JP2001106157A - パワーユニットが搭載された自動2輪車 - Google Patents

パワーユニットが搭載された自動2輪車

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JP2001106157A
JP2001106157A JP29104499A JP29104499A JP2001106157A JP 2001106157 A JP2001106157 A JP 2001106157A JP 29104499 A JP29104499 A JP 29104499A JP 29104499 A JP29104499 A JP 29104499A JP 2001106157 A JP2001106157 A JP 2001106157A
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Japan
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motorcycle
transmission
clutch
shaft
power unit
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JP29104499A
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Inventor
Atsushi Ogasawara
敦 小笠原
Kaoru Wakechigai
薫 輪違
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Honda Motor Co Ltd
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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パワーユニットの近傍に設けられた自動2輪
車の付属装置が、跳ね上げられた小石等の衝突や路面上
の障害物との接触を受け難くすると共に、バンク角を深
くとることができるパワーユニットの動力伝達ケースお
よび付属装置の配置構造を提供する。 【解決手段】 自動2輪車1には、内燃機関30と、車体
中心の左方側に配置された変速機101と、変速機101を収
容する動力伝達ケースとしての変速機ケース102とを備
えたパワーユニット7が搭載される。変速機101の出力
軸109は後輪6の車軸28よりも上方に配置され、自動2
輪車1の付属装置であるメインスタンド29や始動電動機
99が、変速機ケース102の真下であって内燃機関30のク
ランクケースの最下面よりも上方に配置される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本出願発明は、内燃機関と動
力伝達機構とが一体となったパワーユニットが搭載され
た自動2輪車に関し、さらに詳細には、パワーユニット
の動力伝達機構を収容する動力伝達ケースの近傍に設け
られる自動2輪車の付属装置の配置構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、内燃機関と該内燃機関の動力を後
輪に伝達する動力伝達機構とが一体となったパワーユニ
ットが搭載された自動2輪車として、例えば特開昭60
−92929号公報に開示されたものがある。この自動
2輪車において、内燃機関のクランク軸の軸線は車体の
前後方向を指向しており、該クランク軸と動力伝達機構
の出力軸とは略一直線上に配置されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この従来の
自動2輪車では、前記出力軸は後輪の車軸と略同じ高さ
に配置されているため、動力伝達機構を収容するケース
の下面は、車軸よりもさらに路面に近接した位置を占め
ている。そのため、該ケースの周辺に自動2輪車に設け
られる付属装置を配置しようとする場合、付属装置をケ
ースの下方に配置すると、走行中に跳ね上げられた小石
等の衝突や路面上の障害物との接触を受け易くなり、ま
たケースの左右の側方に配置すると、付属装置が比較的
路面に近い位置で左右方向に張り出すことになるため、
バンク角を深くとることができない難点があった。
【0004】本出願発明は、このような事情に鑑みてな
されたものであって、パワーユニットが搭載された自動
2輪車において、パワーユニットの近傍に設けられた自
動2輪車の付属装置が、跳ね上げられた小石等の衝突や
路面上の障害物との接触を受け難くすると共に、バンク
角を深くとることができるパワーユニットの動力伝達ケ
ースおよび付属装置の配置構造を提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段および発明の効果】本出願
の請求項1記載の発明は、内燃機関と、車体中心の左右
側の一方側に配置されて該内燃機関の動力を後輪に伝達
するための動力伝達機構と、該動力伝達機構を収容する
動力伝達ケースとを備えたパワーユニットが搭載された
自動2輪車において、前記動力伝達機構の出力軸は後輪
の車軸よりも上方に配置され、前記自動2輪車の付属装
置が、前記動力伝達ケースの真下であって前記内燃機関
のクランクケースの最下面よりも上方に配置されたパワ
ーユニットが搭載された自動2輪車である。
【0006】この請求項1記載の発明によれば、動力伝
達機構の出力軸が後輪の車軸よりも上方に配置されてい
ることに伴って、動力伝達ケースの下面も、前記従来技
術のものに比べて、路面から高い位置に設けることがで
きる。そのため、動力伝達ケースの真下であって内燃機
関のクランクケースの最下面よりも上方には、上下方向
に大きな距離を有する空間が形成される。
【0007】そして、この空間に自動2輪車の付属装置
が配置されるので、付属装置は路面から高い位置を占め
ることができる。その結果、付属装置は、走行中に跳ね
