JP2009094490A - Soi基板の作製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】単結晶シリコン基板を劈開して剥離を行う場合であっても、剥離面の平坦性を保持したまま剥離が可能であるSOI基板の製造方法を提供することを目的の一とする。
【解決手段】面状、線状又は矩形状のイオンビームを半導体基板に照射して、半導体基板の主表面から所定の深さに第1のイオンを添加することにより剥離層を形成し、半導体基板に形成された剥離層の一部に第2のイオンを添加し、半導体基板の主表面とベース基板の一主表面とを対向させ、絶縁膜の表面とベース基板とを接合させ、半導体基板を、剥離層を劈開面として劈開させることにより、ベース基板上に単結晶半導体層を形成する工程を含み、第2のイオンの質量数を第1のイオンの質量数と同一又は第1のイオンの質量数より大きくする。
【選択図】図1

Description

本発明は、SOI(Silicon on Insulator)基板に関する。また、SOI基板を用いて製造される半導体装置に関する。
近年、バルク状のシリコンウエハに代わり、絶縁表面に薄い単結晶半導体層が存在するSOI(Silicon on Insulator)基板を使った集積回路が開発されている。SOI基板を使うことで、トランジスタのドレインと基板間における寄生容量が低減されるため、SOI基板は半導体集積回路の性能を向上させるものとして注目されている。
SOI基板を製造する方法の1つに、スマートカット法が知られている。スマートカット法によるSOI基板の作製方法の概要を以下に説明する。まず、シリコンウエハにイオン注入法を用いて水素イオンを注入することによって表面から所定の深さにイオン注入層を形成する。次に、酸化シリコン膜を介して、水素イオンを注入したシリコンウエハを別のシリコンウエハに接合させる。しかる後加熱処理を行うことで、該イオン注入層が劈開面となり、水素イオンを注入したウエハが薄膜状に剥離し、接合させたシリコンウエハ上にシリコン膜を形成することができる。スマートカット法は水素イオン注入剥離法と呼ぶこともある。
水素イオン注入剥離法は、イオンの質量ごとに分離し、当該分離したイオンを電磁的に偏向させて固定した基板に走査(ラスタースキャン)させてイオンの注入を行う。そのため、半導体基板の表面において、場所により含まれる水素原子の濃度分布にバラツキが生じ、劈開後のシリコン膜の表面に凹凸が生じる。シリコン膜の表面に大きな凹凸があると、その上にゲート絶縁膜を形成したときに、凹凸がゲート絶縁膜を突き破ってしまい、半導体層とゲート電極とがリークしてしまうという問題が生じる。
従って、一般的に、劈開した後に凹凸を有するシリコン膜の表面にCMP(Chemical Mechanical Polishing:化学的機械的研磨)が行われる。また、特許文献1には、劈開した後に水素雰囲気下で熱処理を行うことによりシリコン膜の表面を平坦化する技術が開示されている。
また、このようなスマートカット法を用いて単結晶シリコン薄膜をガラス基板上に形成する技術の一例として、本出願人によるものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開平11−307472号公報 特開平11−163363号公報
ガラス基板はシリコンウエハよりも大面積でかつ安価な基板であり、主に、液晶表示装置の製造に用いられている。ガラス基板をベース基板に用いることで、大面積で安価なSOI基板を作製することが可能になる。しかしながら、ガラス基板は、シリコンウエハと比較して耐熱性が低い。そのため、剥離された単結晶半導体層を貼り付けた後のSOI基板はガラス基板の耐熱温度を超える温度で加熱することができなくなり、SOI基板を製造するためのプロセス温度は制限される。
また、プロセス温度が制限されることから、低温において半導体基板の劈開を容易に行うために半導体基板に注入するイオンのドーズ量を高くすることにより、過剰にイオンが注入されると、剥離後の単結晶半導体層中の欠陥が多くなるおそれがある。
また、基板が大型であることから、おのずと使用できる装置や処理方法に制約がある。例えば、大面積ガラス基板に貼り付けた単結晶シリコン層をCMP等による研磨処理で凹凸を除去することは、ガラス基板とシリコンウエハとの形状や大きさが違うことなどの理由から、低コスト化の達成やスループット良く処理することは困難である。
上述した問題に鑑み、本発明は、半導体基板を劈開して剥離を行う場合であっても、剥離面の平坦性を保持したまま剥離が可能であるSOI基板の製造方法を提供することを目的の一とする。または、ガラス基板など耐熱温度が低い基板を用いた場合にも、実用に耐えうる半導体層を備えたSOI基板の製造方法を提供することを目的の一とする。または、そのようなSOI基板を用いた信頼性の高い半導体装置を作製することを目的の一とする。
本発明は、半導体基板へのイオンの添加を、第1のイオンの添加と第2のイオンの添加の少なくとも2回に分けて行う。以下に、本発明の具体的な構成について説明する。
本発明のSOI基板の作製方法の一は、面状、線状又は矩形状のイオンビームを単結晶半導体基板に照射して、単結晶半導体基板の表面から所定の深さに第1のイオンを添加することにより剥離層を形成し、単結晶半導体基板に形成された剥離層の一部に第2のイオンを添加し、単結晶半導体基板の表面とベース基板の一表面とを対向させ、単結晶半導体基板上に形成された絶縁層の表面とベース基板の表面とを接合させ、単結晶半導体基板を、剥離層を劈開面として劈開させることにより、ベース基板上に単結晶半導体層を形成する工程を含み、第2のイオンの質量数を第1のイオンの質量数と同一又は第1のイオンの質量数より大きくすることを特徴としている。
また、本発明のSOI基板の作製方法の一は、単結晶半導体基板の表面に窒素含有層を形成し、窒素含有層を介して面状、線状又は矩形状のイオンビームを単結晶半導体基板に照射して、単結晶半導体基板の表面から所定の深さに第1のイオンを添加することにより剥離層を形成し、単結晶半導体基板に形成された剥離層の一部に第2のイオンを添加し、窒素含有層上に絶縁層を形成し、単結晶半導体基板の表面とベース基板の一表面とを対向させ、絶縁層の表面とベース基板の表面とを接合させ、単結晶半導体基板を、剥離層を劈開面として劈開させることにより、ベース基板上に単結晶半導体層を形成する工程を含み、第2のイオンの質量数を第1のイオンの質量数と同一又は第1のイオンの質量数より大きくすることを特徴としている。
また、ハロゲンを含む酸化雰囲気中で熱処理を行い単結晶半導体基板の表面に酸化膜を形成し、酸化膜を介して面状、線状又は矩形状のイオンビームを単結晶半導体基板に照射して、単結晶半導体基板の表面から所定の深さに第1のイオンを添加することにより剥離層を形成し、単結晶半導体基板に形成された剥離層の一部に第2のイオンを添加し、酸化膜の表面に絶縁層を形成し、単結晶半導体基板の表面とベース基板の一表面とを対向させ、絶縁層の表面とベース基板の表面とを接合させ、単結晶半導体基板を、剥離層を劈開面として劈開させることにより、ベース基板上に単結晶半導体層を形成する工程を含み、第2のイオンの質量数を第1のイオンの質量数と同一又は第1のイオンの質量数より大きくすることを特徴としている。
また、本発明のSOI基板の作製方法の一は、上記構成において、第1のイオンの添加をイオンドーピング法を用いて行い、第2のイオンの添加をイオン注入法を用いて行うことを特徴としている。
なお、本明細書において、イオンドーピング法とは質量分離を行わずにイオンを電界で加速して半導体に打ち込む技術を指し、イオン注入法とはイオンを質量分離して特定の質量のイオンのみを電界で加速して半導体に打ち込む技術を指す。
また、本明細書中において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指し、電気光学装置、半導体回路及び電子機器は全て半導体装置に含まれる。
また、本明細書中において表示装置とは、発光装置や液晶表示装置を含む。発光装置は発光素子を含み、液晶表示装置は液晶素子を含む。発光素子は、電流または電圧によって輝度が制御される素子をその範疇に含んでおり、具体的には無機EL(Electro Luminescence)、有機EL等が含まれる。
本発明により、剥離面の平坦性を保持したまま剥離することができる。また、ガラス基板など耐熱温度が低い基板を用いた場合にも、実用に耐えうる半導体層を備えたSOI基板を作製することができる。
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態および詳細を変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
本実施の形態では、SOI基板の作製方法の一例に関して図面を参照して説明する。具体的には、半導体基板へのイオンの添加を複数回に分けて行った後に、ベース基板と貼り合わせて剥離を行うSOI基板の作製方法について説明する。以下の説明では、第1のイオンと第2のイオンを添加する2回のイオン添加工程を行う場合について説明する。
まず、半導体基板101を準備し、半導体基板101の表面に窒素含有層102を形成する(図1(A)参照)。
半導体基板101は、市販の半導体基板を用いることができ、例えば、単結晶のシリコン基板やゲルマニウム基板、ガリウムヒ素やインジウムリン等の化合物半導体基板が挙げられる。市販のシリコン基板としては、直径5インチ(125mm)、直径6インチ(150mm)、直径8インチ(200mm)、直径12インチ(300mm)サイズの円形のものが代表的である。なお、形状は円形に限られず矩形状等に加工したシリコン基板を用いることも可能である。
窒素含有層102は、後に半導体基板101の一部をベース基板に貼り合わせて単結晶構造を有する半導体層(以下、「単結晶半導体層」と記す)を設けた際に、ベース基板に含まれる可動イオンや水分等の不純物が単結晶半導体層に拡散することを防ぐためのバリア層として機能する。従って、用いるベース基板の材料によっては、窒素含有層102を設けない構成としてもよい。
