JP5281260B2 - 車両用トノカバー装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両のハッチバックドアの開閉操作に連動して荷室上方を覆い或いは開放させることができる車両用トノカバー装置に関する。
近年、ハッチバックタイプの車両に設けられるトノカバー装置においては、トノカバーシートの一端がハッチバックドアに取り付けられ、他端がリアシートの後方近傍に配置される巻取機構を備えたシート巻取部に巻き取られる構造となっている。そして、ハッチバックドアの開放・閉鎖操作によって、必要長さのトノカバーシートがシート巻取部から引き出し・巻き取り可能とされている。
通常この種の車両においては、互いに対向するリアピラーガーニッシュの間隔は、車両の下方から上方に向かって荷室幅より漸次狭くなっているため、ハッチバックドアの開放時に、リアピラーガーニッシュとトノカバーシートとの相互干渉を有効に回避すべく、リアピラーガーニッシュと対向するトノカバーシートの両側部分に、干渉回避用の切欠部を形成する。
しかしながら、トノカバーシートの両側部分に切欠部を形成すると、切欠部が形成された位置で最も幅狭な部分が生じ、その幅狭位置よりトノカバーシートの引き出し方向に向けて幅広となる形状となる。そのため、このトノカバーシートの引き出し方向に向けて幅広となる広がり領域部において、その両側縁部に垂れ下がりが生じるおそれがある。
このような広がり領域部は、シート巻取部側の幅が狭く、引き出し方向に向けて幅が広がっているため、前記のような垂れ下がりが生じた状態では、両側の垂れ下がり部分における車幅方向の幅の狭い方がシート巻取部側に近く、車幅方向の幅の広い方がシート巻取部から遠くに位置される。そのため、このような垂れ下がりが生じた状態で、シート巻取部にトノカバーシートが巻き取られていくと、垂れ下がり部分を折り重なった状態で巻き込んでしまうおそれがあり、巻取動作が円滑になされないおそれがある。
また、トノカバーシートを折り重なった状態で巻き込んだ場合には、トノカバーシートに折り癖が生じて、見栄えが悪くなると共に、耐久性にも問題が生じるおそれがある。
特に、カーテンバッグを備える車両においては、バッグを展開させるためのインフレータをリアピラーガーニッシュ内に備えるため、近年、リアピラーガーニッシュが大きくなり、前記切欠部も車幅方向および車両前後方向に大きく形成されるので、トノカバーシートの前記垂れ下がりもより大きくなり、巻取動作ができなくなるおそれもあった。
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、折り重なった状態で巻き込まれるおそれのあるトノカバーシートの垂れ下がりを有効に防止する車両用トノカバー装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための技術的手段は、対向するリアピラーガーニッシュの間隔が、車両の下方から上方に向かって荷室幅より漸次狭く形成されているハッチバックタイプの車両に設けられ、ハッチバックドアの操作に連動して引き出しおよび巻き取り可能とされた車両用トノカバー装置において、車両の荷室を覆って引き出し側端部が前記ハッチバックドアに連結されると共にハッチバックドア開放状態で前記リアピラーガーニッシュと対向する両側部分に切欠部が形成されたトノカバーシートと、荷室に取り付けられると共にトノカバーシートの基部が連結されてトノカバーシートを巻き取る方向に付勢するシート巻取部とを備え、前記切欠部により形成された幅狭位置よりトノカバーシートの引き出し方向に向けて幅広となる広がり領域部に垂れ下がり防止手段を設けた点にある。
また、前記トノカバーシートは、前記ハッチバックドアの閉鎖状態で前記シート巻取部から引き出されている第1カバー部と、該第1カバー部に縫製されて連続し、ハッチバックドアの開放操作により引き出されると共に前記切欠部が形成されている第2カバー部とからなり、前記第1カバー部と前記第2カバー部とを縫製する部分に前記垂れ下がり防止手段を設けた構造としてもよい。
さらに、前記シート巻取部が、ハッチバックドアの開放操作に連動して車両上方向に移動されると共に、ハッチバックドアの閉鎖操作に連動して車両下方向に移動される構造としてもよい。
また、前記垂れ下がり防止手段は、前記トノカバーシートの幅方向に沿って装着された棒状芯材からなり、前記棒状芯材は前記トノカバーシートの引き出し方向に離隔して複数位置に配置されると共に、前記シート巻取部の巻芯に対してトノカバーシートが巻き取られた際に、各棒状芯材が互いに重ならない位置に配置されている構造としてもよい。
本発明の車両用トノカバー装置によれば、車両の荷室を覆って引き出し側端部がハッチバックドアに連結されると共にハッチバックドア開放状態でリアピラーガーニッシュと対向する両側部分に切欠部が形成されたトノカバーシートと、荷室に取り付けられると共にトノカバーシートの基部が連結されてトノカバーシートを巻き取る方向に付勢するシート巻取部とを備え、切欠部により形成された幅狭位置よりトノカバーシートの引き出し方向に向けて幅広となる広がり領域部に垂れ下がり防止手段を設けた構造とされており、垂れ下がり防止手段によって、引き出し方向に幅広となる広がり領域部の垂れ下がりが有効に防止できるため、シート巻取部でトノカバーシートが巻き取られる際に、折り重なった状態での巻き込みがなく、巻取動作が円滑になされる。従って、切欠部の形状や大きさにかかわらず対応でき、トノカバーシートに折り癖が生じず、見栄えの向上が図れ、耐久性に優れる利点がある。
また、トノカバーシートは、ハッチバックドアの閉鎖状態でシート巻取部から引き出されている第1カバー部と、該第1カバー部に縫製されて連続し、ハッチバックドアの開放操作により引き出されると共に切欠部が形成されている第2カバー部とからなり、第1カバー部と第2カバー部とを縫製する部分に垂れ下がり防止手段を設けた構造とすれば、第1カバー部と第2カバー部との縫製と同時に垂れ下がり防止手段を取り付けることができ、組み付け作業が容易で、その作業時間も短縮できる利点がある。
