JP2009123523A - 電池電極用バインダー組成物、その製造方法、電池電極用ペースト、電池電極、及び電池電極の製造方法 - Google Patents

電池電極用バインダー組成物、その製造方法、電池電極用ペースト、電池電極、及び電池電極の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】集電材との密着性、及びリチウムイオンの移動度を向上させるとともに、これらのバランスが良好である電極層を形成可能であることに加え、静置後の溶液の均一性などの性質を維持した電池電極用ペーストの材料である電池電極用バインダー組成物を提供する。
【解決手段】(A)アニオン性官能基を有する重合体と、(B)その分子中に、アニオン性官能基とカチオン性官能基とをそれぞれ少なくとも一つ有する化合物と、を含有する電池電極用バインダー組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、電池電極用のバインダーとして好適に用いられる電池電極用バインダー組成物、その製造方法、電池電極用バインダー組成物を用いた電池電極用ペースト、電池電極、及び電池電極の製造方法に関する。
近年、ニッケル水素二次電池、リチウムイオン二次電池等の二次電池が、携帯電話やノートパソコンなどの電子機器の電源として広く用いられている。
二次電池は、正極及び負極の電極を備えており、これらの電極は、例えば、バインダーと、分散媒としてN−メチルピロリドン(NMP)等の有機溶剤と、活物質とを分散混合してペーストを得た後、このペーストを集電材上に塗布・乾燥して得ることができる。
バインダーとしては、具体的には、水添ジエン系重合体にカルボキシル基等の官能基を導入した変性重合体(例えば、特許文献1参照)や、フッ素を含有する重合体と、カルボキシル基等の官能基を有するアクリル系重合体とを複合化した複合化重合体の水系分散体(例えば、特許文献2参照)などが報告されている。
特開平10−17714号公報 特許第3601250号公報
しかしながら、特許文献1に記載の変性重合体を用いて形成された電極は、電極層と集電材との密着性について未だ改良の余地があり、また、リチウムイオンの移動度は十分ではなかった。
特許文献2に記載の複合化重合体の水系分散体を用いて調製した電極ペーストは、長期間放置した場合には沈降物が生じ易くなる場合があり、集電材との密着性に関しても未だ改良の余地があり、また、リチウムイオンの移動度は十分ではなかった。
そのため、特許文献1に記載の変性重合体、及び、特許文献2に記載の複合化重合体の水系分散体を用いて製造される電池(二次電池)は、繰り返し充放電(サイクル特性)による容量低下が大きく、また、内部抵抗(Ω)の上昇も大きいという問題があった。
そこで、携帯電話やノートパソコンなどの電子機器の開発に伴い、良好な容量維持率(%)及び内部抵抗(Ω)を有する、サイクル特性に優れた電池(二次電池)の電極を好適に形成可能な電池電極用バインダー組成物、その製造方法、電池電極用バインダー組成物を用いた電池電極用ペースト、電池電極、及び電池電極の製造方法の開発が求められていた。
本発明は、上述のような従来技術の課題を解決するためになされたものであり、集電材との密着性、及びリチウムイオンの移動度を向上させるとともに、これらのバランスが良好である電極層を形成可能であることに加え、静置後の溶液の均一性などの性質を維持した電池電極用ペーストの材料である電池電極用バインダー組成物、その製造方法、及びこの電池電極用バインダー組成物を含む電池電極用ペーストを提供する。また、この電池電極用ペーストを用いて形成され、容量維持率(%)及び内部抵抗(Ω)が良好である電池(二次電池)を形成することができる電池電極、及びその製造方法を提供する。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の重合体((A)重合体)と、その分子中にアニオン性官能基とカチオン性官能基とをそれぞれ少なくとも一つ有する化合物((B)化合物)とを含有する電池電極用バインダー組成物を用いると、(A)化合物が集電材との密着性を向上させ、(B)化合物が電池電極表面近傍におけるリチウムイオンの移動度を向上させるため、上記課題を解決することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的には、本発明により、以下の電池電極用バインダー組成物、電池電極用バインダー組成物の製造方法、電池電極用ペースト、電池電極、及び電池電極の製造方法が提供される。
[1] (A)アニオン性官能基を有する重合体と、(B)その分子中に、アニオン性官能基とカチオン性官能基とをそれぞれ少なくとも一つ有する化合物と、を含有する電池電極用バインダー組成物。
[2] 前記(A)重合体の前記アニオン性官能基が、スルホン酸基である前記[1]に記載の電池電極用バインダー組成物。
[3] 更に、(D)フッ素原子を含有する重合体を含有する前記[1]または[2]に記載の電池電極用バインダー組成物。
[4] 前記(A)重合体と前記(D)重合体とが複合化重合体を形成している前記[3]に記載の電池電極用バインダー組成物。
[5] 前記複合化重合体が、前記(D)重合体をシードとして、前記(A)重合体を構成するためのアニオン性官能基を有する単量体を重合させて得られるものである前記[4]に記載の電池電極用バインダー組成物。
[6] 前記(B)化合物の前記アニオン性官能基が、カルボキシル基、スルホン酸基、イミド酸基、及び、式:BOで表わされる基よりなる群から選択される少なくとも一種であり、前記(B)化合物の前記カチオン性官能基が、アミノ基、イミノ基、イミダゾリウム基、及び、ピリジニウム基よりなる群から選択される少なくとも一種である前記[1]〜[5]のいずれかに記載の電池電極用バインダー組成物。
[7] 前記(B)化合物が、(B−1)その分子中に、アミノ基及びスルホン酸基をそれぞれ少なくとも一つ有する化合物、または、(B−2)その分子中に、アミノ基及びカルボキシル基をそれぞれ少なくとも一つ有する化合物である前記[1]〜[6]のいずれかに記載の電池電極用バインダー組成物。
[8] (C)有機溶媒を更に含有する前記[1]〜[7]のいずれかに記載の電池電極用バインダー組成物。
[9] アニオン性官能基を有する重合体が分散した分散体を得る工程と、得られた前記分散体に、その分子中にアニオン性官能基とカチオン性官能基とをそれぞれ少なくとも一つ有する化合物を加えて第一の混合液を得る工程と、前記第一の混合液と有機溶媒とを混合して第二の混合液を得る工程と、前記第二の混合液から水を除去して電池電極用バインダー組成物を得る工程と、を有する電池電極用バインダー組成物の製造方法。
[10] 前記分散体が、アニオン性官能基を有する単量体を水溶液中で重合させて得られるものである前記[9]に記載の電池電極バインダー組成物の製造方法。
[11] 前記分散体を得る工程が、フッ素原子を含有する重合体をシードとしてアニオン性官能基を有する単量体を水溶液中で重合させて、前記フッ素原子を含有する重合体とアニオン性官能基を有する重合体とが複合化した重合体が分散した分散体を得る工程である前記[9]に記載の電池電極用バインダー組成物の製造方法。
[12] 前記[1]〜[8]のいずれかに記載の電池電極用バインダー組成物と、活物質と、を含有する電池電極用ペースト。
[13] 集電材と、前記集電材の表面上に、前記[12]に記載の電池電極用ペーストを塗布し、乾燥させて形成される電極層と、を備えた電池電極。
[14] 前記[12]に記載の電池電極用ペーストを集電材の表面上に塗布した後、80℃以上の温度で乾燥させて電極層を形成する電池電極の製造方法。
本発明の電池電極用バインダー組成物は、(A)アニオン性官能基を有する重合体と、(B)その分子中に、アニオン性官能基とカチオン性官能基とをそれぞれ少なくとも一つ有する化合物と、を含有するものであるため、集電材との密着性、及びリチウムイオンの移動度を向上させるとともに、これらのバランスが良好である電極層を形成可能であることに加え、静置後の溶液の均一性などの性質を維持した電池電極用ペーストの材料であるという効果を奏するものである。
