JP3149150B2 - 光学素子の製造方法およびガラスレンズ、そのブランク材の成形方法 - Google Patents

光学素子の製造方法およびガラスレンズ、そのブランク材の成形方法

Info

Publication number
JP3149150B2
JP3149150B2 JP23730193A JP23730193A JP3149150B2 JP 3149150 B2 JP3149150 B2 JP 3149150B2 JP 23730193 A JP23730193 A JP 23730193A JP 23730193 A JP23730193 A JP 23730193A JP 3149150 B2 JP3149150 B2 JP 3149150B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
molding
molten
optical element
optical
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP23730193A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0769650A (ja
Inventor
昌之 冨田
勇 執行
裕之 久保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP23730193A priority Critical patent/JP3149150B2/ja
Publication of JPH0769650A publication Critical patent/JPH0769650A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3149150B2 publication Critical patent/JP3149150B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B11/00Pressing molten glass or performed glass reheated to equivalent low viscosity without blowing
    • C03B11/06Construction of plunger or mould
    • C03B11/08Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2215/00Press-moulding glass
    • C03B2215/86Linear series of multiple press moulds

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Re-Forming, After-Treatment, Cutting And Transporting Of Glass Products (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軟化状態のガラスを加
圧成形することにより、非球面ガラスレンズなどの高精
度な光学素子、あるいは、その前段に用意されるリヒー
トプレス成形用素材を得るための、光学素子の製造方法
およびガラスレンズ、そのブランク材の成形方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、光学機器の光学系の簡略化と軽量
化を達成するために、非球面レンズを使用する場合が増
えている。そして、この非球面レンズを低コストで製造
する方法として、金型を用いた成形法が開発されてい
る。
【0003】この金型を用いた成形法というのは、予
め、所望の形状に仕上げられた成形面を持つ金型を用い
て、加熱軟化した状態の光学ガラス素材あるいは溶融状
態の光学ガラス塊を加圧成形し、光学素子を得る方法で
ある。
【0004】加熱軟化した状態の光学ガラス素材を加圧
成形(リヒートプレス)する場合、形成された光学素子
の光学面が欠陥のない状態であるためには、光学ガラス
素材が研磨されていることが必要で、その結果として、
この方法による製造コストは比較的高くなっていた。
【0005】そこで、より一層、製造コストを下げるた
めに、溶融状態の光学ガラス塊から直接に光学素子を得
る方法が、特開平4−77320号公報に示されてい
る。そこでは、両面凹レンズを得るため、先ず、凸形状
の成形面を有する第1の型で、溶融ガラスを受け、次
に、第1の型の成形面に載った溶融ガラスに、上方から
第2の型を降下、接触させて、溶融ガラスを第2の型の
成形面に付着させ、この状態で、第1の型から第2の型
に置換し、第2の型を上下反転させ、第2の型上での熱
変形により所要の光学ガラス塊とし、更に、この光学ガ
ラス塊を、上方からのプレス成形用上型の降下で、加圧
成形する。
【0006】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、上
記従来例では、以下に示すような解決すべき課題があっ
た。即ち、凸形状の成形面を有する第1の型で、溶融ガ
ラスを受ける際、溶融ガラスが、第1の型の成形面の、
中心からずれた位置に落下した場合、図6に示すよう
に、成形面の周辺部に流れ、位置付けられてしまう。こ
の状態の溶融ガラスに、上方から第2の型を降下し、接
触させると、上下の型内において、ガラス塊が偏肉した
状態で成形されてしまう。このような、偏肉した状態の
ガラス塊を、プレス成形用上型の降下で、加圧成形する
と、成形された光学ガラス素子は、その偏心が大きく、
不良品となる。また、上述のように、溶融ガラスを第2
の型に付着させた状態で、第2の型を上下反転させ、溶
融ガラスを第1の型から第2の型に置換する工程で、第
2の型を回転して上下反転させる時に、溶融ガラスの位
置がずれてしまう場合がある。このように、第2の型の
上に、位置ずれした状態で置かれた溶融ガラスを、その
まま、熱変形させた場合、熱変形後のガラス素材は、上
述の場合と同様に、偏肉した状態になる。このような偏
肉した状態のガラス素材をプレス成形用金型で加圧成形
すると、成形された光学ガラス素子は、その偏心が大き
く、不良品となる。特に、溶融ガラスが、図5に示すよ
うに、第1の型の周辺部に流れ、位置付けられた場合
に、この第2の型の上下反転に伴う溶融ガラスの位置ず
れが発生しやすい。
【0007】
【発明の目的】本発明は、上記事情に基いてなされたも
ので、溶融ガラスの、最初の受け型での位置ずれを回避
し、また、型の反転による位置ずれを避けるため、その
ような型の反転を行なわない方式で、溶融ガラスからの
直接のプレス成形を実現した、光学素子の製造方法およ
びガラスレンズ、その中間成形体であるブランク材の成
形方法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】このため、本発明の製造
方法では、溶融光学ガラスを成形型内に受け入れて、複
数工程で、プレス成形により、所要の光学機能面を有す
る光学素子を製造する方法において、凹形状の受け面を
有する第1の型(受け型)で、溶融光学ガラス塊を受け
入れて、上記受け面中央に上記溶融光学ガラス塊を位置
付ける工程と、第1の型(受け型)の凹部に載置された
溶融光学ガラス塊を、これに対向する第2の型(上型)
を用いてプレス成形し、中間成形体を成形する工程と、
上記中間成形体を第2の型(上型)に付着させた状態
で、上記中間成形体を第1の型(受け型)から離型させ
る工程と、第2の型(上型)に付着した状態の上記中間
成形体を、これに対向する第3の型(下型)を用いて、
プレス成形し、所要の光学機能面を有する成形品を構成
する工程と、からなることを特徴とする。
【0009】また、別に、本発明の製造法では、溶融光
学ガラスを成形型内に受け入れて、複数工程で、プレス
成形により、所要の光学機能面を有する光学素子を製造
する方法において、凹形状の受け面を有する第1の型
(受け型)で、溶融光学ガラス塊を受け入れて、上記受
け面中央に上記溶融光学ガラス塊を位置付ける工程と、
第1の型(受け型)の凹部に載置された溶融光学ガラス
