次に、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に説明する。
本発明のトナーは、少なくとも、水性溶媒中で乳化又は分散させることにより得られるトナーであって、結着樹脂、着色剤及び着色剤を分散する分散剤(以下、着色剤分散剤という)を含有する。
本発明において、結着樹脂中のポリエステル樹脂の含有量は、50〜100重量%であり、75〜100重量%が好ましい。これにより、優れた定着性能やカラー適性を発現でき、高速化、カラー化等に十分対応することができる。
結着樹脂としては、変性ポリエステル樹脂、未変性のポリエステル樹脂等のポリエステル樹脂の他に、ポリスチレン、ポリ(p−クロロスチレン)、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタレン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロロメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス等が挙げられ、単独又は混合して用いることができる。
本発明において、変性ポリエステル樹脂としては、ワンショット法、プレポリマー法等を用いて製造されているものを用いることができる。変性ポリエステル樹脂は、その高分子成分の分子量を調節しやすく、乾式トナー、特に、オイルレス低温定着特性(定着用加熱媒体への離型オイル塗布機構のない広範な離型性及び定着性)を確保することができる。特に、ウレア変性ポリエステル樹脂は、未変性のポリエステル樹脂自体の定着温度域での高流動性、透明性を維持したまま、定着用加熱媒体への接着性を抑制することができる。
本発明において、着色剤は、表面が酸性処理されている。表面を酸性処理する表面処理剤としては、ガムロジン、ウッドロジン、トールロジン等の天然ロジン、アビエチン酸、レボピマル酸、デキストロピマル酸等のアビエチン酸誘導体及びこれらのカルシウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩等の金属塩、ロジン変成マレイン酸樹脂、ロジン変成フェノール樹脂、スルホン化剤、カルボキシル化剤等が挙げられる。なお、着色剤を表面処理する際の表面処理剤の添加量は、着色剤に対して、0.1〜100重量%が好ましく、0.1〜10重量%がより好ましい。
ロジンを用いて表面処理する方法としては、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸を含有するカップラー溶液中又は2−アミノ−5−メチルベンゼンスルホン酸のジアゾニウム塩と2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸をカップリングすることにより得られる染料中に、ロジンの金属塩溶液を添加した後、塩化カルシウム等のレーキ用金属塩を添加して不溶性のロジンの金属塩として染料の表面に析出させる方法が挙げられる。
また、スルホン化剤を用いて表面処理する方法としては、スルホン化剤と反応せず、顔料に対して不溶性又は難溶性である溶媒を分散溶媒として用いてスルホン化する方法が挙げられる。スルホン化剤としては、硫酸、発煙硫酸、三酸化硫黄、クロロ硫酸、フルオロ硫酸、アミド硫酸等が用いられる。その他、反応性が高すぎて三酸化硫黄が不適当である場合や、強酸の存在が好ましくない場合には、三酸化硫黄と第三アミンの錯体を用いてスルホン化することができる。さらに、塩化アルミニウム、塩化スズ等のルイス酸をスルホン化の触媒として用いることができる。ただし、反応における溶媒の種類、反応温度、反応時間、スルホン化剤の種類等は、顔料の種類や反応系毎に適宜選択される。
本発明において、着色剤は、公知の染料及び顔料の表面を酸性処理することにより得ることができる。このような染料及び顔料の具体例としては、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、p−クロロ−o−ニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロムバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びこれらの混合物等が挙げられる。
本発明において、着色剤は、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー153、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー174、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー183、C.I.ピグメントイエロー185、C.I.ピグメントイエロー213、C.I.ピグメントイエロー214、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド48:4、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド53:3、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド238、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド269、C.I.ピグメントブルー15:3及びC.I.ピグメントブルー15:4のいずれかを含有することが好ましい。トナー中の着色剤の含有量は、通常、1〜15重量%であり、3〜10重量%が好ましい。
本発明において、着色剤は、結着樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチは、結着樹脂と着色剤にせん断力を加えて混合、混練することにより得ることができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶媒を用いることができる。また、着色剤の水性ペーストを樹脂と有機溶媒と共に混合混練することにより、着色剤を樹脂側に移行させ、水と有機溶媒を除去するフラッシング法は、着色剤のウエットケーキを用いることができるため、マスターバッチの製造方法として、好ましく用いられる。なお、混合混練には、3本ロールミル等の高せん断分散装置を用いることができる。
本発明において、着色剤分散剤の酸価は、0mgKOH/g以上30mgKOH/g以下であり、アミン価は、1mgKOH/g以上100mgKOH/g以下である。酸価が30mgKOH/gを超えると、高湿下での帯電性が低下し、着色剤の分散性も不十分となる。また、アミン価が1mgKOH/gより小さい場合及び100mgKOH/gを超える場合にも、着色剤の分散性が不十分となる。なお、酸価は、JIS K0070に記載の方法を用いて測定することができ、アミン価は、JIS K7237に記載の方法を用いて測定することができる。また、着色剤分散剤は、着色剤の分散性の面で、結着樹脂と相溶性を有することが好ましい。
着色剤分散剤の具体例としては、アジスパーPB711、アジスパーPB821、アジスパーPB822、アジスパーPB824(以上、味の素ファインテクノ社製)、Disperbyk−112、Disperbyk−116、Disperbyk−161、Disperbyk−162、Disperbyk−163、Disperbyk−164、Disperbyk−166、Disperbyk−167、Disperbyk−168、Disperbyk−2000、Disperbyk−2001、Disperbyk−2050、Disperbyk−2070、Disperbyk−2150、Disperbyk−9077(以上、ビックケミー社製)、EFKA−4008、EFKA−4009、EFKA−4010、EFKA−4046、EFKA−4047、EFKA−4520、EFKA−4015、EFKA−4020、EFKA−4050、EFKA−4055、EFKA−4060、EFKA−4080、EFKA−4300、EFKA−4330、EFKA−4400、EFKA−4401、EFKA−4402、EFKA−4403、EFKA−4406、EFKA−4510(以上、EFKA Chemicals社製)等が挙げられる。トナー中の着色剤分散剤の含有量は、0.1〜10重量%であることが好ましい。含有量が0.1重量%より少ないと、着色剤の分散が不十分となり、10重量%より多いと、高湿下での帯電性が低下することがある。
本発明において、着色剤分散剤の分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにおけるメインピークの極大値の分子量(ポリスチレン換算)を意味する。着色剤分散剤の分子量は、通常、2000〜100000であり、顔料分散性の観点から、3000〜100000が好ましく、5000〜50000がさらに好ましく、5000〜30000が特に好ましい。着色剤分散剤の分子量が2000より小さいと極性が高くなるため、着色剤の分散性が低下しやすく、100000を超えると、溶剤との親和性が高くなるため、着色剤の分散性が低下しやすい。