本発明の電池電極用バインダー組成物の製造方法は、アニオン性官能基を有する重合体が分散した分散体を得る工程と、得られた前記分散体に、その分子中にアニオン性官能基とカチオン性官能基とをそれぞれ少なくとも一つ有する化合物を加えて第一の混合液を得る工程と、前記第一の混合液と有機溶媒とを混合して第二の混合液を得る工程と、前記第二の混合液から水を除去して電池電極用バインダー組成物を得る工程と、を有するため、本発明の電池電極用バインダー組成物を良好に製造することができるという効果を奏するものである。
本発明の電池電極用ペーストは、本発明の電池電極用バインダー組成物を含有するため、集電材との密着性、及びリチウムイオンの移動度を向上させるとともに、これらのバランスが良好である電極層を形成可能であることに加え、静置後の溶液の均一性などの性質を維持することができるという効果を奏するものである。
本発明の電池電極は、本発明の電池電極用ペーストによって形成される電極層を備えているため、容量維持率(%)及び内部抵抗(Ω)が良好である電池(二次電池)を提供することが可能であるという効果を奏するものである。
本発明の電池電極の製造方法は、本発明の電池電極用ペーストを集電材の表面上に塗布した後、80℃以上の温度で乾燥させて電極層を形成するものであるため、本発明の電池電極を良好に製造することが可能であるという効果を奏するものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。即ち、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に属することが理解されるべきである。
[1]電池電極用バインダー組成物:
本発明の電池電極用バインダー組成物の一実施形態は、(A)アニオン性官能基を有する重合体(以下、単に「(A)重合体」と記す場合がある)と、(B)その分子中に、アニオン性官能基とカチオン性官能基とをそれぞれ少なくとも一つ有する化合物(以下、単に「(B)化合物」と記す場合がある)と、を含有するものである。
本実施形態の電池電極用バインダー組成物は、(A)重合体と、(B)化合物とを含有することによって、集電材との密着性、及びリチウムイオンの移動度が向上するとともに、これらのバランスが良好である電極層を形成可能であることに加え、静置後の溶液の均一性などの性質を維持した電池電極用ペーストの材料として好適に用いることができる。そして、本実施形態の電池電極用バインダー組成物を含有する電池電極用ペーストによって形成した電池電極を備えた電池(二次電池)は、容量維持率(%)及び内部抵抗(Ω)が良好であるという利点がある。
[1−1](A)重合体:
本実施形態の電池電極用バインダー組成物に含有される(A)アニオン性官能基を有する重合体は、アニオン性官能基を有するものである。この(A)重合体は、本実施形態の電池電極用バインダー組成物中において良好に分散しているため、本実施形態の電池電極用バインダー組成物を含む電池電極用ペーストによって電極層を形成した場合、(A)アニオン性官能基を有する重合体が電極層中に良好に分散することになる。ところで、電極層中で(A)重合体が良好に分散していない場合には、集電材に対して十分に接着されない部分が生じ、接着部分にムラが生じる。そのため、集電材に対して十分な密着性を有する電極層を得ることが困難になっていた。従って、(A)重合体が電極層中に良好に分散していると、集電材に対する密着性が良好な電極層を得ることができる。そして、集電材と電極層との密着性が良好である二次電池は、電極層が剥離し難くなるため、電極層が剥離することに起因して生じるサイクル特性の低下を防止することができ、優れたサイクル特性を有する。
(A)重合体中のアニオン性官能基としては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基などを挙げることができる。これらの中でも、電池電極用ペーストの静置安定性を良好に向上させることができるという観点から、スルホン酸基であることが好ましい。
(A)重合体は、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基などのアニオン性官能基を有する単量体(以下、「(a−1)単量体」と記す場合がある)を重合させて製造することができる。
カルボキシル基を有する単量体としては、例えば、アクリル酸、(メタ)アクリル酸、クロトン酸等の不飽和モノカルボン酸類;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和ポリカルボン酸類等を挙げることができる。
スルホン酸基を有する単量体としては、例えば、スチレンスルホン酸、メタリルオキシベンゼンスルホン酸、アリルオキシベンゼンスルホン酸、アリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、メタリルスルホン酸、4−スルホブチルメタクリレート、及びイソプレンスルホン酸、並びにこれらの塩等を挙げることができる。これらの中でも、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スチレン酸、アリルオキシベンゼンスルホン酸、及びこれらの塩が好ましい。なお、これらのスルホン酸基を有する単量体は、一種単独でまたは二種以上を組み合わせて用いることができる。
(A)重合体は、(a−1)単量体以外に、(a−2)その他の単量体を用いて製造することができる。(a−2)その他の単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル;スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;フッ化ビニル、テトラフルオロエチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル系化合物;ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の共役ジエン類、エチレン等を挙げることができる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸i−アミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸n−ノニル、(メタ)アクリル酸n−デシル、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
(a−1)単量体に由来する構成単位の割合は、0.1〜25質量%であることが好ましく、0.1〜20質量%であることが更に好ましく、0.1〜18質量%であることが特に好ましい。アニオン性官能基を有する単量体に由来する構成単位の割合が0.1質量%未満であると、水系における重合に際し、粒子状の(A)重合体の化学的安定性が不足して、良好な水系分散体が得難くなるおそれがある。一方、25質量%超であると、水系における重合に際し、(A)重合体の粘度が高くなり過ぎるおそれがあり、粒子状の(A)重合体が合一凝集して、良好な水系分散体を得難くなるおそれがある。
特に、(A)重合体が、アニオン性官能基の中でもスルホン酸基を含有する重合体である場合、スルホン酸基を有する単量体に由来する構成単位の割合は、0.1〜20質量%であることが好ましく、0.1〜18質量%であることが更に好ましく、0.1〜15質量%であることが特に好ましい。上記割合が0.1質量%未満であると、水系における重合に際し、粒子状の(A)重合体の化学的安定性が不足して、良好な水系分散体を得難くなるおそれがある。一方、20質量%超であると、水系における重合に際し、(A)重合体の粘度が高くなり過ぎるおそれがあり、粒子状の(A)重合体が合一凝集して、良好な水系分散体を得難くなるおそれがある。
(a−2)その他の単量体に由来する構成単位の割合は、0〜40質量%であることが好ましく、0〜30質量%であることが更に好ましく、0〜20質量%であることが特に好ましい。上記割合が40質量%超であると、(A)重合体と、後述するフッ素原子を含有する重合体との相溶性が不足し、(A)重合体とフッ素原子を含有する重合体とによって複合化重合体を形成した際に、この複合化重合体において層分離現象が生じ易くなるおそれがある。