塊を、これに対向する第2の型(上型)を用いてプレス
成形し、中間成形体を成形する工程と、上記中間成形体
を上下一対の成形型でプレス成形し、所要の光学機能面
を有する成形品を構成する工程と、からなることを特徴
とする。
【0010】
【作用】このため、第1の型の受け面で溶融光学ガラス
を受けることにより、たとえ、その溶融光学ガラスが受
け面の中心から外れた位置に落下しても、その自重によ
る流動変形で、中心に向けて移動し、常に、受け面の中
心に安定して置かれることになる。そして、この溶融光
学ガラス塊を、第2の型(上型)を用いて、プレス成形
することにより、偏肉のない中間成形体を形成する。ま
た、この中間成形体を、第2の型に付着させた状態で、
第1の型から離型させ、次いで、第3の型を用いてプレ
ス成形するので、第2の型において、中間成形体が位置
ずれを起こすことがなく、偏肉、偏心のない光学素子、
または、光学素子成形用ガラス素材を成形することがで
きる。
【0011】なお、中間成形体を、第2の型に付着させ
た状態で、第1の型から離型させる具体的手段として
は、ガラスと第1の型との密着力が、ガラスと第2の型
との密着力より小さくなるように、少なくとも、第1の
型の受け面および第2の型の成形面の材質(または、そ
の表面コーティング材質)を選択するか、または、中間
成形体が第2の型に付着した状態の位置を、適当な機械
的手段で、規制し、その状態で、第1の型から離型する
ことが、あげられる。
【0012】
【実施例】
[実施例1]図1および図2は、本発明の第1の実施例
を示しており、特に、図1は、本実施例において、第1
の型の凹部(凹形状の受け面)に置かれた溶融ガラスか
ら、所要の光学機能面を有する光学素子をプレス成形す
るまでの工程を説明するための解説図であり、図2は、
本実施例における光学素子の製造方法の工程全体を説明
するための概略図である。
【0013】図1において、符号1Gは溶融光学ガラス
塊であり、1Mは中間成形体であり、1Eはプレス成形
が完了した光学素子(成形品)である。2は溶融ガラス
塊1Gが置かれる受け面を有する第1の型(受け型)で
あり、3は第2の型(上型)であり、4は第3の型(下
型)であり、5は第2の型(上型)3と第3の型(下
型)4とを同軸上に摺動案内できるスリーブ状の胴型で
ある。6は第1の型2を胴型5の中に搬入・搬出するた
めのオートハンドであり、7は光学素子1Eを胴型5か
ら搬出するためのオートハンドである。これらのオート
ハンドは、胴型5の側面に設けた開口部を通して、溶融
光学ガラス塊を載せた第1の型の搬入、空の型の搬出、
および、光学素子の搬出を行う。
【0014】図2において、1Lは溶融光学ガラスであ
り、8は溶融るつぼ(図示せず)に連通するノズルであ
る。9は成形型の周囲の雰囲気を保つためのケーシング
であり、そこには、ケーシング内部の気密性を保つため
のシャッターを備えた開口部10が有り、その開口部1
0を通して、第1の型2の搬入・搬出と、光学素子1E
の搬出とがなされる。
【0015】溶融るつぼ内で加熱・溶融された溶融光学
ガラス1Lは、ノズル8の先端から流出され、ノズル8
の直下に位置している第1の型2の、凹形状の受け面に
流下し、その中央に蓄えられる。一定量の溶融光学ガラ
ス1Lが蓄えられた後、第1の型2を、急速に下方に降
下させることにより、シャーマークのない溶融光学ガラ
ス塊1Gを得ることができる。なお、この工程は大気中
で行われる。
【0016】続いて、溶融光学ガラス塊1Gを載せた第
1の型2は、開口部10を通して、窒素雰囲気に保たれ
たケーシング9の中へ搬入される。ケーシング9の中に
は、図1の(a)に示すように、胴型5が配置されてお
り、ここには第2の型3と第3の型4とが、同軸上で摺
動できるように、設置されている。そして、第1の型2
は、図1の(b)に示すように、オートハンド6によっ
て保持され、その状態で、胴型5の側面に設けられた開
口部を通って胴型5の内部に導入される。
【0017】オートハンド6は、第1の型2を、第3の
型4の上側で、胴型5の内部に置いた後、胴型5の開口
部から退去する。しかして、図1の(c)に示すよう
に、第2の型3が下降して、溶融光学ガラス塊1Gをプ
レス成形し、図1の(d)に示すような中間成形体1M
を形成する。中間成形体1Mは、成形後、図1の(e)
に示すように、第2の型3の成形面に付着した状態で、
第2の型3の上昇に連れて上昇し、第1の型2から離型
する。なお、この実施例では、第1の型2とガラスとの
密着力が、第2の型3とガラスとの密着力より小さくな
るように、両者のの材質(もし、第1の型の受け面、第
2の型の成形面にコーティングが施されているのなら、
その材質)を選択してある。これにより、中間成形体1
Mは、確実に、第2の型に付着して、第1の型から安定
して離型することができる。
【0018】中間成形体1Mが第2の型3に付着して上
昇した後、第1の型2は、再び、オートハンド6により
保持され、胴型5の内部から搬出され、その後、開口部
10からケーシング9外に導出される。一方、第1の型
2を搬出した後の胴型5内では、図1の(f)および
(g)に示すように、中間成形体1Mが付着した状態の
第2の型3が下降して、第2および第3の型で、中間成
形体1Mをプレス成形して、所要の光学機能面を有する
光学素子1Eを得るのである。即ち、第2の型3は、そ
の上部のツバ部が胴型5の上端面に接触するまで、降下
し、図1の(h)に示すように、中間成形体1Mを押圧
するのである。このようにして、プレス成形が完了した
後、成形された光学素子1Eは、その状態のままで冷却
される。
【0019】冷却が終了した後あるいはその過程で、図
1の(i)に示すように、第2の型3が上昇され、光学
素子1Eは、型3の成形面から剥離され、第3の型4の
上に残される。そして、図1の(j)に示すように、光
学素子1Eは、オートハンド7に吸着され、第3の型4
から除かれ、胴型5の外部へ搬出される。また、オート
ハンド7により成形型から搬出された光学素子1Eは、
開口部10を通って、ケーシング9から外部へ搬出され
る。
【0020】以下、本発明について、より詳細な具体例
を示す。本具体例では、光学ガラスSK12と同じ光学
特性を持つモールド成形用光学ガラス((株)オハラ製
のBAL62)が用いられ、これによって、直径:16
mm、中心肉厚:3mm、光学面の曲率半径R:両面と
も20mmの両凹レンズを成形する。
【0021】この光学ガラスの材料を、ガラス溶融用白
金るつぼ(図示せず)に入れ、そのるつぼの周囲の加熱
ヒータ(図示せず)によって、加熱・溶融した後、通電
によって1200℃に保持された白金ノズル8を通し、
その先端から流出する。この溶融ガラス1Lは、ノズル
8の直下に位置している第1の型2の凹形状受け面に流
下し、蓄えられる。この第1の型2は黒鉛で作られてお
り、その受け面は曲率半径:25mmの球面形状をして
おり、好ましくは、その表面は[002]面に面配向性
を有するグラファイトで被覆されている。この時、第1
の型2は、ヒータ(図示せず)により、500℃に加熱
されている。
【0022】第1の型2の凹形状受け面に、重さ:3g
の溶融ガラス1Lが蓄えられた後、第1の型2を瞬間的
に下方へ移動させ、シャーマークの無い溶融ガラス塊1
Gを得る。この時、鉛直方向に関して、ノズル8と第1
の型2の中心とに位置ずれがあり、溶融ガラス1Lが、
第1の型2の受け面の中心からずれた位置に落下して
も、その場合、そこに蓄えられた溶融ガラス塊1Gは、
その自重により、流動変形し、受け面の中心へと移動す
る。なお、溶融るつぼ(図示せず)および溶融ガラス1
Lから溶融ガラス塊1Gを得るまでの装置(図示せず)
は、大気中に設置されている。
【0023】続いて、溶融ガラス塊1Gを載せた第1の
型2は、開口部10を通って、大気から窒素雰囲気への
置換が可能な置換室(具体的には図示せず)を経由し、
窒素雰囲気に保ったケーシング9の中に搬入される。こ
の搬入時に、第1の型2が移動するため、その上に置か
れた溶融ガラス塊1Gが振動により位置がずれることも
あるが、この時の溶融ガラス塊1Gの温度は、800〜
650℃で、十分な流動性があるため、溶融ガラス塊1
Gは、その自重により、流動変形して、常に、第1の型
