JP2008533980A - ジフテリア毒素生産のための発酵方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、均質な培養物を維持するのに十分な攪拌と、培養物内のpO2が、発酵ステップの大部分の間、4%以下になるような制限された通気条件下で、ジフテリア菌(Corynebacterium diphtheria)株を発酵槽中の培地で増殖させる発酵ステップを含む、発酵方法に関する。

Description

本発明は、ジフテリア抗原、特に毒素(CRM197のようなジフテリア毒素突然変異体を含む)、およびこのような抗原の大量培養物製造のための発酵方法の分野に関する。
ジフテリア毒素は、ジフテリア菌(Corynebacterium diphtheria)が産生するタンパク質外毒素である。これは、単一ポリペプチドであり、残基190、192または193での切断の結果、容易にスプライシングして、ジスルフィド結合により連結された2つのサブユニット:フラグメントAとフラグメントBを形成する(Moskaugら、Biol. Chem. 264: 15709-15713, 1989)。フラグメントAは、触媒として活性の部分であり、タンパク質合成因子EF-2を特異的にターゲッティングするNAD-依存的ADP-リボシルトランスフェラーゼであり、これによってEF-2を不活性化し、細胞内のタンパク質合成を阻止する。
ジフテリア毒素のような細菌毒素に対する免疫は、感染の過程で自然に、または毒素(トキソイド)の無毒化形態の注射により人工的に獲得される(Germanier, er, Bacterial Vaccines, Academic Press, フロリダ州オーランド、1984)。トキソイドは、伝統的に天然毒素を化学的に改変し(Lingoodら、Brit. J. Exp. Path. 44; 177, 1963)、ワクチン接種した動物を天然毒素による後のチャレンジから防御する抗原性を保持しながら、天然毒素を無毒化することにより、製造されてきた。これ以外にも、毒性を減弱した数種の突然変異ジフテリア毒素が記載されている(米国特許第4709017号、米国特許第4950740号)。
CRM197は、ジフテリア毒素の無毒化形態であるが、ジフテリア毒素と免疫学的に区別できない。CRM197は、毒素産生性のコリネファージ(carynephage)bのニトロソグアニジン突然変異誘発により作製された毒素非産生性のファージβ197tox-に感染したジフテリア菌(C. diphteriae)により生産される(Uchidaら、Nature New Biology (1971) 233; 8-11)。CRM197タンパク質は、ジフテリア毒素と同じ分子量であるが、構造遺伝子における単一塩基の変化により、該毒素とは異なる。これにより、52位のアミノ酸のグリシン−グルタミン変化が起こり、フラグメントAがNADと結合できなくなるので無毒化される(Pappenheimer 1977, Ann Rev, Biochem. 46;69-94, Rappuoli Applied and Environmental Microbiology Sept 1983 p560-564)。
ジフテリアトキソイドと、毒性が減弱された突然変異体型であるCRM197は、ジフテリア菌に対する免疫を提供する多数のワクチンの成分である。百日咳(Bordetella pertussis)、破傷風菌(Clostridium tetani)、ジフテリア菌、および随意にB型肝炎ウイルスおよび/またはヘモフィルス・インフルエンザ(Haemophilus influenzae)タイプbを予防することができる数種の混合ワクチンが知られている(例えば、WO 93/24148およびWO 97/00697、WO 02/055105を参照)。
また、ジフテリア毒素およびCRM197などの突然変異体は、ワクチンにおいて、サッカライドの安全かつ有効なT細胞依存的担体としても用いられてきた。CRM197は、現在、ヘモフィルス・インフルエンザタイプbオリゴ糖CRM197コンジュゲートワクチンに用いられている(Hib Titre(登録商標);Lederle Praxis Biologicals、ニューヨーク州ロチェスター)。
ジフテリアトキソイド(DT)の調製方法は当分野で周知である。例えば、DTは、ジフテリア菌の培養物から得た毒素の精製後、化学的無毒化により生産するか、あるいは、該毒素の組換え体、または遺伝子的に無毒化した類似体(例えば、CRM197、または米国特許第4,709,017号、米国特許第5,843,711号、米国特許第5,601,827号、および米国特許第5,917,017号に記載のようなその他の突然変異体)の精製により製造することができる。ジフテリア菌は、好気的条件下で培養する。Rappuoliら(Biotechonoly、1985年2月、p161-163)は、所望のpO2を維持するように自動的に調節される空気および酸素の混合物で通気することにより、pO2を25%に調節すべきであると提案する。
ワクチンに使用するCRM197のようなジフテリア毒素の相当な量の生産は、タンパク質存在量が少ないために妨げられてきた。この問題は、ジフテリア毒素またはその突然変異体をコードする遺伝子のさらなるコピーをジフテリア菌に導入することによって対処されている(米国特許第4,925,792号;米国特許第5,614,382号)。このような方法で約3倍の生産増加が達成される。ジフテリア毒素の収率を再現可能な方法でさらに改善する方法は、これらの価値ある抗原のさらに高レベルの生産を可能にする上で有益となるだろう。
従って、本発明は、均質な培養物を維持するのに十分な攪拌と、培養物内のpO2が、発酵ステップの大部分の間、4%以下になるような制限された通気の条件下で、ジフテリア菌株を発酵槽中の培地で増殖させる発酵ステップを含む、改善された発酵方法を提供する。
発酵は、好気的で、しかも、発酵の大部分の間、酸素が培養物中に入るとすぐ、すなわち、ジフテリア菌の密度が相対的に低く、pO2レベルが高くなりうる初期段階後、酸素が消費されてしまうような制限された通気条件下で実施する。本発明者らは、このような条件下での培養によって、より高いpO2レベルで実施した発酵方法と比較して、ジフテリア毒素または突然変異体のさらに効率的および/または一貫した発現が達成されることをみいだした。本発明の方法は、高レベルの酸素での発酵よりもしっかりとしており、培養培地が添加鉄を含む場合、または変化しやすい品質の複合原料を用いる場合であっても、高いジフテリア毒素の収率の維持を可能にする。
本発明の第2の態様では、ジフテリア毒素またはその突然変異体の調製物を製造する方法であって、本発明の発酵方法を実施し、培養物からジフテリア毒素またはその突然変異体を単離することを含む、上記方法を提供する。本明細書では、ジフテリア毒素または突然変異体について記載するが、本発明の方法を用いて、任意のジフテリア菌抗原を単離することも考慮される。
このような方法の使用により、ジフテリア毒素または突然変異体(例えば、CRM197)の収率は、5%以上(例えば、20%)のpO2を維持する場合と比較して高くなる。
本発明の第3の態様では、本発明の方法により分離されたジフテリア毒素またはその突然変異体を提供する。
本発明の第4の態様では、本発明のジフテリア毒素またはその突然変異体と、薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。
本発明の別の態様では、ジフテリア菌症のような細菌症の療法、特に、治療または予防に用いるためのジフテリア毒素またはその突然変異体を提供する。
本発明の別の態様では、細菌症、特にジフテリア菌症の治療または予防のための医薬の製造における、本発明のジフテリア毒素またはその突然変異体の使用を提供する。
本発明のさらに別の態様では、細菌感染症、特にジフテリア菌感染症の予防または治療方法であって、本発明の医薬組成物を患者に投与することを含む、上記方法を提供する。
