JP7007782B1 - 親水性多糖高分子を含有する粉末の水分散液の製造方法 - Google Patents

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高せん断力や物理的な力を加える必要がなく、また、再分散促進剤や分散剤を添加する必要がない、親水性多糖高分子を含有する粉末の水分散液の製造方法を提供することを課題とする。すなわち、親水性多糖高分子を簡便かつ均一に水分散させる方法を提供することを課題とする。親水性多糖高分子を含有する粉末の水分散液の製造方法は、水系溶媒及び疎水性炭化水素で液-液界面を形成させる工程と、前記疎水性炭化水素に前記親水性多糖高分子の粉末を投入する工程と、を含み、前記疎水性炭化水素は前記水系溶媒より密度が小さいことを特徴とする。

Description

本発明は、親水性多糖高分子を含有する粉末の水分散液の製造方法、及び、親水性多糖高分子の水分散液に関する。
セルロースナノファイバー等のグルコシド結合によって単糖が重合した親水性多糖高分子は、乾燥粉体として保管され、使用時に水等に再分散させて利用されるのが一般的である。
粉体の親水性多糖高分子をそのまま水系の溶媒に分散させようとすると、粉体表面だけが濡れる現象が見られる。さらに水系の溶媒中では、繊維が絡まり凝集塊を形成してしまいやすい(図1参照)。このため、乾燥粉体として保管されていた親水性多糖高分子を水等の溶媒に均一に再分散させるために、高速ホモジナイザー等を使用して粉体と溶媒に高せん断力を加えたり、湿式・乾式のビーズミル等を使用して粉体に物理的な力を加えたりする方法が開発されてきた。しかしながら、高せん断力や物理的な力を加える方法は、特に工業生産においては設備投資が必要となり、製造コストや時間を要するという課題があった。
また、特許文献1には、再分散促進剤や分散剤を添加することにより、セルロースナノファイバー分散液を製造する方法が開示されている。しかしながら、セルロースナノファイバーの分散液に第三成分が含有するため、分散させたセルロースナノファイバーの使用目的によっては後処理にコストや時間を要するという課題があった。さらには、残存した再分散促進剤や分散剤等の第三成分が、セルロースナノファイバーのその後の処理工程や反応工程に対し化学的な影響を与える可能性があるという課題があった。
特開2014-118521号公報
本発明は、上記事情を鑑みたものであり、高せん断力や物理的な力を加える必要がなく、また、再分散促進剤や分散剤を添加する必要がない、親水性多糖高分子を含有する粉末の水分散液の製造方法を提供することを課題とする。すなわち、親水性多糖高分子を簡便かつ均一に水分散させる方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の親水性多糖高分子を含有する粉末の水分散液の製造方法は、水系溶媒及び疎水性炭化水素で液-液界面を形成させる工程と、前記疎水性炭化水素に前記親水性多糖高分子の粉末を投入する工程と、を含み、前記疎水性炭化水素は前記水系溶媒より密度が小さいことを特徴とする。
前記親水性多糖高分子の粉末を投入する工程の前に、前記親水性多糖高分子の粉末を篩にかける工程を含んでもよい。
前記親水性多糖高分子の粉末を投入する工程は、前記親水性多糖高分子の粉末を前記疎水性炭化水素と同じ組成の油又は前記疎水性炭化水素と異なる組成の疎水性炭化水素の油に分散する工程と、前記分散する工程の後に該油に分散した前記親水性多糖高分子を、前記水系溶媒との間に液-液界面を形成させた前記疎水性炭化水素に投入する工程であってもよい。
前記親水性多糖高分子の粉末を投入する工程は、攪拌せずに静置して行うこともできる。
前記親水性多糖高分子は、セルロースナノファイバー、セルロース、セルロース誘導体、グルコマンナン、カラギーナン、キチン、デンプン、グリコーゲン、アガロース、ペクチン、キサンタンガムのうち1以上を含んでもよい。
