JP2018040711A - コンデンサ容量診断装置、及び、コンデンサ容量診断方法 - Google Patents

コンデンサ容量診断装置、及び、コンデンサ容量診断方法 Download PDF

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Kenta Iwai
健太 岩井
小松 和弘
Kazuhiro Komatsu
和弘 小松
大舗 榎本
Daisuke Enomoto
大舗 榎本
考生 齋藤
Takao Saito
考生 齋藤
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Abstract

【課題】コンデンサの容量診断の精度の向上を図る。【解決手段】コンデンサの両端の電位差が第1電圧値になるまで充電する充電手段と、前記コンデンサに充電された電荷を定電流回路を用いて放電する定電流放電手段と、前記充電手段により充電された前記コンデンサが前記定電流放電手段を用いずに放電される際の前記コンデンサの両端の電圧値から第2電圧値を引いた第1放電電圧値を出力し、前記充電手段により充電された前記コンデンサが前記定電流放電手段を用いて放電される際の前記コンデンサの両端の電圧値から前記第2電圧値を引いた第2放電電圧値を出力する出力手段と、前記第1放電電圧値及び前記第2放電電圧値と、前記定電流回路の電流値とに基づいて、前記コンデンサの静電容量を算出する算出手段とを備え、前記第2電圧値は、前記第1電圧値と前記出力手段が出力する最大の電圧値である第3電圧値との差分である、コンデンサ容量診断装置とする。【選択図】図3

Description

本発明は、コンデンサ容量診断装置、及び、コンデンサ容量診断方法に関する。
自動車の衝突時に、エアバックを展開して乗員を保護するエアバック装置がある。エアバック装置のエアバックを展開させる際、エアバック装置の起爆剤に点火するためのスクイブ(点火装置)に、自動車のバッテリから電流を流す。このとき、バッテリが故障するとエアバッグ装置が作動しないため、コンデンサを含むバックアップ電源を設けている。
バックアップ電源のコンデンサは、経年劣化等により、容量低下することがある。コンデンサの容量が低下すると、バックアップ電源としての機能が発揮できなくなり、自動車の衝突時にエアバッグ装置が動作しないおそれがある。そこで、バックアップ電源のコンデンサの容量の診断(測定)が行われている。
特開平07−027801号公報
大容量のコンデンサの容量値診断を実施する方法として、コンデンサに充電された電荷を定電流で放電し、電圧降下量を測定する方法がある。
図1は、従来のコンデンサ容量診断システムの例を示す図である。図1の例では、(1)昇圧回路により、診断対象コンデンサに印加される電圧が昇圧されると、診断対象コンデンサが充電される。図1の例では、診断対象コンデンサの一端は接地している。その後、所定の電圧に達した時に、昇圧回路を停止する。(2)昇圧回路が停止すると、コンデンサ容量診断装置内部の消費電流により、診断対象コンデンサが放電し、診断対象コンデンサの両端の電位差が低下する。所定時間経過後、再び、(3)昇圧回路を起動し、所定の電圧に達した時に、昇圧回路を停止する。ここで、スイッチをONにすることにより、診断対象コンデンサに定電流回路を接続する。すると、(4)装置内部の消費電流、及び、定電流回路の定電流により、診断対象コンデンサが放電し、診断対象コンデンサの両端の電位差が低下する。診断対象コンデンサの両端の電位差は、診断対象コンデンサに接続される電圧分割回路により電圧を下げて、出力される。
図2は、図1のコンデンサ容量診断回路における診断対象コンデンサの両端の電位差の時間変化を示す図である。図2のグラフでは、横方向は時間を示す。図2の上のグラフでは、縦方向は診断対象コンデンサの両端の電位差を示し、下のグラフでは、縦方向は昇圧回路の起動(ON)、停止(OFF)を示す。初期状態では、診断対象コンデンサに定電流回路を接続するスイッチはOFFにされているとする。図2の例では、(1)昇圧回路が起動すると、診断対象コンデンサに印加される電圧は上昇する。所定の電圧である23.5Vに達すると、昇圧回路が停止される。(2)昇圧回路が停止されると、装置内部の消費電流により、診断対象コンデンサが放電し、診断対象コンデンサの両端の電位差が低下する。ここで、昇圧回路が停止した時の電位と、所定時間t0経過後の電位との差((2)の期間に低下した電位差)を、電位差ΔV1とする。所定時間t0経過後、再び、(3)昇圧回路を起動し、所定の電圧に達した時に、昇圧回路を停止する。ここで、スイッチをONにすることにより、診断対象コンデンサに定電流回路を接続する。すると、(4
)装置内部の消費電流、及び、定電流回路の定電流により、診断対象コンデンサが放電し、診断対象コンデンサの両端の電位差が低下する。ここで、昇圧回路が停止した時の電位と、所定時間t0経過後の電位との差((4)の期間に低下した電位差)を、電位差ΔV2とする。ここで、定電流回路の電流をIとすると、定電流回路に、時間t0の間に流れる電荷量は、I×t0となる。また、時間t0の間に定電流回路に流れる電荷によって低下する電位は、ΔV2−ΔV1となる。さらに、診断対象コンデンサの静電容量をCとすると、I×t0=C×(ΔV2−ΔV1)から、C=I×t0/(ΔV2−ΔV1)と求まる。
しかしながら、大容量のコンデンサを診断する場合、印加電圧に対する低下する電位の割合が小さく、容量の測定の精度が低くなる。また、電位差を計測するマイコン(μC)の性能により、電位差を小さくする必要がある。電圧分割により電位差を小さくする場合、電位差に1未満の定数を掛けることになるので、容量の測定の精度がより低くなる。低下する電位を大きくするために、放電時間t0を長くすることが考えられるが、放電時間を長くすることで、測定時間が長くなるという問題がある。
本発明は、コンデンサの容量診断における精度の向上を図ることを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、以下の手段を採用する。
