JP2009190902A - フッ素化ナノダイヤモンド分散液の作製方法、およびその分散液 - Google Patents

フッ素化ナノダイヤモンド分散液の作製方法、およびその分散液 Download PDF

Info

Publication number
JP2009190902A
JP2009190902A JP2007146513A JP2007146513A JP2009190902A JP 2009190902 A JP2009190902 A JP 2009190902A JP 2007146513 A JP2007146513 A JP 2007146513A JP 2007146513 A JP2007146513 A JP 2007146513A JP 2009190902 A JP2009190902 A JP 2009190902A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dispersion
viscosity
fluorinated
liquid
suspension
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007146513A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5167696B2 (ja
Inventor
Akifumi Yao
章史 八尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Central Glass Co Ltd
Original Assignee
Central Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Central Glass Co Ltd filed Critical Central Glass Co Ltd
Priority to JP2007146513A priority Critical patent/JP5167696B2/ja
Priority to US12/308,068 priority patent/US8790541B2/en
Priority to KR1020087029763A priority patent/KR101064843B1/ko
Priority to PCT/JP2007/061328 priority patent/WO2007142213A1/ja
Priority to EP07744685.4A priority patent/EP2033935B1/en
Priority to CN2007800259599A priority patent/CN101489928B/zh
Publication of JP2009190902A publication Critical patent/JP2009190902A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5167696B2 publication Critical patent/JP5167696B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K5/00Heat-transfer, heat-exchange or heat-storage materials, e.g. refrigerants; Materials for the production of heat or cold by chemical reactions other than by combustion
    • C09K5/08Materials not undergoing a change of physical state when used
    • C09K5/10Liquid materials
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B32/00Carbon; Compounds thereof
    • C01B32/25Diamond
    • C01B32/28After-treatment, e.g. purification, irradiation, separation or recovery
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K3/00Materials not provided for elsewhere
    • C09K3/14Anti-slip materials; Abrasives
    • C09K3/1454Abrasive powders, suspensions and pastes for polishing
    • C09K3/1472Non-aqueous liquid suspensions

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Geology (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • General Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)
  • Lubricants (AREA)

