JP2009062015A - 車両用トノカバー装置 - Google Patents

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Tomoatsu Tani
知篤 谷
Isao Hirayama
勲 平山
Kensho Haba
憲昭 羽場
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Mazda Motor Corp
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Abstract

【課題】 衝突音や異音の発生を有効に防止した車両用トノカバー装置を提供する。
【解決手段】 荷室12の両側壁部に、上向きに傾斜するレール部30と、レール部30に沿って摺動されるスライダ部60と、レール部30とスライダ部60との相互間に摩擦力を付与する板バネと、トノカバー部材70と、バックドア14の閉鎖状態でレール部30の下端部に位置されるスライダ部60を、開放操作により上方向に移動させるスライダ駆動機構部40とを備える。スライダ駆動機構部40は、第1巻胴部に巻回されると共にバックドア14に取り付けられる第1ワイヤを備え、バックドア14の開放操作時に第1ワイヤが引き出されることによりスライダ駆動機構部40を介してスライダ部60が上方向に移動され、バックドア14の閉鎖操作時に、スライダ部60やトノカバー部材70の自重によりスライダ部60が下端部に戻され、第1ワイヤ54が巻き戻される。
【選択図】 図3

Description

本発明は、車両のバックドアの開閉操作に連動して荷室上方を覆い或いは開放させることができる車両用トノカバー装置に関する。
従来、この種の車両用トノカバー装置として、特許文献1に開示のものがあり、このトノカバー装置によれば、トノカバーを横方向に引き出して車両の荷室を覆う横方向スライド式とされ、巻取装置側と引き出されたトノカバーの係止側の双方のユニットケースを、荷室内両側面にそれぞれ設け、各ユニットケースは車両前方側で回動可能に支持されると共に車両後方側でリアピラー部に設けられたガイド孔に沿って摺動可能とされていた。
そして、バックドアと各ユニットケースの後方側とがロープで連結されており、バックドアの開閉操作に連動して各ユニットケースの後方側が上下方向に昇降操作されるように構成されていた。
特開2001−80420号公報
しかしながら、特許文献1に開示の車両用トノカバー装置の構造によれば、バックドアの閉鎖操作時に、利用者がバックドアを勢いよく回動操作した場合、各ユニットケースは自重により速く回動するので、前記ガイド孔を有するガイドレールの下端部に各ユニットケースにおけるリア側軸部が強く接触して衝撃音が発生するおそれがある。
また、バックドア閉鎖時には、ロープは垂れ下がった状態となっており、走行時にハッチやピラーガーニッシュに接触して、異音が発生していた。
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、衝突音や異音の発生を有効に防止した車両用トノカバー装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための第1の技術的手段は、バックドアで開閉される荷室を有する車両に設けられる車両用トノカバー装置において、前記荷室の両側壁部に、車両後方から車両前方に向けて上向きに傾斜する姿勢で取付けられる一対のレール部と、前記一対のレール部に沿って摺動される一対のスライダ部と、前記レール部と前記スライダ部との相互間に摩擦力を付与する摩擦付与部材と、前記荷室上面を覆うと共に、前部が荷室の車両前方部分に支持され、後部が前記一対のスライダ部に取り付けられるトノカバー部材と、前記バックドアの閉鎖状態で前記レール部の下端部に位置される前記スライダ部を、バックドアの開放操作に連動してレール部に沿って上方向に移動させるスライダ駆動機構部とを備え、前記スライダ駆動機構部は、そのワイヤ巻胴に一端部が取り付けられて巻回されると共に他端部が前記バックドアに取り付けられる連動ワイヤを備え、バックドアの開放操作に連動して連動ワイヤがワイヤ巻胴から引き出されることによりスライダ駆動機構部が駆動されて前記スライダ部が上方向に移動され、バックドアの閉鎖操作時に、スライダ部の自重およびスライダ部に掛かるトノカバー部材の自重によりスライダ部がレール部の下端部に戻されると共に、スライダ駆動機構部を介して連動ワイヤがワイヤ巻胴に巻き戻される点にある。
また、前記課題を解決するための第2の技術的手段は、バックドアで開閉される荷室を有する車両に設けられる車両用トノカバー装置において、前記荷室の両側壁部に、車両後方から車両前方に向けて上向きに傾斜する姿勢で取付けられる一対のレール部と、前記一対のレール部に沿って摺動される一対のスライダ部と、前記荷室上面を覆うトノカバー部材と、前記バックドアの閉鎖状態で前記レール部の下端部に位置される前記スライダ部を、バックドアの開放操作に連動してレール部に沿って上方向に移動させるスライダ駆動機構部とを備え、前記トノカバー部材はシート部材と該シート部材を巻き取る巻取装置とを備えた巻取式とされ、シート部材の引き出し側端部が荷室の車両前方部分に支持され、巻取装置が前記一対のスライダ部に取り付けられ、前記スライダ駆動機構部は、そのワイヤ巻胴に一端部が取り付けられて巻回されると共に他端部が前記バックドアに取り付けられる連動ワイヤを備え、バックドアの開放操作に連動して連動ワイヤがワイヤ巻胴から引き出されることによりスライダ駆動機構部が駆動されて前記スライダ部が上方向に移動され、バックドアの閉鎖操作時に、スライダ部の自重およびスライダ部に掛かるトノカバー部材の自重によりスライダ部がレール部の下端部に戻されると共に、スライダ駆動機構部を介して連動ワイヤがワイヤ巻胴に巻き戻される点にある。
さらに、巻取式の後部トノカバー部材をさらに備え、該後部トノカバー部材のシート部材における引き出し側端部が前記バックドアに取り付けられ、後部トノカバー部材のシート部材を巻き取る巻取装置が前記一対のスライダ部に取り付けられた構造としてもよい。
