JP2004302458A - 画像形成用トナーおよび現像剤とその製造方法、並びにこれらを用いた画像形成方法、画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 有機溶媒中に活性水素基を有する化合物と反応可能な変性ポリエステル樹脂を含むトナー組成分を溶解及び/又は分散させ、該溶解液又は分散物を、樹脂微粒子を含む水系媒体中で、架橋剤及び/又は伸長剤と反応させ、得られたトナーにおいて、該トナーバインダーが、該変性ポリエステル樹脂と共に、結晶性ポリエステル樹脂を含有することを特徴とする画像形成用トナー。
【選択図】 なし
Description
(1)有機溶媒中に活性水素基を有する化合物と反応可能な変性ポリエステル樹脂を含むトナー組成分を溶解又は/及び分散させ、該溶解液又は分散物を、樹脂微粒子を含む水系媒体中で、架橋剤及び/又は伸長剤と反応させ、得られたトナーにおいて、該トナーバインダーが、該変性ポリエステル樹脂と共に、結晶性ポリエステル樹脂を含有することを特徴とする画像形成用トナー。
(2)該トナーバインダーが、該変性ポリエステル樹脂(i)と共に、変性されていないポリエステル樹脂(ii)と結晶性ポリエステル樹脂(iii)を含有し、(i)と(ii)+(iii)の重量比が5/95〜25/75であり、かつ、(ii)と(iii)の重量比が99/1〜50/50であることを特徴とする前記(1)記載の画像形成用トナー。
(3)該トナーのガラス転移点(Tg)が40〜70℃であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の画像形成用トナー。
(4)該トナーの流出開始温度(Tfb)が70〜150℃であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の画像形成用トナー。
(5)該トナー粒子の体積平均粒径が4〜8μmであることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の画像形成用トナー。
(6)該トナー粒子の、体積平均粒径(Dv)と数平均粒径(Dn)との比Dv/Dnが1.00〜1.25であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の画像形成用トナー。
(7)該トナー粒子の平均円形度が0.99〜0.95であることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載の画像形成用トナー。
(8)上記トナー中に含有されるポリエステル樹脂のTHF可溶分の分子量分布において、分子量のピークが1000〜30000にあり、分子量30000以上成分が1〜80重量%で、且つ、数平均分子量が2000〜15000であることを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれかに記載の画像形成用トナー。
(9)上記トナー中に含有されるポリエステル樹脂のTHF可溶分の分子量分布おいて、分子量1000以下成分が0.1〜5.0重量%であることを特徴とする前記(1)〜(8)のいずれかに記載の画像形成用トナー。
(10)上記トナー中に含有されるポリエステル樹脂のTHF不溶分が1〜15重量%であることを特徴とする前記(1)〜(9)のいずれかに記載の画像形成用トナー。
(11)該乳化分散液の溶媒を除去する工程が、少なくとも減圧および/もしくは加熱の条件下で行われることを特徴とする前記(1)〜(10)のいずれかに記載の画像形成用トナー。
(12)該樹脂微粒子の平均粒径が5〜500nmであることを特徴とする前記(1)〜(11)のいずれかに記載の画像形成用トナー。
(13)上記トナーが離型材としてワックスを含有することを特徴とする前記(1)〜(12)のいずれかに記載の画像形成用トナー。
(14)上記トナーが帯電制御剤を含有することを特徴とする前記(1)〜(13)のいずれかに記載の画像形成用トナー。
(15)上記トナーにおいて、結晶性ポリエステル樹脂の分散粒径が長軸径で0.2〜3.0μmであることを特徴とする前記(1)〜(14)のいずれかに記載の画像形成用トナー。
(16)結晶性ポリエステル樹脂のDSC吸熱ピーク温度が50〜150℃であることを特徴とする前記(1)〜(15)のいずれかに記載の画像形成用トナー。
(17)請求項1記載の結晶性ポリエステル樹脂のオルトジクロロベンゼンの可溶分のGPCによる分子量分布が、重量平均分子量(Mw)で1000〜6500、数平均分子量(Mn)で500〜2000、Mw/Mnが2〜5であることを特徴とする前記(1)〜(16)のいずれかに記載の画像形成用トナー。
(18)請求項1記載の結晶性ポリエステル樹脂が下記一般式(1)
(19)結晶性ポリエステル樹脂のアルコール成分が炭素数2〜6のジオール化合物を含有するものであり、酸成分がマレイン酸、フマル酸、コハク酸、およびこれらの誘導体の少なくとも1つを含有することを特徴とする前記(1)〜(18)のいずれかに記載の画像形成用トナー。
(20)結晶性ポリエステル樹脂のアルコール成分が1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールおよびこれらの誘導体の少なくとも1つを含有することを特徴とする前記(1)〜(19)のいずれかに記載の画像形成用トナー。
(21)変性されていないポリエステル樹脂のガラス転移点(Tg)が40〜80℃であることを特徴とする前記(1)〜(20)のいずれかに記載の画像形成用トナー。