上げられた小石等の衝突や路面上の障害物との接触を受
け難くなり、付属装置を保護することができる。
【0008】さらに、付属装置が車体の左右方向へ張り
出す場合にも、付属装置が高い位置を占めることによ
り、付属装置が低い位置にある場合と比べ、車両は深い
バンク角をとることができる。
【0009】請求項2記載の発明は、請求項1記載のパ
ワーユニットが搭載された自動2輪車において、前記付
属装置は車体に回動自在に取り付けられた車体保持用の
スタンドであり、収納位置にある該スタンドの一部が前
記動力伝達ケースの真下であって前記最下面よりも上方
に配置されたものである。
【0010】この請求項2記載の発明によれば、動力伝
達ケースの真下であってクランクケースの最下面よりも
上方に形成される空間を利用して、スタンドを収納位置
に収納できるので、スタンドを路面から高い位置に配置
することができる。その結果、スタンドの脚を長くする
ことができて、車両駐車時に、スタンドを収納位置から
駐車位置に回動させるために要する力が小さくなり、そ
の操作が容易になる。その上、収納位置にあるときは、
長い脚を有するにも拘わらず、前記空間を利用してスタ
ンドをコンパクトに収納できる。
【0011】請求項3記載の発明は、請求項1記載のパ
ワーユニットが搭載された自動2輪車において、前記付
属装置は電動機であるものである。
【0012】この請求項3記載の発明によれば、電動機
を路面から高い位置に配置することができるため、電動
機は小石等の衝突や路面上の障害物との接触を受け難く
なるばかりか、走行中に跳ね上げられた泥水等の水分が
電動機に付着することも少なくなるので、電動機の耐久
性が向上する。
【0013】請求項4記載の発明は、請求項3記載のパ
ワーユニットが搭載された自動2輪車において、前記電
動機の真下に、収納位置にある車体保持用のスタンドの
一部が配置されたものである。
【0014】この請求項4記載の発明によれば、電動機
の真下に位置するスタンドにより、走行中に跳ね上げら
れた小石等が電動機に衝突したり、電動機が路面上の障
害物と接触したりすることがより少なくなり、電動機の
保護がより厚くなされる。そのうえ、自動2輪車の既存
の付属装置であるスタンドを利用しているため、石等の
衝突や障害物との接触を抑制するために新たな部材を設
ける必要がなく、低コストでそれら効果を実現できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本出願発明の一実施形態を
図1ないし図3を参照して説明する。図1は、本出願発
明のパワーユニットが搭載されたスクータ型の自動2輪
車の左側面図、図2は、図1のII−II線でクランク
ケース、シリンダおよびシリンダヘッドの要部概略断面
図、図3は、図2のIII−III線断面図である。
【0016】なお、この明細書において、「上下」、
「前後」および「左右」は、車体における上下、前後お
よび左右をそれぞれ意味する。また、「車体中心」と
は、自動2輪車に装着された車輪の左右方向の中央位置
を通る鉛直面を意味する。
【0017】図1を参照すると、自動2輪車1は、ボル
ト2により連結されたフロントフレーム3およびリヤフ
レーム4からなるメインフレームを有する。フロントフ
レーム3の前部には、前輪5を懸架するフロントサスペ
ンション機構および前輪5を操舵するステアリング機構
が設けられ、リヤフレーム4の前部の背後であってリヤ
フレーム4の下方には駆動輪である後輪6を駆動するパ
ワーユニット7が設けられ、リヤフレーム4の後部には
後輪6を懸架するリヤサスペンション機構が設けられ、
リヤフレーム4の上方にシート8が設けられている。
【0018】自動2輪車1には、さらに前方から後方に
順に、フロントフェンダ9、フロントカバー10、ステッ
プフロア11、フレームボディカバー12およびリヤフェン
ダ13が取り付けられ、さらにステップフロア11には左右
一対のサイドカバー14が設けられている。シート8の下
方のフレームボディカバー12内には、ヘルメット等を収
納する収納ボックス15が設けられている。
【0019】フロントサスペンション機構は、前輪5の
右方に位置して、フロントフレーム3の前下端部の支軸
に上下方向に揺動自在に支持されたスイングアーム16
と、一端部がスイングアーム16に枢着され、他端部がフ
ロントフレーム3に枢着された緩衝装置17とを備えてい
る。スイングアーム16の前端部には、キングピン18を介
して車軸ホルダ19が左右方向に揺動自在に取り付けら
れ、さらに車軸ホルダ19に取り付けられた車軸20に前輪
5が回転自在に支持されている。
【0020】ステアリング機構は、フロントフレーム3
の上端部に取り付けられたヘッドパイプ21に回動自在に
支持されたハンドルポスト22と、ハンドルポスト22の下
端部に取り付けられたステアリングアーム23と、一端部
がステアリングアーム23に枢着され、他端部が車軸ホル
ダ19のアーム19aに枢着されたリンク24とを備えてい
る。このように、ステアリング機構とフロントサスペン
ション機構とが相互に独立した機構となるようにして、
操縦性の向上を図っている。
【0021】パワーユニット7の前部は、左右一対のリ
ヤフレーム4にそれぞれ取り付けられたブラケット25の
ハンガ孔26と、後述する内燃機関30の下クランクケース
42Lの前端部およびシリンダヘッド43の前端部にそれぞ
れ設けられた管ブッシュ46(図2参照)とに、それぞれ
挿入された一対のハンガボルトにより、リヤフレーム4
に揺動自在に支持されている。一方、パワーユニット7
の後部は、左側のリヤフレーム4の後部に緩衝装置27を
介して取り付けられている。これによって、パワーユニ
ット7は、走行時に路面の起伏に応じて上下に揺動でき
るようになっている。
【0022】パワーユニット7は、内燃機関30と、動力
伝達機構としての遊星ギヤ式変速機101および最終減速
装置120を備えた動力伝達装置100とを備えている。内燃
