JP2006302617A - 二次電池用電極の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 導電材の分散性に優れる二次電池用電極の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 電極活物質と、導電材と、イオン性界面活性剤からなる分散剤とを含むスラリーを調製する工程と、
前記スラリーを集電体上に塗布して電極活物質層を形成する工程と、を有する二次電池用電極の製造方法により上記課題を解決する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、二次電池用電極の製造方法に関し、より詳細には導電材の分散性に優れる二次電池用電極の製造方法に関する。
近年、大気汚染や地球温暖化に対処するため、二酸化炭素量の低減が切に望まれている。自動車業界では、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)の導入による二酸化炭素排出量の低減に期待が集まっており、これらの実用化の鍵を握るモータ駆動用二次電池の開発が盛んに行われている。モータ駆動用二次電池には、自動車の走行エネルギーを貯蔵するための高エネルギー密度と、自動車の大きな加速性を示すための高出力密度と、の基本特性が必要とされる。モータ駆動用二次電池としては、全ての実用電池の中で最も高い理論エネルギーを有するリチウムイオン二次電池が急速に開発が進められている。
リチウムイオン二次電池は、基本的には、正極および負極をセパレータを介して配置し、これに電解質を満たした構成を有している。また、リチウムイオン二次電池に用いられる電極は、リチウムコバルト複合酸化物等からなる電極活物質とカーボンブラック等からなる導電材とを含む電極活物質層が集電体上に形成されたものなどが用いられている。かような電池において充放電を行った場合、電極活物質からLiイオンが吸蔵・放出されるのと同時に、電子が導電材を通して移動することにより、電極反応が進行して充放電が行われる。
リチウムイオン二次電池用電極の一般的な製造方法は、電極活物質、導電材などを溶媒中で混練してスラリー化した後、前記スラリーを集電体上に塗布する方法などが用いられている。また、特許文献1には、分散剤としてポリビニルピロリドンを用い、導電材としてのカーボンブラックを高圧ジェットミルにより溶剤に分散させ、得られた分散液を電極活物質と混合して前記スラリーを調製する方法が開示されている。前記特許文献1によれば、微細化された導電材を電極中に高分散させ、サイクル特性に優れるリチウムイオン二次電池を提供することができる。
特開2004−281096号公報
高い電流レートの充放電時においても高出力のリチウムイオン二次電池を得るためには、電極活物質層内に含まれる電極活物質の粒子径を小さくするのが望ましい。これにより電極活物質の表面積を増やしてLiイオンが電極活物質表面を拡散する距離を短くし、前記電極反応の反応抵抗を低減させることができる。
また、電極活物質層における電極活物質および導電材の混在状態は、図1に模式的に示すように、電極活物質101の表面を導電材102が均一に被覆し、導電材102が連なることで導電ネットワークが形成された状態となっているのが望ましい。これにより、電極活物質と導電材と電解質との三相界面が多量に存在することになり、前記電極反応の反応抵抗を低減させて速やかな充放電を行うことができる。
しかしながら、電極活物質および導電材を共に微細化されたものを用いて、従来の電極の製造方法により作製された電極活物質層では、図4に模式的に示すように、導電材102が凝集して電極活物質101表面を十分に被覆することができず、十分な導電ネットワーク形成量を得るのが困難であった。このため、電極活物質層における十分な導電性を得るためには大量の導電材が必要となり、製造コストの高騰などを招いていた。
そこで、本発明が目的とするところは、導電材の分散性に優れる二次電池用電極の製造方法を提供することである。
本発明者らが上記課題に鑑み鋭意検討した結果、電極作製に用いるスラリーの調製時に分散剤としてイオン性界面活性剤を用いることにより、得られる電極活物質層において導電材の凝集を少なくして導電ネットワーク形成量を十分に確保できることを見出した。
すなわち、本発明は、電極活物質と、導電材と、イオン性界面活性剤からなる分散剤とを含むスラリーを調製する工程と、前記スラリーを集電体上に塗布して電極活物質層を形成する工程と、を有する二次電池用電極の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の方法により製造された電極では、電極活物質層における導電ネットワーク形成量を十分に確保できることから、導電材の使用量だけでなく電極反応抵抗をも低減させることができる。従って、前記電極によれば、製造コストが低く、出力特性に優れる二次電池を提供することが可能となる。