(22)変性されていないポリエステル樹脂の重量平均分子量が2000〜90000であることを特徴とする前記(1)〜(21)のいずれかに記載の画像形成用トナー。
(23)ワックスの融点が40〜160℃であることを特徴とする前記(1)〜(22)のいずれかに記載の画像形成用トナー。
(24)少なくとも無機微粒子及び/または樹脂微粒子を外添していることを特徴とする前記(1)〜(23)のいずれかに記載の画像形成用トナー。
(25)体積平均粒径が0.2μm〜3μmの結晶性ポリエステル樹脂分散液を使用して製造されることを特徴とする前記(1)〜(24)のいずれかに記載の画像形成用トナーの製造方法。
(26)前記(1)〜(24)のいずれかに記載の画像形成用トナーからなることを特徴とする一成分現像剤。
(27)前記(1)〜(24)のいずれかに記載の画像形成用トナーとキャリア粉からなることを特徴とする2成分現像剤。
(28)前記(26)〜(27)のいずれかに記載の現像剤が充填されたトナー容器。
(29)像担持体上に形成した静電潜像を前記(26)〜(27)のいずれかに記載の現像剤を用いて現像し、該像担持体上に形成されたトナー像を画像支持体に転写し、転写されたトナー像をローラ状もしくはベルト状の定着部材により、加熱加圧定着して定着画像を得る工程を含む画像形成方法。
(結晶性ポリエステルの効果)
本発明トナー中の結晶性ポリエステル樹脂は、結晶性をもつがゆえに定着開始温度付近において、急激な粘度低下を示す熱溶融特性を示す。
つまり、溶融開始温度直前までは結晶性による耐熱保存性が良く、溶融開始温度では急激な粘度低下(シャープメルト性)し、定着することから、良好な耐熱保存性と低温定着性を兼ね備えたトナーを設計することが出来る。
また、離型幅(定着下限温度とホットオフセット発生温度の差)についても、良好な結果を示すことが判った。
本発明におけるトナーは特定の形状と形状の分布を有すことが重要であり、平均円形度が0.95未満で、球形からあまりに離れた不定形の形状のトナーでは、満足した転写性やチリのない高画質画像が得られない。なお形状の計測方法としては粒子を含む懸濁液を平板上の撮像部検知帯に通過させ、CCDカメラで光学的に粒子画像を検知し、解析する光学的検知帯の手法が適当である。この手法で得られる投影面積の等しい相当円の周囲長を実在粒子の周囲長で除した値である平均円形度が0.99〜0.95のトナーが適正な濃度の再現性のある高精細な画像を形成するのに有効である事が判明した。より好ましくは、平均円形度が0.99〜0.96で円形度が0.96未満の粒子が10%以下である。また、平均円形度が0.991以上の場合、ブレードクリーニングなどを採用しているシステムでは、感光体上および転写ベルトなどのクリーニング不良が発生し、画像上の汚れを引き起こす。例えば、画像面積率の低い現像・転写では転写残トナーが少なく、クリーニング不良が問題となることはないが、写真画像など画像面積率の高いもの、さらには、給紙不良等で未転写の画像形成したトナーが感光体上に転写残トナーとして発生することがあり、蓄積すると画像の地汚れを発生してしまう。また、感光体を接触帯電させる帯電ローラ等を汚染してしまい、本来の帯電能力を発揮できなくなってしまう。この値はフロー式粒子像分析装置FPIA−2000(東亜医用電子株式会社製)により平均円形度として計測できる。具体的な測定方法としては、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスフォン酸塩を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.1〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、分散液濃度を3000〜1万個/μlとして前記装置によりトナーの形状及び分布を測定することによって得られる。
該トナーの体積平均粒径(Dv)が4〜8μmであり、個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.25以下、好ましくは1.05〜1.20である乾式トナーにより、耐熱保存性、低温定着性、耐ホットオフセット性のいずれにも優れ、とりわけフルカラー複写機などに用いた場合に画像の光沢性に優れ、更に二成分現像剤においては、長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー粒子径の変動が少なくなり、現像装置における長期の攪拌においても、良好で安定した現像性が得られる。また、一成分現像剤として用いた場合においても、トナーの収支が行われても、トナーの粒子径の変動が少なくなると共に、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化する為のブレード等の部材へのトナーの融着がなく、現像装置の長期の使用(攪拌)においても、良好で安定した現像性及び画像が得られた。
また、これらの現象は微粉の含有率が本発明の範囲より多いトナーにおいても同様である。
逆に、トナーの粒子径が本発明の範囲よりも大きい場合には、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなると共に、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなる場合が多い。また、体積平均粒子径/個数平均粒子径が1.25よりも大きい場合も同様であることが明らかとなった。
