JP2008256957A - 粘着剤層付き光学積層体 - Google Patents

粘着剤層付き光学積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】 高温、高湿の条件下においても、光学積層体とガラス基板との接着性に優れ、粘着剤層とガラス基板との間に発泡や剥離が生じないうえに、光学フィルムの収縮により生じる白抜け現象を抑制することができ、耐久性に優れた液晶表示板を得るための粘着剤層付き光学積層体を提供すること。
【解決手段】
光学積層体上に、不飽和基含有脂肪族ポリエステル系樹脂[I]を含有する組成物が光及び/又は熱により架橋されてなる粘着剤層を設けてなることを特徴とする粘着剤層付き光学積層体

Description

本発明は、三酢酸セルロース系フィルム等の保護フィルムで、偏光フィルム等の光学フィルムが被覆された光学積層体と液晶セルのガラス基板とを接着するための粘着剤層を設けた光学積層体、とりわけ粘着剤層付き偏光板に関し、更に詳しくは、高温、高湿の条件下においても、光学積層体とガラス基板との接着性に優れ、粘着剤層とガラス基板との間に発泡や剥離が生じないうえに、光学フィルムの収縮により生じる白抜け現象を抑制することができ、耐久性に優れた液晶表示板を得るための粘着剤層付き光学積層体に関するものである。
従来より、偏光フィルム、例えば偏光性が付与されたポリビニルアルコール系フィルム等の両面が、セルロース系フィルム、例えば三酢酸セルロースフィルムで被覆された偏光板を、2枚のガラス板の間に配向した液晶成分を挟持させた液晶セルの表面に積層され、液晶表示板とすることが行われており、この液晶セル面への積層は、偏光板表面に設けた粘着剤層を該セル面に当接し、押し付けることにより行われるのが通常である。
このようにして得られる液晶表示板は、パソコンや液晶テレビ、カーナビゲーション等の表示装置として広範囲に使用され、それに伴って使用環境も非常に過酷になっており、かかる過酷な環境下での使用においても耐久性に優れることが要求されている。
例えば、高温、高湿といった過酷な環境下においては、粘着剤層とガラス板との間に生じる発泡や剥がれといった現象が問題となる。更に、高温、高湿の環境下では、偏光フィルムが収縮してしまうのに対して、粘着剤層がこの偏光フィルムの収縮に追従することができず、液晶表示板の周縁部から光が漏れるという、いわゆる白抜け現象が問題となる。
かかる対策として、従来より用いられているアクリル系粘着剤において粘着剤組成の改良検討が種々行われており、例えば、アルキル(メタ)アクリレート57〜98.8重量部と、官能基含有モノマー1〜20重量部と、(メタ)アクリロイル基を有すると共にガラス転移温度が40℃以上であり、かつ数平均分子量が2000〜20000の範囲内にあるマクロモノマー0.2〜3重量部と、少なくとも該アルキル(メタ)アクリレートと共重合可能な他のモノマー0〜20重量部との共重合体を主成分とし、かつ該共重合体の重量平均分子量が50万〜200万の範囲内にある液晶素子用感圧接着剤(例えば、特許文献1参照。)や、(A)重量平均分子量50万〜250万の(メタ)アクリル酸エステル単独重合体又は共重合体と、(B)重量平均分子量5000以上50万未満の(メタ)アクリル酸エステル単独重合体又は共重合体とを、重量比100:1〜100:50の割合で含み、かつ(A)成分及び(B)成分のうち少なくとも一方が、分子中に窒素含有官能基を有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体である粘着剤組成物(例えば、特許文献2参照。)、(A)(メタ)アクリル酸エステル系共重合体と、(B)ポリイソシアネート化合物のアダクト体であって、2官能性のアダクト体と3官能性以上のアダクト体の含有割合が、重量比で100:0ないし10:90である架橋剤を含む粘着剤組成物(例えば、特許文献3参照。)、(A)重量平均分子量が100万以上の(メタ)アクリル酸エステル系共重合体と、その100重量部当たり、(B)重量平均分子量が1,000〜10,000の(メタ)アクリル酸エステル系オリゴマー5〜100重量部及び(C)2官能性架橋剤を含む架橋剤成分0.001〜50重量部を含む粘着剤組成物(例えば、特許文献4参照。)などが提案されている。
特開平8−209095号公報 特開2001−89731号公報 特開2001−262103号公報 特開2001−335767号公報
しかしながら、上記特許文献1の開示技術では、発泡や剥がれについてはある程度改善されているものの、近年特に重要視されている白抜け現象については考慮されておらず、偏光板用粘着剤としてはまだまだ満足のいくものではなかった。
また、特許文献2の開示技術では、剥がれについては改善されており、更に白抜け現象についても効果は認められるものの、65℃、95%RH、100時間の環境下での耐久評価であり、まだまだ満足のいくものではなく更なる耐久性の改善が求められるものである。
更に、特許文献3及び4の開示技術においては、100℃、1000時間及び60℃、90%RH、1000時間の環境下での耐久評価において、発泡や剥がれ、更に白抜け現象が改善されているが、液晶表示板の実際の使用状況を考慮すると、室温〜高温域の範囲で温度変化が繰り返される環境下においても、発泡や剥がれ、白抜け現象のないものが求められており、かかる環境下ではまだまだ満足のいくものではなかった。
一方、偏光板用の粘着剤として、アクリル系樹脂以外の粘着剤についての検討は十分に行なわれていないのが現状であり、特にポリエステル系樹脂についてはガラス転移温度が高いものや、結晶性を有するものが多いため、ポリエステル樹脂が偏光板用粘着剤として使用されることはなかった。
そこで、本発明ではこのような背景下において、ポリエステル系樹脂粘着剤を用いて、高温、高湿の条件下においても、光学積層体、とりわけ偏光板とガラス基板との接着性に優れ、粘着剤層とガラス基板との間に発泡や剥離が生じないうえに、偏光フィルムの収縮により生じる白抜け現象を抑制することができ、耐久性に優れた液晶表示板を得るための粘着剤層付き光学積層体、とりわけ粘着剤層付き偏光板を提供することを目的とするものである。
しかるに、本発明者等はかかる事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、従来、光学積層体用粘着剤として使用されていなかったポリエステル系樹脂において、該ポリエステル系樹脂を不飽和基含有脂肪族ポリエステル系樹脂とし、これを光及び/又は熱により架橋することにより、光学積層体とガラス基板との接着性に優れ、接着剤層とガラス基板との間に発泡や剥離も生じず、白抜け現象も抑制され、耐久性にも優れることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の要旨は、光学積層体上に、不飽和基含有脂肪族ポリエステル系樹脂[I]を含有する組成物が光及び/又は熱により架橋されてなる粘着剤層を設けてなることを特徴とする粘着剤層付き光学積層体に関するものである。
