JP2005042623A - スタータモータを備えた内燃機関 - Google Patents

スタータモータを備えた内燃機関 Download PDF

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Abstract

【課題】 内燃機関を小型化することを目的とする。また、内燃機関の重量バランスを向上させることを目的とする。
【解決手段】 エンジンのクランクシャフト47の回転を駆動輪に伝達するクラッチ機構163をエンジンの一側方に設け、クラッチ機構163のプライマリドリブンギヤ190と噛み合うリダクションギヤ110をクラッチ機構163の上部に配置した。リダクションギヤ110はスタータ用ワンウェイクラッチ113を備え、アイドルギヤ109を介してスタータモータ107に連係しており、スタータモータ107はエンジンの上部、かつ中央付近に配置される。
【選択図】 図4

Description

本発明は、スタータモータを備えた内燃機関に関する。
スタータモータを備えた内燃機関としては、二輪車用のエンジンがあげられる。この種のエンジンにおいて、スタータモータは、クランクケースのアッパーケースの上部において、ACジェネレータ側、つまりエンジンの左側に取り付けられている。スタータモータのモータ回転シャフトにはリダクションギヤ及びアイドルギヤが順次内側に偏位させて配置してある。アイドルギヤはスタータドリブンギヤに噛み合っており、スタータドリブンギヤは、スタータ用ワンウェイクラッチを介してクランクシャフトに連結されている。このスタータ用ワンウェイクラッチはクランクシャフトと同軸上に、例えば、ACジェネレータとカウンタウエイトの間に配置されている。このため、スタータモータの回転は、リダクションギヤ及びアイドルギヤ並びにスタータドリブンギヤを介してクランクシャフトに伝達される(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−238356号公報(段落番号0010から0016、第3図、第4図、第5図)
しかしながら、この種のエンジンではスタータ用ワンウェイクラッチをクランクシャフトに配置するので、クランクシャフトが軸線方向に長くなるという問題を有していた。クランクシャフトが長くなると、その分だけエンジンが車幅方向に長くなる。さらに、この種のエンジンでは、ACジェネレータや、スタータモータといった重量物が一方の側部に集中配置されやすく、車体の重量中心と、エンジンの重量中心とが一致しなかった。
この発明は、このような課題を鑑みてなされたものであり、スタータモータを備える内燃機関を小型化することを目的とする。また、内燃機関の重量バランスを向上させることを目的とする。
上記の課題を解決する本発明の請求項1に係る発明は、クランクケース(例えば、実施形態のクランクケース31)に減速ギヤ(例えば、実施形態のリダクションギヤ110)を介してクランクシャフトを回転させるスタータモータを備えた内燃機関において、前記クランクシャフト(例えば、実施形態のクランクシャフト47)の回転を後方のシャフト(例えば、実施形態のメインシャフト192や、カウンタシャフト198)に接続するクラッチ機構(例えば、実施形態のクラッチ機構163)を側方に設け、前記クラッチ機構の上部に前記スタータモータの回転と前記クランクシャフトの回転とを断続させるワンウェイクラッチ(例えば、実施形態のスタータ用ワンウェイクラッチ113)を配置すると共に、前記スタータモータを前記クラッチ機構の近傍に配置したことを特徴とするスタータモータを備えた内燃機関(例えば、実施形態のエンジン15)。
このスタータモータを備えた内燃機関によれば、スタータモータなどの始動系部品が、クランクシャフトの回転を変速機に伝達するクラッチ機構と同じ側方に配置される。クラッチ機構の上部には、スタータモータ用のワンウェイクラッチを配置し、ワンウェイクラッチと連係するスタータモータがクラッチ機構の近傍に配置される。このため、重量物であるスタータモータやワンウェイクラッチがクラッチ機構の上部に集中する。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のスタータモータを備えたエンジンにおいて、前記スタータ用ワンウェイクラッチと前記スタータモータとの間に、アイドルギヤ(例えば、実施形態のアイドルギヤ109)を配置したことを特徴とする。
