次に、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に説明する。
本発明の画像形成粒子の製造方法は、超臨界流体及び亜臨界流体の少なくとも一方を含有する流体中で、水を反応系外へ除去することにより重縮合反応を進行させてポリエステル樹脂又はポリエーテル樹脂を製造する工程を有する。これにより、効率的に製造し、環境への負荷を軽減することができる。重縮合反応は、水が関与する平衡反応であり、反応系内に水が存在すると、反応率が低下する。このため、水を反応系外へ除去する必要がある。ここで、反応系外へ除去するとは、反応が進行する流体相から他の相へ移動させることを意味する。
重縮合反応の具体例としては、ジオールのエーテル化反応、ジカルボン酸とジオールとのエステル化反応、酸塩化物とジオールとのエステル化反応等が挙げられる。なお、これらの反応は、同時又は逐次に行われる場合もあり、従来の脱水反応の触媒を適宜用いることができる。触媒としては、硫酸、チタンブトキシド、酸化ジブチルスズ、酢酸マグネシウム、酢酸マンガン等が挙げられる。
ジオールの具体例としては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール(2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール)、1,2−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール等の脂肪族ジオール類;2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのアルキレンオキサイド付加物、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族ジオール類等が挙げられる。
ジカルボン酸の具体例としては、o−フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、オクチルコハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、デカメチレンカルボン酸、これらの無水物及び低級アルキルエステル等が挙げられる。
酸塩化物の具体例としては、シュウ酸ジクロリド、マロン酸ジクロリド、コハク酸ジクロリド、フマル酸ジクロリド、グルタル酸ジクロリド、アジピン酸ジクロリド、ムコン酸ジクロリド、セバシン酸ジクロリド、ノナン酸ジクロリド、ウンデカン酸ジクロリド等の脂肪族ジカルボン酸ジクロライド;1,2−シクロプロパンジカルボン酸ジクロライド、1,3−シクロブタンジカルボン酸ジクロリド、1,3−シクロペンタンジカルボン酸ジクロリド、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸ジクロリド、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジクロリド等の脂環族ジカルボン酸ジクロリド;フタル酸ジクロリド、イソフタル酸ジクロリド、テレフタル酸ジクロリド、1,4−ナフタレンジカルボン酸ジクロリド、1,5−(9−オキソフルオレン)ジカルボン酸ジクロリド、1,4−アントラセンジカルボン酸ジクロリド、1,4−アントラキノンジカルボン酸ジクロリド、2,5−ビフェニルジカルボン酸ジクロリド、1,5−ビフェニレンジカルボン酸ジクロリド、4,4’−ビフェニルジカルボニルクロリド、4,4’−メチレン二安息香酸ジクロリド、4,4’−イソプロピリデン二安息香酸ジクロリド、4,4’−ビベンジルジカルボン酸ジクロリド、4,4’−スチルベンジカルボン酸ジクロリド、4,4’−トランジカルボン酸ジクロリド、4,4’−カルボニル二安息香酸ジクロリド、4,4’−オキシ二安息香酸ジクロリド、4,4’−スルホニル二安息香酸ジクロリド、4,4’−ジチオ二安息香酸ジクロリド、p−フェニレン二酢酸ジクロリド、3,3’−p−フェニレンジプロピオン酸ジクロリド等の芳香族ジカルボン酸ジクロリドを挙げることができる。これらの酸塩化物は、単独又は二種以上の混合物として用いることができる。
さらに、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジビニルナフタレン、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、フタル酸ジアリル及びその異性体、トリアリルイソシアヌレート及びその誘導体等の多官能性単量体を加えてもよい。このような多官能性単量体を加えることにより、必要に応じて架橋し、強度等の物理的性質や熱可塑性等の諸性質を変化させることができる。これらの多官能性単量体は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、ポリエステル樹脂の強靭性を高めるため、ジオールの仕込みモル量は、ジカルボン酸の仕込みモル量に対して1.3倍以下であることが好ましく、1.2倍以下にすることがさらに好ましい。さらに、画像形成粒子に機能を付加させる観点から、画像形成粒子は、ポリオール樹脂を含有することが好ましい。
本発明で用いられる超臨界流体は、気体と液体とが共存できる限界(臨界点)を超えた温度・圧力領域において、非凝縮性高密度流体として存在し、圧縮しても凝縮を起こさない。また、超臨界流体は、臨界温度(以下、Tcともいう)以上、臨界圧力(以下、Pcともいう)以上の状態にある流体である限り、目的に応じて適宜選択することができるが、臨界温度が低いことが好ましい。
本発明で用いられる亜臨界流体は、臨界点近傍の温度・圧力領域において、高圧液体として存在する限り、目的に応じて適宜選択することができる。また、亜臨界流体とは、反応時の圧力、温度をそれぞれP、Tとしたときに、0.5Pc<P<Pc、0.5Tc<Tの状態にある流体又は0.5Pc<P、0.5Tc<T<Tcの状態にある流体を意味する。なお、亜臨界流体は、0.6Pc<P<Pc、0.6Tc<Tの状態にある流体又は0.6Pc<P、0.6Tc<T<Tcの状態にある流体であることが好ましい。ここで、T及びTcの単位は、℃であり、上記の亜臨界状態を表す式は、Tcが正の数である場合に適用される。なお、臨界温度は、−273℃以上400℃以下であることが好ましく、0℃以上200℃以下がさらに好ましい。また、臨界圧力は、1MPa以上であることが好ましく、7.2MPa以上がさらに好ましい。
本発明においては、重縮合反応時に脱水が行えることから、液化ガスも同様に用いることができる。液化ガスは、常温常圧において気体である物質が温度及び圧力を調整することにより液化された物質であり、目的に応じて適宜選択することができる。液化ガスの温度及び圧力としては、加熱又は加圧により液体として存在できる条件であればよいが、三重点における温度及び圧力よりも高温高圧であることが必要であり、常温以上で三重点における圧力よりも高圧であることが好ましい。なお、常温、常圧とは、それぞれ25℃、0.10MPaを意味する。
本発明で用いられる超臨界流体としては、一酸化炭素、二酸化炭素、アンモニア、窒素、水、メタノール、エタノール、エタン、プロパン、2,3−ジメチルブタン、ベンゼン、クロロトリフルオロメタン、ジメチルエーテル等が挙げられる。中でも、臨界温度が常温に近く、取扱い性に優れる点で、二酸化炭素が特に好ましい。臨界温度が30℃以上40℃以下である超臨界二酸化炭素及び超臨界一酸化炭素は、25℃以上300℃以下、5MPa以上100MPa以下の温度・圧力領域で使用することが好ましい。25℃未満、5MPa未満の温度・圧力領域では、二酸化炭素及び一酸化炭素は、超臨界流体になりにくい。また、300℃より高い温度領域では、生成したポリエーテル樹脂又はポリエステル樹脂が分解することがある。さらに、100MPaより高い圧力領域では、流体ポンプ等を具備する装置の運転に支障を来すことがある。ちなみに、二酸化炭素は、臨界温度31℃、臨界圧力7.53MPaで、一酸化炭素は、臨界温度37℃、臨界圧力7.26MPaである。
本発明で用いられる超臨界流体、亜臨界流体及び液化ガスは、単独で使用してもよいし、2種以上の混合物として使用してもよい。
本発明で用いられる流体は、超臨界流体、亜臨界流体及び液化ガス以外の流体を含有することもできる。このような流体としては、一酸化窒素、エタン、プロパン、エチレン等が挙げられる。このような流体と超臨界流体、亜臨界流体及び液化ガスの少なくとも一つとの混合比は、目的に応じて適宜選択することができる。
本発明で用いられる流体は、エントレーナーとして、有機溶媒を含有することが好ましい。エントレーナーとは、流体に低濃度の有機溶媒を混合させ、流体に溶解又は分散されている組成物の溶解性や拡散性を変化させる添加剤のことである。これにより、流体中における反応条件をより幅広く設定することができる。有機溶媒は、目的に応じて適宜選択することができ、メタノール、アンモニア、メラミン、尿素、チオジエチレングリコール等が挙げられる。
本発明で用いられる流体に有機溶媒等の流体を添加することにより、流体に対するジオール、ジカルボン酸、酸塩化物等のモノマー及びポリエステル樹脂又はポリエーテル樹脂の溶解性や相形成状態の変化を制御することが可能になる。なお、本明細書において、モノマーとは、重合反応性を有する原料を意味する。
本発明においては、重縮合反応を進行させるために、水を反応系外へ除去(脱水)する必要がある。脱水の方法としては、反応装置の一部に冷却又は減圧ができる分離槽を設け、分離槽で水を分離し、流体中から除去する方法が挙げられる。水を分離する際の流体は、画像形成粒子の原料及び画像形成粒子が溶解又は分散し、水が不溶となる温度及び圧力であることが好ましい。また、流体と副生成物の比重が異なると、容易に分離することができるため、さらに好ましい。
水を除去する別の方法としては、流体中に水と反応する物質を添加する方法、流体中に水を吸着する物質を添加する方法等がある。なお、水と反応する物質及び水を吸着する物質は、併用することができる。