さらに、シート巻取部が、ハッチバックドアの開放操作に連動して車両上方向に移動されると共に、ハッチバックドアの閉鎖操作に連動して車両下方向に移動される構造とすれば、ハッチバックドアの開放状態で、シート巻取部が上方に移動した位置にあるため、利用者にとって荷室内が確認しやすく、荷物の積み卸し作業がより容易になるという利点がある。
また、垂れ下がり防止手段は、トノカバーシートの幅方向に沿って装着された棒状芯材からなり、棒状芯材はトノカバーシートの引き出し方向に離隔して複数位置に配置されると共に、シート巻取部の巻芯に対してトノカバーシートが巻き取られた際に、各棒状芯材が互いに重ならない位置に配置されている構造とすれば、広がり領域部における垂れ下がりがより確実に防止できると共に、シート巻取部にトノカバーシートが巻き取られた際の巻き径が大きくなるのを有効に防止でき、コンパクト化が図れる。
以下、第1の実施形態に係る車両用トノカバー装置20について説明する。図1はハッチバックタイプの車両10に設けられたトノカバー装置20を示す斜視説明図であり、図2は同トノカバー装置20を示す側面説明図であり、図3は同トノカバー装置20の内部構成を示す側面説明図である。また、図4〜図6はハッチバックドア14を閉じた状態から開いた状態にする際の変化を示す説明図であり、図4はハッチバックドア14を完全に閉じた閉鎖状態、図5はハッチバックドア14を途中まで開いた状態、図6がハッチバックドア14を完全に開いた開放状態をそれぞれ示している。
このトノカバー装置20は、ハッチバックドア14で開閉される荷室12を有する車両10に設けられる。即ち、車両10の後方に、乗員室と連なる荷室12が設けられており、この荷室12の後方開口は、ハッチバックドア14により開閉可能とされる。本トノカバー装置20は、このような車両10の荷室12に組み込まれる。
トノカバー装置20は、一対のレール部30と(図3参照)、一対のスライダ部60と、前部のトノボード部70と、後部のトノカバー部77と、スライダ駆動機構部40(図3参照)とを備えている。
このトノカバー装置20の基本的構成および基本的動作について説明すると、一対のレール部30は、車両10後部両側の互いに対向するいわゆるリアピラーガーニッシュ13c内に組み込まれている。また、トノボード部70は、折畳み可能に構成されており、その前部が荷室12前方部分に支持されると共に、その後部がトノカバー部77におけるシート巻取部79に連結され、このシート巻取部79が一対のスライダ部60にそれぞれ取り付けられている。そして、シート巻取部79より引き出しおよび巻き取り可能とされたシート部材78の引き出し側端部がハッチバックドア14に着脱自在に連結されている。また、スライダ駆動機構部40は、レール部30に組み込まれ、ハッチバックドア14の開閉操作に連動して一対のスライダ部60を移動させるように構成されている。
そして、ハッチバックドア14の閉鎖状態では、一対のスライダ部60が一対のレール部30の後端部に位置しており、トノボード部70およびトノカバー部77が展開して荷室12の上方を覆った状態となっている(図1〜図4参照)。この状態で、ハッチバックドア14が開放操作により開動作されると、スライダ駆動機構部40が駆動されて、一対のスライダ部60が一対のレール部30の前方に向けて移動する(図5参照)。そして、ハッチバックドア14が完全に開いた開放状態になると、一対のスライダ部60が一対のレール部30の前端部に位置し、トノボード部70が折畳まれるようにして荷室12の上方を開放させた状態になる(図6参照)。一方、トノカバー部77のシート部材78はハッチバックドア14の開放操作に伴って、シート巻取部79内から適宜引き出された状態となる。また、この状態からハッチバックドア14を閉鎖操作して閉じると、一対のスライダ部60が一対のレール部30の後方に移動し、ハッチバックドア14を完全に閉じると上記のようにトノボード部70およびトノカバー部77が荷室の上方を覆った初期状態に復帰する。
以下、各部構成についてより具体的に説明する。
<トノボード部、トノカバー部>
まず、トノボード部70およびトノカバー部77について説明する。図7はトノボード部70およびトノカバー部77を示す平面図であり、図8はトノボード部70およびトノカバー部77を示す側面図であり、図9はトノボード部70の要部を示す断面図であり、図10はシート部材78における図7のX−X線断面図、図11はシート部材78における図7のXI−XI線断面図である。
図1〜図9に示すように、トノボード部70は、複数の板状部72a、72b、72c、72dと、少なくとも1つの屈曲部74とを有したいわゆるトノボード構造とされている。
複数の板状部72a、72b、72c、72dは、荷室12の上方を覆うことが可能な平板状部分を、車両10前後方向において複数に分割したような板状部材に形成されている。つまり、各板状部72a、72b、72c、72dは、その幅寸法が荷室12の幅寸法と略同じ或いはそれよりも短く、かつ、それぞれの車両10前後方向における寸法は荷室12の車両10前後方向の長さ寸法よりも短い横長の板状部材に形成されている。このような板状部72a、72b、72c、72dは、樹脂板や木板、金属板等で構成される。ここでは、荷室12の上方を覆うことが可能な平板状部分を4つに分割している。より具体的には、当該平板状部分を、車両10前後方向において2分割し、その後方部分をさらに2分割し、当該後方部分における前方部分をさらに2分割することで、合計4つに分割し、その前側から後方に向けた各部分を、それぞれ板状部72a、72b、72c、72dとしている。なお、最も後方の板状部72dは、荷室12の形状にあわせて、後方に向けて順次幅狭になる板形状に形成されている。
なお、上記の分割態様は一例であり、当該例に限られない。各板状部72a、72b、72c、72dの車両前後方向における長さは上記例に限らず任意であるし、また、分割状とする数も、2つ又は3つに分割され、或いは、5つ以上に分割された構成であってもよい。
また、屈曲部74は、上記各板状部72a、72b、72c、72d同士を屈曲可能に連結するように構成されている。ここでは、屈曲部74は、板状部72a、72b間と、板状部72b、72c間と、板状部72c、72d間とに合計3つ設けられている。
