JP4061819B2 - インターストランドクロスリンク剤の合成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化学合成により製造し得る化合物を用いて2本鎖DNAを同時にアルキル化し、切断し得る化合物、これらの化合物を用いたDNAのアルキル化方法、2本鎖DNAの切断方法、及び、これらの化合物を用いた医薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ヒトゲノムプロジェクトにより我々の「生命の設計図」である全遺伝子の塩基配列が数年内に解明されようとしている。この設計図に傷があったり、後天的に傷がはいると、病気や老化を引き起こすことが知られている。ヒトゲノムプロジェクトの進展により癌を含む多くの疾病はDNAレベルで理解されるようになり、診断、予防などを中心とした医学全体が、革命的に変化するものと考えられる。さらに、これらの疾病のDNAレベルでの理解に基づいた治療法、すなわち病因遺伝子やその産物をターゲットとした医薬品の開発への期待も大きいが、基礎研究を臨床研究にかしてゆくための橋渡し的な研究はまだ、途についたばかりである。
癌についても、DNAレベルでの研究が行われているが、現在用いられている抗癌剤は、スクリーニングによって選択された抗生物質が多く、もともと癌細胞を殺すために微生物が産生したものではなく、癌の分子生物学的知見に基づいたものはほとんどない。細胞内の特定遺伝子の発現を細胞外から自由自在にコントロールすることが可能になれば、究極の遺伝子レベルでの治療法となると考えられる。
【0003】
ところで、遺伝情報を担うDNAが化学的に修飾を受けると、生命維持の根幹にあたる遺伝情報が損なわれ、細胞の突然変異や死滅が引き起こされる。また、正常細胞中のDNAへの共有結合による修飾は、がん化の原因となっていることが知られている一方で、逆にがん細胞中のDNAに作用することで、抗がん剤としても利用することができる。
DNAの二本鎖をクロスリンクさせる次式
【0004】
【化4】
Figure 0004061819
【0005】
で示されるようなインターストランドクロスリンク反応は、DNAの複製を完全に阻害することが様々な系で確認されており、一本鎖のアルキル化と比較して生体に対して非常に強い作用を有していることが知られている(S.R.Rajski and R.M.Williams, Chem. Rev., 98, 2723-2795(1998).)。
例えば、ファージの失活には平均1.3等量のインターストランドクロスリンク化が起これば充分であるのに対し、単純な一本鎖のアルキル化では280等量のアルキル化剤を必要とするとされている(P.D.Lawley, J.H.Lethbridge, P.A.Edwards, K.V.Shooter, J. Mol. Biol., 39, 181(1969).)。
【0006】
典型的なインターストランドクロスリンク反応を起こす抗がん性抗生物質としてマイトマイシンやカルチノフィリンAが知られている。また、これまでにビゼレシンを代表とするDNAインターストランドクロスリンクする化合物が数多く合成されている。DNAインターストランドクロスリンク反応を起こすことが報告されている代表的な化合物としては、次に示すマイトマイシン、カルチノフィリンAやナイトロジェンマスタードなどが知られている。
【0007】
【化5】
Figure 0004061819
【0008】
これらのマイトマイシンやナイトロジェンマスタード(mechlorethamine)などは、有効な抗がん剤として現在も臨床で利用されている。
現在までに様々なインターストランドクロスリンク剤の塩基配列特異性が詳細に調べられている(a) S.-J.Lee, F.C.Seaman, D.Sun, H.Xiong, R.C.Kelly, L.H.Hurley, J. Am. Chem. Soc., 119, 3434-3442(1997); b) J.T.Millard, R.J.Spencer, P.B.Hopkins, Biochemistry, 37, 5211-5219(1998); c) T.Fujiwara, I.Saito, H.Sugiyama, Tetrahedron Lett., 40, 315-318(1999).)。しかし、それらの化合物の抗がん性とインターストランドクロスリンク剤の塩基配列選択性との相関については全く明らかにされていない。さらに、任意の塩基配列でインターストランドクロスリンクする化合物の分子設計には成功していない。また、これまでに合成されているDNAインターストランドクロスリンク剤は一般的に反応の効率が著しく低い。例えば、DNA中の5’−GNC塩基配列に対してクロスリンク能を有することが知られているマスタードによるインターストランドクロスリンク体は使用しているDNAに対してわずかに数%しか生成しているにすぎない(Y.-H.Fan and B.Gold, J. Am. Chem. Soc., 121, 11942-11946(1999).)。
従って、効率よいDNAインターストランドクロスリンク剤の開発が極めて重要になってきている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、効率よいDNAインターストランドクロスリンク剤、そのための化合物、及びそれを用いた医薬組成物を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、すでにDNA塩基配列認識能をもつピロール−イミダゾールジアミド部とデュオカルマイシンセグメントの間にビニル基を導入した次式(1)
【0011】
【化6】
Figure 0004061819
【0012】
で表されるハイブリット分子(1)のDNAアルキル化能を解析してきた。このハイブリット分子(1)はホモダイマーを形成して次式で表されるような、
【0013】
【化7】
Figure 0004061819
【0014】
DNA中の特定の塩基配列に対して選択的にダブルアルキル化することを明らかにしてきた。この化合物は、ビニル基をリンカーLとするA−L−B−R型
(式中、BはDNAの塩基配列を認識できる化学構造を示し、AはDNAの塩基の一種に結合し得る化学構造を示し、LはA及びBの化学構造を結合させ得るリンカーを示し、Rはアルキル基などの末端基を示す。)
の構造を有する分子である(特願平11−83591号参照)。
そこで、本発明者らは、この型の分子を基本として検討してきたところ、この型の分子を異なる長さのスペーサーで連結した化合物が効率よいDNAインターストランドクロスリンク能を有する化合物であることを見出した。
【0015】
本発明は、一般式(I)
A−L−B−X−B−L−A (I)
(式中、各々のBはDNAの塩基配列を認識できる化学構造を示し、各々のAはDNAの塩基の一種に結合し得る化学構造を示し、LはA及びBの化学構造を結合させ得るリンカーを示し、XはA−L−Bコンポーネントを結合させるスペーサーを示す。)
で表されるDNAの2本鎖をインターストランドクロスリンクすることができる化合物に関する。
また、本発明は前記化合物を用いるDNAをインターストランドクロスリンクする方法、DNAのインターストランドクロスリンク剤、及びこれを含有してなる医薬組成物に関する。
【0016】
本発明者らは、インターストランドクロスリンク能を有する化合物を開発する目的で、例えばハイブリット分子(1)を異なる長さのスペーサーで連結した化合物(7a−d)を、次に示すスキーム、
【0017】
【化8】
Figure 0004061819
【0018】
(式中、Xは、
【0019】
【化9】
Figure 0004061819
【0020】
を示す。)
に従って合成した。化合物(7a−d)の合成は、ジアミド誘導体(3)にそれぞれ対応するスペーサーとなる活性化したカルボニル化合物を縮合させることにより行った。
まず、N−メチル−2−ピロールアルデヒドを硝酸などでニトロ化した後、(EtO)P(O)CHCOEtなどのウイティッヒ型の試薬を用いてエステル体(2)とする。得られたエステル体(2)をNaBHなどの金属水素化物などで還元してアミノ体とし、これに1−メチル−3−ニトロ−5−トリクロロアセチルイミダゾールを反応させてイミダゾール−ピロール化合物(3)とする。これを前記と同様な方法によりニトロ基を還元してアミノ基とし、これに目的物に応じた酸ハロゲン化物、またはカルボニルジイミダゾール(CDI)を反応させることにより二量体化合物(4a−d)とする。次いで、両末端のエステル基を加水分解して遊離カルボン酸体(5a−d)とし、これをCDIを用いて活性アミド体(6a−d)とした後、これに抗生物質DU86のセグメントA部分を反応させて目的の化合物(7a−d)とした。