窒素含有層102は、CVD法やスパッタリング法等を用いて窒化シリコン層、窒化酸化シリコン層又は酸化窒化シリコン層を単層構造又は積層構造で形成する。窒素含有層102は、50nm以上200nm以下の範囲で設けることが好ましい。例えば、半導体基板101側から酸化窒化シリコン層、窒化酸化シリコン層を積層させて窒素含有層102とすることができる。
本明細書中において、酸化窒化シリコンとは、その組成として、窒素よりも酸素の含有量が多いものであって、好ましくは、ラザフォード後方散乱法(RBS:Rutherford Backscattering Spectrometry)及び水素前方散乱法(HFS:Hydrogen Forward Scattering)を用いて測定した場合に、濃度範囲として酸素が50〜70原子%、窒素が0.5〜15原子%、シリコンが25〜35原子%、水素が0.1〜10原子%の範囲で含まれるものをいう。また、窒化酸化シリコンとは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多いものであって、好ましくは、RBS及びHFSを用いて測定した場合に、濃度範囲として酸素が5〜30原子%、窒素が20〜55原子%、シリコンが25〜35原子%、水素が10〜30原子%の範囲で含まれるものをいう。ただし、酸化窒化シリコン又は窒化酸化シリコンを構成する原子の合計を100原子%としたとき、窒素、酸素、シリコン及び水素の含有比率が上記の範囲内に含まれるものとする。
次に、半導体基板101の表面から所定の深さに電界で加速された第1のイオンを添加して、剥離層103を形成する(図1(B)、図3(A1)、(A2)参照)。なお、図3(A1)は上面図を示しており、図3(A2)は図3(A1)の斜視図に相当する。
本実施の形態では、半導体基板101に第1のイオンを添加する方法としてイオンドーピング装置を用いて行う。すなわち、ソースガスをプラズマ化して生成された複数のイオンを質量分離しないで半導体基板101に添加するドーピング方式を用いる。
また、第1のイオンの添加は、面状又は線状のイオンビームを照射して行うことができる。ここでは、図3(A1)、(A2)に示すように断面が線状(矩形状も含む)のイオンビーム105を半導体基板101に照射することにより行う場合を示している。
線状のイオンビームを用いる場合、線状のイオンビーム105の短尺方向に半導体基板101を相対的に移動させることによって、半導体基板101の所定の深さに第1のイオンを添加することができる。イオンビーム105の長尺方向の長さを照射する半導体基板101の辺(イオンビーム105の長尺方向に平行な辺)より長くすることによって、効率的に半導体基板101にイオンを添加することができる。
なお、ここでは、矩形状の半導体基板を用いる場合を示したが、半導体基板101として円形のシリコンウエハを用いる場合には、イオンビーム105の長尺方向の長さをシリコンウエハの直径より大きくなるようして、イオンビーム105の短尺方向に半導体基板101を相対的に移動させればよい。
線状のイオンビームを照射して半導体基板101にイオンを添加することによって、大面積に一括にイオンの添加を行う場合と比較して、イオンの添加分布を均一にすることができる。これは、大面積に一括にイオンの添加を行う場合には2次元(長尺方向及び短尺方向)でのイオンの添加分布の均一性が要求されるが、線状のイオンビームを走査してイオンの添加を行う場合には長尺方向における均一性のみが要求されるためである。
次に、半導体基板101に形成された剥離層103の一部に第2のイオンを添加して、高濃度領域107を形成する(図1(C)、図3(B1)、(B2)参照)。なお、図3(B1)は上面図を示しており、図3(B2)は図3(B1)の斜視図に相当する。
高濃度領域107は、イオンが集中して添加されるため高濃度の原子(例えば、水素原子等)を含んでおり、後に半導体基板101を剥離層103を劈開面として剥離する際に、剥離のきっかけ(開始点)として機能する。そのため、第2のイオンは、半導体基板101の全面に添加するのではなく、第1のイオンが添加された領域の一部に添加する。ここでは、高濃度領域107を半導体基板101の周縁の一部に線状に設ける例を示している。
また、第2のイオンの添加はイオン注入装置を用いて行うことができる。すなわち、ソースガスをプラズマ化して生成された複数のイオンを質量分離して特定のイオンのみ注入するイオン注入方式を用いることができる。イオン注入方式を用いた場合には、点状のイオンビーム106を走査することより行われるため、半導体基板の場所によって含まれる原子の濃度等のバラツキが生じるおそれがあるが、ここでは、第2のイオンは一部にのみ添加し、第2のイオンの添加により形成される高濃度領域107は剥離のきっかけとして機能するため、添加分布のバラツキによる影響は小さい。
また、質量分離して特定のイオンのみ注入する場合には、半導体基板の深さ方向に対するバラツキを低減することができるため、高濃度領域107の形成位置の制御が容易となる。
図13に、第1のイオンの添加を質量分離を行わずにH、H 、H を用いて行い、第2のイオンの添加を質量分離して得られたH を用いて行った場合における、半導体基板101の表面からの深さ方向に対する水素原子の濃度分布の模式図を示す。図13では第1のイオンの添加(ドーピング)に基づく半導体基板101の深さ方向に対する水素原子の濃度をプロット161、第2のイオンの添加(注入)に基づく半導体基板101の深さ方向に対するに含まれる水素原子の濃度をプロット162で示している。質量分離して特定のイオンのみ添加する場合には、半導体基板の深さ方向に対するバラツキを低減することができるため、第2のイオンの添加をイオン注入法を用いて行うことにより、剥離のきっかけ(開始点)として機能する高濃度領域107の設ける位置を正確に制御することができる。
また、図13では、第1のイオンの添加に基づく水素原子のピーク濃度が第2のイオンの添加に基づく水素原子のピーク濃度より大きい場合を示しているが、これに限られない。例えば、第2のイオンの添加条件を制御することによって、第2のイオンの添加に基づく水素原子のピーク濃度を第1のイオンの添加に基づく水素原子のピーク濃度より大きくすることができる。
なお、第2のイオンの添加はイオン注入装置を用いて行う場合に限られない。例えば、半導体基板101の周縁部に線状又は矩形状のイオンビームを照射することにより行ってもよい。
第2のイオンは剥離のきっかけ(開始点)として機能する高濃度領域107を形成するために添加するので、第1のイオンと質量数が同一又は第1のイオンより質量数が大きいイオンを用いて行うことが好ましい。なお、ここでいう質量数とは、添加するイオンの質量数を指し、添加するイオンに質量数が異なる複数のイオンが含まれる場合には、当該複数のイオンの質量数の平均をいう。例えば、第1のイオンとして質量数が異なる複数のイオンを質量分離しないで用いる場合には、イオンビーム105に含まれる複数のイオンの質量数の平均をさす。
水素等のイオンを高ドーズ量で添加して剥離層に含まれる水素原子の濃度を高くすれば、剥離を容易に行うことができるが、剥離後の単結晶半導体層の表面に凹凸が生じ又は、半導体層中の欠陥が多くなってしまう。そのため、本実施の形態では、半導体基板101の全面に低ドーズ量のイオン(第1のイオン)を添加して剥離層を設け、半導体基板の一部にさらに第2のイオンを添加して剥離のきっかけ(開始点)となる高濃度領域107を選択的に形成することにより、単結晶半導体層の剥離面の大部分において平坦性を保持させつつ、剥離を容易に行うことができる。つまり、高濃度領域107に含まれる水素原子の濃度は、剥離層103に含まれる水素原子の濃度より高くなる。
また、第2のイオンのドーズ量は、第1のイオンのドーズ量の0.3倍以上5倍以下とすればよい。
また、第2のイオンが添加された部分における単結晶半導体層の剥離面は凹凸を生じ又は半導体層中の欠陥が多くなるおそれがあるため、後にトランジスタ等の素子を形成しない領域に第2のイオンを添加すればよい。例えば、図3(B1)、(B2)に示すように、半導体基板101の周縁の一部に第2のイオンを添加して高濃度領域107を形成する。
もちろん、高濃度領域107の形成する位置はこれに限られない。例えば、半導体基板101の周縁又は周縁付近に選択的に第2のイオンを添加して線状の高濃度領域107を設けることができる(図4(A))。また、半導体基板101の周縁の一部及び半導体基板101の内部に選択的に第2のイオンを添加して複数の線状の高濃度領域107を設けることができる(図4(B))。また、半導体基板101に選択的に第2のイオンを添加して複数の点状の高濃度領域107を設けることができる(図4(C))。
また、第1のイオンの添加工程、第2のイオンの添加工程のソースガスには、例えば、水素ガスを用いることができる。
複数のイオンを質量分離しないで添加(ドープ)する場合には、水素ガス(Hガス)からH、H 、H が生成されるが、水素ガスをソースガスに用いる場合は、H が最も多く半導体基板101に照射されることが好ましい。H イオンを照射することで、H、H を照射するよりもイオンの添加効率が向上し、かつ照射時間を短縮することができる。具体的には、イオンビーム105に、イオンH、H 、H の総量に対してH イオンが50%以上含まれるようにすることが好ましい。より好ましくはH イオンの割合が80%以上含まれるようにする。
一方、質量分離してイオンの添加(注入)を行う場合には、質量数の大きいイオン(例えば、H イオン)を選択的に照射することによりイオンの添加効率を向上させ、かつ照射時間を短縮することができる。