Abstract

【課題】 研磨材、潤滑剤、熱交換流動媒体などに利用可能なフッ素化ナノダイヤモンド分散液の作製方法及びその分散液を提供することである。
【解決手段】 フッ素化ナノダイヤモンドを、20℃における粘度が2.5cP以下の液体の分散媒と混合することにより懸濁液を作製し、この懸濁液を分級処理することにより得られる分散液に、20℃における粘度が4cP以上の液体の分散媒を添加、混合することを特徴とする、フッ素化ナノダイヤモンド分散液の作製方法を提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、精密研磨剤、潤滑剤、熱交換流動媒体などとして有用な、フッ素化ナノダイヤモンド分散液の作製方法及びその分散液に関するものである。
トリニトロトルエン(TNT)、ヘキソゲン(RDX)などの酸素欠乏型爆薬を用いた衝撃加圧の爆射法(衝撃法)により得られたダイヤモンドは、一次粒子が3〜20nmと極めて小さいためナノダイヤモンド(ND)と呼ばれている。しかし、ND微粒子表面は、非黒鉛質、黒鉛質皮膜などが融着し、粒子径が50〜7500nmの二次、三次凝集体として製造されているため、クラスターダイヤモンド(CD)とも呼ばれている(例えば、非特許文献1、非特許文献2)。NDはそのナノ粒子径により、研磨剤、潤滑剤、熱交換流動媒体、樹脂、金属などとの複合材料、低誘電率膜、エミッター材などの電子材料、DNA担体、ウイルス捕捉用担体などの医療分野など、通常のダイヤモンドの用途以外にも広範囲な用途での利用が期待されている。このようにNDを複合材料などと工業的に利用する場合には、NDがナノオーダーから数百ナノオーダーの微細な粒子で液体中に分散した分散液としての提供が求められる。しかし、ナノレベルオーダーの粒子を溶液中に分散して取り扱う場合、粒子が小さいほど粒子同士の凝集が起こりやすく、また凝集した粒子が沈降するため安定な分散液を得ることは非常に難しい。そのため、NDにおいても、CDを超音波ホモジナイザー、ビーズミル湿式解砕機などで、液体中に一次粒子のNDのまま安定に分散させる方法が種々検討されている(例えば、特許文献1、特許文献2)。しかし、長期的な安定性に乏しく、また乾燥後再凝集するなど、まだ市場の要求には応えられていない。
一方、CDの二次、三次凝集体の解砕を目的に、CDとフッ素ガスとを反応させる方法が報告されている。例えば、CDを反応温度:300〜500℃、フッ素ガス圧:0.1MPa、反応時間:5〜10日にてフッ素と接触させると、ダイヤモンド構造を保持したままで、F/Cモル比が0.2程度(XPS、元素分析)のフッ素化CDが得られる(非特許文献3)。このフッ素処理により、二次粒子径が約40μmのCDは、その凝集が部分的に解けて200nm程度になることがTEMにより観測されている。また、CDの摩擦係数は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)との混合粉末での回転式摩擦試験により、著しく低下することが確認されている(非特許文献4)。これは、TEM観察によるNDの格子模様が明瞭になっていることから、高温での反応によりND表面の非黒鉛質炭素が除去され、更にND表面のCF基、CF基、CF基等の形成により表面エネルギーが低下したためと報告されている(非特許文献5)。また、反応温度:150、310、410、470℃、F/H流量比:3/1、反応時間:48時間のフッ素処理により、フッ素含有量5〜8.6at.%(EDXによる分析)のフッ素化NDを合成したことにより、元のNDよりもエタノールなどの極性溶媒に対する溶解性が向上する結果も報告されている(非特許文献6、特許文献3)。
特開2005−1983号公報 特開2005−97375号公報 US2005/0158549A1号明細書 大澤映二:砥粒加工学会誌,47,414(2003). 花田幸太郎:砥粒加工学会誌,47,422(2003). 大井辰巳、米本暁子、川崎晋司、沖野不二雄、東原秀和:第26回フッ素化学討論会要旨集(2002年11月) 米本暁子、大井辰巳、川崎晋司、沖野不二雄、片岡文昭、大澤映二、東原秀和:日本化学会第83回春季年会予稿集(2003年3月) H.Touhara, K.Komatsu, T.Ohi, A.Yonemoto, S.Kawasaki, F.Okino and H.Kataura: Third French-Japanese Seminar on Fluorine in Inorganic Chemistry and Electrochemistry (April, 2003) Y.Liu, Z.Gu, J.L.Margrave, and V.Khabashesku; Chem. Mater. 16, 3924 (2004).
NDやフッ素化NDは、エタノール、イソプロピルアルコールなどの炭素数3以下のアルコール類やジメチルスルホキシド、アセトンなどの分散媒には均一に分散し、NDやフッ素化NDが高濃度で含まれる分散液を作製可能である。しかし、n―ヘキサン、ベンゼン、石油系オイル(主に炭素数6以上の直鎖状炭化水素)などの炭化水素には全く分散せず、炭素数6以上のアルコール類などに対しても分散性が極度に低い。また、NDやフッ素化NDをはじめとするナノ粒子は、一般的に、粘度の高い液体には均一に分散しにくいことが知られており、分散粒子濃度が高く粘度の高い分散液を得るのは困難である。NDやフッ素化NDの場合では、一次粒子の状態で分散した分散液の20℃における粘度が3cP以上の例はほとんど報告されていない。NDやフッ素化NDを前述の研磨剤、潤滑剤などに利用する分散液は、その用途ごとに粘度や揮発性、引火性、電気伝導性など分散媒の物理化学的性質が要求されるが、分散可能な分散媒の種類が少なく、その選択の幅が極端に制限される。
このように、フッ素化ナノダイヤモンド(フッ素化ND)は、一部の分散媒にしか分散せず、特に20℃における粘度が3cP以上の分散媒に対しては特に分散が困難であり、用途が大幅に制限される状況にある。