流体中に水と反応する物質を添加する方法の具体例としては、水和物となる物質を添加し、水が流体中に戻らないようにトラップする方法が挙げられる。水和物となる物質としては、DL−アスパラギン、L−アスパラギン、L−アスパラギン酸一ナトリウム、アセチルアセトンカルシウム、アセチルアセトンコバルト、アセチルアセトンセリウム、アセチルアセトンニッケル、アセチルアセトンバリウム、アセチルアセトンマンガン、アセチルアセトンランタン、亜セレン酸ナトリウム、アデニン塩酸塩、アデノシン−5’−三リン酸二ナトリウム、亜テルル酸ナトリウム、亜ヒ酸鉄、アミド硫酸鉄、アミド硫酸ニッケル、5−アミノ−1H−テトラゾール、アミノグアニジン硫酸塩、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸カルシウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸マグネシウム、亜リン酸二ナトリウム、アルミン酸カリウム、アロキサン、安息香酸マグネシウム、アンモニウムライネッケ塩、イソアスコルビン酸ナトリウム、イノシン−5’−リン酸ナトリウム、イミノ二酢酸二ナトリウム、ウアバイン、エチレンジアミン、エチレンジアミン二酢酸二ナトリウムバリウム、エチレンジアミン四酢酸三ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸二カリウム、エチレンジアミン四酢酸二カリウム、エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムカルシウム、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムコバルト、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム銅、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム鉛、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムニッケル、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムマグネシウム、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムマンガン、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム、エルゴステロール、エルゴタミン酒石酸塩、塩化アルミニウム、塩化イッテルビウム、塩化イットリウム、塩化インジウム、塩化エルビウム、塩化オスミウム、塩化カドミウム、塩化ガドリニウム、塩化カルシウム、塩化金ナトリウム、塩化金酸、塩化クロム、塩化コバルト、塩化サマリウム、塩化ジスプロシウム、塩化スカンジウム、塩化スズ、塩化ストロンチウム、塩化セチルピリジニウム、塩化セリウム、塩化鉄、塩化テルビウム、塩化銅、塩化銅(II)アンモニウム、塩化ニアンモニウム銅、塩化ニッケル、塩化ネオジム、塩化白金、塩化バリウム、塩化1,10−フェナントロリニウム、塩化プラセオジム、塩化ベルベリン、塩化ホルミウム、塩化マグネシウム、塩化マンガン、塩化ユウロピウム、塩化ランタン、塩化リチウム、塩化ルテチウム、塩化ルテニウム、塩化ロジウム、塩基性酢酸アルミニウム、塩酸L−システイン、塩酸シンコニン、塩酸ピペラジン、塩酸ファドロゾール、塩素酸バリウム、オキシ塩化ジルコニウム、オキシ硝酸ジルコニウム、オキシテトラサイクリン、オルトケイ酸ナトリウム、オロチン酸、過塩素酸コバルト、過塩素酸水銀、過塩素酸セリウム、過塩素酸鉄、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸鉛、過塩素酸リチウム、カコジル酸ナトリウム、L−カナバニン硫酸塩、ガラクトース−6−リン酸バリウム、カルセイン、ギ酸亜鉛、ギ酸銅、キサントシン、ギ酸ニッケル、ギ酸リチウム、8−キノリノール硫酸塩、グアノシン−5’−リン酸二ナトリウム、クエン酸亜鉛、クエン酸、クエン酸カルシウム、クエン酸三カリウム、クエン酸三ナトリウム、クエン酸鉄、クエン酸銅、クエン酸鉛、クエン酸マグネシウム、クエン酸リチウム、グリシル−L−チロシン、β−グリセロリン酸二ナトリウム、D−グルコース−6−リン酸二カリウム、グルコース−1−リン酸二カリウム、D−グルコース−6−リン酸バリウム、グルコン酸カルシウム、L−グルタミン酸ナトリウム、クレアチン、クロム酸カルシウム、クロム酸ナトリウム、クロム酸マグネシウム、クロム酸リチウム、クロモトロープ酸二ナトリウム、クロロ金酸ナトリウム、4−クロロベンゼンスルホン酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイフッ化亜鉛、ケイフッ化カルシウム、ケイフッ化鉄、ケイフッ化ニッケル、ケイフッ化マグネシウム、ケイフッ化マンガン、コール酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、酢酸亜鉛、酢酸イッテルビウム、酢酸イットリウム、酢酸エルビウム、酢酸カドミウム、酢酸カルシウム、酢酸クロム、酢酸コバルト、酢酸サマリウム、酢酸ジスプロシウム、酢酸ストロンチウム、酢酸セリウム、酢酸ツリウム、酢酸テルビウム、酢酸銅、酢酸ナトリウム、酢酸鉛、酢酸ニッケル、酢酸ネオジム、酢酸マグネシウム、酢酸マンガン、酢酸ランタン、酢酸リチウム、酢酸ルテチウム、サッカリンナトリウム、サリチル酸カルシウム、酸化硫酸バナジウム、酸化ルテニウム、3,3’−ジアミノベンジジン四塩酸塩、次亜リン酸ナトリウム、シアン化ニッケル(II)カリウム、4,4’−ジアンチピリルメタン、N,N−ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム、2,6−ジクロロインドフェノールナトリウム、2,6−ジクロロフェノール−インドフェノールナトリウム、塩酸L−システイン、L−システイン酸、ジチオン酸ナトリウム、β−シトスタノール、四ホウ酸アンモニウム、四ホウ酸アンモニウム、四ホウ酸ナトリウム、2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリン、臭化カドミウム、臭化カルシウム、臭化クロム、臭化コバルト、臭化ストロンチウム、臭化セチルピリジニウム、臭化セリウム、臭化ニッケル、臭化バリウム、臭化マグネシウム、臭化マンガン、臭化リチウム、重クロム酸ナトリウム、シュウ酸亜鉛、シュウ酸アルミニウム、シュウ酸アンモニウム、シュウ酸エルビウム、シュウ酸カリウム、シュウ酸カルシウム、シュウ酸コバルト、シュウ酸ジスプロシウム、シュウ酸セリウム、シュウ酸チタンカリウム、シュウ酸鉄アンモニウム、シュウ酸鉄、シュウ酸銅、シュウ酸、シュウ酸ニッケル、シュウ酸バナジル、シュウ酸バリウム、シュウ酸プラセオジム、シュウ酸マグネシウム、シュウ酸マンガン、シュウ酸ランタン、酒石酸アンチモニルカリウム、酒石酸アンチモニル(III)カリウム、酒石酸アンチモンカリウム、酒石酸カリウムアンチモン、酒石酸カルシウム、(+)−酒石酸水素ナトリウム、酒石酸銅、(+)−酒石酸ナトリウムカリウム、(+)−酒石酸ナトリウム、L−(+)−酒石酸ニコチン、酒石酸ニッケル、硝酸亜鉛、硝酸アルミニウム、硝酸イッテルビウム、硝酸イットリウム、硝酸インジウム、硝酸ウラニル、硝酸エルビウム、硝酸カドミウム、硝酸ガドリニウム、硝酸ガリウム、硝酸カルシウム、硝酸クロム、硝酸コバルト、硝酸サマリウム、硝酸水銀、硝酸スカンジウム、硝酸セリウム、硝酸タリウム、硝酸鉄、硝酸銅、硝酸ニッケル、硝酸ネオジム、硝酸ビスマス、硝酸プラセオジム、硝酸ホルミウム、硝酸マグネシウム、硝酸マンガン、硝酸ユウロピウム、硝酸ランタン、硝酸ルテチウム、水酸化ストロンチウム、水酸化セシウム、水酸化セリウム、水酸化バリウム、水酸化リチウム、水酸化ルビジウム、水硫化ナトリウム、スコポラミン臭化水素酸塩、スズ酸カリウム、スズ酸ナトリウム、スルファニル酸ナトリウム、スルファミン酸ニッケル、5−スルホサリチル酸、セレン酸銅、セロトニンクレアチニン硫酸塩、第二リン酸ナトリウム、タングステン酸アンモニウム、タングステン酸ナトリウム、12−タングストリン酸塩、炭酸イッテルビウム、炭酸イットリウム、炭酸サマリウム、炭酸ジスプロシウム、炭酸セリウム、炭酸ナトリウム、炭酸マンガン、炭酸ユウロピウム、炭酸ランタン、チオシアン酸カルシウム、チオシアン酸ニッケル、チオシアン酸マグネシウム、チオ硫酸ナトリウム、チミジン−5’−一リン酸二ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホウ酸ナトリウム、テトラクロロ金(III)酸ナトリウム、テトラクロロ金(III)酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、テルル酸カリウム、ドセタキセル、1,1,1−トリクロロ−2−メチル−2−プロパノール、トリクロロアセトアルデヒド、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、トルイレンブルー、p−トルエンスルホンクロロアミドナトリウム、D(+)−トレハロース、七モリブデン酸六アンモニウム、ナフチオン酸ナトリウム、1−ナフチルリン酸一ナトリウム、二塩酸ピリドキサミン、二クロム酸ナトリウム、二酸化ルテニウム、二シュウ酸三水素カリウム、ニトリロ三酢酸三ナトリウム、p−ニトロフェニルリン酸二ナトリウム、乳酸亜鉛、乳酸カルシウム、乳酸鉄、乳酸ニッケル、乳酸マグネシウム、二リン酸ナトリウム、ネオクプロイン、ヒ酸二ナトリウム、ヒ酸マグネシウム、ビス(リン酸二水素)カルシウム、ビス[(+)−タルトラト]二アンチモン(III)酸二カリウム、D−ヒスチジン一塩酸塩、L−ヒスチジン塩酸塩、ヒドラジン、ヒドラジン二臭化水素酸塩、ヒドリンダンチン、ピペミド酸、ピペラジン、ピロリン酸亜鉛、ピロリン酸銅、ピロリン酸ナトリウム、フェニルヒドラジン−4−スルホン酸、2−フェニルフェノールナトリウム、フェニルリン酸二ナトリウム、フェノールスルホン酸亜鉛、p−フェノールスルホン酸ナトリウム、フェロシアン化カリウム、フェロシアン化ナトリウム、フッ化亜鉛、フッ化クロム、フッ化銅、フッ化ニッケル、フラビンアデニンジヌクレオチド二ナトリウム、ブルシン、ブルシン硫酸塩、プロトカテキユ酸、フロログルシン、ヘキサクロロ白金酸、ヘキサシアノ鉄(II)酸四カリウム、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム、ヘキサフルオロアセトン、ヘマトキシリン、ペルオキソホウ酸ナトリウム、ベンゼンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ペンタシアノニトロシル鉄(III)酸ナトリウム、ホウ酸鉛、ホウフッ化マンガン、ホスカルネットナトリウム、ホスフィン酸ナトリウム、マルトース、マレイン酸二ナトリウム塩、メタケイ酸ナトリウム、3−メチル−2−ベンゾチアゾリノンヒドラゾン塩酸塩、5−メチル−1,10−フェナントロリン、メチレンブルー、D(+)−メリビオース、モリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸ナトリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化コバルト、ヨウ化水銀(II)カリウム、ヨウ化セリウム、ヨウ化ニッケル、ヨウ化バリウム、ヨウ化マグネシウム、ヨウ化リチウム、ヨウ素酸カルシウム、ライネッケ塩、ラクトース、D−(+)−ラフィノース、D−(+)−ラフィノース、α−L−ラムノース、リボフラビンリン酸ナトリウム、硫化ナトリウム、硫酸亜鉛、硫酸アデニン、硫酸アトロピン、硫酸アルミニウム、硫酸アンモニウム第一鉄、硫酸アンモニウム鉄、硫酸イッテルビウム、硫酸イットリウム、硫酸インジウム、硫酸ガドリニウム、硫酸カルシウム、硫酸キニーネ、硫酸クロム、硫酸コバルト、硫酸ジルコニウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸スカンジウム、硫酸セリウム、硫酸鉄アンモニウム、硫酸鉄、硫酸チタン、硫酸銅、硫酸ナトリウム、硫酸二アンモニウムコバルト、硫酸ニッケルアンモニウム、硫酸ニッケル、硫酸ネオジム、硫酸バナジル、硫酸ベリリウム、硫酸8−ヒドロキシキノリン、硫酸プラセオジム、硫酸ホルミウム、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン、硫酸四アンモニウムセリウム、硫酸リチウム、DL−リンゴ酸ナトリウム、DL−リンゴ酸二ナトリウム、リン酸亜鉛、リン酸一ナトリウム、リン酸クロム、リン酸コバルト、リン酸三アンモニウム、リン酸水素アンモニウムナトリウム、リン酸水素カルシウム、リン酸水素マグネシウム、リン酸鉄、リン酸銅、リン酸二水素カルシウム、リン酸二水素ナトリウム、5−リン酸ピリドキサール、リン酸マグネシウム、リンタングステン酸アンモニウム、リンタングステン酸ナトリウム、リンモリブデン酸アンモニウム、リンモリブデン酸、リンモリブデン酸ナトリウム、ハルマリン塩酸塩、没食子酸等が挙げられるが、高温高圧下でも分解されないことが必要であるので、水和物となる無機塩であることが好ましく、硫酸塩がさらに好ましく、硫酸マグネシウム及び硫酸ナトリウムが特に好ましい。
