JP4601309B2 - 抗c型肝炎ウイルス剤と抗hiv剤 - Google Patents

抗c型肝炎ウイルス剤と抗hiv剤 Download PDF

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この出願の発明は抗C型肝炎ウイルス剤または抗HIV剤に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、フラーレン誘導体またはその四級アミン塩を有効成分として含有する新しい抗C型肝炎ウイルス剤または抗HIV剤に関するものである。
60に代表される炭素クラスターであるフラーレンは1985年にSmally, Kroto等によって発見された新規な炭素同素体であり、1990年に大量合成法が確立されて以来、基礎・応用両面で飛躍的に研究は進展している。
当初、化学反応性は低いと考えられたフラーレン類であるが、電子欠損性オレフィンとして種々のアニオン性基質が容易に付加することが示された。その他、Diels-Alder反応や1,3−双極子付加反応なども良好に進行し、フラーレンの6員環・6員環接合部位の二重結合への付加体を与える。
この様な化学的に活性な新規物質群が生体に与える影響に関しても興味がもたれている。たとえば、フラーレン誘導体にHIVプロテアーゼ阻害活性が次式の化合物について報告されている(非特許文献1)。
このような状況において、さらに新しい生理活性を有するフラーレン誘導体の探索が望まれているところであるが、実際には、生理活性剤としての応用のための検討はあまり進んでいない。
そこで、この出願の発明者は、次式(1)(2)
で表わされる二つのタイプのC60フラーレン誘導体を合成し、その生理活性を検討してきた。これらの誘導体は、水に混和する有機溶媒(DMSO等)に容易に溶解し、水溶液反応に用いることができるという特徴を有している。
発明者は、この検討の過程において、まずC型肝炎ウィルスのRNAポリメラーゼ阻害とHIV逆転写酵素阻害に着目した。
C型肝炎ウィルス(HCV)は血液等を介して感染し慢性肝炎を引き起こす。感染者では肝硬変、肝がんを発症しやすく自然治癒率はきわめて低い。現在の治療法はインターフェロン投与であり、さらにこれにリパビリンが併用されることもある。しかしHCVの排除率は3分の1程度と低い。よって新たな抗HCV薬の開発が望まれている。
HCVはRNAウィルスであり、ヒトの肝細胞に進入後、自らのRNAを基にいくつかの酵素を宿主(ヒト)細胞のタンパク合成系を用いて作る。それらの酵素の一つにHCVのRNAポリメラーゼがあり、これがHCVの増殖に必須である。
このRNAポリメラーゼの活性を阻害すればC型肝炎ウィルスの増殖が抑制でき、ウィルス自体を駆逐することができることが報告されている。
一方、1981年に初めてエイズが報告され、その後地球的に広がり大きな社会問題となっている。このエイズはヒト免疫不全ウィルス(HIV)によって免疫系が破壊され、様々な感染症にかかりやすくなり、死に至る病である。HIVはC型肝炎ウィルスと類似しておりRNAウィルスである。
エイズ治療薬として現在用いられているものは大きく2種に分類できる。ひとつはHIVのRNAを基にDNAを合成する逆転写酵素の阻害剤であり、もう一つはHIVの増殖に必要な酵素(HIVプロテアーゼ、ウィルスRNAより合成されたタンパクを活性のある酵素に変換する酵素)の阻害剤である。逆転写酵素阻害剤としては主に核酸塩基類縁体が用いられているが、ヒトの細胞にも毒性を及ぼすなどの欠点がある。また、プロテアーゼ阻害薬も生体内で安定で、かつ活性の高いものが少ない。このようにエイズに対する特効薬がないのが現状であるが、さらにこれらの薬剤に対してHIVが耐性を獲得することも大きな問題となっている。
このような中、前記のとおり、フラーレン誘導体にHIVプロテアーゼ阻害活性が報告された。現在これ以外に様々な誘導体が試みられているが、HIV逆転写酵素阻害活性を持つフラーレン誘導体は報告されていない。
1:R. F. Schinazi, et al., Antimicrob. Agents Chemother, 37, 1707 (1993)
そこで、この出願の発明は、以上のとおりの背景を踏まえて、フラーレン誘導体を有効成分とする新しいC型肝炎ウイルスRNAポリメラーゼ阻害活性を有する抗C型肝炎ウイルス剤またはHIV逆転写酵素阻害活性を有する抗HIV剤を提供することを課題としている。
この出願は、上記の課題を解決するものとして、以下の発明を提供する。