機関30は、4サイクル単気筒の頭上弁式内燃機関であ
り、フレームボディカバー12の内方に配置されたエアク
リーナ32から延びる可撓性の空気導入管33が、後輪6の
右方に配置されたスロットルボディ34の上流端部に接続
されている。スロットルボディ34の下流端部にはシリン
ダヘッド43の吸気ポート51(図2参照)に接続された吸
気管35が接続されており、吸気管35には燃料噴射弁36が
取り付けられている。この燃料噴射弁36には、ステップ
フロア11の下方に配置された燃料タンク37から燃料が供
給される。また、後輪6の右方には、シリンダヘッド43
の排気ポートに接続された排気管38が接続された排気マ
フラ39が配置されている。さらに、クランクケース42の
前端部に装着されたファンカバー40内に配置された冷却
ファン64(図3参照)からの冷却風が当てられるラジエ
ータ41が、クランクケース42の上方に配置されている。
また、自動2輪車1の付属装置である始動電動機99が後
述する変速機ケース102の前部102aに取り付けられてい
る。
【0023】動力伝達装置100の変速機101の出力は、出
力軸109、さらに出力ギヤ117およびギヤ122からなる減
速歯車機構を介して最終減速装置120のドライブ軸121に
伝達され、さらにベベルギヤからなる減速歯車機構を経
て後輪6の車軸28に伝達されて、後輪6が駆動される。
そして、この出力軸109は、図1に図示されるように、
ドライブ軸121および後輪6の車軸28よりも上方に配置
されている。
【0024】また、内燃機関30の前方に位置するリヤフ
レーム4の前部の下部には、ブラケットが固着され、該
ブランケットに、車両駐車時に後輪6を地面から浮かし
て車体を保持するためのメインスタンド29が回動自在に
取り付けられている。自動2輪車1の付属装置である車
体保持用のメインスタンド29は、前記ブラケットに枢支
される枢支部29aと、枢支部29aに基端部が固着された左
側および右側脚部29b,29cと、左側脚部29bの下端寄り
の位置に取り付けられたトレッドバー29dとを備えてい
る。さらに、左側および右側脚部29b,29cの下端に左側
および右側接地片29e,29fがそれぞれ固着され、トレッ
ドバー29dの先端には踏面29gが設けられている。そし
て、メインスタンド29は、駐車位置(図1の二点差線の
位置)と収納位置(図1の実線の位置)との間で回動さ
れる。
【0025】図2および図3を併せて参照して、パワー
ユニット7を中心に説明する。内燃機関30は、クランク
ケース42、シリンダヘッド43およびシリンダヘッドカバ
ー44からなる機関本体を有し、この機関本体は図3に図
示されるように、後輪6の前方近傍に位置している。ク
ランクケース42は、内燃機関30のクランク軸31の軸線C1
を含むとともに、水平面に対して傾斜した割り面Aによ
り上下のクランクケース42U,42Lに二分割されてお
り、下クランクケース42Lにおける割り面Aは、車体の
右上方を向くようにされている。上クランクケース42U
の右上部には、クランク軸31の軸線C1に対して車体の右
上方に傾斜した軸線C2を有するシリンダ45が一体成形さ
れていて、このシリンダ45の右上方を向いている取付面
Bに、シリンダヘッド43が組み付けられている。
【0026】また、両クランクケース42U,42Lは、ク
ランク軸31の動力を後輪6に伝達するの変速機101を収
容する動力伝達ケースとしての変速機ケース102のう
ち、変速機101の前部を覆うその前部102aを兼ねてい
る。さらに、下クランクケース42Lの前端部外面には、
リヤフレーム4のブラケット25にパワーユニット7を支
持するハンガボルトが挿通される管ブッシュ46が設けら
れている。この管ブッシュ46は、下クランクケース42L
に一体成形された円筒部46aと、その外周面が円筒部46a
の内周面に固着された円筒状のゴム等からなる弾性部材
46bと、その外周面が弾性部材46bの内周面に固着される
とともに内側をハンガボルトが通る金属製の挿通管46c
とから構成される。そして、同一構造の管ブッシュ46
が、シリンダヘッド43にも設けられている。
【0027】クランク軸31は、その軸線C1が車体の前後
方向を指向していて、いわゆる縦置き配置とされて、ク
ランクケース42に一対の主軸受49,50を介して支持され
ている。各主軸受49,50は、両クランクケース42U,42
Lの割り面Aにそれぞれ形成された半円柱状の凹溝に保
持されており、クランク軸31の軸線C1が割り面A上に
位置するようにされている。
【0028】そして、シリンダ45のシリンダボアに摺動
自在に嵌合されたピストン47のピストンピンに小端部が
枢着され、大端部がクランク軸31のクランクピンに枢着
されたコンロッド48を介して、往復動するピストン47に
よりクランク軸31が回転駆動される。
【0029】ここで、割り面A、取付面Bおよびシリン
ダ45の軸線C2の関係についてさらに詳細に説明する。ク
ランク軸31の軸線C1と直交しかつシリンダ45の軸線C2を
含んだ基準平面において、割り面Aと前記基準平面との
交線と、クランク軸31の軸線C1と前記基準平面との交点
から上方に延びる鉛直な半直線である基準鉛直線とがな
す角度αは鋭角とされている。また、シリンダ45の軸線
C2と前記基準鉛直線とがなす角度βもやはり鋭角となっ
ていて、両角度α、βは略等しくされている。また、取
付面Bと前記基準平面との交線の延長線と前記基準鉛直
線とがなす角度であって角度αの同位角となる角度γ
は、角度αより小さくされている。したがって、割り面
Aと前記基準平面との交線、取付面Bと前記基準平面と
の交線およびシリンダ45の軸線C2が、車体中心C0と前記
基準平面との交線との間で形成する角度も、それぞれ角
度α、角度βおよび角度γとなっている。なお、これら
角度α、β、γの値は、設定すべき車体のバンク角の大
きさ等を考慮して、適宜設定されるものである。
【0030】この結果、右下から左上に傾斜している割
