JP4298436B2 - カートリッジ式トランスミッションを備えたエンジン - Google Patents

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Description

本発明は、カートリッジ式トランスミッションを備えたエンジンに関する。
自動二輪車などの内燃機関であるエンジンには運転者の操作によりシフトドラムを回転させて変速段を切り換えるトランスミッションを備えるものがある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載されているトランスミッションは、左右に分割されたクランクケースに軸支されるメインシャフト、カウンタシャフト、シフトフォークシャフト及びシフトドラムを有する。シフトドラムは、メインシャフトの前方の下側に配置される。カウンタシャフトは、メインシャフトの後方の下側に配置される。シフトフォークシャフトは、メインシャフトの下側に配置され、一本のシフトフォークにメインシャフト用のシフトフォークと、カウンタシャフト用のシフトフォークが挿通される。また、シフトドラムを回転させるシフトアームの揺動中心となるチェンジスピンドルは、シフトドラムの下方に配置される。
特公平2−29906号公報(第5頁、第4図)
しかしながら、この種のトランスミッションは、メインシャフトの下側にチェンジスピンドル、シフトフォークシャフト、シフトドラム、カウンタシャフトが集中して配置されるため、トランスミッションの下側部分が大型化してしまい、エンジンが前後方向に大きくなるという問題を有する。特に、特許文献1のようにシフトドラムと、シフトフォークと、カウンタシャフトを前後方向に順番に配置するとトランスミッションの前後方向の長さが大きくなり、エンジンが大型化する。さらに、シフトドラム及びチェンジスピンドルがエンジンの下側に配置されるので、エンジンに潤滑油を供給するオイルポンプなどのレイアウトが制限される。
また、トランスミッションをクランクケースに対して着脱自在なカートリッジ式トランスミッションとして構成するためには、トランスミッションを小型化して着脱を容易にすることが望ましい。
さらに、カートリッジ式トランスミッションはエンジンから容易に着脱できることが望ましい。
この発明は、このような課題を鑑みてなされたものであり、カートリッジ式のトランスミッションを小型化し、エンジンの前後方向の長さを短くすることを目的とする。
上記の課題を解決する本発明の請求項1に係る発明は、クランクケース(例えば、実施形態のクランクケース31)を上下に分割可能な上部クランクケース(例えば、実施形態の上部クランクケース44)と下部クランクケース(例えば、実施形態の下部クランクケース45)から構成し、前記クランクケースの割面(例えば、実施形態の割面BF)に軸支されるクランクシャフト(例えば、実施形態のクランクシャフト47)とメインシャフト(例えば、実施形態のメインシャフト102)とを有し、前記メインシャフトの回転動力をカウンタシャフト(例えば、実施形態のカウンタシャフト103)に伝達するように構成され、前記クランクケースを分離させることなく取り外し可能なカートリッジ式トランスミッション(例えば、実施形態のカートリッジ式トランスミッション100)を備えたエンジンにおいて、チェンジスピンドル(例えば、実施形態のチェンジスピンドル124)前記上部クランクケースに軸支され、複数のシフトフォーク(例えば、実施形態のシフトフォーク110,111,112)を振り分けて支持する一対のシフトフォークシャフト(例えば、実施形態のシフトフォークシャフト113,114)が前記上部クランクケース及び下部クランクケースに分けて軸支され、かつ該各シフトフォークシャフトの一端部を支持するミッションホルダ(例えば、実施形態のミッションホルダ101)が前記クランクケースの割面を跨いで配置されることを特徴とするカートリッジ式トランスミッションを備えたエンジン(例えば、実施形態のエンジン15)とした。
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載のカートリッジ式トランスミッションを備えたエンジンにおいて、前記ミッションホルダが、上部クランクケース及び下部クランクケースにこれらを接続するように固定されることを特徴とする。
このカートリッジ式トランスミッションを備えたエンジンは、メインシャフトをクランクケースの割面上に配置し、メインシャフトよりも上側にチェンジスピンドルと、少なくとも1つのシフトフォークシャフトを配置した。チェンジスピンドル及びシフトフォークと、これらと協働するシフト機能部材、例えばシフトドラムがクランクケースの高い位置に配置されることになるので、従来使用されていなかったスペースを有効利用することができる。また、メインシャフトの下側にトランスミッションの構成要素が集中するのを防止できる。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載のカートリッジ式トランスミッションを備えたエンジンにおいて、前記カウンタシャフトが前記下部クランクケースに軸支されることを特徴とする。
このカートリッジ式トランスミッションを備えたエンジンは、割面よりも上側にチェンジスピンドルなどを配置し、メインシャフトよりも下方にカウンタシャフトを配置した。トランスミッションの構成要素が上下に振り分けて配置されるので、トランスミッションの前後方向の長さが短縮される。
請求項4に係る発明は、請求項1から3の何れか1項に記載のカートリッジ式トランスミッションを備えたエンジンにおいて、カートリッジ式トランスミッションを備えたエンジンにおいて、シフトドラム(例えば、実施形態のシフトドラム105)を回転させるシフトアーム(例えば、実施形態のシフトアーム122)と前記ミッションホルダを車両の左右に振り分けて配置したことを特徴とする
このカートリッジ式トランスミッションを備えたエンジンは、シフトアームとミッションホルダとを車体の左右に振り分けて配置したので、シフトアームを取り外すことなくカートリッジ式トランスミッションを着脱できる。
