JP2009196626A - ブレーキ液圧制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ブレーキ液圧制御装置において、ハウジングひいては装置全体を小型化する。
【解決手段】ブレーキ液圧制御装置15は、複数の電磁弁(31など)が第1の面21aに取付けられ、ポンプ34a,44aを駆動するモータ34bが第1の面21aと異なる第2の面21bに取付けられたハウジング21と、電磁弁(31など)を覆って第1の面21aに取付けられたカバー24と、カバー24とハウジング21とで区画形成された空間内に配設されて電磁弁(31など)およびモータ34bを制御するメインECU18と、モータ34bと第2の面21bとの間に形成された空間S1に設けられ、液圧を検出する圧力センサ(P1など)と、を備えている。
【選択図】 図2
Description
本発明は、ブレーキ液圧制御装置に関するものである。
従来から、ブレーキ液圧制御装置としては、特許文献1に示されているものが知られている。特許文献1の図2,3に示されているように、ブレーキ液圧制御装置においては、モータ50,遮断弁17,減圧側比例制御弁18及び液圧センサ(圧力センサ)19がハウジング30の一面30aに集中して配置されている。このとき、液圧センサ19はモータ50の範囲外に配設されている。換言すると、液圧センサ19はモータ50とハウジング30との間には配設されていない。液圧センサ19は2個だけ設けられている。
また、ブレーキ液圧制御装置としては、特許文献2に示されているものが知られている。特許文献2の図1〜3に示されているように、ブレーキ液圧制御装置においては、減圧制御弁1〜4、増圧制御弁5〜8、切換弁9,10、圧力センサ21はハウジング16の一面に設けられ、モータ15は該一面の反対側の面に設けられている。圧力センサ21は1個設けられている。
特開2006−008107号公報
特開平11−208440号公報
上記特許文献1に記載されたブレーキ液圧制御装置においては、モータ50,遮断弁17,減圧側比例制御弁18及び液圧センサ(圧力センサ)19を同一面にその面に沿って並設しているので、その面は大きな面積が必要となり、ハウジングひいてはブレーキ液圧制御装置が大型化するという問題があった。
また。上記特許文献2に記載されたブレーキ液圧制御装置においては、減圧制御弁1〜4、増圧制御弁5〜8、切換弁9,10、圧力センサ21は、モータ15が設けられた面と異なる面に設けられているので、上記特許文献1のブレーキ液圧制御装置と比べてハウジングすなわち装置全体を小型化できる。しかし、特許文献1のように複数の圧力センサを設ける場合には、ハウジングひいては装置全体の小型化は十分ではなかった。
本発明は、上述した問題を解消するためになされたもので、ブレーキ液圧制御装置において、ハウジングひいては装置全体を小型化することを目的とする。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明の構成上の特徴は、車両の車輪のホイールシリンダに付与される液圧を調整する複数の電磁弁が第1の面に取付けられ、液圧を上昇させるポンプが内部に設けられ、ポンプを駆動するモータが第1の面と異なる第2の面に取付けられたハウジングと、電磁弁を覆って第1の面に取付けられたカバーと、カバーとハウジングとで区画形成された空間内に配設されて電磁弁およびモータを制御する第1制御手段と、モータと第2の面との間に形成された空間に設けられ、液圧を検出する圧力センサと、を備えたことである。
請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1において、モータがブラシレスモータである場合、モータを駆動させるとともに第1制御手段と通信可能な第2制御手段をさらに備えてなり、圧力センサに接続されている導線部材は、第2制御手段に電気的に接続されており、圧力センサは、第2制御手段を経由して第1制御手段に該圧力センサの出力信号を送信可能に接続されていることである。
請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項2において、第1制御手段は、入力されたシリアル信号およびパラレル信号の一方を他方に変換して出力可能な第1変換手段を備え、第2制御手段は、入力されたシリアル信号およびパラレル信号の一方を他方に変換して出力可能な第2変換手段を備え、第1および第2変換手段は、シリアル通信可能である少なくとも1本の導電部材で電気的に接続されていることである。
請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至請求項3の何れか一項において、第2の面は第1の面の反対側の面であることである。
上記のように構成した請求項1に係る発明においては、複数の電磁弁がハウジングの第1の面に取付けられ、モータおよび圧力センサがハウジングの第2の面に取付けられている。圧力センサは、モータと第2の面との間に形成された空間に設けられている。これにより、モータと圧力センサは同一面にその面に沿って並設されるのでなく、重なり合って配設することができる。したがって、第1の面に電磁弁を集中して設けてこの面の面積を低減するとともに、第2の面ではモータとハウジングとの間に圧力センサを設けてこの面の面積を低減することができるので、ハウジングひいては装置全体を小型化することができる。
上記のように構成した請求項2に係る発明においては、モータがブラシレスモータである場合、モータを駆動させるとともに第1制御手段と通信可能な第2制御手段をさらに備えてなり、圧力センサに接続されている導線部材は、第2制御手段に電気的に接続されており、圧力センサは、第2制御手段を経由して第1制御手段に該圧力センサの出力信号を送信可能に接続されている。これにより、第1制御手段と第2制御手段との間の通信ラインを使用して、圧力センサを第1制御手段に送信可能に接続することができるので、専用の送信ラインを設けることなく装置本体の大型化を抑制することができる。
上記のように構成した請求項3に係る発明においては、請求項2に係る発明において、第1制御手段は、入力されたシリアル信号およびパラレル信号の一方を他方に変換して出力可能な第1変換手段を備え、第2制御手段は、入力されたシリアル信号およびパラレル信号の一方を他方に変換して出力可能な第2変換手段を備え、第1および第2変換手段は、シリアル通信可能である少なくとも1本の導電部材で電気的に接続されている。これにより、第1制御手段と第2制御手段とが、シリアル通信可能な導電部材によって接続される。したがって、第1制御手段と第2制御手段とを接続する導電部材の数を低減して、導電部材を配線するスペースを低減して、装置全体を小型化することができる。
