JP2009102476A - ポリエステル系の光架橋型粘着剤組成物 - Google Patents

ポリエステル系の光架橋型粘着剤組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】水分の影響を受け難く塗工後の熟成工程も不要で生産性に優れ保存性にも優れるポリエステル系の光架橋型粘着剤組成物として、原料成分に植物由来材料を用いて粘着特性に優れるものを得ることを課題とする。
【解決手段】ジカルボン酸とジオールとからなる原料成分の70重量%以上が植物由来材料で、かつ酸価が2.0KOHmg/g以下のポリエステル100重量部に官能基を有する(メタ)アクリレート1.0〜6.0重量部を反応させて得られる光架橋可能な2重結合を有するポリエステル系樹脂を主剤とし、上記のポリエステル100重量部あたり、光開始剤0.05〜1.00重量部と、架橋剤0〜1.0重量部を含むことを特徴とするポリエステル系の光架橋型粘着剤組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、植物由来材料から得られるポリエステル系の光架橋型粘着剤組成物に関し、良好な粘着特性と生産性および保存安定性に優れ、表面保護用など粘着シートの使い捨てを前提とした用途に適した上記粘着剤組成物に関する。

昨今、化石資源の枯渇や地球の温暖化対策として、再生可能な材料である植物由来材料の使用が推奨され始めている。

粘着剤の材料には、これまで、主にアクリル系の材料などが使用されているが、現在のところ、粘着剤に使用可能な植物由来のアクリル系の材料は見つかっていない。

一方、ポリエステル系の粘着剤の材料であるジカルポン酸やジオールには、植物由来のものがあり、これらの再生可能な循環型材料を使用することにより、地球環境への負荷を低減することが可能である。

ところで、粘着剤は、一般に、耐熱性や保持特性の向上のために、塗工後に分子の架橋処理を行っている。

従来のポリエステル系の粘着剤には、イソシアネート系やエポキシ系の架橋剤を用いて熱架橋するタイプのものがあるが、これらは水分の影響を受けやすく、ポリマーや架橋剤の含水量により特性が変化したり、白化や気泡が発生するなどの課題があった。

また、これら熱架橋型の粘着剤では、架橋反応を完結させるために、塗工後3日程度の熟成が必要であり生産性が悪く、この課題を解決するために架橋促進剤を用いると、ゲル化しやすくなり保存性が低下するという課題もあつた。

これらの課題を解決するため、ポリエステルに光架橋可能な2重結合を導入して光架橋させることにより、水分の影響を受け難くなり、塗工後の熟成工程も必要でなく、保存性にも優れる粘着剤が得られることが知られている。

架橋にはカチオン架橋とラジカル架橋とがあるが、前者のカチオン架橋では水分により架橋を阻害されるおそれがある。これに対し、ラジカル架橋は、上記課題の解決に適しており、特許文献1〜4など数多くの提案がなされている。

特開平8−165457号公報 特開平3−239779号公報 特開平1−275615号公報 特開平1−292017号公報
しかしながら、上記従来のポリエステル系の光架橋型粘着剤には、原料成分に植物由来材料を用いたものはほとんどなく、この植物由来材料を用いて粘着特性に優れるポリエステル系の粘着剤は今のところ見出されていない。

本発明は、このような事情に照らし、水分の影響を受け難く塗工後の熟成工程も不要で生産性に優れ保存性にも優れるポリエステル系の光架橋型粘着剤組成物として、原料成分に植物由来材料を用いて粘着特性に優れるものを得ることを課題としている。

本発明者らは、上記の課題に対して、鋭意研究の結果、水分の影響を受け難く塗工後の熟成工程も不要で生産性に優れ保存性にも優れるポリエステル系の光架橋型粘着剤組成物として、原料成分に植物由来材料を用いた特定範囲の酸価を有するポリエステルに官能基を有する(メタ)アクリレートを特定量反応させ、これに特定量の光開始剤と必要により特定量の架橋剤を配合することにより、光架橋後に優れた粘着特性を発揮する植物由来の粘着剤が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。