〔1〕フラーレンの炭素クラスター骨格を構成する隣接結合炭素原子対の少くとも一つに、次式
(式中のAおよびBはフラーレン炭素クラスター骨格を構成する隣接して結合する炭素原子を示し、R 1 およびR 2 は、同一または別異に、炭化水素基 を示し、R 3 およびR 4 は、各々、同一または別異に、水素原子または炭化水素基を示す)
で表わされる有機結合構造を有しているフラーレン誘導体四級アミン塩を有効成分として含有していることを特徴とする抗C型肝炎ウイルス剤。
〔2〕フラーレンの炭素クラスター骨格を構成する隣接結合炭素原子対の少くとも一つに、次式
(式中のAおよびBはフラーレン炭素クラスター骨格を構成する隣接して結合する炭素原子を示し、R 3 およびR 4 は、各々、同一または別異に、水素原子、炭化水素基、または含窒素複素環基を示し、R 5 は、炭化水素基を示す)
で表わされる有機結合構造を有しているフラーレン誘導体を有効成分として含有していることを特徴とする抗C型肝炎ウイルス剤。
〔3〕フラーレンの炭素クラスター骨格を構成する隣接結合炭素原子対の少くとも一つに、次式
(式中のAおよびBはフラーレン炭素クラスター骨格を構成する隣接して結合する炭素原子を示し、R 6 およびR 7 は、各々、同一または別異に、水素原子または炭化水素基を示し、DおよびEは、各々、同一または別異に、炭化水素鎖を示す)
で表わされる有機結合構造を有しているフラーレン誘導体もしくはその四級アミン塩を有効成分として含有していることを特徴とする抗C型肝炎ウイルス剤。
〔4〕炭化水素基は、直鎖状、分枝鎖状、または環状の炭化水素基であることを特徴とする抗C型肝炎ウイルス剤。
〔5〕炭化水素基は、炭素数1以上16以下のアルキル基であることを特徴とする抗C型肝炎ウイルス剤。
〔6〕炭化水素鎖は、炭素数1以上3以下のアルキル基であることを特徴とする抗C型肝炎ウイルス剤。
〔7〕含窒素複素環基は、メチルピリジル基であることを特徴とする抗C型肝炎ウイルス剤。
〔8〕フラーレンの炭素クラスター骨格を構成する隣接結合炭素原子対の少くとも一つに、次式
(式中のAおよびBはフラーレン炭素クラスター骨格を構成する隣接して結合する炭素原子を示し、R 8 およびR 9 は、各々、同一または別異に、水素原子またはCOOR基を示し、Rは、水素原子または炭化水素基を示し、R 10 は、炭化水素鎖を示し、炭化水素鎖は異種原子を介して結合していてもよく、R 11 、R 12 およびR 13 は、各々、同一または別異に、水素原子または炭化水素基を示す)
で表わされる有機結合構造を有しているフラーレンカルボキシル誘導体のうちの少くとも1種を有効成分として含有していることを特徴とする抗C型肝炎ウイルス剤。
〔9〕炭化水素鎖は、直鎖または分枝鎖状であることを特徴とする請求項8の抗C型肝炎ウイルス剤。
〔10〕炭化水素鎖は、炭素数1以上16以下であることを特徴とする抗C型肝炎ウイルス剤。
〔11〕炭化水素基は、直鎖状、分枝鎖状、または環状の炭化水素基であることを特徴とする抗C型肝炎ウイルス剤。
〔12〕炭化水素基は、炭素数1以上16以下のアルキル基であることを特徴とする抗C型肝炎ウイルス剤。
〔13〕フラーレンは、C 60 フラーレンおよび高次フラーレンのうちの少くとも1種であることを特徴とする抗C型肝炎ウイルス剤。
〔14〕フラーレンの炭素クラスター骨格を構成する隣接結合炭素原子対の少くとも一つに、次式
(式中のAおよびBはフラーレン炭素クラスター骨格を構成する隣接して結合する炭素原子を示し、R 1 およびR 2 は、同一または別異に、炭化水素基 を示し、R 3 およびR 4 は、各々、同一または別異に、水素原子または炭化水素基を示す)
で表わされる有機結合構造を有しているフラーレン誘導体四級アミン塩を逆転写酵素阻害剤の有効成分として含有していることを特徴とする抗HIV剤。
〔15〕フラーレンの炭素クラスター骨格を構成する隣接結合炭素原子対の少くとも一つに、次式
(式中のAおよびBはフラーレン炭素クラスター骨格を構成する隣接して結合する炭素原子を示し、R 3 およびR 4 は、各々、同一または別異に、水素原子、炭化水素基、または含窒素複素環基を示し、R 5 は、炭化水素基を示す)
で表わされる有機結合構造を有しているフラーレン誘導体を逆転写酵素阻害剤の有効成分として含有していることを特徴とする抗HIV剤。
〔16〕フラーレンの炭素クラスター骨格を構成する隣接結合炭素原子対の少くとも一つに、次式
