JP2007203891A - ソレノイドバルブおよびブレーキ液圧制御装置 - Google Patents

ソレノイドバルブおよびブレーキ液圧制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 制御性を悪化させずに消費電力を低減したソレノイドバルブを提供する。
【解決手段】 軸方向孔を有するバルブボディと、コイルの励磁力によって駆動されるアーマチュアと、前記軸方向孔に収装され、軸方向貫通孔を有するバルブシートと、前記バルブシートおよび前記アーマチュアの間に設けられ、前記軸方向孔内で軸方向移動可能に収装されたプランジャとを有し、前記プランジャを前記バルブシート方向に付勢するスプリングを設け、前記コイルは、前記アーマチュアを前記バルブシート方向に駆動することにより、前記プランジャを前記バルブシート方向に駆動することとした。
【選択図】 図4

Description

本発明は、油路上に設けられて油路の連通及び遮断を行うソレノイドバルブに関し、特に油圧ブレーキの液圧を制御するブレーキ液圧制御装置内の増圧弁(インバルブ)として用いられるソレノイドバルブに関する。
従来、油路上に設置される常閉のソレノイドバルブにあっては、ばねの付勢力によりプランジャをバルブシートに対し液密に当接させることにより閉弁され、開弁の際はコイルの励磁力によりプランジャをばねの付勢力に抗してバルブシートから離間させている。
例えば、特許文献1では常閉のソレノイドバルブをポンプとホイルシリンダとの間に設け、インバルブ(増圧用電磁弁)として用いる車両のブレーキバイワイヤシステムが開示されている。ポンプによりホイルシリンダの増圧を行う際は、ばねの付勢力に抗してインバルブを開弁し、コイルの励磁力を制御することによってバルブ流量を変化させ、ホイルシリンダ圧を制御している。
特許第3409721号
しかしながら従来の一般的な常閉のソレノイドバルブでは、開弁する際にコイルの励磁によってばねの付勢力に抗してプランジャを移動させる方式をとっている。この方式ではばねがプランジャを付勢する方向とコイル励磁力によるプランジャの駆動方向が逆方向となるため、ばねの付勢力が大きいと励磁の際の消費電力が増大してしまう。
一方、ばねの付勢力を小さくすれば弱電流でもプランジャは駆動されるが、弱電流時の励磁力は非線形性が強く、制御性が悪い。とりわけ、特許文献1のようにブレーキバイワイヤシステムにあっては、インバルブの制御性はブレーキ性能に直結するため制御性の悪化は好ましくない。
また、常閉弁の流量制御を安定させるためには開弁前にコイルの励磁力が線形となっている必要があるが、励磁力はある程度の電流値を超えてから線形領域となる。そのため開弁前にある程度の電流を供給しなければならないが、電流値を大きくしつつ閉弁とするためには、励磁力に抗するばね力がどうしても大きくなってしまう。
したがって、従来例のようにばねの付勢力とコイル励磁力によるプランジャの駆動方向が逆方向であるソレノイドバルブにあっては、ばね力を一定値以下に設定できず、消費電力が低減されないという問題があった。
本発明は上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、制御性を悪化させずに消費電力を低減したソレノイドバルブを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明では、軸方向孔を有するバルブボディと、コイルの励磁力によって駆動されるアーマチュアと、前記軸方向孔に収装され、軸方向貫通孔を有するバルブシートと、前記バルブシートおよび前記アーマチュアの間に設けられ、前記軸方向孔内で軸方向移動可能に収装されたプランジャとを有し、前記プランジャを前記バルブシート方向に付勢するスプリングを設け、前記コイルは、前記アーマチュアを前記バルブシート方向に駆動することにより、前記プランジャを前記バルブシート方向に駆動することとした。
よって、制御性を悪化させずに消費電力を低減したソレノイドバルブを提供できる。
以下、本発明のソレノイドバルブを実現する最良の形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
[本願ソレノイドバルブを用いたブレーキバイワイヤ車両のシステム構成]
実施例1につき図1ないし図5に基づき説明する。図1は本願ソレノイドバルブSOL/VをインバルブIN/Vとして用いたブレーキ制御装置のシステム構成図である。インバルブIN/Vは第1、第2液圧ユニットHU1,HU2に内蔵されている(図2、図3参照)。
実施例1におけるブレーキ制御装置は4輪ブレーキバイワイヤシステムであり、運転者によるブレーキペダルBPの操作とは独立して液圧を制御する2つの第1、第2液圧ユニットHU1,HU2を備えている。
また、コントロールユニット1には、各車輪FL〜RR輪の目標ホイルシリンダ圧P*fl〜P*rrを演算するメインECU300と、第1、第2液圧ユニットHU1,HU2を駆動するサブECU100,200が設けられている。
この第1、第2液圧ユニットHU1,HU2はメインECU300からの指令に基づき第1、第2サブECU100,200により駆動される。ブレーキペダルBPはマスタシリンダM/Cと接続するストロークシミュレータS/Simにより反力を付与される。
第1、第2液圧ユニットHU1,HU2はそれぞれ油路A1,A2によりマスタシリンダM/Cと接続し、油路B1,B2によりリザーバRSVと接続する。油路A1,A2には第1、第2M/C圧センサMC/Sen1,MC/Sen2が設けられている。