本発明の粘着剤層付き光学積層体は、従来光学積層体用粘着剤として使用されていたアクリル系樹脂粘着剤に代わり、不飽和基含有脂肪族ポリエステル系樹脂粘着剤を用い、これを光及び/又は熱により架橋することにより、高温、高湿の条件下においても、光学積層体とガラス基板との接着性に優れ、粘着剤とガラス基板との間に発泡や剥離が生じないうえに、光学フィルムの収縮により生じる白抜け現象を抑制することができ、耐久性に優れた液晶表示板を得ることができるのである。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の粘着剤層付き光学積層体は、光学積層体上に、不飽和基含有脂肪族ポリエステル系樹脂[I]を含有する組成物が光及び/又は熱により架橋されてなる粘着剤層が設けられたものである。
本発明で用いられる不飽和基含有脂肪族ポリエステル系樹脂[I]は、脂肪族ポリエステル系樹脂の構造中に重合性不飽和基を含有するものであればよく、好ましくは脂肪族ポリエステル系樹脂の主鎖の末端あるいは側鎖の末端に重合性不飽和基を含有するものが好ましい。
上記脂肪族ポリエステル系樹脂は、酸成分(a)として脂肪族多価カルボン酸を、アルコール成分(b)として脂肪族多価アルコールを含有し、これらを重縮合してなるものである。そして、不飽和基含有脂肪族ポリエステル系樹脂[I]は、脂肪族ポリエステル系樹脂に、例えば下記[1]〜[4]の方法により不飽和基を導入して得ることができる。
[1]脂肪族ポリエステル系樹脂の主鎖末端及び/又は側鎖末端の水酸基と、不飽和基含有カルボン酸のカルボキシル基を反応させる。
[2]脂肪族ポリエステル系樹脂の主鎖末端及び/又は側鎖末端のカルボキシル基と、不飽和基含有アルコールの水酸基を反応させる。
[3]脂肪族ポリエステル系樹脂の主鎖末端及び/又は側鎖末端の水酸基及び/又はカルボキシル基と、ポリイソシアネート系化合物の一部のイソシアネート基を反応させた後、更に、残りのイソシアネート基と、不飽和基含有カルボン酸のカルボキシル基又は不飽和基含有アルコールの水酸基を反応させる。
[4]脂肪族ポリエステル系樹脂の主鎖末端及び/又は側鎖末端の水酸基及び/又はカルボキシル基と、イソシアネート基と不飽和基を併せ持つイソシアネート基含有不飽和化合物のイソシアネート基を反応させる。
まず、上記脂肪族ポリエステル系樹脂に関して説明する。
かかる脂肪族ポリエステル系樹脂の酸成分(a)としては、脂肪族多価カルボン酸であれば特に限定されるものではなく、例えばコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸などの飽和ジカルボン酸や、フマール酸、マレイン酸、イタコン酸、テトラヒドロフタル酸、テトラクロルフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ダイマー酸類などの不飽和ジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸(a1)が挙げられる。
これらの中でも、飽和ジカルボン酸を用いることが好ましく、光学フィルムに生じる白抜け現象を効果的に抑制する点から、特には炭素数が2〜20(特には4〜15、更には5〜10)の飽和ジカルボン酸が好ましく用いられ、更にはアジピン酸、セバシン酸が好ましく用いられ、殊にはアジピン酸が好ましく用いられる。
なお、これら脂肪族カルボン酸は、単独で用いてもよいし2種以上を混合して用いても良い。
また、本発明においては、酸成分(a)として、3価以上の多価カルボン酸(a2)、例えば、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸などの3価の多価カルボン酸等を用いることが、架橋密度を向上させ耐久性が向上する点で好ましい。
なお、本発明においては、本発明の効果を損なわない範囲において、テレフタル酸、イソフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族カルボン酸を用いることもできるが、好ましくは光学フィルムに白抜け現象を生じさせないためには、芳香族カルボン酸は用いない方がよい。
かかる脂肪族ポリエステル系樹脂のアルコール成分(b)としては、脂肪族多価アルコールであれば特に限定されることなく、
例えば、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,3,5−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−メチル−1,6−ヘキサンジオールなどの側鎖に炭化水素基を有するグリコール(b1)、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールなどの直鎖脂肪族グリコール、エチレンオキサイド、プロピオンオキサイド、テトラヒドロフランなどを開環重合させたポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリエーテルジオールなどが挙げられる。
これらの中でも、結晶化を防止する点から、特には側鎖に炭化水素基を有するグリコール(b1)、殊にはネオペンチルグリコール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールを用いることが好ましい。
なお、これら脂肪族多価アルコールは、単独で用いてもよいし2種以上を混合して用いてもよい。
また、かかるアルコール成分(b)として、3価以上の多価アルコール(b2)、例えば、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール等を用いることが、架橋密度を向上させ耐久性が向上する点で好ましい。
かかる脂肪族ポリエステル系樹脂における酸成分(a)とアルコール成分(b)の含有割合としては、酸成分1当量あたりアルコール成分を1〜2当量含有することが好ましく、1.2〜1.7当量含有することがより好ましい。かかるアルコール成分(b)の含有量が少なすぎると酸価が高くなり高分子量化するのが難しくなる傾向があり、多すぎると収率が低下する傾向がある。
かかる脂肪族ポリエステル系樹脂においては、脂肪族ジカルボン酸(a1)由来の構造部位を脂肪族ポリエステル系樹脂中に、30〜55モル%含有することが好ましく、更には40〜50モル%含有することがより好ましい。
かかる脂肪族ポリエステル系樹脂においては、側鎖に炭化水素基を有するグリコール(b1)由来の構造部位を脂肪族ポリエステル系樹脂中に5〜50モル%含有することが好ましく、更には10〜45モル%含有することがより好ましい。
かかる含有量が少なすぎると結晶化がおこり光学フィルムをガラス基板に張り合わせることが困難となる傾向があり、多すぎると高分子量の脂肪族ポリエステル系樹脂を得ることが難しくなる傾向がある。
更に、かかる脂肪族ポリエステル系樹脂においては、3価以上の多価アルコール成分(b2)および/または3価以上の多価カルボン酸成分(a2)由来の構造部位を脂肪族ポリエステル系樹脂中に0.01〜1モル%含有することが、ゲル分率を向上させ耐久性を向上させる点から好ましい。
かかる脂肪族ポリエステル系樹脂の製造方法に関しては、特に限定されるものではないが、例えば、前述した酸成分(a)とアルコール成分(b)を触媒存在下、公知の方法により重縮合反応させることにより得られる。
重縮合反応に際しては、まずエステル化反応が行われた後、次いで縮合反応が行われる。
かかるエステル化反応においては、触媒が用いられ、具体的には、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート等のチタン系、三酸化アンチモン等のアンチモン系、酸化ゲルマニウム等のゲルマニウム系などの触媒や酢酸亜鉛、酢酸マンガン、ジブチル錫オキサイドなどをあげることができ、これらの1種あるいは2種以上が用いられる。これらのなかでも、触媒の活性が高い点で、テトラブチルチタネートが好ましく、着色を避ける点で、酸価ゲルマニウムが好ましい。