反応停止剤を投入する工程をさらに含んでもよい。
該反応停止剤は前記水系溶媒より密度が小さく、かつ、前記疎水性炭化水素より密度が大きいことが好ましい。
前記反応停止剤は、アルコール類であることが好ましい。
本発明の親水性多糖高分子の水分散液は、上記の親水性多糖高分子を含有する粉末の水分散液の製造方法で得られることを特徴とする。
本発明の親水性多糖高分子を含有する粉末の水分散液の製造方法により、凝集塊を形成しやすい親水性多糖高分子を簡便かつ均一に水分散させることができる(図2参照)。水分散のために高せん断力や物理的な力を加える必要がなく、製造時間、製造コストを抑えることができる。また、水分散のために再分散促進剤や分散剤等を添加する必要がないため、水分散液中に再分散促進剤や分散剤等第三成分が残存せず、分散後の処理も簡便となり得る。
さらに、本発明の製造方法により、粒度分布の均一性が高い親水性多糖高分子の水分散液を得ることができる。
セルロースナノファイバーの粉末に直接水を加え、凝集塊となったセルロースナノファイバーの写真を示す。 本発明の製造方法による、親水性多糖高分子を含有する粉末の親水性多糖高分子の水分散液の写真を示す。 本発明の水分散液の分散したセルロースナノファイバーの粒度分布を示す。 比較例1(直接低せん断攪拌)の水分散溶液の分散したセルロースナノファイバーの粒度分布を示す。 比較例2(湿式ビーズミル)の水分散溶液の分散したセルロースナノファイバーの粒度分布を示す。 本発明の水分散液の粒度分布を示す。図4(a)は1回目の測定結果、図4(b)は2回目の測定結果である。 直接低せん断攪拌による水分散液の粒度分布を示す。図5(a)は1回目の測定結果、図5(b)は2回目の測定結果である。 湿式ビーズミルによる水分散液の粒度分布を示す。図6(a)は1回目の測定結果、図6(b)は2回目の測定結果である。 粒度分布の測定器具の一例を示す。
以下に、本発明の親水性多糖高分子を含有する粉末の水分散液の製造方法、及び、該製造方法により得られた親水性多糖高分子の水分散液について説明する。
本発明の親水性多糖高分子を含有する粉末の水分散液の製造方法は、水系溶媒及び疎水性炭化水素で液-液界面を形成させる工程と、前記疎水性炭化水素に前記親水性多糖高分子の粉末を投入する工程とを含む。
水系溶媒及び疎水性炭化水素で液-液界面を形成させる工程では、水系溶媒と疎水性炭化水素が用いられる。
水系溶媒は、水や、水に添加剤を含有する水溶液、水と同様な親水性を有する溶媒等が例示され、特に水が好ましい。
水は、使用目的により適宜純度を選択することができる。たとえば、精製水、蒸留水、水道水、工業用水、脱気水等を用いることができる。
添加剤は、pH調整剤、防腐剤、酸化防止剤等が例示される。
水と同様な親水性を有する溶媒は、エタノール、エチレングリコール、グリセリン、1,3-BG(ブチレングリコール)等が例示される。
水系溶媒は、疎水性炭化水素と液-液界面を形成する親水性を有する。また、水系溶媒は1種を用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
疎水性炭化水素は、疎水性を有する炭化水素から適宜選択されるが、特に、流動パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン、スクワラン等が好ましい。なお、水系溶媒と液-液界面を形成する性質であることが要求されるため、エステル基やヒドロキシル基、エーテル基等を有する植物油やアルコール等の疎水性の低い炭化水素は好ましくない。
疎水性炭化水素は、1種を用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
水系溶媒及び疎水性炭化水素をたとえば容器等に注ぎ、液-液界面を形成させる。水系溶媒と疎水性炭化水素を混合してから静置してもよいし、水系溶媒を先に注ぎ、その上に疎水性炭化水素を注いでもよい。