即ち、第1の態様は、
コンデンサの両端の電位差が第1電圧値になるまで充電する充電手段と、
前記コンデンサに充電された電荷を定電流回路を用いて放電する定電流放電手段と、
前記充電手段により充電された前記コンデンサが前記定電流放電手段を用いずに放電される際の前記コンデンサの両端の電圧値から第2電圧値を引いた第1放電電圧値を出力し、前記充電手段により充電された前記コンデンサが前記定電流放電手段を用いて放電される際の前記コンデンサの両端の電圧値から前記第2電圧値を引いた第2放電電圧値を出力する出力手段と、
前記第1放電電圧値及び前記第2放電電圧値と、前記定電流回路の電流値とに基づいて、前記コンデンサの静電容量を算出する算出手段とを備え、
前記第2電圧値は、前記第1電圧値と前記出力手段が出力する最大の電圧値である第3電圧値との差分である、
コンデンサ容量診断装置とする。
本発明によれば、コンデンサの容量診断における精度の向上を図ることができる。
図1は、従来のコンデンサ容量診断回路の例を示す図である。 図2は、図1のコンデンサ容量診断回路における診断対象コンデンサの両端の電位差の時間変化を示す図である。 図3は、本実施形態のコンデンサ容量診断システムの構成例1を示す図である。 図4は、本実施形態のコンデンサ容量診断システムの構成例2を示す図である。 図5は、図4のコンデンサ容量診断システムにおける診断対象コンデンサの両端の電位差の時間変化及びカウンタ回路の出力の時間変化の例を示す図である。 図6は、構成例2のコンデンサ容量診断システムの変形例2−1を示す図である。 図7は、構成例2のコンデンサ容量診断システムの変形例2−2を示す図である。 図8は、図6のコンデンサ容量診断システムにおける診断対象コンデンサの両端の電位差の時間変化及びカウンタ回路の出力の時間変化の例を示す図である。 図9は、本実施形態のコンデンサ容量診断システムの構成例3を示す図である。 図10は、図9のコンデンサ容量診断システムにおけるコンデンサ及び診断対象コンデンサの両端の電位差の時間変化、各スイッチの状態の時間変化、出力電位の時間変化の例を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本発明は実施形態の構成に限定されない。
〈実施形態〉
(構成例1)
図3は、本実施形態のコンデンサ容量診断システムの構成例1を示す図である。図3のコンデンサ診断システム100は、コイル101、ツェナダイオード102、診断対象コンデンサ103、ダイオード104、コンデンサ容量診断装置110を含む。コイル101の先には、電源等が接続される。コンデンサ容量診断装置110は、昇圧回路111、第1抵抗112、オペアンプ113、第2抵抗114、第3抵抗115、オペアンプ116、アップダウンカウンタ117、DAC(Digital to Analog Converter)118、オ
ペアンプ119、第4抵抗120、スイッチ121、定電流回路122を含む。
コンデンサ容量診断システム100は、昇圧回路111により診断対象コンデンサ103を充電し、診断対象コンデンサ103の静電容量を診断(測定)する。診断対象コンデンサ103の一端は接地され、他端(高圧側)は昇圧回路111等に接続される。診断対象コンデンサ104の高圧側は、ダイオード104を介して、コンデンサ容量診断装置110に接続される。
昇圧回路111は、診断対象コンデンサ103を充電する電圧を、診断対象コンデンサ103に印加する回路である。昇圧回路111は、診断対象コンデンサ103の充電の際にONにされ、放電の際にOFFにされる。昇圧回路111は、充電手段の一例である。
第1抵抗112の一端がダイオード104に接続され、他端がオペアンプ113の非反転入力端子及びトランジスタ125のエミッタに接続される。オペアンプ113の非反転入力端子に入力される電圧は、外部のマイコン(μC)に出力される電圧となる。
オペアンプ113は、非反転入力端子に入力される電圧を、出力する。オペアンプ113の出力端子は、反転入力端子と短絡される。オペアンプ113の出力端子は、第2抵抗114の一端に接続される。第2抵抗114の他端は、オペアンプ116の非反転入力端子及び第3抵抗115の一端に接続される。第3抵抗115の他端は、接地される。オペアンプ113の出力電位は、第2抵抗114及び第3抵抗115により電圧分割されて、オペアンプ116の非反転入力端子に出力される。第2抵抗114の抵抗値をR2、第3抵抗115の抵抗値をR3、オペアンプ113の出力をVとすると、オペアンプ116の非反転入力端子に入力される電圧は、V×R3/(R2+R3)となる。
オペアンプ116の非反転入力端子は、抵抗114及び抵抗115の間に接続される。オペアンプ116の反転入力端子は、定電圧電源に接続される。当該定電圧電源の電圧は、1.25Vである。オペアンプ116は、非反転入力端子に入力される電圧から反転入力端子に入力される電圧値を引いた電圧値を出力する。オペアンプ116は、オペアンプ
116の非反転入力端子に入力される電位が1.25V未満であれば、負の電圧を出力し、オペアンプ116の非反転入力端子に入力される電位が1.25V超であれば、正の電圧を出力する。オペアンプ116反転入力端子の定電圧電源の電圧は、1.25Vに限定されるものではなく、他の電圧であってもよい。当該定電圧電源の電圧を、V0とする。
アップダウンカウンタ117は、クロックが入力される毎に、+1の信号または−1の信号を出力する。アップダウンカウンタ117には、オペアンプ116の出力が入力される。オペアンプ116の出力が正である場合、アップダウンカウンタは+1の信号を出力する。オペアンプ116の出力が負である場合、アップダウンカウンタは−1の信号を出力する。アップダウンカウンタ117は、クロックの入力がされないと、出力をしない。
DAC(Digital to Analog Converter)118は、アップダウンカウンタ117から