本発明の第1の車両用トノカバー装置によれば、荷室の両側壁部に、車両後方から車両前方に向けて上向きに傾斜する姿勢で取付けられる一対のレール部と、一対のレール部に沿って摺動される一対のスライダ部と、レール部とスライダ部との相互間に摩擦力を付与する摩擦付与部材と、荷室上面を覆うと共に、前部が荷室の車両前方部分に支持され、後部が一対のスライダ部に取り付けられるトノカバー部材と、バックドアの閉鎖状態でレール部の下端部に位置されるスライダ部を、バックドアの開放操作に連動してレール部に沿って上方向に移動させるスライダ駆動機構部とを備え、スライダ駆動機構部は、そのワイヤ巻胴に一端部が取り付けられて巻回されると共に他端部がバックドアに取り付けられる連動ワイヤを備え、バックドアの開放操作に連動して連動ワイヤがワイヤ巻胴から引き出されることによりスライダ駆動機構部が駆動されてスライダ部が上方向に移動され、バックドアの閉鎖操作時に、スライダ部の自重およびスライダ部に掛かるトノカバー部材の自重によりスライダ部がレール部の下端部に戻されると共に、スライダ駆動機構部を介して連動ワイヤがワイヤ巻胴に巻き戻される構造とされているため、バックドアの閉鎖操作が速い場合であっても、スライダ部はスライダ部に作用する自重だけによるレール部の下端部への移動速さに比べ、摩擦付与部材に起因する摩擦抵抗やスライダ駆動機構部のワイヤ巻胴に対する連動ワイヤの巻き戻し抵抗が負荷となる分、ゆっくりと一定の速度で移動させることができ、レール部の下端部との衝突音の発生を有効に防止できる。従って、バックドアの閉鎖速度に関わらず、スライダ部をゆっくりとした速さで移動させることができ、衝突音の発生を有効に防止できる。
また、バックドアの閉鎖状態においては、連動ワイヤはワイヤ巻胴に巻回された状態に戻って収納されるため、荷室内への垂れ下がりが防止でき、見栄えが良好となると共に走行時における他部材との接触による異音の発生も有効に防止できる。
さらに、スライダ部が自重により初期位置に戻される構造としてるため、スライダ部を戻すための別途手段が不要であり、部品点数の削減や構造の簡素化が図れる利点もある。
本発明の第2の車両用トノカバー装置によれば、荷室の両側壁部に、車両後方から車両前方に向けて上向きに傾斜する姿勢で取付けられる一対のレール部と、一対のレール部に沿って摺動される一対のスライダ部と、荷室上面を覆うトノカバー部材と、バックドアの閉鎖状態でレール部の下端部に位置されるスライダ部を、バックドアの開放操作に連動してレール部に沿って上方向に移動させるスライダ駆動機構部とを備え、トノカバー部材はシート部材と該シート部材を巻き取る巻取装置とを備えた巻取式とされ、シート部材の引き出し側端部が荷室の車両前方部分に支持され、巻取装置が一対のスライダ部に取り付けられ、スライダ駆動機構部は、そのワイヤ巻胴に一端部が取り付けられて巻回されると共に他端部がバックドアに取り付けられる連動ワイヤを備え、バックドアの開放操作に連動して連動ワイヤがワイヤ巻胴から引き出されることによりスライダ駆動機構部が駆動されてスライダ部が上方向に移動され、バックドアの閉鎖操作時に、スライダ部の自重およびスライダ部に掛かるトノカバー部材の自重によりスライダ部がレール部の下端部に戻されると共に、スライダ駆動機構部を介して連動ワイヤがワイヤ巻胴に巻き戻される構造とされているため、バックドアの閉鎖操作が速い場合であっても、スライダ部はスライダ部に作用する自重だけによるレール部の下端部への移動速さに比べ、巻取装置によるシート部材の巻き戻し力やスライダ駆動機構部のワイヤ巻胴に対する連動ワイヤの巻き戻し抵抗が負荷となる分、ゆっくり移動させることができ、レール部の下端部との衝突音の発生を有効に防止できる。従って、バックドアの閉鎖速度に関わらず、スライダ部をゆっくりとした速さで移動させることができ、衝突音の発生を有効に防止できる。この際、トノカバー部材における巻取装置をスライダ部に取り付けているため、スライダ部に掛かる荷重が大きくなり、バックドアの閉鎖操作時におけるスライダ部の移動開始をよりスムーズにすることができる。
また、バックドアの閉鎖状態においては、連動ワイヤはワイヤ巻胴に巻回された状態に戻って収納されるため、荷室内への垂れ下がりが防止でき、見栄えが良好となると共に走行時における他部材との接触による異音の発生も有効に防止できる。
さらに、スライダ部が自重により初期位置に戻される構造としてるため、スライダ部を戻すための別途手段が不要であり、部品点数の削減や構造の簡素化が図れる利点もある。
そして、上記の車両用トノカバー装置において、巻取式の後部トノカバー部材をさらに備え、該後部トノカバー部材のシート部材における引き出し側端部がバックドアに取り付けられ、後部トノカバー部材のシート部材を巻き取る巻取装置が一対のスライダ部に取り付けられた構造とすれば、バックドアの開放状態においては、トノカバー部材の後端部および後部トノカバー部材の巻取装置の位置が上がるため、利用者の荷物の積み卸しが容易に行える利点がある。
また、バックドアの閉鎖状態においては、前部のトノカバー部材と後部トノカバー部材で荷室を完全に覆うことができる利点がある。
以下、第1の実施形態に係る車両用トノカバー装置20について説明する。図1は車両10に設けられたトノカバー装置20を示す斜視説明図であり、図2は同トノカバー装置20を示す側面説明図であり、図3は同トノカバー装置20の内部構成を示す側面説明図である。また、図4〜図6はバックドア14を閉じた状態から開いた状態にする際の変化を示す説明図であり、図4はバックドア14を完全に閉じた閉鎖状態、図5はバックドア14を途中まで開いた状態、図6がバックドア14を完全に開いた開放状態をそれぞれ示している。
このトノカバー装置20は、バックドア14で開閉される荷室12を有する車両10に設けられる。即ち、車両10の後方に、乗員室と連なる荷室12が設けられており、この荷室12の後方開口は、バックドア14により開閉可能とされる。本トノカバー装置20は、このような車両10の荷室12に組込まれる。
トノカバー装置20は、一対のレール部30と(図3参照)、一対のスライダ部60と、トノカバー部材70と、スライダ駆動機構部40(図3参照)とを備えている。