2の受け面の中心へと移動し、保持される。
【0024】窒素雰囲気に保たれたケーシング9の中で
は、図1の(a)に示すように、第2の型3と第3の型
4とが鉛直方向に関して同軸上に摺動できるような状態
で、胴型5に設置されている。第2の型3および第3の
型4は、タングステン・カーバイド系の超硬合金で作ら
れており、その成形面は、曲率半径20mmの凸球面に
研磨されている。また、胴型5は、タングステンを主成
分とする合金で作られており、その内部にヒータ(図示
せず)を内蔵しており、第2の型3と第3の型4の温度
を、それぞれ、制御できるようになっている。また、型
3および4、並びに、胴型に形成した型摺動穴は、成形
光学素子1Eの光軸に関する寸法公差を満たすように、
高精度な寸法精度で加工されている。
【0025】ケーシング9の中に搬入された第1の型2
は、図1の(b)に示すように、オートハンド6により
保持され、胴型5の側面に設けられた開口部を通って、
胴型5の内部に入り、胴型5の位置決め段部の壁につき
当てられ、その降下の位置決めがなされる。このように
して、第2の型3と第1の型2が、例えば、±0.2m
m以内の位置精度で相対向する。なお、第1の型2が胴
型5の内部にいる間、第2の型3は、胴型5の上部に上
昇しており、第1の型2と空間的に干渉しないように操
作される。また、第1の型2の下面には、第3の型4と
の位置的干渉を避けるために、所要の溝条が形成・加工
してある。
【0026】続いて、第2の型3を下降させ、溶融ガラ
ス塊1Gをプレス成形し、中間成形体1Mを得る。この
時、第1の型2の温度は、500℃であり、また、第2
の型3の温度は、予め、600℃に制御されている。ま
た、第2の型3によるプレス力は500Nであり、第2
の型3に付けられた変位センサー(図示せず)により所
定量のプレスが終了したことを検知した後は、第2の型
3への上記加圧を終了し、その後、直ちに、第2の型3
を上昇する。
【0027】なお、本実施例では、第1の型2にグラフ
ァイトを使用し、第2の型3に超硬合金を使用してい
る。この場合、グラファイトと軟化状態のガラスとの密
着力は超硬合金と軟化状態のガラスとの密着力に比べて
小さいため、第2の型3を上昇した時、中間成形体1M
は、第1の型2の受け面から離型し、第2の型3の成形
面に密着した状態で上昇していく。なお、この中間成形
体1Mと第2の型3との密着状態は、それらの間の分子
間力に起因する強固な力であるので、第2の型3が上下
動しても、密着している状態の中間成形体1Mの位置
が、上記の動きで、ずれることはない。このようにして
得られた中間成形体は、中心肉厚:4mm、直径:14
mm、凸面R:25、凹面R:20の凹メニスカス・レ
ンズの形状をしている。
【0028】その後、第1の型2は、オートハンド6に
より、胴型5の内部から搬出され、更に、ケーシングか
ら取出される。一方、中間成形体1Mを付着している第
2の型3は、下降され、中間成形体1Mを第2の型3と
第3の型4とで、プレス成形し、最終的に光学素子1E
を得る。プレス成形を開始する時の第2の型3と第3の
型4の温度は約570℃であり、プレス力4000Nを
第2の型3に加えて、中間成形体1Mに対するプレス成
形を開始する。そして、第2の型3は、その上部のツバ
部が胴型5の上端に接触するまで、降下し、中間成形体
を光学素子1Eの形に形成する。然る後、4000Nの
プレス力を、第2の型3に加えた状態のままで、第2の
型3と第3の型4の内部に設けられた冷却孔(図示せ
ず)の内部に窒素ガスを流し、冷却を開始する。本実施
例においては、毎分30℃の冷却速度で、第2の型3お
よび第3の型4に温度差が発生しないように、調整しな
がら冷却している。
【0029】冷却中、第2の型3および第3の型4は、
その温度が530〜490℃の範囲で、第3の型4を上
方へ2000Nの力で加圧することにより、それぞれ、
光学素子1Eに密着した状態を保った。そして、490
℃になった時に、第3の型4による加圧を終了し、この
瞬間、光学素子1Eを第2の型3および第3の型4から
剥離し、これらの型と光学素子1Eとの間に、わずかな
空隙が生じるような状態にした。
【0030】480℃まで冷却された時に、第2の型3
が上昇し、この時、光学素子1Eは既に第2の型3の成
形面から剥離し、第3の型4の上に残る。この光学素子
1Eをオートハンド7に吸着して、胴型5の外部に搬出
し、続いて、開口部10を通して、ケーシング9から外
部へ搬出させる。
【0031】このようにして成形された光学素子1E
は、外観上の欠陥、すなわち、気泡、傷、曇りなどが無
く、面精度もアス、クセともに1/2本以内で、その光
学性能が極めて優れており、偏心も無く、非常に良好な
ものである。 [実施例2]図3は、本発明の第2の実施例における光
学素子の製造方法の工程全体を説明するための解説図で
ある。ここでは、大気中で、予備成形が行なわれ、窒素
雰囲気中で、最終成形がなされる。図3において、1G
は溶融ガラス塊であり、1Mは中間成形体であり、1B
は光学素子成形用ガラス素材であり、1Eは成形光学素
子である。2は第1の型(受け型)であり、3は第2の
型(上型)であり、4は第3の型(下型)であり、5
は、第2の型(上型)3と第3の型(下型)4とを、鉛
直方向に関して、同軸的に摺動案内するスリーブ状の胴
型である。7は光学素子成形用ガラス素材1Bを胴型5
から搬出するためのオートハンドである。更に、11
は、胴型5の内部に置かれた第1の型2を上方に押し上
げるための可動ロッドである。12は中間成形体1Mを
第2の型3の成形面に付着させた状態に保つための、機
械的な保持手段である。
【0032】13はガラス素材1Bを受け取り、最終的
な光学素子を成形するために用意された第4の型(下
型)であり、14は、同じく、第5の型(上型)であ
り、15は、第4の型13と第5の型14とを、鉛直方
向に関して、同軸上に摺動案内するスリーブ状の胴型で
ある。9は、光学素子成形用の成形型(第4および第5
の型)の周囲の雰囲気を、例えば、窒素ガスに保つため
のケーシングであり、ケーシングには、その内部の気密
性を保つことができるシャッター付きの開口部10が設
けられており、そこを通って、光学素子成形用ガラス素
材1Bの搬入、および、光学素子1E(成形品)の搬出
がなされる。
【0033】本実施例では、本発明による、前述と同様
な製造方法により、溶融光学ガラス塊1Gを第1の型2
に受け、それを第2の型3でプレス成形し、中間成形体
1Mを形成し、この中間成形体1Mを、保持手段12を
用いて、第2の型3の成形面に付着した状態に保持さ
せ、次いで、第1の型2を降下して、そこから中間成形
体1Mを離型させる。そして、第2の型3に保持した中
間成形体1Mを、第3の型4を用いて、プレス成形し、
予備成形した所要形状の光学素子成形用ガラス素材1B
を得るのである。この成形工程は、大気中で行い、続い
て、従来から知られている方法により、窒素雰囲気に保
たれたケーシング9の中で、そこに設置されている第4
の型13と第5の型14とを用いて、この光学素子成形
用ガラス素材1Bをプレス成形し、最終成形品である光
学素子1Eを得るのである。
【0034】以下、本発明の第2の実施例に関して、具
体例を詳細に説明する。本実施例では、第1の実施例と
同じモールド成形用光学ガラスを用いて、直径:16m
m、中心肉厚:2mm、光学面の曲率半径:両面とも2
0mmの両凹レンズを成形するのである。
【0035】最初に、第1の実施例で説明した方法で、
第1の型2の凹形状受け面に溶融ガラス塊1Gを受け
る。この第1の型2は黒鉛で作られており、その受け面
は、曲率半径:25mmの球面形状をしており、その表
面は、[002]面に面配向性を有するグラファイトで
被覆されている。この時、第1の型2は、ヒータ(図示
せず)により、500℃に加熱されている。
【0036】続いて、溶融ガラス塊1Gを載せた第1の
型2は、オートハンド(図示せず)によって保持され、
胴型5の側面に設けた開口部を通って、その内部に設置
される。また、第2の型3および第3の型4は黒鉛で作
られており、その成形面は、曲率半径:23mmの凸球
面に加工されており、その表面は、[002]面に面配
向性を有するグラファイトで被覆されている。また、第
