JPH11322348A - 光学素子の成形方法 - Google Patents

光学素子の成形方法

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JPH11322348A
JPH11322348A JP13196698A JP13196698A JPH11322348A JP H11322348 A JPH11322348 A JP H11322348A JP 13196698 A JP13196698 A JP 13196698A JP 13196698 A JP13196698 A JP 13196698A JP H11322348 A JPH11322348 A JP H11322348A
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glass
mold
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JP13196698A
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Hiroyuki Kubo
裕之 久保
Tamakazu Yogo
瑞和 余語
Masayuki Tomita
昌之 冨田
Isamu Shigyo
勇 執行
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 下型上に非接触状態で保持される前記ガラス
ゴブの微動、浮動を抑え、安定した状態に維持し、更に
は、その成形後の芯取り後工程を不要とすることで、高
精度なガラス光学素子を、高効率生産で成形する方法を
提供する。 【解決手段】 高温軟化状態のガラス塊を、多孔質部材
からなる上型、下型間に挿入し、これらの成形転写表面
より流出する所定のガス圧力、ガス温度を、前記ガラス
塊に負荷し、その成形転写面の表面形状を非接触状態で
転写する場合において、前記上下型の動作に連動する非
接触係合手段を備えていて、前記上下型による非接触状
態でのプレス成形によりガラス塊から光学素子を形成す
るプレス終了段階で、形成される光学素子の外周部に相
当するガラス塊の外周部分に前記非接触係合手段を対向
させ、これにより、非接触状態で前記外周部分を係合保
持することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レンズ、プリズム
などの高精度な光学ガラス素子を成形する方法に係わ
り、特に、光学ガラスの溶融るつぼの流出パイプから流
出する溶融ガラスから得られるガラス塊を、直接、上下
型でプレス成形して得られる、光学ガラスの成形方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ガラスレンズなどの光学素子は、
所定寸法のガラスブロックを研削、研磨の手段により、
所定形状になるように加工されていた。しかし、非球面
形状を有するレンズなどの光学素子の製造には、非常に
高精度な加工技術が要求され、また、その研削、研磨に
は、共に多くの加工時間を費やし、厖大な費用を要して
いた。
【0003】そこで、近年、非球面形状を有する成形型
を用いて、加熱軟化したガラス素材を非酸化性の雰囲気
中でプレス加工することにより、低コストの非球面レン
ズを得る成形方法が提唱されている。また、更に安価な
プレス成形品を得るために、加熱軟化したガラスを、流
出パイプを介して、多孔質部材からなる成形転写面を備
える受け型(下型)に直接、受けて、プレス成形機にも
たらし、所望の光学素子形状面を形成する上下型の成形
転写面から加圧ガスを流出させることにより、これで成
形転写面に形成されたガスフィルムに、その高温軟化状
態のガラス塊を非接触状態で支持して、ガラス塊を所要
の形状にプレス成形する方法も提唱されている。
【0004】因みに、特開昭59−195541号公報
に所載の方法では、所望の光学素子形状面を形成する成
形転写面を有する、多孔質部材からなる上下一対の成形
金型に光学ガラス素材を供給し、前記成形転写面から加
圧ガスを流出させることにより、前記光学ガラス素材
を、前記成形転写面に接触することなく、ガスフィルム
上に支持し、さらに、前記成形金型に圧縮力を負荷し、
前記ガラス素材をプレス成形することにより、所望の光
学素子を製造している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の成形方法には、光学素子の精密なプレス成形を
する上で、次のような問題がある。即ち、光学ガラス素
材(高温軟化状態のガラスゴブ)が非接触状態で上下型
によるプレス成形により展延されることで、その表面に
所望の光学素子形状を転写される過程では、下型のガス
フィルム上での光学ガラス素材は、そのガスフィルム面
に倣って、常に微動し、不安定な浮動状態となってお
り、従って、プレス成形終了時での、光学素子の外周部
の形状および寸法には、可成りのバラツキが生じる。ま
た、光学精度上、形成される光学素子の所定厚さを優先
して管理し、プレス成形するために、光学ガラス素材の
個々の重量バラツキによる、光学素子の外周部の寸法の
バラツキも、或る程度、避けられない。
