JP2008302070A - 刺繍ミシン及びその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】千鳥振りさせた刺繍材が縫針に接触することを防止する。
【解決手段】第1の演算処理S1により、縫いデータに基づき、千鳥縫いヘッドHのガイドレバー25を介して案内される刺繍材Tを縫い進み方向に指向させるべく回転筒16を回転させるための縫い進行方向角度を算出する。第2の演算処理S2,S3により、前記縫い進行方向角度に対して千鳥振り用の振り角度を加算又は減算し、回転筒の目標回転角度を算出する。算出された目標回転角度に応じて回転筒を回転させる。千鳥振りのためにガイドレバーを回転筒に対して揺動させる揺動機構を備え、該揺動機構による千鳥振りの振れ幅に、回転筒の前記振り角度に相当する振れが付加されるようにしてよい。あるいは、ガイドレバーを回転筒に対して揺動させず、前記振り角度によって、千鳥振りに必要なすべての振り運動を設定するようにしてよい。
【選択図】図8

Description

本発明は、テープやコードなどの紐状の刺繍材を針落位置に対して縫い進み方向の左右に千鳥振りさせつつ供給して布地などの被縫製物に縫い着ける千鳥縫いヘッドを備える刺繍ミシン及びその制御方法に関する。
従来、特許文献1,2に示すように、テープやコードなどの紐状の刺繍材を千鳥振りさせつつ供給して布地に縫い着ける千鳥縫いヘッドを備えた刺繍ミシンが知られている。図14及び図15は、この種の刺繍ミシンが備える従来の千鳥縫いヘッドの構成及び動作を説明するための図である。従来の千鳥縫いヘッドは、下端部に縫針が装着されて上下に駆動される針棒(図示せず)と、この針棒の外周に該針棒と同心状でその軸心回りに回転自在に組み付けられた回転筒100と、回転筒100に対してレバーピン102を介して揺動可能に取り付けられ、紐状の刺繍材Tを案内して縫針の針落位置へ供給するガイドレバー101とを備えて構成されている。なお、図14,15において、Pは縫針の針落位置(ステッチ位置)、Paは一つ前のステッチ位置、Pbは2つ前のステッチ位置、Tは紐状の刺繍材である。
特許第3145469号公報 特開平8−299639号公報
このような千鳥縫いヘッドを備えた刺繍ミシンでは、所定の縫いデータに基づいて布地に対する縫い進み方向(図中の矢印で示す方向)を算出する。そしてこの算出した縫い進み方向に従って、レバーピン102が常時縫い進み方向の前方の正面に位置するように回転筒100の回転を制御しつつ縫い動作を行う。また、その際にレバーピン102を支点としてガイドレバー101を往復揺動させることで、所定のパターンで刺繍材Tを縫い進み方向に対して左右に千鳥振りさせつつ供給して、刺繍材Tを布地に縫い着ける。
上記従来の千鳥縫いヘッドでは、回転筒100の回転方向及び回転角度の制御は、縫い動作の最中にレバーピン102を縫い進み方向の前方の正面に位置させるように行われており、刺繍材Tの千鳥振りは、ガイドレバー101の揺動のみによって行われている。したがって、千鳥振りにおける刺繍材Tの左右への移動量はガイドレバー101の腕の長さ(レバーピン102からガイドレバー101の下端部までの長さ)で決まるため、千鳥振りにおける刺繍材Tの左右への移動量を大きくするには限界があった。そのため、紐状の刺繍材Tがビーズ紐(複数のビーズBに糸が通されて連なったもの)等のように紐に飾り又は付属物が付加されていてその径が比較的大きなものである場合、図14に示すように、千鳥振りさせた刺繍材Tと縫針とが接触することがあり、ビーズB(又は飾り若しくは付属物)が破損したり縫針が折れたりする不具合が生じるおそれがあった。このような不具合は、ビーズ紐などの飾り又は付属物を有する紐状刺繍材に限らず、紐状の刺繍材Tの太さが大きい又は幅が広い場合などにおいても、起こり得る。
そこで、刺繍材Tと縫針との接触を回避するために、図15に示す従来の千鳥縫いヘッドでは、ガイドレバー101の揺動に同期させて、布地を保持している縫製枠(図示せず)を本来のステッチ移動量にガイドレバー101の揺動方向へ所定の移動量を加算した移動量で水平移動させるようにしている。すなわち、図15(a)に示すように、ガイドレバー101が縫い進み方向に対して右側(同図における下側)に揺動するときには、縫製枠も右側に所定の移動量を加算して移動させる。また、図15(b)に示すように、ガイドレバー101が縫い進み方向に対して左側(同図における上側)に揺動するときには、縫製枠も左側に所定の移動量を加算して移動させる。これによれば、先のステッチで既に布地に縫い付けられている刺繍材Tが縫製枠の移動に伴って左右に振られるので、千鳥振りの際に刺繍材Tが針落位置Pから大きく離れるようになり、刺繍材Tの径が比較的大きなものであっても、刺繍材Tと縫針とが接触することを防止できる。なお、特許文献3には、この千鳥縫いのための縫製枠の移動データを自動で生成するミシンが開示されている。
特許第3763863号公報
図16は、ガイドレバー101の揺動のみで千鳥縫いを行う千鳥縫いヘッドで縫い付けられた刺繍材Tを示す図で、図17は、ガイドレバー101の揺動とともに縫製枠を移動させて千鳥縫いを行う千鳥縫いヘッドで縫い付けられた刺繍材Tを示す図である。両図において、(a)は、刺繍材Tが縫い付けられた布地の平面図であり、(b)は、その斜視図である。これらの図に示すように、ガイドレバー101の揺動のみの千鳥縫いでは、ステッチの真上に刺繍材Tが位置するため、上方から見るとステッチの縫い目PPが刺繍材Tの下側に隠れる。これに対し、ガイドレバー101の揺動とともに縫製枠を移動させる千鳥縫いでは、縫い進み方向に対してジグザグ状に配置されたステッチの間に刺繍材Tが位置するため、上方から見るとステッチの縫い目PPが刺繍材Tの両側に露出してしまう。このように、ガイドレバー101の揺動とともに縫製枠をガイドレバー101の揺動方向へ所定量移動させる千鳥縫いでは、縫製枠を移動させずに行われる千鳥縫いと比較して、刺繍材Tの縫い付けデザインが異なるものになってしまうという問題があった。
一方、上記のような千鳥縫いヘッドを備える刺繍ミシンとしては、千鳥縫いヘッドと多色刺繍などの他の縫い動作を行うミシンヘッドとを併設してこれらをペアとして構成し、これら千鳥縫いヘッドと他のミシンヘッドとからなるペアでコンビネーション刺繍を行うコンビネーション刺繍ミシンが知られている。
千鳥縫いヘッドと多色刺繍ヘッドとからなる上記ペアを複数ペア配置してなるコンビネーション刺繍ミシンにおいては、通常、ミシンヘッドの各ペアに対応させてその下方に縫製枠が配置されている。このような刺繍ミシンにおいて、例えば、千鳥縫いによる刺繍材の縫い付けと多色刺繍による縫製とのコンビネーション刺繍を施す場合には、千鳥縫いヘッドと多色刺繍ヘッドとの間で針間移動を行う必要がある。この針間移動は、縫製枠の横移動によって行なわれる。そして、千鳥縫いヘッドでは、縫製枠の横移動の際に針落位置の近傍に延在しているガイドレバー101の下端部が縫製枠と干渉しないようにするために、針間移動の際、事前にガイドレバー101の下端部を手動で上方に回動させて、縫製枠の移動領域から退避させておくようになっている。しかしながら、針間移動の際にガイドレバー101を事前に退避させる操作を忘れると、縫製枠がガイドレバー101に干渉してこれを破損してしまうおそれがあった。