また、第1、第2液圧ユニットHU1,HU2は、それぞれポンプP1,P2、モータM1,M2、および電磁弁を備え(図2参照)、それぞれ独立して液圧を発生させる油圧アクチュエータである。第1液圧ユニットHU1はFL,RR輪の液圧制御を行い、第2液圧ユニットHU2はFR,RL輪の液圧制御を行う。
すなわち、2つの液圧源であるポンプP1,P2によって、ホイルシリンダW/C(FL〜RR)を直接増圧する。アキュムレータを用いずに直接第1、第2ポンプP1,P2によってホイルシリンダW/Cを増圧するため、故障時にアキュムレータ内のガスが油路内にリークすることがない。また、第1ポンプP1はFL,RR輪、ポンプ第2P2はFR,RL輪を増圧することにより、いわゆるX配管を構成する。
第1、第2液圧ユニットHU1,HU2はそれぞれ別体に設けられている。別体とすることで、一方の液圧ユニットにリークが発生した場合であっても、他方のユニットにより制動力を確保するものである。なお、第1、第2液圧ユニットHU1,HU2を一体に設け、電気回路構成を1箇所に集約してハーネス等を短縮し、レイアウトを簡素化することとしてもよく、特に限定しない。
ここで、装置のコンパクト性を追求するためには液圧源の数は少ないほうが望ましいが、従来例のように液圧源が1つの場合、液圧源フェールの際にバックアップが存在しないこととなる。一方、液圧源を各輪に設けて4つとした場合、フェールに対しては有利であるが、装置が大型化して制御も困難となってしまう。とりわけ、ブレーキバイワイヤ制御には冗長系を組むことが必須であるが、液圧源の増大に伴ってシステムが発散するおそれがある。
また、現在では車両のブレーキ油路はX配管が一般的であるが、X配管は対角輪(FL−RRまたはFR−RL)同士を油路によって接続し、それぞれの系を独立の液圧源(タンデム型マスタシリンダ等)によって増圧する。これにより、一方の対角輪側が失陥した場合であっても他方の対角輪が制動力を発生させることで、失陥時における制動力が左右いずれかに偏ることを回避するものであり、液圧源の数は2つであることが前提となっている。
このため、従来例のように液圧源の数が1つの場合、そもそもX配管の構成をとることはできない。液圧源が3つまたは4つの場合であっても、同一液圧源により対角輪同士を接続することはできないため、X配管を観念する余地はない。
したがって本願実施例では、現在普及しているX配管構造を変更することなく耐フェール性を向上させるため、それぞれ液圧源としてポンプP1,P2を有する液圧ユニットHU1,HU2を設けて液圧源2重系をとることとする。
また、車両制動時には前輪荷重が大きいため後輪制動力はさほど期待できず、加えて後輪制動力が大きいとスピンするおそれがある。そのため、前後輪の制動力配分は一般的に前輪のほうが大きく、例えば前輪2に対し後輪1である。
ここで、耐フェール性を高めるため液圧源を多重系として複数の液圧ユニットを搭載する場合であっても、コスト面からなるべく同一スペックの液圧ユニットを複数搭載することが望ましい。しかし、前後輪の制動力配分を考慮した場合、4輪全てに液圧源を設ける場合は前輪と後輪でスペックの異なる液圧ユニットを2つずつ用意しなければならず、高コストとなる。液圧源を3つとする場合であっても、前後輪の制動力配分が異なる以上同様の問題が発生する。
したがって本願実施例では、2つの液圧ユニットHU1,HU2をX配管構造とし、液圧ユニットHU1,HU2の油圧回路において前輪FL,FRの液圧と後輪RL,RRの液圧が2:1になるようバルブ開度等を予め設定することとする。このように同一スペックの液圧ユニットHU1,HU2を2つ搭載することにより、低コストな液圧源2重系を達成しつつ前後輪制動力配分を2:1とするものである。
[メインECU]
メインECU300は各第1、第2液圧ユニットHU1,HU2が発生する目標ホイルシリンダ圧P*fl〜P*rrを演算する上位CPUである。このメインECU300は第1、第2電源BATT1,BATT2に接続してBATT1,BATT2のいずれかが正常であれば作動するよう設けられ、イグニッション信号IGNにより、またはCAN3により接続する他のコントロールユニットCU1〜CU6からの起動要求により起動する。
メインECU300には第1、第2ストロークセンサS/Sen1、S/Sen2からストローク信号S1,S2、第1、第2M/C圧センサMC/Sen1,MC/Sen2からM/C圧Pm1、Pm2が入力される。
また、メインECU300には車輪速VSPおよびヨーレイトY、前後Gも入力される。さらに、リザーバRSVに設けられた液量センサL/Senの検出値が入力され、ポンプ駆動によるブレーキバイワイヤ制御を実行可能であるかが判断される。また、ストップランプスイッチSTP.SWからの信号により、ストローク信号S1,S2、およびM/C圧Pm1、Pm2によらずブレーキペダルBPの操作を検出する。
このメインECU300内には演算を行う2つの第1、第2CPU310,320が設けられている。第1、第2CPU310,320は、それぞれ第1、第2サブECU100,200とCAN通信線CAN1,CAN2によって接続され、第1、第2サブECU100,200を介して第1、第2CPU310,320にポンプ吐出圧Pp1,Pp2および実ホイルシリンダ圧Pfl〜Prrが入力される。このCAN通信線CAN1,CAN2は相互に接続されるとともに、バックアップ用に2重系が組まれている。