【0006】前記の理由により、プレス成形後の光学素
子は、必ず、最終製品として完成する前段で、外周部の
芯取り加工を要する。また、一方では、光学ガラス素材
の個々の重量は、前記芯取り加工分の余分代を予め見込
んで設定して置かなければならない。このことは、スラ
ッジ発生による環境上の問題、および、量産性の低下と
に繋がってしまう。
【0007】更に、光学素子形成面の非接触転写の過程
において、成形品の中心部から外周部への範囲内で、そ
のガラス肉厚の差によって起こる、熱収縮ワレ、光学面
精度の悪化(ガラス内部の応力逃げからくるヒケやクセ
などの不良化現象の発生)が原因で、歩留まりが低下
し、量産性が阻害される。
【0008】また、同じ非接触転写の過程において、上
下型の成形転写面の形状に光学ガラス素材が展延する際
に、下型のガスフィルム上での光学ガラス素材が、上述
のように、微動し、不安定な浮動状態となっているため
に、特に、凹型光学素子形状面となる成形転写面(凸
型)を持った上型を用いて、非接触転写を行う際には、
光学ガラス素材が、前記上下型の型中心(光学素子の光
軸中心でもある)から大きくズレてしまい、光学ガラス
素材が偏肉した状態で展延される畏れがある。これは、
矢張り、ガラス肉厚差によって起こる、熱収縮ワレ、光
学面精度の悪化に繋がるので、量産性の低下をもたら
す。また、下型の成形転写面が凸型の場合は、上述の理
由に加えて、その形成転写面(凸型)のR形状によって
は、光学ガラス素材が、下型上に支持できず、成形不可
能となる。
【0009】本発明は、これらの課題を解決するために
なされたもので、光学素子形状面を形成する成形転写面
を有する、多孔質部材からなる、上下一対の成形金型
に、ガラスゴブ(高温軟化状態のガラス塊)を供給し、
プレス成形によって、光学素子を得る成形方法におい
て、下型上に非接触状態で保持される前記ガラスゴブの
微動、浮動を抑え、安定した状態に維持し、更には、そ
の成形後の芯取り後工程を不要とすることで、高精度な
ガラス光学素子を、高効率生産で成形する方法を提供す
ることを第1の目的とする。
【0010】また、本発明の第2の目的は、光学素子形
状面を形成する成形転写面を有する、多孔質部材からな
る、上下一対の成形金型に、ガラスゴブ(高温軟化状態
のガラス塊)を供給し、プレス成形によって、光学素子
を得る成形方法において、下型上に非接触状態で保持さ
れる前記ガラスゴブの、型中心(これは、形成される光
学素子の光軸中心でもある)を確保した状態で、しか
も、前記ガラスゴブの微動、浮動を抑え、安定した状態
に維持し、更には、その成形後の芯取り後工程を不要と
することで、高精度なガラス光学素子を、高効率生産で
成形する方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】この第1の目的を達成す
るため、本発明では、高温軟化状態のガラス塊を、所望
の光学素子形状面を形成した、多孔質部材からなる成形
転写面を備える上型、下型間に挿入し、前記上下型表面
より流出する所定のガス圧力、ガス温度を、前記ガラス
塊に負荷し、前記上下型の成形転写面の表面形状を非接
触状態で転写し、光学素子を成形する光学素子の成形方
法において、前記上下型の動作に連動する非接触係合手
段を備えていて、前記上下型による非接触状態でのプレ
ス成形によりガラス塊から光学素子を形成するプレス終
了段階で、形成される光学素子の外周部に相当するガラ
ス塊の外周部分に前記非接触係合手段を対向させ、これ
により、非接触状態で前記外周部分を係合保持すること
を特徴とする。
【0012】また、前記の第2の目的を達成するため、
本発明では、高温軟化状態のガラス塊を、所望の光学素
子形状面を形成した、多孔質部材からなる成形転写面を
備える上型、下型間に挿入し、前記上下型表面より流出
する所定のガス圧力、ガス温度を、前記ガラス塊に負荷
し、前記上下型の成形転写面の表面形状を非接触状態で
転写し、光学素子を成形する光学素子の成形方法におい
て、前記上下型の動作に連動する非接触係合手段を備え
ていて、前記上下型の非接触状態でのプレス成形のため
の動作に先立って、形成される光学素子の外周部に相当
するガラス塊の外周部分に前記非接触係合手段を対向さ
せ、これにより、非接触状態で前記外周部分を係合保持
した後、前記上下型による非接触状態でのプレス成形を
行うことを特徴とする。
【0013】なお、好ましい実施の形態として、前記非
接触係合手段は、形成される光学素子の外周部を囲むよ
うに配置された多孔質部材を具備しており、これを透過
して、前記ガラス塊の外周部分に非酸化性のガスを流出
させ、この際、前記ガスの圧力、温度を制御すること
で、非接触状態での前記外周部分を係合保持すること、
更には、前記非接触係合手段でのガス圧力、温度の制御
は、前記上下型の成形転写面からの非酸化性のガスの流
出の際のガス圧力、温度の制御とは別に、個別に行われ
ることが望ましい。更に、前記の高温軟化状態のガラス
塊は、光学ガラスの溶融るつぼの流出パイプの出口から
流出する所定量の溶融ガラス流を、多孔質部材からなる
受け型に受けることで得られるものがよい。
【0014】これらの構成の特徴および作用効果は、以