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、被縫製物に縫い付ける刺繍材が比較的大きな径又は太さ又は幅を持つものであっても、刺繍材の縫い付けデザインに変更を及ぼすことなく、縫い付けの際に千鳥振りさせた刺繍材が縫針に接触することを防止できる刺繍ミシン及びその制御方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、千鳥縫いヘッドと他の種類のミシンヘッドとの間で針間移動を行う際に、万一、作業者が千鳥縫いヘッドにおける刺繍材のガイド部を事前に退避させる操作を忘れて縫製枠がガイド部と干渉したとしても、ガイド部の破損等の不都合が起こらないように工夫した刺繍ミシン及びその制御方法を提供することにある。
上記課題を解決するため本発明の刺繍ミシンは、縫針が装着されて往復駆動される針棒と、前記針棒の外周で該針棒の軸心回りに回転可能に設置された回転体と、前記回転体に伴って動き、紐状の刺繍材を縫い位置に案内するガイド部とを備えた千鳥縫いヘッドと、縫いデータに基づき、前記ガイド部を介して案内される前記刺繍材を縫い進み方向に指向させるべく前記回転体を回転させるための縫い進行方向角度を算出する第1の演算手段と、前記算出された縫い進行方向角度に対して千鳥振り用の振り角度を加算又は減算し、前記回転体の目標回転角度を算出する第2の演算手段とを具備し、前記算出された目標回転角度に応じて前記回転体を回転させることを特徴とする。
第1の演算手段は、紐状の刺繍材を縫い進行方向に指向させる制御のために従来から知られたものであり、縫いデータに応じて、ガイド部を介して案内される刺繍材を縫い進み方向に指向させるべく回転体を回転させるための縫い進行方向角度を算出する。本発明においては、更に第2の演算手段を具備していることを特徴としている。すなわち、第2の演算手段は、前記算出された縫い進行方向角度に対して千鳥振り用の振り角度を加算又は減算し、前記回転体の目標回転角度を算出する。そして、該算出された目標回転角度に応じて回転体が回動される。これにより、回転体そのものの回転角度が千鳥振りに関与するようになり、ガイド部を千鳥振りする振り角が大きくなるように設定できる。したがって、縫い付けられる刺繍材が比較的大きな径を有するものである場合でも、千鳥振りされる刺繍材が縫針と接触することを効果的に防止できるようになる。また、従来のように縫製枠を縫い進み方向の左右に移動させることなく刺繍材を千鳥振りさせる移動量を大きくできるため、ステッチが縫い進み方向に対してジグザグ状にならずに済み、縫製枠を移動させて刺繍材と縫針との接触を防止する場合のように刺繍材の縫い付けデザインが異なるものにならずに済む。
一実施形態によれば、千鳥縫いヘッドは、前記ガイド部を前記回転体に対して揺動させることで、前記ガイド部を介して案内される前記刺繍材を縫い進み方向の左右に千鳥振りさせる揺動機構を更に備えるものであり、前記揺動機構による前記ガイド部の千鳥振りの振れ幅に加えて、前記回転体の前記振り角度に相当する振れが付加されるようにしてよい。これによれば、従来知られたガイド部の千鳥振り運動に加えて、回転体の駆動による振れ角が加算されることになり、大きな振りを必要とする千鳥縫いを行うのに適した構成を提供することができる。
また、この構成によれば、ガイド部それ自体が回転体と共に針棒の軸心回りに回転することによりガイド部の直線的揺動運動に基づく振り幅に振り角度が付加される構成であるので、同じ振り幅の千鳥振りをガイド部の直線的揺動運動のみで行う場合と比べて、振り角度分だけガイド部が針棒の軸心位置を中心に回転することによって一つ前のステッチ位置に近づくようになる。したがって、毎回の千鳥振りで余分な長さの刺繍材が引き出されずに済むので、刺繍材が被縫製物に弛みなく縫い付けられるようになり、刺繍材の縫い付けの仕上がりが良好になる。
また、この構成によれば、大径の刺繍材を縫い付ける場合であっても、縫いデータを変更せずに、該縫いデータによって指示される回転体の回転方向及び回転角度をガイド部の揺動方向への振り角度に相当する回転角度だけ変更すれば済むので、千鳥縫いヘッドによる縫い動作の制御が簡単に行えるようになる。
別の実施形態によれば、千鳥縫いヘッドは、前記回転体に対して揺動しないようになっていてよく、前記第2の演算手段で加算又は減算される前記振り角度によって、前記ガイド部を介して案内される前記刺繍材が縫い進み方向の左右に千鳥振りされるのに必要なすべての振り運動を設定するようにしてよい。
この構成によれば、回転体の回転方向及び回転角度の制御のみで刺繍材の千鳥振りが可能となるので、ガイド部を千鳥振りのために揺動させるための揺動機構及びその駆動源が不要になり、千鳥縫いヘッドの構成を簡素化することができる。また、ガイド部を回転体と共に針棒の軸心回りに回転させることで千鳥振りを行うため、縫い進行方向に対して直角に直線的に揺動するように構成したガイド部の揺動機構を介した千鳥振りと比べて、ガイド部が一つ前のステッチ位置に近づくようになる。したがって、毎回の千鳥振りで余分な長さの刺繍材が引き出されずに済むので、刺繍材が被縫製物に弛みなく縫い付けられるようになり、刺繍材の縫い付けの仕上がりが良好になる。
また、本発明は、上記の千鳥縫いヘッドと、該千鳥縫いヘッドに対して併設された他のミシンヘッドとを備え、被縫製物を保持した縫製枠が一方のヘッドに対応づけられるように移動(針間移動)することにより、前記被縫製物に対する縫いに使用するヘッドを前記千鳥縫いヘッドと前記他のミシンヘッドとの間で切り替えることができるようにしたコンビネーション刺繍ミシンにおいて適用可能である。その場合、千鳥縫いヘッドにおける回転体の回転位置決め制御を適切に行うことにより、縫製枠の針間移動に際してガイド部の損傷等の不都合が起こらないようにしている。
そのために、本発明においては、前記千鳥縫いヘッドが備える前記ガイド部は、前記縫製枠の移動領域に侵入する縫い動作位置と前記縫製枠の移動領域から上方に外れた退避位置との間で移動可能に構成されており、かつ、該ガイド部を前記縫い動作位置にロックするためのロック部材を有しており、前記縫製枠を前記千鳥縫いヘッドと前記他のミシンヘッドとの間で針間移動させる際に、前記回転体を所定回転角度に位置決めすることで、移動する前記縫製枠が前記ガイド部に当接してこれを押圧したとき前記ロック部材によるロックが解除されるようにし、これにより前記退避位置に移動しうるようにしたことを特徴とする。