上記のように構成した請求項4に係る発明においては、請求項1乃至請求項3の何れか一項に係る発明において、第2の面は第1の面の反対側の面である。ところで、第2の面が第1の面の隣り合う面である場合には、電磁弁が上面(第1の面)に取付けられたハウジングの一の側面(第2の面)にモータが取付けられる。この場合、ブレーキ液圧制御装置は第1の面を含む平面に沿って長くなってしまい、互いに直交する3方向のうち一方向に長細い直方体となってしまう。これに対して、第2の面が第1の面の反対の面である場合には、電磁弁が上面(第1の面)に取付けられたハウジングの下面(第2の面)にモータが取付けられる。この場合、ブレーキ液圧制御装置は第1の面に直交する方向に沿って長くなるが、互いに直交する3方向の各長さの差を小さく抑制することができる。
1)第1の実施の形態
以下、本発明に係るブレーキ液圧制御装置を適用した車両の第1の実施の形態を図面を参照して説明する。図1はその車両の構成を示す概要図であり、図2はブレーキ液圧制御装置15を示す部分断面図であり、図3は車両Mの液圧ブレーキ装置10を示す概要図である。
以下、本発明に係るブレーキ液圧制御装置を適用した車両の第1の実施の形態を図面を参照して説明する。図1はその車両の構成を示す概要図であり、図2はブレーキ液圧制御装置15を示す部分断面図であり、図3は車両Mの液圧ブレーキ装置10を示す概要図である。
液圧ブレーキ装置10は、各車輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrに液圧制動力を付与して車両Mを制動させるものである。この液圧ブレーキ装置10は、各車輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrの回転をそれぞれ規制する各ホイールシリンダWCfl,WCfr,WCrl,WCrrと、ブレーキペダル11と、エンジンの吸気負圧をダイヤフラムに作用させてブレーキペダル11の踏み込み操作により生じるブレーキ操作力を助勢して倍力(増大)する倍力装置である負圧式ブースタ12と、負圧式ブースタ12により倍力されたブレーキ操作力(すなわちブレーキペダル11の操作状態)に応じた基礎液圧である液圧(油圧)のブレーキ液(油)を生成して各ホイールシリンダWCfl,WCfr,WCrl,WCrrに供給するマスタシリンダ13と、ブレーキ液を貯蔵してマスタシリンダ13にそのブレーキ液を補給するリザーバタンク14と、ブレーキ液圧制御装置15と、を備えている。
各ホイールシリンダWCfl,WCfr,WCrl,WCrrは、各キャリパCLfl,CLfr,CLrl,CLrrに設けられており、液密に摺動するピストン(図示省略)を収容している。各ホイールシリンダWCfl,WCfr,WCrl,WCrrに基礎液圧または制御液圧が供給されると、各ピストンが摩擦部材である一対のブレーキパッド(図示省略)を押圧して各車輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrと一体回転する回転部材であるディスクロータDRfl,DRfr,DRrl,DRrrを両側から挟んでその回転を規制するようになっている。なお、本第1の実施の形態においては、ディスク式ブレーキを採用するようにしたが、ドラム式ブレーキを採用するようにしてもよい。
ブレーキ液圧制御装置15は、車両Mの各ホイールシリンダWCfl,WCfr,WCrl,WCrrに付与される液圧を個別に制御するための複数の液圧機器である後述する各電磁弁、ポンプ34a,44a、モータ34b、から構成されているブレーキアクチュエータ16と、モータ34bを制御するモータECU17と、前記電磁弁を制御するとともに前記モータECU17を介して前記モータを制御して車両の運動を統括制御するメインECU18を備えている。
さらに、図2を参照してブレーキ液圧制御装置15の構成について具体的に詳述する。ブレーキ液圧制御装置15は、ハウジングユニットUh、ハウジングユニットUhの一の側面に設けられているカバーユニットUc、ハウジングユニットUhの他の側面に設けられているモータユニットUmから構成されている。ブレーキ液圧制御装置15は、ハウジングユニットUh、カバーユニットUcおよびモータユニットUmが一体化された一つの構成体である。
ハウジングユニットUhは、略直方体に形成されたハウジング21、複数の電磁弁31,32a,32b,33a,33b,34d,41,42a,42b,43a,43b,44d、ポンプ34a,44a、圧力センサP1,P2,P3、接続部22を備えている。各電磁弁、ポンプ、圧力センサは図3にすべて記載されており、図2にはそれぞれ一部が記載されている。
複数の電磁弁31,32a,32b,33a,33b,34d,41,42a,42b,43a,43b,44dは、車輪Wfl,Wfr,Wrl,WrrのホイールシリンダWCfl,WCfr,WCrl,WCrrに付与される液圧を調整するものであり、ハウジング21の第1の面21aに取り付けられている。
図2に示されている電磁弁32aを例に挙げて、電磁弁の構造を詳述する。電磁弁32aは、ハウジング21に取り付けられる本体部35aと、本体部35aの上部に着脱可能なソレノイド部35bと、を備えている。なお、本体部35aは、主として、ハウジング21に固定されたスリーブ、スリーブの上端に固定された固定子、スリーブ内に摺動自在に収納された可動子、スリーブの下端に設けられた弁部などから構成されている。ソレノイド部35bは、主として、環状のヨーク35b1、ヨーク35b1に収納されたソレノイド35b2、ヨーク35b1の上部から立設されソレノイド35b2に接続された一対の端子35b3(リード)などから構成されている。ソレノイド部35bの端子35b3の先端はメインECU18に直接接続されるか、またはバスバーなどを介して間接的に接続されている。本体部35aの上部(固定子を含む部分)がヨーク35b1の貫通穴(図示省略)に着脱可能に挿入されている。
ポンプ34a,44aは、車輪Wfl,Wfr,Wrl,WrrのホイールシリンダWCfl,WCfr,WCrl,WCrrに付与される液圧を上昇させるものであり、ハウジング21の内部に設けられている。