該触媒の配合量は、全共重合成分に対して1〜10000ppmであることが好ましく、10〜5000ppmであることがより好ましく、10〜3000ppmであることがさらに好ましい。かかる配合量が少なすぎると重合反応が充分に進行しない傾向があり、多すぎても反応時間短縮等の利点はなく副反応が起こりやすい傾向がある。
エステル化反応時の温度については、160〜260℃が好ましく、180〜250℃がより好ましく、200〜250℃がさらに好ましい。かかる温度が低すぎると反応が充分に進まない傾向があり、高すぎると分解等の副反応が起こりやすくなる傾向がある。
また、エステル化反応時の圧力は、通常、常圧で行われることが好ましい。
エステル化反応が行われた後、次いで縮合反応が行われるが、このときの条件としては、前記のエステル化反応と同様の触媒をさらに同程度の量添加して、反応温度としては好ましくは220〜260℃、より好ましくは230〜250℃にして、反応系を徐々に減圧して最終的には5hPa以下で反応させることが好ましい。かかる反応温度が低すぎると反応が充分に進行しない傾向があり、逆に高すぎると分解等の副反応が起こる傾向がある。
本発明における不飽和基含有脂肪族ポリエステル系樹脂[I]は、上記で得られる脂肪族ポリエステル系樹脂に不飽和基が導入されてなることが好ましく、かかる導入方法に関しては、特に限定されるものではなく、例えば、上記の[1]〜[4]方法により行われる。これらの方法の中でも、反応制御の安定性の観点から、特に上記[3]及び[4]の方法が好ましい。
以下、上記[3]及び[4]の導入方法について詳細に説明する。
上記[3]の方法では、脂肪族ポリエステル系樹脂の主鎖末端及び/又は側鎖末端の水酸基及び/又はカルボキシル基とポリイソシアネート系化合物の一方のイソシアネート基を反応させてイソシアネート基含有化合物を得た後、イソシアネート基含有化合物のイソシアネート基と、不飽和基含有カルボン酸のカルボキシル基又は不飽和基含有アルコールの水酸基を反応させることにより、所望の不飽和基含有脂肪族ポリエステル系化合物[I]を得ることができる。
かかるポリイソシアネート系化合物としては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネートなどのポリイソシアネート、トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート付加物、ヘキサメチレンジイソシアネート付加物やイソホロンジイソシアネート付加物などの多価アルコールのイソシアネート付加物などを挙げることができる。
なお、かかるポリイソシアネート系化合物としては、フェノール、ラクタムなどでイソシアネート部分がブロックされたものでも使用することができる。
かかる不飽和基含有カルボン酸としては、特に限定されるものではなく、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、桂皮酸、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸、イタコン酸等を挙げることができる。
これらの中でも、導入反応が容易に進行する点で、アクリル酸、メタクリル酸が好ましく用いられる。
かかる不飽和基含有アルコールとしては、特に限定されるものではなく、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1、4−ブチレングリコール、ジエチレングリコール等のジオール化合物のモノ(メタ)アクリレートや、トリメチロールプロパン、グリセリン、トリメチロールエタン等のトリオール化合物のモノ(メタ)アクリレートまたはジ(メタ)アクリレートや、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の4価以上のポリオールのモノ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリレートまたはトリ(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基含有アクリル系化合物があげられる。
これらの中でも、導入反応が容易に進行する点で、ジオール化合物のモノ(メタ)アクリレートが好ましく、中でも2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが特に好ましく用いられる。
上記不飽和基含有脂肪族ポリエステル系化合物[I]を得る反応にあたっては、特に限定されず、(イ)脂肪族ポリエステル系樹脂に、ポリイソシアネート系化合物、不飽和基含有カルボン酸又は不飽和基含有アルコールを一括仕込み反応させる方法、(ロ)脂肪族ポリエステル樹脂に、ポリイソシアネート系化合物を反応させた後、次いで不飽和基含有カルボン酸又は不飽和基含有アルコールを反応させる方法、(ハ)ポリイソシアネート系化合物と不飽和基含有カルボン酸又は不飽和基含有アルコールを反応させた後、次いで脂肪族ポリエステル系樹脂を反応させる方法等を挙げることができる。これらの中でも、反応制御の安定性と製造時間短縮の観点から、方法(ロ)で反応を行なうことが好ましい。
上記方法(ロ)における反応条件は、使用する脂肪族ポリエステル系樹脂やポリイソシアネートの種類により異なるが、例えば、反応温度は通常30〜90℃(好ましくは40〜80℃)、反応時間通常1〜48時間(好ましくは5〜24時間)で行なうことが好ましい。また、脂肪族ポリエステル系樹脂とポリイソシアネート系化合物を反応させる際には、反応を促進する目的で触媒を用いることも好ましく、かかる触媒としては、例えば、ジブチルチンジラウレート、トリメチル錫ヒドロキシド、テトラ−n−ブチル錫等の有機金属化合物、オクトエ酸亜鉛、オクトエ酸錫、ナフテン酸コバルト、塩化第1錫、塩化第2錫等の金属塩、トリエチルアミン、ベンジルジエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクテン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン、N,N,N‘,N’−テトラメチル−1,3−ブタンジアミン、N−エチルモルホリン等のアミン系触媒等が挙げられ、中でも、ジブチルチンジラウレート、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン、が好適に用いられる。
上記の不飽和基含有脂肪族ポリエステル[I]を得るに当たっては、脂肪族ポリエステル系樹脂とポリイソシアネート系化合物をk:k+1(モル比)(kは1以上の整数である。)の反応モル比で反応させ、イソシアネート基含有化合物を得た後、このイソシアネート基含有化合物に対して、不飽和基含有カルボン酸又は不飽和基含有アルコールを1:1〜1:10(モル比)で反応させることが好ましい。
上記[4]の方法では、脂肪族ポリエステル系樹脂の主鎖末端及び/又は側鎖末端の水酸基及び/又はカルボキシル基と、イソシアネート基と不飽和基を併せ持つイソシアネート基含有不飽和化合物のイソシアネート基を反応させることにより、所望の不飽和基含有脂肪族ポリエステル系化合物[I]を得ることができる。