請求項5に係る発明は、請求項1から4の何れか1項に記載のカートリッジ式トランスミッションを備えたエンジンにおいて、シフトドラムが前記下部クランクケースに支持されることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項1から5の何れか1項に記載のカートリッジ式トランスミッションを備えたエンジンにおいて、シフトドラムの軸中心が、上下方向で前記各シフトフォークシャフトの軸中心の間に配置されると共に、前後方向で前記各シフトフォークの軸中心よりも後方に配置され、かつ前記クランクケースの割面が、前記上部クランクケースが軸支するシフトフォークシャフトの軸中心と前記シフトドラムの軸中心との間に配置されることを特徴とする。
請求項7に係る発明は、請求項1から6の何れか1項に記載のカートリッジ式トランスミッションを備えたエンジンにおいて、前記クランクケースの割面が、前記上部クランクケースがシフトフォークシャフトを介して支持するシフトフォークの凸部と該凸部が係合するシフトドラムの溝部との係合部位と側面視で重なることを特徴とする。
請求項8に係る発明は、請求項1から7の何れか1項に記載のカートリッジ式トランスミッションを備えたエンジンにおいて、一側がチェンジスピンドルに固着されると共に他側がシフトドラムに係合して前記シフトドラムを回転させるシフトアームを有し、該シフトアームが側面視で前記クランクケースの割面と重なることを特徴とする。
請求項9に係る発明は、請求項1から8の何れか1項に記載のカートリッジ式トランスミッションを備えたエンジンにおいて、前記下部クランクケースに変速ペダルが支持され、該変速ペダルにロッドの一端が連結されると共に、前記クランクケースの割面よりも上方において前記チェンジスピンドルリンク部材の一端が固定され、該リンク部材の他端に前記ロッドの他端が連結されることを特徴とする。
請求項10に係る発明は、請求項1から9の何れか1項に記載のカートリッジ式トランスミッションを備えたエンジンにおいて、前記クランクケースの割面に対してトランスミッション及びチェンジ機構と側面視で略対称となる部位に、当該エンジンの始動系部品が配置されることを特徴とする。

この発明によれば、チェンジスピンドルと、少なくとも1つのシフトフォークシャフトをクランクケースの割面よりも上側に配置したので、チェンジスピンドル及びシフトフォークと協働するシフトドラムなどがクランクケースの高い位置に配置されることになり、エンジンの後方上側のスペースを有効活用することができ、カートリッジ式トランスミッションを小型化することができる。したがって、トランスミッションの着脱が容易になり、メンテナンス性が向上する。また、カートリッジ式トランスミッションの小型化に伴い、エンジンの前後方向の長さを短くすることができる。さらに、トランスミッションの構成要素がメインシャフトの下側に集中しないので、エンジンの下部に配置される構成部品のレイアウトの自由度が高まる。
また、この発明によれば、クランクケースの上下の割面上にメインシャフトを配置し、割面の上側にチェンジスピンドルなどを配置する一方で、割面の下側にカウンタシャフトを配置したので、トランスミッションの構成要素がメインシャフトに対して上下に配置される。したがって、カートリッジ式トランスミッションの前後方向の長さを短くすることができる。これにより、トランスミッションの着脱が容易になる。クランクシャフトからカウンタシャフトまでの距離が短くなるので、エンジンの前後方向の長さを短縮することができる。
さらに、この発明によれば、シフトアームとミッションホルダとを車体の左右に振り分けて配置したので、シフトアームを取り外すことなくミッションホルダを取り外すことができ、カートリッジ式トランスミッションの着脱が容易になる。
発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下において、前側とは車両の前進方向であり、後側とは車両が後退する方向である。さらに、右側及び左側とは車両が前進する方向に向かって右側及び左側とする。
図1に示すように、自動二輪車1の前輪2は、フロントフォーク3に軸支されており、フロントフォーク3はトップブリッジ4を介して車体フレーム5の前端部に設けられたヘッドパイプ6に操舵可能に枢支される。自動二輪車1の後輪7はリアフォーク8に軸支されており、リアフォーク8は車体フレーム5の中間部に設けられたピボット部9及びエンジン15に揺動可能に枢支される。リアフォーク8のピボット軸近傍には、リアクッションユニット10の上端が取り付けられる。リアクッションユニット10の下端はエンジン15の下部にリンク機構11を介して取り付けられており、路面から後輪7及びリアフォーク8を介して車体に伝播する荷重を有効に吸収する。
ヘッドパイプ6の上部からは車体フレーム5のメインフレーム12が左右に分かれて後方下側に延び、その後端部が下方に屈曲してピポット部9に連なる。メインフレーム12の後方には車体フレーム5のシートレール13が連結される。メインフレーム12の上方には燃料タンク14が配設され、メインフレーム12の下方にはエンジン15が配設される。
燃料タンク14の後方には運転者用のシート16及び後部搭乗者用のピリオンシート17が各々シートレール13に支持される。また、メインフレーム12のピボット部9の後部には運転者用のステップ18が取り付けられ、シートレール13の下部には後部搭乗者用のステップ19が取り付けられる。さらに、フロントフォーク3の上端部には左右一対のハンドル20が取り付けられる。
フロントフォーク3の下端部にはブレーキキャリパ21が取り付けられ、前輪2にはブレーキキャリパ21に対応するブレーキロータ22が取り付けられてフロントブレーキ装置23が構成される。なお、後輪7の右側には、前輪2のフロントブレーキ装置23と同様の構成を有するリアブレーキ装置(図示略)が設けられる。