水を吸着する物質の具体例としては、活性炭、モレキュラーシーブス、シリカゲル、ポリビニルアルコール、デンプン・ポリアクリロニトリル加水分解物、デンプン・ポリアクリル酸塩架橋物、架橋カルボキシメチルセルロース、酢酸ビニル・アクリル酸メチル共重合体ケン化物、ポリアクリル酸ナトリウム架橋物等が挙げられるが、これらの中でも、活性炭、モレキュラーシーブス、シリカゲルが好ましく、モレキュラーシーブスが特に好ましい。モレキュラーシーブスは、結晶性ゼオライトで、アルミノケイ酸塩質の結晶材料である。
水と反応する物質及び水を吸着する物質は、流体中に分散させることも可能であるが、分離工程の簡便さから、反応系内の一部に集積させた上で、流体を循環させることが好ましい。なお、水の一部を流体中に残存させ、流体に対するジオール、ジカルボン酸、酸塩化物等のモノマー及びポリエステル樹脂又はポリエーテル樹脂の溶解性や相形成状態の変化を制御することもできる。
流体中で重縮合反応を行う際には、攪拌しながら行うことが好ましい。撹拌し、せん断力を与えることで、反応系を均一にすることができる。反応系を循環させることも可能であるが、各種分散機を用いて攪拌し、せん断力を加えることが好ましい。攪拌は、公知の方法を用いて行うことができ、具体的には、公知の撹拌機;T.K.ホモミクサー(特殊機化工業社製)、クレアミックス(エム・テクニック社製)等の高せん断力を有する撹拌機;超音波分散機等の分散手段により分散させ、溶解流体又は分散流体とする方法が挙げられる。攪拌機の撹拌翼は、パドル型よりもタービン型が好ましい。また、この他に、予め流体中で安定な鋼鉄製ボール等の硬質球を耐圧容器中に入れておき、耐圧容器を振とうさせて攪拌する方法等が挙げられる。
重縮合反応は、流体が所定の温度及び圧力に設定され、反応系を均一にした状態で開始する。具体的には、エステル化反応においては、反応系の温度は、通常、60℃以上280℃以下であり、180℃以上250℃以下が好ましく、210℃以上245℃以下がさらに好ましい。反応系の圧力は、通常、流体が超臨界状態、亜臨界状態及び液化ガスのいずれかとなる圧力であり、0.5MPa以上が好ましく、7.2MPa以上がさらに好ましい。このとき、流体が超臨界状態又は亜臨界状態となる条件で重縮合反応が行われることが好ましい。これは、超臨界状態又は亜臨界状態の流体は、極めて活性の高い環境であり、重縮合反応が促進されるからである。また、ポリエステル樹脂又はポリエーテル樹脂を長時間高温高圧下に置くと分解反応が生じてしまうので、超臨界状態又は亜臨界状態の流体中に存在させる時間は、ポリエステル樹脂又はポリエーテル樹脂が分解されない程度の時間にすることが好ましい。
重縮合反応の方法としては、まず、耐圧容器にジオール、ジカルボン酸、酸塩化物等のモノマーを仕込み、加圧ポンプにより超臨界状態、亜臨界状態及び液化ガスの少なくとも一つを含有する流体を耐圧容器内に入れ、水を流体中から除去し、ポリエステル樹脂又はポリエーテル樹脂を生成させる。そして、流体を、常温常圧に戻す。このとき、流体が常温常圧で気体であれば、流体は気化する。水を除去する装置は、目的に応じて適宜選択することができるが、水と流体を分離する減圧バルブを有する分離層又は水と反応する物質及び水を吸着する物質の少なくとも一方を貯えた層を備えた装置等が挙げられる。分離槽を用いる場合は、減圧バルブにより減圧して水と分離した流体を再利用してもよい。
また、超臨界状態、亜臨界状態及び液化ガスの少なくとも一つの状態を所定時間保った後には、流体を速やかに降温して開圧することが好ましい。また、所定時間が経過した後には、密封状態のまま急冷して常温常圧に戻すことにより、ポリエステル樹脂又はポリエーテル樹脂の分解反応等を防止することができる。耐圧容器を急冷する方法としては、空冷、水冷等が挙げられる。
このようにして得られたポリエステル樹脂又はポリエーテル樹脂を用いて、画像形成粒子を製造することができる。ポリエステル樹脂又はポリエーテル樹脂に含有することができる成分は、目的に応じて適宜選択することができる。具体的には、紙等の記録媒体への接着を目的とする接着性基材、着色剤、離型剤、帯電制御剤、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料等の1つ又は複数の機能を示すものが挙げられる。必要に応じて、ポリエステル樹脂又はポリエーテル樹脂に、着色剤、離型剤、無機粒子、樹脂粒子、帯電制御剤、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料等の添加剤と混合して表面に分散する処理、さらに、添加剤を固定化する処理をすることができる。また、ポリエステル樹脂又はポリエーテル樹脂を、添加剤を含有する溶解液、分散液、超臨界流体又は亜臨界流体に浸漬する処理を加えることもできる。
画像形成粒子の製造方法としては、超臨界流体、亜臨界流体及び液化ガスのいずれかの状態にある常温常圧下で気体である物質中で、ジオール、ジカルボン酸、酸塩化物等のモノマー及び着色剤やその他必要な添加剤を含有させた混合物を分散させた後、水を除去することにより重縮合反応を進行させる方法や、得られた画像形成粒子を、必要であれば、他の画像形成粒子と混合して、水性溶媒中又は超臨界流体、亜臨界流体及び液化ガスのいずれかの状態にある常温常圧下で気体である物質中で分散した後、凝集又は融着させる方法等がある。他の画像形成粒子は、特に限定されるものではないが、例えば、ジェット気流を用いた微粉砕機や機械式粉砕機で微粉砕された画像形成粒子、水性溶媒中で乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法等を用いて得られる画像形成粒子等が挙げられる。また、本発明で得られる画像形成粒子を複数種、水性溶媒中又は超臨界流体、亜臨界流体及び液化ガスのいずれかの状態にある常温常圧下で気体である物質中で分散させた後、凝集又は融着させることも可能である。
画像形成粒子を凝集又は融着させるために、有機溶媒、凝集剤等を添加することができる。なお、画像形成粒子を凝集又は融着させる際に、添加剤の分散液と混合することが好ましい。ここで、凝集又は融着とは、画像形成粒子が複数個会合することを意味する。なお、流体として、常温常圧で気体である物質を用いる場合は、減圧及び冷却により、凝集エネルギーを運動エネルギーよりも大きくすることにより、画像形成粒子を凝集させることもできる。また、常温常圧に戻すことで、流体を除去することができる。
本発明で用いられる水性溶媒は、画像形成粒子を溶解しない溶媒であることが好ましく、具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、t−ブタノール、メトキシエタノール、ブトキシエタノール等のアルコール類、アセトニトリル等のニトリル類、ジオキサン等のエーテル類を挙げることができる。この中でも、エタノール、プロパノール、イソプロパノールが好ましい。
水性溶媒を用いる方法の具体例としては、特開平5−265252号公報、特開平6−329947号公報、特開平9−15904号公報等に示される方法を挙げることができる。これらの方法で述べられているのは、樹脂粒子等の構成材料の分散粒子又は樹脂等より構成される粒子を複数会合させる方法であり、特に、水性溶媒中で乳化剤を用いて分散した後に、臨界凝集濃度以上の凝集剤を加え塩析させると同時に、形成された重合体自体のガラス転移点温度以上で加熱融着させて融着粒子を形成しつつ、徐々に粒子径を成長させ、目的の粒子径となったところで水を多量に加えて粒子径成長を停止させ、さらに加熱、攪拌しながら粒子表面を平滑にして形状を制御し、得られた粒子を含水状態のまま流動状態で加熱乾燥することにより、樹脂粒子を形成する方法である。なお、凝集剤を添加する際に、水性溶媒を添加してもよい。
画像形成粒子の粒子径は、目的とする非球状粒子の粒子径以下であれば構わないが、一般的に用いられる画像形成粒子の粒子径は、0.01μm以上10μm以下であることが好ましい。
凝集剤は、特に限定されるものではないが、金属塩が好ましい。具体的には、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属の塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類の金属塩、マンガン、銅等の二価の金属の塩、鉄、アルミニウム等の三価の金属の塩等が挙げられ、具体的な塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛、硫酸銅、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン等が挙げられる。なお、凝集剤は、単独又は2種以上混合して使用することができる。
これらの凝集剤は、臨界凝集濃度以上添加することが好ましい。この臨界凝集濃度とは、水性分散物の安定性に関する指標であり、凝集剤を添加して凝集が発生する濃度を示すものである。この臨界凝集濃度は、乳化された成分及び分散剤によって大きく変化する。例えば、岡村誠三他著「高分子化学17、601(1960)日本高分子学会編」等に記述されており、詳細な臨界凝集濃度を求めることができる。また、別な手法として、目的とする粒子分散液に、濃度を変えて所望の塩を添加し、その分散液のζ(ゼータ)電位を測定し、この値が変化する塩濃度を臨界凝集濃度として求めることもできる。
凝集剤の添加量は、通常、臨界凝集濃度以上であるが、臨界凝集濃度の1.2倍以上が好ましく、臨界凝集濃度の1.5倍以上がさらに好ましい。
なお、形状を均一化させるためには、画像形成粒子を調製し、濾過、洗浄した後に、画像形成粒子に対して10重量%以上の水が存在したスラリーを流動乾燥させることが好ましいが、この際、画像形成粒子が極性基を有する樹脂を含有することが好ましい。この理由として、極性基を有する樹脂は、水により膨潤し、形状の均一化が図られやすいことが挙げられる。
画像形成粒子を会合させる方法としては、通常の撹拌機、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業社製)、クレアミックス(エム・テクニック社製)等の高せん断力を有する撹拌機により、画像形成粒子を分散させることで、会合粒子を形成する方法が挙げられる。会合粒子の粒子径を調整するために、系内の温度、pH、攪拌機回転数等を制御する必要がある。造粒時間は、特に限定されないが、5分以上1時間以下であることが好ましい。