の出力に応じて、出力する電圧を調整する。DAC118は、アップダウンカウンタ117から+1の信号の入力があると、出力電圧を所定値分高くする。また、DAC118は、アップダウンカウンタ117から−1の信号の入力があると、出力電圧を所定値分低くする。DAC118は、アップダウンカウンタ117からの信号の入力がない場合、出力電圧を維持する。DAC118の出力は、オペアンプ119の非反転入力端子に入力される。オペアンプ119は、反転入力端子の電位を、批判点入力端子に入力される信号の電位と等しくなるように制御する。
オペアンプ119の反転入力端子は、第4抵抗120の一端及びトランジスタ125のコレクタに接続される。オペアンプ119の出力は、トランジスタ125のベースに接続される。トランジスタ125は、NPNトランジスタである。
第4抵抗120の一端は、トランジスタ125のコレクタ及びオペアンプ119の反転入力端子に接続される。第4抵抗120の他端は、接地される。DACの出力をV1、打4抵抗120の抵抗値をR4とすると、第4抵抗120に流れる電流Iは、I=V1/R4となる。第4抵抗120に流れる電流Iと同じ大きさの電流が、第1抵抗112にも流れる。第1抵抗112の抵抗値をR1とすると、第1抵抗112による電圧低下は、I×R1となる。DAC118の出力を固定すると、第1抵抗112に流れる電流Iを固定することができる。また、DAC118の出力が大きくなると、電流Iが大きくなり、第1抵抗112による電圧低下が大きくなる。逆に、DAC118の出力が小さくなると、電流Iが小さくなり、第1抵抗112による電圧低下が小さくなる。これにより、この回路でマイコン(μC)に出力される電圧は、V0×(R2+R3)/R3となる。
スイッチ121は、ダイオード104と定電流回路122との間に設けられ、ONの際に、ダイオード104と定電流回路122とを短絡する。
定電流回路122は、スイッチ121がONの際に、診断対象コンデンサ103に充電された電荷を放電する。診断対象コンデンサ103に充電された電荷は、スイッチ121がOFFの際でも、コンデンサ容量診断装置110の回路等で消費される。定電流回路122は、放電手段の一例である。コンデンサ容量診断装置110の回路等も、放電手段の一例である。
〈構成例1の動作例〉
ここでは、構成例1のコンデンサ容量診断システムの動作について説明する。初期状態では、診断対象コンデンサ103に定電流回路122を接続するスイッチ121はOFFにされているとする。昇圧回路111が起動すると、診断対象コンデンサ103が充電され、電位差が上昇する。電位差が所定の電圧である23.5Vに達すると、昇圧回路111は、所定の電圧を維持する。所定の電位は、23.5Vに限定されるものではない。
第1抵抗112に所定の電位の信号が入力されると、第1抵抗112の抵抗値R1により、電圧低下が起こる。電圧低下の量は、第1抵抗112に流れる電流値がIであるとすると、R1×Iである。電圧降下後の電圧を、Vxとすると、電圧Vxは、オペアンプ113の非反転入力端子に入力される。ここでは、オペアンプ113の出力は、Vxとなる。オペアンプ113の出力は、第2抵抗114及び第3抵抗115により、電圧分割されて、Vx×R3/(R2+R3)の電圧が、オペアンプ116の非反転入力端子に入力される。オペアンプ116は、非反転入力端子に入力される電圧から、反転入力端子に入力される電圧を引いた電圧を、出力する。ここでオペアンプ116の反転入力端子に接続される定電圧電源の電圧をV0とすると、オペアンプ116の出力は、Vx×R3/(R2+R3)−V0となる。オペアンプ116の出力は、アップダウンカウンタ117に出力される。
アップダウンカウンタ117には、所定時間毎にクロックが入力されている。アップダウンカウンタ117は、クロックが入力されている間、+1または−1の信号を、DAC118に出力する。アップダウンカウンタ117は、オペアンプ116から負の電位が入力されると、−1の信号を出力し、オペアンプ116から正の電位が入力されると、+1の信号を出力する。
DAC118は、アップダウンカウンタ117から+1の信号の入力があると、出力電圧を所定値分高くする。また、DAC118は、アップダウンカウンタ117から−1の信号の入力があると、出力電圧を所定値分低くする。DAC118は、アップダウンカウンタ117からの信号の入力がない場合、出力電圧を維持する。DAC118の出力は、オペアンプ119の非反転入力端子に入力される。
オペアンプ119は、反転入力端子の電位を、非反転入力端子に入力される信号の電位と等しくなるように制御する。これにより、DAC118の出力をV1とすると、第4抵抗120に流れる電流は、V1/R4となる。これは、第1抵抗112に流れる電流と等しくなる。よって、第1抵抗112による電圧低下は、R1×V1/R4となる。即ち、オペアンプ113の非反転入力端子に入力される電位が、V0×(R2+R3)/R3よりも高い場合、V1が大きくなり、電圧低下の量が大きくなる。また、オペアンプ113の非反転入力端子に入力される電位が、V0×(R2+R3)/R3よりも低い場合、V1が小さくなり、電圧低下の量が小さくなる。これにより、オペアンプ113の非反転入力端子に入力される電位が、V0×(R2+R3)/R3に近づくようにフィードバック制御される。あらかじめ、V0×(R2+R3)/R3を、マイコン(μC)の処理可能電位の最大値としておくことで、昇圧回路111による電圧が所定の電圧(例えば、23.5V)を超えないかぎり、マイコンへの出力がV0×(R2+R3)/R3を超えない。
次に、オペアンプ113の非反転入力端子に入力される電位が安定する適切な時間経過後に、アップダウンカウンタ117へのクロックの出力を止める。すると、電圧降下の量が固定される。このときのDAC118の出力をVfとすると、電圧低下の量は、R1×Vf/R4となる。
ここで、昇圧回路111を停止する。すると、コンデンサ容量診断装置110の内部の消費電流により、診断対象コンデンサ103が放電し、診断対象コンデンサ103の両端の電位差が徐々に低下する。ここで、昇圧回路111が停止した時の診断対象コンデンサ103の電位と、所定時間t0経過後の診断対象コンデンサ103の電位との差を、電位差ΔV1とする。第1抵抗112では、常に、R1×Vf/R4の電圧低下が起こるので、昇圧回路111が停止した時のマイコンに出力される電位と、所定時間t0経過後のマ
