JP2009019204A - 発泡用樹脂組成物及び発泡成形体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)ポリオレフィン樹脂と、(B)発泡剤と、(C)黒色顔料と、を含有する発泡用樹脂組成物に、(D)変性ポリオレフィン樹脂を更に添加した。
【選択図】なし
Description
以上の課題に鑑み、本発明では色むらの発生を抑制し、外観が良好な発泡成形体を得ることができる発泡用樹脂組成物及びこの発泡用樹脂組成物を発泡してなる発泡成形体を提供することを目的とする。
即ち、本発明は、(A)ポリオレフィン樹脂と、(B)発泡剤と、(C)黒色顔料と、(D)変性ポリオレフィン樹脂と、を含有することを特徴とする発泡用樹脂組成物、及びこの発泡用樹脂組成物を発泡してなる発泡成形体に係るものである。
本発明に係る発泡用樹脂組成物(以下、単に樹脂組成物という)は、(A)ポリオレフィン樹脂と、(B)発泡剤と、(C)黒色顔料と、(D)変性ポリオレフィンと、を含有する。以下、詳細に説明する。
本発明で用いられるポリオレフィン樹脂(以下、成分(A)ともいう)は、オレフィンモノマーを主成分とする重合性モノマーを重合することによって製造された樹脂である。
(A)ポリオレフィン樹脂としては、オレフィンの単独重合体、少なくとも2種のオレフィンの共重合体が挙げられる。具体的には、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブテン樹脂などが挙げられる。このうち、ポリプロピレン樹脂であることが好ましい。これらの(A)ポリオレフィン樹脂は、単独又は2種以上を併用して用いてもよい。
エチレン−α−オレフィン共重合体に用いられるα−オレフィンの具体例としては、1−ブテン、2−メチル−1−プロペン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、2−エチル−1−ブテン、2,3−ジメチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、1−ヘプテン、メチル−1−ヘキセン、ジメチル−1−ペンテン、エチル−1−ペンテン、トリメチル−1−ブテン、メチルエチル−1−ブテン、1−オクテン、メチル−1−ペンテン、エチル−1−ヘキセン、ジメチル−1−ヘキセン、プロピル−1−ヘプテン、メチルエチル−1−ヘプテン、トリメチル−1−ペンテン、プロピル−1−ペンテン、ジエチル−1−ブテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン等が挙げられる。中でも、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンを用いることが好ましい。
また、プロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体としては、例えば、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−エチレン−1−オクテン共重合体等が挙げられる。
なお、上記共重合体成分(II)におけるエチレン及び/又はα−オレフィンの含有量は、10質量%〜70質量%であることが好ましい。
ポリプロピレン樹脂の結晶性の指標は、融解温度(融点)や立体規則性をもとに決定される。立体規則性は、通称、アイソタクチックインデックス、シンジオタクチックインデックスと称される。そしてアイソタクチックインデックスの高いポリプロピレン樹脂は、アイソタクチックポリプロピレンと称され、シンジオタクチックインデックスの高いポリプロピレン樹脂は、シンジオタクチックポリプロピレンと称される。
特に、上記重合体成分(I)と上記共重合体成分(II)からなるポリプロピレン系共重合体の製造方法として、好ましくは、前記重合体成分(I)を製造する段階と、前記共重合体成分(II)を製造する段階と、の少なくとも二段階の工程を有する多段階の製造方法が挙げられる。
