以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、それぞれの実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
(実施の形態1)
本実施の形態においては、表示装置に表示される画像の品質を向上する方法の一例について説明する。
本実施の形態では、入力される画像データのフレームレート(1秒間あたりのフレームの数:単位Hz)(入力フレームレートとも記す)は、表示のフレームレート(表示フレームレートとも記す)と、必ずしも一致していなくてもよい。入力フレームレートと表示フレームレートが異なる場合は、画像データのフレームレートを変換する回路(フレームレート変換回路)によって、入力フレームレートを表示フレームレートに合うように変換することができる。こうすることによって、入力フレームレートと表示フレームレートが異なっている場合でも、様々な表示フレームレートで表示を行なうことができる。
入力フレームレートが表示フレームレートよりも大きい場合、入力される画像データの一部を破棄することで、様々な表示フレームレートに変換して表示を行なうことができる。この場合は、表示フレームレートを小さくできるため、表示するための駆動回路の動作周波数を小さくすることができ、消費電力を低減できる。一方、入力フレームレートが表示フレームレートよりも小さい場合、入力される画像データの全部または一部を複数回表示させる、入力される画像データから別の画像を生成する、入力される画像データとは関係のない画像を生成する、等の手段を用いることで、様々な表示フレームレートに変換して表示を行なうことができる。この場合は、表示フレームレートを大きくすることによって、動画の品質を向上することができる。
本実施の形態においては、入力フレームレートが表示フレームレートよりも小さい場合のフレームレート変換方法について詳細に説明する。なお、入力フレームレートが表示フレームレートよりも大きい場合のフレームレート変換方法については、入力フレームレートが表示フレームレートよりも小さい場合のフレームレート変換方法の逆の手順を実行することによって実現することができる。
本実施の形態においては、入力フレームレートと同じフレームレートで表示される画像のことを基本画像と呼ぶこととする。一方、基本画像とは異なるフレームレートで表示される画像であって、入力フレームレートと表示フレームレートの整合を取るために表示される画像のことを、補間画像と呼ぶこととする。基本画像には、入力される画像データと同じ画像を用いることができる。補間画像には、基本画像と同じ画像を用いることができる。さらに、基本画像とは異なる画像を作成し、作成した画像を補間画像とすることもできる。
補間画像を作成する場合は、入力される画像データの時間的変化(画像の動き)を検出し、これらの中間状態の画像を補間画像とする方法、基本画像の輝度にある係数をかけた画像を補間画像とする方法、入力された画像データから、異なる複数の画像を作成し、当該複数の画像を時間的に連続して提示する(当該複数の画像のうちの1つを基本画像とし、残りを補間画像とする)ことで、入力された画像データに対応する画像が表示されたように観察者に知覚させる方法、等がある。入力された画像データから異なる複数の画像を作成する方法としては、入力された画像データのガンマ値を変換する方法、入力された画像データに含まれる階調値を分割する方法、等がある。
なお、中間状態の画像(中間画像)とは、入力された画像データの時間的変化(画像の動き)を検出し、検出された動きを内挿して求められた画像である。このような方法によって中間画像を求めることを、動き補償と呼ぶこととする。
次に、フレームレート変換方法の具体例について説明する。この方法によれば、任意の有理数(n/m)倍のフレームレート変換を実現することができる。ここで、nおよびmは1以上の整数とする。本実施の形態におけるフレームレート変換方法は、第1のステップと、第2のステップに分けて取り扱うことができる。ここで、第1のステップは、任意の有理数(n/m)倍にフレームレート変換するステップである。ここでは、補間画像として基本画像を用いてもよいし、動き補償によって求めた中間画像を補間画像として用いてもよい。第2のステップは、入力された画像データまたは第1のステップにおいてフレームレート変換された各々の画像から、異なる複数の画像(サブ画像)を作成し、当該複数のサブ画像を時間的に連続して表示する方法を行なうためのステップである。第2のステップによる方法を用いることによって、実際は複数の異なる画像を表示しているのにもかかわらず、見た目上、元の画像が表示されたように人間の目に知覚させることもできる。
なお、本実施の形態におけるフレームレート変換方法は、第1のステップおよび第2のステップを両方用いてもよいし、第1のステップを省略して第2のステップのみ用いてもよいし、第2のステップを省略して第1のステップのみを用いてもよい。
まず、第1のステップとして、任意の有理数(n/m)倍のフレームレート変換について説明する(図13参照)。図13は、横軸は時間であり、縦軸は様々なnおよびmについて場合分けを行なって示したものである。図13内の図形は、表示される画像の模式図を表しており、その横位置によって表示されるタイミングを表している。さらに、図形内に表示した点によって、画像の動きを模式的に表しているものとする。ただし、これは説明のための例であり、表示される画像はこれに限定されない。この方法は、様々な画像に対して適用することができる。
期間Tinは、入力画像データの周期を表している。入力画像データの周期は、入力フレームレートに対応している。たとえば、入力フレームレートが60Hzの場合は、入力画像データの周期は1/60秒である。同様に、入力フレームレートが50Hzであれば、入力画像データの周期は1/50秒である。このように、入力画像データの周期(単位:秒)は入力フレームレート(単位:Hz)の逆数となる。なお、入力フレームレートは様々なものを用いることができる。たとえば、24Hz、50Hz、60Hz、70Hz、48Hz、100Hz、120Hz、140Hz、等を挙げることができる。ここで、24Hzはフィルム映画等に用いられるフレームレートである。50Hzは、PAL規格の映像信号等に用いられるフレームレートである。60Hzは、NTSC規格の映像信号等に用いられるフレームレートである。70Hzは、パーソナルコンピュータのディスプレイ入力信号等に用いられるフレームレートである。48Hz、100Hz、120Hz、140Hz、は、これらの2倍のフレームレートである。なお、2倍に限らず、様々な倍数のフレームレートであってもよい。このように、本実施の形態に示す方法によれば、様々な規格の入力信号に対してフレームレートの変換を実現することができる。
第1のステップにおける任意の有理数(n/m)倍のフレームレート変換の手順は、以下のとおりである。
手順1として、第1の基本画像に対する第kの補間画像(kは1以上の整数;初期値は1)の表示タイミングを決定する。第kの補間画像の表示タイミングは、第1の基本画像が表示されてから、入力画像データの周期をk(m/n)倍した期間が経過した時点であるとする。
手順2として、第kの補間画像の表示タイミングの決定に用いた係数k(m/n)が、整数であるかどうかを判別する。整数であった場合は、第kの補間画像の表示タイミングにおいて第(k(m/n)+1)の基本画像を表示し、第1のステップを終了する。整数でなかった場合は、手順3に進む。手順3として、第kの補間画像として用いる画像を決定する。具体的には、第kの補間画像の表示タイミングの決定に用いた係数k(m/n)を、x+y/nの形に変換する。ここで、xおよびyは整数であり、yはnよりも小さい数であるとする。そして、第kの補間画像を動き補償によって求めた中間画像とする場合は、第kの補間画像は、第(x+1)の基本画像から第(x+2)の基本画像までの画像の動きを(y/n)倍した動きに相当する画像として求めた中間画像とする。第kの補間画像を基本画像と同じ画像とする場合は、第(x+1)の基本画像を用いることができる。なお、画像の動きを(y/n)倍した動きに相当する画像として中間画像を求める方法については、別の部分で詳細に述べる。手順4として、対象とする補間画像を次の補間画像に移す。具体的には、kの値を1増加させ、手順1に戻る。
次に、第1のステップにおける手順において、nおよびmの値を具体的に示して詳細に説明する。
なお、第1のステップにおける手順を実行する仕組みは、装置に実装されたものであってもよいし、装置の設計段階であらかじめ決められたものであってもよい。第1のステップにおける手順を実行する仕組みが装置に実装されていれば、状況に応じた最適な動作が行われるように、駆動方法を切り替えることが可能となる。なお、ここでいう状況とは、画像データの内容、装置内外の環境(温度、湿度、気圧、光、音、磁界、電界、放射線量、高度、加速度、移動速度、等)、ユーザ設定、ソフトウエアバージョン、等を含む。一方、第1のステップにおける手順を実行する仕組みが装置の設計段階であらかじめ決められたものであれば、それぞれの駆動方法に最適な駆動回路を用いることができ、さらに、仕組みが決められていることによって、量産効果による製造コストの低減が可能となる。
n=1,m=1、すなわち変換比(n/m)が1(図13のn=1,m=1の箇所)の場合は、第1のステップにおける動作は次のようになる。まず、k=1のとき、手順1では、第1の基本画像に対する第1の補間画像の表示タイミングを決定する。第1の補間画像の表示タイミングは、第1の基本画像が表示されてから、入力画像データの周期をk(m/n)倍すなわち1倍した期間が経過した時点である。
次に、手順2では、第1の補間画像の表示タイミングの決定に用いた係数k(m/n)が、整数であるかどうかを判別する。ここで、係数k(m/n)は1であるので、整数である。したがって、第1の補間画像の表示タイミングにおいては第(k(m/n)+1)すなわち第2の基本画像を表示し、第1のステップを終了する。
すなわち、変換比が1である場合は、第kの画像は基本画像であり、第k+1の画像は基本画像であり、画像表示周期は、入力画像データの周期の1倍であることを特徴とする。
具体的な表現としては、変換比が1(n/m=1)である場合は、第i(iは正の整数)の画像データと、第i+1の画像データと、が、入力画像データとして一定の周期で順次入力され、第k(kは正の整数)の画像と、第k+1の画像と、を、入力画像データの周期と等倍の間隔で順次表示する表示装置の駆動方法であって、前記第kの画像は、前記第iの画像データにしたがって表示され、前記第k+1の画像は、前記第i+1の画像データにしたがって表示されることを特徴とする。
ここで、変換比が1である場合は、フレームレート変換回路を省略することができるため、製造コストを低減できるという利点を有する。さらに、変換比が1である場合は、変換比が1より小さい場合よりも動画の品質を向上できるという利点を有する。さらに、変換比が1である場合は、変換比が1より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できるという利点を有する。
n=2,m=1、すなわち変換比(n/m)が2(図13のn=2,m=1の箇所)の場合は、第1のステップにおける動作は次のようになる。まず、k=1のとき、手順1では、第1の基本画像に対する第1の補間画像の表示タイミングを決定する。第1の補間画像の表示タイミングは、第1の基本画像が表示されてから、入力画像データの周期をk(m/n)倍すなわち1/2倍した期間が経過した時点である。
次に、手順2では、第1の補間画像の表示タイミングの決定に用いた係数k(m/n)が、整数であるかどうかを判別する。ここで、係数k(m/n)は1/2であるので、整数ではない。したがって、手順3に進む。
手順3では、第1の補間画像として用いる画像を決定する。そのために、係数1/2をx+y/nの形に変換する。係数1/2の場合は、x=0,y=1である。そして、第1の補間画像を動き補償によって求めた中間画像とする場合は、第1の補間画像は、第(x+1)すなわち第1の基本画像から第(x+2)すなわち第2の基本画像までの画像の動きをy/n倍すなわち1/2倍した動きに相当する画像として求めた中間画像とする。第1の補間画像を基本画像と同じ画像とする場合は、第(x+1)すなわち第1の基本画像を用いることができる。
ここまでの手順により、第1の補間画像の表示タイミングと、第1の補間画像として表示する画像を決定することができた。次に、手順4では、対象とする補間画像を、第1の補間画像から第2の補間画像へ移す。すなわち、kを1から2に変更し、手順1に戻る。
k=2のとき、手順1では、第1の基本画像に対する第2の補間画像の表示タイミングを決定する。第2の補間画像の表示タイミングは、第1の基本画像が表示されてから、入力画像データの周期をk(m/n)倍すなわち1倍した期間が経過した時点である。
次に、手順2では、第2の補間画像の表示タイミングの決定に用いた係数k(m/n)が、整数であるかどうかを判別する。ここで、係数k(m/n)は1であるので、整数である。したがって、第2の補間画像の表示タイミングにおいては第(k(m/n)+1)すなわち第2の基本画像を表示し、第1のステップを終了する。
すなわち、変換比が2(n/m=2)である場合は、第kの画像は基本画像であり、第k+1の画像は補間画像であり、第k+2の画像は基本画像であり、画像表示周期は、入力画像データの周期の1/2倍であることを特徴とする。
具体的な表現としては、変換比が2(n/m=2)である場合は、第i(iは正の整数)の画像データと、第i+1の画像データと、が、入力画像データとして一定の周期で順次入力され、第k(kは正の整数)の画像と、第k+1の画像と、第k+2の画像と、を、入力画像データの周期の1/2倍の間隔で順次表示する表示装置の駆動方法であって、前記第kの画像は、前記第iの画像データにしたがって表示され、前記第k+1の画像は、前記第iの画像データから前記第i+1の画像データまでの動きを1/2倍した動きに相当する画像データにしたがって表示され、前記第k+2の画像は、前記第i+1の画像データにしたがって表示されることを特徴とする。
さらに別の具体的な表現としては、変換比が2(n/m=2)である場合は、第i(iは正の整数)の画像データと、第i+1の画像データと、が、入力画像データとして一定の周期で順次入力され、第k(kは正の整数)の画像と、第k+1の画像と、第k+2の画像と、を、入力画像データの周期の1/2倍の間隔で順次表示する表示装置の駆動方法であって、前記第kの画像は、前記第iの画像データにしたがって表示され、前記第k+1の画像は、前記第iの画像データにしたがって表示され、前記第k+2の画像は、前記第i+1の画像データにしたがって表示されることを特徴とする。
具体的には、変換比が2である場合は、2倍速駆動、または単に倍速駆動とも呼ばれる。たとえば、入力フレームレートが60Hzであれば、表示フレームレートは120Hz(120Hz駆動)である。そして、ひとつの入力画像に対し、画像を2回連続して表示することになる。このとき、補間画像が動き補償によって求められた中間画像である場合は、動画の動きを滑らかにすることができるため、動画の品質を顕著に向上させることが可能である。さらに、表示装置がアクティブマトリクス方式の液晶表示装置である場合は、特に顕著な画質改善効果をもたらす。これは、液晶素子の静電容量が印加電圧によって変動してしまう、いわゆるダイナミックキャパシタンスによる書き込み電圧不足の問題に関係する。すなわち、表示フレームレートを入力フレームレートよりも大きくすることによって、画像データの書き込み動作の頻度を大きくできるので、ダイナミックキャパシタンスによる書き込み電圧不足に起因する、動画の尾引き、残像等の障害を低減することができる。さらに、液晶表示装置の交流駆動と120Hz駆動を組み合わせるのも効果的である。すなわち、液晶表示装置の駆動周波数を120Hzとしつつ、交流駆動の周波数をその整数倍または整数分の一(たとえば、30Hz、60Hz、120Hz、240Hz等)とすることによって、交流駆動によって現れるフリッカを、人間の目に知覚されない程度に低減することができる。
n=3,m=1、すなわち変換比(n/m)が3(図13のn=3,m=1の箇所)の場合は、第1のステップにおける動作は次のようになる。まず、k=1のとき、手順1では、第1の基本画像に対する第1の補間画像の表示タイミングを決定する。第1の補間画像の表示タイミングは、第1の基本画像が表示されてから、入力画像データの周期をk(m/n)倍すなわち1/3倍した期間が経過した時点である。
次に、手順2では、第1の補間画像の表示タイミングの決定に用いた係数k(m/n)が、整数であるかどうかを判別する。ここで、係数k(m/n)は1/3であるので、整数ではない。したがって、手順3に進む。
手順3では、第1の補間画像として用いる画像を決定する。そのために、係数1/3をx+y/nの形に変換する。係数1/3の場合は、x=0,y=1である。そして、第1の補間画像を動き補償によって求めた中間画像とする場合は、第1の補間画像は、第(x+1)すなわち第1の基本画像から第(x+2)すなわち第2の基本画像までの画像の動きをy/n倍すなわち1/3倍した動きに相当する画像として求めた中間画像とする。第1の補間画像を基本画像と同じ画像とする場合は、第(x+1)すなわち第1の基本画像を用いることができる。
ここまでの手順により、第1の補間画像の表示タイミングと、第1の補間画像として表示する画像を決定することができた。次に、手順4では、対象とする補間画像を、第1の補間画像から第2の補間画像へ移す。すなわち、kを1から2に変更し、手順1に戻る。
k=2のとき、手順1では、第1の基本画像に対する第2の補間画像の表示タイミングを決定する。第2の補間画像の表示タイミングは、第1の基本画像が表示されてから、入力画像データの周期をk(m/n)倍すなわち2/3倍した期間が経過した時点である。
次に、手順2では、第2の補間画像の表示タイミングの決定に用いた係数k(m/n)が、整数であるかどうかを判別する。ここで、係数k(m/n)は2/3であるので、整数ではない。したがって、手順3に進む。
手順3では、第2の補間画像として用いる画像を決定する。そのために、係数2/3をx+y/nの形に変換する。係数2/3の場合は、x=0,y=2である。そして、第2の補間画像を動き補償によって求めた中間画像とする場合は、第2の補間画像は、第(x+1)すなわち第1の基本画像から第(x+2)すなわち第2の基本画像までの画像の動きをy/n倍すなわち2/3倍した動きに相当する画像として求めた中間画像とする。第2の補間画像を基本画像と同じ画像とする場合は、第(x+1)すなわち第1の基本画像を用いることができる。
ここまでの手順により、第2の補間画像の表示タイミングと、第2の補間画像として表示する画像を決定することができた。次に、手順4では、対象とする補間画像を、第2の補間画像から第3の補間画像へ移す。すなわち、kを2から3に変更し、手順1に戻る。
k=3のとき、手順1では、第1の基本画像に対する第3の補間画像の表示タイミングを決定する。第3の補間画像の表示タイミングは、第1の基本画像が表示されてから、入力画像データの周期をk(m/n)倍すなわち1倍した期間が経過した時点である。
次に、手順2では、第3の補間画像の表示タイミングの決定に用いた係数k(m/n)が、整数であるかどうかを判別する。ここで、係数k(m/n)は1であるので、整数である。したがって、第3の補間画像の表示タイミングにおいては第(k(m/n)+1)すなわち第2の基本画像を表示し、第1のステップを終了する。
すなわち、変換比が3(n/m=3)である場合は、第kの画像は基本画像であり、第k+1の画像は補間画像であり、第k+2の画像は補間画像であり、第k+3の画像は基本画像であり、画像表示周期は、入力画像データの周期の1/3倍であることを特徴とする。
具体的な表現としては、変換比が3(n/m=3)である場合は、第i(iは正の整数)の画像データと、第i+1の画像データと、が、入力画像データとして一定の周期で順次入力され、第k(kは正の整数)の画像と、第k+1の画像と、第k+2の画像と、第k+3の画像と、を、入力画像データの周期の1/3倍の間隔で順次表示する表示装置の駆動方法であって、前記第kの画像は、前記第iの画像データにしたがって表示され、前記第k+1の画像は、前記第iの画像データから前記第i+1の画像データまでの動きを1/3倍した動きに相当する画像データにしたがって表示され、前記第k+2の画像は、前記第iの画像から前記第i+1の画像までの動きを2/3倍した動きに相当する画像データにしたがって表示され、前記第k+3の画像は、前記第i+1の画像データにしたがって表示されることを特徴とする。
さらに別の具体的な表現としては、変換比が3(n/m=3)である場合は、第i(iは正の整数)の画像データと、第i+1の画像データと、が、入力画像データとして一定の周期で順次入力され、第k(kは正の整数)の画像と、第k+1の画像と、第k+2の画像と、第k+3の画像と、を、入力画像データの周期の1/3倍の間隔で順次表示する表示装置の駆動方法であって、前記第kの画像は、前記第iの画像データにしたがって表示され、前記第k+1の画像は、前記第iの画像データにしたがって表示され、前記第k+2の画像は、前記第iの画像データにしたがって表示され、前記第k+3の画像は、前記第i+1の画像データにしたがって表示されることを特徴とする。
ここで、変換比が3である場合は、変換比が3より小さい場合よりも動画の品質を向上できるという利点を有する。さらに、変換比が3である場合は、変換比が3より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できるという利点を有する。
具体的には、変換比が3である場合は、3倍速駆動とも呼ばれる。たとえば、入力フレームレートが60Hzであれば、表示フレームレートは180Hz(180Hz駆動)である。そして、ひとつの入力画像に対し、画像を3回連続して表示することになる。このとき、補間画像が動き補償によって求められた中間画像である場合は、動画の動きを滑らかにすることができるため、動画の品質を顕著に向上させることが可能である。さらに、表示装置がアクティブマトリクス方式の液晶表示装置である場合は、ダイナミックキャパシタンスによる書き込み電圧不足の問題が回避できるため、動画の尾引き、残像等の障害に対し特に顕著な画質改善効果をもたらす。さらに、液晶表示装置の交流駆動と180Hz駆動を組み合わせるのも効果的である。すなわち、液晶表示装置の駆動周波数を180Hzとしつつ、交流駆動の周波数をその整数倍または整数分の一(たとえば、45Hz、90Hz、180Hz、360Hz等)とすることによって、交流駆動によって現れるフリッカを、人間の目に知覚されない程度に低減することができる。
n=3,m=2、すなわち変換比(n/m)が3/2(図13のn=3,m=2の箇所)の場合は、第1のステップにおける動作は次のようになる。まず、k=1のとき、手順1では、第1の基本画像に対する第1の補間画像の表示タイミングを決定する。第1の補間画像の表示タイミングは、第1の基本画像が表示されてから、入力画像データの周期をk(m/n)倍すなわち2/3倍した期間が経過した時点である。
次に、手順2では、第1の補間画像の表示タイミングの決定に用いた係数k(m/n)が、整数であるかどうかを判別する。ここで、係数k(m/n)は2/3であるので、整数ではない。したがって、手順3に進む。
手順3では、第1の補間画像として用いる画像を決定する。そのために、係数2/3をx+y/nの形に変換する。係数2/3の場合は、x=0,y=2である。そして、第1の補間画像を動き補償によって求めた中間画像とする場合は、第1の補間画像は、第(x+1)すなわち第1の基本画像から第(x+2)すなわち第2の基本画像までの画像の動きをy/n倍すなわち2/3倍した動きに相当する画像として求めた中間画像とする。第1の補間画像を基本画像と同じ画像とする場合は、第(x+1)すなわち第1の基本画像を用いることができる。
ここまでの手順により、第1の補間画像の表示タイミングと、第1の補間画像として表示する画像を決定することができた。次に、手順4では、対象とする補間画像を、第1の補間画像から第2の補間画像へ移す。すなわち、kを1から2に変更し、手順1に戻る。
k=2のとき、手順1では、第1の基本画像に対する第2の補間画像の表示タイミングを決定する。第2の補間画像の表示タイミングは、第1の基本画像が表示されてから、入力画像データの周期をk(m/n)倍すなわち4/3倍した期間が経過した時点である。
次に、手順2では、第2の補間画像の表示タイミングの決定に用いた係数k(m/n)が、整数であるかどうかを判別する。ここで、係数k(m/n)は4/3であるので、整数ではない。したがって、手順3に進む。
手順3では、第2の補間画像として用いる画像を決定する。そのために、係数4/3をx+y/nの形に変換する。係数4/3の場合は、x=1,y=1である。そして、第2の補間画像を動き補償によって求めた中間画像とする場合は、第2の補間画像は、第(x+1)すなわち第2の基本画像から第(x+2)すなわち第3の基本画像までの画像の動きをy/n倍すなわち1/3倍した動きに相当する画像として求めた中間画像とする。第2の補間画像を基本画像と同じ画像とする場合は、第(x+1)すなわち第2の基本画像を用いることができる。
ここまでの手順により、第2の補間画像の表示タイミングと、第2の補間画像として表示する画像を決定することができた。次に、手順4では、対象とする補間画像を、第2の補間画像から第3の補間画像へ移す。すなわち、kを2から3に変更し、手順1に戻る。
k=3のとき、手順1では、第1の基本画像に対する第3の補間画像の表示タイミングを決定する。第3の補間画像の表示タイミングは、第1の基本画像が表示されてから、入力画像データの周期をk(m/n)倍すなわち2倍した期間が経過した時点である。
次に、手順2では、第3の補間画像の表示タイミングの決定に用いた係数k(m/n)が、整数であるかどうかを判別する。ここで、係数k(m/n)は2であるので、整数である。したがって、第3の補間画像の表示タイミングにおいては第(k(m/n)+1)すなわち第3の基本画像を表示し、第1のステップを終了する。
すなわち、変換比が3/2(n/m=3/2)である場合は、第kの画像は基本画像であり、第k+1の画像は補間画像であり、第k+2の画像は補間画像であり、第k+3の画像は基本画像であり、画像表示周期は、入力画像データの周期の2/3倍であることを特徴とする。
具体的な表現としては、変換比が3/2(n/m=3/2)である場合は、第i(iは正の整数)の画像データと、第i+1の画像データと、第i+2の画像データと、が、入力画像データとして一定の周期で順次入力され、第k(kは正の整数)の画像と、第k+1の画像と、第k+2の画像と、第k+3の画像と、を、入力画像データの周期の2/3倍の間隔で順次表示する表示装置の駆動方法であって、前記第kの画像は、前記第iの画像データにしたがって表示され、前記第k+1の画像は、前記第iの画像データから前記第i+1の画像データまでの動きを2/3倍した動きに相当する画像データにしたがって表示され、前記第k+2の画像は、前記第i+1の画像から前記第i+2の画像までの動きを1/3倍した動きに相当する画像データにしたがって表示され、前記第k+3の画像は、前記第i+2の画像データにしたがって表示されることを特徴とする。
さらに別の具体的な表現としては、変換比が3/2(n/m=3/2)である場合は、第i(iは正の整数)の画像データと、第i+1の画像データと、第i+2の画像データと、が、入力画像データとして一定の周期で順次入力され、第k(kは正の整数)の画像と、第k+1の画像と、第k+2の画像と、第k+3の画像と、を、入力画像データの周期の2/3倍の間隔で順次表示する表示装置の駆動方法であって、前記第kの画像は、前記第iの画像データにしたがって表示され、前記第k+1の画像は、前記第iの画像データにしたがって表示され、前記第k+2の画像は、前記第i+1の画像データにしたがって表示され、前記第k+3の画像は、前記第i+2の画像データにしたがって表示されることを特徴とする。
ここで、変換比が3/2である場合は、変換比が3/2より小さい場合よりも動画の品質を向上できるという利点を有する。さらに、変換比が3/2である場合は、変換比が3/2より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できるという利点を有する。
具体的には、変換比が3/2である場合は、3/2倍速駆動または1.5倍速駆動とも呼ばれる。たとえば、入力フレームレートが60Hzであれば、表示フレームレートは90Hz(90Hz駆動)である。そして、2つの入力画像に対し、画像を3回連続して表示することになる。このとき、補間画像が動き補償によって求められた中間画像である場合は、動画の動きを滑らかにすることができるため、動画の品質を顕著に向上させることが可能である。特に、120Hz駆動(倍速駆動)、180Hz駆動(3倍速駆動)等の駆動周波数の大きな駆動方法と比較すると、動き補償によって中間画像を求める回路の動作周波数を低減できるため、安価な回路が使用でき、製造コストおよび消費電力を低減できる。さらに、表示装置がアクティブマトリクス方式の液晶表示装置である場合は、ダイナミックキャパシタンスによる書き込み電圧不足の問題が回避できるため、動画の尾引き、残像等の障害に対し特に顕著な画質改善効果をもたらす。さらに、液晶表示装置の交流駆動と90Hz駆動を組み合わせるのも効果的である。すなわち、液晶表示装置の駆動周波数を90Hzとしつつ、交流駆動の周波数をその整数倍または整数分の一(たとえば、30Hz、45Hz、90Hz、180Hz等)とすることによって、交流駆動によって現れるフリッカを、人間の目に知覚されない程度に低減することができる。
上記以外の正の整数nおよびmについては手順の詳細は省略するが、第1のステップにおけるフレームレート変換の手順にしたがうことで、変換比は任意の有理数(n/m)として設定することができる。なお、正の整数nおよびmの組み合わせのうち、変換比(n/m)が約分できる組み合わせについては、約分した後の変換比と同様に取り扱うことができる。
たとえば、n=4,m=1、すなわち変換比(n/m)が4(図13のn=4,m=1の箇所)の場合は、第kの画像は基本画像であり、第k+1の画像は補間画像であり、第k+2の画像は補間画像であり、第k+3の画像は補間画像であり、第k+4の画像は基本画像であり、画像表示周期は、入力画像データの周期の1/4倍であることを特徴とする。
さらに具体的な表現としては、変換比が4(n/m=4)である場合は、第i(iは正の整数)の画像データと、第i+1の画像データと、が、入力画像データとして一定の周期で順次入力され、第k(kは正の整数)の画像と、第k+1の画像と、第k+2の画像と、第k+3の画像と、第k+4の画像と、を、入力画像データの周期の1/4倍の間隔で順次表示する表示装置の駆動方法であって、前記第kの画像は、前記第iの画像データにしたがって表示され、前記第k+1の画像は、前記第iの画像データから前記第i+1の画像データまでの動きを1/4倍した動きに相当する画像データにしたがって表示され、前記第k+2の画像は、前記第iの画像データから前記第i+1の画像データまでの動きを1/2倍した動きに相当する画像データにしたがって表示され、前記第k+3の画像は、前記第iの画像データから前記第i+1の画像データまでの動きを3/4倍した動きに相当する画像データにしたがって表示され、前記第k+4の画像は、前記第i+1の画像データにしたがって表示されることを特徴とする。
さらに別の具体的な表現としては、変換比が4(n/m=4)である場合は、第i(iは正の整数)の画像データと、第i+1の画像データと、が、入力画像データとして一定の周期で順次入力され、第k(kは正の整数)の画像と、第k+1の画像と、第k+2の画像と、第k+3の画像と、第k+4の画像と、を、入力画像データの周期の1/4倍の間隔で順次表示する表示装置の駆動方法であって、前記第kの画像は、前記第iの画像データにしたがって表示され、前記第k+1の画像は、前記第iの画像データにしたがって表示され、前記第k+2の画像は、前記第iの画像データにしたがって表示され、前記第k+3の画像は、前記第iの画像データにしたがって表示され、前記第k+4の画像は、前記第i+1の画像データにしたがって表示されることを特徴とする。
ここで、変換比が4である場合は、変換比が4より小さい場合よりも動画の品質を向上できるという利点を有する。さらに、変換比が4である場合は、変換比が4より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できるという利点を有する。
具体的には、変換比が4である場合は、4倍速駆動とも呼ばれる。たとえば、入力フレームレートが60Hzであれば、表示フレームレートは240Hz(240Hz駆動)である。そして、1つの入力画像に対し、画像を4回連続して表示することになる。このとき、補間画像が動き補償によって求められた中間画像である場合は、動画の動きを滑らかにすることができるため、動画の品質を顕著に向上させることが可能である。特に、120Hz駆動(倍速駆動)、180Hz駆動(3倍速駆動)等の駆動周波数の小さな駆動方法と比較すると、さらに精度の高い動き補償によって求めた中間画像を補間画像として用いることができるため、さらに動画の動きを滑らかにすることができ、動画の品質を顕著に向上させることが可能である。さらに、表示装置がアクティブマトリクス方式の液晶表示装置である場合は、ダイナミックキャパシタンスによる書き込み電圧不足の問題が回避できるため、動画の尾引き、残像等の障害に対し特に顕著な画質改善効果をもたらす。さらに、液晶表示装置の交流駆動と240Hz駆動を組み合わせるのも効果的である。すなわち、液晶表示装置の駆動周波数を240Hzとしつつ、交流駆動の周波数をその整数倍または整数分の一(たとえば、30Hz、40Hz、60Hz、120Hz等)とすることによって、交流駆動によって現れるフリッカを、人間の目に知覚されない程度に低減することができる。
さらに、たとえば、n=4,m=3、すなわち変換比(n/m)が4/3(図13のn=4,m=3の箇所)の場合は、第kの画像は基本画像であり、第k+1の画像は補間画像であり、第k+2の画像は補間画像であり、第k+3の画像は補間画像であり、第k+4の画像は基本画像であり、画像表示周期は、入力画像データの周期の3/4倍であることを特徴とする。
さらに具体的な表現としては、変換比が4/3(n/m=4/3)である場合は、第i(iは正の整数)の画像データと、第i+1の画像データと、第i+2の画像データと、第i+3の画像データと、が、入力画像データとして一定の周期で順次入力され、第k(kは正の整数)の画像と、第k+1の画像と、第k+2の画像と、第k+3の画像と、第k+4の画像と、を、入力画像データの周期の3/4倍の間隔で順次表示する表示装置の駆動方法であって、前記第kの画像は、前記第iの画像データにしたがって表示され、前記第k+1の画像は、前記第iの画像データから前記第i+1の画像データまでの動きを3/4倍した動きに相当する画像データにしたがって表示され、前記第k+2の画像は、前記第i+1の画像から前記第i+2の画像までの動きを1/2倍した動きに相当する画像データにしたがって表示され、前記第k+3の画像は、前記第i+2の画像から前記第i+3の画像までの動きを1/4倍した動きに相当する画像データにしたがって表示され、前記第k+4の画像は、前記第i+3の画像データにしたがって表示されることを特徴とする。
さらに別の具体的な表現としては、変換比が4/3(n/m=4/3)である場合は、第i(iは正の整数)の画像データと、第i+1の画像データと、第i+2の画像データと、第i+3の画像データと、が、入力画像データとして一定の周期で順次入力され、第k(kは正の整数)の画像と、第k+1の画像と、第k+2の画像と、第k+3の画像と、第k+4の画像と、を、入力画像データの周期の3/4倍の間隔で順次表示する表示装置の駆動方法であって、前記第kの画像は、前記第iの画像データにしたがって表示され、前記第k+1の画像は、前記第iの画像データにしたがって表示され、前記第k+2の画像は、前記第i+1の画像データにしたがって表示され、前記第k+3の画像は、前記第i+2の画像データにしたがって表示され、前記第k+4の画像は、前記第i+3の画像データにしたがって表示されることを特徴とする。
ここで、変換比が4/3である場合は、変換比が4/3より小さい場合よりも動画の品質を向上できるという利点を有する。さらに、変換比が4/3である場合は、変換比が4/3より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できるという利点を有する。
具体的には、変換比が4/3である場合は、4/3倍速駆動または1.25倍速駆動とも呼ばれる。たとえば、入力フレームレートが60Hzであれば、表示フレームレートは80Hz(80Hz駆動)である。そして、3つの入力画像に対し、画像を4回連続して表示することになる。このとき、補間画像が動き補償によって求められた中間画像である場合は、動画の動きを滑らかにすることができるため、動画の品質を顕著に向上させることが可能である。特に、120Hz駆動(倍速駆動)、180Hz駆動(3倍速駆動)等の駆動周波数の大きな駆動方法と比較すると、動き補償によって中間画像を求める回路の動作周波数を低減できるため、安価な回路が使用でき、製造コストおよび消費電力を低減できる。さらに、表示装置がアクティブマトリクス方式の液晶表示装置である場合は、ダイナミックキャパシタンスによる書き込み電圧不足の問題が回避できるため、動画の尾引き、残像等の障害に対し特に顕著な画質改善効果をもたらす。さらに、液晶表示装置の交流駆動と80Hz駆動を組み合わせるのも効果的である。すなわち、液晶表示装置の駆動周波数を80Hzとしつつ、交流駆動の周波数をその整数倍または整数分の一(たとえば、40Hz、80Hz、160Hz、240Hz等)とすることによって、交流駆動によって現れるフリッカを、人間の目に知覚されない程度に低減することができる。
さらに、たとえば、n=5,m=1、すなわち変換比(n/m)が5(図13のn=5,m=1の箇所)の場合は、第kの画像は基本画像であり、第k+1の画像は補間画像であり、第k+2の画像は補間画像であり、第k+3の画像は補間画像であり、第k+4の画像は補間画像であり、第k+5の画像は基本画像であり、画像表示周期は、入力画像データの周期の1/5倍であることを特徴とする。
さらに具体的な表現としては、変換比が5(n/m=5)である場合は、第i(iは正の整数)の画像データと、第i+1の画像データと、が、入力画像データとして一定の周期で順次入力され、第k(kは正の整数)の画像と、第k+1の画像と、第k+2の画像と、第k+3の画像と、第k+4の画像と、第k+5の画像と、を、入力画像データの周期の1/5倍の間隔で順次表示する表示装置の駆動方法であって、前記第kの画像は、前記第iの画像データにしたがって表示され、前記第k+1の画像は、前記第iの画像データから前記第i+1の画像データまでの動きを1/5倍した動きに相当する画像データにしたがって表示され、前記第k+2の画像は、前記第iの画像データから前記第i+1の画像データまでの動きを2/5倍した動きに相当する画像データにしたがって表示され、前記第k+3の画像は、前記第iの画像データから前記第i+1の画像データまでの動きを3/5倍した動きに相当する画像データにしたがって表示され、前記第k+4の画像は、前記第iの画像データから前記第i+1の画像データまでの動きを4/5倍した動きに相当する画像データにしたがって表示され、前記第k+5の画像は、前記第i+1の画像データにしたがって表示されることを特徴とする。
さらに別の具体的な表現としては、変換比が5(n/m=5)である場合は、第i(iは正の整数)の画像データと、第i+1の画像データと、が、入力画像データとして一定の周期で順次入力され、第k(kは正の整数)の画像と、第k+1の画像と、第k+2の画像と、第k+3の画像と、第k+4の画像と、第k+5の画像と、を、入力画像データの周期の1/5倍の間隔で順次表示する表示装置の駆動方法であって、前記第kの画像は、前記第iの画像データにしたがって表示され、前記第k+1の画像は、前記第iの画像データにしたがって表示され、前記第k+2の画像は、前記第iの画像データにしたがって表示され、前記第k+3の画像は、前記第iの画像データにしたがって表示され、前記第k+4の画像は、前記第iの画像データにしたがって表示され、前記第k+5の画像は、前記第i+1の画像データにしたがって表示されることを特徴とする。
ここで、変換比が5である場合は、変換比が5より小さい場合よりも動画の品質を向上できるという利点を有する。さらに、変換比が5である場合は、変換比が5より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できるという利点を有する。
具体的には、変換比が5である場合は、5倍速駆動とも呼ばれる。たとえば、入力フレームレートが60Hzであれば、表示フレームレートは300Hz(300Hz駆動)である。そして、1つの入力画像に対し、画像を5回連続して表示することになる。このとき、補間画像が動き補償によって求められた中間画像である場合は、動画の動きを滑らかにすることができるため、動画の品質を顕著に向上させることが可能である。特に、120Hz駆動(倍速駆動)、180Hz駆動(3倍速駆動)等の駆動周波数の小さな駆動方法と比較すると、さらに精度の高い動き補償によって求めた中間画像を補間画像として用いることができるため、さらに動画の動きを滑らかにすることができ、動画の品質を顕著に向上させることが可能である。さらに、表示装置がアクティブマトリクス方式の液晶表示装置である場合は、ダイナミックキャパシタンスによる書き込み電圧不足の問題が回避できるため、動画の尾引き、残像等の障害に対し特に顕著な画質改善効果をもたらす。さらに、液晶表示装置の交流駆動と300Hz駆動を組み合わせるのも効果的である。すなわち、液晶表示装置の駆動周波数を300Hzとしつつ、交流駆動の周波数をその整数倍または整数分の一(たとえば、30Hz、50Hz、60Hz、100Hz等)とすることによって、交流駆動によって現れるフリッカを、人間の目に知覚されない程度に低減することができる。
さらに、たとえば、n=5,m=2、すなわち変換比(n/m)が5/2(図13のn=5,m=2の箇所)の場合は、第kの画像は基本画像であり、第k+1の画像は補間画像であり、第k+2の画像は補間画像であり、第k+3の画像は補間画像であり、第k+4の画像は補間画像であり、第k+5の画像は基本画像であり、画像表示周期は、入力画像データの周期の1/5倍であることを特徴とする。
さらに具体的な表現としては、変換比が5/2(n/m=5/2)である場合は、第i(iは正の整数)の画像データと、第i+1の画像データと、第i+2の画像データと、が、入力画像データとして一定の周期で順次入力され、第k(kは正の整数)の画像と、第k+1の画像と、第k+2の画像と、第k+3の画像と、第k+4の画像と、第k+5の画像と、を、入力画像データの周期の1/5倍の間隔で順次表示する表示装置の駆動方法であって、前記第kの画像は、前記第iの画像データにしたがって表示され、前記第k+1の画像は、前記第iの画像データから前記第i+1の画像データまでの動きを2/5倍した動きに相当する画像データにしたがって表示され、前記第k+2の画像は、前記第iの画像データから前記第i+1の画像データまでの動きを4/5倍した動きに相当する画像データにしたがって表示され、前記第k+3の画像は、前記第i+1の画像データから前記第i+2の画像データまでの動きを1/5倍した動きに相当する画像データにしたがって表示され、前記第k+4の画像は、前記第i+1の画像データから前記第i+2の画像データまでの動きを3/5倍した動きに相当する画像データにしたがって表示され、前記第k+5の画像は、前記第i+2の画像データにしたがって表示されることを特徴とする。
さらに別の具体的な表現としては、変換比が5/2(n/m=5/2)である場合は、第i(iは正の整数)の画像データと、第i+1の画像データと、第i+2の画像データと、が、入力画像データとして一定の周期で順次入力され、第k(kは正の整数)の画像と、第k+1の画像と、第k+2の画像と、第k+3の画像と、第k+4の画像と、第k+5の画像と、を、入力画像データの周期の1/5倍の間隔で順次表示する表示装置の駆動方法であって、前記第kの画像は、前記第iの画像データにしたがって表示され、前記第k+1の画像は、前記第iの画像データにしたがって表示され、前記第k+2の画像は、前記第iの画像データにしたがって表示され、前記第k+3の画像は、前記第i+1の画像データにしたがって表示され、前記第k+4の画像は、前記第i+1の画像データにしたがって表示され、前記第k+5の画像は、前記第i+2の画像データにしたがって表示されることを特徴とする。
ここで、変換比が5/2である場合は、変換比が5/2より小さい場合よりも動画の品質を向上できるという利点を有する。さらに、変換比が5/2である場合は、変換比が5より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できるという利点を有する。
具体的には、変換比が5である場合は、5/2倍速駆動または2.5倍速駆動とも呼ばれる。たとえば、入力フレームレートが60Hzであれば、表示フレームレートは150Hz(150Hz駆動)である。そして、2つの入力画像に対し、画像を5回連続して表示することになる。このとき、補間画像が動き補償によって求められた中間画像である場合は、動画の動きを滑らかにすることができるため、動画の品質を顕著に向上させることが可能である。特に、120Hz駆動(倍速駆動)等の駆動周波数の小さな駆動方法と比較すると、さらに精度の高い動き補償によって求めた中間画像を補間画像として用いることができるため、さらに動画の動きを滑らかにすることができ、動画の品質を顕著に向上させることが可能である。さらに、180Hz駆動(3倍速駆動)等の駆動周波数の大きな駆動方法と比較すると、動き補償によって中間画像を求める回路の動作周波数を低減できるため、安価な回路が使用でき、製造コストおよび消費電力を低減できる。さらに、表示装置がアクティブマトリクス方式の液晶表示装置である場合は、ダイナミックキャパシタンスによる書き込み電圧不足の問題が回避できるため、動画の尾引き、残像等の障害に対し特に顕著な画質改善効果をもたらす。さらに、液晶表示装置の交流駆動と150Hz駆動を組み合わせるのも効果的である。すなわち、液晶表示装置の駆動周波数を150Hzとしつつ、交流駆動の周波数をその整数倍または整数分の一(たとえば、30Hz、50Hz、75Hz、150Hz等)とすることによって、交流駆動によって現れるフリッカを、人間の目に知覚されない程度に低減することができる。