このスタータモータを備えたエンジンによれば、重量物であるスタータモータがクラッチ機構よりもエンジンの内側に配置したので、スタータモータのみならず、スタータモータ用のワンウェイクラッチ及びアイドルギヤもクラッチ機構よりもエンジンの内側に配置される。このため、エンジンの重量を中央部分に集中する。また、アイドルギヤがワンウェイクラッチとスタータモータとの間にあるので、エンジン始動後にクランクシャフトの回転がアイドルギヤに伝達されることを防止する。
請求項1に記載した発明によれば、スタータモータ及びワンウェイクラッチと、クラッチ機構とがエンジンの同じ側方に配置され、かつ、クラッチ機構の上部にワンウェイクラッチが配置され、スタータモータがクラッチ機構の近傍に配置されるので、重量物であるスタータモータやワンウェイクラッチをクラッチ機構の上部に集中させることができる。このため、内燃機関の重量中心と、そのような内燃機関が搭載される車体の中心とを近づけることができる。また、ワンウェイクラッチをクランクシャフトに配設する構成と比べてクランクシャフトの軸長を短くでき、内燃機関の幅を縮小できる。
請求項2に記載した発明によれば、重量物であるスタータモータがクラッチ機構よりも内燃機関の内側に配置されるので、スタータモータ、ワンウェイクラッチ、アイドルギヤをクラッチ機構よりも内側に配置でき、内燃機関の重量中心を中央に集中させることができる。
発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下において、前側とは車両の前進方向であり、後側とは車両が後退する方向である。さらに、右側及び左側とは車両が前進する方向に向かって右側及び左側とする。
図1に示すように、自動二輪車1の前輪2は、フロントフォーク3に軸支されており、フロントフォーク3はトップブリッジ4を介して車体フレーム5の前端部に設けられたヘッドパイプ6に操舵可能に枢支される。自動二輪車1の後輪7はリアフォーク8に軸支されており、リアフォーク8は車体フレーム5の中間部に設けられたピボット部9及びエンジン15に揺動可能に枢支される。リアフォーク8のピボット軸近傍には、リアクッションユニット10の上端が取り付けられ、リアクッションユニット10の下端はエンジン15の下部にリンク機構11を介して取り付けられており、後輪7及びリアフォーク8を介して車体に衝撃が加わらないよう衝撃を吸収する。
ヘッドパイプ6の上部からは車体フレーム5のメインフレーム12が左右に分かれて後方下側に延び、その後端部が下方に屈曲してピポット部9に連なる。メインフレーム12の後方には車体フレーム5のシートレール13が連結される。メインフレーム12の上方には燃料タンク14が配設され、メインフレーム12の下方にはエンジン15が配設される。
燃料タンク14の後方には運転者用のシート16及び後部搭乗者用のピリオンシート17が各々シートレール13に支持される。また、メインフレーム12のピボット部9の後部には運転者用のステップ18が取り付けられ、シートレール13の下部には後部搭乗者用のステップ19が取り付けられる。さらに、フロントフォーク3の上端部には左右一対のハンドル20が取り付けられる。
フロントフォーク3の下端部にはブレーキキャリパ21が取り付けられ、前輪2にはブレーキキャリパ21に対応するブレーキロータ22が取り付けられてフロントブレーキ装置23が構成される。なお、後輪7の右側には、前輪2のフロントブレーキ装置23と同様の構成を有するリアブレーキ装置(図示略)が設けられている。
自動二輪車1の車体前部はフロントカウル24により覆われ、シートレール13周辺はリアカウル25により覆われる。後輪7の左側にはリアスプロケット26が取り付けられ、このリアスプロケット26とエンジン15の後部左側に配設されるドライブスプロケット27とにドライブチェーン28が掛け回されてエンジンの駆動力を後輪7に伝達可能である。車体フレーム5の左側下部には格納可能なサイドスタンド29が配設され、自動二輪車1をその車体が左側に傾斜した起立状態で支持可能である。
本実施形態のエンジン15は、水冷式の直列四気筒型のエンジンであり、シリンダ本体30をクランクケース31上にやや前傾した状態で配設される。シリンダ本体30の後部には各気筒に対応するスロットルボディ32が接続され、各スロットルボディ32はメインフレーム12と燃料タンク14との間に配置されたエアクリーナケース33に接続される。また、シリンダ本体30の前部には各気筒に対応する排気管34が接続される。排気管34は、シリンダ本体30の前壁から下方に向かって湾曲し、クランクケース31下方を通過した後にピボット部9後方で上方に向かって屈曲してシートレール13に支持されたサイレンサ35に接続される。