本明細書において「含む(comprising)」、「含む(compriseまたはcomprises)」という用語は、本発明者らによれば、各々の場合において、それぞれ「からなる(consisting of)」、「からなる(consist ofまたはconsists of)」と随意に置き換え可能であるものとする。
本発明の第1の態様は、均質な培養を維持するのに十分な攪拌(例えば、30、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1秒以下の混合時間を作り出すのに十分な)と、培養物内のpO2が、発酵ステップの大部分の間、5%、4%、3%、1%または0.5%以下になるような制限された通気の条件下で、ジフテリア菌株を発酵槽中の培地で増殖させる発酵ステップを含む、発酵方法である。好ましい実施形態では、好ましくは発酵ステップの大部分の間、pO2は0に近似する。
例えば、培養物中のpO2は、酸素が培養物中に入るとすぐ、ジフテリア菌がほとんどの酸素を消費するのに十分な密度まで増殖した時点(潜伏期、例えば、発酵開始から少なくとも1、2、3、4、5または6時間後)から、pO2濃度が、発酵ステップの終了間際に(例えば、潜伏期から16、18、20、22または24時間後)再び上昇するまで、5%、4%、3%、1%または0.5%以下になる。
一般に、pO2が、制限された通気条件を超えて上昇するとき、発酵は終了し、培養物を回収する。様々な接種条件下で、例えば、はるかに多量のジフテリア菌の培養物を発酵槽に接種する場合、発酵の開始後間もなく(例えば、発酵の開始から1、5、10、20、30、40または60分後)、制限された通気条件を開始することに留意すべきである。
100%pO2は、(培養物の非存在下の)培地に温度34.5℃および圧力0.5バールで圧縮空気をバブリングした後、該培地が酸素で飽和したときの酸素の量である。150リットル発酵槽の場合、通気速度および攪拌速度を23リットル/分および240 rpmに設定すべきであり、20リットル発酵槽の場合には、通気速度および攪拌速度を3リットル/分および300 rpmに設定すべきである。これは、接種前に十分に通気した発酵培地に存在する酸素の量として設定してもよい。
均質な培養物は、培地の最上部10%中に少なくとも3、4、5、6、7、8、9または10%の細菌が存在するように、発酵槽全体に均一に細菌が分散している培養物である。
発酵ステップとは、ジフテリア菌を発酵槽内で培養するステップとして定義する。発酵ステップは、発酵槽内に前培養物を導入する時点から開始し、本明細書に記載した制限された通気条件下で、pO2が最終的に増大して10%を超える時点で終了する。発酵ステップは、一般的に、12、14、16、18、20、または24時間以上、例えば、16〜40時間、もしくは例えば22〜28時間継続する。
攪拌は、発酵槽内で培養物を随意に攪拌することにより実施するが、その他いずれかの好適な手段、例えば、攪拌、振動ミキサーおよび/または気体のバブリングにより実施することもできる。攪拌は、20、15、10、8、7、6、5、4、3、2または1秒以下の培養物の混合時間を作り出すのに十分なものである。
培養物の混合時間はガラス発酵槽内で測定することができる。これは、着色水溶液の導入後、この着色水溶液が培地全体に均一に分散するのにかかる時間である。
発酵槽は、細菌培養物の工業生産に適した任意の装置である。しかし、この用語には、さらに小さなスケールでの細菌増殖に一般的に用いられる培養フラスコは含まれない。
発酵ステップの大部分とは、発酵ステップの全時間の50%、60%、70%、80%もしくは90%以上の時間として定義する。発酵は、一般的に、制限された通気条件下で、12、14、16、18、20、21、22、23、24、25、26もしくは28時間実施する。
制限された通気条件は、ジフテリア菌に好気的呼吸の使用を可能にし、しかも、培養物の密度が増加(例えば、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9または10時間の発酵)後、酸素が培養物に入るとすぐ消費されるように、利用可能な酸素の量を制限して、pO2が5、4、3、2、1または0.5%以下になるようにする条件である。発酵槽に接種するのに用いる培養物の量を増やすことにより、接種後間もなく(例えば、発酵の開始から1、5、10、20または30分後)、制限された通気条件を達成できることに留意すべきである。
このような制限された通気条件により、ジフテリア毒素またはその突然変異体のような毒素のしっかりとした発現(robust expression)が可能になる。
pO2がほぼ0に近似するようになるのは、培養物に酸素を導入した直後、導入された酸素が培養物によって呼吸のために消費され、従って、培養物への通気にもかかわらず、pO2が酸素モニターで0または約0と読み取られるような通気および攪拌速度により達成される。
発酵ステップの間、攪拌および通気速度の所与の設定のために、pO2は比較的高いレベルで出発する。これは、培養物中の細菌の密度が発酵ステップの開始時には低く、発酵ステップ中には上昇するためである。一般的にPO2が5%以下になるまでに、所定の時間(例えば、最高1、2、3、4、5、6、7、8、9または10時間)を要する。この時点から、発酵ステップの終了間際、例えば、発酵槽からの回収まで、pO2は5、4、3、2、1または0.5%以下、好ましくは0に近いレベルのままである。
随意に、全発酵ステップを通して一定のKLaで発酵ステップを実施する。あるいは、発酵ステップの大部分(少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%)の間存在するKLa値で制限通気が達成されるように、1以上のKLaで発酵ステップを実施する。
KLaは酸素が培養物に入る流速の尺度である。KLaが高いほど、酸素が培養物に導入される流速も大きくなる。培地の容量および組成、攪拌、通気、圧力、温度、ならびに発酵槽の可動部の位置および特徴など、複数の要因が特定の発酵ステップのKLaに影響を与えることになる。
一般的には、培養物に圧縮空気をバブリングすることにより発酵培養物に酸素を導入する。培養物中に導入される空気に存在する酸素の濃度が様々である場合には、これを考慮して流速を調整しなければならない。例えば、100%酸素の供給を培地に導入する場合、これに応じて流速はより低くなる。空気より薄い酸素を含むガスを培地に導入する場合には、より高い流速を使用することができる。
実施例1に記載される方法を用いて、KLaを測定することができる。この方法は、KLaを測定しようとする培地容量、温度、圧力、攪拌および通気の条件に発酵槽を設定し、空気に代わり窒素ガスを用いることにより、ガス抜きをし、空気供給を回復することによりガス導入をし、pO2がその定常状態レベルに戻る流速を測定する。
ln (100−pO2) = −KLa. T + C
時間に対してln (100−pO2)をプロットすることにより、直線の勾配(または角度係数)は−KLaである。
発酵ステップのKLaは、培養物の攪拌の量および培養物の通気速度など、多数の要因に影響される。例えば、培養物の攪拌を弱め、通気速度を高める、あるいはその逆を行ないながら、一定のKLaを維持することができる。しかし、一実施形態では、発酵ステップの間、培養物の攪拌および通気速度はいずれも一定である。
発酵ステップは、例えば、10〜200h-1、10〜150 h-1、10〜100 h-1、10〜80 h-1、10〜50 h-1、10〜40h-1、10〜30 h-1、20〜150 h-1、20〜100 h-1、20〜50 h-1、20〜60 h-1、20〜80 h-1、20〜30 h-1、20〜40 h-1、30〜60 h-1、60〜80 h-1、60〜150 h-1または 60〜200 h-1の範囲のKLaで実施する。