下に述べる実施の形態の説明において、詳述されるであ
ろう。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の光学素子の成形方法は、
図1〜図4に示す第1の実施の形態、および、図5〜図
8に示す第2の実施の形態において具体的に説明され
る。なお、第1の実施の形態で提示された装置は、本発
明の第1の目的を達成するための具体例であり、第2の
実施の形態で提示された装置は、本発明の第2の目的を
達成するための具体例である。
【0016】(第1の実施の形態)以下、本発明の光学
素子の成形方法を実現するための装置について、図1〜
図4を参照して、詳細に説明する。ここで使用される成
形装置は、多孔質部材からなる下型1および同じく上型
2と、下型保持リング3、上型保持リング4、下型ロッ
ド軸5、上型ロッド軸6、上下のガス供給管7、8、こ
れらに内装された上下のガス加熱ヒータ7a、8a、本
発明に係わる非接触保持手段の一部を構成する多孔質部
材(ここでは、外周成形型9として示す)、同じく、外
周成形型保持部材(スライド部材)10、外周成形型9
へのガス供給管11、これに内装された外周成形型用の
ガス加熱ヒータ11a、下型1および外周成形型9を保
持するホルダーベース12、駆動装置(外周成形型9を
横方向に進退するために外周成形型保持部材10をNC
制御する)13などから構成されている。
【0017】なお、図中、符号14は成形ガラス塊(光
学素子成形品)である。これら下型1、下型保持リング
3、下型ロッド軸5およびガス供給管7は、止め治具
(図示せず)などで連結された下型ユニットを構成して
おり、下型ロッド軸5に連結されたNC駆動装置(図示
せず)によって、所定のタイミングで、所定の上下駆動
変位量、変位スピード、駆動圧力を、それぞれ、可変制
御される。また、下型1は、ガス供給管7の内部に設置
されたガス加熱ヒータ7aにより調整された所定温度
と、所定のガス圧力とで、その多孔質の下型成形転写面
1a(ガラス塊14に光学素子形状面を転写する)よ
り、ガス供給管7を介して、ガス流量制御器(図示せ
ず)よりN2 などの非酸化性ガスを送られる。
【0018】また、これら上型2、上型保持リング4、
上型ロッド軸6およびガス供給管8は、同じく、止め具
(図示せず)で連結された上型ユニットを構成してお
り、下型ユニット同様の、所定の上下駆動、変位量、変
位スピード、駆動力を、それぞれ、可変制御され、ま
た、ガス流量、ガス温度制御が、それぞれ、成される
(多孔質の上型成形転写面2aより、所定温度、圧力に
調整された非酸化性ガスが流出できる)。
【0019】また、外周成形型9は、外周成形型保持部
材10の先端部に、止め治具15で連結されて、全体と
して、外周成形型ユニットを構成しており、図2に示す
ように、下型中心より、水平方向に放射状に(この実施
の形態では、円周方向に3分割)配分され、ホルダーベ
ース12の摺動溝12a〜cに、その外周成形型保持部
材10の各摺動部10a〜cをガイドできるようになっ
ている(図2に付帯するe−e断面を参照)。また、駆
動装置13(横方向のNC制御)により、下型中心に向
けて(C矢視)、3個の外周成形型ユニットが、前後に
スライド移動できるように構成されている。
【0020】この場合も、前述した上下型ユニットの場
合と同様に、外周成形型ユニットは、所定のタイミング
で、所定の上下駆動、変位量、変位スピード、駆動圧力
を可変させることができる。また、ガス供給管11を介
して、ガス流量制御器(図示せず)より、N2 などの非
酸化性ガスが外周成形型9に送られると、外周成形型9
は、その多孔質の成形転写面9aからガスを噴出するよ
うになっている。なお、このガスは、ガス供給管11を
通る過程で、その内部に設置されたガス加熱ヒータ11
aにより、所定温度、所定圧力に調整されるのである。
【0021】更に、下型ロッド軸5は、ホルダーベース
12に対して、所定の精度で、同軸的に嵌合支持されて
おり、同じく、下型1も、下型保持リング3や下型ロッ
ド軸5を介して、矢張り、所定の精度で、同軸的に保持
できるようになっている。同様に、分割された外周成形
型9の成形転写面9aも、ホルダーベース12に対し
て、同様に、その同軸性を保っており、成形の最終段階
で、成形転写面9aと、下型1の成形転写面1aとが、
所望の同軸精度を保持できるようにしている。
【0022】このことは、上型2についても同様で、上
型保持リング4や上型ロッド軸6を介して、位置決め治
具(例えば、複数のガイドピン、穴など)による嵌合位
置決めを、下方にあるホルダーベース12との間で行
い、外周成形型転写面9aおよび下型転写面1aとの相
対的な同軸性が保持できるようになっている。
【0023】なお、図2および図3において、符号15
は止め治具、16はガラス溶融るつぼ、17はガラス溶
融流出パイプ、18は溶融ガラス、19、20は溶融ガ
ラス塊である。この流出パイプ16やるつぼ17は、白
金あるいは白金合金製部材で構成される。
【0024】次に、この装置を用いて、本発明の成形方
法を工程順に説明する。まず、図3に示すように、前記
下型ユニット、外周成形型ユニットの中心に位置して、
ガラス溶融流出パイプ17が配置される。この溶融流出