他の樹脂として、例えば、ポリエチレン系樹脂、エチレン/α−オレフィン系エラストマー、ポリスチレン類、ABS(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合)樹脂、AAS(特殊アクリルゴム/アクリロニトリル/スチレン共重合)樹脂、ACS(アクリロニトリル/塩素化ポリエチレン/スチレン共重合)樹脂、ポリクロロプレン、塩素化ゴム、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、アクリル系樹脂、エチレン/ビニルアルコール共重合樹脂、フッ素樹脂、ポリアセタール、グラフト化ポリフェニレンエーテル樹脂及びポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、芳香族ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレートプリポリマー、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、ポリブタジエン、1,2−ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン/ブタジエン共重合体、ブタジエン/アクリロニトリル共重合体、エピクロルヒドリンゴム、アクリルゴム、天然ゴム等が挙げられる。これらは単独又は2種以上併用して用いてもよい。
ポリスチレン類としては、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)、AS(アクリロニトリル/スチレン共重合)樹脂が挙げられる。ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートが挙げられる。
本発明に係る樹脂組成物は、(B)発泡剤(以下、(B)成分ともいう)を含有する。この(B)発泡剤は化学発泡剤である。
発泡剤(B)としては、アゾ化合物、ニトロソ化合物、ヒドラジン誘導体、セミカルバジド化合物、有機系熱分解型発泡剤、重炭酸塩、炭酸塩、有機酸金属塩、亜硝酸塩、無機系熱分解型発泡剤等が挙げられる。
アゾ化合物としては、アゾジカルボンアミド(ADCA)、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)、ジメチル−2,2’−アゾビスブチレート、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチル−プロピオンアミジン]等が挙げられる。ニトロソ化合物としては、例えばN,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)が挙げられる。ヒドラジン誘導体としては、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホニルヒドラジド等が挙げられる。セミカルバジド化合物としては、例えばp−トルエンスルホニルセミカルバジドが挙げられる。有機系熱分解型発泡剤としては、トリヒドラジノトリアジン、クエン酸等が挙げられる。また、重炭酸塩としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等が挙げられる。炭酸塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム等が挙げられる。有機酸金属塩としては、例えばクエン酸ナトリウムが挙げられる。亜硝酸塩としては、例えば亜硝酸アンモニウムが挙げられる。無機系熱分解型発泡剤としては、例えば水素化合物が挙げられる。これらは単独又は2種以上併用して用いてもよい。
本発明に係る樹脂組成物は、(C)黒色顔料(以下、(C)成分ともいう)を含有する。黒色顔料は通常用いられている顔料であれば特に限定されず、そのpHは、7.1未満であり、5.0以下であることが好ましく、4.0以下であることがより好ましい。黒色顔料のpHは、顔料試験方法JIS K 5101に記載の方法によって決定される。
酸化鉄系黒色顔料としては、鉄黒、フェライト(非磁性フェライト、磁性フェライトなど)、マグネタイト等が挙げられる。
アゾ系顔料としては、例えば、特開昭62−138857号公報、特開平3−266685号公報などに記載されているアゾ系有機顔料、特許第1726153号明細書、特開2002−179943公報、特開2002−256165公報、米国特許第6,623,556(B2)号明細書に記載されたアゾ系顔料であり、(2−ヒドロキシ−N−(2’−メチル−4’−メトキシフェニル)−1−{[4−[(4,5,6,7−テトラクロロ−1−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−3−イリデン)アミノ]フェニル]アゾ}−11H−ベンゾ[a]−カルバゾール−3−カルボキシアミド)が挙げられる。
これらの(C)黒色顔料のうち、カーボンブラック、鉄黒を用いることが好ましく、カーボンブラックの中では着色力に優れるファーネスブラック、チャンネルブラックを用いることが好ましい。
