JP2009191748A - 内燃機関の動弁構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】カムシャフト53と、該カムシャフトに設けられた動弁カムにより開閉作動される機関弁56eと、デコンプ装置100とを備える内燃機関の動弁構造において、動弁カム53eのカム面に出没自在のデコンプカム105を作動するデコンプウエイト101が、カムシャフト53の一端部または一端部近傍に遠心力により揺動可能に軸支され、デコンプウエイト101と軸方向反対側のカムシャフト53の端部にウォータポンプ120が配設される内燃機関の動弁構造。
【選択図】図8
Description
そして、カムシャフトを軸方向カムチェーンスプロケット側に延長した位置にデコンプ装置のデコンプウエイトとウォータポンプが順に配列されている。
図1は、本発明を適用した一実施の形態に係るスクータ型自動二輪車1の側面図である。
すなわち車体前部1fのヘッドパイプ2からダウンチューブ3が下方へ延出し、同ダウンチューブ3は下端で水平に屈曲してフロア部1cの下方を後方へ延び、その後端において左右一対のメインパイプ4が連結され、メインパイプ4は該連結部から斜め後方に立ち上がって所定高さで水平に屈曲して後方に延びている。
一方車体前部1fにおいては、ヘッドパイプ2に軸支されて上方にハンドル11が設けられ、下方にフロントフォーク12が延びてその下端に前輪13が軸支されている。
パワーユニット20は、その前部が単気筒4ストロークの水冷式内燃機関30であり、シリンダブロック32を略水平に近い状態にまで大きく前傾した姿勢にあって、そのクランクケース31の上端から前方に突出したハンガーブラケット18の端部が前記リンク部材16にピボット軸(枢支)19を介して連結されている。
この減速機構38のあるパワーユニット20の後部に立設されたブラケット39と前記メインパイプ4の後部間にリヤクッション22が介装されている。
一方、シリンダヘッド33の下部から下方に延出した排気管27は、後方へ屈曲し右側に偏って後方に延びて後輪21の右側のマフラ(図示せず)に接続される。
フロア部1cはサイドカバー9eにより覆われ、また車体後部1rは左右側方からボデイカバー10によって覆われる。
内燃機関30は、シリンダブロック32のシリンダライナ44内を往復動するピストン42とクランク軸40のクランクピン40aとをコネクティングロッド43が連結している。
クランクケース31は、左右割りの左クランクケース31Lと右クランクケース31Rとを合体して構成されるもので、右クランクケース31Rは、クランクケース部の半体をなし、左クランクケース31Lは、前部がクランクケース部の半体をなすとともに、後方に膨出して前後に長尺のベルト式無段変速機46を収容する伝動ケースを兼ねる。
減速機構38はギア機構で入力軸38aと中間軸38bとの間および中間軸38bと後車軸21aとの間にそれぞれギアの噛合が構成されて、入力軸38aの回転を減速して後車軸21aに伝え後輪21を回転駆動する。
ダクトカバー91には伝動ケースカバー36の冷却風導入口36iと連結する冷却風導入口91iが形成されるとともに、上部にルーバ91Lが形成されている。
オイルフィルタ65は、有底円筒状をしたメッシュフィルタであり、左クランクケース31Lの左外側面に開口した嵌挿孔64cに嵌挿され、左右水平方向に指向する水平オイル通路64bの左端を蓋するようにして水平オイル通路64bを外部と仕切っている。
嵌挿孔64cの開口には、給油筒66がその端部開口を連結して設けられる。
給油筒66は、有底円筒状のオイルフィルタ65の外径より小さい内径の給油通路67が形成された水平筒部66aと水平筒部66aから屈曲して斜め上方に延びる傾斜筒部66bとからなり、水平筒部66aを左右方向に指向させてオイル通路64bの端部の嵌挿孔64cに端部を嵌合している。
オイルフィラーキャップ68には、給油通路67内に延びるディップスティックゲージ69が突設されており、ディップスティックゲージ69の先端のゲージ部がオイルの油面下に没してゲージ部に油量を印す。
クランク軸40の回転により駆動ギヤ55bと被動ギヤ63の噛合を介してオイルポンプ61が駆動されると、オイル溜まり65eに溜まったオイルは、オイルフィルタ65を通って浄化されて汲み上げられ、オイルポンプ61から内燃機関30の所要箇所に供給される。
また、シリンダブロック32の同じ左側側面には支持ブラケット28を介して点火コイル29が取り付けられている(図2,図3参照)。
カムシャフトホルダ53hl,53hrはシリンダヘッド33,シリンダブロック32とともにクランクケース31に4本のスタッドボルト110への各ナット111の螺着により一体に締結される(図7参照)。
したがって、カムシャフト53の回転により吸気カム53iと排気カム53eがそれぞれ吸気ロッカアーム58と排気ロッカアーム60を揺動して所定のタイミングで吸気バルブ56iと排気バルブ56eの開閉動作を行わせる。
