JP2009001921A - アクリロニトリル系炭素繊維前駆体繊維束およびこれを用いた炭素繊維束、ならびにその製造方法 - Google Patents

アクリロニトリル系炭素繊維前駆体繊維束およびこれを用いた炭素繊維束、ならびにその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】繊維長手方向での結晶構造斑が低減されたアクリロニトリル系炭素繊維前駆体繊維束を提供する。
【解決手段】ポリアクリロニトリル系炭素繊維前駆体繊維束であって、該繊維束の長手方向に対し垂直方向にX線回折の2θ測定を行うと、2θ=17°近傍のポリアクリロニトリル(100)反射に相当する回折強度ピークの半値幅の平均値が0.60°以下であり、下記数式(1)で求められるCV値が2以下である炭素繊維前駆体繊維束。
CV値=(半値幅の標準偏差)/(半値幅の平均値)×100…(1)
【選択図】なし

Description

本発明は、各種複合材料において補強繊維材料として利用される炭素繊維束の前駆体である、アクリロニトリル系炭素繊維前駆体繊維束(以下、プレカーサーと呼ぶことがある。)、およびその製造方法、ならびに該プレカーサーを用いた炭素繊維束およびその製造方法に関する。
炭素繊維は他の繊維に比べて優れた比強度と比弾性率を有し、その軽量性と優れた機械的特性により、複合材料を得る際の補強材として多用されている。特に各種スポーツ用具や航空宇宙用途等の分野では、炭素繊維強化複合材料として利用されており、近年、ますますの産業用途への需要が見込まれている。そこで生産効率向上のため、「紡糸設備や焼成設備の増設」、「繊維束の多フィラメント化(繊維束を構成するモノフィラメント数の増加)」、「紡糸速度や焼成速度の高速化」、「一回の巻き取り量アップ」などの対応が必須となっている。
炭素繊維強化複合材料が安定した物性を発現するためには、炭素繊維の繊維束間および繊維長手方向において、構造や物性が安定している必要があり、そのためにはその前駆体であるプレカーサーの繊維束間および繊維長手方向での構造が安定している必要がある。しかし上記の「紡糸速度や焼成速度の高速化」、「一回の巻き取り量アップ」などの対応では、繊維長手方向での構造斑や物性斑が非常に大きくなり、プレカーサーの構造が繊維長手方向に一様でなくなる問題が生じるおそれがある。
特にポリアクリロニトリル(100)反射由来の結晶構造は、経験的に炭素繊維の物性に非常に効くことが分かっており、この結晶構造を均一に制御しなければ、炭素繊維物性に大きな斑を生じさせることになる。前記(100)は結晶方位を示している(以下、同様。)。
炭素繊維を複合材料として使用する際、非常に長尺のものが必要とされるため、繊維長手方向に物性斑が存在すれば、その炭素繊維を用いた複合材料物性に致命的な影響を与えるおそれがある。
そこで、炭素繊維物性を安定的に発現させるために、プレカーサーの結晶構造制御が非常に重要となる。特許文献1では、プレカーサーを製造する際、乾燥緻密化の前と後にそれぞれ行われる延伸工程における延伸倍率の配分を最適化することにより、プレカーサーの結晶サイズを制御し、炭素繊維を高強度化する方法を提案している。
特許文献2では、PET(ポリエチレンテレフタレート)やPP(ポリプロピレン)をレーザー延伸することで複屈折斑の少ない極細繊維を製造する方法が提案されている。
特許文献3では、ポリ(トリメチレンテレフタレート)の実際の延伸倍率を予測延伸倍率の10%以内にすることで、繊度が安定した繊維を得る方法を提案している。
特開2004−183194号公報 特開2003−166115号公報 特表2003−526023号公報
特許文献1では、プレカーサーの繊維束間や繊維長手方向の斑については言及しておらず、実際に該文献に記載されている条件で紡糸するだけでは、プレカーサーの繊維長手方向における構造斑を小さくすることは難しい。
特許文献2のレーザーを用いて延伸する方法では、多フィラメント化によりレーザーが確実に当たる部分と当たりにくい部分が生じる可能性があり、それによって延伸斑が生じるため、多フィラメント化に不向きである。