(式中のAおよびBはフラーレン炭素クラスター骨格を構成する隣接して結合する炭素原子を示し、R 6 およびR 7 は、各々、同一または別異に、水素原子または炭化水素基を示し、DおよびEは、各々、同一または別異に、炭化水素鎖を示す)
で表わされる有機結合構造を有しているフラーレン誘導体もしくはその四級アミン塩を逆転写酵素阻害剤の有効成分として含有していることを特徴とする抗HIV剤。
〔17〕炭化水素基は、直鎖状、分枝鎖状、または環状の炭化水素基であることを特徴とする抗HIV剤。
〔18〕炭化水素基は、炭素数1以上16以下のアルキル基であることを特徴とする抗HIV剤。
〔19〕炭化水素鎖は、炭素数1以上3以下のアルキル基であることを特徴とする抗HIV剤。
〔20〕含窒素複素環基は、メチルピリジル基であることを特徴とする抗HIV剤。
〔21〕フラーレンの炭素クラスター骨格を構成する隣接結合炭素原子対の少くとも一つに、次式
(式中のAおよびBはフラーレン炭素クラスター骨格を構成する隣接して結合する炭素原子を示し、R 8 およびR 9 は、各々、同一または別異に、水素原子またはCOOR基を示し、Rは、水素原子または炭化水素基を示し、R 10 は、炭化水素鎖を示し、炭化水素鎖は異種原子を介して結合していてもよく、R 11 、R 12 およびR 13 は、各々、同一または別異に、水素原子または炭化水素基を示す)
で表わされる有機結合構造を有しているフラーレンカルボキシル誘導体のうちの少くとも1種を逆転写酵素阻害剤の有効成分として含有していることを特徴とする抗HIV剤。
〔22〕炭化水素鎖は、直鎖または分枝鎖状であることを特徴とする抗HIV剤。
〔23〕炭化水素鎖は、炭素数1以上16以下であることを特徴とする抗HIV剤。
〔24〕炭化水素基は、直鎖状、分枝鎖状、または環状の炭化水素基であることを特徴とする抗HIV剤。
〔25〕炭化水素基は、炭素数1以上16以下のアルキル基であることを特徴とする抗HIV剤。
〔26〕フラーレンは、C 60 フラーレンおよび高次フラーレンのうちの少くとも1種であることを特徴とする抗HIV剤。
以上のとおりのこの出願の発明によって、フラーレン誘導体およびフラーレンカルボキシル誘導体を有効成分とする新しいC型肝炎ウイルスRNAポリメラーゼ阻害活性を有する抗C型肝炎ウイルス剤またはHIV逆転写酵素阻害活性を有する抗HIV剤とが提供される。
この出願の発明は上記のとおりの特徴をもつものであるが、以下にその実施の形態について説明する。
この出願の発明の抗C型肝炎ウイルス剤または抗HIV剤の有効成分は、前記式であらわれる構造を有するフラーレン誘導体またはその四級アミン塩、あるいはフラーレンカルボキシル誘導体である。
この出願の発明の抗C型肝炎ウイルス剤および抗HIV剤の有効成分であるフラーレン誘導体もしくはその四級アミン塩においては、前記式における符号R1
およびR2、そしてR5は、同一または別異に、置換基を有していてもよい炭化水素基を示し、R3およびR4、そしてR6およびR7は、同一または別異に、水素原子または置換基を有していてもよい炭化水素基を示すが、ここで炭化水素基としては鎖状または環状の各種のもので、飽和または不飽和の各種のものが考慮される。脂肪族、脂環式、芳香族の各種の炭化水素が考慮される。
なかでも、炭化水素基としては、直鎖または分枝鎖状の脂肪族炭化水素基が例示される。この場合、炭素数については限定されることはないが、たとえば、炭素数1以上16以下程度のものが好適なものとして例示される。
また、前記式における符号DおよびEは、各々、同一または別異に、置換基を有してもよい炭化水素鎖を示すが、この場合の炭化水素鎖としては、炭素数1〜3のアルキル鎖がたとえば好適なものとして例示される。
上記炭化水素基あるいは炭化水素鎖に結合していてもよい置換基については適宜であってよく、たとえばアルコキシ基、アシル基、カルボキシル基、エステル基、アミノ基、置換アミノ基、複素環基等が考慮される。
そしてまた、四級アミン塩の対イオンとしてのアニオンについては各種のものであってよく、薬理学的に許容されるアニオンとすることができる。たとえばハロゲンイオンや硫酸イオンのような無機酸イオンや、あるいは有機酸イオン、さらには錯イオン等であってよい。
この出願の発明のフラーレン誘導体において炭素クラスター骨格を構成するフラーレンについてもC60をはじめとして、C70、C82等の高次フラーレンであってもよい。
この出願の発明の抗C型肝炎ウイルス剤または抗HIV剤においては、以上のようなフラーレン誘導体およびその四級アミン塩のうちのの1種または2種以上を有効成分として含有することができる。