このように、正の整数nおよびmを様々に設定することによって、変換比は任意の有理数(n/m)として設定することができる。詳細な説明は省略するが、nが10以下の範囲では、n=1,m=1、すなわち変換比(n/m)=1(1倍速駆動、60Hz)、n=2,m=1、すなわち変換比(n/m)=2(2倍速駆動、120Hz)、n=3,m=1、すなわち変換比(n/m)=3(3倍速駆動、180Hz)、n=3,m=2、すなわち変換比(n/m)=3/2(3/2倍速駆動、90Hz)、n=4,m=1、すなわち変換比(n/m)=4(4倍速駆動、240Hz)、n=4,m=3、すなわち変換比(n/m)=4/3(4/3倍速駆動、80Hz)、n=5,m=1、すなわち変換比(n/m)=5/1(5倍速駆動、300Hz)、n=5,m=2、すなわち変換比(n/m)=5/2(5/2倍速駆動、150Hz)、n=5,m=3、すなわち変換比(n/m)=5/3(5/3倍速駆動、100Hz)、n=5,m=4、すなわち変換比(n/m)=5/4(5/4倍速駆動、75Hz)、n=6,m=1、すなわち変換比(n/m)=6(6倍速駆動、360Hz)、n=6,m=5、すなわち変換比(n/m)=6/5(6/5倍速駆動、72Hz)、n=7,m=1、すなわち変換比(n/m)=7(7倍速駆動、420Hz)、n=7,m=2、すなわち変換比(n/m)=7/2(7/2倍速駆動、210Hz)、n=7,m=3、すなわち変換比(n/m)=7/3(7/3倍速駆動、140Hz)、n=7,m=4、すなわち変換比(n/m)=7/4(7/4倍速駆動、105Hz)、n=7,m=5、すなわち変換比(n/m)=7/5(7/5倍速駆動、84Hz)、n=7,m=6、すなわち変換比(n/m)=7/6(7/6倍速駆動、70Hz)、n=8,m=1、すなわち変換比(n/m)=8(8倍速駆動、480Hz)、n=8,m=3、すなわち変換比(n/m)=8/3(8/3倍速駆動、160Hz)、n=8,m=5、すなわち変換比(n/m)=8/5(8/5倍速駆動、96Hz)、n=8,m=7、すなわち変換比(n/m)=8/7(8/7倍速駆動、68.6Hz)、n=9,m=1、すなわち変換比(n/m)=9(9倍速駆動、540Hz)、n=9,m=2、すなわち変換比(n/m)=9/2(9/2倍速駆動、270Hz)、n=9,m=4、すなわち変換比(n/m)=9/4(9/4倍速駆動、135Hz)、n=9,m=5、すなわち変換比(n/m)=9/5(9/5倍速駆動、108Hz)、n=9,m=7、すなわち変換比(n/m)=9/7(9/7倍速駆動、77.1Hz)、n=9,m=8、すなわち変換比(n/m)=9/8(9/8倍速駆動、67.5Hz)、n=10,m=1、すなわち変換比(n/m)=10(10倍速駆動、600Hz)、n=10,m=3、すなわち変換比(n/m)=10/3(10/3倍速駆動、200Hz)、n=10,m=7、すなわち変換比(n/m)=10/7(10/7倍速駆動、85.7Hz)、n=10,m=9、すなわち変換比(n/m)=10/9(10/9倍速駆動、66.7Hz)、以上の組み合わせが考えられる。なお、周波数の表記は入力フレームレートが60Hzであるときの例であり、その他の入力フレームレートに対しては、それぞれの変換比を入力フレームレートと積算した値が駆動周波数となる。
なお、nが10より大きい整数である場合については、具体的なnおよびmの数字は挙げないが、様々なnおよびmに対し、この、第1のステップにおけるフレームレート変換の手順が適用できることは明らかである。
なお、表示される画像のうち、入力される画像データに動き補償を行なうことなく表示できる画像がどの程度含まれているかによって、変換比を決定することができる。具体的には、mが小さいほど、入力される画像データに動き補償を行なうことなく表示できる画像の割合は大きくなる。動き補償を行なう頻度が小さいと、動き補償を行なう回路の動作頻度を減少させることができるため、消費電力を小さくでき、さらに、動き補償によってエラーが含まれる画像(画像の動きを正確に反映していない中間画像)が作成されてしまう可能性を低くすることができるため、画像の品質を向上させることができる。このような変換比としては、nが10以下の範囲においては、たとえば、1,2,3,3/2,4,5,5/2,6,7,7/2,8,9,9/2,10が挙げられる。このような変換比を用いると、特に補間画像として動き補償によって求められた中間画像を用いる場合において、画像の品質を高くすることができ、かつ、消費電力を低減することができる。なぜならば、mが2である場合は、入力される画像データに動き補償を行なうことなく表示できる画像の数が比較的多く(入力される画像データの総数に対して1/2だけ存在する)、動き補償を行う頻度が減少するためである。さらに、mが1である場合は、入力される画像データに動き補償を行なうことなく表示できる画像の数が多く(入力される画像データの総数に等しい)、動き補償を行うことがないためである。一方、mは大きいほど、精度の高い動き補償によって作成された中間画像を用いることができるので、画像の動きをより滑らかにできるという利点を有する。
なお、表示装置が液晶表示装置である場合は、液晶素子の応答時間にしたがって変換比を決定することができる。ここでは、液晶素子の応答時間とは、液晶素子に印加する電圧を変化させてから液晶素子が応答するまでの時間である。液晶素子の応答時間が、液晶素子に印加する電圧の変化量によって異なる場合は、複数の代表的な電圧変化における応答時間の平均値とすることができる。または、液晶素子の応答時間は、MPRT(Moving Picture Response Time)で定義されるものであってもよい。そして、フレームレート変換によって、画像表示周期が液晶素子の応答時間に近くなるように、変換比を決定できる。具体的には、液晶素子の応答時間は、入力画像データの周期と変換比の逆数を積算した値から、この値の半分程度の値までの時間であることが好ましい。こうすることで、液晶素子の応答時間に合った画像表示周期とすることができるので、画質を向上することができる。たとえば、液晶素子の応答時間が4ミリ秒以上8ミリ秒以下の場合に、倍速駆動(120Hz駆動)とすることができる。これは、120Hz駆動の画像表示周期が約8ミリ秒であり、120Hz駆動の画像表示周期の半分が約4ミリ秒であることによる。同様に、たとえば、液晶素子の応答時間が3ミリ秒以上6ミリ秒以下の場合に、3倍速駆動(180Hz駆動)とすることができ、液晶素子の応答時間が5ミリ秒以上11ミリ秒以下の場合に、1.5倍速駆動(90Hz駆動)とすることができ、液晶素子の応答時間が2ミリ秒以上4ミリ秒以下の場合に、4倍速駆動(240Hz駆動)とすることができ、液晶素子の応答時間が6ミリ秒以上12ミリ秒以下の場合に、1.25倍速駆動(80Hz駆動)とすることができる。なお、他の駆動周波数についても同様である。
なお、変換比は、動画の品質と、消費電力および製造コストのトレードオフによっても決定することができる。つまり、変換比を大きくすることによって動画の品質を上げることができる一方で、変換比を小さくすることによって消費電力および製造コストを低減できる。すなわち、nが10以下の範囲における各々の変換比は、以下のような利点を有する。
変換比が1である場合は、変換比が1より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、変換比が1より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、mが小さいので、高い画質を得られる一方で消費電力を低減できる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の1倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
変換比が2である場合は、変換比が2より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、変換比が2より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、mが小さいので、高い画質を得られる一方で消費電力を低減できる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の1/2倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
変換比が3である場合は、変換比が3より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、変換比が3より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、mが小さいので、高い画質を得られる一方で消費電力を低減できる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の1/3倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
変換比が3/2である場合は、変換比が3/2より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、変換比が3/2より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、mが小さいので、高い画質を得られる一方で消費電力を低減できる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の2/3倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
変換比が4である場合は、変換比が4より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、変換比が4より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、mが小さいので、高い画質を得られる一方で消費電力を低減できる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の1/4倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
変換比が4/3である場合は、変換比が4/3より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、変換比が4/3より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、mが大きいので、画像の動きをより滑らかにできる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の3/4倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
変換比が5である場合は、変換比が5より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、変換比が5より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、mが小さいので、高い画質を得られる一方で消費電力を低減できる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の1/5倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
変換比が5/2である場合は、変換比が5/2より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、変換比が5/2より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、mが小さいので、高い画質を得られる一方で消費電力を低減できる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の2/5倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
変換比が5/3である場合は、変換比が5/3より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、変換比が5/3より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、mが大きいので、画像の動きをより滑らかにできる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の3/5倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
変換比が5/4である場合は、変換比が5/4より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、変換比が5/4より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、mが大きいので、画像の動きをより滑らかにできる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の4/5倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
変換比が6である場合は、変換比が6より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、変換比が6より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、mが小さいので、高い画質を得られる一方で消費電力を低減できる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の1/6倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
変換比が6/5である場合は、変換比が6/5より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、変換比が6/5より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、mが大きいので、画像の動きをより滑らかにできる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の5/6倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
変換比が7である場合は、変換比が7より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、変換比が7より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、mが小さいので、高い画質を得られる一方で消費電力を低減できる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の1/7倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
変換比が7/2である場合は、変換比が7/2より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、変換比が7/2より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、mが小さいので、高い画質を得られる一方で消費電力を低減できる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の2/7倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
変換比が7/3である場合は、変換比が7/3より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、変換比が7/3より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、mが大きいので、画像の動きをより滑らかにできる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の3/7倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
変換比が7/4である場合は、変換比が7/4より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、変換比が7/4より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、mが大きいので、画像の動きをより滑らかにできる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の4/7倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
変換比が7/5である場合は、変換比が7/5より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、変換比が7/5より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、mが大きいので、画像の動きをより滑らかにできる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の5/7倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
変換比が7/6である場合は、変換比が7/6より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、変換比が7/6より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、mが大きいので、画像の動きをより滑らかにできる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の6/7倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
変換比が8である場合は、変換比が8より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、変換比が8より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、mが小さいので、高い画質を得られる一方で消費電力を低減できる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の1/8倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
変換比が8/3である場合は、変換比が8/3より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、変換比が8/3より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、mが大きいので、画像の動きをより滑らかにできる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の3/8倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
変換比が8/5である場合は、変換比が8/5より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、変換比が8/5より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、mが大きいので、画像の動きをより滑らかにできる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の5/8倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
変換比が8/7である場合は、変換比が8/7より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、変換比が8/7より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、mが大きいので、画像の動きをより滑らかにできる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の7/8倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
変換比が9である場合は、変換比が9より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、変換比が9より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、mが小さいので、高い画質を得られる一方で消費電力を低減できる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の1/9倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
変換比が9/2である場合は、変換比が9/2より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、変換比が9/2より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、mが小さいので、高い画質を得られる一方で消費電力を低減できる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の2/9倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
変換比が9/4である場合は、変換比が9/4より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、変換比が9/4より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、mが大きいので、画像の動きをより滑らかにできる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の4/9倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
変換比が9/5である場合は、変換比が9/5より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、変換比が9/5より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、mが大きいので、画像の動きをより滑らかにできる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の5/9倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
変換比が9/7である場合は、変換比が9/7より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、変換比が9/7より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、mが大きいので、画像の動きをより滑らかにできる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の7/9倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
変換比が9/8である場合は、変換比が9/8より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、変換比が9/8より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、mが大きいので、画像の動きをより滑らかにできる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の8/9倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
変換比が10である場合は、変換比が10より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、変換比が10より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、mが小さいので、高い画質を得られる一方で消費電力を低減できる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の1/10倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
変換比が10/3である場合は、変換比が10/3より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、変換比が10/3より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、mが大きいので、画像の動きをより滑らかにできる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の3/10倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
変換比が10/7である場合は、変換比が10/7より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、変換比が10/7より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、mが大きいので、画像の動きをより滑らかにできる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の7/10倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
変換比が10/9である場合は、変換比が10/9より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、変換比が10/9より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、mが大きいので、画像の動きをより滑らかにできる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の9/10倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
なお、nが10より大きい範囲における各々の変換比においても、同様な利点を有するのは明らかである。
次に、第2のステップとして、入力された画像データにしたがった画像または第1のステップにおいて任意の有理数(n/m)倍にフレームレート変換された各々の画像(元画像と呼ぶこととする)から、異なる複数の画像(サブ画像)を作成し、当該複数のサブ画像を時間的に連続して提示する方法について説明する。こうすることによって、実際は複数の画像を提示しているのにもかかわらず、見た目上、1つの元画像が表示されたように人間の目に知覚させることもできる。
なお、ここでは、1つの元画像から作成されたサブ画像のうち、先に表示されるサブ画像を、第1のサブ画像と呼ぶこととする。ここで、第1のサブ画像を表示するタイミングは、第1のステップで決められた元画像を表示するタイミングと同じであるとする。一方、その後に表示されるサブ画像を、第2のサブ画像と呼ぶこととする。第2のサブ画像を表示するタイミングは、第1のステップで決められた元画像を表示するタイミングに関わらず、任意に決めることができる。なお、実際に表示させる画像は、第2のステップにおける方法により元画像から作成された画像である。なお、サブ画像を作成するための元画像も、様々な画像を用いることができる。なお、サブ画像の数は2つに限定されず、2つより大きくてもよい。第2のステップにおいては、サブ画像の数をJ個(Jは2以上の整数)と表記する。このとき、第1のステップで決められた元画像を表示するタイミングと同じタイミングで表示されるサブ画像を、第1のサブ画像と呼び、それ以降に続いて表示されるサブ画像を、表示される順番にしたがって第2のサブ画像、第3のサブ画像〜第Jのサブ画像、と呼ぶこととする。
1つの元画像から複数のサブ画像を作成する方法としては、様々なものがあるが、主なものとしては次のような方法を挙げることができる。1つは、元画像をそのままサブ画像として用いる方法である。1つは、元画像の明るさを複数のサブ画像に分配する方法である。1つは、動き補償によって求めた中間画像をサブ画像として用いる方法である。
ここで、元画像の明るさを複数のサブ画像に分配する方法は、さらに複数の方法に分けることができる。主なものとしては次のような方法を挙げることができる。1つは、少なくとも1つのサブ画像を黒画像とする方法(黒挿入法と呼ぶこととする)である。1つは、元画像の明るさを複数の範囲に分割し、当該範囲における明るさを制御するときは、全てのサブ画像のうち唯1つのサブ画像によって行なう方法(時分割階調制御法と呼ぶこととする)である。1つは、一方のサブ画像を、元画像のガンマ値を変更した明るい画像とし、他方のサブ画像を、元画像のガンマ値を変更した暗い画像とする方法(ガンマ補完法と呼ぶこととする)である。
上に挙げたいくつかの方法を、それぞれ簡単に説明する。元画像をそのままサブ画像として用いる方法は、第1のサブ画像として、元画像をそのまま用いる。さらに、第2のサブ画像として、元画像をそのまま用いる。この方法を用いると、サブ画像を新たに作成する回路を動作させることがない、または当該回路そのものを用いる必要がなくなるため、消費電力および製造コストを低減することができる。特に、液晶表示装置においては、第1のステップにおいて、動き補償によって求めた中間画像を補間画像としたフレームレート変換を行なった後にこの方法を用いることが好ましい。なぜならば、動き補償によって求めた中間画像を補間画像とすることで、動画の動きを滑らかにしつつ、同じ画像を繰り返し表示することで、液晶素子のダイナミックキャパシタンスによる書き込み電圧不足に起因する、動画の尾引き、残像等の障害を低減することができるからである。
次に、元画像の明るさを複数のサブ画像に分配する方法における、画像の明るさおよびサブ画像が表示される期間の長さの設定方法について詳細に説明する。なお、Jはサブ画像の数を表し、2以上の整数であるとする。小文字のjは大文字のJとは区別される。jは1以上J以下の整数であるとする。通常のホールド駆動における画素の明るさをL、元画像データの周期をT、第jのサブ画像における画素の明るさをLj、第jのサブ画像が表示される期間の長さをTj、とすると、以下の式が成り立つように、LjおよびTjを設定するのが好ましい。
元画像の明るさを複数のサブ画像に分配する方法のうち、黒挿入法は、少なくとも1つのサブ画像を黒画像とする方法である。こうすることによって、表示方法を擬似的にインパルス型とすることができるため、表示方法がホールド型であることに起因する動画の品質の低下を防ぐことができる。ここで、黒画像の挿入に伴う、表示画像の明るさの低下を防ぐために、数式1および数式2の条件に従うことが好ましい。しかし、表示画像の明るさの低下が許容できるような状況(周囲が暗い等)である場合、ユーザによって表示画像の明るさの低下が許容する設定になっている場合などであれば、数式1および数式2の条件に従わなくてもよい。たとえば、1つのサブ画像は元画像と同じものとし、他のサブ画像を黒画像としてもよい。この場合は、数式1および数式2の条件にしたがったときと比べて、消費電力を低減できる。さらに、液晶表示装置においては、一方のサブ画像を、明るさの最大値に制限をつけずに元画像の全体的な明るさを大きくしたものとするとき、バックライトの明るさを大きくすることで、数式1および数式2の条件を実現してもよい。この場合は、画素に書き込む電圧値を制御することなく、数式1および数式2の条件を満足することができるため、画像処理回路の動作を省略でき、消費電力を低減できる。
なお、黒挿入法は、いずれか1つのサブ画像において、全ての画素のLjを0とすることを特徴とする。こうすることにより、表示方法を擬似的にインパルス型とすることができるため、表示方法がホールド型であることに起因する動画の品質の低下を防ぐことができる。
元画像の明るさを複数のサブ画像に分配する方法のうち、時分割階調制御法は、元画像の明るさを複数の範囲に分割し、当該範囲における明るさを制御するときは、全てのサブ画像のうち唯1つのサブ画像によって行なう方法である。こうすることによって、明るさを低下させることなく、表示方法を擬似的にインパルス型とすることができるため、表示方法がホールド型であることに起因する動画の品質の低下を防ぐことができる。
元画像の明るさを複数の範囲に分割する方法としては、明るさの最大値(Lmax)を、サブ画像の数だけ分割する方法がある。これは、たとえば、0からLmaxまでの明るさが256段階(階調0から階調255)で調節できる表示装置において、サブ画像の数を2としたとき、階調0から階調127までを表示するときは、一方のサブ画像の明るさを階調0から階調255の範囲で調節する一方で、他方のサブ画像の明るさを階調0とし、階調128から階調255までを表示するときは、一方のサブ画像の明るさを階調255とする一方で、他方のサブ画像の明るさを階調0から階調255の範囲で調節する方法である。こうすることによって、元画像が表示されたように人間の目に知覚させることができ、かつ、擬似的にインパルス型とすることができるので、ホールド型であることに起因する動画の品質の低下を防ぐことができる。なお、サブ画像の数は2より大きくてもよい。たとえば、サブ画像の数を3としたときは、元画像の明るさの段階(階調0から階調255)を、3つに分割する。なお、元画像の明るさの段階の数とサブ画像の数によっては、明るさの段階の数がサブ画像の数で割り切れない場合もあるが、分割後のそれぞれの明るさの範囲に含まれる明るさの段階の数は、ちょうど同じでなくても、適宜振り分ければよい。
なお、時分割階調制御法においても、数式1および数式2に示した関係を満たすことによって、明るさの低下などがおこらず、元画像と同様な画像を表示することができるため、好ましい。
元画像の明るさを複数のサブ画像に分配する方法のうち、ガンマ補完法は、一方のサブ画像を、元画像のガンマ特性を変更した明るい画像とし、他方のサブ画像を、元画像のガンマ特性を変更した暗い画像とする方法である。こうすることによって、明るさを低下させることなく、表示方法を擬似的にインパルス型とすることができるため、表示方法がホールド型であることに起因する動画の品質の低下を防ぐことができる。ここで、ガンマ特性とは、明るさの段階(階調)に対する明るさの程度のことである。通常、ガンマ特性は線形に近くなるように調整される。これは、明るさの段階である階調に対する明るさの変化が比例するようにすれば、滑らかな階調を得ることができるからである。ガンマ補完法では、一方のサブ画像のガンマ特性を線形からずらして、中間の明るさ(中間調)の領域において、線形よりも明るくなるように調整する(中間調が本来よりも明るい画像となる)。そして、他方のサブ画像のガンマ特性も線形からずらして、同じく中間調の領域において、線形よりも暗くなるように調整する(中間調が本来よりも暗い画像となる)。ここで、一方のサブ画像を線形より明るくした量と、他方のサブ画像を線形より暗くした量を、全ての階調において概等しくすることが好ましい。こうすることで、元画像が表示されたように人間の目に知覚させることができ、かつ、ホールド型であることに起因する動画の品質の低下を防ぐことができる。なお、サブ画像の数は2より大きくてもよい。たとえば、サブ画像の数を3としたときは、3つのサブ画像について、それぞれガンマ特性を調整し、線形から明るくした量の合計と、線形から暗くした量の合計が概等しくなるようにすればよい。
なお、ガンマ補完法においても、数式1および数式2に示した関係を満たすことによって、明るさの低下などがおこらず、元画像と同様な画像を表示することができるため、好ましい。さらに、ガンマ補完法においては、階調に対するそれぞれのサブ画像の明るさLjの変化がガンマ曲線にしたがっているため、それぞれのサブ画像がそれ自体で階調を滑らかに表示でき、最終的に人間の目で知覚される画像の品質も向上するという利点を有する。
動き補償によって求めた中間画像をサブ画像として用いる方法は、一方のサブ画像を、前後の画像から動き補償によって求めた中間画像とする方法である。こうすることで、画像の動きを滑らかにすることができるので、動画の品質を向上できる。
次に、サブ画像を表示するタイミングと、サブ画像を作成する方法との関係について説明する。第1のサブ画像を表示するタイミングは、第1のステップで決められた元画像を表示するタイミングと同じであり、第2のサブ画像を表示するタイミングは、第1のステップで決められた元画像を表示するタイミングに関わらず、任意に決めることができるとしたが、第2のサブ画像を表示するタイミングにしたがって、サブ画像自体を変化させてもよい。こうすることで、第2のサブ画像を表示するタイミングを様々に変化させたとしても、元画像が表示されたように人間の目に知覚させることができる。具体的には、第2のサブ画像を表示するタイミングを早くした場合は、第1のサブ画像はより明るくし、第2のサブ画像はより暗くすることができる。さらに、第2のサブ画像を表示するタイミングを遅くした場合は、第1のサブ画像はより暗くし、第2のサブ画像はより明るくすることができる。これは、人間の目が知覚する明るさは、画像を表示する期間の長さによって変わるためである。より詳細には、人間の目が知覚する明るさは、画像を表示する期間が長いほど明るくなり、画像を表示する期間が短いほど暗くなる。すなわち、第2のサブ画像を表示するタイミングを早くすることによって、第1のサブ画像を表示する期間の長さが短くなり、第2のサブ画像を表示する期間の長さが長くなるため、そのままでは第1のサブ画像は暗く、第2のサブ画像は明るく、人間の目に知覚されてしまう。その結果、元画像とは異なる画像が人間の目に知覚されてしまうことになるが、これを防ぐために、第1のサブ画像はより明るくし、第2のサブ画像はより暗くすることができる。同様に、第2のサブ画像を表示するタイミングを遅くすることによって、第1のサブ画像を表示する期間の長さが長くなり、第2のサブ画像を表示する期間の長さが短くなる場合は、第1のサブ画像はより暗くし、第2のサブ画像はより明るくすることができる。
上記の説明に基づいて、第2のステップにおける処理手順を、以下に示す。
手順1として、1つの元画像から複数のサブ画像を作成する方法を決定する。より詳細には、複数のサブ画像を作成する方法は、元画像をそのままサブ画像として用いる方法、元画像の明るさを複数のサブ画像に分配する方法、動き補償によって求めた中間画像をサブ画像として用いる方法、から選択することができる。
手順2として、サブ画像の数Jを決定する。なお、Jは2以上の整数である。
手順3として、第jのサブ画像における画素の明るさLj、第jのサブ画像が表示される期間の長さTjを、手順1で選択した方法にしたがって決定する。手順3により、それぞれのサブ画像が表示される期間の長さと、それぞれのサブ画像に含まれる個々の画素の明るさが具体的に決められる。
手順4として、手順1乃至手順3のそれぞれで決定された事項にしたがって、元画像を処理し、実際に表示する。
手順5として、対象とする元画像を次の元画像に移す。そして、手順1に戻る。
なお、第2のステップにおける手順を実行する仕組みは、装置に実装されたものであってもよいし、装置の設計段階であらかじめ決められたものであってもよい。第2のステップにおける手順を実行する仕組みが装置に実装されていれば、状況に応じた最適な動作が行われるように、駆動方法を切り替えることが可能となる。なお、ここでいう状況とは、画像データの内容、装置内外の環境(温度、湿度、気圧、光、音、磁界、電界、放射線量、高度、加速度、移動速度、等)、ユーザ設定、ソフトウエアバージョン、等を含む。一方、第2のステップにおける手順を実行する仕組みが装置の設計段階であらかじめ決められたものであれば、それぞれの駆動方法に最適な駆動回路を用いることができ、さらに、仕組みが決められていることによって、量産効果による製造コストの低減が期待できる。
次に、第2のステップにおける手順によって決められる様々な駆動方法を、それぞれ、第1のステップにおけるnおよびmの値を具体的に示して詳細に説明する。
第2のステップにおける手順1において、元画像をそのままサブ画像として用いる方法が選択された場合、駆動方法は次のようになる。
第i(iは正の整数)の画像データと、第i+1の画像データと、が、一定の周期Tで順次用意され、前記周期Tは、J(Jは2以上の整数)個のサブ画像表示期間に分割され、前記第iの画像データは、複数の画素にそれぞれ固有の明るさLを持たせることができるデータであり、第j(jは1以上J以下の整数)のサブ画像は、それぞれ固有の明るさLjを持つ画素が複数並置されることによって構成され、第jのサブ画像表示期間Tjだけ表示される画像であり、前記L、前記T、前記Lj、前記Tj、を、数式1および数式2にしたがった関係とする表示装置の駆動方法であって、全てのjにおいて、第jのサブ画像に含まれるそれぞれの画素の明るさLjが、それぞれの画素に対しLj=Lであることを特徴とする。ここで、一定の周期Tで順次用意される画像データとしては、第1のステップにおいて作成された元画像データを用いることができる。すなわち、第1のステップの説明で挙げた全ての表示パターンを、上記駆動方法と組み合わせることができる。
そして、第2のステップにおける手順2において、サブ画像の数Jが2と決定され、手順3において、T1=T2=T/2と決定された場合、上記駆動方法は、図14に示すようなものとなる。図14において、横軸は時間であり、縦軸は第1のステップにおいて用いた様々なnおよびmについて場合分けを行なって示したものである。
たとえば、第1のステップにおいて、n=1,m=1、すなわち変換比(n/m)が1であるときは、図14のn=1,m=1の箇所に示すような駆動方法となる。このとき、表示フレームレートは入力される画像データのフレームレートの2倍(2倍速駆動)となる。具体的には、たとえば、入力フレームレートが60Hzであれば、表示フレームレートは120Hz(120Hz駆動)である。そして、ひとつの入力される画像データに対し、画像を2回連続して表示することになる。ここで、2倍速駆動である場合は、フレームレートが2倍速より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、2倍速より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、第2のステップの手順1において、元画像をそのままサブ画像として用いる方法が選択されることによって、動き補償によって中間画像を作成する回路の動作を停止または当該回路自体を装置から省略することができるため、消費電力および装置の製造コストを低減することができる。さらに、表示装置がアクティブマトリクス方式の液晶表示装置である場合は、ダイナミックキャパシタンスによる書き込み電圧不足の問題が回避できるため、動画の尾引き、残像等の障害に対し特に顕著な画質改善効果をもたらす。さらに、液晶表示装置の交流駆動と120Hz駆動を組み合わせるのも効果的である。すなわち、液晶表示装置の駆動周波数を120Hzとしつつ、交流駆動の周波数をその整数倍または整数分の一(たとえば、30Hz、60Hz、120Hz、240Hz等)とすることによって、交流駆動によって現れるフリッカを、人間の目に知覚されない程度に低減することができる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の1/2倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
さらに、たとえば、第1のステップにおいて、n=2,m=1、すなわち変換比(n/m)が2であるときは、図14のn=2,m=1の箇所に示すような駆動方法となる。このとき、表示フレームレートは入力される画像データのフレームレートの4倍(4倍速駆動)となる。具体的には、たとえば、入力フレームレートが60Hzであれば、表示フレームレートは240Hz(240Hz駆動)である。そして、ひとつの入力される画像データに対し、画像を4回連続して表示することになる。このとき、第1のステップにおける補間画像が動き補償によって求められた中間画像である場合は、動画の動きを滑らかにすることができるため、動画の品質を顕著に向上させることが可能である。ここで、4倍速駆動である場合は、フレームレートが4倍速より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、4倍速より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、第2のステップの手順1において、元画像をそのままサブ画像として用いる方法が選択されることによって、動き補償によって中間画像を作成する回路の動作を停止または当該回路自体を装置から省略することができるため、消費電力および装置の製造コストを低減することができる。さらに、表示装置がアクティブマトリクス方式の液晶表示装置である場合は、ダイナミックキャパシタンスによる書き込み電圧不足の問題が回避できるため、動画の尾引き、残像等の障害に対し特に顕著な画質改善効果をもたらす。さらに、液晶表示装置の交流駆動と240Hz駆動を組み合わせるのも効果的である。すなわち、液晶表示装置の駆動周波数を240Hzとしつつ、交流駆動の周波数をその整数倍または整数分の一(たとえば、30Hz、60Hz、120Hz、240Hz等)とすることによって、交流駆動によって現れるフリッカを、人間の目に知覚されない程度に低減することができる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の1/4倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
さらに、たとえば、第1のステップにおいて、n=3,m=1、すなわち変換比(n/m)が3であるときは、図14のn=3,m=1の箇所に示すような駆動方法となる。このとき、表示フレームレートは入力される画像データのフレームレートの6倍(6倍速駆動)となる。具体的には、たとえば、入力フレームレートが60Hzであれば、表示フレームレートは360Hz(360Hz駆動)である。そして、ひとつの入力される画像データに対し、画像を6回連続して表示することになる。このとき、第1のステップにおける補間画像が動き補償によって求められた中間画像である場合は、動画の動きを滑らかにすることができるため、動画の品質を顕著に向上させることが可能である。ここで、6倍速駆動である場合は、フレームレートが6倍速より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、6倍速より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、第2のステップの手順1において、元画像をそのままサブ画像として用いる方法が選択されることによって、動き補償によって中間画像を作成する回路の動作を停止または当該回路自体を装置から省略することができるため、消費電力および装置の製造コストを低減することができる。さらに、表示装置がアクティブマトリクス方式の液晶表示装置である場合は、ダイナミックキャパシタンスによる書き込み電圧不足の問題が回避できるため、動画の尾引き、残像等の障害に対し特に顕著な画質改善効果をもたらす。さらに、液晶表示装置の交流駆動と360Hz駆動を組み合わせるのも効果的である。すなわち、液晶表示装置の駆動周波数を360Hzとしつつ、交流駆動の周波数をその整数倍または整数分の一(たとえば、30Hz、60Hz、120Hz、180Hz等)とすることによって、交流駆動によって現れるフリッカを、人間の目に知覚されない程度に低減することができる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の1/6倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