(A)重合体は、アニオン性官能基を有する単量体を水溶液中で重合させて得られるものであることが好ましい。アニオン性官能基を有する単量体としては、上記(A)重合体中のアニオン性官能基と同様のアニオン性官能基を有する単量体を好適に用いることができる。重合は公知の方法により行うことができる。
本実施形態の電池電極用バインダー組成物は、(A)重合体以外に、フッ素原子を含有する重合体(以下、「(D)重合体」と記す場合がある)を更に含有することが好ましい。(D)重合体を更に含有することによって、充放電時の耐電位性が向上するため、バインダーの電気分解が抑制され、結果としてサイクル特性が向上するという利点がある。
また、本実施形態の電池電極用バインダー組成物は、(D)重合体を含有する場合、(A)重合体と(D)重合体とが複合化して形成された複合化重合体(以下、単に「複合化重合体」と記す場合がある)を含有することが特に好ましい。(A)重合体と(D)重合体とが複合化した状態で含有されることによって、(D)重合体と(A)重合体の相分離が抑制され、スラリーの安定性、分散性が向上し、結果として集電体に対する密着性が向上するという利点がある。
(D)重合体は、その分子構造中にフッ素を含有する重合体であれば特に限定されないが、(d−1)フッ化ビニリデンと(d−2)六フッ化プロピレンとを含む(α)単量体成分を重合して得られるものを好適に用いることができる。即ち、(D)重合体は、(d−1)フッ化ビニリデンに由来する構成単位と(d−2)六フッ化プロピレンに由来する構成単位とを含有する重合体であることが好ましい。このような構成の(D)重合体を用いることによって、(A)重合体との相溶性が向上し、(A)重合体と(D)重合体の複合化化合物の経時劣化を抑制することができるという利点がある。
(α)単量体成分には、(d−1)フッ化ビニリデンと(d−2)六フッ化プロピレン以外に、(d−3)その他の不飽和単量体を含有することができる。(d−3)その他の不飽和単量体としては、上述した(a−2)その他の単量体として例示した(メタ)アクリル酸アルキルエステル類、芳香族ビニル化合物、ビニルエステル類、ハロゲン化ビニル系化合物、共役ジエン類、エチレン等を好適例として挙げることができる。なお、これらの(d−3)その他の不飽和単量体は、一種単独でまたは二種以上を組み合わせて使用することができる。
(d−1)フッ化ビニリデンに由来する構成単位の割合は、50〜80質量%であることが好ましく、55〜80質量%であることが更に好ましく、60〜80質量%であることが更に好ましい。上記割合が50質量%未満であると、(D)重合体と(A)重合体とによって複合化重合体を形成する際に、これらの相溶性が悪く、得られる複合化重合体が層分離現象を生じ易くなるおそれがある。一方、80質量%超であると、(D)重合体をシードとして(D)重合体と(A)重合体との複合化重合体を形成する際に、(D)重合体と(A)重合体との相溶性が不足するため、シード重合が起こり難くなり、得られる複合化重合体において層分離現象が生じ易くなるおそれがある。
(d−2)六フッ化プロピレンに由来する構成単位の割合は、20〜50質量%であることが好ましく、20〜45質量%であることが更に好ましく、20〜40質量%であることが特に好ましい。上記割合が20〜50質量%の範囲外であると、(D)重合体をシードとして(D)重合体と(A)重合体との複合化重合体を形成する際に、(D)重合体と(A)重合体との相溶性が不足するため、シード重合が起こり難くなり、得られる複合化重合体において層分離現象が生じ易くなるおそれがある。
(d−3)その他の不飽和単量体に由来する構成単位の割合は、0〜30質量%であることが好ましく、0〜25質量%であることが更に好ましく、0〜20質量%であることが特に好ましい。上記割合が30質量%超であると、(D)重合体と(A)重合体とによって複合化重合体を形成する際に、これらの相溶性が悪く、得られる複合化重合体が層分離現象を生じ易くなるおそれがある。
(D)重合体の製造方法としては、まず、(d−1)フッ化ビニリデン及び(d−2)六フッ化プロピレンからなる混合ガスを得、得られた混合ガスに重合開始剤を加えて、反応温度60℃、反応系内の圧力1.96MPaの条件にて重合反応させることにより(D)重合体を含有するラテックス(以下、「(D)重合体ラテックス」と記す場合がある)を得、その後、得られた(D)重合体ラテックスを乾燥させる方法などを挙げることができる。
更に、(A)重合体と(D)重合体とが複合化した複合化重合体の製造方法としては、例えば、公知の乳化重合法を挙げることができる。乳化重合法によって複合化重合体を製造する方法としては、まず、上述した(D)重合体の製造方法と同様にして(D)重合体ラテックスを得、得られた(D)重合体ラテックスに、(a−1)単量体、及び、必要に応じて(a−2)その他の単量体を添加して、(D)重合体ラテックス中の(D)重合体をシードとして、(a−1)単量体、及び、必要に応じて(a−2)その他の単量体を乳化重合させることによって、(A)重合体と(D)重合体とが複合化した複合化重合体を含有する分散体(以下、「複合化重合体分散体」と記す場合がある)を得、その後、得られた複合化重合体分散体を乾燥させる方法を例示することができる。
(A)重合体と(D)重合体との合計100質量部に対する(A)重合体の割合は、3〜60質量部であることが好ましく、10〜50質量部であることが更に好ましい。(A)重合体の割合が3質量部未満であると、電極層(電池電極)の耐薬品性などの性質が低下するおそれがある。一方、60質量部超であると、複合化重合体のバインダー性能が低下することに加え、高速放電の際の容量低下やサイクル特性が低下するおそれがある。
複合化重合体は、後述する(C)有機溶媒に溶解または分散していることが好ましい。(C)有機溶媒中に複合化重合体が分散する場合、この複合化重合体の数平均粒子径は、0.02〜2μmであることが好ましく、0.05〜1.8μmであることが更に好ましく、0.1〜1.5μmであることが特に好ましい。なお、本明細書において、「数平均粒子径」は、動的光散乱法により測定される値である。
[1−2](B)化合物:
本実施形態の電池電極用バインダー組成物は、(B)その分子中にアニオン性官能基とカチオン性官能基とをそれぞれ少なくとも一つ有する化合物を含有するものである。(B)化合物は、電極層中で両性イオンとして存在し、この(B)化合物がリチウムイオンの拡散速度を向上させ、また、リチウムイオンの脱溶媒和を促進するため、電極層上でのリチウムイオンの挿入・脱離反応の反応速度を向上させる。そのため、リチウムイオンの移動度を向上させることができる。このようにリチウムイオンの移動度を向上させた電池電極用バインダー組成物を材料として電極層を形成すると、この電極層を備える電池電極は抵抗が低くなるため、電力ロスが少なく、良好なサイクル特性を有する二次電池を得ることができる。
本実施形態の電池電極用バインダー組成物は、電極層を形成した際に、(A)重合体によってその密着性を向上し、(B)化合物によって電極層近傍でのリチウムイオンの移動度が向上するという効果を有する。ここで、密着性が向上することと、リチウムイオンの移動度が向上することとは、二律背反の関係にある。例えば、密着性を向上させようとすると、電極層の表面を、微分散した(A)重合体が被覆して、(A)重合体の粒子間の距離が接近するため、電解液が浸透し難くなるという問題が生じ、リチウムイオンの移動を向上させることが困難になる。そのため、これらを両立させることが重要である。本発明の電池電極用バインダー組成物は、密着性及びリチウムイオンの移動度を向上させるとともに、これらを両立させた電極層を形成することができる。
