JP2007276563A - 車両ブレーキ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の圧力センサを、既存の部品収納スペースを必要以上に拡張することなく設け、しかも、組み立て作業を容易にし、誤組み付けを極力防止できるようにする。
【解決手段】油圧ユニット101には、圧力センサユニット102が取着されており、当該圧力センサユニット102は、油圧ユニット101内の複数箇所におけるブレーキ液圧を検出する複数の圧力センサ21a〜21dと、これら圧力センサ21a〜21dの出力信号を、外部の回路へ出力するための電気的処理を行う電子回路が形成された回路基板41とがユニットハウジング42に収納されており、部品収納スペースの削減、組み立ての容易化等が図られたものとなっている。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両ブレーキ装置に係り、特に、油圧系統の圧力を検出する圧力センサの配設構造の改良等を図ったものに関する。
従来、この種のブレーキ装置としては、マスタシリンダとホイールシリンダを油圧配管で接続し、複数の電磁切換弁を適宜配設すると共に、ホイールシリンダからのブレーキ液をマスタシリンダへ戻すためのポンプ手段等を設け、外部から電磁切換弁の動作を制御してブレーキ圧の制御等を行えるようにした油圧式のものが一般的であり、具体的な種々の形態のものが提案されている(例えば、特許文献1等参照)。
ところで、このような油圧式のブレーキ装置においては、油圧制御のためにマスタシリンダやホイールシリンダにおける実際の圧力が必要とされることが多く、そのため、圧力センサを用いての圧力検出が行われるようになっている。
このような圧力センサとしては、例えば、センサ本体と、センサ本体により得られた信号を外部の制御装置へ出力するため、センサ本体の出力信号に電気的処理等を施す回路等がケーシング内に収納されてなるものや(例えば、特許文献2参照)、また、一つのプレートに複数の圧力センサが形成されてなるもの(例えば、特許文献3参照)等が種々提案されている。
特開2000−71963号公報(第3−5頁、図1及び図2) 特表2002−542107号公報(第7−11頁、図1−図8) 特表平11−508037号公報(第7−13頁、図1−図6)
しかしながら、前者の圧力センサにあっては、一つの圧力センサが電気回路等と共に一つのハウジングに収納された構成であるため、全体として比較的大きなものとなるが、構成部品等の設置スペースに充分な余裕が無く、極力小型化が要求される車両にあっては、決して好ましい構成ではない。特に、複数の圧力センサが必要とされるブレーキ装置にあっては、圧力センサの配置スペースが他の部品の配置スペースを圧迫し、装置全体の小型化を阻害する結果を招く傾向にある。
一方、後者の圧力センサにあっては、圧力センサを構成するダイヤフラムが形成されたセンサプレートを、圧力測定の対象となるブレーキ液が流通する油圧ブロックに、油圧ブロックとセンサプレート間の液漏れ防止等のためのシールプレートを介して取着する一方、センサプレートの上には、電気回路が設けられた板状の部材を配設するような構成となっているため、高い仕上がり寸法精度が要求され、装置全体の高価格化を招くという問題がある。すなわち、センサプレートの個々の圧力センサの位置と、センサプレートの個々の圧力センサに対応してシールプレートに形成された開口との位置のそれぞれの仕上がり寸法精度が充分に確保されなければ液漏れなどを招く可能性がある。また、センサプレートとシールプレートが圧力ブロックに対してねじ止めによって取着される構成であるため、それぞれのねじ穴の位置が軸方向で高い仕上がり精度に設けられる必要があり、寸法精度の管理に大きな負担を強いられる。
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、複数の圧力センサを、既存の部品収納スペースを必要以上に拡張することなく設けることができる車両ブレーキ装置を提供するものである。
