JP4850098B2 - 静電荷像現像用トナー - Google Patents
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Description
この問題に対しては、特に高速機での不具合が大きい。ドクターブレードで0.3〜1.0mmのギャップを通過させ一定の層厚になるように制御している。この特性は、機械の現像ローラの回転速度に依存している。通常、感光体速度に対し現像ローラの回転速度は1.5〜3倍の速さで用いられている。このとき、現像装置のドクター部の現像剤通過量が1秒当たり1cm幅で5.4〜25.2gの通過量となる。現像ローラの速度240〜560mm/secで1.5〜3倍速、スリーブ上現像剤量0.15g/1cm2の条件で上記問題が発生する。上記のドクター部通過量以下では剤のストレスは小さく大きな問題とはならない。またこの値以上では更に条件が悪くトナーでの対応も困難になる。
すなわち、本発明は以下に記載するとおりの静電荷像現像用トナーである。
(1)トナーを構成する材料として少なくとも結着樹脂及び/又は結着樹脂前駆体、層状無機鉱物の金属イオンの少なくとも一部を有機物イオンで変性してなる層状無機鉱物からなるフィラー、及びワックスを含有する液体をトナー材料液とし、少なくとも前記トナー材料液を水系媒体中で乳化又は分散させる工程を経て得られたトナーにおいて、前記トナーは、FTIR−ATR(全反射吸収赤外分光)法により求められる2850cm−1のピークと828cm−1のピークとの強度比(P2850/P828)が0.01〜0.15の範囲にあり、前記結着樹脂及び/又は結着樹脂前駆体を溶解及び/または膨潤するための有機溶剤に前記トナーを浸漬し、遠心分離した際に、遊離する前記ワックスの粒子の平均粒径Dw(μm)が、トナーの個数平均粒径Dn(μm)と下記式(1)を満たすことを特徴とする静電荷像現像用トナー。
(1/80)Dn≦Dw≦(1/12)Dn ・・・・(1)
(2)前記トナーの融点が50〜90℃であり、トナーがC−H、C−C結合のみで分子鎖を構成するワックスを含むことを特徴とする上記(1)に記載の静電荷像現像用トナー。
(3)前記結着樹脂及び/又は結着樹脂前駆体を溶解及び/または膨潤するための有機溶剤に前記トナーを浸漬し、遠心分離した際に、遊離する前記ワックスの粒子の平均粒径Dw(μm)が、トナーの個数平均粒径Dn(μm)と下記式(2)を満たすことを特徴とする上記(2)に記載の静電荷像現像用トナー。
(1/80)Dn≦Dw≦(1/25)Dn ・・・・(2)
(4)ワックスの含有量が、全トナー質量の2〜10質量%であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載のトナー。
(5)前記結着樹脂がポリエステル樹脂、及び結着樹脂前駆体がポリエステル樹脂誘導体であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
(6)前記ポリエステル樹脂はモノマー成分として少なくとも芳香族化合物を含むことを特徴とする上記(5)記載の静電荷現像用トナー。
(7)前記ポリエステル樹脂がFTIR−ATR(全反射吸収赤外分光)法によって少なくとも828cm−1の吸収を持つことを特徴とする上記(6)記載の静電荷現像用トナー。
(8)前記ワックスが、少なくともパラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスのいずれかであることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
(9)前記ワックスがFTIR−ATR(全反射吸収赤外分光)法によって少なくとも2850cm−1の吸収を持つことを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれかに記載の静電荷現像用トナー
(10)該トナーの重量平均粒径(D4)が3〜8μmであることを特徴とする上記(1)〜(9)のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
(11)該トナーの重量平均粒径D4(μm)と個数平均粒径Dn(μm)との比D4/Dnが1.00〜1.25であることを特徴とする上記(1)〜(10)のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
(12)感光体と、現像手段と、帯電手段及び/又はクリ−ニング手段とを一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカ−トリッジにおいて、該現像手段は、トナーを保持し、該トナーは、上記(1)〜(11)のいずれかに記載のトナーであることを特徴とするプロセスカ−トリッジ。
(13)上記(1)〜(11)のいずれかに記載のトナーを含有する2成分現像剤を用いて画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
以下では上記(1)〜(13)の発明を発明の態様(1)〜(13)という。
本発明のトナーは、トナーを構成する材料として少なくとも層状無機鉱物の金属イオンの少なくとも一部を有機物イオンで変性してなる層状無機鉱物からなるフィラー、及びワックスを含有する液体をトナー材料液とし、少なくとも前記トナー材料液を水系媒体中で乳化又は分散させる工程を経て得られたトナーであって、FTIR−ATR(全反射吸収赤外分光)法により求められる、2850cm−1のピークと828cm−1のピークとの強度比(P2850/P828)が0.01〜0.15の範囲にあり、前記結着樹脂を溶解または膨潤するための有機溶剤に浸漬し、遠心分離した際に、遊離する前記ワックスの粒子の平均粒径Dw(μm)が、トナーの個数平均粒径Dn(μm)と下記式(1)を満たすものである。
(1/80)Dn≦Dw≦(1/12)Dn ・・・・(1)
本発明においては、フィラーとして、層状無機鉱物の金属イオンの少なくとも一部を有機物イオンで変性してなる層状無機鉱物を用いる。
また本発明の目的を損なわない範囲で、その他のフィラーとして、金属酸化物、金属水酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属珪酸塩、金属窒化物、金属リン酸塩、金属ホウ酸塩、金属チタン酸塩、金属硫化物、炭素類からなる群から選ばれる無機フィラーを用いても良い。
(1/80)Dn≦Dw≦(1/25)Dn ・・・・(2)
さらに、少なくともトナー材料液を水系媒体中で乳化又は分散させる工程を経て得られたトナーにおいて、前記層状無機鉱物はトナー表面のワックス露出量を制御していると考えられる。この理由については明確ではないが、前記層状無機鉱物は本来水への濡れ性が良好なものを有機物イオンで変性することで疎水化している。疎水化しているが、依然若干の親水性が残されており、この若干の親水性のために前記層状無機鉱物がトナー表面に偏在することでワックスのトナー表面露出量を抑えていると考えられる。
有機カチオンで変性される層状無機鉱物としては、モンモリロナイト又はベントナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライトなどが挙げられる。
一部を有機カチオンで変性した層状無機鉱物は、適宜選択することができるが、モンモリロナイト、ベントナイト、ヘクトライト、アタパルジャイト、セピオライト及びこれらの混合物等が挙げられる。中でも、トナー特性に影響を与えず、容易に粘度調整ができ、添加量を少量とすることができることから有機変性モンモリロナイト又はベントナイトが好ましい。
前記長鎖炭化水素としては、例えば、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、サゾールワックス等が挙げられる。これらの中でも、低温定着性の向上の点で、低融点を有するパラフィンワックスが好ましい。
前記ワックスの融点としては、低温定着性の向上の点で、低融点であることが好ましく、50〜90℃が好ましく、60℃〜85℃がより好ましい。
前記融点が、50℃未満であると、ワックスが耐熱保存性に悪影響を与えることがあり、90℃を超えると、低温での定着時にコールドオフセットを起こし易いことがある。
本発明のトナーの製造方法は、トナーを構成する材料を油系媒体中に溶解乃至分散してトナー材料液とするトナー材料液調製工程と、前記トナー材料液を水系媒体中で乳化又は分散させてトナーを造粒するトナー造粒工程とを少なくとも含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
本発明のトナーの好ましい態様としては、前記トナーを構成する材料が、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と、ワックスとを少なくとも含み、前記造粒が、前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて粒子を得ることにより行われて製造されるトナーが挙げられる。
以下、本発明のトナーの製造方法の説明を通じて、本発明のトナーの詳細も明らかにする。
トナー材料液調製工程は、トナーを構成する材料を油系媒体中に分散粒子として分散させてトナー材料液を調製する工程である。
−トナー材料液−
トナー材料液は、トナーを構成する材料を油系媒体に溶解乃至分散させてなる。