本発明において、着色剤に対する着色剤分散剤の重量比は、0.01以上0.50以下であることが好ましく、0.05以上0.30以下がより好ましい。この重量比が0.01より小さいと分散能が低くなり、0.50を超えると帯電性が低下しやすい。なお、着色剤分散剤は、単独又は二種以上混合して使用することができ、他の着色剤分散剤と併用してもよい。他の着色剤分散剤としては、ポリエステル系分散剤、アクリル酸、メタクリル酸及び/又はそのエステルの重合体、着色剤の誘導体等を用いることができる。
本発明においては、酸性処理されている着色剤の表面に着色剤分散剤のアミノ基が吸着されるため、トナーの表面における分散剤のアミノ基の存在量が減少し、トナーの表面に分散剤の酸基の存在量が多くなる。これにより、良好な負帯電性を得ることができる。また、着色剤分散剤の酸価が0mgKOH/gである場合でも、着色剤分散剤のアミノ基が効率的に着色剤の表面に吸着するため、負帯電性の低下を抑制することができる。また、酸基を有する共重合体をさらに添加することにより、トナーの負帯電性を制御することができる。
本発明において、着色剤と着色剤分散剤の相互作用を高め、着色剤を分散安定化させるために、着色剤に対して高い親和性を有する着色剤誘導体を添加してもよい。着色剤誘導体の具体例としては、ジメチルアミノエチルキナクリドン、ジヒドロキナクリドン、アントラキノンのカルボン酸誘導体、アントラキノンのスルホン酸誘導体;ソルスパース5000、ソルスパース12000、ソルスパース22000(アビシア社製);EFKA−6745、EFKA−6746、EKKA−6750(EFKA Chemicals社製)等が挙げられる。着色剤誘導体の添加量は、着色剤に対して、0.1〜100重量%であることが好ましく、0.1〜10重量%がより好ましい。
また、着色剤を分散安定化させるために、ライムロジンワニス、ポリアミド樹脂ワニス、アミノアルキッド樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル樹脂等の分散樹脂を添加してもよい。分散樹脂の添加量は、着色剤に対して、0.1〜100重量%であることが好ましく、0.1〜20重量%がより好ましい。
本発明において、着色剤は、有機溶媒中に分散されている着色剤の分散液として用いてもよく、結着樹脂、着色剤分散剤等と共に有機溶媒中に分散させてもよい。なお、着色剤を有機溶媒中に分散させる場合であっても、着色剤の分散時に適度なせん断力を加えるために、結着樹脂を一部添加して粘度を調整してもよい。このとき、着色剤と有機溶媒の混合割合は、5:95〜50:50の範囲にあることが好ましい。着色剤の混合割合がこの範囲より少ないと、トナーの製造時に分散液の量が多くなって製造効率が低下しやすく、着色剤の混合割合がこの範囲より多いと、着色剤の分散が不十分になりやすい。
着色剤の分散粒子径は、1μm以下であることが望ましい。分散粒子径が1μmより大きい着色剤を用いてトナーを形成すると、画質が低下しやすく、特に、OHPの光透過性が低下しやすい。なお、着色剤の分散粒子径は、レーザードップラー式分布測定装置UPA−150(日機装社製)を用いて求めることができる。
本発明のトナーは、酸価が1〜180mgKOH/gである共重合物をさらに含有することが好ましい。これにより、高湿下での帯電性の低下や着色剤を分散性の低下を抑制することができ、帯電性を制御することができる。共重合体の酸価が1mgKOH/gより小さくなると、帯電性に対する効果が不十分となり、180mgKOH/gより大きくなると、高湿下での帯電性が低下したり、着色剤の分散性が低下したりする場合がある。トナー中の共重合物の含有量は、0.1重量%以上10重量%以下であることが好ましい。この含有量が0.1重量%より少ないと、帯電性に対する効果が不十分となり、10重量%より多いと、高湿下での帯電性が低下する場合がある。共重合体は、GPCにおけるスチレン換算のメインピークの重量平均分子量が100000以下であることが好ましい。重量平均分子量が100000を超えると、溶媒との親和性が高くなり、着色剤の分散性が低下しやすい。
共重合物の具体例としては、EFKA−5010、EFKA−5065、EFKA−5066、EFKA−5070、EFKA−6230(以上、EFKA Chemicals社製)、アジスパーPN411、アジスパーPA111(以上、味の素ファインテクノ社製)、Disperbyk−102、Disperbyk−110、Disperbyk−111、Disperbyk−170、Disperbyk−171、Disperbyk−174、BYK−P104、BYK−P104S、BYK−220S(以上、ビックケミー社製)等が挙げられる。
本発明のトナーは、離型剤をさらに含有することが好ましい。離型剤としては、公知のものを用いることができる。具体的には、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等のポリオレフィンワックス;パラフィンワックス、サゾールワックス等の長鎖炭化水素;カルボニル基を有するワックス等が挙げられる。中でも、カルボニル基を有するワックスが好ましい。カルボニル基を有ワックスとしては、カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート等の複数のアルカン酸残基を有するエステル;トリメリット酸トリステアリル、マレイン酸ジステアリル等の複数のアルカノール残基を有するエステル;エチレンジアミンジベヘニルアミド等の複数のアルカン酸残基を有するアミド;トリメリット酸トリステアリルアミド等の複数のモノアミン残基を有するアミド;ジステアリルケトン等のジアルキルケトン等が挙げられるが、複数のアルカン酸残基を有するエステルが好ましい。
離型剤の融点は、通常、40〜160℃であり、50〜120℃が好ましく、60〜90℃がさらに好ましい。融点が40℃未満であると、耐熱保存性に悪影響を与えることがあり、160℃を超えると、低温での定着時にコールドオフセットを起こしやすくなる。また、離型剤の溶融粘度は、融点より20℃高い温度において、5〜1000cpsであることが好ましく、10〜100cpsがさらに好ましい。溶融粘度が1000cpsを超えると、耐ホットオフセット性及び低温定着性を向上させる効果が乏しくなる。トナー中の離型剤の含有量は、通常、0〜40重量%であり、3〜30重量%が好ましい。
本発明において、離型剤の融点は、示差走査型熱量測定(DSC)により得られるDSC曲線により決定することができる。なお、DSC曲線は、TA−60WS及びDSC−60(島津製作所社製)を用いて、以下に示す測定条件で測定することにより、得られる。
サンプル容器:アルミニウム製サンプルパン(フタあり)
サンプル量:5mg
リファレンス:アルミニウム製サンプルパン(アルミナ10mg)
雰囲気:窒素(流量:50ml/分)
温度条件
開始温度:20℃
昇温速度:10℃/分
終了温度:150℃
保持時間:なし
降温温度:10℃/分
終了温度:20℃
保持時間:なし
昇温速度:10℃/分
終了温度:150℃
測定結果は、データ解析ソフトTA−60、バージョン1.52(島津製作所社製)を用いて、解析することができる。測定結果を解析する際には、2度目の昇温のDSC微分曲線であるDrDSC曲線の最大ピークを中心として±5℃の範囲を指定し、データ解析ソフトのピーク解析機能を用いて、ピーク温度を求めることができる。次に、DSC曲線のピーク温度+5℃及び−5℃の範囲で、データ解析ソフトのピーク解析機能を用いて、DSC曲線の最大吸熱温度を求めることができる。この温度が離型剤の融点に相当する。
本発明のトナーは、必要に応じて、帯電制御剤を含有してもよい。帯電制御剤としては公知のものを用いることができ、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、フッ素変性四級アンモニウム塩を含む四級アンモニウム塩、アルキルアミド、リンの単体又はその化合物、タングステンの単体又はその化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩等が挙げられる。具体的には、ニグロシン系染料のボントロン03、四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、四級アンモニウム塩のモリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料等が挙げられる。これらの他に、スルホン酸基、カルボキシル基等の官能基、四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子が挙げられる。
本発明において、帯電制御剤の含有量は、結着樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法により決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、結着樹脂に対して、0.1〜10重量%であることが好ましく、0.2〜5重量%がさらに好ましい。この含有量が10重量%を越えると、帯電性が大きくなりすぎて、現像ローラとの静電引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。なお、帯電制御剤は、マスターバッチと共に溶融混練した後に溶解又は分散してもよく、トナーの各成分と共に溶媒中で溶解又は分散してもよく、トナー母粒子の表面に固定してもよい。