本発明の発酵方法のKLaは、発酵培養物のサイズに応じて変わりうる。培養物が10〜30リットルの場合、10〜30 h-1、15〜30、20〜30または22〜28 h-1のKLaを用いることができる。培養物が30〜250リットルの場合、30〜60または40〜50 h-1のKLaを用いることができる。培養物が250〜800リットルの場合、30〜50、40〜50、40〜60、30〜60、30〜80または60〜150 h-1のKLaを用いることができる。培養物が800〜3,000リットルの場合、30〜50、40〜50、40〜60、30〜60、30〜80、60〜150または60〜200 h-1のKLaを用いることができる。
発酵培養物のサイズが10〜30リットルの場合、10〜30 h-1のKLaは、例えば、1〜5リットル/分の気流または通気速度および200〜400 rpmの攪拌速度、例えば、2〜4リットル/分の通気速度および250〜350 rpmの攪拌速度を用いて達成される。
発酵培養物のサイズが30〜250リットルの場合、30〜60 h-1のKLaは、例えば、15〜25リットル/分の気流速度および150〜250 rpmの攪拌速度、例えば、20〜25リットル/分の気流速度および200〜250 rpmの攪拌速度、例えば、15〜20リットル/分の気流速度および200〜250 rpmの攪拌速度を用いて達成される。
発酵ステップの間のCY培地におけるジフテリア菌培養物のpHは、培養物の通気および攪拌条件に応じて変動する(Nikolajewskiら、J. Biological Standardization, 1982, 10; 109-114)。発酵ステップの開始時に、CY培地のpHは7.4である。通気またはKLaが低い場合、pHは約5に低下する。高い通気の場合には、pHは約8.5まで上昇する。本発明の一実施形態では、ジフテリア菌はCY培地またはSOC培地(Sambrook Jら、1989, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, ニューヨーク州コールドスプリングハーバー)もしくは類似の培地で培養する。発酵槽内のpHは、通気の程度により、随意に酸または塩基の添加を必要とすることなく、7.0〜7.8の間に保持することができる。
本発明の方法は、あらゆるジフテリア菌株に用いることができる。このような株は、野生型ジフテリア毒素、ジフテリア毒素またはそのフラグメントを含む融合タンパク質(例えば、米国特許第5863891号に開示されたもの)あるいはジフテリア毒素の突然変異体またはフラグメント、好ましくは毒性が減弱したものを生産することができる。このような突然変異体毒素の例を以下に挙げる:CRM176、CRM197、CRM228、CRM45(Uchidaら、J. Biol. Chem. 218; 3838-3844, 1973);CRM 9、CRM 45、CRM102、CRM103およびCRM107、NichollsおよびYouleによりGeneticaly Engineered Toxins, Ed: Frankel, Maecel Dekker Inc, 1992に記載されたその他の突然変異;Glu-148の欠失またはAsp、GlnまたはSerへの突然変異、および/またはAla158の欠失またはGlyへの突然変異、ならびに米国特許第4709017号または米国特許第4950740号に開示されたその他の突然変異;残基Lys 516、Lys 526、Phe 530および/またはLys 534のうち少なくとも1つの突然変異、ならびに米国特許第5917017号または米国特許第6455673号に開示されたその他の突然変異;もしくは米国特許第5843711号に開示されたフラグメント。一実施形態では、ジフテリア菌株はCRM197を産生する。
一実施形態では、以下に挙げるジフテリア菌株を本発明の方法に用いる:ATCC39255、ATCC39526、ATCC11049、ATCC11050、ATCC11051、ATCC11951、ATCC11952、ATCC13812、ATCC14779、ATCC19409、ATCC27010、ATCC27011、ATCC27012、ATCC296、ATCC43145、 ATCC51280 またはATCC51696。
本発明で用いる培地は、以下に示す成分のうち1以上を含むことができる:5〜20g/L、10〜16g/Lまたは10g/Lのカザミノ酸またはカゼイン加水分解物、5〜20g/L、7〜15g/Lまたは9〜12g/Lのダイズペプトンおよび/または10〜40g/L、14〜32g/Lまたは18〜22g/Lの酵母抽出物。
増殖培地の鉄含量はジフテリア菌の増殖に作用し、毒素生産に影響を与えうることが知られている(WO 00/50449参照)。鉄は細菌増殖に必須であるが、高濃度の鉄は毒素の生産を阻害することがわかっている。本発明の方法において、培地の鉄含量は、下限レベルが10、50、75、100、120または150 ppbであり、上限は200、300、400、500、600、700、800、900、1,000、1,500、2,000、3,000、4,000または5,000 ppbである。例えば、培地の鉄濃度は、50〜1,000 ppb、100〜1,000 ppb、200〜1,000 ppb、400〜1,000 ppb、500〜1,500 ppb、700〜1,300 ppb、50〜2,000 ppb、100〜2,000 ppb、200〜2,000 ppb、400〜2,000 ppb、700〜2,000 ppb、50〜3,000 ppb、100〜3,000 ppb、200〜3,000 ppb、400〜3,000 ppb、700〜3,000 ppb、1,000〜3,000 ppb、1,500〜3,000 ppb、1,700〜3,000 ppb、50〜4,000 ppb、100〜4,000 ppb、200〜4,000 ppb、400〜4,000 ppb、700〜4,000 ppb、1,000〜4,000 ppb、1,500〜4,000 ppb、1,700〜4,000 ppbまたは2,000〜4,000 ppbである。鉄は、Fe2+および/またはFe3+の形態のものでよい。
一実施形態では、本発明の方法は、培地における鉄塩の存在に対して十分耐性であることから、使用前に鉄を除去するために培地の処理を必要としない。
発酵ステップは、ジフテリア菌の培養に適した温度、例えば、25〜45℃、25〜40℃、30〜38℃、または34〜35℃で実施する。
発酵ステップを大量の気泡生成に付す。気泡形成を制御するために、随意に消泡剤を発酵槽に添加する。例えば、消泡剤と共に、随意に気泡プローブ(foam probe)または機械的破泡機(mechanical foam breaker)を発酵槽に用いる。
本発明の第2の態様は、抗原、例えば、ジフテリア毒素またはその突然変異体もしくはフラグメントの調製物を製造する方法であって、この方法は、前述した本発明の発酵方法を実施するステップと、抗原、例えば、ジフテリア毒素またはその突然変異体もしくはフラグメントを培養物から単離するステップを含む。
本発明の第3の態様は、本発明の方法により単離されたジフテリア毒素またはその突然変異体もしくはフラグメント(例えば、CRM197)である。
ジフテリア毒素の毒性は、トキソイドを形成する架橋試薬による処理を含む化学的処理によって随意に減弱する。毒素という用語にはトキソイドも含まれる。
本発明の別の態様は、本発明のジフテリア毒素またはその突然変異体(例えば、CRM197)もしくはフラグメントと、薬学的に許容される担体を含む医薬組成物である。
本発明の医薬組成物は、随意に、混合ワクチン中に別の(追加の)抗原をさらに含む。一実施形態では、前述したジフテリア毒素、その突然変異体もしくはフラグメントと併用しようとする抗原は、破傷風トキソイド、全細胞百日咳(Pw)、(後述のような)無細胞性百日咳(Pa)、B型肝炎表面抗原、A型肝炎ウイルス、ヘモフィルス・インフルエンザタイプb多糖またはオリゴ糖、ナイセリア(例:髄膜炎菌(N. meningitidis))多糖またはオリゴ糖、髄膜炎菌血清型Bタンパク質、随意に外膜小胞の一部として、肺炎球菌多糖またはオリゴ糖、肺炎球菌タンパク質、または以下に挙げる抗原のいずれかのうちいずれかを含む。細菌多糖は、担体タンパク質とコンジュゲートしてもよい。ジフテリア毒素もしくはトキソイドまたはCRM197のようなジフテリア毒素の突然変異体もしくはフラグメント(例えば、本発明の方法を用いて製造したもの)を担体タンパク質として用いてもよい。しかし、破傷風トキソイド、破傷風トキソイドフラグメントC、ニューモリシン、プロテインD(米国特許第6342224号)など、その他の担体タンパク質を用いることもできる。特定の医薬組成物は、随意に、様々な担体タンパク質にコンジュゲートした複数の多糖またはオリゴ糖を含む。