かかるイソシアネート基含有不飽和化合物としては、特に限定されるものではなく、例えば、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート、1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート等を用いることができる。
上記イソシアネート基含有不飽和化合物と脂肪族ポリエステル系樹脂の反応条件は、使用する原料化合物の種類により異なるが、例えば、反応温度は通常30〜90℃(好ましくは40〜80℃)、反応時間は通常1〜48時間(好ましくは5〜24時間)で行なうことが好ましい。また、かかる反応を促進する目的で触媒を用いることも好ましく、かかる触媒としては、例えば、ジブチルチンジラウレート、トリメチル錫ヒドロキシド、テトラ−n−ブチル錫等の有機金属化合物、オクトエ酸亜鉛、オクトエ酸錫、ナフテン酸コバルト、塩化第1錫、塩化第2錫等の金属塩、トリエチルアミン、ベンジルジエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクテン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン、N,N,N‘,N’−テトラメチル−1,3−ブタンジアミン、N−エチルモルホリン等のアミン系触媒等が挙げられ、中でも、ジブチルチンジラウレート、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン、が好適に用いられる。
上記の不飽和基含有脂肪族ポリエステル[I]を得るに当たっては、脂肪族ポリエステル系樹脂に対して、イソシアネート基含有不飽和化合物を1:1〜1:5(モル比)の反応モル比で反応させることが好ましく、さらに好ましくは脂肪族ポリエステル系樹脂に対して、イソシアネート基含有不飽和化合物を1:1〜1:3(モル比)で反応させるとよい。
また、前述した不飽和基の導入方法[1]〜[4]以外にも、[5]原料の酸成分及び/又はアルコール成分として、不飽和基含有モノマーを用いて反応させることにより、不飽和基含有脂肪族ポリエステル系樹脂[I]を製造することも可能である。
かくして、本発明で用いられる不飽和基含有脂肪族ポリエステル系化合物[I]が製造されるのである。
かかる不飽和基含有脂肪族ポリエステル系樹脂[I]の数平均分子量は、好ましくは5,000以上、特に好ましくは10,000以上、更に好ましくは20,000以上である。かかる数平均分子量が小さすぎると粘着剤として充分な凝集力が得られず、耐熱性や機械的強度が低下する傾向がある。なお、かかる数平均分子量の上限としては、通常100,000である。
かかる不飽和基含有脂肪族ポリエステル系樹脂[I]の重量平均分子量は、好ましくは10,000以上、特に好ましくは20,000以上、更に好ましくは50,000以上である。かかる重量平均分子量が小さすぎると、粘着剤として充分な凝集力が得られず、耐熱性や機械的強度が低下する傾向がある。なお、かかる重量平均分子量の上限としては、通常500,000である。
また、かかる不飽和基含有脂肪族ポリエステル系樹脂[I]の分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は限定されないが、2以上であることが好ましく、2.2〜10であることがより好ましい。なお、かかる分散度の上限は、通常20である。かかる分散度が低すぎると、耐久性が低下する傾向があり、高すぎると、ゲル化がおこりやすくなるとともに、耐久力が低下する傾向がある。かかる分散度は、不飽和基含有ポリエステル系樹脂[I]を構成するための3価以上の多価カルボン酸および/または3価以上の多価アルコールの含有量や、縮合反応の条件(温度、真空度、攪拌、反応時間等)により調整することができる。
例えば、不飽和基含有ポリエステル系樹脂[I]を構成するための3価以上の多価カルボン酸および/または3価以上の多価アルコールの含有割合を増やすと、分散度が高くなる傾向があり、また、縮合反応において、温度、真空度を上げることや、反応時間を長くすることにより分散度が高くなるという傾向がある。
かかる不飽和基含有脂肪族ポリエステル系樹脂[I]のガラス転移温度は、−10℃以下であることが好ましく、更には−20℃以下であることがより好ましい。かかるガラス転移温度の下限値としては、通常、−80℃であることが好ましく、更には−70℃であることがより好ましい。かかる温度が高すぎると柔軟性が失われ、光学フィルムがガラス基板から剥がれやすくなる傾向があり、低すぎると光学フィルムに白抜け現象が生じやすい傾向がある。
かかる不飽和基含有脂肪族ポリエステル系樹脂[I]は、結晶化しないものであることが好ましく、結晶化がおきても結晶化温度は0℃以下、特には−30℃以下であることが好ましい。かかる温度が高すぎると光学フィルムがガラス基板から剥がれやすくなる傾向がある。
また、結晶化エネルギーについてもできるだけ低いことが好ましく、35J/g以下、特には20J/g以下、さらには15J/g以下であることが好ましい。かかるエネルギーが大きすぎると光学フィルムがガラス基板から剥がれやすくなる傾向がある。
本発明における粘着剤層は、上記で得られた不飽和基含有脂肪族ポリエステル系樹脂[I]を含有してなる組成物を、活性エネルギー線照射による光架橋及び/又は熱による熱架橋させてなるものである。
本発明においては、かかる光及び/又は熱による架橋における架橋性の向上のために、粘着剤層が重合開始剤[II]を含有することが好ましい。
かかる重合開始剤[II]としては、特に限定されるものではなく、光重合開始剤[II−a]、熱重合開始剤等の種々の重合開始剤を用いることが可能であるが、特には光重合開始剤[II−a]を使用することが、ごく短時間の紫外線等の活性エネルギー線照射により硬化させることが可能となるの点で好ましい。
また、光重合開始剤[II−a]を用いるときは、活性エネルギー線照射により粘着剤層を架橋させ、熱重合開始剤を用いるときは、熱により粘着剤層を架橋させるのであるが、必要に応じて、両方を併用することも好ましい。
かかる光重合開始剤[II−a]としては、特に限定されるものではなく、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノンオリゴマー等のアセトフェノン類;
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;
ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4'−メチル−ジフェニルサルファイド、3,3',4,4'−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド等のベンゾフェノン類;
2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロリド等のチオキサントン類;
2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフォンオキサイド類;
などが挙げられる。なお、これらの光重合開始剤[II−a]は、1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