例えば、第1のイオンの添加を、H、H 、H を用いて加速電圧10kV以上100kV以下、ドーズ量を0.5×1016ions/cm以上3×1016ions/cm以下で行い、第2のイオンの添加を質量分離して得られたH を用いて加速電圧10kV以上100kV以下、ドーズ量を0.6×1016ions/cm以上4×1016ions/cm以下で行うことができる。
この場合、高濃度領域107には、2×1021atoms/cm以上の水素原子を含ませることが好ましい。より好ましくは、高濃度領域107に5×1021atoms/cm以上の水素原子を含ませることが好ましい。半導体基板101に局所的に高濃度の水素添加領域を形成すると、結晶構造が失われ微小な空孔が形成される。そのため、比較的低温(600℃以下)の熱処理によって高濃度領域107に形成された微小な空洞の体積変化が起こり、高濃度領域107をきっかけ(開始点)として、半導体基板101を劈開することができる。
なお、剥離層103には、剥離後の単結晶半導体層の表面の平坦性を保持するために、2×1021atoms/cm未満の水素を含ませることが好ましい。より好ましくは、剥離層103には、5×1020atoms/cm未満の水素を含ませることが好ましい。
イオンの添加工程のソースガスには水素ガスの他に重水素、ヘリウム、アルゴンなどの希ガス、フッ素ガス、塩素ガスに代表されるハロゲンガス、フッ素化合物ガス(例えば、BF)等のハロゲン化合物ガスから選ばれた一種または複数種類のガスを用いることができる。ソースガスにヘリウムを用いる場合は、質量分離を行わないことで、He+イオンの割合が高い線状又は矩形状のイオンビーム105を作り出すことができる。このようなイオンビーム105を半導体基板101に照射することで、効率良く、微小な空孔を剥離層103に形成することができる。
また、第1のイオンと第2のイオンとして、異なる原子種からなるイオンを適用することができる。例えば、第1のイオンの添加にソースガスに水素ガスを用い、第2のイオンの添加にヘリウム等の希ガス又はハロゲンガスを用いて行ってもよい。
なお、本実施の形態では、第1のイオンを添加した後に第2のイオンを添加する場合を示したが、第1のイオンと第2のイオンを導入する順序を逆(図1(B)に示す工程と図1(C)に示す工程を逆)に行ってもよい。
次に、半導体基板101上に窒素含有層102を介して絶縁層104を形成する(図1(D)参照)。
絶縁層104は、ベース基板との接合層として機能し、半導体基板101がベース基板と接合を形成する面に設ける。単層構造としても積層構造としてもよいが、ベース基板と接合する面(以下、「接合面」とも記す)が平滑面を有し親水性表面となる絶縁層を用いることが好ましい。平滑面を有し親水性表面を形成できる絶縁層としては、酸化シリコン層が適している。好ましくは、酸化シリコン層の平均面粗さ(Ra)が0.5nm以下、二乗平均粗さ(Rms)が0.6nm以下、より好ましくは、平均面粗さが0.3nm以下、自乗平均粗さが0.4nm以下とする。なお、絶縁層104は、半導体基板101に第1のイオンを添加する前に半導体基板101上に形成してもよい。
特に、有機シランを用いて化学気相成長法により作製される酸化シリコン層が好ましい。有機シランを用いて形成された酸化シリコン層を用いることによって、ベース基板と単結晶半導体層との接合を強固にすることができるためである。
有機シランとしては、テトラエトキシシラン(略称;TEOS:化学式Si(OC)、テトラメチルシラン(TMS:化学式Si(CH)、トリメチルシラン((CHSiH)、テトラメチルシクロテトラシロキサン(TMCTS)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、トリエトキシシラン(SiH(OC)、トリスジメチルアミノシラン(SiH(N(CH)等のシリコン含有化合物を用いることができる。
ここでは、有機シランを原料ガスに用いた化学気相成長法により成膜される酸化シリコン層を窒素含有層102上に形成する。他にも、シランを原料ガスに用いた化学気相成長法により成膜される酸化シリコン層又は酸化窒化シリコン層を適用することもできる。化学気相成長法による成膜では、半導体基板101に形成した剥離層103から脱ガスが起こらない程度の温度を適用する。例えば、成膜温度を350℃以下とすることが好ましい。なお、半導体基板101から単結晶半導体層を剥離する加熱処理は、化学気相成長法による成膜温度よりも高い加熱処理温度が適用される。
次に、半導体基板101とベース基板110とを貼り合わせる(図2(A)参照)。半導体基板101上に形成された絶縁層104の表面とベース基板110の表面とを密着させることにより接合が形成される。この接合は、ファンデルワールス力が作用しており、ベース基板110と半導体基板101を密着することにより水素結合による強固な接合を形成することが可能となる。なお、半導体基板101とベース基板110を貼り合わせる前に、メガソニック洗浄、又はメガソニック洗浄及びオゾン水洗浄を行うことにより、基板表面のゴミを除去し、表面を親水化できるため好ましい。
ベース基板110は、絶縁表面を有する基板を用いる。具体的には、アルミノシリケートガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラスのような電子工業用に使われる各種ガラス基板、石英基板、セラミック基板、サファイア基板が挙げられる。好ましくはベース基板110としてガラス基板を用いるのがよく、例えば第6世代(1500mm×1850mm)、第7世代(1870mm×2200mm)、第8世代(2200mm×2400mm)といわれる大面積のマザーガラス基板を用いる。大面積のマザーガラス基板をベース基板110として用いてSOI基板を製造することで、SOI基板の大面積化が実現できる。その結果、1枚の基板から製造できる表示パネルの数(面取り数)を増大させることが可能となり、生産性を向上させることができる。
また、ベース基板110と絶縁層104との接合を良好に行うために、接合面を活性化しておいてもよい。例えば、接合を形成する面の一方又は双方に原子ビーム若しくはイオンビームを照射する。原子ビーム若しくはイオンビームを利用する場合には、アルゴン等の不活性ガス中性原子ビーム若しくは不活性ガスイオンビームを用いることができる。その他に、プラズマ照射若しくはラジカル処理を行うことで接合面を活性化することもできる。このような表面処理により、400℃以下の温度であっても異種材料間の接合を形成することが容易となる。
また、絶縁層104を介してベース基板110と半導体基板101を貼り合わせた後(図2(B)参照)は、加熱処理と加圧処理の一方又は両方を行うことが好ましい。加熱処理や加圧処理を行うことによりベース基板110と半導体基板101の接合強度を向上させることが可能となる。加熱処理の温度は、ベース基板110の耐熱温度以下で行う。加圧処理は、接合面に垂直な方向に圧力が加わるように行い、ベース基板110及び半導体基板101の耐圧性を考慮して行う。
次に、加熱処理を行い剥離層103を劈開面として半導体基板101の一部をベース基板110から剥離する(図2(C)参照)。加熱処理の温度は絶縁層104の成膜温度以上、ベース基板110の耐熱温度以下で行うことが好ましい。例えば、400℃以上600℃以下の加熱処理を行うことにより、剥離層103に形成された微小な空洞の体積変化が起こり、当該剥離層103に沿って劈開する。絶縁層104はベース基板110と接合しているので、ベース基板110上には半導体基板101と同じ結晶性の単結晶半導体層121が残存することとなる。
以上の工程により、ベース基板110上に絶縁層104を介して単結晶半導体層121が設けられたSOI基板が得られる。
通常、イオン注入法を用いた場合には、イオンの添加分布にバラツキが生じ剥離により得られる単結晶半導体層121の表面は凹凸が形成されるため、その表面を平坦化するためにCMP又はガラス基板の耐熱温度以上で熱処理を行う必要がある。一方、本実施の形態で示したように、半導体基板の全面に低ドーズ量のイオン(第1のイオン)を添加して剥離層を設け、半導体基板の一部にさらに第2のイオンを添加して剥離のきっかけ(開始点)となる高濃度領域を設けた後に、剥離層を劈開面として剥離することにより、単結晶半導体層の剥離面の大部分において平坦性を保持させつつ、剥離を容易に行うことができる。その結果、化学的機械研磨処理の工程や高温での熱処理を省略することができる。
また、線状又は矩形状のイオンビームを照射して形成された剥離層を用いて半導体基板を劈開することにより、剥離後の単結晶半導体層の表面の平坦性を向上させることができる。従って、ベース基板としてガラス基板等の耐熱温度が低い基板を用いた場合であっても、実用に耐えうる単結晶半導体層を備えたSOI基板を得ることができる。また、大面積のガラス基板に単結晶半導体層を貼り合わせた場合であっても、CMP工程を省略することができるため、低コスト化、スループットの向上を図ることができる。また、剥離した半導体基板101の剥離面も平坦であるため、化学的機械研磨処理の工程や高温での熱処理を行うことなく再利用することが可能となる。
なお、本実施の形態では、CMPを用いなくとも平坦な表面が得られるが、必要に応じて単結晶半導体層121の表面にレーザビームを照射して平坦化を行ってもよい。レーザビームを照射する際は、酸素濃度が10ppm以下の不活性雰囲気下(例えば、窒素雰囲気下、希ガス雰囲気下等)で行うことが好ましい。これは、酸素雰囲気下でレーザビームの照射を行うと単結晶半導体層121の表面が荒れる恐れがあるからである。
また、大型のベース基板110に複数の半導体基板101を配列させて、ベース基板110上に単結晶半導体層121を設けることも可能である。この場合、半導体基板101の大きさに依存せず大型の半導体装置を作製することが可能となる。
なお、本実施の形態で示したSOI基板の作製方法は、本明細書の他の実施の形態で示した作製方法と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、上記実施の形態と異なるSOI基板の作製方法に関して図面を参照して説明する。具体的には、SOI基板の作製に用いる半導体基板の主表面としてシリコンウエハの{110}面を用いる場合に関して説明する。
