<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図12によって説明する。図1は、本実施形態のサンシェード装置20が取り付けられた車両用ドア10の上部を示す正面図である。なお、図1〜図5の左側を車両前方とし、右側を車両後方として説明する。
本実施形態の車両用ドア10(車両パネル)は、車両のサイドドアとして使用されるもので、金属製のインナパネル及びアウタパネル(図示せず)、インナパネルを車室内側から覆う形で配される合成樹脂製のドアトリム11を備えている。
また、車両用ドア10は、ウインドウガラス13(サイドウインドウ)と、ウインドウガラス13を保持するウインドウフレーム14と、を備えている。
ウインドウフレーム14は、ウインドウガラス13の外縁を囲む形で設けられている。ウインドウフレーム14の上端部は、水平方向に沿って延びるフレーム水平部15と、車両後方(図1の右側)に向かうにつれて下降傾斜するフレーム傾斜部16と、を備えている。
フレーム傾斜部16は、フレーム水平部15の車両後端(延設方向における一端)から延びている。フレーム傾斜部16は、フレーム水平部15の延長線L1に対して当該サンシェード装置20側に向かうように傾斜するものとされる。
図6に示すように、サンシェード装置20は、ドアトリム11の車室内側に設けられている。なお、図1では、ドアトリム11の車室内側にあるサンシェード装置20を実線にて図示してある。
サンシェード装置20は、シェード21と、シェード21を巻き取り可能な巻取軸23と、巻取軸23を格納可能な格納ケース25と、を備えている。
シェード21は、ウインドウガラス13から差し込む光を遮光するためのもので、シート状の可撓性部材とされる。シェード21は、図5に示すように、ウインドウガラス13のほぼ全面を車室内側から覆うことが可能な大きさとされる。
シェード21としては、例えば、半透明シート、不透明シート、メッシュシート、織布等を例示することができる。また、シェード21の材料としては、例えば、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂等の合成樹脂材料を例示することができるが、これに限定されるものではない。
シェード21の上端部(シェード21における格納ケース25からの引き出し方向側の端縁部)は、図5に示すように、ウインドウガラス13の外縁部、ひいてはウインドウフレーム14の上端部に沿った形状をなしている。
シェード21の上端部は、フレーム水平部15に沿って延びる第1シェード端縁部22Aと、フレーム傾斜部16に沿って延びる第2シェード端縁部22Bを有している。
第1シェード端縁部22Aは、巻取軸23の軸方向に沿って延びている。これに対して、第2シェード端縁部22Bは、車両後側に向かうにつれて下降傾斜するものとされる。つまり、第2シェード端縁部22Bは、第1シェード端縁部22Aに対して、巻取軸23側に傾斜するものとされる。
第2シェード端縁部22Bには、例えば、不織布や合成樹脂板などからなる補強部材が設けられており、その周囲の部分よりも撓みにくい構成となっている。なお、この補強部材の一部は、第2シェード端縁部22Bの中央部から下方に延設された延設部22Cとされる。
巻取軸23は、車両前後方向に長い形状をなしており、その両端部において格納ケース25に取り付けられている。巻取軸23は、その軸線を回動軸として回動可能に取り付けられている。
巻取軸23には、コイルスプリング(図示せず)が内蔵されており、コイルスプリングの復元力によって、巻取軸23が回転することで、シェード21を自動的に巻き取り可能な構成となっている。つまり、シェード21の上端部(後述するプレート30を含む)は、巻取軸23側(図1の下側、巻き取り方向)に付勢される構成となっている。
なお、乗員は、巻取軸23のコイルスプリングの復元力(付勢力)に抗してシェード21を上方へ引き出すことでシェード21を展開させることができる。
また、巻取軸23は、図1に示すように、フレーム水平部15の延設方向に沿う長手状をなしている。巻取軸23の長さは、図5に示すように、シェード21の基端部の長さよりもわずかに長いものとされる。つまり、巻取軸23は、フレーム水平部15及びフレーム傾斜部16の双方に亘って延びている。
格納ケース25は、例えば、合成樹脂材料やアルミニウム等の金属材料により構成されている。格納ケース25は、図6に示すように、例えば、ドアトリム11を構成するトリムボード12の上端に取り付けられており、ドアトリム11の車室外側の端部を構成するものとされる。
巻取軸23及び巻取軸23に巻き取られた状態のシェード21は、格納ケース25の内部に格納される構成となっている。
格納ケース25の上部には、上下方向に貫通された引き出し孔27が形成されている。引き出し孔27は、図1の2点鎖線で示すように、巻取軸23の上方に配されており、巻取軸23の軸方向(長手方向)に沿って延びる長手状をなしている。
シェード21は、格納ケース25に格納された格納状態から引き出し孔27を通じて外部に引き出すことができる。これにより、シェード21は、格納状態(図1及び図6参照)と、ウインドウガラス13のほぼ全面を車室内側から覆う展開状態(図5参照)と、の間で変化可能な構成とされる。
また、図6に示すように、格納ケース25において引き出し孔27の内面には、突起部28が設けられている。この突起部28は、後述するプレート30を下方から支持する構成となっている。これにより、プレート30は、図6に示すように、引き出し孔27を塞ぐ形で保持される。
プレート30は、図5に示すように、シェード21の上端部に取り付けられている。プレート30は、合成樹脂材料やアルミニウム等の金属材料で形成された板状部材とされる。なお、このようなプレート30は、シェードフレームと呼ばれることもある。