また、これらの助剤として、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4,4′−ジメチルアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、4,4′−ジエチルアミノベンゾフェノン、2−ジメチルアミノエチル安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、2,4−ジエチルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等を併用することも可能である。
これらの中でも、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾイルイソプロピルエーテル、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンを用いることが好ましい。
また、熱重合開始剤としては、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、アセチルアセテートパーオキサイド、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、p−メンタンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、α,α'−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、イソブチリルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、スクシン酸パーオキサイド、m−トルオイルベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−3−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ−s−ブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、α,α'−ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノオエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシマレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメトルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシ−m−トルイルベンゾエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ビス(t−ブチルパーオキシ)イソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(m−トルイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアリルモノカーボネート、t−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド、3,3´,4,4´−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン等の有機過酸化物系開始剤;
2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド、2,2'−アゾビス(2−メチル−N−フェニルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド、2,2'−アゾビス[N−(4−クロロフェニル)−2−メチルプロピオンアミジン]ジヒドリドクロリド、2,2'−アゾビス[N−(4−ヒドロフェニル)−2−メチルプロピオンアミジン]ジヒドロクロリド、2,2'−アゾビス[2−メチル−N−(フェニルメチル)プロピオンアミジン]ジヒドロクロリド、2,2'−アゾビス[2−メチル−N−(2−プロペニル)プロピオンアミジン]ジヒドロクロリド、2,2'−アゾビス[N−(2−ヒドロキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ジヒドロクロリド、2,2'−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2'−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2'−アゾビス[2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−1,3−ジアゼピン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2'−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2'−アゾビス[2−(5−ヒドロキシ−3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2'−アゾビス[2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン]ジヒドロクロリド、2,2'−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2'−アゾビス[2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド]、2,2'−アゾビス[2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル]プロピオンアミド]、2,2'−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオンアミド)、2,2'−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2,2'−アゾビス(2−メチルプロパン)、ジメチル−2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4'−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、2,2'−アゾビス[2−(ヒドロキシメチル)プロピオニトリル]等のアゾ系開始剤;
などが挙げられる。なお、これらの熱重合開始剤は、1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
重合開始剤[II]の含有量については、不飽和基含有脂肪族ポリエステル系樹脂[I]100重量部に対して、0.01〜10重量部、特には0.1〜7重量部、更には0.3〜3重量部含有することが好ましい。かかる含有量が少なすぎると硬化性に乏しく物性が安定しなくなる傾向があり、多すぎてもそれ以上の効果が得られない傾向がある。
かかる活性エネルギー線照射に当たっては、遠紫外線、紫外線、近紫外線、赤外線等の光線、X線、γ線等の電磁波の他、電子線、プロトン線、中性子線等が利用できるが、硬化速度、照射装置の入手のし易さ、価格等から紫外線照射による硬化が有利である。尚、電子線照射を行う場合は、光重合開始剤[II−a]を用いなくても硬化し得る。