本発明のトナーは、耐熱保存性、帯電性を向上させるために、無機粒子を含有してもよい。無機粒子の一次粒子の平均粒子径は、0.5nm〜200nmであることが好ましく、0.5nm〜50nmが特に好ましい。また、無機粒子のBET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。トナー中の無機粒子の含有量は、0.01〜5重量%であることが好ましく、0.01〜2.0重量%が特に好ましい。無機粒子の具体例としては、リン酸三カルシウム、コロイダルシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ヒドロキシアパタイト等が挙げられる。
本発明のトナーのBET法による比表面積は、0.5〜6.0m2/gであることが好ましい。比表面積が0.5m2/g未満では、粗大粒子の存在や添加剤の内包により、また、6.0m2/gを超えると、微細粒子の存在、添加剤の浮き出し、表面の凹凸により、画質に影響が現れやすい。
BET法による比表面積は、NOVAシリーズ(ユアサアイオニクス社製)等のJIS規格(Z8830及びR1626)に対応可能な機器を用いて測定することができる。
本発明のトナーは、流動性や現像性を向上させるために、流動化剤を含有してもよい。具体的には、ソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合により得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステルの共重合体、シリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロン等の重縮合系樹脂、熱硬化性樹脂等の樹脂粒子が挙げられる。
このような流動化剤は、表面処理することにより、疎水性を向上させ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の低下を抑制することができる。このような目的で用いられる表面処理剤としては、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル等が挙げられる。
本発明のトナーは、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去しやすくするために、クリーニング性向上剤を含有してもよい。具体的には、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ポリメタクリル酸メチル粒子、ポリスチレン粒子等のソープフリー乳化重合等により得られた樹脂粒子等を挙げることができる。樹脂粒子の体積平均粒子径は、0.01〜1μmであることが好ましい。また、粒度分布が狭いことが好ましい。
本発明のトナーのガラス転移温度は、通常、40〜70℃であり、45〜55℃が好ましい。ガラス転移温度が40℃未満では、トナーの耐熱保存性が低下し、70℃を超えると、低温定着性が不十分となる。なお、結着樹脂が変性ポリエステル樹脂と未変性ポリエステル樹脂を含有する場合、変性ポリエステル樹脂は、分子量が高いため、明確なガラス転移挙動が観測されない。このため、トナーのガラス転移温度は、未変性ポリエステルのガラス転移温度によって調整することが可能である。変性ポリエステル樹脂を含有するトナーは、ガラス転移温度が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
本発明において、トナーのガラス転移温度は、TA−60WS及びDSC−60(島津製作所社製)を用いて、以下に示す測定条件で測定することができる。
サンプル容器:アルミニウム製サンプルパン(フタあり)
サンプル量:5mg
リファレンス:アルミニウム製サンプルパン(アルミナ10mg)
雰囲気:窒素(流量:50ml/分)
温度条件
開始温度:20℃
昇温速度:10℃/分
終了温度:150℃
保持時間:なし
降温温度:10℃/分
終了温度:20℃
保持時間:なし
昇温速度:10℃/分
終了温度:150℃
測定結果は、データ解析ソフトTA−60、バージョン1.52(島津製作所社製)を用いて、解析することができる。測定結果を解析する際には、2度目の昇温のDSC微分曲線であるDrDSC曲線の最も低温側のピークを中心として±5℃の範囲を指定し、データ解析ソフトのピーク解析機能を用いて、ピーク温度を求めることができる。次に、DSC曲線のピーク温度+5℃及び−5℃の範囲で、データ解析ソフトのピーク解析機能を用いて、DSC曲線の最大吸熱温度を求めることができる。この温度がトナーのガラス転移温度に相当する。
ガラス転移温度の測定方法について概説する。ガラス転移温度を測定する装置として、TG−DSCシステムTAS−100(理学電機社製)を使用することができる。まず、試料約10mgをアルミ製試料容器に入れて、それをホルダーユニットに乗せ、電気炉中にセットする。次に、室温から昇温速度10℃/分で150℃まで加熱した後、150℃で10分間放置した後、室温まで試料を冷却して10分間放置する。窒素雰囲気下で再度150℃まで昇温速度10℃/分で加熱してDSC測定を行う。ガラス転移温度は、ガラス転移温度近傍の吸熱曲線の接線とベースラインとの接点から算出することができる。
本発明のトナーは、少なくとも、水性溶媒中で乳化又は分散することにより得られるが、溶解懸濁法を用いることが好ましい。
本発明のトナーは、活性水素基に対する反応性を有する重合体、着色剤及び着色剤分散剤を含有する有機溶媒を用いて水性溶媒中で乳化又は分散させると共に、活性水素基に対する反応性を有する重合体と活性水素基を有する化合物を反応させることにより得られることが好ましい。なお、有機溶媒は、上記以外のトナーの原料組成物(以下、トナー原料という)を含有してもよい。また、活性水素基に対する反応性を有する重合体としては、活性水素基に対する反応性を有するポリエステル樹脂(以下、ポリエステルプレポリマーという)を用いることが好ましい。
トナー母粒子を得る方法としては、ポリエステルプレポリマー、着色剤及び着色剤分散剤を含有するトナーの原料組成物(以下、トナー原料という)が溶解又は分散されている有機溶媒を用いて水性溶媒中で乳化又は分散させ、ポリエステルプレポリマーと活性水素基を有する化合物を反応させた後又は反応させながら、有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥する方法が挙げられる。ここで、トナー原料は、上記以外に、離型剤、帯電制御剤、未変性のポリエステル樹脂等を含有してもよい。これらのトナー原料は、有機溶媒に溶解又は分散させる際に混合してもよいが、トナー原料を混合した後、有機溶媒に溶解又は分散させることが好ましい。また、トナー原料は、必ずしも、水性溶媒中で乳化又は分散する際に混合しておく必要はなく、乳化又は分散した後に添加してもよい。なお、ポリエステルプレポリマーと活性水素基を有する化合物を反応させることにより、変性ポリエステル樹脂が得られる。
水性溶媒中で安定に乳化又は分散させる方法としては、せん断力により分散する方法等が挙げられる。せん断力により分散する分散機は、特に限定されないが、低速せん断式分散機、高速せん断式分散機、摩擦式分散機、高圧ジェット式分散機、超音波分散機等の公知の分散機が用いることができる。分散体の粒子径を2〜20μmにするために、高速せん断式分散機を用いることが好ましい。高速せん断式分散機を用いる場合、回転数は、特に限定されないが、通常、1000〜30000rpmであり、5000〜20000rpmが好ましい。分散時間は、特に限定されないが、バッチ方式の場合、通常、0.1〜5分である。分散時の温度は、通常、0〜150℃(加圧下)であり、40〜98℃が好ましい。高温の方が、粘度が低くなり、分散が容易になることから好ましい。
水性溶媒の使用量は、トナー原料100重量部に対して、通常、50〜20000重量部であり、100〜10000重量部が好ましい。水性溶媒の使用量が50重量部未満では、トナー原料の分散状態が悪くなり、所定の粒子径のトナー母粒子が得られない。また、使用量が20000重量部を超えると、経済的でない。
有機溶媒は、トナー原料を溶解又は分散することができれば特に限定されないが、除去が容易であることから、沸点が150℃未満であることが好ましく、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセトン、テトラヒドロフラン等を単独又は二種以上混合して用いることができる。トナー原料100部に対する有機溶媒の使用量は、通常、40〜300部であり、60〜140部が好ましく、80〜120部がさらに好ましい。