また、体積平均粒子径/個数平均粒子径が1.05より小さい場合には、トナーの挙動の安定化、帯電量の均一化の面から好ましい面もあるが、トナーを十分に帯電することが出来なかったり、クリーニング性を悪化させる場合があることが明らかとなった。
変性ポリエステル樹脂(i)としては、イソシアネートやエポキシなどにより変性されたポリエステルプレポリマーを挙げることができる。これは、活性水素基を持つ化合物(アミン類など)と伸長反応し、離型幅(定着下限温度とホットオフセット発生温度の差)の向上に効果をおよぼす。変性ポリエステル樹脂(i)の合成方法としては、ベースとなるポリエステル樹脂に、従来公知のイソシアネート化剤やエポキシ化剤などを反応させることで容易に合成することが出来る。イソシアネート化剤としては、脂肪族ポリイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアヌレート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。また、エポキシ化剤としては、エピクロロヒドリンなどをその代表例としてあげることが出来る。
本発明においては、前記ウレア変性ポリエステルだけでなく、これと共に変性されていないポリエステル樹脂(ii)をトナーバインダー成分として含有させることもできる。(ii)を併用することで、低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が向上し、単独使用より好ましい。前記、(i)と(ii)は少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、(i)のポリエステル成分と(ii)は類似の組成が好ましい。
(ii)のピーク分子量は、通常1000〜30000、好ましくは1500〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。1000未満では耐熱保存性が悪化し、10000を超えると低温定着性が悪化する。未変性ポリエステル樹脂(ii)の重量平均分子量は2000〜90000であることが好ましく、ガラス転移点(Tg)は40〜80℃であることが好ましい。
(ii)の水酸基価は5以上であることが好ましく、さらに好ましくは10〜120、特に好ましくは20〜80である。5未満では耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。(ii)の酸価は通常1〜30、好ましくは5〜20である。酸価を持たせることで負帯電性となりやすい傾向がある。また、酸価及び水酸基価がそれぞれこの範囲を越えるものは高温高湿度下、低温低湿度下の環境下において、環境の影響を受けやすく、画像の劣化を招きやすい。
結晶性ポリエステル(iii)は、少なくとも融点を有するポリエステルである。
前記結晶性ポリエステル(iii)としては、とくに炭素数2〜6のジオール化合物、特に1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールおよびこれらの誘導体を含有するアルコール成分と、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、およびこれらの誘導体を含有する酸成分とを用いて合成される下記一般式(1)で表される繰返し講造単位を有する結晶性ポリエステル樹脂が好ましい。
また、結晶性ポリエステル樹脂の結晶性および軟化点を制御する方法として、ポリエステル合成時にアルコール成分にグリセリン等の3価以上の多価アルコールや、酸成分に無水トリメリット酸などの3価以上の多価カルボン酸を追加して縮重合を行った非線状ポリエステルなどを設計、使用するなどの方法が挙げられる。
融解温度およびF1/2温度が50℃以下の場合は耐熱保存性が悪化し、現像装置内部の温度でブロッキングが発生しやすくなり、130℃以上の場合には定着下限温度が高くなるため低温定着性が得られなくなる。
トナー中の、結晶性ポリエステル樹脂の分散粒径は長軸径で0.2〜3.0μmであることが好ましい。
前記トナー中に含有されるポリエステル樹脂のTHF可溶分の分子量分布において、分子量のピークが1000〜30000にあり、分子量30000以上成分が1〜80重量%で、且つ、数平均分子量が2000〜15000であることが好ましい。また、前記トナー中に含有されるポリエステル樹脂のTHF可溶分の分子量分布おいて、分子量1000以下成分が0.1〜5.0重量%であることが好ましい。また、前記トナー中に含有されるポリエステル樹脂のTHF不溶分が1〜15重量%であることが好ましい。
本発明の着色剤としては公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
マスターバッチの製造またはマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、先にあげた変性、未変性ポリエステル樹脂の他にポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族叉は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