本発明は、120時間以上の長期に渡って安定な、20℃における粘度が3cP以上のフッ素化ナノダイヤモンド(フッ素化ND)分散液を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために、鋭意検討を重ねた結果、分散粒子としてフッ素化NDを、分散媒として20℃における粘度が2.5cP以下の液体と4cP以上の液体を用いることにより、120時間以上の長期に渡って安定な分散液を提供できることを見出し、本発明に至ったものである。
すなわち本発明は、フッ素化NDを20℃における粘度が2.5cP以下の液体と混合して懸濁液を作製する工程と、懸濁液を分級処理する工程と、分級処理後の分散液に20℃における粘度が4cP以上の液体を混合する工程から成る、フッ素化ND分散液の作製方法を提供するものである。さらには、20℃における粘度が2.5cP以下の液体がメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトンのいずれかであることを特徴とするフッ素化ND分散液の作製方法、または20℃における粘度が4cP以上の液体が炭化水素類、アルコール類、グリセリン、アルコール類のフッ化物、三フッ化塩化エチレンの重合体のうち、少なくとも一つ以上からなることを特徴とするフッ素化ND分散液の作製方法を提供するものである。また本発明は、その作製方法により得られるフッ素化ND分散液を提供するものである。
本発明の分散液作製方法では、分散液の使用目的に合わせて、分散媒を選択することが可能となる。また、本発明の分散液作製方法により得られるフッ素化ND分散液は、20℃における粘度が3cP以上で、120時間以上の長期に渡って、安定に分散し、保存することが可能である。
以下、本発明をさらに詳述する。
本発明において用いる分散粒子は、NDとフッ素ガスとの直接反応、あるいはフッ素プラズマによるフッ素化等により、ND表面をフッ素で修飾して生成したフッ素化NDを用いる。さらに、フッ素含有量は10〜15wt%の範囲が好ましい。
また、本発明において用いる分散媒は、20℃における粘度が2.5cP以下の液体としては具体的に、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトンなど20℃における粘度が0.3〜2.5cP程度のものが挙げられ、また、20℃における粘度が4cP以上の液体としては具体的に、オクタノール、デカノールなどの炭素数6〜12のアルコール類、グリセリン、パラフィンやミネラルスピリットなどの炭化水素オイル、テトラフルオロプロパノール(TFP:CO)、オクタフルオロペンタノール(OFP:CO)などのアルコール類のフッ化物、平均分子量が500〜1000の三フッ化塩化エチレンの重合体(PCTFE)など20℃における粘度が4〜1500cP程度のものが挙げられる。尚、本発明にかかわる粘度は、回転式粘度計により測定したものである。
次に、本発明のフッ素化ND分散液の作製方法は、フッ素化NDと20℃における粘度が2.5cP以下の液体を混合し、超音波照射によりフッ素化NDを20℃における粘度が2.5cP以下の液体中に分散させ懸濁液を作製し、この懸濁液を遠心分離により分級処理することにより、粒子径が500nmを超える範囲にある不純物および凝集粒子を除去し、平均粒子径が10〜300nmのフッ素化NDからなる透明な分散液を作製し、この分散液と20℃における粘度が4cP以上の液体を混合することによりフッ素化ND分散液を作製する方法である。
20℃における粘度が2.5cP以下の液体とフッ素化NDは、20℃における粘度が2.5cP以下の液体100重量部に対して、フッ素化NDが1〜10重量部となるように混合するのが好ましい。このフッ素化NDが、20℃における粘度が2.5cP以下の液体100重量部に対し、1重量部未満または10重量部を超えると、超音波照射によって得られる懸濁液の粒子濃度が、後述の好ましい濃度条件を満たすことができない可能性がある。20℃における粘度が2.5cP以下の液体とフッ素化NDの混合液を超音波照射により分散させた懸濁液の粒子濃度は、1〜5wt%が好ましい。懸濁液の粒子濃度が1wt%未満または5wt%を超えると、懸濁液を分級処理する工程で得られる分散液の分散粒子濃度が、後述の好ましい濃度条件を満たすことができない可能性がある。懸濁液を分級処理して作製した分散液の分散粒子濃度は、0.5〜3wt%であることが好ましい。分散液の分散粒子濃度が0.5wt%未満の場合、後述の20℃における粘度が4cP以上の液体を添加する工程で、その添加量が制限され十分な粘度が得られにくい。分散液の分散粒子濃度が3wt%を超えると沈殿を生じ、保存および使用時の安定性が低下する可能性がある。
20℃における粘度が2.5cP以下の液体に分散した懸濁液中の粒子濃度が1wt%以上の懸濁液を得るには、超音波の出力は400W以上、照射時間は0.5時間以上の照射が好ましい。超音波の出力が400W未満あるいは照射時間が0.5時間未満である場合や、超音波照射を行わずスターラー等による撹拌で分散を行った場合、フッ素化NDの分散が不十分なため、粒子濃度が1wt%以上の懸濁液を得られにくい。
さらに、20℃における粘度が2.5cP以下の液体中にフッ素化NDを分散させた懸濁液を分級処理して作製した分散液中の平均粒子径は10〜300nm程度が好ましい。分散液中の平均粒子径が300nmを超えると沈殿を生じ、保存および使用時の安定性が低下する可能性がある。
分散媒の20℃における粘度が2.5cP以下の分散液中の平均粒子径が10〜300nmの分散液を得るには、超音波照射後の懸濁液を相対遠心加速度が1800G以上で、0.5時間以上の遠心分離による分級処理を行うことが好ましい。相対遠心加速度が1800G未満または0.5時間未満の場合、粒子径500nm以上の粒子が完全に除去できず、良好な分散液が得られない。また、その他の分級処理方法としてフィルターなどを用いて濾過する方法があるが、この方法では、粒子径が500nm以下の粒子もフィルターで除去され、分散粒子濃度が0.5wt%以上の分散液を得られにくい。