このトノカバー装置20の基本的構成および基本的動作について説明すると、一対のレール部30は、荷室12の両側壁部13に設けられており、一対のスライダ部60は一対のレール部30を移動可能にそれぞれ配設されている。なお、ここでは、レール部30は、側壁部13の一部であるリアピラー部内に組込まれている。また、トノカバー部材70は、折畳み可能に構成されており、その前部が荷室12前方部分に支持されると共に、その後部が一対のスライダ部60にそれぞれ取り付けられている。また、スライダ駆動機構部40は、レール部30に組込まれ、バックドア14の開閉操作に連動して一対のスライダ部60を移動させるように構成されている。
そして、バックドア14の閉鎖状態では、一対のスライダ部60が一対のレール部30の後端部に位置しており、トノカバー部材70が面一状に展開して荷室12の上方を覆った状態となっている(図1〜図4参照)。この状態で、バックドア14が開放操作により開動作されると、スライダ駆動機構部40が駆動されて、一対のスライダ部60が一対のレール部30の前方に向けて移動する(図5参照)。そして、バックドア14が完全に開いた開放状態になると、一対のスライダ部60が一対のレール部30の前端部に位置し、トノカバー部材70が折畳まれるようにして荷室12の上方を開放させた状態になる(図6参照)。また、この状態からバックドア14を閉鎖操作して閉じると、一対のスライダ部60が一対のレール部30の後方に移動し、バックドア14を完全に閉じると上記のようにトノカバー部材70が荷室の上方を覆った初期状態に復帰する。
以下、各部構成についてより具体的に説明する。
<トノカバー部>
まず、トノカバー部材70について説明する。図7はトノカバー部材70を示す平面図であり、図8はトノカバー部材70を示す側面図であり、図9はトノカバー部材70の要部を示す断面図である。
図1〜図9に示すように、トノカバー部材70は、複数の板状部72a、72b、72c、72dと、少なくとも1つの屈曲部74とを有したいわゆるトノボード構造とされている。
複数の板状部72a、72b、72c、72dは、荷室12の上方を覆うことが可能な平板状部分を、車両10前後方向において複数に分割したような板状部材に形成されている。つまり、各板状部72a、72b、72c、72dは、その幅寸法が荷室12の幅寸法と略同じ或いはそれよりも短く、かつ、それぞれの車両10前後方向における寸法は荷室12の車両10前後方向の長さ寸法よりも短い横長の板状部材に形成されている。このような板状部72a、72b、72c、72dは、樹脂板や木板、金属板等で構成される。ここでは、荷室12の上方を覆うことが可能な平板状部分を4つに分割している。より具体的には、当該平板状部分を、車両10前後方向において2分割し、その後方部分をさらに2分割し、当該後方部分における前方部分をさらに2分割することで、合計4つに分割し、その前側から後方に向けた各部分を、それぞれ板状部72a、72b、72c、72dとしている。なお、最も後方の板状部72dは、荷室12の形状にあわせて、後方に向けて順次幅狭になる板形状に形成されている。
なお、上記の分割態様は一例であり、当該例に限られない。各板状部72a、72b、72c、72dの車両前後方向における長さは上記例に限らず任意であるし、また、分割状とする数も、2つ又は3つに分割され、或いは、5つ以上に分割された構成であってもよい。
また、屈曲部74は、上記各板状部72a、72b、72c、72d同士を屈曲可能に連結するように構成されている。ここでは、屈曲部74は、板状部72a、72b間と、板状部72b、72c間と、板状部72c、72d間とに合計3つ設けられている。
屈曲部74は、次の構成により、各板状部72a、72b、72c、72d同士を屈曲可能に連結している。即ち、板状部72a、72b、72c、72dの一方表面および他方表面のそれぞれに対して、各板状部72a、72b、72c、72d同士を連結するように連続して、布部材73が密着状に配設される。また、布部材73が配設された状態で、各板状部72a、72b、72c、72d間には隙間が設けられており、当該隙間に樹脂や金属等で形成された細長板状部材74aが配設される。そして、当該細長板状部材74aと板状部72a、72b、72c、72dとの間で、一対の布部材73同士が縫合等されて、幅方向線状に相互接合される。これにより、各板状部72a、72b、72c、72d間に、各板状部72a、72b、72c、72d間の布部材73部分および細長板状部材74aと線状接合部分73aとで構成される屈曲部74が構成される(図9参照)。このような屈曲部74は、細長板状部材74aを挟んだ2箇所で屈曲できるため、各板状部72a、72b、72c、72dの厚みによる影響を抑制して、180゜に近い角度に屈曲させることができるという利点がある。もっとも、屈曲部74自体は、板状部72a、72b、72c、72dを屈曲できる構成であればよく、その他種々のヒンジ構造等を含む屈曲可能な構成を採用することができる。
また、トノカバー部材70の前端部、即ち、もっとも前方の板状部72aにトノカバー支持軸部71が設けられている。より具体的には、板状部72aの下側面であって車両前後方向における前半部の両側部に一対の軸支部71aが設けられると共に、当該一対の軸支部71aに棒状の軸部71bが支持されている。この軸部71bの両端部は、板状部72aの両側より突出しており、荷室12の両側壁部13に設けられた軸受部13aに回転可能に軸支されるようになっている(図2参照)。そして、軸部71bの両端部を軸受部13aで支持することによって、トノカバー部材70の前端部が荷室12の車両10前方部分で回転可能に支持されている。
また、荷室12の両側壁部13であって軸受部13aよりも後方部分には、トノカバー部材70の両側部を受けるトノカバー受部13bが設けられている(図2参照)。そして、トノカバー部材70のうちトノカバー支持軸部71よりも後方部分の両側部が、トノカバー受部13bに載置状に支持されるようになっている。そして、トノカバー部材70は、軸部71b回りに、その後方部分を上方に持上げるようにして回転可能とされている。
また、トノカバー部材70の後端部、ここでは、最も後方の板状部72dの後端部には、その両側外方向に突出する連結支持部76が設けられている。ここでは、連結支持部76は、後述する後部トノカバー部材77のシート巻取部79の両端部より外方に突出して設けられている。そして、この連結支持部76が、スライダ部60に連結されて取り付けられた構造とされている。
