JP4728776B2 - バスバー付き回路基板 - Google Patents

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この発明は、自動車の電気接続箱に利用され得るバスバー付き回路基板に関する。
近年、自動車には多数の電装品が搭載されており、これらの電装品に対して電力を供給するための給電線や信号を送信するための信号線が車体内に配索されている。また、このような給電線や信号線を各電装品に接続するために、車体内の主要箇所にジャンクションボックス(電気接続箱)が搭載されている。
ジャンクションボックスは、電源分配を行うための電源回路や制御信号を分配するための信号回路が形成された回路基板、制御信号の処理を行うリレー、電源保護を行うためのヒューズ、外部の電装品と接続するための基板コネクタ、およびECU等を内蔵している。
回路基板には、基板コネクタを始め複数の電源系部品や信号系部品が実装されている。自動車の高機能化に伴って、搭載される電装品の数がますます増加する傾向にあるが、それに伴って回路基板に実装される基板コネクタ等の数も増大する。
図3に従来の回路基板100を示す。図3に示す回路基板100には、複数のリレー102、接続端子103、および、ヒューズ接続用のヒューズ端子107等が搭載されている。このように端子等が搭載された回路基板への電気の供給は、ネジ104によりその一端が回路基板のバスバー接続端子105にネジ止めされているバスバー接続端子105の他端にバスバー本体をネジで接続し、バスバー本体から回路基板に電気を供給している。このようにバスバーによって回路基板に供給された電気は、図示しない回路基板上に設けられた電気回路により、各リレー、ヒューズ端子等へ配分されている。
特開2000−224736号公報
従来は、バスバーがねじ止めされていたため、その分製造に工数がかかり、バスバー付き回路基板のコストアップの要因となっていた。
またねじ止めは回路基板の両面側にスペースを必要とし、回路基板の両面上のスペースを有効に生かす上での阻害要因となっていた。
従って、この発明の目的は、ねじ止めの工数を削減し、回路基板上のスペースを有効に生かすことの出来るバスバー付き回路基板を提供することにある。
この発明のバスバー付き回路基板の第1の態様は、貫通穴を有する回路基板とバスバーとを有するバスバー付き回路基板であって、
前記バスバーは、電源電流入力部と、前記電源電流入力部からの電流を2方向に分離し、一方の側に延びてヒューズに接続される複数のヒューズ端子と、他方の側である回路基板側に延びて前記回路基板と接続される接続部とを有し、
前記電源電流入力部と前記接続部とが上下に平行に配置され、前記電源電流入力部と前記接続部とを連結する部分が階段状に屈折しており、
前記バスバーの接続部は、前記回路基板側に湾曲した凹部を備え、
かつ前記バスバーは、前記貫通穴の一面側に前記凹部が重ねあわされ、かつ該凹部が前記貫通穴の対向面側から半田付けで回路基板と固定されており、
前記回路基板は内部にメタルコアを有するメタルコア基板であり、
前記メタルコアは、前記貫通穴の内面にその表面が露出しており、前記バスバーと前記半田によって電気的に接続され、
前記接続部の前記凹部の周縁部にガス抜き用の小孔部が形成されており、前記小孔部に前記半田が充填され、
前記貫通穴の一面側に半田付けされる前記接続部は、少なくとも1つの脚部を備えており、前記回路基板の前記脚部に対応する位置に形成された孔部に挿通されている
ことを特徴とするバスバー付き回路基板である。
この発明のバスバー付き回路基板の第2の態様は、前記接続部の凹部は、前記接続部の中央部に略円形状で形成されており、前記接続部の複数の脚部が、前記接続部の端部に設けられていることを特徴とするバスバー付き回路基板である。
この発明のバスバー付き回路基板の第の態様は、前記回路基板の表面及び裏面の両方に回路パターンが形成されており、前記孔部に挿通された前記脚部の周りに半田が充填され、前記バスバーの接続部と前記回路基板の表面及び裏面に形成された回路とが電気的に接続されることを特徴とするバスバー付き回路基板である。
この発明のバスバー付き回路基板の第4の態様は、前記ガス抜き用の小孔部が、前記凹部の周縁部に複数形成されていることを特徴とするバスバー付き回路基板である。
この発明のバスバー付き回路基板の第の態様は、前記凹部がエンボス加工からなっていることを特徴とするバスバー付き回路基板である。
この発明によると、ねじ止めの工数を削減し、回路基板上のスペースを有効に生かすことの出来るバスバー付き回路基板を提供することができる。
