JP2008535845A - 細胞障害性化合物とその切断可能基質とのコンジュゲート - Google Patents

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Abstract

【課題】薬剤毒性が減少した組成物(例えば分解可能なプロドラッグ)の提供。より詳しくは、高い活性特異性を呈し、毒性が減少され、周知の類似した構造の化合物と比較して血液中での安定性が改善されたサイトトキシンの提供。
【解決手段】薬又はプロドラッグとして、並びに薬及び切断可能基質が自己犠牲リンカーで任意に連結される薬−切断可能基質コンジュゲートとして有用な細胞障害性化合物。これらのコンジュゲートは、目的の作用部位に不活性化状態で選択的に輸送され、更に開裂して活性型の薬剤を放出する強力なサイトトキシンである。当該切断可能基質により、例えばインビボでの酵素分解によって細胞毒から分離させ、活性の薬剤部分をプロドラッグ誘導体から遊離させることが可能となる。
【選択図】なし

Description

本特許出願は、2005年5月19日に出願の米国特許出願第11/134,685号の一部継続出願であって、米国特許法第119(e)条に基づき、2005年4月8日に出願の米国仮特許出願第60/669871号、及び2005年11月10日に出願の米国仮特許出願第60/735657号(全開示内容を参照によって本願明細書に援用する)の優先権を主張する。
(技術分野)
本発明は、細胞障害性化合物、並びにインビボで切断できる基質と当該化合物とのコンジュゲートの提供に関する。当該コンジュゲートを用いることで、他の診断的及び治療的な部材としてのプロドラッグを形成できる。
多くの治療薬、特に癌化学療法に効果的な治療薬は、しばしば生体内の急性毒性、特に骨髄及び粘膜毒性、あるいは慢性の心臓又は神経毒性を呈する。このような高い毒性の存在により、それらの使用は制限されかねない。ゆえに、より多くのより安全な特異的治療薬(特に制癌剤)の開発を行い、これらの製品の使用による副作用(毒性、非腫瘍細胞の傷害、その他)の頻度、及び腫瘍細胞の症状の軽減を効果的に行うことが望ましい。また、既存の治療薬が有する他の問題点は、血漿中において、最適な場合よりも安定性が低いことである。ただし、これらの化合物を安定化させる目的で官能基を付加した場合、活性が顕著に低下してしまう。したがって、治療における活性のレベルを維持しつつ、化合物を安定化する方法の開発が求められている。
細胞障害性を有し、より特異性の高い薬剤がここ数十年の間極めて活発に検索されたが、服用を制限する要因となる毒性(すなわち通常の組織に作用する望ましくないサイトトキシン活性)が、これまで癌治療を阻害する主な原因となっていた。例えば、CC−1065及びデュオカルマイシンは、極めて強力なサイトトキシンであることが公知である。
CC−1065は、アップジョン(Pharmacia Upjohn)社によって1981のストレプトマイセス・ゼレンシスから最初に分離され(非特許文献1、2、3)、in vitro及び実験動物における抗腫瘍活性及び抗菌活性を有することが明らかにされた(非特許文献4)。CC−1065は、5’−d(A/GNTTA)−3’及び5’−d(AAAAA)−3’の配列選択性により、副溝中で二本鎖B−DNAに結合し(非特許文献5)、その分子中に存在するCPI左側部分によって3’−アデニンのN3位置をアルキル化する(非特許文献6)。CC−1065は、その強力かつ広範な抗腫瘍活性にもかかわらず、それが実験動物の遅延死を引き起こすため、人間に対する使用を不可能にしている。
CC−1065及びデュオカルマイシンの多くのアナログ及び派生物が、現在公知である。その構造式、合成及び化合物の特性の多くが、これまで研究されている。非特許文献7及び8を参照のこと。
協和醗酵工業社のグループは、多くのCC−1065誘導体を調製している。例えば、特許文献1から11を参照のこと。
また、アップジョン社はCC−1065の誘導体を多種にわたり調製している。例えば、特許文献12から15を参照のこと。
またScripps研究所は、様々な誘導体及びCC−1065及びデュオカルマイシンの類似体を開示している。特許文献16から23を参照。特に、1,2,9,9a−テトラヒドロシクロプロパ[c]ベンズ[e]インドール−4−オン(CBI)アルキル化サブユニットを組み込んだ類似体(CC−1065及びデュオカルマイシンのCBI類似体と呼ばれる)が記載されている。特許文献24から27を参照。
やがて、研究開発の矛先は、プロドラッグ(それらの構造がin vivoにおいて特定の化学的又は酵素的改変を受けることにより、薬剤(活性な治療化合物)に変換されることができる化合物)と称される、新しいタイプの治療薬に集中した。この変換が、循環器又は対象外の組織よりもむしろ、活性を発揮する部位又は標的組織において選択的に行われるため、毒性が減少する。しかしながら、それらの多くのものは、血液及び血清において安定性が低いという問題を孕んでいる。なぜなら、プロドラッグが患者の体内の所望の部位に到達する前に、酵素により分解され、又は活性化されてしまうからである。
ブリストル‐マイヤーズスクイブ社は、特定のリソソームの酵素により分解可能な抗腫瘍薬剤コンジュゲートを開示している。特許文献28を参照のこと。なお、この特許は、アミノベンジルオキシカルボニル化合物に関するものである。
シアトルジェネティクス社は、特許文献29及び30を開示しており、それらは、p−アミノベンジルエーテルを薬剤輸送担体に使用することに関するものである。但し、これらの特許文献に記載されているリンカーは、アミノベンジルエーテル組成物に限定されている。
他のグループもまた、リンカーに関して開示している。例えば非特許文献9から13、特許文献31を参照のこと。これらのリンカーには、アミノベンジルエーテルスペーサー、細長い電子カスケード及び環化スペーサーシステム、例えばw−アミノ アミノカルボニルのような環化除去スペーサー、及びp−アミノベンジルオキシカルボニルリンカーが含まれる。
米国特許第5,101、038号 米国特許第5,641,780号 米国特許第5,187,186号 米国特許第5,070,092号 米国特許第5,703,080号 米国特許第5,070,092号 米国特許第5,641,780号 米国特許第5,101,038号 米国特許第5,084,468号 国際公開第96/10405号 欧州特許出願公開第0537575A1号 米国特許第5,739,350号 米国特許第4,978,757号 米国特許第5,332、837号 米国特許第4,912,227号 米国特許第5985908号 米国特許第6060608号 米国特許第6262271号 米国特許第6281354号 米国特許第6310209号 米国特許第6486326号 国際公開第97/32850号 国際公開第97/45411号 国際公開第98/52925号 国際公開第99/19298号 国際公開第99/29642号 国際公開第01/83482号 米国特許第6,214,345号 米国特許出願公開第2003/0096743号 米国特許出願公開第2003/0130189号 国際特許出願公開第02/083180号 Hankaら、J.Antibiot.31:1211(1978) Martinら、J.Antibiot.33:902(1980) Martinら、J.Antibiot.34:1119(1981) Liら、Cancer Res.42:999(1982) Swensonら、Cancer Res.42:2821(1982) Hurleyら、Science 226:843(1984) Bogerら、Angew.Chem.Int.Ed.Engl.35:1438(1996) Bogerら、Chem.Rev.97:787(1997) de Grootら、J.Med.Chem.42,5277(1999) de Grootら、J.Org.Chem.43,3093(2000) de Grootら、J.Med.Chem.66,8815,(2001) Carlら、J.Med.Chem.Lett.24,479,(1981) Dubowchikら、Bioorg&Med.Chem.Lett.8,3347(1998)
生体内安定性をはじめとするサイトトキシン薬剤の安定性に関しては、未だ解決すべき重要な問題が残されている。加えて、多くの化合物がその毒性により使用不可能なものとなるため、薬剤毒性が減少した組成物(例えば分解可能なプロドラッグ)の開発が求められている。したがって、従来技術において見られる技術の進歩にもかかわらず、哺乳類又は人間の治療のための、改良された治療薬開発の必要性が今なお残されている。より詳しくは、特に、高い活性特異性を呈し、毒性が減少され、周知の類似した構造の化合物と比較して血液中での安定性が改善された、サイトトキシンの開発が求められている。本発明において、それらの必要性について開示する。
本発明は薬又はプロドラッグとして、並びに薬及び切断可能基質が自己犠牲リンカーで任意に連結される薬−切断可能基質コンジュゲートとして有用な細胞障害性化合物に関する。これらのコンジュゲートは、目的の作用部位に不活性化状態で選択的に輸送され、更に開裂して活性型の薬剤を放出する強力なサイトトキシンである。本発明の切断可能基質は、例えばインビボでの酵素分解によって細胞毒から分離し、活性の薬剤部分をプロドラッグ誘導体から遊離させる。
一実施態様では、本発明は式1の構造を有する化合物に関する。
Figure 2008535845
式中、X及びZは、O、S及びNR23から独立に選択され、R23が水素、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のヘテロアルキル及びアシル基から選択されるメンバーであり、Rは水素、置換若しくは非置換の低級アルキル、C(O)R又はCOであり、R1’は水素、置換若しくは非置換の低級アルキル又はC(O)Rであって、各Rは独立にNR10及びORから選択されるメンバーであって、R及びR10は独立に水素、置換若しくは非置換のアルキル及び置換若しくは非置換のヘテロアルキル基から選択されるメンバーであり、Rは水素、置換若しくは非置換の低級アルキル、非置換のヘテロアルキル、シアノ又はアルコキシル基であり、R2’は水素、置換若しくは非置換の低級アルキル又は非置換のヘテロアルキルであり、RはSR11、NHR11及びOR11からなる群から選択されるメンバーであり、R11は水素、置換されたアルキル、非置換のアルキル、置換されたヘテロアルキル、非置換のヘテロアルキル、二リン酸エステル、トリリン酸、アシル、C(O)R1213、C(O)OR12、C(O)NR1213、P(O)(OR12、C(O)CHR1213、SR12及びSiR121314からなる群から選択されるメンバーであり、R12、R13及びR14が水素、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のヘテロアルキル及び置換若しくは非置換のアリール基から独立に選択されるか、又はR12及びR13はそれらが結合する窒素又は炭素原子と結合して4〜6員環を有する置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキル環構造を形成し、任意に2つ以上のヘテロ原子を有し、Rは単結合であり、存在するか又は存在しなくてもよく、存在するときはR及びRが結合してシクロプロピル環を形成し、RはCH−X又は−CH−であって、Rと結合して前記シクロプロピル環を形成し、Xは脱離基であり、R、R4’、R及びR5’は独立に水素、置換されたアルキル、非置換のアルキル、置換されたアリール、非置換のアリール、置換されたヘテロアリール、非置換のヘテロアリール、置換されたヘテロシクロアルキル、非置換のヘテロシクロアルキル、ハロゲン、NO、NR1516、NC(O)R15、OC(O)NR1516、OC(O)OR15、C(O)R15、SR15、OR15、CR15=NR16及びO(CHNR2425からなる群から選択されるメンバーであり、nが1から20の整数であり、R15及びR16は水素、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のヘテロアルキル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキル及び置換若しくは非置換のペプチジルから独立に選択され、R15及びR16はそれらが結合する窒素原子と任意に結合して4〜6員環を有する置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキル環構造を形成し、任意に2つ以上のヘテロ原子を含んでもよく、R24及びR25は水素及び非置換のアルキル基から独立に選択される。一実施態様では、少なくとも1つのR、R4’、R及びR5’は、O(CHNR2425である。
他の実施形態では、本発明は式2の構造を有する細胞毒性切断可能基質化合物に関する。
Figure 2008535845
記号Lは自己犠牲スペーサーを表し、mは0、1、2、3、4、5又は6の整数である。記号Xは切断可能基質、好ましくは酵素による切断可能基質を表す。
記号Dは、以下の式を有する薬剤である。
Figure 2008535845
式中、X及びZはO、S及びNR23から独立に選択され、R23が水素、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のヘテロアルキル及びアシル基から選択されるメンバーであり、Rは水素、置換若しくは非置換の低級アルキル、C(O)R又はCOであり、R1’は水素、置換若しくは非置換の低級アルキル又はC(O)Rであって、各Rは独立にNR10及びORから選択されるメンバーであって、R及びR10は独立に水素、置換若しくは非置換のアルキル及び置換若しくは非置換のヘテロアルキル基から選択されるメンバーであり、Rは水素、置換若しくは非置換の低級アルキル、非置換のヘテロアルキル、シアノ又はアルコキシル基であり、R2’は水素、置換若しくは非置換の低級アルキル又は非置換のヘテロアルキルであり、RはSR11、NHR11及びOR11からなる群から選択されるメンバーであり、R11は水素、置換されたアルキル、非置換のアルキル、置換されたヘテロアルキル、非置換のヘテロアルキル、二リン酸エステル、三リン酸、アシル、C(O)R1213、C(O)OR12、C(O)NR1213、P(O)(OR12、C(O)CHR1213、SR12及びSiR121314からなる群から選択されるメンバーのいずれかであり、R12、R13及びR14が水素、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のヘテロアルキル及び置換若しくは非置換のアリール基から独立に選択されるメンバーであるか、又はR12及びR13はそれらが結合する窒素又は炭素原子と結合して4〜6員環を有する置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキル環構造を形成し、任意に2つ以上のヘテロ原子を含んでもよく、Rは単結合であり、存在するか又は存在しなくてもよく、存在するときはRとRが結合してシクロプロピル環を形成し、RはCH−X又は−CH−であり、Rと結合して前記シクロプロピル環を形成し、Xは脱離基であり、R、R4’、R及びR5’は独立に水素、置換されたアルキル、非置換のアルキル、置換されたアリール、非置換のアリール、置換されたヘテロアリール、非置換のヘテロアリール、置換されたヘテロシクロアルキル、非置換のヘテロシクロアルキル、ハロゲン、NO、NR1516、NC(O)R15、OC(O)NR1516、OC(O)OR15、C(O)R15、SR15、OR15、CR15=NR16及びO(CHNR2425からなる群から選択されるメンバーであり、nが1から20の整数であり、R15及びR16は水素、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のヘテロアルキル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキル及び置換若しくは非置換のペプチジル基から独立に選択され、R15及びR16はそれらが結合する窒素原子と、任意に結合し、4〜6員環を有する置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキル環構造を形成し、任意に2つ以上のヘテロ原子を含んでもよく、R24及びR25は水素及び非置換のアルキル基から独立に選択され、R11、R12、R13、R15又はR16のうちの少なくとも1つは前記薬剤をL又はX(存在する場合)と結合させる。一実施態様では、R、R4’、R及びR5’のうちの少なくとも1つはO(CHNR2425である。
更に他の実施態様において、本発明は医薬組成物に関する。この種の製剤としては、望ましくは本発明のコンジュゲート化合物及び医薬的に許容される担体を含む態様が挙げられる。
更なる態様において、本発明は、上記のコンジュゲート化合物を使用する方法に関する。例えば、本発明には、細胞を殺す方法であり、細胞を殺すのに十分な量の本発明のコンジュゲート化合物を、細胞に投与する方法が含まれる。望ましい実施態様において、上記細胞は腫瘍細胞である。他の実施態様において、本発明は、哺乳類の患者の腫瘍の成長の遅延又は抑止の方法であり、腫瘍の成長の遅延又は停止に充分な量の本発明のコンジュゲート化合物を患者に投与する方法を提供する。
本発明の他の実施態様、効果及び目的は、下記の詳細な説明を参照することにより明らかとなる。
略語
本発明において、「Ala」はアラニンを指す。「Boc」はt−ブチルオキシカルボニルを指す。「CPI」はシクロプロパピロロインドールを指す。「Cbz」はカルボベンゾキシを指す。「DCM」は本発明ではジクロロメタンを指す。「DDQ」は2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノンを指す。「DIPEA」はジイソプロピルエタラミンを指す。「DMDA」はN,N’−ジメチルエチレンジアミンを指す。「RBF」は丸底フラスコを指す。「DMF」はN,B−ジメチルホルムアミドを指す。「HATU」はN−[[(ジメチルアミノ)−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−1−イル]メチレン]−N−メチルメタンアミニウムヘキサフルオロホスフェートN−オキシドを指す。