り面Aおよび取付面Bに関して、取付面Bは割り面Aよ
りも水平面に対して大きな角度で傾斜している。そし
て、割り面Aを含む平面と取付面Bを含む平面とは、シ
リンダ45の下方で交差する。
【0031】シリンダヘッド43には、吸気ポート51およ
び排気ポート(図示されず)のほかに、複動型のピスト
ン式過給機98の吐出空気導管が接続される過給ポート52
が形成されていて、これらポートはシリンダヘッド43の
下面に形成された燃焼室53に連通している。燃焼室53に
は、燃料噴射弁36から吸気ポート51に向けて噴射された
燃料と空気との混合気が供給される。そして、その混合
気に点火するための点火栓54が、燃焼室53に臨んでシリ
ンダヘッド43に取り付けられている。
【0032】また、シリンダヘッド43および上クランク
ケース42Uのそれぞれの後端部には、取付面Bにそれぞ
れ形成された半円柱状の凹溝により形成される支持孔57
が設けられ、該支持孔57に過給機98の過給シリンダ98a
に形成された円筒状の支持部が嵌合されて支持されてい
る。
【0033】さらに、その軸線C3が車体の前後方向を指
向して配置された単一のカム軸56が、シリンダヘッド43
に取り付けられた一対のカムホルダ58,59によりそれぞ
れ固定された一対の軸受60,61を介して、シリンダヘッ
ド43に回転自在に支持されている(図3参照)。カム軸
56の軸線C3は、軸線C3を含みかつシリンダ45の軸線C2と
直交する平面でもある取付面B上に位置しており、カム
軸56自体は、シリンダ45からオフセットして、すなわち
カム軸56の軸線C3がシリンダ45と交差することがないよ
うに、シリンダ45の側方に配置されている。
【0034】図3に図示されるように、クランク軸31の
前側の主軸受49よりも前方に位置する前端部には交流発
電機62が設けられていて、交流発電機62のロータ62aは
クランク軸31の前端部のナット63によりクランク軸31に
固定されている。また、交流発電機62のロータ62aに
は、ラジエータ41に冷却用の空気を送る冷却ファン64が
ボルトにより取り付けられている。
【0035】一方、クランク軸31の後側の主軸受50より
後方には、後方に向かって順に第1駆動ギヤ65および第
2駆動ギヤ66がクランク軸31と一体に回転するようにそ
れぞれ取り付けられている。また、クランク軸31の後端
面には、クランク軸31と同軸の嵌合穴が形成され、該嵌
合穴内に中空のオイルポンプ67の駆動軸67aが嵌合され
て、クランク軸31と一体に回転するようになっている。
【0036】下クランクケース42Lの底部に溜められた
オイルは、変速機ケース102の後部102bに形成された吸
入通路68を経てオイルポンプ67に吸引され、オイルポン
プ67から吐出されたオイルは、クランクケース42および
変速機ケース102に設けられた油路および油管を通って
カム軸56、変速機101のセンタ軸103や各軸受にそれぞれ
供給される。また、クランク軸31の両主軸受49,50およ
びクランクピンとコンロッド48の大端部との摺動部に
は、オイルポンプ67の駆動軸67aの内部を通って、吐出
されたオイルが供給される。
【0037】第1駆動ギヤ65は、アイドラ軸69と一体に
回転するように取り付けられた大ギヤ70と噛合する。こ
のアイドラ軸69は後述するようにバランサ軸ともなって
いるため、クランク軸31と等しい回転数で回転するよう
に、大ギヤ70の歯数は第1駆動ギヤ65の歯数と等しくさ
れている。また、カム軸56を回転駆動するために、カム
軸56と一体に回転するように設けられたカムギヤ72と噛
合する小ギヤ71が、大ギヤ70に一体に設けられている。
そして、これら一連のギヤ列65,70,71,72により、カ
ム軸56はクランク軸31の2回転毎に1回転する。
【0038】カムギヤ72は過給機98の過給クランク軸98
bにスプライン結合されている。カム軸56には、後述す
るカムと各ロッカアームとの摺動部にオイルを供給する
油路となる中空部が形成されている。そして、中空部の
前端部から潤滑油が導入される一方、中空部の過給機98
側である後端部には過給クランク軸98bの延長部がスプ
ライン結合されている。これによって、カム軸56と過給
クランク軸98bとは、同軸の状態で一体に回転し、過給
クランク軸98bの回転により、過給ピストン98cが過給シ
リンダ98a内で往復動される。
【0039】動弁装置は、以下に説明するカム、カムフ
ォロア、プルロッド、プッシュロッド、ロッカアームを
備えている。図2に図示されるように、カム軸56には、
三つの機関弁である吸気弁73、排気弁(図示されず)お
よび過給弁74をそれぞれ開弁駆動するための吸気カム7
5、排気カム76および両カム75,76の間に位置する過給
カム77が、カム軸56の軸線C3方向に間隔をおいて設けら
れている。
【0040】吸気カム75、排気カム76および過給カム77
にそれぞれ当接する吸気カムフォロア78、排気カムフォ
ロアおよびそれらカムフォロアの間に位置する過給カム
フォロア79は支持軸80に対して揺動自在に支持されてい
る。そして、この支持軸80は、カム軸56の軸線C3と平行
な軸線を有し、かつ取付面Bにおいて、シリンダ31の軸
線C1に関してカム軸56よりも離れた位置であってカム軸
56の下方に位置している。
【0041】さらに、吸気カムフォロア78の先端部には
吸気プルロッド81の一端が係合し、排気カムフォロア
も、吸気カムフォロア78と同様に、その先端部には排気
プルロッド(図示されず)の一端が係合する。一方、過
給カムフォロア79の先端部にはプッシュロッド82が当接
する。
【0042】さらに、吸気ロッカアーム83、排気ロッカ
アーム(図示されず)および過給ロッカアーム84は、シ
リンダヘッド43に揺動自在に設けられていて、吸気弁7
3、排気弁および過給弁74にそれぞれ当接可能とされて
いる。
【0043】このような動弁装置により、吸気弁73は、
吸気カム75に当接して揺動される吸気カムフォロア78に