かかる紫外線照射を行なう時の光源としては、高圧水銀灯、超高圧水銀灯カーボンアーク灯、キセノン灯、メタルハライドランプ、ケミカルランプ、ブラックライト等が用いられる。高圧水銀ランプの場合は、例えば5〜3000mJ/cm2、好ましくは10〜1000mJ/cm2の条件で行われる。照射時間は、光源の種類、光源と塗布面との距離、塗工厚、その他の条件によっても異なるが、通常は数秒〜数十秒、場合によっては数分の1秒でもよい。電子線照射の場合には、例えば、50〜1000Kevの範囲のエネルギーを持つ電子線を用い、2〜50Mradの照射量とするのがよい。
また、重合開始剤[II]として、熱重合開始剤を用いる場合には加熱により架橋反応を開始、進行させる。
上記の架橋を行なうに際しては、光架橋、熱架橋のどちらでもよいが、必要に応じて、光架橋と熱架橋を併用することも好ましく、更には光架橋を終了した後、熱架橋を行なうことがより好ましい。
本発明においては、粘着剤層を形成する粘着剤組成物が、更に架橋剤[III]を含有することも、架橋密度が向上し、耐久性が向上する点で好ましい。かかる架橋剤[III]と反応させるために、不飽和基含有脂肪族ポリエステル系樹脂[I]の酸成分及び/又はアルコール成分に水酸基、カルボキシル基以外の官能基、例えばグリシジル基、イソシアネート基、アミド基、アミノ基などを含有する化合物を用いることも好ましい。
かかる架橋剤[III]としては、不飽和基含有脂肪族ポリエステル系樹脂[I]と反応する官能基を有する化合物であればよく、例えば、ポリイソシアネート系化合物、ポリエポキシ系化合物などが挙げられる。これらのなかでも耐久性と光学フィルムの白抜け現象を効果的に抑制する点とをバランスよく両立できる点から、ポリイソシアネート系化合物が好ましい。
かかるポリイソシアネート系化合物としては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネートなどのポリイソシアネート、トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート付加物、ヘキサメチレンジイソシアネート付加物やイソホロンジイソシアネート付加物などの多価アルコールのイソシアネート付加物などを挙げることができる。
なお、かかるポリイソシアネート系化合物としては、フェノール、ラクタムなどでイソシアネート部分がブロックされたものでも使用することができる。
また、これらの架橋剤[III]は、単独で使用しても良いし、2種以上併用してもよい。
架橋剤[III]の使用量は、不飽和基含有脂肪族ポリエステル系樹脂[I]の分子量と用途目的により適宜選択できるが、通常は、不飽和基含有脂肪族ポリエステル系樹脂[I]に含まれる官能基の1当量に対して、架橋剤[III]に含まれる反応性基が、0.2〜5当量となる割合で架橋剤を含有することが好ましく、0.4〜4当量となることがより好ましく、0.5〜2.5当量となることがさらに好ましい。かかる架橋剤[III]に含まれる反応性基の当量数が少なすぎると凝集力が不足し、充分な耐久性が得られない傾向があり、多すぎると柔軟性が低下し、光学フィルムと貼り合わせることが困難となる傾向がある。
本発明においては、粘着剤層を形成する粘着剤組成物が更にシラン系化合物[IV]を含有することも、光学積層体への密着性が向上する点で好ましく、かかるシラン系化合物[IV]の含有量については、不飽和基含有脂肪族ポリエステル系樹脂[I]100重量部に対して、0.001〜10重量部、特には0.01〜1重量部、更には0.03〜0.8重量部であることが好ましい。かかる含有量が少なすぎると添加効果が得られない傾向があり、多すぎると不飽和基含有脂肪族ポリエステル系樹脂[I]との相溶性が悪く接着力や凝集力が得られなくなる傾向がある。
かかるシラン系化合物[IV]としては、特に限定されるものではなく、例えば、エポキシ系シラン、アクリル系シラン、メルカプト系シラン、水酸基系シラン等をあげることができる。これらの中でも、特にエポキシ系シラン化合物が好ましく用いられる。
かかるエポキシ系シラン化合物の具体例としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリ(グリシジル)シラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられることができ、中でもγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランが好ましい。
本発明における粘着剤層を形成する粘着剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲において、更に他の粘着剤、ウレタン樹脂、ロジン、ロジンエステル、水添ロジンエステル、フェノール樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、脂肪族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、スチレン系樹脂、キシレン系樹脂等の粘着付与剤、公知の添加剤を添加することができる。
かくして本発明では、上記の不飽和基含有脂肪族ポリエステル系樹脂[I]、好ましくは、重合開始剤[II]、架橋剤[III]、シラン系化合物[IV]を含有してなる粘着剤組成物が架橋されてなる粘着剤層を光学積層体上に設けることにより、粘着剤層付き光学積層体を得るのであるが、該粘着剤層付き光学積層体には、粘着剤層の光学積層体と逆の面に更に離型シートを設けることが好ましい。
かかる粘着剤層付き光学積層体の製造方法としては、特に限定されるものではないが、(1)光学積層体上に、粘着剤組成物を塗布、乾燥した後、更に離型シートを貼合する方法、又は(2)離型シート上に、粘着剤組成物を塗布、乾燥した後、光学積層体を貼合する方法により製造することが好ましい。
また、かかる粘着剤層付き光学積層体を製造するに当たっては、例えば、(1)光学積層体上に、粘着剤組成物を塗布、乾燥した後、離型シートを貼合し、活性エネルギー線を照射してなる方法、(2)離型シート上に、粘着剤組成物を塗布、乾燥した後、光学積層体を貼合し、活性エネルギー線を照射してなる方法、(3)光学積層体上に粘着剤組成物を塗布、乾燥し、更に活性エネルギー線を照射した後、離型シートを貼合してなる方法、(4)離型シート上に粘着剤組成物を塗布、乾燥し、更に活性エネルギー線を照射した後、光学積層体を貼合してなる方法などが製造あるいは保管する上での安定性の点で好ましい。
かかる塗布に際しては、溶剤に希釈して塗布することが好ましく、希釈濃度としては、好ましくは20〜50重量%、特に好ましくは25〜40重量%である。かかる溶剤としては、不飽和基含有脂肪族ポリエステル系樹脂[I]、重合開始剤[II]、架橋剤[III]、シラン系化合物[IV]を溶解させるものであれば特に限定されることなく、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のエステル系溶剤、アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤を用いることができる。これらの中でも、溶解性、乾燥性、価格等の点から酢酸エチルが好適に用いられる。
上記方法により製造される粘着剤層のゲル分率については、70%以上であることが耐久性能と耐白抜け性の点で好ましく、特には80%以上が好ましい。ゲル分率が低すぎると凝集力が不足することに起因する耐久性不足や白抜け現象が悪化する傾向がある。なお、通常ゲル分率の上限値は100%である。