画像形成粒子を均一に分散させるために、水性媒体中に界面活性剤や分散安定剤を添加することができる。
界面活性剤は、重合性単量体の重量に対して0.001重量%以上0.1重量%以下であることが好ましい。界面活性剤としては、イオン性界面活性剤が好ましく、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルホン酸ナトリウム、3,3−ジスルホンジフェニル尿素−4,4−ジアゾ−ビス−アミノ−8−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム、o−カルボキシベンゼン−アゾ−ジメチルアニリン、2,2,5,5−テトラメチル−トリフェニルメタン−4,4−ジアゾ−ビス−β−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム等のスルホン酸塩;ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム等の硫酸エステル塩;オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム等の脂肪酸塩等が挙げられる。また、ノニオン性界面活性剤も使用することができ、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオキサイドの混合物、ポリエチレングリコールと高級脂肪酸とのエステル、アルキルフェノールポリエチレンオキサイド、高級脂肪酸とポリエチレングリコールのエステル、高級脂肪酸とポリプロピレンオキサイドのエステル、ソルビタンエステル等が挙げられる。
分散安定剤は、無機化合物の分散安定剤としては、コバルト、鉄、ニッケル、アルミニウム、銅、スズ、鉛、マグネシウム等の金属又はその合金(特に、粒子径が1μm以下であることが好ましい);リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ、チタニア、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、酸化亜鉛等の酸化物の無機化合物微粉体;カーボンブラック、ニグロシン染料、アニリンブルー、クロームイエロー、フタロシアニンブルー、ローズベンガル等の顔料;染料類等が挙げられる。有機系化合物の分散安定剤としては、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等の酸類;アクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸、メタクリル酸、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等の水酸基を含有するアクリル系単量体;ビニルアルコール又はビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル等のビニルアルコールとのエーテル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類;アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド又はこれらのメチロール化合物;アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド等の酸クロライド類;ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン等の窒素原子又はその複素環を有するモノマーのホモポリマー又は共重合体;ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステル等のポリオキシエチレン系;メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース類;上記親水性モノマーとスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のベンゼン環を有するモノマー又はその誘導体との共重合体;上記親水性モノマーとアクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸誘導体又はメタクリル酸誘導体との共重合体;上記親水性モノマーとエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールメタクリレート、メタクリル酸アリル、ジビニルベンゼン等の架橋性モノマーとの共重合体が挙げられる。
また、分散安定剤として、側鎖に長鎖フッ素置換基を有するアクリル樹脂を用いることもできる。用いる溶媒種や温度及び圧力の条件によって、側鎖に長鎖フッ素置換基を有するアクリル樹脂をスチレン等の共重合体として用いることも可能である(DeSimone.J.M.,et.al,Science,256,356(1994)参照)。
さらに、分散安定剤として、樹脂粒子を用いることもできる。このような樹脂粒子としては、水性溶媒中で水性分散液を形成しうる公知の樹脂粒子の中から目的に応じて適宜選択することができ、熱可塑性樹脂であってもよいし、熱硬化性樹脂でもよい。具体的には、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。これらは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。樹脂粒子の体積平均粒子径は、乳化性を確保できる粒子径であれば特に制限はないが、1nm以上1μm以下であることが好ましく、10nm以上500nm以下がさらに好ましい。
分散安定剤は、モノマー100重量部に対して、0.2〜10.0重量部を添加することが好ましい。
超臨界流体、亜臨界流体及び液化ガスを媒体として用いる場合も、凝集剤を用いて凝集又は融着させて画像形成粒子を製造することができる。また、減圧及び冷却により、凝集エネルギーが運動エネルギーを上回り、粒子を凝集させることも可能である。
着色剤としては、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン等が挙げられる。これらは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
画像形成粒子中の着色剤の含有量は、目的に応じて適宜選択することができるが、1重量%以上15重量%以下であることが好ましく、3重量%以上10重量%以下がより好ましい。含有量が1重量%未満であると、画像形成粒子の着色力が低下し、15重量%を超えると、画像形成粒子中での顔料の分散不良が起こり、着色力の低下及び画像形成粒子の電気特性の低下を招くことがある。
着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして使用してもよい。樹脂としては、目的に応じて公知の樹脂の中から適宜選択することができ、スチレン又はその置換体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリル酸、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィン等が挙げられる。これらは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
スチレン又はその置換体の重合体としては、ポリエステル樹脂、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン等が挙げられる。スチレン系共重合体としては、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタレン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロロメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等が挙げられる。
マスターバッチは、樹脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合又は混練させて製造することができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を向上させるために、有機溶剤を添加することが好ましい。また、フラッシング法も着色剤のウエットケーキを用いることができ、乾燥する必要がない点で好適である。フラッシング法は、着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤と共に混合又は混練し、着色剤を樹脂に移行させて水分及び有機溶剤を除去する方法である。混合又は混練には、三本ロールミル等の高せん断分散装置が好適に用いられる。
離型剤としては、目的に応じて公知の離型剤の中から適宜選択することができ、ワックス類等が挙げられる。ワックス類としては、低分子量ポリオレフィンワックス、合成炭化水素系ワックス、天然ワックス類、石油ワックス類、高級脂肪酸及びその金属塩、高級脂肪酸アミド、これらの各種変性ワックス等が挙げられる。これらは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
低分子量ポリオレフィンワックスとしては、低分子量ポリエチレンワックス、低分子量ポリプロピレンワックス等が挙げられる。合成炭化水素ワックスとしては、フィッシャートロプシュワックス等が挙げられる。天然ワックス類としては、蜜ろう、カルナバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、モンタンワックス等が挙げられる。石油ワックス類としては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。高級脂肪酸としては、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸等が挙げられる。
離型剤の融点としては、目的に応じて適宜選択することができるが、40℃以上160℃以下であることが好ましく、50℃以上120℃以下がより好ましく、60℃以上90℃以下が特に好ましい。融点が40℃未満であると、ワックスが耐熱保存性に悪影響を与えることがあり、160℃を超えると、低温での定着時にコールドオフセットを起こしやすく、定着機への紙の巻き付き等が発生することがある。
画像形成粒子中の離型剤の含有量としては、目的に応じて適宜選択することができるが、40重量%以下であることが好ましく、3重量%以上30重量%以下がより好ましい。含有量が40重量%を超えると、低温定着性の阻害や光沢度が高過ぎることによる画質の劣化が生じることがある。
無機粒子としては、目的に応じて公知の無機粒子の中から適宜選択することができ、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等が挙げられる。これらは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
