JP2009091816A - 橋梁の架設工法および架設装置 - Google Patents

橋梁の架設工法および架設装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009091816A
JP2009091816A JP2007263652A JP2007263652A JP2009091816A JP 2009091816 A JP2009091816 A JP 2009091816A JP 2007263652 A JP2007263652 A JP 2007263652A JP 2007263652 A JP2007263652 A JP 2007263652A JP 2009091816 A JP2009091816 A JP 2009091816A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bridge girder
suspension frame
existing
bridge
block
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007263652A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4962252B2 (ja
Inventor
Yasuhiro Inomura
康弘 猪村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
JFE Engineering Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Engineering Corp filed Critical JFE Engineering Corp
Priority to JP2007263652A priority Critical patent/JP4962252B2/ja
Publication of JP2009091816A publication Critical patent/JP2009091816A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4962252B2 publication Critical patent/JP4962252B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Bridges Or Land Bridges (AREA)

Abstract

【課題】大型架設装置を用いることなく、比較的軽量な架設装置を用いて、施工性よく、安全に橋梁の架設を行なうことができ、かつ、経済性も良好であり、さらに、架橋地点の地形や交通の制約を受けにくい、橋梁の架設工法および架設装置を提供する。
【解決手段】既設橋桁2の長手方向に回動可能な吊りフレーム12内で、橋桁ブロック1を吊り上げる第1の工程と、吊りフレーム12を、ヒンジ16の回動軸を中心として回動させることによって、橋桁ブロック1全体を既設橋桁2の張り出し先端を越えて既設橋桁2の張り出し方向に移動させる第2の工程と、橋桁ブロック1を下降させて、該橋桁ブロック1を既設橋桁2の張り出し先端と連結させる位置に配置させる第3の工程と、橋桁ブロック1の既設橋桁2の張り出し方向後端を、既設橋桁2の張り出し先端と連結させることによって橋桁を延長構築する第4の工程と、を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、橋梁の架設工法および架設装置に関し、特に橋上に架設装置を設置する張り出し架設工法および架設装置に関する。
張り出し架設工法は支保工が不要であり、架橋地点の地形や交通の制約を受けずに大中規模径間の橋梁を架設することができる工法であり、急峻な地形が多い我が国において数多く採用されている工法である。
鋼橋の建設に用いられている従来の張り出し架設工法としては、以下のようなものがある。
一般的に行なわれている従来の張り出し架設工法としては、橋上にトラベラークレーンを設置し、該トラベラークレーンにより、部材を既設橋桁の張り出し先端部に移動させ、張り出し架設を行うトラベラークレーン工法がある。この工法は、部材の供給を橋上の後方から行う場合でも、張り出し先端部の直下から行う場合でも対応可能であり、汎用性が高い。しかし、トラベラークレーンにより部材を吊り上げると、既設橋桁には、トラベラークレーン自体の重量に加えて、吊り上げた部材の重量も加わる。さらに、トラベラークレーンにより部材を吊り上げると、クレーン作業半径に部材重量を乗じたモーメントが生じるので、既設の橋梁にはねじれ力が作用したり、負反力が生じたりすることがある。このため、既設の橋梁を補強する必要が生じる場合もあった。また、部材を橋上の後方から前方にトラベラークレーンにより移動させる際には、部材が橋上の作業領域から外側に大きく外れることに加え、高所での作業であるため、部材の姿勢安定のための作業には難しさがあった。
特許文献1に記載の張り出し架設工法は、トラベラークレーンをコの字型フレームに代替した装置を用いる方法であり、ブロック長が短く重量のあるPC桁の架設では有効である。しかし、鋼桁の架設に適用すると、むやみに継手を多くすることになり不経済となる。
特許文献2には、橋桁部材を既設橋桁上で既設橋桁の先端まで移送し、既設橋桁の先端からリフタ部材上に移載した後、リフタ部材を縦梁部材に沿って既設橋桁レベルまで下降させ、橋桁部材を既設橋桁に連結するようにした工法が記載されている。しかし、長い橋梁部材を既設橋桁に連結する場合、リフト装置全体を長くする必要があり、既設橋桁へのリフト装置の固定が難しくなることがある。
特許文献3に記載の張り出し架設工法は、すでに張り出し架設している橋桁上を移動可能なトラベリングガーダーを備えた架設装置を用いる工法である。トラベリングガーダーに備えられた架設作業装置により橋桁部材を橋梁下から吊り上げた後、橋桁部材を橋桁の下方に吊り上げたまま、トラベリングガーダーが橋桁上を移動する。そして、トラベリングガーダーに備えられたエレクションガーダーを前方に伸ばした後、架設作業装置をエレクションガーダー先端部に移動させ、架設作業装置の吊り上げ機で橋桁部材を吊り上げて、すでに張り出し架設されている橋桁の先端に連結する。この工法では、移動させる橋桁部材の重心位置は、すでに張り出し架設されている橋桁の中心線の真下に位置するため、吊り上げた橋桁部材の移動時にも既設の橋梁にねじれ力は作用しない。しかし、用いる装置本体がガーダー形式であり、比較的重量が大きいという欠点を有する。既設橋桁の先端に位置する架設装置の重量が大きいと、既設橋梁の断面を補強する必要が生じることがあり、経済性を損なうことがある。また、橋桁部材を吊ったまま装置本体を移動させるため安全性に劣る。さらに、部材は橋梁下からの供給に限られるため、架橋地点の地形や交通の制約によっては適用が難しい場合がある。
特許文献4及び5には、複数のワイヤで橋桁部材を吊り上げつつ、橋桁部材をすでに張り出し架設されている橋桁の先端に移動させて、橋桁の先端に連結する工法が記載されている。しかし、特許文献4及び5に記載されたどちらの工法においても、橋桁部材は橋梁下からの供給に限られるため、架橋地点の地形や交通の制約によっては適用が難しい場合がある。
特許文献6には、架設機構の台車に設けた揚重設備で橋桁部材を吊り上げ、架設機構が既設の橋桁端部まで移動し、さらに前記台車が走行レールに沿って架設機構本体の張出部端部まで移動した後、台車に設けた揚重設備で橋桁部材を降下させ、既設橋桁の端部に対して位置決めをして継ぎ足す工法が記載されている。この工法における架設機構は、左右に長い張出部を有する梁構造が対向して2つ配置されてなり、2つの梁構造の上を、橋桁部材を吊り上げた台車が移動する。このため、移動させる橋桁部材の重心位置は、既設橋桁の中心線の真上に位置するため、吊り上げた橋桁部材の移動時にも既設の橋梁にねじれ力は作用しない。しかし、架設機構の梁構造において大きな張り出しをとるには、装置の固定点間の距離が相対的に小さければ反力が大きくなり反力点の補強が必要となる可能性がある。一方、装置の固定点間の距離を大きくすれば架設機構全体を長くする必要があるため設備が大きくなり重くなるという欠点がある。また、橋桁部材を吊り下げたまま架設機構全体が移動するため安全性に劣る。