屈曲部74は、次の構成により、各板状部72a、72b、72c、72d同士を屈曲可能に連結している。即ち、板状部72a、72b、72c、72dの一方表面および他方表面のそれぞれに対して、各板状部72a、72b、72c、72d同士を連結するように連続して、布部材73が密着状に配設される。また、布部材73が配設された状態で、各板状部72a、72b、72c、72d間には隙間が設けられており、当該隙間に樹脂や金属等で形成された細長板状部材74aが配設される。そして、当該細長板状部材74aと板状部72a、72b、72c、72dとの間で、一対の布部材73同士が縫合等されて、幅方向線状に相互接合される。これにより、各板状部72a、72b、72c、72d間に、各板状部72a、72b、72c、72d間の布部材73部分および細長板状部材74aと線状接合部分73aとで構成される屈曲部74が構成される(図9参照)。このような屈曲部74は、細長板状部材74aを挟んだ2箇所で屈曲できるため、各板状部72a、72b、72c、72dの厚みによる影響を抑制して、180゜に近い角度に屈曲させることができるという利点がある。もっとも、屈曲部74自体は、板状部72a、72b、72c、72dを屈曲できる構成であればよく、その他種々のヒンジ構造等を含む屈曲可能な構成を採用することができる。
また、トノボード部70の前端部、即ち、もっとも前方の板状部72aにトノカバー支持軸部71が設けられている。より具体的には、板状部72aの下側面であって車両前後方向における前半部の両側部に一対の軸支部71aが設けられると共に、当該一対の軸支部71aに棒状の軸部71bが支持されている。この軸部71bの両端部は、板状部72aの両側より突出しており、荷室12の両側壁部13に設けられた軸受部13aに回転可能に軸支されるようになっている(図2参照)。そして、軸部71bの両端部を軸受部13aで支持することによって、トノボード部70の前端部が荷室12の車両10前方部分で回転可能に支持されている。
また、荷室12の両側壁部13であって軸受部13aよりも後方部分には、トノボード部70の両側部を受けるトノボード受部13bが設けられている(図2参照)。そして、トノボード部70のうちトノカバー支持軸部71よりも後方部分の両側部が、トノボード受部13bに載置状に支持されるようになっている。そして、トノボード部70は、軸部71b回りに、その後方部分を上方に持上げるようにして回転可能とされている。
また、トノボード部70の後端部は、トノカバー部77のシート巻取部79に連結されており、このシート巻取部79の両側部に、外方向に突出する連結支持部76が設けられている。そして、この連結支持部76が、スライダ部60に連結されて取り付けられた構造とされている。
このトノカバー部77は、トノカバーシートを構成するシート部材78と、当該シート部材78の基部が連結されて巻取方向に常時付勢すると共に、引き出しおよび巻き取り可能な巻取構造を有するシート巻取部79とを備えた巻取式構造とされている。そして、シート部材78における引き出し側端部は、ハッチバックドア14に着脱可能に取り付けられている。
また、シート部材78は、ハッチバックドア14の閉鎖状態で、シート巻取部79から所定長さ引き出されてトノボード部70の後端部とハッチバックドア14との間の荷室12を覆う第1カバー部78aと、この第1カバー部78aに縫製により連続状に接続され、ハッチバックドア14の開放操作によりシート巻取部79から引き出される第2カバー部78bとから構成されている(図1、図9、図21、図23、図25参照)。例えば、外部に露出状態となる第1カバー部78aは布状生地からなり、ハッチバックドア14の開閉操作に連動して引き出し・巻き取り可能とされる第2カバー部78bはメッシュ状生地から構成されている。なお、第1カバー部78aと同じ生地よりなる1枚ものであってもよい。
この際、対向するリアピラーガーニッシュ13cの相互間隔は、車両10の下方から上方に向かって荷室12の幅より漸次狭くなるように形成されているため、ハッチバックドア14の開放操作時に引き出される第2カバー部78bにおけるリアピラーガーニッシュ13cと対向する両側部分には、内側に湾曲する形状の切欠部78cがそれぞれ形成されている。そして、これら切欠部78cによって、ハッチバックドア14の開放操作時に第2カバー部78bが引き出された際に、各リアピラーガーニッシュ13cと第2カバー部78bとの相互干渉が回避されるように構成されている。
また、図7や図10に示されるように、シート部材78における第1カバー部78aの巻き取り側端縁部と第2カバー部78bの引き出し側端縁部とは、幅方向に縫製された縫製部90を介して互いに連結されている。そして、本実施形態では、この縫製部90がシート部材78の引き出し方向に離隔して2箇所に備えられ、この縫製部90間に棒状芯材91が当て布92を介して取り付けられた構造とされている。この棒状芯材91はシート部材78の略全幅にわたる長さを有しており、適宜剛性を有する樹脂材や金属材等からなり断面は円形や矩形等の適宜形状に形成されている。
そして、この棒状芯材91により、図7に示されるように、シート巻取部79から第2カバー部78bが引き出された状態で、切欠部78cの形成により最も幅狭とされた幅狭位置より、シート部材78の引き出し方向に向けて幅広となる広がり領域部Sにおいて、その両側部(仮想線位置より外側方部分)の下方への垂れ下がり(図25の仮想線で示す垂れ下がり部100)を防止する垂れ下がり防止手段を構成している。
また、図7や図11に示されるように、第1カバー部78aの引き出し側端部には、当て布93および縫製部94を介して補強芯材95が幅方向沿って取り付けられており、シート部材78がシート巻取部79から引き出される際に、シート部材78の幅方向の全体にわたって引き出し力が均等に作用するように構成されている。
そして、ハッチバックドア14が閉じられた閉鎖状態では、一対のスライダ部60が一対のレール部30に沿って車両後方下端部に移動しており、トノカバー支持軸部71の後方に連結支持部76が位置する状態となって、トノボード部70は、略水平姿勢で面一状に展開する。より具体的には、トノボード部70は、その両側部がトノボード受部13bで載置状に支持されつつ、バックシートの背もたれ部分の上端部から後方に向けて延びる姿勢で面一状に展開して、荷室12の上方を覆う(図1〜図4参照)。この際、トノカバー部77においては、第2カバー部78bが巻き取られた状態となっており、トノボード部70の後端部とハッチバックドア14との間の空間を第1カバー部78aにより覆っている(図1〜図4参照)。