はじめに、単結晶半導体の結晶面について簡単に説明する。図5は、単結晶シリコンの単位格子、シリコン原子、及び、結晶面の関係を示すものである。ここで、図5(A)は{110}面のうち代表例として(110)面の様子を示しており、図5(B)は{100}面のうち代表例として(100)面の様子を示しているが、簡単のため、それぞれの結晶面に関与しないシリコン元素については、その一部を省略している。なお、図5においてはシリコンを例に挙げて説明しているが、これに限定して解釈されるものではない。
図5(A)及び図5(B)より、単結晶シリコンの単位格子において、(110)面のシリコン原子の平面の面密度は、(100)面のシリコン原子の面密度より大きいことが分かる。このため、(110)面を主表面として有する単結晶シリコン基板を用いてSOI基板を作製した場合には、絶縁層を構成する原子とシリコン原子との結合が密に形成されることになり、絶縁層と単結晶シリコン層との密着性が向上する。すなわち、単結晶シリコン層の剥離を抑制することができるようになる。
また、(110)面では上記のように原子が密に配列しているため、その他の面を用いる場合と比較して、作製したSOI基板における単結晶シリコン層の平坦性が向上する。すなわち、該単結晶シリコン層を用いて作製したトランジスタは優れた特性を有することになる。なお、(110)面は(100)面と比較してヤング率が大きく、劈開しやすいというメリットも有している。
次に、半導体基板の{110}面を用いたSOI基板の作製方法に関して図面を参照して説明する。なお、ここでは、ベース基板側に接合層として機能する絶縁層を設ける場合について説明する。
はじめに、{110}面を主表面として有する半導体基板101を用意する。そして、半導体基板101上に保護層として機能する絶縁層112を形成した後、絶縁層112を介して、線状又は矩形状のイオンビーム105を半導体基板101に照射することによって、半導体基板101の表面から所定の深さに第1のイオンを添加し、剥離層103を形成する(図10(A)参照)。半導体基板101の詳細については実施の形態1を参照することができるため、ここでは省略する。
絶縁層112は、酸化シリコン、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化窒化シリコン等から選択された一又は複数の材料を用いて形成することができる。絶縁層112は単層構造でも良いし積層構造でも良い。絶縁層112の形成方法としては、化学気相成長法(CVD法)やスパッタ法、熱酸化法、熱窒化法等が挙げられるが、特にこれに限られるものではない。厚さは10nm以上200nm以下程度とすることが好ましい。絶縁層112を設けることにより、第1のイオンの添加による半導体基板101の表面(後の単結晶半導体層の表面)の荒れを防止できる。
また、剥離層103の形成方法の詳細については実施の形態1を参照できるため、ここでは省略する。剥離層103の形成後には、絶縁層112を除去しても良いが、絶縁層112を残存させた場合には下地絶縁層として機能させることが可能である。
次に、半導体基板101に形成された剥離層103の一部に第2のイオンを添加して、高濃度領域107を形成する(図10(B)参照)。なお、高濃度領域107の形成方法の詳細については実施の形態1を参照できるため、ここでは省略する。
次に、表面上に窒素含有層115と接合層として機能する絶縁層114が積層されたベース基板110と、半導体基板101とを貼り合わせる(図10(C)参照)。
窒素含有層115は、ベース基板に含まれる可動イオンや水分等の不純物が拡散することを防ぐためのバリア層として機能する。窒素含有層115は、CVD法やスパッタリング法等を用いて窒化シリコン層、窒化酸化シリコン層又は酸化窒化シリコン層を単層構造又は積層構造で形成する。窒素含有層115は、50nm以上200nm以下の範囲で設けることが好ましい。例えば、ベース基板110側から酸化窒化シリコン層、窒化酸化シリコン層を積層させて窒素含有層115とすることができる。
絶縁層114は、有機シランを原料ガスに用いた化学気相成長法により成膜される酸化シリコン層を用いることができる。他にも、シランを原料ガスに用いた化学気相成長法により成膜される酸化シリコン層又は酸化窒化シリコン層を適用することもできる。
また、絶縁層114を介してベース基板110と半導体基板101を貼り合わせた後は、加熱処理と加圧処理の一方又は両方を行うことが好ましい。加熱処理や加圧処理を行うことによりベース基板110と半導体基板101の接合強度を向上させることが可能となる。加熱処理の温度は、ベース基板110の耐熱温度以下で行う。加圧処理は、接合面に垂直な方向に圧力が加わるように行い、ベース基板110及び半導体基板101の耐圧性を考慮して行う。
次に、加熱処理を行い剥離層103を劈開面として半導体基板101の一部をベース基板110から剥離する(図10(D)参照)。加熱処理の温度は絶縁層114の成膜温度以上、ベース基板110の耐熱温度以下で行うことが好ましい。例えば、400℃以上600℃以下の加熱処理を行うことにより、剥離層103に形成された微小な空洞の体積変化が起こり、当該剥離層103に沿って劈開する。絶縁層114はベース基板110と接合しているので、ベース基板110上には半導体基板101と同じ結晶性の単結晶半導体層121が残存することとなる。
以上により、{110}面を主表面とする単結晶半導体層121を有するSOI基板が得られる。{110}面における原子の面密度は、他の結晶面と比較して大きいため、絶縁層と単結晶半導体層との密着性が向上する。すなわち、単結晶半導体層の剥離を抑制することができる。
また、{110}面では上記のように原子が密に配列しているため、その他の面を用いる場合と比較して、作製したSOI基板における単結晶半導体層の平坦性が向上する。さらに、線状又は矩形状のイオンビームを用いて低ドーズ量のイオンを照射することにより形成された剥離層を劈開面として半導体基板を劈開することによって、剥離された単結晶半導体層121の表面をより平坦にすることができる。その結果、化学的機械研磨処理の工程や高温での熱処理を行わない場合であっても、本実施の形態で示した単結晶半導体層121を用いて作製したトランジスタは優れた特性を有することになる。
なお、本実施の形態で示したSOI基板の作製方法は、本明細書の他の実施の形態で示した作製方法と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、上記実施の形態と異なるSOI基板の作製方法に関して図面を参照して説明する。
まず、半導体基板101を硫酸過水(SPM)、アンモニア過水(APM)、塩酸過水(HPM)、希フッ酸(DHF)などを適宜使って洗浄した後、半導体基板101の熱酸化を行うことにより酸化膜141を形成する(図11(A)参照)。
熱酸化はドライ酸化で行っても良いが、酸化雰囲気中にハロゲンを添加した酸化を行うことが好ましい。ハロゲンを含むものとしてはHClが代表例であり、その他にもHF、NF、HBr、Cl、ClF、BCl、F、Brなどから選ばれた一種又は複数種を適用することができる。このような熱酸化の例としては、酸素に対しHClを0.5体積%以上10体積%以下(好ましくは3体積%)の割合で含む雰囲気中で、900℃以上1150℃以下の温度(代表的には1000℃)で熱酸化を行うと良い。処理時間は0.1時間以上6時間以下、好ましくは0.5時間以上1時間以下とすれば良い。形成される酸化膜の膜厚としては、10nm以上1000nm以下(好ましくは50nm以上200nm以下)、例えば100nmの厚さとする。
このような温度範囲で熱処理を行うことで、半導体基板101に対してハロゲン元素によるゲッタリング効果を得ることができる。ゲッタリング効果としては、特に金属不純物を除去する効果が得られる。すなわち、塩素の作用により、金属などの不純物が揮発性の塩化物となって気相中へ離脱して除去される。半導体基板101の表面をCMP処理したものに対しては有効である。また、水素は半導体基板101と酸化膜141の界面の欠陥を補償して界面の局在準位密度を低減する作用を奏する。
酸化膜141はハロゲンが含まれることにより、外因性不純物である重金属を捕集して単結晶半導体層が汚染されることを防止する効果を奏する。代表的な重金属としてはFe、Cr、NiでありMoがさらに含まれる場合があり、これらは単結晶半導体層に対し、質量分離されないイオンをドーピングして剥離層を形成する過程で添加される。すなわち酸化膜141はHCl酸化などによって膜中にハロゲンを含ませることにより、重金属など単結晶半導体層に悪影響を与える不純物をゲッタリングする作用がある。酸化膜141を形成した後に行われる熱処理により、単結晶半導体層に含まれる不純物としての金属は酸化膜141に析出し、ハロゲン(例えば塩素)と反応して捕獲されることとなる。それにより酸化膜141中に捕集した当該不純物を固定して半導体基板101の汚染を防ぐことができる。すなわち、酸化膜141は、半導体のライフタイムキラーとなる金属元素を捕獲して再拡散させないことにより、トランジスタの高性能化を図ることができる。
熱酸化により形成される酸化膜141中にはハロゲンが含まれる。ハロゲンは1×1017/cm以上5×1020/cm以下の濃度で含まれることにより金属などの不純物を捕獲して半導体基板101の汚染を防止する保護膜としての機能を発現させることができる。
次に、酸化膜141を介して線状又は矩形状のイオンビーム105を半導体基板101に照射することによって、半導体基板101の表面から所定の深さに第1のイオンを添加し、剥離層103を形成する(図11(B)参照)。また、剥離層103の形成方法の詳細については実施の形態1を参照できるため、ここでは省略する。