また、トナーバインダー、着色剤とともにワックスを含有させることもできる。本発明のワックスとしては公知のものが使用でき、例えばポリオレフィンワッックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど);長鎖炭化水素(パラフィンワッックス、サゾールワックスなど);カルボニル基含有ワックスなどが挙げられる。これらのうち好ましいものは、カルボニル基含有ワックスである。カルボニル基含有ワックスとしては、ポリアルカン酸エステル(カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレートなど);ポリアルカノールエステル(トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなど);ポリアルカン酸アミド(エチレンジアミンジベヘニルアミドなど);ポリアルキルアミド(トリメリット酸トリステアリルアミドなど);およびジアルキルケトン(ジステアリルケトンなど)などが挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスのうち好ましいものは、ポリアルカン酸エステルである。本発明のワックスの融点は、通常40〜160℃であり、好ましくは50〜120℃、さらに好ましくは60〜90℃である。融点が40℃未満のワックスは耐熱保存性に悪影響を与え、160℃を超えるワックスは低温での定着時にコールドオフセットを起こしやすい。また、ワックスの溶融粘度は、融点より20℃高い温度での測定値として、5〜1000cpsが好ましく、さらに好ましくは10〜100cpsである。1000cpsを超えるワックスは、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果に乏しい。トナー中のワックスの含有量は通常0〜40重量%であり、好ましくは3〜30重量%である。
本発明のトナーは、必要に応じて帯電制御剤を含有してもよい。帯電制御剤としては公知のものが全て使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
本発明で使用される樹脂微粒子は、水性分散体を形成しうる樹脂であればいかなる樹脂も使用でき、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でもよいが、例えばビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。樹脂微粒子としては、上記の樹脂を2種以上併用しても差し支えない。このうち好ましいのは、微細球状樹脂粒子の水性分散体が得られやすい点から、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びそれらの併用が好ましい。
ビニル系樹脂としては、ビニル系モノマーを単独重合また共重合したポリマーで、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体等が挙げられる。
前記樹脂微粒子の体積平均粒径が5〜500nmであることが好ましい。
本発明で得られた着色粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。この無機微粒子の一次粒子径は、5mμ〜2μmであることが好ましく、特に5mμ〜500mμであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5重量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0重量%であることが好ましい.無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
このような流動化剤は表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが好ましい表面処理剤として挙げられる。
感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するためのクリーニング性向上剤としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸など脂肪酸金属塩、例えばポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子などのソープフリー乳化重合などによって製造された、ポリマー微粒子などを挙げることかできる。ポリマー微粒子は比較的粒度分布が狭く、体積平均粒径が0.01から1μmのものが好ましい。
トナーバインダーは以下の方法などで製造することができる。ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を溜去して、水酸基を有するポリエステルを得る。次いで40〜140℃にて、これにポリイソシアネート(3)を反応させ、イソシアネート基を有するプレポリマー(A)を得る。さらに(A)にアミン類(B)を0〜140℃にて反応させ、ウレア結合で変性されたポリエステルを得る。(3)を反応させる際および(A)と(B)を反応させる際には、必要により溶剤を用いることもできる。使用可能な溶剤としては、芳香族溶剤(トルエン、キシレンなど);ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど);エステル類(酢酸エチルなど);アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)およびエーテル類(テトラヒドロフランなど)などのイソシアネート(3)に対して不活性なものが挙げられる。変性されていないポリエステル(ii)を併用する場合は、水酸基を有するポリエステルと同様な方法で(ii)を製造し、これを前記(i)の反応完了後の溶液に溶解し、混合する。