自動二輪車1の車体前部はフロントカウル24により覆われ、シートレール13周辺はリアカウル25により覆われる。後輪7の左側にはリアスプロケット26が取り付けられ、このリアスプロケット26とエンジン15の後部左側に配設されるドライブスプロケット27とにドライブチェーン28が掛け回されてエンジンの駆動力を後輪7に伝達可能である。車体フレーム5の左側下部には格納可能なサイドスタンド29が配設され、自動二輪車1をその車体が左側に傾斜した起立状態で支持可能である。
本実施形態のエンジン15は、水冷式の直列四気筒型のエンジンであり、シリンダ本体30をクランクケース31上にやや前傾した状態で配設される。シリンダ本体30の後部には各気筒に対応するスロットルボディ32が接続され、各スロットルボディ32はメインフレーム12と燃料タンク14との間に配置されたエアクリーナケース33に接続される。また、シリンダ本体30の前部には各気筒に対応する排気管34が接続される。排気管34は、シリンダ本体30の前壁から下方に向かって湾曲し、クランクケース31下方を通過した後にピボット部9後方で上方に向かって屈曲してシートレール13に支持されたサイレンサ35に接続される。
排気管34の前方にはラジエータ36がシリンダ本体30と同様やや前傾した姿勢で配設される。ラジエータ36はその前面側が凹状に湾曲したラウンド型であると共に、上下方向でシリンダ本体30の上部からクランクケース31の下部に渡るように設けられる。ラジエータ36の上部背面側には左右一対のラジエータファン39が取り付けられる。
図2の左側面図、及び図3の右側面図に示すように、エンジン15は、その主要部品であるシリンダヘッド40及びシリンダブロック43とクランクケース31とを備えている。シリンダヘッド40はヘッド本体41とヘッドカバー42とに分割構成され、クランクケース31は上部クランクケース44と下部クランクケース45とに分割構成される。上部クランクケース44とシリンダブロック43とは一体成形され、下部クランクケース45の下にはオイルパン46が取り付けられる。ここで、ヘッド本体41はアルミ合金製の鋳造品である。クランクケース31の割面BFは、上部クランクケース44と下部クランクケース45の境界をなす面であり、側面視ではエンジン15の前傾姿勢に対応して後側が上がるような傾斜を有する面である。
シリンダヘッド40のヘッド本体41には、各燃焼室内に臨ませるように点火プラグ70が螺着され、かつ各燃焼室と外部とを連通する吸気ポート71及び排気ポート72が各々形成される。各吸気ポート71の外部側の開口にはスロットルボディ32が接続され、各排気ポート72の外部側の開口には排気管34が接続される。また、各吸気ポート71及び排気ポート72の燃焼室側の開口には各々バルブシートが装着され、かつ、これら開口が吸気バルブ75及び排気バルブ76の作動により各々開閉可能である。
各吸気バルブ75及び排気バルブ76の上方には、これらを作動させる吸気側カムシャフト85及び排気側カムシャフト86が、クランクシャフト47の軸線Cと平行に配設される。これら吸気側カムシャフト85及び排気側カムシャフト86の周面には、各吸気バルブ75及び排気バルブ76に対応する吸気側カム及び排気側カム(図示略)が設けられる。
また、各カムシャフト85,86の右端には不図示のカムスプロケットがそれぞれに設けられ、このカムスプロケットに巻回されるカムチェーンを介して各カムシャフト85,86がクランクシャフト47と連係させられる。クランクシャフト47の回転に伴い、各カムシャフト85,86が回転するので、吸気バルブ75及び排気バルブ76を作動させることができる。なお、各カムシャフト85,86は中空とされ、その中空部がエンジンオイル(潤滑オイル)Lの通路となって所定の油孔から各摺動面にエンジンオイルLが供給される。
シリンダブロック43には4つのシリンダ50が車体幅方向に並んで形成される。さらに、これらシリンダ50内にはピストン51が摺動可能に嵌装される。図2に示すように、各ピストン51にはクランクピン54を介してコンロッド53が回転自在に連結されると共に、コンロッド53の大端部がクランクシャフト47のクランクピン54に回転自在に連結され、ピストン51の往復運動が軸線Cを中心とした回転運動に変換される。
図3に示すように、クランクケース31の下部には、エンジン15内の適宜箇所にエンジンオイルLを圧送するオイルポンプ89が配設される。オイルポンプ89は、カートリッジ式トランスミッション100のメインシャフト102と共に回転するオイルポンプドライブスプロケット128とチェーン129を介して連係され、クランクシャフト47の回転に伴い作動を開始する。下部クランクケース45下部に固定されたオイルパン46内にはエンジンオイルLが貯溜され、貯溜されたエンジンオイルL中にはオイルストレーナ130を浸漬させてある。
オイルストレーナ130の上端部はオイルポンプ89の吸入口に接続され、オイルポンプ89の吐出口は下部クランクケース45に形成された第一の油路133に接続する。第一の油路133はオイルポンプ89の吐出口から上方に延びた後に前方に向かって屈曲し、やや前下がりとなって前方へ延出する。下部クランクケース45の前壁196にはカートリッジ式のオイルフィルタ134を着脱可能に取り付けてある。エンジンオイルLは、オイル流入経路136からオイルフィルタ134に流入し、オイル流出経路137から流出し、水冷式オイルクーラ65へと導かれる。
クランクケース31の前壁196の略中央には上記した水冷式オイルクーラ65が配置されており、水冷式オイルクーラ65よりも右側にオイルフィルタ134が取り付けられる。水冷式オイルクーラ65は、クランクケース31を構成する下部クランクケース45の前部に取り付けられており、その内部を通流するエンジンオイルLを冷却水で冷却する。冷却水は、オイルポンプ89に取り付けられた導入ホース68から導入する。水冷式オイルクーラ65内を通流してエンジンオイルLを冷却した後の冷却水は、導出ホース67へ経て、下部クランクケース45の左側壁に取り付けられたウォータポンプ55に戻される。
