JP2013112083A - マスタシリンダ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ブレーキ操作子への入力をブレーキ液圧に変換するマスタシリンダ1と、マスタシリンダ1に接続される給液穴3aを有するリザーバ3と、を備えるマスタシリンダ装置A1であって、マスタシリンダ1の基体10には、ピストンが挿入される第一シリンダ穴11a(マスタシリンダ穴)と、給液穴3aが接続されるリザーバユニオンポート13aと、一端はリザーバユニオンポート13aの底面に開口し、他端は第一シリンダ穴11aの内周面に開口している連通穴13dと、が形成され、リザーバユニオンポート13aの中心軸線O3は、第一シリンダ穴11aの中心軸線O1から離れた位置を通っている。
【選択図】図4
Description
また、リザーバの形状を、例えば、リザーバの中心位置の下方に基体との接続部位を設けた簡素な形状とすることができる。
この構成では、リザーバユニオンポートとマスタシリンダ穴とを連通させる連通穴を、リザーバユニオンポートの軸方向に形成することができるため、基体に対して連通穴を容易に加工することができる。
なお、各実施形態の説明において、同一の構成要素に関しては同一の符号を付し、重複した説明は省略するものとする。
各実施形態では、本発明のマスタシリンダ装置である初動装置を、図1に示す車両用ブレーキシステムAに適用した場合を例として説明する。
図1に示す車両用ブレーキシステムAは、原動機(エンジンやモータ等)の起動時に作動するバイ・ワイヤ(By Wire)式のブレーキシステムと、非常時や原動機の停止時などに作動する油圧式のブレーキシステムの双方を備えるものである。
車両用ブレーキシステムAは、ブレーキペダル(ブレーキ操作子)Pの踏力によってブレーキ液圧を発生させる初動装置A1(特許請求の範囲における「マスタシリンダ装置」)と、電動モータ(図示略)を利用してブレーキ液圧を発生させるモータシリンダ装置A2と、車両挙動の安定化を支援するビークルスタビリティアシスト装置A3(以下「液圧制御装置A3」という)と、を備えている。
初動装置A1、モータシリンダ装置A2および液圧制御装置A3は、別ユニットとして構成されており、外部配管を介して連通している。
第二ピストン1bは、プッシュロッドを介してブレーキペダルPに連結されている。両ピストン1a,1bは、ブレーキペダルPの踏力を受けて摺動し、圧力室1e,1f内のブレーキ液を加圧する。圧力室1e,1fは、メイン液圧路9a,9bに通じている。
ストロークシミュレータ2は、メイン液圧路9aおよび分岐液圧路9eを介して圧力室1eに通じており、圧力室1eで発生したブレーキ液圧によって作動する。
一方の常開型遮断弁4は、メイン液圧路9aと分岐液圧路9eとの交差点からメイン液圧路9aと連絡液圧路9cとの交差点に至る区間においてメイン液圧路9aを開閉する。
他方の常開型遮断弁5は、メイン液圧路9bと連絡液圧路9dとの交差点よりも上流側においてメイン液圧路9bを開閉する。
一方の圧力センサ7は、常開型遮断弁4よりも下流側に配置されており、常開型遮断弁4が閉じられた状態(=メイン液圧路9aが遮断された状態)にあるときに、モータシリンダ装置A2で発生したブレーキ液圧を検知する。
他方の圧力センサ8は、常開型遮断弁5よりも上流側に配置されており、常開型遮断弁5が閉じられた状態(=メイン液圧路9bが遮断された状態)にあるときに、マスタシリンダ1で発生したブレーキ液圧を検知する。
圧力センサ7,8で取得された情報は、図示せぬ電子制御ユニット(ECU)に出力される。
電動モータは、図示せぬ電子制御ユニットからの信号に基づいて作動する。駆動力伝達部は、電動モータの回転動力を進退運動に変換したうえでスレーブピストンに伝達する。スレーブピストンは、電動モータの駆動力を受けてシリンダ内を摺動し、シリンダ内のブレーキ液を加圧する。
モータシリンダ装置A2で発生したブレーキ液圧は、管材Hc,Hdを介して初動装置A1に入力され、連絡液圧路9c,9dおよび管材Ha,Hbを介して液圧制御装置A3に入力される。リザーバには、メインリザーバ(図示略)から延びるホースが接続される。
なお、図示は省略するが、液圧制御装置A3は、電磁弁やポンプ等が設けられた液圧ユニット、ポンプを駆動するためのモータ、電磁弁やモータ等を制御するための電子制御ユニットなどを備えている。
車両用ブレーキシステムAが正常に機能する正常時には、常開型遮断弁4,5が弁閉状態となり、常閉型遮断弁6が弁開状態となる。
かかる状態でブレーキペダルPを操作すると、マスタシリンダ1で発生したブレーキ液圧は、ホイールシリンダWに伝達されずにストロークシミュレータ2に伝達され、ピストン2aが変位することにより、ブレーキペダルPのストロークが許容されるとともに、擬似的な操作反力がブレーキペダルPに付与される。
図示せぬ電子制御ユニットは、モータシリンダ装置A2から出力されたブレーキ液圧(圧力センサ7で検知されたブレーキ液圧)とマスタシリンダ1から出力されたブレーキ液圧(圧力センサ8で検知されたブレーキ液圧)とを対比し、その対比結果に基づいて電動モータの回転数等を制御する。
第一実施形態の初動装置A1は、前記の各種部品を図2の基体10の内部あるいは外部に組み付けるとともに、電気によって作動する部品(常開型遮断弁4,5、常閉型遮断弁6および圧力センサ7,8)をハウジング20で覆うことによって形成されている。
第一シリンダ穴11aには、マスタシリンダ1(図1参照)を構成する部品(第一ピストン1a、第二ピストン1b、第一リターンスプリング1cおよび第二リターンスプリング1d)が挿入され、第二シリンダ穴11bには、ストロークシミュレータ2を構成する部品(ピストン2aおよびリターンスプリング2b,2c)が挿入される。