ポンプ34a,44aは、図2に示すように、ギヤポンプやベーンポンプなどの回転式ポンプであり、例えばギヤポンプではハウジング内に収容された2つの歯車(インナギヤとアウタギヤ)の回転によって歯の噛み合わせ部分を使って流体を送出するものである。この場合、インナギヤとアウタギヤは偏心している。インナギヤがモータ34bにより回転駆動される回転軸34b1によって回転駆動される。なお、回転式ポンプの代わりにピストン式ポンプを使用するようにしてもよい。
圧力センサP1,P2,P3は、マスタシリンダ13の液圧、第1および第2系統16a,16bのホイールシリンダ圧をそれぞれ検出するものであり、ハウジング21の第2の面21bに取り付けられている。圧力センサP1,P2,P3は、モータ34b(エンドプレート25)と第2の面21bとの間に形成された空間に設けられている。図2(b)に示すように、圧力センサP1,P2,P3はエンドプレート25と重なり合っており、換言するとエンドプレート25に覆われている。第2の面21bは、第1の面21aと異なる面である。本第1の実施の形態では、第2の面21bは、第1の面21aの反対側の面である。
例えば圧力センサP1を例に挙げて詳述する。圧力センサP1は、ブレーキ液に接触しその液圧を検出する検出部(感受部)P1aと検出部によって検出した信号から液圧値を演算して出力する演算部P1bを備えている。圧力センサP1は、第2の面21bに形成された取付穴21b1に嵌着されている。取付穴21b1とエンドプレート25とによって形成される空間S1内に圧力センサP1は収容されている。この空間S1がモータ34bと第2の面21bとの間に形成される空間である。圧力センサP1の各リード端子(導電部材)P1c,P1d,P1eはモータECU17に接続されている。リード端子P1c,P1dは、電源ラインおよびグランドラインであり、リード端子P1eは、検出した信号を送信するための信号ラインである。他の圧力センサP2,P3も、圧力センサP1と同様に構成されている。
上述した電磁弁31,32a,32b,33a,33b,34d,41,42a,42b,43a,43b,44d、ポンプ34a,44a、圧力センサP1,P2,P3などから構成されるブレーキアクチュエータ16の構造について図3を参照して説明する。
ブレーキアクチュエータ16は、独立して作動する液圧回路である複数の系統から構成されている。具体的には、ブレーキアクチュエータ16は、X配管である第1系統16aと第2系統16bを有している。第1系統16aは、マスタシリンダ13の第1液圧室13aと左後輪Wrl,右前輪WfrのホイールシリンダWCrl,WCfrとをそれぞれ連通して、左後輪Wrl,右前輪Wfrの制動力制御に係わる系統である。第2系統16bは、マスタシリンダ13の第2液圧室13bと左前輪Wfl,右後輪WrrのホイールシリンダWCfl,WCrrとをそれぞれ連通して、左前輪Wfl,右後輪Wrrの制動力制御に係わる系統である。ブレーキアクチュエータ16は、X配管でなく前後配管でもよい。
第1系統16aは、差圧制御電磁弁31、左後輪液圧制御部32、右前輪液圧制御部33、および第1減圧部34を含んで構成されている。
差圧制御電磁弁31は、マスタシリンダ13と、左後輪液圧制御部32の上流部および右前輪液圧制御部33の上流部との間に介装されている常開リニア電磁弁である。この差圧制御電磁弁31は、メインECU18により連通状態(非差圧状態)と差圧状態を切り替え制御されるものである。差圧制御電磁弁31は、通電されて差圧状態(閉じる側)にされることによりホイールシリンダWCrl,WCfr側の液圧をマスタシリンダ13側の液圧よりも所定の制御差圧分高い圧力に保持することができる。これにより、ポンプ34a,44aによる加圧を前提に制御差圧に相当する制御液圧が形成されるようになっている。
左後輪液圧制御部32は、ホイールシリンダWCrlに供給する液圧を制御可能なものであり、2ポート2位置切換型の常開電磁開閉弁(電磁弁)である増圧弁32aと2ポート2位置切換型の常閉電磁開閉弁(電磁弁)である減圧弁32bとから構成されている。増圧弁32aは、差圧制御電磁弁31とホイールシリンダWCrlとの間に介装され、減圧弁32bは、ホイールシリンダWCrlとリザーバ34cとの間に介装され、メインECU18の指令にしたがってホイールシリンダWCrl内の液圧が増圧・保持・減圧され得るようになっている。
右前輪液圧制御部33は、ホイールシリンダWCfrに供給する液圧を制御可能なものであり、左後輪液圧制御部32と同様に増圧弁33aと減圧弁33bとから構成されている。増圧弁33aおよび減圧弁33bがメインECU18の指令により制御されて、ホイールシリンダWCfr内の液圧が増圧・保持・減圧され得るようになっている。
第1減圧部34は、リザーバ34c内のブレーキ液を汲み上げてそのブレーキ液を差圧制御電磁弁31と増圧弁32a,33aとの間に供給するポンプ34a、ポンプ34aを駆動するモータ34b、ホイールシリンダWCrl、WCfrから減圧弁32b、33bを介して抜いたブレーキ液を一旦溜めておくリザーバ34c、およびこのリザーバ34cとマスタシリンダ13とを連通・遮断させる電磁弁34dを含んで構成されている。電磁弁34dは、常閉の電磁開閉弁(電磁弁)である。電磁弁34dは、流入制御弁であり、マスタシリンダ13からリザーバ34cへの作動液の補給が必要であるときには通電されて開状態とされ、マスタシリンダ13からリザーバ34cへの作動液の流れを許容し、一方、マスタシリンダ13からリザーバ34cへの作動液の補給が必要ではないときには非通電されて閉状態とされ、マスタシリンダ13からリザーバ34cへの作動液の流れを阻止し、マスタシリンダ13による昇圧を可能とする。
第1減圧部34は、差圧制御電磁弁31によって差圧状態が形成されるとともにポンプ34aが駆動されている場合(例えば、横滑り防止制御、トラクションコントロールなどの場合)、マスタシリンダ13から供給されているブレーキ液を電磁弁34dおよびリザーバ34c経由で増圧弁32a,33aの上流に供給することができるようになっている。
第2系統16bは、第1系統16aと同様に、差圧制御電磁弁41、左前輪液圧制御部42、右後輪液圧制御部43、および第2減圧部44を含んで構成されている。左前輪液圧制御部42および右後輪液圧制御部43は、ホイールシリンダWCfl,WCrrに供給する液圧をそれぞれ制御可能なものであり、左後輪液圧制御部32および右前輪液圧制御部33と同様に、それぞれ増圧弁42aと減圧弁42b、増圧弁43aと減圧弁43bから構成されている。第2減圧部44は、第1減圧部34と同様に、ポンプ44a、モータ34b(第1減圧部34と共用)、リザーバ44cおよび電磁弁44dを含んで構成されている。