前記トナーを構成する材料としては、トナーを形成可能である限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、モノマー、ポリマー、活性水素基含有化合物、及び該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(プレポリマー)、のいずれか、及びワックスを少なくとも含み、更に必要に応じて、着色剤、帯電制御剤などのその他の成分を含んでなる。
前記有機溶剤の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トナー材料100質量部に対し、40〜300質量部が好ましく、60〜140質量部がより好ましく、80〜120質量部が更に好ましい。
活性水素基含有化合物は、水相中で、活性水素基含有化合物と反応可能な重合体が伸長反応、架橋反応等する際の伸長剤、架橋剤等として作用する。
活性水素基含有化合物としては、活性水素基を有していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、活性水素基含有化合物と反応可能な重合体が後述のイソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)である場合には、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)と伸長反応、架橋反応等の反応により高分子量化可能な点で、前記アミン類(B)が好適である。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジアミン(B1)、ジアミン(B1)と少量の3価以上のポリアミン(B2)との混合物、が特に好ましい。
前記アミノアルコール(B3)としては、例えば、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリン、等が挙げられる。
前記アミノメルカプタン(B4)としては、例えば、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタン、等が挙げられる。
前記アミノ酸(B5)としては、例えば、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸、等が挙げられる。
前記B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、例えば、前記(B1)から(B5)のいずれかのアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)から得られるケチミン化合物、オキサゾリゾン化合物、等が挙げられる。
前記三級アミン化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、下記一般式(1)で表される化合物が好適に挙げられる。三級アミン化合物は、触媒として機能するだけでなく、前記トナー材料液の調製において、トナーを構成する材料の溶解乃至分散液を水系媒体中に分散させる際の乳化助剤として機能する点で好ましい。
前記反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミン等)、又はこれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)、などが挙げられる。
前記混合当量比([NCO]/[NHx])が、1/3未満であると、低温定着性が低下することがあり、3/1を超えると、ウレア変性ポリエステル樹脂の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(以下「プレポリマー」と称することがある)としては、前記活性水素基含有化合物と反応可能な部位を少なくとも有しているものであれば特に制限はなく、公知の樹脂等の中から適宜選択することができ、例えば、ポリオール樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、これらの誘導体樹脂、等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、溶融時の高流動性、透明性の点で、ポリエステル樹脂が特に好ましい。
これらは、1種単独で含まれていてもよいし、2種以上が含まれていてもよい。これらの中でも、イソシアネート基が特に好ましい。
前記プレポリマーの中でも、高分子成分の分子量を調節し易く、乾式トナーにおけるオイルレス低温定着特性、特に定着用加熱媒体への離型オイル塗布機構のない場合でも良好な離型性及び定着性を確保できる点で、ウレア結合生成基含有ポリエステル樹脂(RMPE)であるのが特に好ましい。
前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオール(PO)とポリカルボン酸(PC)との重縮合物であり、かつ前記活性水素基含有ポリエステル樹脂をポリイソシアネート(PIC)と反応させてなるもの、等が挙げられる。
前記ポリオール(PO)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジオール(DIO)、3価以上のポリオール(TO)、ジオール(DIO)と3価以上のポリオール(TO)との混合物、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記ジオール(DIO)単独、又は前記ジオール(DIO)と少量の前記3価以上のポリオール(TO)との混合物、等が好ましい。
前記ジオール(DIO)としては、例えば、アルキレングリコール、アルキレンエーテルグリコール、脂環式ジオール、脂環式ジオールのアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノール類、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、等が挙げられる。
前記3価以上の多価脂肪族アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等が挙げられる。前記3価以上のポリフェノール類としては、例えば、トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等が挙げられる。前記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、前記3価以上のポリフェノール類に対し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加物したもの等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジカルボン酸(DIC)単独、又はDICと少量の3価以上のポリカルボン酸(TC)との混合物が好ましい。
前記ジカルボン酸としては、例えば、アルキレンジカルボン酸、アルケニレンジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、等が挙げられる。
これらの中でも、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸が好ましい。
前記芳香族ポリカルボン酸としては、炭素数9〜20のものが好ましく、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸等が挙げられる。
前記ポリカルボン酸(PC)としては、前記ジカルボン酸(DIC)、前記3価以上のポリカルボン酸(TC)、及び、前記ジカルボン酸(DIC)と前記3価以上のポリカルボン酸との混合物、から選択されるいずれかの酸無水物又は低級アルキルエステル物を用いることもできる。前記低級アルキルエステルとしては、例えば、メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等が挙げられる。
前記含有量が、0.5質量%未満であると、耐ホットオフセット性が悪化し、トナーの耐熱保存性と低温定着性とを両立させることが困難になることがあり、40質量%を超えると、低温定着性が悪化することがある。
これらは、1種単独でも使用することができ、2種以上を併用してもよい。
前記混合等量比が、5を超えると、低温定着性が悪化することがあり、1未満であると、耐オフセット性が悪化することがある。
前記含有量が、0.5質量%未満であると、耐ホットオフセット性が悪化し、耐熱保存性と低温定着性とを両立させることが困難になることがあり、40質量%を超えると、低温定着性が悪化することがある。
前記イソシアネート基の平均数が、1未満であると、ウレア結合生成基で変性されているポリエステル樹脂(RMPE)の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