また、得られる粘着剤層の厚みは、特に限定されないが、10〜40μmが好ましく、特には20〜30μmが好ましい。かかる厚みが薄すぎると粘着物性が安定しにくい傾向があり、厚すぎると糊残りを起こしやすくなる傾向がある。
本発明の粘着剤層付き光学積層体は、直接或いは離型シートを有するものは離型シートを剥がした後、粘着剤層面をガラス基板に貼合して、液晶表示板に供されるのである。
本発明における光学積層体としては、特に限定されることなく、例えば、偏光板や位相差板、楕円偏光板、光学補償フィルム、輝度向上フィルム、更にはこれらが積層されているものなどが挙げられるが、中でも特に偏光板であることが本発明では有効である。
本発明で用いられる偏光板は、通常偏光フィルムの両面に三酢酸セルロース系フィルムを保護フィルムとして積層したものであり、かかる偏光フィルムとしては、平均重合度が1,500〜10,000、ケン化度が85〜100モル%のポリビニルアルコール系樹脂からなるフィルムを原反フィルムとして、ヨウ素−ヨウ化カリウムの水溶液あるいは二色性染料により染色された一軸延伸フィルム(2〜10倍、好ましくは3〜7倍程度の延伸倍率)が用いられる。
ポリビニルアルコール系樹脂としては通常酢酸ビニルを重合したポリ酢酸ビニルをケン化して製造されるが、少量の不飽和カルボン酸(塩、エステル、アミド、ニトリル等を含む)、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸塩等、酢酸ビニルと共重合可能な成分を含有していても良い。又ポリビニルアルコールを酸の存在下でアルデヒド類と反応させた、例えばポリブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂等のいわゆるポリビニルアセタール樹脂及びポリビニルアルコール誘導体が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
尚、例中「部」、「%」とあるのは、断りのない限り重量基準を意味する。
また、ガラス転移温度、分散度の測定方法は、以下の通りである
<ガラス転移温度>
試験片を室温から10℃/分の割合で昇温及び冷却を行ない、示差走査熱量計にて発熱量を測定し、吸熱曲線または発熱曲線に2本の延長線を引き、延長線間の1/2直線と吸熱曲線または発熱曲線の交点の温度をガラス転移温度とした。
<分散度>
重量平均分子量と数平均分子量から計算して求めた。重量平均分子量及び数平均分子量は、標準ポリスチレン分子量換算による平均分子量であり、高速液体クロマトグラフィー(日本ウォーターズ(株)製、「Waters 2695(セパレーションモジュール)」と「Waters 2414(検出器)」)に、カラム:Shodex GPC KF−806L(排除限界分子量:2×107、分離範囲:100〜2×107、理論段数:10,000段/本、充填剤材質:スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、充填剤粒径:10μm)の3本直列)を用いて測定した。
[実施例1]
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、アジピン酸220.7g(1.51モル)、ネオペンチルグリコール94.4g(0.91モル)、エチレングリコール83.9g(1.35モル)、トリメチロールプロパン1.0g(0.0074モル)および酸化ゲルマニウム0.10gを仕込み、150〜260℃で150分間加熱してエステル化反応を行ない、ついで反応系の圧力を徐々に減じて10分後に133Paとし、さらに減圧を続けながら300分間反応を行ない、ポリエステル樹脂(I−1′)を得た。得られたポリエステル樹脂(I−1′)を温度計、攪拌機、還流式冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに仕込み、酢酸エチルに溶解させた後、イソホロンジイソシアネートをポリエステル樹脂(I−1′)100部(固形分)に対し2.7部仕込み、さらにジブチル錫ジラウレート0.3部仕込み75℃で15時間反応させ、さらに50℃以下で2−ヒドロキシエチルアクリレート1.8部を約1時間で滴下し、50℃で反応を継続し、残存イソシアネート基が10.1%となった時点で反応を終了し、不飽和基を導入した樹脂分30%の不飽和基含有脂肪族ポリエステル系樹脂[I−1]酢酸エチル溶液を得た。
得られた不飽和基含有脂肪族ポリエステル系樹脂[I−1]の数平均分子量は99,000、重量平均分子量は254,000、ガラス転移温度は−38℃で結晶化はおこらなかった。
この樹脂分30%の不飽和基含有脂肪族ポリエステル系樹脂[I−1]酢酸エチル溶液に光重合開始剤として、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製、「イルガキュア184」)1.2部、架橋剤としてトリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート付加物の55%酢酸エチル溶液(日本ポリウレタン社製、「コロネートL−55E」)を2.4部、シラン系化合物として、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製、「KBM403」)を0.03部添加し、混合した。その後、ポリエステル系離型シートに、乾燥後の厚みが25μmとなるように塗布し、100℃で3分間乾燥した後、偏光板(厚み190μm)上に転写し、高圧水銀ランプにて800mJ/cm2の紫外線照射後、40℃、dryの条件下で4日間エージングさせ、粘着剤層付き偏光板を得た。
[比較例1]
4ツ口丸底フラスコに還流冷却器、撹拌器、滴下ロート及び温度計をとりつけ、n−ブチルアクリレート94部、メチルアクリレート5部、アクリル酸1部、及び酢酸エチル80部、アセトン45部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.03部を仕込み、反応容器内の温度を70℃に上昇させ、2時間反応した。その後、酢酸エチル80部にアゾビスイソブチロニトリル0.03部を溶解させたものを加え2時間反応させ、更に酢酸エチル80部にアゾビスイソブチロニトリル0.03部を溶解させたものを加え3時間反応させた。反応終了後、酢酸エチル及びトルエン(酢酸エチルとトルエンの重量混合比=50:50)にて希釈することにより、アクリル系樹脂溶液を得た。
得られたアクリル系樹脂の樹脂分は19%、重量平均分子量は165万(各指定分子量の割合は100万以上が55%、50万〜100万が17%、10万〜50万が15%、10万以下が13%)、分散度は8、ガラス転移温度は−50℃であった。
この樹脂分19%のアクリル系樹脂溶液に架橋剤としてトリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート付加物の55%酢酸エチル溶液(日本ポリウレタン社製、「コロネートL−55E」)を0.19部、シラン系化合物として、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製、「KBM403」)を0.019部添加し混合した後、ポリエステル系離型シートに、乾燥後の厚みが25μmとなるように塗布し、100℃で3分間乾燥した。そして、偏光板(厚み190μm)上に転写し、23℃、50%RHの条件下で7日間エージングさせ、粘着剤層付き偏光板を得た。
[比較例2]