この発明のバスバー付き回路基板を図面を参照しながら説明する。
図1は、この発明のバスバー付き回路基板の一実施形態を示す斜視図である。図2は、図1に示すバスバー付き回路基板1のA−A線に沿った部分断面図である。
図1に示すように、バスバー付き回路基板1は、孔部2aと貫通穴2bを有する回路基板2と、電源電流入力部3aと接続部3bとヒューズ端子3cと脚部3dを備えたバスバー3とを有する。バスバー3の接続部3bは、回路基板2側に湾曲した凹部3eを備えている。この凹部3eは、例えばエンボス加工によって実現される。
バスバー3bは、貫通穴2bの一面側(図1で見えている面側)に凹部3eが重ねあわされている。回路基板の貫通穴2bには銅箔部が形成されるなどして、凹部3eは貫通穴2bの対向面側(図1では見えていない面側)から、フロー半田処理による、半田付けで回路基板2と固定されている。
本実施形態のバスバー付き回路基板1では、回路基板2とバスバー3とが半田付けで固定されているため、時間がかかったり、人手が必要になるねじ止めでの固定を行う必要がない。
回路基板2には通常スルーホールが形成され、端子が挿入された上でフロー半田処理が施されるため、その際に一緒にバスバー3に対する半田付けを行ってしまうことでバスバー3の固定単独のための工数は全く必要がないことになり、好ましい。
なおフロー半田処理を他の部分に行わない場合や、行うと不都合がある場合にはバスバー3の固定のために貫通穴2bに対してスポットフロー処理を行うことでバスバー3の回路基板2への固定を行うことができる。
またこのようなバスバー3の固定構造によれば、ねじそのものを使用しないため、図2に示すように、回路基板2の両面側にねじ螺子の先端や頭が突出することがないので、その分回路基板2上にスペースが空く。例えばそこに回路パターンと接続されるコネクタのためのハウジングを設けるなどすれば、非常にスペース効率がよいので好ましい。
本実施形態のバスバー付き回路基板1についてより詳細に説明する。
回路基板2は、両面側に回路パターンを形成した、いわゆる両面板と呼ばれる回路基板であり、ここでは特に内部に銅などの金属製の板材であるメタルコア4を内部に有するものを用いている。回路基板2には図示しないスルーホールが多数形成され、端子とはんだ付けされている。また回路基板2には、貫通穴2bが形成され、その周囲に孔部2aが複数形成されている。貫通穴2bはメタルコア4を貫通する形で形成されているため、貫通穴2bの内面にはメタルコア4の表面が露出している。
バスバー3は、電源電流入力部3aと、電源電流入力部からの電流を2方向に分岐し、一方の側に延びてヒューズに接続される複数のヒューズ端子3cと、他方の側である回路基板2側に延びて回路基板2と接続される接続部3bとが一体的に形成されている。図1に示すバスバー3は、電源電流入力部3aと複数のヒューズ端子3cが同一平面に位置し、電源電流入力部3aと回路基板への接続部3bとが上下に平行に配置され、電源電流入力部3aと回路基板2への接続部3bとを連結する部分が概ね階段状に屈折しているが、ヒューズの位置、回路基板上に配置される電源用部品、信号用部品等の位置に従って適宜設定することができる。
例えば、図示しないが、面状の回路基板2への接続部の部分に対して直角に立ち上げられた部分と、このように直角に立ち上げられた部分に対して更に直角にヒューズ端子3c側に曲げられて、複数のヒューズ端子が設けられている部分を有し、回路基板2への接続部に対して直角に立ち上げられた部分の途中に、電源から伸びるバスバー本体の接続端子(即ち、電源電流入力部)が設けられていてもよい。
図2に示すように、バスバー3の回路基板への接続部3bは、その中央部に例えばエンボス加工を施された凹部3eを備えている。回路基板2の凹部3eに対応する部分には、貫通孔2bが形成されており、前記回路基板2の凹部3eが回路基板2側に湾曲するようにして重ねあわされている。貫通孔2bは回路基板2の内部にあるメタルコアをも貫通して形成されている。凹部3eの周縁部には、ガス抜き用の小孔部3fが形成されている。この小孔部3fは、半田を下方から貫通孔に充填する際に発生するガスを接続部の上側に導き、半田中に気泡が形成されるのを防止する。半田を下方から吹き付けると、最終的に小孔部3fにも半田が充填される。
更に、接続部3bの端部には、少なくとも1つ(図1に示す態様においては4本)の下方に突き出した脚部3dが形成されている。なお回路基板2の脚部に対応する位置には、孔部2aが形成されている。上述した脚部3dは孔部2aを貫通して回路基板2に配置される。脚部3dによれば、バスバー3の接続部3bの位置決めをすることができる。また孔部2a内に銅箔部を形成しておき、脚部3dと半田付けすることでバスバー3と回路基板2との固定も行うことが出来る。また回路基板の表面および裏面の脚部3dに対応した位置に回路パターンを形成しておくことにより、回路と導通させることも可能である。