すなわち、まず、40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定させる。この温度でカラム溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流し、試料濃度を0.05〜0.6質量%に調整した樹脂のテトラヒドロフラン試料溶液を50〜200μl注入して測定する。前記試料における分子量の測定に当たっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。前記検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、Pressure Chemical Co.又は東洋ソーダ工業社製の分子量が6×102、2.1×102、4×102、1.75×104、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2×106、及び4.48×106のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いることが好ましい。なお、前記検出器としてはRI(屈折率)検出器を用いることができる。
前記トナー材料液における前記ワックスの分散粒子の体積平均粒径としては、前述(発明の態様1等)の(1)式のDwと等しいことが好ましい。通常油系媒体中のワックス粒径はトナー中のワックス粒径と等しい。これより前記トナー材料液における前記ワックスの分散粒子の体積平均粒径としては、前述(発明の態様1等)の(1)式のDwと等しくなる。
「LA−920」(堀場製作所社製社製)を用いて粒径の測定を行った。LA−920の測定の際にLA−920専用アプリケーション(Ver3.32)(堀場製作所社製社製)を用いて解析を行った。LA−920の測定は、具体的にはワックス分散液に使用した溶剤(酢酸エチル)で光軸調整した後、バックグラウンドを測定する。その後循環を開始しワックス分散液を滴下する。透過率が安定したことを確認した後に超音波を下記条件で照射する。照射した後に透過率の値が70〜95%の範囲となる条件で分散粒子径を測定した。本測定装置は粒子径の測定再現性の点からLA−920の透過率の値が70〜95%の範囲となる条件で測定することが重要である。また、超音波照射後に透過率が前記値から外れた場合は再度測定を行う必要がある。前記透過率の値を得るために前記分散液の滴下量を調節する必要がある。
測定・解析条件は以下のように設定した。
データ取り込み回数:15回
相対屈折率:1.20
循環:5
超音波強度:7
超音波照射時間:3分
トナーに含有されるワックス粒子の粒径分布は、トナー1gをクロロホルム100gに10時間浸漬し、遠心分離器((株)コクサン社製 H−9R、LNアングルローター使用)にて5500rpm(9545g)にてワックスを遠心分離した。遠心分離した上澄みにワックス粒子が存在する。「LA−920」(堀場製作所社製社製)を用いて粒径の測定を行った。LA−920の測定の際にLA−920専用アプリケーション(Ver3.32)(堀場製作所社製社製)を用いて解析を行った。LA−920の測定は、具体的にはクロロホルムで光軸調整した後、バックグラウンドを測定する。その後循環を開始しワックス分散液を滴下する。透過率が安定したことを確認した後に超音波を下記条件で照射する。照射した後に透過率の値が70〜95%の範囲となる条件で分散粒子径を測定した。本測定装置は粒子径の測定再現性の点からLA−920の透過率の値が70〜95%の範囲となる条件で測定することが重要である。また、超音波照射後に透過率が前記値から外れた場合は再度測定を行う必要がある。前記透過率の値を得るために前記分散液の滴下量を調節する必要がある。
測定・解析条件は以下のように設定した。
データ取り込み回数:15回
相対屈折率:1.20
循環:5
超音波強度:7
測定方法は以下の通りである。 先ず、試料として、トナー3gを自動ペレット成型器(Type M No.50 BRP-E;MAEKAWA TESTING MACHINE CO.製)で6tの荷重で1分間プレスして40mmφ(厚さ約2mm)ペレットを作製した。そのトナーペレット表面をFTIR−ATR法により測定した。用いた顕微FTIR装置は、PERKIN ELMER社製Spectrum OneにMultiScope FTIR ユニットを設置したもので、直径100μmのゲルマニウム(Ge)結晶のマイクロATRで測定した。赤外線の入射角41.5°、分解能4cm−1、積算20回で測定した。 得られたワックス由来のピーク(2850cm−1)とバインダ樹脂由来のピーク(828cm−1)との強度比(P2850/P828)をトナー粒子表面近傍の相対的なワックス量とした。値は測定場所を変えて4回測定した後の平均値を用いた。
本発明のトナーの重量平均粒径(D4)及び個数平均粒径(Dn)は、粒度測定器(「マルチサイザーIII」、ベックマンコールター社製)を用い、アパーチャー径100μmで測定し、解析ソフト(Beckman Coulter Mutlisizer 3 Version3.51)にて解析を行った。具体的にはガラス製100mlビーカーに10wt%界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩ネオゲンSC−A;第一工業製薬性)を0.5ml添加し、各トナー0.5g添加しミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mlを添加した。得られた分散液を超音波分散器(W-113MK-II本多電子社製)で10分間分散処理した。前記分散液を前記マルチサイザーIIIを用い、測定用溶液としてアイソトンII(ベックマンコールター製)を用いて測定を行った。測定は装置が示す濃度が8±2%に成るように前記トナーサンプル分散液を滴下した。本測定法は粒径の測定再現性の点から前記濃度を8±2%にすることが重要である。この濃度範囲であれば粒径に誤差は生じない。
本発明におけるワックス含有量は処方量によって決定されるが、水系造粒トナーは、ごくまれに造粒中にワックスが水系媒体中へ抜ける場合がある。このような場合トナー中のワックス含有量はワックスの軟化点温度(Tm)を示す時の吸熱量より求めることが出来る。
ワックスの軟化点温度Tmとは、示差走査型熱量測定(DSC)において、そのDSC曲線の最大吸熱量を示したピーククトップで決定される。また測定は島津製作所製TA-60WS、及びDSC-60を用い、次に示す測定条件で測定した。
サンプル容器:アルミニウム製サンプルパン(フタあり)
サンプル量:5mg
リファレンス:アルミニウム製サンプルパン(アルミナ10mg)
雰囲気:窒素(流量50ml/min)
温度条件
開始温度:20℃
昇温速度:10℃/min
終了温度:150℃
保持時間:なし
降温温度:10℃/min
終了温度:20℃
保持時間:なし
昇温速度:10℃/min
終了温度:150℃
ワックス総量は以下の式1で算出した。
ワックス総量(質量%)=(トナー試料のワックスの吸熱量(J/g))×100)/(ワックス単体の吸熱量(J/g)) ・・・式1
このように、上記分析により、トナー製造工程中にワックスが流出して、仕込んだ全てワックスがトナーに含有されない場合においても、トナー粒子中のワックス総量を有効に規定することができる。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、着色剤、帯電制御剤、無機微粒子、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料、金属石鹸、等が挙げられる。
前記着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン、等が挙げられる。
前記着色剤のトナーにおける含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1〜15質量%が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。
前記含有量が、1質量%未満であると、トナーの着色力の低下が見られ、15質量%を超えると、トナー中での顔料の分散不良が起こり、着色力の低下、及びトナーの電気特性の低下を招くことがある。
脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィン、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記無機微粒子のトナーにおける含有量としては、0.01〜5.0質量%が好ましく、0.01〜5.0質量%がより好ましい。
前記磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライト、等が挙げられる。これらの中でも、色調の点で白色のものが好ましい。
トナー造粒工程は、前記トナー材料液を水系媒体中で乳化又は分散させてトナーを造粒する工程である。
−水系媒体−
前記水系媒体としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、水、該水と混和可能な溶剤、これらの混合物、などが挙げられるが、これらの中でも、水が特に好ましい。
前記水と混和可能な溶剤としては、水と混和可能であれば特に制限はなく、例えば、アルコール、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類、低級ケトン類、などが挙げられる。
前記アルコールとしては、例えば、メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等が挙げられる。前記低級ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明のトナーの製造方法では、前記トナー造粒工程において、有機樹脂微粒子の存在下でトナーを造粒することができる。前記トナー造粒工程において有機樹脂微粒子の存在下でトナーを造粒することにより、トナーの形状や粒度分布を制御することができ、粒度分布の狭いトナーが得られる。