すなわち、本発明は、ジカルボン酸とジオールとからなる原料成分の70重量%以上が植物由来材料で、かつ酸価が2.0KOHmg/g以下のポリエステル100重量部に官能基を有する(メタ)アクリレート1.0〜6.0重量部を反応させて得られる光架橋可能な2重結合を有するポリエステル系樹脂を主剤とし、上記のポリエステル100重量部あたり、光開始剤0.05〜1.00重量部と、架橋剤0〜1.0重量部を含むことを特徴とするポリエステル系の光架橋型粘着剤組成物に係るものである。

特に、本発明は、ジカルボン酸がダイマー酸であり、ジオールがダイマージオールである上記構成のポリエステル系の光架橋型粘着剤組成物と、官能基を有する(メタ)アクリレートがイソシアネート基を有する(メタ)アクリレートである上記構成のポリエステル系の光架橋型粘着剤組成物と、光架橋後のガラス転移温度が−70℃〜−20℃、光架橋後の23℃での貯蔵弾性率が1×104 〜1×106 Paである上記構成のポリエステル系の光架橋型粘着剤組成物とを提供できるものである。

このように、本発明は、植物由来材料を用いた特定範囲の酸価を有するポリエステルに官能基を有する(メタ)アクリレートを特定量反応させて得られる光架橋可能な2重結合を有するポリエステル系樹脂を主剤とし、これに特定量の光開始剤などを配合することで水分の影響を受け難く生産性および保存性に優れる光架橋型粘着剤組成物として、光架橋後に優れた粘着特性を発揮する植物由来のものを提供できる。

本発明におけるポリエステルは、ジカルボン酸とジオールとからなる原料成分の全重量の70重量%以上が植物由来材料であり、好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上、最も好ましくは95重量%以上が植物由来材料であるのがよい。

植物由来のジカルポン酸には、ヒマシ油由来のセバシン酸やオレイン酸などから得られるダイマー酸などがあり、植物由来のジオールには、ヒマシ油から誘導される脂肪酸エステルやオレイン酸などから得られるダイマージオールなどがある。

原料成分としてダイマー酸やダイマージオールを用いると、ポリエステルのガラス転移温度Tgを容易に下げることができるので、特に望ましい。

また、本発明におけるポリエステルは、酸価が2.0mgKOH/g以下であることが必要であり、特に好ましくは1.5mgKOH/g以下、より好ましくは1.0mgKOH/g以下であるのがよい。

ポリエステルの酸価が2.0mgKOH/gを超えると、これと(メタ)アクリレートの官能基との反応性が低下してくるため、光架橋後のポリマーのゲル分率が上昇し難くなり、粘着剤の保持特性が低下する。

本発明において、このようなポリエステルを得る方法は限定されない。原料成分である上記のジカルボン酸とジオールとを、得られるポリエステルの酸価が上記範囲となる所定割合で常法により縮合重合反応させればよい。この縮合重合反応は、有機溶剤を使用して行ってもよいし、減圧下無溶剤で行ってもよい。

縮合重合反応には、一般の縮合反応に用いられる触媒を用いるのがよい。具体的には、テトラ−n−ブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、三酸化アンチモン、ブチルスズオキシドなどの金属化合物が挙げられる。

触媒の使用量は、敵宜選択できるが、ジカルボン酸100モル当量に対し、0.1〜2モル当量、好ましくは0.4〜1.7モル当量、さらに好ましくは0.7〜1.4モル当量であるのがよい。0.1モル当量未満では反応速度が著しく遅くなり、2モル当量を超えると、反応速度に対する効果がないので、好ましくない。

本発明においては、このようなポリエステルに官能基を有する(メタ)アクリレートを反応させて、光架橋可能な2重結合を有するポリエステル系樹脂を得る。

ここで使用する官能基を有する(メタ)アクリレートは、ポリエステルに対し反応可能な官能基を有するものであればよいが、ポリエステルのカルボキシル基や水酸基と反応して水が発生するものは好ましくない。

このような観点から、上記の(メタ)アクリレートには、官能基としてイソシアネート基を有する(メタ)アクリレートを用いるのが望ましい。具体的には、イソシアネートアルキル(メタ)アクリレートとして、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、(メタ)アクリロイルオキシメチルイソシアネートなどを用いることができる。

ポリエステルと官能基を有する(メタ)アクリレートとを反応させる方法は、特に限定されない。一般には、ポリエステルに官能基を有する(メタ)アクリレートを加え、撹拌しながら50〜150℃で3〜12時間程度反応させればよい。