本発明の方法により製造したジフテリア毒素、またはCRM197のようなその突然変異体もしくはフラグメントは、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)、ヘモフィルス・インフルエンザタイプb(Haemophilus influenzae b)、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)、A群連鎖球菌、B群連鎖球菌、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、または表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)のうちの1以上に由来する莢膜多糖またはオリゴ糖と一緒に製剤化することができる。例えば、医薬または免疫原性組成物は、髄膜炎菌の血清型A、C、W-135およびYのうちの1以上に由来する莢膜多糖を含むことができる。例えば、血清型AおよびC;AおよびW、AおよびY;CおよびW、CおよびY、WおよびY;A、CおよびW;A、CおよびY;A、WおよびY;C、WおよびYまたはA、C、WおよびYをCRM197と一緒に製剤化することができる。別の例では、免疫原性組成物は、肺炎連鎖球菌に由来する莢膜多糖を含む。肺炎球菌莢膜多糖抗原は、好ましくは血清型1、2、3、4、5、6B、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15B、17F、18C、19A、19F、20、22F、23Fおよび33F(最も好ましくは血清型1、3、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19Fおよび23F)から選択する。別の例は、ヘモフィルス・インフルエンザタイプbのPRP莢膜多糖(またはオリゴ糖)を含む。さらに別の例は、黄色ブドウ球菌の5型、8型、336、PNAGまたはdPNAG莢膜多糖を含む。さらに別の例は、表皮ブドウ球菌のI型、II型、III型またはPIA莢膜多糖を含む。さらに別の例は、B群連鎖球菌のIa型、Ic型、II型またはIII型莢膜多糖を含む。さらに別の例は、A群連鎖球菌の莢膜多糖を含み、随意に、少なくとも1つのMタンパク質、さらに好ましくは複数のタイプのMタンパク質をさらに含む。
本発明で用いる細菌多糖は全長のものでよく、精製された天然多糖である。あるいは、多糖は、2〜20倍、例えば、2〜5倍、5〜10倍、10〜15倍または15〜20倍の大きさで、多糖は管理性を高めるために大きさが小さくなるようにする。オリゴ糖は一般に2〜20反復単位を含む。
このような莢膜多糖は、破傷風トキソイド、破傷風トキソイドフラグメントC、ジフテリアトキソイドまたはCRM197(いずれも、例えば、本発明の方法により製造されたもの)、ニューモリシン、もしくはプロテインD(米国特許第6342224号)のような担体タンパク質とコンジュゲートさせても、コンジュゲートさせなくてもよい。破傷風トキソイド、ジフテリア毒素およびニューモリシンは、遺伝子突然変異および/または化学的処理のいずれかにより無毒化する。
多糖またはオリゴ糖コンジュゲートは、いずれか周知の結合技術により調製することができる。例えば、多糖はチオエーテル結合により結合することができる。この結合方法は、シアン酸エステルを形成するために、1-シアノ-4-ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロボレート(CDAP)による多糖の活性化に依存する。従って、活性化した多糖は、担体タンパク質上のアミノ基に直接、またはスペーサー基を介して結合することができる。随意に、シアン酸エステルをヘキサンジアミンと結合させ、チオエーテル結合の形成を含むヘテロ結合化学を用いて、アミノ誘導体化多糖を担体タンパク質と結合させる。このようなコンジュゲートは、公開されたPCT出願WO93/15760(Uniformed Services University)に記載されている。
コンジュゲートは、米国特許第4365170号(Jennings)および米国特許第4673574号(Anderson)に記載のような直接還元アミノ化法(direct reductive amination method)により調製することもできる。その他の方法は、欧州特許第0-161-188号、欧州特許第208375号および欧州特許第0-477508号に記載されている。
別の方法は、アジピン酸ヒドラジド(ADH)で誘導体化した臭化シアン活性化多糖とタンパク質担体をカルボジイミド縮合により結合させることを含む(Chu C.ら、Infect. Immunity、(1983) 245; 256)。
具体的例では、ジフテリア毒素またはそのフラグメントもしくは突然変異体(例えば、CRM197)を医薬組成物の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20個の追加の抗原とコンジュゲートさせる。一実施形態では、これを多糖成分、例えば、細菌多糖(前述したものを含む)とコンジュゲートさせる。
本発明の医薬または免疫原性組成物に、さらに別のタンパク質成分を含有させてもよい。これは、随意に、破傷風および百日咳感染の1以上に対する防御をもたらす抗原と一緒に製剤化する。百日咳成分は、PT、FHAおよび69kDaパータクチン(pertactin)からの少なくとも1つ(好ましくは2つまたは3つ全部)の抗原を含む死滅した全細胞百日咳(Pw)または無細胞性百日咳(Pa)でよい。特定の他の無細胞性百日咳製剤はまた、Fim2およびFim3のような凝集原(agglutinogen)も含み、これらのワクチンも本発明で用いることが意図されている。一般的には、破傷風に対する防御をもたらす抗原は、破傷風トキソイドであるが、これは、化学的に(例えば、ホルムアルデヒドでの処理により)不活性化された毒素、または1以上の点突然変異の導入により不活性化された毒素である。
本発明の医薬または免疫原性組成物は、随意に、肺炎球菌タンパク質抗原、例えば、肺炎球菌の外側表面に露出した(肺炎球菌の生活環の少なくとも一部の間宿主免疫系により認識されうる)肺炎球菌タンパク質、または肺炎球菌により分泌または放出されるタンパク質である肺炎球菌タンパク質を含む。例えば、上記タンパク質は、肺炎連鎖球菌の毒素、アドヘシン(adhesin)、2成分(2-component)シグナルトランスデューサー、またはリポタンパク質、あるいはそれらのフラグメントでよい。このようなタンパク質の例を以下に挙げるが、これらに限定するわけではない:ニューモリシン(好ましくは化学的処理または突然変異により無毒化される)[Mitchell ら、Nucleic Acids Res. 1990 Jul 11; 18(13): 4010 "Comparison of pneumolysin genes and proteins from Streptococcus pneumoniae types 1 and 2.", Mitchellら、Biochim Biophys Acta 1989 Jan 23; 1007(1): 67-72 "Expression of the pneumolysin gene in Escherichia coli: rapid purification and biological properties."