JP2009033452A - 負荷制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】定電圧源を持たなくても、高精度のPWM出力が得られるようにし、装置の小型化、低コスト化が図れること。
【解決手段】抵抗器R4,R5,R6と、トランジスタQ10とによりなる回路により、車載バッテリ30からの電圧であるVINを元に三角波の基準電圧が生成され、コンデンサC1により車載バッテリ30の電圧に比例した定電流で三角波を生成するための充放電が行われ、コンデンサC1に直列接続されるコンデンサC2によりコンデンサC1とは逆の充放電が行われ、コンパレータCP1によりコンデンサC1の電圧(VC1)と基準電圧Vt1とが比較され、コンデンサC1の充放電を切り替えて三角波が生成され、コンパレータCP3によりVINを抵抗分割した分圧電圧VkとコンパレータCP1によって生成された三角波の電圧とが比較されて負荷15を駆動するためのPWMパルスが生成されるようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、定電圧源を用いずに、固定入力に対応して負荷を制御する負荷制御装置に関する。
従来より、車載ランプ等の車両用負荷をパルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)制御する負荷制御装置として、車載電子制御装置(ECU)やリレーインテグレーション等の制御装置からの固定入力とパルス入力の2つの入力パターンに対応したものが知られている。
この種の負荷制御装置では、固定入力に対して一定の周波数(周期)及びデューティ(DUTY)でレベルが変化する駆動制御信号を生成するか、又はパルス入力と同じ周波数及びデューティでレベルが変化する駆動制御信号を生成し、当該駆動制御信号により車両用負荷を駆動制御するようになっている。
このように、負荷制御装置を2つの入力パターンに対応させるのは、車両のグレードによって異なる多種類のECUやリレーインテグレーション等に広く対応可能な汎用性を負荷制御装置に持たせるためである。
一般に、負荷制御装置を2つの入力パターンに対応させるには、まず、回路構成の複雑な固定入力用の回路設計を行っておき、パルス入力に対応させる場合には、その固定入力用の回路にて負荷制御装置の入出力を短絡させるようにする。
具体的には、次のような方法が提案されている。すなわち、固定入力用に回路設計した負荷制御装置のICにおける配線パターンを変更することで、パルス入力用の別のICを作成する方法である。
しかし、この方法では、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて配線パターンを変更する製造工程が必要になるため、製造工程が複雑化するとともに、フォトリソグラフィ技術で用いられるフォトマスクの数が増加することから、製造コストが増大するという問題がある。
また、固定入力用とパルス入力用の2種類のICは一見しただけでは区別できないため、製造後の検査工程にて両者を区別するのがまぎらわしいという問題がある。そして、2種類のICの部品管理には手間がかかるため、部品管理コストが増大するという問題もある。
また、固定入力用に回路設計した負荷制御装置のICの内部に、負荷制御装置の入出力を短絡させるスイッチを付加しておき、そのスイッチをICの外部から操作することでパルス入力用に変更する方法も提案されている。
この方法では、1つのICにて2つの入力パターンに対応可能なため、上述した前者のパルス入力用の別のICを作成する方法での各問題点を回避することができる。しかし、後者の負荷制御装置の入出力を短絡させるスイッチをICの外部から操作することでパルス入力用に変更する方法では、スイッチを外部から操作するための操作用端子を負荷制御装置のICに設けなければならず、加えて、スイッチを操作する際には当該操作用端子に抵抗器等の外付け素子を取り付けなければならない。そのため、負荷制御装置のICの端子数が増加すると共に外付け素子が必要となることから、ICの搭載性が悪化するとともに、負荷制御装置のコストが増大するという問題がある。
このような問題を解決するようにしたものとして、特許文献1では、図4に示すような固定入力とパルス入力の2つの入力パターンに対応可能な負荷制御装置を提案している。