そして、一対のスライダ部60が一対のレール部30に沿って車両後方に移動することで、トノカバー支持軸部71の後方に連結支持部76が位置する状態となって、トノカバー部材70は、略水平姿勢で面一状に展開する。より具体的には、トノカバー部材70は、その両側部がトノカバー受部13bで載置状に支持されつつ、バックシートの背もたれ部分の上端部から後方に向けて延びる姿勢で面一状に展開して、荷室12の上方を覆う(図1〜図4参照)。
また、一対のスライダ部60が一対のレール部30に沿って車両前方に移動することで、トノカバー支持軸部71の斜め上後方に連結支持部76が位置する状態となって、トノカバー部材70は、その後方部分をその前方部分上に折畳むようにして荷室12の上方を開放させる。より具体的には、最も前方の板状部72aに対してその後方の板状部72bを上方に持上げるように屈曲させると共に、その後方の板状部72c、72dを重ねるように折畳んで、前方の板状部72a、72b上に配設するようにして、荷室12の上方、特に、荷室12の上方後方部分を開放させるようにしている。
ここで、トノカバー部材70の後方部分を前方部分上に折畳むようにする場合には、板状部72a、72b、72c、72dを屈曲部74で180゜で折曲げて完全に密着するように重ねる態様だけでなく、板状部72a、72b、72c、72dを屈曲部74で180゜よりも小さい角度で折曲げたような場合をも含む。例えば、略Z字状に折曲げられたような形態をも含む。このような折曲げ形態は、板状部72a、72b、72c、72dの分割態様、形状、大きさ等によって適宜決定され得る。要するに、トノカバー部材70の後方部分を前方部分上に折畳むようにする場合には、板状部72a、72b、72c、72dが屈曲部74で屈曲されていずれかの後方部分がそれよりも前方にある部分よりも上方に位置し、荷室12の上方が部分的(特に、後方部分)に開放されるようになる全ての折畳み態様が含まれる。
また、トノカバー部材70の後端部には、後部トノカバー部材77が連結状態で設けられている。この後部トノカバー部材77は、シート部材78と、当該シート部材78を巻取方向に常時付勢すると共に、引き出しおよび巻き取り可能な巻取装置としてのシート巻取部79とを備えた巻取式構造とされている。シート部材78における引き出し側端部は、バックドア14に着脱可能に取り付けられる。そして、バックドア14が閉じられた閉鎖状態では、トノカバー部材70の後端部とバックドア14との間の空間を覆っている(図1〜図4参照)。この状態からバックドア14が開かれることで、シート部材78がシート巻取部79から引き出され、トノカバー部材70の後端部とバックドア14との間に引っ張られた状態で配設される(図6参照)。この状態からバックドア14を閉じると、シート部材78がシート巻取部79に巻き取られ、トノカバー部材70の後端部とバックドア14との間の空間を覆った状態に戻される。
この後部トノカバー部材77は必ずしも必要ではなく省略されていてもよい。
<レール部、スライダ駆動機構部およびスライダ部>
次に、レール部30、スライダ駆動機構部40およびスライダ部60について説明する。図10はレール部30、スライダ駆動機構部40およびスライダ部60を示す斜視図であり、図11は図10のXI−XI線断面図、図12は図10のXII−XII線断面図、図13は図10のXIII−XIII線断面図、図14はスライダ部60を示す説明図、図15および図16はスライダ部60の動作を示す説明図、図17はスライダ駆動機構部40およびスライダ部60部分を示す分解斜視図、図18はスライダ駆動機構部40部分を示す分解斜視図である。図19〜図21はレール部30に沿ってスライダ部60が移動する状態を示す説明図であり、図19はスライダ部60がレール部30の後端部に位置する状態、図20はスライダ部60がレール部30の中間部に位置する状態、図21はスライダ部60がレール部30の前端部に位置する状態をそれぞれ示している。
図2および図3、図10〜図13、図19〜図21に示すように、一対のレール部30は、両端が開口すると共に一側壁部に長尺状の開口32aが形成された略角筒状のレール本体部32を、それぞれ有している。そして、スライダ部60のスライダ移動体62が当該レール本体部32内をその長手方向に沿って往復移動可能に設けられている。
また、レール本体部32には、適宜ブラケット34がネジ止等で取り付けられており、当該ブラケット34を介して、本レール部30が荷室12の側壁部13に取り付けられる。
また、レール本体部32の両端部には、後述するプーリー体48を収容するプーリー収容部38が取り付けられており、当該プーリー体48はプーリー収容部38内に収容支持されることによって、レール本体部32の両端部で回転自在に支持される。
このレール部30は、車両10後方から車両前方に向けて上向きに傾斜する姿勢で、側壁部13に取り付けられている。より具体的には、レール部30のレール本体部32の一端部を、上記のように面一状に展開させたトノカバー部材70の後端部の位置に配設すると共に、レール本体部32の他端部を、レール本体部32の一端部から車両10の斜め上前方に配設した斜め姿勢で、レール部30が側壁部13に取り付けられている(図3参照)。
また、一対のスライダ部60は、図10、図13〜図17、図19〜図21に示すように、一対のレール部30に沿って移動可能に構成されている。より具体的には、スライダ部60は、レール本体部32内を移動可能なスライダ移動体62と、連結支持部76の端部を支持可能な可動支持部68とを有している(図15および図16では可動支持部68を省略しその取付用の片だけ図示している)。
スライダ移動体62は、後述する第2ワイヤ45に連結されレール本体部32内を摺接移動可能なホルダ部63と、ホルダ部63にレール部30の長手方向に沿って相対移動可能に支持された内部移動体64と、内部移動体64をレール部30の長手方向に沿った方向においてホルダ部63に対する所定の初期位置に向けて付勢するランナ付勢部としてのコイルバネ65とを有している。