入力されたストローク信号S1,S2、M/C圧Pm1、Pm2、実ホイルシリンダ圧Pfl〜Prrに基づき、第1、第2CPU310,320は目標ホイルシリンダ圧P*fl〜P*rrを演算し、CAN通信線CAN1,CAN2を介して各サブECU100,200へ出力する。
なお、第1CPU310において第1、第2液圧ユニットHU1,HU2の目標ホイルシリンダ圧P*fl〜P*rrをまとめて演算し、第2CPU320は第1CPU310のバックアップ用としてもよく特に限定しない。
また、メインECU300はこのCAN通信線CAN1,CAN2を介して各サブECU100,200の起動を行う。第1、第2サブECU100,200をそれぞれ独立して起動する信号を発するが、1つの信号で各サブECU100,200を同時に起動することとしてもよく特に限定しない。またイグニッションスイッチIGNにより起動することとしてもよい。
ABS(車輪のロック回避のため制動力を増減する制御),VDC(車両挙動が乱れた際に横滑りを防ぐため制動力を増減する制御)およびTCS(駆動輪の空転を抑制する制御)等の車両挙動制御時には、車輪速VSPおよびヨーレイトY、前後Gも合わせて取り込んで目標ホイルシリンダ圧P*fl〜P*rrの制御を行う。VDC制御中にはブザーBUZZにより運転者に警告を発する。また、VDCスイッチVDC.SWにより制御のON/OFFを運転者の意思により切替可能となっている。
また、メインECU300はCAN通信線CAN3により他のコントロールユニットCU1〜CU6と接続し、協調制御を行う。回生ブレーキコントロールユニットCU1は制動力を回生して電力に変換し、レーダーコントロールユニットCU2は車間距離制御を行う。また、EPSコントロールユニットCU3は電動パワーステアリング装置のコントロールユニットである。
ECMコントロールユニットCU5はエンジンのコントロールユニット、ATコントロールユニットCU5は自動変速機のコントロールユニットである。さらに、メータコントロールユニットCU6は各メータを制御する。メインECU300に入力された車輪速VSPは、CAN通信線CAN3を介してECMコントロールユニットCU5、ATコントロールユニットCU5、メータコントロールユニットCU6へ出力される。
各ECU100,200,300の電源は第1、第2電源BATT1,BATT2である。第1電源BATT1はメインECU300および第1サブECU100に接続し、第2電源BATT2はメインECU300および第2サブECU200に接続する。
[サブECU]
第1、第2サブECU100,200はそれぞれ第1、第2液圧ユニットHU1,HU2と一体に設けられる。なお、車両レイアウトに合わせ別体としてもよい。
この第1、第2サブECU100,200には、メインECU300から出力された目標ホイルシリンダ圧P*fl〜P*rr、および第1、第2液圧ユニットHU1,HU2からそれぞれポンプP1,P2の吐出圧Pp1,Pp2、各実ホイルシリンダ圧Pfl,PrrおよびPfr,Prlが入力される。
入力されたポンプ吐出圧Pp1,Pp2および実ホイルシリンダ圧Ffl〜Prrに基づき、目標ホイルシリンダ圧P*fl〜P*rrを実現するよう各第1、第2液圧ユニットHU1,HU2内のポンプP1,P2、モータM1,M2、および電磁弁を駆動して液圧制御を行う。なお、第1、第2サブECU100,200は各第1、第2液圧ユニットHU1,HU2と別体であってもよい。
この第1、第2サブECU100,200は、一旦目標ホイルシリンダ圧P*fl〜P*rrが入力されると、新たな目標値が入力されるまでは前回入力値に収束するよう制御するサーボ制御系を構成している。
また、第1、第2サブECU100,200により電源BATT1,BATT2からの電流が第1、第2液圧ユニットHU1,HU2のバルブ駆動電流I1,I2およびモータ駆動電圧V1,V2に変換され、リレーRY11,12およびRY21,22を介して第1、第2液圧ユニットHU1,HU2へ出力される。
[液圧ユニットの目標値演算と駆動制御の分離]
本願のメインECU300は液圧ユニットHU1,HU2の目標値演算のみであり駆動制御は行わないが、仮にメインECU300が目標値演算と駆動制御の両方を行うものとした場合、CAN通信等により他のコントロールユニットとの協調制御に基づき液圧ユニットHU1,HU2に駆動指令を出力することとなる。
したがって、CAN通信線CAN3および他のコントロールユニットCU1〜CU6の演算が終了してから初めて目標ホイルシリンダ圧P*fl〜P*rrが出力されることとなるため、CAN通信線CAN3の通信速度および他のコントロールユニットCU1〜CU6の演算速度が遅い場合、ブレーキ制御も遅れてしまう。
また、車内の他の制御コントローラとの接続を行う通信線の速度を上げると高コストとなり、またノイズによる耐フェール性の低下を招くおそれがある。
そのため本願実施例では、ブレーキ制御におけるメインECU300の役割は液圧ユニットHU1,HU2の目標ホイルシリンダ圧P*fl〜P*rrの演算に留め、油圧アクチュエータである液圧ユニットHU1,HU2の駆動制御はサーボ制御系を有する第1、第2サブECU100,200により行うこととする。
これにより、液圧ユニットHU1,HU2の駆動制御は第1、第2サブECU100,200に特化させ、他のコントロールユニットCU1〜CU6との協調制御はメインECU300に行わせることで、通信速度および他のコントロールユニットCU1〜CU6の演算速度に影響されずに行うことが可能となる。