本実施形態では、ウインドウフレーム14の上端部がフレーム水平部15とフレーム傾斜部16とを備えている。これに対応してプレート30は2つの部材から分割構成されている。
具体的には、プレート30は、フレーム水平部15に対応する第1プレート31と、フレーム傾斜部16に対応する第2プレート32から構成されている。
第1プレート31は、第1シェード端縁部22Aに取り付けられ、第1シェード端縁部22Aの全長に亘って延びている。言い換えると、第1プレート31は、フレーム水平部15に沿って延びる長手状をなしている。
また、第1プレート31において、長手方向(車両前後方向、図1の左右方向)の両端部には、フック孔31Aが、それぞれ貫通形成されている。フック孔31Aに対応してフレーム水平部15にフック15Aが設けられている。
各フック孔31Aに、各フック15Aを挿通させることで、第1プレート31をフック15Aに引っ掛けることができ、シェード21を展開状態で保持することが可能となっている。
また、第1プレート31において、車両前後方向の中央部には、図1に示すように、乗員がシェード21を格納ケース25の外部へ引き出すために把持される掴みノブ31B(把持部)が設けられている。
第2プレート32は、第1プレート31の車両後端部(第1プレートの延設方向における第2シェード側の端部)から延び、第1プレート31に対して回動可能に取り付けられている。図7及び図8は、第1プレート31と第2プレート32との取付構造を示す図である。第1プレート31及び第2プレート32は、図7に示すように板状の連結プレート33を介して連結されている。
第1プレート31は、図7に示すように車室内外方向に分割された一対の半割体(車室内側部材34及び車室外側部材35)を溶着などで互いに組み付けることで構成されている。また、第2プレート32は、車室内外方向に分割された一対の半割体(車室内側部材36及び車室外側部材37)を溶着などで互いに組み付けることで構成されている。
連結プレート33は長手状をなしている。連結プレート33の車両前側の部分は、車室内側部材34及び車室外側部材35によって挟み込まれている。また、連結プレート33の車両後側の部分は、車室内側部材36及び車室外側部材37によって挟み込まれている。
車室内側部材34及び車室外側部材35において互いの対向面には、連結プレート33の車両前側の部分が嵌合される嵌合凹部34A,35Aがそれぞれ形成されている。嵌合凹部35Aの底面には、平面視十字状をなす突部35Bが形成されている。
また、車室内側部材34(第1プレート31)の嵌合凹部34Aの底面において突部35Bと対向する箇所には、平面視円環状をなす延設壁部34Bが車室外側部材35に向かって立設されている。延設壁部34Bの内部には、突部35Bが延設壁部34Bの内面と当接する形で配される(図8参照)。これにより、車室内側部材34及び車室外側部材35は互いに位置決めされている。
また、延設壁部34Bは、連結プレート33の挿通孔33Aに挿通されている。挿通孔33Aは、円形状をなしている。これにより、連結プレート33は、挿通孔33Aを回動中心として第1プレート31に対して回動可能に取り付けられている。
車室内側部材36及び車室外側部材37において互いの対向面には、連結プレート33の車両後側の部分が嵌合される嵌合凹部36A,37Aがそれぞれ形成されている。嵌合凹部37Aの底面には、平面視十字状をなす突部37Bが形成されている。
また、車室内側部材36(第2プレート32)の嵌合凹部36Aにおいて突部37Bと対向する箇所には、方形枠状をなす延設壁部36Bが形成されている。延設壁部36Bの内部には、突部37Bが延設壁部36Bの内面と当接する形で配される。これにより、車室内側部材36及び車室外側部材37は互いに位置決めされている。
また、連結プレート33において延設壁部36Bと対応する箇所には、挿通孔33Bが形成されている。挿通孔33Bは、突部37Bが嵌合可能な方形状をなしている。
連結プレート33の車両前側の部分の上面は、図8に示すように、車両前方に向かうにつれて下降傾斜するストッパ面33Dとされる。第1プレート31及び第2プレート32が直線状に配されている直線状態(図8の実線で示す)では、嵌合凹部35Aの内面とストッパ面33Dとの間には、隙間が設けられている。この隙間の分だけ、連結プレート33(ひいては第2プレート)は、時計回りに回動可能となっている。
回動された連結プレート33のストッパ面33Dが嵌合凹部35Aの内面に対して下方から当接することで、これ以降の連結プレート33の回動が規制される構成となっている。これにより、プレート30は、第1プレート31と第2プレート32とが直線状に配される直線状態と、第1プレート31に対して第2プレート32が傾いて配される傾斜状態(図8の2点鎖線で示す)との間で変化可能な構成となっている。
傾斜状態では、第2プレート32が、車両後方に向かうにつれて下降傾斜する角度で配される。傾斜状態の第2プレート32は、図5に示すように、フレーム傾斜部16に沿った姿勢とされる。
また、図8に示すように、円環状をなす延設壁部34Bには、弾性変形可能なトーションバネ38が巻回されている。トーションバネ38の一端部38Aは、車室内側部材34の嵌合凹部34Aの底面に凹設された溝部34Dに嵌め込まれている。一方、トーションバネ38の他端部38Bは、第2プレート32の延設壁部36Bに当接されている。
直線状態においては、トーションバネ38は自然状態で配されている。これに対して、傾斜状態では、第1プレート31及び第2プレート32によって、トーションバネ38は圧縮された状態となる。このため、傾斜状態の第2プレート32は、トーションバネ38の復元力によって、反時計回りに回動変位され、直線状態となる。
本実施形態では、図1に示すように、格納状態においてプレート30が直線状態となっている。これにより、直線状のプレート30によって、引き出し孔27を、その全長に亘って塞ぐ構成となっている。