排気管34の前方にはラジエータ36がシリンダ本体30と同様やや前傾した姿勢で配設される。ラジエータ36はその前面側が凹状に湾曲したラウンド型であると共に、ラジエータコアの右側に冷却水の流入側タンクが、左側に流出側タンクが設けられたクロスフロー型であり、上下方向でシリンダ本体30の上部からクランクケース31の下部に渡るように設けられる。ラジエータコアの上部背面側には左右一対のラジエータファン39(図1参照)が取り付けられる。
図2の左側面図、及び図3の右側面図に示すように、エンジン15は、その主要部品であるシリンダヘッド40及びシリンダブロック43とクランクケース31とを備えている。シリンダヘッド40はヘッド本体41とヘッドカバー42とに分割構成され、クランクケース31はアッパーケース44とロアケース45とに分割構成される。アッパーケース44とシリンダブロック43とは一体成形され、ロアケース45の下にはオイルパン46が取り付けられる。ここで、ヘッド本体41はアルミ合金製の鋳造品である。
シリンダヘッド40のヘッド本体41には、各燃焼室内に臨ませるように点火プラグ70が螺着され、かつ各燃焼室と外部とを連通する吸気ポート71及び排気ポート72が各々形成される。各吸気ポート71の外部側の開口にはスロットルボディ32が接続され、各排気ポート72の外部側の開口には排気管34が接続される。また、各吸気ポート71及び排気ポート72の燃焼室側の開口には各々バルブシートが装着され、かつ、これら開口が吸気バルブ75及び排気バルブ76の作動により各々開閉可能である。
各吸気バルブ75及び排気バルブ76の上方には、これらを作動させる吸気側カムシャフト85及び排気側カムシャフト86が、クランクシャフト47の軸線Cと平行に配設される。これら吸気側カムシャフト85及び排気側カムシャフト86の周面には、各吸気バルブ75及び排気バルブ76に対応する吸気側カム及び排気側カム(図示略)が設けられる。
また、各カムシャフト85,86の右端には不図示のカムスプロケットがそれぞれに設けられ、このカムスプロケットに巻回されるカムチェーンを介して各カムシャフト85,86がクランクシャフト47と連係させられる。クランクシャフト47の回転に伴い、各カムシャフト85,86が回転するので、吸気バルブ75及び排気バルブ76を作動させることができる。なお、各カムシャフト85,86は中空とされ、その中空部がエンジンオイル(潤滑オイル)Lの通路となって所定の油孔から各摺動面にエンジンオイルLが供給される。
図2及び図3に示すように、シリンダブロック43には四つのシリンダ50が車体幅方向に並んで形成される。さらに、これらシリンダ50内にはピストン51が摺動可能に嵌装される。各ピストン51にはクランクピン54を介してコンロッド53が回転自在に連結されると共に、コンロッド53の大端部がクランクシャフト47のクランクピン54に回転自在に連結され、ピストン51の往復運動が軸線Cを中心とした回転運動に変換される。
クランクケース31の下部には、エンジン15内の適宜箇所にエンジンオイルLを圧送するオイルポンプ89が配設される。オイルポンプ89は、変速機164のメインシャフト192と共に回転するオイルポンプドライブスプロケット128とチェーン129を介して連係され、クランクシャフト47の回転に伴い作動を開始する。ロアケース45下部に固定されたオイルパン46内にはエンジンオイルLが貯溜され、貯溜されたエンジンオイルL中にはオイルストレーナ130を浸漬させてある。
オイルストレーナ130の上端部はオイルポンプ89の吸入口に接続され、オイルポンプ89の吐出口はロアケース45に形成された第一の油路133に接続する。第一の油路133はオイルポンプ89の吐出口から上方に延びた後に前方に向かって屈曲し、やや前下がりとなって前方へ延出する。ロアケース45の前壁196にはカートリッジ式のオイルフィルタ134を着脱可能に取り付けてある。このオイルフィルタ134はエンジン15の側方から着脱が可能である。エンジンオイルLは、オイル流入経路136からオイルフィルタ134に流入し、オイル流出経路137から流出し、水冷式オイルクーラ65へと導かれる。
クランクケース31の前壁196の略中央には上記した水冷式オイルクーラ65が配置されており、水冷式オイルクーラ65よりも右側にオイルフィルタ134が取り付けられる。水冷式オイルクーラ65は、クランクケース31を構成するロアケース45の前部に取り付けられており、その内部を通流するエンジンオイルLを冷却水で冷却する。冷却水は、オイルポンプ89に取り付けられた導入ホース68から導入する。水冷式オイルクーラ65内を通流してエンジンオイルLを冷却した後の冷却水は、導出ホース67へ経て、シリンダブロック43の右側壁43aに取り付けられたウォータポンプ55(図3参照)に戻される。
