JP2012136663A - 発泡成形体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】成形時において、異なる樹脂材料を混合する手間を少なくすることができると共に、発泡倍率や色のバラツキを低減することが可能な発泡成形体の製造方法を提供する。
【解決手段】化学発泡剤と着色材とを含むマスターバッチを、基材樹脂と混合することにより、発泡成形体を製造する。
【選択図】なし

Description

本発明は、化学発泡剤を用いて発泡成形体を成形するための製造方法に関する。
従来、発泡成形体を成形する方法の一つとして、発泡樹脂層を有する中空状溶融樹脂であるパリソンを押出し、該パリソンを金型にて挟み込み、エアを内部に吹き込むことで成形する方法がある。
発泡樹脂層を得る方法としては、例えば、炭酸ガスや窒素ガスを圧縮し、外部から押出機内へ注入する物理発泡方式や、押出機に投入する原料中に、熱や酸塩基反応などでガスを発生する化学発泡剤からなる添加剤を混合する化学発泡方式などが挙げられる。化学発泡剤としては、アゾジカルボンアミドに代表される有機系化学発泡剤や、重曹を主体とする無機系化学発泡剤などが挙げられる(例えば、特許文献1、2参照)。
物理発泡方式は、通常のブロー成形装置の他にガス注入装置などが必要であるため、設備が大型・高コストになってしまう。このような問題を解決するため、化学発泡剤を用いて発泡成形体を成形する開発が進んでいる。
一方、有色の成形体は、着色材を基材樹脂に添加し、パリソンを調色した状態で成形する方法が一般的である。この着色材は、着色のムラを少なくする観点や原料混合を容易にする観点から、着色機能を有する粉末をベースレジンと混練した着色マスターバッチとして使用される場合が多い。即ち、有色の発泡成形体を得るためには、基材樹脂に対して、着色マスターバッチと、化学発泡剤と、を別々に投入して混練する方法が一般的である。
特開2009−144122号公報 特開2004−285345号公報
しかし、着色するために、化学発泡剤とは別に着色マスターバッチを混合する方法によると、成形時に混合の手間がかかると共に、基材樹脂に対して、化学発泡剤や、着色マスターバッチが均一に混ざらず、成形体の発泡倍率や色にバラツキがでるという問題がある。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、成形時において、異なる樹脂材料を混合する手間を少なくすることができると共に、発泡倍率や色のバラツキを低減することが可能な発泡成形体の製造方法を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明は、以下の特徴を有する。
本発明に係る発泡成形体の製造方法は、化学発泡剤と着色材とを含むマスターバッチを、基材樹脂と混合することにより、発泡成形体を製造することを特徴とする。
なお、「マスターバッチ」とは、発泡剤や着色剤などの添加物を樹脂(ベースレジン)と混合してペレット状にしたものをいう。
本発明によれば、成形時において、異なる樹脂材料を混合する手間を少なくすることができると共に、発泡倍率や色のバラツキを低減することができる。
張力検出用プーリーと連結する検出機により検出される紐状物のMTを経時的に測定した結果を示す図である。 マスターバッチの作製装置を示す図である。 主発泡剤と発泡助剤との比率と、発泡体の比重及び気泡径と、の関係を示す図である。
以下に示す実施形態においては、化学発泡剤として、主発泡剤を発泡助剤と反応させることで発泡させる方式を用いている。ここで、主発泡剤とは、発泡助剤と反応して発泡する発泡剤である。
本実施形態においては、主発泡剤には重曹を、発泡助剤にはクエン酸を使用する。
重曹及びクエン酸は、それぞれ、ベースレジンと混合し、ペレット状に成形して用いる(マスターバッチ化する)。このように、マスターバッチ化することで、基材樹脂のペレットと混合したときに混ざりむらが発生しにくく、押出機内への供給量も安定する。
重曹及びクエン酸の粉末の状態(マスターバッチ化する前の状態)での粒径は特に限定しないが、取扱いと分散性の観点から重曹は平均30μm以上200μm以下、クエン酸は1μm以上50μm以下であることが好ましい。