したがって、ブレーキ制御系を他の制御系に対し独立させて制御することで、ハイブリッド車や燃料電池車で必須となっている回生協調ブレーキシステム、車両統合制御やITS等様々なユニットを付加した場合であっても、これらのユニットとの融合を円滑に行いつつ、ブレーキ制御の応答性を確保するものである。
とりわけ、本願のようなブレーキバイワイヤシステムにあっては、使用頻度の高い通常ブレーキ時においてブレーキペダル操作量に合わせた緻密な制御が要求される。そのため、本願のように液圧ユニットの目標値演算制御と駆動制御との分離はより有効となる。
[マスタシリンダおよびストロークシミュレータ]
ストロークシミュレータS/SimはマスタシリンダM/Cに内蔵され、ブレーキペダルBPの反力を発生させる。また、マスタシリンダM/CにはマスタシリンダM/CとストロークシミュレータS/Simとの連通/遮断を切り替える切替弁Can/Vが設けられている。
この切替弁Can/VはメインECU300により開弁/閉弁され、ブレーキバイワイヤ制御終了時やサブECU100,200の失陥時に速やかにマニュアルブレーキに移行可能となっている。また、マスタシリンダM/Cには第1、第2ストロークセンサS/Sen1,S/Sen2が設けられている。ブレーキペダルBPのストローク信号S1,S2がメインECU300に出力される。
[液圧ユニット]
図2、図3は第1、第2液圧ユニットHU1,HU2の油圧回路図である。第1、第2液圧ユニットHU1,HU2は同一構成であるため第1液圧ユニットHU1についてのみ説明する。
本願ソレノイドバルブSOL/Vは第1液圧ユニットHU1においてFL,RR輪インバルブIN/V(FL,RR)として用いられている。第2液圧ユニットHU2においてもFR,RL輪インバルブIN/V(FR,RL)として用いられる。
各インバルブIN/V(FL〜RR)は常閉比例弁であり、ポンプP1,P2の吐出圧により開弁するよう設けられている。なお、通常の常閉比例弁とは構成が異なるため、図2、図3では常閉比例弁としての表記はしていない(詳細は図4、図5参照)。
第1液圧ユニットHU1にはシャットオフバルブS.OFF/V、FL,RR輪インバルブIN/V(FL,RR)、FL,RR輪アウトバルブOUT/V(FL,RR)の各電磁弁、およびポンプP1、モータM1が設けられている。前輪FL,FRの液圧と後輪RL,RRの液圧がおおむね2:1になるよう、各バルブの開度等が予め設定されている。
ポンプP1の吐出側は油路C1(FL,RR)を介してそれぞれFL,RR輪ホイルシリンダW/C(FL,RR)と接続し、吸入側は油路B1を介してリザーバRSVと接続する。油路C1(FL,RR)はそれぞれ油路E1(FL,RR)を介して油路B1と接続する。
また、油路C1(FL)と油路E1(FL)の接続点I1は油路A1を介してマスタシリンダM/Cと接続する。さらに、油路C1(FL,RR)の接続点J1は油路G1を介して油路B1と接続する。
シャットオフバルブS.OFF/Vは常開電磁弁であり、油路A1上に設けられてマスタシリンダM/Cと接続点I1との連通/遮断を行う。
FL,RR輪インバルブIN/V(FL,RR)は常閉比例弁であり、それぞれ油路C1(FL,RR)上に設けられる。各インバルブIN/V(FL,RR)のポンプP側を上流側油路C1α(FL,RR)(第1油路)、ホイルシリンダW/C(FL,RR)側を下流側油路C1β(FL,RR)(第2油路)と定義する。
FL,RR輪インバルブIN/V(FL,RR)には上流側油路C1α(FL,RR)を介してポンプP1の吐出圧が導入され、比例制御を行って下流側油路C1β(FL,RR)を介してFL,RR輪ホイルシリンダW/C(FL,RR)に供給する。常閉とすることで、失陥時にマスタシリンダM/C圧PmがポンプP1側へ逆流することを防止する。
FL,RR輪アウトバルブOUT/V(FL,RR)はそれぞれ油路E1(FL,FR)上に設けられている。FL輪アウトバルブOUT/V(FL)は常閉比例弁であるが、RR輪アウトバルブOUT/V(RR)は常開比例弁となっている。また、油路G1上にはリリーフバルブRef/Vが設けられている。
第1液圧ユニットHU1とマスタシリンダM/Cとの間の油路A1には第1マスタシリンダ圧センサMC/Sen1が設けられ、第1M/C圧Pm1をメインECU300へ出力する。また第1液圧ユニットHU1内であって油路C1(FL,FR)上にはFL,RR輪ホイルシリンダ圧センサWC/Sen(FL,RR)が設けられ、ポンプP1の吐出側にはポンプ吐出圧センサP1/Senが設けられてそれぞれの検出値Pfl,PrrおよびPp1を第1サブECU100へ出力する。
[通常ブレーキ]
(増圧時)
通常ブレーキ増圧時にはモータMを駆動するとともにシャットオフバルブS.OFF/Vを閉弁、インバルブIN/V(FL,RR)を作動(詳細は後述)、アウトバルブOUT/V(FL,RR)を閉弁する。モータM1によりポンプP1が駆動されて吐出圧が油路C1(FL,FR)に供給され、インバルブIN/V(FL,RR)により液圧制御を行ってFL,RR輪ホイルシリンダW/C(FL,RR)に導入し、増圧を行う。
(減圧時)
通常ブレーキ減圧時にはインバルブIN/V(FL,RR)を閉弁、アウトバルブOUT/V(FL,RR)を開弁してFL,RRホイルシリンダW/C(FL,RR)の作動油をリザーバRSVに排出し、減圧を行う。