特許文献7には、橋桁部材を既設橋桁の後方から既設橋桁の先端まで移動させ、この橋桁部材の一端部上面側と既設橋桁の一端部上面側とをヒンジを介して連結し、橋桁部材自体を該ヒンジの水平軸まわりに回転させて、橋桁部材を前方に移動させて既設橋桁の先端と連結して架設する工法が記載されている。しかし、橋桁部材端部を中心に回転するので、橋桁部材の重心と支持点の関係が変化し、回転時に安定性を低下させる可能性があり、特にブロック長が大きい場合、橋桁部材本体に補強が必要となる可能性がある。また、橋桁部材を回転させる回転装置の精度や強度に課題がある。
特開2000−104222号公報 特公平6−78602号公報 特開平10−292317号公報 特許第2912222号公報 特開平11−158817号公報 特開2001−20225号公報 特開2007−77656号公報
本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、大型架設装置を用いることなく、比較的軽量な架設装置を用いて、施工性よく、安全に橋梁の架設を行なうことができ、かつ、経済性も良好であり、さらに、架橋地点の地形や交通の制約を受けにくい、橋梁の架設工法および架設装置を提供することを課題とする。
本発明に係る橋梁の架設方法は、橋台または橋脚等の支持部に支持された既設橋桁の張り出し先端部に橋桁ブロックを連設して橋桁を延長構築する橋梁の架設方法であって、2つの柱部材および該2つの柱部材の上端部に連結された1つ以上の梁部材からなり、該2つの柱部材の間の間隔は前記橋桁ブロックの幅よりも広く、かつ、該2つの柱部材の下端部はそれぞれ、前記既設橋桁の長手方向と直交する1つの水平軸を回動軸として共通に有するヒンジに回動可能に連結されており、該回動軸を中心として、前記既設橋桁の長手方向に回動可能な吊りフレーム内で、橋桁ブロックを吊り上げる第1の工程と、前記第1の工程で前記橋桁ブロックが吊り上げられた後、前記吊りフレームを、前記ヒンジの前記回動軸を中心として回動させることによって、前記橋桁ブロック全体を前記既設橋桁の張り出し先端を越えて前記既設橋桁の張り出し方向に移動させる第2の工程と、前記第2の工程で前記既設橋桁の張り出し先端を越えて前記既設橋桁の張り出し方向に移動させられた前記橋桁ブロックを下降させて、該橋桁ブロックを前記既設橋桁の張り出し先端と連結させる位置に配置させる第3の工程と、前記第3の工程で前記既設橋桁の張り出し先端と連結する位置に配置させられた前記橋桁ブロックの前記既設橋桁の張り出し方向後端を、前記既設橋桁の張り出し先端と連結させることによって橋桁を延長構築する第4の工程と、を含むことを特徴とする。
前記第2の工程において、前記橋桁ブロック全体を前記既設橋桁の張り出し先端を越えて前記既設橋桁の張り出し方向に移動させる際、該橋桁ブロックの重心が該既設橋桁のせん断中心軸上を移動することが好ましい。ここで、既設橋桁のせん断中心軸とは、該既設橋桁に鉛直荷重を作用させても該既設橋桁にねじり変形を生じさせない作用点を結んだ線のことである。
前記第2の工程における前記橋桁ブロックの移動に支障が生じない範囲で、前記吊りフレームの柱部材の長さが短くされていることが好ましい。
前記第1の工程において、前記吊りフレームを前記既設橋桁の張り出し方向とは反対方向に傾けた状態で、前記橋桁ブロックを吊り上げることが好ましく、また、前記吊りフレームを鉛直に起こした状態で、前記橋桁ブロックを吊り上げてもよい。
前記第2の工程において、前記吊りフレームに対して、前記既設橋桁の張り出し方向の成分を有する圧縮力を作用させて、該吊りフレームを前記既設橋桁の張り出し方向に回動させ、該吊りフレームが鉛直よりも前記既設橋桁の張り出し方向に回動した後は、該吊りフレームに対して前記既設橋桁の張り出し方向とは反対方向に引張力を加えて該吊りフレームの回動速度を制御しつつ、該吊りフレームを前記既設橋桁の張り出し方向に回動させることができる。
前記吊りフレームは、前記ヒンジを前記既設橋桁の張り出し方向先端側に備えた、長方形の支持フレームに支持されており、前記第2の工程において、前記既設橋桁の張り出し方向とは反対方向の前記橋桁ブロックの下端部が、前記吊りフレームの回動に伴い、該支持フレームの前記既設橋桁の張り出し方向先端側の上端部をかすめて円弧状に移動することが好ましい。
前記吊りフレームの柱部材の構造はトラス構造としてもよい。
前記工程1の前に、前記既設橋桁上に配設された軌道上を移動する台車で、前記橋桁ブロックを、前記吊りフレームで吊り上げ可能な位置まで運搬する工程を設けてもよい。
前記台車は、前記既設橋桁の張り出し方向を前として、中央部よりも前寄りと後端部とに車輪が設置されており、該台車により前記橋桁ブロックを前記吊りフレームで吊り上げ可能な位置の手前まで運搬した後、該台車の先頭部に新たに車輪を設置するとともに、中央部よりも前寄りに設置されていた車輪を外して、新たに台車を構成できるようになっていることが好ましく、この新たに構成された台車で、前記吊りフレームで吊り上げ可能な位置の手前まで運搬された前記橋桁ブロックを前記吊りフレームで吊り上げ可能な位置まで運搬することができる。
前記既設橋桁が前記支持部の両側に張り出している場合、該既設橋桁の両方の張り出し先端部において、同時期に、前記橋梁の架設方法の実施を行うことが好ましい。
本発明に係る橋梁の架設装置は、橋台または橋脚等の支持部に支持された既設橋桁の張り出し先端に橋桁ブロックを連設して橋桁を延長構築する橋梁の架設装置であって、前記既設橋桁の長手方向と直交する1つの水平軸を回動軸として共通に有する2つのヒンジと、2つの柱部材および該2つの柱部材の上端部に連結された1つ以上の梁部材からなり、該2つの柱部材の間の間隔は前記橋桁ブロックの幅よりも広く、かつ、該2つの柱部材の下端部はそれぞれ前記ヒンジに回動可能に連結されており、該ヒンジの有する前記回動軸を中心として、前記既設橋桁の長手方向に回動可能な吊りフレームと、前記2つのヒンジが、前記既設橋桁の張り出し方向側の端部に設けられており、該2つのヒンジを介して前記吊りフレームと回動可能に連結されて、前記吊りフレームを回動可能に支持する支持フレームと、前記支持フレームを前記既設橋桁に固定し、前記支持フレームに加わる力を前記既設橋桁に伝達する固定装置と、前記吊りフレームに対して、前記既設橋桁の長手方向の成分を有する力を作用させて、前記回動軸を中心として、前記吊りフレームを前記既設橋桁の長手方向に回動速度を制御しつつ回動させる駆動装置と、前記橋桁ブロックを上昇または下降させる吊り上げ装置と、を有することを特徴とする。
前記支持フレームは、前記既設橋桁上を移動可能であることが好ましい。
前記橋梁の架設装置は、前記既設橋桁の張り出し先端と連結させるための位置に前記橋桁ブロックを配置する際に用いる装置であって、該橋桁ブロックの配置位置を微調整することができる装置をさらに備えていることが好ましい。
前記吊りフレームの柱部材の構造は、トラス構造としてもよい。前記駆動装置は油圧装置であることが好ましい。
本発明によれば、大型架設装置を用いることなく、比較的軽量な架設装置を用いて、施工性よく、安全に橋梁の架設を行なうことができ、かつ、経済性も良好であり、さらに、橋上のみの作業で橋梁の架設を行うこともできるので、架橋地点の地形や交通の制約を受けにくい。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態の架設装置10を示す斜視図である。
この架設装置10は、吊りフレーム12と、支持フレーム14と、ヒンジ16と、吊りフレーム駆動装置18と、吊り上げ装置20と、固定装置22とを有してなる。
吊りフレーム12は、吊り上げた橋桁ブロック1の荷重(吊り荷重)を直接支持する構造であり、図1に示すように、2つの柱部材12Aと、2つの柱部材12Aの上端部に連結された1つの梁部材12Bとからなる門型の構造である。柱部材12Aと梁部材12Bとの隅角部は、横荷重に対する安全性の点で剛とするのがよい。吊り上げられた橋桁ブロック1が2つの柱部材12Aの間を通過できるように、2つの柱部材12Aの間の間隔は、橋桁ブロック1の幅よりも広くなっている。