より引き下げられる吸気プルロッド81で揺動される吸気
ロッカアーム83により、弁バネ85のバネ力に抗して開弁
駆動される。
【0044】吸気弁73と同様に排気弁も、排気カム76に
当接して揺動される排気カムフォロア79により引き下げ
られる排気プルロッドで揺動される排気ロッカアームに
より、弁バネ(図示されず)のバネ力に抗して開弁駆動
される。
【0045】さらに、過給弁74は、過給カム77に当接し
て揺動される過給カムフォロア79により押し上げられる
プッシュロッド82で揺動される過給ロッカアーム84によ
り、弁バネ86のバネ力に抗して開弁駆動される。そし
て、過給弁74は、吸気弁73および排気弁のそれぞれのリ
フト量よりも小さなリフト量で、内燃機関30が圧縮行程
にあるときに開弁される。
【0046】なお、シリンダヘッド43には、カム軸56の
前端部に固定された回転板によりカム軸56の回転位置を
検出する回転位置センサ87が取り付けられており、該セ
ンサ87により燃料噴射時期制御に必要な機関行程状態の
検出が行われる。
【0047】ところで、その軸線C4が車体の前後方向
を指向して配置されたアイドラ軸69は、円筒状に形成さ
れていて、大円筒部69aと小円筒部69bとを備えている。
大円筒部69aおよび小円筒部69bは、両クランクケース42
U,42Lにより保持された一対の軸受88,89によりそれ
ぞれ回転自在に支持されている。各軸受88,89は、クラ
ンク軸31の主軸受49,50と同様に、両クランクケース42
U,42Lの割り面Aにそれぞれ形成された半円柱状の凹
溝に保持されており、アイドラ軸69の軸線C4が、割り面
A上に位置するようにされている。
【0048】そして、大円筒部69aの内側には、大円筒
部69aの内周面から径方向の間隙を置いて、冷却水ポン
プ90のハウジング90aが収容されている。ハウジング90a
には冷却水ポンプ90のカバー90bが液密に取り付けられ
ていて、カバー90bにはラジエータ41の出口側タンクか
らの導水管91が接続されている。また、シリンダ45に
は、冷却水ポンプ90の吐出部と連通し、シリンダボアを
囲んで形成された冷却水ジャケットに連通する吐出孔92
(図2参照)が形成されている。
【0049】ハウジング90aおよびカバー90bにより形成
されたポンプ室内には、ポンプ室内を軸方向に延びて、
一端がカバー90bの頂部に、他端がハウジング90aの底部
にそれぞれ回転自在に支持された回転軸90cが設けられ
る。冷却水ポンプ90は、回転軸90cに一体に取り付けら
れたインペラ90dを備えていて、該インペラ90dの軸部の
周方向には永久磁石90eが取り付けられている。アイド
ラ軸69の大円筒部69aの内周面とハウジング90aとの前記
間隙において、大円筒部69aの内周面には、ハウジング9
0aとの間に微小な間隙を置いた状態で、周方向に永久磁
石90fが取り付けられており、インペラ90dの軸部の永久
磁石90eとの間で磁気カップリングを形成している。
【0050】また、ラジエータ41は、上クランクケース
42Uとシリンダヘッド43とで形成されたV字の間に配置
されて、その左右の両端が、上クランクケース42Uおよ
びシリンダヘッド43にそれぞれ固定されている。
【0051】したがって、アイドラ軸69が回転すると、
この磁気カップリングを介してインペラ90dが回転し、
導水管91を経てポンプ室に流入した冷却水は、インペラ
90dにより高圧とされて、吐出孔92を経て冷却水ジャケ
ットに圧送される。
【0052】シリンダ45およびシリンダヘッド43の高温
部を冷却し終えた冷却水は、図2に図示されるように、
シリンダヘッド43の冷却水出口からサーモスタット93を
介してラジエータ41の入口側タンクに流入する。このよ
うに、上クランクケース42Uとシリンダヘッド43とで形
成されるV字の空間を利用して、ここにラジエータ41を
コンパクトに配置することができ、パワーユニット7の
小型化が可能となる。
【0053】さらに、アイドラ軸69の大円筒部69aの外
周面には、一部に開口が設けられた円筒状のウエイト94
が取り付けられていて、バランスウエイトを備えたクラ
ンク軸31の回転により発生する振動と、ピストン47およ
びコンロッド48の往復動により発生する振動とを抑制す
るバランサを形成するようにしている。
【0054】したがって、アイドラ軸69は、冷却水ポン
プ90を駆動する駆動軸であるとともに、前述のようにバ
ランサ軸ともなっている。このように、カム軸56を駆動
する駆動機構に設けられたアイドラ軸69を、同軸の2軸
式の回転軸とすることにより、冷却水ポンプ90の駆動軸
およびバランサ軸としても機能させることができる。そ
の結果、アイドラ軸とは別に、それら機能を有する回転
軸を設ける場合に比べてコストを削減できる。
【0055】ところで、カム軸56およびアイドラ軸69
は、シリンダ45の軸線C2に関して、割り面Aを含む平面
と取付面Bを含む平面とが交差する側、すなわち割り面
Aと取付面Bとが相互に接近する側に配置されている。
そのため、割り面Aに支持されたアイドラ軸69および取
付面Bに支持されたカム軸56を相互に近接させて配置す
ることができて、アイドラ軸69とカム軸56との間に別の
中間軸を介在させることなく、また小ギヤ71およびカム
ギヤ72を大きくすることなく、両軸56,69を直接小ギヤ
71およびカムギヤ72により結合することができる。その
結果、内燃機関のシリンダ45の軸線C2方向の長さ抑える
ことが可能となって、内燃機関30の左方向への張出し寸
法が小さくなり、パワーユニット7が小型になる。
【0056】さらに、シリンダ45の前記交差する側の割
り面Aと取付面Bに挟まれた狭いスペースに、カム軸56
と複数の機能を有する同軸の2軸式の回転軸であるアイ
ドラ軸69が集中して配置されるため、その反対側のシリ
ンダ45の側面に、回転軸がない広いスペースを形成する
ことができ、そのスペースに周辺部品を配置することが