(保持時)
通常ブレーキ保持時にはインバルブIN/V(FL,RR)およびアウトバルブOUT/V(FL,RR)を全て閉弁し、ホイルシリンダ圧を保持する。
[マニュアルブレーキ]
システム失陥時等、マニュアルブレーキ時にはシャットオフバルブS.OFF/Vが開弁、インバルブIN/V(FL,RR)が閉弁される。したがってマスタシリンダ圧PmはRR輪ホイルシリンダW/C(RR)には供給されない。
一方、FL輪アウトバルブOUT/V(FL)は常閉であるため、マニュアル時には閉弁されてFL輪ホイルシリンダW/C(FL)にマスタシリンダ圧Pmが作用する状態となる。よって、運転者のペダル踏力によって増圧したマスタシリンダ圧PmをFL輪ホイルシリンダW/C(FL)に作用させ、マニュアルブレーキを確保する。
なお、マニュアルブレーキをRR輪にも作用させてもよいが、FL輪に加えRR輪のホイルシリンダ圧をペダル踏力により増圧する場合、運転者に与える踏力負荷が大きくなりすぎて現実的でない。したがって本願実施例では、第1液圧ユニットHU1においては制動力の大きいFL輪にのみマニュアルブレーキを作用させることとする。
このためRR輪アウトバルブは常開とされ、システム失陥時に速やかにRR輪ホイルシリンダW/C(RR)の残圧を排出させてRR輪のロックを回避することとする。
第2液圧ユニットHU2についても、回路構成および制御は同一である。第1液圧ユニットHU1と同様、FR輪アウトバルブOUT/V(FR)は常閉、RL輪アウトバルブOUT/V(RL)は常開とされてマニュアルブレーキはFR輪にのみ作用する。
[インバルブの詳細]
図4、図5はインバルブIN/V(本願ソレノイドバルブSOL/V)のy軸方向断面図である。図4は閉弁時、図5は開弁時を示す。インバルブIN/V(FL〜RR)は全て同じ構造であるため、図4、5では各輪FL〜RRの区別は行わない。なお、インバルブIN/Vの軸方向であってアーマチュア40側をy軸正方向とする。
インバルブIN/Vは常閉比例弁であり、バルブボディ10、プランジャ20、バルブシート30、アーマチュア40、シリンダ50、スプリング60、コイル70を有する。
バルブボディ10は中空円筒部材であり、y軸方向貫通孔である軸方向孔11にはy軸負方向から順にバルブシート30、プランジャ20が収装される。バルブボディ10のy軸正方向側には、y軸負方向側から順にアーマチュア40およびスプリング60が設けられ、有底筒形状のシリンダ50に挿入される。なお、バルブボディ10とバルブシート30は、プレス成形等を用いることで一体に形成することができる。
バルブボディ10の軸方向孔11には、y軸負方向側のバルブシート嵌合面11aとy軸正方向側のプランジャ摺動面11bが設けられている。バルブシート嵌合面11aにはバルブシート30が挿入されて嵌合し、プランジャ摺動面11bはプランジャ20を軸方向摺動可能に収装する。
また、バルブシート嵌合面11aとプランジャ摺動面11bの間には径方向孔12が形成され、バルブシート嵌合面11aとプランジャ摺動面11bとの間に形成される油室Dと下流側油路Cβとを接続する。
バルブボディ10のy軸正方向側外周はシリンダ50の開口部51に溶接され、アーマチュア40はシリンダ50の外周に設けられたコイル70によりy軸負方向に駆動される。また、スプリング60はシリンダ50の底部52にy軸正方向側を係止され、アーマチュア40に設けられた凹部42に挿入されてアーマチュア40をy軸負方向に付勢する。
プランジャ20はy軸負方向側部21がy軸正方向側部22よりも小径に設けられた棒状部材であり、y軸正方向側部22はバルブボディ10のプランジャ摺動面11bに対し摺動可能に設けられている。
プランジャ20の当接面23は半球状であり、バルブシート30のy軸正方向端面であるシート面33と液密に当接可能な形状に設けられている。また、スプリング60の付勢力によりアーマチュア40を介してy軸負方向側に付勢される。
さらに、プランジャ20およびアーマチュア40の外径にはy軸方向溝24,41が設けられ、油室Dにおける作動油をシリンダ50内に導く。油室Dは径方向孔12によりホイルシリンダW/Cと常時連通するため、シリンダ50内には常に実ホイルシリンダ圧Pfl〜Prr(以下、Pwと総称)が導入され、プランジャ20はスプリング60の付勢力に加え、ホイルシリンダ圧Pwによってアーマチュア40を介してy軸負方向に付勢される。
バルブシート30は中空円筒部材であり、軸方向貫通孔30aのy軸正方向側開口部32はy軸負方向側開口部31よりも小径に設けられたオリフィス形状である。ポンプPの吐出側は上流側油路Cαを介してy軸負方向側開口部31と接続し、ホイルシリンダW/Cは下流側油路Cβおよびバルブボディ10の径方向孔12を介してy軸正方向側開口部32と接続する。
このy軸正方向側開口部32は半球凹状であり、プランジャ20における半球状の当接面23と当接して液密に閉塞されるよう設けられている。また、ポンプ吐出圧Ppは軸方向貫通孔30aおよびy軸正方向側開口部32を介してプランジャ当接面23をy軸正方向側に付勢する。なお、y軸正方向側開口部32はテーパ形状としてもよい。
このように、プランジャ20にはy軸正方向側からスプリング60の付勢力Fsおよび実ホイルシリンダ圧Pwの付勢力Fwが作用し、y軸負方向側からポンプ吐出圧Ppの付勢力Fpが作用する。Fp>Fs+Fwであればプランジャ20とバルブシート30は離間し、Fp<Fs+Fwであればプランジャ20とバルブシート30は液密に当接する。