、WO 96/05859 (A. Cyanamid)、WO 90/06951 (Patonら)、WO 99/03884 (NAVA)];PspAおよびその膜貫通欠失変異体(transmembrane deletion variant)(米国特許第5804193 - Brilesら);PspCおよびその膜貫通欠失変異体(WO 97/09994 - Brilesら);PsaAおよびその膜貫通欠失変異体(Berry & Paton, Infect Immun 1996 Dec;64(12):5255-62 "Sequence heterogeneity of PsaA, a 37-kilodalton putative adhesin essential for virulence of Streptococcus pneumoniae");肺炎球菌コリン結合タンパク質およびその貫膜欠失変異体;CbpAおよびその貫膜欠失変異体(WO 97/41151;WO 99/51266);グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ(Infect Immun 1996 64:3544);HSP70(WO96/40928);PcpA(Sanchez-Beatoら、FEMS Microbiol Lett 1998, 164:207-14);M様タンパク質(欧州特許第0837130号)およびアドヘシン18627(欧州特許第0834568号)。免疫原性組成物に含有させる別の肺炎球菌タンパク質抗原は、WO 98/18931、WO 98/18930およびPCT/US99/30390に記載されている。
本発明の免疫原性組成物と一緒に製剤化しようとするナイセリアタンパク質の例を以下に挙げる:TbpA(WO93/06861; 欧州特許第586266号;WO92/03467;米国特許第5912336号)、TbpB(WO93/06861;欧州特許第586266号)、Hsf(WO99/31132)、NspA(WO96/29412)、Hap(PCT/EP99/02766)、PorA、PorB、OMP85(D15としても知られる)(WO00/23595)、PilQ(PCT/EP99/03603)、PldA(PCT/EP99/06718)、FrpB(WO96/31618、配列番号38を参照)、FrpAもしくはFrpC、または少なくとも30、50、100、500、750個のアミノ酸からなる両者に共通の保存部分(WO92/01460)、LbpAおよび/またはLbpB(PCT/EP98/05117;Schryversら、Med. Microbiol. 1999 32: 1117)、FhaB(WO98/02547、配列番号38)、HasR(PCT/EP99/05989)、リポ(lipo)02(PCT/EP99/08315)、MltA(WO 99/57280)およびctrA(PCT/EP00/00135)。ナイセリアタンパク質は随意に、精製タンパク質として、または外膜調製物の一部として添加する。
本発明の医薬または免疫原性組成物は、随意に、型分類不能のインフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、RSVに対し宿主を防御できる1以上の抗原、および/またはインフルエンザウイルスに対し宿主を防御できる1以上の抗原を含む。
型分類不能のインフルエンザ菌タンパク質抗原の例として、フィンブリン(Fimbrin)タンパク質(米国特許第5766608号)およびそれに由来するペプチドを含む融合体(例えば、LB1融合体)(米国特許第5843464 - オハイオ州研究基金)、OMP26、P6、プロテインD、TbpA、TbpB、Hia、Hmw1、Hmw2、HapおよびD15が挙げられる。
インフルエンザウイルス抗原の例として、ウイルス全体、生存ウイルスまたは不活性化ウイルス、卵またはMDCK細胞で増殖させたスプリットインフルエンザウイルス、あるいは、ベロ細胞またはインフルエンザビロソーム全体(R. Gluck, Vaccince, 1992, 10, 915-920に記載されているようなもの)またはその精製もしくは組換えタンパク質(例えば、HA、NP、NA、もしくはMタンパク質)、またはこれらの組合せが挙げられる。
RSV(呼吸器シンシチウムウイルス)抗原の例として、F糖タンパク質、G糖タンパク質、HNタンパク質、Mタンパク質またはこれらの誘導体が挙げられる。
本発明の抗原組成物が単一種の細菌に由来する1以上の莢膜多糖を含んでもよいことは理解すべきである。抗原組成物はまた、1以上の種の細菌に由来する莢膜多糖を含んでもよい。
本発明の別の態様として、本発明の方法により製造されたジフテリア毒素、そのフラグメントまたは突然変異体(例えば、CRM197)と、薬学的に許容される担体を含む免疫原性組成物またはワクチンが挙げられる。
随意に、免疫原性組成物またはワクチンは、免疫原に対する免疫応答を増強するのに十分な量のアジュバントを含む。好適なアジュバントとして、限定するものではないが、以下のものが挙げられる:アルミニウム塩、スクアレン混合物(SAF-1)、ムラミルペプチド、サポニン誘導体、マイコバクテリウム細胞壁調製物、モノホスホリル脂質A、ミコール酸誘導体、非イオン性ブロックコポリマー界面活性剤、Quil A、コレラ毒素Bサブユニット、ポルホスファゼンおよび誘導体、ならびに免疫刺激複合体(ISCOM)、例えば、Takahashiら(1990)Nature 344:873-875により記載されたもの。獣医学での使用および動物における抗体の生産を目的とする場合、フロイントアジュバントのマイトジェン成分を用いることができる。
すべての免疫原性組成物またはワクチンと同様、免疫学的に有効な量の免疫原は経験に基づき決定しなければならない。考慮すべき要因として、免疫原性、免疫原をアジュバントまたは担体タンパク質もしくはその他の担体と複合体化または共有結合させるか否か、投与経路、ならびに投与しようとする免疫用量の回数などが挙げられる。このような要因は、ワクチン分野では周知であり、免疫学者であれば、過度の実験を行なうことなく、容易に決定することができる。
本発明の免疫原性組成物またはワクチンに、活性物質を様々な濃度で含有させることができる。一般的には、このような物質の最小濃度は、意図する用途を達成するのに必要な量であり、また、最大濃度は、最初の混合物内に溶解した状態を維持する、または均質に懸濁しうる最大量である。例えば、治療薬の最小量は、好ましくは治療に有効な単一用量をもたらすものである。生物活性物質の場合、最小濃度は、再構成時の生物活性に必要な量であり、最大濃度は、均質懸濁液を維持できなくなる濃度点である。単一用量単位の場合、その量は単一治療適用量である。一般に、各用量は、1〜100μg、好ましくは5〜50μg、最も好ましくは5〜25μgのタンパク質抗原を含むと予想される。細菌多糖の好ましい量は、10〜20μg、10〜5μg 、5〜2.5μgまたは2.5〜1μgである。この物質の好ましい量は物質によって異なるが、当業者により容易に決定可能である。
本発明のワクチン調製物を用いて、全身または粘膜経路からこのワクチンを投与することにより、感染しやすい哺乳動物(例えば、ヒトの患者)を予防または治療することができる。このような投与として、筋内、腹腔内、皮内もしくは皮下経路による注射;または口内/消化管、気道、尿生殖路への粘膜投与が挙げられる。本発明のワクチンは、単一用量として投与することができるが、その成分を同時に、または時間をずらして一緒に共投与してもよい(例えば、複数の多糖がワクチンに存在する場合、併用細菌タンパク質の投与と同時にまたは投与から1〜2週間後、これらを個別に投与することにより、互いに対する免疫応答の最適な協調を達成することができる)。単一の投与経路のほかに、2つの異なる投与経路を用いてもよい。例えば、ウイルス抗原はID(皮内)投与することができ、細菌タンパク質はIM(筋内)またはIN(鼻内)投与することができる。多糖が存在する場合には、これらをIM(またはID)投与し、細菌タンパク質をIN(またはID)投与することができる。加えて、本発明のワクチンを初回免疫のためにIM投与し、追加免疫のためにIN投与することも可能である。