イコンに出力される電位との差は、電位差ΔV1である。また、上記のように、マイコンへの出力電位は、マイコン(μC)の処理可能電位を超えない。即ち、マイコンに合わせてマイコンへの出力電位の最大値を調整しても、診断対象コンデンサ103の放電による電位差ΔV1は、同じ電位差ΔV1として出力される。
ここで、再び、昇圧回路111を起動し、診断対象コンデンサ103を充電し、所定の電圧に達した時に、昇圧回路111を停止する。昇圧回路111の停止後、スイッチ121をONにすることにより、診断対象コンデンサ103に定電流回路122を接続する。すると、コンデンサ容量診断装置110の内部の消費電流、及び、定電流回路122の定電流により、診断対象コンデンサ103が放電し、診断対象コンデンサ103の両端の電位差が低下する。ここで、昇圧回路111が停止した時の電位と、所定時間t0経過後の電位との差を、電位差ΔV2とする。ここでも、第1抵抗112では、常に、R1×Vf/R4の電圧低下が起こるので、昇圧回路111が停止した時のマイコンに出力される電位と、所定時間t0経過後のマイコンに出力される電位との差は、電位差ΔV2である。また、上記のように、マイコンへの出力電位は、マイコン(μC)の処理可能電位を超えない。即ち、マイコンに合わせてマイコンへの出力電位の最大値を調整しても、診断対象コンデンサ103の放電による電位差ΔV2は、同じ電位差ΔV2として出力される。よって、定電流回路122の電流をIとすると、定電流回路122に、時間t0の間に流れる電荷量は、I×t0となる。また、時間t0の間に定電流回路122に流れる電荷によって低下する電位は、ΔV2−ΔV1となる。さらに、診断対象コンデンサの静電容量をCとすると、I×t0=C×(ΔV2−ΔV1)から、C=I×t0/(ΔV2−ΔV1)と求まる。従って、従来のように、電圧分割により電位差が小さくならないので、従来に比べて容量の測定の精度を向上させることができる。静電容量Cの算出は、コンデンサ容量診断装置110内で行われてもよい。即ち、外部のマイコンがコンデンサ容量診断装置110に含まれてもよい。マイコンは、上記のように診断対象コンデンサ103の静電容量Cを算出する。コンデンサ容量診断装置110に含まれるマイコンは、算出手段の一例である。
〈構成例1の作用、効果〉
コンデンサ容量診断装置110は、昇圧回路111が所定の電圧に達した時に、第1抵抗112における電圧低下の量をDAC118等の回路により決定する。コンデンサ容量診断装置110は、マイコンに出力される電圧の最大値をあらかじめ決定することができる。マイコンに出力される電圧の最大値は、マイコンが処理できる最大の電圧とすることが望ましい。コンデンサ容量診断装置110は、昇圧回路111の所定の電圧がばらついた場合であっても、第1抵抗112における電圧低下の量をフィードバック制御で調整することで、マイコンに出力される電圧の最大値を、一定にすることができる。また、コンデンサ容量診断装置110は、診断対象コンデンサ103の放電時に、診断対象コンデンサ103の電位を、先に決定した第1抵抗112における電圧低下の量だけ低下した電位を、マイコンに出力する。よって、コンデンサ容量診断装置110は、診断対象コンデンサ103の電圧の電圧降下の大きさと、これに伴うマイコンに出力される電圧の電圧降下の大きさとを等しくすることができる。これにより、診断対象コンデンサ103の容量を求める際の精度を向上させることができる。
(構成例2)
図4は、本実施形態のコンデンサ容量診断システムの構成例2を示す図である。図4のコンデンサ診断システム200は、コイル201、ツェナダイオード202、診断対象コンデンサ203、ダイオード204、コンデンサ容量診断装置210を含む。コイル201の先には、電源等が接続される。コンデンサ容量診断装置210は、昇圧回路211、コンパレータ212、定電圧電源213、カウンタ回路214、レジスタ回路215、SPI通信回路216、スイッチ221、定電流回路222を含む。
コンデンサ容量診断システム200は、昇圧回路211により診断対象コンデンサ203を充電し、診断対象コンデンサ203の静電容量を診断(測定)する。診断対象コンデンサ203の一端は接地され、他端(高圧側)は昇圧回路211等に接続される。診断対象コンデンサ203の高圧側は、ダイオード204を介して、コンデンサ容量診断装置210のスイッチ221等に接続される。ダイオード204は、ダイオード204に接続されるコンデンサ容量診断装置210側が診断対象コンデンサ203の高圧側よりも高電圧になっても、診断対象コンデンサ203が充電されることを防ぐ。また、診断対象コンデンサ203の高圧側は、コンパレータ212に接続される。
昇圧回路211は、診断対象コンデンサ203を充電する電圧を、診断対象コンデンサ203に印加する回路である。昇圧回路211は、診断対象コンデンサ203の充電の際にONにされ(昇圧開始)、放電の際にOFFにされる(昇圧停止)。ここでは、昇圧回路211は、23.5Vまで、昇圧するとする。昇圧回路211は、昇圧停止の際に、カウントを開始するための信号(COUNT_START)をカウンタ回路214に送信する。
コンパレータ212は、2つの入力電圧(第1入力、第2入力)を比較し、第1入力の電圧が第2入力の電圧よりも高い場合に第1電圧の出力、低い場合に第2電圧(<第1電圧)の出力を行う。コンパレータ212は、例えば、オペアンプで実現される。ここでは、コンパレータ212の第1入力は、診断対象コンデンサ203の高圧側に接続される。コンパレータ212の第2入力は、定電圧電源213に接続される。
定電圧電源213は、コンパレータ212の第2入力に、定電圧を出力する。ここでは、定電圧電源213の出力は、19.5Vとする。