(B)化合物のアニオン性官能基は、カルボキシル基、スルホン酸基、イミド酸基、及び、式:BOで表わされる基よりなる群から選択される少なくとも一種であることが好ましい。これらの基である場合には、電解液中で容易に官能基の解離が進行するため、より電池抵抗が低減されるという利点がある。なお、(B)化合物中のアニオン性官能基の数は、特に限定されないが、カチオン性官能基と同数であることが好ましい。また、(B)化合物が、その分子中にアニオン性官能基を複数有する場合、その官能基の種類は同じであっても、異なっていてもよい。
(B)化合物のカチオン性官能基は、アミノ基、イミノ基、イミダゾリウム基、及び、ピリジニウム基よりなる群から選択される少なくとも一種であることが好ましい。これらの基である場合には、電解液中で容易に官能基の解離が進行するため、より電池抵抗が低減されるという利点がある。なお、(B)化合物中のアニオン性官能基の数は、特に限定されないが、カチオン性官能基と同数であることが好ましい。また、(B)化合物がその分子中にカチオン性官能基を複数有する場合、その官能基の種類は同じであっても、異なっていてもよい。
(B)化合物は、上記アニオン性官能基及び上記カチオン性官能基の組み合わせの中でも、(B−1)その分子中に、アミノ基及びスルホン酸基をそれぞれ少なくとも一つ有する化合物、及び(B−2)その分子中に、アミノ基及びカルボキシル基をそれぞれ少なくとも一つ有する化合物を好適例として挙げることができる。(B−1)化合物または(B−2)化合物を用いると、これらの化合物は水溶液への溶解性が良好であるため(B)化合物が析出しにくくなるという利点がある。
(B−1)化合物は、アミノ基及びスルホン酸基をそれぞれ少なくとも一つ有するとともに、置換されてもよい炭素数1〜25の直鎖状または分岐状のアルキレン基を有する化合物であることが好ましい。(B−1)化合物としては、例えば、タウリン、3−アミノプロパンスルホン酸などを挙げることができる。これらの中でも、(C)有機溶剤に対する溶解性が良好であるため、タウリンが好ましい。
(B−2)化合物としては、例えば、グリシン、アミノ酪酸、アミノ安息香酸などの置換されてもよい炭素数1〜25の直鎖状のアルキレン基を有する化合物;アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、システイン、シスチン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、トリプトファン、アスパラギン、グルタミン、リシン、アルギニン、クレアチンなどの分子中に2個のアミノ基を有する化合物;アスパラギン酸、グルタミン酸などの分子中に2個のカルボキシル基を有する化合物;などを挙げることができる。これらの中でも、(C)有機溶剤に対する溶解性が良好であるため、グリシンが好ましい。
(B)化合物は、(B−1)化合物及び(B−2)化合物以外に、(B−3)その分子中に、イミノ基及びカルボキシル基をそれぞれ少なくとも一つ有する化合物、及び(B−4)その分子中に、イミダゾリウム基及びカルボキシル基をそれぞれ少なくとも一つ有する化合物などを好適例として挙げることができる。
(B−3)化合物としては、例えば、ヒスチジン、トリプトファン、プロリン、ヒドロキシプロリンなどを挙げることができる。(B−4)化合物としては、例えば、ヒスチジンなどを挙げることができる。
なお、(B)化合物は、単独でまたは2種以上を混合して用いることもできる。また、2種以上の(B)化合物がアミド結合を形成して得られる化合物、例えば、(B−1)化合物と(B−2)化合物とがアミド結合を形成して得られる化合物であってもよい。
(B)化合物の使用量は、(A)重合体100質量部に対して、5質量部以下であることが好ましく、3質量部以下であることが更に好ましく、1〜2質量部であることが特に好ましい。(B)化合物の使用量が5質量部超であると、(B)化合物が(C)有機溶媒に対して溶解せず、分離、析出するおそれがある。
[1−3](C)有機溶媒:
本実施形態の電池電極用バインダー組成物は、(C)有機溶媒を含有することが好ましい。(C)有機溶媒は、1気圧における沸点が、100℃以上であるものが好ましく、115℃以上であるものが更に好ましく、130℃以上であるものが特に好ましい。1気圧における沸点が100℃未満の(C)有機溶媒を用いると、形成した電極層の、金属箔(集電材)に対する密着性が低下するおそれがある。なお、(C)有機溶媒の沸点の上限値は、特に制限はないが、実質的には300℃以下であればよい。
(C)有機溶媒としては、例えば、トルエン、N−メチルピロリドン(NMP)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)等を挙げることができる。これらの中でも、NMP、DMSO、DMFが好ましい。
(C)有機溶媒の使用量は、(A)重合体100質量部に対して、400〜10000質量部であることが好ましく、600〜3000質量部であることが更に好ましく、900〜2000質量部であることが特に好ましい。(C)有機溶媒の使用量が400質量部未満であると、混合溶液の粘度が著しく上昇し、ゲル化するおそれがある。一方、10000質量部超であると、(B)化合物の、(C)有機溶媒に対する溶解性が悪化し、(B)化合物が析出するおそれがある。
本実施形態の電池電極用バインダー組成物は、水分を含まないことが好ましいが、水分を含有している場合、その割合は、電池電極用バインダー組成物の総量に対して、2.0質量%以下であることが好ましく、1.5質量%以下のであることが更に好ましく、1.0質量%以下であることが特に好ましい。水分の含有割合が2.0質量%超であると、活物質に対し悪影響を及ぼして、電池の容量が低下する原因となるおそれがある。
[2]電池電極用バインダー組成物の製造方法:
本発明の電池電極用バインダー組成物は、本発明の電池電極用バインダー組成物の製造方法によって得られるものであることが好ましく、本発明の電池電極用バインダー組成物の製造方法の一実施形態は、アニオン性官能基を有する重合体が分散した分散体を得る工程と、得られた分散体に、その分子中にアニオン性官能基とカチオン性官能基とをそれぞれ少なくとも一つ有する化合物((B)化合物)を加えて第一の混合液を得る工程と、第一の混合液と有機溶媒とを混合して第二の混合液を得る工程と、第二の混合液から水を除去して電池電極用バインダー組成物を得る工程と、を有するものである。このような製造方法によると、有機溶媒と(B)化合物とを混合した際に(B)化合物が析出し難くなるため、更に良好な効果を奏する本発明の電池電極用バインダー組成物を得ることができる。なお、有機溶剤に複合化重合体を溶解させた溶解液に(B)化合物をそのまま加えると、(B)化合物が有機溶剤に溶解しないことに起因して(B)化合物が析出してしまうことがある。
本実施形態の電池電極用バインダー組成物の製造方法は、まず、アニオン性官能基を有する重合体が分散した分散体を得る。そして、この分散体は、アニオン性官能基を有する単量体を水溶液中で重合させて得られるものであることが好ましい。
アニオン性官能基を有する単量体は、本発明の電池電極用バインダー組成物に含有されるアニオン性官能基を有する単量体((a−1)単量体)と同様のものを同様に使用することができる。アニオン性官能基を有する単量体を重合させる方法は、特に制限はなく公知の重合方法を用いることができるが、乳化重合法を用いることが好ましい。
また、本実施形態の電池電極用バインダー組成物の製造方法は、上記分散体を得る工程が、フッ素原子を含有する重合体をシードとしてアニオン性官能基を有する単量体を水溶液中で重合させて、フッ素原子を含有する重合体とアニオン性官能基を有する重合体とが複合化した重合体が分散した分散体を得る工程であることが好ましい。このような分散体を得ると、この分散体によって、スラリーの安定性及び分散性が向上し、結果として集電体に対する密着性が更に向上する。フッ素原子を含有する重合体は、本発明の電池電極用バインダー組成物に含有されるフッ素原子を含有する重合体((D)重合体)と同様のものを同様に使用することができる。また、重合方法は従来公知の方法を用いることができ、乳化重合法を用いることが好ましい。