本発明の他の目的は、従来に比して電気的ハーネスを削減し、軽量化することができる車両ブレーキ装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、従来と異なり、高い仕上がり精度を要することなく組み立てができる車両ブレーキ装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、従来に比して部品点数の削減を図ることができ、しかも、組み立て作業が容易で、誤組み付けを極力防止することができる車両ブレーキ装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、圧力センサの取り付けスペースが十分確保できず、複数の圧力センサを用いる代わりに演算算出した推定圧力を用いざる得ず、その演算処理によるマイクロコントローラ等の負担が大きく、極力既存の部品取付スペースを利用して複数の圧力センサの取り付けが所望される装置に対して、既存の部品収取付ペースを極力拡張することなく複数の圧力センサの取り付けを可能とし、ひいてはソフトウェアの負担、マイクロコントローラやマイクロコンピュータなどの演算処理部の負担軽減を可能とする圧力センサの取り付け構造を提供することにある。
上記本発明の目的を達成するため、本発明に係る車両ブレーキ装置は、
マスタシリンダとホイールシリンダの間に設けられ前記マスタシリンダにおけるブレーキ液圧の変化と外部からの制御信号に基づいて、前記ホイールシリンダのブレーキ液圧を制御可能に構成された油圧ユニットが設けられてなる車両ブレーキ装置であって、
前記油圧ユニットは、圧力センサユニットが取着されてなり、
当該圧力センサユニットは、前記油圧ユニット内の複数箇所におけるブレーキ液圧を検出する複数の圧力センサと、当該複数の圧力センサの出力信号を、外部の回路へ出力するための電気的処理を行う電子回路とがユニットハウジングに収納されてなるものである。
かかる構成において、油圧ユニットには、圧力センサのブレーキ液流入側の端部近傍が嵌合するセンサ組付け孔が形成され、当該センサ組付け孔は、その底部側が油圧ユニット内に形成された流路に開口してなり、ブレーキ液圧測定個所のブレーキ液が前記圧力センサへ直接流入可能とされてなるものが好適である。
さらに、圧力センサは、ダイヤフラム式のものであって、少なくとも当該ダイヤフラムが形成された部分が油圧ユニットの外面側に突出するよう設けられる一方、圧力センサユニットは、前記圧力センサのダイヤフラムが形成された部分がユニットハウジング内に位置するように前記油圧ユニットに取着されてなるものが好適である。
本発明によれば、複数の圧力センサと、その出力信号の電気的処理を行う回路基板とをユニット化し、しかも、油圧ユニットに取着するように構成したので、従来と異なり、圧力センサ関連の部品点数を大幅に削減し、構成を簡素化することができ、しかも、部品点数の削減による組み立て作業の簡素化と共に、誤組み付けの減少を図ることができる。
また、従来と異なり、ブレーキ制御を行う電子ユニットと圧力センサユニットとの間に電気的ハーネスを設けるだけで済み、個々の圧力センサと電子ユニットとの間にそれぞれ別個に電気的ハーネスを設ける必要がなくなるので、ハーネスの削減による構成の簡素化、組み立て作業の簡素化、並びに、ハーネスの耐振動性の軽減を図ることができ、ひいては装置の低価格化に寄与することができるという効果を奏するものである。
また、圧力センサの出力信号を必要とする電子ユニットが収納されたカバー部材を油圧ユニットに取着するように構成することにより、圧力検出を必要とする箇所又はその極近傍で圧力検出を行うことができ、しかも、その検出信号を従来に比して短い距離で、その信号が必要とされる電子ユニットへ伝送することができるので、応答性の良好な制御が実現できる。
さらに、油圧ユニットにカバー部材を取着することにより、圧力センサユニットに対する防水、防塵対策が施されることとなるので、圧力センサユニットにおける防止、防塵に対する配慮を軽減し、より簡易な構成とすることができ、ひいては装置全体の低価格化に寄与することができる。
またさらに、圧力センサは、回路基板に形成されたセンサ孔に遊挿される構造であるため、油圧ハウジングにおける圧力センサの取り付け位置と回路基板側のセンサ孔の位置との相対的な位置関係を、従来と異なり、高い寸法精度で管理する必要がないでの、製造が容易となり、生産性の向上を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図1乃至図6を参照しつつ説明する。
なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
最初に、本発明の実施の形態における車両ブレーキ装置の構成例について、図1に示された配管系統図を参照しつつ説明する。