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、イソフタル酸38.4g(0.23モル)セバシン酸187.1g(0.93モル)、ネオペンチルグリコール108.4g(1.04モル)、1,4−ブタンジオール52.1g(0.58モル)、1,6−ヘキサンジオール11.9g(0.10モル)、トリメチロールプロパン2.0g(0.015モル)およびテトラ−n−ブチルチタネート0.15gを仕込み、150〜260℃で120分間加熱してエステル化反応を行ない、ついで反応系の圧力を徐々に減じて10分後に133Paとし、さらに減圧を続けながら120分間反応を行ない、芳香族含有ポリエステル樹脂を得た。
得られた芳香族含有ポリエステル樹脂の数平均分子量は30,000、分散度は、2.84、ガラス転移温度は−50℃であって、結晶化しないものであった。
この芳香族含有ポリエステル樹脂を温度計、攪拌機、還流式冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに仕込み、酢酸エチルに溶解させた後、イソホロンジイソシアネートをポリエステル樹脂100部(固形分)に対し1.4部仕込み、さらにジブチル錫ジラウレート0.3部仕込み75℃で15時間反応させ、樹脂分35%のポリエステル樹脂ベースのポリウレタン樹脂酢酸エチル溶液を得た。
この樹脂分35%のポリエステル樹脂ベースのポリウレタン樹脂酢酸エチル溶液に、架橋剤としてトリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート付加物の55%酢酸エチル溶液(日本ポリウレタン社製、「コロネートL−55E」)を5.6部、シラン系化合物として、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製、「KBM403」)を0.0035部添加し混合した後、ポリエステル系離型シートに、乾燥後の厚みが25μmとなるように塗布し、100℃で3分間乾燥した。そして、偏光板(厚み190μm)上に転写し、40℃、dryの条件下で4日間エージングさせ、粘着剤層付き偏光板を得た。
また、上記と同様の方法で、偏光板の変わりにポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み38μm)を使用してゲル分率用サンプルを得た。得られたサンプルを40×40mmに切断した後、離型シートを剥がし粘着剤層側を50×100mmのSUSメッシュシート(200メッシュ)に貼合してから、SUSメッシュシートの長手方向に対して中央部より折り返してサンプルを包み込んだ後、トルエン250gの入った密封容器にて浸漬した際の重量変化にてゲル分率の測定を行なった。
尚、偏光板には、膜厚30μmのポリビニルアルコール偏光フィルム(平均重合度1700、平均ケン化度99モル%、ヨウ素染色、4倍延伸)の両側を厚さ80μmの三酢酸セルロースフィルムで積層した偏光板(ポリビニルアルコール偏光フィルムの延伸軸方向を45度傾けて233mm×309mmに切断:15インチ相当)を用いた。
次いで、上記実施例1、比較例1、2で得られた粘着剤層付き偏光板の離型シートを剥離して、粘着剤層側を無アルカリガラス板(コーニング社製、「コーニング1737」)に押圧して、偏光板とガラス板とを貼合した後、オートクレーブ処理(50℃、0.5MPa、20分)を行ない、その後、下記の耐久試験における発泡、剥がれ、白抜け現象の評価を行なった。評価基準は下記の通りである。
〔耐久試験〕
(1)耐熱試験
90℃、500時間の耐久試験
(2)耐湿熱試験
60℃、90%RH、500時間の耐久試験
(3)温度変化繰り返し試験
−30℃で30分放置した後70℃で30分放置する操作を1サイクルとして、300サイクル行なう耐久試験
〔評価基準〕
(発泡)
○・・・発泡が見られない
△・・・直径100μm未満の発泡が僅かに見られる
×・・・直径100μm以上の発泡が多く見られる
(剥がれ)
○・・・剥がれない
△・・・1mm未満の剥がれ、もしくは浮きスジの発生
×・・・1mm以上の剥がれ
(白抜け)
○・・・白抜けが見られない
△・・・白抜けが僅かに発生
×・・・4辺に白抜けが大きく発生
実施例及び比較例の粘着剤層組成物について上記評価方法に従い評価し、得られた評価結果を表1に示す。
Figure 2008256957
粘着剤組成物に不飽和基含有脂肪族ポリエステル系樹脂を用いた実施例1は、耐久試験においていずれの項目においても発泡、剥がれは生じず、白抜けも見られなかった。
粘着剤組成物にアクリル系樹脂を用いた比較例1では、耐熱試験において僅かな発泡、剥がれ、白抜けがみられた。更に、温度変化繰り返し性試験では発泡が多数みられ、光学部材用途に用いるのに充分なレベルの効果は得られなかった。
粘着剤組成物に芳香族含有ポリエステル系樹脂を用いた比較例2では、耐久試験においていずれの項目において発泡、剥がれは生じなかった。しかし、4辺に白抜けが大きくおこり、光学部材用途に用いるのに充分なレベルの効果は得られなかった。
本発明は、高温、高湿の条件下においても、光学積層体とガラス基板との接着性に優れ、粘着剤層とガラス基板との間に発泡や剥離が生じないうえに、光学フィルムの収縮により生じる白抜け現象を抑制することができる粘着剤層付き光学積層体であるため、耐久性に優れた液晶表示板を得るのに非常に有用である。

Claims (11)

  1. 光学積層体上に、不飽和基含有脂肪族ポリエステル系樹脂[I]を含有する組成物が光及び/又は熱により架橋されてなる粘着剤層を設けてなることを特徴とする粘着剤層付き光学積層体。
  2. 粘着剤層が、不飽和基含有脂肪族ポリエステル系樹脂[I]と重合開始剤[II]を含有する組成物が光及び/又は熱により架橋されてなることを特徴とする請求項1記載の粘着剤層付き光学積層体。
  3. 不飽和基含有脂肪族ポリエステル系樹脂[I]が、酸成分(a)として炭素数2〜20の脂肪族ジカルボン酸(a1)を含有してなる請求項1又は2記載の粘着剤層付き光学積層体。
  4. 不飽和基含有脂肪族ポリエステル系樹脂[I]が、アルコール成分(b)として側鎖に炭化水素基を有するグリコール(b1)を含有してなる請求項1〜3いずれか記載の粘着剤層付き光学積層体。
  5. 不飽和基含有脂肪族ポリエステル系樹脂[I]が、酸成分(a)として3価以上の多価カルボン酸(a2)及び/又はアルコール成分(b)として3価以上の多価アルコール(b2)を含有してなる請求項1〜4いずれか記載の粘着剤層付き光学積層体。
  6. 不飽和基含有脂肪族ポリエステル系樹脂[I]の数平均分子量が、5,000以上である請求項1〜5いずれか記載の粘着剤層付き光学積層体。
  7. 重合開始剤[II]が、光重合開始剤[II−a]である請求項2〜6いずれか記載の粘着剤層付き光学積層体。
  8. 粘着剤層を形成する粘着剤組成物が、架橋剤[III]を含有してなる請求項1〜7いずれか記載の粘着剤層付き光学積層体。
  9. 粘着剤層を形成する粘着剤組成物が、シラン系化合物[IV]を含有してなる請求項1〜8いずれか記載の粘着剤層付き光学積層体。
  10. 粘着剤層のゲル分率が、70%以上である請求項1〜9いずれか記載の粘着剤層付き光学積層体。
  11. 光学積層体が、偏光板である請求項1〜10いずれか記載の粘着剤層付き光学積層体。
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