この構成によれば、千鳥縫いヘッドと他のミシンヘッドとを備えるコンビネーション刺繍ミシンにおいて、千鳥縫いヘッドと他のミシンヘッドとの間で縫製枠を移動させて針間移動を行う際に、自動的に前記回転体を所定回転角度に位置決めすることで、移動する前記縫製枠が前記ガイド部に当接してこれを押圧したとき前記ロック部材によるロックが解除されるようにしたので、万一、作業者がガイド部を事前に退避位置へ退避させる操作を忘れて縫製枠がガイド部と干渉しても、ロック部材によるロックが自動的に解除されることにより、縫製枠が更に移動してガイド部を押したとき、ガイド部が自然に退避位置の方に動かされることになるので、ガイド部の破損等の不都合を防止できるようになる。
本発明の刺繍ミシンによれば、千鳥縫いによって被縫製物に縫い付ける刺繍材が比較的大きな径を有するものである場合でも、刺繍材の縫い付けデザインに変更を及ぼすことなく、千鳥振りされる刺繍材が縫針に接触することを効果的に防止できる。また、千鳥縫いヘッドと他のミシンヘッドとの間で針間移動を行う際に、万一、作業者が千鳥縫いヘッドのガイド部を事前に退避させる操作を忘れて縫製枠がガイド部と干渉したとしても、ガイド部の破損等の不都合を防止できる。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお以下の説明で「左」というときは、後述する千鳥縫いヘッドHの正面側から見た左側を指し、「右」というときは、千鳥縫いヘッドHの正面側から見た右側を指すものとする。
〔第1実施形態〕
図1及び図2は、本発明の第1実施形態にかかる千鳥縫いヘッドを備える多頭コンビネーション刺繍ミシン(以下、単に「刺繍ミシン」という。)を示す図で、図1はその正面図であり、図2はその平面図である。刺繍ミシンは、ミシンテーブル1の上方に設置された千鳥縫いが可能な千鳥縫いヘッドHと、複数の色糸のいずれかを選択して縫いを行うことにより多色刺繍が可能な通常の多色刺繍ヘッドHHと、釜土台に支持された釜2と、釜土台の上面に固定された針板3とを備えて構成されている。千鳥縫いヘッドHと多色刺繍ヘッドHHとは互いに隣接して配置され、これらが一対のペアとして構成されている。本実施形態の刺繍ミシンには、千鳥縫いヘッドHと多色刺繍ヘッドHHとからなるペアが3ペア設けられている。この刺繍ミシンでは、千鳥縫いヘッドHによる刺繍材の飾り付け刺繍と多色刺繍ヘッドHHによる通常の多色刺繍とを組合せたコンビネーション刺繍を行うことができる。
ミシンテーブル1の上面には基枠4が載置されている。基枠4はミシンテーブル1の下方に配設された図示しない駆動機構によって水平面内でX−Y方向に駆動されるようになっている。基枠4内には、布地などの被縫製物を展張保持するための縫製枠5が設置されている。この縫製枠5は、千鳥縫いヘッドHと多色刺繍ヘッドHHとからなる各ペアに対応してその下方にそれぞれ設置されている。この刺繍ミシンでは、コンビネーション刺繍を行う際には、千鳥縫いヘッドHと多色刺繍ヘッドHHとを交代で稼動する。そして、千鳥縫いヘッドHと多色刺繍ヘッドHHとの稼動を切り換える際には、被縫製物を保持する縫製枠5を両ヘッドH,HHの針間Lの寸法分だけ横移動(針間移動)させる。なお、多色刺繍ヘッドHHとしては周知の刺繍ヘッドを用いることができる。したがってここでは多色刺繍ヘッドHHの構成及び動作に関する詳細な説明は省略する。
図3及び図4は、千鳥縫いヘッドHを示す図で、図3はその正面図、図4はその側面図(一部断面図)である。千鳥縫いヘッドHには、軸方向が上下方向(垂直方向)に延びるように配置された針棒7が設けられている。針棒7は、ミシン主軸6の回転によって上下方向に往復駆動されるようになっている。針棒7の下端部には縫針8が装着されている。また、針棒7の外周には支持筒9が取り付けられている。支持筒9は、千鳥縫いヘッドHの下部に固定された固定スリーブ10の内周面で案内されて、針棒7に対する相対的な昇降動作及び針棒7の軸心回りの回転動作が可能になっている。また、支持筒9の上端部外周には係合リング11が固定されており、係合リング11にはモータ12の駆動によって上下動する駆動アーム13が係合している。一方、支持筒9の下端には布押え支持体14が固定されている。布押え支持体14はその下端部が二股に分岐した形状に形成されており、一方の股の外側面にはその長手方向が上下方向に延びるキー溝14aが形成され、他方の股の下端部には布押え体15が取り付けられている。
固定スリーブ10の外周には回転筒(回転体)16が取り付けられている。回転筒16は、針棒7と同心状に取り付けられており、針棒7の軸心回りの回転動作のみが可能になっている。回転筒16の上端部外周にはタイミングプーリ部17が形成されており、タイミングプーリ部17とモータ18の回転軸18aに固定された駆動プーリ19との間にタイミングベルト20が架けられている。これにより、モータ18が駆動されて駆動プーリ19が回転すると、タイミングベルト20及びタイミングプーリ部17を介してその回転が伝達されて、回転筒16が回転するようになっている。一方、回転筒16の下端には布押え支持体14のキー溝14aに係合するキー部材21が固定されている。したがって、布押え体15は支持筒9の上下動に伴って上下動するとともに、回転筒16の回転に伴って針棒7の軸心回りで回転するようになっている。
回転筒16の外周には、連動部材22が上下動可能かつ回転可能に設置されている。連動部材22には連結片23が固定されており、連結片23は回転筒16の外周に形成された係合溝16aに係合している。これにより、連動部材22は回転筒16の回転に伴って回転筒16と一体に回転するようになっている。また、回転筒16にはブラケット24を介してガイドレバー(ガイド部)25が取り付けられている。ガイドレバー25は、ブラケット24の外側面に取り付けたレバーピン26を支点として、回転筒16に対して針棒7の軸方向の左右に揺動自在に取り付けられている。
ガイドレバー25は、レバーピン26の位置から側方に延びる一方の腕部34aと下方に延びる他方の腕部34bとを備えて略L字型に形成されたベース部材34と、ベース部材34の腕部34bの下端に連結されたガイド部材35とを備えて構成されている。ガイド部材35は、後述するように、ベース部材34の腕部34bに対してガイドピン37と連結部材36とによって上下方向に回動可能に連結されている。ガイド部材35の下端には、刺繍材Tを縫針8の針落位置(針元位置)へ供給するためのガイド筒28が取り付けられている。ガイド筒28の下端部は、刺繍材Tが導出される刺繍材導出口28aになっている。
一方、ベース部材34の腕部34aの先端にはコロ27が取り付けられており、該コロ27を介して腕部34aが連結片23の連係溝23aにリンク係合している。また、図4に示すように、回転筒16の外周にはボビンブラケット29が固定されており、ボビンブラケット29には、紐状の刺繍材Tを巻回したボビン30が回転自在に支持されている。