吊りフレーム12の2つの柱部材12Aの下端部は、それぞれ、既設橋桁2の長手方向と直交する1つの水平軸を回動軸として共通に有するヒンジ16に回動可能に連結されており、吊りフレーム12は2つのヒンジ16を介して橋軸方向(既設橋桁2の長手方向)に回動可能に支持フレーム14と連結されている。ヒンジ16は、支持フレーム14の2つの橋軸方向部材14Aの上面であって、既設橋桁2の張り出し方向側の端部にそれぞれ設けられ、合計で2つ設けられている。なお、ヒンジ16の位置は、既設橋桁2の張り出し方向側の端部であれば、橋軸方向部材14Aの上面には限定されず、例えば、橋軸方向部材14Aの軸線上であって、既設橋桁2の張り出し方向を前としたときの橋軸方向部材14Aの先端の端面にヒンジ16を設けてもよい。また、橋軸方向部材14Aを対向する2つのみぞ型鋼で構成するときは、橋軸方向部材14Aの軸線上、かつ、橋軸方向部材14Aの先端部であって、該2つのみぞ型鋼の間に、ヒンジ16を設けてもよい。また、既設橋桁2の張り出し方向を前としたときの橋軸方向部材14Aの先端部(例えば、図1においてヒンジ16が設けられている位置)に2本の短い柱部材を設け、その上にそれぞれヒンジ16を設けてもよい。
なお、梁部材12Bは、運搬性を向上させるとともに、規模の異なる橋梁へ適用できるようにするために、分割できるようにしておくことが好ましい。また、2つの柱部材12Aは、上部ほど間隔が狭くなるように傾斜させてもよく、この場合、吊りフレーム12の形状は鳥居型となる。ただし、橋桁ブロック1が通過する高さ位置において、2つの柱部材12Aの間の間隔が、橋桁ブロック1の幅よりも広くなっている必要がある。また、梁部材12Bを、上下に配置した2本の平行な部材と複数の斜材からなるトラス構造とし、該2本の平行な部材の両端をそれぞれ2本の柱部材12Aに剛結してもよい。
支持フレーム14は、2つの橋軸方向部材14Aと2つの橋軸直角方向部材14Bが剛結されてなり、長方形状に形成され、固定装置22により既設橋桁2に固定される。橋軸方向部材14Aおよび橋軸直角方向部材14Bには、例えばI型鋼等の形鋼を用いることができる。固定装置22による既設橋桁2との固定点は、既設橋桁2の両側部について、既設橋桁2の張り出し方向を前として少なくとも前方の橋軸直角方向部材14Bと後方の橋軸直角方向部材14Bに設け、合計で少なくとも4点である。既設橋桁2の長手方向についての固定点間の距離を大きくすれば、橋桁ブロック1を吊った状態で、吊りフレーム14を既設橋桁2の張り出し方向(以下、「既設橋桁2の張り出し方向」を、「張り出し方向」と略して記すことがある)に傾けても、固定点に加わる反力は小さくなる。
なお、支持フレーム14は、吊りフレーム12からの作用力を固定装置22を介して既設橋桁2に伝達できる構造であれば、形状は特に限定されず、長方形状でなくてもよい。
ヒンジ16は、前述のように、支持フレーム14の2つの橋軸方向部材14Aの上面であって、既設橋桁2の張り出し方向側の端部にそれぞれ設けられ、合計で2つ設けられている。2つのヒンジ16は、既設橋桁2の長手方向と直交する1つの水平軸を回動軸として共通に有しており、吊りフレーム12を支持フレーム14に橋軸方向(既設橋桁2の長手方向)に回動可能に連結する。
吊りフレーム駆動装置18は、シリンダ18Aとロッド18Bとからなる油圧シリンダであり、ロッド18Bが伸縮することにより、吊りフレーム12に対して、既設橋桁2の長手方向の成分を有する圧縮力または引張力を加え、吊りフレーム12をヒンジ16を中心として橋軸方向(既設橋桁2の長手方向)に、回動速度を制御しつつ回動させる役割を有する。吊りフレーム駆動装置18は、支持フレーム14の2つの橋軸方向部材14Aの上方にそれぞれ設けられており、2基設けられている。
吊りフレーム駆動装置18のシリンダ18A側の一端は、支持フレーム14の橋軸方向部材14Aの上面であって、既設橋桁2が張り出している方向とは反対側の端部に設けられたヒンジ18Cに回動可能に連結されており、ロッド18B側の一端は、吊りフレーム12の柱部材12Aの上端部に設けられたヒンジ18Dに回動可能に連結されている。吊りフレーム駆動装置18のロッド18Bが伸びることによって、吊りフレーム12は、ヒンジ16を中心として張り出し方向に回動し、吊りフレーム駆動装置18のロッド18Bが縮むことによって、吊りフレーム12は、ヒンジ16を中心として張り出し方向とは反対方向に回動する。なお、シリンダ18Aの後端のヒンジ18Cを設ける位置は、既設橋桁2が張り出している方向とは反対側の、橋軸方向部材14Aの端部上面には限定されず、図1におけるヒンジ18Cの位置よりも張り出し方向に移動した位置に取り付けてもよい。このような位置に取り付けることにより、シリンダ18Aの長さを短くすることができる。また、ヒンジ18Cを設ける位置は、ヒンジ16と同様に、橋軸方向部材14Aの上面に限定されない。
なお、以上の説明では、吊りフレーム駆動装置18をシリンダ18Aとロッド18Bとからなる油圧シリンダとしたが、伸縮を行うことができるのであれば、吊りフレーム駆動装置18は油圧シリンダでなくてもよく、駆動機構がギア方式やねじ方式等のものでもよい。
ただし、吊りフレーム駆動装置18が伸長して、吊りフレーム12を張り出し方向とは反対方向に傾いた状態から張り出し方向に傾いた状態に回動させる際、吊りフレーム駆動装置18から力を受ける作用点であるヒンジ18Dに作用する力が圧縮力から引張力に変化するので、吊りフレーム駆動装置18の駆動機構はこれに対応可能であることが必要であり、かつ、スムーズで速い伸縮が可能で、制御が容易な駆動機構とすることが好ましい。この点で、駆動機構には油圧シリンダが適している。
吊りフレーム12に対して、既設橋桁2の長手方向の成分を有する圧縮力の付与と、既設橋桁2の長手方向の成分を有する引張力の付与とを同一の吊りフレーム駆動装置18で行うことができれば、本発明の第1実施形態の架設装置10のように、吊りフレーム駆動装置18をヒンジ16に対して張り出し方向とは反対方向のみに配置した場合でも、吊りフレーム12を、張り出し方向とは反対方向に傾いた状態から張り出し方向に傾いた状態に回動させることができる。吊りフレーム駆動装置18をヒンジ16に対して張り出し方向とは反対方向のみに配置した場合、ヒンジ16の位置を既設橋桁2の張り出し先端3の位置の近傍まで近付けることができ、橋桁ブロック1を既設橋桁2の張り出し先端3の前方まで移動させる際も、吊りフレーム12の張り出し方向への倒し角度を大きくしないですむ。このため、吊りフレーム12から吊りフレーム駆動装置18に作用する引張力および吊りフレーム12の柱部材12Aに生じる圧縮力を小さくすることができ、吊りフレーム駆動装置18の最大出力を小さくできるとともに、吊りフレーム12の柱部材12Aの断面も小さくできるので、架設装置10全体の軽量化をすることができる。
なお、吊りフレーム駆動装置18が、吊りフレーム12に対して引張力の付与しかできない場合において、吊りフレーム12を、張り出し方向とは反対方向に傾いた状態から張り出し方向に傾いた状態に回動させるためには、吊りフレーム駆動装置18を吊りフレーム12に対して張り出し方向側に配置して、吊りフレーム12を張り出し方向側から引張る必要がある。この場合、ヒンジ16の位置を既設橋桁2の張り出し先端3の位置の近傍まで近付けることは困難であり、架設装置10全体の軽量化をすることは難しい。
吊りフレーム駆動装置18をヒンジ16に対して張り出し方向とは反対方向のみに配置した架設装置10において、吊りフレーム駆動装置18として、作用点に引張力しか作用させることができないウインチ方式やくさび形ジャッキ方式を用いるためには、吊りフレーム駆動装置18が、作用点であるヒンジ18Dから引張力のみを受けるように、張り出し方向に吊りフレーム12が若干倒れた状態で橋桁ブロック1を吊り上げ装置20により吊り上げる必要がある。そして、吊り上げ装置20により所定の高さまで橋桁ブロック1を吊り上げた後、吊りフレーム駆動装置18により、作用点であるヒンジ18Dに引張力のみを作用させて回動速度を制御しつつ、橋桁ブロック1および吊りフレーム12の自重により徐々に吊りフレーム12を張り出し方向に倒していき、橋桁ブロック1を張り出し先端3よりも前方に位置させるように動作させる必要がある。
吊り上げ装置20は、運搬装置(例えば、図9に示すクレーン84や台車86)によって支持フレーム14内に運搬された橋桁ブロック1を吊り上げるとともに、橋桁ブロック1が吊りフレーム12の回動により張り出し先端3の前方に移動した後は、既設橋桁2の張り出し先端3の断面に対応する位置まで橋桁ブロック1を下降させる役割を有する。吊り上げ装置20としては、具体的には、電動ホイスト装置、ワイヤクランプ形式のジャッキ、ウインチ等を用いることができる。
吊り上げ装置20は、吊りフレーム12の梁部材12Bの両端部付近に1つずつ設け、計2つ設ける。そして、橋桁ブロック1の上昇・下降の際には2つの装置を同調させて吊りワイヤ20Aの巻き上げ、巻き下げを行う。