本発明の実施の形態における車両ブレーキ装置は、特に、自動二輪車用に構成され、いわゆるアンチスキッド制御が可能に構成されたものとなっている。
図1に示された配管系統自体は、本願発明特有のものではなく、既に公知となっているものである。
以下、具体的に説明すれば、まず、レバー3によって駆動されるよう構成されてなるハンドブレーキ用マスタシリンダ(図1においては、「Front MC1」と表記)1と、ブレーキペダル4により駆動されるよう構成されてなるフットブレーキ用マスタシリンダ(図1においては、「Rear MC2」と表記)2とが設けられており、これらマスタシリンダ1、2は、管路5a、5b等を介して次述するようにして、それぞれ前輪ホイールシリンダ(図1においては、「Front WC」と表記)12a、後輪ホイールシリンダ(図1においては、「Rear WC」と表記)12bに接続されたものとなっている。
すなわち、マスタシリンダ1、2は、管路5a、5bに接続され、第1の前輪、後輪用連動制御電磁切換弁6a、6bを介して管路7a、7bに接続され、さらに、前輪、後輪用供給電磁切換弁8a、8bを介してそれぞれ前輪ホイールシリンダ12a、後輪ホイールシリンダ12bに接続されている。
そして、これらホイールシリンダ12a、12bは、前輪、後輪用排出電磁切換弁9a、9bを介して前輪、後輪用リザーバ10a、10bに接続されている。
これら前輪、後輪用リザーバ10a、10bは、逆止弁13a、13bを介して液圧ポンプ11a、11bの吸入口に接続され、液圧ポンプ11a、11bの吐出口は、先の管路7a、7bに接続されたものとなっている。
また、前輪、後輪用リザーバ10a、10bは、先の逆止弁13a、13bを介して管路14a、14bに接続され、この管路14a、14bは、第2の前輪用連動制御電磁切換弁15a、第2の後輪用連動制御電磁切換弁15bを介してハンドブレーキ用マスタシリンダ1、フットブレーキ用マスタシリンダ2に接続されている。
そして、ハンドブレーキ用マスタシリンダ1、フットブレーキ用マスタシリンダ2の出入口部分には、それぞれ圧力センサ21a、21bが設けられると共に、前輪ホイールシリンダ12a、後輪ホイールシリンダ12bの出入口部分にも、それぞれ圧力センサ21c,21dが設けられている。
かかる構成において、特に、図1において二点鎖線で囲まれた部分は、次述するようにほぼ直方体状に形成された油圧ハウジング31に電磁切換弁等が組み付けられた油圧ユニット101となっている。
以下、油圧ユニット101の構成について、図2乃至図6を参照しつつ説明する。
本発明の実施の形態における油圧ユニット101は、外観形状がほぼ直方体状に形成された油圧ハウジング31を有し、この油圧ハウジング31には、第1の前輪、後輪用連動制御電磁切換弁6a、6b、前輪、後輪用供給電磁切換弁8a、8b、前輪、後輪用排出電磁切換弁9a、9b、及び第2の前輪、後輪用連動制御電磁切換弁15a、15bが、その一部が油圧ハウジング31から突出するようにして収納されている(図2参照)。
本発明の実施の形態における油圧ハウジング31は、例えば、アルミ等の金属材からなるブロック状の部材が用いられており、上述の第1の前輪、後輪用連動制御電磁切換弁6a、6b等は、これらを収納するため油圧ハウジング31に凹設された収納穴(図示せず)に収納されるようになっている。
そして、油圧ハウジング31内には、先に図1で説明した管路5a、5b、管路7a、7b、管路14a、14bとなる通路が油圧ハウジング31に一体形成されたものとなっている。
さらに、第1の前輪、後輪用連動制御電磁切換弁6a、6b、前輪、後輪用供給電磁切換弁8a、8b、前輪、後輪用排出電磁切換弁9a、9b、及び第2の前輪、後輪用連動制御電磁切換弁15a、15bの一部が突出している油圧ハウジング31の面上には、圧力センサユニット102が取着されている(図2参照)。
この圧力センサユニット102は、圧力センサ21a〜21dと、これら圧力センサ21a〜21dの出力信号を、外部の回路へ出力するために必要な電気的処理を行うセンサ信号処理回路が、例えばプリント配線を用いて形成されている回路基板41と、これら圧力センサ21a〜21d及び回路基板41を収納する上下カバー42a,42bからなるユニットハウジング42とを主たる構成要素としてなるものである(図2及び図4参照)。