針棒7に隣接する位置には、図3に示すように、その軸方向が上下方向(垂直方向)に延びるように配置されたガイド軸32が設置されている。ガイド軸32には昇降部材31が取り付けられている。昇降部材31は、図示しない駆動伝達機構を介して千鳥振りモータ33の回転による駆動力が伝達されることで、ガイド軸32で案内されながらその軸方向に沿って上下動(昇降移動)するようになっている。一方、昇降部材31には針棒7に向かって略水平に突出するフォーク部31aが形成されており、このフォーク部31aが連動部材22の外周に形成された溝部22aに係合している。したがって、昇降部材31の上下動によって連動部材22及び連結片23が上下動し、連結片23の上下動が連係溝23a及びコロ27を介してガイドレバー25の揺動に変換される。こうして、ガイドレバー25の下端部に固定されたガイド筒28が、千鳥振りモータ33からガイド部材35に至る揺動機構の働きにより、レバーピン26を支点として縫い進み方向に対して左右に直線的に往復揺動するようになっている。
上記図3では、昇降部材31が上限位置にあってガイドレバー25が左側一杯に揺動した状態を示している。一方、図5は、千鳥縫いヘッドHの下部を正面から見た部分拡大図であり、昇降部材31が下限位置にあってガイドレバー25が右側一杯に揺動した状態を示す図である。ガイドレバー25のガイド筒28は、図3に示す位置と図5に示す位置との間で、針棒7の往復動に同期して左右に往復揺動するようになっている。これにより、ガイド筒28の先端に設けた刺繍材導出口28aから出た刺繍材Tが、所定のパターンで縫い進み方向に対して左右に千鳥振りされつつ針落位置へ供給されて、順次布地に縫い付けられるようになっている。
図6(a)は、千鳥縫いヘッドHの下部を正面から見た部分拡大図であり、同図(b)は、縫製枠5の縦枠辺5aの断面図である。また、図7は、千鳥縫いヘッドHの下部を左側の側面から見た部分拡大図である。図6(a)及び図7に示すように、ベース部材34とガイド部材35とを連結している連結部材36は、上記ガイドピン37でベース部材34の外側の側面に取り付けられている。ガイドピン37はその軸方向が針棒7の軸心から外方へ向かう方向に沿って水平に延びるように取り付けられている。連結部材36は、ベース部材34に対してガイドピン37の軸方向に沿って平行に移動可能で、かつ、ガイドピン37の軸心回りに回動可能に取り付けられている。また、ガイドピン37の軸部の外周にはコイルバネ40が取り付けられている。コイルバネ40は、連結部材36とガイドピン37の頭部との間に弾接介在しており、このコイルバネ40の付勢力で連結部材36がベース部材34の外側の側面に押し付けられた状態になっている。また、連結部材36のベース部材34に面する位置には突起状の係合ピン38が形成されており、ベース部材34の連結部材36に面する位置には係合ピン38を係合させる係合孔39が形成されている。これら係合ピン38と係合孔39とで、ガイド部材35を上記縫い位置で係止する係止機構が構成されている。
一方、連結部材36の下端部近傍には、その長手方向が上下方向に延びる長孔41が形成されており、長孔41にはガイド部材35を固定するための固定ネジ42が取り付けられている。また、長孔41には、ガイド部材35に形成された突起状のピン43が挿入されている。これにより、ガイド部材35は連結部材36に対して長孔41の長手方向に沿ってその上下方向の位置を微調整して固定できるようになっている。
ガイドレバー25は、作業者の手動操作によって、図6(a)の実線で示す千鳥縫い動作に関与することが可能な縫い動作位置と、図6(a)の想像線で示す退避位置との間で位置の切り換えが可能となっている。ガイドレバー25が上記縫い動作位置にあるときには、連結部材36の係合ピン38がベース部材34の係合孔39に係合しており、連結部材36はベース部材34に対して係止されている。係合ピン38と係合孔39は、縫い動作位置におけるロック部材として機能する。この縫い動作位置からガイドレバー25を退避位置へ移動させるには、まず、図7の想像線で示すように連結部材36をコイルバネ40の付勢力に抗してベース部材34から離間させ、係合ピン38の係合孔39への係合(ロック部材によるロック)を解除する。その状態で、連結部材36とガイド部材35とを一体にガイドピン37を支点として左上方へ回動させることで、図6(a)の想像線で示す退避位置へ退避させる。
図6(b)に示すように、縫製枠5の縦枠辺5aの内側には、縦枠辺5aに沿って上方に突出する突条5bが設けられており、該突条5bには該突条5bに対して被縫製物(布地)を保持するための保持クリップ44が嵌着可能である。千鳥縫いヘッドHに設けられたガイドレバー25の下端の部分は、縫製枠5の縦枠辺5aの高さよりも低い。したがって、ガイドレバー25を上記縫い位置に設定したままでは、縫製枠5が千鳥縫いヘッドHの下方を通過する際に縦枠辺5aあるいは保持クリップ44がガイドレバー25と衝突してしまうことになり、好ましくない。そこで、従来は、そのような衝突を防止するために、千鳥縫いヘッドHと多色刺繍ヘッドHHとの間で稼動ヘッドを切り換えるために縫製枠5を移動する際には、事前に、ガイドレバー25を手動操作にて退避位置に設定していた。しかし、このガイドレバー25の手動による退避位置への設定操作をし忘れた場合は、そのような衝突が起きてしまう。そこで、本発明では、後述するように、ガイドレバー25の手動による退避位置への設定操作をし忘れた場合でも、不都合が起らないように工夫している。なお、縫製枠5の脱着を容易に行うために、刺繍作業が完了した際に布地を交換する場合にもこのガイド部材35の退避操作を行う。なお、布押え体15は、千鳥縫いが終了するとモータ12の駆動によって、図7に示すように、縫い動作時の上死点よりも上方の所定の退避位置へ自動的に退避するようになっているので、ガイドレバー25の衝突のような問題は起らない。
上記構成の千鳥縫いヘッドHで刺繍材Tの縫い付けを行うには、まず、刺繍材Tを巻回したボビン30をボビンブラケット29にセットするとともに、刺繍材Tをボビン30から繰り出してガイド筒28に通し、刺繍材導出口28aから縫針8の針落位置へ導く。この状態で、所定の縫いデータに基づき基枠4(縫製枠5)をX−Y方向へ移動制御するとともに、ミシン主軸6の回転によって針棒7を上下に往復駆動させて、縫針8と釜2とによって周知の縫い動作を行う。なお、本発明においては、縫いデータによる縫製枠5のX−Y方向への移動量は本来の所望のステッチの形成にのみ関与し、千鳥振りには関与しない。なお、布押え体15は、モータ12の駆動によって針棒7の上下動に対して所定のタイミングで上下動して布押えの機能を果たす。