2つの吊り上げ装置20の設置位置は、それぞれ近傍の柱部材12Aからの距離が等しくなるような位置とする。このような位置とすることにより、橋桁ブロック1全体を既設橋桁2の張り出し先端3を越えさせて、橋桁ブロック1を既設橋桁2の張り出し方向に移動させる際、橋桁ブロック1の重心が、既設橋桁2のせん断中心軸上を移動するようになる。ここで、既設橋桁2のせん断中心軸とは、既設橋桁2に鉛直荷重を作用させても既設橋桁2にねじり変形を生じさせない作用点を結んだ線のことである。橋桁ブロック1の重心が既設橋桁2のせん断中心軸上を移動するようにすることで、既設橋桁2にはねじり変形が生じなくなるので、橋桁ブロック1の架設の際にねじり変形に対する既設橋桁2の補強をする必要はなくなる。
また、2つの吊り上げ装置20の設置位置は、吊りフレーム12に生じる曲げモーメントが小さくなるように、できるだけ吊りフレーム12の柱部材12Aに近い位置において梁部材12Bの下面に設けるのがよい。これにより、吊りフレーム12の柱部材12Aおよび梁部材12Bの断面を小さくできることに加え、吊りワイヤ20Aの巻き取り作業や、ウインチ使用時のワイヤリングにも有利となる。
固定装置22は、支持フレーム14を既設橋桁2に固定して移動を止めるとともに、橋桁ブロック1の吊り上げによる反力を既設橋桁2に伝達する役割を有する。固定装置22は、図1に示すように、既設橋桁2の両側部について、既設橋桁2の張り出し方向を前として少なくとも橋軸方向部材14Aの前端部付近と後端部付近に設けられており、合計で少なくとも4つ設けられている。ただし、この4つの固定装置22の全てで支持フレーム14を固定する必要はなく、例えば、既設橋桁2の張り出し方向を前として、前の2つで支持フレーム14を既設橋桁2に固定し、後ろの固定装置22は負反力のみを既設橋桁2に伝達する機能を有していればよい。このようにした場合には、既設橋桁2には軸力は導入されず、支持フレーム14のみに軸力が導入される。4つの固定装置22の全てで支持フレーム14を固定すると、支持フレーム14に導入された軸力は既設橋桁2にも導入されることとなる。
支持フレーム14を固定する位置は、前述のように、橋桁ブロック1を既設橋桁2の張り出し先端3の前方まで移動させる際に、吊りフレーム12の張り出し方向への倒し角度を大きくしないですむ点で、ヒンジ16の位置が既設橋桁2の張り出し先端3の近傍に位置するようにするのがよい。
固定装置22の構成と固定装置22による具体的な固定方法は、支持フレーム14を移動させる走行装置により異なる。ここで、支持フレーム14を移動させる走行装置を備えさせることにより、1つの橋桁ブロック1を架けた後、次の橋桁ブロック1を架けるために、支持フレーム14を既設橋桁2の張り出し先端付近に移動させる際、スムーズに作業を行うことができる。
図1に示す第1実施形態では、既設橋桁2の上面に軌条設備としてレール24が設けられている。第1実施形態における走行装置26は、図2に示すようにレール24上を移動する車輪26Aと駆動モータ26Bとを有してなり、レール24上を走行する。この走行装置26を用いた場合、固定装置22はレールクランプ22Aとストッパ22Bとから構成されることとなり、固定装置22による固定方法は、レールクランプ22Aとストッパ22Bによって固定する固定方法となる。なお、この走行装置26は架設装置10に含まれるので、架設装置10は自走式となる。
なお、橋桁ブロック1を吊った状態で、吊りフレーム12を張り出し方向に傾けて、橋桁ブロック1を既設橋桁2の張り出し先端3の前方に配置する際、張り出し方向とは反対側に設けられた固定装置22には、固定方法によらず、負反力が発生する可能性があるので、これに対する配慮が必要である。
また、支持フレーム14を移動させる走行装置の移動機構は、スライド機構、車輪を用いた機構に限られず、ローラーやエアキャスター等を用いた機構でもよい。また、走行装置の駆動機構は、ジャッキを用いた機構、モータを用いた機構に限られず、エンジン、油圧シリンダ、ウィンチ等を用いた機構でもよい。また、固定装置に走行機能を持たせ、固定装置を走行装置と兼ねさせてもよいし、固定装置と走行装置を別々に設けてもよい。また、軌条設備はレールでなくてもよく、例えば形鋼でもよい。
また、支持フレーム14が橋軸直角方向に傾くと、張り出し方向を前として吊り上げた橋桁ブロック1を後方から前方に移動させる際に、吊り上げた橋桁ブロック1が吊りフレーム12に接触するおそれがあり、また、吊り上げた橋桁ブロック1に加わる重力によって吊りフレーム12に加わる力には梁部材12Bの長手方向の成分も生じることとなるので、支持フレーム14の橋軸直角方向の傾きを調整する機能を固定装置や走行装置に持たせておくことが好ましい。
また、橋桁ブロック1を、張り出し方向を前として既設橋桁2の後方から前方へ運搬する際、架設装置10とは別体の運搬装置を用いてもよいが、走行装置26を用いて架設装置10を走行させることにより、架設装置10自体を橋桁ブロック1の運搬装置として用いてもよい。架設装置10自体を橋桁ブロック1の運搬装置として用いる際には、橋桁ブロック1を吊り上げ装置20で吊ったまま移動するか、橋桁ブロック1を架設装置10内に仮置きして移動するか2つの方法があるが、安全性の点から後者の方が好ましい。
また、吊りフレーム12の回動および吊り上げ装置20による下降により、橋桁ブロック1が既設橋桁2の張り出し先端3の断面に対応する位置に配置された後、橋桁ブロック1が既設橋桁2の張り出し先端3と正確に接合されるように、図3に示すように、架設装置10に位置微調整装置28を備えさせることが好ましい。この位置微調整装置28としては、具体的にはチェーンブロックやレバーブロック等を用いることができる。図4に示すように、チェーンブロックやレバーブロック等の位置微調整装置28の一端をレール24の先端部に取り付け、他端を架設する橋桁ブロック1に取り付け、既設橋桁2の張り出し先端3の断面と橋桁ブロック1の断面とが適度な隙間となるように、人力でチェーンブロックやレバーブロック等の位置微調整装置28の操作を行う。チェーンブロックやレバーブロックを平面的にたすき掛けにすることにより、既設橋桁2の先端の断面と橋桁ブロック1の断面とが適度な隙間となるように調整できるだけでなく、橋軸直角方向の位置調整もすることができる。
次に、本発明の第2実施形態の架設装置50について説明する。第2実施形態の架設装置50は、吊りフレーム12が吊りフレーム駆動装置18から力を受ける作用点であるヒンジ18Eが、柱部材12Aの上端部ではなく、図5に示すように、柱部材12Aの中途にある点が第1実施形態と異なる。
このため、第2実施形態では、吊りフレーム駆動装置18のシリンダ18Aの長さおよびロッド18Bの伸縮ストロークを第1実施形態よりも小さくすることができる。
しかし、吊りフレーム駆動装置18から力を受ける作用点であるヒンジ18Eが柱部材12Aの中途あるため、柱部材12Aには曲げモーメントが生じる。このため、柱部材12Aの断面を大きくする必要がある。
次に、本発明の第3実施形態の架設装置60について説明する。第3実施形態の架設装置60は、吊りフレーム12が吊りフレーム駆動装置18から力を受ける作用点であるヒンジ18Eが、柱部材12Aの中途にある点は第2実施形態と同様であるが、図6に示すように、柱部材12Aの構造をトラス構造とした点が第2実施形態と異なる。
柱部材12Aの構造をトラス構造とすることにより、吊りフレーム12が吊りフレーム駆動装置18から力を受ける作用点であるヒンジ18Eが、柱部材12Aの中途にあっても、柱部材12Aをトラス構造として構成する各部材には軸力しか生じないので、この各部材の断面は第2実施形態の柱部材12Aの断面より大幅に小さくすることができる。このため、第3実施形態における柱部材12Aの重量は、第2実施形態における柱部材12Aの重量よりも軽くすることができる。
なお、図6の柱部材12Aは、トラス構造としての部材数を最小にしているが、図7に示す柱部材12Aのように部材数を増やして架設装置62としてもよく、この場合、柱部材12Aを構成する各部材の断面をさらに小さくすることができるので、柱部材12Aの重量をさらに軽くすることができる。
次に、本発明の第4実施形態の架設装置70について説明する。第4実施形態の架設装置70は、吊りフレーム12の柱部材12Aをトラス構造として構成せず、図8に示すように、側方から見て空隙のない面となる部材を柱部材12Aに用いた点が第3実施形態と異なる。具体的には、部材の長手方向と直交する断面が、縁部をフランジとしたI断面となるようにしてもよいし、また、内部が中空となる箱断面としてもよい。
