JP2009116313A - トナー、並びに現像剤、画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも結着樹脂及び顔料を含有するトナーであって、前記顔料の前記トナーにおける含有量が3.0質量%〜8.5質量%であり、前記トナーの体積平均粒径が2.0μm〜6.0μmであり、前記トナーを記録媒体上に付着量が0.25mg/cm2となるように付着させて、定着した単色画像の反射濃度が1.2以上2.5以下であることを特徴とするトナーである。
【選択図】なし
Description
昨今、環境問題への対応が要請されるようになっているが、電子写真業界ではトナー付着量を減らすことが困難であり、環境問題の要請に答えることができていなかった。
また、開発の段階では顔料をトナー全量に対し、11質量%〜20質量%と高濃度に添加する例もあり、これによって画像濃度(ID)を上げることも可能であるが、顔料は単体では高価であり、高濃度に添加するとトナー全体に占めるコスト割合が大きくなり、トナーを高価にしてしまう。また、高濃度とすると画像の鮮鋭度(シャープネス)も低下してしまう。
一方、従来の市販されているトナーの体積平均粒径は最小でも5.1μmであり、今日の高解像、高精細画像の要請に答えるには十分ではなかった。即ち、オフセット印刷画像に比べた場合、依然として不十分な画像品質である。また、オフセット印刷に比較すると色再現範囲も劣り、この点もオフセット印刷に劣る点として指摘されている。
また、特許文献3では、光学濃度が反射でなく、透過であるが、上記の通り有意差はなく、実施例には、トナー付着量が0.35mg/cm2で、シアンが最高でID=1.38、マゼンタが最高でID=1.29、イエローが最高でID=1.24である。これを上記同様に換算すると、シアンがID=1.2で0.30mg/cm2、マゼンタがID=1.2で0.32mg/cm2、イエローがID=1.2で0.34mg/cm2であり、依然としてトナー付着量が多い。また、実施例の3C、3M、及び3Yは、いずれも顔料添加率は11質量%と高く、上記同様の問題がある。
また、特許文献4では、紙上でのイエロートナーの反射率を440〜460nmの波長に対して15%以下、500nmの波長に対して50%以上であるイエロートナーが開示されており、実施例のトナーの分光反射率が開示されている。分光反射率から400nm〜700nmの範囲で反射濃度(ID)を算出すると、IDが0.32であり、公知として引用されている例でIDが0.37である。またトナー付着量は0.4mg/cm2であることから付着量は多く、実施例7を除く、実施例1〜8は依然としてトナー付着量が多く、また、実施例7は顔料の添加率が高く、上記同様の問題がある。
<1> 少なくとも結着樹脂及び顔料を含有するトナーであって、
前記顔料の前記トナーにおける含有量が3.0質量%〜8.5質量%であり、
前記トナーの体積平均粒径が2.0μm〜6.0μmであり、
前記トナーを記録媒体上に付着量が0.25mg/cm2となるように付着させて、定着した単色画像の反射濃度が1.2以上2.5以下であることを特徴とするトナーである。
<2> トナー10gをテトラヒドロフラン40gに溶解させた溶解液を0.3mmワイヤーバーで基材上に塗布した塗布膜のヘイズ度が0.1以上25以下である前記<1>に記載のトナーである。
<3> 顔料分散剤が含有されている前記<1>から<2>のいずれかに記載のトナーである。
<4> 顔料分散剤が、ポリエステル系顔料分散剤である前記<3>に記載のトナーである。
<5> 顔料分散剤が、ポリウレタン系顔料分散剤である前記<3>に記載のトナーである。
<6> 顔料分散剤が、アクリル系顔料分散剤である前記<3>に記載のトナーである。
<7> 更にシナジストを含有する前記<1>から<6>のいずれかに記載のトナーである。
<8> イエロートナー、マゼンタトナー、及びシアントナーから選択される少なくとも1種である前記<1>から<7>のいずれかに記載のトナーである。
<9> トナーの体積平均粒径(Dv)と、数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.20である前記<1>から<8>のいずれかに記載のトナーである。
<10> 有機溶媒中に、少なくとも結着樹脂及び顔料を溶解乃至分散させ、該溶解乃至分散物を水系媒体中で懸濁乃至乳化し、造粒して得られた分散液から溶媒を除去することにより得られる前記<1>から<9>のいずれかに記載のトナーである。
<11> 有機溶媒中に、少なくとも活性水素基を有する化合物と、該活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体を溶解乃至分散させ、該溶解乃至分散物を水系媒体中で架橋乃至伸長反応させ、得られた分散液から溶媒を除去することにより得られる前記<1>から<9>のいずれかに記載のトナーである。
<12> 活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体が、反応可能な置換基を有する変性ポリエステル樹脂(i)である前記<11>に記載のトナーである。
<13> 変性ポリエステル樹脂(i)の反応可能な置換基がイソシアネート基である前記<12>に記載のトナーである。
<14> 結着樹脂が、架橋乃至伸長反応した変性ポリエステル樹脂(i)と共に、変性されていないポリエステル樹脂(ii)を含有し、質量比〔(i)/(ii)〕が、5/95〜30/70である前記<10>から<13>のいずれかに記載のトナーである。
<15> 前記<1>から<14>のいずれかに記載のトナーと、キャリアとからなることを特徴とする現像剤である。
<16> 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、
前記トナーが、前記<1>から<14>のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成方法である。
<17> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、
前記トナーが、前記<1>から<14>のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成装置である。
<18> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、
前記トナーが、前記<1>から<14>のいずれかに記載のトナーであることを特徴とするプロセスカートリッジである。
前記顔料の前記トナーにおける含有量が3.0質量%〜8.5質量%であり、
前記トナーの体積平均粒径が2.0μm〜6.0μmであり、
前記トナーを記録媒体上に付着量が0.25mg/cm2となるように付着させて、定着した単色画像の反射濃度が1.2以上2.5以下である。
本発明のトナーにおいては、0.25mg/cm2という低トナー付着量、及び3.0質量%〜8.5質量%の低濃度の顔料であっても、従来と同様の反射濃度(ID)が1.2以上2.5以下を出すことができ、トナー消費を概略半減させることができ、環境問題に寄与することができ、その結果、トナーのコストアップを招くことを回避できる。また、鮮鋭度(シャープネス、解像度も等価)の低下を回避することができ、高解像及び高精細画像が得られ、更に色再現域を拡大し、オフセット印刷画像に近い画像品質を得ることができる。
本発明のトナーは、少なくとも結着樹脂及び顔料を含有してなり、顔料分散剤、離型剤、帯電制御剤、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記顔料を分散させる際には、従来のいかなる技術を用いても構わない。例えば、顔料および決着樹脂の混合物を2本ロールを用いて混練後、圧延冷却し、パルペライザーで粉砕して、マスターバッチとして、分散させてもよいし、顔料を液中でジルコニアビーズ等のメディアを用いて、ボールミル、ペイントシェーカー、ロッキングミル、サンドミル、ビーズミル等の装置で分散してもよい。
前記着色剤として顔料を用いる場合には、顔料分散剤により、トナー中に顔料が均一に分散され、安定化していることが好ましい。この場合、顔料の分散粒径は、例えばレーザー散乱・回折法、レーザードップラー法、遠心沈降法、超音波減衰法、などにより測定することができる。
前記レーザー散乱・回折法は大希釈が必要であり、パラメータ設定が困難となる。前記レーザードップラー法は、比較的低希釈で測定可能であるが、希釈が必要である。前記遠心沈降法は測定に長時間かかる。前記超音波減衰法は測定に必要なパラメータが多く、材料種毎に設定がとなる。
このように従来の分散粒径の測定法では、煩雑な手数がかかったり大希釈が必要であったり、時間がかかり、またいずれも正確な分散粒径を測定するのは困難であるという課題があった。
前記ヘイズ度は、0.1以上25以下が好ましく、0.1以上20以下がより好ましい。前記ヘイズ度が、0.1未満であると、隠蔽力が無くなって、着色力が落ちてしまい、25を超えると、分散が不十分で、着色力、彩度が低下することがある。
ここで、前記ヘイズ度は、顔料を含むトナー10gをテトラヒドロフラン(THF)40gに溶解させた溶解液を0.3mmワイヤーバーで基材上に塗布して塗布膜を作製し、該塗布膜のヘイズ度を、例えばTMダブルビーム方式自動ヘーズコンピューター(スガ試験機株式会社製)で測定して求めることができる。
前記基材としては、透明フィルムが好適であり、例えばPETフィルム、PPフィルム、PEフィルム、などが挙げられる。
前記反射濃度が、1.2未満であると、着色力不足で、画像がオリジナル画像を再現できないことがあり、2.5を超えると、顔料量が多すぎ、コストが高くなるほか、色再現性が悪化することがある。
前記記録媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばアート紙、コート紙、普通紙等の紙媒体の他、OHPシートなどが挙げられる。
前記定着としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばオイルレス定着が好適である。
前記顔料としては、特に制限はなく、公知の顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン、などが挙げられる。なお、前記顔料と共に公知の染料を併用しても構わない。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記顔料分散剤としては、例えばポリエステル系顔料分散剤、アクリル系顔料分散剤、ポリウレタン系顔料分散剤、などが挙げられる。
前記ポリエステル系顔料分散剤としては、例えばアジスパーPB821、アジスパーPB822、アジスパーPB711(いずれも、味の素ファインテクノ株式会社製);ディスパロンDA−705、ディスパロンDA−325、ディスパロンDA−725、ディスパロンDA−703−50、ディスパロンDA−234(いずれも、楠本化成株式会社製)、などが挙げられる。
前記アクリル系顔料分散剤としては、例えばDisperbyk2000、Disperbyk2001、Disperbyk2020、Disperbyk2050、Disperbyk2150(いずれも、BYK Chemie社製)、などが挙げられる。
前記ポリウレタン系分散剤としては、例えばEFKA4010、EFKA4009、EFKA4015、EFKA4047、EFKA4050、EFKA4055、EFKA4060、EFKA4080、EFKA4520(いずれも、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、などが挙げられる。
前記顔料分散剤の含有量は、前記顔料100質量部に対し1質量部〜100質量部が好ましく、5質量部〜50質量部がより好ましい。前記含有量が、1質量部未満であると、効果が少なく顔料を十分に分散させて、安定化させることができないことがあり、100質量部を超えると、結着樹脂を可塑化したり、帯電特性が悪化したりと品質面で悪化するとともにコスト的にも不利に働くことがある。
本発明では、顔料分散を良好に行うため、シナジストを使用することが好ましい。前記シナジストとは、顔料と同様の構造をもつ誘導体であり、顔料と強い相互作用を有するとともに、高分子分散剤とも強い相互作用を有する化合物を意味する。
前記シナジストを高分子分散剤と併用することで、顔料と高分子分散剤との間を媒介し、酸量や塩基量の少ない顔料でも効果的に分散することができると考えられる。例えば、キナクリドン顔料に対しては、該キナクリドン顔料の誘導体であるジメチルアミノエチルキナクリドンをシナジストとして添加すると、ジメチルアミノエチルキナクリドンはキナクリドン顔料と共通の骨格を持つため顔料表面に強固に吸着する。このようなシナジスト顔料の相互作用は、ファンデルワールス力とされているが、色素骨格のフラットで広い面全体で作用するため強固で実用的な吸着が達成できるものと推定される。更にジメチルアミノエチルキナクリドンは塩基性官能基である三級アミノ基を持つため、分散剤に酸性官能基があれば、顔料はシナジスト間接的に樹脂に吸着することになり、顔料を分散安定化することができる。
また、イエロー用、又はシアン用のシナジストとしては市販品を用いることができ、該市販品としては、酸性官能基を有するものとして、例えばSolsperse22000、Solsperse5000(いずれも、日本ルーブリゾール社製)、などが用いることができる。
前記シナジストの前記トナーにおける含有量は、0.1質量%〜1質量%が好ましい。
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、公知のものならば何如なるものでも使用することができ、例えばスチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等の不飽和結合を有するエステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和結合を有するニトリル類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;エチレン、プロピレン、ブタジエン等のオレフィン類等の単量体を用いた重合体若しくは共重合体、又はこれらの混合物、などが挙げられる。
更に、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース、ポリエーテル樹脂等の非ビニル系縮合樹脂;これら縮合樹脂に前記ビニル系樹脂を混合したもの、又はこれら重合体の存在下でビニル系単量体を重合することによって得られるグラフト重合体などが挙げられる。これらの中でも、低温定着性、色再現性等に優れる点でポリエステル樹脂が特に好ましい。
以下に、変性ポリエステル樹脂(i)、及び変性されていないポリエステル樹脂についての詳細に説明する。
また、ポリエステルの主鎖中に構成の異なる樹脂成分を共重合させたり、末端のカルボキシル基や水酸基と反応させたもの、例えば、末端がカルボキシル基、水酸基、エポキシ基、又はメルカプト基によって変性されたシリコーン樹脂と共重合させたものも含まれる(シリコーン変性ポリエステル等)。
前記ジオール(1−1)としては、例えばアルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等);前記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)付加物;前記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)付加物等が挙げられる。これらの中でも、炭素数2〜12のアルキレングリコール、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物が好ましく、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、又はこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用が特に好ましい。
前記ジカルボン酸(2−1)としては、例えばアルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマル酸等);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等)等が挙げられる。これらの中でも、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸が特に好ましい。
前記3価以上のポリカルボン酸(2−2)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸等)等が挙げられる。なお、ポリカルボン酸(2)としては、前記のものの酸無水物又は低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等)を用いてポリオール(1)と反応させてもよい。
前記ポリイソシアネート(3)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステル樹脂の水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、5/1〜1/1が好ましく、4/1〜1.2/1がより好ましく、2.5/1〜1.5/1が更に好ましい。前記[NCO]/[OH]が、5を超えると低温定着性が悪化することがあり、[NCO]のモル比が1未満では、変性ポリエステル樹脂中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
末端にイソシアネート基を有する変性ポリエステル樹脂(A)中の1分子当たりに含有するイソシアネート基は、1個以上が好ましく、平均1.5〜3個がより好ましく、平均1.8〜2.5個が更に好ましい。前記イソシアネート基が1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステル樹脂の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
前記ジアミン(B1)としては、例えば芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’ジアミノジフェニルメタン等);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミン等);及び脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等)、などが挙げられる。
前記3価以上のポリアミン(B2)としては、例えばジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、などが挙げられる。
前記アミノアルコール(B3)としては、例えばエタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリン、などが挙げられる。
前記アミノメルカプタン(B4)としては、例えばアミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタン、などが挙げられる。
前記アミノ酸(B5)としては、例えばアミノプロピオン酸、アミノカプロン酸、などが挙げられる。
なお、B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記(B1)〜(B5)のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物等が挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1及びB1と少量のB2の混合物である。
前記アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有する変性ポリエステル樹脂(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、1/2〜2/1が好ましく、1.5/1〜1/1.5がより好ましく、1.2/1〜1/1.2が更に好ましい。前記[NCO]/[NHx]が2を超えたり、1/2未満では、ウレア変性ポリエステル樹脂(i)の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
前記変性ポリエステル樹脂(i)は、ワンショット法、プレポリマー法により製造される。前記変性ポリエステル(i)の質量平均分子量は、1万以上が好ましく、2万〜1000万がより好ましく、3万〜100万が更に好ましい。前記質量平均分子量が、1万未満では、耐ホットオフセット性が悪化することがある。また、前記変性ポリエステル樹脂(i)の数平均分子量は、後述する変性されていないポリエステル樹脂(ii)を用いる場合は特に限定されるものではなく、前記質量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。(i)単独の場合は、数平均分子量は、20,000以下が好ましく、1,000〜10,000がより好ましく、2,000〜8,000が更に好ましい。前記数平均分子量が20,000を超えると、低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化することがある。
変性されていないポリエステル樹脂(ii)を含有させる場合の(i)と(ii)の質量比は、5/95〜30/70が好ましく、5/95〜25/75がより好ましく、7/93〜20/80が更に好ましい。前記(i)の質量比が5%未満であると、耐ホットオフセット性が悪化すると共に、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になることがある。
前記離型剤としては、特に制限はなく、公知のものが使用でき、例えばポリオレフィンワッックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど);長鎖炭化水素(パラフィンワッックス、サゾールワックスなど);カルボニル基含有ワックスなどが挙げられる。これらの中でも、カルボニル基含有ワックスが特に好ましい。
前記カルボニル基含有ワックスとしては、例えばポリアルカン酸エステル(カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート等);ポリアルカノールエステル(トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエート等);ポリアルカン酸アミド(エチレンジアミンジベヘニルアミド等);ポリアルキルアミド(トリメリット酸トリステアリルアミド等);ジアルキルケトン(ジステアリルケトン等)、などが挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスの中でも、ポリアルカン酸エステルが特に好ましい。
前記ワックスの前記トナーにおける含有量は、40質量%以下が好ましく、3質量%〜30質量%がより好ましい。
本発明のトナーは、必要に応じて帯電制御剤を含有していてもよい。該帯電制御剤としては、特に制限はなく、公知のものが使用でき、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及びサリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的には、ニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(いずれも、オリエント化学工業株式会社製);第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(いずれも、保土谷化学工業株式会社製);第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージNEG VP2036、コピーチャージNX VP434(いずれも、ヘキスト社製);LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット株式会社製);銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物などが挙げられる。
なお、これらの帯電制御剤、離型剤は、マスターバッチ、樹脂と共に溶融混練することもでき、有機溶剤に溶解乃至分散する際に加えてもよい。
前記トナーの流動性や現像性、帯電性を補助するために用いられる外添剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、無機微粒子が好適である。
前記無機微粒子の一次粒径は5nm〜2μmが好ましく、5nm〜500nmがより好ましい。また、BET法による比表面積は20m2/g〜500m2/gが好ましい。
前記無機微粒子の添加量は、前記トナーに対し0.01質量%〜5質量%が好ましく、0.01質量%〜2.0質量%がより好ましい。
前記外添剤として樹脂微粒子も添加することができる。例えばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン;メタクリル酸エステル、アクリル酸エステルの共重合体;シリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロン等の重縮合系;熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料、金属石鹸、などが挙げられる。
前記クリーニング性向上剤は、静電潜像担持体や中間転写体に残存する転写後の現像剤を除去するために前記トナーに添加され、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩;ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子、などが挙げられる。
前記ポリマー微粒子としては、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01μm〜1μmのものが好適である。
前記磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライト、などが挙げられる。これらの中でも、色調の点で白色のものが好ましい。
前記トナーの製造方法としては、特に制限はなく、従来公知のトナーの製造方法の中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、混練・粉砕法、重合法、溶解懸濁法、噴霧造粒法等が挙げられる。これらの中でも、重合法が特に好ましい。該重合法としては、有機溶媒中に活性水素基を有する化合物、該活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体、及び顔料を少なくとも含むトナー材料を溶解乃至分散させ、該溶解乃至分散物を水系媒体中で反応させて、得られた分散液から有機溶媒を除去する方法が好適である。
まず、ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイド等のエステル化触媒の存在下、150℃〜280℃に加熱し、必要により減圧しながら生成する水を溜去して、水酸基を有するポリエステルを得る。次いで、40℃〜140℃にて、これにポリイソシアネート(3)を反応させ、イソシアネート基を有する変性ポリエステル(A)を得る。更に、(A)にアミン類(B)を0℃〜140℃にて反応させ、ウレア結合で変性されたポリエステルを得る。ポリイソシアネート(3)を反応させる際及び(A)と(B)を反応させる際には、必要により溶剤を用いることもできる。
トナー粒子は、水系媒体中で反応可能な置換基を有する変性ポリエステル(A)からなる分散体を(B)と反応させて形成してもよく、予め製造した変性ポリエステル(i)を用いてもよい。水系媒体中で変性ポリエステル(i)や反応可能な置換基を有する変性ポリエステル(A)からなる分散体を安定して形成させる方法としては、水系媒体中に変性ポリエステル(i)や反応可能な置換基を有する変性ポリエステル(A)からなるトナー材料の組成物を加えて、せん断力により分散させる方法等が挙げられる。反応可能な置換基を有する変性ポリエステル(A)と他のトナー組成物(以下、トナー材料と称することもある)である顔料、顔料マスターバッチ、離型剤、帯電制御剤、未変性ポリエステル樹脂等は、水系媒体中で分散体を形成させる際に混合してもよいが、予めトナー材料を混合した後、水系媒体中にその混合物を加えて分散させた方がより好ましい。
前記分散時間としては、特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常、0.1分間〜5分間が好ましい。分散時の温度としては高温な方が、変性ポリエステル(i)や反応可能な置換基を有する変性ポリエステル(A)からなる分散体の粘度が低く、分散が容易な点で好ましい。
変性ポリエステル樹脂(i)、及び反応可能な置換基を有する変性ポリエステル樹脂(A)を含むトナー組成物100質量部に対する水系媒体の使用量は、50質量部〜2,000質量部が好ましく、100質量部〜1,000質量部がより好ましい。前記使用量が、50質量部未満では、トナー組成物の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られないことがあり、2,000質量部を超えると経済的でない。
トナー材料が分散された油性相を、水が含まれる液体に乳化、分散するために用いる分散剤としてはアルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル等の陰イオン界面活性荊、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリン等のアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウム等の四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体等の非イオン界面活性剤、例えば、アラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタイン等の両性界面活性剤が挙げられる。
市販品としては、例えばサーフロンS−111、S−112、S−113(いずれも、旭硝子社製);フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M株式会社製);ユニダインDS−101、DS−102、(ダイキン工業株式会社製);メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ化学工業株式会社製);エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ株式会社製);フタージェントF−100、F150(ネオス社製)、などが挙げられる。
市販品としては、例えばサーフロンS−121(旭硝子株式会社製)、フロラードFC−135(住友3M株式会社製)、ユニダインDS−202(ダイキン工業株式会社製);メガファックF−150、F−824(大日本インキ化学工業株式会社製);エクトップEF−132(トーケムプロダクツ株式会社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)、などが挙げられる。
また、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させてもよい。該高分子系保護コロイドとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸又は無水マレイン酸等の酸類;水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体(例えば、アクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等);ビニルアルコール又はビニルアルコールとのエーテル類(例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル等);ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類(例えば、酢酸ピニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等);アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド又はこれらのメチロール化合物;アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド等の酸クロライド類;ピニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン等の窒素原子又はその複素環を有するもの等のホモポリマー又は共重合体;ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフエニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステル等のポリオキシエチレン系;メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース類、などが挙げられる。
なお、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩等の酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗する等の方法によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他、酵素による分解等の操作によっても除去できる。分散剤を使用した場合には、該分散剤がトナー粒子表面に残存したままとすることもできるが、伸長及び/又は架橋反応後、洗浄除去する方がトナーの帯電面から好ましい。
前記溶剤としては、例えばトルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒;塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が特に好ましい。
反応可能な置換基を有する変性ポリエステル(A)100質量部に対する溶剤の使用量は、300質量部以下が好ましく、100質量部以下がより好ましく、25質量部〜70質量部が更に好ましい。溶剤を使用した場合は、伸長及び/又は架橋反応後、常圧又は減圧下にて加温し、除去する。
得られた乳化分散体から有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に昇温し、液滴中の有機溶媒を完全に蒸発除去する方法を採用することができる。また、乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、液滴中の非水溶性有機溶媒を完全に除去してトナー微粒子を形成し、合せて水系分散剤を蒸発除去することも可能である。乳化分散体が噴霧される乾燥雰囲気としては、空気、窒素、炭酸ガス、燃焼ガス等を加熱した気体、特に使用される最高沸点溶媒の沸点以上の温度に加熱された各種気流が一般に用いられる。スプレイドライアー、ベルトドライアー、ロータリーキルン等により、短時間の処理で十分に目的とする品質が得られる。
乳化分散時の粒度分布が広く、その粒度分布を保って洗浄、乾燥処理が行われた場合、所望の粒度分布に分級して粒度分布を整えることができる。分級操作は液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことができる。乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行ってもよいが、液体中で行うことが効率の面で好ましい。得られた不要の微粒子又は粗粒子は、再び混練工程に戻して粒子の形成に用いることができる。その際微粒子又は粗粒子はウェットの状態でも構わない。用いた分散剤は得られた分散液からできるだけ取り除くことが好ましいが、前記の分級操作と同時に行うのが好ましい。
得られた乾燥後のトナーの粉体と離型剤微粒子、帯電制御性微粒子、流動化剤微粒子、着色剤微粒子等の異種粒子と共に混合したり、混合粉体に機械的衝撃力を与えることによって表面で固定化、融合化させ、得られる複合体粒子の表面からの異種粒子の脱離を防止することができる。
具体的手段としては、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させ、粒子同士又は複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法等がある。装置としては、オングミル(ホソカワミクロン株式会社製)、I式ミル(日本ニューマチック株式会社製)を改造して、粉砕エアー圧力を下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所製)、クリプトロンシステム(川崎重工業株式会社製)、自動乳鉢等が挙げられる。
このような製造方法によれば、粉体流動性、転写性に優れ、小粒径で高画質な画像を提供するトナーを得ることができる。更には、低温定着性、耐ホットオフセット性にも優れ、かつフィルミング、スペントを生じることもない。このように、各種要求特性を満足するようなトナーは、粉砕トナーも含め、従来得られていなかったものである。
本発明のトナーの体積平均粒径(Dv)は2.0μm〜6.0μmであり、2.0μm〜5.0μmが好ましい。前記体積平均粒径が、6.0μmを超えると、付着量が低い場合では高画質の画像を得るのが困難になり、2.0μm未満であると、転写性、クリーニング性が低下したり、フィルミング、キャリアへのスペント等が発生しやすくなる。
ここで、本発明におけるトナーのピーク分子量は、具体的に次のような手順で決定される。
−トナーのピーク分子量の測定−
・ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定装置:GPC−8220GPC(東ソー株式会社製)カラム:TSKgel SuperHZM―H 15cm 3連(東ソー株式会社製)
・温度:40℃
・溶媒:THF
・流速:0.35ml/min
・試料:0.15%の試料を0.4ml注入
・試料の前処理:トナーをテトラヒドロフランTHF(安定剤含有、和光純薬株式会社製)に0.15質量%で溶解後0.2μmフィルタで濾過し、その濾液を試料として用いる。前記THF試料溶液を100μl注入して測定する。
試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作製された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、昭和電工株式会社製ShowdexSTANDARDのStd.No.S−7300、S−210、S−390、S−875、S−1980、S−10.9、S−629、S−3.0、S−0.580、トルエンを用いた。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いた。
前記トナーの酸価は、1mgKOH/g〜40mgKOH/gが好ましく、5mgKOH/g〜30mgKOH/gがより好ましく、15mgKOH/g〜28mgKOH/gが更に好ましい。酸価を持たせることにより、負帯電性となりやすい傾向があり、また、定着時における紙との親和性が増大し、定着力が強くなる。
ここで、前記トナーにおける酸価(AV)、水酸基価(OHV)は、具体的に次のような手順で決定される。
・測定装置:電位差自動滴定装置DL−53 Titrator(メトラー・トレド社製)
・使用電極 :DG113−SC(メトラー・トレド社製)
・解析ソフト:LabX Light Version1.00.000
・装置の校正:トルエン120mlとエタノール30mlの混合溶媒を使用する。
・測定温度:23℃
測定条件は、以下の通りである。
Stir
Speed[%] 25
Time[s] 15
EQP titration
Titrant/Sensor
Titrant CH3ONa
Concentration[mol/L] 0.1
Sensor DG115
Unit of measurement mV
Predispensing to volume
Volume[mL] 1.0
Wait time[s] 0
Titrant addition Dynamic
dE(set)[mV] 8.0
dV(min)[mL] 0.03
dV(max)[mL] 0.5
Measure mode Equilibrium controlled
dE[mV] 0.5
dt[s] 1.0
t(min)[s] 2.0
t(max)[s] 20.0
Recognition
Threshold 100.0
Steepest jump only No
Range No
Tendency None
Termination
At maximum volume[mL] 10.0
At potential No
At slope No
After number EQPs Yes
n=1
comb. Termination conditions No
Evaluation
Procedure Standard
Potential 1 No
Potential 2 No
Stop for reevaluation No
−酸価の測定方法−
前記酸価は、JIS K0070−1992に記載の測定方法に準拠して、以下の条件で測定することができる。
試料調製:トナー0.5g(酢酸エチル可溶成分では0.3g)をトルエン120mlに添加して室温(23℃)で約10時間撹拌して溶解する。更に、エタノール30mlを添加して試料溶液とする。
測定は前記記載の装置にて計算することができるが、具体的には次のように計算する。
予め標定されたN/10苛性カリ〜アルコール溶液で滴定し、アルコールカリ液の消費量から次の計算で酸価を求める。
酸価=KOH(ml数)×N×56.1/試料質量(ただし、Nは、N/10KOHのファクター)
前記水酸基価は、JIS K0070−1966に記載の測定方法に準拠して、以下の条件で測定することができる。
試料0.5gを100mlのメスフラスコに精秤し、これにアセチル化試薬5mlを正しく加える。その後、100℃±5℃の浴中に浸して加熱する。1〜2時間後フラスコを浴から取り出し、放冷後水を加えて振り動かして無水酢酸を分解する。次いで、分解を完全にするため、再びフラスコを浴中で10分間以上加熱し放冷後、有機溶剤でフラスコの壁をよく洗う。この液を前記電極を用いてN/2水酸化カリウムエチルアルコール溶液で電位差滴定を行って、水酸基価を求める。
ここで、前記ガラス転移温度(Tg)は、具体的に次のような手順で決定される。測定装置として島津製作所製TA−60WS、及びDSC−60を用い、次に示す測定条件で測定した。
〔測定条件〕
・サンプル容器:アルミニウム製サンプルパン(フタあり)
・サンプル量:5mg
・リファレンス:アルミニウム製サンプルパン(アルミナ10mg)
・雰囲気:窒素(流量50ml/min)
・温度条件
・開始温度:20℃
・昇温速度:10℃/min
・終了温度:150℃
・保持時間:なし
・降温温度:10℃/min
・終了温度:20℃
・保持時間:なし
・昇温速度:10℃/min
・終了温度:150℃
測定した結果は、前記島津製作所製データ解析ソフト(TA−60、バージョン1.52)を用いて解析を行った。解析方法は2度目の昇温のDSC微分曲線であるDrDSC曲線のもっとも低温側に最大ピークを示す点を中心として±5℃の範囲を指定し、解析ソフトのピーク解析機能を用いてピーク温度を求める。次に、DSC曲線で前記ピーク温度+5℃、及び−5℃の範囲で解析ソフトのピーク解析機能を用いてDSC曲線の最大吸熱温度を求める。ここで示された温度がトナーのガラス転移温度(Tg)に相当する。
本発明の現像剤は、本発明の前記トナーと、キャリアとからなる二成分現像剤である。
前記二成分現像剤として用いる場合には、トナーは磁性キャリアと混合して使用される。現像剤中のキャリアとトナーの含有比は、キャリア100質量部に対して、トナーを1質量部〜10質量部が好ましい。
前記被覆キャリアにおける被覆用樹脂としては、例えば、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニル樹脂、ポリビニリデン系樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、シリコーン樹脂などが挙げられる。
また必要に応じて、導電粉等を被覆用樹脂中に含有させてもよい。前記導電粉としては、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等が使用できる。前記導電粉は、平均粒径が1μm以下のものが好ましい。前記平均粒径が1μmよりも大きくなると、電気抵抗の制御が困難になる。
本発明で用いられるトナー入り容器は、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を容器中に収容してなる。
前記容器としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、トナー入り容器本体とキャップとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
前記トナー入り容器本体としては、その大きさ、形状、構造、材質などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記形状としては、円筒状などが好ましく、内周面にスパイラル状の凹凸が形成され、回転させることにより内容物であるトナーが排出口側に移行可能であり、かつ該スパイラル部の一部又は全部が蛇腹機能を有しているもの、などが特に好ましい。
前記トナー入り容器本体の材質としては、特に制限はなく、寸法精度がよいものが好ましく、例えば、樹脂が好適に挙げられ、その中でも、例えば、ポリエステル樹脂,ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリル酸、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂、などが好適に挙げられる。
前記トナー入り容器は、保存、搬送等が容易であり、取扱性に優れ、後述するプロセスカートリッジ、画像形成装置等に、着脱可能に取り付けてトナーの補給に好適に使用することができる。
本発明のプロセスカートリッジは、静電潜像を担持する静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に担持された静電潜像を、トナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを、少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段を有してなる。
前記現像手段としては、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を収容する現像剤収容器と、該現像剤収容器内に収容されたトナー乃至現像剤を担持しかつ搬送する現像剤担持体とを、少なくとも有してなり、更に、担持させるトナー層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい。
前記プロセスカートリッジは、各種電子写真方式の画像形成装置に着脱可能に備えさせることができ、後述する本発明の画像形成装置に着脱可能に備えさせるのが好ましい。
次に、図1に示すプロセスカートリッジによる画像形成プロセスについて示すと、静電潜像担持体101は、矢印方向に回転しながら、帯電手段102による帯電、露光手段(不図示)による露光103により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像手段104で現像され、得られた可視像は転写手段108により、記録媒体105に転写され、プリントアウトされる。次いで、像転写後の静電潜像担持体表面は、クリーニング手段107によりクリーニングされ、更に除電手段(不図示)により除電されて、再び、以上の操作を繰り返すものである。
本発明の画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
前記静電潜像担持体(以下、「電子写真感光体」、「感光体」、「像担持体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体、などが挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコン等が好ましい。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
前記現像工程は、前記静電潜像を、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を本発明の前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、本発明の前記トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像に該トナー乃至該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられ、前記トナー入り容器を備えた現像器などがより好ましい。
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記静電潜像担持体(感光体)を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せ、などが挙げられる。
前記加熱加圧手段における加熱は、80℃〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
複写装置本体150には、無端ベルト状の中間転写体50が中央部に設けられている。そして、中間転写体50は、支持ローラ14、15及び16に張架され、図4中、時計回りに回転可能とされている。支持ローラ15の近傍には、中間転写体50上の残留トナーを除去するための中間転写体クリーニング装置17が配置されている。支持ローラ14と支持ローラ15とにより張架された中間転写体50には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段18が対向して並置されたタンデム型現像器120が配置されている。タンデム型現像器120の近傍には、露光装置21が配置されている。中間転写体50における、タンデム型現像器120が配置された側とは反対側には、二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22においては、無端ベルトである二次転写ベルト24が一対のローラ23に張架されており、二次転写ベルト24上を搬送される転写紙と中間転写体50とは互いに接触可能である。二次転写装置22の近傍には定着装置25が配置されている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26と、これに押圧されて配置された加圧ローラ27とを備えている。
なお、タンデム画像形成装置においては、二次転写装置22及び定着装置25の近傍に、転写紙の両面に画像形成を行うために該転写紙を反転させるためのシート反転装置28が配置されている。
<トナー1の作製>
−微粒子分散液1の調製−
撹拌棒、及び温度計をセットした反応容器内に、水683質量部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業株式会社製)11質量部、スチレン83質量部、メタクリル酸83質量部、アクリル酸ブチル110質量部、及び過硫酸アンモニウム1質量部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。更に、1質量%の過硫酸アンモニウム水溶液30質量部を加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液1]を調製した。
得られた[微粒子分散液1]を、粒度分布測定器(LA−920、堀場製作所製)で測定したところ、体積平均粒径は105nmであった。また、得られた[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のガラス転移温度(Tg)は59℃、質量平均分子量は15万であった。
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器内に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229質量部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529質量部、テレフタル酸208質量部、アジピン酸46質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を入れ、常圧下、230℃で8時間反応させた。次いで、10mmHg〜15mmHgの減圧下で5時聞反応させた後、該反応容器内に無水トリメリット酸30質量部を入れ、常圧下、180℃で2時間反応させることにより、ポリエステル樹脂(1)を合成した。
得られたポリエステル樹脂(1)は、質量平均分子量が6,700、ガラス転移温度(Tg)が43℃、酸価が20mgKOH/gであった。
水990質量部、前記微粒子分散液183質量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5質量%の水溶液(「エレミノールMON−7」、三洋化成工業株式会社製)37質量部、及び酢酸エチル90質量部を混合撹拌し、乳白色の液体(水相)を得た。
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器内に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682質量部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81質量部、テレフタル酸283質量部、無水トリメリット酸22質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を仕込み、常圧下、230℃にて5時間反応させて、低分子ポリエステル樹脂を合成した。
得られた低分子ポリエステル樹脂は、数平均分子量(Mn)が2,100、質量平均分子量が9,500、ガラス転移温度(Tg)が55℃、酸価が0.5mgKOH/g、水酸基価が51mgKOH/gであった。
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器内に、前記低分子ポリエステル樹脂410質量部、イソホロンジイソシアネート89質量部、及び酢酸エチル500質量部を仕込み、100℃にて5時間反応させて、反応可能な置換基を有する変性ポリエステル樹脂(前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体)を合成した。
得られた反応可能な置換基を有する変性ポリエステル樹脂の遊離イソシアネート含有量は、1.53質量%であった。
水1,200質量部、着色剤としてC.I.Pigment Blue(PB)15:3(東洋インキ製造株式会社製、7351)270質量部、アクリル系顔料分散剤(Disperbyk2000、ビックケミー社製)54質量部、シナジスト(日本ルーブリゾール社製、Solsperse5000)8.1質量部、及び前記ポリエステル樹脂(1)1200質量部をヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)で混合した。該混合物を二本ロールで150℃にて30分間混練した後、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン株式会社製)で粉砕して、マスターバッチを調製した。
撹拌棒、及び温度計をセットした反応容器内に、前記ポリエステル樹脂(1)378質量部、カルナバワックス110質量部、及び酢酸エチル947質量部を仕込み、撹拌下、80℃まで昇温し、80℃のまま30時間保持した後、1時間かけて30℃まで冷却して原料溶解液を得た。
得られた原料溶解液1,324質量部を反応容器内に移し、ビーズミル(「ウルトラビスコミル」、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、及び0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で9時間分散して、前記カルナバワックスの分散を行った。
次いで、該分散液に前記低分子ポリエステルの65質量%の酢酸エチル溶液1324質量部を添加し、前記マスターバッチ500質量部、及び酢酸エチル500質量部を仕込み、1時間混合した。次いで、前記混合液を25℃に保ちエバラマイルダー(入り口側よりG、M、Sの組み合わせ)で、流量1kg/minで4パスし、有機溶媒相(顔料・ワックス分散液)を調製した。
得られた有機溶媒相の固形分濃度(130℃、30分間)は、50質量%であった。
反応容器内に、前記有機溶媒相749質量部、前記反応可能な置換基を有する変性ポリエステル樹脂115質量部、及びイソホロンジアミン(和光純薬株式会社製)2.9質量部を仕込み、ホモミキサー(特殊機化株式会社製、TKホモミキサーMKII)を用いて、5,000rpmで1分間混合した後、反応容器内に前記水相1200質量部を添加し、前記ホモミキサーで、回転数9,000rpmにて3分間混合した。その後、攪拌機で20分間攪拌し、乳化スラリーを調製した。
次に、攪拌機、及び温度計をセットした反応容器内に、前記乳化スラリーを仕込み、25℃にて脱溶剤行った。有機溶剤を除去した後45℃にて15時間熟成を行い、分散スラリーを得た。
前記分散スラリー100質量部を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水100質量部を添加し、ホモミキサーで混合(回転数8,000rpmにて10分間)した後、濾過した。ここで得た濾過ケーキにイオン交換水100質量部を添加し、ホモミキサーで混合(回転数8,000rpmにて10分間)した後、減圧濾過した。ここで得た濾過ケーキに10質量%水酸化ナトリウム水溶液100質量部を添加し、ホモミキサーで混合(回転数8,000rpmにて10分間)した後、濾過した。ここで得た濾過ケーキに10質量%塩酸100質量部を添加し、ホモミキサーで混合(回転数8,000rpmにて10分間)した後、濾過した。ここで得た濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、ホモミキサーで混合(回転数8,000rpmにて10分間)した後で濾過する操作を2回行い、最終濾過ケーキを得た。得られた最終濾過ケーキを循風乾燥機で45℃にて48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩って、実施例1のトナー母体粒子を作製した。
得られた実施例1のトナー母体粒子100質量部と、外添剤として疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン社製、一次粒子の平均粒径=10nm)0.5質量部をヘンシェルミキサーで混合して、実施例1のトナー1を製造した。
<トナー2の作製>
実施例1において、マスターバッチの調製を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして、トナー2を作製した。
−マスターバッチの調製−
水1,200質量部、着色剤としてC.I.PR269(大日本インキ化学工業株式会社製、1022M)405質量部、ポリウレタン系顔料分散剤(EFKA4080、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)81質量部、及び前記ポリエステル樹脂(1)1200質量部をヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)で混合した。該混合物を二本ロールで150℃にて30分間混練した後、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン株式会社製)で粉砕して、マスターバッチを調製した。
<トナー3の作製>
実施例1において、マスターバッチの調製を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして、トナー3を作製した。
−マスターバッチの調製−
水1,200質量部、着色剤としてC.I.PY155(クラリアントジャパン社製、Yellow 4G−PT VP2669)540質量部、ポリエステル系顔料分散剤(アジスパー821、味の素ファインテクノ株式会社製)108質量部、シナジスト(EFKA6750、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)16質量部、及び前記ポリエステル樹脂(1)1,200質量部をヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)で混合した。該混合物を二本ロールで150℃にて30分混練した後、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン株式会社製)で粉砕して、マスターバッチを調製した。
<トナー4の作製>
実施例1において、顔料分散方法として、マスターバッチの調製を以下のように顔料分散液の調製へ変更し、また有機溶媒相の調製を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして、トナー4を作製した。
−顔料分散液の調製−
酢酸エチル7,000質量部、着色剤としてC.I.PB15:3(大日本インキ化学工業株式会社製、Fastgen Blue GCTF)1,500質量部、アクリル系顔料分散剤(Disperbyk2000、ビックケミー株式会社製)300質量部、及び前記ポリエステル樹脂(1)1,500質量部を混合し、該混合物をビーズミル(シンマルエンタープライゼス社製、横型湿式分散機、ダイノーミル)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、及び0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で6時間分散して、顔料分散体を調製した。
−有機溶媒相の調製−
撹拌棒、及び温度計をセットした反応容器中に、前記ポリエステル樹脂(1)378質量部、カルナバワックス110質量部、及び酢酸エチル947質量部を仕込み、撹拌下、80℃まで昇温し、80℃のまま30時間保持した後、1時間かけて30℃まで冷却して原料溶解液を得た。
得られた原料溶解液1,324質量部を反応容器に移し、ビーズミル(「ウルトラビスコミル」、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、及び0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で9時間分散して、前記カルナバワックスの分散を行った。
次いで、該分散液に前記低分子ポリエステルの65質量%酢酸エチル溶液940質量部を添加し、前記顔料分散液1,667質量部、及び酢酸エチル250質量部を仕込み、1時間混合した。次いで、前記混合液を25℃に保ち、エバラマイルダー(入り口側よりG、M、Sの組み合わせ)で、流量1kg/minで4パスし、有機溶媒相(顔料・ワックス分散液)を調製した。
得られた有機溶媒相の固形分濃度は(130℃、30分間)は、50質量%であった。
<トナー5の作製>
顔料分散液の調製、及び有機溶媒相の調製を以下のように変更した以外は、実施例4と同様にして、トナー5を作製した。
−顔料分散体の調製−
酢酸エチル7,000質量部、着色剤としてC.I.PR269(大日本インキ化学工業株式会社製、1022KB)1,500質量部、ポリウレタン系顔料分散剤(EFKA4080、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)300質量部、及び前記ポリエステル樹脂(1)150質量部を混合し、該混合物をビーズミル(シンマルエンタープライゼス社製、横型湿式分散機、ダイノーミル)で6時間分散して、顔料分散液を調製した。
−有機溶媒相の調製−
撹拌棒、及び温度計をセットした反応容器内に、前記ポリエステル樹脂(1)378質量部、カルナバワックス110質量部、及び酢酸エチル947質量部を仕込み、撹拌下、80℃まで昇温し、80℃のまま30時間保持した後、1時間かけて30℃まで冷却して原料溶解液を得た。
得られた原料溶解液1,324質量部を反応容器内に移し、ビーズミル(「ウルトラビスコミル」;アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、及び0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で9時間分散して、前記カルナバワックスの分散を行った。
次いで、該分散液に前記低分子ポリエステルの65質量%酢酸エチル溶液1,074質量部を添加し、前記顔料分散体2500質量部を仕込み、1時間混合した。次いで前記混合液を25℃に保ちエバラマイルダー(入り口側よりG、M、Sの組み合わせ)で、流量1kg/minで4パスし、有機溶媒相(顔料・ワックス分散液)を調製した。
得られた有機溶媒相の固形分濃度は(130℃、30分間)は45質量%であった。
<トナー6の作製>
顔料分散液の調製、及び有機溶媒相の調製を以下のように変更した以外は、実施例4と同様にして、トナー6を作製した。
−顔料分散体の調製−
酢酸エチル7,000質量部、着色剤としてC.I.PY74(山陽色素株式会社製、7416)1,500質量部、ポリエステル系顔料分散剤(アジスパーPB822、味の素ファインテクノ株式会社製)20質量部、及び前記ポリエステル樹脂(1)1,500質量部を混合し、該混合物をビーズミル(シンマルエンタープライゼス社製、横型湿式分散機、ダイノーミル)で6時間分散して、顔料分散液を調製した。
−有機溶媒相の調製−
撹拌棒、及び温度計をセットした反応容器中に、前記ポリエステル樹脂(1)378質量部、カルナバワックス110質量部、及び酢酸エチル947質量部を仕込み、撹拌下、80℃まで昇温し、80℃のまま30時間保持した後、1時間かけて30℃まで冷却して原料溶解液を得た。
得られた原料溶解液1,324質量部を反応容器に移し、ビーズミル(「ウルトラビスコミル」;アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、及び0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で9時間分散して、前記カルナバワックスの分散を行った。
次いで、該分散液に前記低分子ポリエステルの65質量%酢酸エチル溶液1074質量部を添加し、前記顔料分散液3,333質量部を仕込み、1時間混合した。次いで、前記混合液を25℃に保ちエバラマイルダー(入り口側よりG、M、Sの組み合わせ)で、流量1kg/minで4パスし、有機溶媒相(顔料・ワックス分散液)を調製した。
得られた有機溶媒相の固形分濃度は(130℃、30分間)は、43質量%であった。
<トナー7の作製>
実施例1において、マスターバッチの調製を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして、トナー7を作製した。
−マスターバッチの調製−
水1,200質量部、着色剤としてC.I.PB15:3(東洋インキ製造株式会社製、商品名:7351)200質量部、及び前記ポリエステル樹脂(1)1,200質量部をヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)で混合した。該混合物を二本ロールで150℃にて30分間混練した後、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン株式会社製)で粉砕して、マスターバッチを調製した。
<トナー8の作製>
実施例1において、マスターバッチの調製を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして、トナー8を作製した。
−マスターバッチの調製−
水1,200質量部、着色剤としてC.I.PR269(大日本インキ化学工業株式会社製、1022M)を338質量部、及び前記ポリエステル樹脂(1)1200質量部をヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)で混合した。該混合物を二本ロールで150℃にて30分間混練した後、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン株式会社製)で粉砕して、マスターバッチを調製した。
<トナー9の作製>
実施例1において、マスターバッチの調製を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして、トナー9を作製した。
−マスターバッチの調製−
水1,200質量部、着色剤としてC.I.PY155(クラリアントジャパン社製)を608質量部、及び前記ポリエステル樹脂(1)1,200質量部をヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)で混合した。該混合物を二本ロールで150℃にて30分間混練した後、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン株式会社製)で粉砕して、マスターバッチを調製した。
<トナー10>の作製
実施例4において、顔料分散液の調製、及び有機溶媒相の調製を以下のように変更した以外は、実施例4と同様にして、トナー10を作製した。
−顔料分散液の調製−
酢酸エチル7,000質量部、着色剤としてC.I.PB15:3(大日本インキ化学工業株式会社製、Fastgen Blue GCTF)1,500質量部、アクリル系顔料分散剤(Disperbyk2000、ビックケミー株式会社製)300質量部、及び前記ポリエステル樹脂(1)1,500質量部を混合し、該混合物をビーズミル(シンマルエンタープライゼス社製、横型湿式分散機、ダイノーミル)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、及び0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で6時間分散して、顔料分散体を調製した。
−有機溶媒相の調製−
撹拌棒、及び温度計をセットした反応容器中に、前記ポリエステル樹脂(1)378質量部、カルナバワックス110質量部、及び酢酸エチル947質量部を仕込み、撹拌下、80℃まで昇温し、80℃のまま30時間保持した後、1時間かけて30℃まで冷却して原料溶解液を得た。
得られた原料溶解液1,324質量部を反応容器に移し、ビーズミル(「ウルトラビスコミル」、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、及び0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で9時間分散して、前記カルナバワックスの分散を行った。
次いで、該分散液に前記低分子ポリエステル樹脂の65質量%酢酸エチル溶液940質量部を添加し、前記顔料分散液1917質量部を仕込み、1時間混合した。次いで、前記混合液を25℃に保ち、エバラマイルダー(入り口側よりG、M、Sの組み合わせ)で、流量1kg/minで4パスし、有機溶媒相(顔料・ワックス分散液)を調製した。
得られた有機溶媒相の固形分濃度は(130℃、30分間)は、50質量%であった。
<トナー11の作製>
実施例5において、顔料分散液の調製、及び有機溶媒相の調製を以下のように変更した以外は、実施例5と同様にして、トナー11を作製した。
−顔料分散体の調製−
酢酸エチル7,000質量部、着色剤としてC.I.PR269(大日本インキ化学工業株式会社製、1022KB)1,500質量部、ポリウレタン系顔料分散剤(EFKA4080、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)470質量部、及び前記ポリエステル樹脂(1)150質量部を混合し、該混合物をビーズミル(シンマルエンタープライゼス社製、横型湿式分散機、ダイノーミル)で6時間分散して、顔料分散液を調製した。
−有機溶媒相の調製−
撹拌棒、及び温度計をセットした反応容器内に、前記ポリエステル樹脂(1)378質量部、カルナバワックス110質量部、及び酢酸エチル947質量部を仕込み、撹拌下、80℃まで昇温し、80℃のまま30時間保持した後、1時間かけて30℃まで冷却して原料溶解液を得た。
得られた原料溶解液1,324質量部を反応容器内に移し、ビーズミル(「ウルトラビスコミル」;アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、及び0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で9時間分散して、前記カルナバワックスの分散を行った。
次いで、該分散液に前記低分子ポリエステル樹脂の65質量%酢酸エチル溶液1,074質量部を添加し、前記顔料分散体1,500質量部を仕込み、1時間混合した。次いで前記混合液を25℃に保ちエバラマイルダー(入り口側よりG、M、Sの組み合わせ)で、流量1kg/minで4パスし、有機溶媒相(顔料・ワックス分散液)を調製した。
得られた有機溶媒相の固形分濃度は(130℃、30分間)は50質量%であった。
各トナーの体積平均粒径(Dv)、数平均粒径(Dn)、これらの比(Dv/Dn)は、粒度測定器(「マルチサイザーIII」、ベックマンコールター社製)を用い、アパーチャー径100μmで測定し、解析ソフト(Beckman Coulter Mutlisizer3 Version3.51)にて解析を行った。具体的には、ガラス製100mlビーカーに10質量%界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩、ネオゲンSC−A、第一工業製薬株式会社製)を0.5ml添加し、各トナー0.5gを添加し、ミクロスパーテルでかき混ぜ、次いで、イオン交換水80mlを添加した。得られた分散液を超音波分散器(W−113MK−II、本多電子株式会社製)で10分間分散処理した。前記分散液を前記「マルチサイザーIII」により、測定用溶液としてアイソトンIII(ベックマンコールター社製)を用いて測定を行った。測定は装置が示す濃度が8±2%になるように前記トナーサンプル分散液を滴下した。本測定法は粒径の測定再現性の点から前記濃度を8±2%にすることが重要である。この濃度範囲であれば粒径に誤差は生じない。
各トナー10g、テトラヒドロフラン(THF)40g中に添加し、マグネティックスターラーにて攪拌し、溶解させた。得られた溶解液を透明フィルム(東山フィルム株式会社製、HA−88)上に0.3mmワイヤーバーにて、厚みが5μmとなるように塗布し、薄膜サンプルを得た。得られた薄膜サンプルのヘイズ度をTMダブルビーム方式自動ヘーズコンピューター(スガ試験機株式会社製)により測定した。
得られた各トナー2.5質量部と、シリコーン被覆フェライトキャリア(芯材粒径45μm)97.5質量部とをターブラーミキサー(シンマルエンタープライゼス社製)を用いて攪拌処理した。以上により、実施例1〜6及び比較例1〜5の各二成分現像剤を作製した。
画像形成装置(株式会社リコー製、imagio Neo450)を用いて、普通紙及び厚紙の転写紙(株式会社リコー製タイプ6200及びNBSリコー社製複写印刷用紙<135>)にベタ画像で、0.25mg/cm2の各トナーが現像される様に調整を行い、定着ベルトの温度(160℃)で定着して、ベタ画像出力した。得られたベタ画像について、X−Rite(X−Rite社製)により反射濃度(ID)を測定した。
彩度は、反射濃度(ID)と同時にX−rite(X−Rite社製)で測定したa*b*を元にして彩度=√(a*2+b*2)から計算を行い求めた。なお、本発明においては彩度がジャパンカラーの彩度とほぼ同等(差3以内)であることが好ましい。ジャパンカラーの彩度は、具体的にはイエローで91.80、マゼンタで75.23、シアンで62.28である。
解像度は、画像形成装置(株式会社リコー製、imagio Neo450)を用いて、JIS/JIS−SCIDのN2画像を出力し、下記基準で評価した。
〔評価基準〕
○:画像細部まで画像がきれいに見られる
△:若干劣る
×:画像細部がつぶれている
画像形成装置(株式会社リコー製、imagio Neo450)を用いて画像面積率95%チャートを1,000枚出力後、クリーニング工程を通過した感光体上の転写残トナーをスコッチテープ(住友スリーエム株式会社製)で白紙に移し、それをマクベス反射濃度計RD514型で測定し、下記基準に基づいて、クリーニング性の評価を行った。
〔評価基準〕
○:0.010未満
△:0.011以上0.020未満
×:0.020以上
本発明の画像形成装置、画像形成方法、及びプロセスカートリッジは、本発明の前記トナーを用いており、極めて高画質な画像を形成することができるので、例えばレーザープリンタ、ダイレクトデジタル製版機、直接又は間接の電子写真多色画像現像方式を用いたフルカラー複写機、フルカラーレーザープリンター、及びフルカラー普通紙ファックス等に幅広く使用できる。
10K ブラック用静電潜像担持体
10Y イエロー用静電潜像担持体
10M マゼンタ用静電潜像担持体
10C シアン用静電潜像担持体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ベルト
28 シート反転装置
30 露光装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 現像装置
41 現像ベルト
42K 現像剤収容部
42Y 現像剤収容部
42M 現像剤収容部
42C 現像剤収容部
43K 現像剤供給ローラ
43Y 現像剤供給ローラ
43M 現像剤供給ローラ
43C 現像剤供給ローラ
44K 現像ローラ
44Y 現像ローラ
44M 現像ローラ
44C 現像ローラ
45K ブラック用現像器
45Y イエロー用現像器
45M マゼンタ用現像器
45C シアン用現像器
49 レジストローラ
50 中間転写体
51 ローラ
52 分離ローラ
53 手差し給紙路
54 手差しトレイ
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 コロナ帯電器
60 クリーニング装置
61 現像器
62 転写帯電器
63 感光体クリーニング装置
64 除電器
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 転写紙
100 画像形成装置
101 感光体
102 帯電手段
103 露光
104 現像手段
105 記録媒体
107 クリーニング手段
108 転写手段
120 タンデム型現像器
121 加熱ローラ
122 定着ローラ
123 定着ベルト
124 加圧ローラ
125 加熱源
126 クリーニングローラ
127 温度センサ
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
160 帯電装置
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
Claims (18)
- 少なくとも結着樹脂及び顔料を含有するトナーであって、
前記顔料の前記トナーにおける含有量が3.0質量%〜8.5質量%であり、
前記トナーの体積平均粒径が2.0μm〜6.0μmであり、
前記トナーを記録媒体上に付着量が0.25mg/cm2となるように付着させて、定着した単色画像の反射濃度が1.2以上2.5以下であることを特徴とするトナー。 - トナー10gをテトラヒドロフラン40gに溶解させた溶解液を0.3mmワイヤーバーで基材上に塗布した塗布膜のヘイズ度が0.1以上25以下である請求項1に記載のトナー。
- 顔料分散剤が含有されている請求項1から2のいずれかに記載のトナー。
- 顔料分散剤が、ポリエステル系顔料分散剤である請求項3に記載のトナー。
- 顔料分散剤が、ポリウレタン系顔料分散剤である請求項3に記載のトナー。
- 顔料分散剤が、アクリル系顔料分散剤である請求項3に記載のトナー。
- 更にシナジストを含有する請求項1から6のいずれかに記載のトナー。
- イエロートナー、マゼンタトナー、及びシアントナーから選択される少なくとも1種である請求項1から7のいずれかに記載のトナー。
- トナーの体積平均粒径(Dv)と、数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.20である請求項1から8のいずれかに記載のトナー。
- 有機溶媒中に、少なくとも結着樹脂及び顔料を溶解乃至分散させ、該溶解乃至分散物を水系媒体中で懸濁乃至乳化し、造粒して得られた分散液から溶媒を除去することにより得られる請求項1から9のいずれかに記載のトナー。
- 有機溶媒中に、少なくとも活性水素基を有する化合物と、該活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体を溶解乃至分散させ、該溶解乃至分散物を水系媒体中で架橋乃至伸長反応させ、得られた分散液から溶媒を除去することにより得られる請求項1から9のいずれかに記載のトナー。
- 活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体が、反応可能な置換基を有する変性ポリエステル樹脂(i)である請求項11に記載のトナー。
- 変性ポリエステル樹脂(i)の反応可能な置換基がイソシアネート基である請求項12に記載のトナー。
- 結着樹脂が、架橋乃至伸長反応した変性ポリエステル樹脂(i)と共に、変性されていないポリエステル樹脂(ii)を含有し、質量比〔(i)/(ii)〕が、5/95〜30/70である請求項10から13のいずれかに記載のトナー。
- 請求項1から14のいずれかに記載のトナーと、キャリアとからなることを特徴とする現像剤。
- 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、
前記トナーが、請求項1から14のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成方法。 - 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、
前記トナーが、請求項1から14のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成装置。 - 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、
前記トナーが、請求項1から14のいずれかに記載のトナーであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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