この合成法は、同種の対称二量体の合成に対して応用可能な汎用性の高い手法であり、本発明の化合物はこの方法に準じて製造することができる。
【0021】
本発明を前記した化合物(7a−d)を例にして、具体的に説明する。
これらの化合物を用いた2本鎖DNAのインターストランドクロスリンク反応を次の18塩基及び15塩基のDNA対を用いて実験した。
Figure 0004061819
このODN−18の5’末端側をテキサスレッド(TXRed)で標識したヌクレオチドをTXR−18と呼ぶことにする。
また、この実験には補助試薬として次式、
【0022】
【化10】
Figure 0004061819
【0023】
で表される化合物(この化合物を本明細書では、ImImPyという。)を用いた。このImImPyは、本明細書における「DNAの塩基配列を認識できる化学構造を有する物質」として使用された。
前記したDNAに、本発明の化合物(7a−d)、及び必要によりImImPyを添加して、DNAオリゴマーに対する化合物(7a−d)のインターストランドクロスリンク反応について、ポリアクリルアミドゲル電気泳動を用いた解析を行った。
【0024】
結果を図1に図面に代わる写真として示す。図1の、
レーン1はTXR−18(3μM)とODN−15(6μM)のみの場合を示し、
レーン2はTXR−18(3μM)とODN−15(6μM)にImImPy(100μM)を添加した場合を示し、
レーン3はTXR−18(3μM)とODN−15(6μM)に化合物(7a)(50μM)を添加した場合を示し、
レーン4はTXR−18(3μM)とODN−15(6μM)に化合物(7a)(50μM)及びImImPy(100μM)を添加した場合を示し、
レーン5はTXR−18(3μM)とODN−15(6μM)に化合物(7b)(50μM)及びImImPy(100μM)を添加した場合を示し、
レーン6はTXR−18(3μM)とODN−15(6μM)に化合物(7c)(50μM)及びImImPy(100μM)を添加した場合を示し、
レーン7はTXR−18(3μM)とODN−15(6μM)に化合物(7d)(50μM)及びImImPy(100μM)を添加した場合を示す。
【0025】
その結果、化合物(7a)は単独では反応はほとんど観察できなかったが(レーン3)、ImImPyが存在すると、出発原料のDNAフラグメントTXR−18は泳動度の低いバンドに変化した(レーン4)。他のスペーサーをもつ化合物(7b−d)では、化合物単独でもImImPyを併用してもレーン4で観察されたような泳動度の低いバンドは殆ど生成しなかった(レーン5、6、7)。これらの事実は化合物(7a)とImImPyを併用した場合に極めて特異的なDNAオリゴマーTXR−18に対する反応が起こったことを示している。
【0026】
次に、先に観察されたバンドがインターストランドクロスリンク体に由来するものであることを確認するために、上のストランド(TXR−18)と下のストランド(TXR−18R)を別々にラベルしたオリゴマーからなる2組のDNA対を用いた実験を行った。即ち、前記のTXR−18とODN−15の対と、次に示すODN−15RとTXR−18Rとの対を用いた。
5’−CAGTGGCTGCCAGCA−3’ (ODN−15R)
3’−GTCACCGACGGTCGTATT−5’ (ODN−18R)
使用したTXR−18Rは、前記したODN−18Rの5’末端側をテキサスレッド(TXRed)で標識したヌクレオチドである。
さらにこの実験には標品として次のヌクレオチドTXR−14及びTXR−14Rを用いた。
5’−TTACAGTGGCTGCC−3’ (ODN−14)
3’−CCGACGGTCGTATT−5’ (ODN−14R)
これらの塩基配列はいずれもODN−18又はODN18Rの5’末端側の塩基配列と同じになるように設計されている。TXR−14は、前記したODN−14の5’末端側をテキサスレッド(TXRed)で標識したヌクレオチドであり、同様に、TXR−14RはODN−14Rの5’末端側をテキサスレッド(TXRed)で標識したヌクレオチドである。
【0027】
この結果を図2に図面に代わる写真として示す。図2の
レーン1は、TXR−18(3μM)とODN−15(6μM)のみの場合を示し、
レーン2は、TXR−18(3μM)とODN−15(6μM)に化合物(7a)(50μM)及びImImPy(100μM)を添加した場合を示し、
レーン3は、前記レーン2において、さらに90℃で20分加熱処理した後、90℃で20分間ピペリジン処理した場合を示し、
レーン4は、前記レーン3において、さらに37℃で2時間アルカリ脱リン酸化酵素処理した場合を示し、
レーン5は、標品のTXR−14を示し、
レーン6は、TXR−18R(3μM)とODN−15R(6μM)のみの場合を示し、
レーン7は、TXR−18R(3μM)とODN−15R(6μM)に化合物(7a)(50μM)及びImImPy(100μM)を添加した場合を示し、
レーン8は、前記レーン7において、さらに90℃で20分加熱処理した後、90℃で20分間ピペリジン処理した場合を示し、
レーン9は、前記レーン8において、さらに37℃で2時間アルカリ脱リン酸化酵素処理した場合を示し、
レーン10は、標品のTXR−14Rを示す。
【0028】
この実験により、インターストランドクロスリンク体と考えられる新たな生成物を確認した(レーン2及び7)。これに対し、加熱処理、ピペリジン処理を行うと、切断されたフラグメントが得られた(レーン3及び9)。さらに、このフラグメントをAP(alkaline phosphatase)処理すると泳動度が減少した(レーン4及び8)。この生成物は別に合成した標品とポリアクリルアミドゲル電気泳動で同一物であることを確認した(レーン5及び10)。
この実験結果は、化合物(7a)とImImPyによって、DNAオリゴマー上の2個所のアデニン部位で配列選択的にアルキル化されていたことを示している。つまり、反応によって泳動速度の大きな変化が観察された事実と併せて考えれば、ほぼ定量的にDNAに対するインターストランドクロスリンク反応が進行することが確認された。
【0029】
これらの結果、ピロール−イミダゾールポリアミドCPIコンジュゲート体(7a)はピロール−イミダゾールの塩基配列認識のルール(a) P.B.Dervan, et al., Nature, 282, 111-115(1998); b) T.Fujiwara, Z.-F.Tao, Y.Ozeki, I.Saito, A.H.-J.Wang, M.Lee, H.Sugiyama, J. Am. Chem. Soc., 121, 7706-7707(1999).参照)に従ったトリアミドの存在下のみDNAを効率よくインターストランドクロスリンクすることが明らかとなった。化合物(7a)とImImPyによるインターストランドクロスリンク体の構造を図3に示す。
【0030】
次に、インターストランドクロスリンク体の塩基配列特異性を検討した。
この化合物(7a)とImImPyによるインターストランドクロスリンクの配列特異性を検討するために、ImImPyと他の3種のトリアミド存在下での化合物(7a)のクロスリンク反応に変化を調べた。この実験で使用したトリアミドの構造を次に示す。
【0031】
【化11】
Figure 0004061819
【0032】
即ち、ImImPyは、X=Nで、Y=Nで、Z=CHのものであり、
ImImImは、X=Nで、Y=Nで、Z=Nのものであり、
ImPyPyは、X=Nで、Y=CHで、Z=CHのものであり、
PyImPyは、X=CHで、Y=Nで、Z=CHのものである。
この結果を、図4に図面に代わる写真として示す。図4の
レーン1は、TXR−18(3μM)とODN−15(6μM)のみの場合を示し、
レーン2は、TXR−18(3μM)とODN−15(6μM)に化合物(7a)(50μM)及びImImPy(100μM)を添加した場合を示し、
レーン3は、TXR−18(3μM)とODN−15(6μM)に化合物(7a)(50μM)及びImImIm(100μM)を添加した場合を示し、