以上説明した第2〜4実施形態では、吊りフレーム12が吊りフレーム駆動装置18から力を受ける作用点であるヒンジ18Eが、柱部材12Aの上端部ではなく、柱部材12Aの中途にあるので、前述のように、吊りフレーム12を回動させる際の、吊りフレーム駆動装置18のシリンダ18Aの長さおよびロッド18Bの伸縮ストロークを小さくすることができる。
一方、吊りフレーム12が吊りフレーム駆動装置18から力を受ける作用点であるヒンジ18Dが柱部材18Aの上端部にある第1実施形態では、吊りフレーム駆動装置18のシリンダ18Aの長さおよびロッド18Bの伸縮ストロークを大きくする必要があるが、部材に作用する軸力は小さくなる。
また、部材に作用する軸力を小さくするためには、できるだけ柱部材12Aの長さを長くするのがよい。しかし、柱部材12Aの長さが長くなりすぎると吊りフレーム12の搬送が困難となるので、柱部材12Aの長さは12m程度が最大である。
次に、本発明の実施形態に係る架設装置を用いての架設の際の動作について説明する。
図9は、本発明の第3実施形態に係る架設装置60を用いての架設の全体的な状況の概要を示す側面図である。図9の左側の橋脚80に係る橋梁では、橋脚80の下方から、クレーン84により橋桁ブロック1を橋上に運び上げ、該クレーン84により橋桁ブロック1を架設装置60内に載置して架設作業を行っており、図9の右側の橋脚82に係る橋梁では、台車86により、既設橋桁2の張り出し後方から、既設橋桁2の張り出し先端部に位置する架設装置60に橋桁ブロック1を運搬して架設作業を行っている。図9に示すように、クレーン84または台車86により、架設装置60内に橋桁ブロック1が運ばれる。ただし、クレーン84によって、架設装置60内に橋桁ブロック1を載置できる場合は限られており、架設が進み、張り出し先端3の位置がクレーン84の位置から一定以上遠くなると、台車86のような運搬設備が必要となる。これに対応するためには、例えば、既設橋桁2の張り出し両方向に台車86を用意しておけばよい。
なお、支持フレーム14を固定する固定装置22がレール24上に位置するため、台車86により架設装置60内に橋桁ブロック1を運搬する場合、台車86が通常の台車では、橋桁ブロック1を固定装置22を越えて既設橋桁2の張り出し方向に運搬することは困難である。
これに対しては、図10(A)〜(C)に示すような手順で作業を行うことにより、架設装置60内に橋桁ブロック1を運搬することができる。
台車86としては、前記既設橋桁の張り出し方向を前として、中央部よりも前寄りに車輪86Aが取り付けられ、後端部付近に車輪86Bが取り付けられた、図10(A)に示す台車86を用いる。そして、図10(A)に示すように、台車86により橋桁ブロック1を既設橋桁2の張り出し方向に運搬する。
図10(B)に示すように、吊りフレーム12で吊り上げ可能な位置の手前まで橋桁ブロック1を運搬したところで、台車86の先頭部に新たに車輪86Cを取り付けるとともに、中央部よりも前寄りに設置されていた車輪86Aを取り外して、新たに台車86を構成する。
この新たに構成された台車86で、図10(C)に示すように、橋桁ブロック1を吊りフレーム12で吊り上げ可能な位置まで運搬する。
クレーン84または台車86により、架設装置10内に橋桁ブロック1が運ばれた後の架設作業の手順について、図11(A)〜(E)を用いて説明する。図11(A)〜(E)は、クレーン84または台車86により本発明の第1実施形態に係る架設装置10内に橋桁ブロック1が運ばれた後の架設作業の手順を示す概要図である。
(A)図11(A)に示すように、橋桁ブロック1を吊り上げ装置20で吊り上げる。吊りフレーム12は、既設橋桁2の張り出し方向の反対側に傾いており、吊りフレーム12の回動により吊りフレーム12が鉛直位置に達するまでは吊り上げた橋桁ブロック1の位置は上方に移動するので、吊りフレーム12の回動前の吊り上げ量は、橋桁ブロック1を地切るのに必要な最小量でよい。橋桁ブロック1を吊り上げ装置20で吊り上げると、吊りフレーム12の重量に加えて、橋桁ブロック1の重量に起因した圧縮力が吊りフレーム駆動装置18に加わる。
(B)吊りフレーム駆動装置18のロッド18Bを伸ばし、吊りフレーム12をヒンジ16を中心として回動させ、図11(B)に示すように、吊りフレーム12を鉛直となるまで起こす。吊りフレーム12を鉛直となるまで回動させている間は、吊りフレーム駆動装置18には、吊りフレーム12の重量と吊り上げた橋桁ブロック1の重量による圧縮力が作用しており、吊りフレーム12が鉛直となった直立状態では、吊りフレーム駆動装置18に作用する圧縮力はゼロとなる。
(C)図11(C)に示すように、吊りフレーム駆動装置18のロッド18Bをさらに伸ばす。吊りフレーム12が、鉛直となった直立状態から既設橋桁2の張り出し方向にわずかに倒れれば、吊りフレーム12は、自重と吊り上げた橋桁ブロック1の重量によりさらに既設橋桁2の張り出し方向に倒れようとする。このため、図11(C)の状態では、吊りフレーム駆動装置18には引張力が作用する。
吊りフレーム駆動装置18のロッド18Bの伸ばし量を制御し、吊りフレーム12の回動速度を制御しつつ、橋桁ブロック1が既設橋桁2の張り出し先端3の前方の所定の位置に到達するまで吊りフレーム12を倒し、所定の位置に到達したところで、吊りフレーム駆動装置18のロッド18Bを伸ばすことを停止し、吊りフレーム12の倒し(回動)を停止する。その後、吊り上げ装置20の吊りワイヤ20Aを巻き下げ、橋桁ブロック1を既設橋桁2の張り出し先端3の断面と同じ高さとなるまで下降させた後、橋桁ブロック1を既設橋桁2の張り出し先端3に連結する。
(D)橋桁ブロック1を既設橋桁2の張り出し先端3に連結した後、吊りワイヤ20Aを橋桁ブロック1に設けられたフックから外す。その後、図11(D)に示すように、吊りフレーム駆動装置18のロッド18Bを縮め、吊りフレーム12をヒンジ16を中心として、既設橋桁2の張り出し方向と反対側に回動させて、吊りフレーム12が既設橋桁2の張り出し方向と反対側に傾いた状態にもどす。
(E)次の橋桁ブロック1の架設作業を行うために、図11(E)に示すように、架設装置10を、既設橋桁の張り出し先端3の手前(新たに連結した橋桁ブロック1の上)に移動させる。
図11(A)〜(C)に示すように、吊りフレーム12が鉛直よりも張り出し方向と反対側に傾いた状態で橋桁ブロック1を吊り上げて、吊りフレーム12をヒンジ16を中心として張り出し方向に回動させる場合、前述のように、吊りフレーム12が鉛直位置に達するまでは、吊りフレーム12の回動により吊り上げた橋桁ブロック1の位置は上方に移動するので、最初の吊り上げ位置における吊り上げ量は、橋桁ブロック1を地切るのに必要な最小量でよい。このため、吊り上げ装置20による吊り上げ時の橋桁ブロック1の重心の移動量が小さくなり、橋桁ブロック1の吊り上げ時の安全性が高まる。また、吊り上げ装置20による吊り上げ時の橋桁ブロック1の重心の位置は、既設橋桁2の張り出し方向を前として、ヒンジ16よりも後方に位置するので、吊り上げ位置まで橋桁ブロック1を運搬する作業は比較的容易となる。
なお、吊りフレーム12が鉛直に立った状態で橋桁ブロック1を吊り上げ装置20で吊り上げてもよい。この場合、吊り上げ装置20で橋桁ブロック1を吊り上げる際、吊りフレーム12はヒンジ16を中心とするモーメントを受けないため、安定した状態で橋桁ブロック1を吊り上げることができる。一方、吊りフレーム12は鉛直に立った状態で高さが最も高くなり、張り出し方向に回動するにつれて高さが低くなるので、吊りフレーム12が鉛直に立った状態で橋桁ブロック1を吊り上げ装置20で吊り上げる場合、吊り上げた位置が橋桁ブロック1の最高点となる。したがって、吊りフレーム12が鉛直に立った状態で橋桁ブロック1を吊り上げ装置20で吊り上げる場合、吊り上げ装置20による吊り上げ量が大きくなり、吊り上げ装置20による吊り上げ時の橋桁ブロック1の重心の移動量が大きくなるとともに、吊り上げ装置20による吊り上げ時の橋桁ブロック1の重心の位置が高くなる。この点は、安定性にマイナスである。