さらに、たとえば、第1のステップにおいて、n=3,m=2、すなわち変換比(n/m)が3/2であるときは、図14のn=3,m=2の箇所に示すような駆動方法となる。このとき、表示フレームレートは入力される画像データのフレームレートの3倍(3倍速駆動)となる。具体的には、たとえば、入力フレームレートが60Hzであれば、表示フレームレートは180Hz(180Hz駆動)である。そして、ひとつの入力される画像データに対し、画像を3回連続して表示することになる。このとき、第1のステップにおける補間画像が動き補償によって求められた中間画像である場合は、動画の動きを滑らかにすることができるため、動画の品質を顕著に向上させることが可能である。ここで、3倍速駆動である場合は、フレームレートが3倍速より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、3倍速より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、第2のステップの手順1において、元画像をそのままサブ画像として用いる方法が選択されることによって、動き補償によって中間画像を作成する回路の動作を停止または当該回路自体を装置から省略することができるため、消費電力および装置の製造コストを低減することができる。さらに、表示装置がアクティブマトリクス方式の液晶表示装置である場合は、ダイナミックキャパシタンスによる書き込み電圧不足の問題が回避できるため、動画の尾引き、残像等の障害に対し特に顕著な画質改善効果をもたらす。さらに、液晶表示装置の交流駆動と180Hz駆動を組み合わせるのも効果的である。すなわち、液晶表示装置の駆動周波数を180Hzとしつつ、交流駆動の周波数をその整数倍または整数分の一(たとえば、30Hz、60Hz、120Hz、180Hz等)とすることによって、交流駆動によって現れるフリッカを、人間の目に知覚されない程度に低減することができる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の1/3倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
さらに、たとえば、第1のステップにおいて、n=4,m=1、すなわち変換比(n/m)が4であるときは、図14のn=4,m=1の箇所に示すような駆動方法となる。このとき、表示フレームレートは入力される画像データのフレームレートの8倍(8倍速駆動)となる。具体的には、たとえば、入力フレームレートが60Hzであれば、表示フレームレートは480Hz(480Hz駆動)である。そして、ひとつの入力される画像データに対し、画像を8回連続して表示することになる。このとき、第1のステップにおける補間画像が動き補償によって求められた中間画像である場合は、動画の動きを滑らかにすることができるため、動画の品質を顕著に向上させることが可能である。ここで、8倍速駆動である場合は、フレームレートが8倍速より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、8倍速より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、第2のステップの手順1において、元画像をそのままサブ画像として用いる方法が選択されることによって、動き補償によって中間画像を作成する回路の動作を停止または当該回路自体を装置から省略することができるため、消費電力および装置の製造コストを低減することができる。さらに、表示装置がアクティブマトリクス方式の液晶表示装置である場合は、ダイナミックキャパシタンスによる書き込み電圧不足の問題が回避できるため、動画の尾引き、残像等の障害に対し特に顕著な画質改善効果をもたらす。さらに、液晶表示装置の交流駆動と480Hz駆動を組み合わせるのも効果的である。すなわち、液晶表示装置の駆動周波数を480Hzとしつつ、交流駆動の周波数をその整数倍または整数分の一(たとえば、30Hz、60Hz、120Hz、240Hz等)とすることによって、交流駆動によって現れるフリッカを、人間の目に知覚されない程度に低減することができる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の1/8倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
さらに、たとえば、第1のステップにおいて、n=4,m=3、すなわち変換比(n/m)が4/3であるときは、図14のn=4,m=3の箇所に示すような駆動方法となる。このとき、表示フレームレートは入力される画像データのフレームレートの8/3倍(8/3倍速駆動)となる。具体的には、たとえば、入力フレームレートが60Hzであれば、表示フレームレートは160Hz(160Hz駆動)である。そして、3つの入力される画像データに対し、画像を8回連続して表示することになる。このとき、第1のステップにおける補間画像が動き補償によって求められた中間画像である場合は、動画の動きを滑らかにすることができるため、動画の品質を顕著に向上させることが可能である。ここで、8/3倍速駆動である場合は、フレームレートが8/3倍速より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、8/3倍速より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、第2のステップの手順1において、元画像をそのままサブ画像として用いる方法が選択されることによって、動き補償によって中間画像を作成する回路の動作を停止または当該回路自体を装置から省略することができるため、消費電力および装置の製造コストを低減することができる。さらに、表示装置がアクティブマトリクス方式の液晶表示装置である場合は、ダイナミックキャパシタンスによる書き込み電圧不足の問題が回避できるため、動画の尾引き、残像等の障害に対し特に顕著な画質改善効果をもたらす。さらに、液晶表示装置の交流駆動と160Hz駆動を組み合わせるのも効果的である。すなわち、液晶表示装置の駆動周波数を160Hzとしつつ、交流駆動の周波数をその整数倍または整数分の一(たとえば、40Hz、80Hz、160Hz、320Hz等)とすることによって、交流駆動によって現れるフリッカを、人間の目に知覚されない程度に低減することができる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の3/8倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
さらに、たとえば、第1のステップにおいて、n=5,m=1、すなわち変換比(n/m)が5であるときは、図14のn=5,m=1の箇所に示すような駆動方法となる。このとき、表示フレームレートは入力される画像データのフレームレートの10倍(10倍速駆動)となる。具体的には、たとえば、入力フレームレートが60Hzであれば、表示フレームレートは600Hz(600Hz駆動)である。そして、ひとつの入力される画像データに対し、画像を10回連続して表示することになる。このとき、第1のステップにおける補間画像が動き補償によって求められた中間画像である場合は、動画の動きを滑らかにすることができるため、動画の品質を顕著に向上させることが可能である。ここで、10倍速駆動である場合は、フレームレートが10倍速より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、10倍速より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、第2のステップの手順1において、元画像をそのままサブ画像として用いる方法が選択されることによって、動き補償によって中間画像を作成する回路の動作を停止または当該回路自体を装置から省略することができるため、消費電力および装置の製造コストを低減することができる。さらに、表示装置がアクティブマトリクス方式の液晶表示装置である場合は、ダイナミックキャパシタンスによる書き込み電圧不足の問題が回避できるため、動画の尾引き、残像等の障害に対し特に顕著な画質改善効果をもたらす。さらに、液晶表示装置の交流駆動と600Hz駆動を組み合わせるのも効果的である。すなわち、液晶表示装置の駆動周波数を600Hzとしつつ、交流駆動の周波数をその整数倍または整数分の一(たとえば、30Hz、60Hz、100Hz、120Hz等)とすることによって、交流駆動によって現れるフリッカを、人間の目に知覚されない程度に低減することができる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の1/10倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
さらに、たとえば、第1のステップにおいて、n=5,m=2、すなわち変換比(n/m)が5/2であるときは、図14のn=5,m=2の箇所に示すような駆動方法となる。このとき、表示フレームレートは入力される画像データのフレームレートの5倍(5倍速駆動)となる。具体的には、たとえば、入力フレームレートが60Hzであれば、表示フレームレートは300Hz(300Hz駆動)である。そして、1つの入力される画像データに対し、画像を5回連続して表示することになる。このとき、第1のステップにおける補間画像が動き補償によって求められた中間画像である場合は、動画の動きを滑らかにすることができるため、動画の品質を顕著に向上させることが可能である。ここで、5倍速駆動である場合は、フレームレートが5倍速より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、5倍速より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、第2のステップの手順1において、元画像をそのままサブ画像として用いる方法が選択されることによって、動き補償によって中間画像を作成する回路の動作を停止または当該回路自体を装置から省略することができるため、消費電力および装置の製造コストを低減することができる。さらに、表示装置がアクティブマトリクス方式の液晶表示装置である場合は、ダイナミックキャパシタンスによる書き込み電圧不足の問題が回避できるため、動画の尾引き、残像等の障害に対し特に顕著な画質改善効果をもたらす。さらに、液晶表示装置の交流駆動と300Hz駆動を組み合わせるのも効果的である。すなわち、液晶表示装置の駆動周波数を300Hzとしつつ、交流駆動の周波数をその整数倍または整数分の一(たとえば、30Hz、50Hz、60Hz、100Hz等)とすることによって、交流駆動によって現れるフリッカを、人間の目に知覚されない程度に低減することができる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の1/5倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
このように、第2のステップにおける手順1において、元画像をそのままサブ画像として用いる方法が選択され、第2のステップにおける手順2において、サブ画像の数が2と決定され、第2のステップにおける手順3において、T1=T2=T/2と決定された場合は、第1のステップにおけるnおよびmの値によって決められる変換比のフレームレート変換に対し、表示フレームレートをさらに2倍のフレームレートとすることができるため、動画の品質をさらに向上させることが可能となる。さらに、当該表示フレームレートより小さい表示フレームレートである場合よりも動画の品質を向上でき、当該表示フレームレートより大きい表示フレームレートである場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、第2のステップの手順1において、元画像をそのままサブ画像として用いる方法が選択されることによって、動き補償によって中間画像を作成する回路の動作を停止または当該回路自体を装置から省略することができるため、消費電力および装置の製造コストを低減することができる。さらに、表示装置がアクティブマトリクス方式の液晶表示装置である場合は、ダイナミックキャパシタンスによる書き込み電圧不足の問題が回避できるため、動画の尾引き、残像等の障害に対し特に顕著な画質改善効果をもたらす。さらに、液晶表示装置の駆動周波数を大きくしつつ、交流駆動の周波数をその整数倍または整数分の一とすることによって、交流駆動によって現れるフリッカを、人間の目に知覚されない程度に低減することができる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の(1/(変換比の2倍))倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
なお、詳細な説明が省略したが、上に上げた変換比以外の場合においても、同様な利点を有するのは明らかである。たとえば、nが10以下の範囲においては、上に挙げたもののほかに、n=5,m=3、すなわち変換比(n/m)=5/3(10/3倍速駆動、200Hz)、n=5,m=4、すなわち変換比(n/m)=5/4(5/2倍速駆動、150Hz)、n=6,m=1、すなわち変換比(n/m)=6(12倍速駆動、720Hz)、n=6,m=5、すなわち変換比(n/m)=6/5(12/5倍速駆動、144Hz)、n=7,m=1、すなわち変換比(n/m)=7(14倍速駆動、840Hz)、n=7,m=2、すなわち変換比(n/m)=7/2(7倍速駆動、420Hz)、n=7,m=3、すなわち変換比(n/m)=7/3(14/3倍速駆動、280Hz)、n=7,m=4、すなわち変換比(n/m)=7/4(7/2倍速駆動、210Hz)、n=7,m=5、すなわち変換比(n/m)=7/5(14/5倍速駆動、168Hz)、n=7,m=6、すなわち変換比(n/m)=7/6(7/3倍速駆動、140Hz)、n=8,m=1、すなわち変換比(n/m)=8(16倍速駆動、960Hz)、n=8,m=3、すなわち変換比(n/m)=8/3(16/3倍速駆動、320Hz)、n=8,m=5、すなわち変換比(n/m)=8/5(16/5倍速駆動、192Hz)、n=8,m=7、すなわち変換比(n/m)=8/7(16/7倍速駆動、137Hz)、n=9,m=1、すなわち変換比(n/m)=9(18倍速駆動、1080Hz)、n=9,m=2、すなわち変換比(n/m)=9/2(9倍速駆動、540Hz)、n=9,m=4、すなわち変換比(n/m)=9/4(9/2倍速駆動、270Hz)、n=9,m=5、すなわち変換比(n/m)=9/5(18/5倍速駆動、216Hz)、n=9,m=7、すなわち変換比(n/m)=9/7(18/7倍速駆動、154Hz)、n=9,m=8、すなわち変換比(n/m)=9/8(9/4倍速駆動、135Hz)、n=10,m=1、すなわち変換比(n/m)=10(20倍速駆動、1200Hz)、n=10,m=3、すなわち変換比(n/m)=10/3(20/3倍速駆動、400Hz)、n=10,m=7、すなわち変換比(n/m)=10/7(20/7倍速駆動、171Hz)、n=10,m=9、すなわち変換比(n/m)=10/9(20/9倍速駆動、133Hz)、以上の組み合わせが考えられる。なお、周波数の表記は入力フレームレートが60Hzであるときの例であり、その他の入力フレームレートに対しては、それぞれの変換比の2倍を入力フレームレートと積算した値が駆動周波数となる。
なお、nが10より大きい整数である場合については、具体的なnおよびmの数字は挙げないが、様々なnおよびmに対し、この、第2のステップにおける手順が適用できることは明らかである。
なお、J=2とする場合、第1のステップにおける変換比が2より大きいと、特に効果的である。なぜならば、第2のステップにおいて、サブ画像の数をJ=2のように比較的小さくすれば、その分、第1のステップにおける変換比を大きくすることができるからである。このような変換比は、nが10以下の範囲においては、3、4、5、5/2、6、7、7/2、7/3、8、8/3、9、9/2、9/4、10、10/3、が挙げられる。第1のステップ後の表示フレームレートがこのような値の場合、J=3以上とすることによって、第2のステップにおけるサブ画像の数が小さいことによる利点(消費電力および製造コストの低減等)と、最終的な表示フレームレートが大きいことによる利点(動画の品質向上、フリッカの低減等)を、両立させることが可能となる。
なお、ここでは、手順2においてサブ画像の数Jが2と決定され、手順3においてT1=T2=T/2と決定された場合について説明したが、これに限定されないのは明らかである。
たとえば、第2のステップにおける手順3において、T1<T2と決定された場合は、第1のサブ画像をより明るく、第2のサブ画像をより暗くすることができる。さらに、第2のステップにおける手順3において、T1>T2と決定された場合は、第1のサブ画像をより暗く、第2のサブ画像をより明るくすることができる。こうすることで、元画像をきちんと人間の目に知覚させることができると同時に、表示を擬似的にインパルス駆動にすることもできるため、動画の品質を向上できる。ただし、上記の駆動方法のように、手順1において、元画像をそのままサブ画像として用いる方法が選択された場合は、サブ画像の明るさを変化させずに、そのまま表示してもよい。なぜならば、この場合はサブ画像として用いる画像が同じであるため、サブ画像の表示タイミングに関わらず、元画像をきちんと表示することができるからである。
さらに、手順2において、サブ画像の数Jが2ではなく、それ以外の値に決定されてもよいことは明らかである。この場合、第1のステップにおけるnおよびmの値によって決められる変換比のフレームレート変換に対し、表示フレームレートをさらにJ倍のフレームレートとすることができるため、動画の品質をさらに向上させることが可能となる。さらに、当該表示フレームレートより小さい表示フレームレートである場合よりも動画の品質を向上でき、当該表示フレームレートより大きい表示フレームレートである場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、第2のステップの手順1において、元画像をそのままサブ画像として用いる方法が選択されることによって、動き補償によって中間画像を作成する回路の動作を停止または当該回路自体を装置から省略することができるため、消費電力および装置の製造コストを低減することができる。さらに、表示装置がアクティブマトリクス方式の液晶表示装置である場合は、ダイナミックキャパシタンスによる書き込み電圧不足の問題が回避できるため、動画の尾引き、残像等の障害に対し特に顕著な画質改善効果をもたらす。さらに、液晶表示装置の駆動周波数を大きくしつつ、交流駆動の周波数をその整数倍または整数分の一とすることによって、交流駆動によって現れるフリッカを、人間の目に知覚されない程度に低減することができる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の(1/(変換比のJ倍))倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
たとえば、J=3である場合は、特に、サブ画像の数が3より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、サブ画像の数が3より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できるという利点を有する。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の(1/(変換比の3倍))倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
さらに、たとえば、J=4である場合は、特に、サブ画像の数が4より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、サブ画像の数が4より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できるという利点を有する。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の(1/(変換比の4倍))倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
さらに、たとえば、J=5である場合は、特に、サブ画像の数が5より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、サブ画像の数が5より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できるという利点を有する。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の(1/(変換比の5倍))倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
さらに、Jが上に挙げたもの以外であっても、同様な利点を有する。
なお、J=3以上とする場合、第1のステップにおける変換比は様々な値をとることができるが、特に、第1のステップにおける変換比が比較的小さい場合(2以下)に、J=3以上とするのが効果的である。なぜならば、第1のステップ後の表示フレームレートが比較的小さければ、その分、第2のステップにおいて、Jを大きくすることができるからである。このような変換比は、nが10以下の範囲においては、1、2、3/2、4/3、5/3、5/4、6/5、7/4、7/5、7/6、8/7、9/5、9/7、9/8、10/7、10/9、が挙げられる。このうち、変換比が1、2、3/2、4/3、5/3、5/4の場合については、図15に図示する。このように、第1のステップ後の表示フレームレートが比較的小さな値の場合、J=3以上とすることによって、第1のステップにおける表示フレームレートが小さいことによる利点(消費電力および製造コストの低減等)と、最終的な表示フレームレートが大きいことによる利点(動画の品質向上、フリッカの低減等)を、両立させることが可能となる。
次に、第2のステップにおける手順によって決められる駆動方法の別の例について、第1のステップにおけるnおよびmの値を具体的に示して詳細に説明する。
第2のステップにおける手順1において、元画像の明るさを複数のサブ画像に分配する方法のうち、黒挿入法が選択された場合、駆動方法は次のようになる。
第i(iは正の整数)の画像データと、第i+1の画像データと、が、一定の周期Tで順次用意され、前記周期Tは、J(Jは2以上の整数)個のサブ画像表示期間に分割され、前記第iの画像データは、複数の画素にそれぞれ固有の明るさLを持たせることができるデータであり、第j(jは1以上J以下の整数)のサブ画像は、それぞれ固有の明るさLjを持つ画素が複数並置されることによって構成され、第jのサブ画像表示期間Tjだけ表示される画像であり、前記L、前記T、前記Lj、前記Tj、を、数式1および数式2にしたがった関係とする表示装置の駆動方法であって、少なくとも1つのjにおいて、第jのサブ画像に含まれる全て画素の明るさLjが、Lj=0であることを特徴とする。ここで、一定の周期Tで順次用意される画像データとしては、第1のステップにおいて作成された元画像データを用いることができる。すなわち、第1のステップの説明で挙げた全ての表示パターンを、上記駆動方法と組み合わせることができる。
そして、第2のステップにおける手順2において、サブ画像の数Jが2と決定され、手順3において、T1=T2=T/2と決定された場合、上記駆動方法は、図14に示すようなものとなる。図14において、横軸は時間であり、縦軸は第1のステップにおいて用いた様々なnおよびmについて場合分けを行なって示したものである。
たとえば、第1のステップにおいて、n=1,m=1、すなわち変換比(n/m)が1であるときは、図14のn=1,m=1の箇所に示すような駆動方法となる。このとき、表示フレームレートは入力される画像データのフレームレートの2倍(2倍速駆動)となる。具体的には、たとえば、入力フレームレートが60Hzであれば、表示フレームレートは120Hz(120Hz駆動)である。そして、ひとつの入力される画像データに対し、画像を2回連続して表示することになる。ここで、2倍速駆動である場合は、フレームレートが2倍速より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、2倍速より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、第2のステップの手順1において、元画像の明るさを複数のサブ画像に分配する方法のうち、黒挿入法が選択されることによって、動き補償によって中間画像を作成する回路の動作を停止または当該回路自体を装置から省略することができるため、消費電力および装置の製造コストを低減することができる。さらに、画像データに含まれる階調値によらずに擬似的にインパルス型の表示方法とすることができるため、動画の品質を向上できる。さらに、表示装置がアクティブマトリクス方式の液晶表示装置である場合は、ダイナミックキャパシタンスによる書き込み電圧不足の問題が回避できるため、動画の尾引き、残像等の障害に対し特に顕著な画質改善効果をもたらす。さらに、液晶表示装置の交流駆動と120Hz駆動を組み合わせるのも効果的である。すなわち、液晶表示装置の駆動周波数を120Hzとしつつ、交流駆動の周波数をその整数倍または整数分の一(たとえば、30Hz、60Hz、120Hz、240Hz等)とすることによって、交流駆動によって現れるフリッカを、人間の目に知覚されない程度に低減することができる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の1/2倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
さらに、たとえば、第1のステップにおいて、n=2,m=1、すなわち変換比(n/m)が2であるときは、図14のn=2,m=1の箇所に示すような駆動方法となる。このとき、表示フレームレートは入力される画像データのフレームレートの4倍(4倍速駆動)となる。具体的には、たとえば、入力フレームレートが60Hzであれば、表示フレームレートは240Hz(240Hz駆動)である。そして、ひとつの入力される画像データに対し、画像を4回連続して表示することになる。このとき、第1のステップにおける補間画像が動き補償によって求められた中間画像である場合は、動画の動きを滑らかにすることができるため、動画の品質を顕著に向上させることが可能である。ここで、4倍速駆動である場合は、フレームレートが4倍速より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、4倍速より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、第2のステップの手順1において、元画像の明るさを複数のサブ画像に分配する方法のうち、黒挿入法が選択されることによって、動き補償によって中間画像を作成する回路の動作を停止または当該回路自体を装置から省略することができるため、消費電力および装置の製造コストを低減することができる。さらに、画像データに含まれる階調値によらずに擬似的にインパルス型の表示方法とすることができるため、動画の品質を向上できる。さらに、表示装置がアクティブマトリクス方式の液晶表示装置である場合は、ダイナミックキャパシタンスによる書き込み電圧不足の問題が回避できるため、動画の尾引き、残像等の障害に対し特に顕著な画質改善効果をもたらす。さらに、液晶表示装置の交流駆動と240Hz駆動を組み合わせるのも効果的である。すなわち、液晶表示装置の駆動周波数を240Hzとしつつ、交流駆動の周波数をその整数倍または整数分の一(たとえば、30Hz、60Hz、120Hz、240Hz等)とすることによって、交流駆動によって現れるフリッカを、人間の目に知覚されない程度に低減することができる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の1/4倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
さらに、たとえば、第1のステップにおいて、n=3,m=1、すなわち変換比(n/m)が3であるときは、図14のn=3,m=1の箇所に示すような駆動方法となる。このとき、表示フレームレートは入力される画像データのフレームレートの6倍(6倍速駆動)となる。具体的には、たとえば、入力フレームレートが60Hzであれば、表示フレームレートは360Hz(360Hz駆動)である。そして、ひとつの入力される画像データに対し、画像を6回連続して表示することになる。このとき、第1のステップにおける補間画像が動き補償によって求められた中間画像である場合は、動画の動きを滑らかにすることができるため、動画の品質を顕著に向上させることが可能である。ここで、6倍速駆動である場合は、フレームレートが6倍速より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、6倍速より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、第2のステップの手順1において、元画像の明るさを複数のサブ画像に分配する方法のうち、黒挿入法が選択されることによって、動き補償によって中間画像を作成する回路の動作を停止または当該回路自体を装置から省略することができるため、消費電力および装置の製造コストを低減することができる。さらに、画像データに含まれる階調値によらずに擬似的にインパルス型の表示方法とすることができるため、動画の品質を向上できる。さらに、表示装置がアクティブマトリクス方式の液晶表示装置である場合は、ダイナミックキャパシタンスによる書き込み電圧不足の問題が回避できるため、動画の尾引き、残像等の障害に対し特に顕著な画質改善効果をもたらす。さらに、液晶表示装置の交流駆動と360Hz駆動を組み合わせるのも効果的である。すなわち、液晶表示装置の駆動周波数を360Hzとしつつ、交流駆動の周波数をその整数倍または整数分の一(たとえば、30Hz、60Hz、120Hz、180Hz等)とすることによって、交流駆動によって現れるフリッカを、人間の目に知覚されない程度に低減することができる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の1/6倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
さらに、たとえば、第1のステップにおいて、n=3,m=2、すなわち変換比(n/m)が3/2であるときは、図14のn=3,m=2の箇所に示すような駆動方法となる。このとき、表示フレームレートは入力される画像データのフレームレートの3倍(3倍速駆動)となる。具体的には、たとえば、入力フレームレートが60Hzであれば、表示フレームレートは180Hz(180Hz駆動)である。そして、ひとつの入力される画像データに対し、画像を3回連続して表示することになる。このとき、第1のステップにおける補間画像が動き補償によって求められた中間画像である場合は、動画の動きを滑らかにすることができるため、動画の品質を顕著に向上させることが可能である。ここで、3倍速駆動である場合は、フレームレートが3倍速より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、3倍速より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、第2のステップの手順1において、元画像の明るさを複数のサブ画像に分配する方法のうち、黒挿入法が選択されることによって、動き補償によって中間画像を作成する回路の動作を停止または当該回路自体を装置から省略することができるため、消費電力および装置の製造コストを低減することができる。さらに、画像データに含まれる階調値によらずに擬似的にインパルス型の表示方法とすることができるため、動画の品質を向上できる。さらに、表示装置がアクティブマトリクス方式の液晶表示装置である場合は、ダイナミックキャパシタンスによる書き込み電圧不足の問題が回避できるため、動画の尾引き、残像等の障害に対し特に顕著な画質改善効果をもたらす。さらに、液晶表示装置の交流駆動と180Hz駆動を組み合わせるのも効果的である。すなわち、液晶表示装置の駆動周波数を180Hzとしつつ、交流駆動の周波数をその整数倍または整数分の一(たとえば、30Hz、60Hz、120Hz、180Hz等)とすることによって、交流駆動によって現れるフリッカを、人間の目に知覚されない程度に低減することができる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の1/3倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
さらに、たとえば、第1のステップにおいて、n=4,m=1、すなわち変換比(n/m)が4であるときは、図14のn=4,m=1の箇所に示すような駆動方法となる。このとき、表示フレームレートは入力される画像データのフレームレートの8倍(8倍速駆動)となる。具体的には、たとえば、入力フレームレートが60Hzであれば、表示フレームレートは480Hz(480Hz駆動)である。そして、ひとつの入力される画像データに対し、画像を8回連続して表示することになる。このとき、第1のステップにおける補間画像が動き補償によって求められた中間画像である場合は、動画の動きを滑らかにすることができるため、動画の品質を顕著に向上させることが可能である。ここで、8倍速駆動である場合は、フレームレートが8倍速より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、8倍速より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、第2のステップの手順1において、元画像の明るさを複数のサブ画像に分配する方法のうち、黒挿入法が選択されることによって、動き補償によって中間画像を作成する回路の動作を停止または当該回路自体を装置から省略することができるため、消費電力および装置の製造コストを低減することができる。さらに、画像データに含まれる階調値によらずに擬似的にインパルス型の表示方法とすることができるため、動画の品質を向上できる。さらに、表示装置がアクティブマトリクス方式の液晶表示装置である場合は、ダイナミックキャパシタンスによる書き込み電圧不足の問題が回避できるため、動画の尾引き、残像等の障害に対し特に顕著な画質改善効果をもたらす。さらに、液晶表示装置の交流駆動と480Hz駆動を組み合わせるのも効果的である。すなわち、液晶表示装置の駆動周波数を480Hzとしつつ、交流駆動の周波数をその整数倍または整数分の一(たとえば、30Hz、60Hz、120Hz、240Hz等)とすることによって、交流駆動によって現れるフリッカを、人間の目に知覚されない程度に低減することができる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の1/8倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
さらに、たとえば、第1のステップにおいて、n=4,m=3、すなわち変換比(n/m)が4/3であるときは、図14のn=4,m=3の箇所に示すような駆動方法となる。このとき、表示フレームレートは入力される画像データのフレームレートの8/3倍(8/3倍速駆動)となる。具体的には、たとえば、入力フレームレートが60Hzであれば、表示フレームレートは160Hz(160Hz駆動)である。そして、3つの入力される画像データに対し、画像を8回連続して表示することになる。このとき、第1のステップにおける補間画像が動き補償によって求められた中間画像である場合は、動画の動きを滑らかにすることができるため、動画の品質を顕著に向上させることが可能である。ここで、8/3倍速駆動である場合は、フレームレートが8/3倍速より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、8/3倍速より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、第2のステップの手順1において、元画像の明るさを複数のサブ画像に分配する方法のうち、黒挿入法が選択されることによって、動き補償によって中間画像を作成する回路の動作を停止または当該回路自体を装置から省略することができるため、消費電力および装置の製造コストを低減することができる。さらに、画像データに含まれる階調値によらずに擬似的にインパルス型の表示方法とすることができるため、動画の品質を向上できる。さらに、表示装置がアクティブマトリクス方式の液晶表示装置である場合は、ダイナミックキャパシタンスによる書き込み電圧不足の問題が回避できるため、動画の尾引き、残像等の障害に対し特に顕著な画質改善効果をもたらす。さらに、液晶表示装置の交流駆動と160Hz駆動を組み合わせるのも効果的である。すなわち、液晶表示装置の駆動周波数を160Hzとしつつ、交流駆動の周波数をその整数倍または整数分の一(たとえば、40Hz、80Hz、160Hz、320Hz等)とすることによって、交流駆動によって現れるフリッカを、人間の目に知覚されない程度に低減することができる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の3/8倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
さらに、たとえば、第1のステップにおいて、n=5,m=1、すなわち変換比(n/m)が5であるときは、図14のn=5,m=1の箇所に示すような駆動方法となる。このとき、表示フレームレートは入力される画像データのフレームレートの10倍(10倍速駆動)となる。具体的には、たとえば、入力フレームレートが60Hzであれば、表示フレームレートは600Hz(600Hz駆動)である。そして、ひとつの入力される画像データに対し、画像を10回連続して表示することになる。このとき、第1のステップにおける補間画像が動き補償によって求められた中間画像である場合は、動画の動きを滑らかにすることができるため、動画の品質を顕著に向上させることが可能である。ここで、10倍速駆動である場合は、フレームレートが10倍速より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、10倍速より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、第2のステップの手順1において、元画像の明るさを複数のサブ画像に分配する方法のうち、黒挿入法が選択されることによって、動き補償によって中間画像を作成する回路の動作を停止または当該回路自体を装置から省略することができるため、消費電力および装置の製造コストを低減することができる。さらに、画像データに含まれる階調値によらずに擬似的にインパルス型の表示方法とすることができるため、動画の品質を向上できる。さらに、表示装置がアクティブマトリクス方式の液晶表示装置である場合は、ダイナミックキャパシタンスによる書き込み電圧不足の問題が回避できるため、動画の尾引き、残像等の障害に対し特に顕著な画質改善効果をもたらす。さらに、液晶表示装置の交流駆動と600Hz駆動を組み合わせるのも効果的である。すなわち、液晶表示装置の駆動周波数を600Hzとしつつ、交流駆動の周波数をその整数倍または整数分の一(たとえば、30Hz、60Hz、100Hz、120Hz等)とすることによって、交流駆動によって現れるフリッカを、人間の目に知覚されない程度に低減することができる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の1/10倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
さらに、たとえば、第1のステップにおいて、n=5,m=2、すなわち変換比(n/m)が5/2であるときは、図14のn=5,m=2の箇所に示すような駆動方法となる。このとき、表示フレームレートは入力される画像データのフレームレートの5倍(5倍速駆動)となる。具体的には、たとえば、入力フレームレートが60Hzであれば、表示フレームレートは300Hz(300Hz駆動)である。そして、1つの入力される画像データに対し、画像を5回連続して表示することになる。このとき、第1のステップにおける補間画像が動き補償によって求められた中間画像である場合は、動画の動きを滑らかにすることができるため、動画の品質を顕著に向上させることが可能である。ここで、5倍速駆動である場合は、フレームレートが5倍速より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、5倍速より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、第2のステップの手順1において、元画像の明るさを複数のサブ画像に分配する方法のうち、黒挿入法が選択されることによって、動き補償によって中間画像を作成する回路の動作を停止または当該回路自体を装置から省略することができるため、消費電力および装置の製造コストを低減することができる。さらに、画像データに含まれる階調値によらずに擬似的にインパルス型の表示方法とすることができるため、動画の品質を向上できる。さらに、表示装置がアクティブマトリクス方式の液晶表示装置である場合は、ダイナミックキャパシタンスによる書き込み電圧不足の問題が回避できるため、動画の尾引き、残像等の障害に対し特に顕著な画質改善効果をもたらす。さらに、液晶表示装置の交流駆動と300Hz駆動を組み合わせるのも効果的である。すなわち、液晶表示装置の駆動周波数を300Hzとしつつ、交流駆動の周波数をその整数倍または整数分の一(たとえば、30Hz、50Hz、60Hz、100Hz等)とすることによって、交流駆動によって現れるフリッカを、人間の目に知覚されない程度に低減することができる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の1/5倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
このように、第2のステップにおける手順1において、元画像の明るさを複数のサブ画像に分配する方法のうち、黒挿入法が選択され、第2のステップにおける手順2において、サブ画像の数が2と決定され、第2のステップにおける手順3において、T1=T2=T/2と決定された場合は、第1のステップにおけるnおよびmの値によって決められる変換比のフレームレート変換に対し、さらに2倍のフレームレートとすることができるため、動画の品質をさらに向上させることが可能となる。さらに、当該表示フレームレートより小さい表示フレームレートである場合よりも動画の品質を向上でき、当該表示フレームレートより大きい表示フレームレートである場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、第2のステップの手順1において、元画像の明るさを複数のサブ画像に分配する方法のうち、黒挿入法が選択されることによって、動き補償によって中間画像を作成する回路の動作を停止または当該回路自体を装置から省略することができるため、消費電力および装置の製造コストを低減することができる。さらに、画像データに含まれる階調値によらずに擬似的にインパルス型の表示方法とすることができるため、動画の品質を向上できる。さらに、表示装置がアクティブマトリクス方式の液晶表示装置である場合は、ダイナミックキャパシタンスによる書き込み電圧不足の問題が回避できるため、動画の尾引き、残像等の障害に対し特に顕著な画質改善効果をもたらす。さらに、液晶表示装置の駆動周波数を大きくしつつ、交流駆動の周波数をその整数倍または整数分の一とすることによって、交流駆動によって現れるフリッカを、人間の目に知覚されない程度に低減することができる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の(1/(変換比の2倍))倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
なお、詳細な説明が省略したが、上に上げた変換比以外の場合においても、同様な利点を有するのは明らかである。たとえば、nが10以下の範囲においては、上に挙げたもののほかに、n=5,m=3、すなわち変換比(n/m)=5/3(10/3倍速駆動、200Hz)、n=5,m=4、すなわち変換比(n/m)=5/4(5/2倍速駆動、150Hz)、n=6,m=1、すなわち変換比(n/m)=6(12倍速駆動、720Hz)、n=6,m=5、すなわち変換比(n/m)=6/5(12/5倍速駆動、144Hz)、n=7,m=1、すなわち変換比(n/m)=7(14倍速駆動、840Hz)、n=7,m=2、すなわち変換比(n/m)=7/2(7倍速駆動、420Hz)、n=7,m=3、すなわち変換比(n/m)=7/3(14/3倍速駆動、280Hz)、n=7,m=4、すなわち変換比(n/m)=7/4(7/2倍速駆動、210Hz)、n=7,m=5、すなわち変換比(n/m)=7/5(14/5倍速駆動、168Hz)、n=7,m=6、すなわち変換比(n/m)=7/6(7/3倍速駆動、140Hz)、n=8,m=1、すなわち変換比(n/m)=8(16倍速駆動、960Hz)、n=8,m=3、すなわち変換比(n/m)=8/3(16/3倍速駆動、320Hz)、n=8,m=5、すなわち変換比(n/m)=8/5(16/5倍速駆動、192Hz)、n=8,m=7、すなわち変換比(n/m)=8/7(16/7倍速駆動、137Hz)、n=9,m=1、すなわち変換比(n/m)=9(18倍速駆動、1080Hz)、n=9,m=2、すなわち変換比(n/m)=9/2(9倍速駆動、540Hz)、n=9,m=4、すなわち変換比(n/m)=9/4(9/2倍速駆動、270Hz)、n=9,m=5、すなわち変換比(n/m)=9/5(18/5倍速駆動、216Hz)、n=9,m=7、すなわち変換比(n/m)=9/7(18/7倍速駆動、154Hz)、n=9,m=8、すなわち変換比(n/m)=9/8(9/4倍速駆動、135Hz)、n=10,m=1、すなわち変換比(n/m)=10(20倍速駆動、1200Hz)、n=10,m=3、すなわち変換比(n/m)=10/3(20/3倍速駆動、400Hz)、n=10,m=7、すなわち変換比(n/m)=10/7(20/7倍速駆動、171Hz)、n=10,m=9、すなわち変換比(n/m)=10/9(20/9倍速駆動、133Hz)、以上の組み合わせが考えられる。なお、周波数の表記は入力フレームレートが60Hzであるときの例であり、その他の入力フレームレートに対しては、それぞれの変換比の2倍を入力フレームレートと積算した値が駆動周波数となる。
なお、nが10より大きい整数である場合については、具体的なnおよびmの数字は挙げないが、様々なnおよびmに対し、この、第2のステップにおける手順が適用できることは明らかである。
なお、ここでは、手順2においてサブ画像の数Jが2と決定され、手順3においてT1=T2=T/2と決定された場合について説明したが、これに限定されないのは明らかである。