このように構成されたブレーキアクチュエータ16は、通常ブレーキの際には全ての電磁弁が非励磁状態にされて、ブレーキペダル11の操作力に応じたブレーキ液圧、すなわち基礎液圧をホイールシリンダWC**にそれぞれ供給できるようになっている。なお、**は、各輪に対応する添え字であって、fl,fr,rl,rrのいずれかであり、左前、右前、左後、右後を示している。本明細書及び図面において同じである。
また、モータ34bすなわちポンプ34a,44aを駆動するとともに差圧制御電磁弁31,41を励磁すると、マスタシリンダ13からの基礎液圧に制御液圧を加えたブレーキ液圧をホイールシリンダWC**にそれぞれ供給できるようになっている。
さらに、ブレーキアクチュエータ16は、増圧弁32a,33a,42a,43a、および減圧弁32b,33b,42b,43bを制御することでホイールシリンダWC**の液圧を個別に調整できるようになっている。これにより、メインECU18からの指示により、例えば、周知のアンチスキッド制御、前後制動力配分制御、横滑り防止制御(具体的には、アンダステア抑制制御、オーバステア抑制制御)、トラクションコントロール、車間距離制御等を達成できるようになっている。
また、ブレーキアクチュエータ16には、マスタシリンダ13内のブレーキ液圧であるマスタシリンダ圧を検出する圧力センサP1が設けられており、この検出信号はモータECU17に出力されるようになっている。圧力センサP1は、第1系統16aの差圧制御電磁弁31の上流(マスタシリンダ13側)に設けられている。
さらに、ブレーキアクチュエータ16には、第1系統16aのホイールシリンダWCfr内のブレーキ液圧であるホイールシリンダ圧を検出する圧力センサP2が設けられており、この検出信号はモータECU17に出力されるようになっている。圧力センサP2は、第1系統16aの増圧弁33aおよび減圧弁33bの下流(ホイールシリンダWCfr側)に設けられている。ホイールシリンダWCfrの液圧でなく、ホイールシリンダWCrlの液圧を検出するようにしてもよい。
さらに、ブレーキアクチュエータ16には、第2系統16bのホイールシリンダWCfl内のブレーキ液圧であるホイールシリンダ圧を検出する圧力センサP3が設けられており、この検出信号はモータECU17に出力されるようになっている。圧力センサP3は、第2系統16bの増圧弁42aおよび減圧弁42bの下流(ホイールシリンダWCfl側)に設けられている。ホイールシリンダWCflの液圧でなく、ホイールシリンダWCrrの液圧を検出するようにしてもよい。なお、圧力センサP2,P3は、それぞれ増圧弁32a、33aの上流側(差圧制御電磁弁31の下流側)、増圧弁42a、43aの上流側(差圧制御電磁弁41の下流側)に配置してもよい。
再び、ハウジングユニットUhに戻って接続部22について図2,4,5を参照して説明する。接続部22は、メインECU18とモータECU17とを、すなわちメインECU18に接続されている複数の導電部材51a〜55aとモータECU17に接続されている複数の導電部材51b〜55bとを着脱可能に接続するものである。この接続部22は、絶縁材(例えば樹脂材)で形成された接続部ハウジング22aと、接続部ハウジング22a内に区画形成された複数の収納室(図示省略)に絶縁されて収容されている複数の接続端子(例えばコンタクト)22b1〜22b5とを備えている。
各接続端子22b1〜22b5は、モータECU17に接続されている導電部材51b〜55bが例えば圧着などでそれぞれ接続固定される固定部(図示省略)を備えている。導電部材51b、52bは、外部の電源電圧(+BM)をメインECU18を介してモータ34bに供給する2つのモータ駆動電源用導電部材である。導電部材51b、52bの一端が接続端子22b1,22b2の各固定部に固定され、他端がモータECU17に形成されモータ34bに供給するモータ駆動電源ラインL1およびグランドラインL2の各端子17a1,17a2(銅箔端子)に半田付けなどで接続固定されている。なお、モータ34bが直流ブラシレスモータである場合、一方のモータ駆動電源用導電部材51bは電源ラインL1であり、他方のモータ駆動電源用導電部材52bはグランドラインL2である。
導電部材53bは、外部の電源電圧(IG電圧(例えば13.5V))をメインECU18を介して第2CPU17c用の電源回路17iやプリドライバ17dに供給するIC(集積回路)駆動電源用導電部材である。導電部材53bの一端が接続端子22b3の固定部に固定され、他端がモータECU17に形成され第2CPU17cやプリドライバ17dに供給するIC駆動電源ラインL3の端子17a3(銅箔端子)に半田付けなどで接続固定されている。
導電部材54bは、メインECU18の第1CPU18cからモータECU17の第2CPU17cにシリアル信号(シリアルデータ)を送信する第1信号用導電部材である。導電部材54bの一端が接続端子22b4の固定部に固定され、他端がモータECU17に形成され第2CPU17cに接続されている第1信号ラインL4の端子17a4(銅箔端子)に半田付けなどで接続固定されている。
導電部材55bは、メインECU18の第1CPU18cにモータECU17の第2CPU17cからシリアル信号(シリアルデータ)を受信する第2信号用導電部材である。導電部材55bの一端が接続端子22b5の固定部に固定され、他端がモータECU17に形成され第2CPU17cに接続されている第2信号ラインL5の端子17a5(銅箔端子)に半田付けなどで接続固定されている。
なお、上述した各導電部材51b〜55bは単線で細長い針金状に形成されているか、もしくは、より線で形成されていてもよく、絶縁材で被覆されていてもよい。例えば、リード線やバスバーで形成されていてもよい。
さらに各接続端子22b1〜22b5は、メインECU18に接続されているリード端子(導電部材)51a〜55aがそれぞれ着脱可能に接続される着脱部(図示省略)を備えている。リード端子51a、52aの各基端は、メインECU18に形成されモータ34bに電源電圧(+BM)を供給するモータ駆動電源ラインL11およびグランドラインL12の各端子18a1,18a2(銅箔端子)に半田付けなどで接続固定されている。リード端子51a、52aの各先端側が接続端子22b1,22b2の各着脱部に着脱可能に挿入される。
リード端子53aの基端は、メインECU18に形成され外部の電源電圧(IG電圧)が供給されるIC駆動電源ラインL13の端子18a3(銅箔端子)に半田付けなどで接続固定されている。リード端子53aの先端側が接続端子22b3の着脱部に着脱可能に挿入される。