本実施形態においては、黒色の発泡成形体を成形するため、着色剤として、カーボンブラックを使用する。なお、発泡成形体の見かけ密度が小さくなるほど染料よりも顔料の方が着色に適していることから、顔料であるカーボンブラックが望ましい。
発泡体はセル(空孔)を有するため、非発泡体と比較すると発泡体は単位体積あたりの樹脂量が少ない。染料はそれ自体が溶解し樹脂に混ざることで着色するが、顔料は固体のまま分散し着色を行う。そのため染料では着色のバラツキが発生しやすく、濃色の表現が難しい。
重曹マスターバッチは、基材樹脂に対する重曹の濃度が0.3〜1.8wt%となるように添加するのが好ましく、0.6〜1.5wt%がより好ましい。なぜなら、重曹の基材樹脂に対する濃度が0.3wt%未満だと、発泡倍率の向上、即ち、見掛け密度の低下が難しく、また、1.8wt%を超えると樹脂量に対しガス量が過剰となり飽和し樹脂の破泡を招くためである。
本実施形態では、クエン酸マスターバッチを作製する際に着色剤であるカーボンブラックの粉末を混合する。重曹マスターバッチではなく、クエン酸マスターバッチに着色剤を混合させることが好ましい理由は、以下(1)、(2)に示す通りである。
(1)発泡成形を行う際、クエン酸の添加重量は、重曹の添加重量に比べて少ないほうが良い。そのため、仮に、重曹マスターバッチ内の重曹濃度とクエン酸マスターバッチ内のクエン酸濃度が同じになるように重曹マスターバッチと、クエン酸マスターバッチと、を作製した場合、発泡成形を行う際に使用する重曹マスターバッチの個数に比べて、クエン酸マスターバッチの個数が著しく少なくなってしまう。この場合、両者が充分に接触せず、発泡が十分に行われない可能性がある。
ここで、マスターバッチを作製する際、ベースレジンに混合できる添加物の量には限りがある。そのため、仮に、着色剤を重曹マスターバッチに混合させた場合、着色剤を混合した分だけ、重曹マスターバッチ内に混合できる重曹の量は減ることになる。この場合、発泡成形に必要とする重曹マスターバッチの個数は増えてしまい、発泡成形に必要とするクエン酸マスターバッチの個数との差が大きく開いてしまう。
一方、クエン酸マスターバッチに着色材を混ぜた場合は、クエン酸マスターバッチ内のクエン酸濃度を小さくできるので、発泡成形時に必要とする重曹マスターバッチの個数と、クエン酸マスターバッチの個数と、を近づけることができる。これにより、酸塩基反応を効率良く発生させることができる。
(2)重曹マスターバッチ作製の際に、温度を上げすぎるとガスの放出が生じるため、混練温度をベースレジンの融点付近に設定する必要がある。そのため、ベースレジン樹脂の溶融粘度が高くなり混練時の押出し負荷が大きくなる。
一方、クエン酸は、重曹に比べて、温度を上げてもガスが放出されにくい。そのため、クエン酸マスターバッチを作製する場合は、重曹マスターバッチを作製する場合に比べて、基材樹脂と高温で混錬することができ、混錬時の押出負荷は小さい。そのため、着色剤を混合することで、多少押出負荷が増加しても影響は少ない。
マスターバッチの作成方法は特に限定しないが、ストランドカット方式の二軸混練機で作成することが望ましい。ストランドカット方式であれば、混練された樹脂の冷却時間を容易に制御できるため発泡剤の性能低下を抑制することが出来る。また混練直後の樹脂の様子を確認することが出来る。
ストランドは20℃前後の水中を0.5〜1.5秒通過させ、20秒以上大気中で徐冷した後、ペレタイザにてカットすることが望ましい。ストランドの水中通過時間が長すぎると添加剤、特に、クエン酸が水に溶出し、マスターバッチの機能を損なうおそれがある。また、大気中での徐冷時間が短い場合、ストランドが柔らかく切断し難くなるおそれがある。
後工程である発泡成形にて該マスターバッチを使用する際に、他の基材樹脂原料とのドライブレンドを容易に行えるようにするため、マスターバッチの粒径は2〜6mmが好ましく、3〜4mmがさらに好ましい。マスターバッチの粒径が基材樹脂のペレット径と著しく異なる場合は、ブロー成形原料との混合工程や保管時に、発泡剤や発泡助剤及び着色剤が充分に分散されないおそれがある。
マスターバッチを作製する際は、低温でストランドを形成する必要性があるため、ベースレジン樹脂の融点は120℃以下が好ましく、110℃以下が特に好ましい。
さらにベースレジン樹脂の流動性が低すぎる場合、混練機へ掛かる負荷が高くなるおそれがあり、流動性が高すぎる樹脂は混練にムラが生じるおそれがあるため、ベースレジンとして使用する樹脂のMFRは5〜50g/10minが好ましく、10〜40g/10minがさらに好ましく、20〜35g/10minが特に好ましい。