本発明の実施の形態における圧力センサユニット102は、そのほぼ中央部分が円弧状に切り欠かれた形状となっているが、これは、油圧ハウジング31に形成された軸穴32から突出する液圧ポンプ用モータ11cの回転軸(図示せず)を回避するためである(図2参照)。このため、本発明の実施の形態における圧力センサユニット102は、上述のように中央部分に円弧状の切り欠きのない場合に比べて、油圧ユニット101への取着面において、従来に比して、よりその中央部へ位置せしめることができるため、油圧ユニット101がさらに小型化されたものとなっている。
圧力センサ21a〜21dは、いずれも基本的に同一の構成を有してなるもので、本発明の実施の形態においては、公知・周知のいわゆるダイヤフラム式のものが用いられている。
すなわち、圧力センサ21a〜21dは、図5にその外観形状が示されたように、キャップ状に形成されてなる測定セル22と、この測定セル22が外嵌される支持体23から構成されたものとなっている。
キャップ状に形成された測定セル22は、その頂部にダイヤフラム22aが形成されると共に、このダイヤフラム22a部分には、薄膜技術、厚層技術あるいは箔技術を用いて歪みゲージを用いたブリッジ回路24が形成されたものとなっている(図5及び図6参照)。そして、ブリッジ回路24からは、圧力変化に伴うダイヤフラム22aの変形に応じた抵抗値の変化が測定圧力に相当する信号として得られるようになっている。
支持体23は、全体が概略中空円筒状に形成されると共に、その軸方向の中央部分にフランジ部23aが形成されたものとなっている(図6参照)。そして、この支持体23の一方の端部近傍は、他の部位よりも小径に形成されて、先の測定セル22が外嵌される外嵌部23bとなっていると共に、外嵌部23bとフランジ部23aとの間には、測定セル22が外嵌部23bに外嵌された際に、測定セル22の端部が当接する上肩部23cが形成されている。
すなわち、支持体23の外嵌部23bには、測定セル22がその凹部22cに外嵌部23bが嵌挿されるようにして外嵌されて、測定セル22が上肩部23cに当接した状態において、測定セル22の内側において、ダイヤフラム22aと外嵌部23bとの間には、微少間隔の圧力測定室25が形成されるものとなっている。そして、圧力測定室25は、支持体23の軸方向に穿設されたブレーキ液通路23dと連通するようになっており、ブレーキ液通路23dは、ダイヤフラム22aが位置する部位と反対側の端部において外部に開口して、開口部23eが形成されるようになっている。なお、測定セル22と支持体23とは、測定セル22が当接する上肩部23cの部分で、例えば、レーザ溶接され、測定セル22内部の気密性が保持されるようになっている。
かかる構成の圧力センサ21a〜21dは、油圧ハウジング31にそれぞれ凹設されたセンサ組付け孔26に、フランジ部23aのほぼ半分からブレーキ液通路23dの外部への開口部分までの部位が埋設、固定されるようになっている(図6参照)。本発明の実施の形態においては、圧力センサ21a〜21dのフランジ部23aと開口部23eとの間に形成された下肩部23fが、センサ組付け孔26に形成された段部26aの内周角部26bにいわゆるセルフクリンチ技術で固くかしめられたものとなっている。
本発明の実施の形態においては、ブレーキ液の流路としての先に述べた管路5a、5b、管路7a、7b、管路14a、14bは、油圧ハウジング31内部において一体形成されて設けられたものとなっており、センサ組付け孔26は、管路5a、5b、管路7a、7b、管路14a、14bに連通するようになっている(図6参照)。そして、圧力センサ21a〜21dがセンサ組付け孔26に埋設、固定された状態において、開口部23eがほぼ管路5a、5b、管路7a、7b、管路14a、14bに臨むように、油圧ハウジング31におけるこれら管路5a、5b、管路7a、7b、管路14a、14bとセンサ組付け孔26の位置が予め設定されたものとなっている。
圧力センサ21a〜21dは、対応するセンサ組付け孔26にそれぞれ埋設された状態において、測定セル22の部分が、油圧ハウジング31から外方へ突出するようになっている(図3(A)及び図6参照)。
なお、本発明の実施の形態においては、圧力センサ21a〜21dの測定セル22の軸方向の適宜な位置には、円環状にフランジ22dが形成されると共に、その一部分が切り欠かれて、位置決め用突起22eが設けられたものとなっている(図5参照)。これは、後述するように圧力センサ21a〜21dと回路基板41とをボンディングで電気的に接続するようになっているため、圧力センサ21a〜21dを、センサ組付け孔26に埋設する際に、センサ組付け孔26の円周方向の所定の位置に位置せしめて、回路基板41の誤った箇所にボンディングが行われることを防止する必要があるためである。