ホルダ部63は、中間支持部63aを介して間隔をあけて支持された一対の支持端部63bと、支持端部63b間に設けられた棒状の内部スライダ支持部63cとを有している。このホルダ部63は、レール本体部32内で両端部のプーリー収容部38間で移動自在とされている。
また、内部スライダ支持部63cが内部移動体64に形成された孔部に挿通されることで、内部移動体64が支持端部63b間で往復移動可能に支持されている。
さらに、内部スライダ支持部63cのうち内部スライダ支持部63cが挿通される孔部の両端部にコイルバネ65を挿入可能なコイルバネ挿入孔部が形成されている。そして、コイルバネ65が内部スライダ支持部63cに套嵌状に装着され、当該コイルバネ65が一端部をコイルバネ挿入孔部に挿入した状態で車両10前方側の支持端部63bと内部移動体64との間に介在されている。このコイルバネ65は、内部移動体64を車両10後側の支持端部63bに向けて付勢している。つまり、内部移動体64が車両10後側の支持端部63bに当接した位置が、ホルダ部63に対する内部移動体64の初期位置である(図14および図15参照)。これにより、内部移動体64をレール部30に沿った一定位置に配設した状態で、前記コイルバネ65を圧縮変形させつつ、ホルダ部63をレール本体部32に沿ってさらに後方側に移動させることができるようになっている(図16参照)。
可動支持部68は、内部移動体64と一体化されており、当該内部移動体64と共にレール部30の長手方向に沿って移動可能に構成されている。可動支持部68と内部移動体64とが一体化された構成により、ホルダ部63にレール部30の長手方向に沿って移動可能に支持されたランナRが構成されている。また、可動支持部68は、開口32aおよびリアピラーに形成された開口を通じて荷室12内に突出すると共に、当該可動支持部68には、連結支持部76の端部を嵌め込むようにして支持可能な凹部68aが形成されている。そして、荷室12内で、当該連結支持部76が凹部68aに回転可能に支持されている。
この可動支持部68および内部移動体64は、レール本体部32のうち車両10後方側に設けられた規制片34aによって、ホルダ部63がレール本体部32のうち車両10の最後方位置に達するよりも手前で当該規制片34aに当接して停止するように位置規制されている。つまり、規制片34aは、レール部30のうち車両10の後方側端部で、ランナRに当接してその移動範囲を規制するストッパとして機能している。そして、スライダ部60がレール部30に沿って車両10後方に移動する際、可動支持部68および内部移動体64が規制片34aによって位置規制された後、ホルダ部63がさらに車両10後方に移動できるようになっている。
また、内部移動体64のうちホルダ部63の内面を向く部分に、板バネ収容凹部64aが形成されており、この板バネ収容凹部64a内に、摩擦付与部材としての板バネ64sが収容配置されている。板バネ64sは、細長板状のバネ片の略中央部を略U字状に曲げた形状とされており、その略中央部の凸状湾曲部をホルダ部63の内面に向けた姿勢で板バネ収容凹部64a内に収容されている。そして、当該板バネ64sの凸状湾曲部の外面をホルダ部63の内面に所定の弾発力で押し付けることで、ホルダ部63と内部移動体64とを互いにレール部30の一部であるレール本体部32の内面に向けて付勢している。これにより、レール部30内においてスライダ部60が移動する際、相互間に摩擦力を生じさせ、摩擦抵抗が生じる構成とされている。また、この付勢により、レール部30におけるスライダ部60のがたつきが抑制され、安定した摺動も得られる。
スライダ駆動機構部40は、伝達部42として、ワイヤ巻胴としての第1巻胴部43と、第2巻胴部44と、第2ワイヤ45とを有している。そして、第1巻胴部43と、第2巻胴部44と、第2ワイヤ45とにより、バックドア14の開閉操作に連動してスライダ部60を車両前方に向けて上向きに傾斜するレール部30に沿って相対的に移動可能に構成している。
即ち、第1巻胴部43および第2巻胴部44とは、同軸上で一体回転可能に連結されており、レール部30の長手方向中間部で、巻胴部収容ハウジング46を介して回転可能に支持されている。
第1巻胴部43は、略円盤状に形成されており、連動ワイヤとしての第1ワイヤ54を巻回可能に構成されている。ここで、第1ワイヤ54は、巻回可能な線状部材であり、その一端部はバックドア14に連結されている。そして、バックドア14を開くと当該第1ワイヤ54の一端部が荷室12の開口外方に向けて引っ張られ、バックドア14を閉じると第1ワイヤ54に余剰長が生じるようになっている。また、第1ワイヤ54の他端部は第1巻胴部43に連結されており、バックドア14を閉じることによって生じる第1ワイヤ54の余剰長部分が第1巻胴部43に巻き戻し可能に構成されている。なお、ここでは、第1ワイヤ54は、荷室12の側壁部13の一部であるリアピラー内を通って配設されている。
第2巻胴部44は、第1巻胴部43と連動して回転可能に構成されている。ここでは、第1巻胴部43は、第2巻胴部44と同軸上に一体的に連結されることで、当該第2巻胴部44と一体回転可能に構成されているが、その他、別々に回転可能に支持され、ギヤや無端環状ベルト等を介して連動回転可能とされた構成であってもよい。
第2ワイヤ45は、ここでは2本用いられており、それぞれレール部30の両端側に回転自在に支持されたプーリー体48に巻き掛けられている。また、それぞれの第2ワイヤ45の一端部は、レール本体部32の側方を通ってその長手方向中間部で第2巻胴部44に巻き付けられると共に、それぞれの他端部がレール本体部32内を通ってスライダ部60の一対の支持端部63bにそれぞれ連結固定されている。そして、第2巻胴部44の回転に連動して、第2ワイヤ45がレール部30周りを回転するように動き、これに伴ってスライダ部60を引張るようにしてレール部30に沿って移動させる。なお、このような構成は、第2ワイヤ45として、1本のワイヤを用いることによっても実現できる。