ウォータポンプ55は、エンジン15の下部クランクケース45の左側壁に取り付けられている。このウォータポンプ55にはラジエータ36(図1参照)から冷却水を導入する冷却水導入ホース58と、バイパスホース64が接続される。さらに、ウォータポンプ55はインペラが接続された回転軸を有し、この回転軸は、図2にオイルポンプ89の回転軸と同軸上に配置される。したがって、ウォータポンプ55の回転軸は、図3に示すオイルポンプドライブスプロケット128及びチェーン129により、メインシャフト102と共に回転し、インペラにより冷却水が加圧される。加圧された冷却水は、冷却水導出ホース56からシリンダ側ウォータジャケット57に圧送され、シリンダヘッド40の後部のヘッド側ウォータジャケット60に設けられた冷却水出口61から流出する。また、圧送される冷却水の一部は、導入ホース68を介して水冷式オイルクーラ65に供給される。
水冷式オイルクーラ65の導出口は、下部クランクケース45に形成され第一の油路133と略平行にやや後上がりとなって後方へ延出する第二の油路140に接続される。第二の油路140は、エンジン15内のオイルギャラリ173及びオイルジェット(図示略)等に通じている。
エンジン15内に供給されたエンジンオイルLは自然滴下等によりオイルパン46内に戻って貯溜される。このエンジンオイルLは再びオイルストレーナ130、オイルポンプ89、オイルフィルタ134、及び水冷式オイルクーラ65を経てエンジン15内に供給され、エンジン15内を循環する。なお、エンジン15が高回転になると圧送されるエンジンオイルLの油圧が高まるが、この油圧が所定値に達した場合には第一の油路133とオイル流入経路136の交差部下側にリリーフ経路141を介して接続されたオイルリリーフバルブ142が作動する。エンジンオイルLの一部がオイルパン46内に還流し、経路内の油圧が調節される。
さらに、図3及び図4に示すように、クランクケース31には、前側にクランクシャフト47が車体幅方向に平行な軸線Cを有して配設され、後側にクラッチ機構163及びカートリッジ式トランスミッション100が配設される。そして、カートリッジ式トランスミッション100の上部にはスタータモータ98、減速ギヤ99などからなる始動系部品が配設され、エンジン始動時にクランクシャフト47を回転できるようになっている。
クランクシャフト47は、割面上に軸線Cが位置し、ピストン51のコンロッド53を回転自在に連結するクランクピン54を車体幅方向に沿って有する。このエンジン15は直列四気筒型であるので、クランクシャフト47は4つのクランクピン54を備える。各クランクピン54は一対のクランクアーム169で支持される。各クランクアーム169には、クランクピン54と反対側の部位にカウンタウエイト169aが一体形成してある。左側から二つ目のクランクピン54を支持するクランクアーム169の外周には二次バランサ185を稼動させるバランサドライブギヤ187を設けている。また、最も右側の4つ目のクランクピン54を支持するクランクアーム169の外周にはプライマリドライブギヤ189を設けている。クランクシャフト47の両端部及び各クランクアーム169間であって軸線C上に設けられる五箇所のジャーナル部170は、上部クランクケース44及び下部クランクケース45に設けられた軸受け171に回転自在に支持される。クランクシャフト47の左端には、発電機となるジェネレータが配設されると共に、ジェネレータカバー221で覆われる。
クラッチ機構163は、クランクシャフト47のプライマリドライブギヤ189に噛み合うプライマリドリブンギヤ190を有し、これと一体に回転するクラッチアウタ191を備える。クラッチアウタ191内には、カートリッジ式トランスミッション100のメインシャフト102とスプライン結合し、一体に回転するクラッチセンタ193と、クラッチアウタ191側及びクラッチセンタ193側の複数の摩擦板191a・・・,193a・・・等を備え、クランクシャフト47で発生した回転動力をカートリッジ式トランスミッション100のメインシャフト102に伝達する役割を担う。クラッチセンタ193には複数のクラッチスプリング194により付勢されたプレッシャプレート195が取り付けられ、このプレッシャプレート195により両摩擦板191a・・・,193a・・・が相互に圧接されてクラッチ機構163が動力伝達可能な状態となる。
さらに、図5の模式図を参照しながらカートリッジ式トランスミッション100について説明する。なお、図5はエンジン15を右側方から見た図で、クランクケース31からカートリッジ式トランスミッション100を矢印Dで示す取り外し方向に引き出した状態を示す図である。
図5に示すように、カートリッジ式トランスミッション100は、クランクケース31の右側後部に開口91を有して形成されるミッションケース部92に着脱自在なカートリッジ式の変速機である。カートリッジ式トランスミッション100は、開口91を覆うミッションホルダ101を有し、ミッションホルダ101の前方上側にはメインシャフト102がベアリング107(図4参照)を介して回転自在に軸支される。ミッションホルダ101の前方下側には、メインシャフト102の回転動力を伝達するカウンタシャフト103が回転自在に軸支される。これら両シャフト102,103には、相互にスプライン嵌合する変速ギヤ群104をそれぞれに設けてある。この変速ギヤ群104を構成する複数の変速ギヤから噛み合い状態になる一組の変速ギヤを選択することで変速比を選択することができる。噛み合わせる変速ギヤの選択は、ミッションホルダ101の後方上側を回転自在に貫通するシフトドラム105と、これと共に作動する複数のシフトフォーク(図5にはシフトフォーク110のみが図示されている)により制御する。カートリッジ式トランスミッション100は、シフトドラム105、メインシャフト102、カウンタシャフト103の各回転軸の軸線がクランクシャフト47の軸線Cと平行になるように、ミッションホルダ101の内面から左側に向かって配置される。
カートリッジ式トランスミッション100をエンジン15、つまりミッションケース部92に装着すると、図4に示すように、メインシャフト102の左端部102aがクランクケース31(ミッションケース部92)の左側壁93に設けたベアリング106に回転自在に支持される。