すなわち、図4は、特許文献1での負荷制御装置の概略構成を示すものであり、負荷制御装置10の定電圧電源(Vc)11に接続された抵抗器R6,R7,R9及びトランジスタQ10,Q11からなるカレントミラー回路と、抵抗器R1により得られる定電流とを元にして、コンパレータCP1によりコンデンサC1の電圧と基準電圧Vt1とを比較しながら、コンデンサC1の充放電を切り替えて三角波を生成し、この三角波とコンパレータCP3のプラス入力端子に入力される分圧電圧VkとをコンパレータCP3で比較することにより、PWMパルスを得ている。
なお、図中符号12はORゲートであり、符号13は駆動回路であり、符号14はNchの負荷駆動素子(FET)であり、符号15は負荷であり、符号20はECUであり、符号30は車載バッテリである。
次に、図4の負荷制御装置の動作を、図5に示すタイミング図を用いて説明する。まず、コンデンサC1の一方の端子は充放電回路と接続され、他方の端子はGND端子に接続されている。
三角波を発生させる回路は、トランジスタQ3〜Q11、抵抗器R1〜R10、コンデンサC1、コンパレータCP1で構成される。トランジスタQ3〜Q5からなるカレントミラー回路により、コンデンサC1を充放電するための基準となる定電流が生成され、トランジスタQ5から流れる電流I5がコンデンサC1を充電する電流となる。
トランジスタQ3から流れる電流I1及びトランジスタQ4から流れる電流I4は、それぞれ下記の式(1)のように、トランジスタQ5から流れる電流I5と等しい値となる。
I1=I4=I5・・・(1)
電流I1は、抵抗器R1により設定され、下記の式(2)で表される。
I1=(Vc−Vbe3)/R1・・・(2)
ここで、Vbe3は、トランジスタQ3のベース−エミッタ間電圧である。
また、トランジスタQ6,Q8,Q9からなるカレントミラー回路により、コンデンサC1を放電するための下記の式(3)で表される電流I6が生成される。
I6=2*I4=2*I1・・・(3)
トランジスタQ6のベースには、スイッチ用のトランジスタQ7が接続されている。トランジスタQ7がオンすると、I6が流れなくなる。また、定電圧源11からのVcに直列に接続された抵抗器R4,R5,R6と、トランジスタQ10とにより基準電圧Vt1が生成される。トランジスタQ10がオフした状態では基準電圧Vt1は三角波の上限電圧Vbとなり下記の式(4)で表される。
Vb=Vc*R5/(R4+R5)・・・(4)
トランジスタQ10がオンした状態での基準電圧Vt1は、トランジスタQ10の飽和電圧を無視すると、抵抗器R5,R6の合成抵抗と抵抗器R4の抵抗分割となり、三角波の下限電圧Vaは下記の式(5)で表される。
Va=Vc*(R5*R6)/(R4*R5+R4*R6+R5*R6)・・・(5)
ある瞬間にコンデンサC1の電圧VC1が基準電圧Vt1よりも小さいと、コンパレータCP1の出力はLoとなり、トランジスタQ10,Q11はオフされる。トランジスタQ10がオフとなると、基準電圧Vt1は三角波の上限電圧Vbの値となり、トランジスタQ11のオフにより、抵抗器R10からトランジスタQ7のベースに電流が流れ込むので、トランジスタQ7がオンし、トランジスタQ6,Q8,Q9がオフしてI6は流れなくなる。
その結果、I5によりコンデンサC1が充電され電圧VC1が上昇していく。コンデンサC1の電圧VC1が三角波の上限電圧Vbを僅かでも超えると、コンパレータCP1の出力はHiとなり、トランジスタQ10,Q11がオンする。今度はトランジスタQ10がオンにより基準電圧Vt1が三角波の下限電圧Vaの値に下がり、トランジスタQ11のオンによりトランジスタQ7がオフするので、トランジスタQ6,Q8,Q9がオンしてI6が流れるようになる。
I6はI5の2倍なので、差し引きすると、I5の電流値でコンデンサC1は放電される。コンデンサC1の電圧VC1が下降していき、三角波の下限電圧Vaを僅かに超えると、コンパレータCP1の出力はLoに反転する。このようにして三角波が得られる。
三角波の周期Tは、下記の式(6)で表される。
T=2*(Vb−Va)*C1/I1
=[2*Vc*{(R5/(R4+R5)−(R5*R6)/(R4*R5+R4* R6+R5*R6)}*C1]/[(Vc−Vbe3)/R1]・・・(6)