前記有機樹脂微粒子は、その添加量によりトナーの粒径を変化させることができ、該有機樹脂微粒子の水中油滴型分散液中への添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.5〜10質量%が好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、微細な球状の樹脂粒子の水性分散液が得られ易い点で、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂及びポリエステル樹脂から選択される少なくとも1種で形成されているのが好ましい。
また、有機樹脂微粒子としては、少なくとも2つの不飽和基を有する単量体を含んでなる共重合体を用いることもできる。
樹脂微粒子において、その体積平均粒径は、光散乱光度計(大塚電子製)にて測定した値で、好ましくは10〜200nm、より好ましくは20〜80nmである。
本発明の好ましい態様のトナーにおいては、前記水中油滴型分散液の調製工程乃至トナー造粒工程において、前記活性水素基含有化合物と前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを伸長反応乃至架橋反応させ、得られた反応物を結着樹脂として含有する。
前記結着樹脂は、紙等の記録媒体に対し接着性を示し、前記活性水素基含有化合物及び該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体を前記水系媒体中で反応させてなる接着性ポリマーである。
前記結着樹脂の重量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、3,000以上が好ましく、5,000〜1,000,000がより好ましく、7,000〜500,000が特に好ましい。
前記重量平均分子量が、3,000未満であると、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
前記ガラス転移温度(Tg)が、30℃未満であると、トナーの耐熱保存性が悪化することがあり、70℃を超えると、低温定着性が十分でないことがある。
前記ウレア変性ポリエステル系樹脂は、ウレア結合のほかに、ウレタン結合を含んでいてもよく、この場合、該ウレア結合と該ウレタン結合との含有モル比(ウレア結合/ウレタン結合)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100/0〜10/90が好ましく、80/20〜20/80がより好ましく、60/40〜30/70が特に好ましい。
前記ウレア結合が10未満であると、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
本発明の好ましい態様のトナーは、前記活性水素基含有化合物と前記活性水素基に対する反応性を有する重合体とを伸長反応乃至架橋反応させ、得られた反応物を結着樹脂として含み、更に公知の結着樹脂から適宜選択した結着樹脂を含んでいてもよい。
前記未変性ポリエステル樹脂としては、前記ウレア結合生成基含有ポリエステル樹脂と同様のもの、即ちポリオール(PO)とポリカルボン酸(PC)との重縮合物、等が挙げられる。該未変性ポリエステル樹脂は、その一部が前記ウレア結合生成基含有ポリエステル系樹脂(RMPE)と相溶していること、すなわち、互いに相溶可能な類似の構造であるのが、低温定着性、耐ホットオフセット性の点で好ましい。
前記重量平均分子量(Mw)が、1,000未満であると、耐熱保存性が悪化することがあるので、上述したように前記重量平均分子量(Mw)が1,000未満である成分の含有量は、8〜28質量%であることが必要である。一方、前記重量平均分子量(Mw)が30,000を超えると、低温定着性が悪化することがある。
前記未変性ポリエステル樹脂の水酸基価としては、5mgKOH/gが以上が好ましく、10〜120mgKOH/gがより好ましく、20〜80mgKOH/gが更に好ましい。前記水酸基価が、5mgKOH/g未満であると、耐熱保存性と低温定着性とが両立し難くなることがある。
前記未変性ポリエステル樹脂の酸価としては、通常、1.0〜30.0mgKOH/gであり、5.0〜20.0mgKOH/gが好ましい。一般に前記トナーに酸価をもたせることによって負帯電性となり易くなる。
前記未変性ポリエステル樹脂(PE)の混合質量比が、95を超えると、耐ホットオフセット性が悪化することがあり、75未満であると、低温定着性や画像の光沢性が悪化することがある。
使用量が、50質量部未満であると、トナー材料の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られないことがあり、2,000質量部を超えると、生産コストが高くなることがある。
前記乳化乃至分散においては、必要に応じて、分散粒子を安定化させ、所望の形状を得つつ粒度分布をシャープにする観点から、分散剤を用いることが好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、界面活性剤が好ましい。
前記陰イオン界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル等が挙げられ、フルオロアルキル基を有するものが好適に挙げられる。該フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、例えば、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルキル(炭素数6〜11)オキシ]−1−アルキル(炭素数3〜4)スルホン酸ナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルカノイル(炭素数6〜8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(炭素数11〜20)カルボン酸又はその金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(炭素数7〜13)又はその金属塩、パーフルオロアルキル(炭素数4〜12)スルホン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(炭素数6〜16)エチルリン酸エステル等が挙げられる。該フルオロアルキル基を有する界面活性剤の市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製);フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製);ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製);メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製);エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204(ト−ケムプロダクツ社製);フタージェントF−100、F150(ネオス社製)等が挙げられる。
前記両性界面活性剤としては、例えば、アラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシン、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタイン等が挙げられる。
また、前記難水溶性の無機化合物分散剤としては、例えば、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト、等が挙げられる。
該分散安定剤としては、例えば、リン酸カルシウム塩等の酸、アルカリに溶解可能なもの等が挙げられる。
該分散安定剤を用いた場合は、塩酸等の酸によりリン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗する方法、酵素により分解する方法等によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去することができる。
前記トナー造粒工程においては、前記水系媒体中で乳化又は分散により形成したトナー粒子から、前記有機溶剤を除去する工程を有することが好ましい。
なお、前記有機溶剤の除去は、例えば、公知の溶解懸濁法や、本発明の前記好ましい態様のトナーの製造方法などによりトナーを製造する場合に行われる。
前記機械的衝撃力を印加する方法としては、例えば、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し加速させて粒子同士又は複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法、等が挙げられる。この方法に用いる装置としては、例えば、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢、等が挙げられる。