リード端子54aの基端は、メインECU18に形成され、メインECU18の第1CPU18cからモータECU17の第2CPU17cにシリアル信号(シリアルデータ)を送信する第1信号ラインL14の端子18a4(銅箔端子)に半田付けなどで接続固定されている。リード端子54aの先端側が接続端子22b4の着脱部に着脱可能に挿入される。
リード端子55aの基端は、メインECU18に形成され、メインECU18の第1CPU18cにモータECU17の第2CPU17cからシリアル信号(シリアルデータ)を受信する第2信号ラインL15の端子18a5(銅箔端子)に半田付けなどで接続固定されている。リード端子55aの先端側が接続端子22b5の着脱部に着脱可能に挿入される。
図2に示すように、接続部22には、絶縁材(例えば樹脂材)で形成された筒体23の一端が接続されている。筒体23はハウジング21を貫通して第2の面21bまで延在している。筒体23内には、上述した各導電部材51b〜55bが延設されており、導電部材51b〜55bの各他端はモータECU17の各端子17a1〜17a5(図5参照)に接続されている。また、筒体23を設ける代わりに、ハウジング21に貫通穴を設け、この貫通穴の第1の面21a側端に接続部22を取り付け、絶縁材で被覆されている導電部材を配設するようにしてもよい。
カバーユニット(第1ユニット)Ucは、図2に示すように、メインECU(電子制御ユニット)18、カバー24を含んで構成されている。カバー24は、上記複数の電磁弁を覆って第1の面21aに着脱可能に取付けられている。例えば、カバー24は、ハウジング21にねじ止め固定されている。メインECU18は、カバー24に、図示しない支柱を介して支持固定されている。メインECU18は、カバー24とハウジング21とで区画形成された空間内に配設されている。
メインECU18は、上記複数の電磁弁およびモータ34bを制御する第1制御手段である。メインECU18は、図2,4,5に示すように、プリント基板18bに実装された第1CPU18c、プリント基板18bに実装、あるいはカバー(ケース)上のバスバーに配索されたノイズフィルタ18dを備えている。第1CPU18c、ノイズフィルタ18d、上記各端子は、銅箔パターンによって適宜接続されている。
第1CPU18cは、マイクロコンピュータで構成されている。第1CPU18cは、液圧ブレーキ装置のブレーキ制御、モータ34bの目標回転数の導出、第2CPU17cへのモータ34bの目標回転数の送信、上記複数の電磁弁、モータ34b、圧力センサなどの異常情報の出力(表示器への表示)を実施する。
この第1CPU18cは、入力されたシリアル信号およびパラレル信号の一方を他方に変換して出力可能な第1変換部18c1を備えている。第1変換部18c1および後述する第2変換部17c1は、第1信号ラインL14、リード端子54a,導電部材54b、第1信号ラインL4からなる電気的に一本の導電部材で接続され、第1CPU18cから第2CPU17cへのシリアル通信が可能である。第1変換部18c1および後述する第2変換部17c1は、第2信号ラインL15、リード端子55a,導電部材55b、第2信号ラインL5からなる電気的に一本の導電部材で接続され、第2CPU17cから第1CPU18cへのシリアル通信が可能である。
ノイズフィルタ18dは、コイルやコンデンサから構成される電気回路であり、電源電圧(+BM)のノイズを取り除くものである。
モータユニット(第2ユニット)Umは、図2に示すように、ブラシレスモータであるモータ34b、モータ34bを駆動させる第2制御手段であるモータECU(電子制御ユニット)17を含んで構成されている。本実施の形態のモータユニットUmは、モータECU17がモータ34bに内蔵されるタイプのものであり、外観上モータ34bとモータユニットUmは同一のものである。モータユニットとしては、モータECU17が外付けタイプのものもある。
モータ34bは、主として図2,4に示すように、ハウジング21であって前記第1の面21aと異なる第2の面21bに取付けられている。
モータ34bは、例えば三相同期式永久磁石で構成したブラシレスモータにて構成されている。モータ34bはブラシレスモータであれば、三相同期式ブラシレスモータに限られない。モータ34bは、カバー61を備えている。カバー61は、有底円筒部61a、有底円筒部61aの開口周縁に接続されたフランジ部61bを備えている。有底円筒部61a内には、軸受62a、ヒートシンク25に取り付けられた軸受62bによって回転自在に支承される回転軸63が有底円筒部61aの軸心に沿って配設されている。回転軸63の周囲にはモータ駆動用の永久磁石64が固定されている。永久磁石64は、S極およびN極が周方向に交互にかつ等間隔に着磁されている。回転軸63と永久磁石64からロータ65が構成されている。
モータ34bは、例えば三相同期式永久磁石で構成したブラシレスモータにて構成されている。モータ34bはブラシレスモータであれば、三相同期式ブラシレスモータに限られない。モータ34bは、カバー61を備えている。カバー61は、有底円筒部61a、有底円筒部61aの開口周縁に接続されたフランジ部61bを備えている。有底円筒部61a内には、軸受62a、ヒートシンク25に取り付けられた軸受62bによって回転自在に支承される回転軸63が有底円筒部61aの軸心に沿って配設されている。回転軸63の周囲にはモータ駆動用の永久磁石64が固定されている。永久磁石64は、S極およびN極が周方向に交互にかつ等間隔に着磁されている。回転軸63と永久磁石64からロータ65が構成されている。
有底円筒部61a内には、断面円弧状に構成された3相のコイル66が有底円筒部61aの内周壁面に沿って配設されている。コイル66は永久磁石64を包囲するように配設されている。コイル66は図示しないコアに巻き付けられている。コイル66とコアからステータ67が構成されている。
回転軸63の先端はハウジング21内まで延設されており、ポンプ34a、44aと一体回転可能に連結されている。
回転軸63の先端側には、回転軸63と一体回転する円盤68が固定されている。円盤68には、永久磁石64と同様にS極及びN極が周方向に交互に且つ等間隔に着磁されたリング状の位相検出用の永久磁石68aが固定されている。
カバー61内には、永久磁石68aに近接するようにプリント基板17bが配設されており、プリント基板17bには、永久磁石68aに対向するように、例えばホール素子等からなる位相検出用の検出センサ(回転センサ)69が固定されている。なお、実際には検出センサ69は、コイル66の相数に対応して周方向に等間隔に例えば3個設けられている。