本発明の乾式トナーは以下の方法で製造することができるが勿論これらに限定されることはない。
本発明に用いる水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。
分散剤を使用した場合には、該分散剤がトナー粒子表面に残存したままとすることもできるが、伸長および/または架橋反応後、洗浄除去するほうがトナーの帯電面から好ましい。
用いた分散剤は得られた分散液からできるだけ取り除くことが好ましいが、先に述べた分級操作と同時に行うのが好ましい。
得られた乾燥後のトナーの粉体と離型剤微粒子、帯電制御性微粒子、流動化剤微粒子、着色剤微粒子などの異種粒子とともに混合したり、混合粉体に機械的衝撃力を与えることによって表面で固定化、融合化させ、得られる複合体粒子の表面からの異種粒子の脱離を防止することができる。
本発明のトナーを2成分系現像剤に用いる場合には、磁性キャリアと混合して用いれば良く、現像剤中のキャリアとトナーの含有比は、キャリア100重量部に対してトナー1〜10重量部が好ましい。磁性キャリアとしては、粒子径20〜200μm程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなど従来から公知のものが使用できる。また、被覆材料としては、アミノ系樹脂、例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等があげられる。またポリビニルおよびポリビニリデン系樹脂、例えばアクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂およびスチレンアクリル共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂およびポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、およびシリコーン樹脂等が使用できる。また必要に応じて、導電粉等を被覆樹脂中に含有させてもよい。導電粉としては、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等が使用できる。これらの導電粉は、平均粒子径1μm以下のものが好ましい。平均粒子径が1μmよりも大きくなると、電気抵抗の制御が困難になる。
また、本発明のトナーはキャリアを使用しない1成分系の磁性トナー或いは、非磁性トナーとしても用いることができる。
(有機微粒子エマルションの合成)
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30:三洋化成工業製)11部、スチレン138部、メタクリル酸138部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し、5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液1]を得た。[微粒子分散液1]をLA−920で測定した体積平均粒径は、0.14μmであった。[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のTgは152℃であった。
(水相の調整)
水990部、[微粒子分散液1]83部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノールMON−7):三洋化成工業製)37部、酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とする。
(低分子ポリエステルの合成)
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529部、テレフタル酸208部、アジピン酸46部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時聞反応した後、反応容器に無水トリメリット酸44部を入れ、180℃、常圧で2時間反応し、[低分子ポリエステル1]を得た。[低分子ポリエステル1]は、数平均分子量2500、重量平均分子量6700、Tg43℃、酸価25であった。
(中間体ポリエステルの合成)
冷却管、撹拌機および窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2100、重量平均分子量9500、Tg55℃、酸価0.5、水酸基価51であった。
次に、冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル1]410部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、[プレポリマー1]を得た。[プレポリマー1]の遊離イソシアネート重量%は、1.53%であった。
(結晶性ポリエステルの合成)
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5リットルの四つ口フラスコに1,4−ブタンジオール25モル、フマル酸23.75モル、無水トリメリット酸1.65モル、ハイドロキノン5.3gを入れ、160℃で5時間反応させた後、200℃に昇温して1時間反応させ、さらに8.3KPaにて1時間反応させ[結晶性ポリエステル樹脂1]を得た。融点119℃、Mn710、Mw2100、酸価24、水酸基価28であった。