パイプ17の上部にガラス溶融るつぼ16が接続されて
おり、このるつぼ16内で溶融された光学ガラス素材1
8が流出パイプ17の出口から、その直下の下型転写面
1aの中心に液滴状に滴下される。その後、下型1を所
定距離だけ下降させ、溶融ガラス流をくびれさせ、その
位置で下型1をしばらく保持し、溶融ガラス流が自然切
断した後、下型1を下降する。この場合、下型1の上下
動作の制御、流出ノズルの出口径の設定、溶融ガラスの
温度調整(粘度調整)などで、分離される溶融ガラス塊
19の重量が定まるようにすることができる。
【0025】次に、この下型1を、上型2下の位置まで
右方に移動させ、この位置で、外周成形型9を型中心方
向に前進させ、また、上型2を下降させて、下型1、上
型2と外周成形型9により、この溶融ガラス塊19を非
接触状態でプレス成形して、成形ガラス塊14(光学素
子成形品)を得るのである(なお、図1はこの実施の形
態における光学素子の成形工程の最終プレス状態を表し
ている)。
【0026】その後、上型2を上昇させた後、外周成形
型9を型中心方向より後退させ(下型1を上型2直下に
下降し、それ以外の水平方向移動位置まで、待避させて
もよい)、下型1上の成形ガラス塊14を、吸着オート
ハンド治具(図示せず)により、外部に排出させる。
【0027】なお、この実施の形態のプレス成形過程で
は、上下型1、2による非接触状態でのプレス成形によ
りガラス塊19から光学素子成形品14を形成するプレ
ス終了段階で、形成される光学素子成形品14の外周部
14cに相当する、ガラス塊19の外周部分に外周成形
型9(多孔質部材)を対向させ、これにより、非接触状
態で前記外周部分を係合保持している。そして、外周成
形型9の成形転写面9aを透過して、ガラス塊19の外
周部分に非酸化性のガスを流出させ、この際、前記ガス
の圧力、温度を制御することで、非接触状態での前記外
周部分を係合保持する。なお、前記非接触係合手段での
ガス圧力、温度の制御は、前記上下型の成形転写面から
の非酸化性のガスの流出の際のガス圧力、温度の制御と
は別に、個別に行われる。
【0028】(第2の実施の形態)次に、本発明の他の
実施の形態について、図5ないし図6を参照して、具体
的に説明する。ここでは、先の実施の形態と同様な構成
が装備されるが、その制御形態が若干相違する。先ず、
その構成について述べると、符号20は多孔質の下型、
21は多孔質の上型、22は下型保持リング、23は上
型保持リング、26は非接触係合手段の一部である多孔
質の外周成形型、27は外周成形型保持部材(スライド
部材)、28は溶融ガラス塊(高温軟化ガラス素材)、
29は成形ガラス塊(光学素子成形品)である。
【0029】特に、この実施の形態では、前記非接触係
合手段の一部である多孔質の外周位置出し型24と外周
位置出し型保持部材(スライド部材)25とが別に用意
されている。なお、各多孔質型20、21、24、26
には、先の実施の形態で示されたような、ガス供給管、
ガス加熱白金ヒータ(図示せず)などにより、非酸化性
のガスが、各多孔質型の成形転写面20a、21a、2
6aおよび位置出し面24aから、それぞれ、独自に設
定された所定の温度、圧力に調整された状態で、流出で
きるようになっている。また、各多孔質型20、21、
24、26は、先の実施の形態と同様に、それぞれユニ
ット化されており、各NC駆動装置(図示せず)に連結
されていて、所定のタイミング、駆動変位量、変位スピ
ード、駆動圧力を可変させることができる。
【0030】しかして、ここでは、先の実施の形態と同
様に、高温軟化状態の溶融ガラス塊28を、成形転写面
21a、20aを備える上型21、下型20間に挿入
し、上下型表面より流出する所定のガス圧力、ガス温度
を、溶融ガラス塊28に負荷し、上下型の成形転写面の
表面形状を非接触状態で転写し、成形ガラス塊29を得
るのであるが(図5を参照)、この場合、上下型の非接
触状態でのプレス成形のための動作に先立って、形成さ
れるべき光学素子の外周部に相当する溶融ガラス塊28
の外周部分に外周位置出し型24を対向させ、これによ
り、非接触状態で前記外周部分を係合保持した後(図6
および図7を参照)、上下型による非接触状態でのプレ
ス成形を行うのである(図5および図8を参照)。
【0031】このような構成では、仮に、下型20の成
形転写面20aが凸型であっても、プレス成形動作の
際、ガラス塊28は、既に、外周位置出し型24の位置
出し面24aにより、型中心へと位置出しがなされてお
り、そこで、上型21の成形転写面21aに非接触状態
でプレス圧を掛けられていることにより、下型20の中
心よりズレを生じることはない。
【0032】
【実施例】(実施例1)以下に、本発明の第1の実施の
形態の具体例を示す。ここでは、多孔質の下型1、上型
2、外周成形型9の素材として、多孔質のカーボン材を
用いた。この多孔質のカーボンの平均孔径は15μm
で、気孔率は30%である。また、下型1の成形転写面
1aは、半径=30.05mmの凹球面に加工されてお
り、この成形転写面の直径は19.5mmである。同様
に、上型2の成形転写面2aは、半径=15.97mm
の凸球面に加工されており、この成形転写面の直径は2