図8を参照して、デコンプ装置100はカムシャフト53の左端部を軸支する左側ベアリング53bとカムシャフト53の排気カム53eとの間において、排気カム53eの側面と左側ベアリング53bに当接したワッシャ108との間に挟まれて位置決めされたデコンプウエイト101が、排気カム53eに突設された支軸102に片持ちで軸支されて排気カム53eの側面に沿って揺動自在に設けられており、排気カム53eのカム面に出没自在に回動するデコンプカム105がデコンプウエイト101に突設された作動ピン104により作動される。
デコンプウエイト101は、C字形状をしてカムシャフト53を囲み、排気カム53eの側面に突設された支軸102に基端が軸支されて排気カム53eの側面に沿って揺動可能である。
また、排気カム53eの側面にはカム小径部の所定箇所に円孔が掘削されて円柱状のデコンプカム105が回動自在に嵌合しており、それも同デコンプカム105の一部が排気カム53eのカム小径部のカム面から突出可能に嵌合している。
したがって、シリンダヘッド33の左右幅を抑えて小型化を図ることができる。
デコンプウエイト100は、シリンダ軸線Lcを挟んでカムチェーンスプロケット54の反対側で、かつカムシャフト53の挿通方向の先端に配置されるので、カムシャフト53の組付性を向上させることができる。
ウォータポンプボディ121の短尺円筒部121bの外周に4か所ボルト孔121hが形成され、ウォータポンプカバー122にもウォータポンプボディ121のボルト孔121hに対応して4か所ボルト孔122hが形成されている。
そして、他の3か所のボルト孔121h,122hは、図7に示すように、シリンダヘッド33に対応して形成された取付ボス部33bに重ねられ、ボルト129bがボルト孔122h,121hを貫通して取付ボス部33bの雌ねじ孔に螺合し、シリンダヘッド33にウォータポンプボディ121とウォータポンプカバー122とを共に締結してウォータポンプ120がシリンダヘッド33に取付けられる。
また、インペラ124の外周囲の上部にエア抜き部122dが形成されて、エア抜き部122dから斜め後上方にエア抜き接続管127が突設されている。
カムシャフト53に固着されるカムチェーンスプロケット54に関してデコンプウエイト101と軸方向反対側のカムシャフト53の端部にポンプ駆動軸123を連結してウォータポンプ120が配設されるので、揺動するデコンプウエイト101とウォータポンプ120がカムチェーンスプロケット54に関して軸方向互いに反対側に位置して互いの干渉を考慮して間隔を空ける必要がなく、よってカムシャフト53にウォータポンプ120をコンパクトに配設してシリンダヘッド33の小型化を図ることができる。
50…動弁機構、51…カムチェーン、52…カムチェーン室、53…カムシャフト、54…被動カムチェーンスプロケット、55a…カムチェーン駆動スプロケット、56e…排気バルブ、56i…吸気バルブ、58…吸気ロッカアーム、58r…ローラ、60…排気ロッカアーム、60r…ローラ、
100…デコンプ装置、101…デコンプウエイト、102…支軸、104…作動ピン、105…デコンプカム、107…付勢手段、108…ワッシャ、
120…ウォータポンプ、121…ウォータポンプボディ、121a…長尺円筒部、121b…短尺円筒部、122…ウォータポンプカバー、123…ウォータポンプ駆動軸、124…インペラ、125…ベアリング、128…シールリング部材。
Claims (5)
- クランク軸の回転がカムチェーンを介して伝達されて回転駆動されるカムシャフトと、該カムシャフトに設けられた動弁カムにより開閉作動される機関弁と、始動時の圧縮行程時に前記機関弁を開弁するデコンプ装置とを備える内燃機関の動弁構造において、
前記動弁カムのカム面に出没自在のデコンプカムを作動するデコンプウエイトが、前記カムシャフトの一端部または一端部近傍に遠心力により揺動可能に軸支され、
前記デコンプウエイトと軸方向反対側の前記カムシャフトの端部にウォータポンプが配設されることを特徴とする内燃機関の動弁構造。 - 前記デコンプウエイトは、前記動弁カムのうち排気カムの側面に沿って揺動可能に支軸により片持ち軸支され、
前記デコンプウエイトが前記カムシャフトの支持ベアリングに当接するワッシャと前記排気カムとの間に挟まれて位置決めされることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の動弁構造。 - 前記デコンプウエイトは、前記カムシャフトの軸方向におけるシリンダボアの幅内に配置されることを特徴とする請求項1または請求項2記載の内燃機関の動弁構造。
- 前記デコンプウエイトは、シリンダ軸線を挟んでカムチェーンスプロケットの反対側で、かつ前記カムシャフトの挿通方向の先端に配置される請求項1から請求項3までのいずれか1項記載の内燃機関の動弁構造。
- 前記ウォータポンプのポンプ駆動軸をベアリングを介装して回転自在に軸支する円筒形状をしたポンプボディが、シリンダヘッドの側壁に嵌入されて支持されることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項記載の内燃機関の動弁構造。
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