特許文献3の方法では、繊度は安定する一方、繊維長手方向の構造斑は逆に増大する可能性がある。また多フィラメント化する場合に、すべてのフィラメントに対して同じ延伸を施せなかった場合、製造条件の少しの変動で一部のフィラメントが切れてしまい、毛羽発生という新たな問題が生じる可能性がある。
このように、炭素繊維物性を安定させ、さらにその炭素繊維を用いた複合材料物性を安定させるために、繊維長手方向の結晶構造斑が小さいプレカーサーが切望されている。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、多フィラメント(長繊維モノフィラメントの集合体)でありながら、繊維長手方向での結晶構造斑が低減されたプレカーサーおよびその製造方法、ならびに該プレカーサーを用いた炭素繊維束およびその製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明のアクリロニトリル系炭素繊維前駆体繊維束は、ポリアクリロニトリル系炭素繊維前駆体繊維束であって、該繊維束の長手方向に対し垂直方向にX線回折の2θ測定を行うと、2θ=17°近傍のポリアクリロニトリル(100)反射に相当する回折強度ピークの半値幅の平均値が0.60°以下であり、下記数式(1)で求められるCV値が2以下であることを特徴とする。
Figure 2009001921
前記の2θ測定でポリアクリロニトリル(100)反射に相当する回折強度ピークが最高強度となる角度で、X線回折のβ測定を行い、その回折強度ピークの半値幅をB(単位:°)としたとき、下記数式(2)を用いて算出される結晶配向度の値が90%以上であることが好ましい。
Figure 2009001921
前記のX線回折のβ測定を行って得られる回折強度ピークを、ローレンツ関数とガウス関数の合成関数として最小二乗法によるフィッティングを行った際、ローレンツ関数の面積及びガウス関数の面積の合計に対するガウス関数の面積比で表す結晶化指数が、0.15以上であることが好ましい。
本発明は、アクリロニトリル系ポリマーを含む紡糸原液を紡糸して凝固糸を得る紡糸工程と、該凝固糸を湿熱延伸する湿熱延伸工程と、該湿熱延伸された繊維束を乾燥緻密化する乾燥緻密化工程と、乾燥緻密化された繊維束をスチーム延伸法により延伸するスチーム延伸工程とを有し、前記スチーム延伸工程における延伸倍率をP、スチーム延伸により破断が生じる最大延伸倍率をQとするとき、下記数式(3)を満たすように前記スチーム延伸工程におけるスチーム圧を設定することを特徴とするアクリロニトリル系炭素繊維前駆体繊維束の製造方法を提供する。
Figure 2009001921
本発明は、本発明のアクリロニトリル系炭素繊維前駆体繊維束を焼成して得られる炭素繊維束を提供する。
本発明は、本発明の方法でアクリロニトリル系炭素繊維前駆体繊維束を製造する工程と、得られたアクリロニトリル系炭素繊維前駆体繊維束を焼成する工程を有することを特徴とする炭素繊維束の製造方法を提供する。
本発明によれば、繊維長手方向における結晶構造の均一性に優れたアクリロニトリル系炭素繊維前駆体繊維束が得られる。
本発明のアクリロニトリル系炭素繊維前駆体繊維束を焼成して得られる炭素繊維は繊維長手方向における物性斑が小さく物性の安定性に優れている。
[1]本発明における「ポリアクリロニトリル(100)反射に相当する回折強度ピークの半値幅」は以下の方法で求められる値である。
すなわち、測定の対象である繊維束を任意の箇所で繊維長5cmに切断し、繊維軸が正確に平行になるようにして引き揃えた後、繊維の長手方向に対して垂直方向における幅が1mmで、かつ該幅方向および繊維の長手方向の両方に対して垂直な方向における厚さが均一である繊維束に整える。この繊維束の両端に酢酸ビニル/メタノール溶液を含浸させて形態が崩れないように固定したものを被測定用のサンプル繊維束とする。
サンプル繊維束を広角X線回折試料台に固定し、透過法によって回折強度を測定して回折強度プロファイル(縦軸:回折強度、横軸:2θ(単位:°)を得る。得られたプロファイルからポリアクリロニトリル(100)反射に相当する2θ=17°近傍の回折強度ピークを検出し、そのピークの半値幅(見かけの半値幅)βから、下記の数式(4)を用いて真の半値幅βを求める。