PWMパルスを生成する回路は抵抗器R11,R12とコンパレータCP3とで構成される。分圧電圧Vkは抵抗器R11と抵抗器R12により分圧され、下記の式(7)で表される。
Vk=Vc*R12/(R11+R12)・・・(7)
コンデンサC1の電圧VC1が分圧電圧Vkを上回ると、コンパレータCP3の出力はLoとなり、コンデンサC1の電圧VC1が分圧電圧Vkを下回ると、コンパレータCP3の出力はHiとなる。
また、コンパレータCP3の出力はORゲート12を経て駆動回路13に入力される。駆動回路13では、入力を反転させて負荷駆動素子(FET)14のゲートに出力する。制御入力がHiのときは、負荷駆動素子(FET)14のゲート電圧をLoに固定し、負荷駆動素子(FET)14がオフとなって負荷電流が0となる。
ECU20からの制御入力がLoになると、ORゲート12によりコンパレータCP3のパルスが有効とされ、コンパレータCP3の出力がLoのとき、駆動回路13の出力がHiとなって負荷駆動素子(FET)14がオンし、負荷電流ILが流れる。
ここで、負荷電流ILにより、配線抵抗RWに電圧降下が生じるが、車載バッテリ30からの電圧であるVINが変動しても、定電圧源11によりVcが一定に保たれるので、回路の電圧特性を特に考慮しなくても、周波数及びデューティ比の精度は維持される。
特開2001−148294号公報
ところで、上述した特許文献1に示される負荷制御装置では、車載バッテリ30からの電圧であるVINが変動しても、定電圧源11によりVcが一定に保たれることで、VINの変動による影響を受けずに周波数及びデューティ比の精度を維持するようにしているが、その定電圧源11は回路規模が大きく、しかも高コストであるという問題がある。
このような問題を解消するためには、その定電圧源11を省き、他の手段を用いてPWM出力の精度を低下させないことが考えられる。以下にそのことについて考察する。
まず、電源である車載バッテリ30からの電圧のVINは、自動車の12V系電源の場合、9〜15V程度に変動する。この場合の三角波の周期Tは上記の式(6)をVINに入れ替えると、下記の式(8)で表される。
T=[2*VIN*{(R5/(R4+R5)−(R5*R6)/(R4*R5+R4 *R6+R5*R6)}*C1]/[(VIN−Vbe3)/R1]・・・(8)
ここで、トランジスタQ3のベース−エミッタ間電圧であるVbe3は0.6V程度なので、VIN−Vbe3がVINとほぼ等しいとすると、三角波の周期Tは下記の式(9)で表される。
T=[2*VIN*{(R5/(R4+R5)−(R5*R6)/(R4*R5+R4 *R6+R5*R6)}*C1]/[VIN/R1]
=2*{(R5/(R4+R5)−(R5*R6)/(R4*R5+R4*R6+R 5*R6)}*C1*R1・・・(9)
ここで、式(9)より、TはCとRのみで決まり、車載バッテリ30からの電圧であるVINに依存しないことが分かる。デューティ比Dは、D=ton/Tであるが、図5の図形的な関係により、Dは下記の式(10)で表される。
D=(Vb−Vk)/(Vb−Va)・・・(10)
また、上記の式(4),(5),(7)により、Dは下記の式(11)で表される。
D=[VIN*{(R5/(R4+R5)}−VIN*{R12/(R11+R12) ]/[VIN*{(R5/(R4+R5)}−VIN*{(R5*R6)/(R4* R5+R4*R6+R5*R6)]
=[R5/(R4+R5)−R12/(R11+R12)]/[R5/(R4+R5 )−(R5*R6)/(R4*R5+R4*R6+R5*R6)]・・・式(11)
ここで、式(11)から分かる通り、Dは抵抗値のみで決まり、VINの変動による影響を受けないことになる。
ところが、実際の負荷制御装置10では、配線抵抗RWが無視できない値で存在するときに、図6に示すような動作を示す。
すなわち、コンデンサC1の電圧VC1が分圧電圧Vkを上回って負荷駆動素子(FET)14がオンすると、負荷電流ILが流れ、配線抵抗RWによる電圧降下が生じる。分圧電圧Vkは、電源電圧の抵抗分圧値なので電源の低下に伴い下がることになる。
このとき、三角波の基準電圧Vt1も同様に低下する。一方、コンデンサC1の電圧VC1は、コンデンサC1の電荷で決まるため、VINが低下しても電荷の出入りがないことから、電圧VC1が下がらない。