また、バックドア14の開放操作を受けて、第1ワイヤ54はそれが巻回されている第1巻胴部43から引き出され、この際の第1巻胴部43の回転により、第2巻胴部44も回転してスライダ部60が車両前方の上方向に移動される。そして、バックドア14の閉鎖操作により閉じられると、スライダ部60の自重やスライダ部60に作用するトノカバー部材70や後部トノカバー部材77の自重により、スライダ部60が車両後方の下方向に移動し、レール部30の下端部に戻される。そして、このスライダ部60の下端部への戻りに伴い、第2巻胴部44および第1巻胴部43が逆方向に回転し、引き出された第1ワイヤ54が、第1巻胴部43に巻き戻されるように構成されている。
なお、第1ワイヤ54の一端部は、ワイヤ固定部55を介してバックドア14に連結固定されている。
ワイヤ固定部55は、細長形状のハウジング55aと、ワイヤ端固定具55cと、付勢部材としてのコイルバネ55eとを備えており、バックドア14に取付固定されたドア側固定具55bを介してバックドア14に連結固定される(図18、図22参照)。
ワイヤ端固定具55cは、棒状部分の一端部に棒状部分よりも太径の頭部が設けられた構成とされ、その他端部に第1ワイヤ54の一端部が連結固定されている。また、ワイヤ端固定具55cの棒状部分にコイルバネ55eが套嵌されている。また、ハウジング55aは、中空筺状に形成され、その内部に、ワイヤ端固定具55cが移動可能、かつ、コイルバネ55eが伸縮可能に配設されている。そして、第1ワイヤ54を引っ張ると、コイルバネ55eが縮んで、その縮んだ分だけ第1ワイヤ54がワイヤ固定部55から引き出される。また、第1ワイヤ54を引っ張る力を解除すると、コイルバネ55eが伸びて、その伸びた分だけ第1ワイヤ54がワイヤ固定部55内に引き戻されるようになっている。バックドア14側にはドア側固定具55bが、予め、取付固定されており、このドア側固定具55bにワイヤ固定部55のハウジング55aが着脱自在に連結固定されている。
そして、バックドア14を開けた際に、スライダ部60がレール部30の前端部に停止し、第1巻胴部43からの第1ワイヤ54の引き出しが停止された状態で、ワイヤ固定部55から若干量の第1ワイヤ54の引き出しを可能にしている。
ここで、バックドア14の設計上の開閉範囲の上限および下限において、コイルバネ55eを適宜長収縮させた状態にすることで、ワイヤ端固定具55cがハウジング55a内における移動範囲の略中央に位置するように設定しておくとよい。これにより、バックドア14の実際の開閉範囲が、設計上の開閉範囲よりも大きい場合(例えば、+5゜大きい場合等)には、コイルバネ55eを収縮させて第1ワイヤ54を引き出して不足長分を補うことができる。一方、バックドア14の実際の開閉範囲が、設計上の開閉範囲よりも小さい場合(例えば、−5゜小さい場合等)には、コイルバネ55eが伸びることで、第1ワイヤ54を引き込んで弛みとなる余剰長分を解消することができる。
<全体動作>
以上のように構成されたトノカバー装置20の全体動作について説明する。
図22はバックドア14が閉じた位置からヒンジ部回りに30゜回転して開いた状態を示す斜視図であり、図23は同状態を示す側面図であり、図24はバックドア14が閉じた位置からヒンジ部回りに60゜回転して開いた状態を示す斜視図であり、図25は同状態を示す側面図であり、図26はバックドア14が閉じた位置からヒンジ部回りに90゜回転して完全に開いた開放状態を示す斜視図であり、図27は同状態を示す側面図である。
まず、バックドア14が閉じた閉鎖状態では、図1〜図4、図19に示すように、スライダ部60は、レール部30の下端後端位置にあり、トノカバー部材70および後部トノカバー部材77は面一状に展開して荷室12の上方を完全に覆った状態となっている。また、第1ワイヤ54は、第1巻胴部43に巻回された状態となっている。
この状態で、利用者の操作等によってバックドア14が開放操作されると、図22および図23に示すように、第1ワイヤ54が第1巻胴部43から引き出され、当該引き出しに伴い第1巻胴部43および第2巻胴部44が回転する。これにより、第2ワイヤ45が一対のプーリー体48周りに回転移動し、スライダ部60がレール部30に沿って車両10前方側の上方向に移動する。これにより、スライダ部60および当該スライダ部60に連結支持されたトノカバー部材70の後端部および後部トノカバー部材77のシート巻取部79が初期位置より上方に持上げられつつ、前方に移動する。すると、トノカバー部材70は、後方の板状部72b、72c、72d間の屈曲部74で屈曲される。この際、トノカバー部材70の後端部は、上方に持上げられつつ前方に移動するので、比較的小さい力でかつ円滑に、トノカバー部材70の後方部分をその前方部分上に配設するように、当該トノカバー部材70を屈曲させることができる。また、後部トノカバー部材77のシート部材78はシート巻取部79から引き出される。
さらに、大きくバックドア14が開動作されると、図24および図25に示すように、第1ワイヤ54がさらに大きく引き出され、スライダ部60がレール部30に沿ってさらに車両10前方側に移動する。これにより、トノカバー部材70の後端部および後部トノカバー部材77のシート巻取部79がさらに上方に持上げられつつ、前方に移動する。すると、トノカバー部材70は、後方の板状部72b、72c、72d間の屈曲部74でさらに大きく屈曲され、略Z字状に折畳まれるようになる。また、後部トノカバー部材77のシート部材78はシート巻取部79からさらに引き出される。
なお、図22〜図25に示すようにスライダ部60がレール部30の長手方向中間部に移動した状態では、図20に示すように、規制片34aによる可動支持部68および内部移動体64の位置規制が解除されるので、内部移動体64は、コイルバネ65の付勢力によって、後方の支持端部63b側に付勢された状態となる。
そして、バックドア14が完全に開いた開放状態になると、図26および図27に示すように、第1ワイヤ54がさらに大きく引き出され、スライダ部60がレール部30に沿って移動し、レール部30の車両10前端位置に移動する。これにより、トノカバー部材70の後端部および後部トノカバー部材77のシート巻取部79がさらに上方に持上げられつつ、前方に移動する。すると、トノカバー部材70は、上記状態から、前方の板状部72aとそれよりも後方の板状部72b間の屈曲部74でも屈曲され、トノカバー部材70は、その後方部分をその前方部分上に折畳むようにして荷室12の上方、特に、上方後部を開放させる。また、後部トノカバー部材77のシート部材78はシート巻取部79からより一層引き出される。