クエン酸マスターバッチに含まれるカーボンブラックの量は発泡成形を行う際、基材樹脂に添加される重曹マスターバッチとクエン酸マスターバッチとの量によって決定される。
発泡成形品に求められる見掛け密度が小さい程単位重量あたりの体積が大きくなるため、着色性を維持するためには多量のカーボンブラックを必要とする。
また、クエン酸マスターバッチに含まれるカーボンブラックの量は発泡成形品へ添加する主発泡剤(重曹)と発泡助剤(クエン酸)との比率にも依存する。クエン酸マスターバッチの添加量が増す程カーボンブラックの濃度を低く設定する必要がある。
また、必要に応じて気泡調整剤を用いて気泡径を調整することができる。代表的なものとしては、タルク、シリカ、酸化亜鉛、炭酸カルシウム等の無機系気泡調整剤がある。これらの無機系気泡調整剤は気泡生成時の核となり、気泡をより微細にすることができる。
上記の重曹マスターバッチ及び着色剤を混合したクエン酸マスターバッチは、ポリプロピレン系樹脂または高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂を基材樹脂とした発泡成形への利用に適している。当該基材樹脂は2種類以上の原料をブレンドして用いても良い。またブロー成形性を損なわない範囲で基材樹脂としてブテン系樹脂やスチレン系樹脂、EPR等を含んでも良い。
発泡ブロー成形においては、基材となる樹脂はプロピレン系樹脂を主成分とする場合200℃におけるMT値が3.0gf以上であり、かつ、200℃におけるMFRが0.2g/10min以上、さらにMTとMFRの積算値が13gf・g/10min以上であることが望ましい。
MT値が小さい樹脂は溶融樹脂内でのセルの破壊、すなわち、破泡が発生しやすくなり、パリソンを十分に発泡させることが困難である他、金型内にて附形する際に樹脂が伸び難く形状を転写することが困難になる。また、樹脂の流動性が低い樹脂は、発泡剤や発泡助剤の混ざりが悪いため不均質な気泡成長を促すおそれがある。
上述した樹脂のMTは、株式会社東洋精機製作所製のメルトテンションテスターII型等によって測定したものである。具体的にはオリフィス径2.095mm、長さ8mmのオリフィスを有するメルトテンションテスターを用い、上記オリフィスから樹脂温度200℃、押出のピストン速度10mm/minの条件で樹脂を紐状に押出して、この紐状物を直径45mmの張力検出用プーリーに掛けたあと、直径50mmのローラーで速度4rpmで巻取りを行う。
MTを求めるには、ピストン内に原料を入れ、ピストン内の温度が170±0.2℃もしくは200±0.2℃になったあと予備荷重をかけ、4分間保持する(このとき考えられる原料の種類としては、バージン原料樹脂、予め溶融混練を行った樹脂の細断物、成形品から切り出し細断した樹脂の3種類が考えられる)。予備荷重はMFRによって異なり、表1の通りである。その後、巻取り速度5rpmにおいて、巻取りを行い、張力検出用プーリーと連結する検出機により検出される紐状物のMTを経時的に測定し、縦軸にMT(gf)を、横軸に時間(秒)を取り、チャートに示すと図1のように振幅をもったグラフが得られる。図1において本実施形態におけるMTは、振幅の安定した部分の振幅の中央値(X)をとる。なお、希に発生する特異的な振幅は無視するものとする。また、MFRはJIS K7210に記載されている200℃、荷重2.16kgfで測定した値を採用するものとする。
Figure 2012136663
発泡成形体の比重は、発泡成形体の両端部及び中央部(コンプレッション部は除く)を切り出したものを試験片として、それぞれの試験片につき、試験片の重量(g)を該試験片の体積(cm3)にて除算して比重を求め、その平均の値を発泡成形体の比重とする。
<マスターバッチの作製>
マスターバッチの作製方法は、作製装置(二軸混練機)を示す図2を参照して説明する。マスターバッチのベースレジンは樹脂供給用ホッパ1に投入され、外部のモータより動力を得る樹脂供給用ホッパ内フィーダ2によりシュータ部5に輸送される。発泡剤重曹、発泡助剤クエン酸、着色剤カーボンブラックの粉末は粉体用ホッパ3に投入され、外部のモータより動力を得る粉体用ホッパ内フィーダ4によりシュータ部5に輸送される。シュータ部5でブレンドされた発泡剤もしくは着色発泡助剤の原料は二軸スクリュ混練機シリンダ6に送られ、シリンダ内のスクリュにて樹脂の混練及び輸送が行われる。シリンダ内で混練された樹脂はダイス7よりシリンダ外へ押出され、ストランド8を形成する。ストランド8は、水槽9内のストランドガイド用ローラー10を経てペレタイザ11へ誘導され、該ペレタイザ11内部の刃でストランド8を切断しマスターバッチペレット12を得る。
実施例1〜4、比較例1〜2で使用する主発泡剤マスターバッチは、融点106℃・MFR20g/10minである低密度ポリエチレンをベースレジンとして、φ26mm二軸混練機にて、当該ベースレジンと、重曹と、を混練して作製した。なお、当該主発泡剤マスターバッチ内の重曹の濃度が40wt%になるように混練した。また、使用した重曹粉末は、最小粒子径38μm・最大粒子径150μm・平均粒子径65μmのものである。
また、実施例1〜4で使用する着色発泡助剤マスターバッチは、融点106℃・MFR20g/10minである低密度ポリエチレンをベースレジンとし、φ26mm二軸混練機にて、当該ベースレジンと、カーボンブラックと、クエン酸とを混練して作製した。
なお、実施例1〜4における、マスターバッチ内のカーボンブラックと、クエン酸の濃度は、表2に示す通りである。また、使用したクエン酸粉末は、最小粒子径1.53μm・最大粒子径38.8μm・平均粒子径7.1μmである。また、カーボンブラックの平均粒子径は30nmである。
Figure 2012136663
また、比較例1〜2で使用する発泡助剤マスターバッチは、融点106℃・MFR20g/10minである低密度ポリエチレンをベースレジンとし、φ26mm二軸混練機にて、当該ベースレジンと、クエン酸と、を混練して作製した。なお、当該発泡助剤マスターバッチ内のクエン酸の濃度が40wt%になるように混練した。また、使用したクエン酸粉末は、最小粒子径1.53μm・最大粒子径38.8μm・平均粒子径7.1μmである。
<ポリプロピレン着色発泡シートの押出し>
φ25mm押出機を用いて実施例1〜4及び比較例1に示す黒色発泡シートを得、それぞれのシートについて見かけ密度とLab法による色差を測定した。なお自重によるシート内部の気泡形状変化を極力防ぐため押出シートの長さは280mmとし、端部より130mmの位置から20mmの試験片を切出し、測定を行った。それぞれN=9として測定した結果を表2に示す。
(実施例1)
BOREALIS社製のHMS-PPであるDaployWB140と日本ポリプロ社製のPPであるノバテックFB3312を70/30の比率でドライブレンドした基材樹脂100重量部に対し、重曹濃度40.0wt%の発泡剤マスターバッチを2.57部、カーボンブラック濃度14.0wt%、クエン酸濃度6.0wt%の着色発泡助剤マスターバッチを2.86部添加し押出した結果、平均見かけ密度が0.393g/cm3、平均色差L値が20.27のシートを得た。
(実施例2)
BOREALIS社製のHMS-PPであるDaployWB140と日本ポリプロ社製のPPであるノバテックFB3312を70/30の比率でドライブレンドした基材樹脂100重量部に対し、重曹濃度40.0wt%の発泡剤マスターバッチを2.57部、カーボンブラック濃度24.4wt%、クエン酸濃度15.7wt%の着色発泡助剤マスターバッチを1.64部添加し押出した結果、平均見かけ密度が0.424g/cm3、平均色差L値が20.10のシートを得た。
(実施例3)
BOREALIS社製のHMS-PPであるDaployWB140と日本ポリプロ社製のPPであるノバテックFB3312を70/30の比率でドライブレンドした基材樹脂100重量部に対し、重曹濃度40.0wt%の発泡剤マスターバッチを2.57部、カーボンブラック濃度28.0wt%、クエン酸濃度12.0wt%の着色発泡助剤マスターバッチを1.43部添加し押出した結果、平均見かけ密度が0.400g/cm3、平均色差L値が20.41のシートを得た。
(実施例4)
BOREALIS社製のHMS-PPであるDaployWB140と日本ポリプロ社製のPPであるノバテックFB3312を70/30の比率でドライブレンドした基材樹脂100重量部に対し、重曹濃度40.0wt%の発泡剤マスターバッチを2.57部、カーボンブラック濃度30.3wt%、クエン酸濃度9.7wt%の着色発泡助剤マスターバッチを1.32部添加し押出した結果、平均見かけ密度が0.398g/cm3、平均色差L値が20.78のシートを得た。
(比較例1)
BOREALIS社製のHMS-PPであるDaployWB140と日本ポリプロ社製のPPであるノバテックFB3312を70/30の比率でドライブレンドした樹脂100重量部に対し、重曹濃度40.0wt%の発泡剤マスターバッチを2.57部、クエン酸濃度40.0wt%の発泡助剤マスターバッチを0.43部、カーボンブラック濃度40.0wt%の着色マスターバッチを1部添加し押出した結果、平均見かけ密度が0.419g/cm3、平均色差L値が19.99のシートを得た。
(比較例2)
BOREALIS社製のHMS-PPであるDaployWB140と日本ポリプロ社製のPPであるノバテックFB3312を70/30の比率でドライブレンドした樹脂100重量部に対し、重曹濃度40.0wt%の発泡剤マスターバッチを2.57部、クエン酸濃度40.0wt%の発泡助剤マスターバッチを0.32部、カーボンブラック濃度40.0wt%の着色マスターバッチを1部添加し押出した結果、平均見かけ密度が0.411g/cm3、平均色差L値が19.87のシートを得た。
実施例1と比較例1とを比べると、見かけ密度測定結果、色差測定結果ともに平均値はほぼ同値であるが、見かけ密度測定における標準偏差は実施例1の方が比較例1に比べて63%小さくなり、Lab色差測定におけるL値標準偏差は実施例1の方が比較例1に比べて35%小さくなった。
比較例1は実施例1に比べて助剤マスターバッチの個数が少なく、発泡剤マスターバッチと発泡助剤マスターバッチの接触回数が充分に得られなかったため見かけ密度、色差測定結果ともに標準偏差が大きくなったものと考えられる。
実施例2〜実施例4の比較ではクエン酸の比率が低下することに伴い見掛け密度の平均値が低くなったとともに、見かけ密度及び色差L値の標準偏差が大きくなる結果となった。
この結果から着色性能及び見かけ密度に関しての標準偏差は着色発泡助剤マスターバッチのペレット数に依存していることが伺える。また、実施例2は実施例3に比べると、重曹添加量に対してクエン酸添加量が過剰になるため、発泡を阻害し見かけ密度が下がらなかったと思われる。また、実施例4は、実施例3に比べると、発泡助剤の添加量が少ないため、気泡が大きくなり見かけ密度のばらつきが大きくなったものと予想される。
比較例1と実施例3との比較では、比較例1に比べて実施例3の平均見かけ密度が5%小さく、見かけ密度の標準偏差が34%小さく、色差L値の標準偏差は33%小さくなった。また比較例2と実施例4との比較においては、比較例2に比べて実施例4の平均見かけ密度が3%小さく、見かけ密度の標準偏差が47%小さく、色差L値の標準偏差は30%小さくなった。
比較例1及び比較例2は実施例3及び実施例4に比べて助剤マスターバッチの個数が少なく、発泡剤マスターバッチと発泡助剤マスターバッチの接触回数が充分に得られなかったため見かけ密度、色差測定結果ともに標準偏差が大きくなったものと考えられる。
<着色発泡ポリエチレンブロー成形ダクトの作成>
(実施例5)
東ソー社製のHMS-PEである08S55Aと住友ポリエチレン社製のLDPEであるG201Fを87/13の比率でドライブレンドした樹脂100重量部に対し、実施例3と同様重曹濃度40.0wt%の主発泡剤マスターバッチを2.57部、カーボンブラック濃度、28.0%クエン酸濃度12.0wt%の着色発泡助剤マスターバッチを1.43部添加しブロー成形を行った結果、平均見かけ密度が0.438g/cm3、平均L値が31.02、平均気泡径241μmを有する発泡ダクトを得た。
(比較例3)
実施例5と同一の基材樹脂100重量部に対し、比較例1と同様重曹濃度40.0wt%の主発泡剤マスターバッチを2.57部、クエン酸濃度40.0wt%の発泡助剤マスターバッチを0.43部、カーボンブラック濃度40.0wt%の着色マスターバッチを1部添加しブロー成形を行った結果、平均見かけ密度が0.438 g/cm3、平均L値が31.07、平均気泡径267μmを有するダクトを得た。本ダクトは樹脂温度やパリソン肉厚、ブローエアー吹込時間等の成形条件を実施例5と同値とし成形したものである。
実施例5、比較例3の結果を表3に示す。
Figure 2012136663
実施例5は比較例3に比べて平均見かけ密度が0.009g/cm3、色差L値標準偏差が0.20、平均気泡径が25.9μm小さくなっており、着色発泡助剤を使用する事の優位性が見られた。
比較例3に比べて実施例5はクエン酸含有マスターバッチの個数が多いため、重曹とクエン酸の接触確率が増え均質に発泡することにより、気泡径が小さくなったと考えられる。
本試験における見かけ密度と気泡径は、パリソンの上中下3箇所に該当する部分をダクトから切出し、3点の平均値から求めたものである。
また、気泡径はパリソンのTD方向断面をデジタルマイクロスコープで拡大し、ダクトの肉厚を測定する線分と交差する全ての気泡について短径・長径をそれぞれ測定し、全ての平均値より算出した。またTD方向とは樹脂の流れ方向に対し垂直をなす方向を意味する。
<重曹とクエン酸の最適含有比率の検討>
φ25mm押出機により、BOREALIS社製のHMS-PPであるDaployWB140と日本ポリプロ社製のPPであるノバテックFB3312を70/30の比率でドライブレンドした樹脂100重量部に対し、重曹濃度40.0wt%の発泡剤マスターバッチとクエン酸濃度40.0wt%の発泡助剤マスターバッチを総じて3.5部添加したものを原料としてシートを作成した。発泡剤マスターバッチと発泡助剤マスターバッチの配合比率は、クエン酸の重量1に対して重曹の重量が2〜9となるように変更し、それぞれのシートについて見かけ密度とTD方向断面の気泡径測定を行った。図1に結果を示す。なお自重によるシート内部の気泡形状変化を極力防ぐため押出シートの長さは280mmとし、試験片は端部より130mmの位置から20mmを切出したものとした。
気泡径はパリソンのTD方向断面をデジタルマイクロスコープで拡大し、ダクトの肉厚を測定する線分と交差する全ての気泡について短径・長径をそれぞれ測定し、全ての平均値より算出した。
図1に示すように、クエン酸(発泡助剤)の重量1に対して、重曹(主発泡剤)の重量が8以上になると、気泡径が大きくなり易くなる。そのため、重曹の重量は、8未満であることが望ましい。
また、クエン酸(発泡助剤)の重量1に対して、重曹(主発泡剤)の重量が2以下になると、成形品の発泡倍率が上がり難くなる。そのため、重曹の重量は、2を超えることが望ましい。なお、クエン酸の重量1に対する重曹の重量が4を越える場合は、発泡倍率をより高くすることができる。したがって、高い発泡倍率で、微細な気泡形状の発泡体を得るためには、クエン酸の重量1に対し重曹の重量は2を超え、8未満の範囲が好ましい。
なお、主発泡剤と着色発泡助剤とを別々のマスターバッチとする場合に限らず、主発泡剤と着色発泡助剤とを単一のマスターバッチとして用いることも可能である。すなわち、主発泡剤と、発泡助剤と、着色材と、ベースレジンと、を混合し、着色及び発泡用のマスターバッチを作製し、当該マスターバッチのペレットを、基材樹脂のペレットと押出機内で混合して発泡成形を行うことも可能である。
なお、上述した実施形態及び実施例は、本発明の好適な実施形態及び実施例であり、上記実施形態及び実施例のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
1 樹脂供給用ホッパ
2 樹脂供給用ホッパ内フィーダ
3 粉体用ホッパ
4 粉体用ホッパ内フィーダ
5 シュータ部
6 二軸スクリュ混練機シリンダ
7 ダイス
8 ストランド
9 水槽
10 ストランドガイド用ローラー
11 ペレタイザ
12 マスターバッチペレット

Claims (3)

  1. 化学発泡剤と着色材とを含むマスターバッチを、基材樹脂と混合することにより、発泡成形体を製造する発泡成形体の製造方法。
  2. 前記化学発泡剤は、主発泡剤と、当該主発泡剤と反応して当該主発泡剤を発泡させる発泡助剤と、で構成され、
    (A)前記主発泡剤と、(B)ベースレジンに前記発泡助剤と前記着色材とを混合させた前記マスターバッチと、(C)前記基材樹脂と、を混合することにより、前記主発泡剤を発泡させて前記基材樹脂を発泡成形体とする請求項1に記載の発泡成形体の製造方法。
  3. 前記発泡助剤としてのクエン酸の重量1に対して、前記主発泡剤としての重曹の重量が2を超え8未満となるように、前記主発泡剤と前記マスターバッチとを混合することを特徴とする請求項2に記載の発泡成形体の製造方法。
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