コンデンサC1を充放電する電流はVINを基準にして生成されるので、VINが低下すればそれにつれて低下し、コンデンサC1の電圧VC1の傾きが変わる。次に、コンデンサC1の電圧VC1が分圧電圧Vkを下回ると、負荷駆動素子(FET)14がオフし、負荷電流ILが止まるので、VINの電圧が復帰し分圧電圧Vkも復帰する。
しかし、コンデンサC1の電圧VC1は放電電流が変わるので、傾きが変わるだけである。この場合、基準電圧Vt1及び分圧電圧Vkと電圧VC1とが負荷電流ILに伴う配線抵抗RWによる電圧変動の影響を受けて別々に変動するので、上述した式(9),(11)が成り立たず、三角波の周期Tとデューティ比Dが変動してしまう。
このように、PWM周期よりも長いゆっくりとしたVINの変動では、三角波の周期Tとデューティ比Dは変動しないが、配線抵抗RWによるPWM周期中のVINの変動があると、三角波の周期Tとデューティ比Dが変動してしまい、配線抵抗RWが大きくなるほどこれらの変動量も大きくなる。
以上のように、定電圧源11の回路規模が大きく、しかも高コストであることを解消するために、定電圧源11を単に省くだけでは配線抵抗RWの影響があるとPWM出力の精度が低下してしまうため、定電圧源11を省き、車載バッテリ30からの電圧であるVINの変動による影響や、配線抵抗RWによる影響があってもPWM出力の精度が低下しないような負荷制御装置10の開発が望まれていた。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、上記問題点を解決することができる負荷制御装置を提供することを目的とする。
本発明の負荷制御装置は、駆動命令手段からの固定入力に対応した一定レベルの駆動命令信号に従い、一定の周波数及びデューティでレベルが変化する駆動制御信号を生成し、当該駆動制御信号によるパルス幅変調制御により負荷へのバッテリからの電力の供給を制御する負荷制御装置であって、前記バッテリの電圧を元に三角波の基準電圧を生成する基準電圧生成手段と、前記バッテリの電圧に比例した定電流で三角波を生成するための充放電を行う第1充放電手段と、該第1充放電手段に直列接続され、該第1充放電手段とは逆の充放電を行う第2充放電手段と、前記第1充放電手段の電圧と前記基準電圧とを比較し、前記第1充放電手段の充放電を切り替えて三角波を生成する第1比較手段と、前記バッテリの電圧を抵抗分割した分圧電圧と前記第1比較手段によって生成された前記三角波の電圧とを比較して前記負荷を駆動するためのPWMパルスを生成する第2比較手段とを備え、前記第1充放電手段及び前記第2充放電手段の容量の比率と、前記分圧電圧を得る際の抵抗値の比率とが近似していることを特徴とする。
また、前記第1充放電手段の電圧が前記基準電圧よりも小さいとき、前記第1充放電手段への充電が行われるとともに、前記第2充放電手段による放電が行われることで、前記第1充放電手段の電圧が上昇し、前記第1充放電手段の電圧が前記基準電圧を上回ると、前記第1充放電手段による放電が行われるとともに、前記第2充放電手段への充電が行われることで、前記第1充放電手段の電圧が下降するようにすることができる。
本発明の負荷制御装置では、基準電圧生成手段により、バッテリの電圧を元に三角波の基準電圧が生成され、第1充放電手段によりバッテリの電圧に比例した定電流で三角波を生成するための充放電が行われ、第1充放電手段に直列接続される第2充放電手段により第1充放電手段とは逆の充放電が行われ、第1比較手段により第1充放電手段の電圧と基準電圧とが比較され、第1充放電手段の充放電を切り替えて三角波が生成され、第2比較手段によりバッテリの電圧を抵抗分割した分圧電圧と第1比較手段によって生成された三角波の電圧とが比較されて負荷を駆動するためのPWMパルスが生成される。
ここで、第1充放電手段及び第2充放電手段の容量の比率と、分圧電圧を得る際の抵抗値の比率とが近似しているため、バッテリからの電圧の変動があっても基準電圧、分圧電圧及び第1充放電手段の電圧が共に変動するので、バッテリからの電圧の変動による影響や、負荷電流に伴う配線抵抗による電圧変動の影響を回避することができる。