3mmである。また、下型、上型の外周部には、厚さ=
3mmのリング状の部材3、4が設置されている。
【0033】外周成形型9の成形転写面9aは、外周半
径:Ra=10.05mmのストレート面に加工されて
おり、この成形転写面のストレート長は、H=2.5m
mであり、その幅はW=15.0mmである。なお、外
周成形型9の、その他の成形面の形状は、図2のf−f
断面で示されるように、H′=3mm、T=4mm、外
周逃げ半径:Rb=9.85mm(成形面9b)であ
る。また、各外周成形型9の割り位置部の成形面9c
は、外周半径:Rc=9.55mmのストレート面に加
工されている。
【0034】前記の精度で加工されている外周成形型9
と、ホルダーベース12とのスライド位置精度は、外周
成形型9の成形転写面の幅(W)、厚み(T)とが、と
もに5μm以内の、摺動のための加工誤差に設定されて
いる。また、図1に示されるように、外周成形型9の下
方の摺動平行面側と、下型の最上面との隙間δは、δm
in=0.8mm、δmax=1.5mmとなるよう
に、設定されている。
【0035】下型保持リング3、上型保持リング4およ
び外周成形型保持部材10は、何れもステンレスで作ら
れている。また、上下の各ガス供給管7、8および外周
成形型へのガス供給管11は、何れも、ステンレスで作
られており、その内部には、それぞれガス加熱用の白金
製のヒータ7a、8a、11aが設置される。
【0036】続いて、先ず、本実施例での溶融ガラス塊
19の製造について、具体的に述べる。光学ガラス溶融
るつぼ16は、1200℃の加熱された状態になってお
り、このるつぼの中で、溶融されたガラスは1100℃
の加熱され、ガラス溶融流出パイプ17を通って、同パ
イプの下端出口より、1000℃の温度を保持したま
ま、液滴状に滴下・流出される。
【0037】なお、このプレス成形には、それぞれ、温
度が1040℃の時に102 dPa・s、580℃の時
に108.2 dPa・s、515℃の時に1012dPa・
s、460℃の時に1015dPa・sとなる粘度を示す
粘性特性を持った硝材を用いている。
【0038】次に、本実施例での成形工程について、具
体的に説明をする。まず、溶融ガラス流を下型1の上に
受け始めるとき、下型1は、最上端の位置(溶融流出パ
イプの出口下端と、下型1の成形面1aの最上面との間
が、本実施例では、L=10mmとなる距離)まで上昇
する。この位置で、型の成形転写面1aから毎分5リッ
ターの流量の窒素ガスを噴出している状態で、溶融ガラ
ス流を受け始めた。その10秒後に、下型1の上に受け
られた溶融ガラスの重量が、所望の重量、本実施例で
は、2.0grに達した。
【0039】本実施例では、溶融ガラスを下型1に受け
る10秒の間、縦NC駆動装置(図示せず)を動かし、
下型1を1mm、下降させた。そして、下型1の上に所
望の重量の溶融ガラスを得た後、下型1をさらに7m
m、急降下した。これにより、溶融ガラス流は、漸次、
くびれ始め、その位置で、下型1を0.7秒保持するこ
とで、その間に溶融ガラス流は、自然切断し、溶融ガラ
ス塊19が得られた(図3の(a)を参照)。
【0040】そして、この時点で、下型1の成形転写面
1aから噴出している窒素ガスの流量を、毎分0.5リ
ッターに減少した。成形転写面1aの上に、浮上状態で
保持されている溶融ガラス塊19が得られた後、下型1
を最下端(=溶融流出パイプの出口下端と、下型1の成
形面1aの最上面との間が、本実施例では、L=80m
mとなる距離)まで下降させ、次いで、横方向へのNC
駆動装置(図示せず)で、横方向へ200mm、移動さ
せ、上型2の直下の位置まで移動した(図3の(b)を
参照)。
【0041】ここで、縦NC駆動装置を上昇させて、プ
レス成形を開始した。溶融ガラス塊19の上部が、上型
2の成形転写面2aに接近するまでの間は、比較的速い
速度で下型1を上昇する。なお、これより以降の成形工
程の説明において、理解を容易にするために、下型1の
上昇、下降によるNC駆動のみでの、上下型によるプレ
ス成形とする。また、下型1の型高さ位置を説明する便
宜上、図1に示された光学素子成形工程の最終プレス状
態における下型1の型高さを、最上端位置:h=0とす
る。
【0042】そこで、本実施例では、毎秒50mmの速
度で、h=−10mmの位置まで下型1を上昇した後、
その上昇速度を毎秒3mmに減じ、h=−4mmの位置
まで上昇した。このように、下型1をh=−4mmの位
置まで上昇した時の状態が図4に示されている。この
時、上型2の成形転写面2aは、溶融ガラス塊19の上
面に接近した位置にあるが、溶融ガラス塊19は、未だ
プレス成形されておらず、その形状は、それ以前と同じ
である。
【0043】また、この時、外周成形型9の成形転写面
9aは、駆動装置13(横方向NC駆動制御)により、
外周半径:Ra=10.05mmとなる(図2で、放射
3方向に可動な外周成形型のユニットが、共に下型中心
方向(C矢視)へ向けて当接する)状態まで、前進スラ
イド移動される(図4を参照)。また、この時、ガス加
熱用のヒータ7により300℃に加熱された窒素ガス
が、毎分0.5リッターの流量で、下型1の成形転写面
1aから噴出している。
【0044】一方、ガス加熱用のヒータ8により400