定電圧電源213の出力が19.5Vであるとき、23.5Vまで充電された診断対象コンデンサ203の放電が開始されると、コンパレータ212の第1入力には、診断対象コンデンサ203の高圧側の電圧が入力される。コンパレータ212は、第1入力の電圧と、第2入力の定電圧電源213の電圧とを比較し、第1入力の電圧(診断対象コンデンサ203の高圧側の電圧)の方が高い場合に、第1電圧の出力がカウンタ回路214にされる。
カウンタ回路214は、カウントを開始するための信号(COUNT_START)を昇圧回路211から受信すると、カウント信号を出力する。カウント信号は、所定時間毎に1カウント(信号)である。カウンタ回路214は、カウント信号をレジスタ回路215に出力する。カウンタ回路214は、コンパレータ212から第1電圧が出力される間、カウント信号の出力を継続し、コンパレータ212から第2電圧が出力されると、カウント信号の出力を停止する。即ち、コンパレータ212は、診断対象コンデンサ203の電圧(高圧側の電位)が、19.5Vになるまで、第1電圧を出力する。
レジスタ回路215は、カウンタ回路214からカウント信号を受信し、カウント信号を受信する毎に、レジスタをカウントアップする。レジスタ回路215は、カウンタ回路214からカウント信号を受信しなくなると、SPI通信回路216に現時点のレジスタの値を出力し、レジスタの値を0にリセットする。
SPI通信回路216は、レジスタ回路215から出力されるレジスタの値を、外部のマイコン(μC)に出力する。マイコンは、レジスタの値に、カウント信号の周期(所定時間)を乗算することで、診断対象コンデンサ203の電圧が23.5Vから19.5Vになるまでの時間(放電時間)を求めることができる。
スイッチ221は、ダイオード204と定電流回路222との間に設けられ、ONの際に、ダイオード204と定電流回路222とを短絡する。
定電流回路222は、スイッチ221がONの際に、診断対象コンデンサ203に充電された電荷を放電する。診断対象コンデンサ203に充電された電荷は、スイッチ221がOFFの際でも、コンデンサ容量診断装置210の回路等で消費される。コンデンサ容量診断装置210の回路等で消費による放電量は、放電の時間に比例する。
〈構成例2の動作例〉
ここでは、構成例2のコンデンサ容量診断システムの動作について説明する。
図5は、図4のコンデンサ容量診断システムにおける診断対象コンデンサの両端の電位差の時間変化及びカウンタ回路の出力の時間変化の例を示す図である。図5のグラフでは、横方向は時間を示す。図5の上のグラフでは、縦方向は診断対象コンデンサ203の両端の電位差を示し、下のグラフでは、縦方向はカウンタ回路214の出力を示す。初期状態では、診断対象コンデンサ203に定電流回路222を接続するスイッチ221はOFFにされているとする。図5の例では、昇圧回路211が起動すると、診断対象コンデンサ203が充電され、電位差が上昇する。電位差が所定の電圧である23.5Vに達すると、昇圧回路211が停止される。ここで、昇圧回路211は、COUNT_START信号をカウンタ回路214に出力する。
また、昇圧回路211が停止されると、コンデンサ容量診断装置210の内部の消費電流により、診断対象コンデンサ203が放電し、診断対象コンデンサ203の両端の電位差が徐々に低下する。コンパレータ212は、第1入力の診断対象コンデンサ203の高圧側の電位と、第2入力の定電圧電源213の電位とを比較し、第1入力の電位が第2入力の電位よりも高い場合に、第1電位をカウンタ回路214に出力する。カウンタ回路214は、昇圧回路214からCOUNT_START信号が入力された後、コンパレータ212から第1電位が入力されている間、カウンタ信号をレジスタ回路215に出力する。
コンパレータ212は、診断対象コンデンサ203が放電して、第1入力の電位が第2入力の電位よりも低くなった場合に、第1電位よりも低い第2電位をカウンタ回路214に出力する。カウンタ回路214は、コンパレータ212から第2電位が入力されると、カウンタ信号の出力を停止する。
レジスタ回路215は、カウンタ回路214からカウント信号を受信し、カウント信号を受信する毎に、レジスタ回路215内のレジスタをカウントアップする。レジスタ回路215は、カウンタ回路214からカウント信号を受信しなくなると、SPI通信回路216に現時点のレジスタの値を出力し、レジスタの値を0にリセットする。
SPI通信回路216は、レジスタ回路215から出力されるレジスタの値を、外部のマイコン(μC)に出力する。マイコンは、レジスタの値に、カウント信号の周期(所定時間)を乗算することで、コンデンサ容量診断装置210内部の消費電流による、診断対象コンデンサ203の電圧が23.5Vから19.5Vになるまでの時間(放電時間)を求めることができる。この放電時間を、放電時間Aとする。
一方、診断対象コンデンサ203が放電して、診断対象コンデンサ203の高圧側の電位と定電圧電源213の電位とが等しくなると、昇圧回路211が起動し、診断対象コンデンサ203を充電すると、診断対象コンデンサ203の両端の電位差が上昇する。電位
差が所定の電圧である23.5Vに達すると、昇圧回路211が停止される。ここで、昇圧回路211は、COUNT_START信号をカウンタ回路214に出力する。さらに、定電流回路222に接続されるスイッチ221をONにする。
昇圧回路211が停止されると、コンデンサ容量診断装置210の内部の消費電流、及び、定電流回路222の消費電流により、診断対象コンデンサ203が放電し、診断対象コンデンサ203の両端の電位差が徐々に低下する。低下の速さは、コンデンサ容量診断装置210の内部の消費電流による低下よりも速い。
コンパレータ212、カウンタ回路214、レジスタ回路215、SPI通信回路216は、上記と同様に動作して、外部のマイコン(μC)に、レジスタの値が出力される。マイコンは、レジスタの値に、カウント信号の周期(所定時間)を乗算することで、コンデンサ容量診断装置210内部の消費電流、及び、定電流回路222の消費電流による、診断対象コンデンサ203の電圧が23.5Vから19.5Vになるまでの時間(放電時間)を求めることができる。この放電時間を放電時間Bとする。放電時間Bは、放電時間Aよりも短い。