次に、20℃における粘度が2.5cP以下の液体中にフッ素化NDを分散させた懸濁液を分級処理して作製した分散液に20℃における粘度が4cP以上の液体を添加する量は、液体の種類によるが、混合後の分散液の20℃における粘度が3cP以上で、分散粒子濃度が0.05wt%以上となる程度が好ましい。20℃における粘度が3cP未満のフッ素化ND分散液は、フッ素化NDを直接分散でき、分散粒子濃度が0.05wt%を超える分散液を得ることが可能であるため、本発明の効果が得られにくい。
また、20℃における粘度が4cP以上の液体を混合した後の分散液の分散粒子濃度が0.05wt%未満では、分散液中に含まれるフッ素化NDの粒子数が少なく、研磨剤等に応用した際に得られる効果が低下し好ましくない。
さらに、あらかじめ20℃における粘度が2.5cP以下の液体と20℃における粘度が4cP以上の液体を混合して得られる20℃における粘度が3cP以上の溶液にフッ素化NDを添加して超音波照射による混合、遠心分離による分級処理を行って分散液を作製した場合、フッ素化NDの粒子は均一に分散せず、平均粒子径が300nm以下の分散液は得られない。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例1〜7
あらかじめ、ND(甘粛凌云納米材料有限公司製、ナノダイヤモンド精製粉、粒径:3〜10nm、販売代理店:(株)ニューメタルス エンド ケミカルス コーポレーション)を圧力1kPaで3時間、400℃に加熱して、NDに含まれる水分を除去した。乾燥処理を行ったNDを20g、ニッケル製の反応管に入れ、これに20℃で、フッ素ガスを流量20ml/min、アルゴンガスを流量380ml/minで流通した。そして、試料を400℃に加熱し、140時間、アルゴンガスとフッ素ガスの流通を継続し、NDとフッ素ガスを反応させ、フッ素化NDを作製した。なお、作製したフッ素化NDのフッ素含有量は元素分析により12wt%であった。
得られたフッ素化NDを、20℃における粘度が2.5cP以下の液体としてエタノール(粘度1.2cP、実施例1〜5)あるいはイソプロピルアルコール(粘度2.4cP、実施例6、7)500gに6.2g混合し、超音波ホモジナイザー(VCX−750、Sonics&materials社製)によって、出力400Wの超音波照射を0.5時間行い、フッ素化NDが分散した懸濁液を作製した。このとき得られた懸濁液は、エタノール、イソプロピルアルコールどちらの場合も、投入したすべてのフッ素化NDが分散し、沈殿を生じず、懸濁液の粒子濃度は1.2wt%であった。
次に、得られた懸濁液を遠心機(CN−2060、HSIANGTAI社製)により、回転数4300rpm(相対遠心加速度2000G)で1時間分級処理し、遠心分離後の上澄み液を採取して分散液を得た。この分散液について、平均粒子径、粘度および分散粒子濃度を測定したところ、エタノールを用いた分散液(実施例1〜5)では、平均粒子径は102nm、粘度は1.2cP、分散粒子濃度は0.8wt%、イソプロピルアルコールを用いた分散液(実施例6、7)では、平均粒子径は122nm、粘度は2.3cP、分散粒子濃度は1.1wt%であった。
得られた分散液100gに、20℃における粘度が4cP以上の液体として1−オクタノール(粘度:12.5cP、実施例1)を200g添加し撹拌して分散液を作製し、120時間静置後に、この分散液の平均粒子径、粘度および分散粒子濃度を測定した。
上記の平均粒子径の測定は、動的光散乱法による粒度分布測定器(FPAR1000、大塚電子製)で重量換算粒度分布の測定を行い、分散液の平均粒子径を算出し、粘度は、20℃にて回転式粘度計(東機産業株式会社製TVC−5、回転数20rpm)で測定し、分散粒子濃度は、分散液を10g秤量し、乾燥機により50℃で乾燥して分散媒を除去後、残存した粒子の重量を秤量し分散粒子濃度を算出した。
20℃における粘度が4cP以上の液体として、CTFE油(ダイキン工業株式会社、ダイフロイル#1、粘度:20cP、実施例2)、グリセリン(粘度:940cP、実施例3、4、7)、ミネラルスピリット(CAS番号:64742−47−8、粘度:4.2cP、実施例5、6)についても同様に行った。ただし、グリセリンについては添加量を200gの場合(実施例3、7)と400gの場合(実施例4)について行った。
表1にそれぞれについての結果を記載した。
Figure 2009190902
比較例1〜3
上記実施例1〜7と同様の方法で作製したフッ素化ND1.2gを、20℃における粘度が4cP以上の分散媒である1−オクタノール(比較例1)、CTFE油(比較例2)、グリセリン(比較例3)各100gにそれぞれ投入し、上記実施例1〜7と同様の条件で超音波照射による混合、遠心分離による分級処理を行って得られた上澄み液を120時間静置後、上記実施例1〜7と同様の方法で平均粒子径の測定を行った。
その結果、分散媒が1−オクタノールの場合は平均粒子径が952nm、分散媒がグリセリン場合は平均粒子径が3800nmであった。分散媒がCTFE油の場合は、超音波照射後、粒子が0.1時間以内に沈殿し、懸濁液を作製できず、さらに遠心分離後、上澄み液中の分散粒子濃度測定を上記実施例1〜7と同様の方法で行ったが、液中の粒子は確認できなかった。
比較例4、5
上記実施例1〜7と同様の方法で作製したフッ素化NDを分散粒子とし、混合比がいずれも重量比で1:2であるエタノールと1−オクタノールの混合液(比較例4)、エタノールとグリセリンの混合液(比較例5)を分散媒として用いた。上記比較例1〜3と同様の方法で、フッ素化ND1.2gを各分散媒100gにそれぞれ投入して超音波照射による混合、遠心分離による分級処理を行って得られた上澄み液を120時間静置後、上記実施例1〜7と同様の方法で平均粒子径の測定を行った。その結果、分散媒がエタノールと1−オクタノールの混合液の場合は平均粒子径が751nm、分散媒がエタノールとグリセリンの混合液の場合は平均粒子径が1264nmであった。
本発明の作製方法により得られるフッ素化NDの分散液は、研磨剤、潤滑剤、熱交換流動媒体、樹脂、金属などとの複合材料、低誘電率膜、エミッター材などの電子材料、DNA担体、ウイルス捕捉用担体などの医療分野など、通常のダイヤモンドの用途以外にも広範囲な用途での利用が可能となる。