前記体積平均粒径が、3μm未満であると、二成分現像剤では現像装置における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させることがあり、また、一成分現像剤では、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するため、ブレード等の部材へのトナー融着が発生し易くなることがあり、9μmを超えると、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなることがある。
前記重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(Dn)との比(D4/Dn)が、1.00未満であると、二成分現像剤では現像装置における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させたり、クリーニング性を悪化させることがあり、また、一成分現像剤では、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するため、ブレード等の部材へのトナー融着が発生し易くなることがあり、1.25を超えると、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなることがある。
前記針入度が、15mm未満であると、耐熱保存性が悪化することがある。
前記針入度は、JIS K2235−1991に従って測定することができ、具体的には、50mlのガラス容器にトナーを充填し、50℃の恒温槽に20時間放置する。このトナーを室温まで冷却し、針入度試験を行うことにより針入度を測定することができる。
なお、前記針入度の値が大きい程、前記耐熱保存性が優れることを示している。
前記オフセット未発生温度は、例えば、画像形成装置を用いて、評価するトナーが所定量で現像されるように調整し、定着部材の温度が可変となるように調整して、オフセットの発生しない温度を測定することによって求めることができる。
前記軟化温度(Ts)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、30℃以上が好ましく、50〜90℃がより好ましい。軟化温度(Ts)が、30℃未満であると、耐熱保存性が悪化することがある。
前記1/2法軟化点(T1/2)は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、90℃以上が好ましく、100〜170℃がより好ましい。1/2法軟化点(T1/2)が、90℃未満であると、耐オフセット性が悪化することがある。
ガラス転移温度は、例えば、示差走査熱量計(「DSC−60」;島津製作所製など)を用いて測定することができる。
ここで、本発明における酸価(AV)、水酸基価(OHV)とは、具体的に次のような手順で決定される。
測定装置:電位差自動滴定装置 DL-53 Titrator(メトラー・トレド社製)
使用電極 :DG113−SC (メトラー・トレド社製)
解析ソフト:LabX Light Version 1.00.000
装置の校正:トルエン120mlとエタノール30mlの混合溶媒を使用する。
測定温度 :23℃
Stir
Speed [%] 25
Time [s] 15
EQP titration
Titrant/Sensor
Titrant CH3ONa
Concentration [mol/L] 0.1
Sensor DG115
Unit of measurement mV
Predispensing to volume
Volume [mL] 1.0
Wait time [s] 0
Titrant addition Dynamic
dE(set) [mV] 8.0
dV(min)[mL] 0.03
dV(max)[mL] 0.5
Measure mode Equilibrium controlled
dE [mV] 0.5
Dn [s] 1.0
t(min) [s] 2.0
t(max) [s] 20.0
Recognition
Threshold 100.0
Steepest jump only No
Range No
Tendency None
Termination
at maximum volume [mL] 10.0
at potential No
at slope No
after number EQPs Yes
n =1
comb. termination conditions No
Evaluation
Procedure Standard
Potential 1 No
Potential 2 No
Stop for reevaluation No
JIS K0070−1992に記載の測定方法に準拠して以下の条件で測定を行う。
試料調整 :トナー0.5gをトルエン120mlに添加して室温(23℃)で約10時間撹拌して溶解する。更にエタノール30mlを添加して試料溶液とする。
測定は上記記載の装置にて計算することが出来るが、具体的には次のように計算する。
あらかじめ標定されたN/10苛性カリ〜アルコール溶液で滴定し、アルコールカリ液の消費量から次の計算で酸価を求める。
酸価=KOH(ml数)×N×56.1/試料重量
(ただしNはN/10KOHのファクター)
試料0.5gを100mlのメスフラスコに精秤し、これにアセチル化試薬5mlを正しく加える。その後100℃±5℃の浴中に浸して加熱する。1〜2時間後フラスコを浴から取り出し、放冷後水を加えて振り動かして無水酢酸を分解する。更に分解を完全にするため再びフラスコを浴中で10分間以上加熱し放冷後、有機溶剤でフラスコの壁を良く洗う。この液を前記電極を用いてN/2水酸化カリウムエチルアルコール溶液で電位差滴定を行いOH価を求める(JISK0070−1966に準ずる。)。
画像濃度は、例えば、カラー電子写真装置(「IPSiO Color 8100」;株式会社リコー製)を用いて、複写紙(「タイプ 6200」;株式会社リコー製)に現像剤の付着量が1.00±0.1mg/cm2のベタ画像を定着ローラの表面温度が160±2℃で形成し、得られたベタ画像における任意の5箇所の画像濃度を、分光計(X−ライト社製、938 スペクトロデンシトメータ)を用いて測定しその平均値を算出することにより、測定することができる。
本発明のトナーは、トナーを構成する材料を含有する液体をトナー材料液とし、少なくとも前記トナー材料液を水系媒体中で乳化又は分散させる工程を経てトナーを造粒することにより、小粒径のワックス粒子をトナー中に均一に分散させ、かつトナー表面に適度に存在させることができ、ワックスのトナー粒子内での偏在を防止し、離型性に優れ、フィルミングの発生が少ないトナーが得られる。
また、トナーの製造工程において、加熱が不要であるため、低融点を有するワックスを使用することができ、トナー粒子の表面ワックス量を特定の範囲とすることにより、低温での離型性に優れ、低温定着性と耐熱保存性とを両立し、高画質が得られる、小粒径かつ粒度分布の狭いトナーが得られる。
本発明の現像剤は、本発明のトナーを少なくとも含有してなり、キャリア等の適宜選択したその他の成分を含有してなる。該現像剤としては、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンタ等に使用する場合には、寿命向上等の点で二成分現像剤が好ましい。
本発明のトナーを用いた一成分現像剤の場合、トナーの収支が行われても、トナーの粒子径の変動が少なく、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化する為のブレード等の部材へのトナーの融着がなく、現像装置の長期の使用(撹拌)においても、良好で安定した現像性及び画像が得られる。また、本発明のトナーを用いた二成分現像剤の場合、長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー粒子径の変動が少なく、現像装置における長期の撹拌においても、良好で安定した現像性が得られる。
前記芯材の材料としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、50〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム(Mn−Sr)系材料、マンガン−マグネシウム(Mn−Mg)系材料等が好ましく、画像濃度の確保の点では、鉄粉(100emu/g以上)、マグネタイト(75〜120emu/g)等の高磁化材料が好ましい。また、トナーが穂立ち状態となっている感光体への当りを弱くでき高画質化に有利である点で、銅−ジンク(Cu−Zn)系(30〜80emu/g)等の弱磁化材料が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよい、2種以上を併用してもよい。
前記平均粒径(体積平均粒径(D50))が、10μm未満であると、キャリア粒子の分布において、微粉系が多くなり、1粒子当たりの磁化が低くなってキャリア飛散を生じることがあり、150μmを超えると、比表面積が低下し、トナーの飛散が生じることがあり、ベタ部分の多いフルカラーでは、特にベタ部の再現が悪くなることがある。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、セルソルブチルアセテート、等が挙げられる。