一方、圧力センサユニット102を構成する回路基板41と、この回路基板41の下面側、すなわち、部品搭載面と反対側の面には、下カバー42bがねじ止めされた状態で油圧ハウジング31の一つの面、すなわち、上述のように圧力センサ21a〜21dが突出する面に、ねじ止めされるものとなっているが(図3(B)参照)、回路基板41と下カバー42bには、圧力センサ21a〜21dの油圧ハウジング31から突出する部位が位置せしめられるセンサ孔27が予め穿設されている(図4参照)。そして、回路基板41が下カバー42bと共に、油圧ハウジング31にねじ止めされた状態において、圧力センサ21a〜21dの頂部付近、すなわち、ダイヤフラム22aが形成された部分が、回路基板41の部品搭載面とほぼ同一の平面に位置するようにしてセンサ孔27に遊挿されるものとなっている(図3(B)及び図4参照)。
なお、圧力センサ21a〜21dのブリッジ回路24からは、回路基板41の所定の箇所とのボンディング用に図示されない接続用ワイヤが出ており、上述のように回路基板41が下カバー42bと共に油圧ハウジング31にねじ止めされた後に、回路基板41にボンディングされるものとなっている。
そして、上述のようにして回路基板41が下カバー42bと共に油圧ハウジング31にねじ止めされ、圧力センサ21a〜21dと回路基板41とがボンディングにより電気的に接続された後、上カバー42aが回路基板41及び下カバー42bに取着されるようになっている(図3(B)及び図4参照)。
本発明の実施の形態においては、上カバー42aは、次述すような周知の係合構造によって下カバー42と相互に係合せしめられることで、下カバー42bへ取着されるものとなっている。
すなわち、本発明の実施の形態においては、下カバー42bには、その周縁部分に適宜な数の係合片43が上カバー42a側へ向かって突設されており、上カバー42aを下カバー42bへ接合させた際に、係合片43の先端部分の爪43aが上カバー42aに引っ掛かかり、相互に係合せしめられるようになっている。
なお、上カバー42aと下カバ42bの相互の取り付けは、このような係合構造に限定される必要はなく、ねじ止めなどであっても勿論良いものである。
また、回路基板41には、後述するユニットカバー33に収納されるABS(Antilock Brake System)電子ユニット(図示せず)との電気的接続のためのコネクタ28が設けられており、この部分は、上カバー42aを取着後も上カバー42aから外部へ露出するようになっている(図2及び図4参照)。
さらに、本発明の実施の形態においては、油圧ユニット101には、圧力センサユニット102が取着された面に、カバー部材としてのユニットカバー33がねじ止めされるものとなっている。
このユニットカバー33は、油圧ユニット101の一面を覆うように形成されたカバー部33aと、図示されない車両制御装置へ接続するためのコネクタ(図示せず)が収納されて一つの開口を有するよう形成されたコネクタ収納部33bとが一体形成されてなるものである(図3(B)参照)。
カバー部33a内には、先の第1の前輪、後輪用連動制御電磁切換弁6a、6b、前輪、後輪用供給電磁切換弁8a、8b、前輪、後輪用排出電磁切換弁9a、9b、及び第2の前輪、後輪用連動制御電磁切換弁15a、15bの各々の駆動用電磁コイル(図示せず)が収納されると共に、ABS電子ユニット(図示せず)などが収納されるようになっており、単に油圧ユニット101のカバーとしだけではなく、上述の駆動用電磁コイル等を収納するための部材となっている。
このようにユニットカバー33を油圧ユニット101に取着することで、圧力センサユニット102に対する防水、防塵対策となるので、回路基板41や圧力センサ21a〜21dに対して個々に防水、防塵対策を施す必要がなく、結果的には、従来に比して組み立て作業を簡易にし、従来に比して簡易な構成で、信頼性の向上が図られるものとなっている。
また、ユニットカバー33にABS電子ユニットなどが収納されているため、圧力センサ21a〜21dの出力信号を必要とするABS電子ユニットと圧力センサ21a〜21dとの距離を必要最小限とすることができ、圧力センサ21a〜21dの出力信号を極力少ない遅延時間でABS電子ユニットへ供給できるので、応答性の良い制御が期待できるものとなっている。