ポリエステルが高粘度でそのままでは撹拌できないときは、適宜の有機溶剤を使用してポリエステルを希釈し低粘度化した状態で撹拌することができる。その際は、有機溶剤の沸点以下の温度で撹拌するのが望ましい。

官能基を有する(メタ)アクリレートの使用量は、ポリエステル100重量部あたり、1.0〜6.0量部、好ましくは2.0〜5.0重量部とするのがよい。

官能基を有する(メタ)アクリレートが1.0重量部未満では、光架橋後のポリマーのゲル分率が低下して保持性などの粘着特性が低下する。6.0重量部を超えて用いても、光架橋後のポリマーのゲル分率のそれ以上の上昇は得られず、またポリマー中に未反応のアクリレートが残存し粘着力が低下してくるなどの心配がある。

本発明においては、このような反応により得られる光架橋可能な2重結合を有するポリエステル系樹脂を主剤成分とし、これに光開始剤と必要により架橋剤を配合することにより、ポリエステル系の光架橋型粘着剤組成物とする。

光開始剤には、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾインエーテル類、アニゾインメチルエーテルなどの置換ベンゾインエーテル類、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェノンアセトフェノンなどの置換アセトフェノン類、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノンなどの置換−α−ケトール類、2−ナフタレンスルホニルクロリドなどの芳香族スルホニルクロリド類、1−フェノン−1,1−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシムなどの光活性オキシム類があり、1種または2種以上を併用してもよい。

このような光開始剤の配合量は、光架橋可能な2重結合を有するポリエステル系樹脂の原料ポリステル〔つまり、官能基を有する(メタ)アクリレートを反応させる前のポリエスル〕100重量部あたり、0.05〜1.00重量部、好ましくは0.1〜0.6重量部とするのがよい。

光開始剤の配合量が0.05重量部未満では、ポリエステル系樹脂を十分に架橋させることができず保持性や粘着力などの粘着特性が低下する。また、1.00重量部を超えて使用すると、粘着力の低下や黄変や臭気の原因となる。

架橋剤には、分子内に(メタ)アクリロイル基を2個以上有する多官能(メタ)アクリレートとして、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,2−エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートなどが用いられる。

架橋剤の配合量は、光架橋可能な2重結合を有するポリエステル系樹脂の原料ポリステル〔つまり、官能基を有する(メタ)アクリレートを反応させる前のポリエスル〕100重量部あたり、0〜1.0重量部、好ましくは0〜0.6重量部とするのがよい。架橋剤の配合により、光架橋後の粘着力の向上をはかることができるが、1.0重量部を超えて配合すると粘着力が却って低下するおそれがある。

本発明のポリエステル系の光架橋型粘着剤組成物には、さらに必要により、光架橋を妨げることのない配合剤として、例えば、酸化防止剤,老化防止剤、着色剤、充填剤などの公知の各種配合剤を配合することもできる。

本発明においては、このポリエステル系の光架橋型粘着剤組成物を剥離ライナーとしての剥離処理フィルム上に塗布し、紫外線の照射による光架橋処理を施すことにより、光架橋物からなる粘着剤層を形成することができる。

塗布厚さを光架橋処理後で通常30〜100μmとなるようにしてシート状やテープ状などの形態とすることができる。有機溶剤で希釈した組成物では、塗布後乾燥し有機溶剤を除去したの、紫外線照射を行うことができる。

紫外線源としては、水銀アーク、炭素アーク、低圧水銀ランプ、中・高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ ブラックライトなどの一般の照明装置が用いられる。

紫外線の強度は、被照射体までの距離や電圧の調整および照射時間(生産性)との兼ね合いで適宜設定できるが、200〜3,000mJ/cm2 、好ましくは500〜2,000mJ/cm2 とするのがよい。

光架橋処理は、酸素雰囲気で行うこともできるが、紫外線の短波長光によるポリマーの劣化防止のため、300nm以下の波長をカットした方が好ましい。このような方法としては、パイレツクス硝子やソーダ硝子、ボリエチレンテレフタレート(PET)フィルムなどをフィルターとして用いる方法が挙げられる。