できる。
【0057】次に、動力伝達装置100について説明す
る。動力伝達装置100の構成要素である遊星ギヤ式変速
機101は、センタ軸103、入力ギヤ104、発進クラッチ10
5、2速用、3速用および4速用の各変速クラッチ106,
107,108、および出力軸109を備えている。
【0058】車体の前後方向を指向して配置され、かつ
出力軸109と同軸であることから後輪6の車軸28よりも
上方に位置するセンタ軸103は、その前方端部が、上お
よび下クランクケース42U,42Lの割り面Aにおいて、
両クランクケース42U,42Lの前方端部内面にそれぞれ
形成された有底の半円柱状の凹溝に嵌合され、その後方
端部が、変速機ケース102の後端面に組み付けられた最
終減速装置120のケースの支持孔に挿入されて支持され
ている。そして、最終減速装置120のケースに取り付け
られた軸端を覆う回り止め部材110により、センタ軸103
は回転不能とされている。そして、変速機101は、図3
に図示されるように後輪6の左側方に配置される。
【0059】したがって、センタ軸103の軸線C5は、割
り面A上に位置していて、車体中心C0の近傍に配置され
ているクランク軸31の軸線C1に対して左斜め上方におい
て車体の前後方向に延びている。その結果、センタ軸10
3と同軸の出力軸109、そして変速機101もクランク軸31
の軸線C1に対して左斜め上方に配置されることになる。
【0060】それゆえ、出力軸109が後輪6の車軸28よ
りも上方に配置され、出力軸109および変速機101がクラ
ンク軸31の軸線C1に対して左斜め上方に配置されること
に対応して、下クランクケース42Lの下面は、車体中心
C0の左右両側に所定幅に渡って形成された略水平な面で
あって、クランクケース42の最も下方に位置する最下面
Dを有すると共に、車体中心C0の左側で、最下面Dの左
端から左斜め上方に延びる傾斜面Eを有している。そし
て、下クランクケース42Lの変速機ケース102の前部102
aに形成されている傾斜面Eに、前述のように始動電動
機99がボルト結合されている。
【0061】図2に図示されるように、始動電動機99
は、その略全体が、変速機ケース102の前部102aの最左
端(したがって、下クランクケース42Lの最左端でもあ
る)およびクランクケース42の後端面に組み付けられる
変速機ケース102の後部102bの最左端よりも車体中心C0
寄りにあるため、変速機ケース102の真下、すなわち変
速機ケース102の上方からの投影により投影面に形成さ
れる変速機ケース102の投影形状の範囲内において、し
かも下クランクケース42Lの最下面Dよりも上方に配置
されている。
【0062】さらに、始動電動機99の真下、すなわち始
動電動機99の上方からの投影により投影面に形成される
始動電動機99の投影形状の範囲内には、収納位置にある
メインスタンド29のトレッドバー29dの一部が配置され
ている。同時に、このトレッドバー29dの一部は、変速
機ケース102の真下であって下クランクケース42Lの最
下面Dよりも上方に形成される空間に配置されている。
また、メインスタンド29の枢支部29aは最下面Dより上
方に位置しており、左側脚部29bおよび左側接地片29eは
変速機ケース102の真下に位置している一方で、メイン
スタンド29が収納位置にある状態で、トレッドバー29d
の先端部および踏面29gは、始動電動機99の真横にあた
る左側方において、始動電動機99の高さよりも高い位置
まで延びている。また、右側脚部29cおよび右側接地片2
9fは下クランクケース42Lの下方に位置している。
【0063】以下、変速機101の動作を中心に説明す
る。クランク軸31の第2駆動ギヤ66は、センタ軸103に
回転自在とされたフランジ付きボス111の軸方向の中央
部に設けられたフランジに取り付けられた入力ギヤ104
に噛合している。フランジ付きボス111の後部は、発進
クラッチ105のクラッチインナ105aと一体的に回転する
ように結合され、またその前部には、始動電動機99の減
速機構を構成するアイドラ軸の小ギヤ114と噛合する始
動ドリブンギヤ115が一方向クラッチ116を介して取り付
けられている。そして、始動時は、始動電動機99の回転
が、ピニオン112、アイドラ軸の大ギヤ113、アイドラ軸
の小ギヤ114、始動ドリブンギヤ115、一方向クラッチ11
6、入力ギヤ104および第2駆動ギヤ66を経てクランク軸
31に伝達される。
【0064】発進クラッチ105は、センタ軸103と同軸に
設けられ、クラッチインナ105a、アウタクラッチ105bお
よび遠心ウエイト105cを有していて、クラッチインナ10
5aが所定回転数に達したとき遠心ウエイト105cの作動に
より、クラッチインナ105aとアウタクラッチ105bとが接
続されて両者が一体に回転することで、発進クラッチ10
5は完全な接続状態となる。
【0065】また、各変速クラッチ106,107,108は、
遊星ギヤ機構およびクラッチ機構を有している。クラッ
チ機構のクラッチアウタは遊星ギヤ機構の内歯ギヤと一
体に結合され、クラッチ機構のクラッチインナは遊星ギ
ヤ機構の遊星ギヤを枢支するキャリアと一体に結合され
ている。さらに、キャリアは、その回転数が所定回転数
に達すると複数のクラッチ板を介してクラッチアウタと
クラッチインナとを一体にする遠心ウエイトを有してい
る。また、太陽ギヤは、センタ軸103に一方向クラッチ
を介して取り付けられている。
【0066】発進クラッチ105のクラッチアウタ105b
は、2速用変速クラッチ106のクラッチアウタ106aと一
体に結合され、2速用変速クラッチ106のキャリア106b
は、3速用変速クラッチ107のクラッチアウタ107aと一
体に結合されている。同様に、3速用変速クラッチ107
のキャリアは4速用変速クラッチ108のクラッチアウタ
に、また4速用変速クラッチ108のキャリアは出力軸109
に、それぞれ一体に結合されている。