レーン4は、TXR−18(3μM)とODN−15(6μM)に化合物(7a)(50μM)及びImPyPy(100μM)を添加した場合を示し、
レーン5は、TXR−18(3μM)とODN−15(6μM)に化合物(7a)(50μM)及びPyImPy(100μM)を添加した場合を示す。
【0033】
この結果、ImImImを用いた系(レーン3)においても効率は若干低下するもののクロスリンク体の生成が明確に観察された。しかし、他のトリアミドを用いた系(レーン4及び5)では、クロスリンク体の生成はほとんど確認することはできなかった。これらの結果は、図3に示すモデルに基づいて任意の配列でDNAのインターストランドクロスリンク反応が行える可能性を示している。
【0034】
さらに、インターストランドクロスリンク反応の最適条件の検討を行った。
化合物(7a)とImImPyによるインターストランドクロスリンク反応における最適の塩基配列の間隔を調べる実験を行うために次の塩基を用いた実験を行った。
Figure 0004061819
5’末端側のTXRedは、テキサスレッドでの標識を示す。
n=0の場合の、上段のものをTXR−17と称し、下段のものをODN−14と称する。n=1の場合の、上段のものをTXR−18と称し、下段のものをODN−15と称する。n=2の場合の、上段のものをTXR−19と称し、下段のものをODN−16と称する。n=3の場合の、上段のものをTXR−20と称し、下段のものをODN−17と称する。
【0035】
この結果を、図5に図面に代わる写真として示す。図5の
レーン1は、n=0のもので、TXR−17(3μM)とODN−14(6μM)に化合物(7a)(50μM)及びImImPy(100μM)を添加した場合を示し、
レーン2は、n=1のもので、TXR−18(3μM)とODN−15(6μM)に化合物(7a)(50μM)及びImImPy(100μM)を添加した場合を示し、
レーン3は、n=2のもので、TXR−19(3μM)とODN−16(6μM)に化合物(7a)(50μM)及びImImPy(100μM)を添加した場合を示し、
レーン4は、n=3のもので、TXR−20(3μM)とODN−17(6μM)に化合物(7a)(50μM)及びImImPy(100μM)を添加した場合を示す。
【0036】
この結果、n=0の場合(レーン1)には全くクロスリンク体を確認することはできなかったが、n=2の場合(レーン3)においては先に述べてきたn=1の場合(レーン2)と同様の定量的なインターストランドクロスリンク反応が起こっていることがわかった。しかしながら、n=3の場合(レーン4)には20%程のクロスリンク体が観察されたにとどまった。
【0037】
さらに、試薬濃度と等量比の反応条件についても検討を行った結果、最終的にTexas Red-18(3μM)に対して、化合物(7a)、ImImPyをそれぞれ25μMにまで下げた条件まで定量的なクロスリンク反応を確認することができた。
これらの結果、化合物(7a)とImImPyなどによる協同的インターストランドクロスリンク反応を確立することができた。
さらに最適のトリアミドとクロスリンカーを設計することで、任意の塩基配列を有するDNAサイトにのみ選択的にインターストランドクロスリンクする能力をもつテーラーメイドドラッグを実現することができるようになる。
【発明の実施の態様】
【0038】
本発明の一般式(I)
A−L−B−X−B−L−A (I)
(式中、各々のBはDNAの塩基配列を認識できる化学構造を示し、各々のAはDNAの塩基の一種に結合し得る化学構造を示し、LはA及びBの化学構造を結合させ得るリンカーを示し、XはA−L−Bコンポーネントを結合させるスペーサーを示す。)
で表されるDNAの2本鎖をインターストランドクロスリンクすることができる化合物は、2個の(A−L−B)コンポーネントをスペーサーXで相互に連結させた構造を有することを特徴とするものである。
【0039】
(A−L−B)コンポーネントの中のB部分は、DNAの塩基配列を認識できる化学構造を有するものであり、好ましくは置換基を有してもよいピロール(本明細書ではPyと略称する。)及び/又はイミダゾール(本明細書ではImと略称する。)から誘導される化学構造などであり、これの置換基を有してもよいピロール環や置換基を有してもよいイミダゾール環をアミド結合で結合させた化学構造が好ましい。この部分の化学構造とこれに結合するDNAの塩基配列については、a) P.B.Dervan, et al., Nature, 282, 111-115(1998); b) T.Fujiwara, Z.-F.Tao, Y.Ozeki, I.Saito, A.H.-J.Wang, M.Lee, H.Sugiyama, J. Am. Chem. Soc., 121, 7706-7707(1999).などの公知技術を参照することができる。
【0040】
(A−L−B)コンポーネントの中のA部分は、DNAの塩基の一種に結合し得る化学構造を有する部分であり、DNA中の塩基と共有結合形成できるものが好ましい。好ましいA部分としてはDNAをアルキル化する抗癌抗生物質のアルキル化部分であって、シクロプロパン環やアジリジン環などを有する化学構造がさらに好ましい。
(A−L−B)コンポーネントの中のリンカーLは、A部分及びB部分の化学構造を結合させ得るものであればよく、これによりDNAの塩基をアルキル化する部分とDNAの塩基配列を認識し得る部分とを一体化することが可能となる。即ち、DNAの特定の塩基配列の部分を特異的に認識し、当該認識部位に応じた塩基を特異的にアルキル化して結合することが可能となる。
リンカーLとしては、適当な長さを有し、即ち原子数が2〜10個、好ましくは2〜5個程度を有し、A部分とB部分を化学結合させ得るものであればよい。好ましいリンカーLとしてはビニル基を含有する化学構造が挙げられる。
好ましい(A−L−B)−コンポーネントとしては、次式(II)
【0041】
【化12】
Figure 0004061819
【0042】
又は次式(III)
【0043】
【化13】
Figure 0004061819
【0044】
で表される基などが挙げられる。
(A−L−B)コンポーネントを結合させるスペーサーXとしては、適当な長さを有し、即ち原子数が1〜15個、好ましくは2〜8個程度を有し、2個の(A−L−B)コンポーネントを化学結合させ得るものであればよい。例えば、カルボニル基又は炭素数2〜15、好ましくは2〜8の有機ジカルボン酸から誘導されるアシル基などが挙げられる。有機ジカルボン酸としては飽和又は不飽和の脂肪族ジカルボン酸、飽和又は不飽和の環式脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、芳香脂肪族ジカルボン酸、複素環式カルボン酸などが挙げられる。
スペーサーXとしては、−CO−基、−CO−CH=CH−CO−基、−CO−(CH−CO−基、又は、−CO−(p−C)−CO−基などが挙げられるが、脂肪族飽和ジカルボン酸のアシル基が好ましく、より具体的には−CO−(CH−CO−基などが好ましい。
【0045】
本発明は、前記した本発明の化合物のいずれかを用いて、2本鎖DNAの特定の塩基配列部分をインターストランドクロスリンクする方法を提供する。この本発明の方法においては、さらにDNAの塩基配列を認識できる化学構造を有する物質、例えばImImPy、ImImImなどのトリアミドの存在下に行うのが好ましい。
本発明の方法によりインターストランドクロスリンクする場合には、(A−L−B)コンポーネントの中のB部分のDNAの塩基配列を認識できる化学構造により、DNAの特定の塩基配列部分に特異的にインターストランドクロスリンクすることができる。例えば、本発明の化合物として前記した化合物(7a)などを用いた場合には、DNAのTGGC若しくはGCCA又はそれらの相補鎖部分にインターストランドクロスリンクすることができる。
【0046】
また、本発明は、前記した本発明の化合物からなる、2本鎖DNAのインターストランドクロスリンク剤を提供する。本発明のインターストランドクロスリンク剤は効率よく、しかもDNAの特定の塩基配列部分インターストランドクロスリンクすることができる。