原料を下記のものに変更する以外は、製造例4−2と同様にして、[結晶性ポリエステル樹脂2〜6]を得た。
結晶性ポリエステル2
1,4−ブタンジオール 25モル
フマル酸 21.25モル
無水トリメリット酸 5モル
ハイドロキノン 5.7g
融点96℃、Mn620、Mw1750、酸価37、水酸基価8であった。
1,4−ブタンジオール 23.75モル
エチレングリコール 1.25モル
フマル酸 22.75モル
無水トリメリット酸 1.65モル
ハイドロキノン 4.8g
融点128℃、Mn1650、Mw6400、酸価24、水酸基価44であった。
1,4−ブタンジオール 22.5モル
エチレングリコール 5モル
フマル酸 23.75モル
無水トリメリット酸 5モル
ハイドロキノン 5.8g
融点82℃、Mn1100、Mw4700、酸価25、水酸基価33であった。
1,4−ブタンジオール 25モル
フマル酸 22.5モル
コハク酸 1.25モル
無水トリメリット酸 1.65モル
ハイドロキノン 5.3g
融点113℃、Mn780、Mw2400、酸価22、水酸基価28であった。
1,4−ブタンジオール 23.75モル
1,6−ヘキサンジオール 1.25モル
フマル酸 23モル
マレイン酸 0.75モル
無水トリメリット酸 1.65モル
ハイドロキノン 5.2g
融点128℃、Mn850、Mw3450、酸価28、水酸基価22であった。
(ケチミンの合成)
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部とメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で5時間反応を行い、[ケチミン化合物1]を得た。[ケチミン化合物1]のアミン価は418であった。
(マスターバッチ(MB)の合成)
水1200部、カーボンブラック(Printex35 デクサ製)540部〔DBP吸油量=42ml/100mg、pH=9.5〕、ポリエステル樹脂1200部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて150℃で30分混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、[マスターバッチ1]を得た。
(油相の作成)
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[低分子ポリエステル1]378部、カルナバWAX11O部、CCA(サリチル酸金属錯体E−84:オリエント化学工業)22部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。
[原料溶解液1]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、カーボンブラック、WAXの分散を行った。次いで、[低分子ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液1042.3部加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・WAX分散液1]を得た。[顔料・WAX分散液1]の固形分濃度(130℃、30分)は50%であった。
(結晶性ポリエステルの分散液作製)
金属製2L容器に[結晶性ポリエステル樹脂1]を100g、酢酸エチル400gを採り、79℃で加熱溶解もしくは加熱分散させた後、氷水浴中で急冷した。これにガラスビーズ(3mmφ)500mlを加え、バッチ式サンドミル装置(カンペハピオ社製)で10時間攪拌を行い、体積平均粒径が0.4μmの[結晶性ポリエステル分散液1]を得た。
(乳化⇒脱溶剤)
[顔料・WAX分散液1]664部、[プレポリマー1]を109.4部、[結晶性ポリエステル分散液1]を73.9部、[ケチミン化合物1]4.6部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで20分間混合し[乳化スラリー1]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で4時間熟成を行い、[分散スラリー1]を得た。
[乳化スラリー1]100部を減圧濾過した後、(1):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(2):(1)の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液1OO部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。
(3):(2)の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過する操作を2回行い[濾過ケーキ1]を得た。
[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い[トナー1]を得た。
実施例1において、[プレポリマー1]を109.4部、[ケチミン化合物1]4.6部を使用することは変更しないまま、トナー中のプレポリマー/低分子ポリエステル/結晶性ポリエステルの重量比が下記表になるように原料を仕込むほかは、実施例1と同様に操作して[トナー2〜6]を得た。
実施例1において、結晶性ポリエステル分散液を使用しない以外は、実施例1と同様に操作して[トナー12]を得た。