また、フレーム傾斜部16には、傾斜状態の第2プレート32を保持可能なプレート保持部材17が設けられている。図12に示すように、プレート保持部材17は、例えば、フレーム傾斜部16に対してねじ止めなどで固定されている。なお、図12の左側が車室内側、図12の右側が車室外側に対応している。
プレート保持部材17は、下方に開口されたプレート嵌合凹部18を有している。第2プレート32は、プレート嵌合凹部18に下方から挿通されることで車室内外方向及び上方への変位が規制される構成となっている。なお、プレート嵌合凹部18の内面には、フェルトなどの緩衝材18Aが貼り付けられている。これにより、第2プレート32がプレート保持部材17に当接する際の音の発生を抑制することができる。
また、図5に示すように、第2シェード端縁部22Bには、磁石22Dが設けられている。これに対応して第2プレート32には、磁石32B(図5のみで図示)が埋設されている。磁石22D及び磁石32Bの磁気吸引力によって、第2プレート32に対して第2シェード端縁部22Bが固定される構成となっている。なお、第2プレート32の材質が例えば、磁性体(例えば鉄など)である場合には、第2プレート32側の磁石32Bを備えていなくてもよい。
本実施形態のサンシェード装置20は、乗員がシェード21を格納ケース25から引き出す動作(展開状態にする動作)に連動して、第2プレート32を回動させ、第2プレート32を傾斜状態にするプレート回動装置50を備えている。
次に、プレート回動装置50の構成について説明する。プレート回動装置50は、紐部材51(可撓性を有する長尺部材)と、第2プレート32に内蔵された一対の滑車52,52と、格納ケース25に設けられた紐部材保持部60と、を備えている。
紐部材51は、乗員がシェード21を引き上げて展開させる力を利用して第2プレート32を第2シェード端縁部22B側に回動させる機能を担っている。紐部材51は、図5及び図6に示すように、例えば、シェード21の車室外側の面に配されている。
紐部材51の配索経路について、展開状態を基準として説明すると、紐部材51は、図3に示すように、その一端部A1(一端側の被固定部、点A1で図示)が第2シェード端縁部22Bの車両後端部に固定されている。
紐部材51は、図3及び図9に示すように、第2シェード端縁部22Bから第2プレート32側に延びた後、第2プレート32の内部(後述する貫通孔32A)を通って、巻取軸23側に折り返されている。
貫通孔32A(ひいては滑車52)から巻取軸23側に延びる紐部材51は、側面視U字状をなす紐部材保持部60(ケース側折り返し部)の内部を通って、第2プレート32側(巻取軸23から遠ざかる側)に折り返されている。
紐部材保持部60によって第2プレート32側に折り返された紐部材51の他端部A2(他端側の被固定部、点A2で図示)は、シェード21における延設部22Cの下端部に固定されている。なお、このような紐部材51は、例えば、合成樹脂材料からなるが、これに限定されるものではない。
図9は、第2プレート32の貫通孔32A付近を拡大して示す拡大図である。図9に示すように、貫通孔32A(プレート側折り返し部を構成)は、略U字状をなしており、両端がそれぞれ車室内側に開口するものとされる。
つまり、貫通孔32Aの2つの開口部は、第2プレート32の車室内側の面に形成されている。なお、貫通孔32Aの2つの開口部は、例えば、第2プレート32の下面に形成されていてもよい。
一対の滑車52,52は、第2プレート32の延設方向に沿って配列されている。一対の滑車52,52(プレート側折り返し部を構成)は、貫通孔32Aの角部にそれぞれ設けられている。紐部材51は、一対の滑車52,52に掛けられている。
具体的には、第2シェード端縁部22Bから第2プレート32側に延びる紐部材51は、2つの滑車52,52のうち、車両後端(第2プレートの延設端)側に配された一方の滑車52(符号52Aを付す)に掛けられた後、他方の滑車52(符号52Bを付す)に掛けられることで巻取軸23側に折り返されている。このように、紐部材51は、一対の滑車52,52に掛け渡されることで折り返される構成となっている。
図10に示すように、滑車52,52は、第2プレート32に対して回動可能に取り付けられている。紐部材51は、滑車52(プーリー)の外周面に接触されている。このように紐部材51の折り返し部分に滑車52を設けることで紐部材51が貫通孔32A内部を滑らかに進退可能となっている。
紐部材保持部60は、図6に示すように、格納ケース25の内面において車室外側の面に形成されている。また、紐部材保持部60は、巻取軸23とプレート30の間に設けられており、滑車22Bの下方に配されている。
紐部材保持部60は、図11に示すように、側面視においてU字状をなしており、車両前後方向に貫通する挿通孔61を有している。紐部材51は挿通孔61に挿通されている。
次に、本実施形態において、格納状態のシェード21を格納ケース25から引き出して展開状態とする際の作用について説明する。
図1及び図6に示すように、格納状態では、シェード21が巻取軸23に巻き取られた状態で、格納ケース25内に配されている。また、格納状態では、直線状態のプレート30によって引き出し孔27がその全長に亘って塞がれている。なお、この状態では、図6に示すように、プレート30の上面が、格納ケース25の上面とほぼ面一をなしている。
また、紐部材51の大部分は、格納状態では、シェード21とともに巻取軸23に巻き取られた状態となっている。このため、格納状態では、シェード21の内部領域に固定されている紐部材51の他端部A2(図1では図示せず)は、紐部材保持部60よりも下方に配されている。このため、図1に示すように、格納状態では、紐部材51が紐部材保持部60によって折り返されておらず、略上下方向に沿って延びる形で配されている。