本発明のインターストランドクロスリンク剤は、DNAの特定の塩基配列の部分にインターストランドクロスリンクすることができるので、遺伝子の異常による各種の疾患の治療又は予防に有用である。特に癌遺伝子に対してその発現の予防、治療に有用となる。したがって、本発明は前記した本発明の化合物及び製薬上許容される担体からなる医薬組成物を提供するものである。本発明の医薬組成物は、遺伝子の異常に伴う各種疾患、例えば癌の治療又は予防に有用である。
【0047】
【実施例】
次に、実地例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0048】
実施例1 化合物(7a)の製造
(1) 化合物(2)の製造
濃硫酸(1.5ml、35.7mmol)の無水酢酸溶液(3ml)中に1−メチル−2−ピロールアルデヒド(3.0g、27.5mmol)の無水酢酸溶液(5ml)を−40℃下で40分間ゆっくりと滴下した。反応混合物を−10℃下で2時間攪拌した後、そこにヘキサン(100ml)を加えた。生じた沈殿物を桐山ロートを用いて集め、ヘキサン(10ml x 2)で洗浄することにより黄色粗結晶(1.43g、34%)を得た。さらなる精製に付すことなく直ちにこのものを次の反応に用いた。
水素化ナトリウム(372mg、9.29mmol、60% oil suspension)のTHF(5ml)溶液中に2−ジエチルホスホノ酢酸エチルエステル(triethylphosphonoacetate)(1.93ml、9.75mmol)を0℃下でゆっくりと加えた。さらに、1−メチル−4−ニトロ−2−ピロールアルデヒド(1.43g、9.29mmol)のTHF(10ml)溶液を0℃下で加えた後、反応混合物を室温下で2時間攪拌した。反応溶液の溶媒を留去し蒸留水(10ml)を加えた。水層を酢酸エチル(100ml x 2)を用いて抽出した。有機層を集め無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、濾過、濃縮し残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(25→50% EtOAc in hexane, gradient elution)にて精製することにより化合物(2)(1.69g、81%)を得た。
【0049】
H NMR(CDCl) δ
1.34(t, J=7.0Hz, 3H), 3.77(s, 3H), 4.26(q, J=7.0Hz, 2H),
6.31(d, J=16.0Hz, 1H), 7.11(d, J=1.5Hz, 1H),
7.48(d, J=16.0Hz, 1H), 7.56(d, J=1.5Hz, 1H).
13C NMR(CDCl) δ
14.3, 35.4, 60.8, 106.1, 118.4, 125.3, 129.8, 130.1,
136.7, 166.5.
MS(FAB+) 225[M].
【0050】
(2) 化合物(3)の製造
化合物(2)(500mg、2.23mmol)の無水メタノール(25ml)溶液中に10%パラジウム−炭素(220mg)を加えた。さらに水素化ホウ素ナトリウム(153mg、4.04mmol)の蒸留水(3ml)溶液を0℃下で滴下した後、反応混合物を室温下で20分攪拌した。反応溶液をセライトにて濾過した後、酢酸エチル(500ml)を加えた。有機層を蒸留水(10ml)にて洗浄した後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、濾過、濃縮し褐色粗結晶(461mg)を得た。さらなる精製に付すことなく直ちにこのものを次の反応に用いた。
粗結晶の無水塩化メチレン(10ml)溶液中にエチルジイソプロピルアミン(0.52ml、2.98mmol)と別途合成した1−メチル−4−ニトロ−2−トリクロロアセチルイミダゾール(ONImCOCCl)(550mg、2.02mmol)を、順次0℃下で加えた後、反応混合物を室温下で1時間攪拌した。反応溶液の溶媒を留去して得た残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(30→50% EtOAc(ヘキサン中))にて精製することにより、化合物(3)(400mg、52% for 2 steps)を得た。
【0051】
H NMR(CDCl) δ
1.33(t, J=7.0Hz, 3H), 3.71(s, 3H), 4.21(s, 3H),
4.25(q, J=7.0Hz, 2H), 6.16 (d, J=16.0Hz, 1H),
6.62(d, J=l.5Hz, 1H), 7.32(d, J=l.5Hz, 1H),
7.55(d, J=16.0Hz, 1H), 7.82(s, 1H), 8.97(brs, 1H).
13C NMR(CDCl) δ
14.3, 34.4, 37.1, 60.3, 102.5, 114.2, 117.9, 122.1, 124.4,
127.6, 131.4, 137.2, 145.3, 154.4, 167.4.
MS(FAB+) 347[M+].
【0052】
(3) 化合物(4a)の製造
化合物(3)(250mg、0.72mmol)の無水メタノール−酢酸エチル(1:1、10ml)混合溶液中に10%パラジウム−炭素(120mg)を加えた。さらに水素化ホウ素ナトリウム(54.5mg、1.44mmol)の蒸留水(0.5ml)溶液を0℃下で滴下した後、反応混合物を室温下で20分攪拌した。反応溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc)にて濾過した後、溶媒を留去して褐色粗結晶(141mg)を得た。さらなる精製に付すことなく直ちにこのものを次の反応に用いた。
粗結晶の無水塩化メチレン(2ml)溶液中にエチルジイソプロピルアミン(0.25ml、1.33mmol)とアジポイル−ジクロライド(adipoyl chloride)(32μl、0.22mmol)を、順次0℃で加えた後、反応混合物を室温下で14時間攪拌した。反応溶液の溶媒を留去して得た黄色残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(0→3% MeOH in CHCl)にて精製することにより化合物(4a)(96.2mg、36% for 2 steps)を得た。
【0053】
H NMR(CDCl) δ
1.32(t, J=6.5Hz, 6H), 1.81(s, 4H), 2.42(s, 4H), 3.67(s, 6H),
4.04(s, 6H), 4.24(q, J=6.5Hz, 4H), 6.10(d, J=15.5Hz, 2H),
6.51(s, 2H), 7.34(s, 2H), 7.41(s, 2H), 7.53(d, J=15.5Hz, 2H),
8.04(brs, 2H), 8.80(brs, 2H).
13C NMR(5%CDOD in CDCl) δ
14.1, 24.8, 34.1, 34.5, 34.6, 60.3, 102.3, 112.9, 114.3,
118.0, 122.8, 127.1, 131.8, 133.7, 135.8, 155.8, 168.0, 171.0.
MS(ESI+) 744.6[M].
【0054】
(4) 化合物(5a)の製造
4a(76.2mg、0.10mmol)の蒸留水(0.6ml)懸濁液中に1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(DBU:1,8-diazabicyclo[5.4.0]undec-7-ene)(0.6ml、4.01mmol)を加えた反応溶液を室温下で15時間攪拌した。反応の終結をHPLC(0→100% 50mmol酸アンムニウム水溶液−アセトニトリル, 20min、254nm)で確認した後、反応溶液の溶媒を留去して得た褐色残留物をジエチルエーテル(10ml)、酢酸エチル(10ml)を用いて結晶化させた。得られたDBU塩化合物を1%希塩酸を用いて脱塩した後、生じた沈殿物を桐山ロートを用いて集め減圧下乾燥することにより5a(40.0mg、57%)を得た。
【0055】
H NMR(DMSO-d) δ
1.58(s, 4H), 2.32(s, 4H), 3.68(s, 6H), 3.94(s, 6H),
6.03(d, J=15.5Hz, 2H), 6.80(s, 2H), 7.41(s, 2H), 7.43(s, 2H),
7.46(d, J=15.5Hz, 2H), 9.89(brs, 2H), 10.24(brs, 2H).
MS(ESI+) 688.5[M+].