ウォータポンプ55は、エンジン15のシリンダブロック43の右側壁43aに取り付けられている。ウォータポンプ55の位置は、シリンダ50の中心軸であるシリンダ中心線SCと、クランクケース31の後方に配設されるシフトドラム123を備える変速機164との間である。このウォータポンプ55にはラジエータ36から冷却水を導入する冷却水導入ホース58と、バイパスホース64が接続される。ウォータポンプ55は、クランクシャフト47の回転に伴って駆動し、ウォータポンプ55から圧送される冷却水は、シリンダブロック43の右側に設けられた不図示の冷却水入口からシリンダ側ウォータジャケット57に流入し、シリンダヘッド40の後部のヘッド側ウォータジャケット60に設けられた冷却水出口61から流出する。また、圧送される冷却水の一部は、導入ホース68を介して水冷式オイルクーラ65に供給される。
図5に参照して、水冷式オイルクーラ65の導出口は、ロアケース45に形成され第一の油路133と略平行にやや後上がりとなって後方へ延出する第二の油路140に接続される。第二の油路140は、エンジン15内のメインオイルギャラリ173及びオイルジェット(図示略)等に通じている。
エンジン15内に供給されたエンジンオイルLは自然滴下等によりオイルパン46内に戻って貯溜される。このエンジンオイルLは再びオイルストレーナ130、オイルポンプ89、オイルフィルタ134、及び水冷式オイルクーラ65を経てエンジン15内に供給され、エンジン15内を循環する。なお、エンジンが高回転になると圧送されるエンジンオイルLの油圧が高まるが、この油圧が所定値に達した場合には第一の油路133とオイル流入経路136の交差部下側にリリーフ経路141を介して接続されたオイルリリーフバルブ142が作動する。エンジンオイルLの一部がオイルパン46内に還流し、経路内の油圧が調節される。
さらに、図3を参照して、クランクケース31には、前側にクランクシャフト47が車体幅方向に平行な軸線Cを有して配設され、後側にクラッチ機構163及び変速機164が配設される。そして、変速機164の上部にはスタータモータ107などの始動系部品が配設され、エンジン始動時にクランクシャフト47を回転できるようになっている。
クランクシャフト47、及びスタータモータ107の配置について、図3及び図4を参照し、さらに詳細に説明する。なお、図4は、図3のA−A線に沿った断面図である。
まず、クランクシャフト47は、クランクケース31に配設されており、ピストン51のコンロッド53(共に図2参照)を回転自在に連結するクランクピン54を車体幅方向に沿って有する。このエンジン15は直列四気筒型であるので、クランクシャフト47は四つのクランクピン54を備える。各クランクピン54は一対のクランクアーム169で支持される。各クランクアーム169には、クランクピン54と反対側の部位にカウンタウエイト169aが一体形成してある。クランクシャフト47の両端部及び各クランクアーム169間であって軸線C上に設けられる五箇所のジャーナル部170は、アッパーケース44及びロアケース45に設けられた軸受け171に回転自在に支持される。クランクシャフト47の左端には、発電機となるジェネレータが配設されると共に、ジェネレータカバー126で覆われる。クランクシャフト47の右端のジャーナル部170の外側には、ウォータポンプ55の駆動用スプロケット147と、カムシャフト85,86を回転させる駆動用スプロケット149とが、車幅方向内側からこの順番で固着される。さらに、駆動用スプロケット149よりも車幅方向外側には、多数の歯を有するクランクパルサプレート148が取り付けられており、不図示のセンサと協働することでクランクシャフト47の回転数を検出できるようになっている。
最右側のクランクピン54を支持する左側のクランクアーム169及びこれと一体成形されるカウンタウエイト169aの外周部にはプライマリドライブギヤ189が設けられ、このプライマリドライブギヤ189がクランクケース31の右側に配設されるクラッチ機構163のプライマリドリブンギヤ190に噛み合っている。クラッチ機構163は、プライマリドリブンギヤ190と、これと一体に回転するクラッチアウタ191と、クラッチアウタ191内に収容され、変速機164のメインシャフト192と一体に回転するクラッチセンタ193と、クラッチアウタ191側及びクラッチセンタ193側の複数の摩擦板191a・・・,193a・・・等を備える。