2の型3と第3の型4とは、その内部にヒーター(図示
せず)を内蔵しており、これによって、それぞれ、温度
制御される。
【0037】また、胴型5はステンレス鋼で作られてお
り、胴型5の中に設置された第3の型4は上下に摺動可
能である。第3の型4の周囲には、胴型5の内部に置か
れた第1の型2を上方に持ち上げるための可動ロッド1
1が設置されており、また、胴型5の側面に設けられた
開口部には、その上端に位置して、第1の型2と第2の
型3によって成形された中間成形体1Mを、第2の型3
の成形面に付着した状態に保つための機械的な保持手段
12が設置されている。この保持手段12は、窒素ガス
を作動流体とするピストン機構(図示せず)により、プ
レス軸線を中心とした、成形品の半径中心方向への移動
が自由に行えるように、構成された保持爪を持ってい
る。
【0038】そして、胴型5の内部に置かれた第1の型
2は、その下面に開けられた穴(図示せず)に可動ロッ
ド11を導入することで、プレス軸線に対しての位置決
めができる。続いて、可動ロッド11を上昇することに
より、第1の型2を押し上げて、第1の型2の受け面に
置かれた溶融ガラス塊1Gを、第2の型3側に押圧し
て、プレス成形をなし、中間成形体1Mを形成する。こ
の時、第2の型3の温度は480℃であり、プレス圧力
は600Nである。このようにして、中間成形体1Mを
成形する時、保持手段12は、成形品の半径中心方向に
突出した状態になっており、第1の型2の上昇に伴っ
て、溶融ガラス塊1Gの変形が進むと、これに連れて、
溶融ガラス塊1Gの外周部に、保持手段12の保持爪先
端が食い込んだ状態になり、中間成形体1Mの成形が完
了した時、中間成形体1Mを保持することになる。
【0039】可動ロッド11に付けられた変位センサー
(図示せず)により、所定量のプレスがなされたことを
検知した後、第1の型2への加圧を終了し、直ちに、第
1の型(受け型)2を下降すると、中間成形体1Mは、
第2の型3の成形面に密着した状態で、第1の型2から
は剥離される。これは、本実施例において、第1の型2
および第2の型3の成形面を、同じ材質のグラファイト
を使用していており、グラファイトと軟化状態のガラス
との密着力が小さいため、第1の型2を下降すると、中
間成形体1Mが第1の型2から容易に離型するが、保持
手段12の働きによって、第2の型3の成形面側に付着
した状態に保持されるからである。このようにして得ら
れた中間成形体1Mは、中心肉厚:4mm、直径:14
mm、凸面の曲率半径R:25mm、凹面の曲率半径
R:23mmの凹メニスカス形状をしている。
【0040】その後、第1の型2は、オートハンド(図
示せず)により、胴型5の内部から取出され、続いて、
第3の型4が上昇し、第2の型3に付着した状態の中間
成形体1Mをプレス成形し、レヒートプレスのための光
学素子成形用ガラス素材1Bを得る。この場合、プレス
成形を開始する時の第2の型3および第3の型4の温度
は480℃であり、プレス力:1000Nを第3の型4
に加える。第3の型4に付けられた変位センサー(図示
せず)により、所定量のプレスがなされたことを検知し
た後、直ちに、第3の型4を下降すると、第2の型3お
よび第3の型4の成形面が、同じ材質のグラファイトを
使用しているため、光学素子用ガラス素材は、保持手段
12によって、第2の型3側に保持された状態で、第3
の型4の成形面から剥離される。これは、中間成形体1
Mの場合と同様である。このようにして得られた光学素
子成形用ガラス素材1Bは中心肉厚:3mm、直径:1
5mm、曲率半径R:23mmの両凹形状をしている。
【0041】その後、胴型5の側面の開口部から胴型5
の中にオートハンド7を入れ、保持手段12で第2の型
3に付着保持されている光学素子成形用ガラス素材1B
の真下にもたらす。そして、オートハンド7を上昇し、
オートハンド7の上面に開けられた吸着孔に光学素子成
形用ガラス素材1Bを当て、その状態のまま、保持手段
12のピストン機構(図示せず)を用いて、その保持を
解除する。このようにして、オートハンド7に吸着した
状態で、光学素子成形用ガラス素材1Bを胴型5の中か
ら取り出すことができる。
【0042】このようにして得られた光学素子成形用ガ
ラス素材1Bは、そのプレス成形面に気泡、傷、曇りな
どの欠陥が認められなかったが、第2の型3および第3
の型4と、溶融光学ガラス塊1Gあるいは中間成形体1
Mとの温度差が大きいため、また、第2の型3および第
3の型4により成形された光学素子成形用ガラス素材1
Bを、冷却中において成形型とガラスとの密着を保つた
めに必要とする加圧をしなかったため、その面精度がニ
ュートンリング5本以上であり、アス2本以上であり、
更に、表面粗さも20オングストローム以上であった。
従って、そのままで、これを光学素子として使用するこ
とは不可能であるが、リヒートプレスのための光学素子
成形用ガラス素材として使用するには、十分な精度を保
っていると評価できる。
【0043】続いて、この光学素子成形用ガラス素材1
Bを、従来から知られている成形方法により、従来の装
置を用いてプレス成形し、成形光学素子1Eを得た。即
ち、まず、光学素子成形用ガラス素材1Bを、大気中か
ら開口部10を通って、窒素雰囲気への置換が可能な置
換室(図には明示していないが)を経由して、窒素雰囲
気に保ったケーシング9の中に搬入する。このケーシン
グ9の中には、第4の型(下型)13と第5の型(上
型)14とを、鉛直方向に、同軸的に摺動保持する状態
で、胴型15が設置されている。第4の型14および第
5の型15は、タングステン・カーバイド系の超硬合金
で作られており、その成形面は、曲率半径:20mmの
凸球面に研磨されている。また、胴型15は、タングス
テンを主成分とする合金で作られており、その内部にヒ
ータ(図示せず)を内蔵しており、これによって、第4
の型13および第5の型14の温度を制御できるように
してある。また、胴型15は、その摺動穴を、成形光学
素子1Eの寸法公差を満たすように、高精度で加工して
ある。
【0044】ケーシング9の中に搬入された光学素子成
形用ガラス素材1Bは、オートハンド(図示せず)によ
り保持され、胴型15の側面に設けられた開口部を通っ
て、胴型15の中に入り、第4の型13の上に、位置精
度良く、置かれる。続いて、第4の型13および第5の
型14を、成形温度の570℃まで加熱するが、この
時、光学素子成形用ガラス素材1Bは、第4の型13か
らの熱伝導、および、第4の型13、第5の型14、胴
型15からの輻射熱により、成形温度の570℃まで加
熱されることになる。
【0045】成形型の温度が570℃になった時、第5
の型14を下降させ、第4の型13との間で、光学素子
成形用ガラス素材1Bをプレス成形し、光学素子(最終
成形品)1Eを得る。この場合のプレス力は、4000
Nであり、第5の型14を、その上部に形成したツバ部
が胴型5の上端に接触するまで、降下し、また、光学素
子1Eが形成された後、4000Nのプレス力を第5の
型14に加えた状態のまま、第4の型13および第5の
型14の内部に設けられた冷却孔(図示せず)内に窒素
ガスを流し、成形品の冷却を開始する。
【0046】冷却中、実施例1の場合と同様に、成形型
は、530〜490℃の範囲で温度を下げ、また、第4
の型13は、上方に2000Nの力で加圧され、上下型
と光学素子1Eとの密着状態を保持する。さらに、48
0℃まで冷却した時に、第5の型14を上昇した。この
時、光学素子1Eは、第4の型13の上に残る。この光
学素子1Eは、オートハンド(図示せず)によって胴型
15の外に搬出され、続いて、開口部10を介して、ケ
ーシング9から外部へ搬出される。
【0047】このようにして成形された成形光学素子1
Eは、外観上の欠陥、即ち、気泡、傷、曇りなどが無
く、面精度もアス、クセともに1/2本以内で、その光
学性能が極めて優れており、偏心も無く、非常に良好な
ものである。 [実施例3]図4は、本発明の第3の実施例における光
学素子の製造方法の工程全体を説明するためのものであ
る。図4において、1Gは溶融ガラス塊であり、1Mは
中間成形体であり、1Eは光学素子(成形品)である。
2は第1の型(受け型)であり、3は第2の型(上型)
