JP2009064635A - 端子及び端子の固定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】端子を配線導体にねじで接続する際、ねじ締結によって生じる応力が回路基板の配線パターンと端子とを電気的に接続している半田付け部へ伝達されるのを抑制しつつ、端子を簡便に回路基板へ固定すること。
【解決手段】回路基板CとブスバーBとを電気的に接続するために回路基板Cに固定される端子11において、端子11の一端には、回路基板Cの配線パターンに半田付けされて回路基板Cと電気的に接続される接続部14を備える。端子11は、接続部14と他端側に離間するとともに回路基板Cに半田付けによって固定される固定部16と、固定部16から延設され、ブスバーBと回路基板Cを電気的に接続するための接続ねじSが挿通されるねじ孔18が貫設された端子部17とを備える。接続部14と固定部16の間には、応力を緩和する可撓部15を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、回路基板と配線導体を電気的に接続するために前記回路基板に固定される端子及び、端子の固定方法に関する。
従来、大電流を流すような電気回路においては、電気部品が実装された回路基板と配線導体(ブスバー)とは端子を介在させて電気的に接続されている。このような端子として、回路基板と端子とを固定ねじによって固定した端子が提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1の端子は、該端子に設けられたリード部が回路基板上の配線パターンに半田付けされて電気的に接続されている。一方、端子には接続ねじを挿通するねじ孔が貫設されており、接続ねじを該ねじ孔に挿通させつつ、配線導体に設けられたねじ孔に螺入させることで、端子が配線導体に電気的に接続されている。そして、端子は固定ねじによって、前記接続部と前記ねじ孔との間で回路基板に固定されている。ところで、接続ねじを螺入して端子を配線導体に接続する際、接続ねじの螺入方向の応力が、接続ねじの座面と端子の間に発生する。特許文献1の端子では、この接続ねじの締結によって生じる応力は固定ねじによって支承されており、該応力が半田付け部分に伝達されて、半田にクラックが発生するのを防止している。
特開2000−285999号公報
ところが、特許文献1の端子構造では、端子を回路基板に固定するのに固定ねじを用いている。このため、回路基板上に端子を固定する部分として大きな面積が必要となる。また、回路基板に端子を固定するためにねじ締結する工程が必要となり、端子を回路基板に固定するのが煩雑となっていた。
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、端子を配線導体にねじで接続する際、ねじ締結によって生じる応力が回路基板の配線パターンと端子とを電気的に接続している半田付け部へ伝達されるのを抑制しつつ、簡便に回路基板へ固定できる端子及び端子の固定方法を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、回路基板と配線導体とを電気的に接続する端子において、前記端子の一端に配置され、前記回路基板の配線パターンに半田付けされる接続部と、前記接続部から離間して配置され、前記回路基板に半田付けされる固定部と、前記固定部から延設され、前記配線導体と前記回路基板を電気的に接続するためのねじが挿通されるねじ孔が形成された端子部と、前記接続部と前記固定部の間に配設され、前記ねじ孔に挿通した前記ねじによって前記配線導体と前記端子部とを接続固定する際に生じる応力を緩和する応力緩和部とを、備えていることを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、回路基板と配線導体を電気的に接続する端子の固定方法において、前記端子は、一端に配置され前記回路基板の配線パターンと電気的に接続される接続部と、前記接続部から離間して配置されるとともに前記回路基板に固定される固定部と、前記固定部から延設され前記配線導体と前記端子を電気的に接続するためのねじが挿通されるねじ孔が形成された端子部と、前記接続部と前記固定部の間に配設され前記ねじ孔に挿通した前記ねじによって前記配線導体と前記端子とを接続固定する際に生じる応力を緩和する応力緩和部とを、備え、前記接続部を前記配線パターンに半田付けするとともに、前記固定部を前記回路基板に半田付けして固定した後に、前記ねじで前記端子部を前記配線導体に電気的に接続固定することを要旨とする。