【0056】
(5)化合物(6a)の製造
5a(30.0mg、43,6μmol)の無水ジメチルホルムアミド(1ml)溶液中に1,1’−カルボニルジイミダゾール(1,1'-carbonyldiimidazole)(CDI)(42mg、261μmol)を加えた反応溶液を、室温下で15時間攪拌した。反応溶液の溶媒を留去して得た黄色残留物をジエチルエーテル(10ml)を用いて結晶化を行い化合物(6a)(35.7mg、100%)を得た。
【0057】
H NMR(DMSO-d) δ
1.59(s, 4H), 2.34(s, 4H), 3.78(s, 6H), 3.96(s, 6H),
7.11(s, 2H), 7.16(d, J=14.5Hz, 2H), 7.32(s, 2H),
7.45(s, 2H), 7.49(s, 2H), 7.87(d, J=14.5Hz, 2H),
7.90(s, 2H), 8.68(s, 2H), 10.07(brs, 2H), 10.23(brs, 2H).
【0058】
(6) 化合物(7a)の製造
水素化ナトリウム(2.6mg、64.4μmol、60% oil suspension)の無水ジメチルホルムアミド(0.2ml)溶液中に、別途合成したDU86のセグメントA(12.5mg、48.3μmol)の無水ジメチルホルムアミド(0.2ml)溶液を0℃下で加えた後、化合物(6a)(13.6mg、17.2μmol)の無水ジメチルホルムアミド(0.2ml)溶液を加えた反応溶液を0℃下で4時間攪拌した。反応溶液中に10mMリン酸ナトリウム(2ml)緩衝溶液を0℃下で加えた後、減圧下溶媒を留去し黄色残留物を得た。粗結晶を桐山ロート上で蒸留水(10ml)、メタノール(10ml)、ジエチルエーテル(10ml)にて順次洗浄し、減圧下乾燥することによって標記の化合物(7a)(12.2mg、61%)を得た。
【0059】
H NMR(DMSO-d) δ
1.29(m, 2H), 1.58(s, 4H), 2.09(m, 2H), 2.33(s, 4H),
2.47(s, 6H), 3.45(m, 2H), 3.72(s, 6H), 3.73(s, 6H),
3.95(s, 6H), 4.18(m, 2H), 4.28(m, 2H),
6.57(d, J=14.5Hz, 2H), 6.83(brs, 2H), 6.99(s, 2H),
7.41(s, 2H), 7.44(s, 2H), 7.58(d, J=14.5Hz, 2H),
9.98(s, 2H), 10.23 (s, 2H), 12.36(brs, 2H).
MS(ESI+) 1168.6[M].
【0060】
実施例2 化合物(7b)の製造
(1) 化合物(4b)の製造
実施例1の(2)で製造した化合物(3)(420mg、1.21mmol)の無水メタノール−酢酸エチル(1:1、30ml)混合溶液中に10%パラジウム−炭素(200mg)を加えた。さらに水素化ホウ素ナトリウム(106mg、2.80mmol)の蒸留水(1ml)溶液を0℃下で滴下した後、反応混合物を室温下で20分攪拌した。反応溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc)にて濾過した後、溶媒を留去して褐色粗結晶(327mg)を得た。さらなる精製に付すことなく直ちにこのものを次の反応に用いた。
粗結晶の無水塩化メチレン(10ml)溶液中にエチルジイソプロピルアミン(0.6ml、3.63mmol)とテレフタル酸ジクロライド(terephtaloyl chloride)(122mg、0.61mmol)を、順次0℃下で加えた後、反応混合物を室温下で2時間攪拌した。反応溶液の溶媒を留去して得た黄色残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(0→3% MeOH in CHCl)にて精製することにより化合物(4b)(223mg、48% for 2 steps)を得た。
【0061】
H NMR(CDCl) δ
1.33(t, J=7.5Hz, 6H), 3.71(s, 6H), 4.12(s, 6H),
4.25(q, J=7.5Hz, 4H), 6.13(d, J=16.0Hz, 2H),
6.55(s, 2H), 7.38(s, 2H), 7.56(d, J=16.0Hz, 2H),
7.61(s, 2H), 8.02(s, 4H), 8.38(brs, 2H), 8.82(brs, 2H).
【0062】
(2) 化合物(5b)の製造
化合物(4b)(30.0mg、0.04mmol)の蒸留水(0.2ml)懸濁液中に1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(1,8-dazabicyclo[5.4.0]undec-7-ene)(DBU)(0.2ml、1.34mmol)を加えた反応溶液を室温下で12時間攪拌した。反応の終結をHPLC(0→100% 50mmol酸アンモニウム水溶液−アセトニトリル, 20min、254nm)で確認した後、反応溶液の溶媒を留去して得た褐色残留物をジエチルエーテル(10ml)、酢酸エチル(10ml)を用いて結晶化させた。得られたDBU塩化合物を1%希塩酸を用いて脱塩した後、生じた沈殿物を桐山ロートを用いて集め減圧下乾燥することにより化合物(5b)(21.5mg、85%)を得た。
【0063】
H NMR(DMSO-d) δ
3.68(s, 6H), 4.00(s, 6H), 6.04(d, J=16.0Hz, 2H), 6.81(s, 2H),
7.43(s, 2H), 7.46(d, J=16.0Hz, 2H), 7.66(s, 2H), 8.10(s, 4H),
9.95(s, 2H), 10.95(s, 2H).
【0064】
(3) 化合物(6b)の製造
化合物(5b)(54.5mg、79.9μmol)の無水ジメチルホルムアミド(3ml)溶液中に、CDI(76mg、231μmol)を加えた反応溶液を室温下で15時間攪拌した。反応溶液の溶媒を留去して得た黄色残留物をジエチルエーテル(10ml)を用いて結晶化を行い化合物(6b)(63.0mg、97%)を得た。
H NMR(DMSO-d) δ
3.79(s, 6H), 4.02(s, 6H), 7.10(s, 2H), 7.17(d, J=15.0Hz, 2H),
7.32(s, 2H), 7.50(s, 2H), 7.68(s, 2H), 7.87(d, J=15.0Hz, 2H),
7.90(s, 2H), 8.11(s, 4H), 8.67(s, 2H), 10.15(s, 2H),
10.96(s, 2H).
【0065】
(4) 化合物(7b)の製造
水素化ナトリウム(4.5mg、112.5μmol、60% oil suspension)の無水ジメチルホルムアミド(0.1ml)溶液中に、別途合成したDU86のセグメントA(21.0mg、81.3μmol)の無水ジメチルホルムアミド(0.1ml)溶液を0℃下で加えた後、化合物(6b)(21.0mg、24.9μmol)の無水ジメチルホルムアミド(0.8ml)溶液を加えた反応溶液を0℃下で18時間攪拌した。反応溶液中に10mMリン酸ナトリウム(2ml)緩衝溶液を0℃下で加えた後、減圧下溶媒を留去し黄色残留物を得た。粗結晶を桐山ロート上で蒸留水(10ml)、メタノール(10ml)、ジエチルエーテル(10ml)にて順次洗浄し、減圧下乾燥することによって標記の化合物(7b)(24.5mg、83%)を得た。
【0066】
H NMR(DMSO-d) δ
1.30(m, 2H), 2.09(m, 2H), 2.47(s, 6H), 3.46(m, 2H),
3.74(s, 12H), 4.02(s, 6H), 4.20(m, 2H), 4.29(m, 2H),
6.60(d, J=15.0Hz, 2H), 6.83(brs, 2H), 7.01(s, 2H),
7.43(s, 2H), 7.58(d, J=15.0Hz, 2H), 7.68(s, 2H),
8.12(s, 4H), 10.05(s, 2H), 10.96(s, 2H), 12.36(brs, 2H).
MS(ESI+) 1188.9[M].