結晶性ポリエステル樹脂1 10部
低分子ポリエステル樹脂B1 70部
スチレン−メチルアクリレート樹脂C1 15部
ポリエチレンワックス
(融点99℃、針入度1.5、SP値8.1) 5部
帯電制御剤(サリチル酸誘導体の金属塩) 2部
着色剤(銅フタロシアニンブルー顔料) 2.5部
(ただし、
B1:THF不溶分0、重量平均分子量が17000、Tgが59℃
C1:THF不溶分0、重量平均分子量が15000、Tgが62℃
樹脂C1の粉砕性は樹脂B1及びポリエチレンワックスより高かった。)
上記材料をブレンダーで充分混合したのち2軸押出し機にて混練し、冷却後粉砕、分級し体積平均粒径約7.5μmのトナー13を得た。
外添剤処理を施したトナー5重量%とシリコーン樹脂を被覆した平均粒子径が40μmの銅−亜鉛フェライトキャリア95重量%からなる現像剤を調製し、毎分A4サイズの用紙を45枚印刷できるリコー製imagio Neo 450を用いて、連続印刷して下記の基準で評価し、表2に示した。
(a)粒径
トナーの粒径は、コールターエレクトロニクス社製の粒度測定器「コールターカウンターTAII」を用い、アパーチャー径100μmで測定した。体積平均粒径および個数平均粒径は上記粒度測定器により求めた。
フロー式粒子像分析装置FPIA−1000(東亜医用電子株式会社製)により平均円形度として計測できる。具体的な測定方法としては、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスフォン酸塩を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.1〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、分散液濃度を3000〜1万個/μlとして前記装置によりトナーの形状及び分布を測定することによって得られる。
現像剤6gを計量し、密閉できる金属円柱に仕込みブローして帯電量を求める。トナー濃度は4.5〜5.5wt%に調整する。
トナーの熱特性を測定するフローテスターとしては、例えば島津製作所製の高架式フローテスターCFT500型がある。このフローテスターのフローカーブは図2(a)および(b)に示されるデータになり、そこから各々の温度を読み取ることができる。図中、Tsは軟化温度、Tfbは流出開始温度であり、1/2法における溶融温度とあるのはT1/2温度のことである。
荷重 :10kg/cm2
昇温速度:3.0℃/min、
ダイ口径:0.50mm
ダイ長さ:10.0mm
リコー製imagio Neo 450を用いて、普通紙及び厚紙の転写紙(リコー製 タイプ6200及びNBSリコー製複写印刷用紙<135>)にベタ画像で、1.0±0.1 mg/cm2のトナーが現像される様に調整を行ない、定着ベルトの温度が可変となる様に調整を行なって、普通紙でオフセットの発生しない温度を、厚紙で定着下限温度を測定した。
定着下限温度は、得られた定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度をもって定着下限温度とした。
ベタ画像出力後、画像濃度をX−Rite(X−Rite社製)により測定。これを各色単独に5点測定し各色ごとに平均を求めた。
白紙画像を現像中に停止させ、現像後の感光体上の現像剤をテープ転写し、未転写のテープの画像濃度との差を938スペクトロデンシトメーター(X−Rite社製)により測定。
清掃工程を通過した感光体上の転写残トナーをスコッチテープ(住友スリーエム(株)製)で白紙に移し、それをマクベス反射濃度計RD514型で測定し、ブランクとの差が0.01以下のものを○(良好)、それを越えるものを×(不良)として評価した。
現像ローラまたは感光体上のトナーフィルミング発生状況の有無を観察した。○はフィルミングがなく、△はスジ上のフィルミングが見られ、×は全体的にフィルミングがある。
2 帯電ローラ
3 現像装置
4 現像剤
5 現像スリーブ(現像剤担持体)
6 転写ベルト(転写手段)
6a バイアスローラ
7 クリーニングブレード
8 回収ばね
9 回収コイル
10 感光体及びクリーニングユニット(PCU)
13 搬送スクリュー
14 パドル(攪拌機構)
16 反射濃度検知センサー(Pセンサー)
17 トナー濃度センサー
18 レジストローラ
20 除電ランプ
S 転写紙
Claims (29)
- 有機溶媒中に活性水素基を有する化合物と反応可能な変性ポリエステル樹脂を含むトナー組成分を溶解又は/及び分散させ、該溶解液又は分散物を、樹脂微粒子を含む水系媒体中で、架橋剤及び/又は伸長剤と反応させ、得られたトナーにおいて、該トナーバインダーが、該変性ポリエステル樹脂と共に、結晶性ポリエステル樹脂を含有することを特徴とする画像形成用トナー。
- 該トナーバインダーが、該変性ポリエステル樹脂(i)と共に、変性されていないポリエステル樹脂(ii)と結晶性ポリエステル樹脂(iii)を含有し、(i)と(ii)+(iii)の重量比が5/95〜25/75であり、かつ、(ii)と(iii)の重量比が99/1〜50/50であることを特徴とする請求項1記載の画像形成用トナー。
- 該トナーのガラス転移点(Tg)が40〜70℃であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成用トナー。
- 該トナーの流出開始温度(Tfb)が70〜150℃であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成用トナー。