請求項1及び請求項5に記載の発明によれば、接続部を半田付けすると同時に固定部を半田付けすることで、端子は回路基板に固定される。このため、端子を回路基板に簡便に固定できる。また、接続部と端子部との間に固定部を配設するとともに、該固定部と接続部との間に応力緩和部を設けた。このため、端子を接続ねじで配線導体に接続固定する際に、接続ねじの座面と端子部との間に発生する応力が固定部で支承され、さらに固定部が応力を支承する際に生じる固定部の僅かな弾性変形(応力)が接続部に伝達されるのを応力緩和部が緩和する。したがって、接続ねじにより端子と配線導体とを接続固定する際に、接続ねじの座面と端子部との間で発生する応力が、接続部まで伝達されるのを抑制することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の端子において、前記応力緩和部は、前記端子を前記端子部及び前記固定部が半田付けされる前記回路基板から立設されるように折り曲げ形成したことを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の端子において、前記応力緩和部には、前記接続部及び前記固定部より細い部分が設けられていることを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3に記載の端子において、前記ねじ孔と前記固定部との間にさらに応力緩和部が形成されていることを要旨とする。これによれば、端子を接続ねじで配線導体に接続する際、固定部とねじ孔の間で応力を緩和して接続部へ応力が伝達するのを抑制できる。
本発明によれば、端子を配線導体にねじで接続する際、ねじ締結によって生じる応力が回路基板の配線パターンと端子とを電気的に接続している半田付け部へ伝達されるのを抑制しつつ、端子を簡便に回路基板へ固定できる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1、図2にしたがって説明する。
図1及び図2は、本実施形態における端子11を用いて、回路基板Cと、配線導体としてのブスバーB(例えば、銅ブスバー)を電気的に接続した状態を示した図である。
図1及び図2に示すように、各種の電子部品が表面実装された回路基板C及びブスバーBは図示しないケースに固定されて、略同一平面上に位置するように配置されている。そして、回路基板Cの配線パターン(図示しない)は端子11を介在させた状態でブスバーBに電気的に接続されている。
以下、端子11について詳細に説明する。端子11は、矩形板状の金属片を折り曲げて形成されるとともに、その一端側が回路基板Cに半田付けされている。
端子11の前記一端側には、方形の接続部14が設けられている。接続部14は回路基板C上に形成された図示しない配線パターン(例えば、銅パターン)に半田Hを介して電気的に接続されている。接続部14の一縁辺には、断面コの字状となるように折り曲げ形成した応力緩和部としての可撓部15が連設されている。すなわち、可撓部15は、接続部14に対して垂直に立設され、相互に平行な一対の側壁15aと、該一対の側壁15aの上端を連結する天板15bとから形成されている。可撓部15の接続部14が連設された縁辺と対向する縁辺には、接続部14と同一平面上に位置し、接続部14とは反対側に向けて固定部16が延設されるとともに、さらに連続して端子部17が該固定部16と一体となるように延設されている。端子11を構成する接続部14、可撓部15、固定部16及び端子部17の幅及び厚みはいずれも同一としてある。
固定部16は、回路基板C上に形成された前記配線パターンとは独立した図示しない銅パターン(以下、単に「ダミーパターン」という)に、半田Hを介して固定されている。また、端子部17の先端には、ねじとしての接続ねじSが挿通されるねじ孔18が貫設されている。ねじ孔18の直径は、接続ねじSの直径よりも僅かに大きく形成されている。なお、本実施形態においてねじ孔18には接続ねじSを螺入するための雌ねじは形成されていない。
ブスバーBには、接続ねじSが螺入される雌ねじ部19が螺刻されている。なお、雌ねじ部19の位置は、回路基板C及びブスバーBが図示しないケースに固定された状態で、回路基板Cに固定された端子11のねじ孔18と平面視で一致するように設定されている。
次に、前記のように構成された端子11の作用について説明する。
図1及び図2に示すように、回路基板C上に形成された図示しない配線パターンに、端子11の接続部14を半田付けして、端子11と回路基板Cの配線パターンとを電気的に接続する。また、端子11の固定部16を、回路基板C上の図示しないダミーパターンに半田付けして固定する。これにより、半田付けされた接続部14及び固定部16の間に、可撓部15が回路基板Cに固定されていない状態で配設されることになる。すなわち、可撓部15を構成する一対の側壁15a、天板15b及び回路基板Cによって囲まれた空間15cが形成されている。