なお、上述した本発明の実施の形態における車両ブレーキ装置の配管系統は、あくまでも一例であり、このような配管系統に限定される必要はないことは勿論である。
また、本発明の実施の形態における車両ブレーキ装置は、自動二輪車に適用したものを説明したが、自動四輪車にも同様にして適用しても良いことは勿論である。例えば、自動四輪車用のESP(エレクトロニックスタビリティプログラム)と称される走行動特性制御システムなどに適用しても良い。すなわち、かかるシステムは、従来、その油圧ユニットにおいて、圧力センサは、部品取り付けスペース等の関係で通常、1個しか取り付けられておらず、ブレーキ液圧の検出が必要な他の箇所については、ソフトウェア演算により求めて制御動作に供する構成であるが、本発明を適用することにより、既存の部品取付スペースを拡張することなく、油圧ユニットに複数の圧力センサを取り付けることができるので、ソフトウェア処理の負担軽減が図られ、しかも、現実の圧力を用いることによる制御の確実性、信頼性等の向上に寄与することとなる。
本発明の実施の形態における車両ブレーキ装置の配管系統図である。 本発明の実施の形態における車両ブレーキ装置に用いられる油圧ユニットの全体斜視図である。 図2に示された油圧ユニットへの圧力センサユニットの組み付け状態を示す一部分解図を含む全体斜視図であり、図3(A)は、圧力センサユニットを取り付ける前の油圧ユニットの全体斜視図、図3(B)は、圧力センサユニットの回路基板と下カバーを取り付けた状態をユニットカバーと共に示した油圧ユニットの全体斜視図である。 本発明の実施の形態における圧力センサユニットを、下カバーが取着された回路基板と上カバーに分解した状態における全体斜視図である。 本発明の実施の形態における圧力センサの全体斜視図である。 本発明の実施の形態における圧力センサを油圧ユニットに取着した状態における縦断面図である。
符号の説明
21a〜21d…圧力センサ
26…センサ組付け孔
27…センサ孔
31…油圧ハウジング
33…ユニットカバー
31…油圧ハウジング
41…回路基板
42…ユニットハウジング
101…油圧ユニット
102…圧力センサユニット

Claims (5)

  1. マスタシリンダとホイールシリンダの間に設けられ前記マスタシリンダにおけるブレーキ液圧の変化と外部からの制御信号に基づいて、前記ホイールシリンダのブレーキ液圧を制御可能に構成された油圧ユニットが設けられてなる車両ブレーキ装置であって、
    前記油圧ユニットは、圧力センサユニットが取着されてなり、
    当該圧力センサユニットは、前記油圧ユニット内の複数箇所におけるブレーキ液圧を検出する複数の圧力センサと、当該複数の圧力センサの出力信号を、外部の回路へ出力するための電気的処理を行う電子回路とがユニットハウジングに収納されてなることを特徴とする車両ブレーキ装置。
  2. 油圧ユニットには、圧力センサのブレーキ液流入側の端部近傍が嵌合するセンサ組付け孔が形成され、当該センサ組付け孔は、その底部側が油圧ユニット内に形成された流路に開口してなり、ブレーキ液圧測定個所のブレーキ液が前記圧力センサへ直接流入可能とされてなることを特徴とする請求項1記載の車両ブレーキ装置。
  3. 圧力センサは、ダイヤフラム式のものであって、少なくとも当該ダイヤフラムが形成された部分が油圧ユニットの外面側に突出するよう設けられる一方、圧力センサユニットは、前記圧力センサのダイヤフラムが形成された部分がユニットハウジング内に位置するように前記油圧ユニットに取着されてなることを特徴とする請求項2記載の車両ブレーキ装置。
  4. 信号処理回路はプリント基板に形成され、当該プリント基板には、圧力センサのダイヤフラムが形成された部分が位置せしめられるセンサ孔が圧力センサの数に応じて穿設されてなることを特徴とする請求項3記載の車両ブレーキ装置。
  5. 油圧ユニットに対する制御信号を生成、出力する制御回路が収納されたカバー部材が、圧力センサユニットが取着された油圧ユニットの外面に、当該カバー部材と油圧ユニットとの間に画成される空間に圧力センサユニットが収納されるようにして取着されてなることを特徴とする請求項4記載の車両ブレーキ装置。
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