- 該トナー粒子の体積平均粒径が4〜8μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成用トナー。
- 該トナー粒子の、体積平均粒径(Dv)と数平均粒径(Dn)との比Dv/Dnが1.00〜1.25であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成用トナー。
- 該トナー粒子の平均円形度が0.99〜0.95であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の画像形成用トナー。
- 上記トナー中に含有されるポリエステル樹脂のTHF可溶分の分子量分布において、分子量のピークが1000〜30000にあり、分子量30000以上成分が1〜80重量%で、且つ、数平均分子量が2000〜15000であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の画像形成用トナー。
- 上記トナー中に含有されるポリエステル樹脂のTHF可溶分の分子量分布おいて、分子量1000以下成分が0.1〜5.0重量%であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の画像形成用トナー。
- 上記トナー中に含有されるポリエステル樹脂のTHF不溶分が1〜15重量%であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の画像形成用トナー。
- 該乳化分散液の溶媒を除去する工程が、少なくとも減圧および/もしくは加熱の条件下で行われることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の画像形成用トナー。
- 該樹脂微粒子の体積平均粒径が5〜500nmであることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の画像形成用トナー。
- 上記トナーが離型材としてワックスを含有することを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の画像形成用トナー。
- 上記トナーが帯電制御剤を含有することを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の画像形成用トナー。
- 上記トナーにおいて、結晶性ポリエステル樹脂の分散粒径が長軸径で0.2〜3.0μmであることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の画像形成用トナー。
- 結晶性ポリエステル樹脂のDSC吸熱ピーク温度が50〜150℃であることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の画像形成用トナー。
- 請求項1記載の結晶性ポリエステル樹脂のオルトジクロロベンゼンの可溶分のGPCによる分子量分布が、重量平均分子量(Mw)で1000〜6500、数平均分子量(Mn)で500〜2000、Mw/Mnが2〜5であることを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の画像形成用トナー。
- 結晶性ポリエステル樹脂のアルコール成分が炭素数2〜6のジオール化合物を含有するものであり、酸成分がマレイン酸、フマル酸、コハク酸、およびこれらの誘導体の少なくとも1つを含有することを特徴とする請求項1〜18のいずれかに記載の画像形成用トナー。
- 結晶性ポリエステル樹脂のアルコール成分が1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールおよびこれらの誘導体の少なくとも1つを含有することを特徴とする請求項1〜19のいずれかに記載の画像形成用トナー。
- 変性されていないポリエステル樹脂のガラス転移点(Tg)が40〜80℃であることを特徴とする請求項1〜20のいずれかに記載の画像形成用トナー。
- 変性されていないポリエステル樹脂の重量平均分子量が2000〜90000であることを特徴とする請求項1〜21のいずれかに記載の画像形成用トナー。
- ワックスの融点が40〜160℃であることを特徴とする
請求項1〜22のいずれかに記載の画像形成用トナー。 - 少なくとも無機微粒子及び/または樹脂微粒子を外添していることを特徴とする請求項1〜23のいずれかに記載の画像形成用トナー。
- 体積平均粒径が0.2μm〜3μmの結晶性ポリエステル樹脂分散液を使用して製造されることを特徴とする請求項1〜24のいずれかに記載の画像形成用トナーの製造方法。
- 請求項1〜24のいずれかに記載の画像形成用トナーからなることを特徴とする一成分現像剤。
- 請求項1〜24のいずれかに記載の画像形成用トナーとキャリア粉からなることを特徴とする2成分現像剤。
- 請求項26〜27のいずれかに記載の現像剤が充填されたトナー容器。
- 像担持体上に形成した静電潜像を上記請求項26〜27のいずれかに記載の現像剤を用いて現像し、該像担持体上に形成されたトナー像を画像支持体に転写し、転写されたトナー像をローラ状もしくはベルト状の定着部材により、加熱加圧定着して定着画像を得る工程を含む画像形成方法。
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