また、この状態からハッチバックドア14が開放操作されると、一対のスライダ部60が一対のレール部30に沿って車両前方上方に移動して、トノカバー支持軸部71の斜め上後方に連結支持部76が位置する状態となって、トノボード部70は、その後方部分をその前方部分上に折畳むようにして荷室12の上方を開放させる。より具体的には、最も前方の板状部72aに対してその後方の板状部72bを上方に持上げるように屈曲させると共に、その後方の板状部72c、72dを重ねるように折畳んで、前方の板状部72a、72b上に配設するようにして、荷室12の上方、特に、荷室12の上方後方部分を開放させるようにしている。
ここで、トノボード部70の後方部分を前方部分上に折畳むようにする場合には、板状部72a、72b、72c、72dを屈曲部74で180゜で折曲げて完全に密着するように重ねる態様だけでなく、板状部72a、72b、72c、72dを屈曲部74で180゜よりも小さい角度で折曲げたような場合をも含む。例えば、略Z字状に折曲げられたような形態をも含む。このような折曲げ形態は、板状部72a、72b、72c、72dの分割態様、形状、大きさ等によって適宜決定され得る。要するに、トノボード部70の後方部分を前方部分上に折畳むようにする場合には、板状部72a、72b、72c、72dが屈曲部74で屈曲されていずれかの後方部分がそれよりも前方にある部分よりも上方に位置し、荷室12の上方が部分的(特に、後方部分)に開放されるようになる全ての折畳み態様が含まれる。
一方、トノカバー部77側では、シート部材78がシート巻取部79から第2カバー部78bが引き出され、トノボード部70の後端部とハッチバックドア14との間に引っ張られた状態で配設される(図6参照)。このハッチバックドア14の開放操作に伴って第2カバー部78bが引き出される際に、第2カバー部78bとリアピラーガーニッシュ13cとは、切欠部78cによって相互干渉が防止される。
そして、この状態からハッチバックドア14を閉じると、トノボード部70は初期状態に展開し、シート部材78は第2カバー部78bがシート巻取部79に巻き取られ、荷室12空間を、トノボード部70とトノカバー部77によって覆った状態に戻される。なお、必要に応じて、トノカバー部77における第1カバー部78aをハッチバックドア14から取り外し、第2カバー部78bだけでなく、第1カバー部78aもシート巻取部79内に巻き取った収納状態とすることもできる。
<レール部、スライダ駆動機構部およびスライダ部>
次に、レール部30、スライダ駆動機構部40およびスライダ部60について説明する。図12はレール部30、スライダ駆動機構部40およびスライダ部60を示す斜視図であり、図13は図12のXIII−XIII線断面図、図14は図12のXIV−XIV線断面図、図15は図12のXV−XV線断面図、図16はスライダ駆動機構部40およびスライダ部60部分を示す分解斜視図、図17はスライダ駆動機構部40部分を示す分解斜視図である。図18〜図20はレール部30に沿ってスライダ部60が移動する状態を示す説明図であり、図18はスライダ部60がレール部30の後端部に位置する状態、図19はスライダ部60がレール部30の中間部に位置する状態、図20はスライダ部60がレール部30の前端部に位置する状態をそれぞれ示している。
図2および図3、図12〜図15、図18〜図20に示すように、一対のレール部30は、両端が開口すると共に一側壁部に長尺状の開口32aが形成された略角筒状のレール本体部32を、それぞれ有している。そして、スライダ部60のスライダ移動体62が当該レール本体部32内をその長手方向に沿って往復移動可能に設けられている。
また、レール本体部32には、適宜ブラケット34がネジ止等で取り付けられており、当該ブラケット34を介して、本レール部30が荷室12のリアピラーガーニッシュ13cの内側部分の側壁部13に取り付けられる。
また、レール本体部32の両端部には、後述するプーリー体48を収容するプーリー収容部38が取り付けられており、当該プーリー体48はプーリー収容部38内に収容支持されることによって、レール本体部32の両端部で回転自在に支持される。
このレール部30は、車両10後方から車両前方に向けて上向きに傾斜する姿勢で、側壁部13に取り付けられている。より具体的には、レール部30のレール本体部32の一端部を、上記のように面一状に展開させたトノボード部70の後端部の位置に配設すると共に、レール本体部32の他端部を、レール本体部32の一端部から車両10の斜め上前方に配設した斜め姿勢で、レール部30が側壁部13に取り付けられている(図3参照)。
また、一対のスライダ部60は、一対のレール部30に沿って移動可能に構成されている。より具体的には、スライダ部60は、レール本体部32内を移動可能なスライダ移動体62と、連結支持部76の端部を支持可能な可動支持部68とを有している。
スライダ移動体62は、レール本体部32内を摺接移動するスライダ本体部63と、スライダ本体部63内を移動可能な内部移動体64と、内部移動体64を付勢する付勢部材としてのコイルバネ65とを有している。
スライダ本体部63は、中間支持部63aを介して間隔をあけて支持された一対の支持端部63bと、支持端部63b間に設けられた棒状の内部スライダ支持部63cとを有している(図16、図18〜図20)。このスライダ本体部63は、レール本体部32内で両端部のプーリー収容部38間で移動自在とされている。
また、内部スライダ支持部63cが内部移動体64に形成された孔部に挿通されることで、内部移動体64が支持端部63b間で往復移動可能に支持されている。
さらに、内部スライダ支持部63cがコイルバネ65に挿通されて、当該コイルバネ65が車両10前方側の支持端部63bと内部移動体64との間に介在している。このコイルバネ65は、内部移動体64を車両10後方に付勢している。これにより、内部移動体64をレール部30の後方側の一定位置に配設した状態で、スライダ本体部63をレール部30のさらに後方側に移動させることができるようになっている(図18参照)。
可動支持部68は、内部移動体64と一体化されており、当該内部移動体64と共にレール部30の長手方向に沿って移動可能に構成されている。また、可動支持部68は、開口32aおよびリアピラーガーニッシュ13cに形成された開口を通じて荷室12内に突出すると共に、当該可動支持部68には、連結支持部76の端部を嵌め込むようにして支持可能な凹部68aが形成されている。そして、荷室12内で、当該連結支持部76が凹部68aに回転可能に支持されている。
この可動支持部68および内部移動体64は、レール本体部32のうち車両10後方側に設けられた規制片34aによって、スライダ本体部63がレール本体部32のうち車両10の最後方位置に達するよりも手前で当該規制片34aに当接して停止するように位置規制されている。つまり、スライダ部60がレール部30に沿って車両10方向に移動する際、可動支持部68および内部移動体64が規制片34aによって位置規制された後、スライダ本体部63がさらに車両10後方に移動できるようになっている。
スライダ駆動機構部40は、伝達部42と、蓄力付勢部材としての渦巻ばね50とを有している。
伝達部42は、ハッチバックドア14の開動作を受けてスライダ部60を車両前方に移動可能に構成されている。より具体的には、伝達部42は、第1巻胴部43と第2巻胴部44と第2ワイヤ45とを有している。
第1巻胴部43および第2巻胴部44とは、同軸上で一体回転可能に連結されており、レール部30の長手方向中間部で、巻胴部収容ハウジング46を介して回転可能に支持されている。
第1巻胴部43は、略円盤状に形成されており、第1ワイヤ54を巻回可能に構成されている。ここで、第1ワイヤ54は、巻回可能な線状部材であり、その一端部はハッチバックドア14に連結されている。そして、ハッチバックドア14を開くと当該第1ワイヤ54の一端部が荷室12の開口外方に向けて引っ張られ、ハッチバックドア14を閉じると第1ワイヤ54に余剰長が生じるようになっている。また、第1ワイヤ54の他端部は第1巻胴部43に連結されており、ハッチバックドア14を閉じることによって生じる第1ワイヤ54の余剰長部分が第1巻胴部43に巻き戻し可能に構成されている。なお、ここでは、第1ワイヤ54は、荷室12の側壁部13の一部であるリアピラーガーニッシュ13c内を通って配設されている。
第2巻胴部44は、第1巻胴部43と連動して回転可能に構成されている。ここでは、第1巻胴部43は、第2巻胴部44と同軸上に一体的に連結されることで、当該第2巻胴部44と一体回転可能に構成されているが、その他、別々に回転可能に支持され、ギヤや無端環状ベルト等を介して連動回転可能とされた構成であってもよい。
第2ワイヤ45は、ここでは2本用いられており、それぞれレール部30の両端側に回転自在に支持されたプーリー体48に巻き掛けられている。また、それぞれの第2ワイヤ45の一端部は、レール本体部32の側方を通ってその長手方向中間部で第2巻胴部44に巻き付けられると共に、それぞれの他端部がレール本体部32内を通ってスライダ部60の一対の支持端部63bにそれぞれ連結固定されている。そして、第2巻胴部44の回転に連動して、第2ワイヤ45がレール部30周りを回転するように動き、これに伴ってスライダ部60を引っ張るようにしてレール部30に沿って移動させる。なお、このような構成は、第2ワイヤ45として、1本のワイヤを用いることによっても実現できる。
また、渦巻ばね50は、ハッチバックドア14の開放操作を受けて、第1ワイヤ54が第1巻胴部43から引き出されて当該第1巻胴部43が回転することで、第1巻胴部43を、第1ワイヤ54を巻き取る方向およびスライダ部60をレール部30の後方に付勢する方向への付勢力を蓄えるように構成されている。ここでは、渦巻ばね50の内周端部が第1巻胴部43の中心軸部に固定されると共に、渦巻ばね50の外周端部が巻胴部収容ハウジング46に固定されている。そして、第1ワイヤ54が引き出されるように第1巻胴部43が回転すると、これに連動してスライダ部60を車両10前方上方に移動させつつ、渦巻ばね50が縮径するように弾性変形し、反対方向への回転力、即ち、スライダ部60を車両後方下方に移動させる付勢力を蓄える。そして、ハッチバックドア14の閉操作により閉じられると、渦巻ばね50に蓄えられた付勢力を解放して、第1巻胴部43を反対方向に回転させて第1ワイヤ54を巻き取ると共に、これに連動して第2巻胴部44を同方向に回転させてスライダ部60を車両10後方下方に移動させる。
なお、スライダ部60がレール部30に沿って後方に移動する際には、当該スライダ部60には、スライダ部60自体の自重やそれに掛かるトノボード部70等の自重等も作用する。このため、渦巻ばね50による付勢力は、それらの荷重をも考慮して、トノボード部70を展開できる程度の付勢力に設定される。それらの荷重を考慮すると、渦巻ばね50に要求される付勢力はそれほど大きくする必要はない。
また、渦巻ばね50は、ハッチバックドア14が閉じられた閉鎖状態、即ち、スライダ部60が車両後方下端部に移動してトノボード部70が面一状に展開した状態でも、縮径するように付勢しており、第1巻胴部43を、第1ワイヤ54を巻き取る方向に付勢すると共に、第2巻胴部44を、スライダ部60をレール部30の後方に向けて移動させる方向に付勢している。
なお、第1ワイヤ54の一端部は、ワイヤ固定部55を介してハッチバックドア14に連結固定されている。
ワイヤ固定部55は、細長形状のハウジング55aと、ワイヤ端固定具55cと、付勢部材としてのコイルバネ55eとを備えており、ハッチバックドア14に取付固定されたドア側固定具55bを介してハッチバックドア14に連結固定される(図17、図21参照)。
ワイヤ端固定具55cは、棒状部分の一端部に棒状部分よりも太径の頭部が設けられた構成とされ、その他端部に第1ワイヤ54の一端部が連結固定されている。また、ワイヤ端固定具55cの棒状部分にコイルバネ55eが套嵌されている。また、ハウジング55aは、中空筺状に形成され、その内部に、ワイヤ端固定具55cが移動可能、かつ、コイルバネ55eが伸縮可能に配設されている。そして、第1ワイヤ54を引っ張ると、コイルバネ55eが縮んで、その縮んだ分だけ第1ワイヤ54がワイヤ固定部55から引き出される。また、第1ワイヤ54を引っ張る力を解除すると、コイルバネ55eが伸びて、その伸びた分だけ第1ワイヤ54がワイヤ固定部55内に引き戻されるようになっている。ハッチバックドア14側にはドア側固定具55bが、予め、取付固定されており、このドア側固定具55bにワイヤ固定部55のハウジング55aが着脱自在に連結固定されている。
そして、ハッチバックドア14を開けた際に、スライダ部60がレール部30の前端部に停止し、第1巻胴部43からの第1ワイヤ54の引き出しが停止された状態で、ワイヤ固定部55から若干量の第1ワイヤ54の引き出しを可能にしている。
ここで、ハッチバックドア14の設計上の開閉範囲の上限および下限において、コイルバネ55eを適宜長収縮させた状態にすることで、ワイヤ端固定具55cがハウジング55a内における移動範囲の略中央に位置するように設定しておくとよい。これにより、ハッチバックドア14の実際の開閉範囲が、設計上の開閉範囲よりも大きい場合(例えば、+5゜大きい場合等)には、コイルバネ55eを収縮させて第1ワイヤ54を引き出して不足長分を補うことができる。一方、ハッチバックドア14の実際の開閉範囲が、設計上の開閉範囲よりも小さい場合(例えば、−5゜小さい場合等)には、コイルバネ55eが伸びることで、第1ワイヤ54を引き込んで弛みとなる余剰長分を解消することができる。この場合に、ハッチバックドア14を閉じた場合に生じた第1ワイヤ54の余剰長は、本ワイヤ固定部55にて優先的に引き戻すようにしてもよいし、第1巻胴部43にて優先的に巻き取るようにしてもよい。どちらを優先的に機能させるかは、コイルバネ55eや渦巻ばね50の付勢力によって適宜設定することができる。
<全体動作>
以上のように構成されたトノカバー装置20の全体動作について説明する。
図21はハッチバックドア14が閉じた位置からヒンジ部回りに30゜回転して開いた状態を示す斜視図であり、図22は同状態を示す側面図であり、図23はハッチバックドア14が閉じた位置からヒンジ部回りに60゜回転して開いた状態を示す斜視図であり、図24は同状態を示す側面図であり、図25はハッチバックドア14が閉じた位置からヒンジ部回りに90゜回転して完全に開いた開放状態を示す斜視図であり、図26は同状態を示す側面図である。
まず、ハッチバックドア14が閉じた閉鎖状態では、図1〜図4、図21に示すように、スライダ部60は、レール部30の下端後端位置にあり、トノボード部70およびトノカバー部77は展開して荷室12の上方を完全に覆った状態となっている。また、第1ワイヤ54は、第1巻胴部43に巻回された状態となっている。さらに、この初期状態でも、渦巻ばね50の初期付勢力によって、スライダ部60のスライダ本体部63は、コイルバネ65の付勢力に抗してレール部30の後方側に付勢されており、内部移動体64は、一対の支持端部63bの略中間部に位置している(図18参照)。この初期状態では、スライダ部60は後方に付勢されている。この付勢力およびトノカバー部77の巻取方向の付勢力により、スライダ部60およびトノボード部70、トノカバー部77のがたつきが抑制されている。
この状態で、利用者の操作等によってハッチバックドア14が開放操作されると、図21および図22に示すように、第1ワイヤ54が第1巻胴部43から引き出され、当該引き出しに伴い第1巻胴部43および第2巻胴部44が回転する。これにより、第2ワイヤ45が一対のプーリー体48周りに回転移動し、スライダ部60がレール部30に沿って車両10前方側の上方向に移動する。これにより、スライダ部60および当該スライダ部60に連結支持されたトノボード部70の後端部およびトノカバー部77のシート巻取部79が初期位置より上方に持上げられつつ、前方に移動する。すると、トノボード部70は、後方の板状部72b、72c、72d間の屈曲部74で屈曲される。この際、トノボード部70の後端部は、上方に持上げられつつ前方に移動するので、比較的小さい力でかつ円滑に、トノボード部70の後方部分をその前方部分上に配設するように、当該トノボード部70を屈曲させることができる。また、トノカバー部77のシート部材78における第2カバー部78bがシート巻取部79から徐々に引き出される。
さらに、大きくハッチバックドア14が開動作されると、図23および図24に示すように、第1ワイヤ54がさらに大きく引き出され、スライダ部60がレール部30に沿ってさらに車両10前方側に移動する。これにより、トノボード部70の後端部およびトノカバー部77のシート巻取部79がさらに上方に持上げられつつ、前方に移動する。すると、トノボード部70は、後方の板状部72b、72c、72d間の屈曲部74でさらに大きく屈曲され、略Z字状に折畳まれるようになる。また、トノカバー部77の第2カバー部78bはシート巻取部79からさらに引き出される。
なお、図21〜図24に示すようにスライダ部60がレール部30の長手方向中間部に移動した状態では、図19に示すように、規制片34aによる可動支持部68および内部移動体64の位置規制が解除されるので、内部移動体64は、コイルバネ65の付勢力によって、後方の支持端部63b側に付勢された状態となる。
そして、ハッチバックドア14が完全に開いた開放状態になると、図25および図26に示すように、第1ワイヤ54がさらに大きく引き出され、スライダ部60がレール部30に沿って移動し、レール部30の車両10前端位置に移動する。これにより、トノボード部70の後端部およびトノカバー部77のシート巻取部79がさらに上方に持上げられつつ、前方に移動する。すると、トノボード部70は、上記状態から、前方の板状部72aとそれよりも後方の板状部72b間の屈曲部74でも屈曲され、トノボード部70は、その後方部分をその前方部分上に折畳むようにして荷室12の上方、特に、上方後部を開放させる。また、トノカバー部77の第2カバー部78bはシート巻取部79からより一層引き出される。
これにより、利用者は、荷室12の上方後方から荷室12内にアクセスして、当該荷室12内に対して荷物を出し入れできるようになる。