また、鉛直よりも既設橋桁2の張り出し方向に吊りフレーム12が若干傾いた状態で橋桁ブロック1を吊り上げ装置20により吊り上げてもよい。この場合、吊りフレーム駆動装置18は作用点であるヒンジ18Dから引張力を受ける。そして、吊り上げ装置20により所定の高さまで橋桁ブロック1を吊り上げた後、吊りフレーム駆動装置18により、作用点であるヒンジ18Dに引張力のみを作用させて吊りフレーム12の回動速度を制御しつつ、橋桁ブロック1および吊りフレーム12の自重により徐々に吊りフレーム12を張り出し方向に倒していき、橋桁ブロック1を既設橋桁2の張り出し先端3よりも前方に位置させることができる。
したがって、鉛直よりも既設橋桁2の張り出し方向に吊りフレーム12が若干傾いた状態で橋桁ブロック1を吊り上げ装置20により吊り上げた後に吊りフレーム12を張り出し方向に回動させる場合、吊りフレーム駆動装置18として、作用点に引張力しか作用させることができないウインチ方式やくさび形ジャッキ方式を用いることができる。
ただし、鉛直よりも既設橋桁2の張り出し方向に吊りフレーム12が若干傾いた状態で橋桁ブロック1を吊り上げるためには、吊り上げ前に、橋桁ブロック1の重心位置がヒンジ16よりも張り出し方向について前方に位置するように、橋桁ブロック1を運搬しておく必要があり、この運搬に手間がかかる。
なお、支持フレーム14を固定する位置は、前述のように、ヒンジ16が既設橋桁2の張り出し先端3の近傍になるような位置がよいが、吊りフレーム12の柱部材12Aの高さは、架設装置10、50、60、62の全体の大きさをコンパクトにして軽量化する点で、吊りフレーム12の回動による橋桁ブロック1の移動に支障が生じない範囲で、吊りフレーム12の柱部材12Aの長さを短くすることが好ましい。
また、図9の橋脚80における橋桁の架設のように、橋桁の架設が橋脚を中心として橋軸方向について両方向になされる場合、本発明の実施形態に係る架設装置を用いての橋桁ブロックの架設は、橋桁の橋脚からの張出長をバランスさせて橋脚に生じる曲げモーメントを小さくする点で、両方の張り出し端で同時期に行うことが好ましい。
以上、架設装置10上に橋桁ブロック1が運ばれた後の架設作業の手順等について説明したが、図11(C)に係る工程については、さらに工程を細分化した図12(A)〜(E)を用いてさらに説明する。
(a)図12(A)に示すように、吊りフレーム駆動装置18のロッド18Bの伸縮量を調整することにより、橋桁ブロック1を既設橋桁2の張り出し先端3の前方の所定の位置(既設橋桁2の張り出し先端3と橋桁ブロック1の後端との間の橋軸方向の隙間が適度な間隔となるような位置)に停止させる。
(b)図12(B)に示すように、吊り上げ装置20の吊りワイヤ20Aを巻き下げ、橋桁ブロック1を既設橋桁2の張り出し先端3の断面と同じ高さとなるまで下降させる。
(c)図12(C)に示すように、吊りフレーム駆動装置18のロッド18Bの伸縮量を微調整することにより、吊りフレーム12の傾きを微調整するとともに、吊り上げ装置20の吊りワイヤ20Aの巻き下げ量を微調整することにより、既設橋桁2の張り出し先端3の断面と橋桁ブロック1の後端の断面が対向するようにする。
(d)図12(D)に示すように、チェーンブロックやレバーブロック等の位置微調整装置28により、既設橋桁2の張り出し先端3に橋桁ブロック1を引き寄せつつ位置をさらに微調整して、既設橋桁2の張り出し先端3および橋桁ブロック1に設けられた連結のための図示せぬ穴および図示せぬ添接板孔にボルトあるいはピンを差込み、既設橋桁2の張り出し先端3と橋桁ブロック1との間を所定の取り合い状態にする。
このように、位置微調整装置28により既設橋桁2の張り出し先端3に橋桁ブロック1を引き寄せる際、位置の微調整が必要であるが、この微調整を不要とするための冶具を、既設橋桁2の張り出し先端3および橋桁ブロック1に設けておくことが好ましい。
(e)既設橋桁2の張り出し先端3と橋桁ブロック1との間を、図12(E)に示すように、高力ボルト継手や溶接継手等で連結する。
以上、架設装置10内に橋桁ブロック1が運ばれた後の架設作業の手順について詳細に説明したが、架設装置10の固定位置、吊りフレーム12の柱部材12Aの高さおよび吊りフレーム12の回動前の橋桁ブロック1の位置が及ぼす影響について補足する。
まず、架設装置10の固定位置についてであるが、架設装置10が、既設橋桁2の張り出し先端3から近い位置にない場合、図13に示すように、吊りフレーム12の倒し角度を大きくする必要がある。吊りフレーム12の倒し角度を大きくすると、吊りフレーム駆動装置18に加わる引張力および吊りフレーム12の柱部材12Aに加わる圧縮力が大きくなる。また、支持フレーム14を既設橋桁2に固定する固定点に生じる反力も大きくなる。なお、倒し角度を変えなくても、吊りフレーム12の高さを高くすることで対処できるが、この場合、架設装置10の重量が重くなるとともに、吊りフレーム12の運搬性が悪くなる。
また、吊りフレーム12が直立状態になった後、既設橋桁2の張り出し方向に吊りフレーム12を倒すと、橋桁ブロック1の位置は低くなる。したがって、既設橋桁2の張り出し方向に吊りフレーム12を倒した際に、橋桁ブロック1が既設橋桁2と接触しないように、架設装置10が既設橋桁2の張り出し先端3から近い位置にない場合には、吊りフレーム12を回動させる前に、橋桁ブロック1を十分高く吊り上げておく必要がある。このため、橋桁ブロック1の重心が高くなるとともに、吊りフレーム12を回動させた際に橋桁ブロック1の重心の上下方向の移動が大きくなり、架設の際の安定性が悪くなる。
したがって、架設装置10は、既設橋桁2の張り出し先端3から外にはみ出さない範囲で、なるべく既設橋桁2の張り出し先端3に近づけた方が安全性および経済性の点で有利である。
次に、吊りフレーム12の柱部材12Aの高さおよび吊りフレーム12の回動前の橋桁ブロック1の位置についてであるが、例えば図14に示すように、橋桁ブロック1の張り出し反対方向の下端部1Aが、支持フレーム14の張り出し方向の上端部14Cをかすめて通過するように柱部材12Aの高さおよび吊りフレーム12の回動前の橋桁ブロック1の位置を決めるのがよい。この場合、橋桁ブロック1の張り出し反対方向の下端部1Aが、支持フレーム14の張り出し方向の上端部14Cをかすめて通過した後は、吊りフレーム12の回動により、橋桁ブロック1全体が既設橋桁2の張り出し先端3を越えた時点で、吊りフレーム12の回動を停止し、吊りフレーム12の回動停止後、吊り上げ装置20によりワイヤ20Aを巻き下げ、橋桁ブロック1を既設橋桁2の張り出し先端3の断面と同じ高さとなるまで下降させる。図14において、橋桁ブロック1の張り出し反対方向の下端部1Aは、i→ii→iii→iv→vのように移動する。このような移動経路とすることで、橋桁ブロック1の重心の移動距離を短くすることができ、施工時間を短縮できるとともに、施工時の安全性を向上させることができる。
さらに、前述のように、吊りフレーム12の柱部材12Aの高さは、架設装置10、50、60、62の全体の大きさをコンパクトにして軽量化する点で、吊りフレーム12の回動による橋桁ブロック1の移動に支障が生じない範囲で、吊りフレーム12の柱部材12Aの長さを極力短くすることが好ましい。
本発明の第1実施形態の架設装置を示す斜視図 第1実施形態における走行装置を示す側面図 位置微調整装置が備えられた架設装置を示す側面図 位置微調整装置の取り付け状況を示す側面図 本発明の第2実施形態の架設装置を示す側面図 本発明の第3実施形態の架設装置を示す側面図 本発明の第3実施形態の架設装置の変形例を示す側面図 本発明の第4実施形態の架設装置を示す側面図 本発明の第3実施形態に係る架設装置を用いての架設の全体的な状況の概要を示す側面図 台車により架設装置上に橋桁ブロックを運搬している状況を示す側面図 架設装置上に橋桁ブロックが運ばれた後の架設作業の手順の概要を示す側面図 図11(C)に係る工程を細分化して示す側面図 架設装置が既設橋桁の張り出し先端から近い位置にない場合を示す側面図 橋桁ブロックの移動経路の一例を模式的に示す側面図
符号の説明
1…橋桁ブロック
1A…下端部
2…既設橋桁
3…張り出し先端
10、50、60、62…架設装置
12…吊りフレーム
12A…柱部材
12B…梁部材
14…支持フレーム
14A…橋軸方向部材
14B…橋軸直角方向部材
14C…上端部
16…ヒンジ
18…吊りフレーム駆動装置
18A…シリンダ
18B…ロッド
18C、18D、18E…ヒンジ
20…吊り上げ装置
20A…吊りワイヤ
22…固定装置
22A…レールクランプ
22B…ストッパ
24…レール
26…走行装置
26A…車輪
26B…駆動モータ
80、82…橋脚
84…クレーン
86…台車
86A、86B、86C…車輪