ワクチン調製物についてはVaccine Design (“The subunit and adjuvant approach”(Powell M.F.およびNewman M.J.編)(1995)Plenum Press、ニューヨーク)に概要が記載されている。リポソーム内への封入はFullerton、米国特許第4,235,877号に記載されている。
本発明の別の態様は、本発明の発酵方法を用いて、ジフテリア毒素またはそのフラグメントもしくは突然変異体(例えば、CRM197)を作製するステップ、これと薬学的に許容される担体を組み合わせるステップ、ならびに、前述した別の(追加の)抗原のいずれかを随意に添加するステップを含む、医薬組成物の製造方法である。
このような方法は、ジフテリア毒素またはそのフラグメントもしくは突然変異体(例えば、CRM197)を医薬組成物の1以上の追加の成分、好ましくは前述した細菌多糖またはオリゴ糖とコンジュゲートさせるステップをさらに含んでもよい。
本発明の別の態様は、細菌症、特にジフテリア菌症の予防または治療のための医薬の製造における、本発明のジフテリア毒素またはそのフラグメントもしくは突然変異体(例えば、CRM197)の使用である。
本発明のさらに別の態様は、細菌感染、特にジフテリア菌感染の予防または治療方法であって、本発明の医薬組成物、免疫原性組成物またはワクチンを患者に投与することを含む、上記方法である。
本明細書に引用されるすべての参照文献または特許出願は参照として本明細書に組み込むものとする。
添付の実施例により本発明を説明する。以下の実施例は、具体的に記載のない限り、当業者には周知で、かつ常用の標準的技術を用いて実施される。実施例は例示であり、本発明を制限するものではない。
実施例1:KLaの測定
発酵ステップのKLaを測定するために、発酵槽に所望の量の水を充填し、発酵パラメーター(例えば、温度、圧力、攪拌および通気)を適用し、この系が定常状態に達するまで放置した。pO2プローブを100%で較正した。
同じ流速を維持しながら、通気を速やかに窒素ガスに切り換えた。pO2が5%以下に低下するまでpO2を追跡した。5%以下の点に到達したら、同じ流速を維持しながら、通気を速やかに空気に切り換えた。pO2レベルを追跡し、数時点で、元の定常状態100%レベルの百分率として記録した。
時間に対してlog(100-pO2%)をプロットすることによりKLaを算出した。グラフの直線部分の角度係数は−KLaに対応する。一般に、20%〜80%pO2のデータのみを考慮する。
結果
各時点でのpO2読取り値を以下の表1に示す。
Figure 2008533980
結果を図1に示すようにプロット化して表し、図1Bの直線の角度係数からKLaを決定した。
実施例2:150リットルスケールでのジフテリア菌株ATCC 39255の発酵
CRM197(交差反応物質)の調製に用いる細菌は、A. Pappenheimerの方法(Nature New Biol. 233:8-11、1971)に従うニトロソグアニジン処理により取得したジフテリア菌の突然変異株である。これは、無毒化ジフテリア毒素(52アミノ酸:グリシンのグルタミン酸への突然変異)を発現する。これは、ATCCから取得し、これを39255と称する。発酵方法の概略を図2に示す。
1.1×1010 cfu/mlを含む実施用種菌を冷凍庫(−70℃)から取り出し、室温で解凍した。解凍直後、バイアルを攪拌し、針付きの1ml注射器で250μlの種菌を採取した。
この量を100 mlの滅菌食塩水(0.9%)に注入した。フラスコを攪拌した。針付きの2ml注射器で2mlの懸濁液を採取し、米国特許第4,925,792号に記載されている500 mlの培地を含む3Lエルレンマイアーフラスコに接種した。最適密度(650 nm)が4.0〜6.0に達する(16〜19時間のインキュベーション後)まで、攪拌速度250 rpmおよび温度34.5℃±0.5℃でフラスコをインキュベートした。
150リットル発酵槽を滅菌し、100Lの培養培地を無菌状態で発酵槽に移した。酸性の瓶に500 mLのH3PO4 25%(V/V)を充填し、培地のpHは初め約7.4であり、調節しなかった。
発酵槽は接種の前日に用意し、接種まで、温度34.5℃、圧力0.5バール、ヘッドスペースの気流23N L/分、および攪拌速度50 rpmの待機条件で発酵槽を16〜20時間維持した。
接種前に、温度34.5℃、圧力0.5バール、培地に散布する気流23N L/分、および攪拌速度240 rpmの培養条件に発酵槽を設定した。240 rpmの攪拌により、先端速度1.76m/秒と理論上の混合時間3.9秒が達成される。溶存酸素は調節せず、モニタリングだけ行い、気泡制御装置のスイッチをオンにし、pHを7.8に到達させた後、H3PO4の添加により維持した。接種前に、pO2プローブを100%に設定した。
攪拌速度を240 rpmに設定したが、これは周辺速度(peripheral speed)1.76m/秒に一致する。攪拌速度240 rpmと通気速度23N L/分を組み合わせることにより、42 h-1に推定したKLa(20〜80%、水温30℃、0.5バール)を得た(図6参照)。
発酵槽に、接種材料ポートから400 mlの前記種菌培養物を接種した。
次の条件の両方が満たされるまで発酵を続けた。20時間の発酵が経過し、溶存酸素レベルが10%まで増加した。総発酵時間が一般に22〜28時間となった。
発酵の終了時に、温度を20℃の設定に変え、pH調節を止め、気流をヘッドスペースに移動させることにより気泡形成を制限し、気泡制御装置を停止したが、その他のパラメーターは変更しなかった。
精密濾過装置を発酵槽に接続し、懸濁液の温度が21℃に達したとき、精密濾過を開始した。精密濾過は次の2段階:濃縮および透析濾過で運転した。濃縮段階において、パラメーターは次の通りであった:入口圧力(pressure in)0.6バール、出口圧力(pressure out)約0.1バール、透過物流量:較正した蠕動ポンプを用いて2L/分に一定に維持した(透過物圧力は約0.3バールであった)。次の事象の1つが最初に起こるまで、懸濁液を濃縮した。入口圧力が0.9バールに達するか、または75リットルの透過物を回収したかのいずれかであった。
透析濾過段階では、次のパラメーターを用いた:入口圧力は濃縮ステップの終了時に達した圧力(最大0.9バール)に維持し;水を2L/分添加し;添加した水の総量は滞留物の3容量であった。
滞留物(retentate)を0.22μm膜で濾過し、+4℃で保存した。このような懸濁液中のCRM197の安定性を、+4℃または室温(+20℃<RT<23℃)のいずれかで最大4日保存した後、試験した。ELISA定量またはSDS-PAGEのいずれかにより、何らの分解および変化も認められなかった。増殖の非存在を確認する試験は、36℃でインキュベートしたBAB寒天上で実施した。
結果
前述した発酵のプロトコルを用いて、150Lスケールで2つの発酵を実施した(CDT199およびCDT206)。前培養および培養の条件を表2および3に示し、CRM197の収量を表4に示す。図3は、前培養増殖の典型的動力学のグラフを示す。O.D.(650 nm)が4.0〜6.0の間であるとき、培養は、明らかに指数増殖期にあり、pHはわずかしか変化しなかった。
Figure 2008533980
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発酵中、様々な相が観察された。
第1相は、0%に達するまでの溶存酸素の減少(約6〜7時間の期間)を特徴とした。この相の間、pHは安定しているか、(約0.1 pH単位だけ)わずかに低下する程度であった。
第2相の間、pHは上昇し、約pH7.8で頭打ちになった。このレベルでpH調節を開始したが、上記の発酵条件下では酸の添加を一切必要としないことが多かった。このpHの頭打ちの間、溶存酸素レベルが0%を超えて上昇した後、0%に下降したのを観測した。
第3相は、約7.4へのpHの低下を特徴とした。
最終的に、発酵22〜24時間の間に、pO2の増加が認められた。これは回収のためのシグナルである。
発酵槽からの排出ガスを質量分析計で分析した。CO2生成の典型的なプロフィールが認められた。
ここに記載した2つの発酵は、CRM197生産の動力学を推定するため、回収のシグナル後さらに延長した。本発明者らは、回収の徴候後CRM197レベルは上昇しなかったが、気泡形成が増加したことを認めた。消泡剤の消費を制限するために、回収のためのシグナルがあったときに発酵を停止するのが好ましい。しかし、CRM197は過剰な気泡形成による影響を受けなかったとみられ、また、分解は起こらなかった。
精密濾過
CDT206の精密濾過のためのデータを示す。
入口圧力が0.9バールに達したとき、74.3Lの透過物を回収した。出口圧力は、全濃縮ステップを通して0.15〜0.10バールであった。透過物圧力は、全濃縮ステップを通して0.3〜0.4バールであり、濃縮ステップは36分間続いた。
透析濾過段階の場合、75Lの水を徐々に添加(2L/分)しながら、同じ流速で透過物を抽出した。初め入口圧力は0.9バールであったが、透析濾過の終了時には0.7バールまで低下した。出口圧力は0.1バールで安定していた。透析濾過時間は39分であった。
CRM197の定量
低い通気条件下でのCRM197の発現レベルは、全発酵を通じて、pO2を5%以上に維持した高い通気条件下で達成されたものより一般に2〜4倍高かった。
培養物上清の染色SDS-PAGE
あらゆる分解バンドを検出することができるように(クリッピング後、それぞれ35および23 kDの2サブユニットを検出することができる)、SDS-PAGEゲルを用いて還元条件下で培養物上清を泳動した(図4)。次に、これらをクーマシーブルーで染色した。
結果
前記2つの発酵から得たサンプルのクーマシー染色ゲルを図4A(CDT199)および4B(CDT206)に示す。CRM197は予想した分子量(理論MW:58.4 kD)に現れた。発酵の終点のシグナル後に取得したサンプルにはパターンの変化が認められなかった(図4A、レーン9および10)ことから、CRM197は分解されていなかった。図4Aのレーン9および11は同等量のCRM197を示すことから、CRM197の量は精密濾過および最終濾過の影響を受けなかった。
温度はCRMの安定性に負の作用を及ぼしうる(図4Bのレーン12)。このサンプルは、サンプル弁が温かい間に採取したもので、このサンプルに存在するCRM197の量は減少している。
実施例3:20リットルスケールでのジフテリア菌株ATCC39255の発酵
20リットル発酵槽を用いた以外は、実施例2に記載したものと類似の方法を用いてジフテリア菌を発酵した。培養物を300 rpmで攪拌し、気流を3リットル/分に設定した。発酵を通してpHはほぼ中性に留まっていたため、その間、酸または塩基を添加する必要はなかった。
培養物は、最終OD(650 nm)18.3まで増殖した。CRM197の収量を染色ゲル上の密度計により評価したところ、103 mg/リットルであった。
実施例4:様々な規模でのジフテリア菌株ATCC39255の発酵
一定KLaの条件下でジフテリア菌を増殖させる発酵方法は、他のサイズおよび様々な設計の発酵槽での使用のために適合させることができる。表5に記載した発酵槽サイズ、気流および攪拌速度の条件に従い、優れた収量のCRM197生産が達成された。様々な設計の発酵槽において、3つの150L規模の発酵を実施した。
Figure 2008533980
表5に示すように、KLaは、気流および攪拌速度条件の具体的選択より重要であった。従って、低い気流を高い攪拌速度で補償することにより、同様のKLaを得ることができ、ここでも優れたCRM197収量が達成された。攪拌速度は、均質な懸濁液を形成するのに十分なものでなければならず、しかも通気は低いpO2を維持するように制限する。N.B.様々な発酵槽を20リットル発酵槽に用いた。様々な発酵槽の様々な形状により、表5に示す範囲のKLa値が得られた。
しかし、様々な規模の発酵にはそれぞれ異なるKLa条件が最適である。従って、20リットル発酵槽での発酵の場合、22-28h-1という低いKLaが最適であった。
最適KLa条件は、培養物中のpO2が低いレベルになるように制限された通気を可能にするものである。当業者であれば、発酵槽の特定のサイズおよび形状についての上記のような条件を容易に決定できるはずである。
実施例5:様々なpO2での発酵の収量への鉄濃度の影響
実施例3に記載した方法に従い、発酵の大部分を通してpO2が低くなるようにする、あるいは、5%pO2の一定設定値で、ジフテリア菌株ATCC39255の一連の発酵を20リットル規模で実施した。存在するFe3+の量は、Fe3+の添加なし、250 ppbのFe3+添加、500 ppbのFe3+添加および500 ppbのFe2+添加の間で様々であった。発酵終了時のCRM197の収量をSDS-PAGEゲルの密度測定により測定した。この方法は、ELISAにより達成したものより約20%低い結果をもたらす傾向がある。
結果
Figure 2008533980
表6に示すように、ジフテリア菌を5%pO2で発酵させると、鉄の添加により、収量の低下が起こる。しかし、実施例3で述べたように、pO2のレベルを下げ、一定KLaかつ低pO2の条件下で発酵を実施すれば、これより高い収量が達成され、収量はFe3+の添加に影響されなかった。
実施例6:低通気条件下でのDTまたはCRM197の収量への鉄濃度の影響
CRM197の発現に影響しない鉄濃度の範囲をマイクロプレートにおいて決定した。マイクロプレートは、本発明の発酵方法に存在する制限された通気条件をシミュレートするものである。
前述の発酵と同じ培地(CY培地と類似の培地)を用いて、マイクロプレート中での培養を実施した。1g/l Fe3+鉄でのFeCl3.6H2Oの原液からFe3+を添加した。
マイクロプレートのウェルに培地を充填し、8 E5細菌/mLで接種した。
CRM197を発現するジフテリア菌およびジフテリア毒素を発現するジフテリア菌の両ケースについて、マイクロプレートを34.5℃にて、250 rpmで攪拌しながら46時間インキュベートした。
サンプルを0.22μmフィルターで濾過した。
クーマシーブルー(Pierceのゲルコードブルー染色)で染色したSDS-PAGE(BioRadのXT Criterion4〜12%ビストリス)での密度測定法により発現を測定した。定量に用いた参照は、List Biological Laboratories INCのジフテリア毒素CRM突然変異体であり、これを様々な濃度でゲルに導入した。
結果
表7は、マイクロタイターウェルにおいて制限された通気条件下で増殖させたジフテリア菌について、様々な鉄濃度でのCRM197の発現を示す。CRM197発現は、Fe3+による抑制に対する感受性が低く、1ppmまたは2ppmのFe3+の添加には有意に影響されなかった。3ppmの濃度でのみ、CRM197発現の有意な低下が起こった。このレベルのFe3+でも、CRM197の発現はまだ、Fe3+を添加しないで達成された発現の79%であった。
Figure 2008533980
CRM197収率は、追加のFe3+を添加しないで達成された収量の百分率として表す。
前記の条件下でマイクロタイターウェルにおいて増殖させたジフテリア菌について、DT発現の結果を表8に示す。制限された通気条件下でのDT生産もFe3+による抑制に対し感受性が低かった。DT発現はFe3+濃度の増加に従い増大し、最大DT生産は700 ppbで達成された。DTの発現は、Fe3+の濃度が3ppmまで増加したときのみ、低下し始めた。
Figure 2008533980
DT収率は、追加のFe3+を添加しないで達成された収量の百分率として表す。