この出願の発明の有効成分としてのフラーレン誘導体およびその四級アミン塩の合成について説明すると、たとえば次の反応式等に従って合成することができる。
この反応式において、アルデヒド(RCHO)の種類を種々変更することや、反応原料の割合を変更することで、側鎖Rや結合数nを様々なものとすることができる。
すなわち、たとえば、トルエン中にC60、N−メチルグリシンおよび様々なアルデヒド(RCHO)を溶解しアルゴン気流下加熱してN−メチルピロリジン誘導体を得る。必要とする誘導体の置換基の数に応じて反応時間、試薬量を調節する。生成物はシリカゲルカラムにて精製する。次にヨウ化メチル中室温、あるいは加熱する。このようにして様々なアルキル置換基(R)を有する誘導体(2−アルキル−N,N−ジメチルピロリジニウム誘導体)やその四級アミノ塩を得ることができる。たとえば具体的には、後述のとおり、R2=Hで、R4がH(化合物2)、C49(化合物3)、C613(化合物4)、C919(化合物5)、化合物9、化合物12のフラーレン誘導体等が合成される。これらは、DMSOに5mM以上溶解することが確認されている。
また、窒素原子に結合する前記式の符号R1およびR2については、上記反応式におけるN−メチルグリシンに代えて、各種のN−置換グリシンを用いることで、また、CH3Iに代えて各種の反応原料を用いることで適宜なものとすることができる。たとえば、次の反応式等に従うことができる。
すなわち、たとえば、トルエン中にC60、N−デシルグリシンおよびホルムアルデヒドを溶解しアルゴン気流下加熱してN−デシルピロリジン誘導体を得る。必要とする誘導体のnの数に応じて反応時間、試薬量を調節する。生成物はシリカゲルカラムにて精製する。次にヨウ化メチル中室温、あるいは加熱することにより(N−デシル−N−メチルピロリジニウム誘導体)を得ることができる。たとえば具体的には後述のとおりの化合物6が合成される。
また、前記式において、炭化水素鎖DおよびEを持つような化合物については、たとえば、トルエン等の溶媒中にC60フラーレンとピペラジン等の含窒素環状化合物を加えて加熱攪拌すること等により合成することができ、その四級アミン塩は、さらにCH3I等を反応させることにより容易に合成することができる。このようにして、たとえば後述の化合物11を合成することができる。
さらにカルボキシル誘導体については、たとえばその合成法は次のように例示される。<A>すなわち、次の反応式に従って、まず、トルエン中にC60、ブロモマロン酸ジエチルおよび水素化ナトリウムを加えアルゴン気流下攪拌してマロン酸ジエチル誘導体を得る。必要とする誘導体のnの数に応じて反応時間、試薬量を調節する。生成物はシリカゲルカラムにて精製する。次にトルエン中にマロン酸ジエチル誘導体と水素化ナトリウムを加え、加熱環流後、直ちにメタノールを加えマロン酸誘導体(カルボキシル誘導体1)を得る。
<B>また、次の反応式に従って、まず、トルエン中にC60、グリオキシル酸エチル、イミノジアセティックアシッドジエチルエステルおよび水素化ナトリウムを加えアルゴン気流下加熱してジエチル誘導体を得る。必要とする誘導体のnの数に応じて反応時間、試薬量を調節する。生成物はシリカゲルカラムにて精製する。次にトルエン中にジエチル誘導体と水素化ナトリウムを加え、加熱環流後、直ちにメタノールを加え標記誘導体(後述のカルボキシル化合物8)を得る。また、この反応において、イミノジアセテイックアシッドジエチルエステルをイミノメチルアセテイックアシッドエチルエステルに代えることにより後述の化合物10が合成される。このようにして各種のものが合成可能である。
そして、この出願の発明の抗C型肝炎ウイルス剤または抗HIV剤の有効成分としてのフラーレンカルボキシル誘導体については、前記式の符号R8およびR9については、前記R3、R4、R6、R7と同様のものであってよく、符号R10はたとえば前記同様の置換基を有していてもよい炭化水素鎖であって、これらは異種原子、たとえば酸素原子や窒素原子を介して結合していてもよい。直鎖状あるいは分枝鎖状の炭化水素、たとえばアルキル鎖であることができる。この炭化水素鎖の炭素数はたとえば1〜16程度の範囲が考慮される。
また、符号R11、R12、R13については、置換基を有していてもよい炭化水素基を示し、前記と同様のものを考慮することができる。
なお、フラーレンカルボキシル誘導体は薬理的に許容される塩として用いられてもよい。
この出願の発明の薬剤については、その形態は特に制限されず、例えば、錠剤、顆粒剤、細粒剤、丸剤、散剤、カプセル剤、トローチ剤、チュアブル剤などの固形製剤、外用のためのゼリー状剤や粘調剤、エリキシル剤、シロップ剤、懸濁剤、乳剤、注射剤、輸液などの液剤であってもよい。
製剤の調製には、製剤の種類に応じて慣用の担体成分が使用できる。例えば、固形製剤の調製には、慣用の成分、例えば、デンプン、乳糖、ショ糖、マンニトール、コーンスターチなどの糖類、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、軽質無水ケイ酸などの賦形剤;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルエーテル、エチルセルロース、アラビアゴム、トラガント、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、クエン酸カルシウム、デキストリン、ペクチンなどの結合剤;ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、ポリエチレングリコール、コロイドシリカなどの滑沢剤;デンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウムなどの崩壊剤、崩壊助剤、保湿剤、界面活性剤などが使用できる。
液剤の調製には、慣用の成分、例えば、注射用水、水、エタノール、エチレングリコールなどの溶剤やエタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D−マンニトール、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどの溶解補助剤、ステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、レシチン、モノステアリン酸グリセリンなどの界面活性剤;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどの親水性高分子などの懸濁化剤、塩化ナトリウム、グリセリン、D−マンニトールなどの等張化剤、リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩などの緩衝剤、ベンジルアルコールなどの無痛化剤、ブドウ糖、アミノ酸などが使用できる。前記固形製剤や液剤には、必要に応じて、保存剤、可溶化剤、乳化剤、分散剤、増粘剤、可塑剤、吸着剤、香料、着色剤、矯味矯臭剤、甘味剤、防腐剤、抗酸化剤などを使用できる。そして、この出願の発明の抗C型肝炎ウィルス剤、抗HIV剤は、製剤の形態に応じて、例えば、混和、混練、造粒、打錠、コーティング、滅菌処理、乳化などの慣用の方法で製造できる。なお、製剤の製造に関しては、日本薬局方製剤総則の各項を参照できる。
また、この出願の発明の薬剤は、前記のフラーレン誘導体を有効成分として含んでいるのであれば、他の薬用活性成分を含有していてもよい。
たとえば経口剤として処方する場合には、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化アルミニウムゲル、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈生成物、水酸化マグネシウム・炭酸マグネシウム共沈生成物、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテートなどの制酸剤、ゲンチアナ、センブリ、ホミカ、リュウタン、トウヒ、ウイキョウ、塩化カルニチン、グルタミン酸塩酸塩、塩酸ベタイン、塩化ベタネコールなどの健胃剤、パンクレアチン、ペプシン、塩酸リモナーゼ、コール酸、胆汁末、デヒドロコール酸などの消化剤、赤芽柏、アセンヤク、ウバイ、ケツメイシ、ゲンノショウコなどの整腸剤、ロペラミド、次硝酸ビスマス、次炭酸ビスマス、塩化ベルベリンなどの止瀉剤、塩酸ジサイクロミン、臭化水素酸スコポラミン、臭化メチルアトロピン、臭化メチルスコポラミン、塩酸パパベリン、ヨウ化イソプロパミド、ベラドンナエキス、ロートエキスなどの鎮痛鎮痙剤、スクラルファート、スルピリド、ゲファルナート、テプレノンなどの粘膜修復剤などが含まれる。これらの活性成分は一種又は二種以上使用できる。
また、この出願の発明の薬剤は他の抗C型肝炎ウィルス剤としてインターフェロンやリパビリン、他の抗HIV剤としての逆転写酵素阻害剤のアジドチミジン、ラミブジン等や、プロテアーゼ阻害剤のイソジナビル、サキナビル等を含有していてもよい。
この出願の発明の薬剤については、その投与量については特に限定的ではないが、目安としては、経口投与する場合には、1日当り体重1kgあたり、0.005〜50mgの範囲で、分割投与することが考慮される。
そして、この出願の発明のフラーレン誘導体についてはその毒性は低く、薬剤として有用である。
もちろん、この出願の発明においては、ヒトへの適用が考慮されているが、非ヒト動物であってもよいことは言うまでもない。
そこで、この出願の発明者は、次表に例示したこの出願の発明の有効成分としてのフラーレン誘導体、その四級アミン塩等の化合物について合成を行い、抗C型肝炎ウイルスおよび抗HIVの活性を評価した。
以下に、その合成例と活性試験の結果例を説明する。
<合成例>
1:C60−bis(N−methyl−2−hexylpyyrolidine)の合成
60200mg(0.28mmol)を脱水したトルエン600mlに溶解させ、N−メチルグリシン50mg(0.56mmol、2当量)、ヘプタナール95mg(0.83mmol、3当量)を加え、アルゴン気流下、135度で3時間加熱還流した。反応液を水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下にて留去した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒は順次トルエン:ヘキサン=5:1,トルエン100%、トルエン:酢酸エチル=20:5)により精製し、C60−bis(N−methyl−2−hexylpyyrolidine)の位置異性体混合物を25mg(0.025mmol)得た(収率9%)。
2:C60−bis(N,N−dimethyl−2−hexylpyyrolidinium iodido)の合成
60−bis(N−methyl−2−hexylpyyrolidine) 65mg(0.065mmol)をヨウ化メチル5ml中室温で24時間攪拌して反応させた。析出した固体をトルエン、酢酸エチルで順次洗浄し、C60−bis(N,N−dimethyl−2−hexylpyyrolidinium iodido)55mg(0.043mmol)を得た。収率65%。
<阻害活性>
(1)C型肝炎ウィルスのRNAポリメラーゼ活性を測定する実験系(D.Dhanak et al., J.Biol. Chem, 277, 38322-38327(2002))を用いてその阻害活性を調べた。
なお、上記化合物2に関しては主要な位置異性体を分離精製したが、他は混合物で生理活性を検討した。
その結果を、表1に例示した。化合物2が最も高い阻害活性を示し、位置異性体間での有意差は認められなかった。
C型肝炎ウィルスのRNAポリメラーゼ阻害活性を有する化合物に関する報告は2002年秋に発表(D.Dhanak et al, J. Biol. Chem, 277,38322-38237(2002))されたもののみである。次式にその化合物を示すが50%阻害濃度は0.08μMで我々の誘導体よりは若干いいが、ほぼ同じといえる。フラーレン誘導体は世界で2番目のC型肝炎ウィルスのRNAポリメラーゼ阻害剤であり、従来公知の次式の化合物とは構造が全く異なる新たな抗C型肝炎ウィルス薬として有望である。
(2)また、HIV逆転写酵素はRNAポリメラーゼの一種であることから、発明者は、その阻害活性を検討した。
実験は50mM Tris-塩酸バッファー(pH 8.3)中で, 30mM NaCl, 10mM MgCl 2.5 mM DTT, 1.25 μg/mL poly(rA)・oligo(dT) 12−18, 250 nM dTTP に調製した反応液10μL に32P-dTTP (800 μCi/mmol)、DMSOに溶かしたサンプル1μL、HIV逆転写酵素(0.01U/mL)1μLを加え、全量が20μLになるようにした。37℃で1時間インキュベーション後、その反応液10μL をWhatman DE81濾紙にのせ、Na2HPO4で3回、70%エタノールで1回、エタノールで1回洗浄した。乾燥した濾紙をバイアルビンに入れ、液体シンチレーション測定法により放射能をカウントし、HIV逆転写酵素活性とした。
その結果を表2に例示した。この出願の発明の有効成分は逆転写酵素を阻害することが確認される。抗エイズ薬として用いられている逆転写酵素阻害薬AZTは核酸塩基類縁体であり、この出願の発明によって従来のものとは異なる新しい逆転写酵素阻害剤が提供される。
そして、同じ作用点を持つものとして、現在用いられている抗HIV薬のデラビルジン、ネビラピンのHIV逆転写酵素阻害活性(F.M. Uckun et al., Bioorg・Med.Chem. Lett.,1999,9,2721-2726) に比べても高い活性を示している。