これにより、利用者は、荷室12の上方後方から荷室12内にアクセスして、当該荷室12内に対して荷物を出し入れできるようになる。
また、この状態では、トノカバー部材70の後端部は、一対のレール部30の上端部まで上がるだけである。トノカバー部材70は複数箇所で屈曲されているから、その最上端部は、従来のようにトノボードを二つ折りした場合よりも十分に低い。従って、トノカバー部材70の最上端部である後端部と荷室12の天井面との間に十分な空間を設けることができる。従って、シート部材78の先端部をバックドア14から取り外せば、トノカバー部材70と荷室12の天井面との間の空間を利用して、リヤシートと荷室12の開口との間で荷物の受渡しを容易に行うことができる。
また、製造上或いは組付上の誤差等が原因で、上記のようにバックドア14を完全に開く手前で、スライダ部60がレール部30の最前方位置に達して停止した場合には、上記ワイヤ固定部55から若干第1ワイヤ54が引き出される。これにより、スライダ部60がレール部30の最前方位置に位置した状態からも、バックドア14をさらに開いて完全に開いた状態にすることができる。つまり、スライダ部60がレール部30の最前方位置に停止した状態における第1ワイヤ54の長さ寸法と、バックドア14が完全に開いた状態で必要とされる第1ワイヤ54の長さ寸法とが一致していない場合に、その誤差を吸収することができるようになっている。
そして、バックドア14の開放状態からバックドア14を閉鎖操作して、バックドア14を閉じると、スライダ部60は、スライダ部60の自重や、スライダ部60に作用するトノカバー部材70および後部トノカバー部材77の自重により、レール部30に沿って下端部側に移動される。このスライダ部60の車両10後方側の下方向の移動に伴って、第1巻胴部43および第2巻胴部44が逆方向に回転する。そして、第1巻胴部43の逆方向の回転により、第1ワイヤ54が第1巻胴部43に巻き戻される。そして、スライダ部60がレール部30の後端位置に達すると、トノカバー部材70は初期の面一状に展開し、後部トノカバー部材77の引き出されたシート部材78はシート巻取部79内に巻き取られ、初期の荷室12の上方を覆った状態に復帰する。
以上のように構成されたトノカバー装置20によれば、バックドア14を開放操作すると、その開動作に伴って第1ワイヤ54がスライダ駆動機構部40から引き出され、スライダ部60がレール部30の下端部からレール部30に沿って車両10前方に向けて上方向に移動する。これにより、トノカバー部材70の後端部や後部トノカバー部材77の前端部が前方上方に移動し、荷室12の上方が開放される。
また、この開放状態よりバックドア14を閉鎖操作すると、レール部30の上方に位置するスライダ部60は、そのスライダ部60の自重や、スライダ部60に作用するトノカバー部材70や後部トノカバー部材77の自重により、レール部30の下端部に戻され、荷室12の上方はトノカバー部材70や後部トノカバー部材77により覆われる。そして、このスライダ部60の下降に伴い、引き出された第1ワイヤ54はスライダ駆動機構部40の第1巻胴部43に巻き戻される。
この際、本実施形態によれば、板バネ64sによる付勢により、スライダ部60がレール部30に沿って移動する際に、摩擦が付与される構造としているため、スライダ部60とレール部30との相互間の摩擦抵抗が、スライダ部60の下降移動の抵抗となる。また、スライダ駆動機構部40の第1巻胴部43に対する第1ワイヤ54の巻き戻し動作も負荷となって、スライダ部60の下降移動の抵抗となる。
従って、バックドア14の閉鎖操作において、ゆっくりと閉動作される場合は、バックドア14に取り付けられた第1ワイヤ54が、徐々に引き戻されるため、スライダ駆動機構部40を介してスライダ部60の移動速度を制限している。これに対し、勢いよくバックドア14を閉じた場合、即ち、速く閉動作された場合は、第1ワイヤ54によるスライダ部60の移動速度の規制がなくなるが、スライダ部60とレール部30との相互間の摩擦抵抗やスライダ駆動機構部40の第1巻胴部43に対する第1ワイヤ54の巻き戻し抵抗が負荷となって、スライダ部60の移動速度が規制され、スライダ部60の移動速度を遅くして、ゆっくりした一定の速さで移動させることができる。
そのため、スライダ部60の下降移動時におけるレール部30の下端部との衝突音の発生を有効に防止できる。ここに、バックドア14の閉鎖速度に関わらず、スライダ部60をゆっくりとした速さで下降移動させることができ、衝突音の発生を有効に防止できる利点がある。
また、バックドア14の閉鎖状態においては、第1ワイヤ54は第1巻胴部43に巻回された状態に戻って収納されるため、荷室12内への垂れ下がりが防止でき、見栄えが良好となると共に走行時における他部材との接触による異音の発生も有効に防止できる。
さらに、スライダ部60がその自重やそれに作用する他部材の自重により初期位置に戻される構造としてるため、スライダ部60を戻すための別途手段が不要であり、部品点数の削減や構造の簡素化が図れる利点もある。
また、本実施形態においては、スライダ部60にトノカバー部材70だけでなく、後部トノカバー部材77のシート巻取部79も取り付けた構造としているため、スライダ部60に掛かる荷重も大きくなり、バックドア14の閉鎖操作時におけるスライダ部60の移動開始をよりスムーズにすることができる。そして、バックドア14の開放状態においては、トノカバー部材の後端部および後部トノカバー部材の巻取装置の位置が上がるため、利用者の荷物の積み卸しが容易に行え、バックドア14の閉鎖状態においては、トノカバー部材70と後部トノカバー部材77により荷室12を外部から完全に覆うことができる。
<変形例>
図28は第2の実施形態を示しており、トノカバー部材70が、後部トノカバー部材77と同様、シート部材81と、該シート部材81を巻き取る巻取装置としてのシート巻取部82とを備えた巻取式構造とされている。