【0067】
実施例3 化合物(7c)の製造
(1) 化合物(4c)の製造
実施例1の(2)で製造した化合物(3)(200mg、0.58mmol)の無水メタノール−酢酸エチル(1:1、20ml)混合溶液中に10%パラジウム−炭素(100mg)を加えた。さらに水素化ホウ素ナトリウム(44mg、1.15mmol)の蒸留水(0.5ml)溶液を0℃下で滴下した後、反応混合物を室温下で20分攪拌した。反応溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc)にて濾過した後、溶媒を留去して褐色粗結晶(93mg)を得た。さらなる精製に付すことなく直ちにこのものを次の反応に用いた。
粗結晶の無水塩化メチレン(2ml)溶液中にエチルジイソプロピルアミン(0.15ml、0.88mmol)とフマル酸ジクロライド(fumaryl chloride)(16μl、0.15mmol)を順次0℃下で加えた後、反応混合物を室温下で12時間攪拌した。反応溶液の溶媒を留去して得た黄色残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(0→3% MeOH in CHCl)にて精製することにより化合物(4c)(50.1mg、41% for 2 steps)を得た。
【0068】
H NMR(DMSO-d) δ
1.25(t, J=7.0Hz, 6H), 3.70(s, 6H), 3.98(s, 6H),
4.16(q, J=7.0Hz, 4H), 6.11(d, J=16.0Hz, 2H), 6.85(s, 2H),
7.26(s, 2H), 7.45(s, 2H), 7.52(d, J=16.0Hz, 2H),
7.61(s, 2H), 9.97(s, 2H), 10.90(s, 2H).
【0069】
(2) 化合物(5c)の製造
化合物(4c)(40.1mg、0.06mmol)の蒸留水(0.3ml)懸濁液中にDBU(0.3ml、2.00mmol)を加えた反応溶液を室温下で17時間攪拌した。反応の終結をHPLC(0→100% 50mmol酸アンモニウム水溶液−アセトニトリル, 20min、254nm)で確認した後、反応溶液の溶媒を留去して得た褐色残留物をジエチルエーテル(10ml)、酢酸エチル(10ml)を用いて結晶化させた。得られたDBU塩化合物を1%希塩酸を用いて脱塩した後、生じた沈殿物を桐山ロートを用いて集め減圧下乾燥することにより化合物(5c)(22.5mg、61%)を得た。
【0070】
H NMR(DMSO-d) δ
3.69(s, 6H), 3.98(s, 6H), 6.04(d, J=16.0Hz, 2H),
6.83(s, 2H), 7.26(s, 2H), 7.43(s, 2H), 7.47(d, J=16.0 Hz, 2H),
7.60(s, 2H), 9.97(s, 2H), 10.90(s, 2H).
【0071】
(3) 化合物(6c)の製造
化合物(5c)(17.5mg、26.5μmol)の無水ジメチルホルムアミド(1ml)溶液中にCDI(30mg、185μmol)を加えた反応溶液を室温下で15時間攪拌した。反応溶液の溶媒を留去して得た黄色残留物をジエチルエーテル(10ml)を用いて結晶化を行い化合物(6c)(18.5mg、92%)を得た。
H NMR(DMSO-d) δ
3.78(s, 6H), 4.00(s, 6H), 7.11(s, 2H),
7.17(d, J=15.0Hz, 2H), 7.28(s, 2H), 7.34(s, 2H),
7.52(s, 2H), 7.63(s, 2H), 7.89(d, J=15.0Hz, 2H),
7.91(s, 2H), 8.68(s, 2H), 10.17(s, 2H), 10.89(s, 2H).
【0072】
(4) 化合物(7c)の製造
水素化ナトリウム(2.8mg、71.2μmol、60% oil suspension)の無水ジメチルホルムアミド(0.1ml)溶液中に、別途合成したDU86のセグメントA(13.8mg、53.4μmol)の無水ジメチルホルムアミド(0.1ml)溶液を0℃下で加えた後、化合物(6c)(13.5mg、17.8μmol)の無水ジメチルホルムアミド(0.7ml)溶液を加えた反応溶液を0℃下で12時間攪拌した。反応溶液中に10mMリン酸ナトリウム(2ml)緩衝溶液を0℃下で加えた後、減圧下溶媒を留去し黄色残留物を得た。粗結晶を桐山ロート上で蒸留水(10ml)、メタノール(10ml)、ジエチルエーテル(10ml)にて順次洗浄し、減圧下乾燥することによって標記の化合物(7c)(9.6mg、47%)を得た。
【0073】
H NMR(DMSO-d) δ
1.30(m, 2H), 2.08(m, 2H), 2.47(s, 6H), 3.47(m, 2H),
3.73(s, 6H), 3.74(s, 6H), 3.99(s, 6H), 4.20(m, 2H),
4.29(m, 2H), 6.59(d, J=15.0Hz, 2H), 6.79(brs, 2H),
7.01(s, 2H), 7.28(s, 2H), 7.43(s, 2H),
7.58(d, J=15.0Hz, 2H), 7.61(s, 2H), 10.07(s, 2H),
10.89(s, 2H), 12.36(brs, 2H).
MS(ESI+) 1138.5[M].
【0074】
実施例4 化合物(7d)の製造
(1) 化合物(4d)の製造
実施例1の(2)で製造した化合物(3)(200mg、0.58mmol)の無水メタノール−酢酸エチル(1:1、20ml)混合溶液中に10%パラジウム−炭素(100mg)を加えた。さらに水素化ホウ素ナトリウム(44mg、1.15mmol)の蒸留水(0.5ml)溶液を0℃下で滴下した後、反応混合物を室温下で20分攪拌した。反応溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc)にて濾過した後、溶媒を留去して褐色粗結晶(63mg)を得た。さらなる精製に付すことなく直ちにこのものを次の反応に用いた。
粗結晶の無水塩化メチレン(2ml)溶液中にCDI(16mg、0.10mmol)を0℃下で加えた後、反応混合物を室温下で12時間攪拌した。反応溶液の溶媒を留去して得た黄色残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(0→3% MeOH in CHCl)にて精製することにより化合物(4d)(51.3mg、45% for 2 steps)を得た。
【0075】
H NMR(DMSO-d) δ
1.24(t, J=7.0Hz, 6H), 3.70(s, 6H), 3.96(s, 6H),
4.15(q, J=7.0Hz, 4H), 6.08(d, J=16.0Hz, 2H), 6.87(s, 2H),
7.26(s, 2H), 7.45(s, 2H), 7.51(d, J=16.0Hz, 2H),
8.31(brs, 2H), 10.10(s, 2H).
【0076】
(2) 化合物(5d)の製造
4d(41.3mg、0.06mmol)の蒸留水(0.3ml)懸濁液中にDBU(0.3ml、2.00mmol)を加えた反応溶液を室温下で17時間攪拌した。反応の終結をHPLC(0→100% 50mmol酸アンモニウム水溶液−アセトニトリル, 20min、254nm)で確認した後、反応溶液の溶媒を留去して得た褐色残留物をジエチルエーテル(10ml)、酢酸エチル(10ml)を用いて結晶化させた。得られたDBU塩化合物を1%希塩酸を用いて脱塩した後、生じた沈殿物を桐山ロートを用いて集め減圧下乾燥することにより化合物(5d)(27.4mg、73%)を得た。
H NMR(DMSO-d) δ
3.68(s, 6H), 3.96(s, 6H), 6.01(d, J=16.0Hz, 2H),
6.84(s, 2H), 7.26(s, 2H), 7.42(s, 2H), 7.47(d, J=16.0Hz, 2H),
8.84(brs, 2H), 10.08(s, 2H).