次いで、回路基板C及びブスバーBを図示しないケースに固定した後、端子11をブスバーBに電気的に接続する。回路基板C及びブスバーBをケースに固定した状態では、端子11のねじ孔18とブスバーBの雌ねじ部19とは平面視で一致している。そして、接続ねじSをねじ孔18に挿通させつつ雌ねじ部19に螺入させる。接続ねじSの座面と端子部17とが当接した状態から接続ねじSをさらに螺入させて、接続ねじSが振動などにより容易に離脱して端子部17とブスバーBの電気的な接続が解除されないようにする。接続ねじSの座面と端子部17とが当接した状態で接続ねじSをさらに螺入させると、該座面と端子部17の間に接続ねじSの螺入方向の応力が発生する。すなわち、該応力によって端子11は接続ねじSを回転中心として、接続ねじSの螺入方向に回転しようとする。
このような応力は、まず回路基板Cに固定された固定部16によって支承される。さらに、固定部16が応力を支承する際に生じる固定部16の僅かな弾性変形を、折り曲げ形成された可撓部15が撓んで吸収する。可撓部15は、回路基板Cに半田付けされていないとともに、空間15cが形成されているため、回路基板Cと干渉することなく撓むことができる。
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、固定部16を半田付けして端子11を回路基板Cに固定した。このため、固定ねじで端子11を回路基板Cに固定する場合と比較して、端子11の固定に要する面積を小さくすることができる。また、端子11の回路基板Cへの固定は、半田付けによる固定のみである。このことから、接続部14と固定部16とを同時に固定でき、端子11と回路基板Cとをねじ締結する工程を削除することができる。したがって、端子11を回路基板Cへ簡便に固定できる。
(2)本実施形態では、接続部14と端子部17との間に固定部16を配設して、ブスバーBと端子部17とを接続ねじSで接続する際、接続ねじSの座面と端子部17との間に発生する接続ねじSの螺入方向の応力を固定部16で支承するようにした。また、固定部16と接続部14との間に可撓部15を設けて、固定部16が応力を支承する際に生じる固定部16の僅かな弾性変形を、可撓部15で吸収させるようにした。すなわち、固定部16が弾性変形することで生じる応力が接続部14に伝達されるのを、可撓部15が撓んで吸収することで緩和する。このため、接続ねじSの螺入時に発生する応力が接続部14へ伝達されるのが抑制される。したがって、該応力によって接続部14の半田Hにクラックが発生し、回路基板CとブスバーBの電気的な接続が解除されることを防止できる。
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 本実施形態において、図3に示すように、接続部14の可撓部15が延設された縁辺と対向する縁辺に、リード部21を設けてもよい。この場合、回路基板Cの対応する箇所に挿入孔22を貫設するとともに、挿入孔22にリード部21を挿入した状態で半田付けする。このように構成することで、端子11を図示しない配線パターンに確実に半田付けできる。
○ 本実施形態において、図4に示すように、端子11を矩形板状に形成するとともに、半田付けされる接続部14と固定部16の間において、端子11の延びる方向と直交する方向に沿って両端から切欠き部23を形成して可撓部24を設けてもよい。2つの切欠き部23の位置は、該切欠き部23が相互に対向しないように端子11の延びる方向にずれた位置に形成されている。このように構成しても、固定部16の僅かな弾性変形を、可撓部24が撓むことで吸収することができる。また、2つの切欠き部23は端子11の延びる方向と直交する方向にそった同一直線上に形成されていてもよい。なお、切欠き部23の形状は平面視半円状や、三角形であってもよい。すなわち、可撓部24は接続部14及び固定部16より細く形成された部分を備えていればよい。
○ 本実施形態において、可撓部15を断面コの字状の1つの折り曲構造から形成したが、図5に示すように、断面コの字状の折り曲げ構造を複数回(図5では2回)繰り返して可撓部26a,26bを設けてもよい。ここで可撓部26a,26bは、接続部14に対して垂直に立設され、相互に平行な一対の側壁と、該一対の側壁の上端を連結する天板とからそれぞれ形成されている。また、可撓部26a,26bにおいて、可撓部26a,26bを構成する一対の側壁、天板及び回路基板Cによって囲まれた空間がそれぞれ形成されている。このように構成しても、固定部16の僅かな弾性変形を、可撓部26a,26bが撓んで吸収することができる。また、可撓部26a,26bの間で回路基板Cに半田付けしてもよい。このように構成することで、固定部16を補強することができる。