本実施形態の千鳥縫いヘッドHでは、千鳥縫いのために、回転筒16の回転角度として、刺繍材Tを縫い進み方向に指向させるための回転角度に対して千鳥振り用の振り角度を加算又は減算したものを1ステッチ毎に設定し、該設定した回転角度に位置するように回転筒16を回転制御するようにしている。このとき、千鳥縫いのために、従来同様、ガイドレバー25も1ステッチ毎に直線的に往動又は復動される。よって、1ステッチ毎の千鳥縫いの振れ運動は、ガイドレバー25の直線的振れ幅に対して、回転筒16の千鳥振り用の振り角度分の振れが付加されたものとなる。なお、刺繍材Tを縫い進み方向に指向させるための回転角度とは、具体的には、回転筒16に取り付けられたレバーピン26を千鳥縫いヘッドHの縫い進み方向における前方の正面位置に位置させるように制御するための回転角度であり、絶対的な回転角度を示す。他方、回転筒16の千鳥振り用の振り角度は、刺繍材Tを縫い進み方向に指向させるための回転角度に対する変化値(相対値)である。なお、この振り角度の正/負符号は、当該ステッチにおけるガイドレバー25の振れ方向に応じて定まる。また、この振り角度の値は、刺繍材Tの性状(ビーズ玉のサイズや紐の太さなど)を考慮して定められる。例えば、ガイドレバー25の揺動による振り幅だけで支障なく千鳥縫いを実現できる場合は、回転筒16の千鳥振り用の振り角度は0であってよい。他方、ガイドレバー25の揺動による振り幅だけでは不足するような場合、回転筒16の千鳥振り用の振り角度を相応の値に設定する。この振り角度の値は、刺繍ミシンに予め設定されている所定値でもよいし、作業者が操作パネル等の設定手段にて手動で設定した設定値でもよい。あるいは、回転筒16の回転角度に応じて演算される演算値でもよい。また、複数の振り角度の値の中から、縫いを行おうとする刺繍材Tの太さ等を考慮して、適切な値の振り角度を選択するようにしてもよい。
回転筒16の回転方向及び回転角度の制御についてさらに詳細に説明する。図8は、回転筒16を回転させるための回転角度の演算処理手順を示すフローチャートであり、1ステッチ毎に実行される処理である。この演算処理に係るコンピュータプログラムは、刺繍ミシンが具備するコンピュータ(図示せず)によって読み取り可能な記録媒体(図示せず)に記憶されており、該コンピュータにおいて該プログラムを実行することにより、該演算処理が行われる。この演算処理では、まず、ステップS1では、縫いデータに基づき、ガイドレバー25(ガイド部)を介して案内される刺繍材Tを縫い進み方向に指向させるべく回転筒16(回転体)を回転させるための縫い進行方向角度を算出する、という「第1の演算手段」に相当する演算処理が行われる。すなわち、ステップS1では、所定の縫いデータに基づく次ステッチのX−Y方向の位置データから、刺繍材Tを当該次ステッチに対応する縫い進み方向に指向させるための上記回転角度を演算する。なお、本実施形態の千鳥縫いヘッドHでは、回転筒16の回転の初期位置は、レバーピン26が千鳥縫いヘッドHの正面から見て右側に位置するように設定されており、刺繍ミシンの電源をONにすると、回転筒16が回転して自動的にこの初期位置に配置されるようになっている。刺繍材Tを縫い進み方向に指向させるための上記回転角度(以下、「縫い進行方向角度」という)は、回転筒16がこの初期位置にあるときの回転角度を0°とする絶対値で表わされる。
続いて、ステップS2,S3では、前記算出された縫い進行方向角度に対して千鳥振り用の振り角度を加算又は減算し、回転筒16(回転体)の目標回転角度を算出する、という「第2の演算手段」に相当する演算処理が行われる。すなわち、ステップS2では、選択された千鳥振りパターンに従い、次ステッチにおけるガイドレバー25の振れ方向を判別し、それに基づいて上記振り角度の正/負を決定する。例えば、上記「縫い進行方向角度」を表わす上記回転角度の絶対値がガイドレバー25が右側に振れる方向に従って増加する値であるとすると、ガイドレバー25が右側に振れる方向が正方向、左側に振れる方向が負方向となり、当該次ステッチにおけるガイドレバー25の振れる方向が正/負いずれの方向であるかに応じて振り角度の値に正又は負の符号を付する。つまり、1ステッチ毎のガイドレバー25の千鳥振りの方向に合わせて、振れを増加するように、回転筒16の振り角度に付する正負符号が決定される。例えば、振り角度の値が30°に設定されている場合、ガイドレバー25が右側(正方向)に振れるときには+30°とし、左側(負方向)に振れるときには−30°とする。次に、ステップS1にて演算された縫い進行方向角度にステップS2にて正負符号が設定された振り角度を加算して、次ステッチの針落ち前に回転筒16を位置させておくべき絶対回転位置を示す目標回転角度を求める(ステップS3)。
次のステップS4では、ステップS3にて求められた目標回転角度の値と、現在の回転筒16の回転位置との差を演算する。これにより、ステップS3にて求められた回転筒16の目標回転角度が該回転筒16の現在位置に対する相対回転角度に変換され、図8の処理が終了する。この処理が終了すると、回転筒16の駆動用モータ18が、演算された相対回転角度に応じて駆動され、回転筒16を目標回転角度に回転位置決めする。上記の演算処理は、縫い動作の際のステッチごとに繰り返して行われる。なお、ステップS4を省略して、ステップS3にて求められた回転筒16の目標回転角度に応じて回転筒16の駆動用モータ18を制御してもよい。また、各ステップS1〜S4に係る処理は、コンピュータプログラムに限らず、同等の演算処理機能を実現するように構成した専用のハードウェア回路で実施してもよい。
図9は、上記手順で演算した回転角度に基づいて回転筒16を回転させて行う千鳥振りの動作を説明するための図である。同図(a)に示すように、ガイドレバー25が縫い進み方向に対して左側(図において下側)に揺動するときには、回転筒16の回転によって、千鳥縫いヘッドHの相対的な進行方向に対して左側に振り角度Aを加算した角度でレバーピン26を回転させる。また、同図(b)に示すように、ガイドレバー25が縫い進み方向に対して右側(図において上側)に揺動するときには、回転筒16の回転によって、千鳥縫いヘッドHの相対的な進行方向に対して右側に振り角度Aを加算した角度でレバーピン26を回転させる。これにより、ガイド筒28から導出される刺繍材Tが、ガイドレバー25の直線的揺動運動における往動又は復動に基づく移動量と、回転筒16の回転による振り角度Aに基づく移動量とを合わせた移動量で縫い進み方向の左右に千鳥振りされるようになる。したがって、刺繍材Tが針落位置Pから大きく離れるように千鳥振りされるため、刺繍材Tの径が大きくても、刺繍材Tが縫針8と接触することを効果的に防止できる。
図10は、千鳥振りを行う際のガイドレバー25の動作を説明するための図である。同図では、図9(a)に対応する、ガイドレバー25の揺動に基づく移動量と回転筒16の回転による振り角度Aに基づく移動量とを合わせた移動量で千鳥振りを行うガイドレバー25を実線で示し、従来の千鳥縫いヘッドにおいてガイドレバーの揺動だけで千鳥振りを行うガイドレバーを二点鎖線で併記している。同図に示すように、ガイドレバー25の揺動に基づく移動量と回転筒16の回転による振り角度Aに基づく移動量とを合わせた移動量で千鳥振りを行った場合でも、ガイドレバー25の揺動に基づく移動量だけで千鳥振りを行った場合と比べて、ガイド部材35の縫い進み方向に対する左右(図において上下)への振り幅はほとんど変化しない。しかしながら、刺繍材導出口28aが針落位置P(針棒の軸心位置)を中心に回転することで該一つ前のステッチPaにより近づくために、該一つ前のステッチPaを中心とする刺繍材Tの振り角αが、従来の振り角βよりも大きくなる。したがって、刺繍材Tが針落位置Pからより大きく離れることになるので、刺繍材Tと縫針8との接触をより確実に防止でき、刺繍材TのビーズB(図9参照)が縫針8に接触してビーズBが割れたり、縫針8が折れたりすることを効果的に回避できるようになる。また、刺繍材導出口28aが一つ前のステッチPaに近づくことによって、毎回の千鳥振りで余分な刺繍材Tが引き出されずに済むので、刺繍材Tが布地に対して弛みなく縫い付けられるようになる。
また、本実施形態の千鳥縫いヘッドHによれば、縫い進み方向の左右への縫製枠5の移動を伴わずに刺繍材Tを千鳥振りさせる移動量を大きくできるため、ステッチが縫い進み方向に対してジグザグ状にならずに済む。したがって、刺繍材Tの縫い付けデザインを変更することなく径の大きな刺繍材Tの縫い付けが行えるようになる。また、本実施形態の千鳥縫いヘッドHによれば、大径の刺繍材Tを縫い付ける場合であっても、縫いデータ自体を変更せずに、該縫いデータによって指示される回転筒16の回転方向及び回転角度を刺繍材Tを千鳥振りさせるための振り角度に相当する回転角度だけ変更すれば済むので、千鳥縫いヘッドHによる縫い動作の制御が簡単に行えるようになる。
次に、千鳥縫いヘッドHと多色刺繍ヘッドHHとの間で縫製枠5を針間移動させる際に自動的に行われる回転筒16の所定回転角度への位置決め制御について説明する。図11及び図12は、この場合の回転筒16の所定回転角度位置決め制御について説明するための図である。この場合の回転筒16の所定回転角度位置決め制御は、縫製枠5を移動させる際に、万一、作業者がガイドレバー25を事前に退避位置へ退避させる手動操作を忘れた場合に、縫製枠5の縦枠辺5aがガイド部材35やガイド筒28と干渉しても、その後の縫製枠5の移動によってガイド部材35やガイド筒28が縦枠辺5aで押圧されて自然に動かされるような位置にガイドレバー25を配置するように行われる。この目的のために回転筒16を位置決めすべき所定回転角度とは、移動する縫製枠5がガイドレバー25に当接したときに、自動的に前記係合ピン38の係合孔39への係合(図7)を解除することができるような角度位置である。つまり、係合ピン38の軸線方向が移動する縫製枠5の進行方向に対して直角又はそれに近い角度をなしている場合は、係合ピン38を含むガイドレバー25の部位を、移動する縫製枠5が押したとすると、係合ピン38は係合孔39の内壁に当たり、ロックしてしまう。これに対して、係合ピン38の軸線方向が移動する縫製枠5の進行方向と同じあるいはそれ以外の適当な角度をなしている場合は、係合ピン38を含むガイドレバー25の部位を、移動する縫製枠5が押したとき、係合ピン38が係合孔39から抜ける、つまり、ロックが解除される、ようにすることができる。具体例を示すと、縫製枠5を千鳥縫いヘッドHから多色刺繍ヘッドHHへ針間移動させる際には、図11に示すように、レバーピン26が針落位置Pに対して手前側(正面側)の左に略45°の位置に位置決めされるように回転筒16を回転位置決めする。たとえば、前述のようにレバーピン26が正面に対して右側を向いた位置を0度(初期位置)とすると、図11における位置決め角度は、0度(初期位置)から時計方向に略135度の角度である。一方、縫製枠5を多色刺繍ヘッドHHから千鳥縫いヘッドHに針間移動させる際には、図12に示すように、レバーピン26が針落位置Pに対して奥側の右に略45°の位置に位置決めされるように回転筒16を回転位置決めする。たとえば、図12における位置決め角度は、0度(初期位置)から時計方向に略315度の角度である。なお、公知のように、回転筒16を所定回転角度に位置決めすることは、モータ18の回転位置決め制御によって行われるが、一方向の回転制御ではなく、現在位置から目標とする所定回転角度に近い方向に動かされるように回転方向も制御される。
図11を参照して、縫製枠5を千鳥縫いヘッドHから多色刺繍ヘッドHHへ針間移動させる場合におけるガイドレバー25の退避動作について説明する。図11において、縫製枠5が針間移動によって同図の左側に向かって移動されると、ガイドレバー25のうち、進行してくる縫製枠5の縦枠辺5aに最も近い部位である、ガイド筒28の下端に保持クリップ44(図6(b)参照)の側面が当接する。そこから縫製枠5が同方向へさらに移動すると、ガイド筒28が左側へ押され、ガイド筒28に連結された連結部材36が、コイルバネ40の付勢力に抗して、ベース部材34から離間する方向に移動される。これにより、図7の想像線で示すように、連結部材36の係合ピン38がベース部材34の係合孔39から外れ、その係合(ロック)が解除される。係合ピン38が係合孔39から外れると、縫製枠5の更なる移動によって、連結部材36及びガイド部材35を含むガイドレバー25は退避位置に向かってガイドピン37周りに回動される。そして、保持クリップ44の把持部44aがガイド筒28の下方を通過可能な位置までガイドレバー25が回動されたら、その位置でガイドレバー25が停止する。
上記のように回転筒16の回転方向及び回転角度を制御することによって、縫製枠5の針間移動の際に、万一、作業者が事前にガイドレバー25を退避させる操作を忘れてガイド部材35やガイド筒28と縫製枠5の縦枠辺5a(保持クリップ44)とが干渉したとしても、ガイドレバー25が自動的に上方に従動されて安全に退避するようになるので、ガイド部材35やガイド筒28が破損することを効果的に防止できる。なお、このときガイドレバー25は、保持クリップ44の把持部44aがガイド筒28の下方を通過可能な位置で停止し、図6(a)の想像線で示す完全な退避位置までは退避しないので、その後の手動操作によってガイドレバー25を完全な退避位置まで退避させるようにすることが望ましい。
上記の説明では、針落位置Pとレバーピン26とを結ぶ直線が縦枠辺5aの長手方向に対して略45°をなす位置になるように回転筒16の回転角度を制御する場合を説明したが、回転筒16の回転角度はこれに限定されるものではなく、縫製枠5の移動によって縫製枠5でガイドレバー25が押圧されることで、係合ピン38と係合孔39との係合が解除されるとともに、ガイド部材35がガイドピン37回りに回動して縫製枠5の移動領域から退避する位置であれば、レバーピン26が上記以外の他の角度に配置されるように回転筒16の回転方向及び回転角度を制御することも可能である。