たとえば、第2のステップにおける手順3において、T1<T2と決定された場合は、第1のサブ画像をより明るく、第2のサブ画像をより暗くすることができる。さらに、第2のステップにおける手順3において、T1>T2と決定された場合は、第1のサブ画像をより暗く、第2のサブ画像をより明るくすることができる。こうすることで、元画像をきちんと人間の目に知覚させることができると同時に、表示を擬似的にインパルス駆動にすることもできるため、動画の品質を向上できる。ただし、上記の駆動方法のように、手順1において、元画像の明るさを複数のサブ画像に分配する方法のうち、黒挿入法が選択された場合は、サブ画像の明るさを変化させずに、そのまま表示してもよい。なぜならば、この場合はサブ画像の明るさを変えない場合は、元画像の全体の明るさが暗くなって表示されるだけであるからである。すなわち、この方法を表示装置の明るさの制御に積極的に用いることで、動画の品質を向上させつつ、明るさの制御も可能となる。
さらに、手順2において、サブ画像の数Jが2ではなく、それ以外の値に決定されてもよいことは明らかである。この場合、第1のステップにおけるnおよびmの値によって決められる変換比のフレームレート変換に対し、表示フレームレートをさらにJ倍のフレームレートとすることができるため、動画の品質をさらに向上させることが可能となる。さらに、当該表示フレームレートより小さい表示フレームレートである場合よりも動画の品質を向上でき、当該表示フレームレートより大きい表示フレームレートである場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、第2のステップの手順1において、元画像の明るさを複数のサブ画像に分配する方法のうち、黒挿入法が選択されることによって、動き補償によって中間画像を作成する回路の動作を停止または当該回路自体を装置から省略することができるため、消費電力および装置の製造コストを低減することができる。さらに、画像データに含まれる階調値によらずに擬似的にインパルス型の表示方法とすることができるため、動画の品質を向上できる。さらに、表示装置がアクティブマトリクス方式の液晶表示装置である場合は、ダイナミックキャパシタンスによる書き込み電圧不足の問題が回避できるため、動画の尾引き、残像等の障害に対し特に顕著な画質改善効果をもたらす。さらに、液晶表示装置の駆動周波数を大きくしつつ、交流駆動の周波数をその整数倍または整数分の一とすることによって、交流駆動によって現れるフリッカを、人間の目に知覚されない程度に低減することができる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の(1/(変換比のJ倍))倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
たとえば、J=3である場合は、特に、サブ画像の数が3より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、サブ画像の数が3より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できるという利点を有する。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の(1/(変換比の3倍))倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
さらに、たとえば、J=4である場合は、特に、サブ画像の数が4より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、サブ画像の数が4より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できるという利点を有する。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の(1/(変換比の4倍))倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
さらに、たとえば、J=5である場合は、特に、サブ画像の数が5より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、サブ画像の数が5より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できるという利点を有する。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の(1/(変換比の5倍))倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
さらに、Jが上に挙げたもの以外であっても、同様な利点を有する。
次に、第2のステップにおける手順によって決められる駆動方法の別の例について、第1のステップにおけるnおよびmの値を具体的に示して詳細に説明する。
第2のステップにおける手順1において、元画像の明るさを複数のサブ画像に分配する方法のうち、時分割階調制御法が選択された場合、駆動方法は次のようになる。
第i(iは正の整数)の画像データと、第i+1の画像データと、が、一定の周期Tで順次用意され、前記周期Tは、J(Jは2以上の整数)個のサブ画像表示期間に分割され、前記第iの画像データは、複数の画素にそれぞれ固有の明るさLを持たせることができるデータであり、前記固有の明るさLは、最大値がLmaxであり、第j(jは1以上J以下の整数)のサブ画像は、それぞれ固有の明るさLjを持つ画素が複数並置されることによって構成され、第jのサブ画像表示期間Tjだけ表示される画像であり、前記L、前記T、前記Lj、前記Tj、を、数式1および数式2にしたがった関係とする表示装置の駆動方法であって、前記固有の明るさLを表示するにあたって、(j−1)×Lmax/JからJ×Lmax/Jの明るさの範囲における明るさの調節は、前記J個のサブ画像表示期間のうち唯1つのサブ画像表示期間における明るさの調節によって行なうことを特徴とする。ここで、一定の周期Tで順次用意される画像データとしては、第1のステップにおいて作成された元画像データを用いることができる。すなわち、第1のステップの説明で挙げた全ての表示パターンを、上記駆動方法と組み合わせることができる。
そして、第2のステップにおける手順2において、サブ画像の数Jが2と決定され、手順3において、T1=T2=T/2と決定された場合、上記駆動方法は、図14に示すようなものとなる。
図14において、横軸は時間であり、縦軸は第1のステップにおいて用いた様々なnおよびmについて場合分けを行なって示したものである。
たとえば、第1のステップにおいて、n=1,m=1、すなわち変換比(n/m)が1であるときは、図14のn=1,m=1の箇所に示すような駆動方法となる。このとき、表示フレームレートは入力される画像データのフレームレートの2倍(2倍速駆動)となる。具体的には、たとえば、入力フレームレートが60Hzであれば、表示フレームレートは120Hz(120Hz駆動)である。そして、ひとつの入力される画像データに対し、画像を2回連続して表示することになる。ここで、2倍速駆動である場合は、フレームレートが2倍速より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、2倍速より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、第2のステップの手順1において、元画像の明るさを複数のサブ画像に分配する方法のうち、時分割階調制御法が選択されることによって、動き補償によって中間画像を作成する回路の動作を停止または当該回路自体を装置から省略することができるため、消費電力および装置の製造コストを低減することができる。さらに、擬似的にインパルス型の表示方法とすることができるため、動画の品質が向上でき、かつ、表示装置の明るさが小さくなってしまうことがないため、さらに消費電力を低減できる。さらに、表示装置がアクティブマトリクス方式の液晶表示装置である場合は、ダイナミックキャパシタンスによる書き込み電圧不足の問題が回避できるため、動画の尾引き、残像等の障害に対し特に顕著な画質改善効果をもたらす。さらに、液晶表示装置の交流駆動と120Hz駆動を組み合わせるのも効果的である。すなわち、液晶表示装置の駆動周波数を120Hzとしつつ、交流駆動の周波数をその整数倍または整数分の一(たとえば、30Hz、60Hz、120Hz、240Hz等)とすることによって、交流駆動によって現れるフリッカを、人間の目に知覚されない程度に低減することができる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の1/2倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
さらに、たとえば、第1のステップにおいて、n=2,m=1、すなわち変換比(n/m)が2であるときは、図14のn=2,m=1の箇所に示すような駆動方法となる。このとき、表示フレームレートは入力される画像データのフレームレートの4倍(4倍速駆動)となる。具体的には、たとえば、入力フレームレートが60Hzであれば、表示フレームレートは240Hz(240Hz駆動)である。そして、ひとつの入力される画像データに対し、画像を4回連続して表示することになる。このとき、第1のステップにおける補間画像が動き補償によって求められた中間画像である場合は、動画の動きを滑らかにすることができるため、動画の品質を顕著に向上させることが可能である。ここで、4倍速駆動である場合は、フレームレートが4倍速より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、4倍速より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、第2のステップの手順1において、元画像の明るさを複数のサブ画像に分配する方法のうち、時分割階調制御法が選択されることによって、動き補償によって中間画像を作成する回路の動作を停止または当該回路自体を装置から省略することができるため、消費電力および装置の製造コストを低減することができる。さらに、擬似的にインパルス型の表示方法とすることができるため、動画の品質が向上でき、かつ、表示装置の明るさが小さくなってしまうことがないため、さらに消費電力を低減できる。さらに、表示装置がアクティブマトリクス方式の液晶表示装置である場合は、ダイナミックキャパシタンスによる書き込み電圧不足の問題が回避できるため、動画の尾引き、残像等の障害に対し特に顕著な画質改善効果をもたらす。さらに、液晶表示装置の交流駆動と240Hz駆動を組み合わせるのも効果的である。すなわち、液晶表示装置の駆動周波数を240Hzとしつつ、交流駆動の周波数をその整数倍または整数分の一(たとえば、30Hz、60Hz、120Hz、240Hz等)とすることによって、交流駆動によって現れるフリッカを、人間の目に知覚されない程度に低減することができる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の1/4倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
さらに、たとえば、第1のステップにおいて、n=3,m=1、すなわち変換比(n/m)が3であるときは、図14のn=3,m=1の箇所に示すような駆動方法となる。このとき、表示フレームレートは入力される画像データのフレームレートの6倍(6倍速駆動)となる。具体的には、たとえば、入力フレームレートが60Hzであれば、表示フレームレートは360Hz(360Hz駆動)である。そして、ひとつの入力される画像データに対し、画像を6回連続して表示することになる。このとき、第1のステップにおける補間画像が動き補償によって求められた中間画像である場合は、動画の動きを滑らかにすることができるため、動画の品質を顕著に向上させることが可能である。ここで、6倍速駆動である場合は、フレームレートが6倍速より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、6倍速より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、第2のステップの手順1において、元画像の明るさを複数のサブ画像に分配する方法のうち、時分割階調制御法が選択されることによって、動き補償によって中間画像を作成する回路の動作を停止または当該回路自体を装置から省略することができるため、消費電力および装置の製造コストを低減することができる。さらに、擬似的にインパルス型の表示方法とすることができるため、動画の品質が向上でき、かつ、表示装置の明るさが小さくなってしまうことがないため、さらに消費電力を低減できる。さらに、表示装置がアクティブマトリクス方式の液晶表示装置である場合は、ダイナミックキャパシタンスによる書き込み電圧不足の問題が回避できるため、動画の尾引き、残像等の障害に対し特に顕著な画質改善効果をもたらす。さらに、液晶表示装置の交流駆動と360Hz駆動を組み合わせるのも効果的である。すなわち、液晶表示装置の駆動周波数を360Hzとしつつ、交流駆動の周波数をその整数倍または整数分の一(たとえば、30Hz、60Hz、120Hz、180Hz等)とすることによって、交流駆動によって現れるフリッカを、人間の目に知覚されない程度に低減することができる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の1/6倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
さらに、たとえば、第1のステップにおいて、n=3,m=2、すなわち変換比(n/m)が3/2であるときは、図14のn=3,m=2の箇所に示すような駆動方法となる。このとき、表示フレームレートは入力される画像データのフレームレートの3倍(3倍速駆動)となる。具体的には、たとえば、入力フレームレートが60Hzであれば、表示フレームレートは180Hz(180Hz駆動)である。そして、ひとつの入力される画像データに対し、画像を3回連続して表示することになる。このとき、第1のステップにおける補間画像が動き補償によって求められた中間画像である場合は、動画の動きを滑らかにすることができるため、動画の品質を顕著に向上させることが可能である。ここで、3倍速駆動である場合は、フレームレートが3倍速より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、3倍速より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、第2のステップの手順1において、元画像の明るさを複数のサブ画像に分配する方法のうち、時分割階調制御法が選択されることによって、動き補償によって中間画像を作成する回路の動作を停止または当該回路自体を装置から省略することができるため、消費電力および装置の製造コストを低減することができる。さらに、擬似的にインパルス型の表示方法とすることができるため、動画の品質が向上でき、かつ、表示装置の明るさが小さくなってしまうことがないため、さらに消費電力を低減できる。さらに、表示装置がアクティブマトリクス方式の液晶表示装置である場合は、ダイナミックキャパシタンスによる書き込み電圧不足の問題が回避できるため、動画の尾引き、残像等の障害に対し特に顕著な画質改善効果をもたらす。さらに、液晶表示装置の交流駆動と180Hz駆動を組み合わせるのも効果的である。すなわち、液晶表示装置の駆動周波数を180Hzとしつつ、交流駆動の周波数をその整数倍または整数分の一(たとえば、30Hz、60Hz、120Hz、180Hz等)とすることによって、交流駆動によって現れるフリッカを、人間の目に知覚されない程度に低減することができる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の1/3倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
さらに、たとえば、第1のステップにおいて、n=4,m=1、すなわち変換比(n/m)が4であるときは、図14のn=4,m=1の箇所に示すような駆動方法となる。このとき、表示フレームレートは入力される画像データのフレームレートの8倍(8倍速駆動)となる。具体的には、たとえば、入力フレームレートが60Hzであれば、表示フレームレートは480Hz(480Hz駆動)である。そして、ひとつの入力される画像データに対し、画像を8回連続して表示することになる。このとき、第1のステップにおける補間画像が動き補償によって求められた中間画像である場合は、動画の動きを滑らかにすることができるため、動画の品質を顕著に向上させることが可能である。ここで、8倍速駆動である場合は、フレームレートが8倍速より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、8倍速より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、第2のステップの手順1において、元画像の明るさを複数のサブ画像に分配する方法のうち、時分割階調制御法が選択されることによって、動き補償によって中間画像を作成する回路の動作を停止または当該回路自体を装置から省略することができるため、消費電力および装置の製造コストを低減することができる。さらに、擬似的にインパルス型の表示方法とすることができるため、動画の品質が向上でき、かつ、表示装置の明るさが小さくなってしまうことがないため、さらに消費電力を低減できる。さらに、表示装置がアクティブマトリクス方式の液晶表示装置である場合は、ダイナミックキャパシタンスによる書き込み電圧不足の問題が回避できるため、動画の尾引き、残像等の障害に対し特に顕著な画質改善効果をもたらす。さらに、液晶表示装置の交流駆動と480Hz駆動を組み合わせるのも効果的である。すなわち、液晶表示装置の駆動周波数を480Hzとしつつ、交流駆動の周波数をその整数倍または整数分の一(たとえば、30Hz、60Hz、120Hz、240Hz等)とすることによって、交流駆動によって現れるフリッカを、人間の目に知覚されない程度に低減することができる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の1/8倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
さらに、たとえば、第1のステップにおいて、n=4,m=3、すなわち変換比(n/m)が4/3であるときは、図14のn=4,m=3の箇所に示すような駆動方法となる。このとき、表示フレームレートは入力される画像データのフレームレートの8/3倍(8/3倍速駆動)となる。具体的には、たとえば、入力フレームレートが60Hzであれば、表示フレームレートは160Hz(160Hz駆動)である。そして、3つの入力される画像データに対し、画像を8回連続して表示することになる。このとき、第1のステップにおける補間画像が動き補償によって求められた中間画像である場合は、動画の動きを滑らかにすることができるため、動画の品質を顕著に向上させることが可能である。ここで、8/3倍速駆動である場合は、フレームレートが8/3倍速より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、8/3倍速より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、第2のステップの手順1において、元画像の明るさを複数のサブ画像に分配する方法のうち、時分割階調制御法が選択されることによって、動き補償によって中間画像を作成する回路の動作を停止または当該回路自体を装置から省略することができるため、消費電力および装置の製造コストを低減することができる。さらに、擬似的にインパルス型の表示方法とすることができるため、動画の品質が向上でき、かつ、表示装置の明るさが小さくなってしまうことがないため、さらに消費電力を低減できる。さらに、表示装置がアクティブマトリクス方式の液晶表示装置である場合は、ダイナミックキャパシタンスによる書き込み電圧不足の問題が回避できるため、動画の尾引き、残像等の障害に対し特に顕著な画質改善効果をもたらす。さらに、液晶表示装置の交流駆動と160Hz駆動を組み合わせるのも効果的である。すなわち、液晶表示装置の駆動周波数を160Hzとしつつ、交流駆動の周波数をその整数倍または整数分の一(たとえば、40Hz、80Hz、160Hz、320Hz等)とすることによって、交流駆動によって現れるフリッカを、人間の目に知覚されない程度に低減することができる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の3/8倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
さらに、たとえば、第1のステップにおいて、n=5,m=1、すなわち変換比(n/m)が5であるときは、図14のn=5,m=1の箇所に示すような駆動方法となる。このとき、表示フレームレートは入力される画像データのフレームレートの10倍(10倍速駆動)となる。具体的には、たとえば、入力フレームレートが60Hzであれば、表示フレームレートは600Hz(600Hz駆動)である。そして、ひとつの入力される画像データに対し、画像を10回連続して表示することになる。このとき、第1のステップにおける補間画像が動き補償によって求められた中間画像である場合は、動画の動きを滑らかにすることができるため、動画の品質を顕著に向上させることが可能である。ここで、10倍速駆動である場合は、フレームレートが10倍速より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、10倍速より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、第2のステップの手順1において、元画像の明るさを複数のサブ画像に分配する方法のうち、時分割階調制御法が選択されることによって、動き補償によって中間画像を作成する回路の動作を停止または当該回路自体を装置から省略することができるため、消費電力および装置の製造コストを低減することができる。さらに、擬似的にインパルス型の表示方法とすることができるため、動画の品質が向上でき、かつ、表示装置の明るさが小さくなってしまうことがないため、さらに消費電力を低減できる。さらに、表示装置がアクティブマトリクス方式の液晶表示装置である場合は、ダイナミックキャパシタンスによる書き込み電圧不足の問題が回避できるため、動画の尾引き、残像等の障害に対し特に顕著な画質改善効果をもたらす。さらに、液晶表示装置の交流駆動と600Hz駆動を組み合わせるのも効果的である。すなわち、液晶表示装置の駆動周波数を600Hzとしつつ、交流駆動の周波数をその整数倍または整数分の一(たとえば、30Hz、60Hz、100Hz、120Hz等)とすることによって、交流駆動によって現れるフリッカを、人間の目に知覚されない程度に低減することができる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の1/10倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
さらに、たとえば、第1のステップにおいて、n=5,m=2、すなわち変換比(n/m)が5/2であるときは、図14のn=5,m=2の箇所に示すような駆動方法となる。このとき、表示フレームレートは入力される画像データのフレームレートの5倍(5倍速駆動)となる。具体的には、たとえば、入力フレームレートが60Hzであれば、表示フレームレートは300Hz(300Hz駆動)である。そして、1つの入力される画像データに対し、画像を5回連続して表示することになる。このとき、第1のステップにおける補間画像が動き補償によって求められた中間画像である場合は、動画の動きを滑らかにすることができるため、動画の品質を顕著に向上させることが可能である。ここで、5倍速駆動である場合は、フレームレートが5倍速より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、5倍速より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、第2のステップの手順1において、元画像の明るさを複数のサブ画像に分配する方法のうち、時分割階調制御法が選択されることによって、動き補償によって中間画像を作成する回路の動作を停止または当該回路自体を装置から省略することができるため、消費電力および装置の製造コストを低減することができる。さらに、擬似的にインパルス型の表示方法とすることができるため、動画の品質が向上でき、かつ、表示装置の明るさが小さくなってしまうことがないため、さらに消費電力を低減できる。さらに、表示装置がアクティブマトリクス方式の液晶表示装置である場合は、ダイナミックキャパシタンスによる書き込み電圧不足の問題が回避できるため、動画の尾引き、残像等の障害に対し特に顕著な画質改善効果をもたらす。さらに、液晶表示装置の交流駆動と300Hz駆動を組み合わせるのも効果的である。すなわち、液晶表示装置の駆動周波数を300Hzとしつつ、交流駆動の周波数をその整数倍または整数分の一(たとえば、30Hz、50Hz、60Hz、100Hz等)とすることによって、交流駆動によって現れるフリッカを、人間の目に知覚されない程度に低減することができる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の1/5倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
このように、第2のステップにおける手順1において、元画像の明るさを複数のサブ画像に分配する方法のうち、時分割階調制御法が選択され、第2のステップにおける手順2において、サブ画像の数が2と決定され、第2のステップにおける手順3において、T1=T2=T/2と決定された場合は、第1のステップにおけるnおよびmの値によって決められる変換比のフレームレート変換に対し、さらに2倍のフレームレートとすることができるため、動画の品質をさらに向上させることが可能となる。さらに、当該表示フレームレートより小さい表示フレームレートである場合よりも動画の品質を向上でき、当該表示フレームレートより大きい表示フレームレートである場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、第2のステップの手順1において、元画像の明るさを複数のサブ画像に分配する方法のうち、時分割階調制御法が選択されることによって、動き補償によって中間画像を作成する回路の動作を停止または当該回路自体を装置から省略することができるため、消費電力および装置の製造コストを低減することができる。さらに、擬似的にインパルス型の表示方法とすることができるため、動画の品質が向上でき、かつ、表示装置の明るさが小さくなってしまうことがないため、さらに消費電力を低減できる。さらに、表示装置がアクティブマトリクス方式の液晶表示装置である場合は、ダイナミックキャパシタンスによる書き込み電圧不足の問題が回避できるため、動画の尾引き、残像等の障害に対し特に顕著な画質改善効果をもたらす。さらに、液晶表示装置の駆動周波数を大きくしつつ、交流駆動の周波数をその整数倍または整数分の一とすることによって、交流駆動によって現れるフリッカを、人間の目に知覚されない程度に低減することができる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の(1/(変換比の2倍))倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
なお、詳細な説明が省略したが、上に上げた変換比以外の場合においても、同様な利点を有するのは明らかである。たとえば、nが10以下の範囲においては、上に挙げたもののほかに、n=5,m=3、すなわち変換比(n/m)=5/3(10/3倍速駆動、200Hz)、n=5,m=4、すなわち変換比(n/m)=5/4(5/2倍速駆動、150Hz)、n=6,m=1、すなわち変換比(n/m)=6(12倍速駆動、720Hz)、n=6,m=5、すなわち変換比(n/m)=6/5(12/5倍速駆動、144Hz)、n=7,m=1、すなわち変換比(n/m)=7(14倍速駆動、840Hz)、n=7,m=2、すなわち変換比(n/m)=7/2(7倍速駆動、420Hz)、n=7,m=3、すなわち変換比(n/m)=7/3(14/3倍速駆動、280Hz)、n=7,m=4、すなわち変換比(n/m)=7/4(7/2倍速駆動、210Hz)、n=7,m=5、すなわち変換比(n/m)=7/5(14/5倍速駆動、168Hz)、n=7,m=6、すなわち変換比(n/m)=7/6(7/3倍速駆動、140Hz)、n=8,m=1、すなわち変換比(n/m)=8(16倍速駆動、960Hz)、n=8,m=3、すなわち変換比(n/m)=8/3(16/3倍速駆動、320Hz)、n=8,m=5、すなわち変換比(n/m)=8/5(16/5倍速駆動、192Hz)、n=8,m=7、すなわち変換比(n/m)=8/7(16/7倍速駆動、137Hz)、n=9,m=1、すなわち変換比(n/m)=9(18倍速駆動、1080Hz)、n=9,m=2、すなわち変換比(n/m)=9/2(9倍速駆動、540Hz)、n=9,m=4、すなわち変換比(n/m)=9/4(9/2倍速駆動、270Hz)、n=9,m=5、すなわち変換比(n/m)=9/5(18/5倍速駆動、216Hz)、n=9,m=7、すなわち変換比(n/m)=9/7(18/7倍速駆動、154Hz)、n=9,m=8、すなわち変換比(n/m)=9/8(9/4倍速駆動、135Hz)、n=10,m=1、すなわち変換比(n/m)=10(20倍速駆動、1200Hz)、n=10,m=3、すなわち変換比(n/m)=10/3(20/3倍速駆動、400Hz)、n=10,m=7、すなわち変換比(n/m)=10/7(20/7倍速駆動、171Hz)、n=10,m=9、すなわち変換比(n/m)=10/9(20/9倍速駆動、133Hz)、以上の組み合わせが考えられる。なお、周波数の表記は入力フレームレートが60Hzであるときの例であり、その他の入力フレームレートに対しては、それぞれの変換比の2倍を入力フレームレートと積算した値が駆動周波数となる。
なお、nが10より大きい整数である場合については、具体的なnおよびmの数字は挙げないが、様々なnおよびmに対し、この、第2のステップにおける手順が適用できることは明らかである。
なお、ここでは、手順2においてサブ画像の数Jが2と決定され、手順3においてT1=T2=T/2と決定された場合について説明したが、これに限定されないのは明らかである。
たとえば、第2のステップにおける手順3において、T1<T2と決定された場合は、第1のサブ画像をより明るく、第2のサブ画像をより暗くすることができる。さらに、第2のステップにおける手順3において、T1>T2と決定された場合は、第1のサブ画像をより暗く、第2のサブ画像をより明るくすることができる。こうすることで、元画像をきちんと人間の目に知覚させることができると同時に、表示を擬似的にインパルス駆動にすることもできるため、動画の品質を向上できる。こうすることで、元画像をきちんと人間の目に知覚させることができると同時に、表示を擬似的にインパルス駆動にすることもできるため、動画の品質を向上できる。
さらに、手順2において、サブ画像の数Jが2ではなく、それ以外の値に決定されてもよいことは明らかである。この場合、第1のステップにおけるnおよびmの値によって決められる変換比のフレームレート変換に対し、表示フレームレートをさらにJ倍のフレームレートとすることができるため、動画の品質をさらに向上させることが可能となる。さらに、当該表示フレームレートより小さい表示フレームレートである場合よりも動画の品質を向上でき、当該表示フレームレートより大きい表示フレームレートである場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、第2のステップの手順1において、元画像の明るさを複数のサブ画像に分配する方法のうち、時分割階調制御法が選択されることによって、動き補償によって中間画像を作成する回路の動作を停止または当該回路自体を装置から省略することができるため、消費電力および装置の製造コストを低減することができる。さらに、擬似的にインパルス型の表示方法とすることができるため、動画の品質が向上でき、かつ、表示装置の明るさが小さくなってしまうことがないため、さらに消費電力を低減できる。さらに、表示装置がアクティブマトリクス方式の液晶表示装置である場合は、ダイナミックキャパシタンスによる書き込み電圧不足の問題が回避できるため、動画の尾引き、残像等の障害に対し特に顕著な画質改善効果をもたらす。さらに、液晶表示装置の駆動周波数を大きくしつつ、交流駆動の周波数をその整数倍または整数分の一とすることによって、交流駆動によって現れるフリッカを、人間の目に知覚されない程度に低減することができる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の(1/(変換比のJ倍))倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
たとえば、J=3である場合は、特に、サブ画像の数が3より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、サブ画像の数が3より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できるという利点を有する。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の(1/(変換比の3倍))倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
さらに、たとえば、J=4である場合は、特に、サブ画像の数が4より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、サブ画像の数が4より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できるという利点を有する。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の(1/(変換比の4倍))倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
さらに、たとえば、J=5である場合は、特に、サブ画像の数が5より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、サブ画像の数が5より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できるという利点を有する。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の(1/(変換比の5倍))倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
さらに、Jが上に挙げたもの以外であっても、同様な利点を有する。
次に、第2のステップにおける手順によって決められる駆動方法の別の例について、第1のステップにおけるnおよびmの値を具体的に示して詳細に説明する。
第2のステップにおける手順1において、元画像の明るさを複数のサブ画像に分配する方法のうち、ガンマ補完法が選択された場合、駆動方法は次のようになる。
第i(iは正の整数)の画像データと、第i+1の画像データと、が、一定の周期Tで順次用意され、前記周期Tは、J(Jは2以上の整数)個のサブ画像表示期間に分割され、前記第iの画像データは、複数の画素にそれぞれ固有の明るさLを持たせることができるデータであり、第j(jは1以上J以下の整数)のサブ画像は、それぞれ固有の明るさLjを持つ画素が複数並置されることによって構成され、第jのサブ画像表示期間Tjだけ表示される画像であり、前記L、前記T、前記Lj、前記Tj、を、数式1および数式2にしたがった関係とする表示装置の駆動方法であって、それぞれのサブ画像において、階調に対する明るさの変化の特性を、線形からずらし、線形から明るい方へずらした明るさの量の合計と、線形から暗い方へずらした明るさの量の合計が、全ての階調において概等しいことを特徴とする。ここで、一定の周期Tで順次用意される画像データとしては、第1のステップにおいて作成された元画像データを用いることができる。すなわち、第1のステップの説明で挙げた全ての表示パターンを、上記駆動方法と組み合わせることができる。
そして、第2のステップにおける手順2において、サブ画像の数Jが2と決定され、手順3において、T1=T2=T/2と決定された場合、上記駆動方法は、図14に示すようなものとなる。
図14において、横軸は時間であり、縦軸は第1のステップにおいて用いた様々なnおよびmについて場合分けを行なって示したものである。
たとえば、第1のステップにおいて、n=1,m=1、すなわち変換比(n/m)が1であるときは、図14のn=1,m=1の箇所に示すような駆動方法となる。このとき、表示フレームレートは入力される画像データのフレームレートの2倍(2倍速駆動)となる。具体的には、たとえば、入力フレームレートが60Hzであれば、表示フレームレートは120Hz(120Hz駆動)である。そして、ひとつの入力される画像データに対し、画像を2回連続して表示することになる。ここで、2倍速駆動である場合は、フレームレートが2倍速より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、2倍速より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、第2のステップの手順1において、元画像の明るさを複数のサブ画像に分配する方法のうち、ガンマ補完法が選択されることによって、動き補償によって中間画像を作成する回路の動作を停止または当該回路自体を装置から省略することができるため、消費電力および装置の製造コストを低減することができる。さらに、画像データに含まれる階調値によらずに擬似的にインパルス型の表示方法とすることができるため、動画の品質を向上できる。さらに、画像データを直接ガンマ変換することによってサブ画像を求めてもよい。この場合は、動画の動きの大きさなどによって、様々にガンマ値を制御できる利点を有する。さらに、画像データは直接ガンマ変換せず、デジタルアナログ変換回路(DAC)の参照電圧を変えることによって、ガンマ値を変化させたサブ画像を求める構成であってもよい。この場合は、画像データを直接ガンマ変換することがないので、ガンマ変換を行なう回路を停止または当該回路自体を装置から省略することができるため、消費電力および装置の製造コストを低減することができる。さらに、ガンマ補完法においては、階調に対するそれぞれのサブ画像の明るさLjの変化がガンマ曲線にしたがっているため、それぞれのサブ画像がそれ自体で階調を滑らかに表示でき、最終的に人間の目で知覚される画像の品質も向上するという利点を有する。さらに、表示装置がアクティブマトリクス方式の液晶表示装置である場合は、ダイナミックキャパシタンスによる書き込み電圧不足の問題が回避できるため、動画の尾引き、残像等の障害に対し特に顕著な画質改善効果をもたらす。さらに、液晶表示装置の交流駆動と120Hz駆動を組み合わせるのも効果的である。すなわち、液晶表示装置の駆動周波数を120Hzとしつつ、交流駆動の周波数をその整数倍または整数分の一(たとえば、30Hz、60Hz、120Hz、240Hz等)とすることによって、交流駆動によって現れるフリッカを、人間の目に知覚されない程度に低減することができる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の1/2倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
さらに、たとえば、第1のステップにおいて、n=2,m=1、すなわち変換比(n/m)が2であるときは、図14のn=2,m=1の箇所に示すような駆動方法となる。このとき、表示フレームレートは入力される画像データのフレームレートの4倍(4倍速駆動)となる。具体的には、たとえば、入力フレームレートが60Hzであれば、表示フレームレートは240Hz(240Hz駆動)である。そして、ひとつの入力される画像データに対し、画像を4回連続して表示することになる。このとき、第1のステップにおける補間画像が動き補償によって求められた中間画像である場合は、動画の動きを滑らかにすることができるため、動画の品質を顕著に向上させることが可能である。ここで、4倍速駆動である場合は、フレームレートが4倍速より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、4倍速より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、第2のステップの手順1において、元画像の明るさを複数のサブ画像に分配する方法のうち、ガンマ補完法が選択されることによって、動き補償によって中間画像を作成する回路の動作を停止または当該回路自体を装置から省略することができるため、消費電力および装置の製造コストを低減することができる。さらに、画像データに含まれる階調値によらずに擬似的にインパルス型の表示方法とすることができるため、動画の品質を向上できる。さらに、画像データを直接ガンマ変換することによってサブ画像を求めてもよい。この場合は、動画の動きの大きさなどによって、様々にガンマ値を制御できる利点を有する。さらに、画像データは直接ガンマ変換せず、デジタルアナログ変換回路(DAC)の参照電圧を変えることによって、ガンマ値を変化させたサブ画像を求める構成であってもよい。この場合は、画像データを直接ガンマ変換することがないので、ガンマ変換を行なう回路を停止または当該回路自体を装置から省略することができるため、消費電力および装置の製造コストを低減することができる。さらに、ガンマ補完法においては、階調に対するそれぞれのサブ画像の明るさLjの変化がガンマ曲線にしたがっているため、それぞれのサブ画像がそれ自体で階調を滑らかに表示でき、最終的に人間の目で知覚される画像の品質も向上するという利点を有する。さらに、表示装置がアクティブマトリクス方式の液晶表示装置である場合は、ダイナミックキャパシタンスによる書き込み電圧不足の問題が回避できるため、動画の尾引き、残像等の障害に対し特に顕著な画質改善効果をもたらす。さらに、液晶表示装置の交流駆動と240Hz駆動を組み合わせるのも効果的である。すなわち、液晶表示装置の駆動周波数を240Hzとしつつ、交流駆動の周波数をその整数倍または整数分の一(たとえば、30Hz、60Hz、120Hz、240Hz等)とすることによって、交流駆動によって現れるフリッカを、人間の目に知覚されない程度に低減することができる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の1/4倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
さらに、たとえば、第1のステップにおいて、n=3,m=1、すなわち変換比(n/m)が3であるときは、図14のn=3,m=1の箇所に示すような駆動方法となる。このとき、表示フレームレートは入力される画像データのフレームレートの6倍(6倍速駆動)となる。具体的には、たとえば、入力フレームレートが60Hzであれば、表示フレームレートは360Hz(360Hz駆動)である。そして、ひとつの入力される画像データに対し、画像を6回連続して表示することになる。このとき、第1のステップにおける補間画像が動き補償によって求められた中間画像である場合は、動画の動きを滑らかにすることができるため、動画の品質を顕著に向上させることが可能である。ここで、6倍速駆動である場合は、フレームレートが6倍速より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、6倍速より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、第2のステップの手順1において、元画像の明るさを複数のサブ画像に分配する方法のうち、ガンマ補完法が選択されることによって、動き補償によって中間画像を作成する回路の動作を停止または当該回路自体を装置から省略することができるため、消費電力および装置の製造コストを低減することができる。さらに、画像データに含まれる階調値によらずに擬似的にインパルス型の表示方法とすることができるため、動画の品質を向上できる。さらに、画像データを直接ガンマ変換することによってサブ画像を求めてもよい。この場合は、動画の動きの大きさなどによって、様々にガンマ値を制御できる利点を有する。さらに、画像データは直接ガンマ変換せず、デジタルアナログ変換回路(DAC)の参照電圧を変えることによって、ガンマ値を変化させたサブ画像を求める構成であってもよい。この場合は、画像データを直接ガンマ変換することがないので、ガンマ変換を行なう回路を停止または当該回路自体を装置から省略することができるため、消費電力および装置の製造コストを低減することができる。さらに、ガンマ補完法においては、階調に対するそれぞれのサブ画像の明るさLjの変化がガンマ曲線にしたがっているため、それぞれのサブ画像がそれ自体で階調を滑らかに表示でき、最終的に人間の目で知覚される画像の品質も向上するという利点を有する。さらに、表示装置がアクティブマトリクス方式の液晶表示装置である場合は、ダイナミックキャパシタンスによる書き込み電圧不足の問題が回避できるため、動画の尾引き、残像等の障害に対し特に顕著な画質改善効果をもたらす。さらに、液晶表示装置の交流駆動と360Hz駆動を組み合わせるのも効果的である。すなわち、液晶表示装置の駆動周波数を360Hzとしつつ、交流駆動の周波数をその整数倍または整数分の一(たとえば、30Hz、60Hz、120Hz、180Hz等)とすることによって、交流駆動によって現れるフリッカを、人間の目に知覚されない程度に低減することができる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の1/6倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