次に、本実施形態の電池電極用バインダー組成物の製造方法は、得られた分散体に、(B)その分子中にアニオン性官能基とカチオン性官能基とをそれぞれ少なくとも一つ有する化合物を加えて第一の混合液を得る。
本実施形態の電池電極用バインダー組成物の製造方法に用いる(B)その分子中にアニオン性官能基とカチオン性官能基とをそれぞれ少なくとも一つ有する化合物は、本発明の電池電極用バインダー組成物に含有される(B)化合物と同様のものを同様に使用することができる。(B)化合物を加える際の分散体のpHは、6〜8であることが好ましい。なお、分散体中の(B)化合物は、全て溶解していることが好ましいため、予め水に溶解させた(B)化合物の水溶液を用いることが好ましい。
次に、本実施形態の電池電極用バインダー組成物の製造方法は、第一の混合液と(C)有機溶媒とを混合して第二の混合液を得る。
(C)有機溶媒は、本発明の電池電極用バインダー組成物に含有される(C)有機溶媒と同様のものを同様に使用することができる。
次に、本実施形態の電池電極用バインダー組成物の製造方法は、第二の混合液から水を除去して電池電極用バインダー組成物を得る。
第二の混合液から水を除去する方法は、特に制限はなく、例えば、蒸留法、限外濾過法、分別濾過法、分散媒相転換法等を挙げることができる。
[3]電池電極用ペースト:
本発明の電池電極用ペーストの一実施形態は、本発明の電池電極用バインダー組成物と、活物質と、を含有するものである。本実施形態の電池電極用ペーストは、電池電極用バインダー組成物を含有するものであるため、長期間放置(貯蔵)された場合であっても好適な粘度を維持でき、その結果、増粘や沈降等の変化を生じ難い。従って、本発明の電池電極用ペーストは、ペースト安定性に優れている。また、本実施形態の電池電極用ペーストは、電池電極用バインダー組成物を含有するものであるため、集電材との密着性、及びリチウムイオンの移動度を向上させるとともに、これらのバランスが良好である電極層を形成可能である。そして、このような電極層を備える電極電池(二次電池)は、容量維持率(%)及び内部抵抗(Ω)が良好であるという利点がある。
即ち、本実施形態の電池電極用ペーストは、電池電極用バインダー組成物を含有するものであるため、電極層を形成した際に、電極層中に(A)重合体が良好に分散されるため、集電材に対して優れた密着性を有する電極層を形成することができる。また、極性を示す(B)化合物が電極層中に分散して存在するため、この(B)化合物がリチウムイオンの拡散速度を向上させ、また、リチウムイオンの脱溶媒和を促進する。そのため、本実施形態の電池電極用ペーストによって形成された電極層上におけるリチウムの挿入・脱離反応の反応速度が良好となり、リチウムイオンの移動度が向上する。
また、本実施形態の電池電極用ペーストに含有させる電池電極用バインダー組成物として本発明の電池電極用バインダー組成物の製造方法によって製造された電池電極用バインダー組成物を用いると、電体との密着性、及びリチウムイオンの移動度を更に向上させるとともに、これらのバランスがより良好である電極層を形成可能である。
ここで、従来、その表面にアミノ酸及びアミノ酸塩が吸着被覆した黒鉛試料と、ポリフッ化ビニリデンとを含有するスラリーが報告されている(例えば、特開2002−237304号公報)が、このスラリーによって形成した電極層は、集電材との密着性が十分ではなく、充放電の繰り返しによって集電材から電極層が剥離する場合があった。そして、この電極層を備えた二次電池は、十分なサイクル特性を示すものではなかった。
本実施形態の電池電極用ペーストを用いて正極の電極層を形成する場合、活物質としては、例えば、水系電池のうちのニッケル水素電池の場合には、水素吸蔵合金粉末を好適に用いることができる。水素吸蔵合金粉末としては、具体的には、MmNiをベースとして、一部のNiをMn、Al、Co等の元素で置換したものが好ましい。なお、「Mm」は、希土類の混合物であるミッシュメタルを表している。活物質は、その粒子径が3〜400μmの粉末であることが好ましく、このような粒子径の活物質は、100メッシュを通過させて得ることができる。
また、非水系電池の場合には、例えば、MnO、MoO、V、V13、Fe、Fe、TiS、TiS、MoS、FeS、CuF、NiF、リチウムイオンを含有した複合酸化物(例えば、Li(1−x)CoO、Li(1−x)NiO、LiCoSn、Li(1−x)Co(1−y)Ni)等の無機化合物;フッ化カーボン、グラファイト、気相成長炭素繊維、気相成長炭素繊維の粉砕物、気相成長炭素繊維と気相成長炭素繊維の粉砕物との混合物、PAN系炭素繊維、PAN系炭素繊維の粉砕物、PAN系炭素繊維とPAN系炭素繊維の粉砕物との混合物、ピッチ系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維の粉砕物、ピッチ系炭素繊維とピッチ系炭素繊維の粉砕物との混合物等の炭素材料;ポリアセチレン、ポリ−p−フェニレン等の導電性高分子等を挙げることができる。これらの中でも、正極及び負極ともに放電状態で組み立てることが可能であるという観点から、Li(1−x)CoO、Li(1−x)NiO、LiCoSn、Li(1−x)Co(1−y)Ni等のリチウムイオンを含有した複合酸化物が好ましい。
本実施形態の電池電極用ペーストを用いて負極の電極層を形成する場合、活物質としては、例えば、フッ化カーボン、グラファイト、気相成長炭素繊維、気相成長炭素繊維の粉砕物、気相成長炭素繊維と気相成長炭素繊維の粉砕物との混合物、PAN系炭素繊維、PAN系炭素繊維の粉砕物、PAN系炭素繊維とPAN系炭素繊維の粉砕物との混合物、ピッチ系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維の粉砕物、ピッチ系炭素繊維とピッチ系炭素繊維の粉砕物との混合物、黒鉛質材料(例えば、黒鉛化度の高い天然黒鉛や人造黒鉛、黒鉛化メソフェーズカーボン)等の炭素材料、ポリアセチレン、ポリ−p−フェニレン等の導電性高分子、スズ酸化物やフッ素等の化合物からなるアモルファス化合物等を好適例として挙げることができる。
これらの中でも、黒鉛化度の高い天然黒鉛や人造黒鉛、黒鉛化メソフェーズカーボン等の黒鉛質材料を用いると、サイクル特性が良好であり、容量維持率(%)が高い電池を得ることができる。
また、負極の電極層に含有される活物質として炭素材料を用いる場合、その粒子径は、内部抵抗が増大することを防止し、ペーストの安定性が低下することを防止し、更に、得られる負極の電極層内での粒子間の抵抗が増大することを防止する観点から、0.1〜50μmであることが好ましく、1〜45μmであることが更に好ましく、3〜40μmであることが特に好ましい。
本実施形態の電池電極用ペーストは、本発明の電池電極用バインダー組成物と活物質とを、必要に応じて添加される各種添加剤とともに混合することにより、調製することができる。
必要に応じて添加される各種添加剤としては、例えば、使用する(C)有機溶媒に溶解可能な粘度調整用ポリマーや、グラファイト等の導電性カーボン、金属粉末等の導電材等を挙げることができる。粘度調整用ポリマーとしては、(C)有機溶媒としてNMPを使用する場合、例えば、エチレンビニルアルコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデン等を挙げることができる。
本実施形態の電池電極用ペーストは、活物質100質量部に対して、本発明の電池電極用バインダー組成物(固形分含量)を0.1〜10質量部含有するものであることが好ましく、0.5〜10質量部含有するものであることが更に好ましく、1〜10質量部含有するものであることが特に好ましい。電池電極用バインダー組成物の含有量が0.1質量部未満であると、金属箔(集電材)に対する良好な密着性が得られなくなるおそれがある。一方、10質量部超であると、内部抵抗が大きくなり過ぎて良好なサイクル特性が得られなくなるおそれがある。なお、電池電極用バインダー組成物と活物質とを混合する方法としては、例えば、各種混練機、ビーズミル、高圧ホモジナイザー等を使用する方法が挙げられる。
[4]電池電極:
本発明の電池電極の一実施形態は、集電材の表面上に、本発明の電池電極用ペーストを塗布し、乾燥させて形成される電極層と、を備えたものである。このように本実施形態の電池電極は、本発明の電池電極用ペーストによって形成された、集電材との密着性及びリチウムイオンの移動度が向上するとともに、これらのバランスが良好である電極層を備えている。そのため、容量維持率(%)及び内部抵抗(Ω)が良好である電池(二次電池)を提供することができる。
本実施形態の電池電極に備えられる集電材としては、水系電池の場合には、例えば、Niメッシュ、Niメッキされたパンチングメタル、エキスパンドメタル、金網、発泡金属、網状金属繊維焼結体等を挙げることができる。非水系電池の場合には、例えば、アルミニウム箔や銅箔等の部材を好適例として挙げることができる。
[5]電池電極の製造方法:
本発明の電池電極の製造方法の一実施形態は、本発明の電池電極用ペーストを集電材の表面上に塗布した後、80℃以上の温度で乾燥させて電極層を形成するものである。このように製造することによって、集電材との密着性及びリチウムイオンの移動度が向上するとともに、これらのバランスが良好である電極層を備えた電池電極を良好に形成することができる。そして、上記電極電池を備える電池(二次電池)は、容量維持率(%)及び内部抵抗(Ω)が良好であるという利点がある。集電材の表面上に電池電極用ペーストを塗布する方法としては、リバースロール法、コンマバー法、グラビヤ法、エアーナイフ法等の任意のコーターヘッドを用いる方法を採用することができる。
集電材の表面上に塗布した後の電池電極用ペーストの乾燥する方法としては、例えば、放置して自然乾燥する方法の他、送風乾燥機、温風乾燥機、赤外線加熱機、または遠赤外線加熱機等を使用する乾燥方法等を採用することができる。乾燥温度は、80℃以上であり、130〜170℃であることが好ましい。このように80℃以上で乾燥させることによって、電極層内部に含まれる水分を良好に除去し、電極の劣化を防止することができるという利点がある。また、乾燥時間は、1〜120分とすることが好ましく、5〜60分とすることが更に好ましい。
電極層の厚さは、特に制限はないが、10〜300μmであることが好ましく、20〜150μmであることが更に好ましく、30〜100μmであることが特に好ましい。電極層の厚さが10μm未満であると、集電材の金属が露出し、充放電中の電極の腐食、短絡を起こすおそれがある。一方、300μm超であると、塗工層に亀裂を生じ、剥落するおそれがある。
なお、本発明の電池電極は、水系電池、非水系電池のいずれの電池の電極としても好適に用いることができる。特に、水系電池のうちのニッケル水素電池の正極として使用すると、優れた特性(例えば、サイクル特性)を発揮し、非水系電池のうちのアルカリ二次電池の正極、リチウムイオン電池の正極などとして使用すると、優れた特性(例えば、サイクル特性)を発揮するものである。
本発明の電池電極を用いて電池を組み立てる場合、非水系電解液としては、電解質を非水系溶媒に溶解させて得られる電解液を用いることが好ましい。電解質としては、特に限定されないが、アルカリ二次電池の場合には、例えば、LiClO、LiBF、LiAsF、CFSOLi、LiPF、LiI、LiAlCl、NaClO、NaBF、NaI、(n−Bu)NClO、(n−Bu)NBF、KPF等を挙げることができる。
また、非水系溶媒としては、例えば、エーテル類、ケトン類、ラクトン類、ニトリル類、アミン類、アミド類、硫黄化合物、塩素化炭化水素類、エステル類、カーボネート類、ニトロ化合物、リン酸エステル系化合物、スルホラン系化合物等を挙げることができる。これらの中でも、エーテル類、ケトン類、ニトリル類、塩素化炭化水素類、カーボネート類、スルホラン系化合物が好ましい。
具体的には、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アニソール、モノグライム、ジグライム、トリグライム、アセトニトリル、プロピオニトリル、4−メチル−2−ペンタノン、ブチロニトリル、バレロニトリル、ベンゾニトリル、1,2−ジクロロエタン、γ−ブチロラクトン、ジメトキシエタン、メチルフオルメイト、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルチオホルムアミド、スルホラン、3−メチル−スルホラン、リン酸トリメチル、若しくはリン酸トリエチル、または、これらの混合溶媒等を挙げることができる。なお、水系電池用の電解液としては、5規定以上の水酸化カリウム水溶液を使用することが好ましい。
更に、本発明の電池電極を用いて組み立てられる電池は、必要に応じて、セパレータ、端子、絶縁板等の部品を用いて構成することができる。組み立てる電池の構造は、特に制限されないが、例えば、正極、負極、及び、セパレータを単層または複層としたペーパー型の構造、正極、負極、及び、セパレータをロール状に巻いた円筒状の構造等を挙げることができる。
本発明の電池電極を用いて製造した電池(二次電池)は、例えば、AV機器、OA機器、通信機器等に好適に使用することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。
得られた電極電池用バインダー組成物は、以下に示す測定方法により各種物性値及び諸特性を評価した。
[均一性]:
得られた電極電池用バインダー組成物を100mlのサンプルビンに入れて室温下で3日間静置し、静置後の電極電池用バインダー組成物を目視にて観察し、電極電池用バインダー組成物の「均一性」として以下に示す基準に従って評価する。
○:析出物、または溶液の分離が確認されず、透明な溶液
△:析出物、または溶液の分離は確認されないが、濁りが確認された溶液
×:析出物、または溶液の分離が確認された溶液
[電池電極用ペーストの作製]:
活物質としてLiCoOを100部、アセチレンブラック3部、及び電極電池用バインダー組成物(固形分換算)2部、NMP50部を混合、撹拌して、電池電極用ペーストを作製する。なお、電池電極用ペーストは、その粘度が、約4000mPa・sとなるように調整する。電池電極用ペーストの粘度は、B型粘度計(東機産業社製)にて、ローター回転速度30rpmの条件で測定する。
[電池電極の作製]:
得られた電池電極用ペーストを、アルミニウム箔(集電材)上に塗布した後、120℃で20分乾燥させて、膜厚100μmの、電池電極用ペーストにより形成された膜(電極層)を得る。その後、ロールプレスによって、電極層の厚さが60μmとなるように圧縮して正極用の電池電極を作製する。
[電池の作製]:
2極式コインセル(商品名「HSフラットセル」、宝泉社製)内に、直径16.16mmに打ち抜いた、パイオニクス社製の商品名「ピオクセルA100」を負極として配置する。この負極上に、直径18mmに打ち抜いたポリプロピレン製の多孔膜からなるセパレータ(商品名「セルガード#2400」、セルガード社製)を配置した後、空気が入らないように電解液を注入する。その後、電解液を注入した2極式コインセル内に、予め直径15.95mmに打ち抜いた正極用電極を配置し、2極式コインセルの外装ボディーを配置し、ネジ閉めをして二次電池を作製する。なお、電解液は、エチレンカーボネート/ジエチルカーボネート=1/1(体積/体積)の溶媒に、LiPFが1モル/リットルの濃度で溶解した溶液を使用する。
[金属箔(集電材)への密着性]:
まず、「電池電極の作製」にて作製した電池電極を幅2cm×長さ10cmの試験片として切り出す。この試験片の電極層の表面に両面テープを貼り付けた後、この両面テープによって試験片をアルミニウムの板に貼り付ける。その後、試験片のアルミニウム箔(集電材)の表面に、幅18mmのテープ(JIS Z1522に規定された商品名「セロテープ(登録商標)」、ニチバン社製)を貼り付け、90°方向に50mm/分の速度でテープを剥離したときの強度(g/cm)を5回測定し、その平均値をピール強度(g/cm)として算出する。なお、ピール強度の値が大きいほど、集電材と電極層との密着性が良好であり、集電材から電極層が剥離し難いと評価することができる。
[容量維持率(%)]:
