JP2009175230A - 表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷却効果を増大させつつ、薄型化が図られる表示装置、を提供する。
【解決手段】液晶テレビ100は、発熱する表示モジュール10と、実装面22を有する基板21と、実装面22に実装される部品群26と、表示モジュール10、基板21、部品群26を収容する筐体11とを備える。実装面22は、表示モジュール10と向い合って延在する主面22aと、主面22aの裏側に配置される非主面22bとを含む。部品群26のうち実装面22を基準とする高さが最も大きくなる部品26Aが、主面22aおよび非主面22bのうちの主面22aに実装される。筐体11には、基板21よりも下方に位置して下通気孔18と、基板21よりも上方に位置して上通気孔19とが形成される。筐体11内に、下通気孔18、表示モジュール10と主面22aとの間の空間32および上通気孔19を流通する空気流れが形成される。
【選択図】図1

Description

この発明は、一般的には、液晶テレビ、プラズマディスプレイテレビ、液晶ディスプレイ等の薄型表示装置に関し、より特定的には、表示パネル部や制御回路部の発熱を効率良く排出するための放熱構造を備えた薄型表示装置に関する。
従来の表示装置に関して、たとえば、特開2003−173147号公報には、温度上昇を確実に抑えることを目的とした表示装置が開示されている(特許文献1)。特許文献1に開示された表示装置は、画像を表示する表示パネルと、表示パネルを支持するフレームシャーシと、表示パネルを駆動し、画像を表示させる回路基板とを有する。表示パネル、フレームシャーシおよび回路基板から構成されるモジュールの前後には、前面意匠枠および後面カバーが固定されている。フレームシャーシには冷却ファンが装着されており、後面カバーには、この冷却ファン用の吸気孔および排気孔が形成されている。
また、特開平10−117315号公報には、PDP(プラズマディスプレイパネル)の熱で温度上昇したPDPと駆動回路との間の空気を強制的に排気し、PDPの温度上昇を抑制することを目的としたPDPの放熱構造が開示されている(特許文献2)。特許文献2に開示されたPDPの放熱構造においては、プラズマディスプレイパネルの背面に、プラズマディスプレイパネルの駆動回路を搭載した駆動回路基板が所要の間隔を設けて配設されている。プラズマディスプレイパネルの外周部に導出された電極と駆動回路基板の外周部に導出された導体とが、フラットケーブルにより接続されている。この駆動回路基板には、通風穴が穿設されており、さらに第1排気ファンが取り付けられている。第1排気ファンの駆動により、プラズマディスプレイパネルと駆動回路基板との間の空気が通風穴を通じて排気される。
特開2003−173147号公報 特開平10−117315号公報
上述の特許文献1および2に開示されるように、液晶テレビ等の表示装置において、内部冷却用の電動ファンが設けられる構造が知られている。しかしながら、電動ファンを設けた場合、キャビネット内に埃がたまる、風切り音による騒音が発生する、消費電力が増大する、機械的可動部品であるファンに故障発生の可能性が高くなるといった問題が生じる。このため、近年においてはファンレス構造が主流になってきている。
一方で、市場競争力強化のため、表示装置の筐体厚みは薄型化される傾向にある。この薄型化に伴い、機器内部の気流の流れが阻害され、内部温度が上昇し、基板上部品の熱暴走や部品寿命の短期化などの問題が発生してきている。
図12は、ファンレス構造を有する液晶テレビを示す断面図である。図12を参照して、液晶テレビ400は、バックライトユニットを内蔵する表示モジュール110と、複数の部品126A,126B,126Cを実装する基板121とを有する。表示モジュール110と基板121とは、互いに間隔を設けて配置されている。
液晶テレビ400で生じる発熱量のうち半分以上を、バックライトの光源である冷陰極管などが発する。液晶テレビ400では、発熱した機器を冷却するため、表示モジュール110および基板121を収容する筐体111に空気の流出入を許容する通気孔118,119,130が形成されている。筐体111内部に流入した空気は、自然対流により表示モジュール110と基板121との間の空間を主流路として流通し、この間、表示モジュール110を空冷する。
しかしながら、図12中に示された液晶テレビ400においては、表示モジュール110と基板121との間に空気の主流路を形成するために、筐体111の厚みが増大するという問題がある。このため、液晶テレビの薄型化に対する要求に十分に答えることが難しくなる。
そこでこの発明の目的は、上記の課題を解決することであり、冷却効果を増大させつつ、薄型化が図られる表示装置を提供することである。
この発明の1つの局面に従った表示装置は、発熱する表示モジュールと、基板と、部品群と、筐体とを備える。基板は、実装面を有し、表示モジュールと距離を隔てて配置される。部品群は、実装面に実装される。筐体は、表示モジュール、基板、部品群を収容する。実装面は、表示モジュールと向い合って延在する第1表面と、第1表面の裏側に配置される第2表面とを含む。部品群のうち実装面を基準とする高さが最も大きくなる部品が、第1表面および第2表面のうちの第1表面に実装される。筐体には、基板よりも下方に位置して第1通気孔と、基板よりも上方に位置して第2通気孔とが形成される。筐体内に、第1通気孔、表示モジュールと第1表面との間の空間および第2通気孔を流通する空気流れが形成される。
このように構成された表示装置によれば、実装面に実装される部品群のうち高さが最も大きくなる部品を第1表面に実装することにより、空気流れが形成される表示モジュールと第1表面との間の空間の流路断面積を大きく確保しつつ、第2表面と筐体との間の距離を短縮することができる。このため、筐体内部の空気流れによる冷却効果を増大させると同時に、表示装置の薄型化を図ることができる。
また好ましくは、部品群は、第2表面に実装される部品をさらに有する。このように構成された表示装置によれば、相対的に高さが小さい部品を第2表面に実装することによって、第2表面と筐体との間の距離を短縮することができる。
この発明の別の局面に従った表示装置は、発熱する表示モジュールと、基板と、発熱する第1部品群および第2部品群と、筐体とを備える。基板は、表示モジュールと向い合って延在する第1表面と、第1表面の裏側に配置される第2表面とを有する。基板は、表示モジュールと距離を隔てて配置される。第1部品群および第2部品群は、第1表面および第2表面にそれぞれ実装される。筐体は、表示モジュール、基板、第1部品群および第2部品群を収容する。第1部品群の総発熱量は、第2部品群の総発熱量よりも大きい。筐体には、基板よりも下方に位置して第1通気孔と、基板よりも上方に位置して第2通気孔とが形成される。筐体内に、第1通気孔、表示モジュールと第1表面との間の空間および第2通気孔を流通する空気流れが形成される。
このように構成された表示装置によれば、総発熱量が相対的に大きく冷却の必要性の大きい第1部品群を、発熱する表示モジュールと向い合って延在する第1表面に実装することにより、筐体内部で流通する空気の流路を、表示モジュールと第1表面との間の空間に集約して設けることが可能となる。このため、第2表面と筐体との間の距離を短縮することができる。これにより、筐体内部の空気流れによる冷却効果を増大させつつ、表示装置の薄型化を図ることができる。
また好ましくは、筐体は、第2表面と向い合い、基板から距離を隔てた位置で延在する背面部を有する。第1表面と表示モジュールとの間の距離は、第2表面と背面部との間の距離よりも大きい。このように構成された表示装置によれば、第2表面と背面部との間の距離を短縮することにより、表示装置の薄型化を図ることができる。
また好ましくは、筐体は、第2表面と向い合い、基板から距離を隔てた位置で延在する背面部を有する。筐体内とその外側の空間との間の空気流れを許容する孔が、背面部の、第2表面と向い合う範囲に存在しない。このように構成された表示装置によれば、一般的に高さが最も大きくなる部品の発熱量は他の部品の発熱量よりも大きいため、第2表面上で発生する熱量が小さくなる。このため、側部の、第2表面と向い合う範囲に孔を設けない構成として、筐体の意匠的価値の向上、生産コストの低減、筐体内部への異物混入の可能性の低減を図ることができる。また、第2表面には総発熱量が相対的に小さい第2部品群が実装されるため、第2表面上で発生する熱量が小さくなる。このため、側部の、第2表面と向い合う範囲に孔を設けない構成として、前述の効果を同様に得ることができる。
また好ましくは、表示装置は、第2表面上に設けられ、筐体に近接して配置される熱伝導部材をさらに備える。このように構成された表示装置によれば、熱伝導部材によって基板から筐体への熱伝導を促進させる。これにより、筐体を通じた放熱が効率良く行なわれるため、冷却効果をさらに増大させることができる。
また好ましくは、空気流れは、自然対流によって形成される。このように構成された表示装置によれば、電動ファンを用いる場合と比較して、騒音および消費電力の低減を図ることができる。また、筐体内部に埃が侵入することを抑制したり、冷却構造の信頼性を向上させることができる。
また好ましくは、表示装置は、筐体に収容され、基板とは別に設けられた別基板をさらに備える。別基板は、第1通気孔から表示モジュールと第1表面との間の空間に向かう空気流れの経路上であって、かつ表示モジュールと別基板との間の距離が第1通気孔と別基板との間の距離よりも小さくなる位置に配置される。このように構成された表示装置によれば、第1通気孔から表示モジュールと第1表面との間の空間に向かう空気流れの流路断面積を確保し、空気流れを円滑にできる。これにより、筐体内部の空気流れによる冷却効果を十分に得ることができる。
以上説明したように、この発明に従えば、冷却効果を増大させつつ、薄型化が図られる表示装置を提供することができる。
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1における液晶テレビを示す断面図である。図1を参照して、本実施の形態における液晶テレビ100の基本的な構造についてまず説明すると、液晶テレビ100は、発熱する表示モジュール10と、実装面22を有し、表示モジュール10と距離を隔てて配置される基板21と、実装面22に実装される部品群26と、表示モジュール10、基板21、部品群26を収容する筐体11とを備える。実装面22は、表示モジュール10と向い合って延在する第1表面としての主面22aと、主面22aの裏側に配置される第2表面としての非主面22bとを含む。部品群26のうち実装面22を基準とする高さが最も大きくなる部品26Aが、主面22aおよび非主面22bのうちの主面22aに実装される。筐体11には、基板21よりも下方に位置して第1通気孔としての下通気孔18と、基板21よりも上方に位置して第2通気孔としての上通気孔19とが形成される。筐体11内に、下通気孔18、表示モジュール10と主面22aとの間の空間32および上通気孔19を流通する空気流れが形成される。
続いて、図1中の液晶テレビ100の詳細な構造について説明を行なう。表示モジュール10は、液晶パネルと冷陰極管もしくは発光ダイオードなどの光源とが一体化された液晶表示機構と、必要に応じて導光板、拡散板または反射板などとが板金製のケースに収納されることにより、モジュールとして設けられている。本発明における表示装置は、液晶テレビに限られない。たとえば、液晶表示機構に替えて、プラズマディスプレイパネルや有機EL(エレクトロルミネッセンス)パネル、フィールドエミッションディスプレイなどの自光式表示機構が表示モジュールとして設けられてもよい。
筐体11は、液晶テレビ100の前面(画像を表示する側)に配置される前面筐体12と、背面に配置される背面筐体13とを含む。前面筐体12と背面筐体13とは、ビスなどの締結部材により互いに組み合わされている。表示モジュール10は、前面筐体12の略中央部分に配置されている。背面筐体13は、背面部14を含む。背面部14は、基板21の非主面22bと向い合い、基板21から距離を隔てた位置で延在する。背面部14は、非主面22bと略平行に延在する。
筐体11は、前面筐体12および背面筐体13の下部に接続されたスタンド17によって支持されている。基板21は、基板支持柱31により固定されている。基板支持柱31は、表示モジュール10に接続されている。つまり、基板21は、基板支持柱31を介して表示モジュール10により支持されている。
図2は、図1中の液晶テレビの第1変形例を示す断面図である。図2を参照して、本変形例では、基板支持柱31が背面筐体13の背面部14に接続されている。この場合、基板21は、基板支持柱31を介して筐体11により支持されている。このほか、基板支持柱31は、表示モジュール10または背面筐体13に設けられた別部品(図示せず)を介して、表示モジュール10または背面筐体13に間接的に接続されてもよい。
図1を参照して、基板21は、表示モジュール10および背面部14から距離を隔てた筐体11内部の空間に配置されている。基板21は、実装面22が表示モジュール10に平行に延在するように配置されている。基板21の主面22aと表示モジュール10との間には、空間32が形成されている。
実装面22には、複数の部品26A,26B,26Cを含む部品群26が実装されている。基板21の主面22aには、部品26A,26Bが実装され、基板21の非主面22bには、部品26Cが実装されている。
部品26Aは、実装面22に実装される部品群26の中で実装面22を基準とする高さが最も大きくなる部品である。すなわち、実装面22を基準とする部品26Aの高さ(主面22aから部品26Aの最頂部までの長さ)は、実装面22を基準面とする部品26Bの高さ(主面22aから部品26Bの最頂部までの長さ)よりも大きく、実装面22を基準とする部品26Cの高さ(非主面22bから部品26Cの最頂部までの長さ)よりも大きい。
一例を挙げれば、部品26Aは、LSIとその上に積層された放熱用のヒートシンクとからなる部品である。この場合、部品26Aの高さは、LSIの厚みを含めて、主面22aからヒートシンクの最頂部までの長さとなる。部品26Aは、トランス、コイルなどの電子部品や、電磁波の放射を低減するため基板21の全体を覆うシールドケースであってもよい。
主面22aに実装される他の部品26Bについて一例を挙げれば、LSI、抵抗、ダイオード、コンデンサ、コネクタ、トランジスタなどが挙げられる。非主面22bに実装される部品26Cについて一例を挙げれば、チップ抵抗、LSIなどの部品が挙げられる。
なお、本実施の形態では、基板21の主面22aおよび非主面22bの両方に部品が実装される場合を説明したが、非主面22bには必ずしも部品が実装される必要はなく、主面22aにのみ部品が実装される構成としてもよい。
筐体11には、下通気孔18および上通気孔19が形成されている。下通気孔18および上通気孔19は、背面部14を貫通する孔によって形成されている。下通気孔18は、基板21よりも低い位置に形成され、上通気孔19は、基板21よりも高い位置に形成されている。背面部14に基板21の非主面22bと向い合う範囲15を規定した場合に、下通気孔18および上通気孔19は、範囲15を除いた背面部14の範囲に形成されている。
液晶テレビ100においては、図1中に矢印で示すように、下通気孔18を通じて筐体11内部に流入し、表示モジュール10および主面22a間の空間32を通過し、上通気孔19を通じて筐体11外部に流出する空気の自然対流が生じる。この空気流れにより、筐体11内部の発熱の半分以上を発生させている表示モジュール10と、主面22a上の部品26A,26Bとが冷却され、これらの熱源から発生した熱は、筐体11の外部に効率良く排出される。
本実施の形態では、部品群26の中で高さが最も大きくなる部品26Aが、表示モジュール10と向い合う主面22aに実装されている。このような構成により、主面22aと表示モジュール10との間の距離Aを大きく確保して、空間32に形成される空気流れの流路断面積を増大させつつ、非主面22bと背面部14との間の距離Bを短縮することができる(A>B)。
また、高さが最も大きくなる部品26Aは、一般的に発熱量も大きくなる傾向がある。この場合、基板21の非主面22b側では発熱が小さくなるため、背面部14における範囲15に通気孔を設けてなくても必要十分な冷却を行なうことができる。背面部14における範囲15に通気孔を設けない構造により、筐体11が意匠的にすっきりとし、商品価値が高まる。また、筐体11を製作する際に用いる金型が単純な構造となるため、金型費用が安価になる。また、射出成形によって筐体11を製作する際に、樹脂の充填が容易で充填時間が短くなるため、生産タクトタイムが短くなるとともにヒケや反りの発生が減る。また、筐体11の背面部14から異物が混入する可能性を低減できる。
図3は、図1中の液晶テレビの第2変形例を示す断面図である。図3を参照して、本変形例における液晶テレビは、非主面22b上に設けられ、筐体11に近接して配置される熱伝導部材としての熱伝導パッド41をさらに有する。
熱伝導パッド41は、非主面22bおよび背面部14に接触して設けられている。熱伝導パッド41は、熱伝導性に優れた金属や樹脂などの材料から形成されている。本変形例では、熱伝導パッド41が、0.5〜2(W/m/K)の熱伝導率を有する樹脂から形成されている。この樹脂は、軟質もしくはゲル状であり(または、加熱により溶解し)、非主面22bの接着面に密着する。また好ましくは、熱伝導パッド41は、縦・横寸法よりも厚み寸法が小さくなる平板形状で使用される。伝熱能力は、熱伝導率×接触面積の値に比例するため、平板形状での使用により伝熱能力を向上させることができる。熱伝導パッド41は、これに限らず、金属板の表裏に上記の樹脂を配置したものや、金属板のみから形成されてもよい。
図4は、図2中の液晶テレビの第3変形例を示す断面図である。図4を参照して、本変形例では、熱伝導パッド41が、非主面22bに実装された部品26Cおよび背面部14に接触して設けられている。
図3および図4中に示す変形例によれば、熱伝導パッド41を通じて基板21から背面部14への熱伝導を促進させることにより、筐体11からの放熱を効率良く行なうことができる。なお、熱伝導パッド41と背面部14とは、密着していることが望ましいが、製造上の誤差から両者の間に微小な隙間(たとえば、0.3mm程度の隙間)が存在してもよい。この場合であっても、基板21から背面部14へのある程度の熱伝導効果を得ることができる。
このように構成された、この発明の実施の形態1における液晶テレビ100によれば、空間32に形成される空気流れによる冷却効果を増大させつつ、液晶テレビ100の薄型化を図ることができる。また、本実施の形態では、空気の自然対流によって筐体11内部の冷却を実施している。このため、電動ファンを使用する場合と比較して、騒音や消費電力を低減させることができる。また、筐体11内部に埃が侵入することを抑制したり、冷却構造の信頼性を向上させることができる。
続いて、上述の効果を確認するために行なった熱流体シミュレーションについて説明を行なう。本シミュレーションでは、図1中の液晶テレビ100をより具体的にした下記のシミュレーションモデルを用いた。
図5は、比較例のシミュレーションモデルを背面から見た斜視図である。図6は、本発明のシミュレーションモデルを背面から見た斜視図である。図中では、内部構造を明らかにするため、図1中の背面筐体13が透視して描かれているが、実際のシミュレーションモデルでは存在する。図6中の本発明のシミュレーションモデルは、図5中の比較例のシミュレーションモデルの各基板を裏返したものである。
図5および図6を参照して、筐体11内部には、図1中の基板21として、メイン基板51、液晶制御基板52、端子基板53、電源基板54およびインバータ基板55が収容されている。メイン基板51、液晶制御基板52、端子基板53、電源基板54およびインバータ基板55には、それぞれ、最も高さが大きくなる図1中の部品26Aとして、ヒートシンク61、シールドケース62、ヒートシンク63、ヒートシンク64および電子部品65が実装されている。
図7は、図5および図6中のシミュレーションモデルの差異を説明するための断面図である。図7(A)中には、図5中の比較例のシミュレーションモデルが模式的に表わされている。比較例のシミュレーションモデルでは、非主面22bと表示モジュール10とが向い合い、主面22aと筐体11の背面部14とが向い合うように基板21が配置されている。非主面22bに実装された部品26Cと表示モジュール10との間の距離をX、主面22aに実装された部品26Aと背面部14との間の距離をY、非主面22bと表示モジュール10との間の距離をA1とする。このときの筐体11の全厚みを、H1とする。
図7(B)中には、図7(A)中に示す比較例のシミュレーションモデルから、XおよびYを等しく保って基板21を反転させた中間モデルが示されている。この中間モデルでは、主面22aと表示モジュール10との間の距離がA2となり、A2>A1の関係を満たす。このときの筐体11の全厚みは、H1となり、図7(A)中に示す比較例のシミュレーションモデルと等しくなる。
図7(C)中には、図6中の本発明のシミュレーションモデルが模式的に表わされている。本発明のシミュレーションモデルでは、A=A2−Dとなるように、基板21および背面部14を距離Dだけ表示モジュール10側に近づける(図中の距離Yは一定に保たれる)。このときの筐体11の全厚みHは、H=H1−Dとなる。本シミュレーションでは、H1=80mm、D=4mmと設定した。この結果、本発明のシミュレーションモデルでは、筐体11の全厚みHが76mmとなり、薄型化が図られた。
図8は、図5および図6中のシミュレーションモデルから算出された各基板の温度を示す表である。図8を参照して、筐体11内部に配置された、メイン基板51、液晶制御基板52、端子基板53、電源基板54およびインバータ基板55や、これらの基板に実装された各部品の形状を入力し、それぞれの部品に実際の液晶テレビの動作時の消費電力に相当する発熱の条件を入力した。有限体積法により、図5および図6中の両モデルの熱流体解析を行ない、メイン基板51、液晶制御基板52および電源基板54の温度を算出した。その結果、図6中に示す本発明のシミュレーションモデルの各部温度は、図5中に示す比較例のシミュレーションモデルと比較して同等か低温となり、冷却効果の向上を確認できた。
(実施の形態2)
この発明の実施の形態2における液晶テレビ200は、実施の形態1で説明した液晶テレビ100とほぼ同様の構造を有する。以下、実施の形態1における液晶テレビ100と比較して重複する構造については、説明を繰り返さない。
図1を参照して、本実施の形態における液晶テレビ200の基本的な構造についてまず説明すると、液晶テレビ200は、発熱する表示モジュール10と、表示モジュール10と向い合って延在する第1表面としての主面22aと、主面22aの裏側に配置される第2表面としての非主面22bとを有し、表示モジュール10と距離を隔てて配置される基板21と、主面22aおよび非主面22bにそれぞれ実装され、発熱する第1部品群としての部品26A,26Bおよび第2部品群としての部品26Cと、表示モジュール10、基板21および部品26A,26B,26Cを収容する筐体11とを備える。部品26A,26Bの総発熱量は、部品26Cの総発熱量よりも大きい。筐体11には、基板21よりも下方に位置して第1通気孔としての下通気孔18と、基板21よりも上方に位置して第2通気孔としての上通気孔19とが形成される。筐体11内に、下通気孔18、表示モジュール10と主面22aとの間の空間32および上通気孔19を流通する空気流れが形成される。
続いて、本実施の形態における液晶テレビ200の詳細な構造について説明を行なう。本実施の形態では、主面22aおよび非主面22bにそれぞれ、部品26A,26Bおよび部品26Cが実装されている。実施の形態1では、非主面22bに必ずしも部品が実装される必要がないと説明したが、本実施の形態では、主面22aおよび非主面22bの両方に部品が実装される。
主面22aに実装される部品26A,26Bの総発熱量は、非主面22bに実装される部品26Cの総発熱量よりも大きい。発熱量の測定方法としては、動作中の部品26A,26B,26Cの各部品の表面(理想的には表面および裏面)に熱流束計を貼り付け、個々の部品から放出されている発熱量を測定する。また、動作中の各部品の温度上昇を測定し、温度上昇∝部品発熱量/部品体積と仮定して、発熱量を測定してもよい。総発熱量が相対的に大きくなる部品26A,26Bとして一例を挙げれば、CPU、電圧変換素子、電流増幅素子などが挙げられる。
本実施の形態では、発熱量が大きく冷却の必要性の大きい部品26A,26Bを、発熱する表示モジュール10と対向する主面22aに実装することにより、筐体11内部で流通する空気の主流路を、表示モジュール10と主面22aとの間の空間32に集約して設けることが可能となる。このため、背面部14と非主面22bとの間の距離Bを短縮して、液晶テレビ200の薄型化を図ることができる(A>B)。
また、発熱量が大きく冷却の必要がある部品26A,26Bと、発熱する表示モジュール10とに対して、空間32を共用の通気流路として利用することができる。このため、部品26A,26Bと表示モジュール10とを冷却するための通気通路を別々に設ける場合と比較して、空気流れに対する壁面からの摩擦抵抗を小さく抑えることができる。これにより、空気流れの速度が増大し、冷却効果を増大させることができる。
また、総発熱量がより大きい部品26A,26Bが表示モジュール10に向い合う主面22aに実装されるため、下通気孔18、空間32および上通気孔19を流通する空気の自然対流が促進される。これにより、部品26A,26Bおよび表示モジュール10を、効率良く冷却することができる。
このように構成された、この発明の実施の形態2における液晶テレビ200によれば、実施の形態1における液晶テレビ100と同様の効果を得ることができる。
(実施の形態3)
図9は、この発明の実施の形態3における液晶テレビを示す断面図である。本実施の形態における液晶テレビ300は、実施の形態1における液晶テレビ100と比較して、基本的には同様の構造を備える。以下、重複する構造についてはその説明を繰り返さない。
図9を参照して、実施の形態1における部品群26と同様の形態で、基板21の主面22aに部品81〜85(基板21に実装された部品群の中で最も高さが大きくなる部品を含む)が実装され、非主面22bに部品86が実装されている。
本実施の形態における液晶テレビ300は、基板21とは別に設けられた別基板としての基板71をさらに有する。基板71は、下通気孔18から流入した空気が空間32に向かう経路上に配置されている。
基板71は、実装面72を有する。実装面72の面積は、基板21の実装面22の面積よりも小さい。実装面72は、部品91,92が実装された主面72aと、部品93が実装された非主面72bとを含む。部品91は、実装面72に実装される部品群の中で最も高さが大きくなる部品である。基板71は、主面72aと背面部14とが向い合い、非主面72bと表示モジュール10とが向い合うように設けられている。つまり、基板71は、基板21を反転させた形態で設けられており、表示モジュール10と基板71との間の距離が下通気孔18と基板71との間の距離よりも小さくなるように配置されている。
下通気孔18の近傍に基板71を配置する場合、下通気孔18から流入し、空間32に向かう空気流れの流路断面積を十分に確保する必要がある。本実施の形態では、基板21とは反転した形態で基板71を設けることにより、基板21および基板71間の距離を大きく設定することができる。これにより、下通気孔18から空間32に向かう空気流れを円滑にし、筐体11内部における冷却効果を向上させることができる。
このように構成された、この発明の実施の形態3における液晶テレビ300によれば、下通気孔18の近傍に基板21とは別の基板71が配置される場合であっても、実施の形態1に記載の効果を同様に得ることができる。
続いて、上述の効果を確認するために行なった熱流体シミュレーションについて説明を行なう。本実施の形態では、本発明のシミュレーションモデルとして図9中に示す形態のモデルを使用した。図9中の本発明のシミュレーションモデルにおいて、流速分布を測定した結果、図中の矢印102に示すように、下通気孔18と空間32との間で円滑な空気流れが形成されることを確認できた。
図10は、比較例のシミュレーションモデルを示す断面図である。図10(A)中に示す比較例1のシミュレーションモデルでは、図9中の基板71が、空間32の経路上であって、基板21と対向する位置に配置されている。図10(B)中に示す比較例2のシミュレーションモデルでは、基板71が、図9中に示す形態から反転させた形態で設けられている。基板71と基板21とは、同一平面上に配置されている。
図11は、図9および図10中のシミュレーションモデルから算出された各基板の温度示す表である。図11を参照して、有限体積法により、図9および図10中の両モデルの熱流体解析を行ない、部品81〜85および部品91の温度を算出した。その結果、図9中の本発明のシミュレーションモデルの各部温度は、図10中の比較例1および比較例2のシミュレーションモデルと比較して同等か低温となり、冷却効果の向上を確認できた。
なお、本実施の形態では、実施の形態1における液晶テレビ100に基板71を配置した構成について説明したが、実施の形態2における液晶テレビ200に図9中に示す形態で基板71を配置してもよい。また、実施の形態2および3における液晶テレビ200,300に、実施の形態1において説明した各種変形例の構造を組み合わせてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明の実施の形態1における液晶テレビを示す断面図である。 図1中の液晶テレビの第1変形例を示す断面図である。 図1中の液晶テレビの第2変形例を示す断面図である。 図2中の液晶テレビの第3変形例を示す断面図である。 比較例のシミュレーションモデルを背面から見た斜視図である。 本発明のシミュレーションモデルを背面から見た斜視図である。 図5および図6中のシミュレーションモデルの差異を説明するための断面図である。 図5および図6中のシミュレーションモデルから算出された各基板の温度を示す表である。 この発明の実施の形態3における液晶テレビを示す断面図である。 比較例のシミュレーションモデルを示す断面図である。 図9および図10中のシミュレーションモデルから算出された各基板の温度示す表である。 ファンレス構造を有する液晶テレビを示す断面図である。
符号の説明
10 表示モジュール、11 筐体、14 背面部、15 範囲、18 下通気孔、19 上通気孔、21,71 基板、22 実装面、22a 主面、22b 非主面、26 部品群、26A,26B,26C,81〜86,91〜93 部品、32 空間、41 熱伝導パッド、100,200,300 液晶テレビ。

Claims (8)

  1. 発熱する表示モジュールと、
    実装面を有し、前記表示モジュールと距離を隔てて配置される基板と、
    前記実装面に実装される部品群と、
    前記表示モジュール、前記基板、前記部品群を収容する筐体とを備え、
    前記実装面は、前記表示モジュールと向い合って延在する第1表面と、前記第1表面の裏側に配置される第2表面とを含み、
    前記部品群のうち前記実装面を基準とする高さが最も大きくなる部品が、前記第1表面および前記第2表面のうちの前記第1表面に実装され、
    前記筐体には、前記基板よりも下方に位置して第1通気孔と、前記基板よりも上方に位置して第2通気孔とが形成され、
    前記筐体内に、前記第1通気孔、前記表示モジュールと前記第1表面との間の空間および前記第2通気孔を流通する空気流れが形成される、表示装置。
  2. 前記部品群は、前記第2表面に実装される部品をさらに有する、請求項1に記載の表示装置。
  3. 発熱する表示モジュールと、
    前記表示モジュールと向い合って延在する第1表面と、前記第1表面の裏側に配置される第2表面とを有し、前記表示モジュールと距離を隔てて配置される基板と、
    前記第1表面および前記第2表面にそれぞれ実装され、発熱する第1部品群および第2部品群と、
    前記表示モジュール、前記基板、前記第1部品群および前記第2部品群を収容する筐体とを備え、
    前記第1部品群の総発熱量は、前記第2部品群の総発熱量よりも大きく、
    前記筐体には、前記基板よりも下方に位置して第1通気孔と、前記基板よりも上方に位置して第2通気孔とが形成され、
    前記筐体内に、前記第1通気孔、前記表示モジュールと前記第1表面との間の空間および前記第2通気孔を流通する空気流れが形成される、表示装置。
  4. 前記筐体は、前記第2表面と向い合い、前記基板から距離を隔てた位置で延在する背面部を有し、
    前記第1表面と前記表示モジュールとの間の距離は、前記第2表面と前記背面部との間の距離よりも大きい、請求項1から3のいずれか1項に記載の表示装置。
  5. 前記筐体は、前記第2表面と向い合い、前記基板から距離を隔てた位置で延在する背面部を有し、
    前記筐体内とその外側の空間との間の空気流れを許容する孔が、前記背面部の、前記第2表面と向い合う範囲に存在しない、請求項1から4のいずれか1項に記載の表示装置。
  6. 前記第2表面上に設けられ、前記筐体に近接して配置される熱伝導部材をさらに備える、請求項1から5のいずれか1項に記載の表示装置。
  7. 前記空気流れは、自然対流によって形成される、請求項1から6のいずれか1項に記載の表示装置。
  8. 前記筐体に収容され、前記基板とは別に設けられた別基板をさらに備え、
    前記別基板は、前記第1通気孔から前記表示モジュールと前記第1表面との間の空間に向かう空気流れの経路上であって、かつ前記表示モジュールと前記別基板との間の距離が前記第1通気孔と前記別基板との間の距離よりも小さくなる位置に配置される、請求項1から7のいずれか1項に記載の表示装置。
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