さらに、たとえば、第1のステップにおいて、n=3,m=2、すなわち変換比(n/m)が3/2であるときは、図14のn=3,m=2の箇所に示すような駆動方法となる。このとき、表示フレームレートは入力される画像データのフレームレートの3倍(3倍速駆動)となる。具体的には、たとえば、入力フレームレートが60Hzであれば、表示フレームレートは180Hz(180Hz駆動)である。そして、ひとつの入力される画像データに対し、画像を3回連続して表示することになる。このとき、第1のステップにおける補間画像が動き補償によって求められた中間画像である場合は、動画の動きを滑らかにすることができるため、動画の品質を顕著に向上させることが可能である。ここで、3倍速駆動である場合は、フレームレートが3倍速より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、3倍速より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、第2のステップの手順1において、元画像の明るさを複数のサブ画像に分配する方法のうち、ガンマ補完法が選択されることによって、動き補償によって中間画像を作成する回路の動作を停止または当該回路自体を装置から省略することができるため、消費電力および装置の製造コストを低減することができる。さらに、画像データに含まれる階調値によらずに擬似的にインパルス型の表示方法とすることができるため、動画の品質を向上できる。さらに、画像データを直接ガンマ変換することによってサブ画像を求めてもよい。この場合は、動画の動きの大きさなどによって、様々にガンマ値を制御できる利点を有する。さらに、画像データは直接ガンマ変換せず、デジタルアナログ変換回路(DAC)の参照電圧を変えることによって、ガンマ値を変化させたサブ画像を求める構成であってもよい。この場合は、画像データを直接ガンマ変換することがないので、ガンマ変換を行なう回路を停止または当該回路自体を装置から省略することができるため、消費電力および装置の製造コストを低減することができる。さらに、ガンマ補完法においては、階調に対するそれぞれのサブ画像の明るさLjの変化がガンマ曲線にしたがっているため、それぞれのサブ画像がそれ自体で階調を滑らかに表示でき、最終的に人間の目で知覚される画像の品質も向上するという利点を有する。さらに、表示装置がアクティブマトリクス方式の液晶表示装置である場合は、ダイナミックキャパシタンスによる書き込み電圧不足の問題が回避できるため、動画の尾引き、残像等の障害に対し特に顕著な画質改善効果をもたらす。さらに、液晶表示装置の交流駆動と180Hz駆動を組み合わせるのも効果的である。すなわち、液晶表示装置の駆動周波数を180Hzとしつつ、交流駆動の周波数をその整数倍または整数分の一(たとえば、30Hz、60Hz、120Hz、180Hz等)とすることによって、交流駆動によって現れるフリッカを、人間の目に知覚されない程度に低減することができる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の1/3倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
さらに、たとえば、第1のステップにおいて、n=4,m=1、すなわち変換比(n/m)が4であるときは、図14のn=4,m=1の箇所に示すような駆動方法となる。このとき、表示フレームレートは入力される画像データのフレームレートの8倍(8倍速駆動)となる。具体的には、たとえば、入力フレームレートが60Hzであれば、表示フレームレートは480Hz(480Hz駆動)である。そして、ひとつの入力される画像データに対し、画像を8回連続して表示することになる。このとき、第1のステップにおける補間画像が動き補償によって求められた中間画像である場合は、動画の動きを滑らかにすることができるため、動画の品質を顕著に向上させることが可能である。ここで、8倍速駆動である場合は、フレームレートが8倍速より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、8倍速より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、第2のステップの手順1において、元画像の明るさを複数のサブ画像に分配する方法のうち、ガンマ補完法が選択されることによって、動き補償によって中間画像を作成する回路の動作を停止または当該回路自体を装置から省略することができるため、消費電力および装置の製造コストを低減することができる。さらに、画像データに含まれる階調値によらずに擬似的にインパルス型の表示方法とすることができるため、動画の品質を向上できる。さらに、画像データを直接ガンマ変換することによってサブ画像を求めてもよい。この場合は、動画の動きの大きさなどによって、様々にガンマ値を制御できる利点を有する。さらに、画像データは直接ガンマ変換せず、デジタルアナログ変換回路(DAC)の参照電圧を変えることによって、ガンマ値を変化させたサブ画像を求める構成であってもよい。この場合は、画像データを直接ガンマ変換することがないので、ガンマ変換を行なう回路を停止または当該回路自体を装置から省略することができるため、消費電力および装置の製造コストを低減することができる。さらに、ガンマ補完法においては、階調に対するそれぞれのサブ画像の明るさLjの変化がガンマ曲線にしたがっているため、それぞれのサブ画像がそれ自体で階調を滑らかに表示でき、最終的に人間の目で知覚される画像の品質も向上するという利点を有する。さらに、表示装置がアクティブマトリクス方式の液晶表示装置である場合は、ダイナミックキャパシタンスによる書き込み電圧不足の問題が回避できるため、動画の尾引き、残像等の障害に対し特に顕著な画質改善効果をもたらす。さらに、液晶表示装置の交流駆動と480Hz駆動を組み合わせるのも効果的である。すなわち、液晶表示装置の駆動周波数を480Hzとしつつ、交流駆動の周波数をその整数倍または整数分の一(たとえば、30Hz、60Hz、120Hz、240Hz等)とすることによって、交流駆動によって現れるフリッカを、人間の目に知覚されない程度に低減することができる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の1/8倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
さらに、たとえば、第1のステップにおいて、n=4,m=3、すなわち変換比(n/m)が4/3であるときは、図14のn=4,m=3の箇所に示すような駆動方法となる。このとき、表示フレームレートは入力される画像データのフレームレートの8/3倍(8/3倍速駆動)となる。具体的には、たとえば、入力フレームレートが60Hzであれば、表示フレームレートは160Hz(160Hz駆動)である。そして、3つの入力される画像データに対し、画像を8回連続して表示することになる。このとき、第1のステップにおける補間画像が動き補償によって求められた中間画像である場合は、動画の動きを滑らかにすることができるため、動画の品質を顕著に向上させることが可能である。ここで、8/3倍速駆動である場合は、フレームレートが8/3倍速より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、8/3倍速より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、第2のステップの手順1において、元画像の明るさを複数のサブ画像に分配する方法のうち、ガンマ補完法が選択されることによって、動き補償によって中間画像を作成する回路の動作を停止または当該回路自体を装置から省略することができるため、消費電力および装置の製造コストを低減することができる。さらに、画像データに含まれる階調値によらずに擬似的にインパルス型の表示方法とすることができるため、動画の品質を向上できる。さらに、画像データを直接ガンマ変換することによってサブ画像を求めてもよい。この場合は、動画の動きの大きさなどによって、様々にガンマ値を制御できる利点を有する。さらに、画像データは直接ガンマ変換せず、デジタルアナログ変換回路(DAC)の参照電圧を変えることによって、ガンマ値を変化させたサブ画像を求める構成であってもよい。この場合は、画像データを直接ガンマ変換することがないので、ガンマ変換を行なう回路を停止または当該回路自体を装置から省略することができるため、消費電力および装置の製造コストを低減することができる。さらに、ガンマ補完法においては、階調に対するそれぞれのサブ画像の明るさLjの変化がガンマ曲線にしたがっているため、それぞれのサブ画像がそれ自体で階調を滑らかに表示でき、最終的に人間の目で知覚される画像の品質も向上するという利点を有する。さらに、表示装置がアクティブマトリクス方式の液晶表示装置である場合は、ダイナミックキャパシタンスによる書き込み電圧不足の問題が回避できるため、動画の尾引き、残像等の障害に対し特に顕著な画質改善効果をもたらす。さらに、液晶表示装置の交流駆動と160Hz駆動を組み合わせるのも効果的である。すなわち、液晶表示装置の駆動周波数を160Hzとしつつ、交流駆動の周波数をその整数倍または整数分の一(たとえば、40Hz、80Hz、160Hz、320Hz等)とすることによって、交流駆動によって現れるフリッカを、人間の目に知覚されない程度に低減することができる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の3/8倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
さらに、たとえば、第1のステップにおいて、n=5,m=1、すなわち変換比(n/m)が5であるときは、図14のn=5,m=1の箇所に示すような駆動方法となる。このとき、表示フレームレートは入力される画像データのフレームレートの10倍(10倍速駆動)となる。具体的には、たとえば、入力フレームレートが60Hzであれば、表示フレームレートは600Hz(600Hz駆動)である。そして、ひとつの入力される画像データに対し、画像を10回連続して表示することになる。このとき、第1のステップにおける補間画像が動き補償によって求められた中間画像である場合は、動画の動きを滑らかにすることができるため、動画の品質を顕著に向上させることが可能である。ここで、10倍速駆動である場合は、フレームレートが10倍速より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、10倍速より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、第2のステップの手順1において、元画像の明るさを複数のサブ画像に分配する方法のうち、ガンマ補完法が選択されることによって、動き補償によって中間画像を作成する回路の動作を停止または当該回路自体を装置から省略することができるため、消費電力および装置の製造コストを低減することができる。さらに、画像データに含まれる階調値によらずに擬似的にインパルス型の表示方法とすることができるため、動画の品質を向上できる。さらに、画像データを直接ガンマ変換することによってサブ画像を求めてもよい。この場合は、動画の動きの大きさなどによって、様々にガンマ値を制御できる利点を有する。さらに、画像データは直接ガンマ変換せず、デジタルアナログ変換回路(DAC)の参照電圧を変えることによって、ガンマ値を変化させたサブ画像を求める構成であってもよい。この場合は、画像データを直接ガンマ変換することがないので、ガンマ変換を行なう回路を停止または当該回路自体を装置から省略することができるため、消費電力および装置の製造コストを低減することができる。さらに、ガンマ補完法においては、階調に対するそれぞれのサブ画像の明るさLjの変化がガンマ曲線にしたがっているため、それぞれのサブ画像がそれ自体で階調を滑らかに表示でき、最終的に人間の目で知覚される画像の品質も向上するという利点を有する。さらに、表示装置がアクティブマトリクス方式の液晶表示装置である場合は、ダイナミックキャパシタンスによる書き込み電圧不足の問題が回避できるため、動画の尾引き、残像等の障害に対し特に顕著な画質改善効果をもたらす。さらに、液晶表示装置の交流駆動と600Hz駆動を組み合わせるのも効果的である。すなわち、液晶表示装置の駆動周波数を600Hzとしつつ、交流駆動の周波数をその整数倍または整数分の一(たとえば、30Hz、60Hz、100Hz、120Hz等)とすることによって、交流駆動によって現れるフリッカを、人間の目に知覚されない程度に低減することができる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の1/10倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
さらに、たとえば、第1のステップにおいて、n=5,m=2、すなわち変換比(n/m)が5/2であるときは、図14のn=5,m=2の箇所に示すような駆動方法となる。このとき、表示フレームレートは入力される画像データのフレームレートの5倍(5倍速駆動)となる。具体的には、たとえば、入力フレームレートが60Hzであれば、表示フレームレートは300Hz(300Hz駆動)である。そして、1つの入力される画像データに対し、画像を5回連続して表示することになる。このとき、第1のステップにおける補間画像が動き補償によって求められた中間画像である場合は、動画の動きを滑らかにすることができるため、動画の品質を顕著に向上させることが可能である。ここで、5倍速駆動である場合は、フレームレートが5倍速より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、5倍速より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、第2のステップの手順1において、元画像の明るさを複数のサブ画像に分配する方法のうち、ガンマ補完法が選択されることによって、動き補償によって中間画像を作成する回路の動作を停止または当該回路自体を装置から省略することができるため、消費電力および装置の製造コストを低減することができる。さらに、画像データに含まれる階調値によらずに擬似的にインパルス型の表示方法とすることができるため、動画の品質を向上できる。さらに、画像データを直接ガンマ変換することによってサブ画像を求めてもよい。この場合は、動画の動きの大きさなどによって、様々にガンマ値を制御できる利点を有する。さらに、画像データは直接ガンマ変換せず、デジタルアナログ変換回路(DAC)の参照電圧を変えることによって、ガンマ値を変化させたサブ画像を求める構成であってもよい。この場合は、画像データを直接ガンマ変換することがないので、ガンマ変換を行なう回路を停止または当該回路自体を装置から省略することができるため、消費電力および装置の製造コストを低減することができる。さらに、ガンマ補完法においては、階調に対するそれぞれのサブ画像の明るさLjの変化がガンマ曲線にしたがっているため、それぞれのサブ画像がそれ自体で階調を滑らかに表示でき、最終的に人間の目で知覚される画像の品質も向上するという利点を有する。さらに、表示装置がアクティブマトリクス方式の液晶表示装置である場合は、ダイナミックキャパシタンスによる書き込み電圧不足の問題が回避できるため、動画の尾引き、残像等の障害に対し特に顕著な画質改善効果をもたらす。さらに、液晶表示装置の交流駆動と300Hz駆動を組み合わせるのも効果的である。すなわち、液晶表示装置の駆動周波数を300Hzとしつつ、交流駆動の周波数をその整数倍または整数分の一(たとえば、30Hz、50Hz、60Hz、100Hz等)とすることによって、交流駆動によって現れるフリッカを、人間の目に知覚されない程度に低減することができる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の1/5倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
このように、第2のステップにおける手順1において、元画像の明るさを複数のサブ画像に分配する方法のうち、ガンマ補完法が選択され、第2のステップにおける手順2において、サブ画像の数が2と決定され、第2のステップにおける手順3において、T1=T2=T/2と決定された場合は、第1のステップにおけるnおよびmの値によって決められる変換比のフレームレート変換に対し、さらに2倍のフレームレートとすることができるため、動画の品質をさらに向上させることが可能となる。さらに、当該表示フレームレートより小さい表示フレームレートである場合よりも動画の品質を向上でき、当該表示フレームレートより大きい表示フレームレートである場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、第2のステップの手順1において、元画像の明るさを複数のサブ画像に分配する方法のうち、ガンマ補完法が選択されることによって、動き補償によって中間画像を作成する回路の動作を停止または当該回路自体を装置から省略することができるため、消費電力および装置の製造コストを低減することができる。さらに、画像データに含まれる階調値によらずに擬似的にインパルス型の表示方法とすることができるため、動画の品質を向上できる。さらに、画像データを直接ガンマ変換することによってサブ画像を求めてもよい。この場合は、動画の動きの大きさなどによって、様々にガンマ値を制御できる利点を有する。さらに、画像データは直接ガンマ変換せず、デジタルアナログ変換回路(DAC)の参照電圧を変えることによって、ガンマ値を変化させたサブ画像を求める構成であってもよい。この場合は、画像データを直接ガンマ変換することがないので、ガンマ変換を行なう回路を停止または当該回路自体を装置から省略することができるため、消費電力および装置の製造コストを低減することができる。さらに、ガンマ補完法においては、階調に対するそれぞれのサブ画像の明るさLjの変化がガンマ曲線にしたがっているため、それぞれのサブ画像がそれ自体で階調を滑らかに表示でき、最終的に人間の目で知覚される画像の品質も向上するという利点を有する。さらに、表示装置がアクティブマトリクス方式の液晶表示装置である場合は、ダイナミックキャパシタンスによる書き込み電圧不足の問題が回避できるため、動画の尾引き、残像等の障害に対し特に顕著な画質改善効果をもたらす。さらに、液晶表示装置の駆動周波数を大きくしつつ、交流駆動の周波数をその整数倍または整数分の一とすることによって、交流駆動によって現れるフリッカを、人間の目に知覚されない程度に低減することができる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の(1/(変換比の2倍))倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
なお、詳細な説明が省略したが、上に上げた変換比以外の場合においても、同様な利点を有するのは明らかである。たとえば、nが10以下の範囲においては、上に挙げたもののほかに、n=5,m=3、すなわち変換比(n/m)=5/3(10/3倍速駆動、200Hz)、n=5,m=4、すなわち変換比(n/m)=5/4(5/2倍速駆動、150Hz)、n=6,m=1、すなわち変換比(n/m)=6(12倍速駆動、720Hz)、n=6,m=5、すなわち変換比(n/m)=6/5(12/5倍速駆動、144Hz)、n=7,m=1、すなわち変換比(n/m)=7(14倍速駆動、840Hz)、n=7,m=2、すなわち変換比(n/m)=7/2(7倍速駆動、420Hz)、n=7,m=3、すなわち変換比(n/m)=7/3(14/3倍速駆動、280Hz)、n=7,m=4、すなわち変換比(n/m)=7/4(7/2倍速駆動、210Hz)、n=7,m=5、すなわち変換比(n/m)=7/5(14/5倍速駆動、168Hz)、n=7,m=6、すなわち変換比(n/m)=7/6(7/3倍速駆動、140Hz)、n=8,m=1、すなわち変換比(n/m)=8(16倍速駆動、960Hz)、n=8,m=3、すなわち変換比(n/m)=8/3(16/3倍速駆動、320Hz)、n=8,m=5、すなわち変換比(n/m)=8/5(16/5倍速駆動、192Hz)、n=8,m=7、すなわち変換比(n/m)=8/7(16/7倍速駆動、137Hz)、n=9,m=1、すなわち変換比(n/m)=9(18倍速駆動、1080Hz)、n=9,m=2、すなわち変換比(n/m)=9/2(9倍速駆動、540Hz)、n=9,m=4、すなわち変換比(n/m)=9/4(9/2倍速駆動、270Hz)、n=9,m=5、すなわち変換比(n/m)=9/5(18/5倍速駆動、216Hz)、n=9,m=7、すなわち変換比(n/m)=9/7(18/7倍速駆動、154Hz)、n=9,m=8、すなわち変換比(n/m)=9/8(9/4倍速駆動、135Hz)、n=10,m=1、すなわち変換比(n/m)=10(20倍速駆動、1200Hz)、n=10,m=3、すなわち変換比(n/m)=10/3(20/3倍速駆動、400Hz)、n=10,m=7、すなわち変換比(n/m)=10/7(20/7倍速駆動、171Hz)、n=10,m=9、すなわち変換比(n/m)=10/9(20/9倍速駆動、133Hz)、以上の組み合わせが考えられる。なお、周波数の表記は入力フレームレートが60Hzであるときの例であり、その他の入力フレームレートに対しては、それぞれの変換比の2倍を入力フレームレートと積算した値が駆動周波数となる。
なお、nが10より大きい整数である場合については、具体的なnおよびmの数字は挙げないが、様々なnおよびmに対し、この、第2のステップにおける手順が適用できることは明らかである。
なお、ここでは、手順2においてサブ画像の数Jが2と決定され、手順3においてT1=T2=T/2と決定された場合について説明したが、これに限定されないのは明らかである。
たとえば、第2のステップにおける手順3において、T1<T2と決定された場合は、第1のサブ画像をより明るく、第2のサブ画像をより暗くすることができる。さらに、第2のステップにおける手順3において、T1>T2と決定された場合は、第1のサブ画像をより暗く、第2のサブ画像をより明るくすることができる。こうすることで、元画像をきちんと人間の目に知覚させることができると同時に、表示を擬似的にインパルス駆動にすることもできるため、動画の品質を向上できる。なお、上記の駆動方法のように、手順1において、元画像の明るさを複数のサブ画像に分配する方法のうち、ガンマ法が選択された場合は、サブ画像の明るさを変化させる場合に、ガンマ値を変化させてもよい。すなわち、第2のサブ画像の表示タイミングにしたがって、ガンマ値を決めてもよい。こうすることで、画像全体の明るさを変化させる回路を停止または当該回路自体を装置から省略することができるため、消費電力および装置の製造コストを低減することができる。
さらに、手順2において、サブ画像の数Jが2ではなく、それ以外の値に決定されてもよいことは明らかである。この場合、第1のステップにおけるnおよびmの値によって決められる変換比のフレームレート変換に対し、表示フレームレートをさらにJ倍のフレームレートとすることができるため、動画の品質をさらに向上させることが可能となる。さらに、当該表示フレームレートより小さい表示フレームレートである場合よりも動画の品質を向上でき、当該表示フレームレートより大きい表示フレームレートである場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。さらに、第2のステップの手順1において、元画像の明るさを複数のサブ画像に分配する方法のうち、ガンマ補完法が選択されることによって、動き補償によって中間画像を作成する回路の動作を停止または当該回路自体を装置から省略することができるため、消費電力および装置の製造コストを低減することができる。さらに、画像データに含まれる階調値によらずに擬似的にインパルス型の表示方法とすることができるため、動画の品質を向上できる。さらに、画像データを直接ガンマ変換することによってサブ画像を求めてもよい。この場合は、動画の動きの大きさなどによって、様々にガンマ値を制御できる利点を有する。さらに、画像データは直接ガンマ変換せず、デジタルアナログ変換回路(DAC)の参照電圧を変えることによって、ガンマ値を変化させたサブ画像を求める構成であってもよい。この場合は、画像データを直接ガンマ変換することがないので、ガンマ変換を行なう回路を停止または当該回路自体を装置から省略することができるため、消費電力および装置の製造コストを低減することができる。さらに、ガンマ補完法においては、階調に対するそれぞれのサブ画像の明るさLjの変化がガンマ曲線にしたがっているため、それぞれのサブ画像がそれ自体で階調を滑らかに表示でき、最終的に人間の目で知覚される画像の品質も向上するという利点を有する。さらに、表示装置がアクティブマトリクス方式の液晶表示装置である場合は、ダイナミックキャパシタンスによる書き込み電圧不足の問題が回避できるため、動画の尾引き、残像等の障害に対し特に顕著な画質改善効果をもたらす。さらに、液晶表示装置の駆動周波数を大きくしつつ、交流駆動の周波数をその整数倍または整数分の一とすることによって、交流駆動によって現れるフリッカを、人間の目に知覚されない程度に低減することができる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の(1/(変換比のJ倍))倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
たとえば、J=3である場合は、特に、サブ画像の数が3より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、サブ画像の数が3より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できるという利点を有する。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の(1/(変換比の3倍))倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
さらに、たとえば、J=4である場合は、特に、サブ画像の数が4より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、サブ画像の数が4より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できるという利点を有する。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の(1/(変換比の4倍))倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
さらに、たとえば、J=5である場合は、特に、サブ画像の数が5より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、サブ画像の数が5より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できるという利点を有する。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の(1/(変換比の5倍))倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
さらに、Jが上に挙げたもの以外であっても、同様な利点を有する。
次に、第2のステップにおける手順によって決められる駆動方法の別の例について、詳細に説明する。
第2のステップにおける手順1において、動き補償によって求めた中間画像をサブ画像として用いる方法が選択され、第2のステップにおける手順2において、サブ画像の数が2と決定され、第2のステップにおける手順3において、T1=T2=T/2と決定された場合は、第2のステップにおける手順によって決められる駆動方法は、次のようになる。
第i(iは正の整数)の画像データと、第i+1の画像データと、が、一定の周期Tで順次用意され、第k(kは正の整数)の画像と、第k+1の画像と、第k+2の画像と、を、元画像データの周期の1/2倍の間隔で順次表示する表示装置の駆動方法であって、前記第kの画像は、前記第iの画像データにしたがって表示され、前記第k+1の画像は、前記第iの画像データから前記第i+1の画像データまでの動きを1/2倍した動きに相当する画像データにしたがって表示され、前記第k+2の画像は、前記第i+1の画像データにしたがって表示されることを特徴とする。ここで、一定の周期Tで順次用意される画像データとしては、第1のステップにおいて作成された元画像データを用いることができる。すなわち、第1のステップの説明で挙げた全ての表示パターンを、上記駆動方法と組み合わせることができる。
なお、上記の駆動方法は、第1のステップにおいて用いた様々なnおよびmについて、それぞれ組み合わせて実施できることは明らかである。
第2のステップにおける手順1において、動き補償によって求めた中間画像をサブ画像として用いる方法が選択されることの利点は、第1のステップにおける手順において、動き補償によって求めた中間画像を補間画像とする場合に、第1のステップにおいて用いた中間画像を求める方法が、第2のステップでもそのままの方法で用いることができる点である。すなわち、動き補償によって中間画像を求める回路を、第1のステップだけではなく、第2のステップでも利用することができるので、回路を有効に利用できるようになり、処理効率を向上できる。また、画像の動きをさらに滑らかにすることができるため、動画の品質をさらに向上させることができる。
なお、ここでは、手順2においてサブ画像の数Jが2と決定され、手順3においてT1=T2=T/2と決定された場合について説明したが、これに限定されないのは明らかである。
たとえば、第2のステップにおける手順3において、T1<T2と決定された場合は、第1のサブ画像をより明るく、第2のサブ画像をより暗くすることができる。さらに、第2のステップにおける手順3において、T1>T2と決定された場合は、第1のサブ画像をより暗く、第2のサブ画像をより明るくすることができる。こうすることで、元画像をきちんと人間の目に知覚させることができると同時に、表示を擬似的にインパルス駆動にすることもできるため、動画の品質を向上できる。こうすることで、元画像をきちんと人間の目に知覚させることができると同時に、表示を擬似的にインパルス駆動にすることもできるため、動画の品質を向上できる。なお、上記の駆動方法のように、手順2において、動き補償によって求めた中間画像をサブ画像として用いる方法が選択された場合は、サブ画像の明るさを変化させなくてもよい。なぜならば、中間状態の画像はそれ自体で画像として完結しているため、第2のサブ画像の表示タイミングが変化しても、人間の目に知覚される画像としては変化しないためである。この場合は、画像全体の明るさを変化させる回路を停止または当該回路自体を装置から省略することができるため、消費電力および装置の製造コストを低減することができる。
さらに、手順2において、サブ画像の数Jが2ではなく、それ以外の値に決定されてもよいことは明らかである。この場合、第1のステップにおけるnおよびmの値によって決められる変換比のフレームレート変換に対し、表示フレームレートをさらにJ倍のフレームレートとすることができるため、動画の品質をさらに向上させることが可能となる。さらに、当該表示フレームレートより小さい表示フレームレートである場合よりも動画の品質を向上でき、当該表示フレームレートより大きい表示フレームレートである場合よりも消費電力および製造コストを低減できる。第2のステップにおける手順1において、動き補償によって求めた中間画像をサブ画像として用いる方法が選択されることによって、第1のステップにおける手順において、動き補償によって求めた中間画像を補間画像とする場合に、第1のステップにおいて用いた中間画像を求める方法が、第2のステップでもそのままの方法で用いることができる。すなわち、動き補償によって中間画像を求める回路を、第1のステップだけではなく、第2のステップでも利用することができるので、回路を有効に利用できるようになり、処理効率を向上できる。また、画像の動きをさらに滑らかにすることができるため、動画の品質をさらに向上させることができる。さらに、表示装置がアクティブマトリクス方式の液晶表示装置である場合は、ダイナミックキャパシタンスによる書き込み電圧不足の問題が回避できるため、動画の尾引き、残像等の障害に対し特に顕著な画質改善効果をもたらす。さらに、液晶表示装置の駆動周波数を大きくしつつ、交流駆動の周波数をその整数倍または整数分の一とすることによって、交流駆動によって現れるフリッカを、人間の目に知覚されない程度に低減することができる。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の(1/(変換比のJ倍))倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
たとえば、J=3である場合は、特に、サブ画像の数が3より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、サブ画像の数が3より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できるという利点を有する。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の(1/(変換比の3倍))倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
さらに、たとえば、J=4である場合は、特に、サブ画像の数が4より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、サブ画像の数が4より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できるという利点を有する。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の(1/(変換比の4倍))倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
さらに、たとえば、J=5である場合は、特に、サブ画像の数が5より小さい場合よりも動画の品質を向上でき、サブ画像の数が5より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できるという利点を有する。さらに、液晶素子の応答時間が入力画像データの周期の(1/(変換比の5倍))倍程度である液晶表示装置に適用することで、画質を向上することができる。
さらに、Jが上に挙げたもの以外であっても、同様な利点を有する。
次に、図16を参照して、入力フレームレートと表示フレームレートが異なる場合の、フレームレート変換方法の具体例について説明する。図16(A)乃至(C)に示す方法においては、画像上の円形の領域がフレームによって位置が変化する領域であり、画像上の三角形の領域がフレームによって位置がほぼ変化しない領域であるとしている。ただし、これは説明のための例であり、表示される画像はこれに限定されない。図16(A)乃至(C)の方法は、様々な画像に対して適用することができる。
図16(A)は、表示フレームレートが入力フレームレートの2倍(変換比が2)である場合を表している。変換比が2である場合は、変換比が2より小さい場合よりも動画の品質を向上できるという利点を有する。さらに、変換比が2である場合は、変換比が2より大きい場合よりも消費電力および製造コストを低減できるという利点を有する。図16(A)は、横軸を時間として、表示される画像の時間的な変化の様子を、模式的に表したものである。ここで、注目している画像のことを、第pの画像(pは正の整数)と表記することとする。そして、注目している画像の次に表示される画像を、第(p+1)の画像、注目している画像の前に表示される画像を、第(p―1)の画像、というように、注目している画像からどれだけ離れて表示されるかということを、便宜的に表記することとする。そして、画像1601は第pの画像、画像1602は第(p+1)の画像、画像1603は第(p+2)の画像、画像1604は第(p+3)の画像、画像1605は第(p+4)の画像であるとする。期間Tinは、入力画像データの周期を表している。なお、図16(A)は変換比が2である場合を表しているため、期間Tinは、第pの画像が表示されてから第(p+1)の画像が表示されるまで期間の2倍の長さとなる。
ここで、第(p+1)の画像1602は、第pの画像1601から第(p+2)の画像1603までの画像の変化量を検出することで、第pの画像1601および第(p+2)の画像1603の中間状態となるように作成された画像であってもよい。図16(A)では、フレームによって位置が変化する領域(円形の領域)と、フレームによって位置がほぼ変化しない領域(三角形の領域)と、によって、中間状態の画像の様子を表している。すなわち、第(p+1)の画像1602における円形の領域の位置は、第pの画像1601における位置と、第(p+2)の画像1603における位置の中間の位置としている。つまり、第(p+1)の画像1602は、動き補償を行なって画像データを補間したものである。このように、画像上で動きのある物体に対して動き補償を行い、画像データを補間することによって、なめらかな表示を行なうことができる。
さらに、第(p+1)の画像1602は、第pの画像1601および第(p+2)の画像1603の中間状態となるように作成された上で、画像の輝度を一定の規則で制御した画像であってもよい。一定の規則とは、たとえば、図16(A)のように、第pの画像1601の代表的な輝度をL、第(p+1)の画像1602の代表的な輝度をLcとしたとき、LとLcで、L>Lcという関係があってもよい。望ましくは、0.1L<Lc<0.8Lという関係があってもよい。さらに望ましくは、0.2L<Lc<0.5Lという関係があってもよい。または、逆にLとLcで、L<Lcという関係があってもよい。望ましくは、0.1Lc<L<0.8Lcという関係があってもよい。さらに望ましくは、0.2Lc<L<0.5Lcという関係があってもよい。このようにすることで、表示を擬似的にインパルス型とすることができるため、目の残像を抑えることができる。
なお、画像の代表的な輝度については、後に図17を参照して詳しく述べる。
このように、動画ボケに対する2つの異なる原因(画像の動きがなめらかではないこと、および目の残像)を同時に解決することによって、動画ボケを大幅に低減することができる。
さらに、第(p+3)の画像1604についても、第(p+2)の画像1603および第(p+4)の画像1605から同様な方法を用いて作成されてもよい。すなわち、第(p+3)の画像1604は、第(p+2)の画像1603から第(p+4)の画像1605までの画像の変化量を検出することで、第(p+2)の画像1603および第(p+4)の画像1605の中間状態となるように作成された画像であって、さらに、画像の輝度を一定の規則で制御した画像であってもよい。
図16(B)は、表示フレームレートが、入力フレームレートの3倍(変換比が3)である場合を表している。図16(B)は、横軸を時間として、表示される画像の時間的な変化の様子を、模式的に表したものである。画像1611は第pの画像、画像1612は第(p+1)の画像、画像1613は第(p+2)の画像、画像1614は第(p+3)の画像、画像1615は第(p+4)の画像、画像1616は第(p+5)の画像、画像1617は第(p+6)の画像であるとする。期間Tinは、入力画像データの周期を表している。なお、図16(B)は変換比が3である場合を表しているため、期間Tinは、第pの画像が表示されてから第(p+1)の画像が表示されるまで期間の3倍の長さとなる。
ここで、第(p+1)の画像1612および第(p+2)の画像1613は、第pの画像1611から第(p+3)の画像1614までの画像の変化量を検出することで、第pの画像1611および第(p+3)の画像1614の中間状態となるように作成された画像であってもよい。図16(B)では、フレームによって位置が変化する領域(円形の領域)と、フレームによって位置がほぼ変化しない領域(三角形の領域)と、によって、中間状態の画像の様子を表している。すなわち、第(p+1)の画像1612および第(p+2)の画像1613における円形の領域の位置は、第pの画像1611における位置と、第(p+3)の画像1614における位置の中間の位置としている。具体的には、第pの画像1611および第(p+3)の画像1614から検出した、円形の領域が移動する量をXとしたとき、第(p+1)の画像1612における円形の領域の位置は、第pの画像1611における位置から、(1/3)X程度変位した位置であっても良い。さらに、第(p+2)の画像1613における円形の領域の位置は、第pの画像1611における位置から、(2/3)X程度変位した位置であっても良い。つまり、第(p+1)の画像1612および第(p+2)の画像1613は、動き補償を行なって画像データを補間したものである。このように、画像上で動きのある物体に対して動き補償を行い、画像データを補間することにより、なめらかな表示を行なうことができる。
さらに、第(p+1)の画像1612および第(p+2)の画像1613は、第pの画像1611および第(p+3)の画像1614の中間状態となるように作成された上で、画像の輝度を一定の規則で制御した画像であってもよい。一定の規則とは、たとえば、図16(B)のように、第pの画像1611の代表的な輝度をL、第(p+1)の画像1612の代表的な輝度をLc1、第(p+2)の画像1613の代表的な輝度をLc2としたとき、L、Lc1、Lc2において、L>Lc1またはL>Lc2またはLc1=Lc2という関係があってもよい。望ましくは、0.1L<Lc1=Lc2<0.8Lという関係があってもよい。さらに望ましくは、0.2L<Lc=Lc2<0.5Lという関係があってもよい。または、逆にL、Lc1、Lc2において、L<Lc1またはL<Lc2またはLc1=Lc2という関係があってもよい。望ましくは、0.1Lc1=0.1Lc2<L<0.8Lc1=0.8Lc2という関係があってもよい。さらに望ましくは、0.2Lc1=0.2Lc2<L<0.5Lc1=0.5Lc2という関係があってもよい。このようにすることで、表示を擬似的にインパルス型とすることができるため、目の残像を抑えることができる。または、輝度を変化させる画像が交互に現れるようにしてもよい。こうすることで、輝度が変化する周期を短くすることができるので、フリッカを低減することができる。
このように、動画ボケに対する2つの異なる原因(画像の動きがなめらかではないこと、および目の残像)を同時に解決することによって、動画ボケを大幅に低減することができる。
さらに、第(p+4)の画像1615および第(p+5)の画像1616についても、第(p+3)の画像1614および第(p+6)の画像1617から同様な方法を用いて作成されてもよい。すなわち、第(p+4)の画像1615および第(p+5)の画像1616は、第(p+3)の画像1614から第(p+6)の画像1617までの画像の変化量を検出することで、第(p+3)の画像1614および第(p+6)の画像1617の中間状態となるように作成された画像であって、さらに、画像の輝度を一定の規則で制御した画像であってもよい。
なお、図16(B)の方法を用いると、表示フレームレートが大きいので、画像の動きが目の動きによく追従できるようになり、画像の動きをなめらかに表示することができるため、動画ボケを大幅に低減することができる。
図16(C)は、表示フレームレートが、入力フレームレートの1.5倍(変換比1.5)である場合を表している。図16(C)は、横軸を時間として、表示される画像の時間的な変化の様子を、模式的に表したものである。画像1621は第pの画像、画像1622は第(p+1)の画像、画像1623は第(p+2)の画像、画像1624は第(p+3)の画像であるとする。なお、実際には表示されなくてもよいが、画像1625は入力画像データであり、第(p+1)の画像1622および第(p+2)の画像1623が作成されるために用いられていてもよい。期間Tinは、入力画像データの周期を表している。なお、図16(C)は変換比が1.5である場合を表しているため、期間Tinは、第pの画像が表示されてから第(p+1)の画像が表示されるまで期間の1.5倍の長さとなる。
ここで、第(p+1)の画像1622および第(p+2)の画像1623は、第pの画像1621から画像1625を経由して第(p+3)の画像1624までの画像の変化量を検出することで、第pの画像1621および第(p+3)の画像1624の中間状態となるように作成された画像であってもよい。図16(C)では、フレームによって位置が変化する領域(円形の領域)と、フレームによって位置がほぼ変化しない領域(三角形の領域)と、によって、中間状態の画像の様子を表している。すなわち、第(p+1)の画像1622および第(p+2)の画像1623における円形の領域の位置は、第pの画像1621における位置と、第(p+3)の画像1624における位置の中間の位置としている。つまり、第(p+1)の画像1622および第(p+2)の画像1623は、動き補償を行なって画像データを補間したものである。このように、画像上で動きのある物体に対して動き補償を行い、画像データを補間することにより、なめらかな表示を行なうことができる。
さらに、第(p+1)の画像1622および第(p+2)の画像1623は、第pの画像1621および第(p+3)の画像1624の中間状態となるように作成された上で、画像の輝度を一定の規則で制御した画像であってもよい。一定の規則とは、たとえば、図16(C)のように、第pの画像1621の代表的な輝度をL、第(p+1)の画像1622の代表的な輝度をLc1、第(p+2)の画像1623の代表的な輝度をLc2としたとき、L、Lc1、Lc2において、L>Lc1またはL>Lc2またはLc1=Lc2という関係があってもよい。望ましくは、0.1L<Lc1=Lc2<0.8Lという関係があってもよい。さらに望ましくは、0.2L<Lc=Lc2<0.5Lという関係があってもよい。または、逆にL、Lc1、Lc2において、L<Lc1またはL<Lc2またはLc1=Lc2という関係があってもよい。望ましくは、0.1Lc1=0.1Lc2<L<0.8Lc1=0.8Lc2という関係があってもよい。さらに望ましくは、0.2Lc1=0.2Lc2<L<0.5Lc1=0.5Lc2という関係があってもよい。このようにすることで、表示を擬似的にインパルス型とすることができるため、目の残像を抑えることができる。または、輝度を変化させる画像が交互に現れるようにしてもよい。こうすることで、輝度が変化する周期を短くすることができるので、フリッカを低減することができる。
このように、動画ボケに対する2つの異なる原因(画像の動きがなめらかではないこと、および目の残像)を同時に解決することによって、動画ボケを大幅に低減することができる。
なお、図16(C)の方法を用いると、表示フレームレートが小さいので、表示装置に信号を書き込む時間を長くすることができる。そのため、表示装置のクロック周波数を小さくできるので、消費電力を低減することができる。また、動き補償を行なう処理速度を遅くできるので、消費電力を低減することができる。
次に、図17を参照して、画像の代表的な輝度について説明する。図17(A)乃至(D)に示す図は、横軸を時間として、表示される画像の時間的な変化の様子を、模式的に表したものである。図17(E)は、ある領域内の画像の輝度を測定する方法の一例である。
画像の輝度を測定する方法としては、画像を構成するそれぞれの画素に対し、個別に輝度を測定する方法がある。この方法を用いると、画像の細部まで厳密に輝度を測定することができる。
ただし、画像を構成するそれぞれの画素に対し、個別に輝度を測定する方法は、非常に労力を要するため、別の方法を用いてもよい。画像の輝度を測定する別の方法としては、画像内のある領域に注目し、その領域の平均的な輝度を測定する方法がある。この方法によって、簡易に画像の輝度を測定することができる。本実施の形態においては、画像内のある領域の平均的な輝度を測定する方法によって求めた輝度を、便宜的に、画像の代表的な輝度と呼ぶこととする。
そして、画像の代表的な輝度を求めるために、画像内のどの領域に注目するかという点について、以下で説明する。
図17(A)は、画像の変化に対し、位置がほぼ変化しない領域(三角形の領域)の輝度を、画像の代表的な輝度とする方法の例を表している。期間Tinは入力画像データの周期、画像1701は第pの画像、画像1702は第(p+1)の画像、画像1703は第(p+2)の画像、第1の領域1704は第pの画像1701における輝度測定領域、第2の領域1705は第(p+1)の画像1702における輝度測定領域、第3の領域1706は第(p+2)の画像1703における輝度測定領域を、それぞれ表している。ここで、第1乃至第3の領域は、装置内の空間的な位置としては、概同じであるとしてよい。つまり、第1乃至第3の領域で画像の代表的な輝度を測定することによって、画像の代表的な輝度の時間変化を求めることができる。