であり、4は第3の型(下型)である。5は、第2の型
3と第3の型4を、鉛直方向について、同軸上に摺動案
内できるスリーブ状の胴型である。9は成形型の周囲の
雰囲気を保つためのケーシングであり、ケーシング内部
の気密性を保つことができるシャッター付きの開口部1
0を通って、第1の型2の搬入・搬出と、成形された光
学素子1Eは搬出がなされる。11は胴型5の内部に置
かれた第1の型2を上方に押し上げるための可動ロッド
である。12は中間成形体1Mを第2の型3の成形面に
付着した状態に保つための、機械的な保持手段である。
【0048】本実施例では、溶融ガラス塊1Gを第1の
型2に受ける工程を大気中で行い、続いて、溶融ガラス
塊1Gを載せた第1の型2を、窒素雰囲気に保たれたケ
ーシング9の中に搬入し、この溶融ガラス塊1Gを、第
2の型3でプレス成形し、中間成形体1Mを成形し、更
に、この中間成形体1Mを、保持手段12を用いて、第
2の型3の成形面に付着させた状態で、第1の型2から
離型させ、次いで、第3の型4を用いてプレス成形し、
光学素子1Eを得るのである。
【0049】以下、第3の実施例について、その具体例
を詳細に説明する。本具体例では、第1の実施例と同じ
モールド成形用光学ガラスを用いて、直径:18mm、
中心肉厚:8mm、光学面の曲率半径が、両面とも:1
5mmの両凸レンズを成形した。
【0050】最初に、第1の実施例で説明した方法で、
第1の型2の凹形状の受け面に溶融ガラス塊1Gを受け
た。この第1の型2は黒鉛で作られており、その受け面
は、曲率半径:12mmの球面形状をしており、その表
面は[002]面に面配向性を有するグラファイトで被
覆されている。また、第1の型2は、ヒータ(図示せ
ず)により、予め、500℃に加熱されている。
【0051】続いて、溶融ガラス塊1Gを載置した第1
の型2は、大気中から窒素雰囲気への置換が可能な置換
室を有する開口部10を介して、窒素雰囲気に保ったケ
ーシング9の中に搬入される。このケーシング9の中に
は、第2の型3と第3の型4とが、鉛直方向に関して、
同軸上に摺動できるように、これを保持する胴型5が設
置されている。ここでは、第2の型3および第3の型4
は、タングステン・カーバイド系の超硬合金で作られて
おり、その成形面は、曲率半径:15mmの凹球面に研
磨されている。また、胴型5は、タングステンを主成分
とする合金で作られており、その内部にヒータ(図示せ
ず)を内蔵しており、第2の型3および第3の型4の温
度を制御できるようになっている。また、胴型5は、そ
の摺動穴を、光学素子1Eの寸法公差を満たすように、
高精度に加工されている。
【0052】溶融ガラス塊1Gを載置した第1の型2
は、ケーシング9の中に搬入された後に、オートハンド
(図示せず)により保持され、胴型5の側面の開口部1
0を通って、胴型5の内部に導入され、所定の位置に置
かれる。胴型5には、その内部に設置された第3の型
(下型)の周囲に位置して、胴型5内部に置かれた第1
の型2を上方に持ち上げるための可動ロッド11が設置
されている。また、胴型5には、その開口部の上端に位
置して、第1の型2および第2の型3によって中間成形
体1Mが成形された際、これを第2の型3の成形面に付
着した状態に保つために、機械的な保持手段12が設置
されている。この保持手段12は、窒素ガスを作動流体
とするピストン機構(図示せず)により、成形品の半径
方向に対して進退移動が自由に行えるようになってい
る。
【0053】ここで、胴型5内に置かれた第1の型2
は、その下面に開けられた穴(図示せず)に可動ロッド
11の先端を挿入させることにより、第2の型3に対し
て位置決めされる。続いて、可動ロッド11を上昇する
ことにより、第1の型2を押し上げ、その受け面に置か
れた溶融ガラス塊1Gを、第2の型3でプレスし、中間
成形体1Mを成形する。この時、第2の型3の温度は6
00℃であり、500Nのプレス力をかける。このよう
に、中間成形体1Mを成形する時、保持手段12は、成
形品の中心方向に進出した状態になっており、第1の型
2の上昇によって溶融ガラス塊1Gの変形が進むに連
れ、溶融ガラス塊1Gの外周部に保持手段12の保持爪
先端が食い込み、第2の型3の成形面に付着した状態
で、中間成形体1Mを保持する。
【0054】可動ロッド11に付けられた変位センサー
(図示せず)により、所定量のプレスが終了したことを
検知した後、第1の型2への加圧を終了し、直ちに、第
1の型2を下降する。なお、本実施例では、第1の型2
にグラファイトを使用し、第2の型3に超硬合金を使用
しており、グラファイトと軟化状態のガラスとの密着力
が超硬合金とガラスとの密着力に比べ小さいことから、
第1の型2を下降した時、中間成形体1Mは、第1の型
2から容易に離型し、一方、第2の型3に対しては、保
持手段12による保持の働きで、第2の型3に密着した
状態を維持することになる。その結果、得られた中間成
形体1Mは、中心肉厚:8.5mm、直径:17mm、
上面の曲率半径R:15mm、下面の曲率半径R:12
mmの両凸形状をしている。
【0055】その後、第1の型2は、オートハンド(図
示せず)により、胴型5の内部から除去される。また、
続いて、第3の型4が上昇して、第2の型3の成形面に
付着した状態の中間成形体1Mをプレス成形し、光学素
子1Eを得る。なお、プレス成形を開始する時の第2の
型3および第3の型4の温度は570℃であり、プレス
力は4000Nであって、これを第3の型4に加えて、
プレス成形を開始するのである。第3の型4の上昇によ
る中間成形体1Mの成形が進行するに従って、保持手段
12に内蔵されたピストン機構(図示せず)が働き、保
持手段12は、その爪先を成形品の外周から後退し、離
れる。
【0056】第3の型4に付けられた変位センサー(図
示せず)により、所定量のプレスが終了したことを検知
した後、プレス力は100Nに減少され、同時に、第2
の型3および第3の型4内に設けられた冷却孔(図示せ
ず)の内部に、窒素ガスを流し、成形型および成形品の
冷却を開始する。本実施例においては、毎分30℃の冷
却速度で、第2の型3および第3の型4に、相互に温度
差が発生しないように配慮した制御で、冷却がなされ
た。
【0057】490℃になった時に、第3の型4による
加圧を終了し、この瞬間、光学素子1Eを第2の型3お
よび第3の型4から剥離する(これらの成形型と光学素
子1Eとの間には僅かな空隙が生じる)。続いて、第3
の型4を下降するが、この際に、光学素子1Eが、既に
第2の型3から剥離しているので、光学素子1Eは、第
3の型4の上に残る。
【0058】この光学素子1Eは、オートハンド(図示
せず)に吸着されて、胴型5の外部に搬出され、続い
て、開口部10を通って、ケーシング9から外部へと、
搬出される。
【0059】このようにして成形された光学素子1E
は、外観上の欠陥、すなわち、気泡、傷、曇りなどが無
く、面精度もアス、クセともに1/2本以内で、その光
学性能が極めて優れており、偏心も無く、非常に良好な
ものである。
【0060】なお、以上の実施例の説明のようなレンズ
形状は、両凹レンズと両凸レンズであったが、他の形状
のレンズ、すなわち、凸メニスカスレンズや凹メニスカ
スレンズなどにおいても、本発明による方法を適用し
て、光学素子の成形を行なうことができることは勿論で
ある。 [実施例4]本実施例では、実施例2の場合と同様、溶
融光学ガラスを、第1の型2の凹形状の成形面で受け、
それを、凸形状の成形面を有する第2の型3でプレス成
形して、例えば、全体として、ほぼメニスカス形状とし
た中間成形体1Mを成形するが、その後は、実施例2の
場合と異なり、プレス状態のまま、両成形型2、3を反
転させ、上に来た第1の型2を除き、中間成形体1Mを
第2の型3の凸形状の成形面に残す。そして、この中間
成形体1Mを、第2の型3から取出し、実施例2と同様
に、次の光学素子のプレス成形のプロセスにもたらすの
である。この場合も、中間成形体の取出しまでを大気中
で行ない、その後のプロセスを窒素雰囲気中で行なう。
【0061】以下、本発明の第4の実施例を具体的に詳
述する。なお、本実施例では、実施例2と同様に、直
径:16mm、中心肉厚:2mm、光学機能面の曲率
