JP2019529552A - 3−ヒドロキシ−4,5−ビス−ベンジルオキシ−6−ベンジルオキシメチル−2−フェニル−2−オキソ−2λ5−[1,2]オキサホスフィナンの結晶多形体 - Google Patents

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Abstract

本発明は、3−ヒドロキシ−4,5−ビス−ベンジルオキシ−6−ベンジルオキシメチル−2−フェニル−2−オキソ−2λ5−[1,2]オキサホスフィナンの新規な結晶多形、及びその調製方法に関する。

Description

本発明は、3−ヒドロキシ−4,5−ビス−ベンジルオキシ−6−ベンジルオキシメチル−2−フェニル−2−オキソ−2λ5−[1,2]オキサホスフィナンの新規な結晶多形体(crystalline polymorphic form)及びその製造方法に関する。
3−ヒドロキシ−4,5−ビス−ベンジルオキシ−6−ベンジルオキシメチル−2−フェニル−2−オキソ−2λ5−[1,2]オキサホスフィナン(追加名:4,5−ビス(ベンジルオキシ)−6−((ベンジルオキシ) )メチル)−3−ヒドロキシ−2−フェニル−1,2−オキサホスフィナン2−オキシド)を本発明において「化合物I」と称する。化合物Iは、PCT出願WO2009/004096号及びWO2014/128429号にそれぞれ記載されているように有効な抗癌剤であり、特に転移の出現を低減又は防止することが証明されている化合物(以前の文献では3.48または3.1ともいわれる)である。化合物I及び神経膠芽腫に対するその使用は、J. Med. Chem. 2012, 55, 2196-2211に、より具体的に開示されている。この文献において提供されている化合物Iを合成するための方法の例は、2つのキラル中心の生成から生じる4つのジアステレオ異性体混合物での形成を可能にする。形成された4つのエナンチオピュアなジアステレオ異性体のなかで、最も強力なジアステレオ異性体はPST3.1aである。
引用された先行技術に開示されているように、PST3.1a(本明細書では式(I)の化合物ともいう)の合成は、下のスキーム1に示されるように2,3,5−トリ−O−ベンジルアラビノース3とエチルフェニルホスフィネート4を反応させることによって実施できる。
THF(テトラヒドロフラン)中での等モル量の3及び4の処理と、続くカリウムtert−ブトキシドを添加によって、実際に、ほぼ等モル量の4つのジアステレオ異性体の混合物が得られる。本明細書では、その4つのジアステレオ異性体混合物を「混合物A」といい、その中に含まれるジアステレオ異性体を以下に示す(スキーム2)。
得られた混合物(混合物A)を撹拌し、溶媒を蒸発させた後、クロロホルムを添加し、得られた有機溶液を塩化アンモニウムで洗浄し、乾燥させ、濾過し、溶媒を蒸発させて4つのジアステレオ異性体を含む黄色油状残留物が得られた。シリカゲルクロマトグラフィーで精製した後、分取逆相HPLCでのクロマトグラフィーによって4つのジアステレオ異性体の分離を行うことができる。しかしながら、PST3.1aの全収率は低い(約4%)。PST3.1aの全収率を増やすために、他のクロマトグラフィー又は分別結晶に基づく方法が行われてきた。しかしながら、これらの方法に関わる技術仕様、溶媒、及び/又は精製技術は、それを、工業規模へと効率的かつ容易に変換することを可能にしていない。
有機合成における永遠の目的は、工業的条件へと移すことができる合成プロセスを作り出すことである。工業プロセスの要件を満たすためには、合成のさまざまなパラメータが最適化されなければならない。第一に、容易に回収可能であるために、溶媒はできるだけ揮発性が低くなければならない。従って、塩素化揮発性溶媒、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、及び/又は四塩化炭素は好ましくは避けられる。さらに、必要とされる試薬の当量数は好ましくは制限され、関与する温度は好ましくは容易に利用可能な範囲内に留まり、そして精製工程をすすめることが容易であることが特に可能であるべきである。最後に、反応混合物及び単離された生成物は好ましくは熱的に安定である。
現在の適正製造基準(c−GMP)は、ヒト又は動物への投与のための医薬品の調製に関して定義されている。GMP規制は、製造に対する質の高いアプローチを求めており、それによって企業に、汚染、取り違え、及び間違いの事例を最小限にするかあるいは排除することを可能にさせる。GMP規制は、記録管理、人事資格、衛生、清潔さ、機器の検証、プロセスの検証、苦情処理などの問題に対処している。
本出願人の知る限りでは、化合物PST3.1aを合成するための工業的に適用可能な方法はこれまで記載されていない。
国際公開第2009/004096号 国際公開第2014/128429号
J. Med. Chem. 2012, 55, 2196-2211
したがって、本発明の目的は、クロロホルム及びジエチルエーテルなどの安全でない化合物、及び/又はカラムクロマトグラフィーが使用される従来技術の方法と比較して、工業規模に容易かつ効率的に適合させることができるPST3.1aの製造方法を提供することである。
さらに、ヒトの治療には通常は99.0%より高い薬物の高純度形態が一般に必要とされるので、異性体形成の制御と容易な最終的精製とが一緒になった方法が特に有利である。
さらに、方法の問題に加えて、化合物Iの固体状態の物理的性質を提供することが本発明の目的である。これらの性質は、化合物Iが固体形態で得られる条件を制御することによって影響をうけ得る。固体状態の物理的性質には、例えば、粉砕された固体の流動性が含まれる。流動性は、医薬品への加工時にその材料を取り扱う容易さに影響を及ぼす。粉末化合物の粒子が互いに容易に流動しない場合、配合の専門家は、コロイド状二酸化ケイ素、タルク、デンプン、又は塩基性リン酸カルシウムなどの流動促進剤の使用を必要としなければならない。