図5に示すカウンタシャフト103の左端部103a側は、左側壁93のベアリング(不図示)を介して軸支されつつ、左側壁93を貫通する。左端部103aの左側壁93から突出した部分にはドライブスプロケット27(図2参照)がスプライン嵌合される。シフトドラム105の左端部108は、左側壁93に軸支される。
このカートリッジ式トランスミッションがエンジン15に装着された状態における各要素の配置について図2及び図6を参照して説明する。
図2に示すように、カートリッジ式トランスミッション100は、エンジン15のクランクケース31の後部に配置される。
図2及び図6に示すように、メインシャフト102は、クランクケース31の上部クランクケース44と下部クランクケース45の割面BF上に回転軸の軸線Mが位置する。この位置は、クランクシャフト47の配設位置から割面BFに沿って後方である。カウンタシャフト103は、クランクシャフト47の後方で、メインシャフト102の後方かつ下側に回転軸の軸線Nが位置し、割面BFよりも下側の下部クランクケース45に軸支される。シフトドラム105は、メインシャフト102の略後方で、カウンタシャフト103の後方かつ上側に回転軸の軸線Rが位置し、下部クランクケース45に軸支される。メインシャフト102の軸線Mと、カウンタシャフト103の軸線N、シフトドラム105の軸線Rは、平面視でこの順番に前側から配置されている。
シフトフォーク110を貫通するシフトフォークシャフト113は、メインシャフト102の後方かつ上側、シフトドラム105の前方かつ上側に回転軸の軸線Tが位置し、割面BFよりも上側の上部クランクケース44に軸支される。また、シフトドラム105とカウンタシャフト103との間には2本のシフトフォーク111,112が配設されており、このシフトフォーク111,112は共にシフトフォークシャフト114が貫通する。シフトフォークシャフト114は、カウンタシャフト103の後方かつ上側、シフトドラム105の前方かつ下側に軸線Vが位置し、下部クランクケース45に軸支される。シフトフォークシャフト113,114は、共にシャフト102,103よりもシフトドラム105に近接した位置に配置される。
図7に示すように、シフトドラム105は、円筒形状の外周面に複数の溝109を有し、その左端部108がクランクケース31の左側壁93にベアリング115を介して軸支され、右端部116がミッションホルダ101にベアリング151で軸支される。この溝109は、軸線R方向に沿って変位する形状を有する。溝109の形状は、ニュートラルを含む全ての変速段に対応して形成してあり、溝109に係合するシフトフォーク110,111,112を溝109に沿って軸線R方向に移動させることで変速ギヤ群104の噛み合いを制御し、変速段を切り換える。中央の溝109aには、シフトフォーク110の一端110aが係合し、両脇の溝109bと溝109cには、それぞれシフトフォーク111の一端111aとシフトフォーク112の一端112aが係合する。
シフトフォーク110は、シフトフォークシャフト113が貫通する貫通孔110bを有し、貫通孔110bのボス部からシフトドラム105に係合する一端110aと、メインシャフト102側の変速ギヤ群104に係合する他端110cが延設される。他端110cは、その先端が二股に分岐し、変速ギヤ群104の所定の変速ギヤに設けてある溝に係合する。シフトフォークシャフト113は、軸線Tがクランクシャフト47の軸線Cと平行に配置され、右端部が上部クランクケース44に軸支され(図6参照)、左端部がミッションホルダ101に軸支される。シフトフォーク110は、シフトフォークシャフト113の長手方向(軸線T)に沿って摺動可能である。したがって、シフトドラム105が回転して溝109aによりシフトフォーク110の一端110aが左右方向に押圧されたときには、シフトフォーク110全体が左右方向に移動し、メインシャフト102側の変速ギヤ群104をメインシャフト102の軸線Mに沿って摺動させる。
シフトフォーク111は、シフトフォークシャフト114が貫通する貫通孔111bを有し、貫通孔111bのボス部からシフトドラム105に係合する一端111aと、カウンタシャフト103側の変速ギヤ群104に係合する他端111cが延設される。他端111cは、その先端が二股に分岐し、変速ギヤ群104の所定の変速ギヤに設けてある溝に係合する。同様に、シフトフォーク112は、貫通孔112bのボス部から一端112aと他端112cが延設される。シフトフォークシャフト114の軸線Vは、クランクシャフト47の軸線Cと平行に配置され、右端部が下部クランクケース45に軸支され(図6参照)、左端部がミッションホルダ101に軸支される。シフトフォーク111,112は、シフトフォークシャフト114の軸線Vに沿って摺動可能であり、シフトドラム105により、左右方向に移動することができる。シフトフォーク111,112の移動時には、カウンタシャフト103側の変速ギヤ群104の内、それぞれの他端111c,112cに係合する所定の変速ギヤをカウンタシャフト103の軸線Nに沿って摺動させる。
シフトドラム105の左端部108は、左側壁93に回転自在に軸支され、その右端面にはシフトプレート117がボルト118で固定される。このシフトプレート117と左端部108の突き合わせ部分にはノックピン119が挿入されており、シフトプレート117とシフトドラム105とは一体的に回転可能である。
シフトプレート117は、側面視で円形状を有し、その中心がボルト118で固定されると共に、同心円上に略等間隔に6つの貫通孔120を有する。貫通孔120はシフトドラム105の軸線Rと平行に設けられ、その各々にドラムピン121がシフトドラム105の軸線方向に沿って内側から外側(左側)に向かって挿入される。ドラムピン121の突出方向は、図5に矢印Dで示すカートリッジ式トランスミッション100の取り外し方向と反対向きであり、突出する6本の内の少なくとも1本のドラムピン121には、シフトアーム122の係合爪123がエンジン15(カートリッジ式トランスミッション100)の幅方向外側から係合する。