前記量が、0.01質量%未満であると、前記芯材の表面に均一な前記樹脂層を形成することができないことがあり、5.0質量%を超えると、前記樹脂層が厚くなり過ぎてキャリア同士の造粒が発生し、均一なキャリア粒子が得られないことがある。
本発明のトナーを用いた現像剤は、転写性、定着性等に優れ、高画質な画像を安定に形成することができる。
前記現像剤は、磁性一成分現像方法、非磁性一成分現像方法、二成分現像方法等の公知の各種電子写真法による画像形成に好適に用いることができ、以下の本発明のトナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法に特に好適に用いることができる。
本発明のトナー入り容器は、本発明のトナー乃至前記現像剤を容器中に充填してなる。
前記容器としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、トナー入り容器本体とキャップとを有してなるもの、等が好適に挙げられる。
前記トナー入り容器本体としては、その大きさ、形状、構造、材質等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記形状としては、円筒状等が好ましく、内周面にスパイラル状の凹凸が形成され、回転させることにより内容物であるトナーが排出口側に移行可能であり、かつ該スパイラル部の一部又は全部が蛇腹機能を有しているもの、等が特に好ましい。
前記トナー入り容器本体の材質としては、特に制限はなく、寸法精度がよいものが好ましく、例えば、樹脂が好適に挙げられ、その中でも、例えば、ポリエステル樹脂,ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリル酸、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂、等が好適に挙げられる。
本発明のトナー入り容器は、保存、搬送等が容易であり、取扱性に優れ、後述する本発明のプロセスカートリッジ、画像形成装置等に、着脱可能に取り付けてトナーの補給に好適に使用することができる。
本発明のプロセスカートリッジは、静電潜像を担持する静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に担持された静電潜像を、現像剤を用いて現像し可視像を形成する現像手段とを、少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段を有してなる。
前記現像手段としては、本発明のトナー乃至前記現像剤を収容する現像剤収容器と、該現像剤収容器内に収容されたトナー乃至現像剤を担持しかつ搬送する現像剤担持体とを、少なくとも有してなり、更に、担持させるトナー層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい。
本発明のプロセスカートリッジは、各種電子写真装置に着脱自在に備えさせることができ、後述する電子写真装置に着脱自在に備えさせるのが好ましい。
ここで、前記プロセスカートリッジは、例えば、図2に示すように、感光体(101)を内蔵し、他に帯電手段(102)、現像手段(104)、クリーニング手段(107)を含み、更に必要に応じてその他の部材を有してなる。図1のプロセスカートリッジ例では、現像済みの感光体(101)上のトナー像を、受像紙(105)に転写するための転写手段(108)を有している。
前記感光体(101)としては、上述したようなものを用いることができる。
露光手段(103)には、高解像度で書き込みが行うことのできる光源が用いられる。
帯電手段(102)には、任意の帯電部材が用いられる。
本発明の画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
前記静電潜像形成工程は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程である。
前記静電潜像担持体(「光導電性絶縁体」、「感光体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体、などが挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコン等が好ましい。
前記静電潜像の形成は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、静電潜像形成手段により行うことができる。
前記静電潜像形成手段は、例えば、静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
前記帯電は、例えば、帯電器を用いて静電潜像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
前記露光は、例えば、露光器を用いて静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、等の各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
現像工程は、静電潜像を、本発明のトナー乃至前記現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
可視像の形成は、例えば、静電潜像を本発明のトナー乃至前記現像剤を用いて現像することにより行うことができ、現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、本発明のトナー乃至前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、本発明のトナー乃至現像剤を収容し、静電潜像に該トナー乃至現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられ、本発明のトナー入り容器を備えた現像器等がより好ましい。
前記現像器内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記静電潜像担持体(感光体)近傍に配置されているため、マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成するトナーの一部は、電気的な吸引力によって静電潜像担持体(感光体)の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて静電潜像担持体(感光体)の表面にトナーによる可視像が形成される。
前記現像器に収容させる現像剤は、本発明のトナーを含む現像剤であるが、該現像剤としては一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよい。
<トナーの評価方法>
まず、実施例及び比較例のトナーの評価方法について述べる。
得られたトナーについて、重量平均粒径(D4)、個数平均粒子径Dn、粒度分布D4/Dn、D4及びDnは、粒度測定器マルチサイザーIII(ベックマン・コールター社製)を用いて、アパーチャー径100μmで測定した。また、得られた結果からD4/Dnを算出した。
トナーの定着特性は、以下のようにして評価した。リコー製imagio Neo 450に図1に示すベルト加熱定着装置を搭載した改造機にて下記(1)、(2)の評価を行った。なお、ベルトの基体は100μmのポリイミド、中間弾性層が100μmのシリコンゴム、表面のオフセット防止層が15μmのPFA、定着ローラーがシリコン発泡体、加圧ローラーの金属シリンダーがSUSで厚さ1mm、加圧ローラーのオフセット防止層がPFAチューブ+シリコンゴムで厚さ2mm、加熱ローラーが厚さ2mmのアルミ、面圧1×105Paの構成のものを用いた。
(1)低温定着性(5段階評価)
◎;120℃未満.○;120〜130℃.□;130〜140℃.△;140〜150℃.×;150℃以上
(2)ホットオフセット性(5段階評価)
◎;201℃以上.○;200〜191℃.□:190〜181℃.△;180〜171℃.×;170℃以下
カラー電子写真装置(「IPSiO Color 8100」;株式会社リコー製)を用い、5万枚複写を行ったときの現像ローラ、あるいは、感光体上のトナーフィルミングの発生状況の有無を目視で観察し、下記基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
◎:フィルミングが観られない
○:スジ状のフィルミングが殆ど観られない
△:スジ状のフィルミングが部分的に観られる
×:全体的にフィルミングが観られる
50ccのガラス容器にトナーを充填し、50℃の恒温槽に20時間放置した。該トナーを室温に冷却し、針入度試験(JIS K2235−1991)にて針入度を測定した。針入度は、大きいほど耐熱保存性に優れており、ブロッキングが発生しにくいことを意味する。該針入度を用い、耐熱保存性を下記基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
◎:針入度20mm以上
○:針入度15mm以上20mm未満
△:針入度10mm以上15mm未満
×:針入度10mm未満
次に、実施例におけるトナー材料液の調製工程について述べる。
−−未変性ポリエステル(低分子ポリエステル)の合成−−