本発明の第一は、上述した通り、電極活物質と、導電材と、イオン性界面活性剤からなる分散剤とを含むスラリーを調製する工程と、前記スラリーを集電体上に塗布して電極活物質層を形成する工程と、を有する二次電池用電極の製造方法である。
本発明の方法では、スラリーの調製時に分散剤としてイオン性界面活性剤を用いることを特徴とする。前記分散剤を用いることにより前記スラリー中で電極活物質表面を導電材で均一に被覆させることがき、電極活物質層において十分な導電ネットワークを形成することが可能となる。かような効果が得られるメカニズムは、明らかではないが次のようなことが考えられる。
すなわち、本発明において分散剤として用いるイオン性界面活性剤は、水などの溶媒中でイオン解離した際にカチオン(+)およびアニオン(−)の双方の電荷を有する。例えば、アニオン性界面活性剤からなる分散剤としてジアルキルスルホサクシネートナトリウム(NaSOCHCOORCHCOOR;式中、Rはメチレン基、ブチレン基等のアルキレン基などであり、Rは水素原子、メチル基、エチル基などのアルキル基である。)を用いた場合には、水などの溶媒中で(Na SOCHCOORCHCOOR )で示されるようにイオン化する。一方、水などの溶媒を用いたスラリー中では、電極活物質として好ましく用いられるリチウムコバルト複合酸化物などの表面は負電荷を帯び、導電材として用いられるカーボンブラックなどの表面は正電荷を帯びている。かようなスラリー中に本発明による前記界面活性剤を混合すると、図2に模式的に示すように、正負の電荷が引き合うことにより、解離した界面活性剤(Na SOCHCOORCHCOOR )が、電極活物質101または導電材102の各表面を取り囲む。これにより、前記スラリー中で電極活物質および導電材を高分散させるとともに、各粒子表面を被覆した界面活性剤がさらに電極活物質101および導電材102を引寄せることができ、導電材102が電極活物質101表面を均一に被覆し、図1に示すように導電材102が連結して導電ネットワークを形成した電極活物質層が得られるのである。
前記分散剤を用いずに導電材および電極活物質のみが混合されたスラリー中では、ファンデルワールス力、ブラウン運動のため導電材の凝集を招き易い。しかしながら、本発明では、イオン性界面活性剤からなる分散剤を用いることにより上記効果が得られるのである。ただし、上記メカニズムは推測であり、本発明の前記分散剤による効果が上記メカニズムに限定されるわけではない。
以下、本発明の方法を順を追って説明する。
本発明の方法では、まず、電極活物質と、導電材と、イオン性界面活性剤からなる分散剤とを含むスラリーを調製する。具体的には、前記スラリーは、電極活物質と、導電材と、イオン性界面活性剤からなる分散剤とを溶媒中で混合することにより調製する。
前記電極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵および放出する材料であればよく、従来の二次電池において一般的に用いられているものであれば特に制限されない。
前記電極活物質は、好ましくは、遷移金属とリチウムとの複合酸化物であるリチウム−遷移金属複合酸化物が挙げられる。具体的には、LiCoOなどのLi・Co系複合酸化物、LiNiOなどのLi・Ni系複合酸化物、スピネルLiMnなどのLi・Mn系複合酸化物、LiFeOなどのLi・Fe系複合酸化物およびこれらの遷移金属の一部を他の元素により置換したものなどが使用できる。これらリチウム−遷移金属複合酸化物は、反応性、サイクル特性に優れ、低コストな材料である。そのためこれらの材料を電極に用いることにより、出力特性に優れた電池を形成することが可能である。この他、前記電極活物質としては、LiFePOなどの遷移金属とリチウムのリン酸化合物や硫酸化合物;V、MnO、TiS、MoS、MoOなどの遷移金属酸化物や硫化物;PbO、AgO、NiOOHなどを用いることもできる。
電極活物質は、電極反応抵抗を低減するためには、一次粒子径が0.1〜5μmのものを用いるのがよい。
前記スラリーにおける電極活物質の含有量は、スラリー質量に対して、好ましくは10〜80質量%、より好ましくは20〜40質量%とするのがよい。これにより、スラリー中で電極活物質を高分散させることができる。
前記スラリーに用いられる導電材は、特に制限されないが、グラファイト(粒状、鱗片状、繊維状、針状など)、カーボンブラック、アセチレンブラック、炭素繊維、カーボンナノチューブ等が好ましく挙げられる。
導電材は、電極活物質表面を均一に被覆して電極反応抵抗を低減するために、粒状のものを用いるのがよい。より好ましくは、導電材の一次粒子径が0.01〜1μm、特に0.01〜0.1μmのものを用いる。
前記スラリーにおける導電材の含有量は、電極活物質に対して、好ましくは1〜20質量%、より好ましくは1〜6質量%とするのがよい。これにより、スラリー中で導電材を高分散させることができる。
前記スラリーに用いられる分散剤は、イオン性界面活性剤を用いる。前記イオン性界面活性剤として具体的には、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、および両性界面活性剤よりなる群から選択される少なくとも一種が好ましく挙げられる。なかでも、ジアルキルスルホサクシネートナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルケニルコハク酸塩、アルキルトリメチルアンモニウムクロライドおよびポリオキシエチレンアルキルエーテルが特に好ましく挙げられる。また、これらの分散剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
前記スラリーにおける分散剤の含有量は、分散剤、電極活物質、導電材の種類および量などに応じて適宜決定すればよいが、スラリー質量に対して、好ましくは100ppm〜10質量%、より好ましくは500ppm〜5質量%とするのがよい。これにより、スラリー中で導電材を高分散させることができる。
前記スラリーの溶媒や混合手段は、各種公知の技術を使用すればよく、特に限定されない。例えば、スラリーの溶媒としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などが用いられ得る。また、混合手段としては、ホモジナイザー、超音波分散装置などが用いられる。
本発明の方法において、前記スラリーの調製は、イオン性界面活性剤からなる分散剤を用いて電極活物質を含む分散液と導電材を含む分散液とを別々に用意した後、各分散液を混合することにより行われるのが好ましい。すなわち、前記スラリーの調製は、前記電極活物質と前記分散剤とを含む分散液(I)と、前記導電材と前記分散剤と含む分散液(II)と、を混合することにより行われるのが好ましい。これにより、電極活物質および導電材のより高い分散性が得られるとともに、電極活物質表面を導電材でより均一に被覆させることができる。
分散液(I)は、前記電極活物質と前記分散剤とを溶媒中で混合することにより調製する。前記電極活物質、前記分散剤、前記溶媒、および混合手段については、上記と同様である。前記分散液(I)における電極活物質の含有量は、スラリー質量に対して、1〜50質量%程度とするのがよい。また、前記分散液(I)における分散剤の含有量は、スラリー質量に対して、100ppm〜10質量%程度とするのがよい。これにより、電極活物質の高い分散性が得られる。
分散液(II)は、前記導電材と前記分散剤とを溶媒中で混合することにより調製する。前記導電材、前記分散剤、前記溶媒、および混合手段については、上記と同様である。前記分散液(II)における導電材の含有量は、スラリー質量に対して、10〜80質量%程度とするのがよい。また、前記分散液(II)における分散剤の含有量は、スラリー質量に対して、100ppm〜10質量%程度とするのがよい。これにより、導電材の高い分散性が得られる。
上記の通りにして調製したスラリーの粘度は、25℃において、10000cPs以下、特に10〜3000cPsとするのが好ましい。これにより、スラリーにおいて電極活物質および導電材を均一に分散させることができるとともに、得られる電極活物質層の厚さを均一にできる。
さらに、前記スラリーには、バインダ、イオン伝導性ポリマー、支持電解質であるリチウム塩、および重合開始剤など、必要に応じてその他の成分が添加されてもよい。
バインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、SBR、ポリイミドなどが使用できる。ただし、これらに限られるわけではない。
イオン伝導性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)系およびポリプロピレンオキシド(PPO)系のポリマーが挙げられる。なお、電極活物質層に含まれるイオン伝導性ポリマーは、本発明の電極が採用される電池のセパレータなどに含浸させる電解質に用いられるイオン伝導性ポリマーと同じであってもよく、異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。
リチウム塩としては、LiBETI(リチウムビス(パーフルオロエチレンスルホニルイミド);Li(CSONとも記載)、LiBF、LiPF、LiN(SOCF、LiN(SO、LiBOB(リチウムビスオキサイドボレート)またはこれらの混合物などが使用できる。ただし、これらに限られるわけではない。
重合開始剤は、イオン伝導性ポリマーの架橋性基に作用して、架橋反応を進行させるために配合される。開始剤として作用させるための外的要因に応じて、光重合開始剤、熱重合開始剤などに分類される。重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)(熱重合用)やベンジルジメチルケタール(BDK)(光重合用)等が挙げられる。
これらのその他の材料の添加量は特に制限されず、適宜調整されうるが、スラリー質量に対して、通常3〜10質量%程度とすればよい。
次に、上述の通りにして調製したスラリーを集電体上に塗布して電極活物質層を形成する工程について、説明する。
前記集電体としては、従来の二次電池において用いられているものであれば特に制限されず、アルミニウム箔、銅箔、ステンレス(SUS)箔など、導電性の材料から構成されるものであればよい。集電体の厚さは、10〜50μm程度であればよい。
前記スラリーを前記集電体上に塗布するには、スリットダイコーター、リバースロールコーター、リップコーター、ブレードコーター、ナイフコーター、グラビアコーター、ディップコーターなど、公知の方法を用いればよい。
上記の通り集電体上に塗布したスラリーを乾燥させるなどすることにより、集電体上に電極活物質層が得られる。乾燥手段は特に限定されない。公知の手段を用いて、スラリーを乾燥させればよい。乾燥時間や乾燥温度は、スラリーの供給量やスラリーの溶媒の揮発速度に応じて決定されるが、80〜150℃で、5分〜100分程度行えばよい。
また、スラリー中に、イオン伝導性ポリマーを重合させるための重合開始剤が含まれる場合には、上記塗布工程後に、種々の方法によりスラリー中のイオン伝導性ポリマーを重合(架橋)させる。この際の重合(架橋)方法は特に制限されず、用いた重合開始剤の種類に応じて適宜選択されうる。例えば、熱重合、光(紫外線)重合、放射線重合、電子線重合等が挙げられる。重合(架橋)させるための装置および条件は特に制限されず、従来公知の装置および条件が用いられうる。
さらに、上記の方法により製造された電極活物質層にプレス操作を行ってもよい。プレス操作を行うことで、得られる電極活物質層表面をより平坦化させることが可能となる。前記プレス操作に用いられる装置および条件は特に制限されず、従来公知の装置および方法が適宜用いればよい。
本発明の方法において、上記の通り集電体上に作製した電極活物質層を熱処理するのが好ましい。これにより、電極活物質層に残存する分散剤として用いた界面活性剤などの不純物を焼失させて、得られる電極の出力特性をより向上させることができる。場合によっては、乾燥工程を省略して熱処理を行ってもよい。
前記熱処理する際の温度は、分散剤の分解温度以上、電極活物質またはバインダの分解温度未満で行うのが好ましく、より好ましくは200〜300℃、特に好ましくは250〜280℃である。また、前記熱処理は、窒素雰囲気下、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下、または、水素などの不活性ガス雰囲気下で行うのがよい。熱処理方法は、公知の方法が用いられ、放電プラズマ法やホットプレス法などを用いてもよい。
上述した本発明の二次電池用電極の方法は、説明の都合上、リチウムイオン二次電池に基づいて説明した。しかしながら、本発明の方法は、リチウムイオン二次電池の他、ニッケル水素二次電池、ニッケルカドミウム二次電池、ナトリウムイオン二次電池、カリウムイオン二次電池、マグネシウムイオン二次電池、カルシウムイオン二次電池、などの二次電池に用いられる電極の製造方法としても好適に用いられる。
なかでも、上述した本発明の方法は、実用性の観点からは、リチウムイオン二次電池用電極の製造方法として用いるのがより好ましく、導電性に劣る電極活物質を含む電極の製造方法として非常に有用であることからリチウムイオン二次電池用正極の製造方法として用いるのが特に好ましい。
本発明の第二は、上述の方法により製造された二次電池用電極である。本発明の第一の方法により製造された電極では、電極活物質層において導電材および電極活物質が高分散され、電極活物質表面を導電材が均一に被覆することができる。これにより、電極活物質層内に十分な導電ネットワークが形成され、レート特性、出力特性に優れる二次電池用電極が得られる。
本発明の二次電池用電極は、電極活物質および導電材を少なくとも含む電極活物質層と、集電体と、を有する。前記電極活物質層では上述の通り導電材が均一に分散されているため、導電材の凝集体の存在割合を低減させることができる。具体的には、前記導電材の一次粒子の個数をA、前記導電材の凝集体の個数をBとするとき、前記導電材の一次粒子と凝集体との存在割合を、0.1≧B/(A+B)、好ましくは0.01≧B/(A+B)とすることができる。
電極活物質層に含まれる導電材は、本発明の第一において記載した通りであるが、好ましくは0.01〜1μm、より好ましくは0.01〜0.1μmの一次粒子径を有するものを用いる。このように微細な粒子径を有する導電材を用いた場合、従来の電極活物質層では導電材が凝集して大きな粒子径を有する凝集体を形成し易い。しかしながら、本発明の電極活物質層では導電材を高分散させて凝集体径をより小さくすることができる。
なお、本発明において、導電材の1次粒子とは1つの粒子を意味し、導電材の2次粒子とは1次粒子が複数個、凝集した粒子群を意味する。一次粒子径の測定は、走査型電子顕微鏡を使用し、加速電圧3kVの条件で電極活物質層表面を撮影した電子顕微鏡写真(倍率:3000倍)中の個々の一次粒子径を測定することにより行われる。また、凝集体径の測定は、上記と同様に撮影した各写真中、個々の凝集体の最大粒径を測定することにより行われる。さらに、一次粒子と凝集体の存在割合(B/(A+B))は、同様に撮影した電子顕微鏡写真(倍率:3000倍)で、写真中に写っている粒子100個のうち、一次粒子単独で存在している粒子の個数Aと一次粒子が複数個以上集まってできたものを凝集体とし、その凝集体の個数Bを数え、B/(A+B)より求めた値である。
本発明の電極における、導電材、電極活物質、集電体等のより詳細な説明は本発明の第一において記載した通りである。
本発明の第三は、上述した本発明の第一の方法によって製造された二次電池用電極または本発明の第二の二次電池用電極を用いた二次電池である。前記二次電池の構成は、第一の方法によって製造された二次電池用電極または本発明の第二の二次電池用電極を用いること以外は従来公知の技術を適宜参照できる。例えば、正極と、負極と、セパレータおよび電解質とを有する二次電池において、前記正極および前記負極の少なくとも一方に、上述した二次電池用電極を用いた二次電池などが挙げられる。
本発明の二次電池において、本発明の第二の電極は、正極および負極の少なくとも一方に用いられればよいが、電極活物質と導電材との優れた分散性が得られることから正極として用いるのが好ましい。この時に用いられる負極としては特に制限されず、従来一般的に用いられている負極であればよい。具体的には、銅、ニッケル、チタン、SUSなどからなる集電体上に、カーボンなどの負極活物質を少なくとも含む負極活物質層が塗布されてなる従来の構成を有する負極である。
本発明の二次電池は、正極および負極をセパレータを介して重ね合わせ、これに電解質を含浸させるなどにより得られる。
本発明の二次電池に用いられるセパレータとしては、従来一般的に用いられているものであれば、特に制限なく用いることができる。例えば、微孔性ポリエチレンフィルム、微孔性ポリプロピレンフィルム、微孔性エチレン−プロピレンコポリマーフィルムなどのポリオレフィン系樹脂の多孔膜または不織布、これらの積層体などが挙げられる。これらは、電解質(電解液)との反応性を低く抑えることができるという優れた効果を有する。他に、ポリオレフリン系樹脂不織布またはポリオレフィン系樹脂多孔膜を補強材層に用い、前記補強材層中にフッ化ビニリデン樹脂化合物を充填した複合樹脂膜なども挙げられる。また、セパレータの代わりに固体電解質または高分子ゲル電解質などからなる電解質層を採用してもよい。
セパレータの厚さは、使用用途に応じて適宜決定すればよいが、自動車等のモータ駆動用二次電池などの用途においては、15〜50μm程度とすればよい。また、セパレータの多孔度、大きさなどは、得られる二次電池の特性を考慮して、適宜決定すればよい。
セパレータに含浸させる電解質としては、非水電解質が好ましく挙げられる。水溶液を含む電解質では、高い電圧において電気分解を起こす恐れがある。そのため、高い電圧でも耐えられる電解液として、有機溶媒を使用した非水電解液が好ましく用いられる。これにより、電極活物質層におけるイオン伝導がスムーズになり、電池全体としての出力向上が図れるためである。
非水電解質としては、液状電解質(電解液)、固体電解質、高分子ゲル電解質のいずれであってもよい。非水電解質は、好ましい一例を以下に示すが、通常の二次電池で用いられるものであればよく特に限定されない。
電解液としては、LiBOB(リチウムビスオキサイドボレート)、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiTaF、LiAlCl、Li10Cl10等の無機酸陰イオン塩、LiCFSO、Li(CFSON、Li(CSON等の有機酸陰イオン塩の中から選ばれる、少なくとも1種類の電解質塩を含み、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)等の環状カーボネート類;ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の鎖状カーボネート類;テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン等のエーテル類;γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトニトリル等のニトリル類;プロピオン酸メチル等のエステル類;ジメチルホルムアミド等のアミド類;酢酸メチル、蟻酸メチルの中から選ばれる少なくともから1種類または2種以上を混合した、非プロトン性溶媒等の有機溶媒(可塑剤)を用いたものなどが使用できる。
固体電解質としては、イオン伝導性を有する高分子から構成されるものであれば特に限定されない。例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、これらの共重合体などが挙げられる。かようなポリアルキレンオキシド系高分子は、上述した電解質塩をよく溶解しうる。また、架橋構造を形成することによって、優れた機械的強度が発現する。
高分子ゲル電解質としては、特に限定されないが、イオン導伝性を有する電解質用高分子に電解液を含んだもの、イオン導伝性を持たない電解質用高分子の骨格中に同様の電解液を保持させたものなどが挙げられる。
高分子ゲル電解質に含まれる電解液としては、上述したものと同様である。また、イオン導伝性を有する電解質用高分子としては、上述した固体電解質などが用いられる。イオン導伝性を持たない電解質用高分子としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリビニルクロライド(PVC)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などのゲル化ポリマーを形成するモノマーが使用できる。ただし、これらに限られるわけではない。なお、PAN、PMMAなどは、どちらかと言うとイオン伝導性がほとんどない部類に入るものであるため、上記イオン伝導性を有する電解質用高分子とすることもできるが、ここでは高分子ゲル電解質に用いられるイオン導伝性を持たない電解質用高分子として例示したものである。
高分子ゲル電解質中の電解質用高分子(ホストポリマー)と電解液との比率(質量比)は、使用目的などに応じて決定すればよいが、2:98〜90:10の範囲である。これにより、電極活物質層の外周部からの電解質の染み出しについても、絶縁層や絶縁処理部を設けることで効果的にシールすることができる。そのため、上記高分子ゲル電解質中のホストポリマーと電解液との比率(質量比)に関しても、比較的電池特性を優先したものとすることができる。
正極、負極、およびセパレータは電池ケースなどに収納される。電池ケースとしては、電池を使用する際の外部からの衝撃、環境劣化を防止し得るものを用いるとよい。例えば、高分子フィルムと金属箔を複合積層したラミネート素材からなる電池ケースをその周辺部を熱融着にて接合するか、あるいは、袋状にしたその開口部を熱融着することにより密閉されてなり、この熱融着部から正極リード端子、負極リード端子を取り出す構造としたものである。このとき正負極の各リード端子を取り出す個所は特に1箇所に限定されない。また電池ケースを構成する材質は上記のものに限定されず、プラスチック、金属、ゴム等、あるいはこれらの組み合わせによる材質が可能であり、形状もフィルム、板、箱状等のものを使用できる。また、ケース内側と外側とを導通するターミナルを設け、ターミナルの内側に集電体を、ターミナルの外側にリード端子を接続して電流を取り出す方法も適用できる。
本発明の二次電池の構造としては、特に限定されず、形態・構造で区別した場合には、積層型電池、巻回型電池など、従来公知のいずれの形態・構造にも適用し得るものである。また、二次電池内の電気的な接続形態で見た場合、バイポーラ型ではない内部並列接続タイプの電池およびバイポーラ型の内部直列接続タイプの電池のいずれにも適用し得るものである。本発明の二次電池は、好ましくはバイポーラ型の電池である。通常の電池に比べて単電池の電圧が高く、容量、出力特性に優れた電池を構成できる。
本発明の二次電池は、上述のように各種特性を有している。従って、エネルギー密度および出力密度に関して、とりわけ厳しい要求がなされる車両、例えば、電気自動車、燃料電池自動車やハイブリッド電気自動車等の駆動用電源として好適であり、燃費、走行性能に優れた車両を提供できる。また、電気自動車ないしハイブリッド電気自動車の車体中央部の座席下に本発明の二次電池を複数個接続した組電池を駆動用電源として搭載するのが、社内空間およびトランクルームを広く取れるため便利である。ただし、本発明では、これらに何ら制限されるべきものではなく、本発明の二次電池は、車両の床下、トランクルーム、エンジンルーム、屋根、ボンネットフード内などに設置することができる。
上述した本発明の電極およびこれを用いた二次電池は、実用性の観点からリチウムイオン二次電池として用いるのが好ましいが、他に、ニッケル水素二次電池、ニッケルカドミウム二次電池、ナトリウムイオン二次電池、カリウムイオン二次電池、マグネシウムイオン二次電池、カルシウムイオン二次電池、などの二次電池にも適用することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。本発明は、下記実施例のみに限定されることはない。
(実施例1)
1.正極の作製
正極活物質として粒径1μmのスピネルマンガン80g、導電材として一次粒子径50nmのデンカブラック10g、バインダとしてPVdF5g、分散剤としてジアルキルスルホサクシネートナトリウム1g、および、溶媒としてNMP(適量)をホモジナイザーにより攪拌混合することにより、粘度が4000cPsの正極スラリーを調製した。前記正極スラリーをバーコーターによってアルミニウム箔(厚さ20μm)上に塗布し、130℃で1時間乾燥させた。これにより、正極活物質層(厚さ30μm)が作製された前記アルミニウム箔を16mmΦで打ち抜いて正極を得た。前記正極活物質層において、前記導電材の凝集体径は1μmであり、凝集体径の比率(B/(A+B))が0.1であった。
2.負極の作製
負極活物質として一次粒子径9μmのハードカーボン90g、バインダとしてPVdF10g、および、溶媒としてNMP(適量)をホモジナイザーにより攪拌混合することにより、粘度が4000cPsの負極スラリーを調製した。前記負極スラリーをバーコーターによって銅箔(厚さ20μm)上に塗布し、130℃で1時間乾燥させた。これにより、負極活物質層(厚さ30μm)が作製された前記銅箔を16mmΦで打ち抜いて負極を得た。
3.コイン電池の作製
上記で作製した負極311をステンレスの電池蓋312にはめ込み圧着した。次に、上記で作製した正極310をステンレスの外装缶313内に配し、これにポリプロピレン微多孔膜(厚さ30μm)のセパレータ314を載置した。これに、1M LiPF/EC+PC(1:1(体積比))の電解質を注液し、前記電池蓋312を載せて、スチレンブタジエンゴムとピッチの混合物からなるシーラント315を隙間無く充填した後に外装缶をかしめて封口して、図3に示すようなコイン電池を作製した。この電池の寸法は、直径20mm、高さ2mmである。
4.評価
上記で作製したコイン電池に対して以下の手順に従って充放電試験を行い、初期放電容量およびレート特性を評価した。
充放電は25℃で行い、充電は0.2Cの定電流−定電圧モードにて4.2Vまで合計8時間行い、放電レートを0.2Cとしてカットオフ電圧2.5Vまで定電流放電を行うことにより、放電容量を測定し、初期充放電効率を求めた。次に、25℃で、充電を10Cの定電流−定電圧モードにて4.2Vまで合計2時間行い、放電レートを10Cとしてカットオフ電圧2.5Vまで定電流放電を行うことにより、放電容量を測定し、レート特性(10Cレート放電容量/0.2Cレート放電容量×100)を求めた。結果(初期充放電効率、0.2Cレート放電容量、およびレート特性)を表1に示す。
(実施例2)
1.正極の作製
正極活物質として一次粒子径1μmのスピネルマンガン85g、導電材として一次粒子径50nmのデンカブラック5g、バインダとしてPVdF5g、分散剤としてジアルキルスルホサクシネートナトリウム1g、および、溶媒としてNMP(適量)をホモジナイザーにより攪拌混合することにより、粘度が4000cPsの正極スラリーを調製した。前記正極インクを用いた以外は、実施例1と同様にして正極を作製した。前記正極における前記正極活物質層では、前記導電材の凝集体径が1μmであり、凝集体径の比率(B/(A+B))が0.03であった。
次に、前記正極を用いて、実施例1と同様にしてコイン電池を作製し、その評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
正極活物質として一次粒子径1μmのスピネルマンガン88g、導電材として一次粒子径50nmのデンカブラック2g、バインダとしてPVdF5g、分散剤としてジアルキルスルホサクシネートナトリウム1g、および、溶媒としてNMP(適量)をホモジナイザーにより攪拌混合することにより、粘度が4000cPsの正極スラリーを調製した。前記正極インクを用いた以外は、実施例1と同様にして正極を作製した。前記正極における前記正極活物質層では、前記導電材の凝集体径が1μmであり、凝集体径の比率(B/(A+B))が0.01であった。
次に、前記正極を用いて、実施例1と同様にしてコイン電池を作製し、その評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1と同様にしてアルミニウム箔上に正極活物質層を作製した後、これをさらに真空のオーブン中で、300℃で1時間熱処理を行うことにより正極を得た。熱処理後の前記正極活物質層において、前記導電材の凝集体径は1μmであり、凝集体径の比率(B/(A+B))が0.1であった。
次に、前記正極を用いて、実施例1と同様にしてコイン電池を作製し、その評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
1.正極の作製
正極活物質として一次粒子径1μmのスピネルマンガン75g、導電材として一次粒子径50nmのデンカブラック20g、バインダとしてPVdF5g、および、溶媒としてNMP(適量)をホモジナイザーにより攪拌混合することにより、粘度が4000cPsの正極スラリーを調製した。前記正極インクを用いた以外は、実施例1と同様にして正極を作製した。前記正極における前記正極活物質層では、前記導電材の凝集体径が2μmであり、凝集体径の比率(B/(A+B))が0.9であった。
次に、前記正極を用いて、実施例1と同様にしてコイン電池を作製し、その評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例2)
1.正極の作製
正極活物質として一次粒子径1μmのスピネルマンガン85g、導電材として一次粒子径50nmのデンカブラック10g、バインダとしてPVdF5g、および、溶媒としてNMP(適量)をホモジナイザーにより攪拌混合することにより、粘度が4000cPsの正極スラリーを調製した。前記正極インクを用いた以外は、実施例1と同様にして正極を作製した。前記正極における前記正極活物質層では、前記導電材の凝集体径が2μmであり、凝集体径の比率(B/(A+B))が0.8であった。
次に、前記正極を用いて、実施例1と同様にしてコイン電池を作製し、その評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例3)
1.正極の作製
正極活物質として一次粒子径1μmのスピネルマンガン90g、導電材として一次粒子径50nmのデンカブラック5g、バインダとしてPVdF5g、および、溶媒としてNMP(適量)をホモジナイザーにより攪拌混合することにより、粘度が4000cPsの正極スラリーを調製した。前記正極インクを用いた以外は、実施例1と同様にして正極を作製した。前記正極における前記正極活物質層では、前記導電材の凝集体径が2μmであり、凝集体径の比率(B/(A+B))が0.6であった。
次に、前記正極を用いて、実施例1と同様にしてコイン電池を作製し、その評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2006302617
表1において、比較例1〜3のレート特性は、実施例1〜4よりも低い結果となっている。これは、分散剤が入っていないために、導電材、電極活物質の分散性が低く、電極内での導電ネットワークが十分に形成されていないためと考えられる。実施例1〜4では分散剤の効果により電極活物質周辺に導電材が均一に分散されて導電ネットワークが形成されるため、レート特性が比較例1〜3と比較して20%以上良い値となっている。特に実施例4では分散剤を除去しているため、より優れた特性を示していることがわかる。
本発明の方法によれば、電極活物質および導電材の分散性に優れる二次電池用電極が得られる。前記二次電池用電極によれば、分散剤の少ない使用量であっても、レート特性、放電特性などに優れる二次電池を提供することができる。
本発明の方法により作製された二次電池用電極の電極活物質層における電極活物質および導電材の分散状態を示す。 本発明の方法に用いられるスラリーにおける電極活物質、導電材、および解離した分散剤の状態を示す模式図である。 実施例において作製したコイン型二次電池の模式断面図を示す。 従来の方法により作製された二次電池用電極の電極活物質層における電極活物質および導電材の分散状態を示す。
符号の説明
101…電極活物質、102…導電材、310…正極、311…負極、312…電池蓋、313…外装缶、314…セパレータ、315…シーラント。

Claims (9)

  1. 電極活物質と、導電材と、イオン性界面活性剤からなる分散剤とを含むスラリーを調製する工程と、
    前記スラリーを集電体上に塗布して電極活物質層を形成する工程と、を有する二次電池用電極の製造方法。
  2. 前記分散剤は、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、および両性界面活性剤よりなる群から選択される少なくとも一種である請求項1記載の二次電池用電極の製造方法。
  3. 前記スラリーを調製する工程は、前記電極活物質と前記分散剤とを含む分散液(I)と、前記導電材と前記分散剤と含む分散液(II)と、を混合することにより行われる請求項1または2記載の二次電池用電極の製造方法。
  4. 前記電極活物質層を熱処理する工程をさらに有する請求項1〜3のいずれかに記載の二次電池用電極の製造方法。
  5. リチウムイオン二次電池用正極の製造方法である請求項1〜4のいずれかに記載の二次電池用電極の製造方法。
  6. 電極活物質および導電材を少なくとも含む電極活物質層と、集電体と、を有する二次電池用電極であって、
    前記導電材の一次粒子と前記導電材の凝集体との存在割合が、前記一次粒子の個数をA、前記凝集体の個数をBとするとき、0.1≧B/(A+B)である二次電池用電極。
  7. 請求項1〜5のいずれかの方法により作製された二次電池用電極、または、請求項6記載の二次電池用電極を用いた二次電池。
  8. バイポーラ電池である、請求項7記載の二次電池。
  9. 請求項7または8に記載の二次電池を搭載してなる車両。
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