ポリエステルプレポリマーの活性水素基に対する反応性を有する官能基は、特に限定されないが、イソシアネート基、エポキシ基、カルボキシル基、化学構造式
−COCl
で示される官能基等が挙げられる。中でも、ウレア変性ポリエステル樹脂が得られることから、イソシアネート基が好ましい。イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーは、ポリオールとポリカルボン酸を重縮合することにより得られる活性水素基を有するポリエステル樹脂にポリイソシアネートを反応させることにより得られる。ポリエステル樹脂の有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基等が挙げられるが、アルコール性水酸基が好ましい。なお、活性水素基は、単独であってもよいし、二種以上を併用してもよい。
ポリオールとしては、ジオール、三価以上のアルコール等が挙げられ、ジオール単独又はジオールと少量の三価以上のアルコールの混合物が好ましい。
ジオールとしては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のアルキレングリコール;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等のオキシアルキレン基を有するジオール;1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等の脂環式ジオール;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール類;脂環式ジオールに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加したもの;ビスフェノール類に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加したもの等が挙げられる。中でも、炭素数が2〜12であるアルキレングリコール及びビスフェノール類にアルキレンオキシドを付加したものが好ましく、ビスフェノール類にアルキレンオキシドを付加したもの及びビスフェノール類にアルキレンオキシドを付加したものと炭素数が2〜12であるアルキレングリコールの併用が特に好ましい。三価以上のアルコールとしては、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の脂肪族アルコール;トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等のフェノール類;フェノール類のアルキレンオキシド付加物等が挙げられる。
ポリカルボン酸としては、ジカルボン酸、三価以上のカルボン酸等が挙げられ、ジカルボン酸単独及びジカルボン酸と少量の三価以上のカルボン酸の混合物が好ましい。ジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等の二価のアルカン酸;マレイン酸、フマール酸等の二価のアルケン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸等が挙げられる。中でも、炭素数が4〜20である二価のアルケン酸及び炭素数が8〜20である芳香族ジカルボン酸が好ましい。三価以上のカルボン酸としては、トリメリット酸、ピロメリット酸等の炭素数が9〜20である芳香族カルボン酸等が挙げられる。なお、ポリカルボン酸としては、酸無水物、メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等の低級アルキルエステルを用いてもよい。
ポリオールとポリカルボン酸を重縮合させる際の混合比は、ポリカルボン酸のカルボキシル基に対するポリオールの水酸基の当量比は、通常、1〜2であることが好ましく、1〜1.5がより好ましく、1.02〜1.3が特に好ましい。
ポリイソシアネートとしては、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート等の脂肪族ジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート;トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネート;イソシアヌレート類;これらをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタム等でブロックしたもの等が挙げられる。これらは、単独で使用しても、二種以上を併用してもよい。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーは、以下の方法等で製造することができる。ポリオールとポリカルボン酸を、テトラブトキシチタネート、ジブチルスズオキシド等の公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要に応じて、減圧しながら生成する水を除去して、水酸基を有するポリエステル樹脂を得る。次に、40〜140℃で、ポリイソシアネートを反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーが得られる。
ポリイソシアネートと、水酸基を有するポリエステル樹脂を反応させる場合、ポリエステル樹脂の水酸基に対するポリイソシアネートのイソシアネート基の当量比は、通常、1〜5であることが好ましく、1.2〜4がより好ましく、1.5〜2.5が特に好ましい。当量比が5を超えると、低温定着性が低下することがあり、1未満であると、耐ホットオフセット性が低下することがある。
イソシアネート基を含有するポリエステルプレポリマー中のポリイソシアネート由来の構成単位の含有量は、通常、0.5〜40重量%であり、1〜30重量%が好ましく、2〜20重量%がさらに好ましい。この含有量が、0.5重量%未満であると、耐ホットオフセット性が低下し、40重量%を超えると、低温定着性が低下することがある。
また、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーの酸価は、0〜30mgKOH/gであることが好ましい。
ポリエステルプレポリマーが一分子当たりに有するイソシアネート基の平均数は、通常、1以上であり、1.5〜3が好ましく、1.8〜2.5がさらに好ましい。この平均数が、1未満であると、変性ポリエステル樹脂の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が低下することがある。
変性ポリエステル樹脂の重量平均分子量は、通常、1万以上であり、2万〜100万が好ましく、3万〜100万がさらに好ましい。重量平均分子量が1万未満では、耐ホットオフセット性が低下する。変性ポリエステル樹脂の数平均分子量は、未変性のポリエステル樹脂と混合して用いる場合は、特に限定されない。一方、変性ポリエステル樹脂を単独で用いる場合は、変性ポリエステル樹脂の数平均分子量は、通常、20000以下であり、1000〜10000が好ましく、2000〜8000がさらに好ましい。数平均分子量が20000を超えると、低温定着性及びフルカラー装置に用いる場合の光沢性が低下する。
活性水素基を有する化合物における活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基等が挙げられるが、ウレア変性ポリエステル樹脂が得られることから、アミノ基が好ましい。なお、活性水素基は、単独であってもよいし、二種以上を併用してもよい。
ウレア変性ポリエステル樹脂は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーとアミン類を反応させることにより得られるが、アミン類としては、ジアミン、三価以上のアミン、アミノアルコール、アミノメルカプタン、アミノ酸及びこれらのアミノ基をブロックしたもの等が挙げられる。中でも、ジアミン及びジアミンと少量の三価以上のアミンの混合物が好ましい。ジアミンとしては、フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン等の芳香族ジアミン;4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン等の脂環式ジアミン;エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン等が挙げられる。三価以上のアミンとしては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン等が挙げられる。アミノアルコールとしては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリン等が挙げられる。アミノメルカプタンとしては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタン等が挙げられる。アミノ酸としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸等が挙げられる。アミノ基をブロックしたものとしては、アミノ基を、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類でブロックすることにより得られるケチミン化合物、オキサゾリゾン化合物等が挙げられる。