なお、二つのリザーバユニオンポート13a,13bの構成は同じであるため、以下の説明では、図4に示すリザーバユニオンポート13aについて詳細に説明し、他のリザーバユニオンポート13bの説明は省略する。
リザーバ3の給液部3hには、容器本体3eの貯溜空間3gに連通する給液穴3aが上下方向に貫通している。
ハウジング取付部14の上端部および下端部は、シリンダ部11の上下に張り出している。ハウジング取付部14の上端部および下端部(シリンダ部11から張り出した部分)には、雌ネジが形成されている。
図示は省略するが、ハウジング取付部14には、三つの弁装着穴と二つのセンサ装着穴とが形成されている。三つの弁装着穴には、常開型遮断弁4,5および常閉型遮断弁6(図1参照)が組み付けられ、二つのセンサ装着穴には、圧力センサ7,8(図1参照)が組み付けられる。
出力ポート15a,15bには、液圧制御装置A3に至る管材Ha,Hb(図1参照)が接続され、入力ポート15c,15dには、モータシリンダ装置A2に至る管材Hc,Hd(図1参照)が接続される。
管接続口3cは、ブレーキ液を貯溜する容器本体3eから前方に向けて突出している。管接続口3cには、メインリザーバ(図示略)から延びるホースが接続される。
連結フランジ3dは、容器本体3eの下面に突設されている。連結フランジ3dは、リザーバ取付部13の連結部13cに重ねられ、スプリングピン3fによって連結部13cに固定される。
したがって、前記投影面において、リザーバユニオンポート13a,13bの中心位置O2,O2を、第一シリンダ穴11aの中心軸線O1に重ねて配置した構成、つまり、中心軸線O3が中心軸線O1を通る構成に比べて、基体10のハウジング20側においてリザーバ3の側方の空間Vが大きくなっている。
例えば、第一実施形態では、図5に示すように、前記投影面において、リザーバユニオンポート13a,13bの底面全体が第一シリンダ穴11aに重なっているが、リザーバユニオンポート13a,13bの底面の少なくとも一部が第一シリンダ穴11aに重なるように構成し、その重複領域に連通穴13dを形成してもよい。
さらに、前記投影面において、リザーバユニオンポート13a,13bの底面が第一シリンダ穴11aに重なっていなくてもよい。
また、リザーバユニオンポート13a,13bの軸方向が図4の上下方向(鉛直方向)に形成されているが、リザーバユニオンポート13a,13bの軸方向を傾斜させてもよい。
第二実施形態の初動装置は、第一実施形態の初動装置A1(図4参照)と略同様の構成であり、図6および図7に示すように、リザーバユニオンポート13a,13bの中心位置O4,O4(中心軸線O5)と、第一シリンダ穴11aの中心軸線O1との間隔L2が、第一実施形態におけるリザーバユニオンポート13a,13bの中心位置O2,O2(中心軸線O3)と、第一シリンダ穴11aの中心軸線O1との間隔L1(図4参照)よりも大きい点が異なっている。
2 ストロークシミュレータ
3 リザーバ
3a,3b 給液穴
3c 連結フランジ
3d 管接続口
3e 容器本体
4,5 常開型遮断弁
6 常閉型遮断弁
7,8 圧力センサ
9a,9b メイン液圧路
9c 分岐液圧路
10 基体
11 シリンダ部
11a 第一シリンダ穴(マスタシリンダ穴)
11b 第二シリンダ穴
12 車体固定部
13 リザーバ取付部
13a,13b リザーバユニオンポート
13c 連結部
14 ハウジング取付部
15 配管接続部
15a,15b 出力ポート
15c,15d 入力ポート
20 ハウジング
A 車両用ブレーキシステム
A1 初動装置(マスタシリンダ装置)
A2 モータシリンダ装置
A3 液圧制御装置
P ブレーキペダル(ブレーキ操作子)
W ホイールシリンダ
Claims (4)
- ブレーキ操作子への入力をブレーキ液圧に変換するマスタシリンダと、
前記マスタシリンダに接続される給液穴を有するリザーバと、を備えるマスタシリンダ装置であって、
前記マスタシリンダの基体には、
ピストンが挿入されるマスタシリンダ穴と、
前記給液穴が接続されるリザーバユニオンポートと、
一端は前記リザーバユニオンポートの底面に開口し、他端は前記マスタシリンダ穴の内周面に開口している連通穴と、が形成されており、
前記リザーバユニオンポートの中心軸線が、前記マスタシリンダ穴の中心軸線から離れた位置を通ることを特徴とするマスタシリンダ装置。 - 前記リザーバユニオンポートの中心軸線を法線とする投影面に、前記リザーバユニオンポートの底面と前記マスタシリンダ穴とを投影したときに、前記リザーバユニオンポートの底面の少なくとも一部が前記マスタシリンダ穴に重なることを特徴とする請求項1に記載のマスタシリンダ装置。
- 前記基体には、部品が収容されたハウジングが取り付けられており、
前記リザーバユニオンポートの中心軸線が、前記マスタシリンダ穴の中心軸線に対して、前記ハウジング側の反対側にずれていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のマスタシリンダ装置。 - 前記基体には、前記ブレーキ操作子に擬似的な操作反力を発生させるストロークシミュレータが設けられており、
前記リザーバユニオンポートの開口部の中心軸線が、前記マスタシリンダ穴の中心軸線に対して、前記ストロークシミュレータ側にずれていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のマスタシリンダ装置。
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