【0067】2速用変速クラッチ106においては、クラ
ッチ機構が作動してクラッチアウタ106aでもある内歯ギ
ヤとクラッチインナでもあるキャリア106bとが一体にな
る所定回転数に達するまでは、一方向クラッチ106dによ
り回転しない太陽ギヤ106cのために、キャリア106bが所
定の減速比で回転し、減速された回転数で3速用変速ク
ラッチ107のクラッチアウタ107aが回転する。同様にし
て、3速用変速クラッチ107の減速作用により所定の減
速比で4速用変速クラッチ108のクラッチアウタが回転
され、さらに4速用変速クラッチ108の減速作用により
所定の減速比で出力軸109が回転されることで、最大減
速比が得られる。
【0068】次いで、2速用変速クラッチ106におい
て、キャリア106bの回転数が所定回転数に達してクラッ
チ機構が作動して内歯ギヤとキャリア106bとが一体とな
ると、2速用変速クラッチ106の全体が減速作用をする
ことなく一体に回転し、3速用変速クラッチ107のキャ
リアが所定回転数に達するまでは、キャリアが所定の減
速比で回転し、減速された回転数で4速用変速クラッチ
108のクラッチアウタが回転する。さらに、4速用変速
クラッチ108の減速作用により所定の減速比で出力軸109
が回転されることで、より小さい減速比が得られる。
【0069】同様にして、3速用変速クラッチ107がク
ラッチ機構の作動でその全体が減速作用をすることなく
一体に回転すると、4速用変速クラッチ108の減速作用
により所定の減速比で出力軸109が回転されて、より小
さい減速比が得られる。そして、4速用変速クラッチ10
9がクラッチ機構の作動でその全体が減速作用をするこ
となく一体に回転すると、発進クラッチ105のクラッチ
インナ105aと出力軸109とが直結された状態となり、出
力軸109はクラッチインナ105aと同じ回転数で回転され
る。なお、これら所定回転数は、それぞれ異なった値を
有するものであり、変速特性を考慮して適宜設定される
ものである。
【0070】このように動作する変速機101の出力は、
次のようにして後輪6に伝達される。すなわち、後輪6
の車軸28よりも上方に配置された出力軸109に取り付け
られた出力ギヤ117は、最終減速装置120のドライブ軸12
1に固定されたギヤ122と噛合している。センタ軸103に
比べて車体中心C0寄りの位置であり、かつその軸線C6が
車体の前後方向を指向して配置されたドライブ軸121に
おいて、その後端部には、ベベルギヤが形成されてい
て、このベベルギヤが後輪6の車軸28に取り付けられた
従動ベベルギヤと噛合している。これにより、出力軸10
9の回転が減速されて後輪6が駆動される。
【0071】この実施形態は、前記のように構成されて
いるので、以下の効果を奏する。変速機101の出力軸109
が後輪6の車軸28よりも上方に配置されていることに伴
って、出力軸109および変速機101がクランク軸31の軸線
C1に対して左斜め上方に配置されるので、下クランクケ
ース42Lの下面、すなわち変速機ケース102の前部102a
の下面は、車体中心C0の左側で、下クランクケース42L
の最下面Dの左端から左斜め上方に延びる傾斜面Eを有
していて、変速機ケース102の下面も、前記従来技術の
ものに比べて、路面から高い位置に設けることができ
る。そのため、変速機ケース102の真下であって最下面
Dよりも上方には、上下方向に大きな距離を有する空間
が形成される。
【0072】そして、この空間に自動2輪車1の付属装
置であるメインスタンド29の一部であるトレッドバー29
dの一部や始動電動機99が配置されるので、メインスタ
ンド29や始動電動機99は路面から高い位置を占めること
ができる。その結果、メインスタンド29や始動電動機99
は、走行中に跳ね上げられた小石等の衝突や路面上の障
害物との接触を受け難くなり、メインスタンド29や始動
電動機99を保護することができる。
【0073】さらに、メインスタンド29や始動電動機99
が車体の左右方向へ張り出す場合にも、メインスタンド
29や始動電動機99が高い位置を占めることにより、それ
らが低い位置にある場合と比べ、車両は深いバンク角を
とることができる。
【0074】前述のように、変速機ケース102の真下で
あって最下面Dよりも上方にメインスタンド29の一部で
あるトレッドバー29dの一部が配置されることで、前記
空間を利用して、メインスタンド29を収納位置に収納で
きるので、メインスタンド29を路面から高い位置に配置
することができる。その結果、メインスタンド29の左側
および右側脚部29b,29cを長くすることができて、車両
駐車時に、メインスタンド29を収納位置から駐車位置に
回動させるために要する力が小さくなり、その操作が容
易になる。その上、収納位置にあるときは、長い脚部を
有するにも拘わらず、前記空間を利用してメインスタン
ド29をコンパクトに収納できる。
【0075】変速機ケース102の真下であって最下面D
よりも上方にて、変速機ケース102の前部102aの下面に
おける、最下面Dの左端から左斜め上方に延びる傾斜面
Eに始動電動機99が取り付けられているため、始動電動
機99は路面から高い位置に配置される。その結果、始動
電動機99は、走行中に跳ね上げられた小石等の衝突や路
面上の障害物との接触を受け難くなるばかりか、走行中
に跳ね上げられた泥水等の水分が始動電動機99に付着す
ることも少なくなるので、始動電動機99の耐久性が向上
する。
【0076】収納位置にあるメインスタンド29が始動電
動機99の真下に位置することにより、走行中に跳ね上げ
られた小石等が始動電動機99に衝突したり、始動電動機
99が路面上の障害物と接触したりすることがより少なく
なり、始動電動機99の保護がより厚くなされる。そのう
え、自動2輪車1の既存の付属装置であるメインスタン
ド29を利用しているため、小石等の衝突や障害物との接
触を抑制するために新たな部材を設ける必要がなく、低