Figure 2009001921
数式(4)において、βは真の半値幅(単位:°)、βは見かけの半値幅(単位:°)、βは装置定数である。
本明細書では、X線源としてリガク社製のCuKα線(Niフィルター使用)X線発生装置(商品名:Ru−200B、回転対陰極型X線発生装置)を用い、回折強度プロファイルの測定はリガク社製のゴニオメータを用い、シンチレーションカウンターにより検出した。出力は40kV−100mAとした。装置定数βは0.57°(1.05×10−2rad)である。
本発明における「ポリアクリロニトリル(100)反射に相当する回折強度ピークの半値幅の平均値」は、繊維長手方向の異なる位置で採取した複数のサンプル繊維束の平均値である。すなわち、サンプル繊維束を作製する際に、測定対象の繊維束の長手方向において0.1m間隔で10個、1m間隔で10個、および10m間隔で10個のサンプル繊維束を採取する。そして該30個のサンプル繊維束について上記の方法で測定を行い、これらの測定結果から半値幅(真の半値幅β)の平均値を算出する。
なお、測定対象の繊維束を構成するフィラメントの数が多すぎて、一度にXRD測定が行えない場合は、該フィラメントを2〜3000本の範囲内で適宜の本数に分割し、それぞれについて上記の方法で回折強度プロファイルの測定を行って前記半値幅を求め、これらの平均値を算出するものとする。
[2]本発明におけるCV値(単位:%)は、繊維束の長手方向における結晶サイズ斑の程度を表す値であり、以下の方法で求められる値である。
まず、前記[1]に記載の方法で、前記30個のサンプル繊維束について「ポリアクリロニトリル(100)反射に相当する回折強度ピークの半値幅(真の半値幅β)」を求め、該30個の測定結果から半値幅(真の半値幅β)の平均値(単位:°)と標準偏差を求め、前記数式(1)によりCV値を求める。
なお、測定対象の繊維束を構成するフィラメントの数が多すぎて、一度にXRD測定が行えない場合は、前記[1]と同様に該フィラメントを分割し、それぞれについて上記の方法で測定を行って前記半値幅(真の半値幅β)を求め、その平均値と標準偏差を用いてCV値を求めるものとする。
[3]本発明における「結晶配向度」は、以下の方法で求められる値である。
まず、前記[1]と同様にして被測定用のサンプル繊維束を作製し、該サンプル繊維束についてX線回折のβ測定を行う。X線回折のβ測定とは、サンプル繊維束をX線に対して垂直な面上で360°回転させながら回折強度を測定する方法である。具体的には、まずアクリロニトリル系炭素繊維前駆体繊維束について、繊維方向に対して垂直方向の2θ測定を行い、ポリアクリロニトリル(100)反射に相当する2θ=17°近傍の回折プロファイルを得る。そしてそのプロファイルで最高ピーク強度となっている2θの角度位置でシンチレーションカウンターを固定し、次に該サンプル繊維束を固定しているホルダーを入射X線に対して垂直な面上で360°回転させながら回折強度を測定する。その回折強度ピークの半値幅B(単位:°)を求め、前記数式(2)により結晶配向度(単位:%)を求める。ここでの半値幅Bは真の半値幅であり、上記数式(4)により求められるものである。
結晶配向度の測定は、測定対象の繊維束の長手方向において0.1m間隔で10個、1m間隔で10個、および10m間隔で10個のサンプル繊維束を採取し、該30個のサンプル繊維束についてそれぞれ結晶配向度を求め、それらの平均値を算出する。この平均値を本発明における「結晶配向度」の値とする。
なお、測定対象の繊維束を構成するフィラメントの数が多すぎる場合については、前記[1]と同様に分割し、それぞれについて上記の方法で結晶配向度を求め、それらの平均値を算出するものとする。
本明細書において「結晶配向度」の測定に用いた装置は、上記[1]に記載した測定装置と同じであり、出力は40kV−100mAとした。装置定数βは上記[1]と同じである。
[4]本発明における「結晶化指数」は、以下の方法で求められる値である。
まず、前記[1]と同様にして被測定用のサンプル繊維束を作製し、前記[3]と同様にして該サンプル繊維束についてX線回折のβ測定を行う。