クラッチセンタ193には複数のクラッチスプリング194により付勢されたプレッシャプレート195が取り付けられ、このプレッシャプレート195により両摩擦板191a・・・,193a・・・が相互に圧接されてクラッチ機構163が動力伝達可能な状態となる。
スタータモータ107は、アッパーケース44の上部、かつクラッチ機構163よりも車幅方向内側に取り付けられ、円筒形状の本体の中心軸からバッテリからの給電により回転する回転シャフト108を延設させた構成を有する。回転シャフト108は、クランクシャフト47と平行に配置され、その先端がプライマリドリブンギヤ190に近接する。このスタータモータ107は、本体がエンジン15の中央付近に位置し、かつクラッチ機構163と側面視(図3参照)で一部重なるようにこれに近接する。
回転シャフト108はその外周を歯状に加工してあり、アイドルギヤ109の大径ギヤ109aと噛み合わされる。大径ギヤ109aはシャフト109bに固定されており、シャフト109bはスタータモータ107の回転シャフト108よりもアッパーケース44の上側に軸支される。シャフト109に関して大径ギヤ109aの配置位置よりもエンジン15の右側方には小径ギヤ109cを有する。小径ギヤ109cは、リダクションギヤ110の第一減速ギヤ111と噛み合う。リダクションギヤ110は、第一減速ギヤ111と、第一減速ギヤ111よりも小径の第二減速ギヤ112を有し、所定の変速比を実現している。第二減速ギヤ112は第一減速ギヤ111よりもエンジン15の右側方に配置され、両ギヤ111,112の間にスタータ用ワンウェイクラッチ113を介装してある。そして、第二減速ギヤ112は、プライマリドリブンギヤ190に噛み合っている。
なお、スタータ用ワンウェイクラッチ113は、オーバランニングクラッチとも呼ばれ、第一減速ギヤ111に固定されて円筒形状を有するインナ部材114と、インナ部材114の外周を覆うように配設されて円筒形状を有するアウタ部材115とを備え、インナ部材114とアウタ部材115との間にローラ116及びバネ(不図示)を介装してインナ部材114とアウタ部材115との連結を断続可能に構成される。インナ部材114はシャフト117に固定され、第一減速ギヤ111及びシャフト117と共に回転する。アウタ部材115は、インナ部材114及びシャフト117に対して相対回転が可能であり、その一端に第二減速ギヤ112が固定される。ローラ116はインナ部材114とアウタ部材115のそれぞれに当接してインナ部材114とアウタ部材115とを連結させる位置から、インナ部材114又はアウタ部材115の一方のみに当接してインナ部材114とアウタ部材115との連結を解除する位置との間を移動可能である。バネは、インナ部材114とアウタ部材115との係合を解除する方向にローラ116を付勢している。ここで、図3に示すように、シャフト117はクラッチ機構163の上部、かつスタータモータ107よりも前側の位置でクランクシャフト47と平行にアッパーケース44に取り付けてあるので、スタータ用ワンウェイクラッチ113は、クラッチ機構163の上部に位置する。
図4を参照して、インナ部材114が回転を開始すると、これに伴ってローラ116がバネの付勢力に抗して転動する。これにより、ローラ116を介してインナ部材114とアウタ部材115とが連結され、同じ方向に回転する。一方、アウタ部材115が反対方向に回転するか、アウタ部材115の回転数がインナ部材114の回転数よりも所定量だけ大きくなったときには、ローラ116がアウタ部材115及びバネに押し戻される。これにより、インナ部材114とアウタ部材115の連結が解除され、アウタ部材115がインナ部材114に対して空転する。なお、ローラ116の代わりにスプラグを使用しても良い。この場合はエンジン15の始動にはスプラグがインナ部材114の外周に対して立ち上がってインナ部材114とアウタ部材115とを連結させる。エンジン15の始動後に回転数が増大したときにはスプラグがインナ部材114の外周に沿うように寝てアウタ部材115がインナ部材114に対して空転する。