したがってインバルブIN/Vは、Fp>Fs+Fwであれば開弁され、Fp<Fs+Fwであれば閉弁されることで、ポンプPからホイルシリンダW/Cへの流れのみを許容する一方向弁に類似した機能を持つこととなる。
[非増圧かつ非励磁時(閉弁)]
ポンプ圧Ppが作用せず、コイル70が励磁されていないときは、プランジャ20はスプリング60によりアーマチュア40を介してy軸負方向に付勢される。これによりプランジャ20の当接面23はバルブシート30のシート面33と当接し、ポンプPの吐出側とホイルシリンダW/Cとが遮断される(図4の状態)。
[増圧かつ非励磁時(閉弁→開弁)]
ポンプ圧Ppが作用する場合、プランジャ20の当接面23にはバルブシート30の軸方向貫通孔30aを介してポンプ圧Ppが作用し、プランジャ20はy軸正方向に付勢される。
その際、ポンプ圧Ppのy軸正方向への付勢力Fpがスプリング60のy軸負方向への付勢力Fsに抗して大きくなった場合、プランジャ20はy軸正方向へ移動する。これによりプランジャ20とバルブシート30とが離間し、インバルブIN/Vは開弁されてポンプPとホイルシリンダW/Cとが連通される(図5の状態)。
ここで、上述のように本願インバルブIN/Vにおけるスプリング60の付勢力は小さく、ポンプPの初期吐出圧Pαにおけるポンプ圧付勢力をFpαとすると
スプリング付勢力Fs=Fpα
であり、インバルブIN/Vはポンプ駆動初期段階において開弁するよう設けられている。
したがって、インバルブIN/Vは常閉弁であるが、ポンプPの駆動開始直後に開弁されるため、ポンプ駆動とほぼ同時に開弁される一方向弁として機能する。
[励磁による流量調整]
図5の開弁状態(増圧かつ非励磁状態)からコイル70を励磁すると、アーマチュア40はy軸負方向に移動し、プランジャ20もy軸負方向に移動する。移動量が大きくなればプランジャ20の当接面23とバルブシート30のシート面33が接近し、ポンプPからホイルシリンダW/Cへの流量が減少する。
このように励磁力を変化させてプランジャ20の移動量を調整することにより、インバルブIN/Vの流量を調整する。ポンプ圧Ppに打ち勝って閉弁させるためには、励磁力を強くすればよい。これにより本願インバルブIN/Vは比例弁として機能する。
また、本願インバルブIN/Vではスプリング60の付勢方向とコイル70の励磁方向はともにy軸負方向側であり、励磁力の抗力はポンプ吐出圧Ppのみである。したがってスプリング60の弾性力がコイル70の励磁力の抵抗となることはない。
また、通常の常閉弁ではポンプ圧とスプリングの付勢力が逆方向であるため、常閉とするためにはスプリングの弾性力はポンプ圧に対抗可能な強さでなければならないが、本願インバルブIN/Vではコイル70の励磁力によって閉弁可能である。
そのため本願のスプリング60はポンプ吐出圧Ppに打ち勝つ弾性力は必要なく、ポンプ圧Ppが発生していないときにプランジャ20をバルブシート30に当接可能な弾性力を有していればよく、通常の常閉弁のスプリングよりも弱いもので十分である。
また、コイル70の励磁力をFcとすると、励磁状態においてプランジャ20にかかる力の釣り合い条件は
励磁力Fc+スプリング付勢力Fs+実ホイルシリンダ圧Fw
=ポンプ吐出圧Fp
である。
ここで、実ホイルシリンダ圧Pw=0(大気圧相当)とすれば
励磁力Fc+スプリング付勢力Fs=ポンプ吐出圧Fp
であり、スプリング60の付勢力を弱くすればするほど、プランジャ20の駆動時に必要とされる励磁力Fcは大きくなる。
コイル70の励磁力は電流が一定値以上となってから線形領域となり、弱電流では非線形性が強く制御性が悪い。したがって本願では、スプリング60の付勢力を弱くすることでプランジャ20の駆動時に必要とされる電流値(励磁力Fc)を大きくし、プランジャ20が駆動されるまでに励磁力を線形領域とすることで、制御性を確保する。
このように、本願インバルブIN/Vにおいては、プランジャ20に対するスプリング60の付勢方向とコイル70の励磁方向を同一方向(y軸負方向)とし、さらにスプリング60の弾性力を通常の常閉ソレノイドバルブよりも弱くする(本願実施例ではポンプ圧Ppが発生していないときにプランジャ20をバルブシート30に当接させることが可能な弾性力とする)ことによって、励磁時における消費電流の低減と制御性の確保を両立させるものである。
とりわけ、本願実施例のようにブレーキバイワイヤシステムにあっては、ポンプPによる増圧中は常にインバルブIN/Vが開弁されていなければならず、また制動力を緻密に制御するためインバルブIN/Vには高い制御精度が要求される。本願ソレノイドバルブSOL/Vは常閉かつポンプP駆動とほぼ同時に開弁されるとともに制御性も確保されるため、ブレーキバイワイヤシステムのインバルブとして好適である。
[本願実施例の効果]
(1)軸方向孔13を有するバルブボディ10と、コイル70の励磁力によって駆動されるアーマチュア40と、軸方向孔13に収装され、軸方向貫通孔30aを有するバルブシート30と、バルブシート30およびアーマチュア40の間に設けられ、軸方向孔13内でy軸方向移動可能に収装されたプランジャ20とを有し、プランジャ20をバルブシート30方向(y軸負方向)に付勢するスプリングを設け、コイル70は、アーマチュア40をバルブシート30方向(y軸負方向)に駆動することにより、プランジャ20をバルブシート30方向に駆動することとした。