そして、シート部材81の引き出し側端部が荷室12の車両10前方部分に支持され、シート巻取部82が一対のスライダ部60にそれぞれ取り付けられた構造とされている。この際、トノカバー部材70のシート巻取部82と後部トノカバー部材77のシート巻取部79とは、互いに一体的に連結され、これらが連結支持部76を介してスライダ部60に取り付けられた構造とされている。
従って、本実施形態においても上記同様の効果が得られる。
なお、上記各実施形態においては、トノカバー部材70だけでなく、後部トノカバー部材77をも備えた構造を示しているが、後部トノカバー部材77を備えない構造であってもよい。
また、板バネ64sによって、レール本体部32と、ホルダ部63や内部移動体64との相互間に摩擦抵抗が生じる構造としているが、摩擦付与部材として、レール部30とスライダ部60との相互の摺動面に、布材等の摩擦抵抗が生じるシート部材を装着する構造等であってもよく、実施形態の構造に何ら限定されない。
車両に設けられた車両用トノカバー装置を示す斜視説明図である。 同側面説明図である。 同内部構成を示す側面説明図である。 バックドアを閉じた状態を示す説明図である。 バックドアを途中まで開いた状態を示す説明図である。 バックドアを完全に開いた状態を示す説明図である。 トノカバー部材および後部トノカバー部材を示す平面図である。 トノカバー部材および後部トノカバー部材を示す側面図である。 同要部拡大断面図である。 レール部、スライダ駆動機構部およびスライダ部を示す斜視図である。 図10のXI−XI線断面図である。 図10のXII−XII線断面図である。 図10のXIII−XIII線断面図である。 (a)はスライダ部を示す断面説明図であり、(b)は同スライダ部を示す側面説明図である。 スライダ部の動作を示す説明図である。 スライダ部の動作を示す説明図である。 スライダ駆動機構部およびスライダ部を示す分解斜視図である。 スライダ駆動機構部を示す分解斜視図である。 スライダ部がレール部の下端部に位置する状態を示す説明図である。 スライダ部がレール部の中間部に位置する状態を示す説明図である。 スライダ部がレール部の上端部に位置する状態を示す説明図である。 バックドアが閉じた位置から30゜回転して開いた状態を示す斜視図である。 同側面図である。 バックドアが閉じた位置から60゜回転して開いた状態を示す斜視図である。 同側面図である。 バックドアが完全に開いた状態を示す斜視図である。 同側面図である。 変形例を示す説明図である。
符号の説明
10 車両
12 荷室
13 側壁部
14 バックドア
20 トノカバー装置
30 レール部
40 スライダ駆動機構部
43 第1巻胴部
44 第2巻胴部
45 第2ワイヤ
54 第1ワイヤ
60 スライダ部
63 ホルダ部
64 内部移動体
64s 板バネ
70 トノカバー部材
77 後部トノカバー部材
78 シート部材
79 シート巻取部
81 シート部材
82 シート巻取部

Claims (3)

  1. バックドアで開閉される荷室を有する車両に設けられる車両用トノカバー装置において、
    前記荷室の両側壁部に、車両後方から車両前方に向けて上向きに傾斜する姿勢で取付けられる一対のレール部と、
    前記一対のレール部に沿って摺動される一対のスライダ部と、
    前記レール部と前記スライダ部との相互間に摩擦力を付与する摩擦付与部材と、
    前記荷室上面を覆うと共に、前部が荷室の車両前方部分に支持され、後部が前記一対のスライダ部に取り付けられるトノカバー部材と、
    前記バックドアの閉鎖状態で前記レール部の下端部に位置される前記スライダ部を、バックドアの開放操作に連動してレール部に沿って上方向に移動させるスライダ駆動機構部とを備え、
    前記スライダ駆動機構部は、そのワイヤ巻胴に一端部が取り付けられて巻回されると共に他端部が前記バックドアに取り付けられる連動ワイヤを備え、バックドアの開放操作に連動して連動ワイヤがワイヤ巻胴から引き出されることによりスライダ駆動機構部が駆動されて前記スライダ部が上方向に移動され、バックドアの閉鎖操作時に、スライダ部の自重およびスライダ部に掛かるトノカバー部材の自重によりスライダ部がレール部の下端部に戻されると共に、スライダ駆動機構部を介して連動ワイヤがワイヤ巻胴に巻き戻されることを特徴とする車両用トノカバー装置。
  2. バックドアで開閉される荷室を有する車両に設けられる車両用トノカバー装置において、
    前記荷室の両側壁部に、車両後方から車両前方に向けて上向きに傾斜する姿勢で取付けられる一対のレール部と、
    前記一対のレール部に沿って摺動される一対のスライダ部と、
    前記荷室上面を覆うトノカバー部材と、
    前記バックドアの閉鎖状態で前記レール部の下端部に位置される前記スライダ部を、バックドアの開放操作に連動してレール部に沿って上方向に移動させるスライダ駆動機構部とを備え、
    前記トノカバー部材はシート部材と該シート部材を巻き取る巻取装置とを備えた巻取式とされ、シート部材の引き出し側端部が荷室の車両前方部分に支持され、巻取装置が前記一対のスライダ部に取り付けられ、
    前記スライダ駆動機構部は、そのワイヤ巻胴に一端部が取り付けられて巻回されると共に他端部が前記バックドアに取り付けられる連動ワイヤを備え、バックドアの開放操作に連動して連動ワイヤがワイヤ巻胴から引き出されることによりスライダ駆動機構部が駆動されて前記スライダ部が上方向に移動され、バックドアの閉鎖操作時に、スライダ部の自重およびスライダ部に掛かるトノカバー部材の自重によりスライダ部がレール部の下端部に戻されると共に、スライダ駆動機構部を介して連動ワイヤがワイヤ巻胴に巻き戻されることを特徴とする車両用トノカバー装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の車両用トノカバー装置において、
    巻取式の後部トノカバー部材をさらに備え、該後部トノカバー部材のシート部材における引き出し側端部が前記バックドアに取り付けられ、後部トノカバー部材のシート部材を巻き取る巻取装置が前記一対のスライダ部に取り付けられたことを特徴とする車両用トノカバー装置。
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