JP2008535923A - 3−o−(3’,3’−ジメチルスクシニル)ベツリン酸ジ−n−メチル−d−グルカミンの多形 - Google Patents

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Abstract

本発明は、3-O-(3',3'-ジメチルスクシニル)ベツリン酸ジ-N-メチル-D-グルカミン塩(「DSB・2NMG)」)の結晶多形、その薬学的組成物、およびHIV関連障害の治療における活性医用薬剤としてのその使用に関する。

Description

本出願は2005年4月12日に出願された米国特許仮出願第60/670,227号の非仮出願であり、その全開示は参照により本明細書に組み入れられる。
発明の分野
本発明は、3-O-(3',3'-ジメチルスクシニル)ベツリン酸ジ-N-メチル-D-グルカミン塩(「DSB・2NMG」)の固体化学および活性医用薬剤としてのその使用に関する。
背景技術
3-O-(3',3'-ジメチルスクシニル)ベツリン酸ジ-N-メチル-D-グルカミン(「DSB・2NMG」、下記)はHIVおよび関連疾患の治療において有用である。
化合物A
Figure 2008535923
米国特許出願第60/413,451号(特許文献1)は3,3-ジメチルスクシニルベツリンを開示しており、参照により本明細書に組み入れられる。Zhu, Y-M. et al., Bioorg. Chem Lett. 11:3115-3118 (2001)(非特許文献1);Kashiwada Y. et al., J. Nat. Prod. 61:1090-1095 (1998)(非特許文献2);Kashiwada Y. et al., J. Nat. Prod. 63:1619-1622 (2000)(非特許文献3);およびKashiwada Y. et al., Chem. Pharm. Bull. 48:1387-1390 (2000)(非特許文献4)はジメチルスクシニルベツリン酸(「DSB」)およびジメチルスクシニルオレアノール酸を開示している。ベツリンの3'炭素をコハク酸でエステル化するとHIV-1活性を阻害することができる化合物を生じた(Pokrovskii, A.G. et al., Gos. Nauchnyi Tsentr Virusol. Biotekhnol. ''Vector,'' 9:485-491 (2001)(非特許文献5))。
米国特許出願第11/081,802号(特許文献2)は参照により本明細書に組み入れられ、N-メチル-D-グルカミン塩を含むDSBの塩、それらの調製、その薬学的組成物、およびHIV治療におけるその使用法を開示している。第11/081,802号に記載のDSB・2NMGの調製は、DSB・2NMGのメタノール溶液にジエチルエーテルをゆっくり加えて白色固体を生じることを含む。米国特許出願第11/081,802号は結晶としての特定のDSB・2NMGを記載しているが、さらに分光検査を行って、第11/081,802号の段落[0088]の方法に従い生成した材料は、実際は、本明細書に示すX線粉末回折データにより確認して多形DSB・2NMGであることが明らかにされている。
結晶化合物は多形化合物とは異なる化学的および物理的特性を示すため、DSB・2NMGの結晶型の同定は薬学分野における進歩を意味すると考えられる。そのようなDSB・2NMGの結晶型を調製するのに有用な合成法は、当技術分野におけるさらなる進歩を意味すると考えられる。そのようなDSB・2NMGの結晶型の使用法も当技術分野における別の進歩を意味すると考えられる。
米国特許出願第60/413,451号 米国特許出願第11/081,802号 Zhu, Y-M. et al., Bioorg. Chem Lett. 11:3115-3118 (2001) Kashiwada Y. et al., J. Nat. Prod. 61:1090-1095 (1998) Kashiwada Y. et al., J. Nat. Prod. 63:1619-1622 (2000) Kashiwada Y. et al., Chem. Pharm. Bull. 48:1387-1390 (2000) Pokrovskii, A.G. et al., Gos. Nauchnyi Tsentr Virusol. Biotekhnol. ''Vector,'' 9:485-491 (2001)
発明の概要
DSB・2NMGの二つの新しい結晶型、その溶媒和物、DSB・2NMGの該結晶型の製造方法、DSB・2NMGの該結晶型を含む薬学的組成物、およびDSB・2NMGの該結晶型の投与を含む治療法が提供される。
一つの局面において、本発明は結晶DSB・2NMG-I型を提供する。DSB・2NMG-I型は実質的に図1および表1に示されるXRPDパターンを有する。
(表1)DSB・2NMG-I型のX線回折パターン
Figure 2008535923
もう一つの局面において、本発明はDSB・2NMG-I型の結晶化を開始する方法であって、
(a)第一の適当な溶媒中でDSB・2NMGの溶液を調製する段階;
(b)溶液を高温に加熱する段階;
(c)溶液の温度を成長温度に調節する段階;
DSB・2NMG-I型;および
(d)結晶DSB・2NMG-I型を単離する段階を含む方法を提供する。
本発明のさらなる局面は、DSB・2NMG-I型の結晶化を開始する方法であって、前述の方法の段階を(a)から(d)の順で含む方法を提供する。本発明のさらなる局面は、DSB・2NMG-I型の結晶化を開始する方法であって、段階(a)〜(d)の一部を含む方法を提供する。
本発明のさらなる局面は、実質的に図4に示されるXRPDパターンを有し、かつ焼きなましによって得られる、DSB・2NMG-I型を提供する。
もう一つの局面において、本発明は、実質的に図5に示されるXRPDパターンを有する結晶DSB・2NMG-II型を提供する。この特定の結晶型は表2に示されるX線回折パターンによって特徴づけられる。
(表2)DSB・2NMG-II型のX線回折パターン
Figure 2008535923
結晶DSB・2NMG-II型は、
(a)メチルエチルケトン中でDSB・2NMGの飽和溶液を調製する段階;
(b)溶液を飽和温度よりも高い温度に加熱する段階;
(c)溶液の温度を成長温度に調節する段階;
(d)メチルエチルケトンを蒸発させる段階;および
(e)結晶DSB・2NMG-II型を単離する段階を含む方法によって調製することができる。
もう一つの局面において、本発明は無定形DSB・2NMGを提供する。無定形DSB・2NMGはDSB・2NMGを溶媒に溶解して、DSB・2NMGの溶液を生成し、溶液を噴霧乾燥することにより調製することができる。
もう一つの局面において、本発明はDSB・2NMG多形の薬学的組成物およびそれらの投与法を提供する。
発明の詳細な説明
本発明の化合物は、レトロウイルス状態、特にHIV関連状態を治療する際に有用である。
すべての薬学的化合物および組成物と同様、DSB・2NMGの化学的および物理的特性はその商業的開発において重要である。これらの特性には下記が含まれるが、それらに限定されるわけではない:(1)モル体積、密度および吸湿性などのパッキング特性、(2)融点、蒸気圧および溶解性などの熱力学的特性、(3)溶解速度および安定性(周囲状態で、特に水分に対する安定性、および保存状態での安定性を含む)などの動力学的特性、(4)表面積、湿潤性、界面張力および形状などの表面特性、(5)硬度、引張り強さ、圧縮性、取扱い、流動および混合などの機械的特性;ならびに(6)ろ過特性。これらの特性は、例えば、DSB・2NMGを含む薬学的組成物の加工および保存に影響をおよぼしうる。DSB・2NMGの他の固体型に比べて、これらの特性の一つまたは複数の改善を提供するDSB・2NMGの固体型が望ましい。
本発明に従い、DSB・2NMGの新規固体型が提供される。特に、これらには結晶型(「I型」および「II型」と呼ぶ)が含まれる。同様に、DSB・2NMGの無定形型も開示される。本出願に記載のDSB・2NMGの各固体型は、DSB・2NMGの他の固体型に比べて有利な前述の化学的または物理的特性の一つまたは複数を有する。
本明細書においてDSB・2NMGに適用される「無定形」なる用語は、DSB・2NMG分子が無秩序な配列で存在し、識別可能な結晶格子または単位格子を形成しない固体型を意味する。X線粉末回折にかけると、無定形DSB・2NMGは結晶型に特徴的な回折パターンを示さない。
本明細書においてDSB・2NMGに適用される「結晶型」なる用語は、DSB・2NMG分子が(i)識別可能な単位格子を含み、かつ(ii)X線照射にかけると回折ピークを生じる、識別可能な結晶格子を形成するように配列されている固体型を意味する。
本明細書において用いられる「DSB・2NMG薬剤物質」なる用語は、用語が用いられる文脈により限定されたDSB・2NMG自体を意味し、未製剤のDSB・2NMGまたは薬学的組成物の一成分として存在するDSB・2NMGを意味しうる。
本明細書における「相純粋(フェーズピュア(Phase pure))」なる用語は、DSB・2NMGの他の固体型に関する純度を意味し、必ずしも他の化合物に関する高度の化学純度を指すものではない。
測定量に関連して本明細書において用いられる「約」とは、測定を行い、測定の目標および測定装置の精度に見合ったレベルの注意をはらう、当業者によって予想される、その測定量における通常の変動を意味する。時間の量に関連して用いられる場合、「約」はその通常の意味を有することができ、かつ言語を単純化するために時間を丸める、例えば、「60時間」ではなく「約2〜3日」のように用いることができる。
調製および特徴づけ
本発明の多くの方法は特定の溶媒からの結晶化を含む。当業者であれば結晶化に関する条件は得られる多形の型に影響をおよぼすことなく改変しうることを理解すると思われる。例えば、DSB・2NMGを第一の適当な溶媒中に混合して溶液を生成する場合、出発原料を完全に溶解するために混合物の加温が必要なこともある。加温によって混合物が清澄化しない場合、混合物を希釈またはろ過することもできる。ろ過するために、熱混合物を紙、ガラス繊維もしくは他の膜材料、またはセライトなどの清澄剤を通過させることができる。用いる装置ならびに溶液の濃度および温度に応じて、早期結晶化を避けるためにろ過器具をあらかじめ加熱しなければならないこともある。
沈澱を誘導するために条件を変えることもできる。沈澱を誘導するための好ましい方法は、第一の適当な溶媒の溶解性を低下させることである。溶媒の溶解性は、例えば、溶媒を冷却することにより低下させることができる。
一つの態様において、第二の適当な溶媒を溶液に加えて、特定の化合物に対するその溶解性を低下させ、したがって沈澱を生じさせる。もう一つの態様において、第二の適当な溶媒を油状残渣またはゴム状材料に加え、ここで第二の適当な溶媒の特定の化合物に対する低い溶解性により、その化合物の沈澱を生じさせる。
一つの態様において、生成物の結晶を種として添加する、または結晶化容器の内部表面をガラス棒で引っ掻くことにより、結晶化が加速される。もう一つの態様において、結晶化はいかなる誘導もなく自然に起こることもある。DSB・2NMG多形の生成法に関して特許請求の範囲内であるために必要とされるのは、沈澱または結晶を生成することだけである。
DSB・2NMG-I型
一つの局面において、本発明はDSB・2NMG-I型の製造方法であって、
(a)第一の適当な溶媒中でDSB・2NMGの溶液を調製する段階;
(b)溶液を高温に加熱する段階;
(c)溶液の温度を成長温度に調節する段階;
(d)結晶DSB・2NMG-I型を単離する段階を含む方法を提供する。
いくつかの態様において、DSB・2NMG-I型の製造方法は第二の適当な溶媒を導入する段階をさらに含む。
いくつかの態様において、DSB・2NMG-I型の製造方法は得られる溶媒系にDSB・2NMG-I型の試料を種として添加する段階をさらに含む。
いくつかの態様において、DSB・2NMGを第一の適当な溶媒と飽和温度で接触させて撹拌することにより、飽和溶液をまず調製する。残留固体があればそれから母液をろ過により分離する。次いで、母液を、必要があれば第二の適当な溶媒で希釈し、得られる溶媒系の飽和温度よりも高温に加熱して(過熱および不飽和)、残っている固体があればそれを溶解する。次いで、溶液の温度を成長温度、すなわち、得られる溶媒系においてDSB・2NMGが固化しうる温度に調節する。
DSB・2NMG-I型を、メタノール、エタノール(5)、1-プロパノール(5)、2-プロパノール(<3)、1-ブタノール(<3)、2-ブタノール(<3);ジメチルホルムアミド(>50);アセトン(<3)などの一つまたは複数の溶媒を含む溶媒系(25℃でのおよその溶解度(mg/mL))中、前述の方法に従って調製する。
一つの態様において、DSB・2NMG-I型を、下記に例示するとおり、DMFなどであるが、それに限定されるわけではない、適当な溶媒から結晶化する。他の態様において、DSB・2NMG-I型を、下記を含むが、それらに限定されるわけではない、当業者には周知の溶媒蒸発または溶液飽和の技術により結晶化する:剪断流の誘導;熱伝達プレート、赤外ランプ、マイクロ波システムなどの加熱成分の誘導;大気圧または減圧下で行いうる、任意の剪断流を伴う蒸留;静的蒸発;DSB・2NMG溶液の温度低下;ならびに、ロータリーエバポレーション、スピンオフ蒸発、洗浄および流下薄膜蒸発、浸漬蒸発や、撹拌膜(wiped film)蒸発などの薄膜蒸発技術。
DSB・2NMG-I型のXRPDパターンを図1に示し、これは実質的に表1に示されるX線回折パターンを有するとして特徴づけられる。
(表1)DSB・2NMG-I型のX線回折パターン
Figure 2008535923
図2に示されるとおり、DSB・2NMG-I型の熱量的特徴を示差走査熱量測定(DSC)を用いて調べた。DSCにより示されるとおり、DSB・2NMG-I型は熱活性の3つの領域を通過する。第一の吸熱領域は約50〜110℃で観察され、これは溶媒除去に一致している。第二の熱事象は外挿開始温度約152℃およびエンタルピー86J/gを有し、融解に起因する。熱活性の第三の領域は約215℃で観察され、分解に起因する。
DSB・2NMG-I型で実施した熱重量分析(TGA)を、そのDSC曲線と共に図3に示す。DSB・2NMG-I型のTGA温度記録は、周囲温度から約80℃まで質量減少を示し、これは約2重量%を越える揮発性物質(エタノール)の消失に一致している。溶媒除去のTGA温度範囲はDSCで観察されたものよりも低い(試料のカプセル化によって生じるDSC試料の圧力増大による)。溶媒除去後、材料の質量は融解中はずっと安定で、約180℃を越えるとゆっくり質量が減少する。約200℃よりも高温で、質量の減少は急速になる。TGA挙動はDSCを用いて観察された熱の割当てに一致している。
75℃で2日間焼きなますことで得られるDSB・2NMG-I型は、実質的に図4に示されるXRPDパターンを有し、特徴的なI型パターンに加えて2θ=約9.15、12.90、および17.80度の回折シグナルによって特徴づけられる。
DSB・2NMG-II型
前述の一般法に従い、溶媒系としてメチルエチルケトン(MEK)を用いて、DSB・2NMGの新しい結晶型が観察された。この新しい結晶型はDSB・2NMG-II型と命名され、MEK溶媒和物であると考えられる。
DSB・2NMG-II型のXRPDパターンを図5に示し、実質的に表2に示されるX線回折パターンを有するとして特徴づけられる。
(表2)DSB・2NMG-II型のX線回折パターン
Figure 2008535923
DSB・2NMG-II型のDSCとTGAとを重ねた温度記録を図6に示す。DSC曲線は約25℃から約130℃の広い脱溶媒和吸熱を示すが、対応するTGA曲線は試料の約9重量%が溶媒であることを示している。MEK一溶媒和物の計算値は約7重量%である。DSB・2NMG-II型の他の熱的特徴には約130℃から約200℃の発熱シグナルが含まれ、これは質量減少の第二の領域を伴い(TGA)、分解によるものと思われる。第三のDSCシグナルは約253℃で観察され、分解に一致している。
無定形DSB・2NMG
無定形DSB・2NMGを、DSB・2NMGを溶媒に溶解してDSB・2NMGの溶液を生成し、(a)抗溶媒、すなわち、DSB・2NMGが難溶性である溶媒を加えるか、または(b)溶液を噴霧乾燥することにより調製する。
好ましくは、溶媒は、メタノール、エタノールもしくはイソプロパノールなどのアルコール、またはアセトンなどのケトンである。
有機溶媒へのDSB・2NMGの溶解後、有機溶媒を減圧下または周囲圧下で除去する。好ましくは蒸発を制御し、当業者であれば蒸発の条件が生成物の品質に影響をおよぼしうることを理解すると思われる。最終生成物は、特にシクロヘキサン、ヘキサンおよびへプタンを含む飽和炭化水素、または特にMTBE(メチルトリブチルエーテル)を含むエーテルなどの有機溶媒で任意に粉砕することもできる。
無定形DSB・2NMGのDSC温度記録を、DSB・2NMG-I型の記録と重ねたものを図7に示す。
DSB・2NMG-I型、DSB・2NMG-II型、および無定形DSB・2NMGはそれぞれ、XRPD、DSC、TGAおよび本明細書に記載する他の特徴を有することに加え、水または一つもしくは複数の溶媒分子の存在などであるが、それらに限定されるわけではない、記載していない他の特徴も有しうることが理解されるべきである。
本発明のいくつかの態様において、DSB・2NMG薬剤物質は実質的に相純粋なDSB・2NMG-I型からなる。
本発明のいくつかの態様において、DSB・2NMG薬剤物質はその中に存在するすべての他のDSB・2NMGの固体型に対して少なくとも約90%のDSB・2NMG-I型を含む。
本発明のいくつかの態様において、DSB・2NMG薬剤物質はその中に存在するすべての他のDSB・2NMGの固体型に対して少なくとも約75%のDSB・2NMG-I型を含む。
本発明のいくつかの態様において、DSB・2NMG薬剤物質はその中に存在するすべての他のDSB・2NMGの固体型に対して少なくとも検出可能な量のDSB・2NMG-I型を含む。
本発明のいくつかの態様において、DSB・2NMG薬剤物質は実質的に相純粋なDSB・2NMG-II型からなる。
本発明のいくつかの態様において、DSB・2NMG薬剤物質はその中に存在するすべての他のDSB・2NMGの固体型に対して少なくとも約90%のDSB・2NMG-II型を含む。
本発明のいくつかの態様において、DSB・2NMG薬剤物質はその中に存在するすべての他のDSB・2NMGの固体型に対して少なくとも約75%のDSB・2NMG-II型を含む。
本発明のいくつかの態様において、DSB・2NMG薬剤物質はその中に存在するすべての他のDSB・2NMGの固体型に対して少なくとも検出可能な量のDSB・2NMG-II型を含む。
使用および投与
薬物として、本発明に記載のDSB・2NMG多形はHIVおよび関連障害の治療において有効である。
本発明は、下記を含む薬学的組成物を提供する:(i)少なくとも一つの本発明の多形、および(ii)少なくとも一つの薬学的に許容される賦形剤。本発明のいくつかの態様において、薬学的組成物は約50重量%から約99重量%のDSB・2NMG薬剤物質を含む。
本発明は、下記を含む薬学的組成物を提供する:(i)少なくとも一つの本発明の多形、(ii)少なくとも一つの薬学的に許容される賦形剤、および(iii)抗レトロウイルス剤、抗HIV剤、免疫刺激化合物、抗ウイルス抗体、および抗ウイルス抗体の断片からなる群より選択される少なくとも一つの他の抗感染剤。本発明のいくつかの態様において、薬学的組成物は約50重量%から約99重量%のDSB・2NMG薬剤物質を含む。
「抗レトロウイルス活性」または「抗HIV活性」なる用語は、下記の少なくとも一つを阻害する能力が意図される:
(1)宿主細胞ゲノムへのウイルスプロDNA挿入;
(2)細胞へのレトロウイルス吸着;
(3)細胞へのウイルス侵入;
(4)ウイルスの複製を可能にする細胞代謝;
(5)ウイルスの細胞間伝播の阻害;
(6)ウイルス抗原の合成または細胞発現;
(7)ウイルス出芽もしくは成熟;
(8)ウイルスがコードする酵素(逆転写酵素、インテグラーゼおよびプロテアーゼなど)の活性;または
(9)例えば、免疫抑制などの、任意の公知のレトロウイルスもしくはHIV病原体作用。したがって、これらのメカニズムのいずれかを阻害する傾向があるいかなる活性も「抗レトロウイルス活性」または「抗HIV活性」である。
DSB・2NMG-I型、DSB・2NMG-II型、および無定形DSB・2NMGを、レトロウイルス(例えば、HIV)感染の治療のために、単独または当技術分野において公知の他の治療様式との組み合わせのいずれかで用いることができる。しかし、DSB・2NMG-I型、DSB・2NMG-II型、および無定形DSB・2NMGは薬学的に許容される治療ウィンドウを有するため、それらの有用性は確立されたレトロウイルス感染の治療に限定されることはない。例えば、DSB・2NMG-I型、DSB・2NMG-II型、および無定形DSB・2NMGは血液バンクに維持されているものなどの血液製剤を処理する際に用いることができる。国民の血液供給は現在HIV抗体について試験されている。しかし、試験はまだ不完全で、試験で陰性となった試料でもHIVウイルスを含むこともある。血液および血液製剤を本発明のDSB多形により処理することで、検出されなかったかもしれないいかなるレトロウイルスの複製も阻害することにより、安全性にさらに余裕を持たせることができる。
本発明の薬学的組成物はDSB・2NMG-I型、DSB・2NMG-II型、および無定形DSB・2NMGの少なくとも一つを、任意に本明細書に記載の一つまたは複数の追加の薬剤との組み合わせで含むことができる。同様に、治療法は、本明細書に記載のDSB・2NMG-I型、DSB・2NMG-II型、および無定形DSB・2NMGの少なくとも一つを、単独またはさらに記載の追加の薬剤との組み合わせで含む薬学的組成物を用いることになる。そのような治療様式には、本明細書に記載の少なくとも一つの追加の薬剤による化学療法が含まれうる。
一つの態様において、本発明の薬学的組成物は、AZT(ジドブジン、登録商標RETROVIR、GlaxoSmithKline)、3TC(ラミブジン、登録商標EPIVIR、GlaxoSmithKline)、AZT+3TC、(登録商標COMBIVIR、GlaxoSmithKline)、AZT+3TC+アバカビル(登録商標TRIZIVIR、GlaxoSmithKline)、ddI(ジダノシン、登録商標VIDEX、Bristol-Myers Squibb)、ddC(ザルシタビン、登録商標HIVID、Hoffmann-La Roche)、D4T(スタブジン、登録商標ZERIT、Bristol-Myers Squibb)、テノフォビル、アバカビル(登録商標ZIAGEN、GlaxoSmithKline)、ネビラピン(登録商標VIRAMUNE、Boehringer Ingelheim)、デラビルジン(Pfizer)、エファビレンツ(登録商標SUSTIVA、DuPont Pharmaceuticals)、サキナビル(登録商標INVIRASE、登録商標FORTOVASE、Hoffmann-LaRoche)、リトナビル(登録商標NORVIR、Abbott Laboratories)、インジナビル(登録商標CRIXIVAN、Merck and Company)、ネルフィナビル(登録商標VIRACEPT、Pfizer)、ロピナビル、アンプレナビル(登録商標AGENERASE、GlaxoSmithKline)、アデフォビル(登録商標PREVEON、登録商標HEPSERA、Gilead Sciences)、アタザナビル(Bristol-Myers Squibb)、ホスアンプレナビル(登録商標LEXIVA、GlaxoSmithKline)およびヒドロキシ尿素(登録商標HYDREA、Bristol-Meyers Squibb)などであるが、それらに限定されるわけではない、少なくとも一つの他の抗ウイルス剤、または任意の他の抗レトロウイルス剤もしくは抗体を、互いの組み合わせで、または例えば、gp41由来ペプチドエンフューヴィルタイド(登録商標FUZEON、Roche and Trimeris)およびT-1249、または可溶性CD4、CD4抗体、およびCD4もしくは抗CD4の結合体などの生物学的治療薬と併せて、あるいは本明細書に他に記載しているとおりに含むことができる。
DSB・2NMG-I型およびII型、ならびに無定形DSB・2NMGの少なくとも一つとの最適使用に適した他の抗ウイルス剤には、アンホテリシンB(登録商標FUNGIZONE);Hemispherx Biopharmaによって開発されたアンプリゲン(ミスマッチRNA);登録商標BETASERON(β-インターフェロン、Chiron);ブチル化ヒドロキシトルエン;カロシン(ポリマンノアセテート);カスタノスペルミン;コントラカン(ステアリン酸誘導体);クリームファルマテックス(塩化ベンザルコニウムを含む);ジドブジンの5-無置換誘導体;ペンシクロビル(登録商標DENAVER Novartis);ファムシクロビル(登録商標FAMVER Novartis);アシクロビル(登録商標ZOVIRAX GlaxoSmithKline );サイトフォビル(登録商標VISTIDE Gilead);ガンシクロビル(登録商標CYTOVENE、Hoffman LaRoche);硫酸デキストラン;D-ペニシラミン(3-メルカプト-D-バリン);登録商標FOSCARNET(ホスホノギ酸3ナトリウム;AstraZeneca);フシジン酸;グリチルリチン(甘草の成分);HPA-23(アンモニウム-21-タングスト-9-アンチモネート);登録商標ORNIDYL(エフロールニチン;Aventis);ノノキシノール;イセチオン酸ペンタミジン(PENTAM-300);ペプチドT(オクタペプチド配列、Peninsula Laboratories);フェニトイン(Pfizer);INHまたはイソニアジド;リバビリン(登録商標VTRAZOLE、Valeant Pharmaceuticals);リファブチン、アンサマイシン(登録商標MYCOBUTIN Pfizer);CD4-IgG2(Progenics Pharmaceuticals)または他のCD4含有もしくはCD4に基づく分子;トリメトレキセート(Medimmune);スラミンおよびその類縁体(Bayer);ならびに登録商標WELLFERON(α-インターフェロン、GlaxoSmithKline)が含まれうるが、それらに限定されるわけではない。
DSB・2NMG薬剤物質は、他のHIV-1療法で十分に治療されていない患者のHIV治療において用いることができる。したがって、本発明は、前記細胞に感染しているHIV-1が他のHIV-1療法に反応しない、治療を必要としている患者の治療法にも関する。もう一つの態様において、本発明の方法は、HIV感染を治療するために用いられる薬物に抵抗性のHIVに感染した被験者において実施する。様々な適用において、HIVは一つまたは複数のプロテアーゼ阻害剤、逆転写酵素阻害剤、侵入阻害剤、ヌクレオシド類縁体、ワクチン、結合阻害剤、免疫調節剤、または他の阻害剤に対して抵抗性である。いくつかの態様において、本発明の組成物および方法を、HIV感染を治療するために用いられる一つまたは複数の薬物、例えば、ジドブジン、ラミブジン、ジダノシン、ザルシタビン、スタブジン、アバカビル、ネビラピン、デラビルジン、エムトリシタビン、エファビレンツ、サキナビル、リトナビル、ロピナビル、インジナビル、ネルフィナビル、テノフォビル、アンプレナビル、アデフォビル、アタザナビル、ホスアンプレナビル、エンフューヴィルタイド、ヒドロキシ尿素、AL-721、アンプリゲン、ブチル化ヒドロキシトルエン;ポリマンノアセテート、カスタノスペルミン;コントラカン;クリームファルマテックス、CS-87、ペンシクロビル、ファムシクロビル、アシクロビル、サイトフォビル、ガンシクロビル、硫酸デキストラン、D-ペニシラミン ホスホノギ酸3ナトリウム、フシジン酸、HPA-23、エフロールニチン、ノノキシノール、イセチオン酸ペンタミジン、ペプチドT、フェニトイン、イソニアジド、リバビリン、リファブチン、アンサマイシン、トリメトレキセート、SK-818、スラミン、UA001、およびその組み合わせであるが、それらに限定されるわけではない薬物に抵抗性のHIVに感染した被験者に投与する。
本発明のいくつかの態様において、DSB・2NMG薬剤物質は個人間のHIV感染の伝播を防止するための予防薬として用いることもできる。本発明の他の態様において、DSB・2NMG薬剤物質は、新生児が感染する可能性を低下させるために、HIV感染した妊婦あるいは妊娠中の胎児または出産直前、出産時、もしくは出産後の新生児に経口または注射により投与することもできる。DSB・2NMG薬剤物質は、新生児の産道通過中の感染を防止するために、出産直前に膣に投与することもできる。DSB・2NMG薬剤物質は、DSBの一つまたは複数の塩を含む局所組成物のレトロウイルス阻害有効量を性交前に膣または他の粘膜に適用することにより、HIVの伝播を防止するために性交中に用いることもできる。本発明の他の態様において、DSB・2NMG薬剤物質は、感染した男性から感染していない女性、またはその逆のHIVの伝播を防止するために用いることもできる。
本発明の薬学的組成物は、免疫調節剤をさらに含むこともできる。本発明のいくつかの態様において、薬学的組成物は(i)DSB・2NMG薬剤物質;(ii)ABPP(ブロプリリミン)、アンプリゲン(ミスマッチRNA、Hemispherx Biopharma)、抗ヒトインターフェロン-α-抗体、アスコルビン酸およびその誘導体、インターフェロン-β、シアメキソン、シクロスポリン、シメチジン、CL-246,738、GM-CSFを含むコロニー刺激因子、ジニトロクロロベンゼン、HE2000(Hollis-Eden Pharmaceuticals)、インターフェロン-γ、グルカン、高度免疫ガンマグロブリン(Bayer)、イムチオール(ジエチルチオカルバミン酸ナトリウム)、インターロイキン-1(Hoffmann-LaRoche;Amgen)、インターロイキン-2(IL-2)(Chiron)、イソプリノシン(イノシンプラノベクス)、クレスチン、LC-9018(Yakult)、レンチナン(Yamanouchi)、LF-1695、メチオニン-エンケファリン、ミノファーゲンC、ムラミルトリペプチド(MTP-PE)、ナルトレキソン(Barr Laboratories)、RNA免疫調節剤、登録商標REMUNE(Immune Response Corporation)、登録商標RETICULOSE(Advanced Viral Research Corporation)、小柴胡湯、ニンジン、胸腺液性因子、サイモペンチン、サイモシン第5因子、サイモシン1(登録商標ZADAXIN、SciClone)、サイモスティミュリン、TNF(腫瘍壊死因子)(Genentech)、ビタミン製剤、ならびにその組み合わせからなる群より選択される免疫調節剤を含む。
本発明の薬学的組成物は、抗癌治療薬をさらに含むこともできる。任意使用に適した抗癌治療薬には、前記抗癌剤の化合物、または薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグを含む、新生物を阻害するのに有効な抗癌組成物が含まれ、これはブスルファン、シスプラチン、マイトマイシンC、およびカルボプラチンなどのアルキル化剤;コルヒチン、ビンブラスチンや、パクリタキセル(登録商標TAXOL、Bristol-Meyers Squibb)ドセタキセル(登録商標TAXOTERE、Aventis)などのタキソールなどの有糸分裂阻害剤;カンプトテシン、イリノテカンおよびトポテカン(登録商標HYCAMTIN、GlaxoSmithKline)などのトポイソメラーゼI阻害剤;ドキソルビシン、ダウノルビシンおよびVP16などのエトポシドなどのトポイソメラーゼII阻害剤;5-アザシチジン、5-フルオロウラシルおよびメトトレキセートなどのRNA/DNA代謝拮抗剤;5-フルオロ-2'-デオキシウリジン、ara-C、ヒドロキシ尿素、チオグアニンなどのDNA代謝拮抗剤;ならびにトラスツマブ(登録商標HERCEPTIN、Genentech)、およびリツキシマブ(登録商標RITUXAN、Genentech and Biogen-Idec)などの抗体;メルファラン、クロランブシル、シクロホスファミド、イフォスファミド、ビンクリスチン、ミトグアゾン、エピルビシン、アクラルビシン、ブレオマイシン、ミトキサントロン、エリプチニウム、フルダラビン、オクトレオチド、レチノイン酸、タモキシフェン、アラノシン、ならびにその組み合わせを含むが、それらに限定されるわけではない、組み合わせ療法で用いることができる。
本発明は、本発明のDSB・2NMG-I型およびII型、ならびに無定形DSB・2NMGとの組み合わせで用いるための、抗菌療法、駆虫療法、および抗真菌療法を提供するための方法をさらに提供する。抗菌療法の例には、ペニシリン、アンピシリン、アモキシシリン、シクラシリン、エピシリン、メチシリン、ナフシリン、オキサシリン、シロキサシリン、ジクロキサシリン、フルクロキサシリン、カルベニシリン、セファレキシン、セファラジン、セファドキシル、セファクロル、セフォキシチン、セフォタキシム、セフチゾキシム、セフィネノキシン、セフトリアキソン、モキサラクタム、イミペネム、クラブラネート、チメンチン、スルバクタム、エリスロマイシン、ネオマイシン、ゲンタマイシン、ストレプトマイシン、メトロニダゾール、クロラムフェニコール、クリンダマイシン、リンコマイシン、キノロン、リファンピン、スルホンアミド、バシトラシン、ポリミキシンB、バンコマイシン、ドキシサイクリン、メタサイクリン、ミノサイクリン、テトラサイクリン、アンホテリシンB、シクロセリン、シプロフロキサシン、ノルフロキサシン、イソニアジド、エタンブトール、およびナリジキシン酸、ならびにその組み合わせなどの化合物が含まれる。
駆虫療法の例には、ビチオノール、ジエチルカルバマジンクエン酸塩、メベンダゾール、メトリホネート、ニクロサミン、ニリダゾール、オキサムニキンおよび他のキニン誘導体、ピペラジンクエン酸塩、プラジクアンテル、ピランテルパモ酸塩およびチアベンダゾール、ならびにその組み合わせが含まれる。
抗真菌療法の例には、アンホテリシンB、クロトリマゾール、エコナゾール硝酸塩、フルシトシン、グリセオフルビン、ケトコナゾールおよびミコナゾール、ならびにその組み合わせが含まれる。抗真菌化合物にはアクレアシンAおよびパプロカンジンBも含まれる。
本発明の好ましい動物被験者はヒトである。特定の態様において、本発明はヒト患者の治療において有用である。
「治療」なる用語は、レトロウイルス関連の病状の予防、改善、または治癒を含みうる目的のために、本発明のDSB・2NMG薬剤物質を被験者に投与することを意味する。
薬物は、それらが患者に同時に提供される場合、または各薬物の投与間の時間が生物活性の重なりを可能にするようなものである場合、互いに「組み合わせて」提供されると考えられる。
本発明に従って投与するための薬学的組成物は、本発明のDSB・2NMG薬剤物質を薬学的に許容される形で含み、薬学的に許容される担体と任意に組み合わせられる。これらの組成物はそれらの所期の目的を達成するいかなる手段によっても投与することができる。本発明のDSB・2NMGの固体型を投与するための量および投与法は、レトロウイルスの病状を治療する臨床技術分野の当業者であれば容易に決定することができる。
例えば、投与は皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、経皮、または口腔内経路などの非経口によるものでありうる。別法として、または同時に、投与は経口経路でもありうる。投与する用量は受容者の年齢、健康および体重、以前または同時に治療していればそのタイプ、治療の頻度、ならびに所望の効果の性質に依存する。
本発明の範囲内の組成物には、本発明のDSB・2NMG-I型、DSB・2NMG-II型、および無定形DSB・2NMGの少なくとも一つを、その所期の目的を達成するのに有効な量で含むすべての組成物が含まれる。個別の必要性は異なるが、各成分の有効量の最適範囲の決定は当分野の技術範囲内である。典型的用量は体重1kgあたり約0.1から約100mgを含む。一つの態様の好ましい用量は体重1kgあたり約1から約100mgの活性成分を含む。用量は体重1kgあたり約10から約100mgを含みうる。もう一つの態様において、好ましい用量は体重1kgあたり約1から約10mgの活性成分を含む。
治療的投与は、本発明のDSB・2NMGの少なくとも一つの追加の固体型または抗ウイルスもしくは免疫刺激剤などの他の治療薬の事前、同時、事後または補助的投与を含むこともできる。そのようなアプローチにおいて、第二の薬物の用量は第一の治療薬の用量と同じでも異なっていてもよい。本発明の一つの態様において、薬物は各薬物の推奨量を1日交替で投与する。
本発明の化合物の投与は、免疫系ブースターまたは免疫調節剤を用いての事前、同時,事後または補助的治療を任意に含むこともできる。薬理活性化合物に加えて、本発明の薬学的組成物は、薬学的に用いることができる製剤への活性化合物の加工を容易にする賦形剤および補助剤を含む、適当な薬学的に許容される担体を含むこともできる。一つの態様において、製剤、特に錠剤、糖衣錠、およびカプセル剤などの経口投与することができる製剤、ならびに坐剤などの直腸投与することができる製剤、同様に注射または経口により投与するための適当な液剤は、約0.01から99パーセントの活性成分を、賦形剤と共に含む。もう一つの態様において、製剤は約20から75パーセントの活性化合物を賦形剤と共に含むことができる。
本発明の薬学的製剤は、それ自体が公知である様式で、例えば、通常の混合、造粒、糖衣錠製造、溶解、または凍結乾燥法によって製造する。したがって、経口用の薬学的製剤は、活性化合物を固体賦形剤と混合し、得られた混合物を任意に粉砕し、かつ錠剤または糖衣錠の核を得るために望まれるか、または必要がある場合には、適当な補助剤を加えた後に、顆粒の混合物を加工することにより得ることができる。
いくつかの態様は、糖類、例えば、乳糖またはショ糖、マンニトールまたはソルビトール、セルロース製剤、リン酸3カルシウムまたはリン酸水素カルシウムなどのリン酸カルシウム、およびその組み合わせからなる群より選択される充填剤をさらに含む。
いくつかの態様は、デンプンペースト、例えば、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン(PVP)、およびその組み合わせからなる群より選択される結合剤をさらに含む。
いくつかの態様は、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルデンプン、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、アルギン酸またはアルギン酸ナトリウムなどのその塩、およびその組み合わせからなる群より選択される崩壊剤をさらに含む。
いくつかの態様は、流動調節剤および滑沢剤ならびにその組み合わせからなる群より選択される補助剤をさらに含む。いくつかの好ましい補助剤は、シリカ、タルク、ステアリン酸および塩ならびにその組み合わせからなる群より選択される。他の好ましい補助剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレングリコール、およびその組み合わせからなる群より選択される。
いくつかの態様は、任意に胃液に対する特定の程度の抵抗性を提供しうる適当なコーティングと共に提供される糖衣錠の核をさらに含む。この目的のために、濃縮糖類溶液を用いることができ、これらはアラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールおよび/または二酸化チタン、ラッカー溶液および適当な有機溶媒または溶媒混合物を含みうる。胃液に対して抵抗性のコーティングを調製するために、フタル酸アセチルセルロースまたはフタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの適当なセルロース製剤の溶液を用いる。
いくつかの態様は、例えば、識別のため、または活性化合物用量の組み合わせを特徴づけるために、錠剤または糖衣錠コーティングに加えることができる染料または色素をさらに含む。
経口で用いることができる他の薬学的製剤には、ゼラチン製のプッシュフィットカプセル、ならびにゼラチンとグリセロールまたはソルビトールなどの可塑剤とで作られた密封軟カプセルが含まれる。プッシュフィットカプセルは活性化合物を、乳糖などの充填剤、デンプンなどの結合剤、および/またはタルクもしくはステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、ならびに任意に安定化剤と混合することができる顆粒の形で含むことができる。軟カプセルでは、活性化合物は脂肪油または流動パラフィンなどの適当な液体に溶解または懸濁することができる。加えて、安定化剤を加えることもできる。
直腸に用いうる可能性のある薬学的製剤には、例えば、活性化合物と坐剤基剤との組み合わせからなる坐剤が含まれる。適当な坐剤基剤は、例えば、天然もしくは合成トリグリセリド、またはパラフィン炭化水素である。加えて、活性化合物と基剤との組み合わせからなるゼラチン直腸カプセルを用いることも可能である。可能性のある基剤材料には、例えば、液体トリグリセリド、ポリエチレングリコール、またはパラフィン炭化水素が含まれる。
非経口投与に適した製剤には、水溶性の形、例えば、水溶性の塩での活性化合物の水溶液が含まれる。加えて、適当な油性注射用懸濁剤としての活性化合物の懸濁液を投与することもできる。適当な親油性溶媒または媒体には、ゴマ油などの脂肪油、またはオレイン酸エチルもしくはトリグリセリドなどの合成脂肪酸エステルが含まれる。懸濁液の粘性を高める物質を含みうる水性注射用懸濁剤には、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、および/またはデキストランが含まれる。任意に、懸濁液は安定化剤を含むこともできる。
経口投与用の液体剤形には、薬学的に許容される乳剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤、およびエリキシル剤が含まれる。活性化合物に加えて、液体剤形は、例えば、水または他の溶媒などの当技術分野において一般に用いられる不活性希釈剤、例えば、水および他の溶媒などの可溶化剤および乳化剤、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンなどのシクロデキストリン、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油などの油、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステルなどの可溶化剤および乳化剤、ならびにそれらの混合物を含んでいてもよい。
懸濁剤は、活性化合物に加えて、例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、セルロース、微結晶セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天、およびトラガカント、ならびにそれらの混合物などの懸濁化剤を含んでいてもよい。
本発明の全身投与用の薬学的製剤は、腸内、非経口または局所投与のために製剤することができる。事実、活性成分の全身投与を達成するために、3タイプすべての製剤を同時に用いることができる。
経口投与に適した製剤には、ゼラチン硬または軟カプセル、糖衣錠、丸剤、コーティング錠を含む錠剤、エリキシル剤、懸濁剤、シロップ剤または吸入剤、およびその制御放出剤形などであるが、それらに限定されるわけではない、経口剤形が含まれる。
固体剤形には、経口投与用に製剤したものに加えて、直腸坐剤が含まれる。
本発明のDSB・2NMGの固体型を、生分解性徐放担体と配合した場合、埋め込み物の形で投与することもできる。または、本発明のDSB・2NMGの固体型を、活性成分の持続放出用に経皮パッチとして製剤することもできる。
局所投与に適した製剤には、クリーム、ゲル、ゼリー、粘漿剤、ペーストおよび軟膏が含まれる。適当な注射用液剤には、静脈内、皮下および筋肉内注射用液剤が含まれる。または、DSB・2NMGの固体型を点滴用液剤、鼻内吸入剤もしくは噴霧剤、または膣リング、フォーム、クリーム、ゲル、薬用坐剤および薬用タンポンなどの粘膜もしくは膣送達系の形で投与することもできる。
出産または性交中の個人間HIV感染を防止するための予防局所組成物は、本発明のDSB・2NMGの一つまたは複数の固体型および少なくとも一つの薬学的に許容される局所担体もしくは希釈剤を含む。局所組成物は、例えば、軟膏、クリーム、ゲル、ローション、ペースト、ゼリー、噴霧剤、フォーム、またはスポンジの形でありうる。予防局所製剤中のDSB・2NMGの固体型の用量は、一般に、約1,000ミリグラム未満であり、いくつかの態様において、約0.01から約100ミリグラムの間である。局所製剤は、他の予防成分を含むこともできる。担体および希釈剤は製剤の他の成分と適合性であり、受容者に対して有害でないという意味で許容されるものであるべきである。
局所予防製剤には、膣、直腸または局所投与に適したものが含まれる。製剤は、適当な場合には、孤立性投与単位で都合よく提供することもでき、薬学の技術分野において公知の方法のいずれかにより調製することができる。そのような方法はすべて、活性成分を液体担体、ゲルもしくは超微粒子固体担体または両方と混合し、次いで、必要があれば、生成物を所望の製剤に成形する段階を含む。
膣投与に適した予防製剤は、活性成分に加えて当技術分野において公知の適当な担体を含む、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、ゼリー、フォーム、もしくは噴霧剤、または水性もしくは油性懸濁剤、液剤もしくは乳剤(液体製剤)として提供することができる。液体製剤は、懸濁化剤、乳化剤、食用油を含む非水性媒体、または保存剤などの通常の添加物を含むこともできる。これらの製剤は、HIVの性的伝播および産道通過中の乳児感染の両方を防止するために有用である。一つの例において、膣投与は性交前、または出産の直前に行うことができる。
いくつかの態様において、固体担体を有する直腸または膣投与に適した予防製剤は単位用量坐剤である。適当な担体には、カカオ脂および当技術分野において一般に用いられる他の材料が含まれる。坐剤は、例えば、DSB・2NMGの一つまたは複数の固体型を一つまたは複数の軟化または融解担体と混合した後、型に入れて冷却および成形して生成することができる。
本発明の予防製剤は、一つまたは複数の分散剤、可溶化剤、または懸濁化剤を含む水性または非水性基剤と共に製剤される滴剤の形でもありうる。液体噴霧剤を加圧パックから送達することもできる。
本発明の予防製剤は、持続送達のために適合させることもできる。同様に、予防製剤は、殺精子剤、抗菌剤、および抗ウイルス剤などの他の活性薬剤を含むこともできる。
DSB・2NMG-I型、DSB・2NMG-II型、および無定形DSB・2NMGを、生分解性徐放担体と配合した場合、埋め込み物の形で投与することもできる。または、本発明のトリテルペン誘導体を、活性成分の持続放出用に経皮パッチとして製剤することもできる。
DSBの遊離酸は、米国特許第5,679,828号に記載の合成法により得ることができ、この開示はその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
分析による特徴づけ
以下に新規多形を特徴づけるために本発明で用いた機器を記載する。XRPDパターンは、Scintag XDS2000 θ/θX線粉末回折計をCu Kα照射で操作して用い、Kevex Psi Peltier-冷却固体検出器を用いて、当技術分野において公知の方法により得た。データ収集のために、2および4mmの線源スリットと、0.5および0.3mmの検出器スリットを用いた。粉砕した試料をステンレススチール製の試料ホルダーに置き、水平にした。試料のXRPDパターンを1°/分の走査速度で2θ=2°から42°まで得た。回折計の較正をシリコン粉末標準を用いて年に一回検証した。
DSC温度記録は、Intracooler 2P-冷却ユニットを備えたPerkin Elmer Pyris 1 DSCを用いて得た。Pyris 1を窒素でパージした。較正は分析前にインジウム標準を10℃/分の加熱速度で用いて行った。約2mgの試料をフタに孔のあるPerkinElmer 20μL汎用アルミニウム皿に封入した。試料を室温から300℃まで10℃/分で加熱した。
TGA分析のためのDTG図を窒素パージしたPerkin Elmer TGA 7により得た。100mg標準重量およびニッケル試料を用いて、それぞれ天秤および温度の較正を検証した。試料を室温から350℃まで10℃/分で加熱した。
実施例
DSB・2NMG-I型
容器A内でDSB(20g)およびN-メチル-D-グルカミン(13.49g、2.02eq.)をメタノール(70mL)に50〜60℃で溶解した。澄明溶液をろ過して容器Bに入れた。容器Aおよび漏斗をメタノールで容器Bに洗い込んだ。澄明溶液をゆっくり撹拌し、室温まで冷却し、種を添加した。1時間以内に粘稠懸濁液が生じた。撹拌を強くした後、室温でエタノールを加えた。懸濁液を60℃(油浴)で10分間加熱し、次いで室温までゆっくり冷却した。結晶をろ過し、50℃で終夜減圧乾燥した。収率:31.6g(94%)。
DSB・2NMG-I型は次の方法でも調製される:DSB・2NMG(50mg)をDMF(1mL)に溶解し、25℃で終夜撹拌する。得られた無色澄明溶液を0.2ミクロンのPTFEフィルターを通してろ過し、35℃で1時間加熱する。溶液温度を25℃に調節し、窒素剪断を3psiで導入して、溶液を蒸発させる。得られた結晶を乾燥する。
DSB・2NMG-II型
DSB・2NMGのメチルエチルケトン(MEK)中の飽和溶液を、DSB・2NMG-I型(約50mg)をMEKと共に25℃で撹拌することにより調製する。残留固体があればろ過により母液を分離する。次いで、母液を35℃に加熱して、残っている固体または核があれば溶解する。次いで、溶液の温度を25℃に調節し、3〜5psiの窒素剪断流を導入して、溶媒を蒸発させる。II型の結晶が生じる。
無定形DSB・2NMG
N-メチル-D-グルカミン(2,097.40mg)をメタノール(250mL)に溶解する。DSBを加え、終夜撹拌中に懸濁液は溶液になる。水浴で外部から40〜60℃に加熱しながら溶媒を窒素ガス流で除去し、無色粘稠油状物を生成する。メタノール(200mL)を加えて油状物を溶解する。ジエチルエーテル(200mL)を回旋中の混合物にゆっくり加えて、白色固体を得る。固体材料を減圧ろ過により単離し、固体(5.52g)を得る。固体を減圧下で72時間乾燥して、無定形DSB・2NMG(4.97g)を得る。
比較実施例
DSB・2NMG-I型および無定形DSB・2NMGで調製した経口製剤の相対バイオアベイラビリティを比較するために、下記の試験を行った。
経静脈カニューレを外科的に埋め込んだ4匹の雄Sprague Dawleyラット群に、DSB・2NMG(I型または無定形)の経口25mg/kg用量を下記の6つの製剤の一つで一回投与した:
第1群:無定形DSB・2NMGの10%ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン溶液;
第2群:DSB・2NMG-I型の10%ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン溶液;
第3群:0.5%カルボキシメチルセルロース中のDSB・2NMG-I型の懸濁液;
第4群:1%エタノール/10%ポリエチレングリコール400/89%水中のDSB・2NMG-I型の溶液;
第5群:10%プロピレングリコール/90%水中のDSB・2NMG-I型の溶液;および
第6群:水中のDSB・2NMG-I型の溶液。
連続血液試料を投与後24時間の間の決められた時点で採取し、血漿中のDSBの遊離酸としての濃度を定量した。DSBの遊離酸としての血漿濃度をほとんどの動物でそれぞれの投与後24時間測定した。
図8に示されるとおり、無定形DSB・2NMGの製剤と比べた場合、DSB・2NMG-I型のヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン製剤は同等の血漿濃度特性を示した。観察された最大濃度(Cmax)は平均5.46〜5.27μg/mLで、投与の約2時間後に認められた。時間ゼロから無限大まで外挿した血漿濃度-時間曲線下面積(AUCINF)はほぼ同等で、無定形およびI型DSB・2NMGの投与後それぞれ平均21.51μgh/mLおよび23.44μgh/mLであった。ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン製剤からのDSB遊離酸の半減期は平均4.57時間〜4.04時間であった。
図9に示されるとおり、DSB・2NMG-I型の製剤について、DSB遊離酸への最大曝露は10%プロピレングリコール/水媒体で観察された。0.5%カルボキシメチルセルロース、1%エタノール/10%ポリエチレングリコール400/水、10%プロピレングリコール/水、および水中で製剤したDSB・2NMG-I型投与後のDSB遊離酸濃度も、10%ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン中のDSB・2NMG-I型投与後に観察された濃度よりも高かった。Cmaxは各製剤でそれぞれ平均8.20、8.49、10.45、および9.77μg/mLで、投与後平均1.38時間で認められた。観察されたAUCINFはヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン中で投与したDSB・2NMG-I型よりも約1.5〜2倍大きかった。
DSB・2NMG-I型のX線粉末回折(XRPD)パターンを示す図である。 DSB・2NMG-I型の示差走査熱量測定(DSC)温度記録を示す図である。 DSB・2NMG-I型の熱重量分析(TGA)およびDSCを重ねたプロットを示す図である。 75℃で2日間焼きなました後のDSB・2NMG-I型のXRPDパターンを示す図である。 DSB・2NMG-II型のXRPDパターンを示す図である。 DSB・2NMG-II型のTGAおよびDSCを重ねたプロットを示す図である。 無定形DSB・2NMGのDSC温度記録を、DSB・2NMG-I型の記録と重ねたものを示す図である。 10%ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン水溶液中の無定形DSB・2NMGおよびDSB・2NMG-I型の25mg/mL経口用量を一回投与したラットにおける、時間に対するDSB遊離酸の血漿濃度を示す図である。 様々な溶液および懸濁液中の無定形DSB・2NMGおよびDSB・2NMG-I型の25mg/mL経口用量を一回投与したラットにおける、時間に対するDSB遊離酸の血漿濃度を示す図である。 無定形DSB・2NMGのX線粉末回折(XRPD)パターンを示す図である。

Claims (32)

  1. 3-O-(3',3'-ジメチルスクシニル)ベツリン酸ジ-N-メチル-D-グルカミン-I型。
  2. 実質的に図1に示されるX線粉末回折パターンを有する、請求項1記載の3-O-(3',3'-ジメチルスクシニル)ベツリン酸ジ-N-メチル-D-グルカミン。
  3. 実質的に銅照射で得た下記のX線粉末回折パターンを有する、請求項1記載の3-O-(3',3'-ジメチルスクシニル)ベツリン酸ジ-N-メチル-D-グルカミン:
    Figure 2008535923
  4. 実質的に図4に示されるX線粉末回折パターンを有する、請求項1記載の3-O-(3',3'-ジメチルスクシニル)ベツリン酸ジ-N-メチル-D-グルカミン。
  5. 2θ=約9.15、12.90および17.80度のピークを有するX線粉末回折パターンによって特徴づけられる、請求項1記載の3-O-(3',3'-ジメチルスクシニル)ベツリン酸ジ-N-メチル-D-グルカミン。
  6. 3-O-(3',3'-ジメチルスクシニル)ベツリン酸ジ-N-メチル-D-グルカミン、およびその溶媒和物または水和物。
  7. 約152℃で吸熱を示すDSCプロフィールによって特徴づけられる、請求項1記載の3-O-(3',3'-ジメチルスクシニル)ベツリン酸ジ-N-メチル-D-グルカミン。
  8. 以下の(a)〜(d)の段階を含む、DSB・2NMG-I型の製造方法:
    (a)溶媒系を生成するための第一の適当な溶媒中でDSB・2NMGの溶液を調製する段階;
    (b)溶液を高温に加熱する段階;
    (c)溶液の温度を成長温度に調節する段階;および
    (d)結晶DSB・2NMG-I型を単離する段階。
  9. 第二の適当な溶媒を導入する段階をさらに含む、請求項8記載の方法。
  10. 溶媒系にDSB・2NMG-I型の結晶を種として添加する段階をさらに含む、請求項8記載の方法。
  11. 前記第一の適当な溶媒がアルコールを含む、請求項8記載の方法。
  12. 前記第一の適当な溶媒および前記第二の適当な溶媒が、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、ジメチルホルムアミド、アセトン、およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項8記載の方法。
  13. (a)から(d)の各段階が順に行われる、請求項8記載の方法。
  14. 請求項1記載の3-O-(3',3'-ジメチルスクシニル)ベツリン酸ジ-N-メチル-D-グルカミン-I型、および薬学的に許容される担体を含む、薬学的組成物。
  15. レトロウイルス感染の治療法であって、それを必要とする患者に有効量の請求項1記載の3-O-(3',3'-ジメチルスクシニル)ベツリン酸ジ-N-メチル-D-グルカミン-I型を投与する段階を含む方法。
  16. 少なくとも検出可能な量のDSB・2NMG-I型を含むDSB・2NMG薬剤物質。
  17. 約90%から約100%のDSB・2NMG-I型を含む、請求項16記載のDSB・2NMG薬剤物質。
  18. 実質的に相純粋なDSB・2NMG-I型である、請求項16記載のDSB・2NMG薬剤物質。
  19. DSB・2NMGの残りが(i)DSB・2NMG-II型、(ii)DSB・2NMGの溶媒和結晶型、および(iii)無定形DSB・2NMGの一つまたは複数からなる、請求項16記載のDSB・2NMG薬剤物質。
  20. 3-O-(3',3'-ジメチルスクシニル)ベツリン酸ジ-N-メチル-D-グルカミン-II型。
  21. 実質的に銅照射で得た下記のX線粉末回折パターンを有する、請求項20記載の3-O-(3',3'-ジメチルスクシニル)ベツリン酸ジ-N-メチル-D-グルカミン:
    Figure 2008535923
  22. 以下の(a)〜(e)の段階を含む、DSB・2NMG-II型の製造方法:
    (a)メチルエチルケトン中でDSB・2NMGの飽和溶液を調製する段階;
    (b)該溶液を飽和温度よりも高い温度に加熱する段階;
    (c)該溶液の温度を成長温度に調節する段階;
    (d)溶媒を蒸発させる段階;および
    (e)DSB・2NMG-II型を単離する段階。
  23. 溶媒系にDSB・2NMG-II型の結晶を種として添加する段階をさらに含む、請求項22記載の方法。
  24. (a)から(e)の各段階が順に行われる、請求項22記載の方法。
  25. 請求項20記載の3-O-(3',3'-ジメチルスクシニル)ベツリン酸ジ-N-メチル-D-グルカミン-II型、および薬学的に許容される担体を含む、薬学的組成物。
  26. レトロウイルス感染の治療法であって、それを必要とする患者に有効量の請求項20記載の3-O-(3',3'-ジメチルスクシニル)ベツリン酸ジ-N-メチル-D-グルカミン-II型を投与する段階を含む方法。
  27. 少なくとも検出可能な量のDSB・2NMG-II型を含むDSB・2NMG薬剤物質。
  28. 約90%から約100%のDSB・2NMG-II型を含む、請求項27記載のDSB・2NMG薬剤物質。
  29. 実質的に相純粋なDSB・2NMG-II型である、請求項27記載のDSB・2NMG薬剤物質。
  30. DSB・2NMGの残りが(i)DSB・2NMG-I型、(ii)DSB・2NMGの溶媒和結晶型、および(iii)無定形DSB・2NMGの一つまたは複数からなる、請求項27記載のDSB・2NMG薬剤物質。
  31. ウイルス感染治療用の薬剤を製造するための、請求項1〜7、14〜21および25〜30のいずれか一項に記載の化合物の使用。
  32. HIV成熟阻害剤が望まれる疾患治療用の薬剤を製造するための、請求項1〜7、14〜21および25〜30のいずれか一項に記載の化合物の使用。
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