無機粒子の一次粒子径は、5nm以上2μm以下であることが好ましく、5nm以上500nm以下がより好ましい。また、無機粒子のBET法による比表面積は、20m2/g以上500m2/g以下であることが好ましい。
画像形成粒子中の無機粒子の含有量は、0.01重量%以上5.0重量%以下であることが好ましく、0.01重量%以上2.0重量%以下がより好ましい。なお、無機粒子は、画像形成粒子の外添剤として好適に使用することができる。詳細は後述する。
帯電制御剤としては、公知の帯電制御剤の中から目的に応じて適宜選択することができるが、有色材料を用いると、色調が変化することがあるため、無色又は白色に近い材料が好ましく、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又はその化合物、タングステンの単体又はその化合物、フッ素系界面活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩等が挙げられる。これらの中でも、サリチル酸金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩が好ましい。これらは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
金属としては、目的に応じて適宜選択することができ、アルミニウム、亜鉛、チタン、ストロンチウム、ホウ素、ケイ素、ニッケル、鉄、クロム、ジルコニウム等が挙げられる。
帯電制御剤は、市販品を使用してもよく、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、コピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸、カルボン酸、4級アンモニウム塩等を有する高分子化合物等が挙げられる。
帯電制御剤は、マスターバッチと共に溶融混練させた後、溶解又は分散させてもよく、画像形成粒子の各成分と共に有機溶媒に直接、溶解又は分散させる際に添加してもよく、画像形成粒子製造後に表面に固定させてもよい。
画像形成粒子中の帯電制御剤の含有量は、結着樹脂の種類、添加剤の有無、分散方法等により異なり、一概に規定することができないが、結着樹脂に対して、0.1重量%以上10重量%以下であることが好ましく、1重量%以上5重量%以下がより好ましい。含有量が0.1重量%未満であると、画像形成粒子の帯電特性の悪化が見られることがあり、10重量%を超えると、画像形成粒子の帯電性が大きくなりすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させて、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や画像濃度の低下を招くことがある。
樹脂粒子としては、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、ソープフリー乳化重合、懸濁重合、分散重合等によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル共重合体、シリコーン樹脂、ベンゾグアナミン、ナイロン等の重縮合樹脂、熱硬化性樹脂等で形成された粒子が挙げられる。これらは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。重合粒子は、粒子径分布が狭いものが好ましく、体積平均粒子径が0.01μm以上1μm以下であるものが好適である。
流動性向上剤は、表面処理を行って、疎水性を向上させ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止できるものを意味し、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル等が挙げられる。これらは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
クリーニング性向上剤は、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するために画像形成粒子に添加され、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ポリメタクリル酸メチル粒子、ポリスチレン粒子等のソープフリー乳化重合により得られる樹脂粒子等が挙げられる。これらは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
磁性材料としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄、鉄、コバルト、ニッケル等の金属、これらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウム等の金属の合金、その混合物等が挙げられる。これらの磁性材料は、数平均粒子径が通常2μm以下であり、0.1μm以上0.5μm以下程度が好ましい。画像形成粒子中の磁性体の含有量は、通常、重合性単量体100重量部に対して、20重量部以上200重量部以下であり、40重量部以上150重量部以下が好ましい。また、磁性体の800kA/m印加時の保磁力が1.6kA/m以上24kA/m以下であり、飽和磁化が50Am2/kg以上200Am2/kg以下であり、残留磁化が2Am2/kg以上20Am2/kg以下であることが好ましい。
また、これらの磁性体の画像形成粒子中での分散性を向上させるために、磁性体の表面を疎水化処理することが好ましい。疎水化処理には、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等のカップリング剤類が用いられるが、シランカップリング剤が好ましく用いられる。シランカップリング剤としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン等が挙げられる。
ポリエステル樹脂又はポリエーテル樹脂に添加剤を固定化する方法として、樹脂の表面に添加剤を付着させ、加熱処理する方法又は機械的エネルギーを加える方法がある。紙等の記録媒体への接着を目的とする接着性基材、着色剤、離型剤、帯電制御剤、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料等の添加剤を樹脂の表面に固定化することにより、画像形成粒子の画質、耐久性、信頼性等を向上させることができる。
機械的エネルギーを与える方法としては、高速で回転する羽根により、混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入して加速させ、樹脂同士又は樹脂を適当な衝突板に衝突させる方法等がある。具体的な装置としては、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)等の通常の粉砕よりも粉砕エアー圧力を下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム・KOSMOS(川崎重工業社製)、自動乳鉢等が挙げられる。
本発明においては、添加剤を液体中で付着させるために、乾燥後に上記のような装置で固定化処理を行ってもよいが、乾燥工程中で固定化処理を行うこともできる。具体的には、通常のスプレードライヤーの他に、媒体流動乾燥装置MSD(奈良機械製作所製)、流動層乾燥装置スラリードライヤー(大河原製作所社製)等を用いて、乾燥と固定化を同時に行うことができる。
本発明の画像形成粒子は、本発明の画像形成粒子の製造方法により製造されているため、粉砕式トナーよりも粒子径が小さく、粒度分布が狭い。また、ラジカル重合により得られた重合トナーよりも低温定着性及び透明性に優れている。
本発明において、画像形成粒子の体積平均粒子径(Dv)は、通常0.1μm以上10μm以下であり、2μm以上8μm以下が好ましい。数平均粒径(Dn)に対する体積平均粒子径の比(Dv/Dn)は1.25以下であることが好ましく、1.05以上1.20以下がさらに好ましい。このような画像形成粒子により、耐熱保存性、低温定着性、耐ホットオフセット性のいずれにも優れ、フルカラー複写機等に用いた場合に画像の光沢性に優れ、さらに二成分現像剤においては、長期にわたる画像形成粒子の収支が行われても、現像剤中の画像形成粒子の粒子径の変動が少なくなり、現像装置における長期の攪拌においても、良好で安定した現像性が得られる。また、一成分現像剤として用いた場合においても、画像形成粒子の収支が行われても、画像形成粒子の粒子径の変動が少なくなると共に、現像ローラへの画像形成粒子のフィルミングや、画像形成粒子を薄層化する為のブレード等の部材への画像形成粒子の融着がなく、現像装置の長期の使用(攪拌)においても、良好で安定した現像性及び画像が得られる。
一般的には、画像形成粒子の粒子径は小さければ小さい程、高解像で高画質の画像を得るために有利であるが、転写性やクリーニング性に対しては不利である。また、体積平均粒子径が0.1μmより小さい場合、二成分現像剤では、現像装置における長期の攪拌においてキャリアの表面に画像形成粒子が融着し、キャリアの帯電能力を低下させることがある。また、一成分現像剤では、現像ローラへの画像形成粒子のフィルミングや、画像形成粒子を薄層化するためのブレード等の部材への画像形成粒子の融着を発生させやすくなる。また、これらの現象は、微粉の含有量が多い画像形成粒子においても同様である。
逆に、画像形成粒子の粒子径が10μmよりも大きい場合には、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなると共に、現像剤中の画像形成粒子の収支が行われた場合に画像形成粒子の粒子径の変動が大きくなる場合が多い。なお、Dv/Dnが1.25より大きい場合も同様である。また、Dv/Dnが1.05より小さい場合には、画像形成粒子の挙動の安定化、帯電量の均一化の面から好ましい面もあるが、画像形成粒子を十分に帯電することができなかったり、クリーニング性を悪化させたりする場合がある。
Dv及びDv/Dnは、粒度測定器コールターカウンターTAII(コールターエレクトロニクス社製)を用いて測定することができる。
画像形成粒子の重量平均分子量としては、目的に応じて適宜選択することができるが、1000以上であることが好ましく、2000以上1000万以下がより好ましく、3000以上1000000以下が特に好ましい。重量平均分子量が1000未満であると、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
接着性基材のガラス転移温度としては、目的に応じて適宜選択することができるが、30℃以上70℃以下であることが好ましく、40℃以上65℃以下がより好ましい。ガラス転移温度が、30℃未満であると、画像形成粒子の耐熱保存性が悪化することがあり、70℃を超えると、低温定着性が十分でないことがある。