ここで、コンデンサ容量診断装置210内部の電流をI1、定電流回路222の電流をI、診断対象コンデンサの静電容量をCとする。放電時間Aの間に、コンデンサ容量診断装置210に流れる電荷量は、I1×Aとなる。また、放電時間Aの間に低下する電位は、23.5V−19.5V=4.0Vである。このとき、診断対象コンデンサ203から放電される電荷量は、C×4.0となる。よって、I1×A=C×4.0である。また、放電時間Bの間に、コンデンサ容量診断装置210に流れる電荷量(定電流回路222に流れる電荷量を除く)は、I1×Bとなる。放電時間Bの間に、定電流回路222に流れる電荷量は、I×Bとなる。放電時間Bの間に、診断対象コンデンサ203から放電される電荷量も、C×4.0となる。よって、I1×B+I×B=C×4.0である。
外部のマイコンは、これらの2つの式から、診断対象コンデンサ203の静電容量Cを、C=(I×A×B)/(4.0×A−4.0×B)と求めることができる。静電容量Cの算出は、コンデンサ容量診断装置210内で行われてもよい。即ち、外部のマイコンがコンデンサ容量診断装置210に含まれてもよい。マイコンは、上記のように診断対象コンデンサ203の静電容量Cを算出する。コンデンサ容量診断装置210に含まれるマイコンは、算出手段の一例である。
《構成例2の変形例2−1》
図6は、構成例2のコンデンサ容量診断システムの変形例2−1を示す図である。図6のコンデンサ容量診断システム200は、図4のコンデンサ容量診断システム200と、共通点を有する。ここでは、主に、両者の相違点について、説明する。
変形例2−1のコンデンサ容量診断システム200では、構成例2のコンデンサ容量診断システム200の定電圧電源213が、可変電圧電源230に置き換えられている。他の構成については、構成例2のコンデンサ容量診断システム200と同様である。可変電圧電源230は、出力する電源電圧を、所定の範囲で自由に変更することができる。可変電圧電源230を用いることで、コンパレータ212の第2入力の電圧を、調整することができる。コンパレータ212の第2入力の電圧を調整することで、診断対象コンデンサ203の容量や電圧に応じて、カウント信号の出力を停止する電圧値を調整することができる。カウント信号の出力を停止する電圧値を変えることで、計測時間の調整や測定の精度の調整を行うことができる。一般に、測定の精度は、計測時間が長くなるほど、よくなる。
《構成例2の変形例2−2》
図7は、構成例2のコンデンサ容量診断システムの変形例2−2を示す図である。図7のコンデンサ容量診断システム200は、図4のコンデンサ容量診断システム200と、共通点を有する。ここでは、主に、両者の相違点について、説明する。
変形例2−2のコンデンサ容量診断システム200では、構成例2のコンデンサ容量診断システム200のSPI通信回路が、比較判定回路240に置き換えられている。他の構成については、構成例2のコンデンサ容量診断システム200と同様である。比較判定回路240は、放電時間A及び放電時間Bを取得し、診断対象コンデンサ203の静電容量Cを、上記と同様にして、求めて、マイコンに出力する。コンデンサ容量診断装置200内に、静電容量Cを求める比較判定回路240を設けることで、マイコンが起動する前に、コンデンサ容量を測定することができる。また、ここで、コンパレータ212に入力する定電圧電源213の電圧を19.5Vよりも、あらかじめ低い電圧とし、昇圧回路211が昇圧を停止する電圧を23.5Vよりも、あらかじめ低い電圧(ただし、定電圧電源213よりも高い電圧)とすることで、装置起動時の低い電圧(装置の通常動作時の電圧よりも低い電圧)で、コンデンサ容量の測定を行うことができる。コンパレータ212に入力する定電圧電源213の電圧は、装置の起動時に必要な他の装置(回路)を動作させることができる電圧以上であることが望ましい。
図8は、図6のコンデンサ容量診断システムにおける診断対象コンデンサの両端の電位差の時間変化及びカウンタ回路の出力の時間変化の例を示す図である。ここでは、昇圧回路211がコンデンサ容量の測定時に昇圧を停止する電圧及び定電圧電源213の電圧を上記のようにあらかじめ低い電圧としている。昇圧回路211が昇圧を停止する電圧及び定電圧電源213の電圧をあらかじめ低くすることで、装置起動時に、より早くコンデンサ容量の測定を行うことができる。
〈構成例2の作用、効果〉
コンデンサ容量診断装置210は、診断対象コンデンサ203の放電の際に、所定の電圧に達するまでの時間を計測する。電位の測定よりも時間の測定の方が精度が高いので、所定の電圧に達するまでの時間を計測することで、所定の時間における電圧降下量を測定するよりも、測定の精度の向上を図ることができる。
(構成例3)
図9は、本実施形態のコンデンサ容量診断システムの構成例3を示す図である。図9のコンデンサ診断システム300は、コイル301、ツェナダイオード302、診断対象コンデンサ303、コンデンサ304、コンデンサ容量診断装置310を含む。コイル301の先には、電源等が接続される。コンデンサ容量診断装置310は、昇圧回路311、第1抵抗312、オペアンプ313、トランジスタ314、第2抵抗315、ADC316、SPI通信回路317、第1スイッチ321、第2スイッチ322、定電流回路323を含む。
コンデンサ容量診断システム300は、昇圧回路311により診断対象コンデンサ303を充電し、診断対象コンデンサ303の静電容量を診断(測定)する。診断対象コンデンサ303の一端は接地され、他端(高圧側)は、第1スイッチ321を介して昇圧回路311等に接続される。昇圧回路311には、コンデンサ304も接続される。診断対象コンデンサ303の高圧側は、コンデンサ容量診断装置310の第2スイッチ322を介して、定電流回路323に接続される。さらに、診断対象コンデンサ303の高圧側は、オペアンプ313に接続される。また、コンデンサ304の高圧側は、第1抵抗312に接続される。第1抵抗312の抵抗値は、R1である。