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229質量部、ビスフェノールAプロピオンオキサイド3モル付加物529質量部、テレフタル酸208質量部、アジピン酸46質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を投入し、常圧下、230℃にて8時間反応させた。次いで、該反応液を10〜15mmHgの減圧下にて5時間反応させた後、反応容器中に無水トリメリット酸44質量部を添加し、常圧下、180℃にて2時間反応させて、未変性ポリエステルを合成した。
得られた未変性ポリエステルは、数平均分子量(Mn)が2,500、重量平均分子量(Mw)が6,700、ガラス転移温度(Tg)が43℃、酸価が25mgKOH/gであった。
水1200質量部、前記着色剤としてのカーボンブラック(「Printex35」;デグサ社製、DBP吸油量=42ml/100g、pH=9.5)540質量部、及び前記未変性ポリエステル1200質量部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて混合した。該混合物を二本ロールで150℃にて30分混練した後、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン社製)で粉砕して、マスターバッチを調製した。
(製造例1)
−ワックス分散液(1)の調製−
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、前記未変性ポリエステル378質量部、パラフィンワックスA(融点78℃)110質量部、及び酢酸エチル947質量部を仕込み、攪拌下80℃まで昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間かけて30℃まで冷却した後ビーズミル(「ウルトラビスコミル」;アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、及び0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で10パスしてワックス分散液(1)を得た。
−ワックス分散液(2)〜(6)の調製−
製造例1のビーズミルパス回数を表2に示す回数に変えた以外は製造例1と同様にして、ワックス分散液(2)〜(6)を調製した。
(製造例7)
−ワックス分散液(7)の調製−
製造例1のパラフィンワックスA(融点78℃)をパラフィンワックスB(融点68℃)に変え、パス回数を7とした以外は製造例1と同様にして、ワックス分散液(7)を調製した。
(製造例8)
−ワックス分散液(8)の調製−
製造例1のパラフィンワックスAをポリエチレンワックス(融点82℃)に変え、パス回数を6とした以外は製造例1と同様にして、ワックス分散液(8)を調製した。
(製造例9)
−ワックス分散液(9)の調製−
製造例1のパラフィンワックスAをポリプロピレンワックス(融点86℃)に変え、パス回数を5とした以外は製造例1と同様にして、ワックス分散液(9)を調製した。
(製造例10)
−ワックス分散液(10)の調製−
製造例1のビーズミルパス回数を7回に変えた以外は製造例1と同様にして、ワックス分散液(10)を調製した。
(製造例11)
−ワックス分散液(11)の調製−
製造例1のビーズミルパス回数を20回に変えた以外は製造例1と同様にして、ワックス分散液(11)を調製した。
(製造例12)
−ワックス分散液(12)の調製−
製造例1のパラフィンワックスAをカルボニル基含有ワックス(融点116℃)に変えた以外は製造例1と同様にして、ワックス分散液(12)を調製した。
製造例1〜12で得られたワックス分散液の粒径(Dw)を表1に示す。
−ワックス分散液(13)の調製−
製造例1においてビーズミルを使用しないこと以外は製造例1と同様にして、ワックス分散液(13)を調製した。」
−−有機溶剤相の調製−−
前記ワックス分散液(1)1435質量部に、前記マスターバッチ500質量部、及び酢酸エチル500質量部を仕込み、1時間混合して原料溶解液を得た。
得られた原料溶解液1324質量部を反応容器に移し、インライン溶解用ミキサーMDN304−X2S(ローター、ステーター組み合わせ、入り口よりG、M、F:太平洋機工社製)を用いて、送液速度1kg/hr、回転数1300rpmで4パスして、前記カーボンブラック及び前記ワックスの分散を行った。次いで、
次に、ワックス分散液に未変性ポリエステル樹脂の65重量%酢酸エチル溶液1324部を添加した。上記と同様の条件でウルトラビスコミルを用いて1パスして得られた分散液200部に、少なくとも一部をベンジル基を有する第 4 級アンモニウム塩で変性した層状無機鉱物モンモリロナイト(クレイトンAPA Southern Clay Products社製)3質量部を添加した。上記同様の条件のインライン溶解用ミキサーで10パスし、分散させ、有機溶剤相を調製した。トナー材料の分散液を得た。
得られた有機溶剤相の固形分濃度(測定条件:130℃、30分の加熱前後の質量差による)は、50質量%であった。
冷却管、撹拌機及び窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧下230℃で7時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2200、重量平均分子量9700、ピーク分子量3000、Tg54℃、酸価0.5mgKOH/g、水酸基価52mgKOH/gであった。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル1]410部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、[プレポリマー1]を得た。[プレポリマー1]の遊離イソシアネート質量%は、1.53%であった。
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、イソホロンジアミン170質量部及びメチルエチルケトン75質量部を仕込み、50℃にて5時間反応を行い、ケチミン化合物(活性水素基含有化合物)を合成した。
得られたケチミン化合物(活性水素機含有化合物)のアミン価は418であった。
反応容器中に、前記有機溶剤相749質量部、前記プレポリマー115質量部、及び前記ケチミン化合物2.9質量部を仕込み、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて7.5m/sにて1分間混合してトナー材料液を調製した。
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、水683質量部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(「エレミノールRS−30」;三洋化成工業製)20質量部、スチレン78質量部、メタクリル酸78質量部、アクリル酸ブチル120質量部、及び過硫酸アンモニウム1質量部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌し、白色の乳濁液を得た。該乳濁液を加熱して、系内温度75℃まで昇温して5時間反応させた。次いで、1質量%過硫酸アンモニウム水溶液30質量部を添加し、75℃にて5時間熟成して、ビニル樹脂粒子(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液(有機樹脂微粒子分散液)を調製した。
得られた有機樹脂微粒子分散液に含まれる有機樹脂微粒子の重量平均粒径(D4)を、粒度分布測定装置(「nanotrac UPA−150EX」;日機装株式会社製)により測定したところ、55nmであった。また、該有機樹脂微粒子分散液の一部を乾燥して樹脂分を単離し、該樹脂分のガラス転移温度(Tg)を測定したところ、48℃であり、重量平均分子量(Mw)を測定したところ450,000であった。
水990質量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5質量%水溶液(「エレミノールMON−7」;三洋化成工業製)37質量部、前記有機樹脂微粒子分散液15部、及び酢酸エチル90質量部を、混合撹拌し、乳白色の液体(水系媒体相)を得た。
−乳化乃至分散−
前記トナー材料液中に前記水系媒体相1200質量部を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)で、周速15m/sにて20分間混合し、水中油滴型分散液(乳化スラリー)を調製した。
−有機溶剤の除去−
攪拌機及び温度計をセットした反応容器中に、前記粒径制御後の乳化スラリーを仕込み、30℃にて8時間脱溶剤した後、45℃にて4時間熟成を行い、分散スラリーを得た。
前記分散スラリー100質量部を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水100質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数10.0m/sにて10分間)した後濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水100質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数10.0m/sにて10分間)した後減圧濾過した。得られた濾過ケーキに10質量%水酸化ナトリウム水溶液100質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数10.0m/sにて10分間)した後濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数10.0m/sにて10分間)した後濾過する操作を2回行い、最終濾過ケーキを得た。