本発明に係る樹脂組成物は、(D)変性ポリオレフィン樹脂(以下、(D)成分ともいう)を含有する。この(D)変性ポリオレフィン樹脂を用いることにより、化学発泡剤と黒色顔料との相互作用をより小さくすることが可能となり、黒色顔料の凝集を抑制することが可能となる。これによって発泡成形体を製造した場合に、色むらの発生を抑制することが可能となり、その結果優れた外観を有する発泡成形体を得ることが可能となる。
プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体及びプロピレン−エチレン−α−オレフィンブロック共重合体で用いられるα−オレフィンとしては、炭素数が4〜20のα−オレフィンが挙げられる。具体的には、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン等が挙げられる。
プロピレン−エチレン−α−オレフィンブロック共重合体としては、例えば、ブロピレン−エチレン−1−ブテンブロック共重合体等が挙げられる。
(L−M)n−L−(M−L)n
[式中、nは1〜10の整数である。]
具体的には、不飽和カルボン酸の酸無水物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸等が挙げられる。エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸グリシジル、マレイン酸モノエチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル、フマル酸モノメチルエステル、フマル酸ジメチルエステル等が挙げられる。アミドとしては、アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイン酸モノアミド、マレイン酸ジアミド、フマル酸モノアミドが挙げられる。イミドとしては、マレイミド、N−ブチルマレイミド等が挙げられる。金属塩としては、例えば、メタクリル酸ナトリウムが挙げられる。
上記不飽和カルボン酸及びその誘導体のうち、アクリル酸及びメタクリル酸のグリシジルエステル、無水マレイン酸を用いることが好ましい。
不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体によって変性されている部分の割合が、0.1質量%以上とすることにより、十分な色むら改善効果を奏することが可能となる。また、10質量%以下とすることにより、得られる成形体の機械的強度が低下してしまうことを防止することが可能となる。
(1)エチレン及び/又はプロピレンに由来する単位をポリマーの主な構成単位とするポリオレフィン樹脂に、無水マレイン酸及び/又はメタクリル酸グリシジルエステルをグラフト重合することによって得られる変性ポリオレフィン樹脂、
(2)エチレン及び/又はプロピレンを主な成分とするオレフィンと、メタクリル酸グリシジルエステル又は無水マレイン酸とを共重合することによって得られる変性ポリオレフィン樹脂
等が挙げられる。これらは単独又は2種以上併用して用いてもよい。
本発明に係る発泡成形体は、(A)ポリオレフィン樹脂と、(B)発泡剤と、(C)黒色顔料及び(D)成分と、を含有する樹脂組成物を発泡させることにより得られるものである。発泡成形体は、例えば以下のような方法で製造される。
方法(1):(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分を、一括で混合した後、(B)成分の分解温度以下、ポリオレフィン樹脂の融点以上の温度にて溶融混練したのち、得られた組成物を発泡成形させる方法。
方法(2):まず、(A)成分と(C)成分を溶融混練する。次いで、(B)成分及び(D)成分を加え発泡成形させる方法。
方法(3):(A)成分に、(B)成分と(C)成分及び(D)成分を、ドライブレンドさせ、発泡成形させる方法。
方法(4):まず、(A)成分と(C)成分及び(D)成分の一部を溶融混練する。次いで、(B)成分及び残りの(D)成分を加え発泡成形させる方法。
方法(5):まず、(C)成分及び(D)成分を溶融混練する。次いで、(A)成分及び(B)成分を加え発泡成形させる方法。
ここで、加工化学発泡剤とは、(C)黒色顔料と発泡剤を、予め、スーパーミキサーやタンブラー、過熱式ロールなどの混合機を用いて混合又は混練したものをいう。発泡剤としては、上記と同様に、アゾ化合物、ニトロソ化合物、ヒドラジン誘導体、セミカルバジド化合物、有機系熱分解型発泡剤、重炭酸塩、炭酸塩、有機酸金属塩、亜硝酸塩、無機系熱分解型発泡剤等が挙げられる。これらは単独又は2種以上併用して用いてもよい。