が、両面とも、R:20mmの両凹レンズを成形する場
合を示している。
【0062】最初に、第1の実施例で説明した方法で、
第1の型2の凹形状受け面に溶融光学ガラスを受ける。
この第1の型2はグラシーカーボンで作られており、そ
の受け面は、曲率半径:25mmの球面形状をしてお
り、この溶融光学ガラスを受ける時に、第1の型2は、
ヒータ(図示せず)によって、500℃に加熱されてい
る。
【0063】続いて、第1の型2に載せられた溶融光学
ガラス塊1G上に対して、オートハンド(図示せず)に
よって、第2の型(上型)3を載せる。この第2の型3
は、タングステン・カーバイト系の超硬合金で作られて
おり、その成形面は、曲率半径:23mmの凸球面に加
工されており、その表面は白金膜で被覆されている。ま
た、第2の型3は、その内部にヒーター(図示せず)を
内蔵しており、これによって、480℃に加熱されてい
る。
【0064】第2の型3が第1の型2の上に置かれた
後、前者の上方からプレスロッド(図示せず)を降下し
て、これを押圧する。そして、溶融光学ガラス塊にプレ
ス圧:600Nをかける。第2の型3の外周部が第1の
型2の外周部に当接した時、上述の加圧成形を終了し、
プレスロッドを上昇する。このようにして、メニスカス
形状の中間成形体1Mが成形されるが、これは、偏心が
少なく、肉厚の精度も高く、バランスしており、ヒケ、
シワなどが小さく、リヒートブレス用として優れた形状
である。
【0065】続いて、両型2、3を閉じたままの状態
で、その上下からオートハンド(図示せず)で挟んで、
180度、回転させ、両型を上下反転させる。その後、
上に来た第1の型2を、オートハンドなどの手段で取り
除くが、この時、軟化状態の中間成形体1Mは、それと
第1の型2との密着力が、それと第2の型3との密着力
よりも小さいために、第1の型2から離型した際、第2
の型3の成形面上に残されるのである。
【0066】続いて、この中間成形体1Mを、オートハ
ンドなどの手段で、第2の型3から取出す。このように
して得られた中間成形体は、例えば、中心肉厚:4m
m、直径:14mm、凸面の曲率半径R:25mm、凹
面の曲率半径R:23mmの凹メニスカス形状をしてい
る。
【0067】この中間成形体1Mは、次に、ケーシング
9内の上下一対の成形型を用いて、実施例2と同様に、
プレス成形され、光学素子として完成される。即ち、中
間成形体1Mを、大気中から開口部10を通って、窒素
雰囲気への置換が可能な置換室(図には明示していない
が)を経由して、窒素雰囲気に保ったケーシング9の中
に搬入する。このケーシング9の中には、下型13と上
型14とを、鉛直方向に、同軸的に摺動保持する状態
で、胴型15が設置されている。下型14および上型1
5は、タングステン・カーバイド系の超硬合金で作られ
ており、その成形面は、曲率半径:20mmの凸球面に
研磨されている。また、胴型15は、タングステンを主
成分とする合金で作られており、その内部にヒータ(図
示せず)を内蔵しており、これによって、下型13およ
び上型14の温度を制御できるようにしてある。また、
胴型15は、その摺動穴を、成形光学素子1Eの寸法公
差を満たすように、高精度で加工してある。
【0068】ケーシング9の中に搬入された中間成形体
1Mは、オートハンド(図示せず)により保持され、胴
型15の側面に設けられた開口部を通って、胴型15の
中に入り、下型13の上に、位置精度良く、置かれる。
続いて、下型13および上型14を、成形温度の570
℃まで加熱するが、この時、中間成形体1Mは、下型1
3からの熱伝導、および、下型13、上型14および胴
型15からの輻射熱により、成形温度の570℃まで加
熱されることになる。
【0069】成形型の温度が570℃になった時、上型
14を下降させて、下型13との間で、中間成形体1M
をプレス成形し、光学素子(最終成形品)1Eを得る。
この場合のプレス力は、4000Nであり、上型14
を、その上部に形成したツバ部が胴型5の上端に接触す
るまで、降下し、また、光学素子1Eが形成された後、
4000Nのプレス力を上型14に加えた状態のまま、
下型13および上型14の内部に設けられた冷却孔(図
示せず)内に窒素ガスを流し、成形品の冷却を開始す
る。
【0070】冷却中、実施例1の場合と同様に、成形型
は、530〜490℃の範囲で温度を下げ、また、下型
13は、上方に2000Nの力で加圧され、上下型と光
学素子1Eとの密着状態を保持する。さらに、480℃
まで冷却した時に、上型14を上昇した。この時、光学
素子1Eは、下型13の上に残る。この光学素子1E
は、オートハンド(図示せず)によって胴型15の外に
搬出され、続いて、開口部10を介して、ケーシング9
から外部へ搬出される。
【0071】このようにして成形された成形光学素子1
Eは、外観上の欠陥、即ち、気泡、傷、曇りなどが無
く、面精度もアス、クセともに1/2本以内で、その光
学性能が極めて優れており、偏心も無く、非常に良好な
ものである。
【0072】なお、上記実施例の説明では、レンズ形状
が両面凹レンズであったが、凸メニスカスレンズや凹メ
ニスカスレンズであってもよいことは勿論である。
【0073】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように、溶融光
学ガラスを成形型内に受け入れて、複数工程で、プレス
成形により、所要の光学機能面を有する光学素子を製造
する方法において、凹形状の受け面を有する第1の型
(受け型)で、溶融光学ガラス塊を受け入れて、上記受
け面中央に上記溶融光学ガラス塊を位置付ける工程と、
第1の型(受け型)の凹部に載置された溶融光学ガラス
塊を、これに対向する第2の型(上型)を用いてプレス
成形し、中間成形体を成形する工程と、上記中間成形体
を第2の型(上型)に付着させた状態で、上記中間成形
体を第1の型(受け型)から離型させる工程と、第2の
型(上型)に付着した状態の上記中間成形体を、これに
対向する第3の型(下型)を用いて、プレス成形し、所
要の光学機能面を有する成形品を構成する工程とからな
るので、最初の受け型での位置ずれを無くし、偏心が少
なく、優良品の歩留りの高い光学素子の生産ができる。
すなわち、この方法で、溶融ガラス塊を受け型に受け、
その後、加圧成形することにより、光学素子の製造コス
トを大幅に下げることができる。また、第2の型を反転
させることが無いので、それによる、従来の光学素子の
製造方法での位置ずれも避けられる。
【0074】また、本発明では、溶融光学ガラスを成形
型内に受け入れて、複数工程で、プレス成形により、所
要の光学機能面を有する光学素子を製造する方法におい
て、凹形状の受け面を有する第1の型(受け型)で、上
記溶融光学ガラス塊を受け入れて、上記受け面中央に上
記溶融光学ガラス塊を位置付ける工程と、第1の型(受
け型)の凹部に載置された溶融光学ガラス塊を、これに
対向する第2の型(上型)を用いてプレス成形し、中間
成形体を成形する工程と、上記中間成形体を上下一対の
成形型でプレス成形し、所要の光学機能面を有する成形
品を構成する工程とよりなるので、最初の受け型での位
置ずれを無くし、偏心が少なく、優良品の歩留りの高い
光学素子の生産ができる。すなわち、この方法で、溶融
ガラス塊を受け型に受け、その後、加圧成形することに
より、光学素子の製造コストを大幅に下げることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す説明図である。
【図2】上記実施例の説明図である。
【図3】第2の実施例を示す説明図である。
【図4】第3の実施例を示す説明図である。
【図5】第4の実施例を示す説明図である。
【図6】従来例を示す説明図である。
【符号の説明】
1G 溶融ガラス塊 1M 中間成形体 1E 成形光学素子 2 第1の型(受け型) 3 第2の型(上型) 4 第3の型(下型)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−17723(JP,A) 特開 平4−77320(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C03B 11/00 C03B 11/08