本発明のポリエステル系の光架橋型粘着剤組成物は、光架橋後の特性として、つまり、上記した光架橋物からなる粘着剤層として、そのガラス転移温度Tgが−70℃〜−20℃、好ましくは−50℃〜−30℃であり、また23℃での貯蔵弾性率G′が1×104 〜1×106 Pa、好ましくは1×105 〜5×105 Paである。

光架橋後のTgが−70℃未満では弾性率が低くなる傾向があり、粘着剤として保持力が低下し、−20℃を超えると弾性率が高くなり、粘着力が低下する傾向にある。また、光架橋後の23℃での貯蔵弾性率G′が1×104 Pa未満では凝集力が低く保持性が低下し、1×106 Paを超えると粘着力が低下する傾向にある。

つぎに、本発明の実施例を記載して、より具体的に説明する。なお、以下において、部とあるのは重量部を意味するものとする。

なおまた、以下の実施例および比較例で使用したポリエステルa〜dは、下記の方法により製造したものである。

<ポリエステルa>
三つ口セパラブルフラスコに撹拌機、温度計を付し、これにダイマージオール(ユニケマ社製のプリポール2033、分子量537)100g、ダイマー酸(ユニケマ社製のプリポール1009、分子量567)100g、触媒としてジ−n−ブチルスズオキシド(キシダ化学社製のDBTO、分子量249)0.45g(ダイマー酸10モルに対し0.1モル)を仕込み、減圧雰囲気(0.09MPa)で撹拌しながら180℃まで昇温し、この温度を保持した。しばらくすると反応水の流出分離が認められ、反応が進行しはじめた。約15時間反応を続け、反応終了後粘度を低下させるために、キシレン100gを加えて撹拌し、ポリエステルaを得た。

このポリエステルaの酸価は0.9mgKOH/gで、溶媒(キシレン)を除いたポリエステル全重量に占める植物由来成分の割合は99.8重量%であった。

<ポリエステルb>
ダイマー酸に代えて、セバシン酸(豊国製油社製、分子量202)を36g仕込んだ以外は、ポリエステルaと同様にして、ポリエステルbを得た。

このポリエステルbの酸価は0.9mgKOH/gで、溶媒を除いたポリエステル全重量に占める植物由来成分の割合は99.7重量%であった。

<ポリエステルc>
ダイマー酸を105g仕込んだ以外は、ポリエステルaと同様にして、ポリエステルcを得た。

このポリエステルcの酸価は1.8mgKOH/gで、溶媒を除いたポリエステル全重量に占める植物由来成分の割合は99.8重量%であった。

<ポリエステルd>
ダイマー酸を111g仕込んだ以外は、ポリエステルaと同様にして、ポリエステルdを得た。

このポリエステルdの酸価は5.0mgKOH/gで、溶媒を除いたポリエステル全重量に占める植物由来成分の割合は99.8重量%であった。

なお、上記ポリエステルa〜dの酸価は、下記の方法で測定したものである。また、上記ポリエステルa〜dの製造に使用した原料成分(ジオール、ジカルボン酸、触媒)と、その物性(酸価、植物由来原料割合)を、表1にまとめて示した。

<酸価>
溶媒として、トルエン/イソプロピルアルコール(IPA)/蒸留水の重量比50/49.5/0.5の混合液を調製した。サンプル0.5gを秤量し、上記のトルエン/IPA/蒸留水混合液50gに溶解した。この試料に対し、HIRANMA社製の滴定装置B−900を用いてKOHにて中和滴定を行い、下記の式で酸価を求めた。

酸価〔mgKOH/g〕=(サンプル滴定量−ブランク滴定量ml)×5.611×KOH力価/サンブル重量g

Figure 2009102476
実施例1
三つ口セパラブルフラスコに撹拌機、温度計、冷却管を付し、これにポリエステルa、このポリエステルa固形分100部あたり、2−メタクロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製のカレンズ−MOI、以下「MOI」という)を3部仕込み、撹拌しながら70℃まで昇温し、この温度を9時間保持し反応を完結させた。

その後、上記反応物に、光開始剤である1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバガイギー社製のイルガキュアー184、以下「Irg184」という)と2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(チバガイギー社製のイルガキュアー651、以下「Irg651」という)をそれぞれ0.1部、架橋剤であるトリメテロールプロパントリアクリレート(大阪有機社製のビスコート295、以下「TMPTA」という)を0.2部配合して、ポリエステル系の光架橋型粘着剤組成物とした。