このような回路基板2やバスバー3を用いて本実施形態のバスバー付き回路基板1を製造するには、まず図2に示すように、回路基板2の貫通孔2bの上部に、回路基板2への接続部3bの凹部3eがその底部が貫通孔2bの中に配置される。このとき接続部3bの端部に設けられた脚部3dが孔部2aに挿通される。この状態で、貫通穴2b下方から半田が噴射されて、上述したように、接続部3bの周縁部に設けられた小孔部3fからガスを上方に抜きながら貫通孔部の全体に半田が充填される。その結果、半田を介して、バスバー3の接続部と回路基板のメタルコアが電気的に接続されて回路が形成される。同様に、孔部2aに挿通された脚部3dの周りにも半田が充填され、バスバー3の接続部と回路基板2の表面および裏面に形成された回路と電気的に接続される。
なお、このように半田を介してバスバー3と接続される回路基板2のメタルコア4は、アース回路、電力用回路、または、信号用回路等として使用することができる。特に、電力用回路として使用する場合にはパターンを太く形成できる点で好ましい。
以上説明したように、この発明によると、ねじ止めの工数を削減し、回路基板上のスペースを有効に生かすことの出来るバスバー付き回路基板を提供することができる。
図1は、この発明の一実施形態となるバスバー付き回路基板を示す斜視図である。 図2は、図1に示すバスバー付き回路基板のA−A線に沿った断面図である。 図3は、従来のバスバー付き回路基板を示す斜視図である。
符号の説明
1 バスバー付き回路基板
2 回路基板
2a 孔部
2b 貫通孔
3 バスバー
3a 電源電流入力部
3b 回路基板への接続部
3c ヒューズ端子
3d 脚部
3e 凹部
3f 小孔部
4 メタルコア
100 従来のバスバー付き回路基板
102 リレー
103 接続端子
104 ネジ
105 バスバー接続端子
107 ヒューズ端子

Claims (5)

  1. 貫通穴を有する回路基板とバスバーとを有するバスバー付き回路基板であって、
    前記バスバーは、電源電流入力部と、前記電源電流入力部からの電流を2方向に分離し、一方の側に延びてヒューズに接続される複数のヒューズ端子と、他方の側である回路基板側に延びて前記回路基板と接続される接続部とを有し、
    前記電源電流入力部と前記接続部とが上下に平行に配置され、前記電源電流入力部と前記接続部とを連結する部分が階段状に屈折しており、
    前記バスバーの接続部は、前記回路基板側に湾曲した凹部を備え、
    かつ前記バスバーは、前記貫通穴の一面側に前記凹部が重ねあわされ、かつ該凹部が前記貫通穴の対向面側から半田付けで回路基板と固定されており、
    前記回路基板は内部にメタルコアを有するメタルコア基板であり、
    前記メタルコアは、前記貫通穴の内面にその表面が露出しており、前記半田によって前記バスバーと電気的に接続され、
    前記接続部の前記凹部の周縁部にガス抜き用の小孔部が形成されており、前記小孔部に前記半田が充填され
    前記貫通穴の一面側に半田付けされる前記接続部は、少なくとも1つの脚部を備えており、前記回路基板の前記脚部に対応する位置に形成された孔部に挿通されている
    ことを特徴とする電気接続箱に利用のバスバー付き回路基板。
  2. 前記接続部の凹部は、前記接続部の中央部に略円形状で形成されており、
    前記接続部の複数の脚部が、前記接続部の端部に設けられていることを特徴とする、請求項1記載のバスバー付き回路基板。
  3. 前記回路基板の表面及び裏面の両方に回路パターンが形成され、
    前記孔部に挿通された前記脚部の周りに半田が充填され、前記バスバーの接続部と前記回路基板の表面及び裏面に形成された回路パターンとが電気的に接続されることを特徴とする請求項1又は2記載のバスバー付き回路基板。
  4. 前記ガス抜き用の小孔部が、前記凹部の周縁部に複数形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のバスバー付き回路基板。
  5. 前記凹部がエンボス加工からなっていることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のバスバー付き回路基板。
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