「EDCI」は1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドを指す。本発明において、「FMOC」は9−フルオレニルメチルオキシカルボニルを指す。「FMOC」は9−フルオレニルメトキシカルボニルを指す。「HOAt」は7−アザ−1−ヒドロキシベンゾトリアゾールを指す。「Leu」はロイシンを指す。「PABA」はパラ−アミノ安息香酸を指す。「PEG」はポリエチレングリコールを指す。「PMB」はパラ−メトキシベンジルを指す。「TBAF」はフッ化テトラブチルアンモニウムを指す。「TBSO」の略語はt−ブチルジメチルシリルエーテルを指す。本発明において、「TEA」はトリエチルアミンを指す。「TFA」はトリフルオロ酢酸を指す。「Q」の符号は治療薬、診断薬又は検出可能な標識を指す。
定義
別途定義する場合を除き、本発明において使用する全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する分野における通常の技術を有する者によって一般に理解されるものと同じ意味で用いられる。本発明において使用する分類、並びに細胞培養、分子遺伝学、有機化学及び核酸化学における解析及び下記のハイブリダイゼーションの手順は、当該技術分野において良く知られ、一般に用いられているものを意味する。核酸及びペプチド合成には、標準的な技術が使用される。酵素反応及び精製工程は、業者によるプロトコルにしたがって実施される。技術及び手順は、当該技術分野の従来法、及び様々な一般的文献(例えばSambrookら、MOLECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL、第2版(1989)Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.を参照されたい。なお、この文献は引用により本発明において援用する。)にしたがって実施され、本願明細書全体において参照される。本発明において使用する命名、及び分析における解析手順、並びに下記の有機合成は、当該技術分野において公知で、一般に用いられているものを意味する。化学合成及び化学分析においては、標準的技術又はその変法が用いられる。
「治療薬」の用語は、治療上有効な量が存在する場合に、哺乳動物に所望の治療効果をもたらす化合物を意味する。腫瘍を処置するためには、治療薬が標的細胞に取り込まれるのが望ましい。
「サイトトキシン」の用語は、癌細胞に対して毒性となる効果を有する治療薬を意味する。細胞に対する毒性とは、薬剤が細胞の成長を停止又は細胞を死滅させることを意味する。サイトトキシンの例として、コンブレタスタチン類、デュオカルマイシン類、CC−1065抗腫瘍性抗生物質、アントラサイクリン類及び関連化合物が挙げられるが、これらは単なる例示であってこれらに限定されない。他のサイトトキシンとして、マイコトキシン類、リシン及びそのアナログ、カリケアマイシン類、ドキシルビシン並びにメイタンシノイド類が挙げられる。
「プロドラッグ」の用語及び「薬剤コンジュゲート」の用語は、本発明において互換的に使用する。双方とも、コンジュゲートの形態をとる間は未だ細胞に対して比較的無害な化合物であるが、一定条件(例えば、標的細胞内又はその近傍に位置する酵素の存在)において選択的に分解され、薬理学的に活性な形態となるものを意味する。
「マーカー」の用語は、例えば腫瘍の診断や他の医学的症状の進行、又は腫瘍細胞によって分泌される因子のアッセイに有用な化合物を意味する。マーカーは、「診断薬」の一部分と解される。
酵素的切断に関して、「選択的」の用語は、リンカー部の切断の速度が、ランダムなアミノ酸配列を有するペプチドの切断の速度よりも高いことを意味する。
「自己犠牲スペーサー」の用語は、二つの化学的部分と共有結合し、通常安定な三成分分子を形成することのできる二官能性の化学的部分をいう。自己犠牲スペーサーは、第一部分への結合が切断されれば第二部分から自然に分離することができる。
「ポリペプチド」、「ペプチド」及び「蛋白質」の用語は、本発明において、アミノ酸のポリマーを言うのに互換的に使用される。これらの用語は、1以上のアミノ酸残基が対応する天然アミノ酸の人工的な化学的類似物であるアミノ酸ポリマーや、天然のアミノ酸ポリマー及び人工のアミノ酸ポリマーにも適用される。またこれらの用語は、「抗体」の用語も包含する。
「アミノ酸」の用語は、天然及び合成アミノ酸や、天然アミノ酸と同様に機能するアミノ酸アナログ及びアミノ酸模倣物をいう。天然アミノ酸とは、遺伝暗号によってコードされるものや、事後的に修飾されるそれらのアミノ酸、例えば、ヒドロキシプロリン、γ−カルボキシグルタメート、及びO−ホスホセリンをいう。アミノ酸アナログとは、天然アミノ酸と同じ基本化学構造、すなわち、水素、カルボキシル基、アミノ基、及びR基に結合するα炭素を有する化合物、例えば、ホモセリン、ノルロイシン、メチオニンスルホキシド、メチオニンメチルスルホニウムをいう。このようなアミン酸アナログは、修飾されたR基(例えば、ノルロイシン)又は修飾されたペプチド骨格を有するが、天然アミノ酸と同じ基本化学構造を保持している。特に使用しても良い1つのアミノ酸はシトルリンであって、これはアルギニンの前駆体であり、肝臓における尿素の形成に関与する。アミノ酸模倣物は、アミノ酸の一般化学構造とは異なる構造を有するが、天然アミノ酸と同様に機能する化学的化合物をいう。「非天然アミノ酸」の用語は、上記の20の天然アミノ酸の「D」型立体構造を有するものを表す。非天然アミノ酸の用語には、天然アミノ酸の相同体、及び天然アミノ酸の合成的に修飾された型が含まれることが更に理解される。合成的に修飾された型には、上限2つの炭素原子にまで短縮又は延長されたアルキレン鎖を有するアミノ酸、任意に置換されたアリール基を含むアミノ酸、及びハロゲン化基、望ましくはハロゲン化アルキル及びアリール基を含むアミノ酸が含まれるが、これらに限定されない。本発明のリンカー又はコンジュゲートに付着すると、アミノ酸は、アミノ酸のカルボン酸基がケト(C(O))基に置換されている「アミノ酸側鎖」の形態となる。例えば、アラニン側鎖は−C(O)−CH(NH)−CH等である。
アミノ酸及びペプチドは、保護基によって保護されてもよい。保護基は、アミノ酸又はペプチドのN−末端を望ましくない反応から保護する原子又は化学的部分であり、薬剤−リガンドコンジュゲートの合成の際に使用することができる。これは、合成中はN−末端に付着した状態が望ましく、薬剤コンジュゲートの合成の完了後に、その除去を選択的に行う化学的条件又はその他の条件によって除去するのがよい。N−末端保護に望ましい保護基は、ペプチド化学の技術において公知である。保護基の例として、水素、D−アミノ酸、及びカルボベンゾキシ(Cbz)クロライドが挙げられるが、これらに限定されない。
「核酸」とは、デオキシリボヌクレオチド又はリボヌクレオチド、及びそのポリマーで一本鎖又は二本鎖のいずれかの型のものをいう。この用語には、既知のヌクレオチドアナログ又は修飾された骨格塩基若しくは連鎖を含んでいる核酸で、合成のもの、天然及び非天然のもの、対照の核酸と同様の結合性を有するもの、並びに対照のヌクレオチドと同様に代謝されるものが包含される。このようなアナログの例として、ホスホロチオエート類、ホスホルアミデート類、メチルホスホネート類、キラルなメチルホスホネート類、2−O−メチルリボヌクレオチド類、ペプチド核酸(PNA)が挙げられるが、限定されない。
別途に示す場合を除いて、特定の核酸配列には、開示された配列のほか、保存的に変更されたその変異体(例えば、縮重コドン置換体)、及び相補的配列も黙示的に包含する。具体的には、縮重コドン置換は、1以上の選択された(又はすべての)コドンの第3位が混合塩基及び/又はデオキシイノシン残基で置換されている配列を作製することにより得られる(Batzerら、Nucleic Acid Res.19:5081(1991);Ohtsukaら、J.Biol.Chem.260:2605−2608(1985);Rossoliniら、Mol.Cell.Probes 8:91−98(1994))。核酸の用語は、遺伝子、cDNA、mRNA、オリゴヌクレオチド、及びポリヌクレオチドで、互換的に使用される。
〜〜〜の符号は、表示された部分が分子の残部や固体支持体等に付着する点を示し、結合部として使用され、あるいは結合に対して垂直に表示されることもある。
「アルキル」の用語は、それ自体又は別の置換基の一部として別途記載されない限り、直鎖状若しくは分枝状鎖、若しくは環状の炭化水素基又はそれらの組み合わせであって、完全に飽和されたもの、一箇所若しくは複数箇所で飽和されているものでもよく、また、示された炭素原子の数を有する(すなわち、C〜C10は1〜10の炭素を意味する)、二価及び多価の基を意味する。飽和炭化水素基の例として、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、シクロヘキシル、(シクロヘキシル)メチル、シクロプロピルメチルなどの基、例えば、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、等の相同体及び異性体が挙げられるが、これらに限定されない。不飽和アルキル基は、1以上の二重結合又は三重結合を有するものである。不飽和アルキル基の例として、ビニル、2−プロペニル、クロチル、2−イソペンテニル、2−(ブタジエニル)、2,4−ペンタジエニル、3−(1,4−ペンタジエニル)、エチニル、1−及び3−プロピニル、3−ブチニル、並びに高相同体及び同位体が挙げられるが、これらに限定されない。「アルキル」の用語は、別途に述べない限り、「ヘテロアルキル」など、以下に更に詳しく定義するアルキルの誘導体も含むものを意味する。アルキル基で炭化水素基に限られるものは、「ホモアルキル」と命名されている。
「アルキレン」の用語は、それ自体、又は別の置換基の一部として、アルカンに由来する二価の基を意味し、その例としては−CHCHCHCH−が挙げられるが、これに限定されることはなく、更に「ヘテロアルキレン」として以下に記載する基が含まれる。望ましくは、アルキル(又はアルキレン)基は、1〜24の炭素原子を有するものであり、10以下の炭素原子を有するそれらの基が、本発明では望ましい。「低級アルキル」又は「低級アルキレン」は、短鎖のアルキル又はアルキレン基であり、概して8以下の炭素原子を有している。
「ヘテロアルキル」の用語は、それ自体、又は別の用語との組み合わせにおいて、別途記載しない限り、安定な直鎖状若しくは分枝状鎖、若しくは環状炭化水素基、又はそれらの組み合わせを意味し、記載した数の炭素原子と、O、N、Si及びSからなる群より選択される少なくとも1つのヘテロ原子とからなり、ここで窒素、炭素及びイオウ原子は任意に酸化されてもよく、また窒素ヘテロ原子は四級化されていてもよい。ヘテロ原子(単数又は複数)O、N及びS、並びにSiは、ヘテロアルキル基の内部位置のどこにでも、又はアルキル基が分子の残部に付着する位置に配置されうる。その例としては、−CH−CH−O−CH、−CH−CH−NH−CH、−CH−CH−N(CH)−CH、−CH−S−CH−CH、−CH−CH、−S(O)−CH、−CH−CH−S(O)−CH、−CH=CH−O−CH、−Si(CH、−CH−CH=N−OCH、及び−CH=CH−N(CH)−CHが挙げられるが、これらに限定されない。例えば−CH−NH−OCH及び−CH−O−Si(CHなど、2つまでのヘテロ原子が連続していてもよい。同様に、「ヘテロアルキレン」の用語は、それ自体、又は別の置換基の一部として、ヘテロアルキルより由来する二価の基を意味しており、その例としては−CH−CH−S−CH−CH−、及び−CH−S−CH−CH−NH−CH−が挙げられるが、これらに限定されない。ヘテロアルキレン基の場合、ヘテロ原子は鎖の末端の片方又は両方を占めることができる(例えば、アルキレンオキシ、アルキレンジオキシ、アルキレンアミノ、アルキレンジアミノ等)。「ヘテロアルキル」及び「ヘテロアルキレン」の用語には、ポリ(エチレングリコール)及びその誘導体(例えば、Shearwater Polymers Catalog、2001を参照されたい)が包含される。更にまた、アルキレン及びヘテロアルキレン連結基については、かかる連結基の一般式で記載されている方向によって連結基の配向が規定されるものではない。例えば、一般式−C(O)R’−は−C(O)R’−と−R’C(O)−との両方を表す。
「低級」の用語は、「アルキル」又は「ヘテロアルキル」の用語と組み合わせて、1〜6の炭素原子を有する部分をいう。
「アルコキシ」、「アルキルアミノ」、「アルキルスルホニル」、及び「アルキルチオ」(又はチオアルコキシ)の用語は、それらの慣例的な意味で使用され、酸素原子、アミノ基、SO基又は硫黄原子を介してそれぞれ分子の残部に付着されたそれらアルキル基をいう。「アリールスルホニル」の用語は、SO基を介して分子の残部に付着されるアリール基をいい、そして「スルフヒドリル」の用語はSH基のことである。
一般的に、「アシル置換基」も以上に記載の群から選択される。本発明において、「アシル置換基」の用語は、本発明の化合物の多環式核に直接又は間接的に付着したカルボニル炭素に付着して、その原子価を満たす基をいう。
「シクロアルキル」及び「ヘテロシクロアルキル」の用語は、それら自体、又は他の用語との組み合わせにおいて、別途に述べない限り、置換又は非置換「アルキル」、及び置換又は非置換「ヘテロアルキル」の環状体をそれぞれ表す。また、ヘテロシクロアルキルの場合、ヘテロ原子は、分子の残部にヘテロ環が付着する位置を占めることができる。シクロアルキルの例として、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−シクロヘキセニル、3−シクロヘキセニル、シクロヘプチル等が挙げられるが、これらに限定されない。ヘテロシクロアルキルの例として、1−(1,2,5,6−テトラヒドロピリジル)、1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−モルホリニル、3−モルホリニル、テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロフラン−3−イル、テトラヒドロチエン−2−イル、テトラヒドロチエン−3−イル、1−ピペラジニル、2−ピペラジニル基等が挙げられるが、これらに限定されない。環状構造のヘテロ原子及び炭素原子は、任意に酸化される。
「ハロ」又は「ハロゲン」の用語は、それら自体、又は別の置換基の一部として、別途に述べない限り、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素原子を意味する。更に、「ハロアルキル」などの用語にはモノハロアルキル及びポリハロアルキルが含まれるものとする。例えば、「ハロ(C〜C)アルキル」の用語には、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、4−クロロブチル、3−ブロモプロピル等が含まれるが、これらに限定されない。
「アリール」の用語は、別途断りのない限り、置換又は非置換の、多価不飽和、芳香族及び炭化水素の置換基であり、単環又は多環(望ましくは1環から3環)状に融合若しくは共有結合するものを意味する。「ヘテロアリール」の用語は、N、O、及びSから選択される1〜4のヘテロ原子を含むアリール基(又は環)をいい、ここで窒素、炭素及びイオウ原子は任意に酸化され、窒素原子(単数又は複数)は任意に四級化されうる。ヘテロアリール基は、ヘテロ原子を介して分子の残部に付着できる。アリール及びヘテロアリール基の例としては、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、4−ビフェニル、1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル、3−ピラゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、ピラジニル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、2−フェニル−4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、3−イソキサゾリル、4−イソキサゾリル、5−イソキサゾリル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、2−フリル、3−フリル、2−チエニル、3−チエニル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジル、4−ピリミジル、5−ベンゾチアゾリル、プリニル、2−ベンズイミダゾリル、5−インドリル、1−イソキノリル、5−イソキノリル、2−キノキサリニル、5−キノキサリニル、3−キノリル、及び6−キノリルが挙げられるが、それに限定されない。上記アリール及びヘテロアリール環系の各々に対する置換基は、以下の許容される置換基の群から選択される。「アリール」及び「ヘテロアリール」もまた、1以上の非芳香族環系がアリール又はヘテロアリール系に融合、又は結合した環系を包含する。
略して、「アリール」の用語には、他の用語と組み合わせて使用する場合(例えば、アリールオキシ、アリールチオキシ、アリールアルキル)、上記定義のアリール及びヘテロアリール環の双方が含まれる。よって「アリールアルキル」の用語は、炭素原子(例えば、メチレン基)が例えば、酸素原子で置換されているアルキル基(例えば、フェノキシメチル、2−ピリジルオキシメチル、3−(1−ナフチルオキシ)プロピル等が挙げられる)を含め、アルキル基にアリール基が付着した基(例えば、ベンジル、フェネチル、ピリジルメチル等が挙げられる)を指す。
上記の用語(例えば、「アルキル」、「ヘテロアルキル」、「アリール」及び「ヘテロアリール」)の各々には、示した基の置換及び非置換型の双方が含まれる。基の各々の型に望ましい置換基は、以下に示すとおりである。