イオンドーピング装置は質量分離をしないでイオンを添加することにより、ハロゲンイオン若しくは水素イオンの他に金属イオンも同時に半導体基板101に添加される。金属イオンは質量数が大きいので、イオンが添加される側の極表面に多く分布する。本形態では半導体基板101の表面に酸化膜141が形成されている。この酸化膜141の膜厚を金属イオンの添加深さよりも厚く形成することで、当該金属の分布を酸化膜141中に止めておくことができる。酸化膜141はHCl酸化などによって膜中にハロゲンを含ませることにより、重金属など半導体基板101に悪影響を与える不純物をゲッタリングする作用がある。それにより酸化膜141中に捕集した当該不純物を固定して半導体基板101の汚染を防ぐことができる。
次に、半導体基板101に形成された剥離層103の一部に第2のイオンを添加して、高濃度領域107を形成する(図11(C)参照)。なお、高濃度領域107の形成方法の詳細については実施の形態1を参照できるため、ここでは省略する。
次に、酸化膜141上に窒素含有層102を形成し、当該窒素含有層102上に接合層として機能する絶縁層104を形成する(図11(D)参照)。窒素含有層102、絶縁層104は、上記実施の形態1で示した作製方法や材料を用いて形成すればよい。
次に、半導体基板101とベース基板110とを貼り合わせる(図11(E)参照)。半導体基板101上に形成された絶縁層104の表面とベース基板110の表面とを密着させることにより接合が形成される。この接合は、ファンデルワールス力が作用しており、ベース基板110と半導体基板101を密着することにより水素結合による強固な接合を形成することが可能となる。
その後、加熱処理を行い剥離層103を劈開面として半導体基板101の一部をベース基板110から剥離することによって、SOI基板を作製することができる。
なお、本実施の形態で示したSOI基板の作製方法は、本明細書の他の実施の形態で示した作製方法と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、上記実施の形態で示したSOI基板を用いた半導体装置の製造方法の一例について、図6乃至9を参照して説明する。なお、本実施の形態においては、半導体装置の一例として液晶表示装置を挙げて説明するが、半導体装置は液晶表示装置に限られるものではない。
はじめに、実施の形態1に示した方法等を用いて、ベース基板上に、単結晶半導体層を形成する(図6(A)参照)。ここでは、ベース基板1000の上にバリア層として機能する窒素含有層1002、接合層として機能する絶縁層1004、単結晶半導体層1006を順に設けた構成を用いて説明するが、これに限られるものではない。
次に、単結晶半導体層1006及び絶縁層1004を所望の形状にパターニングして、島状の単結晶半導体層を形成する。島状の単結晶半導体層は、上記実施の形態において、第2のイオンが添加された部分を避けた領域における単結晶半導体層を用いて形成する。
なお、パターニングの際のエッチング加工としては、プラズマエッチング(ドライエッチング)、ウエットエッチングのどちらを採用しても良いが、大面積基板を処理するにはプラズマエッチングが適している。エッチングガスとしては、CF、NF、Cl、BCl、などのフッ素系又は塩素系のガスを用い、HeやArなどの不活性ガスを適宜加えても良い。また、大気圧放電のエッチング加工を適用すれば、局所的な放電加工も可能であり、基板の全面にマスク層を形成することなくエッチングを行うことができる。
単結晶半導体層1006及び絶縁層1004をパターニングした後には、しきい値電圧を制御するために、硼素、アルミニウム、ガリウムなどのp型不純物を添加すると良い。例えば、p型不純物として、硼素を5×1016cm−3以上1×1018cm−3以下の濃度で添加することができる。
ベース基板1000上には、窒素含有層1002として窒化シリコン膜と酸化シリコン膜が積層構造で形成されている。窒素含有層1002を設けることで、単結晶半導体層1006の可動イオンによる汚染を防止できる。なお、窒化シリコンに代えて、窒化酸化シリコン、窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウムを適用しても良い。
次に、島状の単結晶半導体層を覆うゲート絶縁層1008を形成する(図6(B)参照)。なお、ここでは便宜上、パターニングによって形成された島状の単結晶半導体層をそれぞれ単結晶半導体層1010、単結晶半導体層1012、単結晶半導体層1014と呼ぶことにする。ゲート絶縁層1008はプラズマCVD法またはスパッタ法などを用い、厚さを10nm以上150nm以下として珪素を含む絶縁膜で形成する。具体的には、窒化シリコン、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコンに代表される珪素の酸化物材料又は窒化物材料等の材料で形成すればよい。なお、ゲート絶縁層1008は単層構造であっても良いし、積層構造としても良い。
さらに、単結晶半導体層とゲート絶縁層との間に、膜厚1nm以上100nm以下、好ましくは1nm以上10nm以下、より好ましくは2nm以上5nm以下の薄い酸化シリコン膜を形成してもよい。なお、低い温度でリーク電流の少ないゲート絶縁層を形成するために、アルゴンなどの希ガス元素を反応ガスに含ませても良い。
次に、ゲート絶縁層1008上にゲート電極層として用いる第1の導電膜と第2の導電膜とを積層して形成する。第1の導電膜の膜厚は20nm以上100nm以下程度、第2の導電膜の膜厚は100nm以上400nm以下程度とすれば良い。また、第1の導電膜及び第2の導電膜は、スパッタリング法、蒸着法、CVD法等の手法により形成することができる。
第1の導電膜及び第2の導電膜は、タンタル、タングステン、チタン、モリブデン、アルミニウム、銅、クロム、ネオジム等から選ばれた元素、又は前記の元素を主成分とする合金材料もしくは化合物材料等を用いて形成すればよい。また、第1の導電膜及び第2の導電膜としてリン等の不純物元素をドーピングした多結晶シリコン膜に代表される半導体膜や、AgPdCu合金などを用いてもよい。なお、本実施の形態においては2層構造を用いて説明しているが、本発明はこれに限定されない。3層以上の積層構造としても良いし、単層構造であっても良い。
次に、フォトリソグラフィ法を用いてレジスト材料からなるマスク1016a、マスク1016b、マスク1016c、マスク1016d、及びマスク1016eを形成する。そして、前記のマスクを用いて第1の導電膜及び第2の導電膜を所望の形状に加工し、第1のゲート電極層1018a、第1のゲート電極層1018b、第1のゲート電極層1018c、第1のゲート電極層1018d、第1の導電層1018e、導電層1020a、導電層1020b、導電層1020c、導電層1020d、及び導電層1020eを形成する(図6(C)参照)。
ここで、ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)エッチング法を用い、エッチング条件(コイル型の電極層に印加される電力量、基板側の電極層に印加される電力量、基板側の電極温度等)を適宜調節することにより、所望のテーパー形状となるようにエッチングを行うことができる。また、マスクの形状によって、テーパーの角度等を制御することもできる。なお、エッチング用ガスとしては、Cl、BCl、SiClもしくはCClなどを代表とする塩素系ガス、CF、SFもしくはNFなどを代表とするフッ素系ガス、又はOを適宜用いることができる。本実施の形態では、CF、Cl、Oからなるエッチング用ガスを用いて第2の導電膜のエッチングを行い、連続してCF、Clからなるエッチング用ガスを用いて第1の導電膜をエッチングする。
次に、マスク1016a、マスク1016b、マスク1016c、マスク1016d、及びマスク1016eを用いて、導電層1020a、導電層1020b、導電層1020c、導電層1020d、及び導電層1020eを所望の形状に加工する。このとき、導電層を形成する第2の導電膜と、第1のゲート電極層及び第1の導電層を形成する第1の導電膜との選択比が高いエッチング条件でエッチングする。このエッチングによって、第2のゲート電極層1022a、第2のゲート電極層1022b、第2のゲート電極層1022c、第2のゲート電極層1022d、及び第2の導電層1022eを形成する。
本実施の形態では、第2のゲート電極層及び第2の導電層もテーパー形状を有しているが、そのテーパー角は、第1のゲート電極層1018a、第1のゲート電極層1018b、第1のゲート電極層1018c、第1のゲート電極層1018d、及び第1の導電層1018eの有するテーパー角より大きい。なお、テーパー角とは対象物の底面と側面とが作る角度を言うものとする。よって、テーパー角が90度の場合、導電層は底面に対して垂直な側面を有することになる。テーパー角を90度未満とすることにより、積層される膜の被覆性が向上するため、欠陥を低減することが可能となる。なお、本実施の形態では、第2のゲート電極層及び第2の導電層を形成するためのエッチング用ガスとしてCl、SF、Oを用いる。
以上の工程によって、周辺駆動回路領域1080に、ゲート電極層1024a、ゲート電極層1024b、画素領域1082に、ゲート電極層1024c、ゲート電極層1024d、及び導電層1024eを形成することができる(図6(D)参照)。なお、マスク1016a、マスク1016b、マスク1016c、マスク1016d、及びマスク1016eは、上記工程の後に除去する。
次に、ゲート電極層1024a、ゲート電極層1024b、ゲート電極層1024c、ゲート電極層1024dをマスクとして、n型を付与する不純物元素を添加し、第1のn型不純物領域1026a、第1のn型不純物領域1026b、第1のn型不純物領域1028a、第1のn型不純物領域1028b、第1のn型不純物領域1030a、第1のn型不純物領域1030b、第1のn型不純物領域1030cを形成する(図7(A)参照)。