エンジン15の始動系部品であるスタータモータ107、アイドルギヤ109、リダクションギヤ110(スタータ用ワンウェイクラッチ113を含む)は、各シャフト108,109b,117が、クランクシャフト47及びプライマリドリブンギヤ190の回転中心(変速機164のメインシャフト192)よりも上部に位置し、前後方向においては各シャフト108,109b,117がクランクシャフト47とメインシャフト192との間に配置される。エンジン15の始動時には、スタータモータ107が駆動し、回転シャフト108の回転が上方にあるアイドルギヤ109を介して、さらに前方に配置されたリダクションギヤ110に伝達される。リダクションギヤ110では、第一減速ギヤ111の回転に伴ってインナ部材114が回転する。これに従ってローラ116が転動するとインナ部材114とアウタ部材115とが連結され、アウタ部材115がインナ部材114と共に回転する。これにより第二減速ギヤ112も回転し、所定の変速比で減速された回転が、リダクションギヤ110の下方、かつ後方に配置されたプライマリドリブンギヤ190に伝達される。プライマリドリブンギヤ190が回転すると、プライマリドライブギヤ189を介してクランクシャフト47が回転し始め、エンジン15が始動する。
一方、エンジン15の始動後は、クランクシャフト47の回転がプライマリドライブギヤ189からプライマリドリブンギヤ190に伝達され、クラッチ機構163を介してメインシャフト192が回転させられる。このとき、プライマリドリブンギヤ190と噛み合い状態にあるリダクションギヤ110の第二減速ギヤ112及びこれに連結されるアウタ部材115もプライマリドリブンギヤ190に連れ回される。スタータモータ107が停止している場合には、回転シャフト108に連動するインナ部材114と、プライマリドリブンギヤ190に連れ回されるアウタ部材115との間の回転数の差が大きくなり、インナ部材114とアウタ部材115の連結が解かれる。これにより、アウタ部材115が空転するので、クランクシャフト47の回転はスタータモータ107には伝達されなくなる。
なお、図3及び、図3のB−B線に沿った断面図である図5に示すように、変速機164は、軸線Cと平行に配されクランクケース31に回転自在に支持されるメインシャフト192、及び、図3に示すカウンタシャフト198(何れもスプライン軸)と、これら両シャフト192,198にそれぞれ設けられ、相互にスプライン嵌合する変速ギヤ群199と、変速ギヤ群199のうち、噛み合うギヤの制御を行うシフトドラム123及びシフトフォーク124を備える。メインシャフト192はクラッチ機構163と同軸配置され、メインシャフト192の右端部にクラッチ機構163のクラッチセンタ193が嵌合固定される。シフトフォーク124は、一端がシフトドラム123の外周に形成された溝に係合し、他端が変速ギヤ群199の特定のギヤに係合する。図8にはメインシャフト192側に係合するシフトフォーク124のみを図示してあるが、変速機164はカウンタシャフト198側に係合するシフトフォークも備える。変速段を切り換える際には、運転者の操作によりシフトドラム123が回転し、これに伴いシフトフォーク124がエンジン15の幅方向に摺動して、変速ギヤ群199を構成する特定のギヤを摺動させ、ギヤを噛み合わせたり、ギヤの噛み合いを解消させたりする。
エンジン15で発生した駆動力は、クランクシャフト47からプライマリドライブギヤ189、プライマリドリブンギヤ190、及びクラッチ機構163を介して変速機164のメインシャフト192に伝達される。さらに、変速ギヤ群199を介して所定の変速比でカウンタシャフト198(図3参照)に伝達され、カウンタシャフト198の左端部に固定されるドライブスプロケット27(図1参照)からドライブチェーン28を介して後輪7に伝達される。
一方、シフトドラム123が操作されると、クランクケース31の左側に配設されるクラッチレリーズ200が作動し、メインシャフト192内に挿通されるロッド197を介してプレッシャプレート195がクラッチスプリング194の付勢力に抗して移動させられる。これにより、両摩擦板191a・・・,193a・・・が離れてクラッチ機構163による動力伝達が切断される。
また、クランクケース31の前部であって車体幅方向中央部よりもやや左側の部位には二次バランサ185が配設される。この二次バランサ185はロアケース45の一部が前方に膨出して形成された収容部186内に収容される。図4に詳細を示すように、二次バランサ185は、収容部186に軸支されるバランサシャフト210の外周にスラストワッシャ211,212でバランサウエイト213を固定した構成を有し、バランサウエイト213の一端にはダンパーラバー214を介してバランサドリブンギヤ215が取り付けられる。このバランサドリブンギヤ215は、クランクシャフト47に形成されたバランサドライブギヤ187と噛み合う。なお、バランサドライブギヤ187は、左側から二番目のクランクピン54を支持するクランクアーム169に一体成形されたカウンタウエイト169aの外周部分に形成される。