℃に加熱された窒素ガスが、毎分5リッターの流量で、
上型2の成形面2aから噴出している。また、ガス加熱
用のヒータ11aにより500℃に加熱された窒素ガス
が、毎分1リッターの流量で、外周成形型9の成形面9
aから噴出している。
【0045】続いて、この位置、即ち、h=−4mmの
位置からh=−2mmの位置まで、さらに下型1を上昇
した。この時の下型1の上昇速度は毎秒1mmであり、
ガラス塊19の温度は800℃であった。この温度での
ガラスの変形状態は、毎秒1mmの速度でのプレス変形
速度より大きいので、この速度で、h=−4mmの位置
からh=−2mmの位置まで、下型1を上昇させること
により、溶融ガラス塊19は、下型1、上型2および外
周成形型9から、共に非接触の状態に保たれたまま、そ
れぞれの型の成形転写面の形状に倣って変形が進む。
【0046】前記の状態で、更に、h=−2mmの位置
からh=0mmの位置まで、縦NC駆動装置を駆動し、
下型1を上昇させた。即ち、接触型式のプレス成形で、
本来ならば、下型1と上型2とが接触する高さに相当す
る高さまで、縦NC駆動装置を駆動させた。この時の、
縦NC駆動装置による下型の上昇速度は、毎秒1mmで
あった。この時、ガラス塊19の温度は750℃であ
り、この温度のガラスの変形状態は、毎秒1mmの速度
でのプレス変形速度より小さい。従って、この速度で、
h=−2mmの位置からh=0mmの位置まで、縦NC
駆動装置を駆動させると、上下の型の成形転写面から噴
出しているガスにより、溶融ガラス塊は非接触の状態で
プレス圧を受けた状態に保持される。
【0047】最終的に、図1、2に示されるような、下
型1、上型2、外周成形型9による非接触プレス成形が
行われる。なお、前述の溶融ガラス塊の変形状態は、そ
の光学素子の形状因子により大きく左右される。特に、
成形ガラス塊(光学素子成形品)14の上下面14a、
14bと外周部(コバ面)14cとのガラスの変形状態
には差違があり、本実施例におけるガラスの場合に、溶
融ガラス塊19の上下面温度が750℃の時に、外周部
温度は650℃である。
【0048】その後、成形ガラス塊(光学素子成形品)
14は、所望の光学精度を保持できるように、所定の冷
却速度で冷却された。この時、下型1、上型2、外周成
形型9の各成形転写面から噴出するガス温度、ガス流量
は、成形ガラス塊14が所定の冷却速度となるように、
各々、調整されている。なお、本実施例においては、成
形ガラス塊14の所定の冷却速度を、毎分20℃とし
た。前述のように、溶融ガラス塊19の変形状態の差違
より、外周成形型9から噴出する窒素ガスの温度、流量
を、下型1、上型2から噴出する同ガス温度、流量より
も、成形ガラス塊の冷却速度が、毎分5℃程、低くなる
ように設定調整を行った。
【0049】このようにガラス塊について、その上下、
外周成形が完了した後、直ちに、下型1ユニットを下降
させ、外周成形型9を型中心方向より後退させて、成形
型開きを行った。下型1ユニットが最下端位置まで移動
し(更には、下型1を上型2の直下以外の位置(側方)
まで、待避してもよい)、下型1上にある、冷却された
成形ガラス塊14を、吸着オートハンド治具(図示せ
ず)により排出した。
【0050】以上のような成形動作を100回連続して
繰り返し、得られた光学素子14の品質を確認したとこ
ろ、その製品外観には、変形シワ、特に、外周部(コ
バ)のワレ、欠け、割り線上のバリ不良などについて、
何らの異状も認められず、また、上下の面精度も、ア
ス、クセとも一本以内という、良好なものが得られた。
【0051】なお、光学素子のその他の形状精度とし
て、外周部14cの外径寸法の精度が±5μm〜10μ
mであり、上下の球面14a、14bの光学中心と、そ
の外周部外径との同軸度精度がΦ=20μm以内であっ
た。また、この時点で、各型1、2、9の表面を観察し
たが、有害な揮発物などの付着は認められず、まだ、十
分に連続成形できる状態であった。
【0052】本実施例として、高温軟化状態のガラス塊
から多孔質材のプレス成形型を用いて光学素子を得るに
あたり、下記の特有の効果が得られた。即ち、低粘度の
(温度が高く、形状が一定しない)ガラスゴブから、高
精度な非接触プレス成形ができ、しかも、外径芯取りを
行う必要がなく、これにより、成形サイクルを短縮する
ことができ、大幅な生産コストの削減が可能となる。ま
た、溶融光学ガラスから高精度な光学素子を、スラッジ
フリーな状態で、一貫生産することが可能となり、材料
代、成形サイクルの短縮(溶融からプレス成形までの熱
エネルギーロスがない)により、生産コストを安価にで
きる。
【0053】(実施例2)ここでは、実施例1で用いた
のと同じ硝材を用い、第2の実施の形態で示すプレス成
形装置を用いた。ここで、図5に示すような、有効径=
17mm、外周径=20mm、中心肉厚=3mm、光学
面の上面曲率半径=25mm、下面曲率半径=50mm
の両凹形状レンズを成形する場合を具体的に説明する。
【0054】ここで、下型20の成形転写面20aは、
半径=50.25mmの凸球面に加工されており、上型
21の成形転写面21aは、半径=25.13mmの凸
球面に加工されている。また、下型、上型の外周部に