○ 本実施形態において、可撓部15は接続部14と固定部16の間にのみ設けたが、図6に示すように、固定部16と端子部17のねじ孔18との間に、さらに応力緩和部としての可撓部27を断面コの字状となるように折り曲げ形成してもよい。これによれば、端子11をブスバーBに接続する際、固定部16とねじ孔18の間で応力を緩和して、接続部14へ応力が伝達するのをより抑制できる。
○ 本実施形態において、端子11を矩形板状に形成するとともに、接続部14と固定部16の間に孔を形成してもよい。すなわち、端子11の延びる方向と直交する方向における該孔の両側部分は、接続部14及び固定部16より細くなり、可撓性が与えられる。したがって、このように構成しても、固定部16の僅かな弾性変形を吸収することができる。なお、該孔は丸孔でも角孔であってもよい。
○ 本実施形態において、可撓部15に、端子11の延びる方向と直交する方向に沿って切欠き部を設けて、接続部14及び固定部16より細い部分を形成してもよい。
○ 本実施形態において、可撓部15に、孔を形成してもよい。
○ 本実施形態において、可撓部15の厚さは接続部14及び固定部16の厚さと同一としたが、可撓部15を接続部14及び固定部16より薄く形成してもよい。このように構成しても、可撓部15に可撓性を与えることができる。
○ 本実施形態において、可撓部15は断面コの字状となるように形成したが、角に丸みをもたせたり、アーチ状に形成したりしてもよい。
○ 本実施形態において、固定部16を回路基板C上に形成された図示しない配線パターンに半田付けして固定すると共に、電気的に接続してもよい。
○ 本実施形態において、ブスバーBに雌ねじ部19を形成したが、ブスバーBに接続ねじSが挿通される挿通孔を形成して、接続ねじSをねじ孔18と該挿通孔に挿通させつつナットに螺入させて、端子11とブスバーBを電気的に接続してもよい。
○ 本実施形態において、ブスバーBに接続ねじSが螺入される丸孔を形成し、接続ねじSをねじ孔18に挿通させつつ該丸孔に螺入させて、端子11とブスバーBを電気的に接続してもよい。
○ 本実施形態において、ねじ孔18に接続ねじSを螺入するための雌ねじを形成してもよい。
(a)は実施形態における端子の平面図、(b)は同じく正面図。 実施形態における端子の斜視図。 (a)は別例における端子の平面図、(b)は同じく正面図。 (a)は別例における端子の平面図、(b)は同じく正面図。 (a)は別例における端子の平面図、(b)は同じく正面図。 (a)は別例における端子の平面図、(b)は同じく正面図。
符号の説明
11…端子、14…接続部、15…応力緩和部としての可撓部、16…固定部、17…端子部、18…ねじ孔、B…配線導体としてのブスバー、C…回路基板、H…半田、S…ねじとしての接続ねじ。

Claims (5)

  1. 回路基板と配線導体とを電気的に接続する端子において、
    前記端子の一端に配置され、前記回路基板の配線パターンに半田付けされる接続部と、
    前記接続部から離間して配置され、前記回路基板に半田付けされる固定部と、
    前記固定部から延設され、前記配線導体と前記回路基板を電気的に接続するためのねじが挿通されるねじ孔が形成された端子部と、
    前記接続部と前記固定部の間に配設され、前記ねじによって前記配線導体と前記端子部とを接続固定する際に生じる応力を緩和する応力緩和部とを、備えていることを特徴とする端子。
  2. 前記応力緩和部は、前記端子を前記接続部及び前記固定部が半田付けされる前記回路基板から立設されるように折り曲げ形成したことを特徴とする請求項1に記載の端子。
  3. 前記応力緩和部には、前記接続部及び前記固定部より細い部分が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の端子。
  4. 前記ねじ孔と前記固定部との間にさらに応力緩和部が形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の端子。
  5. 回路基板と配線導体を電気的に接続する端子の固定方法において、
    前記端子は、一端に配置され前記回路基板の配線パターンと電気的に接続される接続部と、前記接続部から離間して配置されるとともに前記回路基板に固定される固定部と、前記固定部から延設され前記配線導体と前記端子を電気的に接続するためのねじが挿通されるねじ孔が形成された端子部と、前記接続部と前記固定部の間に配設され前記ねじ孔に挿通した前記ねじによって前記配線導体と前記端子部とを接続固定する際に生じる応力を緩和する応力緩和部とを、備え、
    前記接続部を前記配線パターンに半田付けするとともに、前記固定部を前記回路基板に半田付けして固定した後に、前記ねじで前記端子部を前記配線導体に電気的に接続固定することを特徴とする端子の固定方法。
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