アルキル、及びヘテロアルキル基(アルキレン、アルケニル、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、及びヘテロシクロアルケニルと称されることが多い基を含む)に対する置換基は概して、「アルキル置換基」、及び「ヘテロアルキル置換基」とそれぞれ称され、それらは0から(2m’+1)(m’は、かかる基の炭素原子の総数である)までの範囲の数で、−OR’、=O、=NR’、=N−OR’、−NR’R’’、−SR’、−ハロゲン、−SiR’R’’R’’’、−OC(O)R’、−C(O)R’、−COR’、−CONR’R’’、−OC(O)NR’R’’、−NR’’C(O)R’、−NR’−C(O)NR’’R’’’、−NR’’C(O)R’、−NR−C(NR’R’’R’’’)=NR’’’’、−NR−C(NR’R’’)=NR’’’、−S(O)R’、−S(O)R’、−S(O)NR’R’’、−NRSOR’、−CN及び−NOより選択される様々の基の1以上でありうるが、これらに限定されない。R’、R’’、R’’’及びR’’’’は、各々独立して、水素、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換アリール、例えば、1〜3のハロゲンで置換されたアリール、置換又は非置換アルキル、アルコキシ若しくはチオアルコキシ基、又はアリールアルキル基から選択されるのが望ましい。本発明の化合物が1以上のR基を含む場合、例えば、R基の各々は、R’、R’’、R’’’及びR’’’’基の1以上が存在する場合のこれらの各々の基のように、独立して選択される。R’及びR’’が同じ窒素原子に付着する場合、それらは窒素原子と共に結合して5員環、6員環又は7員環を形成することができる。例えば、−NR’R’’は、1−ピロリジニル及び4−モルホリニルを含むものとするが、これらに限定されない。以上の置換基に関する記載から、当業者であれば、「アルキル」の用語は、ハロアルキル(例えば、−CF及び−CHCF)並びにアシル(例えば、−C(O)CH、−C(O)CF、−C(O)CHOCH等)などの、水素以外の基と結合した炭素原子を含む基を含むと理解するであろう。
アルキル基に関して記載した置換基と同様に、アリール置換基及びヘテロアリール置換基は、概してそれぞれ「アリール置換基」及び「ヘテロアリール置換基」と称され、多種多様なものであり、0から芳香族環系の開放原子価の総数までの範囲の数で、例えば、ハロゲン、−OR’、=O、=NR’、=N−OR’、−NR’R’’、−SR’、−ハロゲン、−SiR’R’’R’’’、−OC(O)R’、−C(O)R’、−COR’、−CONR’R’’、−OC(O)NR’R’’、−NR’’C(O)R’、−NR’−C(O)NR’’R’’’、−NR’’C(O)R’、−NR−C(NR’R’’)=NR’’’、−S(O)R’、−S(O)R’、−S(O)NR’R’’、−NRSOR’、−CN及び−NO、−R’、−N、−CH(Ph)、フルオロ(C〜C)アルコキシ、及びフルオロ(C〜C)アルキルより選択され;R’、R’’、R’’’及びR’’’’は、水素、(C〜C)アルキル及びヘテロアルキル、非置換アリール及びヘテロアリール、(非置換アリール)−(C〜C)アルキル、並びに(非置換アリール)オキシ−(C〜C)アルキルより独立して選択されるのが望ましい。本発明の化合物が1以上のR基を含む場合、例えば、R基の各々は、R’、R’’、R’’’及びR’’’’基の1以上が存在する場合のこれらの各々の基のように、独立に選択される。
アリール又はヘテロアリール環の隣接する原子上のアリール置換基の2つは、一般式:−T−C(O)−(CRR’)−U−(式中、T及びUは独立して、−NR−、−O−、−CRR’−又は単結合であり、qは0から3の整数)の置換基で任意に置換されてよい。あるいは、アリール又はヘテロアリール環の隣接する原子上の置換基の2つは、一般式−A−(CH−B−(式中、A及びBは独立して、−CRR’−、−O−、−NR−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−S(O)NR’−又は単結合であり、rは1から4の整数)の置換基で任意に置換されてよい。このようにして形成された新しい環の単結合の1つは、二重結合で任意に置換されてよい。あるいは、アリール又はヘテロアリール環の隣接する原子上の置換基の2つは、一般式−(CRR’)−X−(CR’’R’’’)−(式中、s及びdは、独立して0から3の整数であり、Xは−O−、−NR’−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、又は−S(O)NR’−である)の置換基で任意に置換されてよい。置換基R、R’、R’’及びR’’’は、水素、又は置換若しくは非置換(C〜C)アルキルより独立して選択されるのが望ましい。
本発明において、「ジホスフェート」の用語には、2つのリン酸基を含むリン酸のエステルが含まれるが、これらに限定されない。「トリホスフェート」の用語には、3つのリン酸基を含むリン酸のエステルが含まれるが、これらに限定されない。例えば、ジホスフェート又はトリホスフェートを有する特定の薬剤として、以下のものが挙げられる。
Figure 2008535845
本発明において、「ヘテロ原子」の用語には、酸素(O)、窒素(N)、イオウ(S)及びケイ素(Si)が含まれる。
「R」の符号は、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ヘテロアルキル、置換又は非置換アリール、置換又は非置換ヘテロアリール、及び置換又は非置換ヘテロシクリル基より選択される置換基を表す一般略記である。
「医薬的に許容される担体」の用語は、本発明において、化学物質の運搬又は輸送に関与する、液体若しくは固体充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒、又は封入材料などの、医薬的に許容される材料、組成物又は溶剤を意味する。医薬的に許容される担体には医薬的に許容される塩が含まれ、ここで「医薬的に許容される塩」の用語には、本願明細書に記載の化合物に見られる特定の置換基に応じ、比較的無毒の酸又は塩基を用いて調製される活性化合物の塩が含まれる。本発明の化合物が比較的酸性の官能基を含む場合、塩基付加塩は、このような化合物の中性型を充分量の所望の塩基と、そのままか又は望ましい不活性溶媒中で接触させることによって得ることができる。医薬的に許容される塩基付加塩の例として、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、有機アミノ、若しくはマグネシウム塩、又は類似の塩が挙げられる。本発明の化合物が比較的塩基性の官能基を含む場合、酸付加塩は、このような化合物の中性型を充分量の所望の酸と、そのままか又は望ましい不活性溶媒中で接触させることによって得ることができる。医薬的に許容される酸付加塩の例として、塩化水素酸、塩化臭素酸、硝酸、炭酸、一水素炭酸、リン酸、一水素リン酸、二水素リン酸、硫酸、一水素硫酸、ヨウ化水素酸、又はリン酸等のような無機酸に由来するものや、酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p−トリルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸等のような比較的無毒の有機酸に由来する塩が挙げられる。更に挙げられるのは、アルギン酸塩などの、アミノ酸の塩等、及びグルクロン酸又はガラクツロン酸のような有機酸の塩等である(例えば、Bergeら、「Pharmaceutical Salts」、Journal of Pharmaceutical Science、1977、66、1−19を参照)。本発明の特異的な所定の化合物は、その化合物を塩基又は酸付加塩のいずれかに変換させる、塩基性及び酸性官能基の双方を含む。
天然型化合物は、望ましくは、上記の塩を塩基又は酸に接触させ、従来法にて中性構造の化合物を単離することによって得られる。化合物の原型は、極性溶媒中での溶解性など特定の物理的特性ではそれらの様々な塩と異なるが、その他の点では、それらの塩は本発明の目的とする化合物の中性構造と同等である。
塩の型に加えて、本発明はプロドラッグ型の化合物を提供する。本願明細書に記載の化合物のプロドラッグとは、生理的条件下で化学的変化を容易に起こして本発明の化合物を提供する化合物である。加えて、プロドラッグは、ex vivoの環境において化学的又は生化学的方法によって本発明の化合物に変換されうる。例えば、プロドラッグは、望ましい酵素又は化学試薬と共に経皮リザーバーパッチに添加した場合、本発明の化合物に徐々に変換されうる。
本発明の特定の化合物は、非溶媒和物や、水和物を含めた溶媒和物の形態にて存在しうる。一般的に、溶媒和物は非溶媒和物と同等であり、本発明の範囲に包含されるものである。本発明の特定の化合物は、多結晶又は非晶形にて存在することもある。一般的に、すべての物理的な型が本発明により企図される用途において同等であり、本発明の範囲に含まれる。
本発明の特定の化合物は、不斉炭素原子(光学的中心)又は二重結合を有しており、ラセミ体、ジアステレオマー、幾何異性体、及び個々の異性体が、本発明の範囲に包含される。
本発明の化合物はまた、かかる化合物を構成する1つ以上の原子において、非天然の割合で原子同位体も含みうる。化合物は、例えばトリチウム(H)、ヨウ素125(125I)又は炭素14(14C)などの放射活性同位体で放射標識されていてもよい。本発明の化合物の同位体のすべてが、放射性の有無に関わらず、本発明の範囲に包含される。
本発明において、「脱離基」の用語は、反応において基質から切断される、基質の部分をいう。
「抗体」の用語は、本発明においては全抗体、及び抗原結合断片のいずれか(すなわち、「抗原結合部分」)、又はその一本鎖を含む。「抗体」とは、ジスルフィド結合により相互連結する、少なくとも2本の重(H)鎖と2本の軽(L)鎖とを含む糖蛋白質、又はその抗原結合部分をいう。各重鎖は、重鎖可変領域(V)及び重鎖定常領域を備えるものである。重鎖定常領域は、3つのドメイン、すなわちCH1、CH2及びCH3を備えており、ミュー(μ)、デルタ(δ)、ガンマ(γ)、アルファ(α)又はイプシロン(ε)アイソタイプであってよい。各軽鎖は、軽鎖可変領域(V)及び軽鎖定常領域を備えるものである。軽鎖定常領域は、1つのドメイン、すなわちCを備えており、カッパ(κ)又はラムダ(λ)アイソタイプであってよい。V及びV領域は、より保存された領域であってフレームワーク領域と命名された領域が介在する、高頻度可変性の領域であって相補性決定領域(CDR)と命名された領域に、更に細分することができる。各V及びVは、3つのCDRと4つの及びFRとを備え、以下の順にアミノ末端からカルボキシ末端へと配置されている:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4。重鎖と軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを含んでいる。抗体の定常領域は、宿主組織、又は、免疫系の様々な細胞(例えば、エフェクター細胞)及び古典補体系の第一成分(Clq)を含む因子への、免疫グロブリンの結合を媒介しうる。
抗体の「抗体断片」又は「抗原結合部分」(又は単に「抗体部分」)の用語は、本発明において、抗原への特異的な結合能を保持する、抗体の1以上の断片をいう。抗体の抗原結合機能は、全長の抗体の断片によって行えることが示されている。抗体の「抗体断片」又は「抗原結合部分」の用語に包含される結合性断片の例として、(i)Fab断片、V、V、C及びCH1ドメインからなる一価断片;(ii)F(ab’)断片、ヒンジ領域でジスルフィド架橋により連結される2つのFab断片を含む二価断片;(iii)V及びCH1ドメインからなるFd断片;(iv)抗体の単腕のV及びVドメインからなるFv断片、(v)VドメインからなるdAb断片(Wardら、(1989)Nature 341:544−546);並びに(vi)単離された相補性決定領域(CDR)が挙げられる。更に、Fv断片の2つのドメイン、V及びVは、別々の遺伝子によってコードされているが、V及びV領域が対合して一価分子を形成している蛋白質一本鎖としてそれらが作製されることを可能とする合成リンカー(一本鎖Fv(scFv)として知られる;例えば、Birdら、(1988)Science 242:423−426;及びHustonら、(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:5879−5883を参照されたい)によって、組換え法を使用してそれらを繋げることができる。このような一本鎖抗体もまた、抗体の「抗原結合部分」の用語に包含されることが意図される。これらの抗体断片は、当業者に知られた従来の技術を用いて得られ、それら断片は通常の抗体と同様に、その用途に基づきスクリーニングされる。
「モノクローナル抗体」の用語は、本発明において、単一の分子組成の抗体分子の調製物をいう。モノクローナル抗体組成物は、特定のエピトープに対する単一の結合特異性及び親和性を呈する。
「固体支持体」は、本発明において、選択した溶媒系において実質的に不溶性の材料、又は、選択した溶媒系(その中では当該支持体は可溶性である)から容易に分離(例えば、沈殿による)することができる材料をいう。本発明を実施するのに有用な固体支持体は、選択された種がその固体支持体に結合させられるように活性化されているか、又は活性化することのできる基を含むことができる。固体支持体はまた、例えば、チップ、ウエハー又はウェルなどといった基材で、その上に個々の、又は1以上の本発明の化合物が結合されるものでもよい。
本発明において「反応性官能基」とは、オレフィン類、アセチレン類、アルコール類、フェノール類、エーテル類、酸化物、ハロゲン化物、アルデヒド類、ケトン類、カルボン酸類、エステル類、アミド類、シアン酸塩類、イソシアン酸塩類、チオシアン酸塩類、イソチオシアン酸塩類、アミン類、ヒドラジン類、ヒドラゾン類、ヒドラジド類、ジアゾ、ジアゾニウム、ニトロ、ニトリル類、メルカプタン類、スルフィド類、ジスルフィド類、スルホキシド類、スルホン類、スルホン酸類、スルフィン酸類、アセタール類、ケタール類、無水物、硫酸塩類、スルフェン酸類、イソニトリル類、アミジン類、イミド類、イミド酸塩類、ニトロン類、ヒドロキシルアミン類、オキシム類、ヒドロキサム酸類、チオヒドロキサム酸類、アレン類、オルトエステル類、亜硫酸塩類、エナミン類、イナミン類、尿素類、プソイド尿素類、セミカルバジド類、カルボジイミド類、カルバミン酸塩類、イミン類、アジド類、アゾ化合物、アゾキシ化合物、及びニトロソ化合物を含む基をいうが、これらに限定されない。反応性官能基としては、バイオコンジュゲート類を調製するために使用されるもの、例えば、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル類、マレイミド類等も挙げられる(例えば、Hermanson、BIOCOJUGATE TECHNIQUES、Academic press、San Diego、1996を参照)。これらの官能基の各々を調製する方法は、当該技術分野においてよく知られており、特定の目的のためのそれらの応用又は変更は、当業者がなしうる範囲にある(例えば、Sandler及びKaro、編、ORGANIC FUNCTIONAL GROUP PREPARATIONS、Academic Press、San Diego、1989を参照)。反応性官能基は、保護されてもされなくてもよい。
本発明の化合物は、単一の異性体(例えば、エナンチオマー、シス−トランス異性体、ジアステレオマー)として、又は異性体の混合物として調製される。望ましい実施形態において、化合物は、実質的に単一の異性体として調製される。実質的に異性体として純粋な化合物を調製する方法は、当該技術分野において知られている。例えば、エナンチオマーとして濃縮された混合物、及び純粋なエナンチオマー化合物は、エナンチオマーとして純粋なエナンチオマーの合成中間体を、キラル中心での立体化学を不変のままにするか又はその完全な反転を引き起こす反応と組み合わせて使用することにより、調製することができる。あるいは、最終産物又はその合成経路での中間体は、単一の立体異性体に分割することができる。特定の立体中心を反転するか又は不変のままにするための技術、及び立体異性体の混合物を分離するための技術は、当該技術分野においてよく知られており、特定の状況に対して方法を選択及び充当することは、当業者が充分になしうる範囲にある。概略は、Furnissら、(編)、VOGEL’S ENCYCLOPEDIA OF PRACTICAL ORGANIC CHEMISTRY 第5版、Longman Scientific and Technical Ltd.,Essex、1991、809−816頁;及びHeller、Acc.Chem.Res.23:128(1990)を参照されたい
CBI類似体
本願明細書に記載されている化合物は通常、それらが1,2,9,9a−テトラヒドロシクロプロパ[c]ベンズ[e]インドール−4−オン(CBI)アルキル化ドメイン又はアルキル化サブユニットを含むという点で、CBI類似体と呼ばれる。化合物が、薬として使われることがありえる。本発明の好ましい薬は、癌療法で有用な細胞毒を含む。本発明で有用なサイトトキシンとしては、例えばCBI(1,2,9,9a−テトラヒドロシクロプロパ[c]ベンズ[e]インドール4−オン)ベースの類似体、MCBI(7−メトキシ−1,2,9,9a−テトラ−ヒドロシクロプロパ[c]ベンズ[e]インドール4−オン)−ベースの類似体及びCCBI(7−シアノ−1,2,9,9a−テトラ−ヒドロシクロ−プロパ[c]ベンズ[e]−インドール−4−オン)ベースの類似体が挙げられる。
一実施態様では、本発明の化合物は以下の式(1)で表される。
Figure 2008535845