そして、検出センサ69の出力がこれに対向する永久磁石68aの磁極によって変化することを利用してロータ65の回転位置を認識し、それに応じてインバータ回路17eがコイル66に適宜電流を供給して励磁状態を切り換えることにより、ロータ65を回転させてモータの回転出力を得るのである。
モータECU17は、主として図5に示すように、プリント基板17bにそれぞれ実装された、第2CPU17c、プリドライバ(ゲート駆動回路)17d、インバータ回路17e、電源回路17i、電流検出センサ17f、増幅回路17g、温度センサ17hを備えている。
第2CPU17cは、マイクロコンピュータで構成されている。第2CPU17cは、回転センサ69からの位置情報によりインバータ回路17eの駆動切替、モータ34bの回転数の計算、計算した回転数に基づいてモータ34bをフィードバック制御、出力電圧(各相の出力電圧)や電流のモニタおよび異常検出、回転センサの異常検出、過熱モニタおよび保護、第1CPU18cへの回転数、異常信号などの送信を実施する。
この第2CPU17cは、入力されたシリアル信号およびパラレル信号の一方を他方に変換して出力可能な第2変換部17c1を備えている。
この第2CPU17cは、入力されたシリアル信号およびパラレル信号の一方を他方に変換して出力可能な第2変換部17c1を備えている。
第2CPU17cは、第1CPU18cからモータ34bの目標回転数を入力し、入力した目標回転数となるように制御値を演算し、さらに、この制御値に基づいて演算されるモータ34bを制御するモータ制御信号をプリドライバ(駆動手段)17dに送信する。
プリドライバ17dは、図6に詳細するように、スイッチング素子71a,71b,71c,72a,72b,72cをオン・オフ制御するオン・オフ制御信号をインバータ回路17eに送信する。プリドライバ17dは、スイッチング素子71a,71b,71c,72a,72b,72cを駆動するため、ハイ信号の出力を昇圧している。
インバータ回路17eは上段のスイッチング素子71a,71b,71cおよび下段のスイッチング素子72a,72b,72cを備えている。各スイッチング素子71a,71b,71c,72a,72b,72cは、例えばMOSFET(MOS型電界効果トランジスタ)にて構成されている。上段のスイッチング素子71a,71b,71cのドレインはモータ駆動電源に端子17a1を介して接続され、ゲートはプリドライバ17dに接続され、ソースは下段のスイッチング素子72a,72b,72cのドレインに接続されている。下段のスイッチング素子72a,72b,72cのゲートはプリドライバ17dに接続され、ソースは電流検出センサ17f(例えばシャント抵抗)および端子17a2を介して接地されている。
上下両段のスイッチング素子71a,71b,71c,72a,72b,72cの各中間点Tu,Tv,Twには、モータ34bの図示しないU相、V相、W相のコイル66がそれぞれ接続されている。各中間点Tu,Tv,Twはそれぞれ第1抵抗Ru1,Rv1,Rw1および第2抵抗Ru2,Rv2,Rw2を介して接地されており、第1および第2抵抗Ru1,Ru2間、Rv1,Rv2間およびRw1,Rw2間の各電圧すなわちU相、V相およびW相のモータ端子電圧の分圧が第2CPU17cに入力されている。なお、電流検出センサ17fに接続された増幅回路(電源電流検出回路)17gは、電流検出センサ17fの電圧値を増幅し検出してモータ34bに通電される電流値を検出しその検出結果を第2CPU17cに出力するようになっている。
モータ34bが駆動される際には、スイッチング素子71a,71b,71c,72a,72b,72cがスイッチング(オン・オフ)されるので、高温となる。そこで、基板17bに実装されている上下両段のスイッチング素子71a,71b,71c,72a,72b,72cからなるインバータ回路17eは、図4に示すように、ハウジング21の第2の面21bに固定されたヒートシンク25に密着固定され、このヒートシンク25によって放熱されるようになっている。このヒートシンク25は、カバー61のフランジ部61aが当接して取付けられ、カバー61の開口を覆うエンドプレートとしても機能する。
このように、モータ34bは、上述したカバー61、ヒートシンク25、軸受62a,62b、回転軸63、永久磁石64、コイル66、円盤68、永久磁石68a、検出センサ69から構成されている。
温度センサ17hは、例えばインバータ回路17e(スイッチング素子)の温度を検出するものであり、例えばサーミスタで構成されている。温度センサ17hの検出信号は第2CPU17cに出力されるようになっている。
さらに、圧力センサP1〜P3は、第2CPU17cに接続されており、検出信号が第2CPU17cに出力されるようになっている。さらに、この検出信号は、第2CPU17cから導電部材55bを通って第1CPU18cに出力されるようになっている。
さらに、第2CPU17cには、IC駆動電源ラインL3のIG電圧が電源回路17iを介して降圧された電圧(例えば5V)が供給されている。電源回路17iで形成された電圧は、圧力センサP1〜P3に供給されるようになっている。
また、液圧ブレーキ装置10は、図1、3に示すように、車両Mの各車輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrの速度を検出する車輪速度センサSfl,Sfr,Srl,Srrを備えている。車輪速度センサSfl,Sfr,Srl,Srrは、各車輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrの付近にそれぞれ設けられており、各車輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrの回転に応じた周波数の信号(検出信号)をメインECU18に出力している。
上述した説明から明らかなように、本第1の実施の形態においては、複数の電磁弁31,32a,32b,33a,33b,34d,41,42a,42b,43a,43b,44dがハウジング21の第1の面21aに取付けられ、モータ34bおよび圧力センサP1〜P3がハウジング21の第2の面21bに取付けられている。圧力センサP1〜P3は、モータ34bと第2の面21bとの間に形成された空間S1に設けられている。これにより、モータ34bと圧力センサP1〜P3は同一面にその面に沿って並設されるのでなく、重なり合って配設することができる。したがって、第1の面21aに電磁弁31,32a,32b,33a,33b,34d,41,42a,42b,43a,43b,44dを集中して設けてこの面の面積を低減するとともに、第2の面21bではモータ34bとハウジング21との間に圧力センサP1〜P3を設けてこの面の面積を低減することができるので、ハウジング21ひいては装置全体を小型化することができる。