医薬化合物の別の重要な固体特性は、水性流体中でのその溶解速度である。患者の胃液中での活性成分の溶解速度は治療上の重要性を有し、なぜならそれが、経口投与された活性成分が患者の血流に達することができる速度に対する上限を課すからである。溶解速度はまた、製剤用シロップ剤、エリキシル剤、及びその他の液体医薬品における考慮事項でもある。化合物の固体形態はまた、圧縮に対するその挙動、及びその貯蔵安定性に影響を及ぼし得る。
これらの実用的な物理的特性は、単位格子中での分子の立体配座及び配向によって影響を受け、これが物質の特定の多形体を定義する。多形体は、非晶質(アモルファス)材料または別の多形体の熱的挙動とは異なる熱挙動を生じさせることができる。熱に対する挙動は、キャピラリー融点、熱重量分析(「TGA」)、及び示差走査熱量測定(「DSC」)などの技術によって実験室で測定され、いくつかの多形体を他のものから区別するために使用することができる。特定の多形体の形態はまた、粉末X線結晶学及び赤外分光法によって検出可能であり得る明確な分光学的性質を生じ得る。
一般に、結晶質固体は、非晶質形態よりも改善された化学的及び物理的安定性を有し、そして低い結晶化度をもって形をなしている。それはまた、より低い吸湿性、改善されたバルク特性、及び/又は流動性を示し得る。
薬学的に有用な化合物の新しい多形体(単に多形ともいう)の発見は、医薬品の性能特性を向上させるための新しい機会を提供する。それは、製剤科学者が、例えば目標とする放出プロファイル又は他の所望の特性をもつ薬物の医薬剤形を設計するために利用可能である材料のレパートリーを広げる。当該技術分野においては、結晶性化合物I及びその有利な多形体が必要とされている。
本発明は、ヒトの医薬として、又は獣医薬として使用するための、医薬として高い有用性を有する、3−ヒドロキシ−4,5−ビス−ベンジルオキシ−6−ベンジルオキシメチル−2−フェニル−2−オキソ−2λ5−[1,2]オキサホスフィナンの新規な結晶多形及びその製造方法に関する。
本発明はまた、上記の結晶多形の調製、特にPST3.1aから出発する結晶多形の調製方法にも関する。
本発明はまた、上記の結晶多形を調製するための全般的な方法、より具体的には、2,3,5−トリ−O−ベンジルアラビノース3とフェニルホスフィン酸エチル4との反応から出発して上記の結晶多形を調製するための全体的な方法も扱う。
別の側面では、本発明は、本明細書に記載された結晶多形を、より具体的には本発明の方法によって製造された結晶多形、及び1つ又は複数の医薬として許容可能な賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
本発明はさらに、本明細書に記載の結晶多形を、少なくとも1つの医薬として許容可能な賦形剤と混合することを含む医薬製剤の製造方法を提供する。
本発明はさらに、医薬としての、特に癌の治療における使用のための、及び/又は癌に罹患している患者における転移の出現を低減又は予防するために使用するための医薬としての、本明細書に記載の結晶多形を提供する。
本発明はさらに、癌を治療するための、及び/又は癌に罹患している患者における転移の出現を低減又は予防するための医薬組成物を製造するための、本明細書に記載の結晶多形の使用を提供する。
[図面及び略語の簡単な説明]
別段の記載がない限り、以下の略語及び名称は、本発明の説明及び特許請求の範囲を通して使用される。
Ph = フェニル;Et = エチル;tBu = tert−ブチル;Ac = アセチル
THF = テトラヒドロフラン
MeTHF = 2−メチルテトラヒドロフラン
MTBE = メチルtert−ブチルエーテル
rt = 室温
vol = 体積
eq. = 当量
NMR =核磁気共鳴
HPLC =高速液体クロマトグラフィー
図1は、約8.65、16.06、16.53、19.16、及び21.05±0.20度の2θにおけるX線粉末回折反射によって特徴づけられる本発明の結晶形態(実施例1により調製したもの)の粉末X線回折パターンを示している。 図2は、本発明の結晶形態(実施例1により調製したもの)のDSC分析を示している。 図3は、本発明の結晶形態(実施例1により調製したもの)の熱重量分析を示している。 図4は、DVS分析中の本発明の結晶形態(実施例1により調製したもの)のRH%ステップ時の質量変化対時間を示している。 図5は、DVS分析中の本発明の結晶形態(実施例1によって調製したもの)についての質量値対RH%を示している。 興味のある範囲の拡大(上)を含む、本発明の結晶形態(実施例1によって調製したもの)のNMR H−CDClスペクトルである。 図7は、興味のある範囲の拡大(上)を含む、本発明の結晶形態(実施例1によって調製したもの)のNMR 31Pスペクトルである。 図8は、興味のある範囲の拡大(上)を含む、本発明の結晶形態(実施例1によって調製したもの)のNMR 13C−CDClスペクトルである。
本明細書で使用されるとき、用語「周囲温度」又は「室温」は、約15℃から約30℃の間の温度を指す。
本開示において、単数形(英語明細書中の「a」、「an」、及び「the」)は、複数形への言及を含み、そして文脈が明らかにそうでないと示さない限り、特定の数値への言及は、少なくともその特定の値を含む。したがって、例えば、「溶媒」(a solvent)への言及は、そのような溶媒及びそれらの同等物の1つ以上への言及である等である。
本明細書で使用されるとき、用語「約」又は「およそ」は当業者によって理解され、それが使用される文脈によってある程度変動するであろう。それが使用される文脈を考慮しても当業者に明らかでない用語の使用がある場合には、「約」又は「およそ」は特定の用語の最大で±10%を意味する。
特記しない限り、百分率(パーセント)は本明細書において質量で表される。