これにより、プランジャ20に対するスプリング60の付勢方向とコイル70の励磁方向を同一方向(y軸負方向)とし、さらにスプリング60の弾性力を通常の常閉ソレノイドバルブよりも弱くする(本願実施例ではポンプ圧Ppが発生していないときにプランジャ20をバルブシート30に当接可能な弾性力とする)ことによって、励磁時における消費電流の低減と制御性の確保を両立させることができる。
(2)マスタシリンダM/Cと、車両各輪FL〜RRに設けられたホイルシリンダW/C(FL〜RR)と、マスタシリンダM/Cとは別途設けられ、ホイルシリンダW/C(FL〜RR)の液圧を制御する液圧ユニットHU1,HU2と、運転者のブレーキ操作量に基づき、液圧ユニットHU1,HU2を制御するコントロールユニット1とを備えたブレーキ制御装置において、ポンプP1,P2とホイルシリンダW/C(FL〜RR)との間に設けられたインバルブIN/Vとして本願ソレノイドバルブSOL/Vを適用することとした。
これにより、マスタシリンダM/Cの液圧とは独立してホイルシリンダW/C(FL〜RR)の液圧を発生させるブレーキ液圧制御装置にあっても、上記(1)と同様の作用効果を得ることができる。
軸方向貫通孔30aであってプランジャ20とは反対側(y軸負方向側)に開口するy軸負方向側開口部31(第1開口部)は上流側油路Cα(第1油路)と接続し、プランジャ20側(y軸正方向側)に開口するy軸正方向側開口部32(第2開口部)は下流側油路Cβ(第2油路)と接続し、y軸正方向側開口部32は、プランジャ20と液密に当接することで上流、下流側油路Cα,Cβを遮断するシート面33を有し、上流側油路Cαの液圧は、軸方向貫通孔30aを介してプランジャ20をアーマチュア40方向(y軸正方向)に付勢し、下流側油路Cβの液圧は、プランジャ20をバルブシート30方向(y軸負方向)に付勢し、プランジャ20は、下流側油路Cβの液圧が上流側油路Cαの液圧よりも高い場合、シート面33に液密に当接することとした。
これにより、下流側油路Cβの液圧が上流側油路Cαの液圧よりも高い場合は自動的に閉弁され、本願ソレノイドバルブSOL/Vは上流側油路Cαから下流側油路Cβへの流れのみを許容する一方向弁として機能させることが可能となり、逆流防止用の一方向弁を省略して構造の簡略化を図ることができる。
コントロールユニット1内のメインECU300は、ホイルシリンダW/C(FL〜RR)のそれぞれの目標液圧P*(fl〜rr)を演算し、液圧ユニットHU1,HU2は、演算された目標液圧P*(fl〜rr)に基づき、ホイルシリンダW/C(FL〜RR)をそれぞれ独立して制御することとした。
これにより、各輪FL〜RRの目標ホイルシリンダ圧P*fl〜P*rrを独立して制御することができる。とりわけABS(車輪のロック回避のため制動力を増減する制御),VDC(車両挙動が乱れた際に横滑りを防ぐため制動力を増減する制御)およびTCS(駆動輪の空転を抑制する制御)等の車両挙動制御時には有効である。
液圧ユニットHU1,HU2は、第1、第2の系統から構成され、第1の系統は、第1のポンプP1,P2によってホイルシリンダW/C(FL〜RR)のうち左前輪および右後輪の液圧を制御し、第2の系統は、第2のポンプP1,P2によってホイルシリンダW/C(FL〜RR)のうち右前輪および左後輪の増減圧を行うこととした。
このようにX配管構造とすることで、液圧ユニットHU1,HU2の油圧回路において前輪FL,FRの液圧と後輪RL,RRの液圧が2:1になるようバルブ開度等を予め設定することが可能となる。よって、同一スペックの液圧ユニットHU1,HU2を2つ搭載することにより、液圧源2重系を達成しつつ前後輪制動力配分を2:1とすることができる。
[他の実施例]
以上、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1に基づいて説明してきたが、本発明の具体的な構成は各実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
例えば、図6に示すようにアーマチュア40'の凹部42'をアーマチュア40'のy軸負方向側に設け、スプリング60'をアーマチュア40'とプランジャ20'との間に設けてもよい。プランジャ20'に対するコイル70の励磁方向とスプリング60'の付勢方向はともにy軸負方向側であり、実施例1と同様に作用効果が得られる。
更に、上記各実施例から把握しうる請求項以外の技術的思想について、以下にその効果とともに記載する。
(イ)請求項1に記載のソレノイドバルブにおいて、
前記軸方向貫通孔であって前記プランジャとは反対側に開口する前記第1開口部は前記第1油路と接続し、前記プランジャ側に開口する前記第2開口部は前記第2油路と接続し、
前記第2開口部は、前記プランジャと液密に当接することで前記第1、前記第2油路を遮断するシート面を有し、
前記第1油路の液圧は、前記軸方向貫通孔を介して前記プランジャを前記アーマチュア方向に付勢し、
前記第2油路の液圧は、前記プランジャを前記バルブシート方向に付勢し、
前記プランジャは、前記第2油路の液圧が前記第1油路の液圧よりも高い場合、前記シート面に液密に当接すること
を特徴とするソレノイドバルブ。
下流側油路Cβの液圧が上流側油路Cαの液圧よりも高い場合は自動的に閉弁され、本願ソレノイドバルブSOL/Vは上流側油路Cαから下流側油路Cβへの流れのみを許容する一方向弁として機能させることが可能となり、逆流防止用の一方向弁を省略して構造の簡略化を図ることができる。