アミン類のアミノ基の当量に対するポリエステルプレポリマーのイソシアネート基の当量の比は、通常、1/2〜2であり、2/3〜1.5が好ましく、5/6〜1.2がより好ましい。この比が、1/2未満又は2を超えると、ウレア変性ポリエステル系樹脂の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が低下することがある。
反応時間は、ポリエステルプレポリマーの有するイソシアネート基とアミン類の組み合わせによる反応性により適宜選択されるが、通常、10分〜40時間であり、2〜24時間が好ましい。反応温度は、通常、0〜150℃であり、40〜98℃が好ましい。また、必要に応じて、ジブチルスズラウレート、ジオクチルスズラウレート等の公知の触媒を用いることができる。
なお、ウレア変性ポリエステル樹脂を合成する際にアミン類の他にアルコール類を添加することにより、ウレタン結合を形成してもよい。このようにして生成するウレア結合に対するウレタン結合のモル比は、0〜9であることが好ましく、1/4〜4であることがより好ましく、2/3〜7/3が特に好ましい。この比が9より大きいと、耐ホットオフセット性が低下する。
なお、ウレア変性ポリエステル樹脂等の変性ポリエステル樹脂の分子量は、停止剤を用いて調整することができる。停止剤としては、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミン等のモノアミン及びこれらのアミノ基をブロックしたケチミン化合物等が挙げられる。
本発明において、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーは、未変性のポリエステル樹脂と併用することが好ましい。未変性のポリエステル樹脂を併用することで、低温定着性及びフルカラー装置に用いる場合の光沢性が向上する。未変性のポリエステル樹脂は、特に限定されないが、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーの構成単位と同様のポリオールとポリカルボン酸の重縮合物であることが好ましい。これにより、変性ポリエステル樹脂との相溶性が高くなるため、低温定着性及び耐ホットオフセット性の点から好ましい。また、未変性のポリエステル樹脂の代わりに、ウレタン結合等のウレア結合以外の化学結合で変性されているポリエステル樹脂を用いてもよい。
未変性のポリエステル樹脂に対するイソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーの重量比は、通常、5/95〜75/25であり、10/90〜25/75が好ましく、12/88〜25/75がさらに好ましく、12/88〜22/78が特に好ましい。重量比が5/95未満では、耐ホットオフセット性が低下すると共に、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
未変性のポリエステル樹脂の分子量分布は、以下に示す方法を用いて測定することができる。未変性のポリエステル樹脂約1gを三角フラスコで精評した後、テトラヒドロフラン(THF)10〜20gを加え、5〜10重量%の試料溶液とする。40℃のヒートチャンバー内でカラムを安定させ、THFを1ml/分の流速でカラム内に流し、試料溶液20μlを注入する。
試料の分子量は、標準試料を用いて作成された検量線の対数値と保持時間の関係から算出する。標準試料としては、分子量2.7×102〜6.2×106の範囲の単分散ポリスチレン(東ソー社製)を用いることができる。検出器としては、屈折率検出器を使用することができる。カラムとしては、TSKgel、G1000H、G2000H、G2500H、G3000H、G4000H、G5000H、G6000H、G7000H、GMH(東ソー社製)を組み合わせて使用することができる。
未変性のポリエステル樹脂のメインピークの分子量は、通常、1000〜30000であり1500〜10000が好ましく、2000〜8000がさらに好ましい。分子量が1000未満である成分の含有量が5重量%より多くなると、耐熱保存性が悪化し、キャリア汚染が起こるため、好ましくない。また、分子量が30000以上である成分が増えると、低温定着性が低下するため、好ましくない。分子量が30000以上である成分の含有量は、通常、1〜10重量%であり、トナー材料により異なるが、3〜6重量%が好ましい。この含有量が1重量%未満では、耐ホットオフセット性が不十分となり、10重量%を超えると、光沢性、透明性が低下することがある。
未変性のポリエステル樹脂の数平均分子量は、2000〜15000であると共に、数平均分子量に対する重量平均分子量の比は、5以下であることが好ましい。この比が5以上になると、シャープメルト性が低下し、光沢性が損なわれる。
未変性のポリエステル樹脂の水酸基価は、5mgKOH/g以上であることが好ましく、10〜120mgKOH/gがさらに好ましく、20〜80mgKOH/gが特に好ましい。水酸基価が5mgKOH/g未満では、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
未変性のポリエステル樹脂の酸価は、通常、0〜30mgKOH/gであり、5〜25mgKOH/gが好ましい。未変性のポリエステル樹脂が酸価を有することで負帯電性となりやすい傾向がある。
また、酸価及び水酸基価が上記の範囲から外れると、高温高湿度又は低温低湿度の環境において、環境の影響を受けやすくなり、画像が劣化しやすくなる。
結着樹脂として、THFに溶解しない成分(以下、THF不溶分という)を1〜15重量%含有するポリエステル樹脂を使用することで、耐ホットオフセット性が向上する。THF不溶分は、活性水素基に対する反応性を有するポリエステル樹脂と活性水素基を有する化合物の反応を未変性ポリエステルの酸価で制御することにより調整することができる。
THF不溶分の測定方法を以下に示す。結着樹脂を約1.0g(A)秤量する。これにTHF約50gを加えて20℃で24時間静置した後、遠心分離し、JIS規格(P3801)5種Cの定量用ろ紙を用いてろ過する。ろ液を真空乾燥し、残査量(B)を計測する。この残査がTHFに溶解する成分(以下、THF溶解分という)である。したがって、THF不溶分(重量%)は、
(A−B)/A×100
となる。結着樹脂の替わりにトナーを用いる場合、結着樹脂以外のTHF不溶分(W1)とTHF溶解分(W2)は、別途、TG法による熱減量法等の公知の方法で求めることができる。したがって、THF不溶分(重量%)は、
(A−B−W2)/(A−W1−W2)×100
となる。
本発明において、酸価及び水酸基価は、電位差自動滴定装置DL−53 Titrator(メトラー・トレド社製)、電極DG113−SC(メトラー・トレド社製)、解析ソフトLabX Light Version 1.00.000を用いて、23℃で測定することができる。なお、装置を校正する際には、トルエン120mlとエタノール30mlの混合溶媒を使用することができる。ここで、具体的な測定条件を以下に示す。
Stir
Speed:25%
Time:15s
EQP titration
Titrant/Sensor
Titrant:CH3ONa
Concentration:0.1mol/L
Sensor:DG115
Unit of measurement:mV
Predispensing:to volume
Volume:1.0mL
Wait time:0s
Titrant addition:Dynamic
dE(set):8.0mV
dVmin:0.03mL
dVmax:0.5mL
Measure mode:Equilibrium controlled
dE:0.5mV
dt:1.0s
tmin:2.0s
tmax:20.0s
Recognition
Threshold:100.0
Steepest jump only:No
Range:No
Tendency:None
Termination
at maximum volume:10.0mL
at potential:No
at slope:No
after number EQPs:Yes
n=1
comb.termination conditions:No
Evaluation
Procedure:Standard
Potential 1:No
Potential 2:No
Stop for reevaluation:No
酸価は、JIS K0070−1992に記載されている測定方法に準拠して、以下の条件で測定することができる。まず、試料0.5gをトルエン120mlに添加して、室温(23℃)で約10時間撹拌して溶解させる。さらに、エタノール30mlを添加して試料溶液とする。酸価は、試料溶液を用いて、以下のように求めることができる。予め標定された0.1N水酸化カリウム/アルコール溶液を用いて電位差滴定することにより、水酸化カリウム/アルコール溶液の消費量(KOH[ml])が得られる。これを式