親水性多糖高分子が水と疎水性炭化水素との液-液界面から下側に存在する水系溶媒へ分散していくように、疎水性炭化水素は水系溶媒より密度が小さい。
疎水性炭化水素に親水性多糖高分子の粉末を投入する工程では、該疎水性炭化水素に該親水性多糖高分子の粉末が添加されるような方法が適宜選択される。親水性多糖高分子の粉末を疎水性炭化水素に単に振り入れるように投入してもよいし、該投入する工程の前に親水性多糖高分子の粉末を篩にかける工程を含んでもよい。篩にかけることで粉末のダマを取り除くことができるため、より均一性の高い粒子が分散した水分散液を製造しやすくなる。
疎水性炭化水素に親水性多糖高分子の粉末を投入する工程では、親水性多糖高分子の粉末を疎水性炭化水素と同じ組成の油又は異なる組成の疎水性炭化水素の油に分散する工程と、分散する工程の後に該油に分散した親水性多糖高分子を、水系溶媒との間に液-液界面を形成させた疎水性炭化水素に投入する工程を含んでもよい。
親水性多糖高分子の粉末を疎水性炭化水素と同じ組成の油又は異なる組成の疎水性炭化水素の油に分散する工程では、親水性多糖高分子の粉末を、水系溶媒と液-液界面を形成するのに用いた疎水性炭化水素と同じ組成の疎水性炭化水素からなる油に分散させるか、水と液-液界面を形成するのに用いた疎水性炭化水素と異なる組成の疎水性炭化水素からなる油に分散させる。分散する工程では、攪拌、加温が適宜なされてもよいし、室温で行われてもよい。
分散する工程の後に該油に分散した親水性多糖高分子を、水系溶媒との間に液-液界面を形成させた疎水性炭化水素に投入する工程では、油に予め分散させておいた親水性多糖高分子を疎水性炭化水素内に投入する。親水性多糖高分子は、油に予め分散させておくことにより、疎水性炭化水素中でよりスムーズに均質性をもって解繊されて沈降する。親水性多糖高分子が液-液界面に到達すると、水系溶媒中の水と会合して水系溶媒中に移行し分散する。
なお、親水性多糖高分子が水系溶媒中に移行し分散する際に、液-液界面を維持する程度に静かに攪拌することもできる。この攪拌操作により分散速度は上がるが、分散液中の親水性多糖高分子の粒子径が大きくなる場合があることに留意する。
また、親水性多糖高分子の粉末を投入する工程は、攪拌せずに静置して行うこともできる。静置により分散速度は下がるが、分散液中の親水性多糖高分子の粒子径が大きくならずに均一性を有する水分散液が得られやすい。また、水分散を静置で行う場合、高せん断攪拌や物理的な攪拌のための設備は不要となる利点を有する。
親水性多糖高分子は、セルロースナノファイバー、セルロース、セルロース誘導体、グルコマンナン、カラギーナン、キチン、デンプン、グリコーゲン、アガロース、ペクチン、キサンタンガム等が例示される。これらの親水性多糖高分子は1種を用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
水分散を停止するため、反応停止剤を投入する工程をさらに含んでもよい。この場合、反応停止剤は前記水系溶媒より密度が小さく、かつ、前記疎水性炭化水素より密度が大きいものが選択される。たとえば、アルコール類であり、エタノール、メタノール等のうち、前述の密度条件を満たす溶媒が例示される。
反応停止剤が投入されると、水系溶媒及び疎水性炭化水素との密度差により、液-液界面の位置に反応停止剤の層が形成される。このため、親水性多糖高分子は、反応停止剤の層に留まり、水系溶媒へ分散が進まなくなりやがて停止する。
上述した親水性多糖高分子を含有する粉末の水分散液の製造方法で得られた、親水性多糖高分子の水分散液は、粒子径の均一性が高く、かつ、最小粒子径がより小さい親水性多糖高分子が分散したものとなる。すなわち、親水性多糖高分子の粒子の凝集塊は形成されにくい、又は、凝集塊は形成されない。
また、該水分散液は、再分散促進剤や分散剤を含まないものである。