酸素添加プロフィールと、発酵のKLaを決定する上でのその使用を示すグラフである。パネルAは窒素から空気への切換え後の酸素添加の時間経過を示す。パネルBは、時間に対するln(100−pO2)のグラフを示し、このグラフから、直線の勾配を決定することによりKLaを評価することができる。 ジフテリア菌の発酵方法の概略を示す。 ジフテリア菌培養物の増殖の典型的動力学を示すグラフである。丸印の付いた直線は、様々な培養時間後の650 nmでのODを示す。菱形の付いた直線は培養物のpHを示す。 培養物上清のSDS-PAGEゲルを示す。レーン1−分子量マーカー、レーン2−1μg CRM197標準、レーン3−0.5μg CRM197標準、レーン4−0.25μg CRM197標準、レーン5〜11−ジフテリア菌発酵物から得た上清。ゲルAは、レーン5のCDT082、レーン6〜8のCDT198(上清は、レーン6が22.5時間、レーン7が24時間、レーン8が28時間後に取り出した)、レーン9、10および11のCDT199(上清は、レーン9が22時間45分、レーン10が24時間45分、レーン11が後の精密濾過および濾過後に取り出した)からそれぞれ得た上清を示す。 培養物上清のSDS-PAGEゲルを示す。レーン1−分子量マーカー、レーン2−1μg CRM197標準、レーン3−0.5μg CRM197標準、レーン4−0.25μg CRM197標準、レーン5〜11−ジフテリア菌発酵物から得た上清。ゲルBは、レーン5のCDT082、レーン6〜9のCDT205(レーン7が21時間43分の発酵後、レーン8が23時間の発酵後、レーン9が24時間の発酵後)、レーン10〜13のCDT206(レーン10が22時間10分の発酵後、レーン11が23時間49分の発酵後、レーン12が24時間30分の発酵後、レーン13が精密濾過および濾過後)からそれぞれ得た上清を示す。 毎分23リットルの通気条件下、様々な攪拌速度で150リットル発酵槽のKLaを示すグラフである。

Claims (35)

  1. 均質な培養物を維持するのに十分な攪拌と、培養物内のpO2が、発酵ステップの大部分の間、4%以下になるような制限された通気の条件下で、ジフテリア菌(Corynebacterium diphtheria)株を発酵槽中の培地で増殖させる発酵ステップを含む、発酵方法。
  2. 前記pO2が、発酵ステップの大部分の間、0に近似する、請求項1に記載の発酵方法。
  3. 酸素の迅速な消費によりpO2が4%以下になるのに十分な密度までジフテリア菌が増殖した時点から、発酵ステップが終了するまで、4%以下のpO2を維持する、請求項1または2に記載の方法。
  4. 発酵ステップを一定のKLaで実施する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 発酵ステップを一定の攪拌速度および通気速度で実施する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 発酵ステップを可変KLa条件下で実施する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  7. 発酵ステップを10〜50h-1のKLaで実施する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 10〜30リットル発酵槽において10〜30h-1のKLaで発酵ステップを実施する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 100〜250リットル発酵槽において30〜60h-1のKLaで発酵ステップを実施する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  10. 250〜800リットル発酵槽において60〜150h-1のKLaで発酵ステップを実施する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  11. 1〜5L/分の圧縮空気の気流と200〜400rpmの攪拌速度で発酵ステップを実施する、請求項8に記載の方法。
  12. 15〜25L/分の圧縮空気の気流と150〜250rpmの攪拌速度で発酵ステップを実施する、請求項9に記載の方法。
  13. 培地がCY、SOCまたは類似の培地であり、通気の程度により発酵槽内のpHを7.0〜7.8に保持するが、その際、酸または塩基を添加する必要がない、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記ジフテリア菌株がジフテリア毒素またはその突然変異体、特にCRM197を産生する、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記ジフテリア菌株がATCC39255である、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記方法が、培地中の鉄塩の存在に十分耐性であり、それにより、使用前に、鉄を除去するための培地処理を必要としない、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記培地が10〜4,000 ppbの鉄を含む、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記培地が100〜3,000 ppbまたは1,700〜3,000 ppbの鉄を含む、請求項17に記載の方法。
  19. 前記培地が5〜20g/Lのカザミノ酸またはカゼイン加水分解物を含む、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記培地が5〜20g/Lの大豆ペプトンまたはその他の植物ペプトンを含む、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記培地が10〜30g/Lの酵母抽出物を含む、請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 発酵を25〜40℃の温度で実施する、請求項1〜21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 消泡剤を発酵槽に添加する、請求項1〜22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 気泡プローブまたは機械的破泡機を発酵槽に用いる、請求項1〜23のいずれか一項に記載の方法。
  25. ジフテリア菌由来の抗原の調製物を製造する方法であって、請求項1〜24のいずれか一項に記載の発酵方法を実施するステップと、培養物からジフテリア菌由来の抗原を単離するステップを含む、上記方法。
  26. 前記ジフテリア菌株由来の抗原がジフテリア毒素またはそのフラグメントもしくは突然変異体である、請求項25に記載の方法。
  27. 前記抗原がCRM197である、請求項26に記載の方法。
  28. 1以上の追加の抗原をジフテリア菌株由来の抗原に付加するステップを含む、請求項25〜27のいずれか一項に記載の方法。
  29. ジフテリア毒素またはそのフラグメントもしくは突然変異体を1以上の追加の抗原とコンジュゲートさせるステップをさらに含む、請求項28に記載の方法。
  30. 1以上の追加の抗原が細菌多糖またはオリゴ糖を含む、請求項29に記載の方法。
  31. 請求項25〜30のいずれか一項に記載の方法により作製した(コンジュゲートされたまたはコンジュゲートされない)抗原またはジフテリア毒素もしくは突然変異体と、薬学的に許容される担体を混合するステップを含む、医薬組成物の製造方法。
  32. 細菌症の治療または予防のための医薬の製造における、請求項25〜31のいずれか一項に記載の方法により作製した抗原、ジフテリア毒素またはその突然変異体の使用。
  33. 前記細菌症がジフテリア菌症である、請求項32に記載の使用。
  34. 請求項31に記載の方法により製造した医薬組成物を患者に投与することを含む、細菌感染症の予防または治療方法。
  35. 前記細菌感染症がジフテリア菌感染症である、請求項34に記載の方法。
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