酸価=KOH[ml]×N×56.1/試料重量
に代入することにより、酸価を算出することができる。ただし、Nは、0.1N水酸化カリウム/アルコール溶液のファクターである。
水酸基価は、JIS K0070−1966に記載されている測定方法に準拠して、以下の条件で測定することができる。試料0.5gを100mlのメスフラスコに精秤し、これにアセチル化試薬5mlを加える。その後、100±5℃の浴中に浸して加熱する。1〜2時間後、メスフラスコを浴中から取り出し、放冷した後、水を加えて振り動かして無水酢酸を分解する。さらに、分解を完全にするため、再びメスフラスコを浴中で10分間以上加熱し、放冷した後、有機溶剤でフラスコの壁を洗う。この液を、0.5N水酸化カリウム/エタノール溶液を用いて、上記と同様に電位差滴定することにより、水酸基価を求めることができる。
本発明において、水性溶媒は、樹脂粒子を含有することが好ましい。水性溶媒は、水単独でもよいが、水と混和可能な溶媒を併用してもよい。混和可能な溶媒としては、メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等のアルコール、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、メチルセロソルブ等のセロソルブ類、アセトン、メチルエチルケトン等の低級ケトン類等が挙げられる。
樹脂粒子は、円形度、粒度分布等のトナー形状を制御するために添加されるが、ガラス転移温度が30〜70℃であり、重量平均分子量が8000〜400000であることが好ましい。ガラス転移温度が30℃未満であったり、重量平均分子量が8000未満であったりすると、トナーの保存性が悪化し、保管時及び現像機内でブロッキングが発生することがある。ガラス転移温度が70℃以上であったり、重量平均分子量が400000以上であったりすると、樹脂粒子が定着紙との接着性を阻害し、定着下限温度が上昇する。
樹脂粒子の材質は、水性溶媒中で分散することが可能な樹脂であれば特に限定されず、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂のいずれでもよい。具体的には、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられ、これらは、二種以上併用してもよい。中でも、微細球状樹脂粒子の水性分散体が得られやすいことから、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びこれらの併用が好ましい。
ビニル系樹脂は、ビニル系モノマーを単独重合又は共重合することにより得られる樹脂であり、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体等が挙げられる。
樹脂粒子の体積平均粒子径は、5〜500nmであることが好ましい。体積平均粒子径が5nm未満では、樹脂粒子がトナーの表面を密に覆う状態となり、離型剤が結着樹脂と定着紙との接着性を阻害することにより、定着下限温度の上昇が見られ、さらに、粒子径及び形状制御も困難になる。また、体積平均粒子径が500nmより大きいと、トナーの表面で樹脂粒子が凸部として存在したり、粗状態の多重層として樹脂粒子が存在したりして、撹拌時のストレス等により、離型剤の脱離が起こる。
本発明において、樹脂粒子の粒子径は、レーザードップラー粒度分布測定器(日機装社製)を用いて、以下のように測定することができる。試料をイオン交換水で希釈し、樹脂粒子の固形分が0.6重量%(0.5〜1.0重量%の範囲で設定)の乳化分散液を調製し、これを用いて測定する。なお、具体的な測定条件を以下に示す。
分布表示:体積
チャンネル数:52
測定時間:30秒
粒子屈折率:1.81
温度:25℃
粒子形状:非球形
粘度:0.8750cP
溶媒屈折率:1.333
溶媒:水
このとき、測定する乳化分散液は、レーザードップラー粒度分布測定器のsample Loadingを見ながら、1〜100に収まるようにスポイト、注射器等を用いて加える。
トナー中の樹脂粒子の含有率は、0.5〜5.0重量%であることが好ましい。この含有率が0.5重量%未満であると、トナーの保存性が悪化してしまい、保管時及び現像機内でブロッキングの発生が見られ、5.0重量%を超えると、樹脂粒子が離型剤の染み出しを阻害し、オフセットの発生が見られる。
樹脂粒子の含有率は、樹脂粒子以外のトナー原料に含まれず、樹脂粒子に含まれる物質を熱分解ガスクロマトグラフ質量分析計で分析し、そのピーク面積から算出することができる。検出器としては、質量分析計を用いることが好ましい。
本発明において、水性溶媒は、必要に応じて、分散剤を含有することもできる。これにより、粒度分布がシャープになると共に、トナー原料を安定に分散させることができる。
分散剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル等の陰イオン界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリン等のアミン塩型、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウム等の四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体等の非イオン界面活性剤、アラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシン、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムベタイン等の両性界面活性剤が挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、添加量を減少させることができる。フルオロアルキル基を有する陰イオン界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸又はその金属塩、炭素数7〜13のパーフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステル等が挙げられる。市販品としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(以上、旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(以上、住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102、(以上、ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(以上、大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204(以上、トーケムプロダクツ社製)、フタージェント100、150(以上、ネオス社製)等が挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する陽イオン界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族一級、二級又は三級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩等の脂肪族四級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等が挙げられる。市販品としては、サーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキン工業社製)、メガファックF−150、F−824(以上、大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェント300(ネオス社製)等が挙げられる。
また、分散剤として、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の水に難溶性の無機化合物も用いることができる。
さらに、分散剤として、高分子系保護コロイドを用いることができる。高分子系保護コロイドとしては、カルボキシル基を有するモノマー、水酸基を有する(メタ)アクリル酸アルキル、ビニルエーテル、カルボン酸ビニル、アミドモノマー、酸塩化物のモノマー、窒素原子又はその複素環を有するモノマー等を重合することにより得られるホモポリマー又はコポリマー、ポリオキシエチレン系樹脂、セルロース類等が挙げられる。なお、上記のモノマーを重合することにより得られるホモポリマー又はコポリマーは、ビニルアルコール由来の構成単位を有するものも含む。