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融光学ガラスを成形型内に受け入れ
    て、複数工程で、プレス成形により、所要の光学機能面
    を有する光学素子を製造する方法において、 凹形状の受け面を有する第1の型で、溶融光学ガラス塊
    を受け入れて、上記受け面中央に上記溶融光学ガラス塊
    を位置付ける工程と、 第1の型の凹部に載置された溶融光学ガラス塊を、これ
    に対向する第2の型を用いてプレス成形し、中間成形体
    を成形する工程と、 上記中間成形体を第2の型に付着させた状態で、上記中
    間成形体を第1の型から離型させる工程と、 第2の型に付着した状態の上記中間成形体を、これに対
    向する第3の型を用いて、プレス成形し、所要の光学機
    能面を有する成形品を構成する工程と、 からなることを特徴とする光学素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 溶融光学ガラスを成形型内に受け入れ
    て、複数工程で、プレス成形により、所要の光学機能面
    を有する光学素子を製造する方法において、 凹形状の受け面を有する第1の型で、溶融光学ガラス塊
    を受け入れて、上記受け面中央に上記溶融光学ガラス塊
    を位置付ける工程と、 第1の型の凹部に載置された溶融光学ガラス塊を、これ
    に対向する第2の型を用いてプレス成形し、中間成形体
    を成形する工程と、 上記中間成形体を上下一対の成形型でプレス成形し、所
    要の光学機能面を有する成形品を構成する工程と、 からなることを特徴とする光学素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 第2の型は、その成形面が凸形状であ
    り、これにより成形される中間成形体は、メニスカス形
    状であり、これをプレス成形して得られる光学素子の形
    状が、両面凹形状、または、凸メニスカス形状、もしく
    は、凹メニスカス形状であることを特徴とする請求項1
    または請求項2に記載の光学素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 光学素子としての、凹面を有するガラス
    レンズであって、上記ガラスレンズを形成する容量の溶
    融材料を溶融材料供給位置で受け、該供給位置で溶融材
    料を受ける受け部材で一次成形をなし、続いて、一次成
    形した成形品を上記受け部材から最終成形用型に転移さ
    せて条既往面の仕上げ成形をなしたことを特徴とするガ
    ラスレンズ。
  5. 【請求項5】 光学素子としての、凹面を有するガラス
    レンズのための中間成形体であって、上記ガラスレンズ
    を形成する容量の溶融材料を、凹面を備えた受け部材で
    受け、溶融材料を、凸面を備えた型部材で上記受け部材
    内でほぼ凹面形状に成形したことを特徴とするガラスレ
    ンズ用ブランク材の成形方法。
JP23730193A 1993-08-31 1993-08-31 光学素子の製造方法およびガラスレンズ、そのブランク材の成形方法 Expired - Fee Related JP3149150B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23730193A JP3149150B2 (ja) 1993-08-31 1993-08-31 光学素子の製造方法およびガラスレンズ、そのブランク材の成形方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23730193A JP3149150B2 (ja) 1993-08-31 1993-08-31 光学素子の製造方法およびガラスレンズ、そのブランク材の成形方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0769650A JPH0769650A (ja) 1995-03-14
JP3149150B2 true JP3149150B2 (ja) 2001-03-26