得られたβ=180°付近をピークトップとするポリアクリロニトリル(100)反射に相当する回折強度ピークは、結晶部と非晶部の回折が混在したものである。
そして、この回折強度ピークを、結晶部の典型的な回折パターンであるガウス関数と、非晶部の典型的な回折パターンであるローレンツ関数の合成関数であると仮定し、ガウス関数の分率を算出して、結晶配向度の指標である結晶化指数とする。この値が高いほど結晶性が高いことを意味する。
具体的には、回折強度ピークをβ=90〜270°の区間で切り出し、それぞれの関数の位置、強度、幅すべての値が変動するようにして最小二乗法によりフィッティングを行う。そして切り出した区間についてそれぞれの関数の面積を算出し、両者の面積の合計に対するガウス関数の面積の比を、結晶化指数とする。
結晶化指数の解析は、結晶配向度を求めるために測定したβ測定の回折プロファイルを用いて行った。すなわち該30個のサンプル繊維束についてそれぞれ結晶化指数を求め、それらの平均値を算出した。この平均値を本発明における「結晶化指数」の値とする。
なお、測定対象の繊維束を構成するフィラメントの数が多すぎる場合については、前記[1]と同様に分割し、それぞれについて上記の方法で結晶化指数を求め、それらの平均値を算出するものとする。
<製造方法>
以下、本発明のアクリロニトリル系炭素繊維前駆体繊維束(プレカーサー)の製造方法について説明する。
[紡糸工程]
まず、アクリロニトリル系ポリマーを含む紡糸原液を紡浴中に吐出して、凝固糸を得る。
アクリロニトリル系ポリマーは、アクリロニトリルのホモポリマー及び/又は他のモノマーとの共重合体を用いることができる。共重合体の場合、炭素化を良好に行う目的で、該共重合体を構成する全構成単位のうち、アクリロニトリルから誘導される構成単位の含有量が90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上がより好ましい。
アクリロニトリルと共重合可能な他のモノマーとしては、特に制限は無いが、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチルなどに代表されるアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどに代表されるメタクリル酸エステル類;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリルアミド、スチレン、ビニルトルエンなどに代表される不飽和モノマー類;メタリルスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸及びこれらのアルカリ金属塩などが挙げられる。これらは、1種でもよく、2種以上の組み合わせでもよい。
アクリロニトリルと共重合可能な他のモノマーとして、炭素化工程における環化反応を促進する目的で、カルボン酸基を有するモノマーやアクリルアミドを用いることが好ましい。カルボン酸基を有するモノマーとしては、メタクリル酸やイタコン酸が好ましい。溶剤に対する溶解性の向上の観点から、アクリロニトリル系ポリマーを構成する全構成単位のうち、アクリルアミドから誘導される構成単位が1質量%以上含まれていることが好ましく、1.5質量%以上がより好ましい。
アクリロニトリル系ポリマーは、溶液重合、懸濁重合など公知の重合方法により得ることができる。重合により得られたアクリロニトリル系ポリマーを含む反応生成物に対して、未反応モノマーや重合触媒残渣、その他の不純物類を極力除く処理を施すことが好ましい。
また、紡糸する際の延伸性や炭素繊維の性能発現性等の点から、アクリロニトリル系ポリマーの重合度は、極限粘度〔η〕が1.0以上が好ましく、1.4以上がより好ましい。ただし、通常は、極限粘度〔η〕が2.0を超えない範囲のものが使用される。
上記のアクリロニトリル系ポリマーを溶剤に溶解して、紡糸原液とする。溶剤としては、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドなどの有機溶剤や、塩化亜鉛、チオシアン酸ナトリウムなどの無機化合物の水溶液が使用できる。作製される繊維中に金属を含有せず、また、工程が簡略化される点で有機溶剤が好ましい。有機溶剤の中でも緻密性が高い凝固糸が得られるという点で、ジメチルアセトアミドを溶剤に用いることがより好ましい。
紡糸原液を紡糸した際に、緻密な凝固糸を得るために、紡糸原液中のアクリロニトリル系ポリマー濃度は17質量%以上が好ましく、19質量%以上がより好ましい。該アクリロニトリル系ポリマー濃度の上限は、用いるアクリロニトリル系ポリマーの重合度にもよるが、適度な粘度および流動性を有する紡糸原液とするために、通常25質量%を超えない範囲が好ましい。
紡糸原液を紡糸して凝固糸を得る紡糸法は、湿式紡糸法でも乾湿式紡糸法でもよい。通常、より生産性を高くしたい場合は湿式紡糸法が用いられる。
湿式紡糸法における紡糸工程は、まず前記の紡糸原液を、円形断面を有するノズル孔より凝固浴中に吐出して凝固糸とする。ノズル孔の数については特に制限はないが、一般的に2000〜50000個の孔を有するノズルが用いられる。ノズル孔の直径は、大きすぎると凝固浴に吐出した際に繊維内外で凝固斑が生じ、小さすぎると少しの延伸が加わるだけで凝固浴切れを起こしてしまうため、通常は0.03〜0.10mmが好ましく、0.45〜0.80mmがより好ましい。
凝固浴には、紡糸原液に使用されている溶剤を含む水溶液が好適に使用される。ノズル孔より吐出される紡糸原液が所望の繊維径の凝固糸となるように、凝固浴中における溶剤の濃度を調節する。該溶剤の濃度は使用する溶剤の種類にも依存するが、例えば、ジメチルアセトアミドを使用する場合は50〜80質量%が好ましく、60〜70質量%がより好ましい。
凝固浴に吐出される直前の紡糸原液の温度は、高すぎるとポリマー同士が架橋して高温ゲル化を誘発し、低すぎると粘度が上昇して紡糸できなくなるため、好ましくは40〜80℃、より好ましくは50〜70℃である。
凝固浴の温度は、凝固糸の緻密性の観点からは低い方が好ましい。しかしながら、湿式紡糸の場合、凝固浴の温度を下げすぎると凝固糸の引き取り速度が低下し、全体的な生産性が低下する点を考慮して、通常50℃以下とされ、より好ましくは20℃以上40℃以下の範囲とされる。
[湿熱延伸工程]
次いで、凝固糸を湿熱延伸する。具体的には凝固糸を延伸浴中で延伸する。凝固糸は複数の単糸(フィラメント)が集合した繊維束の形態で延伸浴に導入される。1つの繊維束を構成する単糸の数は、特に制限されないが、1000〜50000が好ましく、3000〜25000がより好ましい。
延伸浴には、主に水が用いられる。延伸浴の温度は、凝固糸の単糸同士が融着しない範囲で、できるだけ高温にすることが効果的である。この観点から、延伸浴の温度は60℃以上が好ましい。また、多段延伸の場合は、その最終浴を90℃以上とすることが好ましい。延伸浴の温度の上限は特に制限はない。
湿熱延伸倍率は、前記凝固糸を引き取るロール速度に対する、湿熱延伸後に乾燥緻密化を行うロール速度の比として求められる。湿熱延伸倍率が高すぎると繊維内部構造の破壊が起こりやすくなる。この破壊は炭素繊維の欠陥の元となり、炭素繊維性能の低下を招く。かかる繊維内部構造の破壊を防止するうえでは湿熱延伸倍率を低くすることが好ましい。その場合、生産性を低下させないためには、乾燥緻密化後の延伸倍率をより大きくする必要が生じ、そうすると紡糸工程の通過性が悪くなり、紡糸工程の安定性のために紡糸速度を遅くせざるを得ないなど、かえって生産性が低下する可能性がある。これらのことから、湿熱延伸倍率は1.5倍以上6倍以下にすることが好ましく、さらには2倍以上5倍以下がより好ましい。
[油剤処理工程]
湿熱延伸後の繊維束は、必要に応じて洗浄した後、公知の方法によって油剤処理を施してもよい。例えば、油剤を含有する水溶液中に繊維束を浸漬させて、繊維表面と油剤とを接触させる。油剤の種類は特に限定されないが、アミノシリコーン系界面活性剤が好適に使用される。
[乾燥緻密化工程]
この後、繊維束を加熱して乾燥緻密化を行う。乾燥緻密化の温度は、繊維のガラス転移温度を超える温度から選択する。実質的には、繊維束自体の状態が含水状態から乾燥状態へと変化することによってガラス転移温度が異なることもあるため、温度が100〜200℃程度の加熱ローラーに繊維束を接触させる方法で乾燥緻密化を行うことが好ましい。
[スチーム延伸工程]
本発明では乾燥緻密化後の延伸方法として、加圧スチーム中で延伸するスチーム延伸法が用いられる。スチーム延伸法は、水の可塑化効果により、繊維における分子鎖の可動状態をより大きくできる点で好ましい。
該スチーム延伸工程における延伸倍率Pは、スチーム延伸機の前後にあるロールの速度の比として求められる。また前記湿熱延伸工程における延伸倍率とスチーム延伸工程における延伸倍率Pを合わせた合計延伸倍率は、両者の延伸倍率の値を掛け合わせて求められる。
該合計延伸倍率が低すぎると繊維束の配向が不充分となり炭素繊維束の性能が低下するおそれがある。一方、高すぎると糸切れが生じやすくなり生産上あまり好ましくない。これらの観点から、合計延伸倍率は5倍以上20倍以下が好ましく、7倍以上15倍以下がより好ましい。
スチーム延伸工程における延伸倍率Pは、合計延伸倍率が好ましい範囲となるように、前記湿熱延伸工程における延伸倍率に応じて設定することが好ましい。スチーム延伸工程における延伸倍率Pは、例えば2倍以上5倍以下の範囲が好ましく、3倍以上4倍以下の範囲がより好ましい。
スチーム延伸工程におけるスチーム圧を変動させることにより、スチーム延伸により繊維束に破断が生じる最大延伸倍率Qが変化する。すなわち、一定圧力の加圧スチーム中で前記乾燥緻密化後の繊維束を延伸する場合、延伸倍率を増大させていくと、ある延伸倍率に達したときに繊維束に破断が生じる。かかる破断が生じたときの延伸倍率を最大延伸倍率Qという。スチーム圧が高すぎても低すぎても最大延伸倍率Qは小さくなる。
本発明では、スチーム延伸工程で実際に行われる延伸倍率P(すなわち、設定された延伸倍率P)が、最大延伸倍率Qの0.4倍より小さく(すなわち、P/Q<0.4、)となるようにスチーム圧を設定することが好ましく、0.35倍以下となるようにすることがより好ましい。
P/Qが0.4以上であると、繊維束の場所によって繊維の可塑化状態が異なる斑が生じ、その結果、延伸斑が生じて繊維長手方向に構造斑が生じるおそれがある。
一方、P/Qが低すぎると、繊維における配向状態が不十分となり、後に焼成して炭素繊維とする際にグラファイト構造が充分に発達しないおそれがあるため、スチーム圧は、P/Qが0.1以上となるように設定することが好ましく、P/Qが0.2以上となることがより好ましい。
またスチーム圧が低すぎると、水の可塑化効果を十分に利用できず、高すぎると蒸気の性状が不安定になることから、スムーズな延伸を行うためには、スチーム圧が170kPa以上350kPa以下であることが好ましく、250kPa以上300kPa以下がより好ましい。スチーム圧が170kPa未満または350kPaを超えると、最大延伸倍率Qが著しく低下するので、繊維長手方向において延伸斑が生じやすい。
加圧スチームと接触する直前の繊維束の温度は、80℃以上120℃以下が好ましく、90℃以上100℃以下がより好ましい。したがって乾燥緻密化工程後、必要に応じて繊維束を例えば空冷により冷却する。
加圧スチームと接触する直前の繊維束の温度が80℃未満であると、スチーム延伸機内で温度が上がりきらないうちに延伸されるために望ましい延伸状態が得られない場合がある。一方、120℃を超えると繊維束の温度が高すぎるため、スチーム延伸機内で可塑化効果を引き起こす水が繊維内に充分に拡散しなくなる場合がある。
こうして本発明のアクリロニトリル系炭素繊維前駆体繊維束(プレカーサー)が得られる。
[炭素繊維束およびその製造方法]
得られたプレカーサーを公知の方法で焼成することにより炭素繊維束が得られる。焼成方法は、例えば耐炎化処理、前炭素化処理、炭素化処理を、この順に行う方法を用いることができる。
耐炎化処理は、200〜300℃の酸化性雰囲気中、緊張あるいは延伸条件下で、密度が好ましくは1.25g/cm以上、より好ましくは1.32g/cm以上になるまで加熱する処理方法が好ましい。耐炎化処理が不充分であると、この後に前炭素化処理する際に単糸間接着などを起こしやすくなる。酸化性雰囲気としては、空気、酸素、二酸化窒素など、公知の酸化性雰囲気を採用できるが、経済性の面から空気が好ましい。
前炭素化処理としては、最高温度が550〜800℃の不活性雰囲気中、緊張下で、300〜500℃の温度領域において500℃/分以下、好ましくは300℃/分以下の昇温速度で加熱処理をする方法が、炭素繊維束の機械的特性を向上させるうえで好ましい。不活性雰囲気としては、窒素、アルゴン、ヘリウムなど公知の不活性雰囲気を採用できるが、経済性の面から窒素が望ましい。
炭素化処理としては、1200〜1800℃の不活性雰囲気中、1000〜1200℃の温度領域において、500℃/分以下、好ましくは300℃/分以下の昇温速度で加熱処理をする方法が、炭素繊維束の機械的特性を向上させるうえで好ましい。不活性雰囲気としては窒素、アルゴン、ヘリウムなど、公知の不活性雰囲気を採用できるが、経済性の面から窒素が望ましい。
こうして得られた炭素繊維束は、公知の電解液中で電解酸化処理を施したり、気相又は液相での酸化処理を施すことによって、複合材料における炭素繊維束とマトリックス樹脂との親和性や接着性を向上させることが好ましい。
さらに、必要に応じて公知の方法によりサイジング剤を付与することができる。
[アクリロニトリル系炭素繊維前駆体繊維束]
本発明の製造方法によれば、繊維長手方向での結晶構造の均一性に優れたアクリロニトリル系炭素繊維前駆体繊維束(プレカーサー)が得られる。例えば、該繊維束についてX線回折の解析を行ったとき、ポリアクリロニトリル(100)反射に相当する回折強度ピークの半値幅の平均値が0.60°以下であり、かつ前記数式(1)で求められるCV値が2.0以下であるプレカーサーが得られる。
X線回折により得られるポリアクリロニトリル(100)反射に相当する回折強度ピークの半値幅の値は、結晶サイズによって変化し、この値が小さいほど、結晶成長が良好で大きい結晶が生成されていることを表す。特にポリアクリロニトリル(100)反射に関与する結晶構造は、炭素繊維の物性に大きな影響を与えることが経験的にわかっている。該半値幅の値が0.60以下であると、耐炎化反応時のグラファイト由来結晶の成長がスムーズに起こる点で好ましい。該回折強度ピークの半値幅の下限値は特に限定されないが、例えば0.40以上である。
前記数式(1)で求められるCV値は、結晶サイズのばらつき(結晶サイズ斑)によって変化し、この値が小さいほど繊維長手方向における結晶サイズ斑が小さいことを表す。該CV値の下限値は特に限定されないが、例えば0.5以上である。
また本発明によれば、前記数式(2)で求められる結晶配向度が90%以上と高いアクリロニトリル系炭素繊維前駆体繊維束を得ることができる。該結晶配向度の値が高いほど、
グラファイト結晶が成長しやすいことを表す。該結晶配向度の上限値は特に限定されず、100%でもよいが、通常は95%以下である。
さらに本発明によれば、前記の方法で求められる結晶化指数が0.15以上であるアクリロニトリル系炭素繊維前駆体繊維束を得ることができる。この結晶化指数の値が大きいほど、よりグラファイト構造を形成しやすい結晶部が多いことを表す。該結晶化指数の上限値は特に限定されないが、例えば0.4以下である。
本発明のアクリロニトリル系炭素繊維前駆体繊維束(プレカーサー)は、繊維長手方向における結晶構造の差が非常に小さい。したがって該プレカーサーを焼成して得られる炭素繊維束は安定した物性を発現することができる。
以下に、実施例により本発明をより具体的に説明する。なお、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
アクリロニトリル96質量%、メタクリル酸1質量%、アクリルアミド3質量%を共重合したアクリロニトリル系重合体(極限粘度〔η〕=1.7)を、ジメチルアセトアミドに溶解して紡糸原液(重合体濃度:21質量%、温度:60℃)を調製した。この紡糸原液を、直径0.060mm、孔数3000のノズル孔を有する口金を用いて、温度38℃、濃度67質量%のジメチルアセトアミド水溶液中に吐出して、凝固糸とした。この凝固糸を、まず65℃の温水中で延伸し、続いて95℃の温水中で延伸する多段延伸法により湿熱延伸した。湿熱延伸倍率は3.4倍とした。次いで、湿熱延伸後の繊維束を、アミノシリコーン系油剤の1質量%を含む水溶液中に浸漬して油剤処理を施した後、180℃の加熱ローラーに接触させて乾燥緻密化した。続いてスチーム圧が300kPaのスチーム延伸機内で延伸してアクリロニトリル系炭素繊維前駆体繊維束を得た。このスチーム延伸工程における延伸倍率Pは3.0倍とし、スチーム延伸機に導入される直前の繊維束の温度は100℃前後であった。
また、同じ条件でスチーム延伸を行い、延伸倍率を増大させたときに繊維束が破断する最大延伸倍率Qは8.7倍であった。すなわちP/Qは約0.35である。湿熱延伸倍率とスチーム延伸倍率Pを合わせた合計延伸倍率は3.4×3で求められ、約10倍である。
得られたアクリロニトリル系炭素繊維前駆体繊維束について、ポリアクリロニトリル(100)反射に相当する回折強度ピークの半値幅の平均値(以下、平均半値幅という。)、CV値、結晶配向度(以下、単に配向度という。)、および結晶化指数を測定、算出した。その結果を表1に示す。表1には主な製造条件も合わせて示す。
(比較例1〜3)
表1に示すとおりに、スチーム延伸工程におけるスチーム圧を変更した他は実施例1同様にしてアクリロニトリル系炭素繊維前駆体繊維束を製造した。スチーム圧の変更に伴い最大延伸倍率は表1の通りとなった。
得られたアクリロニトリル系炭素繊維前駆体繊維束について、実施例1と同様にして各物性値を求めた。その結果を表1に示す。
Figure 2009001921
表1に示されるように、最大延伸倍率Qに対するスチーム延伸倍率Pの比(P/Q)が0.35である実施例1では、該P/Qの値が0.4より大きい比較例1〜3に比べて、平均半値幅および配向度はほぼ同等であるが、結晶サイズ斑の程度を示すCV値が顕著に低下した。また結晶化指数は0.187であった。

Claims (6)

  1. ポリアクリロニトリル系炭素繊維前駆体繊維束であって、該繊維束の長手方向に対し垂直方向にX線回折の2θ測定を行うと、2θ=17°近傍のポリアクリロニトリル(100)反射に相当する回折強度ピークの半値幅の平均値が0.60°以下であり、下記数式(1)で求められるCV値が2以下である炭素繊維前駆体繊維束。
    Figure 2009001921
  2. 請求項1記載の2θ測定でポリアクリロニトリル(100)反射に相当する回折強度ピークが最高強度となる角度で、X線回折のβ測定を行い、その回折強度ピークの半値幅をB(単位:°)としたとき、下記数式(2)を用いて算出される結晶配向度の値が90%以上である請求項1に記載の炭素繊維前駆体繊維束。
    Figure 2009001921
  3. 請求項2記載のX線回折のβ測定を行って得られる回折強度ピークを、ローレンツ関数とガウス関数の合成関数として最小二乗法によるフィッティングを行った際、ローレンツ関数の面積及びガウス関数の面積の合計に対するガウス関数の面積比で表す結晶化指数が、0.15以上である請求項1または2に記載の炭素繊維前駆体繊維束。
  4. アクリロニトリル系ポリマーを含む紡糸原液を紡糸して凝固糸を得る紡糸工程と、該凝固糸を湿熱延伸する湿熱延伸工程と、該湿熱延伸された繊維束を乾燥緻密化する乾燥緻密化工程と、乾燥緻密化された繊維束をスチーム延伸法により延伸するスチーム延伸工程とを有し、
    前記スチーム延伸工程における延伸倍率をP、スチーム延伸により破断が生じる最大延伸倍率をQとするとき、下記数式(3)を満たすように前記スチーム延伸工程におけるスチーム圧を設定する炭素繊維前駆体繊維束の製造方法。
    Figure 2009001921
  5. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の炭素繊維前駆体繊維束を焼成して得られる炭素繊維束。
  6. 請求項4に記載の方法で炭素繊維前駆体繊維束を製造する工程と、得られた炭素繊維前駆体繊維束を焼成する工程を有する炭素繊維束の製造方法。

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