なお、上記とは逆に多色刺繍ヘッドHHから千鳥縫いヘッドHに針間移動させるときには、上記回転筒16の回転制御を行わないようにしてもよい。これは、多色刺繍ヘッドHHから千鳥縫いヘッドHへ針間移動させるときには、先の千鳥縫いヘッドHから多色刺繍ヘッドHHへの針間移動あるいは縫製枠5の交換作業によって、既にガイド部材35が退避位置へ退避されている場合が多いためである。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態にかかる千鳥縫いヘッドを備える刺繍ミシンについて説明する。なお、本発明の第2実施形態にかかる図面及びその説明においては、第1実施形態と共通する構成部分には同一の符号を付す。また、以下で説明する事項以外の事項については、第1実施形態と同じである。図13は、第2実施形態にかかる千鳥縫いヘッドH’の下部を左側の側面から見た部分拡大図である。本発明の第2実施形態にかかる千鳥縫いヘッドH’が備えるガイドレバー(ガイド部)45は、第1実施形態のガイドレバー25が備えるベース部材34と、該ベース部材34をブラケット24に対して揺動可能に取り付けているレバーピン26とにかえて、他の形状のベース部材47と該ベース部材47をブラケット24に対して固定している固定ネジ46とを備える点のみが異なっており、その他の部分の構成はガイドレバー25と同じである。すなわち、ベース部材47は、ブラケット24を介して回転筒16に対して固定ネジ46で固定されている。したがって、ガイドレバー45は回転筒16と一体的に回転する動作のみが可能になっていて、回転筒16に対して揺動しないようになっている。そして、本実施形態の千鳥縫いヘッドH’は、刺繍材Tの千鳥振りを回転筒16の回転方向及び回転角度の制御だけで行うように構成されている。
この千鳥縫いヘッドH’を使用する第2実施形態においては、千鳥縫いを行うときの回転筒16の回転角度は、所定の縫いデータに基づきガイドレバー45を介して案内される刺繍材を縫い進み方向に指向させるべく算出される前記縫い進行方向角度に、刺繍材Tが縫い進み方向の左右に千鳥振りされるのに必要なすべての振り角度を加算又は減算した値に設定される。つまり、第1実施形態の千鳥縫いヘッドHでは、千鳥縫い用の振り角度として、ガイドレバー25の揺動方向に加算されるべき角度が用いられるのに対して、本実施形態の千鳥縫いヘッドH’では、千鳥縫い用の振り角度として、刺繍材Tが千鳥振りされるのに必要なすべての振り運動を実現するように振り角度が設定される。この第2実施形態においては、回転筒16の回転角度を設定するための処理手順は、図8と同様の手順からなるものであってよいが、ただし、第2実施形態の場合、ガイドレバー45が回転筒16に固定されていて揺動しないため、ガイド筒28の振れを大きくするには、その分、図8のステップS3で加算又は減算する振り角度の値を前記第1実施形態に比べて大きくする。また、この第2実施形態においては、千鳥振りを行うために、刺繍材Tの太さ又は径に関わりなく、常に、図8のステップS3で所与の振り角度を加算又は減算するものとする。
本実施形態の千鳥縫いヘッドH’では、千鳥振りにおける刺繍材Tの移動量の調整を回転筒16の回転方向及び回転角度の制御のみで行うようにしたので、千鳥振りを行う際の千鳥振りヘッドの動作制御を簡素化することができる。また、ガイドレバー25を揺動させるための揺動機構や、千鳥振りモータ33などの駆動機構が不要になるので、千鳥振りヘッドの構成を簡素化することができる。また、千鳥振りを回転筒16の回転動作だけで行うため、第1実施形態の千鳥振りヘッドHが備えるガイドレバー25のように直線的に揺動されるガイドレバーと比べて、刺繍材導出口28aが一つ前のステッチPaに近づくようになる。したがって、毎回の千鳥振りで刺繍材導出口28aから余分な刺繍材Tが引き出されずに済むので、刺繍材Tが布地に対して弛みなく縫い付けられるようになり、刺繍材Tの縫い付けの仕上がりが良好になる効果が望める。
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書、図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお、直接明細書及び図面に記載のない何れの形状・構造・材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば、上記実施形態では、刺繍材Tとしてビーズ紐を例に挙げたが、本発明の刺繍ミシンが備える千鳥縫いヘッドで被縫製物に縫い付ける刺繍材としては、ビーズ紐以外にも、例えばコードやテープなどの他の刺繍材であってもよい。特に、刺繍材Tが大径のコードである場合には、本発明の刺繍ミシンが備える千鳥縫いヘッドを用いれば、縫針がコードに突き刺さることを効果的に回避できるようになる。
また、上記実施形態では、コンビネーション刺繍ミシンとして、千鳥縫いヘッドHと多色刺繍ヘッドHHとを備えた多頭コンビネーション刺繍ミシンを例に説明したが、本発明の刺繍ミシンが備える千鳥縫いヘッドは、千鳥縫いヘッドとその他の本縫いハンドルヘッドとを備える他のコンビネーション刺繍ミシンに適用してもよい。また、千鳥縫いの際に回転筒16の回転角度及び回転方向の制御を行うように構成した上記実施形態の千鳥縫いヘッドH(又は千鳥縫いヘッドH’)は、千鳥縫いヘッドH(又は千鳥縫いヘッドH’)だけを単独で備えて構成される刺繍ミシンに適用することも可能である。
本発明の第1実施形態にかかる千鳥縫いヘッドを備える刺繍ミシンを示す正面図である。 本発明の第1実施形態にかかる千鳥縫いヘッドを備える刺繍ミシンを示す平面図である。 千鳥縫いヘッドHを示す正面図である。 千鳥縫いヘッドHを示す側面図(一部側断面図)である。 千鳥縫いヘッドHの下部を正面から見た部分拡大図で、昇降部材31が下限位置に移動してガイドレバー25が右側一杯に揺動した状態を示す図である。 (a)は、千鳥縫いヘッドHの下部を正面から見た部分拡大図で、(b)は、縫製枠5の縦枠辺5aの断面図である。 千鳥縫いヘッドHの下部を側面から見た部分拡大図である。 回転筒16を回転させる際の回転方向及び回転角度の演算処理手順を示すフローチャートである。 千鳥縫いを行う際のガイドレバー25の動作を説明するための図である。 千鳥縫いを行う際のガイドレバー25の動作を説明するための図である。 千鳥縫いヘッドHから多色刺繍ヘッドHHへ縫製枠5を針間移動させるときの回転筒16の回転方向及び回転角度の制御について説明するための図である。 多色刺繍ヘッドHHから千鳥縫いヘッドHへ縫製枠5を針間移動させるときの回転筒16の回転方向及び回転角度の制御について説明するための図である。 本発明の第2実施形態にかかる千鳥縫いヘッドH’の下部を正面から見た部分拡大図である。 従来の千鳥縫いヘッドの構成及び動作を説明するための図である。 従来の千鳥縫いヘッドの構成及び動作を説明するための図である。 ガイドレバーの揺動のみで千鳥縫いを行う従来の千鳥縫いヘッドで縫い付けられた刺繍材Tを示す図である。 ガイドレバーの揺動とともに縫製枠を移動させて千鳥縫いを行う従来の千鳥縫いヘッドで縫い付けられた刺繍材Tを示す図である。