本実施の形態では、不純物元素を含むドーピングガスとしてホスフィン(PH)を用いてドーピングを行う。ここでは、第1のn型不純物領域に、n型を付与する不純物元素であるリン(P)が1×1016/cm以上5×1019/cm以下程度の濃度で含まれるようにする。
次に、単結晶半導体層1010、単結晶半導体層1014の一部を覆うマスク1032a、マスク1032b、マスク1032cを形成する。そして、マスク1032a、マスク1032b、マスク1032c、及び第2のゲート電極層1022bをマスクとしてn型を付与する不純物元素を添加する。これにより、第2のn型不純物領域1034a、第2のn型不純物領域1034b、第3のn型不純物領域1036a、第3のn型不純物領域1036b、第2のn型不純物領域1040a、第2のn型不純物領域1040b、第2のn型不純物領域1040c、第3のn型不純物領域1042a、第3のn型不純物領域1042b、第3のn型不純物領域1042c、第3のn型不純物領域1042dが形成される。
本実施の形態では、不純物元素を含むドーピングガスとしてホスフィン(PH)を用いてドーピングを行う。ここでは、第2のn型不純物領域にn型を付与する不純物元素であるリン(P)が1×1017/cm以上1×1021/cm以下程度の濃度で含まれるようにする。第3のn型不純物領域1036a、第3のn型不純物領域1036bには、第3のn型不純物領域1042a、第3のn型不純物領域1042b、第3のn型不純物領域1042c、第3のn型不純物領域1042dと同程度、もしくは少し高めの濃度でn型を付与する不純物元素が添加される。また、チャネル形成領域1038、チャネル形成領域1044a及びチャネル形成領域1044bが形成される(図7(B)参照)。
第2のn型不純物領域は高濃度不純物領域であり、ソース又はドレインとして機能する。一方、第3のn型不純物領域は低濃度不純物領域であり、いわゆるLDD(Lightly Doped Drain)領域となる。第3のn型不純物領域1036a、第3のn型不純物領域1036bは、第1のゲート電極層1018bと重なる領域に形成されている。これにより、ソース又はドレイン近傍の電界を緩和して、ホットキャリアによるオン電流の劣化を防止することができる。一方、第3のn型不純物領域1042a、第3のn型不純物領域1042b、第3のn型不純物領域1042c、第3のn型不純物領域1042dはゲート電極層1024c、ゲート電極層1024dと重なっておらず、オフ電流を低減する効果がある。
次に、マスク1032a、マスク1032b、マスク1032cを除去し、単結晶半導体層1012、単結晶半導体層1014を覆うマスク1046a、マスク1046bを形成する。そして、マスク1046a、マスク1046b、ゲート電極層1024aをマスクとしてp型を付与する不純物元素を添加する。これにより、第1のp型不純物領域1048a、第1のp型不純物領域1048b、第2のp型不純物領域1050a、第2のp型不純物領域1050bが形成される。
本実施の形態では、不純物元素を含むドーピングガスとしてジボラン(B)を用いてドーピングを行う。ここでは、第1のp型不純物領域、及び第2のp型不純物領域にp型を付与する不純物元素である硼素(B)が1×1018/cm以上5×1021/cm以下程度の濃度で含まれるようにする。また、チャネル形成領域1052が形成される(図7(C)参照)。
第1のp型不純物領域は高濃度不純物領域であり、ソース又はドレインとして機能する。一方、第2のp型不純物領域は低濃度不純物領域であり、いわゆるLDD(LightlyDoped Drain)領域となる。
その後、マスク1046a、マスク1046bを除去する。マスクを除去した後に、ゲート電極層の側面を覆うように絶縁膜を形成してもよい。該絶縁膜は、プラズマCVD法や減圧CVD(LPCVD)法を用いて形成することができる。また、不純物元素を活性化するために、加熱処理、強光の照射、レーザー光の照射等を行ってもよい。
次いで、ゲート電極層、及びゲート絶縁層を覆う層間絶縁層を形成する。本実施の形態では、絶縁膜1054と絶縁膜1056の積層構造とする(図8(A)参照)。絶縁膜1054として窒化酸化シリコン膜を膜厚100nmにて形成し、絶縁膜1056として酸化窒化シリコン膜を膜厚900nmにて形成する。本実施の形態においては、2層の積層構造としたが、単層構造でも良く、3層以上の積層構造としても良い。本実施の形態では、絶縁膜1054及び絶縁膜1056を、プラズマCVD法を用いて、大気に晒さずに連続的に形成する。なお、絶縁膜1054及び絶縁膜1056は上記材料に限定されるものではない。
絶縁膜1054、絶縁膜1056は、他に、酸化シリコンや窒化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒素含有量が酸素含有量よりも多い窒化酸化アルミニウム、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、窒素含有炭素膜その他の無機絶縁性材料を含む物質から選ばれた材料を用いて形成することができる。また、シロキサン樹脂を用いてもよい。なお、シロキサン樹脂とは、Si−O−Si結合を含む樹脂をいう。シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される。置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、アリール基)が用いられる。有機基は、フルオロ基を含んでいてもよい。また、ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、ベンゾシクロブテン、ポリシラザン等の有機絶縁性材料を用いることもできる。
次いで、レジスト材料からなるマスクを用いて絶縁膜1054、絶縁膜1056、ゲート絶縁層1008に単結晶半導体層及びゲート電極層に達するコンタクトホール(開口部)を形成する。エッチングは、用いる材料の選択比によって、一回で行っても複数回行っても良い。本実施の形態では、酸化窒化シリコン膜である絶縁膜1056と、窒化酸化シリコン膜である絶縁膜1054及びゲート絶縁層1008と選択比が取れる条件で、第1のエッチングを行い、絶縁膜1056を除去する。次に、第2のエッチングによって、絶縁膜1054及びゲート絶縁層1008を除去し、ソース又はドレインに達する開口部を形成する。
その後、開口部を覆うように導電膜を形成し、該導電膜をエッチングする。これにより、各ソース領域又はドレイン領域の一部とそれぞれ電気的に接続するソース電極層又はドレイン電極層1058a、ソース電極層又はドレイン電極層1058b、ソース電極層又はドレイン電極層1060a、ソース電極層又はドレイン電極層1060b、ソース電極層又はドレイン電極層1062a、ソース電極層又はドレイン電極層1062bを形成する。ソース電極層又はドレイン電極層には、アルミニウム、タンタル、チタン、モリブデン、タングステン、ネオジム、クロム、ニッケル、白金、金、銀、銅、マグネシウム、スカンジウム、コバルト、亜鉛、ニオブ、シリコン、リン、硼素、ヒ素、ガリウム、インジウム、錫などから選択された一つ又は複数の元素、または、前記元素を成分として含有する化合物や合金材料(例えば、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、酸化シリコンを添加したインジウム錫酸化物(ITSO)、酸化亜鉛、アルミネオジム(Al−Nd)、マグネシウム銀(Mg−Ag)など)、もしくは、これらの化合物を組み合わせた物質等が用いられる。その他にも、シリサイド(例えば、アルミシリコン、モリブデンシリコン、ニッケルシリサイド)や、窒素を含有する化合物(例えば、窒化チタン、窒化タンタル、窒化モリブデン)、リン(P)等の不純物元素をドーピングしたシリコン(Si)等を用いることもできる。
以上の工程で周辺駆動回路領域1080にpチャネル型薄膜トランジスタ1064、及びnチャネル型薄膜トランジスタ1066を、画素領域1082にnチャネル型薄膜トランジスタ1068、容量配線1070が形成される(図8(B)参照)。
次に第2の層間絶縁層として絶縁膜1072を形成する。絶縁膜1072としては酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒素含有量が酸素含有量よりも多い窒化酸化アルミニウム、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、窒素含有炭素膜、PSG(リンガラス)、BPSG(リンボロンガラス)、アルミナ膜、ポリシラザン、その他の無機絶縁性材料を含む物質から選ばれた材料で形成することができる。また、シロキサン樹脂を用いてもよい。ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、ベンゾシクロブテン等の有機絶縁性材料を用いることもできる。
次に、画素領域1082の絶縁膜1072にコンタクトホールを形成し、画素電極層1074を形成する(図8(C)参照)。画素電極層1074は、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化インジウムに酸化亜鉛を混合したIZO(indium zinc oxide)、酸化インジウムに酸化シリコンを混合した導電性材料、有機インジウム、有機スズ、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、又はタングステン、モリブデン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、コバルト、ニッケル、チタン、白金、アルミニウム、銅、銀等の金属又はその合金、若しくはその金属窒化物を用いて形成することができる。