(ロ)請求項2に記載のブレーキ液圧制御装置において、
前記軸方向貫通孔であって前記プランジャとは反対側に開口する第1開口部は第1油路を介して前記液圧源と接続し、前記プランジャ側に開口する第2開口部は第2油路を介して前記ホイルシリンダと接続し、
前記第2開口部は、前記プランジャと液密に当接することで前記第1、前記第2油路を遮断するシート面を有し、
前記第1油路の液圧は、前記軸方向貫通孔を介して前記プランジャを前記アーマチュア方向に付勢し、
前記第2油路の液圧は、前記プランジャを前記バルブシート方向に付勢し、
前記プランジャは、前記第2油路の液圧が前記第1油路の液圧よりも高い場合、前記シート面に液密に当接すること
を特徴とするブレーキ液圧制御装置。
マスタシリンダM/Cの液圧とは独立してホイルシリンダW/C(FL〜RR)の液圧を発生させるブレーキ液圧制御装置にあっても、上記(イ)と同様の作用効果を得ることができる。
(ハ)上記(ロ)に記載のブレーキ液圧制御装置において、
前記コントロールユニット内のメインユニットは、前記ホイルシリンダの目標液圧を演算し、
前記油圧アクチュエータは、演算された前記目標液圧に基づき、前記ホイルシリンダをそれぞれ独立して制御すること
を特徴とするブレーキ液圧制御装置。
各輪FL〜RRの目標ホイルシリンダ圧P*fl〜P*rrを独立して制御することができる。とりわけABS(車輪のロック回避のため制動力を増減する制御),VDC(車両挙動が乱れた際に横滑りを防ぐため制動力を増減する制御)およびTCS(駆動輪の空転を抑制する制御)等の車両挙動制御時には有効である。
(ニ)上記(ロ)に記載のブレーキ液圧制御装置において、
前記油圧アクチュエータは、第1、第2の系統から構成され、
前記第1の系統は、前記第1の前記液圧源によって前記ホイルシリンダのうち左前輪および右後輪の液圧を制御し、
前記第2の系統は、前記第2の前記液圧源によって前記ホイルシリンダのうち右前輪および左後輪の液圧を制御すること
を特徴とするブレーキ液圧制御装置。
X配管構造とすることで、液圧ユニットHU1,HU2の油圧回路において前輪FL,FRの液圧と後輪RL,RRの液圧が2:1になるようバルブ開度等を予め設定することが可能となる。よって、同一スペックの液圧ユニットHU1,HU2を2つ搭載することにより、液圧源2重系を達成しつつ前後輪制動力配分を2:1とすることができる。
本願ソレノイドバルブをインバルブとして用いたブレーキ制御装置のシステム構成図である。 第1液圧ユニットの油圧回路図である。 第2液圧ユニットの油圧回路図である。 閉弁時におけるインバルブ(本願ソレノイドバルブ)のy軸方向断面図である。 開弁時におけるインバルブ(本願ソレノイドバルブ)のy軸方向断面図である。 本願実施例の他の実施例を示す図である。
符号の説明
IN/V インバルブ(ソレノイドバルブ)
10 バルブボディ
11a バルブシート嵌合面
11b プランジャ摺動面
11 軸方向孔
12 径方向孔
20 プランジャ
21 y軸負方向側部
22 y軸正方向側部
23 当接面
24 y軸方向溝
30 バルブシート
30a 軸方向貫通孔
31 y軸負方向側開口部
32 y軸正方向側開口部
33 シート面
40 アーマチュア
41 y軸方向溝
42 凹部
50 シリンダ
51 開口部
52 底部
60 スプリング
70 コイル

Claims (2)

  1. 軸方向孔を有するバルブボディと、
    コイルの励磁力によって駆動されるアーマチュアと、
    バルブボディ内にあって、、軸方向貫通孔を有するバルブシートと、
    前記バルブシートおよび前記アーマチュアの間に設けられ、前記軸方向孔内で軸方向移動可能に収装されたプランジャと
    を有し、
    前記プランジャを前記バルブシート方向に付勢するスプリングを設け、
    前記コイルは、前記アーマチュアを前記バルブシート方向に駆動することにより、前記プランジャを前記バルブシート方向に駆動すること
    を特徴とするソレノイドバルブ。
  2. マスタシリンダと、
    車両各輪に設けられたホイルシリンダと、
    前記マスタシリンダとは別途設けられ、前記ホイルシリンダの液圧を制御する油圧アクチュエータと、
    運転者のブレーキ操作量に基づき、前記油圧アクチュエータを制御するコントロールユニットと
    を備えたブレーキ制御装置において、
    前記油圧アクチュエータは、前記ホイルシリンダの液圧を増圧する液圧源と、前記液圧源と前記ホイルシリンダとの間に設けられたソレノイドバルブとを備え、
    前記ソレノイドバルブは、
    軸方向孔を有するバルブボディと、
    コイルの励磁力によって駆動されるアーマチュアと、
    前記バルブボディ内であって、軸方向貫通孔を有するバルブシートと、
    前記バルブシートおよび前記アーマチュアの間に設けられ、前記軸方向孔内で軸方向移動可能に収装された前記プランジャと
    を有し、
    前記プランジャを前記バルブシート方向に付勢するスプリングを設け、
    前記コイルは、前記アーマチュアを前記バルブシート方向に駆動することにより、前記プランジャを前記バルブシート方向に駆動すること
    を特徴とするブレーキ液圧制御装置。
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