得られた最終濾過ケーキを循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、実施例1のトナー母体粒子を得た。
−外添剤処理−
得られた実施例1のトナー母体粒子100質量部に対し、外添剤としての疎水性シリカ1.5質量部と、疎水化酸化チタン0.5質量部をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて混合処理し、目開き35μmメッシュで篩い、実施例1のトナーを製造した。
得られたトナーについて、諸物性を下記方法により測定した。結果を表2に示す。
実施例1において、製造例1で得られたワックス分散液(1)を、製造例2で得られたワックス分散液(2)に代えた以外は、実施例1と同様にして実施例2のトナーを製造した。また、実施例1と同様にして諸物性を測定した。結果を表2に示す。
(実施例3)
実施例1において、製造例1で得られたワックス分散液(1)を、製造例3で得られたワックス分散液(3)に代えた以外は、実施例1と同様にして実施例3のトナーを製造した。また、実施例1と同様にして諸物性を測定した。結果を表2に示す。
(実施例4)
実施例1において、製造例1で得られたワックス分散液(1)を、製造例4で得られたワックス分散液(4)に代えた以外は、実施例1と同様にして実施例4のトナーを製造した。また、実施例1と同様にして、諸物性を測定した。結果を表2に示す。
(実施例5)
実施例1において、製造例1で得られたワックス分散液(1)を、製造例5で得られたワックス分散液(5)に代えた以外は、実施例1と同様にして実施例5のトナーを製造した。また、実施例1と同様にして、諸物性を測定した。結果を表2に示す。
実施例1において、製造例1で得られたワックス分散液(1)を、製造例6で得られたワックス分散液(6)に代えた以外は、実施例1と同様にして実施例6のトナーを製造した。また、実施例1と同様にして、諸物性を測定した。結果を表2に示す。
(実施例7)
実施例1において、製造例1で得られたワックス分散液(1)を、製造例7で得られたワックス分散液(7)に代えた以外は、実施例1と同様にして実施例7のトナーを製造した。また、実施例1と同様にして、諸物性を測定した。結果を表2に示す。
(実施例8)
実施例1において、製造例1で得られたワックス分散液(1)を、製造例8で得られたワックス分散液(8)に代えた以外は、実施例1と同様にして実施例8のトナーを製造した。また、実施例1と同様にして、諸物性を測定した。結果を表2に示す。
(実施例9)
実施例1において、製造例1で得られたワックス分散液(1)を、製造例9で得られたワックス分散液(9)に代えた以外は、実施例1と同様にして実施例9のトナーを製造した。また、実施例1と同様にして、諸物性を測定した。結果を表2に示す。
(実施例10)
実施例4において添加した少なくとも一部をベンジル基を有する第 4 級アンモニウム塩で変性した層状無機鉱物モンモリロナイト(クレイトンAPA Southern Clay Products社製)3部をMEK−ST−UP(固形分20重量%;日産化学工業製)15部に代え、ワックス分散液(4)を、製造例10で得られたワックス分散液(10)に代えた以外は、た以外は、実施例4と同様にして実施例10のトナーを製造した。また、実施例4と同様にして、諸物性を測定した。結果を表2に示す。
実施例1において、製造例1で得られたワックス分散液(1)を、製造例11で得られたワックス分散液(11)に代えた以外は、実施例1と同様にして比較例1のトナーを製造した。また、実施例1と同様にして、諸物性を測定した。結果を表2に示す。
(比較例2)
実施例1において、ワックス分散液(1)を製造例13で得られたワックス分散液(13)に代えた以外は、実施例1と同様にして比較例2のトナーを製造した。また、実施例1と同様にして、諸物性を測定した。結果を表2に示す。
(比較例3)
実施例1において、製造例1で得られたワックス分散液(1)を、製造例12で得られたワックス分散液(12)に代えた以外は、実施例1と同様にして比較例3のトナーを製造した。また、実施例1と同様にして、諸物性を測定した。結果を表2に示す。
(比較例4)
実施例1において添加した少なくとも一部をベンジル基を有する第 4 級アンモニウム塩で変性した層状無機鉱物モンモリロナイト(クレイトンAPA Southern Clay Products社製)3部を未変性層状無機鉱物モンモリロナイト(商品名:クニピア クニミネ工業株式会社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして比較例4のトナーを製造した。また、実施例1と同様にして、諸物性を測定した。
以上で得た実施例及び比較例のトナーの結果を表2に示す。
R2 加圧ローラー
R3 加熱ローラー
R4 クリーニングローラー
B 定着ベルト
P 加圧バネ
G ガイド
H 加熱源
100 画像形成装置
101 感光体
102 帯電手段
103 露光手段
104 現像手段
105 受像紙
107 クリーニング手段
108 転写手段
Claims (13)
- トナーを構成する材料として少なくとも結着樹脂及び/又は結着樹脂前駆体、層状無機鉱物の金属イオンの少なくとも一部を有機物イオンで変性してなる層状無機鉱物からなるフィラー、及びワックスを含有する液体をトナー材料液とし、少なくとも前記トナー材料液を水系媒体中で乳化又は分散させる工程を経て得られたトナーにおいて、前記トナーは、FTIR−ATR(全反射吸収赤外分光)法により求められる2850cm−1のピークと828cm−1のピークとの強度比(P2850/P828)が0.01〜0.15の範囲にあり、前記結着樹脂及び/又は結着樹脂前駆体を溶解及び/または膨潤するための有機溶剤に前記トナーを浸漬し、遠心分離した際に、遊離する前記ワックスの粒子の平均粒径Dw(μm)が、トナーの個数平均粒径Dn(μm)と下記式(1)を満たすことを特徴とする静電荷像現像用トナー。
(1/80)Dn≦Dw≦(1/12)Dn ・・・・(1) - 前記トナーの融点が50〜90℃であり、トナーがC−H、C−C結合のみで分子鎖を構成するワックスを含むことを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記結着樹脂及び/又は結着樹脂前駆体を溶解及び/または膨潤するための有機溶剤に前記トナーを浸漬し、遠心分離した際に、遊離する前記ワックスの粒子の平均粒径Dw(μm)が、トナーの個数平均粒径Dn(μm)と下記式(2)を満たすことを特徴とする請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
(1/80)Dn≦Dw≦(1/25)Dn ・・・・(2) - ワックスの含有量が、全トナー質量の2〜10質量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のトナー。
- 前記結着樹脂がポリエステル樹脂、及び結着樹脂前駆体がポリエステル樹脂誘導体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記ポリエステル樹脂はモノマー成分として少なくとも芳香族化合物を含むことを特徴とする請求項5記載の静電荷現像用トナー。
- 前記ポリエステル樹脂がFTIR−ATR(全反射吸収赤外分光)法によって少なくとも828cm−1の吸収を持つことを特徴とする請求項6記載の静電荷現像用トナー。
- 前記ワックスが、少なくともパラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスのいずれかであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記ワックスがFTIR−ATR(全反射吸収赤外分光)法によって少なくとも2850cm−1の吸収を持つことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の静電荷現像用トナー
- 該トナーの重量平均粒径(D4)が3〜8μmであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
- 該トナーの重量平均粒径D4(μm)と個数平均粒径Dn(μm)との比D4/Dnが1.00〜1.25であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
- 感光体と、現像手段と、帯電手段及び/又はクリ−ニング手段とを一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカ−トリッジにおいて、該現像手段は、トナーを保持し、該トナーは、請求項1〜11のいずれかに記載のトナーであることを特徴とするプロセスカ−トリッジ。
- 請求項1〜11のいずれかに記載のトナーを含有する2成分現像剤を用いて画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
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