符号の説明
1 ミシンテーブル
2 釜
3 針板
4 基枠
5 縫製枠
5a 縦枠辺
6 ミシン主軸
7 針棒
8 縫針
9 支持筒
10 固定スリーブ
11 係合リング
12 モータ
13 駆動アーム
14 支持体
15 布押え体
16 回転筒
17 タイミングプーリ部
18 モータ
19 駆動プーリ
20 タイミングベルト
21 キー部材
22 連動部材
23 連結片
24 ブラケット
25,45 ガイドレバー (ガイド部)
26 レバーピン
27 コロ
28 ガイド筒
28a 刺繍材導出口
29 ボビンブラケット
30 ボビン
31 昇降部材
31a フォーク部
32 ガイド軸
33 モータ
34 ベース部材
35 ガイド部材
36 連結部材
37 ガイドピン
38 係合ピン
39 係合孔
40 コイルバネ
41 長孔
42 固定ネジ
43 ピン
44 保持クリップ
T 刺繍材

Claims (7)

  1. 縫針が装着されて往復駆動される針棒と、前記針棒の外周で該針棒の軸心回りに回転可能に設置された回転体と、前記回転体に伴って動き、紐状の刺繍材を縫い位置に案内するガイド部とを備えた千鳥縫いヘッドと、
    縫いデータに基づき、前記ガイド部を介して案内される前記刺繍材を縫い進み方向に指向させるべく前記回転体を回転させるための縫い進行方向角度を算出する第1の演算手段と、
    前記算出された縫い進行方向角度に対して千鳥振り用の振り角度を加算又は減算し、前記回転体の目標回転角度を算出する第2の演算手段と
    を具備し、前記算出された目標回転角度に応じて前記回転体を回転させることを特徴とする刺繍ミシン。
  2. 千鳥縫いヘッドは、前記ガイド部を前記回転体に対して揺動させることで、前記ガイド部を介して案内される前記刺繍材を縫い進み方向の左右に千鳥振りさせる揺動機構を更に備えるものであり、
    前記揺動機構による前記ガイド部の千鳥振りの振れ幅に加えて、前記回転体の前記振り角度に相当する振れが付加されることを特徴とする請求項1に記載の刺繍ミシン。
  3. 前記第2の演算手段で加算又は減算される前記振り角度によって、前記ガイド部を介して案内される前記刺繍材が縫い進み方向の左右に千鳥振りされるのに必要なすべての振り運動を設定することを特徴とする請求項1に記載の刺繍ミシン。
  4. 前記千鳥縫いヘッドに併設された他のミシンヘッドを更に備え、
    被縫製物を保持した縫製枠が一方のヘッドに対応づけられるように移動することにより、前記被縫製物に対する縫いに使用するヘッドを前記千鳥縫いヘッドと前記他のミシンヘッドとの間で切り替えることができるものであり、
    前記千鳥縫いヘッドが備える前記ガイド部は、前記縫製枠の移動領域に侵入する縫い動作位置と前記縫製枠の移動領域から上方に外れた退避位置との間で移動可能に構成されており、かつ、該ガイド部を前記縫い動作位置にロックするためのロック部材を有しており、
    前記縫製枠を前記千鳥縫いヘッドと前記他のミシンヘッドとの間で針間移動させる際に、前記回転体を所定回転角度に位置決めすることで、移動する前記縫製枠が前記ガイド部に当接してこれを押圧したとき前記ロック部材によるロックが解除されるようにし、これにより前記退避位置に移動しうるようにしたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の刺繍ミシン。
  5. 縫針が装着されて往復駆動される針棒と、前記針棒の外周で該針棒の軸心回りに回転可能に設置された回転体と、前記回転体に伴って動き、紐状の刺繍材を縫い位置に案内するガイド部とを備えた千鳥縫いヘッドと、
    前記千鳥縫いヘッドに併設された他のミシンヘッドと
    を備え、
    被縫製物を保持した縫製枠が一方のヘッドに対応づけられるように移動することにより、前記被縫製物に対する縫いに使用するヘッドを前記千鳥縫いヘッドと前記他のミシンヘッドとの間で切り替えることができるものであり、
    前記千鳥縫いヘッドが備える前記ガイド部は、前記縫製枠の移動領域に侵入する縫い動作位置と前記縫製枠の移動領域から上方に外れた退避位置との間で移動可能に構成されており、かつ、該ガイド部を前記縫い動作位置にロックするためのロック部材を有しており、
    前記縫製枠を前記千鳥縫いヘッドと前記他のミシンヘッドとの間で針間移動させる際に、前記回転体を所定回転角度に位置決めすることで、移動する前記縫製枠が前記ガイド部に当接してこれを押圧したとき前記ロック部材によるロックが解除されるようにし、これにより前記退避位置に向かって移動しうるようにしたことを特徴とする刺繍ミシン。
  6. 縫針が装着されて往復駆動される針棒と、前記針棒の外周で該針棒の軸心回りに回転可能に設置された回転体と、前記回転体に伴って動き、紐状の刺繍材を縫い位置に案内するガイド部とを備えた千鳥縫いヘッドを具備する刺繍ミシンの制御方法であって、
    縫いデータに基づき、前記ガイド部を介して案内される前記刺繍材を縫い進み方向に指向させるべく前記回転体を回転させるための縫い進行方向角度を算出するステップと、
    前記算出された縫い進行方向角度に対して千鳥振り用の振り角度を加算又は減算し、前記回転体の目標回転角度を算出するステップと
    を具備し、前記算出された目標回転角度に応じて前記回転体を回転させることを特徴とする制御方法。
  7. 縫針が装着されて往復駆動される針棒)と、前記針棒の外周で該針棒の軸心回りに回転可能に設置された回転体と、前記回転体に伴って動き、紐状の刺繍材を縫い位置に案内するガイド部とを備えた千鳥縫いヘッドと、前記千鳥縫いヘッドに併設された他のミシンヘッドとを具備する刺繍ミシンの制御方法であって、前記千鳥縫いヘッドが備える前記ガイド部は、前記縫製枠の移動領域に侵入する縫い動作位置と前記縫製枠の移動領域から上方に外れた退避位置との間で移動可能に構成されており、かつ、該ガイド部を前記縫い動作位置にロックするためのロック部材を有しており、前記制御方法は、
    被縫製物を保持した縫製枠が一方のヘッドに対応づけられるように移動することにより、前記被縫製物に対する縫いに使用するヘッドを前記千鳥縫いヘッドと前記他のミシンヘッドとの間で切り替えるステップと、
    前記縫製枠を前記千鳥縫いヘッドと前記他のミシンヘッドとの間で針間移動させる際に、前記回転体を所定回転角度に位置決めするステップと
    を具備し、前記回転体を所定回転角度に位置決めすることで、移動する前記縫製枠が前記ガイド部に当接してこれを押圧したとき前記ロック部材によるロックが解除されるようにし、これにより前記ガイド部が前記退避位置に移動しうるようにしたことを特徴とする制御方法。
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