画像の代表的な輝度を測定することで、表示が擬似的にインパルス型となっているかどうかを判断することができる。たとえば、第1の領域1704で測定される輝度をL、第2の領域1705で測定される輝度をLcとしたとき、Lc<Lであれば、表示は擬似的にインパルス型であるといえる。このようなときに、動画の品質は向上しているといえる。
なお、輝度測定領域において、時間の変化に対する画像の代表的な輝度の変化量(相対輝度)が、次のような範囲であると、画質を向上することができる。相対輝度としては、たとえば、第1の領域1704と第2の領域1705、第2の領域1705と第3の領域1706、第1の領域1704と第3の領域1706のそれぞれに対し、大きい方の輝度に対する小さい方の輝度の割合とすることができる。つまり、時間の変化に対する画像の代表的な輝度の変化量が0であるとき、相対輝度は100%となる。そして、相対輝度が80%以下であれば、動画の品質を向上できる。特に、相対輝度が50%以下であれば、動画の品質を顕著に向上できる。さらに、相対輝度が10%以上であれば、消費電力を低減し、かつフリッカを抑えることができる。特に、相対輝度が20%以上であれば、消費電力およびフリッカを顕著に低減することができる。すなわち、相対輝度が10%以上80%以下であれば、動画の品質を向上させ、かつ、消費電力およびフリッカを低減することができる。さらに、相対輝度が20%以上50%以下であれば、動画の品質を顕著に向上させ、かつ、消費電力およびフリッカを顕著に低減することができる。
図17(B)は、タイル状に分割された領域の輝度を測定し、その平均値を画像の代表的な輝度とする方法の例を表している。期間Tinは入力画像データの周期、画像1711は第pの画像、画像1712は第(p+1)の画像、画像1713は第(p+2)の画像、第1の領域1714は第pの画像1711における輝度測定領域、第2の領域1715は第(p+1)の画像1712における輝度測定領域、第3の領域1716は第(p+2)の画像1713における輝度測定領域を、それぞれ表している。ここで、第1乃至第3の領域は、装置内の空間的な位置としては、概同じであるとしてよい。つまり、第1乃至第3の領域で画像の代表的な輝度を測定することによって、画像の代表的な輝度の時間変化を求めることができる。
画像の代表的な輝度を測定することで、表示が擬似的にインパルス型となっているかどうかを判断することができる。たとえば、第1の領域1714で測定される輝度の全ての領域における平均値をL、第2の領域1715で測定される輝度の全ての領域における平均値をLcとしたとき、Lc<Lであれば、表示は擬似的にインパルス型であるといえる。このようなときに、動画の品質は向上しているといえる。
なお、輝度測定領域において、時間の変化に対する画像の代表的な輝度の変化量(相対輝度)が、次のような範囲であると、画質を向上することができる。相対輝度としては、たとえば、第1の領域1714と第2の領域1715、第2の領域1715と第3の領域1716、第1の領域1714と第3の領域1716のそれぞれに対し、大きい方の輝度に対する小さい方の輝度の割合とすることができる。つまり、時間の変化に対する画像の代表的な輝度の変化量が0であるとき、相対輝度は100%となる。そして、相対輝度が80%以下であれば、動画の品質を向上できる。特に、相対輝度が50%以下であれば、動画の品質を顕著に向上できる。さらに、相対輝度が10%以上であれば、消費電力を低減し、かつフリッカを抑えることができる。特に、相対輝度が20%以上であれば、消費電力およびフリッカを顕著に低減することができる。すなわち、相対輝度が10%以上80%以下であれば、動画の品質を向上させ、かつ、消費電力およびフリッカを低減することができる。さらに、相対輝度が20%以上50%以下であれば、動画の品質を顕著に向上させ、かつ、消費電力およびフリッカを顕著に低減することができる。
図17(C)は、画像の中央の領域の輝度を測定し、その平均値を画像の代表的な輝度とする方法の例を表している。期間Tinは入力画像データの周期、画像1721は第pの画像、画像1722は第(p+1)の画像、画像1723は第(p+2)の画像、第1の領域1724は第pの画像1721における輝度測定領域、第2の領域1725は第(p+1)の画像1722における輝度測定領域、第3の領域1726は第(p+2)の画像1723における輝度測定領域を、それぞれ表している。
画像の代表的な輝度を測定することで、表示が擬似的にインパルス型となっているかどうかを判断することができる。たとえば、第1の領域1724で測定される輝度をL、第2の領域1725で測定される輝度をLcとしたとき、Lc<Lであれば、表示は擬似的にインパルス型であるといえる。このようなときに、動画の品質は向上しているといえる。
なお、輝度測定領域において、時間の変化に対する画像の代表的な輝度の変化量(相対輝度)が、次のような範囲であると、画質を向上することができる。相対輝度としては、たとえば、第1の領域1724と第2の領域1725、第2の領域1725と第3の領域1726、第1の領域1724と第3の領域1726のそれぞれに対し、大きい方の輝度に対する小さい方の輝度の割合とすることができる。つまり、時間の変化に対する画像の代表的な輝度の変化量が0であるとき、相対輝度は100%となる。そして、相対輝度が80%以下であれば、動画の品質を向上できる。特に、相対輝度が50%以下であれば、動画の品質を顕著に向上できる。さらに、相対輝度が10%以上であれば、消費電力を低減し、かつフリッカを抑えることができる。特に、相対輝度が20%以上であれば、消費電力およびフリッカを顕著に低減することができる。すなわち、相対輝度が10%以上80%以下であれば、動画の品質を向上させ、かつ、消費電力およびフリッカを低減することができる。さらに、相対輝度が20%以上50%以下であれば、動画の品質を顕著に向上させ、かつ、消費電力およびフリッカを顕著に低減することができる。
図17(D)は、画像全体からサンプリングした複数の点の輝度を測定し、その平均値を画像の代表的な輝度とする方法の例を表している。期間Tinは入力画像データの周期、画像1731は第pの画像、画像1732は第(p+1)の画像、画像1733は第(p+2)の画像、第1の領域1734は第pの画像1731における輝度測定領域、第2の領域1735は第(p+1)の画像1732における輝度測定領域、第3の領域1736は第(p+2)の画像1733における輝度測定領域を、それぞれ表している。
画像の代表的な輝度を測定することで、表示が擬似的にインパルス型となっているかどうかを判断することができる。たとえば、第1の領域1734で測定される輝度の全ての領域における平均値をL、第2の領域1735で測定される輝度の全ての領域における平均値をLcとしたとき、Lc<Lであれば、表示は擬似的にインパルス型であるといえる。このようなときに、動画の品質は向上しているといえる。
なお、輝度測定領域において、時間の変化に対する画像の代表的な輝度の変化量(相対輝度)が、次のような範囲であると、画質を向上することができる。相対輝度としては、たとえば、第1の領域1734と第2の領域1735、第2の領域1735と第3の領域1736、第1の領域1734と第3の領域1736のそれぞれに対し、大きい方の輝度に対する小さい方の輝度の割合とすることができる。つまり、時間の変化に対する画像の代表的な輝度の変化量が0であるとき、相対輝度は100%となる。そして、相対輝度が80%以下であれば、動画の品質を向上できる。特に、相対輝度が50%以下であれば、動画の品質を顕著に向上できる。さらに、相対輝度が10%以上であれば、消費電力を低減し、かつフリッカを抑えることができる。特に、相対輝度が20%以上であれば、消費電力およびフリッカを顕著に低減することができる。すなわち、相対輝度が10%以上80%以下であれば、動画の品質を向上させ、かつ、消費電力およびフリッカを低減することができる。さらに、相対輝度が20%以上50%以下であれば、動画の品質を顕著に向上させ、かつ、消費電力およびフリッカを顕著に低減することができる。
図17(E)は、図17(A)乃至(D)に示す図における、輝度測定領域内の測定方法を示した図である。領域1741は注目している輝度測定領域、点1742は輝度測定領域1741内の輝度測定点である。時間分解能の高い輝度計測機器は、その測定対象範囲が小さい場合があるため、領域1741が大きい場合は、領域全てを測定するのではなく、図17(E)のように、領域1741内を点状で偏り無く、複数の点で測定し、その平均値をもって領域1741の輝度であるとしてもよい。
なお、画像がR、G、Bの3原色の組み合わせを持つ場合は、測定される輝度は、R、G、Bを合わせた輝度であってもよいし、RおよびGを合わせた輝度、GおよびBを合わせた輝度、BおよびRを合わせた輝度であってもよいし、R、G、Bそれぞれの輝度であってもよい。
次に、入力画像データに含まれる画像の動きを検出し、中間状態の画像を作成する方法、および入力画像データに含まれる画像の動き等に従って駆動方法を制御する方法について説明する。
図18を参照して、入力画像データに含まれる画像の動きを検出し、中間状態の画像を作成する方法の例について説明する。図18(A)は、表示フレームレートが、入力フレームレートの2倍(変換比が2)である場合を表したものである。図18(A)は、横軸を時間として、画像の動きを検出する方法を、模式的に表したものである。期間Tinは入力画像データの周期、画像1801は第pの画像、画像1802は第(p+1)の画像、画像1803は第(p+2)の画像を、それぞれ表している。また、画像中に、時間に依存しない領域として、第1の領域1804、第2の領域1805および第3の領域1806を設ける。
まず、第(p+2)の画像1803においては、画像をタイル状の複数の領域に分割し、そのうちの1つの領域である第3の領域1806内の画像データに着目する。
次に、第pの画像1801において、第3の領域1806を中心とした第3の領域1806よりも大きな範囲に着目する。ここで、第3の領域1806を中心とした第3の領域1806よりも大きな範囲は、データ検索範囲である。データ検索範囲は、水平方向(X方向)の範囲を1807、垂直方向(Y方向)の範囲を1808とする。なお、データ検索範囲の水平方向の範囲1807および垂直方向の範囲1808は、第3の領域1806の水平方向の範囲および垂直方向の範囲を、それぞれ15画素分程度拡大した範囲であってもよい。
そして、データ検索範囲内において、前記第3の領域1806内の画像データと最も類似した画像データを持つ領域を検索する。検索方法は、最小二乗法などを用いることができる。検索の結果、最も類似した画像データを持つ領域として、第1の領域1804が導出されたとする。
次に、導出された第1の領域1804と、第3の領域1806との位置の違いを表す量として、ベクトル1809を導出する。なお、ベクトル1809を、動きベクトルと呼ぶことにする。
そして、第(p+1)の画像1802においては、動きベクトル1809から求めたベクトル1810と、第(p+2)の画像1803における第3の領域1806内の画像データと、第pの画像1801における第1の領域1804内の画像データと、によって、第2の領域1805を形成する。
ここで、動きベクトル1809から求めたベクトル1810を変位ベクトルと呼ぶことにする。変位ベクトル1810は、第2の領域1805を形成する位置を決める役割を持つ。第2の領域1805は、第3の領域1806から変位ベクトル1810だけ離れた位置に形成される。なお、変位ベクトル1810は、動きベクトル1809に係数(1/2)をかけた量であってもよい。
第(p+1)の画像1802における第2の領域1805内の画像データは、第(p+2)の画像1803における第3の領域1806内の画像データと、第pの画像1801における第1の領域1804内の画像データによって決められるとしてもよい。たとえば、第(p+1)の画像1802における第2の領域1805内の画像データは、第(p+2)の画像1803における第3の領域1806内の画像データと、第pの画像1801における第1の領域1804内の画像データの平均値であってもよい。
このようにして、第(p+2)の画像1803における第3の領域1806に対応する、第(p+1)の画像1802における第2の領域1805を形成することができる。なお、以上の処理を、第(p+2)の画像1803における他の領域にも行なうことで、第(p+2)の画像1803と第pの画像1801の中間状態となる、第(p+1)の画像1802を形成することができる。
図18(B)は、表示フレームレートが、入力フレームレートの3倍(変換比が3)である場合を表したものである。図18(B)は、横軸を時間として、画像の動きを検出する方法を、模式的に表したものである。期間Tinは入力画像データの周期、画像1811は第pの画像、画像1812は第(p+1)の画像、画像1813は第(p+2)の画像、画像1814は第(p+3)の画像を、それぞれ表している。また、画像中に、時間に依存しない領域として、第1の領域1815、第2の領域1816、第3の領域1817および第4の領域1818を設ける。
まず、第(p+3)の画像1814においては、画像をタイル状の複数の領域に分割し、そのうちの1つの領域である第4の領域1818内の画像データに着目する。
次に、第pの画像1811において、第4の領域1818を中心とした第4の領域1818よりも大きな範囲に着目する。ここで、第4の領域1818を中心とした第4の領域1818よりも大きな範囲は、データ検索範囲である。データ検索範囲は、水平方向(X方向)の範囲を1819、垂直方向(Y方向)の範囲を1820とする。なお、データ検索範囲の水平方向の範囲1819および垂直方向の範囲1820は、第4の領域1818の水平方向の範囲および垂直方向の範囲を、それぞれ15画素分程度拡大した範囲であってもよい。
そして、データ検索範囲内において、前記第4の領域1818内の画像データと最も類似した画像データを持つ領域を検索する。検索方法は、最小二乗法などを用いることができる。検索の結果、最も類似した画像データを持つ領域として、第1の領域1815が導出されたとする。
次に、導出された第1の領域1815と、第4の領域1818との位置の違いを表す量として、ベクトル1821を導出する。なお、ベクトル1821を、動きベクトルと呼ぶことにする。
そして、第(p+1)の画像1812および、第(p+2)の画像1813においては、動きベクトル1821から求めたベクトル1822および1823と、第(p+3)の画像1814における第4の領域1818内の画像データと、第pの画像1811における第1の領域1815内の画像データと、によって、第2の領域1816および第3の領域1817を形成する。
ここで、動きベクトル1821から求めたベクトル1822を第1の変位ベクトルと呼ぶことにする。また、ベクトル1823を第2の変位ベクトルと呼ぶことにする。第1の変位ベクトル1822は、第2の領域1816を形成する位置を決める役割を持つ。第2の領域1816は、第4の領域1818から第1の変位ベクトル1822だけ離れた位置に形成される。なお、変位ベクトル1822は、動きベクトル1821に(1/3)をかけた量であってもよい。また、第2の変位ベクトル1823は、第3の領域1817を形成する位置を決める役割を持つ。第3の領域1817は、第4の領域1818から第2の変位ベクトル1823だけ離れた位置に形成される。なお、変位ベクトル1823は、動きベクトル1821に(2/3)をかけた量であってもよい。
第(p+1)の画像1812における第2の領域1816内の画像データは、第(p+3)の画像1814における第4の領域1818内の画像データと、第pの画像1811における第1の領域1815内の画像データによって決められるとしてもよい。たとえば、第(p+1)の画像1812における第2の領域1816内の画像データは、第(p+3)の画像1814における第4の領域1818内の画像データと、第pの画像1811における第1の領域1815内の画像データの平均値であってもよい。
第(p+2)の画像1813における第3の領域1817内の画像データは、第(p+3)の画像1814における第4の領域1818内の画像データと、第pの画像1811における第1の領域1815内の画像データによって決められるとしてもよい。たとえば、第(p+2)の画像1813における第3の領域1817内の画像データは、第(p+3)の画像1814における第4の領域1818内の画像データと、第pの画像1811における第1の領域1815内の画像データの平均値であってもよい。
このようにして、第(p+3)の画像1814における第4の領域1818に対応する、第(p+1)の画像1802における第2の領域1816、および第(p+2)の画像1813における第3の領域1817を形成することができる。なお、以上の処理を、第(p+3)の画像1814における他の領域にも行なうことで、第(p+3)の画像1814と第pの画像1811の中間状態となる、第(p+1)の画像1812および第(p+2)の画像1813を形成することができる。
次に、図19を参照して、入力画像データに含まれる画像の動きを検出し、中間状態の画像を作成する回路の例について説明する。図19(A)は、表示領域に画像を表示するためのソースドライバ、ゲートドライバを含む周辺駆動回路と、周辺駆動回路を制御する制御回路の接続関係を表した図である。図19(B)は、前記制御回路の詳細な回路構成の一例を表した図である。図19(C)は、前記制御回路に含まれる画像処理回路の詳細な回路構成の一例を表した図である。図19(D)は、前記制御回路に含まれる画像処理回路の詳細な回路構成の別の例を表した図である。
図19(A)のように、本実施の形態における装置は、制御回路1911と、ソースドライバ1912と、ゲートドライバ1913と、表示領域1914と、を含んでいてもよい。
なお、制御回路1911、ソースドライバ1912およびゲートドライバ1913は、表示領域1914が形成されている基板と同一の基板上に形成されていてもよい。
なお、制御回路1911、ソースドライバ1912およびゲートドライバ1913は、これらのうち一部が、表示領域1914が形成されている基板と同一の基板上に形成され、その他の回路は、表示領域1914が形成されている基板とは異なる基板上に形成されていてもよい。たとえば、ソースドライバ1912およびゲートドライバ1913が、表示領域1914が形成されている基板と同一の基板上に形成され、制御回路1911は異なる基板上に外付けICとして形成されていてもよい。同様に、ゲートドライバ1913が、表示領域1914が形成されている基板と同一の基板上に形成され、その他の回路は異なる基板上に外付けICとして形成されていてもよい。同様に、ソースドライバ1912、ゲートドライバ1913および制御回路1911の一部が、表示領域1914が形成されている基板と同一の基板上に形成され、その他の回路は異なる基板上に外付けICとして形成されていてもよい。
制御回路1911は、外部画像信号1900と、水平同期信号1901と、垂直同期信号1902と、が入力され、画像信号1903と、ソーススタートパルス1904と、ソースクロック1905と、ゲートスタートパルス1906と、ゲートクロック1907と、が出力される構成であってもよい。
ソースドライバ1912は、画像信号1903と、ソーススタートパルス1904と、ソースクロック1905と、が入力され、画像信号1903に従った電圧または電流を表示領域1914に出力する構成であってもよい。
ゲートドライバ1913は、ゲートスタートパルス1906と、ゲートクロック1907と、が入力され、ソースドライバ1912から出力される信号を表示領域1914に書き込むタイミングを指定する信号が出力される構成であってもよい。
外部画像信号1900の周波数と、画像信号1903の周波数が異なっている場合、ソースドライバ1912およびゲートドライバ1913を駆動するタイミングを制御する信号も、入力される水平同期信号1901および垂直同期信号1902とは異なる周波数を持つことになる。そのため、画像信号1903の処理に加えて、ソースドライバ1912およびゲートドライバ1913を駆動するタイミングを制御する信号も処理する必要がある。制御回路1911は、そのための機能を持った回路であってもよい。たとえば、外部画像信号1900の周波数に対して画像信号1903の周波数が倍であった場合、制御回路1911は、外部画像信号1900に含まれる画像信号を補間して倍の周波数の画像信号1903を生成し、かつ、タイミングを制御する信号も倍の周波数になるように制御する。
また、制御回路1911は、図19(B)のように、画像処理回路1915と、タイミング発生回路1916と、を含んでいてもよい。
画像処理回路1915は、外部画像信号1900と、周波数制御信号1908と、が入力され、画像信号1903が出力される構成であってもよい。
タイミング発生回路1916は、水平同期信号1901と、垂直同期信号1902と、が入力され、ソーススタートパルス1904と、ソースクロック1905と、ゲートスタートパルス1906と、ゲートクロック1907と、周波数制御信号1908と、が出力される構成であってもよい。なお、タイミング発生回路1916は、周波数制御信号1908の状態を指定するためのデータを保持するメモリまたはレジスタ等を含んでいてもよい。また、タイミング発生回路1916は、外部から周波数制御信号1908の状態を指定する信号が入力される構成であってもよい。
画像処理回路1915は、図19(C)のように、動き検出回路1920と、第1のメモリ1921と、第2のメモリ1922と、第3のメモリ1923と、輝度制御回路1924と、高速処理回路1925と、を含んでいてもよい。
動き検出回路1920は、複数の画像データが入力され、画像の動きが検出され、前記複数の画像データの中間状態である画像データが出力される構成であってもよい。
第1のメモリ1921は、外部画像信号1900が入力され、前記外部画像信号1900を一定期間保持しつつ、動き検出回路1920と第2のメモリ1922に前記外部画像信号1900を出力する構成であってもよい。
第2のメモリ1922は、第1のメモリ1921から出力された画像データが入力され、前記画像データを一定期間保持しつつ、動き検出回路1920と高速処理回路1925に前記画像データを出力する構成であってもよい。
第3のメモリ1923は、動き検出回路1920から出力された画像データが入力され、前記画像データを一定期間保持しつつ、輝度制御回路1924に前記画像データを出力する構成であってもよい。
高速処理回路1925は、第2のメモリ1922から出力された画像データと、輝度制御回路1924から出力された画像データと、周波数制御信号1908と、が入力され、前記画像データを、画像信号1903として出力する構成であってもよい。
外部画像信号1900の周波数と、画像信号1903の周波数が異なっている場合、画像処理回路1915によって、外部画像信号1900に含まれる画像信号を補間して画像信号1903を生成してもよい。入力された外部画像信号1900は、一旦第1のメモリ1921に保持される。そのとき、第2のメモリ1922には、1つ前のフレームで入力された画像データが保持されている。動き検出回路1920は、第1のメモリ1921および第2のメモリ1922に保持された画像データを適宜読み込み、両者の画像データの違いから動きベクトルを検出し、さらに、中間状態の画像データを生成してもよい。生成された中間状態の画像データは、第3のメモリ1923によって保持される。
動き検出回路1920が中間状態の画像データを生成しているとき、高速処理回路1925は、第2のメモリ1922に保持されている画像データを、画像信号1903として出力する。その後、第3のメモリ1923に保持された画像データを輝度制御回路1924を通じて画像信号1903として出力する。このとき、第2のメモリ1922および第3のメモリ1923が更新される周波数は外部画像信号1900の周波数と同じだが、高速処理回路1925を通じて出力される画像信号1903の周波数は、外部画像信号1900の周波数と異なっていてもよい。具体的には、たとえば、画像信号1903の周波数は外部画像信号1900の周波数の1.5倍、2倍、3倍が挙げられる。しかし、これに限定されるものではなく、様々な周波数とすることができる。なお、画像信号1903の周波数は、周波数制御信号1908によって指定されてもよい。
図19(D)に示した画像処理回路1915の構成は、図19(C)に示した画像処理回路1915の構成に、第4のメモリ1926を加えたものである。このように、第1のメモリ1921から出力された画像データと、第2のメモリ1922から出力された画像データに加えて、第4のメモリ1926から出力された画像データも動き検出回路1920に出力することで、正確に画像の動きを検出することが可能になる。
なお、入力される画像データが、データ圧縮等のために、すでに動きベクトルを含んでいるような場合、たとえばMPEG(Moving Picture Expert Group)の規格に基づく画像データである場合は、これを用いて中間状態の画像を補間画像として生成すればよい。このとき、動き検出回路1920に含まれる、動きベクトルを生成する部分は不要となる。また、画像信号1903に係るエンコードおよびデコード処理も簡単なものとなるため、消費電力を低減できる。
なお、本実施の形態において、様々な図を用いて述べてきたが、各々の図で述べた内容(一部でもよい)は、別の図で述べた内容(一部でもよい)に対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことが出来る。さらに、これまでに述べた図において、各々の部分に関して、別の部分を組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることが出来る。
同様に、本実施の形態の各々の図で述べた内容(一部でもよい)は、別の実施の形態の図で述べた内容(一部でもよい)対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことが出来る。さらに、本実施の形態の図において、各々の部分に関して、別の実施の形態の部分を組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることが出来る。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態で述べた内容(一部でもよい)を、具現化した場合の一例、少し変形した場合の一例、一部を変更した場合の一例、改良した場合の一例、詳細に述べた場合の一例、応用した場合の一例、関連がある部分についての一例などを示している。したがって、他の実施の形態で述べた内容は、本実施の形態への適用、組み合わせ、又は置き換えを自由に行うことができる。
(実施の形態2)
本実施の形態においては、表示装置の画像の品質を向上させる方法の、更なる応用例について説明する。主なものとしては、様々な状況に対して駆動方法を変化させるものである。なお、ここでいう状況とは、画像データの内容、装置内外の環境(温度、湿度、気圧、光、音、磁界、電界、放射線量、高度、加速度、移動速度、等)、ユーザ設定、ソフトウエアバージョン、等を含む。
図20を参照して、入力画像データに含まれる画像の動きを検出し、中間状態の画像を作成する方法の例について説明する。図20(A)乃至(E)は、表示フレームレートが、入力フレームレートの2倍である場合に表示される画像の模式図を表したものである。図20(A)は、横軸を時間として、画像の動きを検出する方法を、模式的に表したものである。期間Tinは入力画像データの周期、画像2001は第pの画像、画像2002は第(p+1)の画像、画像2003は第(p+2)の画像を、それぞれ表している。また、画像中に、時間に依存しない領域として、第1の領域2004、第2の領域2005、第3の領域2006、第4の領域2007、第5の領域2008、第6の領域2009、を設ける。
第(p+2)の画像2003における第3の領域2006、および第pの画像2001における第1の領域2004から、第(p+1)の画像2002における第2の領域2005を求める方法については、既に述べた方法を用いてもよい。つまり、図20における第pの画像2001、第(p+1)の画像2002、第(p+2)の画像2003、第1の領域2004、第2の領域2005、第3の領域2006、動きベクトル2010および変位ベクトル2011を、それぞれ、図18における第pの画像1801、第(p+1)の画像1802、第(p+2)の画像1803、第1の領域1804、第2の領域1805、第3の領域1806、動きベクトル1809および変位ベクトル1810に対応しているとしてもよい。
第4の領域2007および第6の領域2009は、それぞれの領域に含まれる画像データが、第pの画像2001および第(p+2)の画像2003において、ほぼ動いていない状態である場合を示している。このとき、第5の領域2008に生成される画像データは、第pの画像2001における第4の領域2007内の画像データと、第(p+2)の画像2003における第6の領域2009内の画像データの平均値であってもよいが、図20(A)のように、輝度の小さい黒画像であってもよい。すなわち、画像の動きの大きい領域においては中間状態の画像を生成し、画像の動きの小さい領域においては黒画像を生成するとしてもよい。こうすることで、第(p+1)の画像2002の代表的な輝度が小さくなり、表示を擬似的にインパルス型とすることができる。このように、動き補償により画像を補間した上で、表示する画像間で代表的な輝度の差を設けて表示を擬似的にインパルス型としてもよい。こうすることで、動きをなめらかにすることができ、かつ、目の残像を抑えることができるので、動画ボケを大幅に低減することができる。
なお、中間状態の画像を生成するか、黒画像を生成するかを決める場合、動きベクトル2010の大きさに閾値を設けることとしてもよい。動きベクトル2010の大きさの閾値としては、3画素分であることが望ましく、さらに望ましくは2画素分である。
図20(B)は、図20(A)に示した中間画像の生成方法を用いた場合の、画像の切り替わりを表した模式図である。期間Tinは入力画像データの周期、画像2021は第pの画像、画像2022は第(p+1)の画像、画像2023は第(p+2)の画像を、それぞれ表している。また、走査信号によって画像を走査する様子を、矢印2024、2025、2026によって表している。
図20(B)においては、フレームによって位置が変化する領域(円形の領域)と、フレームによって位置がほぼ変化しない領域(三角形の領域)が、同時に含まれている画像を例としてあげている。このとき、図20(B)に示す駆動方法では、画像の動きによって検出された動きベクトルが大きい領域と小さい領域で、第(p+1)の画像2022の生成方法を変える。具体的には、動きベクトルが大きい領域(ここでは主に円形の領域)では中間状態とし、動きベクトルが小さい領域(ここでは主に三角形の領域)では黒画像とする。こうすることで、第(p+1)の画像2022の代表的な輝度が小さくなり、表示を擬似的にインパルス型とすることができる。このように、動き補償により画像を補間した上で、表示する画像間で代表的な輝度の差を設けて表示を擬似的にインパルス型としてもよい。こうすることで、動きをなめらかにすることができ、かつ、目の残像を抑えることができるので、動画ボケを大幅に低減することができる。
なお、図20(B)において、第(p+1)の画像2022の画像データを表示領域に書き込むときに、積極的に黒データを書き込むのではなく、画像が大きく動いている部分のみに書き込みを行い、画像があまり動いていない部分においては、書き込みをせず、第pの画像2021のデータを保持する駆動としてもよい。この場合、第pの画像2021のデータを書き込むときは、走査信号を矢印2024のように全体に走査させる。次に、第(p+1)の画像2022のデータを書き込むときは、走査信号を矢印2025のように、動きの大きい領域のみに走査させる。第(p+2)の画像2023のデータを書き込むときは、走査信号を矢印2026のように全体に走査させる。こうすることで、動きが小さく、中間状態の画像を表示する必要のない部分にはデータ書き込みをしなくてもよくなるため、消費電力を低減できる。また、第(p+1)の画像2022を生成する際にノイズが混入しないので、画質を向上することができる。
図20(C)乃至(E)は、フレームによって位置が変化する領域(円形の領域)と、フレームによって位置がほぼ変化しない領域(三角形の領域)が、同時に含まれている画像を例としてあげている。そして、フレームによって位置が変化する領域において、動きの大きさがそれぞれ異なっている場合を表している。
図20(C)において、期間Tinは入力画像データの周期、画像2031は第pの画像、画像2032は第(p+1)の画像、画像2033は第(p+2)の画像を、それぞれ表している。ここで、第(p+1)の画像2032は、第pの画像2031から第(p+2)の画像2033までの画像の変化量(動きベクトル)を検出することで、第pの画像2031および第(p+2)の画像2033の中間状態となるように作成された画像であってもよい。さらに、第(p+1)の画像2032は、第pの画像2031および第(p+2)の画像2033の中間状態となるように作成された上で、画像の輝度を一定の規則で制御した画像であってもよい。一定の規則とは、具体的には、動きベクトルの大きさによって決められるとしてもよい。
図20(D)において、期間Tinは入力画像データの周期、画像2041は第pの画像、画像2042は第(p+1)の画像、画像2043は第(p+2)の画像を、それぞれ表している。ここで、第(p+1)の画像2042は、第pの画像2041から第(p+2)の画像2043までの画像の変化量(動きベクトル)を検出することで、第pの画像2041および第(p+2)の画像2043の中間状態となるように作成された画像であってもよい。さらに、第(p+1)の画像2042は、第pの画像2041および第(p+2)の画像2043の中間状態となるように作成された上で、画像の輝度を一定の規則で制御した画像であってもよい。一定の規則とは、具体的には、動きベクトルの大きさによって決められるとしてもよい。
図20(E)において、期間Tinは入力画像データの周期、画像2051は第pの画像、画像2052は第(p+1)の画像、画像2053は第(p+2)の画像を、それぞれ表している。ここで、第(p+1)の画像2052は、第pの画像2051から第(p+2)の画像2053までの画像の変化量(動きベクトル)を検出することで、第pの画像2051および第(p+2)の画像2053の中間状態となるように作成された画像であってもよい。さらに、第(p+1)の画像2052は、第pの画像2051および第(p+2)の画像2053の中間状態となるように作成された上で、画像の輝度を一定の規則で制御した画像であってもよい。一定の規則とは、具体的には、動きベクトルの大きさによって決められるとしてもよい。
図20(C)乃至(E)において、フレームによって位置が変化する領域(円形の領域)の動きが一番大きいのが図20(D)に示す駆動方法であり、その次に大きいのが図20(C)に示す駆動方法であり、その次に大きいのが図20(E)に示す駆動方法であるとする。このとき、補間画像の輝度は、検出された動きベクトルの大きさから決められるとしてもよい。
すなわち、図20(C)における第(p+1)の画像2032の輝度をLc0とし、図20(D)における第(p+1)の画像2042の輝度をLc1とし、図20(E)における第(p+1)の画像2052の輝度をLc2としたとき、Lc0、Lc1、Lc2は、Lc1<Lc0<Lc2という関係があってもよい。つまり、フレームによって位置が変化する領域の動きが大きいほど、補間画像の輝度を小さくするようにしてもよい。こうすることで、画像の動きが大きく、動画ボケが強く発生してしまう場合には、表示をより擬似的にインパルス型に近づけることができる。このように、動き補償により画像を補間した上で、表示する画像間で代表的な輝度の差を設けて表示を擬似的にインパルス型としてもよい。こうすることで、動きをなめらかにすることができ、かつ、目の残像を抑えることができるので、動画ボケを大幅に低減することができる。
なお、画像の動きが小さく、動画ボケがあまり発生しない場合には、表示をホールド型に近づけることができるので、フリッカおよび消費電力を低減することができる。
なお、画像の輝度が制御される量は、検出された動きベクトルの大きさだけではなく、ユーザによる設定または外部の環境(周囲の明るさ、温度など)、またはこれらの組み合わせから決められるとしてもよい。
次に、図21を参照して、画像の動きと表示フレームレートを関係付ける方法について説明する。図21(A)乃至(C)は、横軸を時間として、表示される画像の時間的な変化の様子を、模式的に表したものである。また、図21(A)乃至(C)は、フレームによって位置が変化する領域(円形の領域)と、フレームによって位置がほぼ変化しない領域(三角形の領域)と、によって、中間状態の画像の様子を表している。図21(A)は、表示フレームレートが、入力フレームレートの2倍である場合を表している。図21(B)は、表示フレームレートが、入力フレームレートの3倍である場合を表している。図21(C)は、表示フレームレートが、入力フレームレートの1.5倍である場合を表している。
図21(A)において、期間Tinは、入力画像データの周期を表している。画像2101は第pの画像、画像2102は第(p+1)の画像、画像2103は第(p+2)の画像、画像2104は第(p+3)の画像、画像2105は第(p+4)の画像を、それぞれ表している。
図21(A)において、第(p+1)の画像2102は、第pの画像2101から第(p+2)の画像2103までの画像の変化量を検出することで、第pの画像2101および第(p+2)の画像2103の中間状態となるように作成された画像であってもよい。同様に、第(p+3)の画像2104は、第(p+2)の画像2103から第(p+4)の画像2105までの画像の変化量を検出することで、第(p+2)の画像2103および第(p+4)の画像2105の中間状態となるように作成された画像であってもよい。
図21(B)において、期間Tinは、入力画像データの周期を表している。画像2111は第pの画像、画像2112は第(p+1)の画像、画像2113は第(p+2)の画像、画像2114は第(p+3)の画像、画像2115は第(p+4)の画像、画像2116は第(p+5)の画像、画像2117は第(p+6)の画像を、それぞれ表している。
図21(B)において、第(p+1)の画像2112および第(p+2)の画像2113は、第pの画像2111から第(p+3)の画像2114までの画像の変化量を検出することで、第pの画像2111および第(p+3)の画像2114の中間状態となるように作成された画像であってもよい。同様に、第(p+4)の画像2115および第(p+5)の画像2116は、第(p+3)の画像2114から第(p+6)の画像2117までの画像の変化量を検出することで、第(p+3)の画像2114および第(p+6)の画像2117の中間状態となるように作成された画像であってもよい。
図21(C)において、期間Tinは、入力画像データの周期を表している。画像2121は第pの画像、画像2122は第(p+1)の画像、画像2123は第(p+2)の画像、画像2124は第(p+3)の画像を、それぞれ表している。なお、実際には表示されなくてもよいが、画像2125は入力画像データであり、第(p+1)の画像2122および第(p+2)の画像2123が作成されるために用いられていてもよい。
図21(C)において、第(p+1)の画像2122および第(p+2)の画像2123は、第pの画像2121から第(p+4)の画像2125を通じて第(p+3)の画像2124までの画像の変化量を検出することで、第pの画像2121および第(p+3)の画像2124の中間状態となるように作成された画像であってもよい。
ここで、図21(A)乃至(C)においては、それぞれの基本画像における、フレームによって位置が変化する領域の動きの大きさが異なっている。すなわち、図21(B)で示す画像(表示フレームレート3倍)が画像の動きが一番大きく、その次に大きいのが図21(A)で示す画像(表示フレームレート2倍)、その次に大きいのが図21(C)で示す画像(表示フレームレート1.5倍)である。このように、画像の動きの大きさに従って、表示フレームレートの周波数を変更して表示させてもよい。こうすることによって、画像の動きの大きさに対して適切な駆動周波数を選択することができるので、動画のなめらかさを向上することによって動画ボケを効果的に低減しつつ、消費電力の増加および処理量の増加による発熱の増加も低減することができる。また、画像の動きが小さいときのフリッカも低減することができる。
なお、表示フレームレートは、検出された動きベクトルの大きさだけではなく、ユーザによる設定または外部の環境(周囲の明るさ、温度など)、またはこれらの組み合わせから決められるとしてもよい。
さらに、図21(A)乃至(C)における補間画像は、複数の基本画像の中間状態となるように作成された上で、画像の輝度を一定の規則で制御した画像であってもよい。一定の規則とは、具体的には、動きベクトルの大きさ、ユーザによる設定または外部の環境(周囲の明るさ、温度など)、またはこれらの組み合わせから決められるとしてもよい。このように、動き補償により画像を補間した上で、表示する画像間で代表的な輝度の差を設けて表示を擬似的にインパルス型としてもよい。こうすることで、動きをなめらかにすることができ、かつ、目の残像を抑えることができるので、動画ボケを大幅に低減することができる。
次に、図22を参照して、画像の動きと駆動方法を関係付ける方法について説明する。図22(A)乃至(E)は、横軸を時間として、表示される画像の時間的な変化の様子を、模式的に表したものである。また、図22(A)乃至(E)は、フレームによって位置が変化する領域(円形の領域)と、フレームによって位置がほぼ変化しない領域(三角形の領域)と、によって、中間状態の画像の様子を表している。
図22(A)において、期間Tinは、入力画像データの周期を表している。画像2201は第pの画像、画像2202は第(p+1)の画像、画像2203は第(p+2)の画像を、それぞれ表している。ここで、第(p+1)の画像2202は、第pの画像2201から第(p+2)の画像2203までの画像の変化量(動きベクトル)を検出することで、第pの画像2201および第(p+2)の画像2203の中間状態となるように作成された画像であってもよい。さらに、第(p+1)の画像2202は、第pの画像2201および第(p+2)の画像2203の中間状態となるように作成された上で、画像の輝度を一定の規則で制御した画像であってもよい。一定の規則とは、具体的には、動きベクトルの大きさ、ユーザによる設定または外部の環境(周囲の明るさ、温度など)、またはこれらの組み合わせから決められるとしてもよい。
図22(A)は、入力される画像データから、画像が動いている量を検出し、中間状態となるような画像を補間画像とし、かつ、補間画像の輝度を変化させる方法である。本実施の形態においては、図22(A)に示す駆動方法を、輝度制御倍速駆動と呼ぶ。
図22(B)において、期間Tinは、入力画像データの周期を表している。画像2211は第pの画像、画像2212は第(p+1)の画像、画像2213は第(p+2)の画像を、それぞれ表している。ここで、第(p+1)の画像2212は、第pの画像2211から第(p+2)の画像2213までの画像の変化量(動きベクトル)を検出することで、第pの画像2211および第(p+2)の画像2213の中間状態となるように作成された画像であってもよい。さらに、第(p+1)の画像2212は、第pの画像2211および第(p+2)の画像2213の中間状態となるように作成された上で、表示フレームレートを一定の規則で制御した画像であってもよい。一定の規則とは、具体的には、動きベクトルの大きさ、ユーザによる設定または外部の環境(周囲の明るさ、温度など)、またはこれらの組み合わせから決められるとしてもよい。
図22(B)は、複数のフレームに含まれる画像データから、画像が動いている量を検出し、該複数のフレームに含まれる画像の中間状態となるような画像を補間画像として、表示フレームレートを入力フレームレートよりも大きくする方法である。本実施の形態においては、図22(B)に示す駆動方法を、倍速駆動と呼ぶ。
図22(C)において、期間Tinは、入力画像データの周期を表している。画像2221は第pの画像、画像2222は第(p+1)の画像、画像2223は第(p+2)の画像を、それぞれ表している。ここで、第(p+1)の画像2222は、第pの画像2221の輝度を一定の規則で制御した画像であってもよい。一定の規則とは、具体的には、動きベクトルの大きさ、ユーザによる設定または外部の環境(周囲の明るさ、温度など)、またはこれらの組み合わせから決められるとしてもよい。
図22(C)は、補間画像として暗画像または黒画像を用いることで、表示を擬似的にインパルス型とする方法である。本実施の形態においては、図22(C)に示す駆動方法を、黒画像挿入駆動と呼ぶ。
図22(D)において、期間Tinは、入力画像データの周期を表している。画像2231は第pの画像、画像2232は第(p+1)の画像、画像2233は第(p+2)の画像を、それぞれ表している。ここで、第(p+1)の画像2232は、第pの画像2231の画像データにしたがって、一定の規則で生成された画像であってもよい。一定の規則とは、具体的には、動きベクトルの大きさ、ユーザによる設定または外部の環境(周囲の明るさ、温度など)、またはこれらの組み合わせから決められるとしてもよい。
図22(D)は、第pの画像2231の階調レベルを大きくし、輝度が飽和した部分について、第(p+1)の画像2232を補間画像として表示し、第pの画像2231の階調を補うことで、表示を擬似的にインパルス型とする方法であってもよい。
本実施の形態においては、図22(D)に示す駆動方法を、時分割階調制御駆動と呼ぶ。
図22(E)において、期間Tinは、入力画像データの周期を表している。画像2241は第pの画像、画像2243は第(p+2)の画像を、それぞれ表している。
図22(E)は、基本画像を入力画像データの周期にわたって表示し続ける、ホールド型駆動を表している。
ここで、図22(A)乃至(E)においては、それぞれの基本画像における、フレームによって位置が変化する領域の動きの大きさが異なっている。すなわち、図22(A)示す画像(輝度制御倍速駆動)が画像の動きが一番大きく、その次に大きいのが図22(B)で示す画像(倍速駆動)、その次に大きいのが図22(C)で示す画像(黒画像挿入駆動)、その次に大きいのが図22(D)で示す画像(時分割階調制御駆動)、その次に大きいのが図22(E)で示す画像(ホールド型駆動)である。このように、画像の動きの大きさに従って、駆動方法を変更して表示させてもよい。こうすることによって、画像の動きの大きさに対して適切な駆動方法を選択することができるので、動画ボケを効果的に低減しつつ、消費電力の増加および処理量の増加による発熱の増加も低減することができる。また、画像の動きが小さいときのフリッカも低減することができる。
次に、図23を参照して、画像の動きおよび周囲の明るさによって駆動方法を選択するフローチャートについて説明する。
開始後に、第1のステップとして、周囲の明るさを検出するかどうかを選択する。選択する場合は、第2のステップに進む。選択しない場合は、第6のステップに進む。なお、周囲の明るさを検出しない場合には、装置が周囲の明るさを検出する手段を持たない場合も含んでいる。
第2のステップとして、周囲の明るさを検出する。その後、第3のステップに進む。