Claims (4)

  1. フッ素化ナノダイヤモンドを20℃における粘度が2.5cP以下の液体と混合して懸濁液を作製する工程、懸濁液を分級処理する工程、分級処理後の分散液に20℃における粘度が4cP以上の液体を混合する工程から成るフッ素化ナノダイヤモンド分散液の作製方法。
  2. 20℃における粘度が2.5cP以下の液体が、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトンのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のフッ素化ナノダイヤモンド分散液の作製方法。
  3. 20℃における粘度が4cP以上の液体が、炭化水素類、アルコール類、グリセリン、アルコール類のフッ化物、三フッ化塩化エチレンの重合体のうち、少なくとも一つ以上からなることを特徴とする請求項1に記載のフッ素化ナノダイヤモンド分散液の作製方法。
  4. 請求項1、2、または3のいずれかに記載の方法で作製したフッ素化ナノダイヤモンド分散液。
JP2007146513A 2006-06-05 2007-06-01 フッ素化ナノダイヤモンド分散液の作製方法 Expired - Fee Related JP5167696B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007146513A JP5167696B2 (ja) 2006-06-05 2007-06-01 フッ素化ナノダイヤモンド分散液の作製方法
US12/308,068 US8790541B2 (en) 2006-06-05 2007-06-05 Method for preparing fluorinated nanodiamond liquid dispersion
KR1020087029763A KR101064843B1 (ko) 2006-06-05 2007-06-05 불소화 나노 다이아몬드 분산액의 조제방법
PCT/JP2007/061328 WO2007142213A1 (ja) 2006-06-05 2007-06-05 フッ素化ナノダイヤモンド分散液の調製方法
EP07744685.4A EP2033935B1 (en) 2006-06-05 2007-06-05 Method for preparing fluorinated nanodiamond liquid dispersion
CN2007800259599A CN101489928B (zh) 2006-06-05 2007-06-05 氟化纳米金刚石分散液的配制方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006156506 2006-06-05
JP2006156506 2006-06-05
JP2007146513A JP5167696B2 (ja) 2006-06-05 2007-06-01 フッ素化ナノダイヤモンド分散液の作製方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009190902A true JP2009190902A (ja) 2009-08-27
JP5167696B2 JP5167696B2 (ja) 2013-03-21