式中、X及びZはO、S及びNR23から独立に選択され、R23が水素、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のヘテロアルキル及びアシル基から選択されるメンバーであり、Rは水素、置換若しくは非置換の低級アルキル、C(O)R又はCOであり、R1’は水素、置換若しくは非置換の低級アルキル又はC(O)Rであって、各Rは独立にNR10及びORから選択されるメンバーであって、R及びR10は独立に水素、置換若しくは非置換のアルキル及び置換若しくは非置換のヘテロアルキル基から選択されるメンバーであり、Rは水素、置換若しくは非置換の低級アルキル、非置換のヘテロアルキル、シアノ又はアルコキシル基であり、R2’は水素、置換若しくは非置換の低級アルキル又は非置換のヘテロアルキルであり、RはSR11、NHR11及びOR11からなる群から選択されるメンバーであり、R11は水素、置換されたアルキル、非置換のアルキル、置換されたヘテロアルキル、非置換のヘテロアルキル、二リン酸エステル、トリリン酸、アシル、C(O)R1213、C(O)OR12、C(O)NR1213、P(O)(OR12、C(O)CHR1213、SR12及びSiR121314からなる群から選択されるメンバーであり、R12、R13及びR14が水素、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のヘテロアルキル及び置換若しくは非置換のアリール基から独立に選択されるか、又はR12及びR13はそれらが結合する窒素又は炭素原子と結合して4〜6員環を有する置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキル環構造を形成し、任意に2つ以上のヘテロ原子を有し、Rは単結合であり、存在するか又は存在しなくてもよく、存在するときはR及びRが結合してシクロプロピル環を形成し、RはCH−X又は−CH−であって、Rと結合して前記シクロプロピル環を形成し、Xは脱離基であり、R、R4’、R及びR5’は独立に水素、置換されたアルキル、非置換のアルキル、置換されたアリール、非置換のアリール、置換されたヘテロアリール、非置換のヘテロアリール、置換されたヘテロシクロアルキル、非置換のヘテロシクロアルキル、ハロゲン、NO、NR1516、NC(O)R15、OC(O)NR1516、OC(O)OR15、C(O)R15、SR15、OR15、CR15=NR16及びO(CHNR2425からなる群から選択されるメンバーであり、nが1から20の整数であり、R15及びR16は水素、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のヘテロアルキル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキル及び置換若しくは非置換のペプチジルから独立に選択され、R15及びR16はそれらが結合する窒素原子と任意に結合して4〜6員環を有する置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキル環構造を形成し、任意に2つ以上のヘテロ原子を含んでもよく、R24及びR25は水素及び非置換のアルキル基から独立に選択される。一実施態様では、少なくとも1つのR、R4’、R及びR5’は、O(CHNR2425である。
米国特許出願第11/134685号及び第11/134826号、並びに米国仮特許出願第60/572667号、第60/661174号及び60/669871の全開示内容を参照によって本願明細書に援用する。
上記のように、Xは脱離基であってもよい。有用な脱離基としてはハロゲン、アジド、スルホン酸エステル(例えばアルキルスルホニル、アリールスルホニル)、オキソニウムイオン、アルキル過塩素酸塩、アンモニオアルカンスルホン酸エステル、アルキルフルオロスルホナート及びフッ素化物(例えばトリフレート、ノナフレート、トレシレート)などが挙げられるがこれらに限定されない。脱離基として有用な具体的なハロゲンはF、Cl及びBrである。特定の反応条件に応じた、これら及び他の脱離基の適切な選択は当業者に自明であり、例えばMarch J,ADVANCED ORGANIC CHEMISTRY, 2nd Edition,John Wiley and Sons, 1992、Sandler SR,Karo W,ORGANIC FUNCTIONAL GROUP PREPARATIONS,2nd Edition,Academic Press,Inc.,1983及びWade LG, COMPENDIUM OF ORGANIC SYNTHETIC METHODS,John Wiley and Sons,1980に記載が存在する。
幾つかの実施態様では、R、R4’、R及びR5’は独立に水素、ハロゲン、NH、OMe、O(CHN(Me)及びNOから選択されるメンバーである。幾つかの実施態様では、R、R4’、R及びR5’のうちの少なくとも1つはO(CHN(Me)である。幾つかの実施態様では、R、R4’、R又はR5’のうちの1つはO(CHN(Me)であり、他のR、R4’、R及びR5’は水素である。他の実施態様では、RはO(CHN(Me)であり、R4’、R及びR5’は水素である。
幾つかの実施態様では、RはCH−Xであり、XはF、Cl又はBrであり、Rは存在しない。幾つかの実施態様では、脱離基Xがハロゲン、アルキルスルホニル、アリールスルホニル及びアジドからなる群から選択されるメンバーである態様で薬剤を選択する。幾つかの実施態様では、XはCl又はBrである。
幾つかの実施態様では、ZはOである。幾つかの実施態様では、X及びZはOである。
幾つかの実施態様では、Rは水素、メチル又はシアノ基であり、R、R1’及びR2’は水素である。幾つかの実施態様では、R、R1’、R及びR2’は水素である。幾つかの実施態様では、R、R1’及びRは水素である。
幾つかの実施態様では、Rは、後述する態様の反応基である。
少なくとも幾つかの実施態様では、R24及びR25は水素である。
好ましい薬剤(D)の式は以下のとおりである。
Figure 2008535845
薬剤Dの他の好ましい実施態様は以下のとおりである。
Figure 2008535845
更なる薬剤Dの好ましい実施態様は以下のとおりである。
Figure 2008535845
薬剤―切断可能基質 コンジュゲート
本願明細書で「D」と記す薬剤は薬剤−切断可能基質コンジュゲートの一部として本発明で提供され、薬剤は自己犠牲リンカー(L)を介して任意に切断可能基質(X)と結合されている。このコンジュゲートはプロドラッグでありうる。薬剤は通常は所望の生物学的活性を有し、切断可能基質と結合する反応性官能基を有する。所望の生物学的活性としては、動物(例えばヒト)における疾患の診断、治療、緩和、処置又は予防が挙げられる。好ましい反応性官能基としては、第1級若しくは第2級アミン、ヒドロキシル、スルフヒドリル、カルボキシル、アルデヒド及びケトンが挙げられる。より好ましい反応性官能基としては、ヒドロキシル、原発性であるか第2のアミン、スルフヒドリル及びカルボン酸官能基が挙げられる。更に好ましい反応性官能基としては、ヒドロキシル、第1級若しくは第2級アミン及びカルボン酸官能基が挙げられる。薬は、通常は少なくとも1つの反応性官能基を有するが、2、3、4、5、6又はそれ以上を有してもよい。
薬−切断可能基質コンジュゲートは、対応する薬剤が効果的である通常の目的において効果的であるが、薬を所望の細胞(例えば腫瘍細胞)へ輸送する能力を有するために優れた有効性を有し、特殊な利益をもたらしうる。例えば、薬剤を腫瘍特異的に切断可能な基質とコンジュゲートし、腫瘍細胞の部位で活性を発揮するように選択してもよい。これらの腫瘍特異性薬−切断可能基質コンジュゲートは、切断可能基質の特異性に起因して腫瘍に対する特異性を有する。切断可能基質が腫瘍細胞又はその周辺において選択的に切断された後で特異性が表れる。例としては、天然又は人工的に腫瘍と関連する腫瘍特異的な酵素に対して、高度に選択的な基質となるコンジュゲートが挙げられる。これらの酵素は、腫瘍の付近で遊離した薬剤による細胞毒性を生じさせるのに充分な量で腫瘍付近に存在する。
抗体誘導酵素プロドラッグ療法(ADEPT)と呼ばれる他の方法では、酵素を、腫瘍細胞の部位に酵素を誘導する腫瘍抗原に特異的な抗体と結合させる。次いで薬剤を腫瘍特異性抗体に付着する酵素によって切断されうる基質とコンジュゲートする。すなわち、薬剤−切断可能基質コンジュゲートは腫瘍特異性を有するが、それは腫瘍細胞部位に、腫瘍特異抗体を介して局在する酵素に起因するものである。
薬剤−切断可能基質コンジュゲートの1つの効果として、その対応する遊離型の薬剤より毒性が少ないことが挙げられ、更に、そのコンジュゲートの特異性により、遊離型の薬剤よりも低い濃度での使用が可能となる(特異性の増加により、コンジュゲートが高いパーセンテージで腫瘍の部位に存在するため)。
一実施態様では、本発明は式2の構造を有する細胞毒性薬剤−切断可能基質化合物を提供する。
Figure 2008535845
記号Lは、mが0、1、2、3、4、5又は6の整数である自己犠牲スペーサーを表し、好ましくは、Mは0、1又は2である。
記号Xは切断可能基質、好ましくは酵素による切断可能基質を表す。
記号Dは、以下の式を有する薬剤である。
Figure 2008535845
式中、X及びZはO、S及びNR23から独立に選択され、R23が水素、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のヘテロアルキル及びアシル基から選択されるメンバーであり、Rは水素、置換若しくは非置換の低級アルキル、C(O)R又はCOであり、R1’は水素、置換若しくは非置換の低級アルキル又はC(O)Rであって、各Rは独立にNR10及びORから選択されるメンバーであって、R及びR10は独立に水素、置換若しくは非置換のアルキル及び置換若しくは非置換のヘテロアルキル基から選択されるメンバーであり、Rは水素、置換若しくは非置換の低級アルキル、非置換のヘテロアルキル、シアノ又はアルコキシル基であり、R2’は水素、置換若しくは非置換の低級アルキル又は非置換のヘテロアルキルであり、RはSR11、NHR11及びOR11からなる群から選択されるメンバーであり、R11は水素、置換されたアルキル、非置換のアルキル、置換されたヘテロアルキル、非置換のヘテロアルキル、二リン酸エステル、三リン酸、アシル、C(O)R1213、C(O)OR12、C(O)NR1213、P(O)(OR12、C(O)CHR1213、SR12及びSiR121314からなる群から選択されるメンバーのいずれかであり、R12、R13及びR14が水素、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のヘテロアルキル及び置換若しくは非置換のアリール基から独立に選択されるメンバーであるか、又はR12及びR13はそれらが結合する窒素又は炭素原子と結合して4〜6員環を有する置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキル環構造を形成し、任意に2つ以上のヘテロ原子を含んでもよく、Rは単結合であり、存在するか又は存在しなくてもよく、存在するときはRとRが結合してシクロプロピル環を形成し、RはCH−X又は−CH−であり、Rと結合して前記シクロプロピル環を形成し、Xは脱離基であり、R、R4’、R及びR5’は独立に水素、置換されたアルキル、非置換のアルキル、置換されたアリール、非置換のアリール、置換されたヘテロアリール、非置換のヘテロアリール、置換されたヘテロシクロアルキル、非置換のヘテロシクロアルキル、ハロゲン、NO、NR1516、NC(O)R15、OC(O)NR1516、OC(O)OR15、C(O)R15、SR15、OR15、CR15=NR16及びO(CHNR2425からなる群から選択されるメンバーであり、nが1から20の整数であり、R15及びR16は水素、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のヘテロアルキル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキル及び置換若しくは非置換のペプチジル基から独立に選択され、R15及びR16はそれらが結合する窒素原子と、任意に結合し、4〜6員環を有する置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキル環構造を形成し、任意に2つ以上のヘテロ原子を含んでもよく、R24及びR25は水素及び非置換のアルキル基から独立に選択され、R11、R12、R13、R15又はR16のうちの少なくとも1つは前記薬剤をL又はX(存在する場合)と結合させる。一実施態様では、R、R4’、R及びR5’のうちの少なくとも1つはO(CHNR2425である。
以上で記載した薬剤のいずれを使用してもよい。
切断可能基質
本発明の切断可能基質を「X」と称する。切断可能基質は好ましくは酵素によって切断されうる切断可能酵素基質である。酵素は好ましくは、直接又は間接的に、処理される腫瘍又は他の試験細胞と選択的に結合する。酵素は、処理される腫瘍又は他の試験細胞から生じることもありうる。例えば、切断可能基質は、腫瘍又は他の標的細胞又はその周辺に存在する酵素によって選択的に切断されうるペプチドであってもよい。それに加え、又は代替的に、特異的に腫瘍細胞(例えばT抗原特異的抗体)と結合するターゲッティング薬品に酵素を結合させてもよい。
上記の薬剤への結合に適する酵素切断可能基質の例として、国際公開第00/33888号、第01/95943号、第01/95945号、第02/00263号及び第02/100353号(その全開示態様を本願明細書に援用する)が挙げられ、薬剤への切断可能ペプチドの結合に関する記載が存在する。当該ペプチドは腫瘍に関連する酵素によって切断可能であり、例えばtrouase(例えばthimetオリゴペプチダーゼ)、CD10(ネプリリジン)、マトリックスメタロプロテアーゼ(例えばMMP2又はMMP9)、タイプII膜貫通セリンプロテアーゼ(例えばヘプシン、テスティシン、TMPRSS4又はマトリトリプターゼ/MT−SP1)又はカテプシンなどが挙げられる。この実施態様では、プロドラッグは上記の薬剤、ペプチド、安定化基及び任意に薬とペプチドとの間の連結基を含んでなる。安定化基はペプチドの末端部に取り付けられ、腫瘍又は他の標的細胞に到着する前にプロドラッグが分解されるのを防止する。好適安定化基の例としては、非アミノ酸(例えばコハク酸、オキシ二酢酸、マレイン酸、ポリエチレングリコール、ピログルタミン酸、酢酸、ナフチルカルボン酸、テレフタル酸及びグルタル酸誘導体、並びに、遺伝子でコードされないアミノ酸又はアスパラギン酸若しくはグルタミン酸(アスパラギン酸のβ−カルボキシ基又はグルタミン酸のγ−カルボキシル基でペプチドのN末端に結合する)が挙げられる。
ペプチドは通常3から12(又はそれ以上)のアミノ酸を含んでなる。特定のアミノ酸の選択は、少なくとも部分的に、ペプチドを切断するために使用される酵素に、並びにインビボでのペプチドの安定性に依存する。適切な切断可能ペプチドの一例としては、βAlaLeuAlaLeu(配列番号1)である。これは、安定化基と結合してスクシニル−βAlaLeuAlaLeuを形成する。適切な切断可能ペプチドの他の例は、上記の引例に記載されている。
一例として、CD10(ネプリリシンとして公知)、中性エンドペプチダーゼ(NEP)及び一般の急性リンパ芽球性白血病抗原(CALLA)はII型細胞表面亜鉛依存性メタロプロテアーゼである。CD10を使用する際に適する切断可能基質としてはLeuAlaLeu及びIleAlaLeuが挙げられる。CD10の他の周知の基質としては最高50アミノ酸長のペプチドが存在するが、基質が大きくなるほど触媒効率は減少する。
他の例は、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)ベースのものである。おそらく、腫瘍関連の蛋白質分解酵素のうちで最もよく同定されたものであり、腫瘍微細環境中でのMMPsの活性化の明確な相関が見られるものである。特に、可溶性のマトリックス酵素MMP2(ゼラチナーゼA)及びMMP9(ゼラチナーゼB)は詳細に研究され、腫瘍成長などの組織リモデリングの間、選択的に活性を示すことが明らかとされている。MMP2及びMMP9によって切断されるようにペプチド配列を設計し、デキストランとメトトレキサートとのコンジュゲート(Chauら、Bioconjugate Chem.15:931−941(2004))、PEG(ポリエチレングリコール)とドキソルビシンとのコンジュゲート(Baeら、Drugs Exp.Clin.Res.29:15−23(2004))、アルブミンとドキソルビシンとのコンジュゲート(Kratzら、Bioorg.Med.Chem.Lett.11:2001−2006(2001))が挙げられる。MMPs用の適切な配列の例として、ProValGlyLeuIleGly[配列番号2]、GlyProLeuGlyVal[配列番号3]、GlyProLeuGlylleAlaGlyGln[配列番号4]、ProLeuGlyLeu[配列番号5]、GlyProLeuGlyMetLeuSerGln[配列番号6]、及びGlyProLeuGlyLeuTrpAlaGln[配列番号7]、が挙げられるが、これらに限定されない(上記引用文献のほかに、例えばKlineら、MoI.Pharmaceut.1:9−22(2004)及びLiuら、Cancer Res.60:6061−6067(2000)を参照)。他の切断可能基質を用いてもよい。
更にもう1つの例は、II型膜貫通セリンプロテアーゼである。この酵素のグループとしては、例えばヘプシン、テスティシン及びTMPRS S4が挙げられる。GlnAlaArgはマトリトリプターゼ/MT−SP1(胸部及び卵嚢癌において過剰発現)において有用である1つの基質配列であり、LeuSerArgはヘプシン(前立腺及び若干の他の腫瘍タイプにおいて過剰発現)において有用である(Leeら、J.Biol.Chem.275:36720−36725、及びKurachi及びYamamoto,Handbook of Proeolytic Enzymes Vol.2,2nd edition(Barrett AJ,Rawlings ND&Woessner JF,eds)pp.1699−1702(2004)を参照)。他の切断可能基質を用いてもよい。