Claims (16)

  1. 橋台または橋脚等の支持部に支持された既設橋桁の張り出し先端部に橋桁ブロックを連設して橋桁を延長構築する橋梁の架設方法であって、
    2つの柱部材および該2つの柱部材の上端部に連結された1つ以上の梁部材からなり、該2つの柱部材の間の間隔は前記橋桁ブロックの幅よりも広く、かつ、該2つの柱部材の下端部はそれぞれ、前記既設橋桁の長手方向と直交する1つの水平軸を回動軸として共通に有するヒンジに回動可能に連結されており、該回動軸を中心として、前記既設橋桁の長手方向に回動可能な吊りフレーム内で、橋桁ブロックを吊り上げる第1の工程と、
    前記第1の工程で前記橋桁ブロックが吊り上げられた後、前記吊りフレームを、前記ヒンジの前記回動軸を中心として回動させることによって、前記橋桁ブロック全体を前記既設橋桁の張り出し先端を越えて前記既設橋桁の張り出し方向に移動させる第2の工程と、
    前記第2の工程で前記既設橋桁の張り出し先端を越えて前記既設橋桁の張り出し方向に移動させられた前記橋桁ブロックを下降させて、該橋桁ブロックを前記既設橋桁の張り出し先端と連結させる位置に配置させる第3の工程と、
    前記第3の工程で前記既設橋桁の張り出し先端と連結する位置に配置させられた前記橋桁ブロックの前記既設橋桁の張り出し方向後端を、前記既設橋桁の張り出し先端と連結させることによって橋桁を延長構築する第4の工程と、
    を含むことを特徴とする橋梁の架設方法。
  2. 前記第2の工程において、前記橋桁ブロック全体を前記既設橋桁の張り出し先端を越えて前記既設橋桁の張り出し方向に移動させる際、該橋桁ブロックの重心が該既設橋桁のせん断中心軸上を移動することを特徴とする請求項1に記載の橋梁の架設方法。
  3. 前記第2の工程における前記橋桁ブロックの移動に支障が生じない範囲で、前記吊りフレームの柱部材の長さが短くされていることを特徴とする請求項1または2に記載の橋桁ブロックの架設方法。
  4. 前記第1の工程において、前記吊りフレームを前記既設橋桁の張り出し方向とは反対方向に傾けた状態で、前記橋桁ブロックを吊り上げることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の橋梁の架設方法。
  5. 前記第1の工程において、前記吊りフレームを鉛直に起こした状態で、前記橋桁ブロックを吊り上げることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の橋梁の架設方法。
  6. 前記第2の工程において、前記吊りフレームに対して、前記既設橋桁の張り出し方向の成分を有する圧縮力を作用させて、該吊りフレームを前記既設橋桁の張り出し方向に回動させ、該吊りフレームが鉛直よりも前記既設橋桁の張り出し方向に回動した後は、該吊りフレームに対して前記既設橋桁の張り出し方向とは反対方向の成分を有する引張力を加えて該吊りフレームの回動速度を制御しつつ、該吊りフレームを前記既設橋桁の張り出し方向に回動させることを特徴とする請求項4または5に記載の橋梁の架設方法。
  7. 前記吊りフレームは、前記ヒンジを前記既設橋桁の張り出し方向先端側に備えた、長方形の支持フレームに支持されており、前記第2の工程において、前記既設橋桁の張り出し方向とは反対方向の前記橋桁ブロックの下端部が、前記吊りフレームの回動に伴い、該支持フレームの前記既設橋桁の張り出し方向先端側の上端部をかすめて円弧状に移動することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の橋梁の架設方法。
  8. 前記吊りフレームの柱部材の構造をトラス構造としたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の橋梁の架設方法。
  9. 前記第1の工程の前に、前記既設橋桁上に配設された軌道上を移動する台車で、前記橋桁ブロックを、前記吊りフレームで吊り上げ可能な位置まで運搬する工程を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の橋梁の架設方法。
  10. 前記台車は、前記既設橋桁の張り出し方向を前として、中央部よりも前寄りと後端部とに車輪が設置されており、該台車により前記橋桁ブロックを前記吊りフレームで吊り上げ可能な位置の手前まで運搬した後、該台車の先頭部に新たに車輪を設置するとともに、中央部よりも前寄りに設置されていた車輪を外して、新たに台車を構成できるようになっており、この新たに構成された台車で、前記吊りフレームで吊り上げ可能な位置の手前まで運搬された前記橋桁ブロックを前記吊りフレームで吊り上げ可能な位置まで運搬することを特徴とする請求項9に記載の橋梁の架設方法。
  11. 前記既設橋桁が前記支持部の両側に張り出しており、該既設橋桁の両方の張り出し先端部において、同時期に、前記請求項1〜10のいずれかに記載の橋梁の架設方法の実施を行うことを特徴とする橋梁の架設方法。
  12. 橋台または橋脚等の支持部に支持された既設橋桁の張り出し先端に橋桁ブロックを連設して橋桁を延長構築する橋梁の架設装置であって、
    前記既設橋桁の長手方向と直交する1つの水平軸を回動軸として共通に有する2つのヒンジと、
    2つの柱部材および該2つの柱部材の上端部に連結された1つ以上の梁部材からなり、該2つの柱部材の間の間隔は前記橋桁ブロックの幅よりも広く、かつ、該2つの柱部材の下端部はそれぞれ前記ヒンジに回動可能に連結されており、該ヒンジの有する前記回動軸を中心として、前記既設橋桁の長手方向に回動可能な吊りフレームと、
    前記2つのヒンジが、前記既設橋桁の張り出し方向側の端部に設けられており、該2つのヒンジを介して前記吊りフレームと回動可能に連結されて、前記吊りフレームを回動可能に支持する支持フレームと、
    前記支持フレームを前記既設橋桁に固定し、前記支持フレームに加わる力を前記既設橋桁に伝達する固定装置と、
    前記吊りフレームに対して、前記既設橋桁の長手方向の成分を有する力を作用させて、前記回動軸を中心として、前記吊りフレームを前記既設橋桁の長手方向に回動速度を制御しつつ回動させる駆動装置と、
    前記橋桁ブロックを上昇または下降させる吊り上げ装置と、
    を有することを特徴とする橋梁の架設装置。
  13. 前記支持フレームは、前記既設橋桁上を移動可能であることを特徴とする請求項12に記載の橋梁の架設装置。
  14. 前記既設橋桁の張り出し先端と連結させるための位置に前記橋桁ブロックを配置する際に用いる装置であって、該橋桁ブロックの配置位置を微調整することができる装置をさらに備えたことを特徴とする請求項12または13に記載の橋梁の架設装置。
  15. 前記吊りフレームの柱部材の構造が、トラス構造であることを特徴とする請求項12〜14のいずれかに記載の橋梁の架設装置。
  16. 前記駆動装置が油圧装置であることを特徴とする請求項12〜15のいずれかに記載の橋梁の架設装置。
JP2007263652A 2007-10-09 2007-10-09 橋梁の架設工法および架設装置 Active JP4962252B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007263652A JP4962252B2 (ja) 2007-10-09 2007-10-09 橋梁の架設工法および架設装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007263652A JP4962252B2 (ja) 2007-10-09 2007-10-09 橋梁の架設工法および架設装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009091816A true JP2009091816A (ja) 2009-04-30
JP4962252B2 JP4962252B2 (ja) 2012-06-27