Family

ID=40892033

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007146513A Expired - Fee Related JP5167696B2 (ja) 2006-06-05 2007-06-01 フッ素化ナノダイヤモンド分散液の作製方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US8790541B2 (ja)
JP (1) JP5167696B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011084443A (ja) * 2009-10-17 2011-04-28 Univ Of Fukui フッ素化炭素微粒子
JP2011084444A (ja) * 2009-10-17 2011-04-28 Univ Of Fukui フッ素化炭素微粒子分散液
WO2016151629A1 (en) * 2015-03-24 2016-09-29 Kyushu University, National University Corporation Halogenated carbon and method for manufacturing same

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101484339B1 (ko) * 2007-02-09 2015-01-19 이시즈카히로시 미세 다이아몬드 분말을 수집하기 위한 방법
JP5326381B2 (ja) * 2008-06-30 2013-10-30 セントラル硝子株式会社 フッ素化ナノダイヤモンドとその分散液および、その作製方法
US8658578B2 (en) 2010-12-29 2014-02-25 Industrial Technology Research Institute Lubricating oil composition and method for manufacturing the same
EP2687207B1 (de) * 2011-07-26 2015-01-14 Zakrytoe Aktsionernoe Obschestvo "Almaz Pharm" System zur freisetzung von biologischen wirkstoffen in einem organismus und verfahren zur herstellung des systems
WO2017110791A1 (ja) * 2015-12-21 2017-06-29 株式会社東京精密 切断用ブレードの製造方法、及び切断用ブレード

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04502930A (ja) * 1989-09-21 1992-05-28 シェバリン,アレクサンドル イバノビチ 固体摩擦改質剤を導入した潤滑化合物
JP2004339412A (ja) * 2003-05-16 2004-12-02 Ishizuka Kenkyusho:Kk 研磨材用サブミクロンダイヤモンド粉及びその製造方法
JP2005097375A (ja) * 2003-09-24 2005-04-14 Okamoto Machine Tool Works Ltd ナノダイヤモンド非水分散液およびその調製方法
US20050158549A1 (en) * 2003-11-26 2005-07-21 William Marsh Rice University Functionalization of nanodiamond powder through fluorination and subsequent derivatization reactions
JP2006131845A (ja) * 2004-11-09 2006-05-25 Asahi Glass Co Ltd 新規な光学樹脂組成物

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61261386A (ja) * 1985-05-15 1986-11-19 Paresu Kagaku Kk 砥粒分散型スラリ−状ラツピング・ポリツシング潤滑剤
AU7971201A (en) 2000-07-06 2002-01-14 Huntsman Int Llc Solid-suspending systems
DE10048822A1 (de) * 2000-09-29 2002-04-18 Nimbus Biotechnologie Gmbh Verfahren zur Immobilisierung von Lipidschichten
JP4231632B2 (ja) * 2001-04-27 2009-03-04 花王株式会社 研磨液組成物
CN1203915C (zh) * 2002-11-18 2005-06-01 长沙矿冶研究院 纳米金刚石的解团聚及分级方法
JP2005001983A (ja) 2003-05-20 2005-01-06 Futaba Corp 超分散状態ナノ炭素およびその製造方法
US7858186B2 (en) * 2004-11-12 2010-12-28 William Marsh Rice University Fluorinated nanodiamond as a precursor for solid substrate surface coating using wet chemistry
JP4502930B2 (ja) 2005-10-21 2010-07-14 三洋電機株式会社 低温ショーケースの除霜装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04502930A (ja) * 1989-09-21 1992-05-28 シェバリン,アレクサンドル イバノビチ 固体摩擦改質剤を導入した潤滑化合物
JP2004339412A (ja) * 2003-05-16 2004-12-02 Ishizuka Kenkyusho:Kk 研磨材用サブミクロンダイヤモンド粉及びその製造方法
JP2005097375A (ja) * 2003-09-24 2005-04-14 Okamoto Machine Tool Works Ltd ナノダイヤモンド非水分散液およびその調製方法
US20050158549A1 (en) * 2003-11-26 2005-07-21 William Marsh Rice University Functionalization of nanodiamond powder through fluorination and subsequent derivatization reactions
JP2006131845A (ja) * 2004-11-09 2006-05-25 Asahi Glass Co Ltd 新規な光学樹脂組成物