図1の状態において、乗員(操作者)は、例えば掴みノブ31Bを把持し、これを引き上げる。これにより、プレート30及びシェード21が格納ケース25から引き出される。
図2に示すように、シェード引き出し操作の初期段階では、プレート30は直線状態を維持したまま上方に引き出される。また、紐部材51の他端部A2は、シェード21の引き出しに連動して上方へ変位する。
そして、紐部材51の他端部A2が紐部材保持部60よりも上方(ケース側折り返し部よりも巻取軸から遠ざかる側)に変位すると、紐部材51は、紐部材保持部60の上部に引っ掛かる。これにより、紐部材51は、紐部材保持部60の上部を基点として折り返された状態となる(図3参照)。また、図11においては、折り返された状態の紐部材51を2点鎖線で図示している。
紐部材51が、紐部材保持部60によって折り返された状態で、紐部材51の他端部A2がさらに上方に引っ張られる(図4において矢線T1で示す)と、紐部材51における紐部材保持部60と滑車52の間の部分51Aは、下方に引っ張られる(図4において矢線T2で示す)。
紐部材51の一端部A1は、第2シェード端縁部22Bに固定されている。このため、紐部材51における部分51Aが下方に引っ張られると、紐部材51によって、滑車52,52が第2シェード端縁部22B側に相対的に押圧される。
これにより、プレート30が上方へ変位する過程では、紐部材51から第2プレート32に対して時計回り(言い換えると、第2シェード端縁部22Bに近づく方向)の回転モーメントM1が作用する。この結果、トーションバネ38を圧縮させつつ、第2プレート32が回動する。
このため、紐部材51の他端部A2が上方へ変位するにつれて、紐部材51におけるプレート30の先端部と紐部材51の一端部A1との間の部分の長さX1は小さくなる。言い換えると、紐部材51の一端部A1は、貫通孔32Aの開口に接近する。
そして、展開状態(図5参照)では、第2プレート32は、第2シェード端縁部22B及びフレーム傾斜部16の双方に沿う姿勢で配された傾斜状態となる。この状態では、第2プレート32に設けられた磁石32Bと、第2シェード端縁部22Bに設けられた磁石22Dは接近することで互いに吸着される。これにより、第2シェード端縁部22Bは、第2プレート32に対して固定される。
また、傾斜状態になる過程では、第2プレート32は、プレート保持部材17のプレート嵌合凹部18に対して下方から挿通される。これにより、第2プレート32は、上方及び車室内外方向の変位が規制される。
また、乗員は、引き上げた第1プレート31のフック孔31Aにフック15Aを挿通させる。これにより、シェード21が展開状態で保持される。
次に、本実施形態において、展開状態のシェード21を格納状態にする際の作用について説明する。乗員が第1プレート31をフック15Aから取り外すと、巻取軸23によってシェード21が巻き取られる。これにより、プレート30及び紐部材51の他端部A2は下方へ変位する。
他端部A2が、紐部材保持部60に近づくにつれて、紐部材51が滑車52を押圧する力は低下する。つまり、紐部材51による第2プレート32の上方への回動規制が解除されることになる。
すると、傾斜状態の第2プレート32は、トーションバネ38の復元力によって反時計回り(言い換えると、第2シェード端縁部22Bから遠ざかる方向)に回動し、直線状態
となる。そして、直線状態のプレート30は、引き出し孔27に対して上方から嵌合される。これにより、シェード21が格納状態となる。
次に、本実施形態の効果について説明する。本実施形態では、上述したように、格納状態では、第1プレート31及び第2プレート32が引き出し孔27の長手方向に沿って直線状に配列される。
このため、引き出し孔27を広範囲に亘ってプレート30で塞ぐことができる。また、プレート30の一部(第2プレート32)を第2シェード端縁部22B及びウインドウフレーム14の双方に沿った姿勢に回動させるプレート回動装置50を備えている。これにより、展開状態においては、第2プレート32をウインドウフレーム14に沿って配することができる。
また、プレート回動装置50は、一端部A1が第2シェード端縁部22Bに固定されるとともに可撓性を有する紐部材51と、第2プレート32に設けられ、第2シェード端縁部22Bから第2プレート32側に延びる紐部材51を巻取軸23側に折り返す滑車52、及び貫通孔32Aと、を備え、シェード21を格納状態から展開状態に変化させる過程において、紐部材51が他端側に引っ張られることで、紐部材51によって滑車52が第2シェード端縁部22B側に相対的に押圧される構成とされる。
このような構成とすれば、紐部材51によって滑車52が第2シェード端縁部22B側に相対的に押圧されることで、第2プレート32を第2シェード端縁部22B側に回動させることができる。
また、格納ケース25に設けられ、滑車52Bから巻取軸23側に延びる紐部材51を巻取軸23から遠ざかる側に折り返すための紐部材保持部60を備え、シェード21を格納状態から展開状態に変化させる過程において、シェード21に固定された紐部材51の他端部A2が紐部材保持部60よりも上側(巻取軸23から遠ざかる側)に変位することで、紐部材51が他端側に引っ張られる構成とされる。
このような構成とすれば、シェード21を格納状態から展開状態に変化させる過程においては、紐部材51の他端部A2が上側に変位することで、紐部材51が他端側に引っ張られることとなり、第2プレート32を第2シェード端縁部22B側に回動させることができる。
また、プレート側折り返し部は、滑車52によって少なくとも構成されている。
このような構成とすれば、プレート側折り返し部において紐部材51との摩擦を低減させることができる。
また、プレート側折り返し部は、第2プレート32に貫通形成され、紐部材51が挿通される貫通孔32Aによって少なくとも構成されている。
第2プレート32に貫通形成された貫通孔32Aに紐部材51を挿通させることで、紐部材51を折り返すことができる。これにより、紐部材51を折り返す構成をより簡易な構成で実現することができる。
また、プレート側折り返し部は、第2プレート32の延設方向に沿って配列された2つの滑車52A,52Bによって少なくとも構成され、第2シェード端縁部22Bから第2プレート32側に延びる紐部材51は、2つの滑車52A,52Bのうち、第2プレート32の延設端側に配された一方の滑車52Aに掛けられた後、他方の滑車52Bに掛けられることで巻取軸23側に折り返されている。
このような構成とすれば、紐部材51によって一方の滑車52Aが第2シェード端縁部22B側に相対的に押圧される。一方の滑車52Aは、第2プレート32の延設端側に配されているから、第2プレート32に作用する回転モーメントをより高くすることができ、第2プレート32を回動させ易くすることができる。また、紐部材51は、一方の滑車52Aに掛けられた後、他方の滑車52Bによって巻取軸23側に折り返されている。このため、設計段階において他方の滑車52Bの位置を調整することで、紐部材51における巻取軸23側に折り返された部分の位置(紐部材51の配索経路)を容易に調整することができる。
また、第2プレート32の貫通孔32Aの両端がそれぞれ車室内側に開口されている。つまり、貫通孔32Aの開口は、第2プレート32における車室内側の面に形成されている。これにより、傾斜状態では、紐部材51の一端部A1が第2プレート32における車室内側の面に接近して配される。このため、傾斜状態では、第2プレート32の車室内側の面に第2シェード端縁部22Bの一部を重ねることができる。これにより、磁石22Dと磁石32Bとをより接近させて配することができ、第2プレート32によって第2シェード端縁部22Bを保持し易くなる。
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図13ないし図16によって説明する。上記実施形態と同一部分には、同一符号を付して重複する説明を省略する。
本実施形態のサンシェード装置120では、プレート回動装置の構成が上記実施形態と異なる。本実施形態のプレート回動装置150では、図13に示すように、プレート側折り返し部が一つの滑車52のみから構成されている。
第2プレート32には、図16に示すように、滑車52が内蔵されており、紐部材51は、貫通孔132Aを通じて第2プレート内へ導入され、滑車52に掛けられている。滑車52は、第2プレート32の長手方向の中央付近に設けられている。これに対応して紐部材51の一端部A1は、図14に示すように、第2シェード端縁部22Bにおいて滑車52の下方となる箇所に固定されている。
本実施形態においては、上記実施形態と同様に、図13に示す格納状態から、シェード21を引き上げることで、紐部材51の他端部A2が上方に変位する。これにより、紐部材51が紐部材保持部60に引っ掛かると、それ以降は、シェード21の上昇に連動して、第2プレート32が第2シェード端縁部22Bに近づくように回動する。この結果、図15に示す展開状態では、第2プレート32が第2シェード端縁部22Bに沿った姿勢とすることができる。
<実施形態3>
次に、本発明の実施形態3を図17ないし図20によって説明する。上記実施形態と同一部分には、同一符号を付して重複する説明を省略する。
本実施形態のサンシェード装置220では、図17及び図20に示すように、上記実施形態のプレート回動装置150を2組備えており、その点において上記実施形態と異なる。
本実施形態においては、上記実施形態と同様に、図17に示す格納状態から、シェード21を引き上げることで、各紐部材51の他端部A2がそれぞれ上方に変位する。これにより、各紐部材51が各紐部材保持部60に引っ掛かると、それ以降は、シェード21の上昇に連動して、第2プレート32が第2シェード端縁部22Bに近づくように回動する。
なお、本実施形態では、シェード21の上昇過程において、図18に示すように、車両後側(第2プレート32の先端側)に配された紐部材51が対応する紐部材保持部60に引っ掛かる。次に、図19に示すように、車両前側(第2プレート32の基端側)に配された紐部材51が対応する紐部材保持部60に引っ掛かる。
これにより、紐部材51の各々によって第2プレート32は、第2シェード端縁部22B側に回動される結果、第2プレート32は、図20に示すように、第2シェード端縁部22Bに沿った傾斜姿勢となる。
本実施形態では、2本の紐部材51によって第2プレート32と第2シェード端縁部22Bとが連結されている。このため、傾斜状態の第2シェード端縁部22Bを2本の紐部材51によって2箇所で確実に保持することができる。このため、上記実施形態で例示した第2シェード端縁部22Bの保持手段(磁石22Dと磁石32Bとの吸着による保持手段)を廃止することも可能となる。
<実施形態4>
次に、本発明の実施形態4を図21ないし図22によって説明する。上記実施形態と同一部分には、同一符号を付して重複する説明を省略する。
本実施形態のサンシェード装置320では、図21に示すように、第2プレートの形状、及び格納ケース25の引き出し孔の形状が上記実施形態と異なる。
本実施形態では、ドアトリム311の上端縁における車両後部が、車両後方に向かうにつれて上昇傾斜する形状をなしている。なお、このようなドアトリム311の上端縁の形状は、例えば、意匠や他部材との組付け性などを考慮して設定される。
シェード21を格納ケース25から引き出すための引き出し孔327は、ドアトリム311の上端縁に隣接して形成されている。このような引き出し孔327は、意匠性の観点からドアトリム311の上端縁に沿った形状とすることが好ましい。このため、引き出し孔327の車両後部は、車両後方に向かうにつれて上昇傾斜する傾斜部327Aとされる。
格納状態の第2プレート332(図21では2点鎖線で示す)は、引き出し孔327の傾斜部327Aに嵌合される。第2プレート332のうち傾斜部327Aに対応する部分では、第2プレート332の上面332Aが、車両後方に向かうにつれて上昇傾斜する傾斜面とされる。
これにより、図22に示すように、引き出し孔327の傾斜部327Aに第2プレート332が嵌合された状態では、第2プレート332の上面332Aが、傾斜部327Aの開口端とほぼ同じ高さで配される。
図22に示すように、仮に、第2プレート332の上面が水平方向に沿って延びている場合(この場合の上面332Bを2点鎖線で示す)には、傾斜部327Aの開口端と上面332Bの間には、上下方向に隙間S1が生じる。このような隙間S1が生じると、乗員からは、傾斜部327Aの開口が第2プレート332によって塞がれていないように視えてしまい、当該開口が目に付き易い。この結果、意匠性の低下が懸念される。
この点、本実施形態では、第2プレート332の上面332Aを傾斜部327Aの形状に沿う傾斜面としているから、傾斜部327Aと第2プレート332との間に生じる隙間をより小さくすることができる。これにより、傾斜部327Aを乗員の目に付き難くすることができ、意匠性をより高くすることができる。
また、第2プレート332は、展開状態では、上記実施形態と同様にプレート回動装置50の作用によって第2シェード端縁部22Bに沿った傾斜状態となる(図21参照)。
本実施形態のようにプレート回動装置50を備える構成であれば、第2プレート332を回動させることができ、第2プレート332とウインドウフレーム14との干渉を避けることができる。
言い換えると、ウインドウフレーム14の形状に関わらず第2プレート332の形状を設定することができる。このため、上述のように、第2プレート332を傾斜部327Aに対応した形状で設計することが可能となる。
また、本実施形態において、第2プレート332の下面332D(図22の2点鎖線で示す)を上面332Aと平行をなす傾斜面とし、第2プレート332の幅をその全長に亘って一定としてもよい。
<実施形態5>
次に、本発明の実施形態5を図23によって説明する。上記実施形態と同一部分には、同一符号を付して重複する説明を省略する。
本実施形態のサンシェード装置420では、図23に示すように、プレートの構成、及び格納ケース25の引き出し孔の形状が上記実施形態と異なる。
本実施形態では、ドアトリム411の上端縁における車両前部が、車両中央部に比べて高くなる形状をなしている。
引き出し孔427は、ドアトリム411の上端縁の形状に対応した形状をなしており、車両前部427Aが、車両中央部に比して上方に配されている。
本実施形態のプレート430は、3つの部材から分割構成されている。具体的には、プレート430は、フレーム水平部15に対応するプレート中央部431(第1プレート)と、フレーム傾斜部16に対応するプレート後端部432と、引き出し孔427の車両前部427Aに対応するプレート前端部433と、から構成されている。
プレート後端部432(第2プレートの一例)は、プレート中央部431の車両後端部に対して回動可能に取り付けられている。プレート前端部433は、プレート中央部431の車両前端部に対して回動可能に取り付けられている。
格納状態では、プレート前端部433、プレート中央部431、プレート後端部432は、直線状をなす直線状態で配列されており、引き出し孔427に嵌合されている。
プレート前端部433(第2プレートの一例)は、その上面433Aが引き出し孔427の車両前部427Aの形状に倣った形状をなしている。このため、直線状態では、プレート前端部433の上面433Aは、プレート中央部431の上面よりもわずかに高い位置に配されている。
そして、プレート後端部432には、プレート回動装置50が設けられ、プレート前端部433には、プレート回動装置150が設けられている。
これにより、シェード421を引き出す動作に連動して、プレート後端部432は、プレート回動装置50によって、第2シェード端縁部22Bに近づくように回動される。
また、シェード421を引き出す動作に連動して、プレート前端部433は、プレート回動装置150によって、第3シェード端縁部421Aに近づくように回動される。
そして、展開状態では、プレート後端部432が第2シェード端縁部22Bに沿った姿勢で配される。また、展開状態では、プレート前端部433が第3シェード端縁部421Aに沿った姿勢で配される。これにより、プレート前端部433の上面433Aが、フレーム水平部15に当接する事態を抑制できる。
なお、図23においては、展開状態のプレート430を2点鎖線で図示してある。また、展開状態のプレート中央部431に符号431Bを付し、プレート後端部432に符号432Bを付してある。また、展開状態のプレート前端部433に符号433Bを付してある。
<実施形態6>
次に、本発明の実施形態6を図24ないし図25によって説明する。上記実施形態と同一部分には、同一符号を付して重複する説明を省略する。本実施形態では、第1プレートと第2プレートとを連結するヒンジ機構の構成が上記実施形態と異なる。
上記実施形態では、第1プレートと第2プレートとが連結プレート33を介して回動可能に連結されている構成を例示した(図7参照)。これに対して、本実施形態のプレート530では、連結プレート33を備えておらず、リベット533を用いて第1プレート531と第2プレート532とを連結する構成となっている。
第1プレート531は、図24に示すように、一対の半割体(車室内側部材534及び車室外側部材535)を溶着などで互いに組み付けることで構成されている。また、第2プレート532は、車室内外方向に分割された一対の半割体(車室内側部材536及び車室外側部材537)を溶着などで互いに組み付けることで構成されている。