カルボキシル基を有するモノマーの具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等が挙げられる。水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体の具体例としては、アクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリレート、ジエチレングリコールモノメタクリレート、グリセリンモノアクリレート、グリセリンモノメタクリレート等が挙げられる。ビニルエーテルの具体例としては、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル等が挙げられる。カルボン酸ビニルの具体例としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等が挙げられる。アミドモノマーの具体例としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等が挙げられる。酸塩化物のモノマーの具体例としては、アクリル酸クロリド、メタクリル酸クロリド等が挙げられる。窒素原子又はその複素環を有するモノマーの具体例としては、ビニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン等が挙げられる。ポリオキシエチレン系樹脂の具体例としては、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリン酸フェニル、ポリオキシエチレンペラルゴン酸フェニル等が挙げられる。セルロース類の具体例としては、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
水性溶媒は、必要に応じて、分散安定剤を含有することができる。分散安定剤の具体例としては、リン酸カルシウム等の酸、アルカリに溶解可能なもの等が挙げられる。分散安定剤として、リン酸カルシウムを用いた場合は、塩酸等でカルシウム塩を溶解させて、水洗する方法、酵素で分解する方法等を用いて、リン酸カルシウム塩を除去することができる。
水性溶媒中に分散剤を添加する場合は、分散剤がトナー母粒子の表面に残存した状態で用いることもできるが、トナーの帯電性の面から、分散剤を洗浄除去することが好ましい。なお、トナー母粒子を分級する場合は、同時に分散剤を洗浄除去することができる。
本発明において、有機溶媒を除去する方法としては、水性溶媒中で乳化又は分散させることにより得られる液体を徐々に昇温し、有機溶媒を蒸発除去する方法を用いることができる。また、水性溶媒中で乳化又は分散させることにより得られる液体を乾燥雰囲気中に噴霧して、有機溶媒を除去してトナー母粒子を形成する方法も用いることができる。乾燥雰囲気としては、空気、窒素、炭酸ガス、燃焼ガス等を加熱した気体が挙げられ、特に有機溶媒の沸点以上の温度に加熱された各種気流が一般に用いられる。スプレードライヤー、ベルトドライヤー、ロータリーキルン等を用いることにより、短時間で処理すことができる。
本発明において、得られたトナー母粒子の粒度分布が広い場合、所望の粒度分布に分級することにより、粒度分布を調整することができる。
分級操作は、液体中でサイクロン、デカンター、遠心分離等を用いることにより、微粒子部分を除去することができる。また、乾燥後の粉体に分級操作を行ってもよいが、液体中で行うことが効率の面で好ましい。除去されたトナー母粒子は、再び混練工程に戻して粒子の形成に用いることができる。その際、トナー母粒子は、湿潤状態でも構わない。
得られた乾燥後のトナー母粒子は、離型剤、帯電制御剤、流動化剤等の異種粒子と混合することができる。また、混合された粒子に機械的衝撃力を加えることにより、トナー母粒子の表面に固定化、融合化させることができる。これにより、得られる複合体粒子の表面からの異種粒子の脱離を抑制することができる。
機械的衝撃力を加える方法としては、高速で回転する羽根によって混合された粒子に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させ、粒子同士を衝突させる方法、複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法等が挙げられる。装置としては、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して、粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢等が挙げられる。
本発明のトナーを二成分系現像剤に用いる場合には、キャリアと混合して用いればよく、現像剤中のトナーの含有量は、キャリアに対して、1〜10重量%であることが好ましい。キャリアとしては、粒子径が20〜200μm程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリア等の公知のものを用いることができる。また、被覆材料としては、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリスチレン、スチレンとアクリル単量体の共重合体等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデンとアクリル単量体の共重合体、フッ化ビニリデン−フッ化ビニル共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、シリコーン樹脂等を用いることができる。また、被覆樹脂は、必要に応じて、導電粉等を含有してもよい。導電粉としては、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛等を用いることができる。導電粉の平均粒子径は、1μm以下であることが好ましい。平均粒子径が1μmよりも大きくなると、電気抵抗の制御が困難になる。
また、本発明のトナーは、キャリアを使用しない一成分系の磁性現像剤及び非磁性現像剤としても用いることができる。
以下の実施例中、部は、重量部を意味する。
(実施例1)
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキシド付加物硫酸エステルのナトリウム塩エレミノールRS−30(三洋化成工業製)11部、スチレン83部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部及び過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400rpmで15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。次に、75℃まで昇温し、5時間反応させた。さらに、1重量%過硫酸アンモニウム水溶液30部を加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂の水性分散液(樹脂粒子分散液)を得た。LA−920で測定した樹脂粒子分散液の体積平均粒子径は、105nmであった。樹脂粒子分散液の一部を乾燥して樹脂分を単離した。樹脂分のガラス転移温度は、59℃であり、重量平均分子量は15万であった。
水990部、樹脂粒子分散液83部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5重量%水溶液エレミノールMON−7(三洋化成工業製)37部、酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体(水相)を得た。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529部、テレフタル酸208部、アジピン酸46部及びジブチルスズオキシド2部を仕込み、常圧下、230℃で8時間反応させ、さらに10〜15mmHgの減圧下で5時間反応させた後、反応容器に無水トリメリット酸44部を添加し、常圧下、180℃で2時間反応させ、低分子量ポリエステル樹脂を得た。低分子量ポリエステル樹脂は、数平均分子量が2500、重量平均分子量が6700、ガラス転移温度が43℃、酸価が25mgKOH/gであった。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部及びジブチルスズオキシド2部を仕込み、常圧下、230℃で8時間反応させ、さらに10〜15mmHgの減圧下で5時間反応させ、中間体ポリエステル樹脂を得た。中間体ポリエステル樹脂は、数平均分子量が2100、重量平均分子量が9500、ガラス転移温度が55℃、酸価が0.5mgKOH/g、水酸基価が51mgKOH/gであった。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、中間体ポリエステル樹脂410部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を仕込み、100℃で5時間反応させ、プレポリマーを得た。プレポリマーの遊離イソシアネート量は、1.53重量%であった。
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部及びメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で5時間反応させ、ケチミン化合物を得た。ケチミン化合物のアミン価は、418mgKOH/gであった。