また、この状態では、トノボード部70の後端部は、一対のレール部30の上端部まで上がるだけである。トノボード部70は複数箇所で屈曲されているから、その最上端部は、従来のようにトノボードを二つ折りした場合よりも十分に低い。従って、トノボード部70の最上端部である後端部と荷室12の天井面との間に十分な空間を設けることができる。従って、シート部材78の先端部をハッチバックドア14から取り外せば、トノボード部70と荷室12の天井面との間の空間を利用して、リヤシートと荷室12の開口との間で荷物の受渡しを容易に行うことができる。
また、製造上或いは組付上の誤差等が原因で、上記のようにハッチバックドア14を完全に開く手前で、スライダ部60がレール部30の最前方位置に達して停止した場合には、上記ワイヤ固定部55から若干第1ワイヤ54が引き出される。これにより、スライダ部60がレール部30の最前方位置に位置した状態からも、ハッチバックドア14をさらに開いて完全に開いた状態にすることができる。つまり、スライダ部60がレール部30の最前方位置に停止した状態における第1ワイヤ54の長さ寸法と、ハッチバックドア14が完全に開いた状態で必要とされる第1ワイヤ54の長さ寸法とが一致していない場合に、その誤差を吸収することができるようになっている。
そして、ハッチバックドア14の開放状態からハッチバックドア14を閉鎖操作して、ハッチバックドア14を閉じると、渦巻ばね50に蓄勢された付勢力が解放され、渦巻ばね50の付勢力により第1巻胴部43および第2巻胴部44が回転する。そして、第1巻胴部43の回転により第1ワイヤ54が巻回される。また、第2巻胴部44の回転により、第2ワイヤ45が一対のプーリー体48周りを周回状に移動し、スライダ部60がレール部30に沿って車両10後方下方に移動する。これにより、スライダ部60および当該スライダ部60に連結支持されたトノボード部70の後端部およびトノカバー部77のシート巻取部79が下降しつつ後方に移動する。そして、スライダ部60がレール部30の後端の下端部位置に達すると、トノボード部70は面一状に展開し、シート部材78の第2カバー部78bはシート巻取部79内に巻き取られて、第1カバー部78aとトノボード部70により荷室12の上方を覆った状態に復帰する。
なお、この状態では、渦巻ばね50の初期付勢力によって、スライダ部60のスライダ本体部63は、コイルバネ65の付勢力に抗してレール部30の後方側に付勢された状態に戻る。つまり、スライダ部60のうち可動支持部68および内部移動体64がレール部30の後端部位置の手前で規制片34aによって位置規制されて停止した状態で、スライダ本体部63を渦巻ばね50の付勢力によってさらに車両10後方に移動させ、第1巻胴部43および第2巻胴部44を回転させることができる。これにより、ハッチバックドア14を閉じてスライダ部60の可動支持部68および内部移動体64が停止した状態で、さらに第1ワイヤ54を巻き取ることができる。従って、可動支持部68および内部移動体64が後方位置に停止した状態における第1ワイヤ54の長さ寸法と、ハッチバックドア14が完全に閉じた状態で適切とされる第1ワイヤ54の長さ寸法とが一致していない場合に、その誤差を吸収できるようになっている。
以上のように構成されたトノカバー装置20によれば、ハッチバックドア14を開放操作すると、その開動作に伴って第1ワイヤ54がスライダ駆動機構部40から引き出され、スライダ部60がレール部30の下端部からレール部30に沿って車両10前方に向けて上方向に移動する。これにより、トノボード部70の後端部やトノカバー部77の前端部が前方上方に移動し、荷室12の上方が開放される。
また、ハッチバックドア14は上方に回動して開放操作されるため、シート部材78はハッチバックドア14の開動作に伴ってシート巻取部79から引き出されつつ移動する。この際、荷室12後方の対向するリアピラーガーニッシュ13cの間隔は、上方に向かって漸次狭くなっているが、引き出される第2カバー部78bには、リアピラーガーニッシュ13cに対向して切欠部78cが形成されており、操作時における相互干渉が防止される。
このハッチバックドア14の開放状態においては、第1カバー部78aおよび第2カバー部78bがシート巻取部79から引き出された状態となっており、第2カバー部78bにおける最も幅狭とされた幅狭位置より、シート部材78の引き出し方向に向けて幅広となる広がり領域部Sにおいて、その両側部(図7の仮想線位置より外側方部分)に図10に示されるような垂れ下がり部100が生じるおそれがあるが、棒状芯材91によってその両側部分の下方への垂れ下がりが有効に防止される。
なお、図7に示されるように、前記幅狭位置よりシート部材78の巻取方向に向けて幅広となる広がり領域部Tにおいても、その両側部(仮想線位置より外側部分)に垂れ下がり部が生じるおそれがあるが、シート巻取部79の巻芯79a(図9参照)によって巻き取られる際には、広がり領域部Tにおける幅広位置側から漸次巻き取られていくため、垂れ下がり部が生じていても、巻き取りにつれてその垂れ下がり部が元の平面状態に戻されながら巻き取られていくため、何ら支障が生じない。
そして、この開放状態よりハッチバックドア14を閉鎖操作すると、スライダ駆動機構部40の渦巻ばね50により、スライダ部60を車両10後方に移動させて、トノボード部70を面一状に展開させると共に、トノカバー部77の第2カバー部78bを巻き取った初期状態で荷室12の上方を覆うことができる。
このハッチバックドア14の閉鎖操作時におけるトノカバー部77のシート部材78の巻き取りに際して、広がり領域部Sにおける垂れ下がり部100の発生が、棒状芯材91の保形作用によって有効に防止されているため、シート巻取部79内に第2カバー部78bが巻き取られる際に折り重なった状態での巻き込みがなく、巻取動作が円滑になされる。従って、切欠部78cの形状や大きさにかかわらず対応することが可能となり、シート部材78に折り癖が生じず、見栄えの向上が図れ、耐久性にも優れるという利点がある。
また、シート部材78における第1カバー部78aと第2カバー部78bとを縫製する部分に垂れ下がり防止手段としての棒状芯材91を設けた構造としており、第1カバー部78aと第2カバー部78bとの縫製と同時に棒状芯材91を取り付けることができ、組み付け作業が容易で、その作業時間も短縮できる利点がある。
さらに、トノカバー部77におけるシート巻取部79が、ハッチバックドア14の開放操作に連動して車両10上方向に移動されると共に、ハッチバックドア14の閉鎖操作に連動して車両10下方向に移動される構造とされており、ハッチバックドア14の開放状態で、シート巻取部79が上方に移動した位置にあるため、トノカバー部77を上方に大きく開放することができ、利用者にとって荷室12内が確認しやすく、荷物の積み卸し作業がより容易になるという利点がある。
<変形例>
図27は第2の実施形態を示しており、シート巻取部79における巻芯79a部分の説明図である。即ち、トノカバー部77におけるシート部材78の第2カバー部78bに設けられる垂れ下がり防止手段としての棒状芯材91が、広がり領域部Sに、シート部材78の引き出し方向に離隔して複数(本実施形態では2本)位置に配置されると共に、シート巻取部79の巻芯79aに第2カバー部78bが巻き取られた際に、各棒状芯材91が巻芯79aの中心から放射方向に対して、互いに重ならない位置に配置された構造とされている。その他の構造は前記第1の実施形態と同様とされている。
従って、本実施形態においても上記同様の効果が得られると共に、複数の棒状芯材91によって、広がり領域部Sにおける垂れ下がりがより確実に防止できる。また、シート巻取部79にシート部材78が巻き取られた際の巻き径が大きくなるのを有効に防止でき、コンパクト化が図れる。
なお、上記各実施形態においては、トノカバー部77だけでなく、トノボード部70をも備えた構造を示しているが、トノボード部70を備えない構造であってもよい。この際、本実施形態では、トノカバー部77のシート巻取部79がハッチバックドア14の開閉操作に連動して上下方向に移動される構造を示しているが、シート巻取部79を荷室12側に着脱自在に位置決め状態で取り付ける構造であってもよい。
また、垂れ下がり防止手段として棒状芯材91を用いた構造を示しているが、シート巻取部79によるシート部材78の巻き取りや引き出し操作に支障を生じないで、垂れ下がりを防止できる保形構造であればよい。
車両に設けられた車両用トノカバー装置を示す斜視説明図である。 同側面説明図である。 同内部構成を示す側面説明図である。 ハッチバックドアを閉じた状態を示す説明図である。 ハッチバックドアを途中まで開いた状態を示す説明図である。 ハッチバックドアを完全に開いた状態を示す説明図である。 トノカバー部材および後部トノカバー部材を示す平面図である。 トノカバー部材および後部トノカバー部材を示す側面図である。 同要部拡大断面図である。 図7のX−X線断面図である。 図7のXI−XI線断面図である。 レール部、スライダ駆動機構部およびスライダ部を示す斜視図である。 図12のXIII−XIII線断面図である。 図12のXIV−XIV線断面図である。 図12のXV−XV線断面図である。 スライダ駆動機構部およびスライダ部を示す分解斜視図である。 スライダ駆動機構部を示す分解斜視図である。 スライダ部がレール部の下端部に位置する状態を示す説明図である。 スライダ部がレール部の中間部に位置する状態を示す説明図である。 スライダ部がレール部の上端部に位置する状態を示す説明図である。 ハッチバックドアが閉じた位置から30゜回転して開いた状態を示す斜視図である。 同側面図である。 ハッチバックドアが閉じた位置から60゜回転して開いた状態を示す斜視図である。 同側面図である。 ハッチバックドアが完全に開いた状態を示す斜視図である。 同側面図である。 変形例を示す要部説明図である。
符号の説明
10 車両
12 荷室
13 側壁部
13c リアピラーガーニッシュ
14 ハッチバックドア
20 トノカバー装置
30 レール部
40 スライダ駆動機構部
60 スライダ部
70 トノボード部
77 トノカバー部
78 シート部材
78a 第1カバー部
78b 第2カバー部
78c 切欠部
79 シート巻取部
79a 巻芯
90 縫製部
91 棒状芯材

Claims (3)

  1. 対向するリアピラーガーニッシュの間隔が、車両の下方から上方に向かって荷室幅より漸次狭く形成されているハッチバックタイプの車両に設けられ、ハッチバックドアの操作に連動して引き出しおよび巻き取り可能とされた車両用トノカバー装置において、
    車両の荷室を覆って引き出し側端部が前記ハッチバックドアに連結されると共にハッチバックドア開放状態で前記リアピラーガーニッシュと対向する両側部分に切欠部が形成されたトノカバーシートと、荷室に取り付けられると共にトノカバーシートの基部が連結されてトノカバーシートを巻き取る方向に付勢するシート巻取部とを備え、
    前記切欠部により形成された幅狭位置よりトノカバーシートの引き出し方向に向けて幅広となる広がり領域部に垂れ下がり防止手段を設け
    前記トノカバーシートは、前記ハッチバックドアの閉鎖状態で前記シート巻取部から引き出されている第1カバー部と、該第1カバー部に縫製されて連続し、ハッチバックドアの開放操作により引き出されると共に前記切欠部が形成されている第2カバー部とからなり、
    前記第1カバー部と前記第2カバー部との縫製と同時に前記垂れ下がり防止手段を取り付ける態様で、前記第1カバー部と前記第2カバー部とを縫製する部分に前記垂れ下がり防止手段を設けたことを特徴とする車両用トノカバー装置。
  2. 請求項1に記載の車両用トノカバー装置において、
    前記シート巻取部が、ハッチバックドアの開放操作に連動して車両上方向に移動されると共に、ハッチバックドアの閉鎖操作に連動して車両下方向に移動されることを特徴とする車両用トノカバー装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の車両用トノカバー装置において、
    前記垂れ下がり防止手段は、前記トノカバーシートの幅方向に沿って装着された棒状芯材からなり、
    前記棒状芯材は前記トノカバーシートの引き出し方向に離隔して複数位置に配置されると共に、前記シート巻取部の巻芯に対してトノカバーシートが巻き取られた際に、各棒状芯材が互いに重ならない位置に配置されていることを特徴とする車両用トノカバー装置。
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