オペアンプ313には、入力側に、診断対象コンデンサ303及び第1抵抗312が接続され、出力側にトランジスタ314のベースが接続される。トランジスタ314は、PNPトランジスタである。トランジスタ314のエミッタは、第1抵抗312、オペアンプ313の入力側に、接続される。トランジスタ314のコレクタには、第2抵抗315の一端が接続される。第2抵抗315の他端は接地される。第2抵抗の抵抗値は、R2である。また、トランジスタ314のエミッタには、ADC(Analog to Digital Conveter)が接続される。ADC316の出力側には、SPI通信回路317が接続される。SPI通信回路317からの信号は、外部のマイコン(μC)に向けて出力される。
〈構成例3の動作例〉
ここでは、構成例3のコンデンサ容量診断システムの動作について説明する。
図10は、図9のコンデンサ容量診断システムにおけるコンデンサ及び診断対象コンデンサの両端の電位差の時間変化、各スイッチの状態の時間変化、出力電位の時間変化の例を示す図である。図10のグラフでは、横方向は時間を示す。
初期状態では、診断対象コンデンサ303に定電流回路323を接続する第2スイッチ322はOFFにされているとする。また、診断対象コンデンサ303に昇圧回路311を接続する第1スイッチ321はONにされているとする。さらに、診断対象コンデンサ303に定電流回路323を接続する第2スイッチ322はOFFにされているとする。
図10の例では、昇圧回路311が起動すると、診断対象コンデンサ303及びコンデンサ304が充電され、電位差が上昇する。電位差が所定の電圧(例えば、23.5V)に達すると、当該所定の電圧が維持される。このとき、診断対象コンデンサ303の電圧も所定の電圧になる。
ここで、第1スイッチ321がOFFにされると、診断対象コンデンサ303の放電が開始される。すると、コンデンサ容量診断装置310の内部の消費電流により、診断対象コンデンサ303が放電し、診断対象コンデンサ303の両端の電位差が徐々に低下する。ここで、第1スイッチ321がOFFにされた時の診断対象コンデンサ103の電位と、所定時間T1経過後の診断対象コンデンサ103の電位との差を、電位差ΔV1とする。このとき、オペアンプ313の非反転入力端子に入力される電圧は、診断対象コンデンサ303の電圧となる。よって、オペアンプ313の反転入力端子の電圧は、診断対象コンデンサ303の電圧となる。このとき、第1抵抗312の両端に電位差が発生し、第1抵抗312には、電流Ixが流れる。電位差がΔV1のとき、電流Ixは、ΔV1/R2となる。このとき、第2抵抗315にも、電流Ixが流れる。よって、トランジスタ314のコレクタの電位ΔV1monは、ΔV1×R2/R1となる。この電位は、ADC316によりデジタル信号に変換され、SPI通信回路317により、マイコン(μC)に出力される。ここで、R2及びR1を調整することで、ADC316に入力する電位差を調整することができる。出力は、電位差ΔV1に比例した値となる。
ここで、第1スイッチ321がONにされると、診断対象コンデンサ303が充電される。診断対象コンデンサ303が充電された後、第1スイッチがOFFにされ、第2スイッチ322がONにされると、診断対象コンデンサ303の放電が開始される。すると、コンデンサ容量診断装置310の内部の消費電流、及び、定電流回路323の定電流により、診断対象コンデンサ303が放電し、診断対象コンデンサ303の両端の電位差が徐々に低下する。ここで、第1スイッチ321がOFFにされた時の診断対象コンデンサ103の電位と、所定時間T1経過後の診断対象コンデンサ103の電位との差を、電位差ΔV2とする。このとき、上記と同様に、オペアンプ313の非反転入力端子に入力される電圧は、診断対象コンデンサ303の電圧となる。よって、オペアンプ313の反転入
力端子の電圧は、診断対象コンデンサ303の電圧となる。このとき、第1抵抗312の両端に電位差が発生し、第1抵抗312には、電流Iyが流れる。電位差がΔV2のとき、電流Iyは、ΔV2/R2となる。このとき、第2抵抗315にも、電流Iyが流れる。よって、トランジスタ314のコレクタの電位ΔV2monは、ΔV2×R2/R1となる。この電位は、ADC316によりデジタル信号に変換され、SPI通信回路317により、マイコン(μC)に出力される。出力は、電位差ΔV2に比例した値となる。
定電流回路323の電流をIとすると、定電流回路323に、時間T1の間に流れる電荷量は、I×T1となる。また、時間T1の間に定電流回路323に流れる電荷によって低下する電位は、ΔV2−ΔV1となる。さらに、診断対象コンデンサ303の静電容量をCとすると、I×T1=C×(ΔV2−ΔV1)から、C=I×T1/(ΔV2mon×R1/R2−ΔV1mon×R2/R1)=と求まる。従って、従来のように、電圧分割により電位差が小さくならないので、従来に比べて容量の測定の精度を向上させることができる。また、R1及びR2を調整することにより、診断対象コンデンサ303の電位差よりも大きい電位差を出力することで、より精度を向上させることができる。静電容量Cの算出は、コンデンサ容量診断装置310内で行われてもよい。即ち、外部のマイコンがコンデンサ容量診断装置310に含まれてもよい。マイコンは、上記のように診断対象コンデンサ303の静電容量Cを算出する。コンデンサ容量診断装置310に含まれるマイコンは、算出手段の一例である。
〈構成例3の作用、効果〉
コンデンサ容量診断装置310は、1つのオペアンプ313、第1抵抗312、第2抵抗315等を用いて、診断対象コンデンサ303の電圧降下の大きさ(電位差)を、任意の大きさに変更して、出力することができる。これにより、診断対象コンデンサ303の容量測定の精度を向上させることができる。また、コンデンサ容量診断装置310は、構成例1や構成例2に比べ、構成を簡素にしつつ、精度の向上を図ることできる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。また、各構成例等は、可能な限りにおいて、組み合わされて実施され得る。
100 コンデンサ容量診断システム