Family

ID=40664067

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007263652A Active JP4962252B2 (ja) 2007-10-09 2007-10-09 橋梁の架設工法および架設装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4962252B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009191458A (ja) * 2008-02-12 2009-08-27 Jfe Engineering Corp 橋梁の架設装置ならびに床版の架設方法および橋梁の架設方法
JP2021011697A (ja) * 2019-07-04 2021-02-04 首都高速道路株式会社 吊り荷移動装置、既設橋梁の撤去方法、及び橋梁部材の設置方法
CN113417219A (zh) * 2021-05-31 2021-09-21 中铁十二局集团有限公司 一种桥梁悬浇挂篮箱室液压内模异步走行系统及走行方法
CN114182650A (zh) * 2021-12-23 2022-03-15 中铁十局集团青岛工程有限公司 一种用于桥梁施工的连续梁挂篮预压装置
WO2023226935A1 (zh) * 2022-05-23 2023-11-30 上海振华重工(集团)股份有限公司 一种桥吊施工平台

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106638331B (zh) * 2017-01-18 2019-03-22 中铁大桥局集团有限公司 一种吊索塔架的安装方法

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS53147018A (en) * 1977-05-26 1978-12-21 Nippon Oil & Fats Co Ltd Preparation of carboxylic acid glycidyl ester
JPS60175737A (ja) * 1984-02-21 1985-09-09 Kawasaki Heavy Ind Ltd 過給エンジン
JPS63210304A (ja) * 1987-02-25 1988-09-01 株式会社 宮地鐵工所 橋梁の架設工法およびその装置
JPH03136933A (ja) * 1989-10-23 1991-06-11 Hironobu Sato 貨物自動車用荷物積みおろし装置
JPH05339912A (ja) * 1992-06-11 1993-12-21 Kumagai Gumi Co Ltd 橋梁用プレキャストブロックの接合構造
JPH1088521A (ja) * 1996-09-10 1998-04-07 P S Co Ltd 張出架設作業装置
JP2000104222A (ja) * 1998-09-30 2000-04-11 Mitsui Miike Mach Co Ltd 橋梁の架設工法および架設装置
JP2002053290A (ja) * 2000-08-09 2002-02-19 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd ジブクレーン
JP2004218316A (ja) * 2003-01-16 2004-08-05 Ps Mitsubishi Construction Co Ltd 柱頭部の構築方法及び架設作業車

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS53147018A (en) * 1977-05-26 1978-12-21 Nippon Oil & Fats Co Ltd Preparation of carboxylic acid glycidyl ester
JPS60175737A (ja) * 1984-02-21 1985-09-09 Kawasaki Heavy Ind Ltd 過給エンジン
JPS63210304A (ja) * 1987-02-25 1988-09-01 株式会社 宮地鐵工所 橋梁の架設工法およびその装置
JPH03136933A (ja) * 1989-10-23 1991-06-11 Hironobu Sato 貨物自動車用荷物積みおろし装置
JPH05339912A (ja) * 1992-06-11 1993-12-21 Kumagai Gumi Co Ltd 橋梁用プレキャストブロックの接合構造
JPH1088521A (ja) * 1996-09-10 1998-04-07 P S Co Ltd 張出架設作業装置
JP2000104222A (ja) * 1998-09-30 2000-04-11 Mitsui Miike Mach Co Ltd 橋梁の架設工法および架設装置
JP2002053290A (ja) * 2000-08-09 2002-02-19 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd ジブクレーン
JP2004218316A (ja) * 2003-01-16 2004-08-05 Ps Mitsubishi Construction Co Ltd 柱頭部の構築方法及び架設作業車

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009191458A (ja) * 2008-02-12 2009-08-27 Jfe Engineering Corp 橋梁の架設装置ならびに床版の架設方法および橋梁の架設方法
JP2021011697A (ja) * 2019-07-04 2021-02-04 首都高速道路株式会社 吊り荷移動装置、既設橋梁の撤去方法、及び橋梁部材の設置方法
JP7324626B2 (ja) 2019-07-04 2023-08-10 首都高速道路株式会社 吊り荷移動装置、既設橋梁の撤去方法、及び橋梁部材の設置方法
CN113417219A (zh) * 2021-05-31 2021-09-21 中铁十二局集团有限公司 一种桥梁悬浇挂篮箱室液压内模异步走行系统及走行方法
CN114182650A (zh) * 2021-12-23 2022-03-15 中铁十局集团青岛工程有限公司 一种用于桥梁施工的连续梁挂篮预压装置
CN114182650B (zh) * 2021-12-23 2023-05-09 中铁十局集团青岛工程有限公司 一种用于桥梁施工的连续梁挂篮预压装置
WO2023226935A1 (zh) * 2022-05-23 2023-11-30 上海振华重工(集团)股份有限公司 一种桥吊施工平台

Also Published As

Publication number Publication date
JP4962252B2 (ja) 2012-06-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4872940B2 (ja) 橋梁の架設装置ならびに床版の架設方法および橋梁の架設方法
JP5198973B2 (ja) 橋梁張り出し架設装置と架設方法
WO2021078310A1 (zh) 路桥预制小箱梁式隐盖梁临时支承体系的拆除施工方法及其工装
US5511268A (en) Construction of large structures by robotic crane placement of modular bridge sections
CN104805773B (zh) 施工小曲线桥的节段拼装架桥机
JP4581131B2 (ja) 橋梁の架設方法及び装置
JP4962252B2 (ja) 橋梁の架設工法および架設装置
CN111139743A (zh) 提高公路梁架梁速度的方法及龙门吊的安装方法
JP4033870B2 (ja) 橋桁の構築方法
JP2021031884A (ja) 橋梁上部工撤去工法
JPH10292317A (ja) 橋桁部材の架設方法および架設装置
CN111335182A (zh) 轻便式独轨架桥机及架桥过程中钢柱、钢梁安装方法
JP4649562B2 (ja) 橋桁連結時の位置調整方法及び装置
WO2024087901A1 (zh) 悬臂浇筑走行一体机
CN108130864B (zh) 整体装配式桥梁整跨梁运输架设装备
JP6218316B2 (ja) 桁ブロック据付装置及び桁ブロックの据付方法
JP4489872B2 (ja) 橋梁の架設方法および装置
CN114481834A (zh) 一种桩梁架设一体机及架设方法
CN212925808U (zh) 一种架桥机用竖纵连接装置
WO2021035570A1 (zh) 岸边集装箱起重机大梁的加长装置及其加长方法
JP4414806B2 (ja) 橋梁部材の吊持治具、橋梁部材の運搬据付け装置及び橋梁部材の運搬据付け方法
CN217104777U (zh) 一种临时栈桥拆除装置
CN212247887U (zh) 轻便式独轨架桥机
CN218371324U (zh) 一种桥面系钢混施工辅助台车
CN217499962U (zh) 一种多功能架桥机

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100303

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110622

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120228

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120312

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4962252

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150406

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350