本発明の負荷制御装置によれば、第1充放電手段及び第2充放電手段の容量の比率と、分圧電圧を得る際の抵抗値の比率とを近似させ、バッテリからの電圧の変動があっても基準電圧、分圧電圧及び第1充放電手段の電圧が共に変動し、バッテリからの電圧の変動による影響や、負荷電流に伴う配線抵抗による電圧変動の影響を回避することができるようにしたので、定電圧源を持たなくても、高精度のPWM出力が得られることから、装置の小型化、低コスト化を図ることができる。
本実施形態では、基準電圧生成手段により、バッテリの電圧を元に三角波の基準電圧が生成され、第1充放電手段によりバッテリの電圧に比例した定電流で三角波を生成するための充放電が行われ、第1充放電手段に直列接続される第2充放電手段により第1充放電手段とは逆の充放電が行われ、第1比較手段により第1充放電手段の電圧と基準電圧とが比較され、第1充放電手段の充放電を切り替えて三角波が生成され、第2比較手段によりバッテリの電圧を抵抗分割した分圧電圧と第1比較手段によって生成された三角波の電圧とが比較されて負荷を駆動するためのPWMパルスが生成されるようにした。
ここで、第1充放電手段及び第2充放電手段の容量の比率と、分圧電圧を得る際の抵抗値の比率とが近似している。
また、第1充放電手段の電圧が基準電圧よりも小さいとき、第1充放電手段への充電が行われるとともに、第2充放電手段による放電が行われることで、第1充放電手段の電圧が上昇し、第1充放電手段の電圧が基準電圧を上回ると、第1充放電手段による放電が行われるとともに、第2充放電手段への充電が行われることで、第1充放電手段の電圧が下降するようになっている。
これにより、バッテリからの電圧の変動があっても基準電圧、分圧電圧及び第1充放電手段の電圧が共に変動し、バッテリからの電圧の変動による影響や、負荷電流に伴う配線抵抗による電圧変動の影響を回避でき、定電圧源を持たなくても、高精度のPWM出力が得られることから、装置の小型化、低コスト化が実現できる。
以下、本発明の実施例の詳細について説明する。図1は、本発明の負荷制御装置の一実施例を説明するための図である。なお、以下に示す図において、図4と共通する部分には同一符号を付し、重複する部分については適宜説明するものとする。
同図に示す負荷制御装置10は、図4で示した定電圧源11を省き、その代わりにコンデンサC1に直列に接続されたコンデンサC2を追加している点で、図4の従来の負荷制御装置10の構成と相違している。
また、図4に示した従来の負荷制御装置10では定電圧以外の明記はないが、本実施例では三角波の充放電用定電流、三角波の上下限電圧、デューティ比の設定電圧を抵抗器により生成している点で、図4の構成と相違している。すなわち、三角波の充放電用定電流、三角波の上下限電圧、デューティ比の設定電圧を抵抗器により生成するということは、電源電圧となる車載バッテリ30からの電圧のVINが上がれば、これに比例して電流が増えるということであり、その結果、三角波の周期Tを表す上述した式(9)と、デューティ比D表す上述した式(11)とが成り立つことになり、図4で示した定電圧源11を省き、しかも配線抵抗RWの影響があってもPWM出力の精度が低下しないようになる。
ここで、図1に示す負荷制御装置10は、コンデンサC1,C2、コンパレータCP1、コンパレータCP3、ORゲート12、駆動回路13、負荷駆動素子(FET)14、抵抗器R1〜R13、トランジスタQ3〜Q11、コンデンサC1,C2等を有している。
負荷制御装置10は、車載バッテリ30から電源が供給され、ECU20からの固定入力に対応して、車載ランプ等の負荷15をパルス幅変調(PWM)制御する。なお、ここでは、負荷制御装置10がECU20からの固定入力に対応して、パルス幅変調(PWM)制御する場合としているが、固定入力とパルス入力のいずれかを切り替えるスイッチ等を追加することで、固定入力とパルス入力の2つの入力パターンに対応したパルス幅変調(PWM)制御を行うことも可能である。
車載バッテリ30のプラス側は配線抵抗RWを介して電源端子に接続され、車載バッテリ30のマイナス側は負荷制御装置10のGND端子に接続されるとともに車両のボディに接続されて接地されている。
駆動命令手段であるECU20内にはNPNのトランジスタ等が設けられている。そのトランジスタのエミッタは接地され、そのコレクタは負荷制御装置10の制御信号端子に接続され、そのベースにはECU20内で生成される制御信号が入力されるようになっている。