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
大井辰巳他: "クラスターダイヤモンドのフッ素修飾,構造と性質", フッ素化学討論会講演要旨集, vol. 26, JPN6012044279, 14 November 2002 (2002-11-14), pages 24 - 25, ISSN: 0002312166 *

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011084443A (ja) * 2009-10-17 2011-04-28 Univ Of Fukui フッ素化炭素微粒子
JP2011084444A (ja) * 2009-10-17 2011-04-28 Univ Of Fukui フッ素化炭素微粒子分散液
WO2016151629A1 (en) * 2015-03-24 2016-09-29 Kyushu University, National University Corporation Halogenated carbon and method for manufacturing same
JP2018518433A (ja) * 2015-03-24 2018-07-12 国立大学法人九州大学 ハロゲン化カーボン及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
US8790541B2 (en) 2014-07-29
US20090283718A1 (en) 2009-11-19
JP5167696B2 (ja) 2013-03-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5167696B2 (ja) フッ素化ナノダイヤモンド分散液の作製方法
KR101064843B1 (ko) 불소화 나노 다이아몬드 분산액의 조제방법
JP5359166B2 (ja) フッ素化ナノダイヤモンド分散液の作製方法
TWI462876B (zh) 石墨奈米小板及組成物
JP5326381B2 (ja) フッ素化ナノダイヤモンドとその分散液および、その作製方法
CN1150255C (zh) 制备磺氟化聚合物溶液的方法
Chatterjee et al. Probing the intensity of dilatancy of high performance shear-thickening fluids comprising silica in polyethylene glycol
JPH01289896A (ja) 含フッ素樹脂分散体
Bhagavathi Kandy et al. Effect of incorporation of multiwalled carbon nanotubes on the microstructure and flow behavior of highly concentrated emulsions
JP2007308351A (ja) フッ素含有ナノダイヤモンド分散液、およびその作製方法
JP2005097375A (ja) ナノダイヤモンド非水分散液およびその調製方法
CN115558533B (zh) 纳米碳氢燃料制备用萘系分散剂及其应用
CN105779081A (zh) 一种复合石墨烯微片及制备方法和在润滑油脂中的应用
KR101337683B1 (ko) 소수성으로 표면처리된 나노 다이아몬드 및 이의 제조방법
JP5887773B2 (ja) ダイヤモンド微粒子を含む分散体
KR100946403B1 (ko) Ptfe 코팅용액의 제조방법
Tkachev et al. Modification of Frost-Resistant Plastic Lubricants Using Few-and Multi-Layered Graphene
Uoda et al. Carbon nanoparticles from Waste Zn-C battery via an eco-friendly method: characterisation and application for wettability alteration
Cholakov et al. Physical stability of detonation nanodiamonds in liquid lubricants
JP7367334B2 (ja) ナノダイヤモンド組成物の製造方法
JP7007782B1 (ja) 親水性多糖高分子を含有する粉末の水分散液の製造方法
Yao et al. Synthesis and evaluation of fluorinated nano diamond for application of polymer composite
JP6511611B2 (ja) マスターバッチの製造方法及びエラストマー組成物の製造方法
JP2017115097A (ja) エチレンプロピレン共重合体組成物及びその製造方法
Herrera-Zamora et al. Influence of the Biomass Resource in the Phyisico-Chemical Properties of Graphene Oxide-Like Materials: Phragmites Australis Vs. Carya Illinoinensis

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100218

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20100325

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20100326

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120828

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121010

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121127

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121210

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5167696

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees