JPH0540908A - 磁気ヘツド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高品質な磁気ヘッドを低価格で実現すること
を可能とする。 【構成】 上側と下側の２つのシールド用磁性体11，12
の各々に、大きさの異なるコア溝11a，12aを設け、該コ
ア溝を組み合せ形成される上側シールド用磁性体のコア
溝11aの幅Ｙを、磁気ヘッドコア13の所要のコア幅Ｗよ
り僅かに大きなコア溝幅として、前記磁気ヘッドコアと
コア溝の間の空間を少なくし、セラミック等の非磁性体
を不要とし、かつ部品点数削減による材料コスト及び製
造コストの低減をはかった。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電子計算機の外部記憶
装置に用いられる磁気テープ用の磁気ヘッドに関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】近年、電子計算機の外部記憶装置に用い
られる高容量な磁気テープ用の磁気ヘッドに対するニー
ズが高まってきた。

【０００３】以下に従来の磁気ヘッドについて説明す
る。

【０００４】図４は従来の磁気ヘッドの全体形状を示す
斜視図である。図中、31aは磁気ヘッド記録コア、31bは
磁気ヘッド再生コア、33aは図５で例示するフェライト
よりなるＥ型シールドプレート，33bは図５で例示する
フェライトよりなるＩ型シールドプレート，34はスペー
サ，35aは記録用端子，35bは再生用端子である。

【０００５】以上の様に構成された磁気ヘッドにおい
て、記録電流が記録用端子35aに供給されると、磁気ヘ
ッド記録コア31aより記録磁界が発生し、磁気テープ磁
性膜が磁化する。このとき、磁気ヘッド記録コア31aよ
り発生する記録磁界は、磁気ヘッド記録コア31aの周辺
にも漏洩する。

【０００６】この漏洩磁束のうちの一部が磁気ヘッド再
生コア31bに流入するとノイズとなり、Ｓ／Ｎの悪化を
招くため、磁気ヘッド再生コア31bへの漏洩磁束を出来
るだけ少なくする方法として、磁気ヘッド表面部に於い
てフェライトよりなるＥ型シールドプレート33aの開口
部を磁気ヘッド記録コア31aに近接させている。

【０００７】また再生側についても、外部からのもれ磁
束に対するシールド効果を高めるために、磁気ヘッド表
面部に於いてフェライトよりなるＥ型シールドプレート
33aの開口部を磁気ヘッド再生コア31bに近接させてい
る。

【０００８】図５は図４のシールド部の構成部品を分解
した斜視図であり、図４と同一符号は同一部材を示す。
図５の様な構成に於いて、Ｗはコア31a(31b)に設けられ
たトラック幅、Ｖはスペーサ34の幅、ＵはＥ型シールド
プレート33aに設けられた溝である。幅Ｕの寸法は、コ
ア31a(31b)の幅Ｗ及び２つのスペーサ34，34の幅Ｖの寸
法を足し合せたものより僅かに大きく設定してある(Ｕ
＜Ｗ＋２Ｖ)。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来の構成では、シールドプレートとして、図５に示した
様なＥ型及びＩ型に加工されたフェライトよりなるシー
ルドプレート33a，33bを組み合せて使用する一方、高容
量を実現するために、磁気媒体摺動面近傍のみを所要の
幅に規制したコア31a，31bを用いてきたので、コアの両
側面に大きな空間が発生するため、ここに非磁性体であ
るセラミック等をガラスもしくは樹脂等を用いて埋設物
36として埋設固定した。

【００１０】このため、各素材の膨張係数の違いにより
生じる埋設用ガラスのクラックや各素材の摩耗特性の違
いから生じる磁気媒体摺動面の偏摩耗が発生しやすいと
いう問題点及び多くの部品点数を使用することによる製
造コストの上昇という問題点を有していた。

【００１１】本発明はこのような従来の問題点を解消
し、磁気媒体摺動面の偏摩耗の発生を防止し、低コスト
化をはかることを目的とする。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明は、上側と下側の
２つのシールド用磁性体の各々に大きさの異なるコア溝
を設けて組み合せ、かつ、上側シールド用磁性体のコア
溝幅は、磁気ヘッドコアの所要のコア幅より僅かに大き
なものとし、従来の技術によるセラミック等の非磁性体
を不要としたことを特徴とする。