つぎに、この光架橋型粘着剤組成物を乾燥後の厚さが50μmになるように、剥離処理したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの剥離処理面に塗布し、100℃で3分乾燥後、メタルハライドランプを用いて照度150mW/cm2 で光量1,000mJ/cm2 照射し、光架橋させた粘着剤層を形成した。

なお、上記照射の際、剥離処理したPETフィルムの剥離処理面を塗布面に被せメタルハライドランプの300nm以下の波長をカットした。

実施例2
ポリエステルaに代えて、ポリエステルbを使用した以外は、実施例1と同様にして、ポリエステル系の光架橋型粘着剤組成物を得、またこれを用いて実施例1と同様にして、光架橋させた粘着剤層を形成した。

実施例3
ポリエステルaに代えて、ポリエステルcを使用した以外は、実施例1と同様にして、ポリエステル系の光架橋型粘着剤組成物を得、またこれを用いて実施例1と同様にして、光架橋させた粘着剤層を形成した。

実施例4
架橋剤であるTMPTAを配合しなかった以外は、実施例1と同様にして、ポリエステル系の光架橋型粘着剤組成物を得、またこれを用いて実施例1と同様にして、光架橋させた粘着剤層を形成した。

実施例5
MOIを1部仕込むようにした以外は、実施例1と同様にして、ポリエステル系の光架橋型粘着剤組成物を得、またこれを用いて実施例1と同様にして、光架橋させた粘着剤層を形成した。

実施例6
MOIを6部仕込むようにした以外は、実施例1と同様にして、ポリエステル系の光架橋型粘着剤組成物を得、またこれを用いて実施例1と同様にして、光架橋させた粘着剤層を形成した。

実施例7
Irg184とIrg651をそれぞれ0.025部配合するようにした以外は、実施例1と同様にして、ポリエステル系の光架橋型粘着剤組成物を得、またこれを用いて実施例1と同様にして、光架橋させた粘着剤層を形成した。

実施例8
Irg184とIrg651をそれぞれ0.5部配合するようにした以外は、実施例1と同様にして、ポリエステル系の光架橋型粘着剤組成物を得、またこれを用いて実施例1と同様にして、光架橋させた粘着剤層を形成した。

比較例1
ポリエステルaに代えて、ポリエステルdを使用した以外は、実施例1と同様にして、ポリエステル系の光架橋型粘着剤組成物を得、またこれを用いて実施例1と同様にして、光架橋させた粘着剤層を形成した。

比較例2
MOIに代えて、2−ヒドロキシエチルアクリレート(大阪有機社性のHEA、以下「HEA」という)を3部仕込むようにした以外は、実施例1と同様にして、ポリエステル系の光架橋型粘着剤組成物を得、またこれを用いて実施例1と同様にして、光架橋させた粘着剤層を形成した。

比較例3
MOIに代えて、HEAを3部仕込むようにした以外は、比較例1と同様にして、ポリエステル系の光架橋型粘着剤組成物を得、またこれを用いて実施例1と同様にして、光架橋させた粘着剤層を形成した。

比較例4
架橋剤であるTMPTAを2部配合するようにした以外は、実施例1と同様にして、ポリエステル系の光架橋型粘着剤組成物を得、またこれを用いて実施例1と同様にして、光架橋させた粘着剤層を形成した。

比較例5
MOIを0.5部仕込むようにした以外は、実施例1と同様にして、ポリエステル系の光架橋型粘着剤組成物を得、またこれを用いて実施例1と同様にして、光架橋させた粘着剤層を形成した。

比較例6
MOIを8部仕込むようにした以外は、実施例1と同様にして、ポリエステル系の光架橋型粘着剤組成物を得、またこれを用いて実施例1と同様にして、光架橋させた粘着剤層を形成した。

比較例7
Irg184とIrg651をそれぞれ0.01部配合するようにした以外は、実施例1と同様にして、ポリエステル系の光架橋型粘着剤組成物を得、またこれを用いて実施例1と同様にして、光架橋させた粘着剤層を形成した。