Family

ID=17013340

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23730193A Expired - Fee Related JP3149150B2 (ja) 1993-08-31 1993-08-31 光学素子の製造方法およびガラスレンズ、そのブランク材の成形方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3149150B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006265087A (ja) * 2004-12-13 2006-10-05 Ohara Inc 光学素子用プリフォーム
JP4965516B2 (ja) * 2008-06-18 2012-07-04 株式会社オハラ ガラス成形体製造方法及びガラス成形体製造装置
JP5430092B2 (ja) * 2008-07-11 2014-02-26 キヤノン株式会社 光学素子の成形方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0769650A (ja) 1995-03-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5873921A (en) Process for manufacturing glass optical elements
JP3164404B2 (ja) ガラス光学素子の成形装置と成形方法
JP3974200B2 (ja) ガラス光学素子の成形方法
JP3149150B2 (ja) 光学素子の製造方法およびガラスレンズ、そのブランク材の成形方法
JPH0471853B2 (ja)
JP4559784B2 (ja) 光学素子の製造方法
JP3188676B2 (ja) ガラス成形体の製造方法
JPH1149523A (ja) ガラス成形体の製造方法及び装置
JP3201887B2 (ja) 光学素子の成形方法
JPH01164738A (ja) 光学素子の成形装置
JP3674910B2 (ja) ガラス成形体の製造方法及び装置
JP3234871B2 (ja) ガラス光学素子の製造方法
JP4118668B2 (ja) プレス成形用成形装置及びそれを用いた成形体の製造方法
JP2621956B2 (ja) 光学素子の成形方法
JP3243219B2 (ja) ガラス光学素子の製造方法
JP3246728B2 (ja) ガラス光学素子の成形方法
JP4666679B2 (ja) モールドプレス成形装置、及び成形体の製造方法
JP2005281053A (ja) モールドプレス用成形装置、光学素子の製造方法及び光学素子
JP4094587B2 (ja) ガラス光学素子の成形方法
JPH09295817A (ja) 光学素子の成形方法
JPH0477320A (ja) 光学ガラス素子の製造方法及びその製造装置
JPH09118530A (ja) ガラス光学素子の成形方法
JPH08133767A (ja) 光学素子の成形方法
JPH02196039A (ja) ガラス光学素子の成形方法
JPH06345464A (ja) 光学素子成形型およびその製造方法および光学素子成形方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090119

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090119

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100119

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110119

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120119

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130119

Year of fee payment: 12

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees