーガラスの中心部に対応するプレス面A(21a,31a)が位置し、図中、破線よりも外側に、最終製品の3Dカバーガラスでは3次元曲面となる該3Dカバーガラスの曲面部に対応するプレス面B(21b,31b)が位置する。
凸型20および凹型30のプレス面A21a,31aは平面である。凸型20および凹型30のプレス面B(21b,31b)は、その外周部に向けて互いの距離(Z軸方向の距離)が長くなる。図9(b)において、矢印aで示すように、一対の金型同士の嵌合がずれた場合でも、金型同士のセンターにズレが生じにくく、金型のプレス面A間の板厚クリアランスは均一のままである。その結果、最終製品の3Dカバーガラス100では平面となる中心部に加わる圧力が均一に分散する。そのため、3Dカバーガラス100では平面となる中心部の四隅に相当する部位に発生するしわを抑制できる。
ここで、凸型を基準にして、X軸方向においてプラス方向に向かう、プレス面B間の最近接距離D1[mm]の変化量ΔD1/ΔXの最大値を0.01以上とすると、3Dカバーガラスでは平面となる中心部の四隅に相当する部位に発生するしわを抑制できる。とくに、3Dカバーガラスの全周に曲面部を有する最終製品において、該3Dカバーガラスでは平面となる中心部の四隅に相当する部位のしわ発生の抑制に効果的であり、ひいては、中心部の四隅以外にも発生するしわの抑制に効果的である。なお、X軸方向においてプラス方向に向かう、凸型を基準としたプレス面B間の最近接距離D1[mm]の変化量ΔD1/ΔXの最大値は、0.02以上が好ましく、0.03以上がより好ましい。
但し、プレス面B間の最近接距離D1[mm]の大きさによっては、3Dカバーガラスでは平面となる中心部の四隅に相当する部位に発生するしわを抑制できないおそれがある。そのため、本3Dカバーガラス成形用金型では、プレス面B間の最近接距離D1[mm]の最大値をt+0.10[mm]以上とするとよく、t+0.15[mm]以上が好ましい。但し、プレス面B間の距離が大きくなると、ガラスの形状精度が悪くなり目的の形状にプレスすることが困難になるおそれがある。そのため、本3Dカバーガラス成形用金型では、プレス面B間の最近接距離D1[mm]の最大値をt+0.50[mm]以下とするとよく、t+0.30[mm]以下が好ましい。
また、本3Dカバーガラス成形用金型は、熱伝導率が50[W/(m・K)]以上の材料の使用が好ましい。上記を満たす材料の具体例としては、カーボン、超硬合金、銅が挙げられる。これは、型の温度分布起因の変形によりプレス面が変形すること防ぐためである。熱伝導率が高いと、均一な温度分布を保ちやすくなるため、プレス面の変形を無視できる。
凸型20および凹型30は、これらの体積に大きな差を無くすることで、熱容量の差が小さくなり、精度よく安定な成形ができるため好ましい。具体的に凸型20および凹型30の体積を各々V1[mm3]およびV2[mm3]とするとき、これらの比V1/V2は、0.5以上、2.0以下が好ましく、0.8以上、1.2以下がより好ましい。
本3Dカバーガラス成形用金型は、プレス成形時に金型に加わる圧力分布を最適化する目的で、凸型20のプレス面21に対し裏面に凹部22を設けてもよい。図10は、全周に曲面部を有し、平面視で角部に丸みを帯びた略長方形の外縁を有する3Dカバーガラスを対象とした、本3Dカバーガラス成形用金型の一構成例を示した平面図である。図10では、凸型20のプレス面21に対し裏面を示し、該裏面上に凹部22を有し、図中、凹型のプレス面31を破線で示す。
本3Dカバーガラス成形用金型において、金型に加わる圧力分布を最適化する目的は、最終製品の3Dカバーガラス100では平面となる中心部に加わる圧力を均一にして、3Dカバーガラス100では平面となる中心部の四隅に相当する部位に発生するしわを抑制し、さらに該四隅以外の中心部の部位に発生するしわを抑制するためである。そのため、凸型20および/または凹型30のプレス面に対し裏面に設ける凹部22は、図10、図11も参照し、下記(1)〜(3)を満たすことが好ましい。
なお、以下に示すX’軸については図11を参照して説明する。図11は、図7(b)と同じく凸型のプレス面の平面図である。X’軸は、プレス面A21aの中心21a0を通り、プレス面A21aおよびプレス面B21bの境界線21cとの2つの交点21e,21f間の直線距離dx[mm]が最小となる直線である。
(1)凹部22は、プレス面Aの裏面の中心を含む。
(2)凹部22は、X’軸方向において、プレス面Aの裏面全体にわたって設けられている。
(3)X’軸方向のうち、直線距離dx[mm]に相当する線分に対して交点を有し直交する方向におけるプレス面Bの最大長さをL[mm]とし、X’軸方向の直交方向における前記凹部の最小長さをL’[mm]とし、最大長さをL”[mm]とするとき、L>L”であり、かつ、比(L’/L)が0.5以上0.98以下である。
なお、図10に示す凹部22のように、X’軸方向の直交方向における凹部22の長さが全て同一の場合、凹部の最小長さL’[mm]と最大長さL”[mm]は同一である。
(3)に関して、L’/Lは0.7以上、0.95以下が好ましく、0.8以上、0.9以下がより好ましい。
また、凸型20および/または凹型30のプレス面に対し裏面に設ける凹部22は、上記(1)〜(3)に加え、下記(4)を満たすと、さらに好ましい。
(4)凹部は、X’軸方向の直交方向における端部が、X’軸方向に平行な直線形状、またはX’軸の直交方向に対し線対称形状である。
なお、ここでいう端部とは、点ではなく、X’軸の位置を連続して変化させたときにX’軸方向の直交方向の凹部の交点を繋げて得られる線に相当する。
また、凹部22の深さは、0.1[mm]以上、5[mm]以下であればよく、0.5[mm]以上、2.0[mm]以下が好ましい。なお、凹部22の深さは、上記範囲であれば、とくに深さに分布があってもよいが、凹部22と、プレス成形時に金型の加熱に用いられるヒータープレートとの距離を均一にすることで凹部が受ける輻射加熱を均一にする理由から、凹部22の深さは均一であると好ましい。さらに、凹部は、凸型20のプレス面21に対する裏面のみに限らず、凹型30のプレス面に対する裏面のみに設けてもよく、その両方に設けてもよい。
次に、本発明の一実施形態にかかる3Dカバーガラス(以下「本3Dカバーガラス」という)について記載する。本3Dカバーガラスは、中心部が平面で、周辺部の少なくとも一部に曲率半径100[mm]以下の3次元曲面をなす曲面部を有する点は、本成形用金型が対象とする3Dカバーガラスとして記載したのと同様である。また、本3Dカバーガラスは、平面視した形状が三角形、四角形、五角形、六角形、八角形等の多角形である。なお、ここでいう多角形とは、平面視において角部が丸みを帯びた部分があるものも含む。別の言い方をすると、ここでいう多角形とは、本3Dカバーガラスの平面視における外縁において、角部に曲線部分を含む場合であっても、該外縁のうち、直線と、該直線を延長した仮想直線によって得られる外縁の形状が多角形であれば、「多角形」の対象とする。なお、多角形の全周において曲面部を有する形状の場合、平面視において多角形の全ての角部に丸みを帯びる部分を有する。
なお、本3Dカバーガラスの曲面部における曲率半径は、画像表示装置の仕様にもよるが、例えば、スマートフォンであれば、フィット感を高める上で、50[mm]以下が好ましく、20[mm]以下がより好ましく、10[mm]以下がさらに好ましい。また、落下時の応力集中による割れを防ぐ理由から、曲面部における曲率半径は、0.2[mm]以上であればよく、0.5[mm]以上が好ましく、1.0[mm]以上がより好ましい。
本3Dカバーガラスは、該多角形の周辺部の少なくとも2辺に曲面部を有する。例えば、本3Dカバーガラスが、平面視において矩形(四角形)であって、該矩形の周辺部の全周にわたって曲面部を有する3Dカバーガラスの場合、中心部の四隅に相当する部位に相対的に大きなしわが発生しやすい。この場合、中心部の四隅で発生するしわが、該四隅のみで収まらず、中心部110の四隅以外の部位にも波及して、中心部110全体でしわを抑制できなくなる。そのため、本3Dカバーガラスは、中心部の四隅で発生するしわを抑制することが、中心部におけるしわ低減による品質向上を実現するうえで重要である。
図1に示す3Dカバーガラス100は、周辺部の全周にわたって曲面部120が設けられているが、図中、4辺のうち少なくとも2辺の周辺部に曲面部を有していればよい。例えば、左側および右側の周辺部(辺)にのみ曲面部を有していたり、図中、上側および下側の周辺部(辺)にのみ曲面部を有したりしてもよい。また、図中、上側および左側の周辺部(辺)にのみ曲面部を有したり、図中、上側および右側の周辺部(辺)にのみ曲面部を有したり、図中、下側および左側の周辺部(辺)にのみ曲面部を有したり、図中、下側および右側の周辺部(辺)にのみ曲面部を有したりしてもよい。また、図中、上側を除く3辺の周辺部(辺)に曲面部を有したり、図中、下側を除く3辺の周辺部(辺)に曲面部を有したり、図中、左側を除く3辺の曲面部を有したり、図中、右側を除く3辺の周辺部(辺)にのみ曲面部を有したりしてもよい。
上記のように、中心部の四隅で顕著に発生したしわが四隅以外の中心部の部位におけるしわ発生の原因となるため、本3Dカバーガラスは、中心部におけるしわの発生レベルで表面の品質レベルを評価できる。具体的に、本3Dカバーガラスの指標として、リタデーションを用いて評価できる。例えば、複屈折測定装置を用いて測定される、所定の波長の第1の直線偏光の光に対する屈折率と、該第1の直線偏光と直交する第2の直線偏光の光に対する屈折率との屈折率差(屈折率異方性)をΔnとし、本3Dカバーガラスの中心部の厚さをt[nm]とする。
このとき、測定されるリタデーションΔn×t[nm]によって、中心部のしわのレベルを評価してもよい。また、リタデーションは、実際の3Dカバーガラスの中心部の厚さ(t[nm])をそのまま用いる場合に限らず、1[mm]厚さ当たりのリタデーションΔn×d[nm/mm]として評価してもよい。この場合、d=t[nm]/t[mm]で計算できる。このように、中心部にしわが存在すると、しわ部には残留応力が生じるため、しわ部以外の部位に対し応力分布が生じる。この応力分布はリタデーションとして検出される。
例えば、平面視において矩形であり、周辺部の全周にわたって曲面部を有する本3Dカバーガラスは、中心部に対し垂直に波長543[nm]の光を照射することで測定した1[mm]厚さ当たりのリタデーションで評価でき、その最大値が16[nm/mm]以下であるとよい。例えば、波長543[nm]の光は、可視域の中心の光であって、評価の指標として適性がある。ここで、中心部のリタデーションの最大値が16[nm/mm]以下であれば、中心部の四隅に相当する部位にも顕著なしわが発生していないと言える。また、リタデーションの最大値は、10[nm/mm]以下が好ましく、6[nm/mm]以下がより好ましい。
また、本3Dカバーガラスは、中心部の中心(重心)からみて周辺方向に曲率半径が100[mm]以下になる最初の位置を中心部と曲面部との境界線と定義し、境界線上の任意の点を原点とし、原点から中心部に平行で境界線に垂直な線をX軸とするとき、X軸方向における前記曲面部の長さは、0.5[mm]以上、50[mm]以下が好ましい。つまり、平坦な中心部は、曲率半径が100[mm]超となる領域に相当するとも言える。
なお、上記のX軸は、図7(a),(b)における符号21を3Dカバーガラスとし、符号21aを中心部、符号21a0を中心部の中心(重心)、符号21bを曲面部、符号21cを境界線、符号21dを原点とした場合のX軸である。
また、本3Dカバーガラスの曲面部の曲げ深さは、0.5[mm]以上が好ましい。これは、曲面部の曲げ深さが0.5[mm]未満であると手のフィット感が損なわれるおそれがあるからである。また、曲面部の曲げ深さは、30[mm]以下が好ましい。これは、曲面部の曲げ深さが30[mm]を超えると、モバイル機器や表示装置の厚さが必要以上に増してしまうおそれがあるからである。なお、曲げ深さとは、中心部をXY平面とし、XY平面の法線方向のZ軸において、XY平面を基準にZ軸方向への曲げの先端まで距離として定義できる。
また、本3Dカバーガラスは、その板厚は、ガラスの強度を一定レベル以上に保つため、0.3[mm]以上が好ましい。成形時の歩留りを向上するため、0.4[mm]以上がより好ましい。また、3Dカバーガラスの板厚は、部材の軽量化を図るため、2.0[mm]以下が好ましく、成形時の歩留りを向上するため、1.5[mm]以下がより好ましい。
また、本3Dカバーガラスは、成形時の圧力分布を制御するために、平面視における対角サイズは、50[mm]以上、1000[mm]以下が好ましい。
さらに、本3Dカバーガラスは、衝撃強度を高めるために化学強化されていることが好ましい。
次に、本発明の一実施形態にかかる3Dカバーガラスの製造方法(以下、「本3Dカバーガラスの製造方法」という)について記載する。本3Dカバーガラスの製造方法では、本3Dカバーガラス成形用金型の凸型と凹型との間に平面状のガラス板を載置した後、加熱して、例えば、ガラス板の転移点以上に加熱して、3Dカバーガラスを成形した後、冷却する。
また、意匠性等の観点から、曲面部の曲げ角度の最大値が60°以上90°以下の3Dカバーガラスの製造が求められる場合がある。曲面部の曲げ角度については、本3Dカバーガラスの断面模式図である、図12を参照して説明する。
図12において、曲面部の曲げ角度αは、3Dカバーガラスの平面部から、垂直部分vを除いた曲面部の曲げ先端までの角度である。垂直部分vは、曲面部のうち、平面部に対し垂直方向に伸びた部分である。また、曲げ深さdは、曲面部の曲げ先端から平面部中央点までの垂直方向(Z軸方向)の距離である。曲面部の曲率半径Rは、曲面部のうち、垂直部分vを除いた曲面部の近似曲線の曲率半径である。
曲面部の曲げ角度の最大値が60°以上90°以下の3Dカバーガラスを製造する場合、さらに以下の留意点がある。
3Dガラス成形用金型の材料としては、高温時にガラスとの摩擦係数が低いことから、ガラス表面の面品質が劣化しにくく、また、酸化物を含まないためガラスとの化学的な表面結合が起こりにくく、さらに離型しやすい材料が好適に用いられる。このような材料としては、カーボンが好ましく用いられる。
但し、カーボンは、ガラス材料に比べて熱膨張係数が小さい。そのため、成形用金型と、ガラス材料とで、プレス成形時における寸法変化に差が生じる。より具体的には、加熱時における膨張量、および、冷却時における収縮量に差が生じ、膨張量および収縮量のいずれもガラス材料のほうが大きい点には留意が必要である。
加熱時における膨張量の差は、高温下でガラス材料が軟化しているため問題とならない。また、冷却時における収縮量の差も、3Dカバーガラスの曲面部の曲げ角度が60°よりも小さい場合は問題とならない。
しかしながら、3Dカバーガラスの曲面部の曲げ角度の最大値が60°以上90°以下の場合、冷却時における収縮量の差が大きいと、ガラス材料が凸型と接触し、さらに凸型を押し込むような収縮が生じることによりガラス材料が割れるおそれがある。
このようなガラス材料の割れを抑制するため、ガラス板の500℃における熱膨張係数は、凸型の500℃における熱膨張係数より大きく、両者の差を20×10-7/K以下とすることが好ましく、10×10-7/K以下とすることがより好ましい。また、冷却時にカーボンの収縮量がガラスよりも大きいために、冷却時にガラスの形状偏差が悪化することと、ガラスが割れることを防ぐために、両者の差は、0.1×10-7/K以上が好ましく、1.0×10-7/K以上がより好ましい。
ここで、500℃における熱膨張係数とした理由は、ガラス材料が弾性体領域のため、急激な熱膨張係数の変化が少ない範囲となり、カーボンとの熱膨張係数差を導出しやすい温度領域となるためである。
両者の熱膨張係数の差を20×10-7/K以下とするため、500℃における凸型の熱膨張係数は、50×10-7/K以上が好ましく、60×10-7/K以上がより好ましい。また、凹型は、凸型と同じ材料のものを使用してもよいが、500℃における熱膨張係数は、凸型の500℃の熱膨張係数よりも小さい材料を使用すると、高温時に凹型の形状が熱膨張による形状変化量が少なくなるため、成形温度のバラつきによる、成形品のデザインとの形状誤差量の偏差を小さくできるため好ましい。その場合、500℃における凸型の熱膨張係数と、500℃における凹型の熱膨張係数との差は、20×10-7/K以上が好ましく、30×10-7/K以上がより好ましい。
曲面部の曲げ角度の最大値が60°以上90°以下の3Dカバーガラスを製造する場合、上記で定義したX軸および上記Z軸に直交する軸をY軸とした場合に、XY平面におけるプレス面B間の距離が部位により異なることが好ましい。図13は、図4にX−Y−Z軸を追記した図である。
本3D成形用金型における凸型は、上記で定義したZ軸方向からみて外周が多角形の凸部を有している。該凸部と対をなす凹型はZ軸方向からみて外周が上記多角形に相当する凹部を有している。
図14は、嵌合状態の本3Dカバーガラス成形用金型のXY平面での断面図である。図14における凸型20は、外周が角部に丸みを帯びた略長方形の凸部を有している。図14における凹型30は、外周が角部に丸みを帯びた略長方形の凹部を有している。
図14において、プレス成形時における凸型20および凹型30のプレス面B間の、略長方形の直線部分における最近接距離をGSとし、略長方形の角部における最近接距離をGCとする。図14に示す略長方形のうち、曲率半径が100mm超の部分を直線部分とし、曲率半径が100mm以下の部分を角部とする。
曲面部の曲げ角度の最大値が60°以上90°以下の3Dカバーガラスを製造する場合、略長方形の直線部分における最近接距離GSに対して、略長方形の角部における最近接距離GCが長い部分を含むようにするとよい。また、略長方形の角部全ての位置での最近接距離GCが、略長方形の直線部分における全ての位置での最近接距離GSに対して、いずれも長いことがより好ましい。略長方形の直線部分における最近接距離GSと、略長方形の角部における最近接距離GCとが同一であったり、略長方形の角部における最近接距離GCに対して、略長方形の直線部分における最近接距離GSが長いと、3Dカバーガラスの成形時に、略長方形の角部のガラスが凸型20および凹型30に挟み込まれやすくなり、冷却時の収縮量に差が生じるおそれがある。冷却時の収縮量に差が生じると、成形後の3Dカバーガラスの高さが不均一になるおそれがある。
略長方形の直線部分における最近接距離GSに対して、略長方形の角部における最近接距離GCが長い部分を含むようにすることにより、略長方形の角部のガラスが凸型20および凹型30に挟み込まれるのを抑制し、成形後の3Dカバーガラスの高さが不均一になるのを抑制する。
略長方形の直線部分における最近接距離GSをg(mm)とするとき、略長方形の角部における最近接距離GCが1.1g(mm)以上の部分を含むとよく、1.5g(mm)以上の部分を含むと好ましく、2g(mm)以上の部分を含むとより好ましい。また、略長方形の角部全ての位置での最近接距離GCは、1.1g(mm)以上がより好ましく、1.5g(mm)以上がさらに好ましく、2g(mm)以上がさらに好ましい。
ただし、略長方形の角部における最近接距離GCが略長方形の直線部分における最近接距離GSに対して大きすぎると、成形後の3Dカバーガラスの高さが不均一になるおそれがある。そのため、略長方形の角部における最近接距離GCが4g(mm)以下の部分を含むことが好ましく、略長方形の角部全ての位置での最近接距離GCが4g(mm)以下であることがより好ましい。
曲面部の曲げ角度の最大値が60°以上90°以下の3Dカバーガラスを製造する場合、凸型は、XZ平面での断面図において、プレス面Bにおける形状が、Z軸方向においてプレス面Aから離間するにつれて、X軸方向において前記プレス面A側に傾斜する部分を含むことが好ましい。
図15(a),(b)は、本発明の実施形態にかかる凸型の構成例を示した部分断面図である。図15(a)に示す凸型20は、プレス面B21bにおける形状が、Z軸方向に沿って垂直に伸びており、プレス面A21aから離間しても、X軸方向における形状が変化しない。これに対し、図15(b)に示す凸型20は、プレス面B21bにおける形状が、Z軸方向においてプレス面A21aから離間するにつれて、X軸方向においてプレス面A21a側(プレス面A21aの中心に向かう側)に傾斜している。曲面部の曲げ角度の最大値が60°以上90°以下の3Dカバーガラスを製造する場合、図15(b)に示す凸型20が好ましい。図15(b)に示す凸型20において、プレス面B21bが、Z軸方向においてプレス面A21aから離間する距離をlzとし、X軸方向においてプレス面A21a側に移動する距離をlxとするとき、lxは、0.01lz以上が好ましい。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜3、比較例1)
実施例1〜3、および比較例1では、一対の凸型および凹型を含む金型を用いて3Dカバーガラスのプレス成形を実施した。
使用した金型(凸型および凹型)の外形寸法は約180[mm]×120[mm]×30[mm]である。凸型と凹型との体積を同一とし、下型に凹型を上型に凸型を用いた。ガラス(板)材料としては、旭硝子株式会社製のガラス材料DT−STAR(板厚t=0.5[mm]、転移温度Tg=547[℃]、歪点Ts=501[℃])を用いて成形した。まず、ガラスの粘性係数が109.5[Pa・s]となる温度に加熱して、プレス圧の最大値が0.55[MPa]となるように成形した後、プレス圧の最大値が0.5[MPa]でガラスをプレスした状態でガラスの歪点Ts[℃]まで冷却し、常温まで放冷した。
なお、成形後の3Dカバーガラスの平面視におけるサイズは150[mm]×80[mm]程度の略長方形であり、全周に亘って3次元曲面の最小曲率半径Rが5[mm]程度で、上記で定義したX軸方向の長さが6.8[mm]の曲面部を有し、曲面部の曲げ深さが4.5[mm]であった。
図8(b)は、実施例1〜3、および比較例1について、プレス面A間の最近接距離D[mm]と最終製品の3Dカバーガラスの板厚との差、および、プレス面B間の最近接距離D1[mm]と最終製品の3Dカバーガラスの板厚との差を示した図である。実施例1〜3、および比較例1は、凸型のプレス面Bの表面形状(凸型の板厚クリアランス)をそれぞれ変えており、図示したとおり、プレス面B間の最近接距離D1[mm]と最終製品の3Dカバーガラスの板厚との差がそれぞれで異なる。なお、実施例1〜3、および比較例1における、ΔD1/ΔXの最大値を、表1に示す。表1では、プレス面AのDおよびD1の最大値は、いずれも、板厚t=0.5[mm]を含む値である。
成形後の3Dカバーガラスの中心部におけるリタデーションを、複屈折測定装置(フォトニックラティス社製WPA−100)を用いて測定した。プレス面Aとプレス面Bの境界線の内側になる側の3Dカバーガラスの中心部に対し垂直に波長543[nm]の光を照射して、1[mm]厚さ当たりのリタデーションを測定した。1[mm]厚さ当たりのリタデーションの最大値を下記表に示す。
凸型のプレス面Bの曲げ起点から該プレス面Bの外周部までの領域において、X軸のプラス方向におけるプレス面B間の最近接距離D1[mm]の変化量ΔD1/ΔXの最大値が0.01以上の実施例1〜3は、3Dカバーガラスの中心部における、1[mm]厚さ当たりのリタデーションの最大値は、いずれも16[nm/mm]以下であった。一方で、ΔD1/ΔXの最大値が0.01未満の比較例1は、1[mm]厚さ当たりのリタデーションの最大値が16[nm/mm]超であった。
(実施例4)
本実施例では、一対の凸型および凹型を含む金型を用いて、曲面部の曲げ角度αの最大値が90°の3Dカバーガラスのプレス成形を実施した。
使用した金型(凸型および凹型)の外形寸法は約40[mm]×40[mm]×120[mm]である。凸型と凹型との体積を同一とし、下型に凹型を上型に凸型を用いた。ガラス(板)材料としては、旭硝子株式会社製のガラス材料DT−STAR(板厚t=0.55[mm]、転移温度Tg=547[℃]、歪点Ts=501[℃])を用いて成形した。まず、ガラスの粘性係数が109.5[Pa・s]となる温度に加熱して、プレス圧の最大値が0.55[MPa]となるように成形した後、プレス圧の最大値が0.5[MPa]でガラスをプレスした状態でガラスの歪点Ts[℃]まで冷却し、常温まで放冷した。
なお、成形後の3Dカバーガラスの平面視におけるサイズは30[mm]×25[mm]程度の略長方形であり、全周に亘って3次元曲面の最小曲率半径Rが5[mm]程度で、上記で定義したX軸方向の長さが2.0[mm]の曲面部を有し、曲面部の曲げ深さが4.5[mm]であった。
図16(a)は、嵌合状態の3Dカバーガラス用金型のXZ平面での部分断面図である。図中、凸型および凹型のプレス面A間は最近接距離D[mm]であり、凸型および凹型のプレス面B間は最近接距離D1[mm]である。図16(b)は、実施例4について、プレス面A間の最近接距離D[mm]と最終製品の3Dカバーガラスの板厚との差、および、プレス面B間の最近接距離D1[mm]と最終製品の3Dカバーガラスの板厚との差を示した図である。
なお、本実施例において、500℃におけるガラス材料の熱膨張係数は72×10-7/K、凸型の熱膨張係数は70×10-7/Kであり、両者の差は2×10-7/Kとした。このとき、500℃における凹型の熱膨張係数は35×10-7/Kとした。また、本実施例において、凸型と凹型とを嵌合させたとき、図14に示すようなXY平面において、略長方形の直線部分の最近接距離GSは0.1(mm)一定とし、略長方形の角部の最近接距離GCは0.2(mm)が最大距離となるように設計した。つまり、GCはGSの約2倍とした。
さらに、本実施例において、凸型は、図15(b)に示すように、プレス面B21bにおける形状が、Z軸方向においてプレス面A21aから離間するにつれて、X軸方向においてプレス面A21aの中心に向かう側に傾斜したものを使用した。具体的に、該凸型は、Z軸方向においてプレス面A21aから離間する距離lzが4.0(mm)であり、X軸方向においてプレス面A21a側に移動する距離lxが0.1(mm)の形状のものを使用した。本実施例では、つまり、lxはlzの約0.025倍とした。
そして、プレス面A間の最近接距離D、プレス面B間の最近接距離D1の最大値、凸型のプレス面Bの曲げ起点から該プレス面Bの外周部までの領域において、X軸のプラス方向におけるプレス面B間の最近接距離D1[mm]の変化量ΔD1/ΔXの最大値、および、プレス面Aとプレス面Bの境界線の内側になる側の3Dカバーガラスの中心部で測定した1[mm]厚さ当たりのリタデーションは以下に示す通りであった。
20:凸型
21:プレス面
21a:プレス面A
21a0:プレス面Aの中心
21b:プレス面B
21c:境界線
21d:原点
21e,21f:X’軸の境界線との交点
22:凹部
30:凹型
31:プレス面
31a:プレス面A
31b:プレス面B
32:窒素流入口
33:型内部窒素の抜け溝
40:リング型
100:3Dカバーガラス
110:中心部
120:曲面部
200:凸型
300:凹型

Claims (22)

  1. 中心部が平坦で周辺部の少なくとも一部に曲率半径100[mm]以下の3次元曲面をなす曲面部を有する3Dカバーガラスの成形用金型であって、
    前記成形用金型は、前記中心部に対応する平坦なプレス面Aおよび前記曲面部に対応するプレス面Bを有する一対の凸型および凹型を含み、最終製品の3Dカバーガラスの板厚をt[mm]とするとき、プレス成形時における前記凸型および前記凹型のプレス面A間の最近接距離D[mm]がt[mm]以上、t+0.02[mm]以下であり、
    前記凸型のプレス面Bにおいて、前記プレス面Aの中心からみて周辺方向に曲率半径が100[mm]以下になる最初の位置を前記プレス面Aと前記プレス面Bとの境界線と定義し、前記境界線上の任意の点を原点とし、前記原点から前記プレス面Aに平行で前記境界線に垂直な線をX軸とし、前記X軸は前記原点から見てプレス面Aの方向をマイナス方向、その逆方向をプラス方向とし、前記プレス面Aの法線方向をZ軸として、XZ平面での断面図をとり、前記断面図において前記プレス面Bの個々の部位における、プレス成形時における前記凸型および前記凹型のプレス面B間の最近接距離をD1[mm]とするとき、前記凸型を基準として前記X軸のプラス方向における前記D1の変化量ΔD1/ΔXの最大値が0.01以上であり、かつD1の最大値がt+0.10[mm]以上、t+0.50[mm]以下であることを特徴とする3Dカバーガラス成形用金型。
  2. 前記凸型および前記凹型は熱伝導率が50[W/(m・K)]以上の材料からなり、前記凸型および前記凹型の体積を各々V1[mm3]およびV2[mm3]とするとき、これらの比V1/V2が0.5以上、2.0以下である、請求項1に記載の3Dカバーガラス成形用金型。
  3. 前記凸型および前記凹型の少なくとも一方は、前記プレス面Aの裏面に下記(1)〜(3)を満たす凹部が設けられている、請求項1または2に記載の3Dカバーガラス成形用金型。
    (1)前記凹部は、前記プレス面Aの裏面の中心を含む。
    (2)前記凹部は、前記プレス面Aの裏面の中心を通り、前記境界線との2つの交点間の直線距離dx[mm]が最小となる直線の方向をX’軸方向とするとき、前記X’軸方向において、前記プレス面Aの裏面全体にわたって設けられている。
    (3)前記X’軸方向のうち、前記直線距離dx[mm]に相当する線分に対して交点を有し直交する方向における前記プレス面Bの最大長さをL[mm]とし、前記X’軸方向の直交方向における前記凹部の最小長さをL’[mm]とし、最大長さをL”[mm]とするとき、L>L”であり、かつ、比(L’/L)が0.5以上、0.98以下である。
  4. 前記凹部は、下記(4)を満たす、請求項3に記載の3Dカバーガラス成形用金型。
    (4)前記凹部は、前記X’軸方向の直交方向における端部が、前記X’軸方向に平行な直線形状、または前記X’軸の直交方向に対し線対称形状である。
  5. 前記凹部の深さは0.1[mm]以上、5[mm]以下である、請求項3または4に記載の3Dカバーガラス成形用金型。
  6. 前記凹部は、前記深さが均一である、請求項5に記載の3Dカバーガラス成形用金型。
  7. さらに前記凸型および前記凹型の嵌合部を覆うリング型を有する、請求項1〜6のいずれかに記載の3Dカバーガラス成形用金型。
  8. 500℃における前記凸型の熱膨張係数が、50×10-7/K以上である、請求項1〜7のいずれかに記載の3Dカバーガラス成形用金型。
  9. 前記凸型は、Z軸方向からみて外周が多角形の凸部を有し、前記凹型は、Z軸方向からみて外周が前記多角形に相当する凹部を有し、
    前記多角形は、Z軸方向からみて2つの直線部を繋き、丸みを帯びた部分を含む角部を有し、
    前記X軸および前記Z軸に直交する軸をY軸とし、XY平面での断面図をとり、前記断面図において前記プレス面Bの個々の部位における、プレス成形時における前記凸型および前記凹型のプレス面B間の、前記多角形の直線部分における前記最近接距離GSに対して、前記多角形の前記角部における前記最近接距離GCが長い部分を含む、請求項1〜8のいずれかに記載の3Dカバーガラス成形用金型。
  10. 前記凸型は、XZ平面での断面図において、前記プレス面Bにおける形状が、Z軸方向において前記プレス面Aから離間するにつれて、X軸方向において前記プレス面A側に傾斜する部分を含む、請求項1〜9のいずれかに記載の3Dカバーガラス成形用金型。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の3Dカバーガラス成形用金型の、前記凸型と前記凹型との間に平面状のガラス板を載置した後、加熱して、3Dカバーガラスを成形した後、冷却する、3Dカバーガラスの製造方法。
  12. 前記ガラス板の500℃における熱膨張係数は、前記凸型の500℃における熱膨張係数より大きく、両者の差を、20×10-7/K以下とする、請求項11に記載の3Dカバーガラスの製造方法。
  13. 前記冷却後の3Dカバーガラス板は、曲げ角度の最大値が60°以上90°以下である、請求項11または12に記載の3Dカバーガラスの製造方法。
  14. 平面視した形状が、角部が丸みを帯びた部分があるものを含む多角形であり、中心部が平面で、該多角形の少なくとも2辺の周辺部に曲率半径100[mm]以下の3次元曲面をなす曲面部を有し、
    前記中心部に対し垂直に波長543[nm]の光を照射することで測定した1[mm]厚さ当たりのリタデーションの最大値が16[nm/mm]以下であることを特徴とする3Dカバーガラス。
  15. 前記多角形は、前記角部全てが丸みを帯びた形状である、請求項14に記載の3Dカバーガラス。
  16. 前記多角形は、矩形である、請求項14または15に記載の3Dカバーガラス。
  17. 前記曲面部において、前記中心部の中心、若しくは前記中心部の重心からみて周辺方向に、曲率半径が100[mm]以下になる最初の位置を前記中心部と前記曲面部との境界線と定義したとき、前記境界線上の任意の点を原点とし、前記原点から前記中心部に平行で前記境界線に垂直な線をX軸とするとき、前記X軸方向における前記曲面部の長さが0.5[mm]以上、50[mm]以下である、請求項14〜16のいずれかに記載の3Dカバーガラス。
  18. 前記曲面部の曲げ深さが0.5[mm]以上、30[mm]以下である、請求項14〜17のいずれかに記載の3Dカバーガラス。
  19. 前記曲面部の曲げ角度の最大値が60°以上90°以下である、請求項14〜18のいずれかに記載の3Dカバーガラス。
  20. 板厚が0.3[mm]以上、2.0[mm]以下である、請求項14〜19のいずれかに記載の3Dカバーガラス。
  21. 平面視した形状における、対角サイズが50[mm]以上、1000[mm]以下である、請求項14〜20のいずれかに記載の3Dカバーガラス。
  22. 化学強化されている、請求項14〜21のいずれかに記載の3Dカバーガラス。
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