車室外側部材535の車両後端部と、車室内側部材536の車両前端部とは重畳されている。リベット533は、車室外側部材535の車両後端部、車室内側部材536の車両前端部にそれぞれ貫通形成された円形状のリベット孔535A,536Aにそれぞれ挿通される構成となっている。これにより、リベット533を回動中心として、第1プレート531と第2プレート532とが互いに回動可能に連結される。
また、トーションバネ38は、車室内側部材534及び車室内側部材536における車室外側の面に形成された溝部534D,536Dに嵌合されている。なお、トーションバネ38は、図25に示すように、リベット533の軸部の周囲に巻回される。なお、図25においては、車室内側部材534及び車室内側部材536を図示省略してある。
車室外側部材535の車両後端部には、車室外側部材537に向けて突き出す突起部535Bが形成されている。この突起部535Bに対応して車室外側部材537には、切欠部537Bが形成されている。
図25に示すように、第1プレート531及び第2プレート532が直線状をなす状態では、突起部535Bの上面と切欠部537Bの下面の間には隙間が形成されている。切欠部537Bの下面が突起部535Bの上面に当接することで、これ以降の第2プレート532の第1プレート31に対する回動が規制される構成となっている。
これにより、プレート530は、第1プレート531と第2プレート532とが直線状に配される直線状態と、第1プレート531に対して第2プレート532が傾いて配される傾斜状態(図25の2点鎖線で示す)との間で変化可能な構成となっている。なお、本実施形態においてリベット533の代わりにボルト(及びナット)などを用いてもよい。
<実施形態7>
次に、本発明の実施形態7を図26によって説明する。上記実施形態と同一部分には、同一符号を付して重複する説明を省略する。本実施形態では、第1プレートと第2プレートとを連結するヒンジ機構の構成が上記実施形態と異なる。
本実施形態では、図26に示すように、ボルト633及びナット634を用いて、車室内側部材34、連結プレート33、車室外側部材35を組み付ける構成としてある。
具体的には、例えば、車室内側部材34の挿通孔633A、連結プレート33の挿通孔33A、車室外側部材35の挿通孔635Aの順番にボルト633が挿通された後、ナット634がボルト633に対して螺合されている。
これにより、車室内側部材34、連結プレート33、車室外側部材35を1本のボルト633によって締結することができ、作業性が良好となる。なお、第1プレートと第2プレートを連結する構成(ヒンジ機構)については、上記実施形態で例示したものに限定されず適宜変更可能である。
<実施形態8>
次に、本発明の実施形態8を図27によって説明する。上記実施形態と同一部分には、同一符号を付して重複する説明を省略する。本実施形態では、プレート回動装置50において、滑車52を備えていない点が上記実施形態と異なる。
図27に示すように、本実施形態では、第2プレート32の貫通孔32Aの内面に紐部材51が当接する構成となっている。このため、貫通孔32Aの内面には、シボ加工や鏡面加工などの摩擦低減処理が施されている。これにより、貫通孔32Aの内面と紐部材51との摩擦を低減させることができる。このため、シェード21を格納状態から展開状態に引き出す過程において、貫通孔32A内部にて紐部材51を滑らかに摺動させることができる。
<実施形態9>
次に、本発明の実施形態9を図28ないし図29によって説明する。上記実施形態と同一部分には、同一符号を付して重複する説明を省略する。本実施形態では、紐部材51を第2プレート32側で折り返すための貫通孔の構成が上記実施形態と異なる。
上記実施形態では、紐部材51を第2プレート32側で折り返すための貫通孔32Aの両端が車室内側にそれぞれ開口される構成とした(図16参照)。これに対して、本実施形態では、紐部材51を第2プレート32側で折り返すための貫通孔732Aは、図28及び図29に示すように、第2プレート32を車室内外方向(図29では左右方向)に貫通されている。
貫通孔732Aに挿通された紐部材51は、その一端側にて車室内側に露出され、他端側にて車室外側に露出される。また、貫通孔732A内部には、滑車52が設けられている。滑車52は、その回動軸が車両前後方向に沿う形で第2プレート32に取り付けられており、この滑車52に紐部材51を掛けることで、紐部材51を滑らかに進退させることができる。
また、本実施形態において、滑車52を備えていない構成としてもよく、紐部材51を貫通孔732Aの内面732Bに当接させる構成としてもよい(このときの紐部材51を図29の2点鎖線で示し、符号751を付す)。この場合には、貫通孔732Aの内面732Bを曲面とすることで、紐部材51を滑らかに摺動させることができる。
<実施形態10>
次に、本発明の実施形態10を図30によって説明する。上記実施形態と同一部分には、同一符号を付して重複する説明を省略する。本実施形態では、紐部材保持部60の構成が上記実施形態と異なる。
上記実施形態では、紐部材保持部60が格納ケース25と一体的に形成されている構成を例示した。これに対して、本実施形態では、紐部材保持部60が格納ケース25と別体で構成されている。具体的には、図30に示すように、格納ケース25に取り付け可能な板状部材750に紐部材保持部60が形成されている。なお、格納ケース25に対する板状部材750の取付手段は、ビスや熱カシメなどを用いることができる。
仮に、紐部材保持部60が格納ケース25と一体的に形成されている場合には、固定された紐部材保持部60に紐部材51を挿通させる必要がある。図30に示すように、紐部材保持部60を別体とすれば、紐部材保持部60に紐部材を挿通させた後、板状部材750を格納ケース25に取り付けることができ、組み付けに係る作業の自由度を高くすることができる。