また、モータ34bがブラシレスモータである場合、モータ34bを駆動させるとともにメインECU18と通信可能なモータECU17をさらに備えてなり、圧力センサP1〜P3に接続されている導線部材(例えば、圧力センサP1に関して導電部材P1c〜P1e)は、モータECU17に電気的に接続されている。圧力センサP1〜P3は、モータECU17を経由してメインECU18に該圧力センサP1〜P3の出力信号を送信可能に接続されている。これにより、メインECU18とモータECU17との間の通信ラインを使用して、圧力センサP1〜P3をメインECU18に送信可能に接続することができるので、圧力信号を送信する専用の送信ラインを別に設けることなく装置本体の大型化を抑制することができる。
また、カバーユニット(第1ユニット)Ucとモータユニット(第2ユニット)Umとの間には、第1ユニットに設けられた第1変換部18c1と第2ユニットに設けられた第2変換部17c1とを接続するシリアル通信可能な導電部材54b,55bが配線されている。すなわち、メインECU18とモータECU17とが、シリアル通信可能な導電部材54b,55bによって接続される。これにより、シリアル通信以外の方法例えばパラレル通信による方法と比較すると、第1および第2ユニット間に配線される導電部材(メインECU18とモータECU17とを接続する導電部材)の数を低減することができる。メインECU(第1制御手段)18に電磁弁の端子またはリード線を直接接続するとともにモータECU(第2制御手段)17にブラシレスモータの端子またはリード線を直接接続することが可能となることを合わせると、ブレーキ液圧制御装置15に配設される導電部材の本数を低減して、導電部材を配線するスペースを低減して、装置全体を小型化することができる。
また、ハウジング21の第2の面21bは第1の面21aの反対側の面である。ところで、第2の面21bが第1の面21aの隣り合う面である場合には、電磁弁が上面(第1の面)に取付けられたハウジングの一の側面(第2の面)にモータが取付けられる。この場合、ブレーキ液圧制御装置は第1の面を含む平面に沿って長くなってしまい、互いに直交する3方向のうち一方向に長細い直方体となってしまう。これに対して、第2の面21bが第1の面21aの反対側の面である場合には、電磁弁が上面(第1の面)21aに取付けられたハウジング21の下面(第2の面)21bにモータ34bが取付けられる。この場合、ブレーキ液圧制御装置は第1の面に直交する方向(図2(a)の左右方向)に沿って長くなるが、互いに直交する3方向の各長さの差を小さく抑制することができる。
なお、上述した第1の実施の形態においては、圧力センサは検出部(感受部)であるセンサチップと演算部である演算処理ICとを一つのケーシングにパッケージしたものであるが、検出部と演算部を分離したタイプの圧力センサを用いるようにしてもよい。
この場合、第1の変形例として、図7に示すようなものがある。第1変形例に係る圧力センサP11は、検出部P11aと演算部P11bからなる。検出部P11aは、弾性材からなるカップ状のステムP11cと、センサチップP11dとを備えている。ステムP11cは油圧経路16aの開口16a1を覆っており、ブレーキ液はステムP11c内を満たしている。ステムP11cの底部外壁にセンサチップP11dが当接して固定されている。ステムP11cは、エンドプレート25に形成された段付き取付穴25aに収容されている。ステムP11cは取付穴25aの段部によって抜けないようになっている。ステムP11cの開口端と第2の面21bとの間にはシール材(Oリング)P11eが介装されている。演算部P11bは演算処理ICであり、プリント基板17bに実装されている。演算部P11bはセンサチップP11dから入力した信号を処理して圧力値を演算するものである。
さらに、第2の変形例として、図8に示すようなものがある。第2変形例に係る圧力センサP21は、検出部P21aと演算部P21bからなる。検出部P21aは、検出部ハウジングP21cと検出部ハウジングP21cの先端部に内蔵されたセンサチップP21dとを備えている。また、センサチップP21dは、検出部ハウジングP21cの先端部内にオイルで封止されている。検出部ハウジングP21cの先端部は弾性材で構成されるのが望ましい。検出部ハウジングP21cは、ハウジング21に形成された取付穴21b1に挿入されている。取付穴21b1は油圧経路16aに連通している。検出部ハウジングP21cのフランジ部P21c1がエンドプレート25に当接して、検出部ハウジングP21cが抜けないようになっている。検出部ハウジングP21cの外壁と取付穴21b1の内壁との間にはシール材(Oリング)P21eが介装されている。センサチップP21dは導電部材によってプリント基板17bに接続されている。演算部P21bは演算処理ICであり、プリント基板17bに実装されている。演算部P21bはセンサチップP21dから入力した信号を処理して圧力値を演算するものである。
2)第2の実施の形態
次に、本発明に係るブレーキ液圧制御装置のモータがブラシ付モータである第2の実施の形態について図9を参照して説明する。本第2の実施の形態では、第1の実施の形態のブラシレスモータ34bの代わりにブラシ付モータ134bを設ける点で異なるが、同一構成については同一符号を付してその説明を省略する。
次に、本発明に係るブレーキ液圧制御装置のモータがブラシ付モータである第2の実施の形態について図9を参照して説明する。本第2の実施の形態では、第1の実施の形態のブラシレスモータ34bの代わりにブラシ付モータ134bを設ける点で異なるが、同一構成については同一符号を付してその説明を省略する。
モータ134bは、図9に示すように、カバー161、エンドプレート125、軸受162a,162b、回転軸163、コイル164、永久磁石166、整流子167、1対のブラシ168a,168bから構成されている。