負荷15は、負荷制御装置10の電源端子と出力端子との間に接続されている。車載バッテリ30からの電圧(VIN)は、電源端子を介して負荷制御装置10に供給される。
コンデンサC1,C2は直列接続され、コンデンサC1の電圧VC1がコンパレータCP1のプラス入力端子に与えられるようになっている。コンデンサC2は、図4に示した従来の定電圧源11を省き、さらに配線抵抗RWの影響があってもPWM出力の精度が低下しないように作用するものであるが、その詳細については後述する。
コンパレータCP1のマイナス入力端子には基準電圧Vt1が与えられ、コンパレータCP3のプラス入力端子には分圧電圧Vkが与えられるようになっている。そして、トランジスタQ3〜Q11、抵抗器R1〜R10、コンデンサC1,C2、コンパレータCP1等によって三角波が生成され、コンパレータCP1のプラス入力端子が三角波の出力端となる。
すなわち、三角波を発生させる回路は、トランジスタQ3〜Q11、抵抗器R1〜R10、コンデンサC1,C2、コンパレータCP1で構成される。トランジスタQ3〜Q5からなるカレントミラー回路により、コンデンサC1を充放電するための基準となる定電流が生成され、トランジスタQ5から流れる電流I5がコンデンサC1を充電する電流となる。
コンパレータCP3のマイナス入力端子にはコンパレータCP1からの三角波が与えられ、分圧電圧Vkとの比較結果がORゲート12に出力されるようになっている。すなわち、PWMパルスを生成する回路は抵抗器R11,R12とコンパレータCP3とで構成される。
駆動回路13は、ORゲート12からの入力を反転させて負荷駆動素子(FET)14のゲートに与えるようになっている。ここで、負荷駆動素子(FET)14のゲートに与えられる信号は、PWMパルスである。
そして、負荷駆動素子(FET)14がそのPWMパルスに応じてオン/オフ動作を行うことで、負荷15に車載バッテリ30からの電力が与えられるようになっている。
次に、本実施例における負荷制御装置10の動作を、図2に示すタイミング図を用いて説明する。
まず、コンデンサC2の一方の端子はコンデンサC1とともに三角波を生成する、トランジスタQ3〜Q11、抵抗器R1〜R10、コンパレータCP1等から構成される回路に接続され、コンデンサC2の他方の端子は車載バッテリ30からの電圧であるVINが取り込まれる電源端子に接続される。コンデンサC2の容量については後述する。
ここで、コンデンサC1の電圧VC1が基準電圧Vt1よりも小さいと、トランジスタQ5からの電流I5によりコンデンサC1が充電されるとともに、コンデンサC2が放電され、コンデンサC1の端子間電圧が大きくなっていくとともに、コンデンサC2の端子間電圧が小さくなっていくので、電圧VC1が上昇していく。
すなわち、コンデンサC1の電圧VC1が三角波の上限電圧Vbを僅かでも超えると、電流I6が流れるようになる。電流I6は電流I5の2倍なので、差し引きすると、電流I5の電流値でコンデンサC1が放電され、コンデンサC2が充電される。
コンデンサC1の電圧VC1が下降していき、三角波の下限電圧Vaを僅かに超えると、コンパレータCP1の出力はLoに反転する。このようにして、従来の負荷制御装置10と同様に三角波が得られる。
ここで、三角波の周期Tは、下記の式(12)で表される。
T=2*(Vb−Va)*(C1+C2)/I1
=[2*VIN*{(R5/(R4+R5)−(R5*R6)/(R4*R5+R4 *R6+R5*R6)}*(C1+C2)]/[(VIN−Vbe3)/R1]
≒2*{(R5/(R4+R5)−(R5*R6)/(R4*R5+R4*R6+R 5*R6))*(C1+C2)*R1・・・(12)
PWMパルスを生成する部分である、抵抗器R11,R12及びコンパレータCP3が従来の負荷制御装置10と同じ動作を行うことで、PWMパルスが得られる。ここで、無視できない値の配線抵抗RWが存在するとき、コンデンサC1の電圧VC1が分圧電圧Vkを上回って負荷駆動素子(FET)14がオンすると、負荷電流ILが流れ、配線抵抗RWによる電圧降下が生じる。
ここで、配線抵抗RWによる車載バッテリ30からの電圧であるVINの変動後の値をVIN’とすると、VIN’は下記の式(13)で表される。
VIN’=VIN−IL*RW・・・(13)