<抗菌活性>
さらに、この出願の発明について強調されることは、この出願の発明で有効成分としているフラーレン誘導体等は抗菌活性を有していることである。
特に、HIVに感染すると免疫系が破壊され、様々な感染症にかかりやすくなり、死に至るため、エイズ発症者には抗HIV剤と共に抗菌薬が用いられる場合が多い。このことから、この出願の発明のフラーレン誘導体等には抗菌活性もあるため他の抗HIV薬より優れている。
たとえば以上のようなこの出願の発明の有効成分の抗菌活性については、表3に例示することができる。
なお、前記の化合物2に関しては主要な位置異性体を分離精製したが、 他は混合物で生理活性を検討した。
この表3は、各種グラム陽性菌の増殖を抑制する各フラーレン誘導体等の最小濃度(MIC)をバンコマイシン(VCM)と比較して示したものである(低濃度(数値の小さいもの)なものほど活性が高い)各フラーレン誘導体等はDMSOに溶解して菌の培養液に加えた。バンコマイシンは現在問題となっている薬剤耐性菌(メシチリン耐性菌、MRSA)に用いられている抗菌剤である。化合物2の位置異性体、2t-2, 2t-3, 2t-4、および化合物3、4に有効な抗菌活性が見られたが、化合物3、4は化合物2の位置異性体より活性が多少低かった。化合物2の位置異性体、2t-2, 2t-3, 2t-4では菌により多少効果に差が見られるが有意差はなく、ほぼバンコマイシンに相当する抗菌活性があり、MRSAにも有効であった。さらに特筆すべきはバンコマイシン耐性菌(VRE)にもこれらフラーレン誘導体等が有効な抗菌活性を示す点である。また、化合物2の位置異性体間で差がないことは、他の化合物において位置異性体を分離する必要がないことを示している。現在、バンコマイシンに耐性な菌も出現し始めており、化合物2はそれらに対する効果が期待される。

Claims (26)

  1. フラーレンの炭素クラスター骨格を構成する隣接結合炭素原子対の少くとも一つに、次式
    (式中のAおよびBはフラーレン炭素クラスター骨格を構成する隣接して結合する炭素原子を示し、R1およびR2は、同一または別異に、炭化水素基 を示し、R3およびR4は、各々、同一または別異に、水素原子または炭化水素基を示す)
    で表わされる有機結合構造を有しているフラーレン誘導体四級アミン塩を有効成分として含有していることを特徴とする抗C型肝炎ウイルス
  2. フラーレンの炭素クラスター骨格を構成する隣接結合炭素原子対の少くとも一つに、次式
    (式中のAおよびBはフラーレン炭素クラスター骨格を構成する隣接して結合する炭素原子を示し、R3およびR4は、各々、同一または別異に、水素原子、炭化水素基、または含窒素複素環基を示し5、炭化水素基を示す)
    で表わされる有機結合構造を有しているフラーレン誘導体を有効成分として含有していることを特徴とする抗C型肝炎ウイルス
  3. フラーレンの炭素クラスター骨格を構成する隣接結合炭素原子対の少くとも一つに、次式
    (式中のAおよびBはフラーレン炭素クラスター骨格を構成する隣接して結合する炭素原子を示し、R6およびR7は、各々、同一または別異に、水素原子または炭化水素基を示し、DおよびEは、各々、同一または別異に、炭化水素を示す)
    で表わされる有機結合構造を有しているフラーレン誘導体もしくはその四級アミン塩を有効成分として含有していることを特徴とする抗C型肝炎ウイルス
  4. 炭化水素基は、直鎖状、分枝鎖状、または環状の炭化水素基であることを特徴とする請求項1からのうちのいずれかの抗C型肝炎ウイルス
  5. 炭化水素基は、炭素数1以上16以下のアルキル基であることを特徴とする請求項の抗C型肝炎ウイルス
  6. 炭化水素鎖は、炭素数1以上3以下のアルキル基であることを特徴とする請求項3の抗C型肝炎ウイルス剤。
  7. 含窒素複素環基は、メチルピリジル基であることを特徴とする請求項2の抗C型肝炎ウイルス剤。
  8. フラーレンの炭素クラスター骨格を構成する隣接結合炭素原子対の少くとも一つに、次式
    (式中のAおよびBはフラーレン炭素クラスター骨格を構成する隣接して結合する炭素原子を示し、R8およびR9は、各々、同一または別異に、水素原子またはCOOR基を示し、Rは、水素原子または炭化水素基を示し、R10、炭化水素を示し、炭化水素鎖は異種原子を介して結合していてもよく、R11、R12およびR13は、各々、同一または別異に、水素原子または炭化水素基を示す)
    で表わされる有機結合構造を有しているフラーレンカルボキシル誘導体のうちの少くとも1種を有効成分として含有していることを特徴とする抗C型肝炎ウイルス
  9. 炭化水素鎖は直鎖または分枝鎖状であることを特徴とする請求項8の抗C型肝炎ウイルス
  10. 炭化水素鎖は、炭素数1以上16以下であることを特徴とする請求項9の抗C型肝炎ウイルス剤。
  11. 炭化水素基は、直鎖状、分枝鎖状、または環状の炭化水素基であることを特徴とする請求項8の抗C型肝炎ウイルス剤。
  12. 炭化水素基は、炭素数1以上16以下のアルキル基であることを特徴とする請求項11の抗C型肝炎ウイルス剤。
  13. フラーレンは60フラーレンおよび高次フラーレンのうちの少くとも1種であることを特徴とする請求項1ないし12のいずれかの抗C型肝炎ウイルス
  14. フラーレンの炭素クラスター骨格を構成する隣接結合炭素原子対の少くとも一つに、次式
    (式中のAおよびBはフラーレン炭素クラスター骨格を構成する隣接して結合する炭素原子を示し、R 1 およびR 2 は、同一または別異に、炭化水素基 を示し、R 3 およびR 4 は、各々、同一または別異に、水素原子または炭化水素基を示す)
    で表わされる有機結合構造を有しているフラーレン誘導体四級アミン塩を逆転写酵素阻害剤の有効成分として含有していることを特徴とする抗HIV剤。
  15. フラーレンの炭素クラスター骨格を構成する隣接結合炭素原子対の少くとも一つに、次式
    (式中のAおよびBはフラーレン炭素クラスター骨格を構成する隣接して結合する炭素原子を示し、R 3 およびR 4 は、各々、同一または別異に、水素原子、炭化水素基、または含窒素複素環基を示し、R 5 は、炭化水素基を示す)
    で表わされる有機結合構造を有しているフラーレン誘導体を逆転写酵素阻害剤の有効成分として含有していることを特徴とする抗HIV剤。
  16. フラーレンの炭素クラスター骨格を構成する隣接結合炭素原子対の少くとも一つに、次式
    (式中のAおよびBはフラーレン炭素クラスター骨格を構成する隣接して結合する炭素原子を示し、R 6 およびR 7 は、各々、同一または別異に、水素原子または炭化水素基を示し、DおよびEは、各々、同一または別異に、炭化水素鎖を示す)
    で表わされる有機結合構造を有しているフラーレン誘導体もしくはその四級アミン塩を逆転写酵素阻害剤の有効成分として含有していることを特徴とする抗HIV剤。
  17. 炭化水素基は、直鎖状、分枝鎖状、または環状の炭化水素基であることを特徴とする請求項14から16のうちのいずれかの抗HIV剤。
  18. 炭化水素基は、炭素数1以上16以下のアルキル基であることを特徴とする請求項17の抗HIV剤。
  19. 炭化水素鎖は、炭素数1以上3以下のアルキル基であることを特徴とする請求項16の抗HIV剤。
  20. 含窒素複素環基は、メチルピリジル基であることを特徴とする請求項15の抗HIV剤。
  21. フラーレンの炭素クラスター骨格を構成する隣接結合炭素原子対の少くとも一つに、次式
    (式中のAおよびBはフラーレン炭素クラスター骨格を構成する隣接して結合する炭素原子を示し、R 8 およびR 9 は、各々、同一または別異に、水素原子またはCOOR基を示し、Rは、水素原子または炭化水素基を示し、R 10 は、炭化水素鎖を示し、炭化水素鎖は異種原子を介して結合していてもよく、R 11 、R 12 およびR 13 は、各々、同一または別異に、水素原子または炭化水素基を示す)
    で表わされる有機結合構造を有しているフラーレンカルボキシル誘導体のうちの少くとも1種を逆転写酵素阻害剤の有効成分として含有していることを特徴とする抗HIV剤。
  22. 炭化水素鎖は、直鎖または分枝鎖状であることを特徴とする請求項21または21の抗HIV剤。
  23. 炭化水素鎖は、炭素数1以上16以下であることを特徴とする請求項22の抗HIV剤。
  24. 炭化水素基は、直鎖状、分枝鎖状、または環状の炭化水素基であることを特徴とする請求項21の抗HIV剤。
  25. 炭化水素基は、炭素数1以上16以下のアルキル基であることを特徴とする請求項24の抗HIV剤。
  26. フラーレンは、C 60 フラーレンおよび高次フラーレンのうちの少くとも1種であることを特徴とする請求項14ないし25のいずれかの抗HIV剤。
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