コストでそれら効果を実現できる。
【0077】また、メインスタンド29が収納位置にある
状態で、トレッドバー29dの先端部および踏面29gは、始
動電動機99の真横にあたる左側方において、始動電動機
99の高さよりも高い位置まで延びていることにより、左
側方から物体等が始動電動機99に当たる機会を少なくす
ることができる。
【0078】以下、前記実施形態の構成の一部を変更し
た実施形態について説明する。前記実施形態では、変速
機ケース102の真下であって、しかも下クランクケース4
2Lの最下面Dよりも上方に配置される電動機は始動電
動機99であったが、変速機が油圧により作動される油圧
クラッチを有する遊星ギヤ式変速機や油圧式変速機であ
る場合には、該電動機として、変速制御用の油圧を制御
する油圧制御弁を駆動するための電動機を、始動電動機
99の取付位置に取り付けてもよい。
【0079】前記実施形態では、シリンダ45の軸線C2は
車体中心C0の左右側の一方側である右側を指向し、動力
伝達機構である変速機101は車体中心C0の左右側の他方
側である左側に配置されていたが、シリンダ45の軸線C2
は車体中心の左右側の一方側である左側を指向し、変速
機101は車体中心C0の左右側の他方側である右側に配置
されるようにすることもできる。また、クランク31の軸
線C1は前後方向を指向するものであったが、左右方向を
指向するものであってもよい。また、自動2輪車1の付
属装置は、メインスタンド29および始動電動機99以外の
付属装置であってもよい。さらに、スタンドは、サイド
スタンドであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本出願発明のパワーユニットが搭載されたスク
ータ型の自動2輪車の左側面図である。
【図2】図1のII−II線でクランクケース、シリン
ダおよびシリンダヘッドを切断したときの要部概略断面
図である。
【図3】図2のIII−III線断面図である。
【符号の説明】
1…自動2輪車、2…ボルト、3…フロントフレーム、
4…リヤフレーム、5…前輪、6…後輪、7…パワーユ
ニット、8…シート、9…フロントフェンダ、10…フロ
ントカバー、11…ステップフロア、12…フレームボディ
カバー、13…リヤフェンダ、14…サイドカバー、15…収
納ボックス、16…スイングアーム、17…緩衝装置、18…
キングピン、19…車軸ホルダ、20…車軸、21…ヘッドパ
イプ、22…ハンドルポスト、23…ステアリングアーム、
24…リンク、25…ブラケット、26…ハンガ孔、27…緩衝
装置、28…車軸、29…メインスタンド、30…内燃機関、
31…クランク軸、32…エアクリーナ、33…空気導入管、
34…スロットルボディ、35…吸気管、36…燃料噴射弁、
37…燃料タンク、38…排気管、39…排気マフラ、40…フ
ァンカバー、41…ラジエータ、42…クランクケース、43
…シリンダヘッド、44…シリンダヘッドカバー、45…シ
リンダ、46…管ブッシュ、47…ピストン、48…コンロッ
ド、49,50…主軸受、51…吸気ポート、52…過給ポー
ト、53…燃焼室、54…点火栓、56…カム軸、57…支持
孔、58,59…カムホルダ、60,61…軸受、62…交流発電
機、63…ナット、64…冷却ファン、65,66…ギヤ、67…
オイルポンプ、68…吸入通路、69…アイドラ軸、70,7
1,72…ギヤ、73…吸気弁、74…過給弁、75…吸気カ
ム、76…排気カム、77…過給カム、78…吸気カムフォロ
ア、79…過給カムフォロア、80…支持軸、81…吸気プル
ロッド、83…排気プルロッド、82…プッシュロッド、83
…吸気ロッカアーム、84…過給ロッカアーム、85,86…
弁バネ、87…回転位置センサ、88,89…軸受、90…冷却
水ポンプ、91…導水管、92…吐出孔、93…サーモスタッ
ト、94…ウエイト、98…過給機、99…始動電動機、100
…動力伝達装置、101…遊星ギヤ式変速機、102…変速機
ケース、103…センタ軸、104…入力ギヤ、105…発進ク
ラッチ、106、107,108…変速クラッチ、109…出力軸、
110…回り止め部材、111…フランジ付きボス、112…ピ
ニオン、113,114,115…ギヤ、116…一方向クラッチ、
117…出力ギヤ、120…最終減速装置、121…ドライブ
軸、122…ギヤ、A…割り面、B…取付面、C0…車体中
心、C1〜C6…軸線、D…最下面、E…傾斜面。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関と、車体中心の左右側の一方側
    に配置されて該内燃機関の動力を後輪に伝達するための
    動力伝達機構と、該動力伝達機構を収容する動力伝達ケ
    ースとを備えたパワーユニットが搭載された自動2輪車
    において、 前記動力伝達機構の出力軸は後輪の車軸よりも上方に配
    置され、前記自動2輪車の付属装置が、前記動力伝達ケ
    ースの真下であって前記内燃機関のクランクケースの最
    下面よりも上方に配置されたことを特徴とするパワーユ
    ニットが搭載された自動2輪車。
  2. 【請求項2】 前記付属装置は車体に回動自在に取り付
    けられた車体保持用のスタンドであり、収納位置にある
    該スタンドの一部が前記動力伝達ケースの真下であって
    前記最下面よりも上方に配置されたことを特徴とする請
    求項1記載のパワーユニットが搭載された自動2輪車。
  3. 【請求項3】 前記付属装置は電動機であることを特徴
    とする請求項1記載のパワーユニットが搭載された自動
    2輪車。
  4. 【請求項4】 前記電動機の真下に、収納位置にある車
    体保持用のスタンドの一部が配置されたことを特徴とす
    る請求項3記載のパワーユニットが搭載された自動2輪
    車。
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