分圧電圧Vkは、車載バッテリ30からの電圧(VIN)の抵抗分圧値なのでVINの低下に伴い下がる。下がった値をVk’とすると、Vk’は下記の式(14)で表される。
Vk’=(VIN−IL*RW)*R12/(R11+R12)・・・(14)
上述した式(7)と式(14)より、分圧電圧Vkの変動電圧は下記の式(15)で表される。
Vk−Vk’=IL*RW*R12/(R11+R12)・・・(15)
一方、車載バッテリ30からの電圧であるVINが急変する直前のコンデンサC1の電荷をQ1とし、コンデンサC2の電荷をQ2とすると、直列接続されたコンデンサC1,C2の合計の電荷は下記の式(16)で表される。
Q1−Q2=C1*VC1−C2*(VIN−VC1)・・・(16)
変化後の電圧VC1の電圧をVC1’とし、それぞれの電荷をQ1’,Q2’とすると、電荷は下記の式(17)で表される。
Q1’−Q2’=C1*VC1’−C2*(VIN−IL*RW−VC1’)・・・(17)
車載バッテリ30からの電圧であるVINが急に変化すると、コンデンサC1とコンデンサC2の個々の電荷は変化するが、コンデンサC1とコンデンサC2とが直列接続された合計の電荷は保持されるので、Q1−Q2=Q1’−Q2’より、下記の式(18)が成り立つ。
C1*VC1−C2(VIN−VC1)=C1*VC1’−C2(VIN−IL*RW−VC1’)・・・(18)
これを整理することにより、VC1の電圧変動は下記の式(19)で表される。
VC1−VC1’=IL*RW*C2/(C1+C2)・・・(19)
ここで、Vk−Vk’=VC1−VC1’であれば、上述した式(13)でのVINの変動に対し、分圧電圧VkとコンデンサC1の電圧VC1の変動が同じになるので、上述した式(9),(11)が成り立つようになり、三角波の周期Tとデューティ比Dが変動しなくなる。
すなわち、上述した式(15),(19)から下記の式(20)が得られる。
IL*RW*R12/(R11+R12)=IL*RW*C2/(C1+C2)・・・(20)
これを整理すると、下記の式(21)が得られる。
C1/C2=R11/R12・・・(21)
つまり、式(21)のように、C1とC2の比を決定すれば、三角波の周期T及びデューティ比Dの変動は無くなることになる。なお、式(21)は、厳密に一致させなくても、三角波の周期T及びデューティ比Dの変動を打ち消す効果が得られる。
なお、式(21)から外れた比率にし、VINの変動に対して三角波の周期Tとデューティ比Dとを意図的に変動させることもできる。また、説明を省略したが、本実施例では、プラス配線の抵抗成分だけでなく、GND配線の抵抗成分に対しても効果があり、さらに外乱ノイズ等による急峻な電源変動に対しても効果があることは勿論である。
このように、本実施例では、基準電圧生成手段としての抵抗器R4,R5,R6と、トランジスタQ10とによりなる回路により、バッテリとしての車載バッテリ30からの電圧であるVINを元に三角波の基準電圧が生成され、第1充放電手段としてのコンデンサC1により車載バッテリ30の電圧に比例した定電流で三角波を生成するための充放電が行われ、コンデンサC1に直列接続される第2充放電手段としてのコンデンサC2によりコンデンサC1とは逆の充放電が行われ、第1比較手段としてのコンパレータCP1によりコンデンサC1の電圧(VC1)と基準電圧Vt1とが比較され、コンデンサC1の充放電を切り替えて三角波が生成され、第2比較手段としてのコンパレータCP3により車載バッテリ30の電圧であるVINを抵抗分割した分圧電圧VkとコンパレータCP1によって生成された三角波の電圧とが比較されて負荷15を駆動するためのPWMパルスが生成されるようにした。
ここで、コンデンサC1及びコンデンサC2の容量の比率と、分圧電圧を得る際の抵抗器R11及び抵抗器R12の比率とが
C1/C2≒R11/R12
のように近似している。
また、コンデンサC1の電圧(VC1)が基準電圧Vt1よりも小さいとき、コンデンサC1への充電が行われるとともに、コンデンサC2による放電が行われることで、コンデンサC1の電圧(VC1)が上昇し、コンデンサC1の電圧が基準電圧Vt1を上回ると、コンデンサC1による放電が行われるとともに、コンデンサC2への充電が行われることで、コンデンサC2の電圧が下降するようになっている。