は、高さ3mmのリング状の部材22、23が設置され
ている。
【0055】外周成形型26の成形転写面26aは、外
周半径:Ra=10.05mmのストレート面に加工さ
れており、この成形転写面のストレート長はH=3mm
であり、同成形面の幅はW=14.0mmである。な
お、外周成形型26のその他の成形面は、H′=3.5
mm、T=4.5mm、外周逃げ半径:Rb=9.75
mmである。
【0056】外周位置出し型24の位置出し面24a
は、外周半径:Rd=7.0mmのストレート面に加工
されており、この位置出し面のストレート長:T′=5
mm、位置出し面の幅:W′=3.0mmである。
【0057】次に、本実施例での成形工程について、具
体的に説明をする。ここでは、実施例1と同様に、ま
ず、下型20の上に非接触状態で溶融ガラス流を所望の
重量、本実施例では、2.5grが受け取られ、溶融ガ
ラス塊28を得た。そして、この溶融ガラス塊28を下
型20上に受け取る際に、外周位置出し型24の位置出
し面24aは、下型20の中心方向へ、放射3方向より
突き出された状態になっており(前後進駆動治具(図示
せず)により、最前進位置まで出ており、一方、放射3
方向に関して進退動作する外周成形型26は、最後退位
置まで引っ込んでいる)、この状態で、溶融ガラス塊2
8を下型20で受け取る。
【0058】この時、下型20の成形転写面20aから
噴出している窒素ガスの流量は、実施例1と同様、毎分
5リッターから0.5リッターに減少させた。また、位
置出し面24aから噴出している窒素ガスの流量は、毎
分3リッターを保持した。
【0059】下型20の成形面20aの上に、浮上保持
されている溶融ガラス塊28を得た後、下型20を最下
端(溶融流出パイプの出口下端と、下型1の成形面1a
の最上面との距離、本実施例では、L=80mm)まで
下降させ、次いで、横方向へのNC駆動装置(図示せ
ず)で横方向へ200mm、移動させ、上型21の直下
の位置まで移動した。
【0060】ここで、縦NC駆動装置を駆動し、下型1
を上昇させて、プレス成形を開始した。なお、溶融ガラ
ス塊28の上部が、上型21の成形転写面21aに接近
するまでの間は、比較的速い速度で下型20を上昇す
る。また、ここでも、実施例1と同様の型プレス位置の
表現を用いることにする。
【0061】本実施例では、下型1を毎秒50mmの速
度で、h=−10mmの位置まで上昇した後、その上昇
速度を毎秒3mmに減じ、そして、h=−5mmの位置
まで上昇した。このh=−5mmの位置までの上昇時、
溶融ガラス塊28の形状は、上型21の成形転写面21
aにより、その上部がわずかに非接触転写プレスを始め
ている。また、同時に、外周位置出し型24の位置出し
面の形状24aは、ガラス塊28に非接触状態で転写プ
レスし、外周の位置出し(本実施例の場合は、円周方向
に等分割の3点にて非接触状態の位置出し)が行われ
た。この状態を保ったままで、その後、h=−3mmの
位置まで上昇した時、外周位置出し型24を下型1の中
心側より後退させ、位置出し型24が最後退した時点
で、外周成形型26を反対に、下型中心へ向かって前進
駆動させる。
【0062】この成形動作の際、ガラス塊28は、既
に、外周位置出し型24の位置出し面24aにより、上
下型の中心に位置出しされ、また、上型21の成形転写
面21aに非接触状態で転写プレスされていることによ
り、下型中心よりズレを生じることはない。
【0063】その後、前進駆動された外周成形型26の
成形面26aにより、実施例1と同様に、非接触状態で
h=0mmの位置まで、転写プレスを行った。そして、
最終的に、図5および図7に示されるような、下型2
0、上型21、外周成形型26による非接触プレス成形
が完成され、所望の光学精度を保持できるように、成形
ガラス塊(光学素子成形品)29を所定の冷却速度で冷
却した。この時、下型20、上型21、外周成形型26
の各成形転写面から噴出するガス温度、ガス流量は、上
述の所定冷却速度となるように、各々、調整がされる。
【0064】即ち、本実施例においては、成形ガラス塊
の所定冷却速度を、毎分15℃の冷却速度とした。ま
た、溶融ガラス塊28の変形状態の差違より、外周成形
型26から噴出する窒素ガスの温度、流量を、下型2
0、上型21から噴出するガス温度、流量よりも、冷却
速度が毎分5℃程低くなるように、設定し、調整した。
【0065】このような成形動作を、実施例1と同様
に、連続的に繰り返し、得られた成形ガラス塊29の品
質を確認したところ、成形品外観には、変形シワ、特
に、外周部(コバ)のワレ、欠け、割り線上のバリ不良
などがなく、何らの異状も認められず、また、上下面精
度もアス、クセとも一本以内である、良好なものが得ら
れた。光学素子製品のその他形状精度としては、外周部
の外径寸法精度が±5μm〜10μmであり、上下球面
Rの光学中心と、その外周部外径との同軸度精度がΦ2
0μm以内であった。
【0066】本実施例として、高温軟化状態のガラス塊
から多孔質材のプレス成形型を用いて成形光学素子を得
るにあたり、下記の特有の効果がある。即ち、低粘度の
(温度が高く、形状が一定しない)ガラスゴブから、特
に、両凹レンズの成形位置精度を保持した状態で、外径