また、画素電極層1074としては導電性高分子(導電性ポリマーともいう)を含む導電性組成物を用いることもできる。導電性組成物は、薄膜におけるシート抵抗が10000Ω/sq.以下であることが好ましい。また、光透過性を有する画素電極層として薄膜を形成する場合には、波長550nmにおける透光率が70%以上であることが好ましい。また、含まれる導電性高分子の抵抗率が0.1Ω・cm以下であることが好ましい。
上記の導電性高分子としては、いわゆるπ電子共役系導電性高分子を用いることができる。例えば、ポリアニリン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、又は、これらの共重合体等が挙げられる。
なお、有機樹脂は、導電性高分子と相溶または混合分散可能であれば熱硬化性樹脂であってもよく、熱可塑性樹脂であってもよく、光硬化性樹脂であってもよい。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド等のポリイミド系樹脂、ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド12、ポリアミド11等のポリアミド樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、エチレンテトラフルオロエチレンコポリマー、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル等のビニル樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、アラミド樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリウレア系樹脂、メラミン樹脂、フェノール系樹脂、ポリエーテル、アクリル系樹脂及びこれらの共重合体等が挙げられる。
さらに、導電性組成物にアクセプタ性のドーパントやドナー性のドーパントをドーピングすることで、共役導電性高分子の共役電子の酸化還元電位を変化させ、電気伝導度を調節してもよい。
アクセプタ性のドーパントとしては、ハロゲン化合物、ルイス酸、プロトン酸、有機シアノ化合物、有機金属化合物等を使用することができる。ハロゲン化合物としては、塩素、臭素、ヨウ素、塩化ヨウ素、臭化ヨウ素、フッ化ヨウ素等が挙げられる。ルイス酸としては五フッ化燐、五フッ化ヒ素、五フッ化アンチモン、三フッ化硼素、三塩化硼素、三臭化硼素等が挙げられる。プロトン酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウフッ化水素酸、フッ化水素酸、過塩素酸等の無機酸と、有機カルボン酸、有機スルホン酸等の有機酸が挙げられる。有機カルボン酸及び有機スルホン酸としては、前記カルボン酸化合物及びスルホン酸化合物を使用することができる。有機シアノ化合物としては、共役結合に二つ以上のシアノ基を含む化合物が使用できる。例えば、テトラシアノエチレン、テトラシアノエチレンオキサイド、テトラシアノベンゼン、テトラシアノキノジメタン、テトラシアノアザナフタレン等を挙げることができる。
ドナー性ドーパントとしては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、4級アミン化合物等が挙げられる。
上述の如き導電性組成物を水または有機溶剤(アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、炭化水素系溶剤、芳香族系溶剤など)に溶解させて、塗布法、コーティング法、液滴吐出法(インクジェット法ともいう)、印刷法等により画素電極層1074となる薄膜を形成することができる。
次に、画素電極層1074及び絶縁膜1072を覆うように、配向膜と呼ばれる絶縁層1302を形成する(図9(B)参照)。絶縁層1302は、スクリーン印刷法やオフセット印刷法を用いて形成することができる。なお、図9は、半導体装置の平面図及び断面図を示しており、図9(A)は半導体装置の平面図、図9(B)は図9(A)のC−Dにおける断面図である。半導体装置には、外部端子接続領域1076、封止領域1078、周辺駆動回路領域1080、画素領域1082が設けられる。
絶縁層1302を形成した後、ラビング処理を行う。配向膜として機能する絶縁層1306についても、絶縁層1302と同様にして形成することができる。
その後、対向基板1300と、絶縁性表面を有するベース基板1000とを、シール材1314及びスペーサ1316を介して貼り合わせ、その空隙に液晶層1304を設ける。なお、対向基板1300には、配向膜として機能する絶縁層1306、対向電極として機能する導電層1308、カラーフィルターとして機能する着色層1310、偏光子1312(偏光板ともいう)等が設けられている。なお、絶縁性表面を有するベース基板1000にも偏光子1318(偏光板)を設けるが、本発明はこれに限られない。例えば、反射型の液晶表示装置においては、偏光子は、一方に設ければ良い。
続いて、画素領域と電気的に接続されている端子電極層1320に、異方性導電体層1322を介して、FPC1324を接続する。FPC1324は、外部からの信号を伝達する役目を担う。上記の工程により、液晶表示装置を作製することができる。
なお、本実施の形態においては液晶表示装置を作製する方法について説明したが、これに限られるものではない。他にも、上記実施の形態で示したSOI基板を用いて、発光素子を具備する発光装置における周辺回路や画素等を構成するトランジスタを形成することができる。
本実施の形態は、上記実施の形態で示したSOI基板と適宜組み合わせて行うことができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、上記実施の形態で示したSOI基板を用いて作製した電子機器について、図12を参照して説明する。
上記実施の形態で示したSOI基板を用いて作製される電子機器として、ビデオカメラやデジタルカメラ等のカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオコンポ等)、コンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatile Disc(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを備えた装置)などが挙げられる。
図12(A)はテレビ受像器又はパーソナルコンピュータのモニタである。筺体1701、支持台1702、表示部1703、スピーカー部1704、ビデオ入力端子1705等を含む。表示部1703には、上記実施の形態で示したSOI基板が用いられている。上記実施の形態で示したSOI基板を用いることにより、信頼性が高く高性能なテレビ受像器又はパーソナルコンピュータのモニタを提供することができる。
図12(B)はデジタルカメラである。本体1711の正面部分には受像部1713が設けられており、本体1711の上面部分にはシャッターボタン1716が設けられている。また、本体1711の背面部分には、表示部1712、操作キー1714、及び外部接続ポート1715が設けられている。表示部1712には、上記実施の形態で示したSOI基板を用いることにより、信頼性が高く高性能なデジタルカメラを提供することができる。
図12(C)はノート型パーソナルコンピュータである。本体1721には、キーボード1724、外部接続ポート1725、ポインティングデバイス1726が設けられている。また、本体1721には、表示部1723を有する筐体1722が取り付けられている。表示部1723には、上記実施の形態で示したSOI基板が用いられている。上記実施の形態で示したSOI基板を用いることにより、信頼性が高く高性能なノート型パーソナルコンピュータを提供することができる。
図12(D)はモバイルコンピュータであり、本体1731、表示部1732、スイッチ1733、操作キー1734、赤外線ポート1735等を含む。表示部1732にはアクティブマトリクス表示装置が設けられている。表示部1732には、上記実施の形態で示したSOI基板が用いられている。上記実施の形態で示したSOI基板を用いることにより、信頼性が高く高性能なモバイルコンピュータを提供することができる。
図12(E)は画像再生装置である。本体1741には、表示部B1744、記録媒体読み込み部1745及び操作キー1746が設けられている。また、本体1741には、スピーカー部1747及び表示部A1743それぞれを有する筐体1742が取り付けられている。表示部A1743及び表示部B1744それぞれには、上記実施の形態で示したSOI基板が用いられている。上記実施の形態で示したSOI基板を用いることにより、信頼性が高く高性能な画像再生装置を提供することができる。
図12(F)は電子書籍である。本体1751には操作キー1753が設けられている。また、本体1751には複数の表示部1752が取り付けられている。表示部1752には、上記実施の形態で示したSOI基板が用いられている。上記実施の形態で示したSOI基板を用いることにより、信頼性が高く高性能な電子書籍を提供することができる。
図12(G)はビデオカメラであり、本体1761には外部接続ポート1764、リモコン受信部1765、受像部1766、バッテリー1767、音声入力部1768、操作キー1769が設けられている、また、本体1761には、表示部1762を有する筐体1763が取り付けられている。表示部1762には、上記実施の形態で示したSOI基板が用いられている。上記実施の形態で示したSOI基板を用いることにより、信頼性が高く高性能なビデオカメラを提供することができる。
図12(H)は携帯電話であり、本体1771、筐体1772、表示部1773、音声入力部1774、音声出力部1775、操作キー1776、外部接続ポート1777、アンテナ1778等を含む。表示部1773には、上記実施の形態で示したSOI基板が用いられている。上記実施の形態で示したSOI基板を用いることにより、信頼性が高く高性能な携帯電話を提供することができる。