<実施形態11>
次に、本発明の実施形態11を図31によって説明する。上記実施形態と同一部分には、同一符号を付して重複する説明を省略する。本実施形態では、紐部材保持部(ケース側折り返し部)の構成が上記実施形態と異なる。
本実施形態では、図31に示すように、U字状をなす紐部材保持部860の一端が板状部材850とインテグラルヒンジ851を介して一体的に連結されており、紐部材保持部860の他端は、板状部材850とは連結されていない。
このような構成とすれば、図31の2点鎖線で示すように、インテグラルヒンジ851を中心として紐部材保持部860を上方に回動させることができる。この結果、紐部材51を紐部材保持部860の内部に容易に挿通させることができる。
<実施形態12>
次に、本発明の実施形態12を図32ないし図33によって説明する。上記実施形態と同一部分には、同一符号を付して重複する説明を省略する。本実施形態では、紐部材保持部の構成が上記実施形態と異なる。
本実施形態では、車室外側に開口されたU字状をなす紐部材保持部960を備えている。紐部材保持部960の一端は、図32に示すように、板状部材950とインテグラルヒンジ951を介して一体的に連結されており、紐部材保持部960の他端は、板状部材950とは連結されていない。
そして、本実施形態の紐部材保持部960には、図32に示すように、一対の滑車961,962が設けられている。一対の滑車961,962は、車室内外方向に沿った軸を回動軸として紐部材保持部960に対して回動可能に設けられている。
一対の滑車961,962は、上下方向に配列されており、その間に紐部材51が配されている。これにより、シェード21展開時には、紐部材51は、上側の滑車961に引っ掛かることで折り返された状態となる。なお、この時の紐部材51を図32の2点鎖線で図示してある。本実施形態では、一対の滑車961,962の間に紐部材51が配されるため、紐部材51の移動が摩擦によって妨げられる事態を抑制することができる。
また、図33の2点鎖線で示すように、インテグラルヒンジ951を中心として紐部材保持部960及び一対の滑車961,962を回動させることができる。この結果、紐部材51を紐部材保持部960の内部に容易に挿通させることができる。なお、本実施形態において、紐部材保持部960の両端が板状部材950と連結されていてもよい。
<実施形態13>
次に、本発明の実施形態13を図34によって説明する。上記実施形態と同一部分には、同一符号を付して重複する説明を省略する。本実施形態では、プレート保持部材の構成が上記実施形態と異なる。
本実施形態のプレート保持部材917には、図34に示すように、第2プレート32を押圧可能な押圧部918が取り付けられている。この押圧部918は、プレート嵌合凹部18の内面の一部を構成するものとされる。
押圧部918は、その下端部においてヒンジ919を介してプレート保持部材917に取り付けられており、プレート保持部材917に対して回動可能とされる。また、押圧部918とプレート保持部材917の間には、コイルバネ920が介在されている。
これにより、第2プレート32がプレート嵌合凹部18に対して下方から進入すると、コイルバネ920が縮むことで、第2プレート32を嵌合させることができる。また、第2プレート32がプレート嵌合凹部18に嵌合された状態では、コイルバネ920の復元力によって押圧部918が第2プレート32を押圧する構成となっている。これにより、第2プレート32をプレート嵌合凹部18内でより確実に保持することができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態において、プレート保持部材17を備えていない構成であってもよい。また、上記実施形態では、第2プレート32に対して第2シェード端縁部22Bを固定するための固定手段として、磁石22D、磁石32Bを例示したが、固定手段はこれに限定されない。例えば、固定手段として互いに係合可能な面ファスナーなどを用いてもよい。また、磁石22D、磁石32Bを備えていない構成であってもよい。
(2)上記実施形態において、格納ケース25の一部又は全部がトリムボード12によって構成されていてもよい。なお、この場合には、紐部材保持部60がトリムボード12に設けられていてもよい。
(3)プレート保持部材17の構成は、上記実施形態で例示したものに限定されず適宜変更可能である。例えば、図35に示すように、プレート保持部材17及び第2プレート32の双方に磁石970,971を設ける構成としてもよい。このような構成とすれば、磁石970,971の吸着力によって、第2プレート32をプレート嵌合凹部18内でより確実に保持することができる。
(4)プレート30の形状は、上記実施形態で例示したものに限定されず適宜変更可能である。例えば、プレートが板状ではなく、棒状の部材であってもよい。また、例えば、図36に示すように、プレート30の上端から車室内外方向にそれぞれ延びる一対の係止突部980,980を設け、係止突部980,980を引き出し孔27の孔縁に上方から係止させる構成としてもよい。なお、一対の係止突部980,980のうち、いずれか一方の係止突部980のみを備えている構成としてもよい。
(5)紐部材51は、第2プレート32を第2シェード端縁部22B側に回動させることが可能なものであればよく材質は適宜変更可能である。例えば、紐部材51として伸縮性を有する材質であってもよい。
(6)滑車52は、第2プレート32の外部に露出する形で設けられていてもよい。
(7)上記実施形態では、シェード引き上げ時の力を第2プレートに伝える長尺部材として紐部材51を例示したが、これに限定されない。長尺部材は、可撓性を有する長手状の部材であればよく、例えば、帯状をなしていてもよい。