【0077】
(3) 化合物(6d)の製造
化合物(5d)(22.4mg、37.1μmol)の無水ジメチルホルムアミド(1ml)溶液中にCDI(30mg、185μmol)を加えた反応溶液を室温下で15時間攪拌した。反応溶液の溶媒を留去して得た黄色残留物をジエチルエーテル(10ml)を用いて結晶化を行い化合物(6d)(25.2mg、96%)を得た。
H NMR(DMSO-d) δ
3.79(s, 6H), 3.98(s, 6H), 7.10(s, 2H),
7.15(d, J=15.0Hz, 2H), 7.28(s, 2H), 7.34(s, 2H),
7.50(s, 2H), 7.87(d, J=15.0Hz, 2H), 7.90(s, 2H),
8.67(s, 2H), 8.89(brs, 2H), 10.25(s, 2H).
【0078】
(4) 化合物(7d)の製造
水素化ナトリウム(4.6mg、114.4μmol、60% oil suspension)の無水ジメチルホルムアミド(0.1ml)溶液中に、別途合成したDU86のセグメントA(22.1mg、85.8μmol)の無水ジメチルホルムアミド(0.1ml)溶液を0℃下で加えた後、化合物(6d)(20.2mg、28.6μmol)の無水ジメチルホルムアミド(0.1ml)溶液を加えた反応溶液を0℃下で12時間攪拌した。反応溶液中に10mMリン酸ナトリウム(2ml)緩衝溶液を0℃下で加えた後、減圧下溶媒を留去し黄色残留物を得た。粗結晶を桐山ロート上で蒸留水(10ml)、メタノール(10ml)、ジエチルエーテル(10ml)にて順次洗浄し、減圧下乾燥することによって標記の化合物(7d)(5.5mg、18%)を得た。
【0079】
H NMR(DMSO-d) δ
1.29(m, 2H), 2.09(m, 2H), 2.47(s, 6H), 3.44(m, 2H),
3.72(s, 6H), 3.73(s, 6H), 3.97(s, 6H), 4.18(m, 2H),
4.27(m, 2H), 6.56(d, J=14.5Hz, 2H), 6.84(brs, 2H),
7.01(s, 2H), 7.26(s, 2H), 7.42(s, 2H),
7.57(d, J=14.5Hz, 2H), 8.82(brs, 2H), 10.16(s, 2H),
12.35(brs, 2H).
MS(ESI+) 1084.5[M].
【0080】
実施例5 ImImPy(化合物(11))の製造
(1) ONPyLCONHCHCHCHNMe(化合物(8))の製造
NPyCOCCl(500mg、1.84mmol)にジメチルアミノプロピルアミン(1ml、8.33mmol)を加えた後、反応混合物を室温下で12時間攪拌した。反応溶液の溶媒を留去して得た黄色残留物をジエチルエーテル(3ml)を用いて結晶化を行い化合物(8)(460mg、97%)を得た。
H NMR(CDCl) δ
1.75(t, J=6.0Hz, 2H), 2.34(s, 6H), 2.54(t, J=6.0Hz, 2H),
3.49(q, J=6.0Hz, 2H), 4.00(s, 3H), 6.94(s, 1H),
7.52(s, 1H), 8.68(brs, 1H).
【0081】
(2) ONImPyLCONHCHCHCHNMe(化合物(9))の製造
化合物(8)(460mg、1.81mmol)の無水メタノール(3ml)溶液中に10%パラジウム−炭素(120mg)を加えた後、反応混合物を水素圧下、室温で2時間攪拌した。反応溶液をセライト(MeOH)にて濾過した後、溶媒を留去して黄色粗結晶(413mg)を得た。さらなる精製に付すことなく直ちにこのものを次の反応に用いた。
粗結晶の無水塩化メチレン(8ml)溶液中に、エチルジイソプロピルアミン(0.5ml、2.87mmol)と、別途合成したONImCOCCl(493mg、1.81mmol)を順次0℃下で加えた後、反応混合物を室温下で15時間攪拌した。反応溶液の溶媒を留去して得た残留物中に、蒸留水(30ml)を加えて生じる黄色沈殿物を桐山ロートに用いて濾取した。蒸留水(30ml)、ジエチルエーテル(5ml)にて順次洗浄し、減圧下乾燥することによって化合物(9)(587mg、86% for 2 steps)を得た。
H NMR(DMSO-d) δ
1.61(t, J=7.0Hz, 2H), 2.14(s, 6H), 2.24(t, J=7.0Hz, 2H),
3.19(q, J=7.0Hz, 2H), 3.81(s, 3H), 4.04(s, 3H), 6.97(s, 1H),
7.27(s, 1H), 8.14(brs, 1H), 8.61(s, 1H), 10.80(brs, 1H).
【0082】
(3) ONImImPyLCONHCHCHCHNMe(化合物(10))の製造
化合物(9)(100mg、0.27mmol)の無水メタノール(3ml)溶液中に10%パラジウム−炭素(50mg)を加えた後、反応混合物を水素圧下、室温で4時間攪拌した。反応溶液をセライト(MeOH)にて濾過した後、溶媒を留去して黄色粗結晶(65.3mg)を得た。さらなる精製に付すことなく直ちにこのものを次の反応に用いた。
粗結晶の無水塩化メチレン(2ml)溶液中に、エチルジイソプロピルアミン(0.1ml、0.57mmol)と、別途合成したONImCOCCl(72.2mg、0.27mmol)を順次0℃下で加えた後、反応混合物を室温下で15時間攪拌した。反応溶液の溶媒を留去して得た残留物中に、蒸留水(10ml)を加えて生じる黄色沈殿物を桐山ロートを用いて濾取した。蒸留水(10ml)、ジエチルエーテル(2ml)にて順次洗浄し、減圧下乾燥することによって化合物(10)(58.2mg、44% for 2 steps)を得た。
H NMR(DMSO-d) δ
1.61(t, J=7.0Hz, 2H), 2.15(s, 6H), 2.25(t, J=7.0Hz, 2H),
3.19(q, J=7.0Hz, 2H), 3.80(s, 3H), 4.04(s, 3H),
4.06(s, 3H), 6.91(s, 1H), 7.23(s, 1H), 7.58(s, 1H),
8.13(brs, 1H), 8.65(s, 1H), 10.29(s, 1H).
【0083】
(4) AcHNImImPyLCONHCHCHCHNMe(化合物(11))の製造
化合物(10)(48.2mg、96.4μmol)の無水メタノール−酢酸エチル(2:1、6ml)混合溶液中に10%パラジウム−炭素(40mg)を加えた後、水素化ホウ素ナトリウム(8mg、0.21mmol)の蒸留水(0.4ml)溶液を0℃下で滴下し、反応混合物を室温下で20分攪拌した。反応溶液をセライト(MeOH)にて濾過した後、溶媒を留去して黄色粗結晶(38mg)を得た。さらなる精製に付すことなく直ちにこのものを次の反応に用いた。
粗結晶にエチルジイソプロピルアミン(0.1ml、0.57mmol)と無水酢酸(0.1ml、1.05mmol)を加えた後、反応混合物を室温下で4時間攪拌した。反応溶液の溶媒を留去して得た残留物中に、クロロホルム(1ml)を加えて生じる不溶物を濾過により除いた。溶媒を留去して得た粗結晶にジエチルエーテル(2ml)を加えて洗浄し、減圧下乾燥することによって標記の化合物(11)(23.2mg、47% for 2 steps)を得た。
H NMR(DMSO-d) δ
1.61(m, 2H), 2.04(s, 3H), 2.14(s, 6H), 2.25(m, 2H),
3.19(m, 2H), 3.81(s, 3H), 3.98(s, 3H), 4.00(s, 3H),
6.92(s, 1H), 7.23(s, 1H), 7.51(s, 1H), 7.56(s, 1H),
8.12(brs, 1H), 9.34(s, 1H), 10.27(s, 1H), 10.30(s, 1H).