シフトアーム122は、エンジン15の前後方向に沿って細長形状を有し、後側で係合爪123がシフトドラム105に向かって切り起こされ、前側でチェンジスピンドル124に固着されている。このチェンジスピンドル124は、クランクケース31の左側壁93の上部クランクケース44(図6参照)に回転可能に軸支され、コイル状のシフトリターンスプリング125が装着される。シフトアーム122は、チェンジスピンドル124よりも上側、かつ後側にスリット127を有し、ここに左側壁93に固定したストッパピン126を遊嵌してある。このストッパピン126には、上記のシフトリターンスプリング125の一端を上側から係合させてあり、シフトアーム122に対して半径回りの方向(図2で矢印Eと反対の方向)の付勢力を与えている。なお、ストッパピン126はシフトアーム122に形成したスリット127を挿通しているので、シフトアーム122の回転量はストッパピン126により規制される。
チェンジスピンドル124は、シフトアーム122を覆うギヤシフトリンケージカバー222を貫通する。図6に示すように、チェンジスピンドル124の回転軸の軸線Sは、クランクケース31の割面BFよりも上側で、メインシャフト102の後方かつ上側に位置する。これは、シフトドラム105からみて前方かつ上側にあり、側面視でシフトフォークシャフト113と一部重なる位置である。
図2に示すように、チェンジスピンドル124にはリンク部材145の前側の一端が固定される。このリンク部材145は一端からエンジン15に沿って後方に向かって延び、その他端にはピン146でロッド147の上部に連結される。ロッド147の下部は、エンジン15に対して揺動可能に取り付けられたシフトチェンジ用の変速ペダル148に連結される。ロッド147の下部と変速ペダル148との連結部は、揺動中心となるピン149と運転者が足をかける作用点との間に設けてある。なお、上記の変速ペダル148、ロッド147、リンク部材145、チェンジスピンドル124、及びシフトアーム122はエンジン15の左側に配置される。
一方、図7に示すように、シフトドラム105の右端部116は、ベアリング151でミッションホルダ101に回転自在に支持され、ミッションホルダ101を貫通する。シフトドラム105の右端面にはストッパプレート152がボルト153で固定され、シフトドラム105の回転を規制するようになっている。ストッパプレート152と右端部116の突き合わせ部分にはノックピン154が圧入されており、ストッパプレート153とシフトドラム105とは一体的に回転する。
ストッパプレート152は、外周に沿って曲面形状の溝155を有し、その中心部分がボルト153で固定されている。図3に示すように、ストッパプレート152は、カートリッジ式トランスミッション100を6段階に切り換えられるタイプのストッパプレートで、上記したドラムピン121の配置に合わせて6つの溝155を設けた略星型形状を有する。この溝155の1つには、ストッパローラ組立体156のストッパローラ157を弾接させてある。図7に示すように、ストッパローラ組立体156はミッションホルダ101から立設するボルト158にレバー部材159を揺動可能に取り付け、レバー部材159の先端にストッパローラ157を回転自在に取り付けた構成を有する。ボルト158にはコイル状のリターンスプリング160が装着されており、ストッパローラ157をストッパプレート152に押し付ける方向にレバー部材159を付勢している。
また、シフトドラム105は、ベアリング151よりも内側の右側外周部にカム面201を有する。カム面201は、ニュートラルを含む全ての変速段に対応した突出部(カム)201aを有する。さらに、このカム面201に対応する位置で、下部クランクケース45の後部の壁部45aにはシフトドラム105の回転位置を検出するセンサ202を取り付けてある。このセンサ202は、壁部45aの外側から取り付けられ、先端部分の検知ピン203がカム面201(またはシフトドラム105の軸線R)に対して略垂直な方向からカム面201に当接するようにしてある。
次に、本実施形態の作用について説明する。
エンジン15が始動すると、図3及び図4に示すクランクシャフト47で発生した回転動力がクラッチ機構163を介して、カートリッジ式トランスミッション100のメインシャフト102に伝達される。メインシャフト102は、変速ギヤ群104から選択されて噛み合い状態にある一組の変速ギヤでカウンタシャフト103と連結されているので、変速段の変速ギヤのギヤ比に応じた回転比でカウンタシャフト103が回転する。このようにしてメインシャフト102からカウンタシャフト103に回転動力が伝達され、カウンタシャフト103の左側に取り付けられたドライブスプロケット27によりドライブチェーン28を介して後輪7が回転する(図1参照)。
ここで、変速段を切り換えるときには、運転者が図2に示す変速ペダル148を踏む。変速ペダル148がピン149を支点にして下方に踏み下ろされると、ロッド147が略下方に引き下ろされ、ロッド147の上部にピン146で連結されたリンク部材145がチェンジスピンドル124を中心として下方に揺動する。そして、チェンジスピンドル124と一体のシフトアーム122の係合爪123もチェンジスピンドル124を中心として時計回り(図2の矢印Eの向き)に揺動する。ドラムピン121が所定量だけ押し下げられて、シフトプレート117が回転し、シフトプレート117と一体に固定されたシフトドラム105も、シフトプレート117の回転角度に等しい角度だけ回転する。
この際に、シフトドラム105と一体に固定されたストッパプレート152も回転する。ストッパプレート152は、これに弾接するストッパローラ組立体156のストッパローラ157を押し戻す。ストッパローラ157はストッパプレート152の外周面に沿って押し戻され、ストッパプレート143が一つの溝155に相当する回転角度だけ回転したときに、リターンスプリング160の付勢力により回転後の溝155に収まる。これにより、ストッパプレート152及びこれに一体に固定されたシフトドラム105の回転が停止する。