第3のステップとして、第2のステップで検出した明るさが、あらかじめ決められた明るさの閾値以下かどうかを判断する。明るさの閾値以下だった場合は、第4のステップに進む。明るさの閾値より大きかった場合は、第5のステップに進む。なお、明るさの閾値は、装置内のメモリに保持されていてもよい。また、明るさの閾値は、ユーザが指定できるような構成であってもよい。
第4のステップとして、液晶表示装置のようにバックライトを有する装置である場合、バックライト点滅モードを選択する。その後、第5のステップに進む。なお、バックライトを有さない装置である場合は、そのまま第5のステップに進む。なお、バックライト点滅モードとは、バックライト全体の輝度を一斉に増減させるものでもよいし、バックライトの一部分の輝度を順次増減させるものであってもよい。なお、バックライト点滅モードを選択した場合、バックライトの最大輝度が同じであれば、平均輝度が小さくなるのでバックライトは暗くなってしまうが、周囲の明るさが閾値以下であれば、バックライトが暗くなることで表示が見やすくなり、黒浮きが低減され、かつ、消費電力を低減することができる。
第5のステップとして、液晶表示装置のようにバックライトを有する装置である場合、バックライト出力を決定する。その後、第6のステップに進む。なお、バックライトを有さない装置である場合は、そのまま第6のステップに進んでもよいし、検出した明るさによって最大輝度を決定し、その後に第6のステップに進んでもよい。なお、周囲の明るさが小さいほど、バックライト出力も小さくするのが望ましい。こうすることによって、黒浮きを低減しつつ、消費電力を低減することができる。
第6のステップとして、動きベクトルεを検出する。その後、第7のステップに進む。なお、動きベクトルεは、ここではスカラー量として取り扱う。
なお、第6のステップにおいて、画像から検出する動きベクトルεは、1つの動きベクトルであってもよいし、複数の動きベクトルから求めたものであってもよい。たとえば、複数の動きベクトルを検出し、検出された動きベクトルの大きさと数から、駆動法の選択に使用する動きベクトルεを求めてもよい。
第7のステップとして、動きベクトルεが動きベクトルの第1の閾値ε1よりも大きいかどうかを判断する。この条件に当てはまる場合は、第12のステップに進む。そうでない場合は、第8のステップに進む。
第8のステップとして、動きベクトルεが動きベクトルの第2の閾値ε2よりも大きく、第1の閾値ε1以下かどうかを判断する。この条件に当てはまる場合は、第13のステップに進む。そうでない場合は、第9のステップに進む。
第9のステップとして、動きベクトルεが動きベクトルの第3の閾値ε3よりも大きく、第2の閾値ε2以下かどうかを判断する。この条件に当てはまる場合は、第14のステップに進む。そうでない場合は、第10のステップに進む。
第10のステップとして、動きベクトルεが動きベクトルの第4の閾値ε4よりも大きく、第3の閾値ε3以下かどうかを判断する。この条件に当てはまる場合は、第15のステップに進む。そうでない場合は、第11のステップに進む。
第11のステップとして、ホールド型駆動(図22(E))を選択する。その後、第16のステップに進む。
第12のステップとして、輝度制御倍速駆動(図22(A))を選択する。その後、第16のステップに進む。
第13のステップとして、倍速駆動(図22(B))を選択する。その後、第16のステップに進む。
第14のステップとして、黒画像挿入駆動(図22(C))を選択する。その後、第16のステップに進む。
第15のステップとして、時分割階調制御駆動(図22(D))を選択する。その後、第16のステップに進む。
第16のステップとして、選択した駆動方法を、一定期間維持する。その後、終了する。
なお、第16のステップにおいて、駆動法を維持する期間は、適宜選択することができる。たとえば、1フレームごとに検出した動きベクトルによって1フレームごとに駆動法を切替えてもよいし、数秒単位で駆動法を切替えてもよいし、数分単位で駆動法を切替えてもよいし、ユーザが設定した表示モード等によって駆動方法を維持する期間を決定してもよい。
このように、図23に示したフローチャートに従って駆動方法を選択することで、画像の動きの大きさに対して適切な駆動方法を選択することができるので、動画ボケを効果的に低減しつつ、消費電力の増加および処理量の増加による発熱の増加も低減することができる。また、画像の動きが小さいときのフリッカも低減することができる。
なお、ここでは動きベクトルの閾値を4つ設定し、これらに従って5つの駆動方法から1つ選択するとしたが、選択できる駆動方法の内容は、上述したものに限定されず、様々な駆動方法を用いることができる。また、選択できる駆動方法の数は、あまり大きいと駆動回路が複雑になり、処理も複雑になるため、5種類以下が望ましい。こうすることで、製造コストを低減できる。また、消費電力を低減できる。
なお、動きベクトルの閾値ε1乃至ε4の大小関係は、0<ε4<ε3<ε2<ε1であってもよい。
なお、本実施の形態において、様々な図を用いて述べてきたが、各々の図で述べた内容(一部でもよい)は、別の図で述べた内容(一部でもよい)に対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことが出来る。さらに、これまでに述べた図において、各々の部分に関して、別の部分を組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることが出来る。
同様に、本実施の形態の各々の図で述べた内容(一部でもよい)は、別の実施の形態の図で述べた内容(一部でもよい)対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことが出来る。さらに、本実施の形態の図において、各々の部分に関して、別の実施の形態の部分を組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることが出来る。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態で述べた内容(一部でもよい)を、具現化した場合の一例、少し変形した場合の一例、一部を変更した場合の一例、改良した場合の一例、詳細に述べた場合の一例、応用した場合の一例、関連がある部分についての一例などを示している。したがって、他の実施の形態で述べた内容は、本実施の形態への適用、組み合わせ、又は置き換えを自由に行うことができる。
(実施の形態3)
本実施の形態においては、1フレームを2つ以上の複数のサブフレームに分割し、これらの複数のサブフレームを、主に画像表示に用いるもの(明画像)と、主に動画の残像低減のために用いるもの(暗画像)とに使い分けることで、動画の品質を向上する方法について説明する。
ここで、黒画像と暗画像の違いを説明する。黒画像は、画像を形成する全ての画素が、非発光状態または非透過状態となっている画像であり、まさに真っ黒な画像であるとする。一方、暗画像は、画像を形成する画素のうち、比較的小さい輝度で発光している画素が、主であるときに形成される画像であるとする。すなわち、暗画像とは、画像を形成する全ての画素の総発光量が、対応する明画像と比較して小さい画像であるとする。この定義に従えば、暗画像として黒画像が用いられる場合もあり得る。
次に、積分輝度について説明する。一般的に、表示装置に並置された画素の集合として形成された画像は、そのままの画像として人間に知覚されるとは限らない。
第1に、画素のサイズが十分小さい場合には、分散して配置されている画素であっても、人間の目は空間的に近接した画素と判別できなくなる。たとえば、近接した画素の発光色が違うときは、発光色の違いは知覚されず、近接した画素同士で混ざり合った色として知覚される。この性質は並置混色と呼ばれ、これによりカラー画像を表示させることができる。また、近接した画素で輝度が異なれば、知覚されるのは近接した画素の輝度の中間値となる。この性質を利用して中間輝度を表現する技術としては、ディザ拡散、誤差拡散等の階調補間技術がある。また、発光領域の面積にしたがって階調を表現する面積階調法もこれに含まれる。
第2に、画素が発光している時間が十分小さく、かつ、時間的に分散させて複数回発光させた場合には、人間の目は時間的に近接した輝度の違いが判別できなくなる。例えば、輝度の大きい発光と小さい発光を連続して行なった場合、その画素は、両者の中間の輝度で発光したと知覚される。この性質を利用して中間輝度を表現する技術は、時間階調法と呼ばれる。また、時間的に近接して発光色が異なれば、その画素の発光色は、近接した時間同士で混ざり合った色として知覚される。この性質を利用してカラー画像を表示させる技術としては、フィールドシーケンシャル法がある。
ここで、時間的に分散させて複数回発光させた場合に、人間の目が時間的に近接した輝度の違いが判別できなくなることは、人間の目の時間周波数特性に関係する。人間の目は、ある臨界値より大きな周波数で変動する輝度は、変動しているとは知覚されず、一定の輝度で光り続けているように見える。このとき、人間の目が感じる輝度は、輝度を時間で積分した値(積分輝度)に依存する。
一方、ある臨界値以下の周波数では、人間の目には、輝度の変化がフリッカ(ちらつき)としてそのまま知覚される。この臨界値は、輝度に依存するが、大体数十Hz(周期は十〜数十msec)である。すなわち、積分輝度とは、人間の目には輝度変化が知覚されない数十msecまでの時間範囲で、輝度を時間積分した値であるとする。
次に、図2を参照して、1フレームを複数のサブフレームに分割した場合に、積分輝度を定式化して表すことを説明する。図2の(A)の実線は、一例として、1フレームを2つのサブフレームに分割したときの、1フレーム中の画素の輝度の時間変化の一例を示したものである。
図2の(A)において、1フレーム期間の長さをTin、第1のサブフレームの期間の長さをT1、第2のサブフレームの期間の長さをT2、第1のサブフレーム期間における画素の平均輝度をX1、第2のサブフレーム期間における画素の平均輝度をX2、とすると、第1のサブフレーム期間における積分輝度は、T1とX1の積となる。同様に、第2のサブフレーム期間における積分輝度は、T2とX2の積となる。
なお、実際に表示装置として用いるデバイスの特性上、輝度の時間変化が、図2の(A)の実線のようになり難い場合もある。たとえば、液晶を用いた表示装置の場合、輝度変化が、図2の(A)の破線で示すように、緩やかに変化する。このような場合、厳密には輝度の時間積分をとることで積分輝度を定義するが、本実施の形態では、簡単のため、平均輝度とサブフレーム期間の積で積分輝度を定義することにする。このように、各サブフレーム期間における輝度は一定でなくてもよい。
図2の(B)に、表示する階調に対する、1フレーム期間における積分輝度の配分の一例を示す。横軸は階調であり、縦軸は1フレーム期間における積分輝度である。図2の(B)では、階調0から階調255までを表示する場合を表している。なお、階調5から階調251までは、表示を省略している。各階調において、網掛けで示した部分は、第1のサブフレーム期間における積分輝度を表し、白地で示した部分は、第2のサブフレーム期間における積分輝度を表す。
このように、1フレーム期間における積分輝度は、第1のサブフレーム期間における積分輝度と、第2のサブフレーム期間における積分輝度の和として表現できる。そして、これらの積分輝度の配分は、表示する階調によって個別に設定できる。
ここで、1フレーム期間を分割するサブフレーム期間の数は、2以上の整数であればよい。このことを定式化すると、以下のように表現することができる。すなわち、1フレーム期間は、n個(nは2以上の整数)のサブフレーム期間に分割され、第i(iは1以上n以下の整数)のサブフレーム期間における前記表示素子の平均輝度をXi、第iのサブフレーム期間の長さをTiとしたとき、輝度の時間に関する関数X(t)を、前記1フレーム期間で時間積分した積分輝度Yは、数式3のように表すことができる。
なお、第iのサブフレーム期間の長さTiは、全てのサブフレーム期間で概ね等しいことが望ましい。それは、画素に画像データを書き込む期間(アドレス期間)は、全てのサブフレーム期間の長さが等しいときに、一番長くすることができるからである。アドレス期間が長ければ、表示装置の周辺駆動回路の動作周波数を遅くすることができるので、消費電力を低減できる。また、表示装置の歩留まりも向上する。ただし、これに限定されず、Tiがサブフレーム期間によって異なっていてもよい。たとえば、明画像を表示するサブフレーム期間の長さの方が長い場合は、消費電力を大きくすることなく、バックライトユニットの平均輝度を上げることができる。また、バックライトユニットの平均輝度を変えることなく、消費電力を小さくすることができる。すなわち、発光の効率を向上できる。また、暗画像を表示するサブフレーム期間の長さの方が長い場合は、動画の品質の向上が顕著であるという利点を有する。
本実施の形態においては、サブフレームの分割数nは2であり、かつ、それぞれのサブフレーム期間の長さは等しい場合について説明する。また、1フレーム期間の前半に位置するサブフレーム期間を1SF、後半に位置するサブフレーム期間を2SFと表記する。
図1は、本実施の形態における、表示する階調に対する2つのサブフレーム期間への輝度の配分方法を表す図である。図1の(A)は、2SFにおける輝度が1SFにおける輝度より大きい場合を示しており、図1の(B)は、1SFにおける輝度が2SFにおける輝度より大きい場合を示している。
まず、図1の(A)を参照して説明する。図1の(A)の横軸は時間であり、縦の実線はフレームの境界を表している。また、縦の破線は、サブフレームの境界を表している。縦軸は輝度である。すなわち、図1の(A)は、時間とともに輝度が上昇していく場合において、ある画素の輝度の時間に対する変化を、5フレームにわたって表示しているものである。
横軸の下方に表示されているのは、そのフレームにおいて、どの程度の階調が表されるかを示したものである。すなわち、図1の(A)においては、最初に最低階調を表示し、それから、低階調側の中間調、中程度の中間調、高階調側の中間調、最高階調の順で階調を表示していったときの、ある画素の輝度の時間に対する変化を示している。
黒画像を挿入することで動画の品質は向上するが、本実施の形態において説明する表示装置の駆動方法の特徴は、黒画像ではなく、黒に近い、暗い画像(暗画像)を挿入することによって、動画の品質を向上させる点である。すなわち、1フレーム期間を2つのサブフレーム期間1SFと2SFに分割し、最高階調を表示するときにおける1SFにおける輝度を、2SFにおける輝度よりも小さい輝度で発光させることにより、動画の品質の向上を実現し、1フレーム期間における輝度を一定に保つ。
階調の表現方法としては、まず、最低階調から中程度の中間調に至るまでの範囲では、2SFにおける輝度の大小によって表現する。そして、2SFにおける輝度が最大値Lmax2となってからは、2SFにおける輝度はLmax2に固定した上で、1SFにおける輝度の大小によって、階調を表現する。そして、最高階調を表現するとき、1SFにおける輝度Lmax1が、Lmax2よりも小さいと、動画の品質を向上する上で、好適である。
すなわち、最高階調近傍においても、輝度を維持する時間(ホールド時間)を短くすることで、全ての階調範囲において残像が低減するので、動画の品質を良好なものとすることができる。かつ、最高階調のときに、1SFにおいて、黒画像ではなく暗画像を表示させることで、Lmax1の輝度を小さくすることができる。したがって、消費電力を低減することができる。
なお、動画の品質を向上するためには、Lmax1をLmax2の90%以下、より好ましくは60%以下とするのが好適である。また、Lmax1を大きくして1フレーム内の最高輝度を抑制し、消費電力を抑えるためには、Lmax1をLmax2の50%以上とするのが好適である。すなわち、1SFで暗画像を挿入する場合、Lmax1は、(1/2)Lmax2<Lmax1<(9/10)Lmax2という範囲内であるのが好適であり、より好ましくは、(1/2)Lmax2<Lmax1<(3/5)Lmax2範囲内であるのが好ましい。
なお、1フレーム期間の長さは、フリッカの起こりにくい1/60秒以下であることが望ましい。ただし、1フレーム期間の長さを短くすればするほど、周辺駆動回路の動作周波数が大きくなり、消費電力が増大してしまうので、1フレーム期間の長さは、1/120秒から1/60までの間であることが好適である。
次に、1SFにおける輝度が2SFにおける輝度より大きい場合に関して、図1の(B)を参照して説明する。図1の(B)の横軸は時間であり、縦の実線はフレームの境界を表している。また、縦の破線は、サブフレームの境界を表している。縦軸は輝度である。すなわち、図1の(B)は、ある画素の輝度の時間に対する変化を、5フレームにわたって表示しているものである。図1の(A)では、1SFの方が2SFよりも輝度が小さかったが、これに限定されない。すなわち、図1の(B)に示したように、1フレーム期間を2つのサブフレーム期間1SFと2SFに分割し、最高階調を表示するときにおける2SFにおける輝度を、1SFにおける輝度よりも小さい輝度で発光させることにより、動画の品質の向上を実現できる。このように、1SFと2SFの順序を逆にすることは可能である。
なお、本実施の形態において、様々な図を用いて述べてきたが、各々の図で述べた内容(一部でもよい)は、別の図で述べた内容(一部でもよい)に対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことが出来る。さらに、これまでに述べた図において、各々の部分に関して、別の部分を組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることが出来る。
同様に、本実施の形態の各々の図で述べた内容(一部でもよい)は、別の実施の形態の図で述べた内容(一部でもよい)対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことが出来る。さらに、本実施の形態の図において、各々の部分に関して、別の実施の形態の部分を組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることが出来る。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態で述べた内容(一部でもよい)を、具現化した場合の一例、少し変形した場合の一例、一部を変更した場合の一例、改良した場合の一例、詳細に述べた場合の一例、応用した場合の一例、関連がある部分についての一例などを示している。したがって、他の実施の形態で述べた内容は、本実施の形態への適用、組み合わせ、又は置き換えを自由に行うことができる。
(実施の形態4)
本実施の形態においては、実施の形態3で説明した、1フレームを複数のサブフレームに分割し、これらの複数のサブフレームを、主に画像表示に用いるもの(明画像)と、主に動画の残像低減のために用いるもの(暗画像)とに使い分ける方法の他の例について説明する。
表示する画像を明画像と暗画像に分けるときには、表示する画像の階調を表現するときに必要となる輝度を、複数のサブフレームにどのように配分するかという点で、いくつかの方法が存在する。このことを説明するために、本実施の形態においては、横軸に階調、縦軸に積分輝度をとり、1SFにおける積分輝度と階調の関係、2SFにおける積分輝度と階調の関係、1SFと2SFで合計した積分輝度と階調の関係、を表したグラフを参照する。
まず、図3の(A)を参照して、本実施の形態の一形態を説明する。図3の(A)は、1フレームで合計した積分輝度を、1SFと2SFで配分する方法の一例を表したものである。また、グラフの下方に示した表は、各サブフレームの特徴を簡単に表したものである。表に傾き一定と記載されているサブフレームは、階調に対する積分輝度の変化が一定であることを表している。すなわち、図3の(A)に示す形態においては、2SFの階調に対する積分輝度の変化が一定である。なお、図3の(A)では、傾きの値が正の場合を示しているが、傾きの値は、0であってもよいし、負であってもよい。また、表に(合計―xSF)と記載されている場合は、当該サブフレームとは別のサブフレームの積分輝度によって、当該サブフレームの積分輝度が決まる場合を表している。ここで、xSFには、1SF、2SFなど、様々なサブフレームが当てはまる。すなわち、図3の(A)に示す形態においては、1SFの積分輝度は、合計輝度から2SFの積分輝度を引いた値であることを表している。ここで、合計輝度は別に定められているものとし、本実施の形態においては、下に凸の曲線であるものとする。これは、人間の目の特性を考慮し、ガンマ補正を施している場合である。なお、合計輝度は、階調に対し線形であってもよいし、上に凸の曲線であってもよいし、線分と曲線の組み合わせであってもよい。また、合計輝度やガンマ特性が、表示画像によって切り替わる機構を有していてもよいし、使用者によって調節できる機構を有していてもよい。
図3の(A)に示す形態においては、2SFの階調に対する積分輝度の変化が一定であるため、画像処理や印加電圧が単純になり、周辺駆動回路の負荷が軽減するという利点がある。なお、図3の(A)に示す形態において、図1の(A)と図1の(B)で示したとおり、1SFと2SFは交換可能であり、1SFと2SFの特徴が入れ替わった場合においても、同様の効果を有する。なお、1SFにおける輝度が2SFにおける輝度よりも大きいが、これに限定されない。1SFにおける輝度が2SFにおける輝度よりも小さくてもよい。ただし、合計輝度が非線形の場合は、2SFにおける輝度が小さい方が、階調を制御しやすいため、望ましい。
図3の(B)は、1フレームで合計した積分輝度を、1SFと2SFで配分する方法の一例を表したものである。図3の(B)のように、グラフの下方に示した表に比一定と記載したサブフレームは、1SFと2SFの積分輝度比が、各階調において等しい場合を表している。すなわち、図3の(B)に示す形態においては、1SFの積分輝度と2SFの積分輝度の比が、階調によらず等しい場合を表している。なお、この場合の比の値(大きいほうの輝度に対する小さいほうの輝度の大きさ)は、1よりも小さく、0.5よりも大きいことが好適である。こうすることで、動画のボケを効率よく低減することができる。なお、比一定の特徴を有する場合は、双方のサブフレームにおいて比一定の特徴を有しているとしてもよい。つまり、一方が比一定であって、他方は比一定でない場合はないとしてもよい。なお、図3の(B)に示す形態において、1SFと2SFは交換可能であり、1SFと2SFの特徴が入れ替わった場合においても、同様の効果を有する。なお、1SFにおける輝度が2SFにおける輝度よりも大きいが、これに限定されない。1SFにおける輝度が2SFにおける輝度よりも小さくてもよい。ただし、合計輝度が非線形の場合は、2SFにおける輝度が小さい方が、階調を制御しやすいため、望ましい。
次に、図4を参照して、本実施の形態の一形態を説明する。図4は、表示できる階調を複数の領域、たとえば、2つの領域に分割し、それぞれの領域で各サブフレームが異なる特徴を有し得る場合において、1フレームで合計した積分輝度を1SFと2SFで配分する方法の例を表したものである。本実施の形態では、低階調側の領域から、領域1、領域2、…として名づけて説明する。
なお、以下の説明において、領域の境界において積分輝度の値が連続であることは、次のように定義されることとする。すなわち、領域の境界によって隔てられた2つの隣接する階調のうち、低階調側の領域に属する階調を境界階調(低)、高階調側の領域に属する階調を境界階調(高)とし、境界階調(高)における輝度と境界階調(低)における輝度の差の絶対値を境界輝度差としたとき、領域の境界において積分輝度の値が連続であるということは、境界輝度差がある値Δx以下であることをいう。
ここで、Δxの値は、境界階調(高)における輝度および境界階調(低)における輝度などにしたがって様々な値をとり得るが、注目している階調−輝度特性を人間の目で見たときにおける連続性(つまり、注目している階調−輝度特性に対応する画像が表示されたとき、当該画像が領域の境界においてなめらかに表示されているかどうか)の観点から決めることができる。具体的には、境界階調(低)における輝度と、境界階調(低)よりも1つ小さい階調における輝度の差の絶対値を第1近傍境界輝度差(低)としたとき、Δxは、第1近傍境界輝度差(低)の2倍程度であることが好ましい。
本実施の形態および他の実施の形態においては、一例として、Δxは第1近傍境界輝度差(低)の2倍であるとして説明を行なう。
図4の(A)は、1フレームで合計した積分輝度を、1SFと2SFで配分する方法の一例を表したものである。また、グラフの下方に示した表は、各サブフレームの特徴を簡単に表したものである。表の領域2の欄に傾き一定(連続)(傾き正)と記載されているサブフレームは、階調に対する積分輝度の変化が一定であり、かつ、近接する低階調側の領域(領域1)との境界において積分輝度の値が連続し、かつ、当該領域における階調に対する積分輝度の変化が正の符号をもつことを表している。このような特徴を持つことにより、最大階調における1SFと2SFの輝度差が小さくなるので、画像表示時のちらつきが低減するという利点がある。
図4の(B)は、1フレームで合計した積分輝度を、1SFと2SFで配分する方法の一例を表したものである。また、グラフの下方に示した表は、各サブフレームの特徴を簡単に表したものである。表の領域2の欄に傾き一定(連続)(傾き0)と記載されているサブフレームは、階調に対する積分輝度の変化が一定であり、かつ、近接する低階調側の領域(領域1)との境界において積分輝度の値が連続し、かつ、当該領域における階調に対する積分輝度の変化が0であることを表している。このような特徴を持つことにより、画像処理や印加電圧が単純になり、周辺駆動回路の負荷が軽減するという利点がある。
図4の(C)は、1フレームで合計した積分輝度を、1SFと2SFで配分する方法の一例を表したものである。また、グラフの下方に示した表は、各サブフレームの特徴を簡単に表したものである。表の領域2の欄に傾き一定(連続)(傾き負)と記載されているサブフレームは、階調に対する積分輝度の変化が一定であり、かつ、近接する低階調側の領域(領域1)との境界において積分輝度の値が連続し、かつ、当該領域における階調に対する積分輝度の変化が負の符号をもつことを表している。このような特徴を持つことにより、最大階調における1SFと2SFの輝度差が大きくなるので、動画のボケを効率よく低減することができる。
なお、図4の(A)、(B)および(C)に示す形態において、1SFと2SFは交換可能であり、1SFと2SFの特徴が入れ替わった場合においても、同様の効果を有する。なお、1SFにおける輝度が2SFにおける輝度よりも大きいが、これに限定されない。1SFにおける輝度が2SFにおける輝度よりも小さくてもよい。ただし、合計輝度が非線形の場合は、2SFにおける輝度が小さい方が、階調を制御しやすいため、望ましい。また、1SFと2SFで、輝度の大小関係が入れ替わるのは、領域ごとに個別であってもよい。輝度の大小関係が入れ替わる領域は、たとえば、領域1のみであってもよいし、領域2のみであってもよいし、領域1と領域2であってもよい。
このように、表示できる階調が複数の領域に分けられる場合、それぞれの領域における、階調に対する積分輝度の変化(傾きの値)は、様々な値をとることができる。ただし、図4の(D)に示すように、傾きの値は、当該領域の境界における積分輝度の合計値の接線の傾きよりも小さいことが好適である。すなわち、領域の境界における積分輝度の合計値の接線の傾きをθmaxとしたとき、当該領域における傾きの値θは、−θmax<θ<θmaxという範囲内であることが好適である。(図4の(D)中のハッチング領域)この範囲内であることによって、階調に対する積分輝度の変化が急激であることによって、領域の境界において当該階調が強調され、不自然な輪郭が発生する現象を低減することができる。
なお、階調に対する積分輝度の変化が急激であることによって、領域の境界において当該階調が強調され、不自然な輪郭が発生する現象を低減する方法としては、図4の(D)に示す方法とは別に、図4の(E)および(F)に示す方法を用いることもできる。図4の(E)および(F)は、各領域の特徴は図4の(B)に示す形態と同じであり、その領域の境界となる階調が異なっている。このような、領域の境界となる階調が異なっている複数の輝度配分形態を用意し、これらを必要に応じて切替えることによっても、領域の境界において当該階調が強調され、不自然な輪郭が発生する現象を低減することができる。なお、このような方法は、図4の(B)に示す形態だけではなく、様々な輝度配分形態に適用することができる。
なお、複数の輝度配分形態を切替える方法としては、たとえば、フレーム毎に切替えてもよい。こうすることで、効率よく不自然な輪郭が発生する現象を低減することができる。また、表示する画像に従って、輝度配分形態を切替えてもよい。このとき、画像の階調分布に閾値が存在する場合は、領域の境界を、その閾値近傍に設定するのが好適である。たとえば、階調100以下の階調の分布がほとんどない明るい画像の場合は、領域の境界を階調100近傍に設定するのが好適である。同様に、階調100以上の階調の分布がほとんどない暗い画像の場合においても、領域の境界を階調100近傍に設定するのが好適である。こうすることで、表示される画像において、閾値近傍をまたぐ階調が少なくなるため、領域の境界において当該階調が強調され、不自然な輪郭が発生する現象を低減することができる。
なお、画像の明暗によって、閾値を設定してもよい。たとえば、全体的に暗い画像の場合は、領域の境界を高階調側に設定し、全体的に明るい画像の場合は、領域の境界を低階調側に設定してもよい。こうすることで、示される画像において、閾値近傍をまたぐ階調が少なくなるため、領域の境界において当該階調が強調され、不自然な輪郭が発生する現象を低減することができる。
なお、表示する画像に従って、輝度配分形態を切替える方法は、領域の境界が異なっている形態同士だけではなく、様々な輝度配分形態に対して適用することができる。
次に、図5を参照して、本実施の形態の一形態を説明する。図5は、表示できる階調を複数の領域、たとえば、2つの領域に分割し、それぞれの領域で各サブフレームが異なる特徴を有し得る場合において、1フレームで合計した積分輝度を1SFと2SFで配分する方法の例を表したものである。特に、双方の領域について、どちらか一方のサブフレームの階調に対する積分輝度の変化が一定である場合について説明する。
図5の(A)は、1フレームで合計した積分輝度を、1SFと2SFで配分する方法の一例を表したものである。また、グラフの下方に示した表は、各サブフレームの特徴を簡単に表したものである。2SFの領域1における特徴は、階調に対する積分輝度の変化が一定であることである。なお、傾きの値は正の値であっても、0であっても、負の値であってもよい。1SFの領域1における特徴は、合計輝度と、2SFの輝度に従った輝度をとることである。1SFの領域2における特徴は、階調に対する積分輝度の変化が一定であり、かつ、近接する低階調側の領域(領域1)との境界において積分輝度の値が連続していることである。なお、傾きの値は正の値であっても、0であっても、負の値であってもよい。2SFの領域2における特徴は、合計輝度と、1SFの輝度に従った輝度をとることである。このような特徴を持つことにより、画像処理や印加電圧が単純になり、周辺駆動回路の負荷が軽減するという利点がある。また、不自然な輪郭が発生する現象を低減することができる。また、1SFと2SFにおいて最高輝度を小さくできるので、消費電力を低減できる。
図5の(B)は、1フレームで合計した積分輝度を、1SFと2SFで配分する方法の一例を表したものである。また、グラフの下方に示した表は、各サブフレームの特徴を簡単に表したものである。2SFの領域1における特徴は、階調に対する積分輝度の変化が一定であることである。なお、傾きの値は正の値であっても、0であっても、負の値であってもよい。1SFの領域1における特徴は、合計輝度と、2SFの輝度に従った輝度をとることである。2SFの領域2における特徴は、階調に対する積分輝度の変化が一定であり、かつ、近接する低階調側の領域(領域1)との境界において積分輝度の値が大きい方向へ不連続に変化していることである。なお、傾きの値は正の値であっても、0であっても、負の値であってもよい。1SFの領域2における特徴は、合計輝度と、2SFの輝度に従った輝度をとることである。このような特徴を持つことにより、最大階調における1SFと2SFの輝度差が小さくなるので、画像表示時のちらつきが低減するという利点がある。また、2SFのとる輝度変化が単純になるため、画像処理や印加電圧が単純になり、周辺駆動回路の負荷が軽減するという利点がある。特に、オーバードライブ駆動を行なう場合に、メモリ素子の容量を低減できるという利点がある。
図5の(C)は、1フレームで合計した積分輝度を、1SFと2SFで配分する方法の一例を表したものである。また、グラフの下方に示した表は、各サブフレームの特徴を簡単に表したものである。2SFの領域1における特徴は、階調に対する積分輝度の変化が一定であることである。なお、傾きの値は正の値であっても、0であっても、負の値であってもよい。1SFの領域1における特徴は、合計輝度と、2SFの輝度に従った輝度をとることである。1SFの領域2における特徴は、階調に対する積分輝度の変化が一定であり、かつ、近接する低階調側の領域(領域1)との境界において積分輝度の値が小さい方向へ不連続に変化していることである。なお、傾きの値は正の値であっても、0であっても、負の値であってもよい。2SFの領域2における特徴は、合計輝度と、1SFの輝度に従った輝度をとることである。このような特徴を持つことにより、最大階調における1SFと2SFの輝度差が小さくなるので、画像表示時のちらつきが低減するという利点がある。
図5の(D)は、1フレームで合計した積分輝度を、1SFと2SFで配分する方法の一例を表したものである。また、グラフの下方に示した表は、各サブフレームの特徴を簡単に表したものである。2SFの領域1における特徴は、階調に対する積分輝度の変化が一定であることである。なお、傾きの値は正の値であっても、0であっても、負の値であってもよい。1SFの領域1における特徴は、合計輝度と、2SFの輝度に従った輝度をとることである。2SFの領域2における特徴は、階調に対する積分輝度の変化が一定であり、かつ、近接する低階調側の領域(領域1)との境界において積分輝度の値が連続していることである。なお、傾きの値は正の値であっても、0であっても、負の値であってもよい。1SFの領域2における特徴は、合計輝度と、2SFの輝度に従った輝度をとることである。このような特徴を持つことにより、画像処理や印加電圧が単純になり、周辺駆動回路の負荷が軽減するという利点がある。また、不自然な輪郭が発生する現象を低減することができる。また、1SFと2SFにおいて最高輝度を小さくできるので、消費電力を低減できる。
図5の(E)は、1フレームで合計した積分輝度を、1SFと2SFで配分する方法の一例を表したものである。また、グラフの下方に示した表は、各サブフレームの特徴を簡単に表したものである。2SFの領域1における特徴は、階調に対する積分輝度の変化が一定であることである。なお、傾きの値は正の値であっても、0であっても、負の値であってもよい。1SFの領域1における特徴は、合計輝度と、2SFの輝度に従った輝度をとることである。1SFの領域2における特徴は、階調に対する積分輝度の変化が一定であり、かつ、近接する低階調側の領域(領域1)との境界において積分輝度の値が大きい方向へ不連続に変化していることである。なお、傾きの値は正の値であっても、0であっても、負の値であってもよい。2SFの領域2における特徴は、合計輝度と、1SFの輝度に従った輝度をとることである。このような特徴を持つことにより、最大階調における1SFと2SFの輝度差が大きくなるので、動画のボケを効率よく低減することができる。
図5の(F)は、1フレームで合計した積分輝度を、1SFと2SFで配分する方法の一例を表したものである。また、グラフの下方に示した表は、各サブフレームの特徴を簡単に表したものである。2SFの領域1における特徴は、階調に対する積分輝度の変化が一定であることである。なお、傾きの値は正の値であっても、0であっても、負の値であってもよい。1SFの領域1における特徴は、合計輝度と、2SFの輝度に従った輝度をとることである。2SFの領域2における特徴は、階調に対する積分輝度の変化が一定であり、かつ、近接する低階調側の領域(領域1)との境界において積分輝度の値が小さい方向へ不連続に変化していることである。なお、傾きの値は正の値であっても、0であっても、負の値であってもよい。1SFの領域2における特徴は、合計輝度と、2SFの輝度に従った輝度をとることである。このような特徴を持つことにより、最大階調における1SFと2SFの輝度差が大きくなるので、動画のボケを効率よく低減することができる。
なお、図5の(A)、(B)、(C)、(D)、(E)および(F)に示す形態において、1SFと2SFは交換可能であり、1SFと2SFの特徴が入れ替わった場合においても、同様の効果を有する。なお、1SFにおける輝度が2SFにおける輝度よりも大きいが、これに限定されない。1SFにおける輝度が2SFにおける輝度よりも小さくてもよい。ただし、合計輝度が非線形の場合は、2SFにおける輝度が小さい方が、階調を制御しやすいため、望ましい。また、1SFと2SFで、輝度の大小関係が入れ替わってもよい。また、1SFと2SFで、輝度の大小関係が入れ替わるのは、領域ごとに個別であってもよい。輝度の大小関係が入れ替わる領域は、たとえば、領域1のみであってもよいし、領域2のみであってもよいし、領域1と領域2であってもよい。
次に、図6を参照して、本実施の形態の一形態を説明する。図6は、表示できる階調を複数の領域、たとえば、2つの領域に分割し、それぞれの領域で各サブフレームが異なる特徴を有し得る場合において、1フレームで合計した積分輝度を1SFと2SFで配分する方法の例を表したものである。特に、一方の領域において、どちらか一方のサブフレームの階調に対する積分輝度の変化が一定であり、他方の領域において、1SFと2SFの積分輝度比が、各階調において等しい場合について説明する。
図6の(A)は、1フレームで合計した積分輝度を、1SFと2SFで配分する方法の一例を表したものである。また、グラフの下方に示した表は、各サブフレームの特徴を簡単に表したものである。1SFおよび2SFの領域1における特徴は、1SFと2SFの積分輝度比が、各階調において等しいことである。なお、この場合の比の値(大きいほうの輝度に対する小さいほうの輝度の大きさ)は、0.5よりも小さく、0.1よりも大きいことが好適である。こうすることで、低階調側における1SFと2SFの輝度差を大きくできるので、動画のボケを効率よく低減することができる。2SFの領域2における特徴は、階調に対する積分輝度の変化が一定であり、かつ、近接する低階調側の領域(領域1)との境界において積分輝度の値が連続していることである。なお、傾きの値は正の値であっても、0であっても、負の値であってもよい。1SFの領域2における特徴は、合計輝度と、2SFの輝度に従った輝度をとることである。このような特徴を持つことにより、画像処理や印加電圧が単純になり、周辺駆動回路の負荷が軽減するという利点がある。また、不自然な輪郭が発生する現象を低減することができる。また、1SFと2SFにおいて最高輝度を小さくできるので、消費電力を低減できる。
図6の(B)は、1フレームで合計した積分輝度を、1SFと2SFで配分する方法の一例を表したものである。また、グラフの下方に示した表は、各サブフレームの特徴を簡単に表したものである。1SFおよび2SFの領域1における特徴は、1SFと2SFの積分輝度比が、各階調において等しいことである。なお、この場合の比の値(大きいほうの輝度に対する小さいほうの輝度の大きさ)は、0.5よりも小さく、0.1よりも大きいことが好適である。こうすることで、低階調側における1SFと2SFの輝度差を大きくできるので、動画のボケを効率よく低減することができる。2SFの領域2における特徴は、階調に対する積分輝度の変化が一定であり、かつ、近接する低階調側の領域(領域1)との境界において積分輝度の値が大きい方向へ不連続に変化していることである。なお、傾きの値は正の値であっても、0であっても、負の値であってもよい。1SFの領域2における特徴は、合計輝度と、2SFの輝度に従った輝度をとることである。このような特徴を持つことにより、最大階調における1SFと2SFの輝度差が小さくなるので、画像表示時のちらつきが低減するという利点がある。
図6の(C)は、1フレームで合計した積分輝度を、1SFと2SFで配分する方法の一例を表したものである。また、グラフの下方に示した表は、各サブフレームの特徴を簡単に表したものである。1SFおよび2SFの領域1における特徴は、1SFと2SFの積分輝度比が、各階調において等しいことである。なお、この場合の比の値(大きいほうの輝度に対する小さいほうの輝度の大きさ)は、0.5よりも小さく、0.1よりも大きいことが好適である。こうすることで、低階調側における1SFと2SFの輝度差を大きくできるので、動画のボケを効率よく低減することができる。2SFの領域2における特徴は、階調に対する積分輝度の変化が一定であり、かつ、近接する低階調側の領域(領域1)との境界において積分輝度の値が小さい方向へ不連続に変化していることである。なお、傾きの値は正の値であっても、0であっても、負の値であってもよい。1SFの領域2における特徴は、合計輝度と、2SFの輝度に従った輝度をとることである。このような特徴を持つことにより、最大階調における1SFと2SFの輝度差が大きくなるので、動画のボケを効率よく低減することができる。
図6の(D)は、1フレームで合計した積分輝度を、1SFと2SFで配分する方法の一例を表したものである。また、グラフの下方に示した表は、各サブフレームの特徴を簡単に表したものである。2SFの領域1における特徴は、階調に対する積分輝度の変化が一定であることである。なお、傾きの値は正の値であっても、0であっても、負の値であってもよい。1SFの領域1における特徴は、合計輝度と、2SFの輝度に従った輝度をとることである。1SFおよび2SFの領域2における特徴は、1SFと2SFの積分輝度比が、各階調において等しく、かつ、近接する低階調側の領域(領域1)との境界において積分輝度の値が、1SFは小さい方向へ、2SFは大きい方向へ、それぞれ不連続に変化していることである。このような特徴を持つことにより、最大階調における1SFと2SFの輝度差が小さくなるので、画像表示時のちらつきが低減するという利点がある。なお、この場合の比の値(大きいほうの輝度に対する小さいほうの輝度の大きさ)は、1よりも小さく、0.5よりも大きいことが好適である。こうすることで、動画のボケを効率よく低減することができる。
図6の(E)は、1フレームで合計した積分輝度を、1SFと2SFで配分する方法の一例を表したものである。また、グラフの下方に示した表は、各サブフレームの特徴を簡単に表したものである。2SFの領域1における特徴は、階調に対する積分輝度の変化が一定であることである。なお、傾きの値は正の値であっても、0であっても、負の値であってもよい。1SFの領域1における特徴は、合計輝度と、2SFの輝度に従った輝度をとることである。1SFおよび2SFの領域2における特徴は、1SFと2SFの積分輝度比が、各階調において等しく、かつ、近接する低階調側の領域(領域1)との境界において積分輝度の値が、1SF、2SFともに、連続していることである。このような特徴を持つことにより、画像処理や印加電圧が単純になり、周辺駆動回路の負荷が軽減するという利点がある。また、不自然な輪郭が発生する現象を低減することができる。なお、この場合の比の値(大きいほうの輝度に対する小さいほうの輝度の大きさ)は、1よりも小さく、0.5よりも大きいことが好適である。こうすることで、動画のボケを効率よく低減することができる。
図6の(F)は、1フレームで合計した積分輝度を、1SFと2SFで配分する方法の一例を表したものである。また、グラフの下方に示した表は、各サブフレームの特徴を簡単に表したものである。2SFの領域1における特徴は、階調に対する積分輝度の変化が一定であることである。なお、傾きの値は正の値であっても、0であっても、負の値であってもよい。1SFの領域1における特徴は、合計輝度と、2SFの輝度に従った輝度をとることである。1SFおよび2SFの領域2における特徴は、1SFと2SFの積分輝度比が、各階調において等しく、かつ、近接する低階調側の領域(領域1)との境界において積分輝度の値が、1SFは大きい方向へ、2SFは小さい方向へ、それぞれ不連続に変化していることである。このような特徴を持つことにより、最大階調における1SFと2SFの輝度差が大きくなるので、動画のボケを効率よく低減することができる。なお、この場合の比の値(大きいほうの輝度に対する小さいほうの輝度の大きさ)は、1よりも小さく、0.5よりも大きいことが好適である。こうすることで、動画のボケを効率よく低減することができる。
なお、図6の(A)、(B)、(C)、(D)、(E)および(F)に示す形態において、1SFと2SFは交換可能であり、1SFと2SFの特徴が入れ替わった場合においても、同様の効果を有する。なお、1SFにおける輝度が2SFにおける輝度よりも大きいが、これに限定されない。1SFにおける輝度が2SFにおける輝度よりも小さくてもよい。ただし、合計輝度が非線形の場合は、2SFにおける輝度が小さい方が、階調を制御しやすいため、望ましい。また、1SFと2SFで、輝度の大小関係が入れ替わるのは、領域ごとに個別であってもよい。輝度の大小関係が入れ替わる領域は、たとえば、領域1のみであってもよいし、領域2のみであってもよいし、領域1と領域2であってもよい。
次に、図7を参照して、本実施の形態の一形態を説明する。図7は、表示できる階調を複数の領域、たとえば、2つの領域に分割し、それぞれの領域で各サブフレームが異なる特徴を有し得る場合において、1フレームで合計した積分輝度を1SFと2SFで配分する方法の例を表したものである。特に、双方の領域について、1SFと2SFの積分輝度比が、各階調において等しい場合について説明する。
図7の(A)は、1フレームで合計した積分輝度を、1SFと2SFで配分する方法の一例を表したものである。また、グラフの下方に示した表は、各サブフレームの特徴を簡単に表したものである。1SFおよび2SFの領域1における特徴は、1SFと2SFの積分輝度比が、各階調において等しいことである。なお、この場合の比の値(大きいほうの輝度に対する小さいほうの輝度の大きさ)は、0.5よりも小さく、0.1よりも大きいことが好適である。こうすることで、低階調側における1SFと2SFの輝度差を大きくできるので、動画のボケを効率よく低減することができる。1SFおよび2SFの領域2における特徴は、1SFと2SFの積分輝度比が、各階調において等しく、かつ、近接する低階調側の領域(領域1)との境界において積分輝度の値が、1SFは小さい方向へ、2SFは大きい方向へ、それぞれ不連続に変化していることである。このような特徴を持つことにより、最大階調における1SFと2SFの輝度差が小さくなるので、画像表示時のちらつきが低減するという利点がある。なお、この場合の比の値(大きいほうの輝度に対する小さいほうの輝度の大きさ)は、1よりも小さく、0.5よりも大きいことが好適である。こうすることで、動画のボケを効率よく低減することができる。