本発明によれば、用語「含む」又は「含んでいる」(及び他の匹敵する用語、例えば、「含有する」及び「包含している」)は、それらに限定するものではなく、具体的に言及された特徴の全てと、任意選択により場合によって追加の、及び指定されていない特徴が含まれると一般的に解釈されうる。別段の規定がない限り、それはまた、特許請求の範囲に記載の発明の基本的及び新規な特徴に著しい影響を及ぼさない特定の特徴及び任意選択による追加の且つ不特定の特徴が含まれる場合の句「本質的に・・・のみからなる」又はその特定の特徴のみが含まれる場合の句「のみからなる」とも解釈することができる。
本明細書中で使用される場合、用語「治療」又は「療法」(ならびにそれらの異なる単語形態)は、防止的(例えば、予防的)、治療的、または緩和的治療を含む。そのような予防的、治療的、又は緩和的治療は、完全又は部分的であり得る。例えば、望ましくない症状の完全な排除、又は1つ以上の望ましくない症状の部分的な排除は、本明細書で考えているように「治療」を表すであろう。
上で及び本開示を通して使用されるように、「有効量」という用語は、関連する障害、状態、または副作用の治療に関して所望の結果を達成するために、用量における、及び必要な期間にわたる、有効な量を指す。本発明の結晶多形の有効量は、患者において所望する応答を引き出すための、選択された特定の化合物、成分、又は組成物、投与経路、及び結晶多形の能力だけでなく、軽減されるべき病状あるいは状態の重症度、患者の年齢、性別、体重、及び治療する状態の重症度、現在の投薬、あるいは患者が従う特別な食餌、並びに当業者が理解するその他の要因によって患者ごとに異なることが理解され、適切な投与量は最終的には担当医の裁量である。投薬計画は、改善された治療応答をもたらすように調節されうる。有効量はまた、結晶多形のあらゆる有毒な又は有害な影響よりも治療上有益な効果が優る量である。一例としては、本発明の治療方法に有用な結晶多形が、治療の開始前のレベルと比較して、転移の速度及び/又は転移の出現が低下又は減少するような用量及び期間、投与される。
「医薬として許容可能な」とは、妥当な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、又はその他の問題となる合併症なしに、合理的な利益/リスク比と釣り合って、ヒト及び動物の組織に接触するのに適している、上述した化合物、材料、組成物、及び/又は剤型をいう。
本明細書で特定されたそれぞれの特定の/好ましい/具体的な実施形態は、互いに適合しない場合を除いて、互いに組み合わせることができる。
文献J. Med. Chem. 2012, 55, 2196-2211、PCT出願公開WO2009/004096号及びWO2014/128429号は、クロマトグラフィー法によるPST3.1aの単離及び回収を開示している。しかしながら、得られた固体形態は、結晶多形の混合物だった。
本発明は、約8.65、16.06、16.53、19.16、及び21.05±0.2、好ましくは±0.1の2θ(°)における粉末X線回折反射によって特徴づけられる、化合物Iの結晶形態を提供する。この結晶形態は、約14.04、17.69、19.66、22.02、及び25.12±0.2の2θ(°)における粉末X線回折反射によって、または実質的に図1又は下の表1に示されるようにさらに特徴付けることができる。
好ましくは、本発明の化合物Iのこの結晶形態は、存在する他の形態の化合物Iを約20%未満、より好ましくは、存在する他の形態の化合物Iを約10%未満しか含まず、さらに好ましくは、実質的に純粋な形態であって、すなわち、存在する他の形態の化合物Iを約5%未満、最も好ましくは存在する他の形態の化合物Iを約2%未満しか含まない。
特定の実施形態において、本発明の化合物Iの結晶形態は、10℃/分の加熱速度において、示差走査熱量測定(DSC)によって175.5〜177.5℃、より具体的には176.2℃±0.4℃(又は±0.3℃)の融点を有する。
特定の実施形態では、化合物Iのこの結晶形態は、約25℃〜250℃の範囲、すなわちその融点の前後で熱重量分析(「TGA」)によって測定される有意な重量損失を示さない。特定の実施形態では、最大で約0.3%(w/w)の水分含量がKarl Fisher水分計によって測定された。
特定の実施形態では、本発明の結晶形態は非吸湿性である。より具体的には、本発明の結晶形態の動的蒸気収着(DVS)分析は、試験した相対湿度範囲(0%RH〜95%RH)で0.1%より低い重量損失を示す。
特定の実施形態によれば、レーザー回折法によって測定される体積相当球直径(volume equivalent sphere diameter)は次のように変わる:D10:70〜80nm、及び/又はD50%:140〜160nm、及び/又はD90:360〜380nm。 D10、D50、及びD90は、それぞれ、レーザー回折法によって測定された粒子の数の10%、50%、及び90%の平均直径を表す。例えば、D10直径は、その直径において粒子の10%が、小さい側の粒子(smaller particles)から構成される直径であり、D50直径は、その直径において粒子の50%が、小さい側の粒子から構成される直径である。
本発明の別の目的は、異性体PST3.1a及びアセトンを含む溶液の少なくとも1つの結晶化工程を含む、本発明の結晶形態の製造方法に関する。好ましくは、溶液はアセトン中の飽和PST3.1a溶液である。より具体的な実施形態では、溶液は異性体PST3.1bをさらに含む。前記の溶液中のPST3.1a/PST3.1bの質量比は、40/60から90/10まで、好ましくは50/50から90/10まで、より具体的には60/40から85/15まで変わりうる。
結晶化工程(再結晶及び分離)には、冷却法(結晶化システムを冷却する工程を含む方法)、貧溶媒添加法(結晶化システムに貧溶媒を添加する工程を含む方法)、及び任意のその他の方法が含まれうる。特定の実施形態では、結晶化工程は冷却方法を含む。冷却方法については、冷却速度は特に特定の速度に限定されない。冷却は急冷でもよく、あるいは好ましくは徐冷でもよい。冷却速度は、例えば、約0.1〜20℃/分、好ましくは約5〜15℃/分、さらに好ましくは約10〜15℃/分であってよい。
好ましい実施形態によれば、本発明の結晶形態の調製方法は、1、2、3、4、又は5の結晶化工程を含む。異性体PST3.1a及びアセトンを含む溶液の結晶化工程は、好ましくは最後の結晶化工程である。特定の実施形態によれば、アセトンによる結晶化工程より前の結晶化工程(1又は複数)は、異性体PST3.1aと、アセトン及びエタノールからなる群から選択される溶媒と、任意選択により場合によっては水又はメチルtert-ブチルエーテル(MTBE)を組み合わせて含む溶液を用いて行われる。好ましくは、本発明の方法における結晶化工程(1又は複数)の溶液(1又は複数)は、選択された溶媒中の飽和したPST3.1aの溶液である。
特定の実施形態によれば、アセトンによる結晶化工程より前の結晶化工程(1又は複数)は、異性体PST3.1a及びエタノール(任意選択により場合によって水又はMTBEとともに、あるいは好ましくは単一溶媒(純溶媒)として)を含む溶液を用いて行われる。好ましくは、異性体PST3.1a及びエタノールを含む溶液を用いた2つの結晶化工程を行い、次に異性体PST3.1a及びアセトンを含む溶液の1つの結晶化工程を行う。
結晶化工程(1又は複数)において使用されるPST3.1aは、同化合物を調製するための任意の公知の方法、例えば、引用した従来技術において記述された方法によるものであることができる。一般に、PST3.1aは、唯一のジアステレオ異性体として、混合物A中に(前述の3つの他のジアステレオ異性体と共に)又はPST3.1a及びPST3.1bの化合物を含む混合物中に存在する。前記の混合物中のジアステレオ異性体の比率は広い範囲で変わるうるものであり、一般にその調製方法に左右される。好ましい実施形態によれば、本発明の結晶化工程の前に、混合物中の他のジアステレオ異性体に対するPST3.1aの比率は最も高いが、依然として不十分である(例えば、31P NMRにより測定して90%未満、又はさらに95又は98%未満である)。上で特定したように、特定の実施形態では、混合物は異性体PST3.1bをさらに含む。前記の混合物中のPST3.1a/PST3.1bの質量比は、40/60〜90/10、好ましくは50/50〜90/10、より具体的には60/40〜85/15で変わり得る。
上述した結晶化工程(1又は複数)は、本発明による且つ上述した結晶多形を調製することを可能にするだけでなく、(3つの他のジアステレオ異性体、特にPST3.1bに対して)PST3.1aの割合を99%(31P NMRによって測定して)まで高くすることも可能にし、それと共に満足できる収率を生じさせる。
特定の実施形態によれば、結晶化工程(1又は複数)のために実施されるPST3.1aは、以下の工程を含む方法によって調製される。
a.カリウムtert−ブトキシドの存在下で、有機溶媒中、2,3,5−トリ−O−ベンジルアラビノース3とフェニルホスフィン酸エチル4とを接触させる工程;
b.工程a)の溶液にカリウムtert−ブトキシドの中和剤を添加する工程;
c.水に非混和性の有機溶媒を工程b)の混合物に添加して、有機層をデカンテーションする工程;
d.水洗し、次にエーテル系溶媒又はトルエン溶媒を添加する工程;及び
e.PST3.1aを回収する、好ましくは濾過によって回収する工程。
工程a)の有機溶媒はいかなる種類のものであってもよく、より好ましくは、有機溶媒は、THF、メチルtert−ブチルエーテル、酢酸エチル、MeTHF、アセトン、トルエン、及びそれらの混合物からなる群から選択される。特定の実施形態では、工程a)の溶媒はTHFである。
工程b)の中和剤は、工程a)のカリウムtert−ブトキシドを失活させることができる任意の薬剤(agent)であり得る。中和剤は、過剰の水を含む、任意の高度に希釈された酸の溶液であり得る。特定の実施形態では、前記の中和剤はNHClである。
工程c)の水に非混和性の有機溶媒は、ジクロロメタン、クロロホルム、又は好ましくは酢酸エチルであり得る。
工程d)の溶媒は、トルエン、又はエーテル系溶媒、例えば、イソプロピルエーテル、または好ましくはメチルtert−ブチルエーテルであり得る。
好ましい実施形態によれば、工程(a)において各化合物3及び4に対して1モル当量が使用される。
好ましい実施形態によれば、工程(a)は、室温〜40℃の温度で、より好ましくは室温で、そして好ましくはおおよそ大気圧で行われる。
別の実施形態によれば、本発明の結晶多形の調製方法は、上に詳述したように工程(a)〜(e)、その後に上述したように再結晶工程(1又は複数)を含む。
別の態様では、本発明は、本明細書に記載され、より具体的には本発明の方法によって製造された結晶多形と、1つ又は複数の医薬として許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物を提供する。
本発明はさらに、本明細書に記載の結晶多形を少なくとも1つの医薬として許容される賦形剤と混合することを含む、医薬配合物(医薬組成物)の製造方法を提供する。
本発明はさらに、医薬としての本明細書に記載の結晶多形、特に癌の治療において使用するための及び/又は癌に罹患している患者において転移の出現を低減させ又は予防するために使用するための医薬としての本明細書に記載の結晶多形を提供する。
本発明はさらに、癌を治療するための及び/又は癌に罹患している患者における転移の出現を低減又は予防するための医薬組成物を製造するための、本明細書に記載の結晶多形の使用を提供する。
本発明はさらに、治療を必要とする患者に有効量の本明細書に記した結晶多形を投与することによって癌を治療するための及び/又は癌に罹患している患者における転移の出現を減少もしくは防止するための方法を提供する。
特に、本明細書に記載の結晶多形は、癌(転移性又は原発性)、すなわち癌細胞を治療するため、又は癌の出現を予防するため、特に癌に罹患している患者における転移の出願を低減し又は予防することを意図した、ヒト又は動物用の医薬組成物中の有効成分として有用である。患者が転移性癌に罹患している場合において、本明細書に記載した結晶多形は、特に追加の転移の出現を低減又は防止することを特に目的とする。
本明細書では、患者とは、動物、特に非ヒト哺乳動物、及び人間の両方を意味する。「癌に罹患している患者」という用語は、明らかにされた癌(原発性又は転移性)に罹患している患者、及び隠れた癌、すなわち目に見えない癌、すなわちその存在が、例えば転移の発見によって明らかにされている癌に罹患している患者の両方を意味する。
本明細書において、癌細胞は、制御されていない増殖、不死性、転移能、急速増殖、及び高速増殖などの癌を引き起こす細胞の典型的な特徴、並びにある特定の形態学的特徴を有する細胞を意味する。癌細胞はしばしば腫瘍の形態であるが、そのような細胞は体内に単独で存在してもよく、又は白血病細胞などの非腫瘍形成癌細胞であってもよい。癌細胞は、多数の種類の癌と関連することができ、それには、白血病、リンパ腫、黒色腫、神経芽細胞腫、肝臓癌、卵巣癌、脳腫瘍、肺癌、腸癌、乳癌、膵臓癌、前立腺癌、精巣癌、食道癌、子宮癌、子宮頸癌、腎臓癌、胃癌、膀胱癌、脳脊髄癌、又は結腸直腸癌が含まれるが、これらに限定されない。本発明の結晶多形又は医薬組成物は、上述した癌のうちの少なくとも1つの治療処置のために使用することができる。
本発明による結晶多形が抗転移治療との関連で使用される場合、患者は「原発性」癌に罹患している。この癌は転移可能な癌であり、黒色腫、多形神経膠芽腫(glioblastoma multiform)、肺癌、特に非小細胞肺癌、腸癌、又は結腸直腸癌、乳癌、前立腺癌、精巣癌、子宮頸癌、腎臓癌、好ましくは多形神経膠芽腫、乳癌、又は非小細胞肺癌でありうるが、これらに限定されない。本発明の結晶多形は、多形神経膠芽腫に罹患している患者における転移の危険を処置するために特に適している。現在、神経膠芽腫として一般に知られている多形神経膠芽腫(GBM)は、転移性の可能性があり、一般化された病状を引き起こす癌であり得ることが認識されている(Schoensteiner, S. S.ら, Journal of Clinical Oncology 2011, 29, 23, 668-671)。神経膠芽腫に由来する癌細胞は、血液脳関門を効果的に通過し、神経外転移を確立しうる。報告されている神経外転移の部位は、肺、胸膜、肝臓、頸部リンパ結節、骨、及び骨髄である。
癌は、より特には、多形神経膠芽腫、乳癌、及び非小細胞肺癌から選択され、好ましくは多形神経膠芽腫である。
本発明の抗癌性化合物を含む医薬組成物は、固体又は液体のいずれかの形態で同じように存在する。液体形態では、医薬組成物は、好ましくは水性懸濁液又は非水性懸濁液として、あるいは油中水型又は水中油型エマルションとして調製される。
本発明の医薬組成物の中では、経口、局所、非経口、経鼻、静脈内、経皮(percutaneous)、経皮(transcutaneous)、直腸、舌下、又は気道投与に適したもの、特に単純な錠剤又は糖衣錠、舌下剤、カプセル剤、トローチ剤(ロゼンジ)、坐剤、クリーム剤、軟膏剤、皮膚用ゲル剤、及び経口摂取又は注射用アンプルが挙げられる。
投与計画は、投与経路、及び癌の種類、癌の進行状態、特に患者において転移が検出されたかどうかに応じて、かつ、患者の性別、年齢、及び体重によって異なる。投与計画はまた、関連して行われる抗癌治療の種類(1又は複数)に応じて変わり得る。
一般的に言えば、本発明の結晶多形は、1回又は数回の薬物摂取において、好ましくは24時間当たり、患者又は動物の体重1kg当たり0.001mg(0.001mg/kg)から患者又は動物の体重1kg当たり1g(1g/kg)の範囲の量で使用される。 好ましくは、前記の量は少なくとも0.01mg/kg、さらに好ましくは0.05mg/kgに等しい。 好ましくは、前記の量は最大で500mg/kg、より好ましくは100mg/kgに等しい。
経口経路で投与するために、本発明による医薬組成物は、錠剤、カプセル剤、コーティング錠、シロップ剤、懸濁剤、液剤、粉剤、ペレット剤、乳濁剤(エマルション)、ミクロスフェア又はナノスフェアの懸濁剤、脂質小胞懸濁剤又は様々なポリマーベースの小胞の形で存在し得る。
経口経路で投与するために、本発明による医薬組成物は、種々の賦形剤、例えば、微結晶セルロース、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸二カルシウム、又はグリシンと組み合わせて本発明の結晶多形を含む固体組成物から得ることができる錠剤の形態であることができる。様々な崩壊剤、例えば、デンプン(トウモロコシ、ジャガイモ、又はタピオカデンプンなど)、アルギン酸、又はケイ酸塩を使用することができる。結合剤(バインダー)、例えば、ポリビニルピロリドン、スクロース、ゼラチン、又はアラビアゴムも使用することができる。滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、又はタルクもまた使用され得る。そのような固体組成物は、粉末として、ゼラチンカプセルを調製するために使用され得る。固体組成物については、ラクトース又は高分子量のポリエチレングリコールもまた使用することができる。
経口投与用の液体組成物を調製するために、結晶多形は、希釈剤、例えば、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン、又はこれらの賦形剤の任意の組み合わせ物と組み合わせて、場合によっては乳化剤又は懸濁剤と一緒に、様々な甘味剤、香味剤、着色剤と混合することができる。
非経口経路で投与するためには、本発明による医薬組成物は、注入又は注射用の溶液及び懸濁液の形態で存在してもよい。
非経口経路で投与するためには、油性又は水性の溶液又は懸濁液、乳濁液(エマルション)、又はインプラントを使用することができ、特に座薬が含まれる。例えば、結晶多形は、注射用医薬製剤を調製するために伝統的に使用されている液体生理食塩溶液又は5質量%のデキストロースを含有する生理食塩溶液などの液体ビヒクル中に分散させることができる。
経腸経路で投与するためには、制御放出組成物、例えば、様々なやり方で、例えば中性又は塩基性媒体(腸溶性コーティング)との接触により、あるいは水性媒体(水に可溶性のポリマー又は水中で分解するポリマーを含むコーティング層)との接触により分解する複数のコーティング層によって外部環境から結晶多形が保護されている組成物を使用することができる。
一般的に言えば、本発明による医薬組成物は、組成物の全質量に対して、0.01質量%から99質量%、有利には1質量%から90質量%の抗癌化合物を含む。
一般的に言えば、本発明による医薬組成物は、1質量%から99.99質量%、有利には10質量%から99質量%の賦形剤又は医薬として許容可能な賦形剤の混合物を含む。
本発明の医薬組成物は、非経口投与、局所投与(topical administration)、又は局所投与(local administration)に、そして予防のため及び/又は治療のため方法で使用することができる。したがって、本発明による抗癌化合物は、選択された投与経路に適合した形態、例えば液体又は凍結乾燥形態で調製される。本発明の結晶多形を含む医薬組成物は、賦形剤及び/又は液体あるいは固体の医薬として許容可能なビヒクル、例えば水性ビヒクルを含み得る。医薬として許容可能な多くの賦形剤及び/又はビヒクル、例えば、水、適切な場合にはプロピレングリコール又はポリエチレングリコールと混合した水、緩衝水、生理食塩水、グリシン溶液、及びそれらの誘導物、並びに生理学的条件を生じさせるのに必要な薬剤、例えば、緩衝剤及びpH調整剤、界面活性剤、例えば、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウムを用いることができるが、このリストは限定的ではない。さらに、医薬組成物は、当業者に周知の滅菌方法を用いて滅菌することができる。
適切な不活性で、無毒性の、医薬として許容可能なビヒクル、アジュバント又は賦形剤には、非限定的な例として、希釈剤、溶媒/可溶化剤、保存剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、結合剤(バインダー)、膨潤剤、崩壊剤、カプセル化剤、遅延剤、滑沢剤、吸収剤、懸濁剤、着色剤、香料、安定化剤、増粘剤などが含まれる。そのような化合物は、例えば、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ラクトース、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、セルロース系材料、カカオバターなどである。
錠剤の形態の固体組成物を調製する場合、主たる活性成分は、医薬ビヒクル、例えば、ゼラチン、デンプン、ラクトース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、アラビアゴム、又はそれらの同等物と混合される。
錠剤は、スクロース又は任意のその他の適切な出発材料でコーティングされてもよく、あるいはそれらが長時間作用型又は遅延型の活性を有し、それらが所定量の活性成分を持続的に放出するようなやり方で処理されることができる。
カプセル製剤は、活性成分を希釈剤と混合し、そのようにして得られた混合物をソフト又はハードカプセルに注ぐことによって得られる。
シロップ剤またはエリキシル剤の形態の医薬組成物は、活性成分を、甘味料、好ましくは低カロリー甘味料、防腐剤としてのメチルパラベン及びプロピルパラベン、並びに香味剤及び適切な着色剤と共に含有してもよい。
水分散性の粉末又は顆粒は、分散剤又は湿潤剤又は懸濁剤、例えばポリビニルピロリドン、並びに甘味料又は味覚修飾剤と混合して、活性成分を含有してもよい。
活性成分としての結晶多形はまた、任意選択により場合によっては1つ以上の支持体又は添加剤と共に、マイクロカプセルに処方され得る。
一般的に言えば、本発明による医薬組成物を提供するために、当業者は、ヨーロッパ薬局方の最新版、例えば2005年1月に刊行されたヨーロッパ薬局方5、又は2007年6月に公に利用可能とされたヨーロッパ薬局方6を有利に参照することができる。
本発明による医薬組成物を調製するための方法は、当業者が、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences, Mid. Publishing Co, Easton, Pa, USAに容易に発見することができる。
生理学的に許容されるアジュバント、ビヒクル、及び賦形剤もまた、「Handbook of Pharmaceutical Excipients」, 第2版, American Pharmaceutical Association, 1994年に記載されている。
本発明による医薬組成物を配合するために、当業者は有利には最新版のヨーロッパ薬局方又は米国薬局方(USP)を参照することができる。
当業者は、米国薬局方(USP)のUSP 30-NF 25版を特に有利に参照し得る。
本発明による医薬組成物が少なくとも1つの医薬として又は生理学的に許容可能な賦形剤を含む場合、それは特に組成物の経口投与に適した賦形剤又は組成物の非経口投与に適した賦形剤である。
本発明は、他の治療様式、例えば、化学療法、寒冷療法、温熱療法、放射線療法と組み合わせて適用することができる。
本発明を以下の非限定的な実施例により説明する。
例1:
- 化合物3と化合物4からの化合物Iの合成
PST3.1aの合成は、市販されている2,3,5−トリ−O−ベンジルアラビノフラノース3及びフェニルホスフィン酸エチル4から出発して行った(スキーム1)。
カリウムtert−ブトキシド(tBuOK)によるTHF中の3及び4の等モル混合物の処理は、4つのジアステレオ異性体の混合物をもたらした(スキーム2)。
PST3.1bが主な不純物であった(得られたPST3.1a/PST3.1b/その他のジアステレオ異性体の比は、29/31/39(31P NMRによる)だった)。
全体の工程(結晶化工程(1又は複数)の前)は以下の通りだった(スキーム3)。
このようにして失活させた混合物に酢酸エチルを添加して、有機層のデカンテーションを可能にした。水での洗浄後に且つ乾燥せずに、沈殿が生じるまで、溶媒を減圧下でメチルtert−ブチルエーテル(MTBE)に置き換えた。MTBEを添加し、得られた黄色懸濁液を濾過して、未精製PST3.1aを20〜25%の収率(質量%)及び75/25〜78/22のPST3.1a/PST3.1b比(31P NMRによって測定)で得た。その他のジアステレオ異性体の両方がMTBEによって混合物から除去された。
溶媒の置き換えを、MTBEの代わりにイソプロピルエーテルで試験した。PST3.1aは良好な収率で単離されたが、PST3.1a/PST3.1b比(45/55)は不良であった。
- 結晶化工程(1又は複数)
収率及び/又は1a/1b比を改善するために、62/38のPST3.1a/PST3.1b比を有する未精製PST3.1aの結晶化プロセスにおいて様々な溶媒を試験した。結果を表2に示す。
未精製混合物(62/38)に対してアセトンを使用すると(表2,番号1)、88/12の1a/1bの比でPST3.1aが45%の収率で得られた(追加の結果:64/36の1a/1b比の未精製化合物から87/13の1a/1bの比で45%の収率、と類似する)。MTBE中での再結晶化(表2,番号2)は良好な収率を与えたが、化合物の混合物が30体積の溶媒に完全には溶解しない場合でさえ、1a / 1b比の増加は限定されていた。エタノールは90/10の比で非常に興味深い結果を示した(表2,番号3)。トルエン及びイソプロパノール(表2,番号4及び5)は劣る結果を与えた。エタノールを用いた良好な結果を利用して、この溶媒を用いた混合物を試験し(表2,番号6及び7)、興味深い結果が得られたが、純粋なエタノールにおける結果を改善はしなかった。
この最初の溶媒スクリーニングの後、再結晶化の完全な手順を検討した。アセトンを使用する手順は、3回の再結晶化後に、純粋なPST3.1a(99/1の比)を10%の収率でもたらした。
エタノール中で3回再結晶した後に、わずかに96/4の比率が得られたが、35%の収率だった。最後に、アセトン中での追加の再結晶化により、純粋なPST3.1a(99/1の比)を25%の全収率で得た(再結晶化手順)。
約98/2の比から出発して、アセトン中で3回の新たな再結晶化後に高純度のPST3.1aが得られた(スキーム4)。
最後に、スキーム5に示すように、全体の方法を実施した。263グラムの化合物3にPST3.1aの合成を実施して、26.7gの最終化合物を7.8%の収率で、良好なPST3.1a/PST3.1b比で得た。
PST3.1aは、H NMR(CDCl,500MHz)、31P NMR(CDCl,121MHz)、及び13C NMR(CDCl,125MHz)によって確認された。(それぞれ図6、7、及び8を参照されたい)。
214nmにおけるHPLC:純度= 98.4%
このプロセスは再現性が高かった。32、83、93、及び263gの化合物3から出発して、収率及び純度の点で非常に近い結果が生じたことは注目に値する。
例2:
得られた生成物の分析
- X線粉末回折(XRPD)
サンプル(上記のスキーム5を実施することによって得られる生成物)の分析は、透過モードで、PANalytical X’Pert Pro回折計で行った。試料(数ミリグラム)を、2枚のポリマーホイル(Kapton(登録商標)及び/又はポリプロピレン)の間に置いた。 Kapton(登録商標)は、2θ=5.5°付近に低い強度の広いピークを示すことは注目に値する。
分析は2°〜50°の間で行った(別段の記載がない限り)。品質システムの要件を満たすために、各分析の前に回折計の校正を確かめた。
示差走査熱量測定(DSC)
分析はPerkin Elmer Diamond DSCで行った。試料(上記のスキーム5を実施することによって得られる生成物の数ミリグラム)を25μLのアルミニウム試料皿に入れ、そして穴をあけたカバーを押し込んだ。分析は、窒素パージ(20mL/分)下、10℃/分で20℃から300℃の温度スキャンで行った(別段の記載がない限り)。
我々の品質システムの要件を満たすために、各分析の前に校正を確かめた。
熱重量分析(TGA)
分析は、Perkin Elmer Pyris 1 TGAで行った。サンプル(上記のスキーム5を実施することによって得られる生成物の数ミリグラム)をアルミニウム皿に入れ、そしてカバーを押し込んだ。分析は窒素パージ(20mL/分)下で実施し、カバーは分析の開始時に穴をあけた。
温度走査は、25℃から300℃の間で10℃/分の速度(別段の記載がない限り)で実施した。
我々の品質システムの要件を満たすために、各分析の前に校正を確かめた。
動的水蒸気吸着(DVS)
分析はSurface Measurements System DVS Intrinsicで行った。試料(上記のスキーム5を実施することにより得られる生成物の数ミリグラム)を開放アルミニウム皿に入れた。分析は25℃で行った。
相対湿度を0%RH〜95%RHの間で10%RHステップ(40−0−95−0−95;別段の記載がない限り)でスキャンした。安定性基準は5分のウィンドウ(最小ステップ時間10分、最大100分)で0.002%未満の質量変動だった。
我々の品質システムの要件を満たすために、各分析の前に校正を確かめた。
赤外分光法(FTIR−ATR)
赤外線スペクトルは、iS7 ATRモジュールを備えたNicolet iS5 RT-IR分光計で、表4にまとめたパラメータを用いて測定した。
結果
- 得られた粉末X線回折パターンを図1に示す。
化合物Iの結晶形態は、したがって、約8.65、16.06、16.53、19.16、及び21.05±0.20、好ましくは±0.1度の2θにおける粉末X線回折反射によって特徴づけられる。この結晶形態は、約14.04、17.69、19.66、22.02、及び25.12±0.20度の2θにおける粉末X線回折反射によって、又は実質的に図1又は表1(上記)に示されるようにさらに特徴付けることができる。
- DSC温度記録は、176.2℃で始まる吸熱を示し、これはサンプルの融解に対応する。DSC分析を図2に示す。
- 熱重量分析は、サンプルの融解前後で、250℃まで、有意な重量損失を全く示さない(図3を参照されたい)。250℃より上での質量損失の開始は、サンプルの分解に対応する可能性がある。
- DVS分析は、乾燥ステップで0.1%未満の減少を示している(図4を参照されたい)。試料はまた、より高い相対湿度条件での乾燥ステップにおいて、初期質量に対して0.1%の限定された増加を示している。どちらのサイクルも同様の結果を示している。したがって、試料は非吸湿性である。
乾燥した試料についての質量変化のプロットも図5に示されている。
分析の最終段階では、粉末X線回折によって分析する前に、試料を95%RHに保つ。 得られたXRPDパターンは、DVS分析前と同じプロファイルを示す。
例3:
得られた生成物の追加の分析
- 圧縮試験
試料を直径13mmのダイに導入した(m=103.83mg)。 次いで、試料を、油圧プレスで10トンの圧力で5分間圧縮し、直ちにX線回折によって分析した。
結果
5分間10トンの圧力をかけた全ペレットの分析後に得られた回折パターンと出発材料の回折パターンとの重ね合わせは、同じピークを有する。この結果は、圧縮後の固体状態における本発明の化合物の安定性を示している。得られた回折パターンはその結晶試料に特徴的である。
- その他の結晶多形
その他の結晶多形は、本発明の結晶形態から出発して特定の有機溶媒から再結晶することによって得ることができる。しかしながら、前記の他の結晶多形は、室温(より具体的には25℃)で数日間の熟成後、安定ではない。同じことがクロスシーディング(cross-seeding)試験によっても当てはまり、同試験では本発明の結晶形態が25℃において最も安定な形であると思われる。

Claims (15)

  1. 約8.65、16.06、16.53、19.16、及び21.05±0.2度の2θでの粉末X線回折反射によって特徴付けられる、3−ヒドロキシ−4,5−ビス−ベンジルオキシ−6−ベンジルオキシメチル−2−フェニル−2−オキソ−2λ5−[1,2]オキサホスフィナンの結晶形態。
  2. 約14.04、17.69、19.66、22.02、及び25.12±0.2度の2θにおける粉末X線回折反射によってさらに特徴付けられる、請求項1に記載の結晶形態。
  3. 図1に示す粉末X線回折パターンによってさらに特徴付けられる、請求項1又は2に記載の結晶形態。
  4. 示差走査熱量測定(DSC)により、10℃/分の加熱速度において175.5〜177.5℃、より特に176.2℃±0.4℃の融点を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の結晶形態。
  5. 結晶形態の3−ヒドロキシ−4,5−ビス−ベンジルオキシ−6−ベンジルオキシメチル−2−フェニル−2−オキソ−2λ5−[1,2]オキサホスフィナンを調製する方法であって、アセトンと下記式(I):
    の化合物とを含む溶液の結晶化工程を少なくとも1つ含む方法。
  6. 1、2、3、4、又は5つの結晶化工程を含む、請求項5に記載の方法。
  7. 式(I)の化合物とアセトンを含む溶液の結晶化工程が最後の結晶化工程である、請求項5又は6に記載の方法。
  8. 最後の結晶化工程より前の結晶化工程(1又は複数)が、式(I)の化合物と、任意選択により場合によっては水又はメチルtert-ブチルエーテルと組み合わせた、アセトン及びエタノールからなる群から選択される溶媒とを含む溶液を用いて行われる、請求項7に記載の方法。
  9. 最後の結晶化工程より前の結晶化工程(1又は複数)が、式(I)の化合物及びエタノールを含む溶液を用いて行われる、請求項8に記載の方法。
  10. 式(I)の化合物及びエタノールを含む溶液を用いた2回の結晶化工程を行い、続いて式(I)の化合物及びアセトンを含む溶液の1回の結晶化工程を行うことを含む、請求項5〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 請求項5〜10のいずれか一項に記載の結晶化工程(1又は複数)の前に、式(I)の化合物を以下の工程:
    a.カリウムtert−ブトキシドの存在下、有機溶媒中で、2,3,5−トリ−O−ベンジルアラビノース3とフェニルホスフィン酸エチル4を接触させる工程;
    b.工程a)の溶液にカリウムtert−ブトキシドの中和剤を添加する工程;
    c.水に非混和性の有機溶媒、好ましくは酢酸エチルを工程b)の混合物に添加して、有機層のデカンテーションを可能にする工程;
    d.水洗し、次にエーテル系溶媒又はトルエン溶媒、好ましくはイソプロピルエーテル、あるいはさらに好ましくはメチルtert-ブチルエーテルを添加する工程;及び
    e.式(I)の化合物を回収する、好ましくは濾過によって回収する工程、
    を含む方法によって調製する、請求項5〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 工程(a)において、各化合物3および4について1モル当量が使用される、請求項11に記載の方法。
  13. 工程a)の有機溶媒が、THF、メチルtert−ブチルエーテル、酢酸エチル、MeTHF、アセトン、トルエン、及びそれらの混合物からなる群から選択される、好ましくは工程a)の溶媒がTHFである、請求項11または12に記載の方法。
  14. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の結晶多形、及び1つ又は複数の医薬として許容可能な賦形剤を含む医薬組成物。
  15. 医薬としての、特に癌の治療における使用のための、及び/又は癌に罹患している患者における転移の出現を低減若しくは防止するための医薬としての、請求項1〜4のいずれか一項に記載の結晶多形。
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