なお、運転者が変速ペダル148から足を外すと、変速ペダル148が上方に戻る。シフトアーム122は、シフトリターンスプリング125によりストッパピン126とスリット127が当接するまで図2の矢印Eと反対の方向に戻され、そこで次のドラムピン121と係合する。
図7に示す溝109の形状が軸線方向の左右に変化している場合には、シフトドラム105が回転したときにシフトフォーク110,111,112との係合位置が左右方向に移動する。例えば、シフトフォーク110の一端110aが係合している溝109aが、変速の前後で右側に変位する形状を有していれば、シフトドラム105が回転する過程で、シフトフォーク110の一端110aも溝109aに沿って右側に移動させられる。シフトフォーク110は、シフトフォークシャフト113に摺動可能に支持されているので、シフトフォーク110の全体が右側に移動する。さらに、シフトフォーク110の他端110cの二股部分はメインシャフト102側の変速ギヤ群104に係合しているので、他端110cが右側に移動するのに伴い、これに係合するメインシャフト102側の変速ギヤも右側に移動する。溝109が、変速の前後で左側に変位する形状を有していれば、シフトフォーク110は左側に移動し、変速ギヤも左側に移動させられる。また、溝109が、変速の前後で左右方向に変位しない形状であれば、シフトフォーク110も移動せず、変速ギヤ群104も移動しない。
同様に、カウンタシャフト103側の変速ギヤ群104についても、シフトフォーク111とシフトフォーク112とシフトドラム105の溝109b,109cの係合位置が左右に変化すると、これに従って右側又は左側に移動し、係合位置が変化しなければ移動しない。
シフトドラム105の溝109aと溝109bと溝109cは、シフトドラム105の回転時に左側に移動する溝形状と、右側に移動する溝形状と、シフトドラムシフトドラム105が回転してもシフトフォーク110,111,112が移動しない溝形状とを、ニュートラルを含む各変速段を対応させて形成してある。したがって、運転者によって1速が選択されたときには、シフトドラム105の溝109a,109b,109cの形状に応じてシフトフォーク110,111,112が移動して所定の変速ギヤが噛み合い状態になり1速の変速段が形成される。1速から2速にシフトチェンジするときには、シフトドラム105の溝109a,109b,109cの形状に応じてシフトフォーク110,111,112が移動して1速の変速段を形成していた変速ギヤの噛み合い状態が解除されて、これと略同時に2速の変速段を構成する変速ギヤが噛み合い状態になる。
カートリッジ式トランスミッション100をクランクケース31から外す際には、最初にエンジン15の左右のクランクケースカバーを外す。左側のクランクケースカバーを外すと、カウンタシャフト103の左端部103aが現れるので、これに固定されているドライブスプロケット27(図2参照)を取り外す。一方、右側のクランクケースカバーを外すと、クラッチ機構163が現れるので、これを取り外してミッションホルダ101を露出させる。次に、ミッションホルダ101の外周のボルトを取り外して、ミッションホルダ101を図5の矢印Dに沿って引き出して、カートリッジ変速機100をクランクケース31から取り外す。このときに、ミッションホルダ101に軸支されるメインシャフト102、カウンタシャフト103、シフトドラム105もクランクケース31から引き出される。ストッパプレート152やストッパローラ組立体156はミッションホルダ101側に配されているので、ミッションホルダ101と共に引き出される。同様に、ドラムピン121を装着したシフトプレート117は、シフトドラム105と共にクランクケース31から引き出される。一方、ドラムピン121と係合していたシフトアーム122はクランクケース31側に残る(図6参照)。


そして、カートリッジ式トランスミッション100をクランクケース31に取り付ける際には、図4及び図5に示すように、ミッションホルダ101をクランクケース31のミッションケース部92に挿入する。このときに、シフトプレート117がミッションケース部92の左側壁93を貫通し、ドラムピン121が係合爪123と係合する。この状態でミッションホルダ101をボルトでクランクケース31に固定し、ミッションホルダ101から右側に突出するメインシャフト102の右端部102b(図5参照)にクラッチ機構163を装着する。一方、エンジン15の左側にはカウンタシャフト103が突出するので、これにドライブスプロケット27を固定する。その後は、左右のクランクケースカバーを取り付ける。このように、カートリッジ式トランスミッション100は、クランクケース31を割面BFから分離させることなく取り外しが可能である。
図2及び図6に示すように、本実施形態では、カートリッジ式トランスミッション100を備えたエンジン15において、クランクケース31の割面BF上にメインシャフト102を配置し、この割面BFよりも上側でチェンジスピンドル124及びシフトフォークシャフト113を支持する構成にした。従来では使用されなかったメインシャフト102の後方上側のスペースにチェンジスピンドル124及びシフトフォークシャフト113を配置することで、空きスペースを有効に活用することができる。また、チェンジスピンドル124及びシフトフォークシャフト113と、これらと協働するシフトドラム105や、シフトフォーク110、シフトアーム122などからなるシフト機能部品がクランクケース31の高い位置に配置されるので、メインシャフト102の下方のレイアウトの自由度が向上する。さらに、シフト機能部品の配置を最適化することでカートリッジ式トランスミッション100をコンパクトにすることができる。したがって、エンジン15の前後方向の長さを短くすることができる。