「電池の作製」にて作製した電池(リチウムイオン二次電池)について、25℃の雰囲気下で、0.2Cの定電流法で4Vまで充電した後に3Vまで放電する「充放電」を50回繰り返す(50サイクル行う)。この充放電に際し、5サイクル、20サイクル、及び50サイクル時の放電容量(mAh)を測定した後、活物質1g当たりの放電容量(mAh/g)を算出する。算出した、活物質1g当たりの放電容量(mAh/g)を用い、下記式(1)から、20サイクル、及び50サイクル時の容量維持率(%)を算出する。容量維持率(%)は、59%以下である場合は「D」、59%超であって74%以下である場合は「C」、74%超であって84%以下である場合は「B」、84%超であって100%以下である場合は「A」と評価した。
Figure 2009123523
[内部抵抗(Ω)]:
[電池の作製]にて作製した電池(リチウムイオン二次電池)について、25℃の雰囲気下で、0.2Cの定電流法で4Vまで充電した後、3Vまで放電する「充放電」を50回繰り返し(50サイクル行い)、その後、4.0Vまで充電を行ったときの内部抵抗(Ω)を算出する。なお、内部抵抗を算出するに際し、電圧、電流、直流抵抗の間にはオームの法則より直線関係{(電圧)=(内部抵抗)×(電流)}が成立する。
[ペースト安定性]:
得られた電池電極用ペーストを100mlのサンプルビンに入れて室温で2日間静置した後、電池電極用ペーストの液面から5mmの位置にある電池電極用ペーストを1mlサンプリングする。その後、調製した直後の電池電極用ペーストの固形分濃度と、静置後の電池電極用ペーストの固形分濃度との差を算出し、「固形分濃度変化」とする。この「固形分濃度変化」をペースト安定性として評価する。なお、固形分濃度変化の値が小さい程、ペースト安定性が良好である。
(合成例1)
電磁式撹拌機を備えた内容積約6リットルのオートクレーブの内部を十分に窒素置換した後、脱酸素した純水2.5リットル、及び乳化剤としてパーフルオロデカン酸アンモニウム25gを仕込み、350rpmで撹拌しながら60℃まで昇温した。昇温後、オートクレーブ内にフッ化ビニリデン(以下、「VDF」と記す)44.2%、及び六フッ化プロピレン(以下、「HFP」と記す)55.8%からなる混合ガスを、内圧が1.96MPaに達するまで仕込んだ。その後、重合開始剤としてジイソプロピルパーオキシジカーボネートを20%含有するフロン113(CClFCClF)溶液25gを、窒素ガスを使用して圧入し、重合反応を開始させた。重合反応中、VDF60.2%及びHFP39.8%からなる混合ガスを逐次圧入して、反応系内の圧力を1.96MPaに維持した。また、重合反応の進行とともに重合速度が低下するため、重合開始から3時間経過後に、ジイソプロピルパーオキシジカーボネートを20%含有するフロン113溶液25gを、窒素ガスを使用して反応系内に圧入し、圧入後、更に3時間反応を継続させた。反応後、反応液を室温まで冷却させた。その後、撹拌を停止し、未反応単量体を放出して反応を停止させ、フッ素原子を含有する重合体((D)重合体)を含有するラテックス(表1中、「(D)重合体ラテックス」と示す)を得た。
次に、得られた(D)重合体ラテックス(固形分換算)10部、イオン交換水200部をセパラブルフラスコに投入した。一方、このセパラブルフラスコとは別の容器に、イオン交換水90部及び反応性乳化剤(商品名「アデカリアソープSR10」、旭電化工業社製)1部、メチルメタクリレート20部、n−ブチルアクリレート67部、スチレン10部、スルホン酸基を有する単量体としてスチレンスルホン酸ナトリウム(商品名「スピノマーNaSS」、東ソー社製)2部、アクリル酸1部を仕込み、撹拌しつつ乳化させて乳化物を得た。得られた乳化物を、(D)重合体ラテックス及びイオン交換水を投入したセパラブルフラスコに投入し、混合して混合物を得た。得られた混合物を撹拌しつつ窒素置換した。その後、50℃まで昇温させ、過硫酸カリウム0.6部及び亜硫酸ナトリウム0.2部を投入して温度を保持しつつ3時間攪拌した。撹拌後、75℃に昇温させ、温度を保持しつつ1時間攪拌を行った。撹拌後、25℃まで冷却した後、2%水酸化ナトリウム水溶液でpH7に調整し、複合化重合体分散体((A)重合体と(D)重合体とが複合化した複合化重合体を含有する分散体)を得た。
複合化重合体分散体中の複合化重合体の数平均粒子径(表1中、「数平均粒子径」と示す)は、0.1μmであった。なお、複合化重合体の数平均粒子径は、測定装置として、22mWのHe−Neレーザー(λ=632.8nm)を光源とするALV社製の光散乱測定装置「ALV5000」を使用して測定した。また、(A)重合体中のスルホン酸基を有する単量体に由来する構成単位の割合は、2質量%であり、(A)重合体と(D)重合体との合計100部に対する(A)重合体の割合は90部であった。
なお、表1中、「nBA」はn−ブチルアクリレートを意味し、「MMA」はメチルメタクリレートを意味し、「ST」はスチレンを意味し、「AA」はアクリル酸を意味し、「IA」はイタコン酸を意味し、「NASS」はスチレンスルホン酸ナトリウムを意味する。また、表1中の「(A)重合体」は、表1に示す配合量(質量部)で、「nBA」、「MMA」、「ST」、「AA」、「IA」、及び「NASS」を使用して得られる重合体が(A)重合体であることを示している。
Figure 2009123523
(合成例2〜4)
合成例1で得られた(D)重合体ラテックス、n−ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、スチレン、アクリル酸、イタコン酸、及びスチレンスルホン酸ナトリウムを、表1に示す配合量で用いた以外は、上記合成例1と同様にして複合化重合体分散体を得た。ただし、合成例3及び合成例4は、(D)重合体ラテックスを用いずに合成を行ったため、得られた分散体中には複合化重合体ではなく(A)重合体が分散している。
(実施例1)
[電極電池用バインダー組成物の調製]:
合成例1で得られた複合化重合体分散体(固形分換算)(表2中、「分散体」と示す)110部に、(B)化合物としてタウリン1部を加えて第一の混合液を得、その後、(C)有機溶媒としてn−メチルピロリドン(表2中、「NMP」と示す)1300部を加えて第二の混合液を得た。得られた第二の混合液を圧力0.01MPa、温度80℃の条件で減圧蒸留し、水分を揮発させて電極電池用バインダー組成物を得た。なお、タウリンは水溶液として加えた。
本実施例の電極電池用バインダー組成物は、均一性の評価が○であり、本実施例の電極電池用バインダー組成物を用いて作製した電極層は、ピール強度は50g/cmであり、本実施例の電極電池用バインダー組成物を用いて作製した電極電池の容量維持率は、20サイクルでは86%であり、50サイクルでは80%であり、内部抵抗は51Ωであり、本実施例の電極電池用バインダー組成物により形成した電池電極用ペーストのペースト安定性の評価(固形分濃度変化)が「<1」(1未満)であった。
(実施例2〜7)
合成例1または合成例4の分散体、(B)化合物、及び(C)有機溶媒を、表2に示す配合量で用いた以外は、実施例1と同様にして、電極電池用バインダー組成物を得た。得られた電極電池用バインダー組成物について、実施例1と同様にして、上記各種評価を行った。その測定結果を表2に示す。
Figure 2009123523
(比較例1,2)
合成例1または合成例2の分散体、(B)化合物、及び(C)有機溶媒を、表3に示す配合量で用いた以外は、実施例1と同様にして、電極電池用バインダー組成物を得た。得られた電極電池用バインダー組成物について、実施例1と同様にして、上記各種評価を行った。その測定結果を表3に示す。
Figure 2009123523
(比較例3)
(B)化合物であるタウリンに代えて、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1部、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド1部を加えた以外は、実施例1と同様にして電極電池用バインダー組成物を得た。得られた電極電池用バインダー組成物について、実施例1と同様にして、上記各種評価を行った。その測定結果を表3に示す。なお、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、及びラウリルトリメチルアンモニウムクロライドは、それぞれの水溶液として加えた。