【0084】
実施例6 ポリアクリルアミドゲル電気泳動を用いた解析
全量10μlのカコジル酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)5mM中に5’末端がテキサスレッドでラベルされたDNAフラグメント3μMとその相補的DNAオリゴマー6μM、DMF20%(v/v)と先に表記した濃度の薬剤を含む標準反応溶液を微量遠心分離管(Eppendorf)に入れて37℃下で一晩静置した。Milli-Q精製した蒸留水110μlを加えて希釈した後、そこから1μlを取り出した。その溶液(1μl)から遠心減圧下得られたDNAをローディング色素(フューシンレッドのDMF溶液)8μlに溶解させた。その2μlについて、HITACHI 5500-S DNA sequencer systemを用いた15%ディネーチャーポリアクリルアミドゲルでの電気泳動を行った。
【0085】
実施例7 インターストランドクロスリンク体の構造確認試験
全量10μlのカコジル酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)5mM中に5’末端がテキサスレッドでラベルされたDNAフラグメント3μMとその相補的DNAオリゴマー6μM、DMF20%(v/v)と先に表記した濃度の薬剤を含む標準反応溶液を微量遠心分離管(Eppendorf)に入れて37℃下で一晩静置した。 反応溶液より1μl取り出し、そこにMilli-Qを11μl加えて希釈した。その希釈溶液から1μl取り出しレーン2、レーン7に用いた。希釈溶液(11μl)を90℃で20分間振動した後、ピペリジン(1μl)を加えさらに90℃で20分間振動した。その溶液を遠心減圧後、さらに一晩凍結乾燥を行った。そこに50mMカコジル酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)1μlとMilli-Qを10μl加えて希釈した。その希釈溶液から1μl取り出しレーン3、レーン8に用いた。溶液(10μl)中にAp(1μl)を加え37℃で2時間振動した後、1.1μl取り出しレーン4、レーン9に用いた。
それぞれ取り出した反応溶液から遠心減圧下得られたDNAをローディング色素(フューシンレッドのDMF溶液)8μlに溶解させ、その2μlについて、HITACHI 5500-S DNA sequencer systemを用いた15%ディネーチャーポリアクリルアミドゲルでの電気泳動を行った。
【0086】
実施例8 インターストランドクロスリンク体の塩基配列特異性試験
全量10μlのカコジル酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)5mM中に5’末端がテキサスレッドでラベルされたDNAフラグメント3μMと各種DNAオリゴマー6μM、DMF20%(v/v)と先に表記した濃度の薬剤を含む標準反応溶液を微量遠心分離管(Eppendorf)に入れて37℃下で一晩静置した。Milli-Q精製した蒸留水110μlを加えて希釈した後、そこから1μlを取り出した。その溶液(1μl)から遠心減圧下得られたDNAをローディング色素(フューシンレッドのDMF溶液)8μlに溶解させた。その2μlについて、HITACHI 5500-S DNA sequencer systemを用いた15%ディネーチャーポリアクリルアミドゲルでの電気泳動を行った。
【0087】
実施例9 インターストランドクロスリンク反応の最適条件試験
全量10μlのカコジル酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)5mM中に各種の5’末端がテキサスレッドでラベルされたDNAフラグメント3μMとそれぞれに対応した相補的DNAオリゴマー6μM、DMF20%(v/v)と先に表記した濃度の薬剤を含む標準反応溶液を微量遠心分離管(Eppendorf)に入れて37℃下で一晩静置した。Milli-Q精製した蒸留水110μlを加えて希釈した後、そこから1μlを取り出した。その溶液(1μl)から遠心減圧下得られたDNAをローディング色素(フューシンレッドのDMF溶液)8μlに溶解させた。その2μlについて、HITACHI 5500-S DNA sequencer systemを用いた15%ディネーチャーポリアクリルアミドゲルでの電気泳動を行った。
【0088】
実施例10 試薬濃度と等量比の反応条件試験
全量10μlのカコジル酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)5mM中に5’末端がテキサスレッドでラベルされたDNAフラグメント(TXR−18)3μMと相補的DNAオリゴマー(ODN−15)6μM、DMF20%(v/v)と表記した濃度の薬剤を含む標準反応溶液を微量遠心分離管(Eppendorf)に入れて37℃下で一晩静置した。
[7a(μM)、ImImPy(μM);50、100(レーン1);25、50(レーン2);12、25(レーン3);6、12(レーン4);3、6(レーン5);25、100(レーン6);25、50(レーン7);25、25(レーン8);25、12(レーン9)、25、6(レーン10)]
Milli-Q精製した蒸留水110μlを加えて希釈した後、そこから1μlを取り出した。その溶液(1μl)から遠心減圧下得られたDNAをローディング色素(フューシンレッドのDMF溶液)8μlに溶解させた。その2μlについて、HITACHI 5500-S DNA sequencer systemを用いた15%ディネーチャーポリアクリルアミドゲルでの電気泳動を行った。
結果を図6に示す。図6の各レーンにおける7a(μM)とImImPy(μM)の濃度は前記したとおりである。
また、クロスリンキング収率を図7に示す。図7の左側は、ImImPyと7aが2:1の場合の試料の等量を示し、図7の右側は7aが25μMの場合のImImPyの等量を示している。
【0089】
【発明の効果】
本発明は、DNA上に存在する特定の塩基配列に対して選択的にインターストランドクロスリンクすることを可能とする試薬である。このことはヒトゲノム上での重要な遺伝子配列、あるいは遺伝子異常に対する有用なドラッグとして、はじめての遺伝子レベルでの創薬を実現する可能性を秘めている。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の化合物のインターストランドクロスリンクをポリアクリルアミドゲル電気泳動を用いて解析した実験結果を示す、図面に代わる写真である。
【図2】図2は、2組のDNA対を用いて、本発明の化合物のインターストランドクロスリンク反応を解析した実験結果を示す、図面に代わる写真である。
【図3】図3は、本発明の化合物(7a)とImImPyを用いて形成されたインターストランドクロスリンク体の化学構造を示すものである。
【図4】図4は、種々のトリアミドを併用して本発明の化合物のインターストランドクロスリンク反応を解析した実験結果を示す、図面に代わる写真である。
【図5】図5は、種々の長さのDNAを用いて本発明の化合物のインターストランドクロスリンク反応を解析した実験結果を示す、図面に代わる写真である。
【図6】図6は、本発明の化合物(7a)及びImImPyの種々の濃度におけるクロスリンキング反応の結果を示す、図面に代わる写真である。
【図7】図7は、本発明の化合物(7a)及びImImPyを用いた場合の種々の条件下におけるクロスリンキング収率をグラフ化したものである。

Claims (7)

  1. 一般式(I)
    A−L−B−X−B−L−A (I)
    (式中、A−L−B−コンポーネントが次式(II)
    Figure 0004061819
    又は次式(III)
    Figure 0004061819
    で示され、XはA−L−B−コンポーネントを結合させるスペーサーであって炭素数2〜15の飽和脂肪族ジカルボン酸から誘導されるアシル基を示す。)
    で表されるDNAの2本鎖をインターストランドクロスリンクすることができる化合物。
  2. Xが、−CO−(CH−CO−基で表される化合物である請求項1に記載の化合物。
  3. 請求項1又は2に記載のインターストランドクロスリンクすることができる化合物からなる、2本鎖DNAのインターストランドクロスリンク剤。
  4. 請求項1又は2に記載の化合物を用いて、2本鎖DNAの特定の塩基配列部分をインターストランドクロスリンクする方法。ただし、人体に適用する場合を除く。
  5. 2本鎖DNAのインターストランドクロスリンクを、さらにDNAの塩基配列を認識できる化学構造を有する物質の存在下に行う請求項4に記載の方法。
  6. DNAの塩基配列を認識できる化学構造を有する物質が、ImImPyで表される物質である請求項4又は5に記載の方法。
  7. 特定の塩基配列が、TGACG若しくはCGACG又はそれらの相補鎖である請求項4〜6のいずれかに記載の方法。
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