比較例8
Irg184とIrg651をそれぞれ0.7部配合するようにした以外は、実施例1と同様にして、ポリエステル系の光架橋型粘着剤組成物を得、またこれを用いて実施例1と同様にして、光架橋させた粘着剤層を形成した。

上記の実施例1〜8および比較例1〜8の各粘着剤組成物に関して、光架橋後のガラス転移温度Tg、貯蔵弾性率G′およびゲル分率と、粘着力および保持力を、下記の方法で測定した。これらの結果は、表2〜表5に示されるとおりであった。なお、各表には、粘着剤組成物の配合成分についても、併記した。

<がラス転移温度Tg>
サンプル:厚さ3mm×直径8mmφ
測定装置:Rheometric Scientific社製 ARES
パラレルプレート(せん断試験用)使用 周波数1Hz
G”のピーク値をTgとした。

<貯蔵弾性率G′>
サンプル:厚さ3mm×直径8mmφ
測定装置:Rheometric Scientific社製 ARES
パラレルプレート(せん断試験用)使用 周波数1Hz
23℃でのG′の値を貯蔵弾性率G′とした。

<ゲル分率>
測定片として厚さが50μmの粘着剤層を5cm×5cm角に切り出した。このサンプルを重さがわかっているポリテトラフルオロエチレン(PTFE)シートで包み重量を秤量し、トルエン中に23℃で7日間放置して、サンプル中のゾル分を抽出した。その後、120℃で2時間乾燥し、乾燥後の重量を秤量した。下記の式でゲル分率を算出した。

ゲル分率(重量%)=〔(乾燥後の重量−ポリテトラフルオロエチレンシート重量)/(乾燥前の重量−ポリテトラフルオロエチレンシート重量)〕×100

<粘着力>
厚さが50μmの粘着剤層の剥離処理したPETフィルムが貼られていない面にコロナ処理を施した厚さが25μmのPETフィルムを貼り付けて測定片とした。この測定片を用いてJIS C 2107の粘着力試験(180度引き剥がし法)に準じて、粘着力を測定した。ただし、圧着は2kgのローラーを1往復して行い、試験板はステルス板を使用し、試験片は幅20mmにし、引張り速度は300mm/分とした。その他は、上記の粘着力試験と同様にして、測定を行った。

<保持力>
厚さが50μmの粘着剤層の剥離処理したPETフィルムが貼られていない面に厚さが90μmのアルミテープを貼り合わせて、10×100μmに切り出した。このサンプルを、125×25×2mmのベークライト板に、10mm×20mmラップするように、5kgロールで1往復し圧着して貼り合わせ、試験片とした。この試験片を、80℃雰囲気下で30分放置したのち、0.5kgの荷重を加え、80℃の雰囲気下に1時間放置後のサンプルのズレ長さを測定して、保持力とした。

Figure 2009102476
Figure 2009102476
Figure 2009102476
Figure 2009102476
上記表2 〜表5の結果から明らかなように、本発明の実施例1〜8では、粘着力および保持力を満足し、粘着特性に優れる植物由来材料のポリエステル系の光架橋型粘着剤組成物を提供できるものであることかわかる。これに対し、比較例1〜8では、本発明のような植物由来材料で粘着特性に優れるものは得られていない。



Claims (4)

  1. ジカルボン酸とジオールとからなる原料成分の70重量%以上が植物由来材料で、かつ酸価が2.0KOHmg/g以下のポリエステル100重量部に官能基を有する(メタ)アクリレート1.0〜6.0重量部を反応させて得られる光架橋可能な2重結合を有するポリエステル系樹脂を主剤とし、上記のポリエステル100重量部あたり、光開始剤0.05〜1.00重量部と、架橋剤0〜1.0重量部を含むことを特徴とするポリエステル系の光架橋型粘着剤組成物。

  2. ジカルボン酸がダイマー酸であり、ジオールがダイマージオールである請求項1に記載のポリエステル系の光架橋型粘着剤組成物。

  3. 官能基を有する(メタ)アクリレートがイソシアネート基を有する(メタ)アクリレートである請求項1または2に記載のポリエステル系の光架橋型粘着剤組成物。

  4. 光架橋後のガラス転移温度が−70℃〜−20℃、光架橋後の23℃での貯蔵弾性率が1×104 〜1×106 Paである請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステル系の光架橋型粘着剤組成物。



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