2−メトキシ−4−ニトロアニリン182.7部及び2−ニトロ−4−メチルアニリン5.1部を、水1300部及び35%塩酸290部の混合液中に加えて攪拌した後、0℃に冷却し、亜硝酸ソーダ80部を加えてジアゾ化し、ジアゾ溶液を得た。水5000部に、2−メトキシアセトアセトアニリド241.8部及び水酸化ナトリウム48部を加えて溶解させた液に、酢酸196部及び水196部の混合液を添加することにより、カップリング成分の懸濁液を得た。15℃で撹拌しながら、透明のジアゾ溶液を1時間30分〜2時間でカップリング成分の懸濁液に添加した。カップリング反応が終わった後に、ロジン45部及び塩化カルシウム13部を用いて、表面処理を施した。得られた顔料組成物を濾過、水洗することにより、顔料ペーストを濾別し、凝固物を90℃で乾燥することにより、表面処理顔料C.I.ピグメントイエロー74(山陽色素社製)を得た。
水1200部、540部の着色剤C.I.ピグメントイエロー74、着色剤分散剤として、アミン価が11mgKOH/gであるDisperbyk−161(ビックケミー社製)108部、ポリエステル樹脂1200部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて混合し、混合物を2本ロールを用いて150℃で30分間混練した後、圧延冷却し、パルペライザーで粉砕することにより、マスターバッチ1を得た。
撹拌棒及び温度計をセットした容器に、低分子量ポリエステル樹脂378部、カルナバワックス110部及び酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下、80℃に昇温し、5時間保持した後、1時問で30℃に冷却した。次に、容器に500部のマスターバッチ1及び酢酸エチル500部を添加し、1時間混合することにより、原料溶解液を得た。
原料溶解液1324部を容器に移し、ビーズミルのウルトラビスコミル(アイメックス社製)を用いて、直径が0.5mmであるジルコニアビーズを80体積%充填して、送液速度1kg/時、ディスク周速度6m/秒、3パスの条件で、着色剤及び離型剤の分散を行った。次に、低分子量ポリエステル樹脂の65%酢酸エチル溶液1324部及び酸価が129mgKOH/gである共重合体Disperbyk−111(ビックケミー社製)8部を加え、上記条件のビーズミルで1パスし、顔料・離型剤分散液を得た。130℃、30分の条件で測定した顔料・離型剤分散液の固形分濃度は、50重量%であった。
顔料・離型剤分散液749部、プレポリマー115部及びケチミン化合物2.9部を容器に仕込み、TKホモミキサー(特殊機化製)を用いて、5000rpmで1分間混合した後、容器に1200部の水相1を加え、TKホモミキサーを用いて、13000rpmで20分間混合し、乳化スラリーを得た。
撹拌機及び温度計をセットした容器に、乳化スラリーを投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で4時間熟成を行い、分散スラリーを得た。マルチサイザーIIで測定することにより得られる分散スラリーの体積平均粒子径は、5.99μm、個数平均粒子径は、5.70μmであった。
分散スラリー100部を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーを用いて、12000rpmで10分間混合した後、濾過した。得られたの濾過ケーキに10%塩酸を加え、pH2.8に調製し、TKホモミキサーを用いて、12000rpmで10分間混合した後、濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーを用いて、12000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を2回行い、最終濾過ケーキを得た。
循風乾燥機を用いて、最終濾過ケーキを45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、トナーを得た。
(実施例2)
10Lニーダーに、純度95%の粗製銅フタロシアニンブルー500部、塩化ナトリウム2000部及びジエチレングリコール550部を仕込み、100℃で4時間混練した後、天然ロジンを25部添加し、さらに30分間混練を行った。得られた混合物を水10000部中に取り出し、塩化ナトリウム及びジエチレングリコールが溶解するまで80℃で攪拌した。さらに、98重量%硫酸50部を添加し、1時間攪拌を行った後、濾過し、中性になるまで水洗し、顔料ペーストを得た。これを乾燥、粉砕することにより、表面処理顔料C.I.ピグメントブルー15:3(大日精化社製)490部を得た。
水1200部、540部の着色剤C.I.ピグメントブルー15:3、着色剤分散剤として、アミン価が3.6〜4.1mgKOH/gであるEFKA−4080(EFKA chemicals社製)108部及びポリエステル樹脂1200部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて混合し、混合物を2本ロールを用いて150℃で30分間混練した後、圧延冷却し、パルペライザーを用いて粉砕することにより、マスターバッチ2を得た。
マスターバッチ1の代わりに、マスターバッチ2を用いた以外は、実施例1と同様にしてトナーを得た。
(実施例3)
2−アミノ−5−メチルベンゼンスルホン酸20.0部を水200部に分散させた後、20%塩酸22.0部を加え、0℃に保ちながら30%亜硝酸ソーダ水溶液25.1部を滴下し、ジアゾ液を得た。2−ヒドロキシナフトエ酸20.6部を60℃で水242部に分散させた後、48%水酸化ナトリウム水溶液11.5部を加えてカップラー溶液を得た。このカップラー溶液を0℃に冷却し、撹拌しながらジアゾ液を滴下し、0℃で60分間撹拌してカップリング反応を終了させた後、10重量%ロジンナトリウム水溶液40部を加え、1時間撹拌して懸濁液を得た。
この懸濁液に塩化カルシウム18.6部を水70部に溶解させた水溶液を加え、1時間撹拌してレーキ化反応を終了した。レーキ化反応終了後、80℃で1時間加熱しながら、撹拌し、カルシウムレーキアゾ顔料の水中懸濁液を得た。この懸濁液を濾別し、凝固物を90℃で乾燥して、表面処理顔料C.I.ピグメントレッド57:1(大日本インキ化学工業社製)を得た。
水1200部、540部の着色剤C.I.ピグメントレッドPR57:1、着色剤分散剤として、アミン価が29mgKOH/g、酸価が19mgKOH/gであるDisperbyk−2001(ビックケミー社製)108部及びポリエステル樹脂1200部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて混合し、混合物を2本ロールを用いて150℃で30分混練した後、圧延冷却し、パルペライザーを用いて粉砕することにより、マスターバッチ3を得た。
マスターバッチ1の代わりに、マスターバッチ3を用い、Disperbyk−111を用いなかった以外は、実施例1と同様にしてトナーを得た。
(比較例1)
Disperbyk−111を用いなかった以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。
(比較例2)
表面処理を施さなかった以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。
(比較例3)
表面処理を施さず、Disperbyk−111を用いなかった以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。
(比較例4)
Disperbyk−111を用いなかった以外は、実施例2と同様にして、トナーを得た。
(比較例5)
表面処理を施さなかった以外は、実施例2と同様にして、トナーを得た。
(比較例6)
表面処理を施さず、Disperbyk−111を用いなかった以外は、実施例2と同様にして、トナーを得た。
(比較例7)
表面処理を施さなかった以外は、実施例3と同様にして、トナーを得た。
(評価方法及び評価結果)
トナーの体積平均粒子径Dv及び個数平均粒子径Dnは、粒度測定器コールターカウンターTAII(コールターエレクトロニクス社製の)を用いて、アパーチャー径100μmで測定した。
トナー10部とフェライトキャリア100部を温度28℃、湿度80%の環境で混合し、ブローオフ法を用いてトナーの帯電量を測定した。また、このときの帯電分布はシャープであった。
トナー100部にシリカR972(日本エアロジル社製)1部を加え、サンプルミルで1分間混合することにより、シリカ外添トナーを得た。濁度は、フルカラー複写機imagio Neo 450(リコー社製)の改造機を用いて、1.0±0.1mg/cm2のトナーが現像されるように調整して、定着用フューザーオイル無しでベタのカラー画像を定着させ、濁度測定装置を用いて測定した。濁度は、低い方がより透明性が高いことを示す。
これらの評価結果を表1に示す。
この結果から、実施例のトナーは、着色剤の分散が良好で、帯電性に優れることがわかる。