101 コイル
102 ツェナダイオード
103 診断対象コンデンサ
104 ダイオード
110 コンデンサ容量診断装置
111 昇圧回路
112 第1抵抗
113 オペアンプ
114 第2抵抗
115 第3抵抗
116 オペアンプ
117 アップダウンカウンタ
118 DAC
119 オペアンプ
120 第4抵抗
121 スイッチ
122 定電流回路
125 トランジスタ
200 コンデンサ容量診断システム
201 コイル
202 ツェナダイオード
203 診断対象コンデンサ
204 ダイオード
210 コンデンサ容量診断装置
211 昇圧回路
212 コンパレータ
213 定電圧電源
214 カウンタ回路
215 レジスタ回路
216 SPI通信回路
221 スイッチ
222 定電流電源
230 可変電圧電源
240 比較判定回路
300 コンデンサ容量診断システム
301 コイル
302 ツェナダイオード
303 診断対象コンデンサ
304 コンデンサ
310 コンデンサ容量診断装置
311 昇圧回路
312 第1抵抗
313 オペアンプ
314 トランジスタ
315 第2抵抗
316 ADC
317 SPI通信回路
321 第1スイッチ
322 第2スイッチ
323 定電流回路

Claims (7)

  1. コンデンサの両端の電位差が第1電圧値になるまで充電する充電手段と、
    前記コンデンサに充電された電荷を定電流回路を用いて放電する定電流放電手段と、
    前記充電手段により充電された前記コンデンサが前記定電流放電手段を用いずに放電される際の前記コンデンサの両端の電圧値から第2電圧値を引いた第1放電電圧値を出力し、前記充電手段により充電された前記コンデンサが前記定電流放電手段を用いて放電される際の前記コンデンサの両端の電圧値から前記第2電圧値を引いた第2放電電圧値を出力する出力手段と、
    前記第1放電電圧値及び前記第2放電電圧値と、前記定電流回路の電流値とに基づいて、前記コンデンサの静電容量を算出する算出手段とを備え、
    前記第2電圧値は、前記第1電圧値と前記出力手段が出力する最大の電圧値である第3電圧値との差分である、
    コンデンサ容量診断装置。
  2. コンデンサの両端の電位差が第1電圧値になるまで充電する充電手段と、
    前記コンデンサに充電された電荷を定電流回路を用いて放電する定電流放電手段と、
    前記充電手段により充電された前記コンデンサが前記定電流放電手段を用いずに放電される際に、前記コンデンサの両端の電位差が前記第1電圧値から前記第1電圧値よりも低い第2電圧値になるまでの第1放電時間を計測し、前記充電手段により充電された前記コンデンサが前記定電流放電手段を用いて放電される際に、前記コンデンサの両端の電位差が前記第1電圧値から前記第2電圧値になるまでの第2放電時間を計測する計測手段と、
    前記第1放電時間及び前記第2放電時間と、前記定電流回路の電流値とに基づいて、前記コンデンサの静電容量を算出する算出手段と、
    を備えるコンデンサ容量診断装置。
  3. 前記第2電圧値は、変更可能である、
    請求項2に記載のコンデンサ容量診断装置。
  4. コンデンサの両端の電位差が第1電圧値になるまで充電し得る充電手段と、
    前記コンデンサに充電された電荷を定電流回路を用いて放電する定電流放電手段と、
    前記充電手段により前記第1電圧値よりも低い第2電圧値まで充電された前記コンデンサが前記定電流放電手段を用いずに放電される際に、前記コンデンサの両端の電位差が前記第2電圧値から前記第2電圧値よりも低い第3電圧値になるまでの第1放電時間を計測し、前記コンデンサが前記定電流放電手段を用いて放電される際に、前記コンデンサの両端の電位差が前記第2電圧値から前記第3電圧値になるまでの第2放電時間を計測する計測手段と、
    前記第1放電時間及び前記第2放電時間と、前記定電流回路の電流値とに基づいて、前記コンデンサの静電容量を算出する算出手段と、
    を備えるコンデンサ容量診断装置。
  5. 前記第3電圧値は、変更可能である、
    請求項4に記載のコンデンサ容量診断装置。
  6. コンデンサの両端の電位差が第1電圧値になるまで充電する充電手段と、
    前記コンデンサに充電された電荷を定電流回路を用いて放電する定電流放電手段と、
    前記第1電圧値と前記充電手段により充電された前記コンデンサが前記定電流放電手段を用いずに放電される際の前記コンデンサの両端の電圧値との差に、所定の係数を掛けた第1放電電圧値を出力し、前記第1電圧値と前記充電手段により充電された前記コンデンサが前記定電流放電手段を用いて放電される際の前記コンデンサの両端の電圧値との差に
    、前記所定の係数を掛けた第2放電電圧値を出力する出力手段と、
    前記第1放電電圧値及び前記第2放電電圧値と、前記定電流回路の電流値とに基づいて、前記コンデンサの静電容量を算出する算出手段と、
    を備えるコンデンサ容量診断装置。
  7. コンデンサの両端の電位差が第1電圧値になるまで充電する第1充電ステップと、
    前記第1充電ステップにより充電された前記コンデンサが定電流回路を用いずに放電される際の前記コンデンサの両端の電圧値から第2電圧値を引いた第1放電電圧値を出力する第1出力ステップと、
    前記コンデンサの両端の電位差が前記第1電圧値になるまで充電する第2充電ステップと、
    前記第2充電ステップにより充電された前記コンデンサが前記定電流回路を用いて放電される際の前記コンデンサの両端の電圧値から前記第2電圧値を引いた第2放電電圧値を出力する第2出力ステップと、
    前記第1放電電圧値及び前記第2放電電圧値と、前記定電流回路の電流値とに基づいて、前記コンデンサの静電容量を算出する算出ステップとを含み、
    前記第2電圧値は、前記第1電圧値と前記出力ステップで出力する最大の電圧値である第3電圧値との差分である、
    コンデンサ容量診断方法。
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