これにより、車載バッテリ30からの電圧の変動があっても基準電圧Vt1、分圧電圧Vk及びコンデンサC1の電圧(VC1)が共に変動し、車載バッテリ30からの電圧であるVINの変動による影響や、負荷電流ILに伴う配線抵抗RWによる電圧変動の影響を回避でき、従来のような定電圧源11を持たなくても、高精度のPWM出力が得られることから、装置の小型化、低コスト化が実現できる。
なお、本実施例では、Nchの負荷駆動素子(FET)14をローサイドに備える場合について説明したが、この例に限らず、図3に示すように、その負荷駆動素子(FET)14をハイサイドに備えるようにすることもできる。
この場合、Nchの負荷駆動素子(FET)14をPchの負荷駆動素子(FET)14aとし、負荷駆動素子(FET)14aのソース側を負荷15の一端に接続し、その負荷の他端をアース接地とする。
このような構成でも、上記同様に、従来のような定電圧源11を持たなくても、高精度のPWM出力が得られることから、装置の小型化、低コスト化が実現できる。
また、図1及び図3に示した負荷制御装置10にあっては、その一部又は全部をIC化してもよい。
また、本実施例では、コンパレータCP3にヒステリシスを設けていないが、コンパレータCP3にヒステリシスを設けてもよく、この場合はコンパレータCP3のノイズ耐性や安定性を高めることができる。
車載ランプ等の車両用負荷をPWM制御するものに限らず、電動ファンモータ等の他の駆動系をPWM制御するようなものにも適用可能である。
本発明の負荷制御装置の一実施例を説明するための回路図である。 図1の負荷制御装置の動作を説明するためのタイミング図である。 図1の負荷制御装置の構成を変えた場合の他の負荷制御装置を示す回路図である。 従来の負荷制御装置の一例を示す回路図である。 図4の負荷制御装置の動作を説明するためのタイミング図である。 図4の負荷制御装置の動作を説明するためのタイミング図である。
符号の説明
10 負荷制御装置
11 定電圧源
12 ORゲート
13 駆動回路
14,14a 負荷駆動素子(FET)
15 負荷
20 ECU
30 車載バッテリ(バッテリ)
C1 コンデンサ(第1充放電手段)
C2 コンデンサ(第2充放電手段)
CP1 コンパレータ(第1比較手段)
CP3 コンパレータ(第2比較手段)
Q3〜Q9,Q11 トランジスタ
Q10 トランジスタ(基準電圧生成手段)
R1〜R3,R7〜R13 抵抗器
R4,R5,R6 抵抗器 (基準電圧生成手段)
RW 配線抵抗

Claims (2)

  1. 駆動命令手段からの固定入力に対応した一定レベルの駆動命令信号に従い、一定の周波数及びデューティでレベルが変化する駆動制御信号を生成し、当該駆動制御信号によるパルス幅変調制御により負荷へのバッテリからの電力の供給を制御する負荷制御装置であって、
    前記バッテリの電圧を元に三角波の基準電圧を生成する基準電圧生成手段と、
    前記バッテリの電圧に比例した定電流で三角波を生成するための充放電を行う第1充放電手段と、
    該第1充放電手段に直列接続され、該第1充放電手段とは逆の充放電を行う第2充放電手段と、
    前記第1充放電手段の電圧と前記基準電圧とを比較し、前記第1充放電手段の充放電を切り替えて三角波を生成する第1比較手段と、
    前記バッテリの電圧を抵抗分割した分圧電圧と前記第1比較手段によって生成された前記三角波の電圧とを比較して前記負荷を駆動するためのPWMパルスを生成する第2比較手段とを備え、
    前記第1充放電手段及び前記第2充放電手段の容量の比率と、前記分圧電圧を得る際の抵抗値の比率とが近似している
    ことを特徴とする負荷制御装置。
  2. 前記第1充放電手段の電圧が前記基準電圧よりも小さいとき、前記第1充放電手段への充電が行われるとともに、前記第2充放電手段による放電が行われることで、前記第1充放電手段の電圧が上昇し、前記第1充放電手段の電圧が前記基準電圧を上回ると、前記第1充放電手段による放電が行われるとともに、前記第2充放電手段への充電が行われることで、前記第1充放電手段の電圧が下降することを特徴とする請求項1に記載の負荷制御装置。
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