符号172,173,174,175,176,177はエンジンオイルLの経路を示している。油溝172は、各軸受け171におけるジャーナル部170の周面を支持する受け面に軸線C方向略中央に形成される。メインオイルギャラリ173は、ロアケース45にクランクシャフト47の両端近傍に渡って車体幅方向に形成される。オイル経路174は、メインオイルギャラリ173と各軸受け171の油溝172とを連通させており、このオイル経路174及び油溝172を介してメインオイルギャラリ173から各軸受け171にエンジンオイルLが供給される。油孔175は、最右側を除く四箇所のジャーナル部170において軸受け171の油溝172に対向する部位をその径方向で貫通している。油孔176は、クランクピン54の軸方向の略中央部分を径方向で貫通している。連通油孔177は、クランクシャフト47内に穿設されており、油孔175と油孔176とを連通させる。この油孔175、連通油孔177、及び油孔176を介して油溝172に供給されたエンジンオイルLの一部が各クランクピン54の周面に供給される。なお、クランクアーム169に形成される連通油孔177の開口は鋼球等が圧入され閉塞される。
図3に示す変速機164のメインシャフト192及びカウンタシャフト198は何れも中空体からなり、その中空部をエンジンオイルLが流通して油孔等から各摺動面、変速ギヤ群199(図5参照)、及びクラッチ機構163等にエンジンオイルLが供給される。同様に、図2に示す各カムシャフト85,86も中空体からなり、その中空部をエンジンオイルLが流通して油孔等から各摺動面にエンジンオイルLが供給される。
図4に示すように、実施形態によれば、重量物であるスタータモータ107がエンジン15の幅方向の中央に配置されるので、エンジン15の重量中心が幅方向の中央付近になる。さらに、スタータモータ107がエンジン15の前後方向において中央付近に配置されるので、エンジン15の重量中心が前後方向の中央付近になる。このことから、エンジン15の重量中心を車体の中心に近づけることができ、車両の運動性能を向上できる。
また、スタータ用ワンウェイクラッチ113をリダクションギヤ110に設けたので、同様のワンウェイクラッチをクランクシャフト47に設けた場合に比べてクランクシャフト47の軸長さを短くすることができる。したがって、エンジン15の左右方向の幅を小さくすることができ、車両の旋回性能が高くなる。ここで、スタータモータ107をクラッチ機構163の近傍のスペースに配置したので、エンジン15の空きスペースを有効に利用することができるし、スタータモータ107とクランクシャフト47とを繋ぐギヤ列をコンパクトに配設することが可能になり、エンジン15の小型化が図れる。このように、始動系部品をエンジン15の中央寄りに配置することで、シリンダブロック43や変速機164などの周辺の部品により始動系部品が保護されることになる。
この発明は上記実施の形態に限られるものではなく、例えば、車体幅方向に並ぶ複数の気筒を有するエンジンであれば直列四気筒型でなくても良く、並列型のエンジンでも良い。さらに、自動二輪車に限らず、三輪及び四輪の車両、又は船舶などの乗り物にも適用可能である。
また、リダクションギヤ110とスタータ用ワンウェイクラッチ113とは別体で構成しても良い。
本発明の実施形態における二輪車の側面図である。 エンジンの左側面図である。 エンジンの右側面図である。 図3のA−A線に沿う断面図である。 図3のB−B線に沿う断面図である。
符号の説明
15 エンジン
31 クランクケース
47 クランクシャフト
107 スタータモータ
109 アイドルギヤ
110 リダクションギヤ(減速ギヤ)
113 スタータ用ワンウェイクラッチ(ワンウェイクラッチ)
163 クラッチ機構
192 メインシャフト(シャフト)
198 カウンタシャフト(シャフト)

Claims (2)

  1. クランクケースに減速ギヤを介してクランクシャフトを回転させるスタータモータを備えた内燃機関において、
    前記クランクシャフトの回転を後方のシャフトに接続するクラッチ機構を側方に設け、前記クラッチ機構の上部に前記スタータモータの回転と前記クランクシャフトの回転とを断続させるワンウェイクラッチを配置すると共に、前記スタータモータを前記クラッチ機構の近傍に配置したことを特徴とするスタータモータを備えた内燃機関。
  2. 前記スタータ用ワンウェイクラッチと前記スタータモータとの間に、アイドルギヤを配置したことを特徴とする請求項1に記載のスタータモータを備えた内燃機関。

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