この場合のビヒクルは、ポリオレフィン樹脂であることが好ましく、溶融温度が(A)成分の溶融温度より低く、また溶融時の粘度が(A)成分の溶融時の粘度より低いポリオレフィン樹脂であることがより好ましい。
ここで、加工顔料とは、(C)黒色顔料と分散剤を、事前に、スーパーミキサーやタンブラー、過熱式ロールなどの混合機を用いて、混合又は混練したものをいう。
ワックスとしては、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス等が挙げられる。変性ワックスとしては、例えば、分子構造中に酸性基を有するワックスが挙げられる。具体的には、マレイン酸変性ワックス、フマル酸変性ワックス、アクリル酸変性ワックス、メタクリル酸変性ワックス、クロトン酸変性ワックス等が挙げられる。また、脂肪酸塩としては、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸、ラウリン酸、セバシン酸等の脂肪酸のナトリウム塩、カルシウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩等が挙げられる。
金属石鹸としては、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸、ラウリン酸、セバシン酸等の脂肪酸のナトリウム塩、カルシウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩が挙げられる。
加工顔料は、加工化学発泡剤と同様に、ビヒクルで希釈してマスターバッチを作成し、このマスターバッチを、(A)成分へ混合し、配合してもよい。
自動車材料としては、例えば、ドアートリム、ピラー、インストルメンタルパネル、コンソール、ロッカーパネル、アームレスト、ドアーインナーパネル、スペアタイヤカバー等の内装部品や、バンパー、スポイラー、フェンダー、サイドステップ、ドア・アウターパネル等の外装部品、その他エアインテークダクト、クーラントリザーブタンク、ラジエターリザーブタンク、ウインドウ・ウオッシャータンク、フェンダーライナー、ファン等の部品、また、フロント・エンドパネル等の一体成形部品等が挙げられる。
OA機器・メディア関連材料としては、磁気記録媒体や光記録媒体のケース、パソコン用部品、プリンター用部品等が挙げられる。
建材としては、コンクリートなどを固める枠や、壁部材等が挙げられる。排水設備としては、パイプやポンプ部品等が挙げられる。コンテナー材料としては、食品充填用容器、運搬用コンテナ−、衣装コンテナー等が挙げられる。また、運送用パレットなどが挙げられる。
中でも、本発明の成形品の用途として、好ましくは、自動車材料、家電材料、建材、排水設備、コンテナー、運送用パレットである。
(1)メルトフローレート(MFR、単位:g/10分)
JIS−K−6758に規定された方法に従って、測定した。特に断りのない限り、測定温度は230℃で、荷重は2.16kgで測定した。
電子顕微鏡法により測定した。電子顕微鏡法とは、カーボンブラックをクロロホルムに投入し、200KHzの超音波を20分間照射し分散させた後、分散試料を支持膜に固定し、これを透過型電子顕微鏡で写真撮影し、写真上の直径と写真の拡大倍率により粒子径を計算する方法である。この操作を約1500回にわたって実施し、それらの値の算術平均値により求めた。
JIS K 5101に記載の方法により測定した。
変性ポリオレフィン中の、α,β−不飽和グリシジルエステル由来の含有量は以下の手順で測定した。
<1>変性ポリオレフィン1.0gをキシレン10mlに溶解して、溶液を調製する。
<2>該溶液をメタノール300mlに攪拌しながら滴下して変性プロピレン系重合体を再沈殿させる。
<3>再沈殿された変性プロピレン系重合体を回収する。
<4>回収した変性プロピレン系重合体を真空乾燥する(80℃、8時間)。
<5>乾燥された変性プロピレン系重合体を熱プレスして、厚さ100μmのフィルムを作成する。
<6>フィルムの赤外吸収スペクトルを測定し、1730cm-1付近の吸収からグラフト量を定量する。
射出成形によりショートショット法にて成形された100×400×2mmt平板を用いて目視により外観を観察し、下記の基準に従って、良好と不良の判定を行った。
良好:成形品に色むらが発生しない場合、良好と判断した。
不良:成形品に色むらが発生した場合、不良と判断した。
(D)変性ポリオレフィン樹脂として、α,β−不飽和グリシジルエステルがグラフトされてなる変性プロピレン系重合体を用いた。当該変性プロピレン系重合体は以下の手順で製造した。
プロピレン単独重合体(MFR=0.5g/10分)100質量部と、グリシジルメタアクリレート2質量部と、ラジカル発生剤である化薬アクゾ株式会社製、商品名「パーカドックス14/40C」0.38質量部、及び同社製、商品名「パーカドックス24FL」0.56質量部と、スチレンモノマー2質量部と、を一括混合した。その後、50mmφ二軸混練押出機(東芝機械株式会社製TEM50)にて、シリンダー温度は上流域を180℃、中流域を220℃、下流域を260℃に設定し、押出量50kg/hr、スクリュー回転数200rpmで、α,β−不飽和グリシジルエステルがグラフトされてなる変性プロピレン系重合体を製造した。
この変性プロピレン系重合体のグリシジルメタアクリレートのグラフト量は、変性プロピレン系重合体の全量を100質量%として、0.6質量%であった。また変性プロピレン系重合体のメルトフローレートは、9.5g/10分であった。
(A)ポリオレフィン樹脂として、ポリプロピレン樹脂組成物(住友化学(株)製、ブロックコポリマー含有、MFR=80g/10分)100質量部を、(C)黒色顔料として、カーボンブラック(三菱化学製、pH=3.3、粒径23nm)0.05質量部を、その他成分として、酸化チタン(HUNTSMAN製、R−FC5))0.5質量部、ステアリン酸亜鉛(日東化成工業製)0.2質量部、の混合物をタンブラーで30分間攪拌、混合した。その後、シリンダー温度200℃で、二軸混練押出機(TEM−50A 東芝機械(株)製)を使用して押出量を50kg/hr、スクリュー回転数を200rpmで、200℃のシリンダ−設定温度条件にて、ベント吸引下で溶融混練し、着色ポリプロピレン樹脂組成物を得た。
得られた発泡成形品には色むらの発生は無く、外観良好であった。
実施例1に記載の(A)ポリオレフィン樹脂100質量部と、(C)黒色顔料0.05質量部と、(D)変性ポリオレフィン樹脂0.5質量部、及び酸化チタン0.5質量部の混合物をタンブラーで30分間攪拌、混合した。その後、実施例1と同様に溶融混練を行い、着色ポリプロピレン樹脂組成物を得た。
得られた発泡成形品には色むらの発生は無く、外観良好であった。
(D)変性ポリオレフィン樹脂として実施例1の「ポリボンド3200」の替わりに上記変性プロピレン系重合体を0.5質量部に変更した以外は、実施例1と同様に射出発泡成形を行い、発泡成形体を得た。
得られた発泡成形品には色むらの発生は無く、外観良好であった。
(C)黒色顔料として、pH=3.5、粒径16nmのカーボンブラック(三菱化学社製)0.05質量部に変更し、その他の成分として、ステアリン酸亜鉛を添加しなかった以外は、実施例1と同様の手順で着色ポリプロピレン樹脂組成物を得た。
上記着色ポリプロピレン樹脂組成物を実施例1と同様の手順で射出発泡成形を行い、発泡成形体を得た。得られた発泡成形品には、色むらの発生は無く、外観良好であった。
実施例1において、発泡成形時に配合した(D)変性ポリオレフィン樹脂を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様の方法により発泡成形体を得た。
得られた発泡成形品には、色むらが発生し、外観不良であった。
実施例4において、発泡成形時に配合した(D)変性ポリオレフィン樹脂を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様の方法により発泡成形体を得た。
得られた発泡成形品には、色むらが発生し、外観不良であった。
Claims (6)
- (A)ポリオレフィン樹脂と、(B)発泡剤と、(C)黒色顔料と、(D)変性ポリオレフィン樹脂を含有することを特徴とする発泡用樹脂組成物。
- 前記(B)発泡剤として、炭酸水素ナトリウムを含有する請求項1に記載の発泡用樹脂組成物。
- 前記(C)黒色顔料のpHは、7.1未満である請求項1又は2に記載の発泡用樹脂組成物。
- 前記(C)黒色顔料として、カーボンブラックを含有する請求項1から3いずれかに記載の発泡用樹脂組成物。
- 前記(D)変性ポリオレフィン樹脂は、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂及び/又はグリシジルメタアクリレート変性ポリオレフィン樹脂を含有する請求項1から4いずれかに記載の発泡用樹脂組成物。
- 請求項1から5いずれかに記載の発泡用樹脂組成物からなる発泡成形体。
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