さらに、ディスパー等で空気を用いて分散したものではないため、分散液は空気を噛んでおらず脱気工程も不要である。同様な理由で水分散の嫌気的操作が可能となる。
従来法では凝集塊が形成しやすく高濃度の分散液を製造することは難しいが、本発明の水分散液は高濃度であっても液-液界面での解繊であるため、凝集塊が生成しにくい。
以下の実施例により本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されない。
(実施例)
本発明の実施例として、以下の操作を行い、水分散液を得た。
まず、水より低密度の流動パラフィン(疎水性炭化水素)を、水(水系溶媒)の上に静かに載せ、液-液界面を形成させる。
次に、セルロースナノファイバー(親水性多糖高分子)を、流動パラフィンの上から篩にかけ、流動パラフィンの液面に対して均一に落下させる。
セルロースナノファイバーは、流動パラフィンに接触すると直ちに濡れが観察される。その後、セルロースナノファイバーはセミマイクロ程度の大きさに解繊が進み、流動パラフィンの中をほぼ等速で沈降する。
セルロースナノファイバーが液-液界面に到達すると、水と会合し水中に分散する。水を回収することにより、水分散液を得る。
なお、セルロースナノファイバーを投入後、十分に静置すると、すなわち、セルロースナノファイバーの流動パラフィンでの解繊、水との会合、水中への分散の時間を十分にとると、99質量%以上のセルロースナノファイバーが水へ分散することが確認された。
ここで、疎水性炭化水素中での解繊速度は、水系溶媒への分散速度より大きい。このため、水系溶媒へ分散する親水性多糖高分子の粒径の均一性を重視したい場合は、解繊速度が分散速度より小さくなるように調整する。調整方法としては、疎水性炭化水素の粘度を調整する等が例示される。粘度は、温度や疎水性炭化水素の組成等により調整可能である。
(比較例1)
比較例1として、直接低せん断攪拌して得られたセルロースナノファイバー分散溶液を作成した。
具体的には、ホモディスパー(プライミクス株式会社製)を用い、1800rpm、25℃、24時間静置することにより、0.1質量%のセルロースナノファイバー分散溶液を得た。
(比較例2)
比較例2として、湿式ビーズミルにより得られたセルロースナノファイバー分散溶液を作成した。該0.1質量%セルロースナノファイバー分散溶液を4℃で6か月保存後、25℃で24時間静置した。
(DLSによる粒度分析)
得られた実施例及び比較例の試料を用い、DLS(動的光散乱法;Dinamic Light Scattering)により粒度分布を測定した。使用機器はMalvern Panalytical製のゼータサイザーナノZSで、測定条件は、分散媒:水、25℃、disposable microcuvett使用して、n=3で行った。
測定結果を、図3A、図3B、図3Cに示す。図3A、図3B、図3Cは、横軸に粒径、縦軸に個数(%)を取って、粒度分布を示したものである。
図3Bに示した比較例1では、セルロースナノファイバーを十分に解繊することができず、サブミクロンサイズの粒塊が生成していることが分かった。
図3Cに示した比較例2でも、セルロースナノファイバーを十分に解繊することができず、不規則なサブミクロン~ミクロンサイズの大粒径の凝集塊が生成していることが分かった。なお、比較例2のように大粒径の凝集塊が不規則に存在する試料は、DLS分析では細かい粒子について正確な粒度分布を測定することができない。
これに対し、図3Aに示した実施例では、75nm程度の粒子径のセルロースナノファイバーが97%~99%程度と均一性が高く、かつ、安定して分散していることが分かった。
(ナノメジャーによる粒度分析)
上記DLSにおいては、測定論理上、溶液中の粒子に粒度分布がある場合、特に大きな粒子が多く存在する場合、より小さな粒子の粒度分布を正確に測定できない。そこで、ナノメジャー(登録商標、株式会社カワノラボ製)により、粒度分布を測定した。
図7にナノメジャーの概要を示した。
測定条件は、以下のとおりである。実施例及び比較例の試料をそれぞれ希釈せず軽く振り交ぜ、1μLをナノメジャーに滴下し、毛細管現象を利用して導入した後、干渉縞を用いて粒子径を計測した。測定温度は25±1℃、対物レンズは20倍(トータル200倍)であった。n=2で測定した。
測定結果を、図4~図6に示す。図4~図6は、横軸に粒子サイズ、縦軸に頻度を取って、粒度分布を示したものである。
図4(a)は実施例の試料の1回目の測定結果である。1nm~180.8nmのサイズの粒子が75%以上を占めている。図4(b)は実施例の試料の2回目の測定結果である。1nm~104.2nmの粒子が凡そ96%を占めている。これらの結果は、DLSによる粒度分布とほぼ同様であった。
図5(a)は比較例1の試料の1回目の測定結果であり、図5(b)は2回目の測定結果である。測定ごとに粒度分布が異なることが分かった。すなわち、せん断の度合いがセルロースナノファイバーの場所によって異なり、不均一になっていると考えられる。
図6(a)は比較例2の試料の1回目の測定結果であり、図6(b)は2回目の測定結果である。198.6nm~369.2nm程度のサイズの粒子の頻度が高めであるが、いずれの測定も大きな紐状粒塊が存在しており、凝集が発生していることが分かった。
セルロースナノファイバーは、さまざまな技術分野で使用されているものの、その凝集性等の性質から、水分散液を製造するには設備投資や分散剤の添加等が必要であり、いわば使いにくい素材である。しかしながら、本発明の水分散の方法により、ほぼ「静置しておく」という極めて簡便な方法で水分散が可能となり、技術的なブレイクスルーとなるものと考える。今後のさらなる応用が大いに期待される。

Claims (7)

  1. 親水性多糖高分子を含有する粉末の水分散液の製造方法であって、
    水系溶媒及び疎水性炭化水素で液-液界面を形成させる工程と、
    前記疎水性炭化水素に前記親水性多糖高分子の粉末を投入する工程と、
    を含み、
    前記疎水性炭化水素は前記水系溶媒より密度が小さい、親水性多糖高分子を含有する粉末の水分散液の製造方法。
  2. 前記親水性多糖高分子の粉末を投入する工程の前に、前記親水性多糖高分子の粉末を篩にかける工程を含む、請求項1に記載の親水性多糖高分子を含有する粉末の水分散液の製造方法。
  3. 前記親水性多糖高分子の粉末を投入する工程は、前記親水性多糖高分子の粉末を前記疎水性炭化水素と同じ組成の油又は前記疎水性炭化水素と異なる組成の疎水性炭化水素の油に分散する工程と、前記分散する工程の後に該油に分散した前記親水性多糖高分子を、前記水系溶媒との間に液-液界面を形成させた前記疎水性炭化水素に投入する工程である、請求項1又は2に記載の親水性多糖高分子を含有する粉末の水分散液の製造方法。
  4. 前記親水性多糖高分子の粉末を投入する工程は、攪拌せずに静置して行う、請求項1~3いずれか一項に記載の親水性多糖高分子を含有する粉末の水分散液の製造方法。
  5. 前記親水性多糖高分子は、セルロースナノファイバー、セルロース、セルロース誘導体、グルコマンナン、カラギーナン、キチン、デンプン、グリコーゲン、アガロース、ペクチン、キサンタンガムのうち1以上を含む、請求項1~4いずれか一項に記載の親水性多糖高分子を含有する粉末の水分散液の製造方法。
  6. 反応停止剤を投入する工程をさらに含み、該反応停止剤は前記水系溶媒より密度が小さく、かつ、前記疎水性炭化水素より密度が大きい、請求項1~5いずれか一項に記載の親水性多糖高分子を含有する粉末の水分散液の製造方法。
  7. 前記反応停止剤は、アルコール類である、請求項6に記載の親水性多糖高分子を含有する粉末の水分散液の製造方法
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