芯取りレスで、かつ、高精度な非接触プレス成形がで
き、これにより、成形サイクルを短縮することができ、
大幅な生産コストの削減が可能となる。また、溶融光学
ガラスから高精度な、かつ、スラッジフリーの光学素子
を一貫生産することが可能となり、材料代、成形サイク
ルの短縮(溶融からプレス成形までの熱エネルギーロス
がない)により、生産コストを安価にできる。
【0067】
【発明の効果】本発明は、以上説明したようになり、芯
取りなどの後工程を不要とし、形状精度、外観精度が共
に良好なガラス光学素子を、エネルギーロスのほとんど
ない状態で得ることができる。従って、従来の光学素子
の成形に比べて、その製造時間を大幅に削減し、製造コ
ストを下げることができる。また、スラッジフリーをも
可能とし、対環境性の面からも大変に優れている。
【0068】また、本発明では、成形に際して、成形転
写面上での溶融ガラス塊の位置決めができるので、上述
の効果に加え、被成形品の形状などの制限を外し、成形
可能範囲の拡大、ならびに、成形精度の確実性を向上さ
せた、良好なガラス光学素子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す装置構成の概
略断面図である。
【図2】同じく、要部の概略平面図である。
【図3】同じく、本発明の第1の実施の形態の成形工程
を概略説明する断面図である。
【図4】同じく、その一つの工程を示す断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の実施の形態を示す概略断
面図である。
【図6】同じく、別の切断面での断面図である。
【図7】同じく、成形工程を概略説明する平面図であ
る。
【図8】同じく、次の成形工程を概略説明する平面図で
ある。
【符号の説明】
1、20 多孔質の下型 2、21 多孔質の上型 9、26 多孔質の外周成形型(非接触係合手段の一
部) 14、29 成形ガラス塊(光学素子成形品) 19、28 溶融ガラス塊 24 位置出し型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 執行 勇 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高温軟化状態のガラス塊を、所望の光学
    素子形状面を形成した、多孔質部材からなる成形転写面
    を備える上型、下型間に挿入し、前記上下型表面より流
    出する所定のガス圧力、ガス温度を、前記ガラス塊に負
    荷し、前記上下型の成形転写面の表面形状を非接触状態
    で転写し、光学素子を成形する光学素子の成形方法にお
    いて、 前記上下型の動作に連動する非接触係合手段を備えてい
    て、前記上下型による非接触状態でのプレス成形により
    ガラス塊から光学素子を形成するプレス終了段階で、形
    成される光学素子の外周部に相当するガラス塊の外周部
    分に前記非接触係合手段を対向させ、これにより、非接
    触状態で前記外周部分を係合保持することを特徴とする
    光学素子の成形方法。
  2. 【請求項2】 高温軟化状態のガラス塊を、所望の光学
    素子形状面を形成した、多孔質部材からなる成形転写面
    を備える上型、下型間に挿入し、前記上下型表面より流
    出する所定のガス圧力、ガス温度を、前記ガラス塊に負
    荷し、前記上下型の成形転写面の表面形状を非接触状態
    で転写し、光学素子を成形する光学素子の成形方法にお
    いて、 前記上下型の動作に連動する非接触係合手段を備えてい
    て、前記上下型の非接触状態でのプレス成形のための動
    作に先立って、形成される光学素子の外周部に相当する
    ガラス塊の外周部分に前記非接触係合手段を対向させ、
    これにより、非接触状態で前記外周部分を係合保持した
    後、前記上下型による非接触状態でのプレス成形を行う
    ことを特徴とする光学素子の成形方法。
  3. 【請求項3】 前記非接触係合手段は、形成される光学
    素子の外周部を囲むように配置された多孔質部材を具備
    しており、これを透過して、前記ガラス塊の外周部分に
    非酸化性のガスを流出させ、この際、前記ガスの圧力、
    温度を制御することで、非接触状態での前記外周部分を
    係合保持することを特徴とする請求項1あるいは2に記
    載の光学素子の成形方法。
  4. 【請求項4】 前記非接触係合手段でのガス圧力、温度
    の制御は、前記上下型の成形転写面からの非酸化性のガ
    スの流出の際のガス圧力、温度の制御とは別に、個別に
    行われることを特徴とする請求項3に記載の光学素子の
    成形方法。
  5. 【請求項5】 前記の高温軟化状態のガラス塊は、光学
    ガラスの溶融るつぼの流出パイプの出口から流出する所
    定量の溶融ガラス流を、多孔質部材からなる受け型に受
    けることで得られることを特徴とする請求項1〜4の何
    れかに記載の光学素子の成形方法。
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