針入度は、針入度試験(JIS K2235−1991)で測定した針入度が、15mm以上であることが好ましく、20mm以上30mm以下がより好ましい。針入度が15mm未満であると、耐熱保存性が悪化することがある。なお、針入度の値が大きい程、耐熱保存性が優れることを意味している。
低温定着性としては、定着温度低下とオフセット未発生とを両立させる観点からは、定着下限温度が低くなる程好ましく、また、オフセット未発生温度が高くなる程好ましい。定着温度低下とオフセット未発生とを両立させるためには、定着下限温度が150℃未満、オフセット未発生温度が200℃以上であることが好ましい。なお、定着下限温度は、画像形成装置を用い、転写紙をセットし、複写テストを行い、得られた定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度を定着下限温度としたものである。オフセット未発生温度は、画像形成装置を用いて、転写紙をセットし、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各単色並びにレッド、ブルー、及びグリーンの中間色のベタ画像を各単色で現像されるように調整し、定着ベルトの温度が可変となるように調整して、オフセットの発生しない温度を測定することによって求めることができる。
熱特性は、フローテスター特性とも言われ、軟化温度、流出開始温度、1/2法軟化点等として評価される。これらの熱特性は、適宜選択した方法により測定することができ、高架式フローテスターCFT500型(島津製作所社製)を用いて測定したフローカーブから求めることができる。
軟化温度は、目的に応じて適宜選択することができるが、50℃以上であることが好ましく、80℃以上120℃以下がより好ましい。軟化温度が、50℃未満であると、耐熱保存性及び低温保存性の少なくとも一方が悪化することがある。流出開始温度は、目的に応じて適宜選択することができるが、60℃以上であることが好ましく、70℃以上150℃以下がより好ましい。流出開始温度が60℃未満であると、耐熱保存性及び低温保存性の少なくとも一方が悪化することがある。1/2法軟化点は、目的に応じて適宜選択することができるが、60℃以上であることが好ましく、80℃以上170℃以下がより好ましい。1/2法軟化点が、60℃未満であると、耐熱保存性及び低温保存性の少なくとも一方が悪化することがある。
画像濃度は、分光計938スペクトロ・デンシトメータ(X−ライト社製)を用いて測定した濃度値が、1.90以上であることが好ましく、2.00以上がより好ましく、2.10以上が特に好ましい。画像濃度が、1.90未満であると、画像濃度が低く、高画質が得られないことがある。
画像濃度は、imagio Neo 450(リコー社製)を用いて、現像剤の付着量が1.00±0.05mg/cm2のベタ画像を複写紙TYPE6000<70W>(リコー社製)に、定着ローラの表面温度が160±2℃の条件で形成し、ベタ画像の任意の6箇所の画像濃度を、分光計938スペクトロ・デンシトメータを用いて測定し、その平均値を算出することにより得ることができる。
平均円形度は、画像形成粒子の形状と投影面積の等しい相当円の周囲長を実在粒子の周囲長で除した値であり、0.90以上1.00以下であることが好ましく、0.95以上0.99以下がより好ましい。なお、平均円形度が0.94未満の粒子が15%以下であることが好ましい。平均円形度が、0.90未満であると、満足できる転写性やチリのない高画質画像が得られないことがある。
平均円形度は、画像形成粒子を含む懸濁液を平板上の撮像部検知帯に通過させ、CCDカメラで光学的に粒子画像を検知し、解析する光学的検知帯の手法等により計測することができ、フロー式粒子像分析装置FPIA−2100(東亜医用電子社製)等を用いて計測することができる。
画像形成粒子に、流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤としては、無機粒子、重合体粒子、流動化剤、クリーニング性向上剤等を用いることができる。
無機粒子の一次粒子径は、5nm以上2μm以下であることが好ましく、5nm以上500nm以下が特に好ましい。また、BET法による比表面積は、20m2/g以上500m2/g以下であることが好ましい。無機粒子の添加量は、画像形成粒子の0.01重量%以上5重量%以下であることが好ましく、0.01重量%以上2.0重量%以下が特に好ましい。
無機粒子としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等が挙げられる。なお、外添剤として用いる無機粒子は、有機溶媒中に添加した無機粒子と同種であると、さらに好ましい。
樹脂粒子として、ソープフリー乳化重合、懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル共重合体、シリコーン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ナイロン等の重縮合系、熱硬化性樹脂による樹脂粒子が挙げられる。
流動化剤は、表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。表面処理剤としては、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル等が挙げられる。
クリーニング性向上剤は、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去しやすくする。クリーニング性向上剤としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ポリメタクリル酸メチル粒子、ポリスチレン粒子等のソープフリー乳化重合等により得られる樹脂粒子等を挙げることができる。このような樹脂粒子は、粒子径分布が狭く、体積平均粒子径が0.01μm以上1μm以下であることが好ましい。
画像形成粒子と外添剤との混合を行う混合機は、軸部を気体で封止することができ、装備されている攪拌翼が高速で回転することができ、容器全体を冷却又は加熱することができる装置であれば、特に限定されない。このような混合機としては、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)、スーパーミキサー(カワタ社製)等が挙げられる。封止気体としては、通常、ヘリウム、アルゴン等の希ガス、窒素、乾燥空気等を用いることができる。
本発明の画像形成粒子の製造方法では、混合機の容積に対する混合する画像形成粒子の重量の比は、0.05kg/l以上0.4kg/l以下であることが好ましく、0.1kg/l以上0.3kg/l以下がさらに好ましい。この比が0.05kg/lより少ないと、生産性が低くなり、0.4kg/lより多いと、画像形成粒子が混合機外に排出されて画像形成粒子の収率が低下することがある。また、画像形成粒子と混合する外添剤の添加量は特に限定されないが、画像形成粒子に対して、通常0.1重量%以上6重量%以下であり、0.3重量%以上5重量%以下が好ましく、0.5重量%以上3重量%以下がさらに好ましい。
粗粒、機械的な発熱による融着粗粒、ファンデルワールス力による再凝集体等を除去するために、外添剤を混合した後に画像形成粒子を篩に通すこともできる。具体的には、目開き100μm以上250μm以下の篩いを通す工程等が行われる。篩を有する装置としては、多段ジャイロシフターが挙げられ、振動方法としては、機械的振動、超音波振動等が挙げられる。
本発明の現像剤は、本発明の画像形成粒子を含有し、キャリア等の適宜選択した成分を含有することができる。現像剤は、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンタ等に使用する場合には、寿命向上等の点で二成分現像剤が好ましい。
本発明の画像形成粒子を用いた一成分現像剤の場合、画像形成粒子の収支が行われても、画像形成粒子の粒子径の変動が少なく、現像ローラへの画像形成粒子のフィルミングや、画像形成粒子を薄層化するためのブレード等の部材への画像形成粒子の融着がなく、現像装置の長期の使用(撹拌)においても、良好で安定した現像性及び画像が得られる。また、本発明の画像形成粒子を用いた二成分現像剤の場合、長期にわたる画像形成粒子の収支が行われても、現像剤中の画像形成粒子の粒子径の変動が少なく、現像装置における長期の撹拌においても、良好で安定した現像性が得られる。
キャリアとしては、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、芯材を被覆する樹脂層とを有するものが好ましい。
芯材の材料としては、公知の材料の中から適宜選択することができ、50emu/g以上90emu/g以下のマンガン−ストロンチウム系材料、マンガン−マグネシウム系材料等が挙げられ、画像濃度の確保の点では、100emu/g以上の鉄粉、75emu/g以上120emu/g以下のマグネタイト等の高磁化材料が好ましい。また、画像形成粒子が穂立ち状態となっている感光体への当りを弱くでき、高画質化に有利であることから、30emu/g以上80emu/g以下の銅−亜鉛系等の弱磁化材料が好ましい。これらは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
芯材の体積平均粒子径は、10μm以上150μm以下であることが好ましく、40μm以上100μm以下がより好ましい。体積平均粒子径が、10μm未満であると、微粉が多くなり、一粒子当たりの磁化が低くなってキャリア飛散を生じることがあり、150μmを超えると、比表面積が低下し、画像形成粒子の飛散が生じることがあり、ベタ部分の多いフルカラーでは、特にベタ部の再現性が悪くなることがある。
樹脂層の材料は、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができるが、アミノ系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、フッ化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、シリコーン樹脂等が挙げられる。これらは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
アミノ系樹脂としては、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。ポリビニル系樹脂としては、アクリル樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等が挙げられる。ポリスチレン系樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル共重合体等が挙げられる。ハロゲン化オレフィン樹脂としては、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。
樹脂層には、必要に応じて導電粉等を含有させてもよく、具体的には、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等が挙げられる。これらの導電粉の数平均粒子径は、1μm以下であることが好ましい。数平均粒子径が1μmを超えると、電気抵抗の制御が困難になることがある。