以上の様に、本発明の適用範囲は極めて広く、あらゆる分野の電子機器に用いることが可能である。
本発明のSOI基板の作製方法の一例を示す図。 本発明のSOI基板の作製方法の一例を示す図。 本発明のSOI基板の作製方法の一例を示す図。 本発明のSOI基板の作製方法の一例を示す図。 半導体の結晶格子を示す図。 本発明のSOI基板を用いた半導体装置の作製方法の一例を示す図。 本発明のSOI基板を用いた半導体装置の作製方法の一例を示す図。 本発明のSOI基板を用いた半導体装置の作製方法の一例を示す図。 本発明のSOI基板を用いた半導体装置の作製方法の一例を示す図。 本発明のSOI基板の作製方法の一例を示す図。 本発明のSOI基板の作製方法の一例を示す図。 本発明のSOI基板を用いた電子機器を示す図である。 半導体基板の深さ方向における水素原子の濃度分布の模式図。
符号の説明
101 半導体基板
102 窒素含有層
103 剥離層
104 絶縁層
105 イオンビーム
106 イオンビーム
107 高濃度領域
109 支持基板
110 ベース基板
112 絶縁層
114 絶縁層
115 窒素含有層
121 単結晶半導体層
141 酸化膜
1000 ベース基板
1002 窒素含有層
1004 絶縁層
1006 単結晶半導体層
1008 ゲート絶縁層
1010 単結晶半導体層
1012 単結晶半導体層
1014 単結晶半導体層
1038 チャネル形成領域
1052 チャネル形成領域
1054 絶縁膜
1056 絶縁膜
1064 pチャネル型薄膜トランジスタ
1066 nチャネル型薄膜トランジスタ
1068 nチャネル型薄膜トランジスタ
1070 容量配線
1072 絶縁膜
1074 画素電極層
1076 外部端子接続領域
1078 封止領域
1080 周辺駆動回路領域
1082 画素領域
1300 対向基板
1302 絶縁層
1304 液晶層
1306 絶縁層
1308 導電層
1310 着色層
1312 偏光子
1314 シール材
1316 スペーサ
1318 偏光子
1320 端子電極層
1322 異方性導電体層
1324 FPC
1701 筺体
1702 支持台
1703 表示部
1704 スピーカー部
1705 ビデオ入力端子
1711 本体
1712 表示部
1713 受像部
1714 操作キー
1715 外部接続ポート
1716 シャッターボタン
1721 本体
1722 筐体
1723 表示部
1724 キーボード
1725 外部接続ポート
1726 ポインティングデバイス
1731 本体
1732 表示部
1733 スイッチ
1734 操作キー
1735 赤外線ポート
1741 本体
1742 筐体
1743 表示部A
1744 表示部B
1745 記録媒体読み込み部
1746 操作キー
1747 スピーカー部
1751 本体
1752 表示部
1753 操作キー
1761 本体
1762 表示部
1763 筐体
1764 外部接続ポート
1765 リモコン受信部
1766 受像部
1767 バッテリー
1768 音声入力部
1769 操作キー
1771 本体
1772 筐体
1773 表示部
1774 音声入力部
1775 音声出力部
1776 操作キー
1777 外部接続ポート
1778 アンテナ
1016a マスク
1016b マスク
1016c マスク
1016d マスク
1016e マスク
1018a ゲート電極層
1018b ゲート電極層
1018c ゲート電極層
1018d ゲート電極層
1018e 導電層
1020a 導電層
1020b 導電層
1020c 導電層
1020d 導電層
1020e 導電層
1022a ゲート電極層
1022b ゲート電極層
1022c ゲート電極層
1022d ゲート電極層
1022e 導電層
1024a ゲート電極層
1024b ゲート電極層
1024c ゲート電極層
1024d ゲート電極層
1024e 導電層
1026a n型不純物領域
1026b n型不純物領域
1028a n型不純物領域
1028b n型不純物領域
1030a n型不純物領域
1030b n型不純物領域
1030c n型不純物領域
1032a マスク
1032b マスク
1032c マスク
1034a n型不純物領域
1034b n型不純物領域
1036a n型不純物領域
1036b n型不純物領域
1040a n型不純物領域
1040b n型不純物領域
1040c n型不純物領域
1042a n型不純物領域
1042b n型不純物領域
1042c n型不純物領域
1042d n型不純物領域
1044a チャネル形成領域
1044b チャネル形成領域
1046a マスク
1046b マスク
1048a p型不純物領域
1048b p型不純物領域
1050a p型不純物領域
1050b p型不純物領域
1058a ドレイン電極層
1058b ドレイン電極層
1060a ドレイン電極層
1060b ドレイン電極層
1062a ドレイン電極層
1062b ドレイン電極層

Claims (11)

  1. 面状、線状又は矩形状のイオンビームを単結晶半導体基板に照射して、前記単結晶半導体基板の表面から所定の深さに第1のイオンを添加することにより剥離層を形成し、
    前記単結晶半導体基板に形成された剥離層の一部に第2のイオンを添加し、
    前記単結晶半導体基板の表面とベース基板の表面とを対向させ、前記単結晶半導体基板上に形成された絶縁層の表面と前記ベース基板の表面とを接合させ、
    前記単結晶半導体基板を、前記剥離層を劈開面として劈開させることにより、前記ベース基板上に単結晶半導体層を形成する工程を含み、
    前記第2のイオンの質量数を前記第1のイオンの質量数と同一又は前記第1のイオンの質量数より大きくすることを特徴とするSOI基板の作製方法。
  2. 単結晶半導体基板の表面に窒素含有層を形成し、
    前記窒素含有層を介して面状、線状又は矩形状のイオンビームを単結晶半導体基板に照射して、前記単結晶半導体基板の表面から所定の深さに第1のイオンを添加することにより剥離層を形成し、
    前記単結晶半導体基板に形成された剥離層の一部に第2のイオンを添加し、
    前記窒素含有層上に絶縁層を形成し、
    前記単結晶半導体基板の表面とベース基板の表面とを対向させ、前記絶縁層の表面と前記ベース基板の表面とを接合させ、
    前記単結晶半導体基板を、前記剥離層を劈開面として劈開させることにより、前記ベース基板上に単結晶半導体層を形成する工程を含み、
    前記第2のイオンの質量数を前記第1のイオンの質量数と同一又は前記第1のイオンの質量数より大きくすることを特徴とするSOI基板の作製方法。
  3. ハロゲンを含む酸化雰囲気中で熱処理を行い単結晶半導体基板の表面に酸化膜を形成し、
    前記酸化膜を介して面状、線状又は矩形状のイオンビームを前記単結晶半導体基板に照射して、前記単結晶半導体基板の表面から所定の深さに第1のイオンを添加することにより剥離層を形成し、
    前記単結晶半導体基板に形成された剥離層の一部に第2のイオンを添加し、
    前記酸化膜の表面に絶縁層を形成し、
    前記単結晶半導体基板の表面とベース基板の表面とを対向させ、前記絶縁層の表面と前記ベース基板の表面とを接合させ、
    前記単結晶半導体基板を、前記剥離層を劈開面として劈開させることにより、前記ベース基板上に単結晶半導体層を形成する工程を含み、
    前記第2のイオンの質量数を前記第1のイオンの質量数と同一又は前記第1のイオンの質量数より大きくすることを特徴とするSOI基板の作製方法。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項において、
    前記第1のイオンの添加はイオンドーピング法を用い、前記第2のイオンの添加はイオン注入法を用いることを特徴とするSOI基板の作製方法。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項において、
    前記第2のイオンは、前記単結晶半導体基板の周縁又は前記半導体基板の周縁付近に選択的に添加することを特徴とするSOI基板の作製方法。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項において、
    前記第1のイオンとして、H、H 、H を用いることを特徴とするSOI基板の作製方法。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか一項において、
    前記第2のイオンとして、質量分離して得られたH 又はHeを用いることを特徴とするSOI基板の作製方法。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか一項において、
    前記ベース基板上に前記単結晶半導体層を形成した後に、前記単結晶半導体層の表面に不活性雰囲気下でレーザー光を照射することを特徴とするSOI基板の作製方法。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれか一項において、
    前記単結晶半導体基板の表面を{110}面とすることを特徴とするSOI基板の作製方法。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれか一項において、
    前記ベース基板として、ガラス基板を用いることを特徴とするSOI基板の作製方法。
  11. 請求項1乃至請求項10のいずれか一項において、
    前記絶縁層は、有機シランガスを用いて化学気相成長法により形成される酸化シリコン膜を用いることを特徴とするSOI基板の作製方法。
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