また、シフトアーム122とミッションホルダ101とがエンジン15の左右方向に振り分けて配置されるので、シフトアーム122を取り外さずにミッションホルダ101を取り外すことができる。したがって、カートリッジ式トランスミッション100が着脱容易になり、メンテナンス性が向上する。
さらに、メインシャフト102の上方にチェンジスピンドル124などを配置する一方で、カウンタシャフト103をメインシャフト102よりも下側の下部クランクケース45に配置した。カートリッジ式トランスミッション100の構成要素がメインシャフト102に対して上下に配置されるので、前後方向の長さがさらに短くなり、エンジン15の前後方向の長さが短くなる。また、メンテナンス性もさらに向上する。
本発明はこの実施形態に限定されない。例えば、カートリッジ式トランスミッション100は、二輪車に限定されずに、三輪車や、四輪車、船舶などの変速機であっても良い。
クランクケース31の割面BFは、傾斜を有しなくても良く、前側が後側に対して上がる傾斜を有しても良い。シフトドラム105をクランクケース31の上部クランクケース44側に軸支しても同様の効果を実現することができる。同様にシフトフォークシャフト114を上部クランクケース44側に軸支しても良い。
本発明の実施形態における二輪車の側面図である。 エンジンの左側面図である。 エンジンの右側面図である。 図2のA−A線に沿った断面図である。 カートリッジ式トランスミッションの着脱を説明する模式図である。 エンジンの右側面図であって、カートリッジ式トランスミッションの配置を説明図する拡大図である。 シフトドラムを示す展開図である。
符号の説明
15 エンジン
31 クランクケース
44 上部クランクケース
45 下部クランクケース
47 クランクシャフト
100 カートリッジ式トランスミッション
101 ミッションホルダ
102 メインシャフト
103 カウンタシャフト
105 シフトドラム
113 シフトフォークシャフト
122 シフトアーム
124 チェンジスピンドル
BF 割面

Claims (10)

  1. クランクケースを上下に分割可能な上部クランクケースと下部クランクケースから構成し、前記クランクケースの割面に軸支されるクランクシャフトとメインシャフトとを有し、前記メインシャフトの回転動力をカウンタシャフトに伝達するように構成され、前記クランクケースを分離させることなく取り外し可能なカートリッジ式トランスミッションを備えたエンジンにおいて、
    チェンジスピンドルが前記上部クランクケースに軸支され、複数のシフトフォークを振り分けて支持する一対のシフトフォークシャフトが前記上部クランクケース及び下部クランクケースに分けて軸支され、かつ該各シフトフォークシャフトの一端部を支持するミッションホルダが前記クランクケースの割面を跨いで配置されることを特徴とすることを特徴とするカートリッジ式トランスミッションを備えたエンジン。
  2. 前記ミッションホルダが、上部クランクケース及び下部クランクケースにこれらを接続するように固定されることを特徴とする請求項1に記載のカートリッジ式トランスミッションを備えたエンジン。
  3. 前記カウンタシャフトが前記下部クランクケースに軸支されることを特徴とする請求項1又は2に記載のカートリッジ式トランスミッションを備えたエンジン。
  4. シフトドラムを回転させるシフトアームと前記ミッションホルダとを車両の左右に振り分けて配置したことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のカートリッジ式トランスミッションを備えたエンジン。
  5. シフトドラムが前記下部クランクケースに支持されることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載のカートリッジ式トランスミッションを備えたエンジン。
  6. シフトドラムの軸中心が、上下方向で前記各シフトフォークシャフトの軸中心の間に配置されると共に、前後方向で前記各シフトフォークの軸中心よりも後方に配置され、かつ前記クランクケースの割面が、前記上部クランクケースが軸支するシフトフォークシャフトの軸中心と前記シフトドラムの軸中心との間に配置されることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載のカートリッジ式トランスミッションを備えたエンジン。
  7. 前記クランクケースの割面が、前記上部クランクケースがシフトフォークシャフトを介して支持するシフトフォークの凸部と該凸部が係合するシフトドラムの溝部との係合部位と側面視で重なることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載のカートリッジ式トランスミッションを備えたエンジン。
  8. 一側がチェンジスピンドルに固着されると共に他側がシフトドラムに係合して前記シフトドラムを回転させるシフトアームを有し、該シフトアームが側面視で前記クランクケースの割面と重なることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載のカートリッジ式トランスミッションを備えたエンジン。
  9. 前記下部クランクケースに変速ペダルが支持され、該変速ペダルにロッドの一端が連結されると共に、前記クランクケースの割面よりも上方において前記チェンジスピンドルリンク部材の一端が固定され、該リンク部材の他端に前記ロッドの他端が連結されることを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載のカートリッジ式トランスミッションを備えたエンジン。
  10. 前記クランクケースの割面に対してトランスミッション及びチェンジ機構と側面視で略対称となる部位に、当該エンジンの始動系部品が配置されることを特徴とする請求項1から9の何れか1項に記載のカートリッジ式トランスミッションを備えたエンジン。
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