樹脂層は、シリコーン樹脂等を溶剤に溶解させた塗布溶液を調製した後、公知の塗布方法により、塗布溶液を芯材の表面に均一に塗布し、乾燥させた後、焼付を行うことにより形成することができる。塗布方法としては、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法等が挙げられる。
溶剤は、目的に応じて適宜選択することができるが、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、セルソルブチルアセテート等が挙げられる。
焼付は、外部加熱方式及び内部加熱方式のいずれでもよく、外部加熱方式としては、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、内部加熱方式としては、マイクロ波を用いる方法等が挙げられる。
キャリア中の樹脂層の量としては、0.01重量%以上5.0質量%以下であることが好ましい。樹脂層の量が0.01重量%未満であると、芯材の表面に均一な樹脂層を形成することができないことがあり、5.0質量%を超えると、樹脂層が厚くなり過ぎてキャリア同士の凝集が発生し、均一なキャリア粒子が得られないことがある。
現像剤が二成分現像剤である場合、二成分現像剤中のキャリアの含有量は、目的に応じて適宜選択することができるが、90重量%以上98重量%以下であることが好ましく、93重量%以上97重量%以下がより好ましい。
本発明の現像剤は、本発明の画像形成粒子を含有しているので、画像形成時において、臭気の発生を抑制することができ、低温定着性及び離型性に優れ、高画質な画像を安定に形成することができる。本発明の現像剤は、磁性一成分現像方法、非磁性一成分現像方法、二成分現像方法等の公知の各種電子写真法による画像形成に好適に用いることができ、以下の本発明の画像形成粒子入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法に特に好適に用いることができる。
本発明の画像形成粒子入り容器は、本発明の画像形成粒子を収容してなる。
画像形成粒子を収容している容器は、公知の容器の中から適宜選択することができ、容器本体とキャップとを有する容器等が挙げられる。容器本体の大きさ、形状、構造、材質等は、目的に応じて適宜選択することができるが、形状としては、円筒状等が好ましく、内周面にスパイラル状の凹凸が形成され、回転させることにより内容物である画像形成粒子を排出口側に移行させることができ、スパイラル部の一部又は全部が蛇腹機能を有している容器本体が特に好ましい。
容器本体は、寸法精度がよい材料で構成されていることが好ましく、具体的には、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリル酸、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂等の樹脂材料が挙げられる。
なお、画像形成粒子入り容器は、保存、搬送等が容易であり、取扱性に優れ、後述する本発明のプロセスカートリッジ、画像形成装置等に着脱可能であり、画像形成粒子を補給することができる。
本発明のプロセスカートリッジは、静電潜像を担持する像担持体及び現像剤を用いて静電潜像を現像し可視像を形成する現像手段を一体に支持し、画像形成装置に着脱自在であり、現像手段は、本発明の現像剤を含有する。また、本発明のプロセスカートリッジは、像担持体の表面に均一に帯電を施す帯電手段及び転写後の像担持体の表面をクリーニングするクリーニング手段の少なくとも一方をさらに一体に支持することが好ましい。現像手段は、本発明の画像形成粒子入り容器と画像形成粒子入り容器に収容された画像形成粒子又は現像剤を担持し、搬送する現像剤担持体とを少なくとも有し、さらに、担持させる画像形成粒子層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい。本発明のプロセスカートリッジは、各種電子写真装置に着脱自在に備えさせることができ、後述する本発明の電子写真装置に着脱自在に備えさせることが好ましい。
本発明の画像形成装置は、静電潜像を担持する像担持体、像担持体の表面に均一に帯電を施す帯電手段、帯電した像担持体の表面に画像データに基づいて露光し、静電潜像を書き込む露光手段、現像剤を用いて静電潜像を現像し可視像を形成する現像手段、像担持体の表面の可視像を記録紙に転写する転写手段及び転写後の像担持体の表面をクリーニングするクリーニング手段を有し、現像手段は本発明の現像剤を有する。さらに、必要に応じて、定着手段、除電手段、リサイクル手段、制御手段等の手段を有してもよい。
像担持体の材質、形状、構造、大きさ等は、公知のものの中から適宜選択することができるが、形状としては、ドラム状が好適に挙げられ、材質としては、アモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体等が挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコン等が好ましい。
静電潜像形成工程は、像担持体の表面に静電潜像を形成する工程である。なお、帯電手段が像担持体の表面を一様に帯電させた後、露光手段が帯電した像担持体の表面に画像データに基づいて露光することにより、静電潜像が形成される。
帯電は、帯電手段を用いて像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。帯電手段は、目的に応じて適宜選択することができるが、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えた公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器等が挙げられる。
露光は、露光手段を用いて像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。露光手段は、目的に応じて適宜選択することができるが、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系等の各種露光器が挙げられる。なお、像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
現像工程は、静電潜像を、本発明の現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。なお、現像手段が現像剤を用いて静電潜像を現像することにより、可視像を形成することができる。現像手段は、公知の現像手段の中から適宜選択することができるが、本発明の現像剤を収容し、静電潜像を現像することができる現像器を有する現像手段が好ましく、本発明の画像形成粒子入り容器を備えた現像器がより好ましい。
現像器は、乾式現像方式及び湿式現像方式のいずれでもよく、また、単色用現像器及び多色用現像器のいずれでもよく、現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有する現像器等が挙げられる。
二成分現像剤を用いた現像器内では、画像形成粒子とキャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により画像形成粒子が帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。マグネットローラは、像担持体近傍に配置されているため、マグネットローラの表面に形成された磁気ブラシを構成する画像形成粒子の一部は、電気的な吸引力によって像担持体の表面に移動する。その結果、静電潜像が画像形成粒子により現像されて像担持体の表面に画像形成粒子による可視像が形成される。
現像器に収容させる現像剤は、本発明の画像形成粒子を含む現像剤であるが、現像剤としては一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよい。
転写工程は、可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、中間転写体上に可視像を一次転写した後、可視像を記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、画像形成粒子として二色以上、好ましくはフルカラー画像形成粒子を用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
なお、転写手段が像担持体上の可視像を帯電することにより転写することができる。転写手段は、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。なお、中間転写体は、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、転写ベルト等が挙げられる。
転写手段(第一次転写手段及び第二次転写手段)は、像担持体上に形成された可視像を記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を有することが好ましい。転写手段は、単独であってもよいし、複数であってもよい。転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器等が挙げられる。なお、記録媒体は、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
定着工程は、定着装置により、記録媒体に転写された可視像を定着させる工程であり、各色の画像形成粒子を記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色の画像形成粒子を積層した状態で一度に行ってもよい。定着装置は、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せ等が挙げられる。加熱加圧手段における加熱は、通常80℃以上200℃以下であることが好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、定着工程及び定着手段と共に、又はこれらに代えて、公知の光定着器を用いてもよい。
除電工程は、像担持体に対して除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により行うことができる。除電手段は、公知の除電器の中から適宜選択することができ、除電ランプ等が挙げられる。
クリーニング工程は、像担持体上に残留する画像形成粒子を除去する工程であり、クリーニング手段により行うことができる。クリーニング手段は、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が挙げられる。
リサイクル工程は、クリーニング工程により除去した画像形成粒子を現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。
リサイクル手段としては、公知の搬送手段等が挙げられる。