(比較例4)
容量7リットルのセパラブルフラスコの内部を十分に窒素置換した後、乳化剤として2−(1−アリル)−4−ノニルフェノキシポリエチレングリコールスルフェートアンモニウム3部を仕込み、75℃に昇温させた。次に、n−ブチルアクリレート67部、スチレン30部、アクリル酸2部、イタコン酸1部、及び適量の水を加え、75℃で30分撹拌した。その後、重合開始剤として過硫酸ナトリウム0.5部を加え、85〜95℃で2時間重合を行った。冷却して反応を停止させ、官能基含有重合体の水系分散体を得た(合成例3)。得られた水系分散体の固形分100部に対して、NMP900部、及び(B)化合物としてタウリン1部を添加した。なお、タウリンは水溶液として加えた。水温を85℃に設定したロータリーエバポレーターを使用し、減圧条件下で水分を蒸留除去して、電極電池用バインダー組成物を得た。得られた電極電池用バインダー組成物について、実施例1と同様にして、上記各種評価を行った。その測定結果を表3に示す。
(比較例5)
まず、合成例1で得られた複合化重合体分散体を固形分として110部、及び(C)有機溶媒としてn−メチルピロリドン1300部を混合して電極電池用バインダー組成物を得た。
次に、得られた電極電池用バインダー組成物1410部、活物質としてLiCoOを100部、及び、予め調製した調製済みアセチレンブラック3部を混合、撹拌して、電池電極用ペーストを作製した。なお、電池電極用ペーストは、その粘度が、約4000mPa・sとなるように調整した。電池電極用ペーストの粘度は、B型粘度計(東機産業社製)にて、ローター回転速度30rpmの条件で測定した。なお、上記調製済みアセチレンブラックは、100mlビーカーに、2%タウリン水溶液50ml(タウリンを固形分換算で1部含有している)及びアセチレンブラック3部を入れた後、80℃を保持しつつホットスターラーを用いて攪拌しながら蒸発乾固させて調製した。
本比較例で得られた電極電池用バインダー組成物、及び、作製した電池電極用ペーストについて、実施例1と同様にして、上記各種評価を行った。その測定結果を表3に示す。
表2,3から明らかなように、実施例1〜5,7の電池電極用バインダー組成物は、静置後の溶液の均一性が、比較例1〜5の電池電極用バインダー組成物と同程度もしくは良好である。実施例1〜6の電池電極用バインダー組成物により得られる電池電極用ペーストは、静置後のペーストの安定性が、比較例1,3,及び5の電池電極用ペーストと同程度であり、実施例1〜4の電池電極用バインダー組成物により得られる電池電極用ペーストによって形成される電極層は、比較例1〜3の電池電極用ペーストによって形成される電極層と同程度の、金属箔(集電材)に対する密着性、即ちピール強度を有することに加え、実施例1〜7の電池電極用バインダー組成物により得られる電池電極用ペーストによって形成される電極層を備えた電池電極は、比較例1〜5の電池電極用ペーストによって形成される電極層を備えた電池電極に比べて、容量維持率(%)及び内部抵抗(Ω)が良好である電池(二次電池)を提供することが可能であることが確認できた。即ち、実施例1〜7の電池電極用バインダー組成物は、比較例1〜5の電池電極用バインダー組成物に比べて、集電材との密着性、及びリチウムイオンの移動度が向上するとともに、これらのバランスが良好である電極層を形成可能であることに加え、静置後の溶液の均一性などの性質を維持した電池電極用ペーストの材料として好適であることが確認できた。
本発明の電池電極用バインダー組成物は、集電材との密着性、及びリチウムイオンの移動度が向上するとともに、これらのバランスが良好である電極層を形成可能であり、このような電極層を備える電池(二次電池)は、容量維持率(%)及び内部抵抗(Ω)が良好である(即ち、容量低下が少なく、サイクル特性に優れる)ため、AV機器、OA機器、通信機器等の電池の材料として好適に使用することができる。
本発明の電池電極用バインダー組成物の製造方法は、AV機器、OA機器、通信機器等の電池の材料として好適に使用することができる電池電極用バインダー組成物を製造することができる。
本発明の電池電極用ペーストは、AV機器、OA機器、通信機器等の電池の材料として好適に使用することができる。
本発明の電池電極は、AV機器、OA機器、通信機器等の電池の電極として好適に使用することができる。
本発明の電池電極の製造方法は、AV機器、OA機器、通信機器等の電池の電極を好適に製造することができる。

Claims (14)

  1. (A)アニオン性官能基を有する重合体と、
    (B)その分子中に、アニオン性官能基とカチオン性官能基とをそれぞれ少なくとも一つ有する化合物と、
    を含有する電池電極用バインダー組成物。
  2. 前記(A)重合体の前記アニオン性官能基が、スルホン酸基である請求項1に記載の電池電極用バインダー組成物。
  3. 更に、(D)フッ素原子を含有する重合体を含有する請求項1または2に記載の電池電極用バインダー組成物。
  4. 前記(A)重合体と前記(D)重合体とが複合化重合体を形成している請求項3に記載の電池電極用バインダー組成物。
  5. 前記複合化重合体が、前記(D)重合体をシードとして、前記(A)重合体を構成するためのアニオン性官能基を有する単量体を重合させて得られるものである請求項4に記載の電池電極用バインダー組成物。
  6. 前記(B)化合物の前記アニオン性官能基が、カルボキシル基、スルホン酸基、イミド酸基、及び、式:BOで表わされる基よりなる群から選択される少なくとも一種であり、
    前記(B)化合物の前記カチオン性官能基が、アミノ基、イミノ基、イミダゾリウム基、及び、ピリジニウム基よりなる群から選択される少なくとも一種である請求項1〜5のいずれか一項に記載の電池電極用バインダー組成物。
  7. 前記(B)化合物が、(B−1)その分子中に、アミノ基及びスルホン酸基をそれぞれ少なくとも一つ有する化合物、または、(B−2)その分子中に、アミノ基及びカルボキシル基をそれぞれ少なくとも一つ有する化合物である請求項1〜6のいずれか一項に記載の電池電極用バインダー組成物。
  8. (C)有機溶媒を更に含有する請求項1〜7のいずれか一項に記載の電池電極用バインダー組成物。
  9. アニオン性官能基を有する重合体が分散した分散体を得る工程と、
    得られた前記分散体に、その分子中にアニオン性官能基とカチオン性官能基とをそれぞれ少なくとも一つ有する化合物を加えて第一の混合液を得る工程と、
    前記第一の混合液と有機溶媒とを混合して第二の混合液を得る工程と、
    前記第二の混合液から水を除去して電池電極用バインダー組成物を得る工程と、を有する電池電極用バインダー組成物の製造方法。
  10. 前記分散体が、アニオン性官能基を有する単量体を水溶液中で重合させて得られるものである請求項9に記載の電池電極バインダー組成物の製造方法。
  11. 前記分散体を得る工程が、フッ素原子を含有する重合体をシードとして、アニオン性官能基を有する単量体を水溶液中で重合させて、前記フッ素原子を含有する重合体とアニオン性官能基を有する重合体とが複合化した重合体が分散した分散体を得る工程である請求項9に記載の電池電極用バインダー組成物の製造方法。
  12. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の電池電極用バインダー組成物と、
    活物質と、を含有する電池電極用ペースト。
  13. 集電材と、
    前記集電材の表面上に、請求項12に記載の電池電極用ペーストを塗布し、乾燥させて形成される電極層と、を備えた電池電極。
  14. 請求項12に記載の電池電極用ペーストを集電材の表面上に塗布した後、80℃以上の温度で乾燥させて電極層を形成する電池電極の製造方法。
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