モータ134bは、カバー161を備えている。カバー161は、有底円筒部161a、有底円筒部161aの開口周縁に接続されたフランジ部161bを備えている。有底円筒部161a内には、軸受162a,162bによって回転自在に支承される回転軸163が有底円筒部161aの軸心に沿って配設されている。回転軸163の周囲にはコイル164(巻線)が固定されている。回転軸163とコイル164からロータ165が構成されている。
有底円筒部161a内には、断面環状(または断面円弧状)に構成された永久磁石166が固定されている。永久磁石166は、S極およびN極が周方向に交互にかつ等間隔に着磁されている。永久磁石166はコイル164を包囲するように配設されている。
回転軸163の先端はハウジング21内まで延設されており、ポンプ34a、44aと一体回転可能に連結されている。
回転軸163には、整流子167が固定されている。エンドプレート125に絶縁されて固定された一対のブラシ168a,168bは、ブラシ168a,168bの各先端部が整流子167に機械的に接触するようになっている。
ブラシ168a,168bには、導電部材151b,152bの一端がそれぞれ接続されている。導電部材151b,152bの他端は、上述した第1の実施の形態と同様に接続部22の各接続端子にそれぞれ接続されている。
さらに、圧力センサP1のリード端子P1c(電源ライン)、リード端子P1d(グランドライン)、およびリード端子P1e(信号ライン)には、導電部材153b,154b,155bの一端がそれぞれ接続されている。導電部材153b,154b,155bの他端は、上述した第1の実施の形態と同様に接続部22の各接続端子にそれぞれ接続されている。他の圧力センサP2,P3の各リード端子も、圧力センサP1と同様に導電部材(各3本)に接続されており、それら導電部材は接続部22の接続端子に接続されている。
なお、上述した導電部材151b,152b,153b,154b,155bや、圧力センサP2,P3に接続される導電部材は、接続される両端部以外の部分は絶縁材で被覆されている。
このように、上述した第2の実施の形態によっても、上述した第1の実施の形態と同様な作用・効果を得ることができる。
なお、上述した実施の形態においては、第1変換部18c1が第1CPU18cと別体で構成されてもよい。第2変換部17c1が第2CPU17cと別体で構成されてもよい。
また、上述した実施の形態においては、接続部22を1つの接続部ハウジング22aから構成するようにしたが、2つ以上の接続部ハウジングから構成するようにしてもよい。例えば2つで構成する場合、一方にモータ駆動用電源電圧ラインとグランドラインを集め、他方にその他のラインを集めるようにすればよい。
また、本発明は、前方を走行する車両との距離を所定範囲内に収めるべく自車の速度を制御する前車追随走行システム用、あるいは通常のブレーキ操作時におけるポンプの出力液圧を用いたブレーキアシストとしてのブレーキ液圧制御装置だけでなく、ESC、ABS制御可能なものにも適用可能である。
また、上述した実施の形態においては、導電部材51a〜55aと導電部材51b〜55bとは接続部22で着脱可能に接続されているが、これに限られず、接続部22の場所で半田付けなどで接続(結線)するようにしてもよい。
10…液圧ブレーキ装置、11…ブレーキペダル、12…負圧式ブースタ、13…マスタシリンダ、14…リザーバタンク、15…ブレーキ液圧制御装置、16…ブレーキアクチュエータ、17…モータECU(第2制御手段)、17c…第2CPU(第2マイクロコンピュータ)、17c1…第2変換部(第2変換手段)、17d…プリドライバ(駆動手段)、18…メインECU(第1制御手段)、18c…第1CPU(第1マイクロコンピュータ)、18c1…第1変換部(第1変換手段)、21…ハウジング、21a…第1の面、21b…第2の面、22…接続部、24…カバー、25…エンドプレート(ヒートシンク)、31,41…差圧制御電磁弁(電磁弁)、32a,33a,42a,43a…増圧弁(電磁弁)、32b,33b,42b,43b…減圧弁(電磁弁)、34d,44d…電磁弁、34a,44a…ポンプ、34b,134b…モータ、51a〜55a,51b〜55b,151b〜155b…導電部材、71a,71b,71c,72a,72b,72c…スイッチング素子、S1,S11…空間、Uh…ハウジングユニット、Uc…カバーユニット(第1ユニット)、Um…モータユニット(第2ユニット)、P1,P2,P3,P11,P21…圧力センサ、WCfl,WCfr,WCrl,WCrr…ホイールシリンダ。
Claims (4)
- 車両(M)の車輪(W**)のホイールシリンダ(WC**)に付与される液圧を調整する複数の電磁弁(31,32a,32b,33a,33b,34d,41,42a,42b,43a,43b,44d)が第1の面(21a)に取付けられ、前記液圧を上昇させるポンプ(34a,44a)が内部に設けられ、前記ポンプを駆動するモータ(34b,134b)が前記第1の面と異なる第2の面(21b)に取付けられたハウジング(21)と、
前記電磁弁を覆って前記第1の面に取付けられたカバー(24)と、
前記カバーと前記ハウジングとで区画形成された空間内に配設されて前記電磁弁および前記モータを制御する第1制御手段(18)と、
前記モータと前記第2の面との間に形成された空間(S1,S11)に設けられ、前記液圧を検出する圧力センサ(P1〜P3)と、を備えたことを特徴とするブレーキ液圧制御装置。 - 請求項1において、前記モータ(34b)がブラシレスモータである場合、前記モータを駆動させるとともに前記第1制御手段と通信可能な第2制御手段(17)をさらに備えてなり、前記圧力センサに接続されている導線部材は、前記第2制御手段に電気的に接続されており、前記圧力センサは、前記第2制御手段を経由して前記第1制御手段に該圧力センサの出力信号を送信可能に接続されていることを特徴とするブレーキ液圧制御装置。
- 請求項2において、前記第1制御手段は、入力されたシリアル信号およびパラレル信号の一方を他方に変換して出力可能な第1変換手段(18c1)を備え、
前記第2制御手段は、入力されたシリアル信号およびパラレル信号の一方を他方に変換して出力可能な第2変換手段(17c1)を備え、
前記第1および第2変換手段は、シリアル通信可能である少なくとも1本の導電部材(54b、55b)で電気的に接続されていることを特徴とするブレーキ液圧制御装置。 - 請求項1乃至請求項3の何れか一項において、前記第2の面は前記第1の面の反対側の面であることを特徴とするブレーキ液圧制御装置。
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