制御手段は、各工程を制御する工程であり、制御手段により行うことができる。
制御手段は、目的に応じて適宜選択することができ、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する一の例を図1に示す。図1に示す画像形成装置100Aは、像担持体としての感光体ドラム10(以下、感光体10という)と、帯電手段としての帯電ローラ20と、露光手段としての露光装置30と、現像手段としての現像装置40と、中間転写体50と、クリーニングブレードを有するクリーニング手段としてのクリーニング装置60と、除電手段としての除電ランプ70とを備える。
中間転写体50は、無端ベルトであり、その内側に配置されこれを張架する3個のローラ51によって、矢印方向に移動可能に設計されている。3個のローラ51の一部は、中間転写体50へ所定の転写バイアス(一次転写バイアス)を印加可能な転写バイアスローラとしても機能する。中間転写体50には、その近傍にクリーニングブレードを有するクリーニング装置90が配置されており、また、最終転写材としての転写紙95に可視像(画像形成粒子像)を転写(二次転写)するための転写バイアスを印加可能な前記転写手段としての転写ローラ80が対向して配置されている。中間転写体50の周囲には、中間転写体50上の画像形成粒子像に電荷を付与するためのコロナ帯電器58が、中間転写体50の回転方向において、感光体10と中間転写体50との接触部と、中間転写体50と転写紙95との接触部との間に配置されている。
現像装置40は、現像剤担持体としての現像ベルト41と、現像ベルト41の周囲に併設したブラック現像器45K、イエロー現像器45Y、マゼンタ現像器45M及びシアン現像器45Cとから構成されている。なお、ブラック現像器45Kは、現像剤収容部42Kと現像剤供給ローラ43Kと現像ローラ44Kとを備えており、イエロー現像器45Yは、現像剤収容部42Yと現像剤供給ローラ43Yと現像ローラ44Yとを備えており、マゼンタ現像器45Mは、現像剤収容部42Mと現像剤供給ローラ43Mと現像ローラ44Mとを備えており、シアン現像器45Cは、現像剤収容部42Cと現像剤供給ローラ43Cと現像ローラ44Cとを備えている。また、現像ベルト41は、無端ベルトであり、複数のベルトローラに回転可能に張架され、一部が感光体10と接触している。
図1に示す画像形成装置100Aにおいて、帯電ローラ20が感光体10を一様に帯電させる。露光装置30が感光体10上に像様に露光を行い、静電潜像を形成する。感光ドラム10上に形成された静電潜像を、現像装置40から画像形成粒子を供給して現像して可視像(画像形成粒子像)を形成する。可視像(画像形成粒子像)が、ローラ51から印加された電圧により中間転写体50上に転写(一次転写)され、さらに転写紙95上に転写(二次転写)される。その結果、転写紙95上には転写像が形成される。なお、感光体10上の残存画像形成粒子は、クリーニング装置60により除去され、感光体10における帯電は除電ランプ70により一旦、除去される。
本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する他の例を図2に示す。図2に示す画像形成装置100Bは、図1に示す画像形成装置100Aにおいて、現像ベルト41を備えてなく、感光体10の周囲に、ブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M及びシアン現像ユニット45Cが直接対向して配置されていること以外は、図1に示す画像形成装置100Aと同様の構成を有し、同様の作用効果を示す。なお、図2においては、図1におけるものと同じものは同符号で示した。
本発明の画像形成装置(タンデム型カラー画像形成装置)により本発明の画像形成方法を実施する一例を図3に示す。図3に示す画像形成装置100Cは、タンデム型カラー画像形成装置である。画像形成装置100Cは、複写装置本体150と、給紙テーブル200と、スキャナ300と、原稿自動搬送装置(ADF)400とを備えている。複写装置本体150には、無端ベルト状の中間転写体50が中央部に設けられている。そして、中間転写体50は、支持ローラ14、15及び16に張架され、図3中、時計回りに回転可能とされている。支持ローラ15の近傍には、中間転写体50上の残留画像形成粒子を除去するための中間転写体クリーニング装置17が配置されている。支持ローラ14と支持ローラ15とにより張架された中間転写体50には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段18が対向して並置されたタンデム型現像器120が配置されている。タンデム型現像器120の近傍には、露光装置21が配置されている。中間転写体50における、タンデム型現像器120が配置された側とは反対側には、二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22においては、無端ベルトである二次転写ベルト24が一対のローラ23に張架されており、二次転写ベルト24上を搬送される転写紙と中間転写体50とは互いに接触可能である。二次転写装置22の近傍には定着装置25が配置されている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26と、これに押圧されて配置された加圧ローラ27とを備えている。
なお、画像形成装置100Cにおいては、二次転写装置22及び定着装置25の近傍に、転写紙の両面に画像形成を行うために転写紙を反転させるためのシート反転装置28が配置されている。
次に、タンデム型現像器120を用いたフルカラー画像の形成(カラーコピー)について説明する。まず、原稿自動搬送装置(ADF)400の原稿台130上に原稿をセットするか、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じる。
スタートスイッチ(不図示)を押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットした時は、原稿が搬送されてコンタクトガラス32上へと移動された後で、一方、コンタクトガラス32上に原稿をセットした時は直ちに、スキャナ300が駆動し、第1走行体33及び第2走行体34が走行する。このとき、第1走行体33により、光源からの光が照射されると共に原稿面からの反射光を第2走行体34におけるミラーで反射し、結像レンズ35を通して読取りセンサ36で受光されてカラー原稿(カラー画像)が読み取られ、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの画像情報とされる。
そして、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各画像情報は、タンデム型現像器120における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段及びシアン用画像形成手段)にそれぞれ伝達され、各画像形成手段において、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各画像形成粒子像が形成される。すなわち、タンデム型現像器120における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段及びシアン用画像形成手段)は、図4に示すように、それぞれ、感光体10(ブラック用感光体10K、イエロー用感光体10Y、マゼンタ用感光体10M及びシアン用感光体10C)と、感光体10を一様に帯電させる帯電器59と、各カラー画像情報に基づいて各カラー画像対応画像様に感光体10を露光(図4中、L)し、感光体10上に各カラー画像に対応する静電潜像を形成する露光器と、静電潜像を各カラートナー(ブラックトナー、イエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナー)を用いて現像して各カラートナーによる画像形成粒子像を形成する現像器61と、画像形成粒子像を中間転写体50上に転写させるための転写帯電器62と、感光体クリーニング装置63と、除電器64とを備えており、それぞれのカラーの画像情報に基づいて各単色の画像(ブラック画像、イエロー画像、マゼンタ画像及びシアン画像)を形成可能である。こうして形成されたブラック画像、イエロー画像、マゼンタ画像及びシアン画像は、支持ローラ14、15及び16により回転移動される中間転写体50上にそれぞれ、ブラック用感光体10K上に形成されたブラック画像、イエロー用感光体10Y上に形成されたイエロー画像、マゼンタ用感光体10M上に形成されたマゼンタ画像及びシアン用感光体10C上に形成されたシアン画像が、順次転写(一次転写)される。そして、中間転写体50上にブラック画像、イエロー画像、マゼンタ画像及びシアン画像が重ね合わされて合成カラー画像(カラー転写像)が形成される。
一方、給紙テーブル200においては、給紙ローラ142の1つを選択的に回転させ、ペーパーバンク143に多段に備える給紙カセット144の1つからシート(記録紙)を繰り出し、分離ローラ145で1枚ずつ分離して給紙路146に送出し、搬送ローラ147で搬送して複写機本体150内の給紙路148に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。あるいは、給紙ローラ142を回転して手差しトレイ54上のシート(記録紙)を繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。なお、レジストローラ49は、一般には接地されて使用されるが、シートの紙粉除去のためにバイアスが印加された状態で使用されてもよい。
そして、中間転写体50上に合成された合成カラー画像(カラー転写像)にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転させ、中間転写体50と二次転写装置22との間にシート(記録紙)を送出させ、二次転写装置22により合成カラー画像(カラー転写像)をシート(記録紙)上に転写(二次転写)することにより、シート(記録紙)上にカラー画像が転写され、形成される。なお、画像転写後の中間転写体50上の残留画像形成粒子は、中間転写体クリーニング装置17によりクリーニングされる。
カラー画像が転写され形成されたシート(記録紙)は、二次転写装置22により搬送されて、定着装置25へと送出され、定着装置25において、熱と圧力とにより合成カラー画像(カラー転写像)がシート(記録紙)上に定着される。その後、シート(記録紙)は、切換爪55で切り換えて排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされ、あるいは、切換爪55で切り換えてシート反転装置28により反転されて再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録した後、排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。
本発明の画像形成装置では、本発明の前記画像形成粒子を用いるので、高画質が効率よく得られる。