切断可能基質のアレンジの他のタイプとしては、腫瘍又は細胞と結合する切断可能基質を切断できる別の酵素を調製することが挙げられる。例えば、酵素を腫瘍特異性抗体(又は腫瘍又は他の標的細胞(例えば受容体リガンド)に選択的に引きつけられる他の物質)を結合させ、その酵素抗体コンジュゲートを患者に投与することができる。酵素抗体結合体は腫瘍関連抗原に輸送され、結合する。その後、薬剤−切断可能基質コンジュゲートをプロドラッグとして患者に投与する。薬剤−切断可能基質コンジュゲートが、腫瘍と結合した酵素と相互作用したときのみ、薬剤が腫瘍の付近で放出され、それにより切断可能基質が切断され、薬剤が遊離する。かかる方法については、例えば米国特許第4,975,278号、第5,587,161号、第5,660,829号、第5,773,435号又は第6,132,722号(その全開示内容を本願明細書に援用する)に開示されている。適切な酵素及び基質の例としては、限定されないが、β−ラクタマーゼ及びセファロスポリン誘導体、カルボキシペプチダーゼG2、並びにグルタミン酸及びアスパラギン酸葉酸誘導体が挙げられる。
望ましい実施形態において、酵素−抗体コンジュゲートは、対象の標的細胞上、又は標的部位で発現されている抗原に対する特異性に基づいて選択される、抗体又は抗体断片である。多種多様の腫瘍特異性又は他の疾病特異性抗原が同定されており、それらの抗原に対する抗体が使用されたり、又は腫瘍やその他の疾患の処置におけるその使用が提案されている。当該技術分野において知られている抗体を、特にその標的抗原に関わる疾病の処置のために、本発明のコンジュゲートに使用することができる。本発明の抗体−リンカー−薬剤コンジュゲートを標的化することのできる標的抗原(及びそれらの関連疾患)の限定的でない例として、:Her2(乳癌)、CD20(リンパ腫)、EGFR(固体腫瘍)、CD22(非ホジキンリンパ腫を含むリンパ腫)、CD52(慢性リンパ球性白血病)、CD33(急性骨髄性白血病)、CD4(リンパ腫、リウマチ様関節炎を含む自己免疫疾患)、CD30(非ホジキンリンパ腫を含むリンパ腫)、Muc18(黒色腫)、インテグリン(固体腫瘍)、PSMA(前立腺癌、良性前立腺過形成)、CEA(結腸直腸癌)、CD11a(乾癬)、CD80(乾癬)、CD23(喘息)、CD40L(免疫血小板減少性紫斑病)、CTLA4(T細胞リンパ腫)及びBLys(全身性エリテマトーデスを含む自己免疫疾患)が挙げられる。
モノクローナル又はポリクローナル抗体の調製には、当該技術分野で公知のいかなる技術も使用することができる(例えば、Kohler&Milstein、Nature 256:495−497(1975);Kozborら、Immunology Today 4:72(1983);Coleら、MONOCLONAL ANTIBODY AND CANCER THERAPY、Alan R.Liss,Inc.(1985)の77−96頁を参照されたい)。
ポリクローナル抗体の製造方法は、当業者に公知である。近交系のマウス(例えば、BALB/Cマウス)又はウサギを、フロイントのアジュバントなどの完全アジュバントと、標準的な免疫プロトコルを用いて蛋白質で免疫する。免疫原調製物に対する動物の免疫応答は、検査用血液を採取してβサブユニットに対する反応性の力価を定量することによってモニターする。免疫原に対して適切な高さの力価の抗体が得られたとき、動物から採血し抗血清を調製する。所望の場合、蛋白質に対して反応性を有する抗体を濃縮し、更に分画を行うことができる。
モノクローナル抗体は、当業者が熟知している様々な技術により得られる。簡潔には、所望の抗原で免疫した動物の脾臓細胞を、一般には骨髄腫細胞との融合によって株化する(Kohler&Milstein、Eur.J.Immunol.6:511−519(1976)を参照されたい)。免疫化の代替方法としては、エプスタイン・バーウイルス、癌遺伝子、若しくはレトロウイルスを用いた形質転換、又は当該技術分野でよく知られた他の方法が挙げられる。
望ましい実施形態において、抗体はキメラ抗体又はヒト化抗体である。本発明のキメラ抗体又はヒト化抗体は、マウスのモノクローナル抗体の配列に基づいて調製することができる。重鎖及び軽鎖免疫グロブリンをコードするDNAは、対象のマウスハイブリドーマから得られ、標準的な分子生物学の技術を用いて非マウス(例えばヒト)免疫グロブリン配列を含むように調製される。例えば、キメラ抗体を作るには、当該技術分野で知られた方法を使用して、マウスの可変領域をヒト定常領域と結合することができる(例えば、Cabillyらの米国特許第4,816,567号を参照されたい)。ヒト化抗体を作るには、当該技術分野で知られた方法を使用して、マウスCDR領域をヒトフレームワークに挿入することができる(例えば、Winterの米国特許第5,225,539号、並びにQueenらの米国特許第5,530,101号、第5,585,089号、5,693,762号及び第6,180,370号を参照されたい)。
別の望ましい実施形態において、抗体はヒト抗体である。かかるヒト抗体は、内在性のマウス免疫グロブリン遺伝子が不活性化され、外来性のヒト免疫グロブリン遺伝子が導入された、遺伝子導入又は染色体導入マウスを免疫することによって得られる。このようなマウスは、当該技術分野で公知である(例えば、すべてLonberg及びKayの米国特許第5,545,806号、第5,569,825号、第5,625,126号、第5,633,425号、第5,789,650号、第5,877,397号、第5,661,016号、第5,814,318号、第5,874,299号及び第5,770,429号、Kucherlapatiらの米国特許第5,939,598号、第6,075,181号、第6,114,598号、第6,150,584号及び第6,162,963号、並びにIshidaらの国際公開第02/43478号を参照されたい)。ヒト抗体は、ヒト免疫グロブリン遺伝子のライブラリーをスクリーニングするためのファージディスプレイ法を使用して調製することもできる。ヒト抗体を単離するための、かかるファージディスプレイ法も当該技術分野で公知である(例えば、Ladnerらの米国特許第5,223,409、第5,403,484号及び第5,571,698号、Dowerらの米国特許第5,427,908号及び第5,580,717号、McCaffertyらの米国特許第5,969,108号及び第6,172,197号、並びにGriffithsらの米国特許第5,885,793号、第6,521,404号、第6,544,731号、第6,555,313号、第6,582,915号及び第6,593,081号を参照されたい)。
反応性官能基
例示を明瞭にするため、以下では本発明のサイトトキシンのターゲッティング試薬へのコンジュゲーションに焦点を絞る。その焦点は、本発明の実施形態の1つを例証するものであり、その他の形態は当業者によって容易に想到されると考えられる。なお、単一の実施形態に議論の焦点を絞ることにより、本発明がいささかも限定されるものではない。
望ましい本発明の化合物は、反応性官能基を担持し、これは概して置換若しくは非置換アルキル又はヘテロアルキル鎖上に位置しており、それらが別の分子種への付着を容易にする。反応性部分に対する好都合な位置は、鎖の末端である。
本発明を実施する上で有用な反応性官能基及び反応区分は、バイオコンジュゲートの分野において公知のものである。反応性官能基は保護されても保護されなくてもよく、その部分の保護特性は有機合成の技術分野において公知の方法により変化させてもよい。反応性サイトトキシンアナログと共に得られる、望ましい反応の区分は、比較的穏やかな条件下にて進行するものである。これらには、求核置換(例えば、アミン類及びアルコール類と、アシルハロゲン化物、活性エステル類との反応)、求電子置換(例えば、エナミン反応)、並びに炭素−炭素及び炭素−ヘテロ原子多価結合への付加(例えば、マイケル反応、ディールズ・アルダー付加)の反応が挙げられるが、これらに限定されない。これら又は他の有用な反応は、例えば、March、ADVANCED ORGANIC CHEMISTRY、第3版、John Wiley&Sons、New York、1985;Hermanson、BIOCONJUGATE TECHCHNIQUES、Academic Press、San Diego、1996;及びFeeneyら、MODIFICATION OF PROTEINS;Advances in Chemistry Series、198巻、American Chemical Society、Washington,D.C.,1982に報告されている。
反応型の例として、カルボキシル基及びその様々な誘導体の反応型が挙げられ、その例としてN−ヒドロキシスクシンイミドエステル、N−ヒドロキシベンズトリアゾールエステル、酸ハロゲン化物、アシルイミダゾール類、チオエステル類、p−ニトロフェニルエステル、アルキル、アルケニル、アルキニル及び芳香族エステルが挙げられるが、これらに限定されない。ヒドロキシル基は、エステル、エーテル、アルデヒド等に変換することができる。ハロアルキル基は例えば、アミン、カルボキシルアニオン、チオールアニオン、カルバニオン、又はアルコキシドイオンとの反応によって新しい種へと変換される。ジエノフィル(例えば、マレイミド)基は、ディールズ・アルダー反応に関与する。アルデヒド又はケトン基は、イミン類、ヒドラゾン類、セミカルバゾン類若しくはオキシム類に、又はグリニヤール付加若しくはアルキルリチウム付加などの機構を介して変換することができる。スルホニルハロゲン化物は、容易にアミンと反応して、例えばスルホアミドを形成する。アミン又はスルフヒドリル基は、例えば、アシル化、アルキル化、又は酸化される。アルケン類は、環化付加、アシル化、マイケル付加等を使用して、新しい種のアレイに変換することができる。エポキシド類は、アミン類及びヒドロキシル化合物と容易に反応する。
当業者であれば、これらの多くの結合が、種々の方法及び条件を使用して形成させうることを容易に理解するであろう。エステルの調製については、例えば、March、前出、1157を参照;チオエステルについては、March、前出、362−363、491、720−722、829、941、及び1172を参照;炭酸塩については、March、前出、346−347を参照;カルバミン酸塩については、March、前出、1156−57を参照;アミドについては、March、前出、1152を参照;尿素及びチオ尿素については、March、前出、1174を参照;アセタール及びケタールについては、Greeneら、前出、178−210及びMarch、前出、1146を参照;アシルオキシアルキル誘導体については、PRODRUGS:TOPICAL AND OCULAR DRUG DELIVERY、K.B.Sloan、編、Marcel Dekker,Inc.,New York、1992を参照;エノールエステルについては、March、前出、1160を参照;N−スルホニルイミド酸塩については、Bundgaardら、J.Med.Chem.,31:2066(1988)を参照;無水物については、March、前出、355−56、636−37、990−91、及び1154を参照;N−アシルアミドについては、March、前出、379を参照;N−マンニッヒ塩基については、March、前出、800−02、及び828を参照;ヒドロキシメチルケトンエステルについては、Petracekら、Annals NY Acad.Sci.,507:353−54(1987)を参照;ジスルフィドについては、March、前出、1160を参照;ホスホネートエステル及びホスホンアミデート類。
反応性官能基は、それらが反応に関与又は干渉することのないように、脱保護又は選択されることができる。あるいは、反応性官能基は保護基の存在によって、反応への関与から保護されうる。当業者であれば、選択した反応条件で特定の官能基を干渉からどのように保護するかを理解するであろう。有用な保護基の例については、Greeneら、PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIC 合成、John Wiley&Sons、New York、1991を参照されたい。
通常、切断可能基質を、それぞれの化学的官能性に基づき、標準化学技術を使用してサイトトキシンと共有結合させる。
概して、サイトトキシンと反応性官能基とを連結させる前に、化学官能基、及び任意にスペーサー基、の少なくとも1つが活性化される。当業者であれば、ヒドロキシ、アミノ、及びカルボキシ基を含めた様々の化学官能基が、種々の標準法及び条件を用いて活性化できることを理解するであろう。望ましい実施形態において、本発明は、反応性官能基としてカルボキシル官能基を含む。カルボキシル基は、以上に記載のとおり活性化するとよい。
リンカー
1以上の自己犠牲リンカー基Lが、サイトトキシンとターゲッティング試薬との間に任意に導入される。これらリンカー基は、スペーサー基ともいい、少なくとも2つの反応性官能基を含んでいる。望ましくは、スペーサー基の1つの化学官能基が、例えば、サイトトキシンなどの治療薬の化学官能基に結合し、スペーサー基の他の化学官能基がターゲッティング試薬又は切断可能なリンカーの化学官能基に結合する。スペーサー基の化学官能基の例として、ヒドロキシ、メルカプト、カルボニル、カルボキシ、アミノ、ケトン、及びメルカプト基が挙げられる。
で表される自己犠牲リンカーは、概して置換若しくは非置換アルキル、置換若しくは非置換アリール、置換若しくは非置換ヘテロアリール、又は置換若しくは非置換ヘテロアルキル基である。一実施形態において、アルキル又はアリール基は1から20までの炭素原子を含みうる。それらはまた、ポリエチレングリコール部分も含みうる。
スペーサー基の例としては、例えば、6−アミノヘキサノール、6−メルカプトヘキサノール、10−ヒドロキシデカン酸、グリシン及び他のアミノ酸類、1,6−ヘキサンジオール、β−アラニン、2−アミノエタノール、システアミン(2−アミノエタンチオール)、5−アミノペンタン酸、6−アミノヘキサン酸、3−マレイミド安息香酸、フタリド、α−置換フタリド、カルボニル基、アミナールエステル、核酸、ペプチド等が挙げられる。
スペーサーは、追加の分子量及び化学官能基をサイトトキシン−ターゲッティング試薬コンジュゲートに導入するのに有用である。概して、追加の質量及び官能基は、コンジュゲートの血清半減期及びその他の性質に影響を及ぼすと考えられる。よって、スペーサー基を注意深く選択することで、様々な血清半減期を有するサイトトキシンコンジュゲートを作製することができる。好ましくは、切断可能な基質の切断の直後に、その自己犠牲スペーサーは薬剤から分離する。
コンジュゲートの例
適切な薬剤−切断可能基質コンジュゲートの例を以下に例示する。
Figure 2008535845
いずれの場合においても、薬剤はCBI誘導体である。第1の化合物としては、2つの自己犠牲スペーサーを介して連結して切断可能ペプチドと結合し、酵素(好ましくは腫瘍関連酵素、例えばthimetオリゴペプチダーゼ(TOP)、CD10(neprilysin)、マトリックスメタロプロテアーゼ(例えばMMP2又はMMP9)、II型膜貫通セリンプロテアーゼ(例えばヘプシン、testisin、TMPRSS4又はマトリトリプターゼ/MT−SP1)又はカテプシン)によって切断されうる薬剤が挙げられる。第2の化合物は、酵素(例えばβ−ラクタマーゼ(例えば腫瘍特異性抗体とコンジュゲートしたβ−ラクタマーゼ))によって切断されうるセファロスポリン誘導体と、自己犠牲スペーサーを介して連結した薬剤が挙げられる。
医薬組成物及び投与
別の望ましい実施形態において、本発明は、本発明の化合物及び医薬的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。
付加塩又はその水和物などの医薬的に許容される担体を含む、本願明細書に記載の化合物は、多種多様な投与の経路又は態様を使用して患者に投与することができる。望ましい投与の経路として、吸入、経皮、経口、直腸内、経粘膜、経腸及び非経口投与、更に筋肉内、皮下及び静脈内注射が挙げられるが、これらに限定されない。望ましくは、標的部分として抗体又は抗体断片を含んでいる本発明のコンジュゲートは、非経口的に投与され、更に望ましくは静脈内に投与される。
本発明において、「投与する」又は「投与」の用語は、化合物を、その意図する作用部位に直接及び間接的に輸送するためのあらゆる手段を包含することが意図される。
本願明細書に記載の化合物、又は医薬的に許容される塩、及び/若しくはその水和物は、単体で、本発明の他の化合物と組み合わせて、及び/又は他の治療薬と組み合わせたカクテルにて投与してもよい。当然、本発明の化合物と共に投与できる治療薬の選択は、部分的に、処理される条件に依存する。
例えば、オートインデューサーに依存する生物によって引き起こされる症状を呈する患者に投与する場合、本発明の化合物は、一般的にその疾病に伴う疼痛、感染及び他の症状及び副作用を処置するのに使用される薬剤を含有する混合液にて投与することができる。このような薬剤として、例えば、鎮痛薬、抗生物質等が挙げられる
癌治療を受けている患者に投与する場合、化合物は、抗癌剤及び/又は捕捉の増強剤を含有するカクテルにて投与するとよい。また、化合物は、制吐剤、放射性防護剤等の放射線療法の副作用を処置する薬剤を含有するカクテルにて投与してもよい
本発明の化合物と一緒に投与することのできる増強剤として、例えば、三環系抗うつ剤(例えば、イミプラミン、デシプラミン、アミトリプチリン、クロミプラミン、トリミプラミン、ドキセピン、ノルトリプチリン、プロトリプチリン、アモキサピン及びマプロチリン);非環系抗うつ剤(例えば、セルトラリン、トラゾドン及びシタロプラム)、Ca2+拮抗剤(例えば、ベラパミル、ニフェジピン、ニトレンジピン及びカロベリン)、アンホテリシン、トリパラノールアナログ(例えば、タモキシフェン)、抗不整脈剤(例えば、キニジン)、降圧剤(例えば、レセルピン)、チオール枯渇剤(例えば、ブチオニン及びスルホキミン)、並びにカルシウムロイコボリンが挙げられる。
本発明の活性化合物(単数又は複数種)は、それ自体で、又は活性化合物(単数又は複数種)を1以上の医薬的に許容される担体、賦形剤又は希釈剤と混和している医薬組成物の形態で投与される。本発明により使用する医薬組成物は、望ましくは、賦形剤及び助剤であって、医薬上使用することのできる組成物への活性化合物の加工を円滑にするものを含む、1以上の生理的に許容される担体を使用して従来の方法で製剤化する。適切な剤形は、選択した投与の経路に依存する。
経粘膜投与の場合、浸透すべきバリアに適合した浸透剤が組成物に使用される。このような浸透剤は、概して、当該技術分野において公知である。
経口投与の場合、活性化合物(単数又は複数種)を、当該技術分野において公知の医薬的に許容される担体と組み合わせることによって、化合物を容易に製剤化することができる。このような担体を用い、患者による経口摂取用に、本発明の化合物を、錠剤、丸剤、糖衣錠、カプセル剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、懸濁剤等に製剤化することが可能となる。固体賦形剤を用い、得られる混合物を任意に粉砕し、必要に応じて望ましい助剤を添加した後に、顆粒の混合物を処理することによって錠剤又は糖衣錠コアを得て、経口用の医薬調製物を得ることができる。望ましい賦形剤は、具体的には、乳糖、スクロース、マンニトール、又はソルビトールを含む糖などの充填剤;例えば、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及び/又はポリビニルピロリドン(PVP)などのセルロース調製物である。必要に応じ、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、又はアルギン酸若しくはアルギン酸ナトリウムなどのその塩等といった崩壊剤を添加してもよい。
糖衣錠コアには、望ましいコーティングが施される。この目的のためには、濃縮糖溶液を用いるとよく、これは任意に、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カーボポールゲル、ポリエチレングリコール、及び/又は二酸化チタン、ラッカー溶液、及び望ましい有機溶媒又は溶媒混合液を含有しうる。識別のため、又は活性化合物の用量の異なる組み合わせの特徴を示すために、錠剤又は糖衣錠コーティングに染料又は色素を添加してもよい。
経口的に使用することのできる医薬調製物として、ゼラチンで作ったプッシュフィット式カプセル剤や、ゼラチン、及びグリセロール又はソルビトールなどの可塑剤で作った密封軟カプセル剤が挙げられる。プッシュフィット式のカプセル剤は、乳糖などの充填剤、デンプンなどの結合剤、及び/又はタルク若しくはステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、並びに、任意に安定化剤と混和している有効成分を含有することができる。軟カプセル剤では、活性化合物は、脂肪油、液体パラフィン、又は液体ポリエチレングリコールなどの望ましい液剤中に溶解又は懸濁するとよい。更に、安定化剤を添加してもよい。経口投与用のすべての製剤は、このような投与に望ましい薬用量とされるべきである。
口腔内投与の場合、組成物は従来法にて製剤化される錠剤又はロゼンジ剤の形態を取るとよい。
吸入による投与の場合、本発明に使用する化合物は、エアロゾルスプレー付与の形態で、例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素又は他の望ましいガスなどの望ましい噴霧剤を共に使用して圧縮パック又は噴霧器から輸送するのが便宜的である。加圧エアロゾルの場合、単位用量を輸送するバルブを設けることにより、薬用量単位を決定することができる。吸入器又は通気器に用いる例えばゼラチン製のカプセル剤及び薬包は、化合物と、望ましい粉末基剤、例えば乳糖又はデンプンとを粉体混合物として含む製剤とするとよい。
化合物は、例えば大量瞬時投与又は持続注入によるなど、注射による非経口的投与用に製剤化してもよい。注射が、本願発明の組成物にとって望ましい投与の方法である。注射用製剤は、単位剤形にて、例えば、保存剤を添加して多服用量容器中に、又はアンプル中に提供されるとよい。組成物は、油性又は水性溶剤の懸濁剤、溶液剤、又は乳化剤などの形態を取ってもよく、懸濁、安定化などの製剤用薬剤を含んでもよく、及び/又は架橋ポリビニルピロリドン、寒天又はアルギン酸若しくはアルギン酸ナトリウムなどのその塩、などといった分散剤を添加してもよい。
非経口的投与用の医薬組成物として、可溶型の活性化合物の水溶液が挙げられる。また、活性化合物の懸濁剤を、適当な油性注射用懸濁剤として調製してもよい。望ましい親油性溶媒又は溶剤として、ゴマ油などの脂肪油、又はオレイン酸エチル若しくはトリグリセリドなどの合成脂肪酸エステル、又はリポソームが挙げられる。水性注射用懸濁剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、又はデキストランなどの、懸濁剤の粘度を増加させる物質を含有してもよい。懸濁剤は、望ましい安定化剤、又は化合物の溶解性を高めて高濃縮溶液の調製を可能とする薬剤も任意に含有してよい。注射用には、水溶液中、望ましくはハンクス液、リンゲル液、又は生理食塩水緩衝液などの、生理的に適合性の緩衝液中で、本発明の薬剤を製剤化するとよい。
あるいは、有効成分は、使用前に望ましい溶剤、例えば、滅菌発熱性物質除去水で構成するための粉末形態としてもよい。
化合物は更に、例えば従来から用いられているココアバター又はその他のグリセリド類などの座剤の基剤を含有させて、座剤又は滞留浣腸剤などの直腸内投与剤にも製剤化しうる。
以上に記載の製剤に加えて、化合物はデポ製剤として製剤化してもよい。このような長時間作用型の製剤は、埋没又は経皮的輸送(例えば、経皮的、若しくは筋肉内)、筋肉内注射又は経皮パッチ剤によって投与しうる。このようにして、例えば、望ましいポリマー材料若しくは疎水性材料(例えば、許容されるオイルの乳剤として)又はイオン交換樹脂で、又は難溶性誘導体として、例えば難溶性塩として、化合物を製剤化しうる。
医薬組成物は、適切な固体又はゲル状担体又は賦形剤を含んでもよい。このような担体又は賦形剤の例として、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、様々な糖類、デンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、及びポリエチレングリコールなどのポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。
望ましい医薬組成物は、静脈内注射などの注射用に製剤化された組成物であり、医薬組成物の総重量100重量%に対して約0.01%〜約100重量%の薬剤−リガンドコンジュゲートを含む。薬剤−リガンドコンジュゲートは、抗体−サイトトキシンコンジュゲートであってよく、この抗体は、特定の癌に標的化するように選択されている。
ライブラリー
更に本発明の範囲に包含されるのは、サイトトキシン、サイトトキシン−リンカー及びサイトトキシンの薬剤−リンカーコンジュゲート、並びに本発明のリンカーのライブラリーである。典型的なライブラリーには、少なくとも10の化合物、より望ましくは少なくとも100の化合物、更に一層望ましくは少なくとも1000の化合物、及び更になお望ましくは少なくとも100,000の化合物が含まれている。ライブラリーは、例えば細胞毒性、酵素、又は他の切断試薬によるリンカーの切断などといった特定の性質につき容易に解析される形態にある。形態の例としては、チップ形式、マイクロアレイ等が挙げられる。
平行、又はコンビナトリアル合成は、その主要目的として、本願明細書全体で足場(scaffold)と称している共通の特徴をすべてが共有している多様な分子のライブラリーを作製するものである。足場分子の可変部分の各々で、異なる部分を置換することによって、ライブラリーで探索可能なスペースの量が増大する。理論及び近代医療化学によれば、所定の生物学的標的に対する所定の化合物の有効性を判定する上で、占有スペースの概念が重要な因子として提唱されている。標的スペースの大部分を探索する、分子の多様なライブラリーを作り出すことによって、有効性の高いリード化合物を明らかにする見込みが劇的に増大する。
平行合成は概して、ポリマー樹脂などの固相支持体上で行う。足場、すなわち他の望ましい中間体は、化学リンカーによって切断可能に樹脂に係留される。粒子に係留された状態で、足場を修飾する反応を行う。試薬及び/又は反応条件の変更によって、各々のライブラリーの特徴となる構造上の多様性が生じる。
「小」分子(200〜1000の分子量の非オリゴマー)の平行合成は、1990年より前にはほとんど試みられていなかった。例えば、Campsら、Annaks de Quimica、70:848(1990)を参照されたい。近年、Ellmannは、いくつかのプロスタグランジンとβターン模倣物と共に、11のベンゾジアゼピンアナログを固相支持で平行(「コンビナトリアル」とも称される)合成することを開示した。これらの開示は、米国特許第5,288,514号に例証されている。小分子の平行合成の、関連する別の開示は、米国特許第5,324,483号にも認められる。この特許は、各々16の異なる足場にある4〜40の化合物の平行合成を開示している。Chenらも、有機合成ストラテジーを応用し、ポリマー支持体上の多工程プロセスを使用して合成した非ペプチドライブラリーを開発している(Chenら、J.Am.Chem.Soc.,116:2661−2662(1994))。
一旦、特有の化合物のライブラリーが調製されれば、出発点として自己誘導物質のライブラリーを使用し、本願明細書に記載の方法を用いて免疫コンジュゲート又は抗体のライブラリーを調製することができる。
キット
別の特徴において、本発明は、本発明の化合物又は組成物の1以上と、その化合物又は組成物を使用するための注意表示を含むキットを提供する。望ましい実施形態において、本発明は、本発明のリンカーアームを別の分子にコンジュゲートするためのキットを提供する。キットは、リンカー及びリンカーを特定の官能基に付着させるための注意表示を備えている。キットはまた、細胞毒性薬剤、ターゲッティング試薬、検出可能な標識、医薬用の塩、又は緩衝液の1つ以上を備えていてもよい。キットは更に、容器、1つ以上のバイアル、試験管、フラスコ、瓶、又はシリンジを任意に備えていてもよい。キットに関する他の様式は当業者にとって明らかであり、本発明の範囲に含まれる。
精製
別の望ましい実施形態において、本発明は、リガンドXに結合する、本発明のリガンド−サイトトキシンに対する分子標的を単離するための方法を提供する。その方法は、望ましくは、標的を含む細胞性製剤を固定化化合物に接触させ、これによって受容体と固定化化合物との間でコンジュゲートを形成することを含む。
本発明のサイトトキシンは、当該技術分野で公知のいずれかの手段によって、アフィニティ支持体上に固定化することができる。あるいは、本発明のリンカーの1つ以上を使用してサイトトキシンを固定化することができる。
更に別の望ましい実施形態において、本発明は、本発明のリンカーを含む、アフィニティ精製マトリックスを提供する。
標的を単離する本発明の方法は、望ましくは、1つ以上のアフィニティクロマトグラフィー技術を利用するものである。アフィニティクロマトグラフィーで、生物学的分子又はバイオポリマーなどの種の、特定の支持構造体の認識部位に対する特異性の高い結合能を利用することにより、効率よく単離することが可能になる。アフィニティクロマトグラフィー支持体、架橋材料、リガンド、並びにそれらの製剤及び用途などのこのような話題を含め、アフィニティクロマトグラフィーの主題についての記事、モノグラフ及び本などの文献が多く存在する。列挙すべきそれらの参照文献として:Ostrove、Methods Enzymol.182:357−71(1990);Ferment,Bioeng.70:199−209(1990)、Huangら、J.Chromatogr.492:431−69(1989);「ヘパリンセファロースアフィニティクロマトグラフィーによる酵素の精製」J.Chromatogr.,184:335−45(1980);Farooqi、Enzyme Eng.,4:441−2(1978);Nishikawa、Chem.Technol、5(9):564−71(1975);Guilfordら、PRACT.HlGH PERFORM. LlQ.CHROMATOGR.,Simpson(編)、193−206(1976);Nishikawa、Proc.Int.Workshop Technol Protein Sep.Improv.Blood Plasma Fractionation、Sandberg(編)、422−35;(1977)「酵素のアフィニティクロマトグラフィー」、Affinity Chromatogr.,Proc.Int.Symp.25−38,(1977)(出版1978);及びAFFINITY クロマトグラフィー: A PRACTICAL APPROACH、Deanら、(編)、IRL Press Limited、Oxford、England(1985)が挙げられる。当業者は、本発明の材料を利用して特定のアフィニティクロマトグラフィー法を開発する際の指針とすることができる。
本発明の方法において、様々な化学構造のアフィニティクロマトグラフィー媒体を支持体として使用することができる。例えば、アガロースゲル及び架橋アガロースゲルは、それらの親水性により非特異的結合が比較的防止できるため、支持材料として有用である。他の有用な支持体として、例えば、微細孔性ガラス(CPG)ビーズ、セルロース粒子、ポリアクリルアミドゲルビーズ、並びにデキストラン及びエピクロロヒドリンから作製されたセファデックス(登録商標)ゲルビーズが挙げられる。
薬剤−リガンドのコンジュゲート方法及び使用
上記の組成物及び構成物に加えて、本発明はまた、本発明の化合物及びコンジュゲートを利用して実施することができる数多くの方法も提供する。本願発明の薬剤−リガンドコンジュゲートを使用する方法として挙げられるのは、腫瘍細胞又は癌細胞の成長又は複製の停止又は阻止、癌の処置、前癌状態の処置、自己免疫抗体を発現する細胞の成長又は複製の停止又は阻止、自己免疫疾患の処置、感染症の処置、腫瘍細胞又は癌細胞の増殖の予防、癌の予防、自己免疫抗体を発現する細胞の増殖の予防、自己免疫疾患の予防、及び感染症の予防等が挙げられる。これらの使用方法には、哺乳動物又はヒトなどの患者動物に、有効量の薬剤−リガンドコンジュゲートを投与することが含まれる。本願明細書に記載の使用方法の多くにおいて望ましいリガンドとして、特定の腫瘍細胞、癌細胞、又は他の標的領域を標的化する抗体及び抗体断片が挙げられる。
本願発明の薬剤−リガンドコンジュゲートは、動物の癌、自己免疫疾患及び感染症を処置するのに有用である。医薬的に有効な量の本発明の組成物を用い、医薬的に許容されるように患者にその組成物を提供することによる、腫瘍を処置するための組成物及び方法が提供される。
本願発明は、癌の処置ため、及び動物での腫瘍細胞又は癌細胞の増殖の阻害のために特に有用である。癌、又は前癌状態として、腫瘍、転移、又は無秩序な細胞成長によって特徴付けられるいずれの疾病若しくは障害(これらに限定されない)が挙げられ、これを本願発明の薬剤−リガンドコンジュゲートの投与によって処置又は予防することができる。コンジュゲートは、薬剤を腫瘍細胞又は癌細胞に輸送する。一実施形態において、リガンドは、癌細胞又は腫瘍細胞関連抗原に特異的に結合又は会合する。一旦細胞内に入れば、リンカーは、腫瘍細胞又は癌細胞関連プロテアーゼによって加水分解的に切断され、これにより薬剤を放出する。放出された薬剤は、その後は自由に拡散し、細胞毒性活性を発揮する。切断可能な基質は癌又は標的細胞の内部若しくは外部において切断される。効率的に処理されうる腫瘍若しくは癌のタイプに従い、切断可能な基質及び連結する酵素を適宜選択することができる。
薬剤−リガンドコンジュゲートにより標的化されうる前癌状態の代表的な例として、化生、過形成、異形成、結腸直腸ポリープ、光線性角化症、光線性口唇炎、ヒトパピローマウイルス症、白斑症、扁平苔癬及びボーエン病が挙げられるが、これらに限定されない。
薬剤−リガンドコンジュゲートによって標識化されうる癌又は腫瘍の代表的な例として、肺癌、大腸癌、前立腺癌、リンパ腫、黒色腫、乳癌、卵巣癌、睾丸癌、CNS癌、腎癌、腎癌、膵臓癌、胃癌、口腔癌、鼻腔癌、子宮頚癌及び白血病が挙げられるが、これらに限定されない。当業者には、薬剤で処置すべき腫瘍組織にその薬剤を標的化させるように、コンジュゲートで使用する特定の標的リガンドを選択できる(すなわち、腫瘍特異性抗原に対して特異的なターゲッティング試薬を選択する)ことが容易に明らかになるであろう。このような標的リガンドの例は、当該技術分野においてよく知られており、限定的でないその例として、乳癌の処置には抗Her2、リンパ腫の処置には抗CD20、前立腺癌の処置には抗PSMA、及び非ホジキンリンパ腫を含むリンパ腫に対して抗CD30が挙げられる。
実施形態において、本発明は、細胞を死滅させる方法を提供する。この方法は、細胞に本発明の化合物の当該細胞を死滅させるのに充分な量を投与することを含む。望ましい実施形態において、化合物は、その細胞を担持している患者に投与される。更なる望ましい実施形態において、投与は、その細胞(例えば、細胞は腫瘍細胞でありうる)を含む腫瘍の成長を遅延又は停止させるのに有用である。成長を遅延させるための投与について、細胞の成長速度は、投与前の成長速度の少なくとも10%は低くなるのが望ましい。更には、成長速度は少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%遅延され、又は完全に停止するのが望ましい。
有効な投与量
本発明で使用するのに望ましい医薬組成物として、治療上有効な量、すなわち、意図した目的を成し遂げるのに有効な量の有効成分を含有している組成物が挙げられる。特定の用途に有効な実際の量はとりわけ、処置すべき状態に依存するものである。有効量の決定は、特に本願明細書の詳細な開示に鑑み、当業者が充分なしうる。
本願明細書に記載のいずれの化合物についても、治療上有効な量を最初に細胞培養アッセイにより調べることができる。標的血漿濃度は、細胞成長又は分裂を阻害することができる活性化合物(単数又は複数)の濃度となる。望ましい実施形態において、細胞活性は少なくとも25%阻害される。又は、少なくとも約50%、75%、更には90%以上の細胞活性の阻害を誘発できる活性化合物(単数又は複数)の標的血漿濃度が、現在のところ望ましい。患者における細胞活性の阻害の割合をモニターし、達成される血漿薬剤濃度の適切さを評価でき、所望の阻害割合が得られるように増減して薬用量を調整することができる。
当該技術分野において公知であるように、ヒトで使用するのに治療上有効な量は動物モデルから決定することもできる。例えば、ヒト用の投薬量は、動物で有効であると見出されている循環濃度を得るように製剤化できる。ヒトでの薬用量は、細胞阻害をモニターし、上記のように薬用量を増減して調整することができる。
治療上有効な投薬量は、類似の薬理学的活性を呈することが知られている化合物に対するヒトのデータから決定することもできる。適用される薬用量は、相対的な生物学的利用能、及び投与化合物の既知化合物と比較した作用強度に基づいて調整することができる。
上記の方法、及び当該技術分野において公知である他の方法に基づき、ヒトで最高の効能を達成する薬用量を調整することは、当業者が充分なしうる範囲内にある。
局所投与の場合、投与化合物の全身循環濃度は、特別に重要ではない。このような場合、意図した結果を得るのに有効な局部領域での濃度となるように、化合物を投与する。
異常な細胞性増殖に関わる疾病の予防及び/又は処置における使用のため、約0.001μM〜20μMの投与化合物の循環濃度が好ましく、更に約0.01μM〜5μMが望ましい。
本願明細書に記載の化合物の経口投与に対する患者の薬用量は、望ましくは約1mg/日〜約10,000mg/日、より望ましくは約10mg/日〜約1,000mg/日、最も望ましくは約50mg/日〜約500mg/日の範囲にある。患者の体重に換算すると、典型的な薬用量は、約0.01〜約150mg/kg/日、更に望ましくは約0.1〜約15mg/kg/日、最も望ましくは約1〜約10mg/kg/日の範囲、例えば、5mg/kg/日、又は3mg/kg/日である。
少なくとも幾つかの実施態様では、患者の腫瘍成長を遅延又は阻害するのに必要な投与量は1μmol/kg/日又はそれ以下であってもよい。例えば、患者への投与量は、薬剤又は薬剤コンジュゲート(例えば抗体−薬物コンジュゲート)で0.9、0.6、0.5、0.45、0.3、0.2、0.15若しくは0.1μmol/kg/日であるか、又はそれ以下の薬剤のモル数であってもよい。好ましくは、薬剤又は薬剤コンジュゲートを少なくとも5日間にわたり連日投与することにより、腫瘍の成長を抑止する。少なくとも幾つかの実施態様では、腫瘍はSCIDマウスにおけるヒト型腫瘍である。例として、SCIDマウスは、CB17.SCIDマウスであってもよい(Taconic、Germantown、NYから市販)。
投与のその他の態様については、用量及び間隔を、処置すべき特定の臨床適応症に対して有効な投与化合物の血漿レベルをもたらすように、個々に調整することができる。例えば、一実施形態において、本発明による化合物は、1日に何度も、比較的高濃度で投与される。あるいは、本発明の化合物を最低有効量投与し、より頻度の少ない投与計画を用いることがより望ましい。これにより、個々の疾病の重症度に見合う治療計画が提供されることになる。
本願明細書における開示を応用して、実質的な毒性を引き起こさず、しかも特定の患者によって示される臨床的症状を処置するのに完全に有効な、治療法を計画することができる。この計画には、化合物の作用強度、相対的生物学的利用能、患者の体重、望まない副作用の存在及び重度、望ましい投与の形態及び選択薬剤の毒性プロファイルなどの因子を考慮することにより、活性化合物を注意深く選択することが含まれる。
本発明の化合物、組成物及び方法は、以下の実施例によって更に例証される。なお、これらの実施例は例示のために提供するものであり、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。
材料及び方法
以下の実施例においては、特に明記しない限り、温度は摂氏(℃)程度である。反応は室温又は常温で行われ(概して約18〜25℃の範囲)、溶媒の蒸発は60℃までの浴槽温度において減圧(概して、4.5〜30mmHg)下で回転蒸発器を使用して行い、反応後にTLCを行い反応時間は例示目的のために提供され、融点は訂正せず、精製物は良好なH−NMR及び/又は微量分析データを示し、収率は例示目的のために提供され、以下の一般的な略記が使用される、mp(融点)、L(リットル)、mL(ミリリットル)、mmol(ミリモル)、g(グラム)、mg(ミリグラム)、min(分)、LC−MS(液体クロマトグラフィ−質量分析)及びh(時間)。
H−NMRスペクトルは、Varian Mercury 300MHz分光計にて測定され、推定された構造式と一致した。化学シフトは、テトラメチルシランから100万分率(ppm)において表示された。電子スプレー質量スペクトルは、パーキン・エルマーSciex API 365質量分析計に記録された。基本的な分析は、Robertson Microlit Laboratories, Madison, NJによって行われた。フラッシュクロマトグラフィーのシリカゲルは、E.メルク等級(230−400のメッシュ)を使用した。逆相HPLCは、HP 1100又はバリアンProStar 210において、Phenomenex Lunaの5μm C−18(2)150mm×4.6mmのカラム又はVarian Microsorb−MV 0.1μm C−18 150mm×4.6mmのカラムを用いて行われた。1mL/分の流速で、254nmのUVで15分にわたる0%〜50%の緩衝液Bの勾配又は10分にわたる10%〜100%の緩衝液Bの勾配によって検出した。なお、緩衝液Aは20mMギ酸アンモニウム塩+20%アセトニトリル又は0.1%のトリフルオロ酢酸のアセトニトリル溶液であり、緩衝液Bは20mMのギ酸アンモニウム塩+80%アセトニトリル又は0.1%のトリフルオロ酢酸水溶液である。逆相HPLCは、Varian ProStar 215計測器で、Waters Delta Pak 15μm C−18 300mm×7.8mmカラムを用いて行った。
<実施例1>
Figure 2008535845
化合物32の合成
化合物30(120mg、0.28mmole)の酢酸エチル(10ml)中溶液に、5分間のHClガスバブリングを行った。反応混合物を更に30分間室温で撹拌し、更に混合物を濃縮した。エーテルを反応混合物に添加し、濾過用漏斗で沈殿物を回収した。固体は、真空下で一晩乾燥し、所望の生成物100mgを得、LCM(ESI)で分析(324(M+H))し、更なる精製をせずに次の処理において使用した。この化合物(100mg、0.24mmole)のDMF(5ml)中の溶液に、化合物31(65mg、0.26mmole)、HATU(100mg、0.26mmole)及びTEA(91uL、0.52mmole)を添加した。このように得られた混合物を室温で3時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残余物を半調製HPLC(0.1%のTFA水溶液、溶出剤としてアセトニトリル使用)で精製し、油状物(110mg、80%)として化合物32を得た。所望の生成物をLCM(ESI)で分析した(555(M+H))。
化合物33の合成
化合物32(110mg、0.2mmole)及びパラジウム/チャコール(20mg)の、DCM(10ml)及びメタノール(5ml)中溶液を室温で12時間、水素雰囲気下で常圧下で撹拌した。パラジウムを濾過除去し、反応混合物を濃縮し、残余物を半調製的HPLC(0.1%のTFA水溶液、溶出剤としてのアセトニトリルを使用)で精製し、油状物(80mg、78%)として所望の化合物を得、LC−MS(ESI)で分析した(465(M+H))。残余物(80mg、0.17mmole)のジクロロメタン(10ml)及びTHF(5ml)中溶液に、PNPCl(4−ニトロフェニルクロロ炭酸塩)(137mg、0.68mmole)を添加し、更に0℃のトリエチルアミン(144uL、1.02mmol)を添加した。このように得られた混合物を0℃で30分、更に室温で12時間撹拌した。反応混合物を真空濃縮し、残余物をエチルエーテル(100ml)で沈殿させ、黄色の固体(90mg、82%)として化合物33を得、真空乾燥し、LCM(ESI)で分析した(631(M+H))。
化合物34の合成
化合物33(60mg、0.1mmole)のジクロロメタン(10ml)中溶液に、室温で、Boc−N,Nジメチルエチルジアミン(84mg、0.38mmole)及びトリエチルアミン(26uL、0.1mmol)を添加した。このように得られた混合物を室温で12時間撹拌した。反応混合物を真空濃縮し、残余物をエチルエーテル(100ml)を用いて沈殿させ、Boc保護化合物34を得、更なる精製をせずに次の処理に用いた。Boc保護化合物34を10mlのTFA中に溶解させ、反応混合液を室温で60分間撹拌した。反応混合物を真空濃縮し、残余物をエチルエーテル(100ml)を用いて沈殿させ、黄色の固体として化合物34を得、真空下で乾燥させ、LCM(ESI)OSI(M+H)で分析した。
<実施例2>
Figure 2008535845
化合物1の合成
セファロチンソーダ塩(0.5g、1.2mmole)を水(10ml)に溶解させ、分離漏斗に注入した。溶液を1N HCl水溶液で酸性化し、所望の化合物をジクロロメタン(100ml)及び酢酸エチル(40ml)によって抽出した。有機層を無水NaSOを通じて乾燥させ、濾過し、乾燥させて濃縮し、白色固体(474mg、99%)として標記化合物を得た。白い化合物(1.2mmole)及びterBocO(0.3g、1.37mmole)のテトラヒドロフラン(20ml)中溶液に、ジメチルアミノピリジン(15mg、0.12mmole)を添加した。このように得られた混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を蒸発させ、残余物を半調製的HPLC(0.1%のTFA水溶液、溶出剤としてのアセトニトリル使用)で精製し、油状物(238mg、44%)として標記化合物を得た。H NMR(CDOD)δ1.49(s,9H)2.05(s,3H)3.80(s,2H)4.60(d,1H)4.77(d,1H)4.93(d,1H)5.28(d,1H)5.49(m,1H)6.59(s,1H)6.96(m,2H)7.27(dd,1H)9.18(bd,1H);LCM(ESI)453(M+H)475(M+Na)491(M+K)。
化合物2の合成
化合物1(204mg、0.45mmole)のメタノール(40ml)中溶液に、0℃で炭酸カリウム(25mg、0.18mmole)を添加した。このように得られた混合物を3時間撹拌した。反応混合物を酢酸(600のμL)で中和し、濃縮した。溶媒を蒸発させ、残余物を半調製的HPLC(0.1%のTFA水溶液、溶出剤としてのアセトニトリルを使用)で精製し、油状物(59mg、32%)として標記化合物を得た。H NMR(CDlOD)δ1.49(s,9H)3.80(s,2H)4.15(m,2H)4.95(d,1H)5.28(d,1H)5.46(m,1H)6.39(d,1H)6.95(m,2H)7.26(m,1H)9.09(bd、1H);LCM(ESI)410(M+H)433(M+Na)449(M+K)。
化合物3の合成
化合物2(15mg、0.036mmole)のTHF(0.2ml)中溶液に、室温で、ジメチルアミノピリジン(0.13mg、0.001mmole)、パラ−ニトロフェニルクロロ炭酸(11mg、0.054mmole)及び2,6−ルチジン(6.4μL、0.054mmole)を添加した。このように得られた混合物を一晩撹拌した。溶媒を蒸発させ、残余物を半調製的HPLC(0.1%のTFA水溶液、溶出剤としてアセトニトリルを使用)で精製し、油状物(8mg、38%)として標記化合物を得た。H NMR(CDCl)δ1.49(s,9H)3.88(s,2H)4.76(d,1H)4.94(d,1H)4.95(s,1H)5.29(m,1H)5.67(m,1H)6.41(d,1H)6.52(s,1H)7.00(m,2H)7.28(m,IH)7.37(dd,2H)8.29(dd,2H);LCM(ESI)575(M+H)598(M+Na)614(M+K)。
化合物4の合成
化合物3(18mg、0.031mmole)の0℃に冷却したジクロロメタン(0.5ml)中の溶液に、m−クロロパルオキシ安息香酸(9mg、0.052mmole)を添加した。このように得られた混合物を0℃で2時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残余物を半調製的HPLC(0.1%のTFA水溶液、溶出剤としてアセトニトリルを使用)で精製し、油状物(12mg、67%)として標記化合物を得た。H NMR(CDCl)δ1.54(s,9H)3.31(d,1H)3.87(s,2H)3.88(d,1H)4.53(d,1H)4.88(d,1H)4.59(d,1H)6.10(dd,1H)6.92(d,1H)6.99(m,2H)7.27(d,1H)7.37(dd,2H)8.28(d,2H);LCM(ESI)591(M+H)614(M+Na)630(M+K)。
化合物5の合成
化合物34(11mg、0.013mmole)の10%ジメチルホルムアミド/ジクロロメタン(0.2ml)中の溶液に、化合物4(10mg、0.017mmole)のジクロロメタン(0.2ml)及びジイソプロピルエチルアミン(3.5μL、0.020mmole)中の溶液を室温で添加した。このようにして得られた混合物を一晩撹拌した。溶媒を蒸発させ、残余物を半調製的HPLC(0.1%のTFA水溶液、溶出剤としてアセトニトリルを使用)で精製し、油状物(7mg、45%)として標記化合物を得た。LCM(ESI)1031(M+H)1054(M+Na)1070(M+K)。
化合物6の合成
化合物5(6.5mg、0.0056mmole)のジクロロメタン(0.2ml)中溶液に、0℃でトリフルオロ酢酸(0.1ml)を添加した。このように得られた混合物を室温に加温し、30分間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残余物を半調製的HPLC(0.1%のTFA水溶液、溶出剤としてアセトニトリルを使用)で精製し、油状物(4mg、70%)として標記化合物を得た。LCM(ESI)975(M+H)998(M+Na)1014(M+K)。
<実施例3>
Figure 2008535845
化合物2の合成
スターラーバー及び窒素導入口を備えた50mlの丸底フラスコ中で、Fmoc−βAlaLeuAlaLeu−OH(5g、0.0082mol、Abbott Labs社)をDMF(30ml)中に溶解させた。HATU(3.13g、0.0082モル)、次いでDIPEA(2.86ml、0.0164モル)を添加し、更に溶液を10分間撹拌した。4−アミノベンジルアルコール(1.5g、0.0122モル)を添加し、反応液を室温で18時間撹拌した。溶媒を真空濃縮し、残余物をDMF(20ml)に溶解させた。生成物をジエチルエーテル(200ml)で沈殿させ、濾過によって回収し、生成物4.5g(77%)を得た。生成物を質量分析した(m/z714.4[M+1])。
化合物3の合成
スターラーバー及び窒素導入口を備えた25mlのRBF中で、化合物2(0.3g、0.4mmoles)を1.5mlのDMF中に溶解させた。DCM/THFの1:1溶液を添加し、4−ニトロフェニルクロロホルム酸(0.2gm、1つmmole)及びピリジン(0.2ml、2.5mmoles)を続いて添加した。反応液を室温で6時間撹拌した。溶媒を真空除去し、残余物をカラムクロマトグラフィ(10%のMeOH/DCM)で精製し、0.104g(28%)の化合物3を得た。生成物を質量分析した(m/z879.6[M+1])。
化合物4の合成
化合物34(11mg、0.013mmole)の10%のジメチルホルムアミド/ジクロロメタン(0.2ml)中の溶液に、化合物3(15mg、0.017mmole)のジクロロメタン(0.2ml)及びジイソプロピルエチルアミン(3.5のμL、0.020mmole)中の溶液を室温で添加した。このように得られた混合物を一晩撹拌した。溶媒を蒸発させ、残余物を半調製的HPLC(0.1%のTFA水溶液、溶出剤としてアセトニトリルを使用)で精製し、油状物として標記化合物を得た。生成物をLC/MSによって分析した。この生成物をDMF(10ml)中に溶解させ、ピペリジン(0.5ml、0.5モル)を添加し、溶液を30分間撹拌した。溶液を真空濃縮し、ヘキサンで洗浄し、真空下で1.2時間乾燥させた。上で調製した脱保護アミンを無水DMF(10ml)に溶解させ、続いて無水コハク酸(20mg、0.2mmoles)を添加し、更に反応混合液を室温で24時間撹拌した。24時間後、HPLCにおいて出発原料が検出されなくなり、反応液を調製的HPLCによって精製し、化合物4を得た。化合物4を質量分析した(m/z1196[M+1])。
<実施例4>:増殖アッセイ
本発明の細胞障害性化合物の生物学的活性は、確立されたH−チミジン増殖アッセイで解析できる。放射性同位元素を使って識別されたH−チミジンの外部からの編入を測定することを利用して、DNA合成を評価し、細胞増殖を数量化する有用な方法である。このアッセイは再現性が高く、多数の化合物に適応できる。
アッセイでは、最初に前骨髄性白血病細胞(HL−60)を、熱不活性ウシ胎仔血清(FCS)を10%含有するRPMI培地で培養したる。試験日に細胞を回収し、洗浄し、10%FCS含有RPMI中に0.5×10細胞/mlの濃度で再懸濁した。細胞懸濁液100μlを96穴プレートに添加した。ドキソルビシン(ポジティブコントロール)又は試験化合物の系列希釈(3倍濃縮系列)を調製し、ウェル当たり化合物100μlで添加した。最後に、10μlの100のμCi/ml H−チミジンを添加し、プレートを24時間インキュベートした。プレートから、96ウェルハーヴェスタ(Packard Instruments社)を使用して回収し、Packard Top Count counterで計測した。プリズムソフトウェアを使用して、薬剤のモル濃度の関数としてのH−チミジン取り込みに関する4パラメータによるロジスティック曲線を作成し、IC50値を決定した。
本発明の化合物は、通常1pM〜約100nM、好ましくは10pM〜約10nMの濃度で、上記のアッセイのIC50値を有する。
<実施例5>
Figure 2008535845
化合物1の合成
2,5−ジヒドロキシベンズアルデヒド(5.6g、40.57mmoles)を45mlのN−メチルピロリドンに溶解させ、続いて炭酸カリウム(5.6%、40.5mmoles)を添加した。更にテトラブチル臭化アンモニウムを260mg(0.8mmole)添加し、更にジエチル2−臭化マロン酸(10.5g、7.5ml、44mmoles)を添加した。上記の添加はすべて室温で行った。反応混合物を140℃で5時間撹拌した。TLC及びHPLCによる分析の結果、出発原料の残留及び新しいピークの形成が検出されなかった。反応混合物をシリカパッドで濾過し、濃縮した。1NのHCl 400mlを粗生成物に添加し、酢酸エチルで抽出した。有機相を塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを通じて乾燥させた。粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル(5/1))で精製し、2gの化合物1(収率23%)を得た。HNMR,アセトン−d:1.37(t,3H)4.37(dd,2H)7.51(s,1H)7.4(d,1H)7.06(s(1H))7.02(d,1H)8.41(s,1H)。
化合物2の合成
2−(boc−アミノ)臭化エチル(344mg、1.53mmoles)を、化合物1(100mg、0.48mmoles)の5ml DMF中の反応混合物に、撹拌しながら滴状添加し、更に45℃で炭酸カリウム(132mg、0.955mmoles)を添加し、週末に撹拌した。溶媒を蒸発させた。粗生成物を酢酸エチルに溶解させ、0.2N NaOHで数回洗浄した。溶媒を蒸発させ、粗反応混合物を酢酸エチル/ヘキサン(1:4、2:4)を使用してシリカゲルフラッシュクロマトグラフィで精製し、137mg(81%)の化合物2を得た。MS:M[+1]=350.9;HNMR,CDCl:1.43(s,9H)1.39(t,3H)3.54(m,2H)4.02(t,2H)4.41(dd,2H)7.01−7.03(芳香族化合物、2H)7.42−7.46(芳香族化合物、2H)。
化合物3の合成
化合物2をMeOH中に溶解し、2N NaOH水溶液中で2〜3時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、10%クエン酸溶液を添加し、化合物を酢酸エチルによって抽出した。生成物を逆相HPLCによって更に精製し、化合物3を得た。MS:M[+Na]344.5、M[+K]360.5;HNMR,Acetone−d:1.41(s,9H)3.49(dd,2H)4.10(t,2H)6.24(brs、1H)7.13(1H、芳香族化合物)7.29(1H、芳香族化合物)7.54(1H、芳香族化合物)7.58(1H、芳香族化合物)。
Figure 2008535845
Boc、ベンジルCBI(200mg、0.4728mmoles)を8時間にわたり、DCM/MeOH=2:1液中の10% Pd/Cを用いて、水素化分解によって脱ベンジル化させた(Boc、CBI又は類似化合物の調製方法は、例えば米国仮特許第60/730,804号、米国特許第6,534,660号、及びBogerら、J.Org.Chem.57,2873−2876(1992)に記載され、いずれも引用によって本願明細書に援用する)。触媒を濾過して除去し、緑がかった粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィ(5〜20%の酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、所望の化合物4(150mg、95%の収率)を得た。化合物4(76mg、0.23mmoles)を8mlのDCM及び0.3mlのアリルアルコールに溶解させ、続いて4−メチルピペラジンカルボニルクロライド(183mg、0.93mmoles)、ピリジン(187μL、2.32mmoles)を添加し一晩撹拌させた。粗生成物をC−18カラムによる逆相クロマトグラフィによって精製し、化合物5(95mg、全収率89%)を得た。MS:M[+1]=461、M[+Na]=482、M[+K]=498。化合物5を、調製直後のHCl/酢酸エチル溶液を使用して脱保護し、化合物6を得た。
化合物8の合成
5−(2−(tert−ブトキシカルボニル)エトキシ)ベンゾフラン−2−カルボン酸(3、24.4mg、0.076mmoles)を1mlのDMF中に溶解し、TBTU(25mg、0.076mmoles)、化合物6(25mg、0.058mmoles)及び最後にDIPEA(37μL、0.21mmoles)の順で添加し、9時間撹拌させた。溶媒を蒸発させ、粗生成物を逆相HPLCによって精製し、15mgの化合物7(凍結乾燥後30%の収率)を得た。MS:M[+1]=663.4。化合物7からのBoc基を、調製直後のHCl/酢酸エチル溶液を使用して除去し、化合物8をそのHCl塩として得た。
Fmoc−Val−Cit−PABAの合成
Figure 2008535845
Fmoc−Val−シトルリン(1.5g、3.02mmoles)を、14mlのDCM及び7mlのMeOHの混合液中に溶解させた。4−アミノベンジルアルコール(445.2mg、3.62mmoles)、2−エトキシ−1−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリン(EEDQ)(1.5g、6.0mmoles)を続けて添加し、反応混合物を一晩撹拌した。溶媒を除去し、残余物にジエチルエーテルを添加し、5から10分間超音波破砕した。固体残留物を沈殿させ、溶媒をデカントした。この作業を更に2回反復し、1.5gのFmoc−Val−Cit−PABA(82%の収率)を得た。M[+1]=602.6、M[+Na]=624.8、M[+K]=640.6。
Fmoc−Val−Cit−PABA−PnPの合成
Figure 2008535845
Fmoc−Val−Cit−PABA(65mg、0.11mmoles)を2mlのDMFに溶解させ、続いてピリジン(36μL、0.44mmoles)を添加した。p−ニトロフェノールクロロホルム酸(66mg、0.33mmoles)のTHF(2ml)中溶液を滴下して添加した。反応液を1時間以内に終了させた。溶媒を蒸発させ、粗生成物を5%のMeOH/DCMを使用してシリカゲルカラムで精製し、43mgの所望の生成物を得た。51%の収率であった。MS:M[+1]768。
化合物11の合成
Figure 2008535845
Fmoc−Val−Cit−PABA−PnP炭酸塩(13mg、0.017mmoles)を含んでいるフラスコに、化合物8(9.5mg、0.015mmoles)のDMF 1mL中溶液を添加し、続いてDIPEA(15μL)を添加した。反応液を30分以内に終了させた。溶媒を蒸発させ、粗生成物を逆相HPLCによって精製し、9.0mgの化合物9を得た。MS:M[+1]=1191、M[+Na]=1213、M[+K]=1229。化合物9(9mg、0.0076mmoles)のFmoc保護基を、5%ピペリジンのDMF(3ml)中溶液を使用して除去した。溶媒を蒸発させ、粗精製の残余物をヘキサンとジエチルエーテルによってリンスした。化合物10を高真空下で一晩乾燥させ、更なる処理/精製を行わずに次の処理において使用した。MS:M[+1]=969、M[+Na]=991、M[+K]=1007。化合物10を、DMF中のマレイミド−TEG−NHSエステルと反応させ、反応混合物を1時間撹拌し、溶媒を蒸発させ、C−18カラムで逆相HPLCによって精製し、5mg(48%の収率)の化合物11を得た。M[+1]=1367。
化合物12の合成
Figure 2008535845
化合物8(8.5mg、0.013mmoles)及び化合物13(10mg、0.013mmoles)を1.5mlのDMFに溶解させ、続いてDIPEA(7μL、0.039mmoles)を添加し、反応を50分行わせて完了させ、溶媒を蒸発させ、Gemini C−18カラム(Phenomenex社、トレンス、CA)を用いた逆相HPLCによって精製し、凍結乾燥の後、10mgの化合物12(収率65%)を得た。
化合物14の合成
Figure 2008535845
化合物8(4.8mg、0.0076mmoles)を1mlのDMF中に溶解させ、Mal−TEG−NHSエステル(8mg、0.015mmoles)のDCM中溶液(0.5ml)を添加した。25〜40μLのDIPEAを添加した。反応液を30分間撹拌させ、溶媒を蒸発させ、逆相HPLCで精製し、4mgの化合物14(収率55%)を得た。MS:M[+1]=962、M[+Na]=984、M[+K]
化合物17の合成
Figure 2008535845
tert−ブチル−2−ヒドロキシエチルカルバメート(270mg、1.675mmoles)を10mlのTHFに溶解させた。4−ニトロフェニルクロロホルム酸(674mg、3.35mmoles)を添加し、ピリジン(400μL、5mmoles)のを滴下して添加した。反応混合物を2時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィで、溶出剤としてDCMを使用して精製し、500mgの化合物15(92%の収率)を得た。HNMR、CDCl、1.45(s,9H)3.45(m,2H)4.34(m,2H)7.38(d,2H)8.27(d,2H)。
化合物8(0.018mmoles)を2mlのDMF中に溶解させ、化合物15(11.6mg、0.035mmoles)を添加し、続いて10〜20μLのDIPEAを添加した。反応混合液を6時間撹拌し、溶媒を蒸発させ、逆相HPLCで精製し、7mg(52%の収率)の化合物16を得た。MS:M[+1]750,M[+Na]=772,M[+K]=788。化合物16を、HCl−酢酸エチルを使用して脱保護し、溶媒を蒸発させ、生成物を一晩乾燥させ、更なる精製をせずに次の反応に使用した。MS:M[+1]651、M[+Na]=673、M[+K]=688。粗生成物(0.009mmoles)を1mLのDMF中に溶解させ、Mal−TEG−NHSエステル(18mg、0.035mmoles)の0.5ml DCM中溶液を添加し、更にDIPEA(10〜20μL)を添加した。反応混合物を15分間撹拌し、溶媒を蒸発させ、逆相HPLCによって精製し、4.5mgの化合物17(48%の収率)を得た。MS:M[+1]=1049、M[+Na]=1071、M[+K]=1087。
本発明の明細書にて言及又は参照された全ての特許出願、特許、刊行物並びにその他の刊行された文書は、それらの内容を本発明において援用する旨の明確な記載が存在するのと同程度の意味合いにて、それらの内容が本発明において援用される。
本発明において幾つかの具体的な態様を示しつつ記載したが、当業者であれば、本発明の技術的範囲及び添付された特許請求の範囲から逸脱することなく種々の変更、また均等物への置換を容易に想到しうると考えられる。更に、本発明の課題、技術的思想及び技術的範囲に適応する態様にて、特定の条件、原料、物質の組成、プロセス、プロセス中の工程に多様な工夫を加えることが可能である。それらの全ての工夫は、本願にて添付された特許請求の範囲内に含まれると解釈すべきである。

Claims (28)

  1. 以下の構造を有する化合物。
    Figure 2008535845
    (式中、Lは自己犠牲スペーサーを表し、mは0、1、2、3、4、5又は6の整数であり、Xは切断可能基質であり、記号Dは以下の式を有する薬剤であり、
    Figure 2008535845
    式中、X及びZはO、S及びNR23から独立に選択され、R23が水素、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のヘテロアルキル及びアシル基から選択されるメンバーであり、Rは水素、置換若しくは非置換の低級アルキル、C(O)R又はCOであり、R1’は水素、置換若しくは非置換の低級アルキル又はC(O)Rであって、各Rは独立にNR10及びORから選択されるメンバーであって、R及びR10は独立に水素、置換若しくは非置換のアルキル及び置換若しくは非置換のヘテロアルキル基から選択されるメンバーであり、Rは水素、置換若しくは非置換の低級アルキル、非置換のヘテロアルキル、シアノ又はアルコキシル基であり、R2’は水素、置換若しくは非置換の低級アルキル又は非置換のヘテロアルキルであり、RはSR11、NHR11及びOR11からなる群から選択されるメンバーであり、R11は水素、置換されたアルキル、非置換のアルキル、置換されたヘテロアルキル、非置換のヘテロアルキル、二リン酸エステル、三リン酸、アシル、C(O)R1213、C(O)OR12、C(O)NR1213、P(O)(OR12、C(O)CHR1213、SR12及びSiR121314からなる群から選択されるメンバーのいずれかであり、R12、R13及びR14が水素、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のヘテロアルキル及び置換若しくは非置換のアリール基から独立に選択されるメンバーであるか、又はR12及びR13はそれらが結合する窒素又は炭素原子と結合して4〜6員環を有する置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキル環構造を形成し、任意に2つ以上のヘテロ原子を含んでもよく、Rは単結合であり、存在するか又は存在しなくてもよく、存在するときはRとRが結合してシクロプロピル環を形成し、RはCH−X又は−CH−であり、Rと結合して前記シクロプロピル環を形成し、Xは脱離基であり、R、R4’、R及びR5’は独立に水素、置換されたアルキル、非置換のアルキル、置換されたアリール、非置換のアリール、置換されたヘテロアリール、非置換のヘテロアリール、置換されたヘテロシクロアルキル、非置換のヘテロシクロアルキル、ハロゲン、NO、NR1516、NC(O)R15、OC(O)NR1516、OC(O)OR15、C(O)R15、SR15、OR15、CR15=NR16及びO(CHNR2425からなる群から選択されるメンバーであり、nが1から20の整数であり、R15及びR16は水素、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のヘテロアルキル、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキル及び置換若しくは非置換のペプチジル基から独立に選択され、R15及びR16はそれらが結合する窒素原子と、任意に結合し、4〜6員環を有する置換若しくは非置換のヘテロシクロアルキル環構造を形成し、任意に2つ以上のヘテロ原子を含んでもよく、R24及びR25は水素及び非置換のアルキル基から独立に選択され、R11、R12、R13、R15又はR16のうちの少なくとも1つは前記薬剤をL又はX(存在する場合)と結合させる。)
  2. 24及びR25が非置換のアルキル基である、請求項1記載の化合物。
  3. 少なくとも1つのR、R4’、R及びR5’がO(CHNR2425である、請求項2記載の化合物。
  4. がO(CHNR2425である、請求項3記載の化合物。
  5. がO(CHN(CHである、請求項4記載の化合物。
  6. がO(CHNHである、請求項1記載の化合物。
  7. 、R4’、R及びR5’が水素である請求項4記載の化合物。
  8. が存在せず、RがCH−Xであり、XがF、Cl又はBrである、請求項1記載の化合物。
  9. 、R1’、R及びR2’が水素である、請求項1記載の化合物。
  10. XがOであり、ZがOである、請求項1記載の化合物。
  11. Dが以下の式で表される、請求項1記載の化合物。
    Figure 2008535845
  12. Dが以下の式で表される、請求項1記載の化合物。
    Figure 2008535845
    (式中、XはF、Cl又はBrである。)
  13. Dが以下の式で表される、請求項1記載の化合物。
    Figure 2008535845
  14. Dが以下の式で表される、請求項1記載の化合物。
    Figure 2008535845
  15. が酵素基質である、請求項1記載の化合物。
  16. がペプチドを含んでなる、請求項1記載の化合物。
  17. がβ−AlaLeuAlaLeuを含んでなる、請求項16記載の化合物。
  18. がスクシニル−β−AlaLeuAlaLeuを含んでなる、請求項17記載の化合物。
  19. 以下の化合物である、請求項18記載の化合物。
    Figure 2008535845
  20. がβ−ラクタマーゼによって切断可能である、請求項1記載の化合物。
  21. がセファロスポリン誘導体を含んでなる、請求項1記載の化合物。
  22. 以下の化合物である、請求項21記載の化合物。
    Figure 2008535845
  23. 化合物が以下の式で表される、請求項1記載の化合物。
    Figure 2008535845
  24. 化合物が以下の式で表される、請求項1記載の化合物。
    Figure 2008535845
  25. 請求項1記載の化合物及び薬学的に許容できる担体を含んでなる医薬製剤。
  26. 細胞殺傷方法であって、前記細胞に細胞殺傷に十分な量の請求項1記載の化合物を投与することを含んでなる方法。
  27. 前記細胞が腫瘍細胞である、請求項26記載の方法。
  28. 哺乳類の患者の腫瘍の成長を遅延又は停止させる方法であって、前記患者にその成長を遅延又は停止させるのに十分な量の請求項1記載の化合物を投与することを含んでなる方法。
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