【００１３】

【作用】本発明によれば、上側シールド用磁性体のコア
溝に挿入される磁気ヘッドコアとの間隔を狭く出来るた
め、従来、空間を埋設するためのセラミック等の非磁性
体を不要とし、膨張係数の違いによる偏摩耗発生が防止
され、その構成部品点数の節減による製造コストを下げ
つつ品質を向上出来るものである。

【００１４】

【実施例】図１は本発明の一実施例における磁気ヘッド
の部品を分解した斜視図、図２は組立後の平面図(1)及
びそのＡ−Ａ′断面図(2)を示すものである。

【００１５】図１において、11は上側シールドプレー
ト，12は下側シールドプレート，13は磁気ヘッドコアで
ある。

【００１６】ここで、上側シールドプレート11と下側シ
ールドプレート12は、互いに各々に設けられたコア溝11
aの幅Ｙ及びコア溝12aの幅Ｚの中心が一致するように夫
々の突合せ部11Ａ，12Ａで組み合される。この様にして
出来た２つのコア溝11a，12aからなるコア窓14に、磁気
ヘッドコア13を挿入し固定する。

【００１７】磁気ヘッドコア13において、媒体と接触す
る幅はＷ(図１参照)で、上側シールドプレート11のコア
溝11aの幅Ｙより僅かに狭くなる様に設計されている。

【００１８】図３は本発明の他の実施例における磁気ヘ
ッドの部品を分解した斜視図を示すものである。

【００１９】この実施例においては、上側シールドプレ
ート11と下側シールドプレート12は、互いに各々に設け
られたコア窓14Ａ，14Ｂが上，下で重なりあう様に組み
合される。この様にして出来たコア窓に磁気ヘッドコア
13を挿入し固定する。磁気ヘッドコア13の媒体と接触す
る幅はＷであって、上側シールドプレート11のコア窓14
Ａの幅Ｙより僅かに狭くなる様に設計されている。

【００２０】以上の様に構成された本実施例の磁気ヘッ
ドによれば、図１の実施例と同様の効果を得ることが出
来る。

【００２１】なお本発明では各シールドプレートの溝も
しくは窓形状を長方形としたが、この形状はギャップ部
のみ近接させる様に変形させたもの、もしくは各シール
ドプレートの溝もしくは窓位置を互いにずらしてもよ
い。

【００２２】

【発明の効果】以上説明したように本発明の磁気ヘッド
は、従来のような磁気ヘッドコアに隣接するセラミック
等の非磁性体を無くすことが出来るため、磁気媒体摺動
面の偏摩耗を著しく軽減出来ると同時に、素材点数を減
らすことによりガラスもしくは樹脂等による埋設固定時
の膨張係数の違いによるクラック等品質問題の改善が出
来る。

【００２３】また、使用する部品点数を削減出来る為、
部品材料コスト及び製造コストを低減出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例における磁気ヘッドの部品を
分解した斜視図である。

【図２】図１の部品を用いた組立後の平面図(1)及びそ
のＡ−Ａ′断面図(2)である。

【図３】本発明の他の実施例における磁気ヘッドの部品
を分解した斜視図である。

【図４】従来の磁気ヘッドの全体形状を示す斜視図であ
る。

【図５】図４のシールド部の構成部品を分解した斜視図
である。

【符号の説明】

11…上側シールドプレート、 12…下側シールドプレー
ト、 11Ａ，12Ａ…突合せ部、 11a，12a…コア溝、
13…磁気ヘッドコア、 14，14Ａ，14Ｂ…コア窓。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上側と下側の２つのシールド用磁性体の
   各々に、大きさの異なるコア溝を設け、該コア溝を組み
   合せ形成される上側シールド用磁性体のコア溝幅を、磁
   気ヘッドコアの所要のコア幅より僅かに大きなコア溝幅
   として、前記磁気ヘッドコアとコア溝の間の空間を少な
   くし、セラミック等の非磁性体を不要としたことを特徴
   とする磁気ヘッド。