図7の(B)は、1フレームで合計した積分輝度を、1SFと2SFで配分する方法の一例を表したものである。また、グラフの下方に示した表は、各サブフレームの特徴を簡単に表したものである。1SFおよび2SFの領域1における特徴は、1SFと2SFの積分輝度比が、各階調において等しいことである。なお、この場合の比の値(大きいほうの輝度に対する小さいほうの輝度の大きさ)は、0.5よりも小さく、0.1よりも大きいことが好適である。こうすることで、低階調側における1SFと2SFの輝度差を大きくできるので、動画のボケを効率よく低減することができる。1SFおよび2SFの領域2における特徴は、1SFと2SFの積分輝度比が、各階調において等しく、かつ、近接する低階調側の領域(領域1)との境界において積分輝度の値が、1SFは大きい方向へ、2SFは小さい方向へ、それぞれ不連続に変化していることである。このような特徴を持つことにより、最大階調における1SFと2SFの輝度差が大きくなるので、動画のボケを効率よく低減することができる。なお、この場合の比の値(大きいほうの輝度に対する小さいほうの輝度の大きさ)は、1よりも小さく、0.5よりも大きいことが好適である。こうすることで、動画のボケを効率よく低減することができる。
なお、図7の(A)および(B)に示す形態において、1SFと2SFは交換可能であり、1SFと2SFの特徴が入れ替わった場合においても、同様の効果を有する。なお、1SFにおける輝度が2SFにおける輝度よりも大きいが、これに限定されない。1SFにおける輝度が2SFにおける輝度よりも小さくてもよい。ただし、合計輝度が非線形の場合は、2SFにおける輝度が小さい方が、階調を制御しやすいため、望ましい。また、1SFと2SFで、輝度の大小関係が入れ替わるのは、領域ごとに個別であってもよい。輝度の大小関係が入れ替わる領域は、たとえば、領域1のみであってもよいし、領域2のみであってもよいし、領域1と領域2であってもよい。
次に、図8を参照して、本実施の形態の一形態を説明する。図8は、表示できる階調を複数の領域、たとえば、3つの領域に分割し、それぞれの領域で各サブフレームが異なる特徴を有し得る場合において、1フレームで合計した積分輝度を1SFと2SFで配分する方法の例を表したものである。特に、全ての領域について、どちらか一方のサブフレームの階調に対する積分輝度の変化が一定である場合について説明する。
図8の(A)は、1フレームで合計した積分輝度を、1SFと2SFで配分する方法の一例を表したものである。また、グラフの下方に示した表は、各サブフレームの特徴を簡単に表したものである。2SFの領域1および領域2および領域3における特徴は、階調に対する積分輝度の変化が一定であることである。1SFの領域1および領域2および領域3における特徴は、合計輝度と、他方のサブフレームの輝度に従った輝度をとることである。
図8の(B)は、1フレームで合計した積分輝度を、1SFと2SFで配分する方法の一例を表したものである。また、グラフの下方に示した表は、各サブフレームの特徴を簡単に表したものである。2SFの領域1、領域2および1SFの領域3における特徴は、階調に対する積分輝度の変化が一定であることである。1SFの領域1、領域2および2SFの領域3における特徴は、合計輝度と、他方のサブフレームの輝度に従った輝度をとることである。
図8の(C)は、1フレームで合計した積分輝度を、1SFと2SFで配分する方法の一例を表したものである。また、グラフの下方に示した表は、各サブフレームの特徴を簡単に表したものである。2SFの領域1、領域3および1SFの領域2における特徴は、階調に対する積分輝度の変化が一定であることである。1SFの領域1、領域3および2SFの領域2における特徴は、合計輝度と、他方のサブフレームの輝度に従った輝度をとることである。
図8の(D)は、1フレームで合計した積分輝度を、1SFと2SFで配分する方法の一例を表したものである。また、グラフの下方に示した表は、各サブフレームの特徴を簡単に表したものである。1SFの領域1および2SFの領域2、領域3における特徴は、階調に対する積分輝度の変化が一定であることである。2SFの領域1および1SFの領域2、領域3における特徴は、合計輝度と、他方のサブフレームの輝度に従った輝度をとることである。
なお、傾きの値は正の値であっても、0であっても、負の値であってもよい。図8においては、この違いについては詳細に説明しないが、全ての領域について、これらの組み合わせを適用することができる。傾きが正または負の値をとるために、1SFおよび2SFの輝度差が大きくなる場合は、動画のボケを効率よく低減することができる。また、傾きが正または負の値をとるために、1SFおよび2SFの輝度差が小さくなる場合は、画像表示時のちらつきが低減するという利点がある。また、傾きが0である場合は、画像処理や印加電圧が単純になり、周辺駆動回路の負荷が軽減するという利点がある。また、不自然な輪郭が発生する現象を低減することができる。また、1SFと2SFにおいて最高輝度を小さくできるので、消費電力を低減できる。
なお、すでに述べたように、領域の境界における輝度の状態は、近接する低階調側の領域と比較して、大きい方向へ不連続に変化するか、連続しているか、小さい方向へ不連続に変化するかの、いずれかの状態を取り得る。図8においては、この違いについては詳細に説明しないが、全ての領域の境界について、これらの組み合わせを適用することができる。領域の境界において輝度が不連続に変化した結果、1SFおよび2SFの輝度差が大きくなる場合は、動画のボケを効率よく低減することができる。また、領域の境界において輝度が不連続に変化した結果、1SFおよび2SFの輝度差が小さくなる場合は、画像表示時のちらつきが低減するという利点がある。また、領域の境界において輝度が連続である場合は、画像処理や印加電圧が単純になり、周辺駆動回路の負荷が軽減するという利点がある。また、不自然な輪郭が発生する現象を低減することができる。また、1SFと2SFにおいて最高輝度を小さくできるので、消費電力を低減できる。
なお、図8の(A)、(B)、(C)および(D)に示す形態において、1SFと2SFは交換可能であり、1SFと2SFの特徴が入れ替わった場合においても、同様の効果を有する。なお、1SFにおける輝度が2SFにおける輝度よりも大きいが、これに限定されない。1SFにおける輝度が2SFにおける輝度よりも小さくてもよい。ただし、合計輝度が非線形の場合は、2SFにおける輝度が小さい方が、階調を制御しやすいため、望ましい。また、1SFと2SFで、輝度の大小関係が入れ替わってもよい。また、1SFと2SFで、輝度の大小関係が入れ替わるのは、領域ごとに個別であってもよい。輝度の大小関係が入れ替わる領域は、たとえば、領域1のみであってもよいし、領域2のみであってもよいし、領域3のみであってもよいし、領域1と領域2であってもよいし、領域2と領域3であってもよいし、領域3と領域1であってもよいし、領域1と領域2と領域3であってもよい。
次に、図9を参照して、本実施の形態の一形態を説明する。図9は、表示できる階調を複数の領域、たとえば、3つの領域に分割し、それぞれの領域で各サブフレームが異なる特徴を有し得る場合において、1フレームで合計した積分輝度を1SFと2SFで配分する方法の例を表したものである。特に、3つの領域のうちの2つの領域において、どちらか一方のサブフレームの階調に対する積分輝度の変化が一定であり、残り1つの領域において、1SFと2SFの積分輝度比が、各階調において等しい場合について説明する。
図9の(A)は、1フレームで合計した積分輝度を、1SFと2SFで配分する方法の一例を表したものである。また、グラフの下方に示した表は、各サブフレームの特徴を簡単に表したものである。2SFの領域1および領域2における特徴は、階調に対する積分輝度の変化が一定であることである。1SFの領域1および領域2における特徴は、合計輝度と、他方のサブフレームの輝度に従った輝度をとることである。1SFの領域3および2SFの領域3における特徴は、1SFと2SFの積分輝度比が、各階調において等しいことである。なお、この場合の比の値(大きいほうの輝度に対する小さいほうの輝度の大きさ)は、1よりも小さく、0.5よりも大きいことが好適である。こうすることで、動画のボケを効率よく低減することができる。
図9の(B)は、1フレームで合計した積分輝度を、1SFと2SFで配分する方法の一例を表したものである。また、グラフの下方に示した表は、各サブフレームの特徴を簡単に表したものである。2SFの領域1および1SFの領域2における特徴は、階調に対する積分輝度の変化が一定であることである。1SFの領域1および2SFの領域2における特徴は、合計輝度と、他方のサブフレームの輝度に従った輝度をとることである。1SFの領域3および2SFの領域3における特徴は、1SFと2SFの積分輝度比が、各階調において等しいことである。なお、この場合の比の値(大きいほうの輝度に対する小さいほうの輝度の大きさ)は、1よりも小さく、0.5よりも大きいことが好適である。こうすることで、動画のボケを効率よく低減することができる。
図9の(C)は、1フレームで合計した積分輝度を、1SFと2SFで配分する方法の一例を表したものである。また、グラフの下方に示した表は、各サブフレームの特徴を簡単に表したものである。2SFの領域1および領域3における特徴は、階調に対する積分輝度の変化が一定であることである。1SFの領域1および領域3における特徴は、合計輝度と、他方のサブフレームの輝度に従った輝度をとることである。1SFの領域2および2SFの領域2における特徴は、1SFと2SFの積分輝度比が、各階調において等しいことである。なお、この場合の比の値(大きいほうの輝度に対する小さいほうの輝度の大きさ)は、0.5よりも小さく、0.1よりも大きいことが好適である。こうすることで、低階調側における1SFと2SFの輝度差を大きくできるので、動画のボケを効率よく低減することができる。
図9の(D)は、1フレームで合計した積分輝度を、1SFと2SFで配分する方法の一例を表したものである。また、グラフの下方に示した表は、各サブフレームの特徴を簡単に表したものである。2SFの領域1および1SFの領域3における特徴は、階調に対する積分輝度の変化が一定であることである。1SFの領域1および2SFの領域3における特徴は、合計輝度と、他方のサブフレームの輝度に従った輝度をとることである。1SFの領域2および2SFの領域2における特徴は、1SFと2SFの積分輝度比が、各階調において等しいことである。なお、この場合の比の値(大きいほうの輝度に対する小さいほうの輝度の大きさ)は、0.5よりも小さく、0.1よりも大きいことが好適である。こうすることで、低階調側における1SFと2SFの輝度差を大きくできるので、動画のボケを効率よく低減することができる。
図9の(E)は、1フレームで合計した積分輝度を、1SFと2SFで配分する方法の一例を表したものである。また、グラフの下方に示した表は、各サブフレームの特徴を簡単に表したものである。2SFの領域2および領域3における特徴は、階調に対する積分輝度の変化が一定であることである。1SFの領域2および領域3における特徴は、合計輝度と、他方のサブフレームの輝度に従った輝度をとることである。1SFの領域1および2SFの領域1における特徴は、1SFと2SFの積分輝度比が、各階調において等しいことである。なお、この場合の比の値(大きいほうの輝度に対する小さいほうの輝度の大きさ)は、0.5よりも小さく、0.1よりも大きいことが好適である。こうすることで、低階調側における1SFと2SFの輝度差を大きくできるので、動画のボケを効率よく低減することができる。
図9の(F)は、1フレームで合計した積分輝度を、1SFと2SFで配分する方法の一例を表したものである。また、グラフの下方に示した表は、各サブフレームの特徴を簡単に表したものである。2SFの領域2および1SFの領域3における特徴は、階調に対する積分輝度の変化が一定であることである。1SFの領域2および2SFの領域3における特徴は、合計輝度と、他方のサブフレームの輝度に従った輝度をとることである。1SFの領域1および2SFの領域1における特徴は、1SFと2SFの積分輝度比が、各階調において等しいことである。なお、この場合の比の値(大きいほうの輝度に対する小さいほうの輝度の大きさ)は、0.5よりも小さく、0.1よりも大きいことが好適である。こうすることで、低階調側における1SFと2SFの輝度差を大きくできるので、動画のボケを効率よく低減することができる。
なお、傾きの値は正の値であっても、0であっても、負の値であってもよい。図9においては、この違いについては詳細に説明しないが、全ての領域について、これらの組み合わせを適用することができる。傾きが正または負の値をとるために、1SFおよび2SFの輝度差が大きくなる場合は、動画のボケを効率よく低減することができる。また、傾きが正または負の値をとるために、1SFおよび2SFの輝度差が小さくなる場合は、画像表示時のちらつきが低減するという利点がある。また、傾きが0である場合は、画像処理や印加電圧が単純になり、周辺駆動回路の負荷が軽減するという利点がある。また、不自然な輪郭が発生する現象を低減することができる。また、1SFと2SFにおいて最高輝度を小さくできるので、消費電力を低減できる。
なお、すでに述べたように、領域の境界における輝度の状態は、近接する低階調側の領域と比較して、大きい方向へ不連続に変化するか、連続しているか、小さい方向へ不連続に変化するかの、いずれかの状態を取り得る。図9においては、この違いについては詳細に説明しないが、全ての領域の境界について、これらの組み合わせを適用することができる。領域の境界において輝度が不連続に変化した結果、1SFおよび2SFの輝度差が大きくなる場合は、動画のボケを効率よく低減することができる。また、領域の境界において輝度が不連続に変化した結果、1SFおよび2SFの輝度差が小さくなる場合は、画像表示時のちらつきが低減するという利点がある。また、領域の境界において輝度が連続である場合は、画像処理や印加電圧が単純になり、周辺駆動回路の負荷が軽減するという利点がある。また、不自然な輪郭が発生する現象を低減することができる。また、1SFと2SFにおいて最高輝度を小さくできるので、消費電力を低減できる。
なお、図9の(A)、(B)、(C)、(D)、(E)および(F)に示す形態において、1SFと2SFは交換可能であり、1SFと2SFの特徴が入れ替わった場合においても、同様の効果を有する。なお、1SFにおける輝度が2SFにおける輝度よりも大きいが、これに限定されない。1SFにおける輝度が2SFにおける輝度よりも小さくてもよい。ただし、合計輝度が非線形の場合は、2SFにおける輝度が小さい方が、階調を制御しやすいため、望ましい。また、1SFと2SFで、輝度の大小関係が入れ替わるのは、領域ごとに個別であってもよい。輝度の大小関係が入れ替わる領域は、たとえば、領域1のみであってもよいし、領域2のみであってもよいし、領域3のみであってもよいし、領域1と領域2であってもよいし、領域2と領域3であってもよいし、領域3と領域1であってもよいし、領域1と領域2と領域3であってもよい。
次に、図10を参照して、本実施の形態の一形態を説明する。図10は、表示できる階調を複数の領域、たとえば、3つの領域に分割し、それぞれの領域で各サブフレームが異なる特徴を有し得る場合において、1フレームで合計した積分輝度を1SFと2SFで配分する方法の例を表したものである。特に、3つの領域のうちの2つの領域において、1SFと2SFの積分輝度比が、各階調において等しく、残り1つの領域において、どちらか一方のサブフレームの階調に対する積分輝度の変化が一定である場合について説明する。また、全ての領域において、1SFと2SFの積分輝度比が、各階調において等しい場合についても説明する。
図10の(A)は、1フレームで合計した積分輝度を、1SFと2SFで配分する方法の一例を表したものである。また、グラフの下方に示した表は、各サブフレームの特徴を簡単に表したものである。2SFの領域1における特徴は、階調に対する積分輝度の変化が一定であることである。1SFの領域1における特徴は、合計輝度と、他方のサブフレームの輝度に従った輝度をとることである。1SFの領域2、領域3および2SFの領域2、領域3における特徴は、1SFと2SFの積分輝度比が、各階調において等しいことである。なお、領域2における比の値(大きいほうの輝度に対する小さいほうの輝度の大きさ)は、0.5よりも小さく、0.1よりも大きいことが好適である。こうすることで、低階調側における1SFと2SFの輝度差を大きくできるので、動画のボケを効率よく低減することができる。なお、領域3における比の値は、1よりも小さく、0.5よりも大きいことが好適である。こうすることで、動画のボケを効率よく低減することができる。
図10の(B)は、1フレームで合計した積分輝度を、1SFと2SFで配分する方法の一例を表したものである。また、グラフの下方に示した表は、各サブフレームの特徴を簡単に表したものである。2SFの領域2における特徴は、階調に対する積分輝度の変化が一定であることである。1SFの領域2における特徴は、合計輝度と、他方のサブフレームの輝度に従った輝度をとることである。1SFの領域1、領域3および2SFの領域1、領域3における特徴は、1SFと2SFの積分輝度比が、各階調において等しいことである。なお、領域1における比の値(大きいほうの輝度に対する小さいほうの輝度の大きさ)は、0.5よりも小さく、0.1よりも大きいことが好適である。こうすることで、低階調側における1SFと2SFの輝度差を大きくできるので、動画のボケを効率よく低減することができる。なお、領域3における比の値は、1よりも小さく、0.5よりも大きいことが好適である。こうすることで、動画のボケを効率よく低減することができる。
図10の(C)は、1フレームで合計した積分輝度を、1SFと2SFで配分する方法の一例を表したものである。また、グラフの下方に示した表は、各サブフレームの特徴を簡単に表したものである。2SFの領域3における特徴は、階調に対する積分輝度の変化が一定であることである。1SFの領域3における特徴は、合計輝度と、他方のサブフレームの輝度に従った輝度をとることである。1SFの領域1、領域2および2SFの領域1、領域2における特徴は、1SFと2SFの積分輝度比が、各階調において等しいことである。なお、領域1および領域2における比の値(大きいほうの輝度に対する小さいほうの輝度の大きさ)は、0.5よりも小さく、0.1よりも大きいことが好適である。こうすることで、低階調側における1SFと2SFの輝度差を大きくできるので、動画のボケを効率よく低減することができる。
図10の(D)は、1フレームで合計した積分輝度を、1SFと2SFで配分する方法の一例を表したものである。また、グラフの下方に示した表は、各サブフレームの特徴を簡単に表したものである。1SFの領域1、領域2、領域3および2SFの領域1、領域2、領域3における特徴は、1SFと2SFの積分輝度比が、各階調において等しいことである。なお、領域1および領域2における比の値(大きいほうの輝度に対する小さいほうの輝度の大きさ)は、0.5よりも小さく、0.1よりも大きいことが好適である。こうすることで、低階調側における1SFと2SFの輝度差を大きくできるので、動画のボケを効率よく低減することができる。なお、領域3における比の値は、1よりも小さく、0.5よりも大きいことが好適である。こうすることで、動画のボケを効率よく低減することができる。
なお、傾きの値は正の値であっても、0であっても、負の値であってもよい。図10においては、この違いについては詳細に説明しないが、全ての領域について、これらの組み合わせを適用することができる。傾きが正または負の値をとるために、1SFおよび2SFの輝度差が大きくなる場合は、動画のボケを効率よく低減することができる。また、傾きが正または負の値をとるために、1SFおよび2SFの輝度差が小さくなる場合は、画像表示時のちらつきが低減するという利点がある。また、傾きが0である場合は、画像処理や印加電圧が単純になり、周辺駆動回路の負荷が軽減するという利点がある。また、不自然な輪郭が発生する現象を低減することができる。また、1SFと2SFにおいて最高輝度を小さくできるので、消費電力を低減できる。
なお、すでに述べたように、領域の境界における輝度の状態は、近接する低階調側の領域と比較して、大きい方向へ不連続に変化するか、連続しているか、小さい方向へ不連続に変化するかの、いずれかの状態を取り得る。図10においては、この違いについては詳細に説明しないが、全ての領域の境界について、これらの組み合わせを適用することができる。領域の境界において輝度が不連続に変化した結果、1SFおよび2SFの輝度差が大きくなる場合は、動画のボケを効率よく低減することができる。また、領域の境界において輝度が不連続に変化した結果、1SFおよび2SFの輝度差が小さくなる場合は、画像表示時のちらつきが低減するという利点がある。また、領域の境界において輝度が連続である場合は、画像処理や印加電圧が単純になり、周辺駆動回路の負荷が軽減するという利点がある。また、不自然な輪郭が発生する現象を低減することができる。また、1SFと2SFにおいて最高輝度を小さくできるので、消費電力を低減できる。
なお、図10の(A)、(B)、(C)および(D)に示す形態において、1SFと2SFは交換可能であり、1SFと2SFの特徴が入れ替わった場合においても、同様の効果を有する。なお、1SFにおける輝度が2SFにおける輝度よりも大きいが、これに限定されない。1SFにおける輝度が2SFにおける輝度よりも小さくてもよい。ただし、合計輝度が非線形の場合は、2SFにおける輝度が小さい方が、階調を制御しやすいため、望ましい。また、1SFと2SFで、輝度の大小関係が入れ替わるのは、領域ごとに個別であってもよい。輝度の大小関係が入れ替わる領域は、たとえば、領域1のみであってもよいし、領域2のみであってもよいし、領域3のみであってもよいし、領域1と領域2であってもよいし、領域2と領域3であってもよいし、領域3と領域1であってもよいし、領域1と領域2と領域3であってもよい。
次に、図11を参照して、本実施の形態の一形態を説明する。図11は、表示できる階調を分割する数を4つ以上にした場合の例について説明したものである。領域の分割数は、それぞれの領域に含まれる階調の種類が複数存在する限りにおいて、いくつでもよい。図11では、その中でも特徴のある例について取り扱う。
図11の(A)は、1フレームで合計した積分輝度を、1SFと2SFで配分する方法の一例を表したものである。図11の(A)に示す方法の特徴は、2SFに表示する画像を暗画像として用いることに加えて、2SFに表示する画像の輝度の種類を数種類に限定し、階調が大きくなるにつれて段階的に輝度を大きくしていくことである。さらに、それぞれの領域について、明画像を用いて階調を補完することである。こうすることで、2SFに表示する画像を表示するための映像データを作成することが容易になるため、周辺駆動回路の負荷が軽減するという利点がある。また、オーバードライブ駆動と組み合わせた場合に、2SFに表示する輝度の種類が少なくなるため、オーバードライブ回路を簡略化できる利点がある。なお、2SFに表示する輝度の種類は、4種類から16種類程度であることが好適である。また、表示できる階調を分割する数は、SFに表示する輝度の種類の数と同じであることが好適である。
図11の(B)は、1フレームで合計した積分輝度を、1SFと2SFで配分する方法の一例を表したものである。図11の(B)に示す方法の特徴は、1SFに表示する画像を明画像として用いることに加えて、1SFに表示する画像の輝度の種類を数種類に限定し、階調が大きくなるにつれて段階的に輝度を大きくしていくことである。さらに、それぞれの領域について、暗画像を用いて階調を補完することである。さらに、領域の境界において、暗画像の輝度は0に近くすることである。こうすることで、1SFに表示する画像を表示するための映像データを作成することが容易になるため、周辺駆動回路の負荷が軽減するという利点がある。また、オーバードライブ駆動と組み合わせた場合に、1SFに表示する輝度の種類が少なくなるため、オーバードライブ回路を簡略化できる利点がある。また、暗画像の平均輝度を大幅に小さくすることができるため、動画のボケを低減する効果が顕著である。なお、1SFに表示する輝度の種類は、16種類から64種類程度であることが好適である。また、表示できる階調を分割する数は、SFに表示する輝度の種類の数と同じであることが好適である。こうすることによって、たとえば、DAコンバーターの構成を簡易にすることができる。つまり、一方のサブフレーム期間においてはデジタル信号のまま扱い、他方のサブフレーム期間については、アナログ信号の振幅が小さくなる(離散値の種類が少なくなる)ため、消費電力が低減でき、回路規模を縮小できる。なお、両方のサブフレーム期間でアナログ信号である場合においても、両方のアナログ信号の振幅が小さくなるため、消費電力が低減でき、回路規模を縮小できる。
なお、図11の(A)および(B)に示す形態において、1SFと2SFは交換可能であり、1SFと2SFの特徴が入れ替わった場合においても、同様の効果を有する。なお、1SFにおける輝度が2SFにおける輝度よりも大きいが、これに限定されない。1SFにおける輝度が2SFにおける輝度よりも小さくてもよい。ただし、合計輝度が非線形の場合は、2SFにおける輝度が小さい方が、階調を制御しやすいため、望ましい。また、1SFと2SFで、輝度の大小関係が入れ替わるのは、領域ごとに個別であってもよい。輝度の大小関係が入れ替わる領域は、たとえば、領域1のみであってもよいし、領域2のみであってもよいし、領域3のみであってもよいし、領域1と領域2であってもよいし、領域2と領域3であってもよいし、領域3と領域1であってもよいし、領域1と領域2と領域3であってもよい。領域4以降についても、同様である。
次に、図12を参照して、本実施の形態の一形態を説明する。図12は、1フレームを分割するサブフレームの数を、3つにした場合の例について説明したものである。サブフレームの数について限定はないが、3つにした場合には、特に有益な効果を奏する。ここで、1フレーム期間の1番始めに位置するサブフレーム期間を1SF、2番目に位置するサブフレーム期間を2SF、3番目に位置するサブフレーム期間を3SFと表記する。
図12の(A)および(B)に示したグラフの横軸は時間であり、縦の実線はフレームの境界を表している。また、縦の破線は、サブフレームの境界を表している。縦軸は輝度である。すなわち、図12の(A)および(B)は、ある画素の輝度の時間に対する変化を、5フレームにわたって表示しているものである。
横軸の下方に表示されているのは、そのフレームにおいて、どの程度の階調が表されるかを示したものである。すなわち、図12の(A)および(B)においては、最初に最低階調を表示し、それから、低階調側の中間調、中程度の中間調、高階調側の中間調、最高階調の順で階調を表示していったときの、ある画素の輝度の時間に対する変化を示している。
図12の(A)および(B)に示す方法は、1SFと2SFにおける輝度を変化させることによって階調を表現し、かつ、3SFにおいては、輝度を0または非常に小さくすることで、擬似的にインパルス型の駆動方法を行なうことを可能にしていることを特徴としている。図12の(A)は、2SFに明画像、1SFに暗画像を表示する場合を表している。また、図12の(B)は、1SFに明画像、2SFに暗画像を表示する場合を表している。
なお、3SFにおいて、輝度を0または非常に小さくすることで、動画のボケを改善する効果が得られるため、1SFの最大輝度Lmax1と、2SFの最大輝度Lmax2に特に限定はないが、実施の形態3で説明したときと同様に、1SFで暗画像を挿入する場合、Lmax1は、(1/2)Lmax2<Lmax1<(9/10)Lmax2という範囲内であるのが望ましい。また、2SFで暗画像を挿入する場合、Lmax2は、(1/2)Lmax1<Lmax2<(9/10)Lmax1という範囲内であるのが望ましい。
図12の(C)は、1フレームで合計した積分輝度を、1SFと2SFと3SFで配分する方法の一例を表したものである。また、グラフの下方に示した表は、各サブフレームの特徴を簡単に表したものである。2SFの領域1および1SFの領域2における特徴は、階調に対する積分輝度の変化が一定であることである。1SFの領域1および2SFの領域2における特徴は、合計輝度と、他のサブフレームの輝度に従った輝度をとることである。ここで、3SFの領域1、領域2における輝度は、0で一定であってもよい。こうすることで、全領域において、動画のボケを効果的に低減することができる。
図12の(D)は、1フレームで合計した積分輝度を、1SFと2SFと3SFで配分する方法の一例を表したものである。また、グラフの下方に示した表は、各サブフレームの特徴を簡単に表したものである。2SFの領域1および1SFの領域2における特徴は、階調に対する積分輝度の変化が一定であることである。1SFの領域1および2SFの領域2における特徴は、合計輝度と、他のサブフレームの輝度に従った輝度をとることである。また、3SFの領域1、領域2における輝度の傾きは、小さい値で一定であってもよい。なお、3SF最大輝度をLmax3としたとき、Lmax3は、1SFの最大輝度および2SFの最大輝度の10分の1以下であることが好適である。こうすることで、全階調領域において、動画のボケを効果的に低減することができる。
なお、傾きの値は正の値であっても、0であっても、負の値であってもよい。図12においては、この違いについては詳細に説明しないが、全ての領域について、これらの組み合わせを適用することができる。傾きが正または負の値をとるために、1SFおよび2SFの輝度差が大きくなる場合は、動画のボケを効率よく低減することができる。また、傾きが正または負の値をとるために、1SFおよび2SFの輝度差が小さくなる場合は、画像表示時のちらつきが低減するという利点がある。また、傾きが0である場合は、画像処理や印加電圧が単純になり、周辺駆動回路の負荷が軽減するという利点がある。また、不自然な輪郭が発生する現象を低減することができる。また、1SFと2SFにおいて最高輝度を小さくできるので、消費電力を低減できる。
なお、すでに述べたように、領域の境界における輝度の状態は、近接する低階調側の領域と比較して、大きい方向へ不連続に変化するか、連続しているか、小さい方向へ不連続に変化するかの、いずれかの状態を取り得る。図12においては、この違いについては詳細に説明しないが、全ての領域の境界について、これらの組み合わせを適用することができる。領域の境界において輝度が不連続に変化した結果、1SFおよび2SFの輝度差が大きくなる場合は、動画のボケを効率よく低減することができる。また、領域の境界において輝度が不連続に変化した結果、1SFおよび2SFの輝度差が小さくなる場合は、画像表示時のちらつきが低減するという利点がある。また、領域の境界において輝度が連続である場合は、画像処理や印加電圧が単純になり、周辺駆動回路の負荷が軽減するという利点がある。また、不自然な輪郭が発生する現象を低減することができる。また、1SFと2SFにおいて最高輝度を小さくできるので、消費電力を低減できる。
なお、図12の(A)、(B)、(C)および(D)に示す形態において、1SF、2SF、3SFは交換可能であり、1SF、2SF、3SFの特徴が入れ替わった場合においても、同様の効果を有する。なお、1SFにおける輝度が2SFにおける輝度よりも大きいが、これに限定されない。1SFにおける輝度が2SFにおける輝度よりも小さくてもよい。ただし、合計輝度が非線形の場合は、2SFにおける輝度が小さい方が、階調を制御しやすいため、望ましい。また、1SFと2SFで、輝度の大小関係が入れ替わってもよい。また、領域1のみ1SFと2SFの輝度の大小関係が入れ替わってもよいし、領域2のみ1SFと2SFの輝度の大小関係が入れ替わってもよいし、領域1と領域2で1SFと2SFの輝度の大小関係が入れ替わってもよい。
なお、本実施の形態で説明した全ての形態は、オーバードライブ駆動と組み合わせて実施してもよい。こうすることで、液晶表示素子の応答速度を速め、動画の品質を向上させることができる。
なお、本実施の形態で説明した全ての形態は、走査型バックライトと組み合わせた液晶表示装置として実施してもよい。こうすることで、バックライトの平均輝度を低減できるので、消費電力を低減することができる。
なお、本実施の形態で説明した全ての形態は、高周波駆動と組み合わせて実施してもよい。こうすることで、動画の品質をさらに向上させることができる。
なお、本実施の形態で説明した全ての形態は、コモン線の電位を操作して、表示素子に目的の電圧を印加する駆動方法と組み合わせて実施してもよい。こうすることで、映像信号を画素に書き込む頻度が小さくなるため、画素に映像信号を書き込む際の消費電力を低減することができる。
なお、本実施の形態で説明した全ての形態は、有機EL素子などの電流で駆動する表示素子と組み合わせて実施してもよい。こうすることで、映像信号電流を大きくすることができるので、書き込み時間を小さくすることができる。
なお、本実施の形態で説明した全ての形態は、インターレース走査と組み合わせて実施してもよい。こうすることで、周辺駆動回路の動作周波数を低減することができるので、消費電力を低減することができる。特に、暗画像において非発光となる画素が多い画像であるとき、または、明画像において最高輝度で発光する画素が多い画像であるときに、効果的である。すなわち、階調の変化の少ない画像に対しては、インターレース走査による解像度の低下が少ないからである。
なお、本実施の形態で説明した全ての形態は、基準電位を変更できるDAコンバーター回路と組み合わせて実施してもよい。こうすることで、DAコンバーター回路の効率を向上させることができる。特に、明画像を表示するサブフレームと、暗画像を表示するサブフレームで、基準電位を変更できるようにするのが効果的である。すなわち、明画像を表示するときと、暗画像を表示するときでは、必要とされる映像信号の電位の平均値が異なるためである。
なお、本実施の形態において、様々な図を用いて述べてきたが、各々の図で述べた内容(一部でもよい)は、別の図で述べた内容(一部でもよい)に対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことが出来る。さらに、これまでに述べた図において、各々の部分に関して、別の部分を組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることが出来る。
同様に、本実施の形態の各々の図で述べた内容(一部でもよい)は、別の実施の形態の図で述べた内容(一部でもよい)対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことが出来る。さらに、本実施の形態の図において、各々の部分に関して、別の実施の形態の部分を組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることが出来る。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態で述べた内容(一部でもよい)を、具現化した場合の一例、少し変形した場合の一例、一部を変更した場合の一例、改良した場合の一例、詳細に述べた場合の一例、応用した場合の一例、関連がある部分についての一例などを示している。したがって、他の実施の形態で述べた内容は、本実施の形態への適用、組み合わせ、又は置き換えを自由に行うことができる。
(実施の形態5)
本実施の形態においては、SOI(Silicon On Insulator)基板について説明する。具体的には、単結晶半導体基板から、異種基板(以下、「ベース基板」ともいう)に転写して形成するSOI基板の作成方法について説明する。
なお、SOI基板を用いて作成されたトランジスタは、通常の単結晶半導体基板を用いて作成されたトランジスタと比べて、寄生容量が小さく、さらに短チャネル効果が出にくいという特徴を持っている。さらに、通常の薄膜トランジスタ(アモルファスシリコンおよび多結晶シリコンを用いた薄膜トランジスタを含む)と比べて、移動度が高く、駆動電圧が小さく、かつ、経年劣化および特性ばらつきが小さいという特徴を持っている。このような特徴を持つトランジスタを作製することができるSOI基板を様々な装置に応用することによって、従来の装置が持っていた様々な課題を解決することができる。
たとえば、トランジスタをより微細とすることで、その性能を向上することが出来る装置(CPU:中央演算装置、半導体メモリなど)を、SOI基板を用いて作製することで、トランジスタの短チャネル効果を抑制することができるので、さらにトランジスタを微細なものとすることができ、性能を向上することができる。
さらに、たとえば、薄膜トランジスタを用いることが適している装置(表示装置など)を、SOI基板を用いて作製することで、画素の開口率を向上させて消費電力を低減でき(トランジスタの大きさを小さくできる)、さらに、駆動電圧を小さくして消費電力を低減でき、さらに、信頼性を向上させることができ(経年劣化を小さくできる)、さらに、表示画像の品質を向上させることができる(トランジスタの特性ばらつきを小さくできる)、など、表示装置の様々な特性を向上させることができる。
具体的には、SOI基板を用いて作製された液晶表示装置は、その特性を顕著に向上させることができる。たとえば、画素のトランジスタを、SOI基板を用いて作製することで、液晶表示装置の開口率を大きくすることができるので、消費電力を低減できる。さらに、ゲートドライバおよびソースドライバなどの周辺駆動回路を、SOI基板を用いて作製することで、当該回路の駆動電圧を小さくできるので、消費電力を低減できる。さらに、画像データ処理回路およびタイミング発生回路などを、SOI基板を用いて作製することで、当該回路の駆動電圧を小さくできるので、消費電力を低減できる。ここで、液晶表示装置がオーバードライブ駆動を行なうことができる構成である場合、さらに効果的である。なぜならば、オーバードライブ駆動によって画像データの処理が頻繁に行なわれるため、駆動電圧の低減による消費電力の低減効果がさらに顕著になるためである。さらに、ルックアップテーブル等、メモリを用いる回路であった場合も、駆動電圧の低減による消費電力の低減効果が顕著である。同様に、液晶表示装置に入力される画像データのフレームレートを変換し、より大きいフレームレートに変えて表示を行なう駆動(倍速駆動)を行なうことができる構成である場合も、SOI基板を用いて作製することの効果は大きい。なぜならば、倍速駆動によって画素回路および周辺駆動回路の駆動周波数が著しく大きくなるが、この場合、SOI基板を用いて作製することによって、駆動電圧が低減できるため、消費電力を大きく低減できるためである。
次に、SOI基板の作成方法について説明する。
SOI基板2400は、ベース基板2410の一表面上に、絶縁層2420及び単結晶半導体層2430(以下、SOI層ともいう)が順次積層された積層体が複数設けられた構成を有する(図24(F)および(G)参照)。SOI層2430は、絶縁層2420を介してベース基板2410上に設けられており、いわゆるSOI構造を形成している。ここで、1枚のベース基板2410上に複数のSOI層が設けられて、1枚のSOI基板2400を形成していてもよい。なお、図24(F)および(G)に示す構成では、1枚のベース基板2410に2つのSOI層2430が設けられている例を示す。
SOI層2430は単結晶半導体であり、代表的には単結晶シリコンを用いることができる。その他、水素イオン注入剥離法を利用して単結晶半導体基板若しくは多結晶半導体基板から剥離可能であるシリコン、ゲルマニウムや、ガリウムヒ素、インジウムリンなどの化合物半導体である結晶性半導体層を用いることもできる。
なお、当該SOI基板を構成するSOI層2430のサイズは、所望のパネルサイズと概同じとなっていてもよい。ここで、「パネルサイズ」とは、表示パネルの表示部及びその周辺の額縁部(非表示部)を合わせたサイズを示す。また、「サイズ」とは、面積を示すものとする。
パネルサイズは用途により適宜選択すればよいが、例えば対角10インチ未満の中小型パネルサイズとすることができる。中小型パネルとして携帯電話機を想定する場合、表示部のサイズ(画面サイズ)としては、例えば対角2.2インチ(56mm)、対角2.4インチ(61mm)、対角2.6インチ(66mm)等が知られている。これらのパネルサイズとする場合は、画面サイズに表示部周辺の額縁部のサイズ(画面額縁サイズ)を考慮したサイズとすればよい。
SOI層2430の形状は特に限定されないが、矩形状(正方形を含む)とすると加工が容易になり、ベース基板2410にも集積度良く貼り合わせることができ好ましい。また、ディスプレイ等の表示装置のパネルとする場合は、SOI層2430のアスペクト比が4:3となるようにすることが好ましい。SOI層2430を所望のパネルサイズ程度とすることで、完成するSOI基板を用いて製造した表示パネルを組み込んで各種表示装置を製造する際に、パネル毎に歩留まりを管理することが可能となる。また、個々のパネルを分断する際に、素子にダメージが入るのを防止することができる。よって、歩留まりの向上を図ることができる。さらに、SOI層2430を所望のパネルサイズ程度とすることで、各パネル毎の素子を1つのSOI層で形成することができ、特性のばらつきを抑えることが可能になる。
ベース基板2410は絶縁表面を有する基板または絶縁基板を用いる。具体的には、アルミノシリケートガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラスのような電子工業用に使われる各種ガラス基板、石英基板、セラミック基板、サファイヤ基板が挙げられる。好ましくはベース基板2410としてガラス基板を用いるのがよく、例えば第6世代(24500mm×1850mm)、第7世代(1870mm×2200mm)、第8世代(2200mm×2400mm)といわれる大面積のマザーガラス基板を用いる。大面積のマザーガラス基板をベース基板2410として用い、本発明を適用してSOI基板を製造することで、SOI基板の大面積化が実現できる。また、個々のSOI層を所望のパネルサイズとすることで、1枚のベース基板で製造できる表示パネルの数(面取り数)を増大させることができる。したがって、該表示パネルを組み込んで製造する最終製品(表示装置)の生産性を向上させることができる。
ベース基板2410とSOI層2430の間には、絶縁層2420が設けられている。絶縁層2420は単層構造としても積層構造としてもよいが、ベース基板2410と接合する面(以下、「接合面」ともいう)は、平滑面を有し親水性表面となるようにする。図24(F)は絶縁層2420として接合層2422を形成する例を示している。平滑面を有し親水性表面を形成できる接合層2422としては、酸化シリコン層が適している。特に、有機シランを用いて化学気相成長法により作製される酸化シリコン層が好ましい。有機シランとしては、テトラエトキシシラン(略称;TEOS:化学式Si(OC2H5)4)、テトラメチルシラン(TMS:化学式Si(CH3)4)、トリメチルシラン((CH3)3SIH)、テトラメチルシクロテトラシロキサン(TMCTS)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、トリエトキシシラン(SiH(OC2H5)3)、トリスジメチルアミノシラン(SiH(N(CH3)2)3)等のシリコン含有化合物を用いることができる。
上記平滑面を有し親水性表面を形成する接合層2422は、膜厚5nm乃至500nmの範囲で設けることが好ましい。接合層2422の膜厚を上記範囲内とすることで、被成膜表面の表面荒れを平滑化すると共に、当該膜の成長表面の平滑性を確保することが可能である。また、接合する基板(図24(F)ではベース基板2410)との歪みを緩和することができる。なお、ベース基板2410にも、接合層2422と同様の酸化シリコン層を設けてもよい。本発明に係るSOI基板は、絶縁表面を有する基板若しくは絶縁基板であるベース基板2410にSOI層2430を接合するに際し、接合を形成する面の一方若しくは双方に、好ましくは有機シランを原材料として成膜した酸化シリコン層でなる接合層を設けることで強固な接合を形成することができる。
図24(G)は絶縁層2420を積層構造とする例を示している。具体的には、絶縁層2420として接合層2422及び窒素含有絶縁層2424の積層構造を形成する例を示している。なお、ベース基板2410との接合面には接合層2422が形成されるようにするため、SOI層2430と接合層2422との間に窒素含有絶縁層2424が設けられた構成とする。窒素含有絶縁層2424は、窒化シリコン層、窒化酸化シリコン層又は酸化窒化シリコン層を用いて単層構造又は積層構造で形成する。例えば、SOI層2430側から酸化窒化シリコン層、窒化酸化シリコン層を積層して窒素含有絶縁層2424とすることができる。接合層2422はベース基板2410と接合を形成するために設けるのに対し、窒素含有絶縁層2424は、可動イオンや水分等の不純物がSOI層2430に拡散して汚染されることを防ぐために設けることが好ましい。
なお、酸化窒化シリコン層とは、その組成として、窒素よりも酸素の含有量が多いものを示し、濃度範囲として酸素が55原子%〜65原子%、窒素が1原子%〜20原子%、Siが25原子%〜35原子%、水素が0.1原子%〜10原子%の範囲で含まれるものをいう。また、窒化酸化シリコン層とは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多いものを示し、濃度範囲として酸素が15原子%〜30原子%、窒素が20原子%〜35原子%、Siが25原子%〜35原子%、水素が15原子%〜25原子%の範囲で含まれるものをいう。
図26(D)、(E)は、ベース基板2410に接合層を含む絶縁層2450を形成する例を示している。絶縁層2450は、単層構造でも積層構造でもよいが、SOI層2430との接合面は平滑面を有し親水性表面を形成するようにする。なお、ベース基板2410と接合層との間には、ベース基板2410として用いられるガラス基板からアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属などの可動イオンの拡散を防ぐため、バリア層が設けられていることが好ましい。
図26(E)は、絶縁層2450としてバリア層2452、接合層2454の積層構造を形成する例を示している。接合層2454としては、前記接合層2422と同様の酸化シリコン層を設ければよい。また、SOI層2430に適宜接合層を設けてもよい。図26(E)では、SOI層2430にも接合層2422を設ける例を示している。このような構成とすることで、ベース基板2410及びSOI層2430を接合させる際に接合層同士で接合を形成するため、より強固な接合を形成することができる。バリア層2452は、酸化シリコン層、窒化シリコン層、酸化窒化シリコン層又は窒化酸化シリコン層を用いて単層構造又は積層構造で形成する。好ましくは、窒素を含有する絶縁層を用いて形成する。
図26(D)は、ベース基板2410に接合層を設ける例を示している。具体的には、ベース基板2410に絶縁層2450としてバリア層2452と接合層2454の積層構造を設けている。また、SOI層2430には酸化シリコン層2426を設けている。ベース基板2410にSOI層2430を接合する際には、酸化シリコン層2426が接合層2454と接合を形成する。酸化シリコン層2426は、熱酸化法により形成されたものが好ましい。また、酸化シリコン層2426としてケミカルオキサイドを適用することもできる。ケミカルオキサイドは、例えばオゾン含有水で半導体基板表面を処理することで形成することができる。ケミカルオキサイドは半導体基板の表面の平坦性を反映して形成されるので好ましい。
次に、本発明に係るSOI基板の製造方法について説明する。まず、図24(F)に示すSOI基板の製造方法の例について説明する。
まず、半導体基板2401を準備する(図24(A)、図25(A)参照)。半導体基板2401としては、市販の半導体基板を用いればよく、例えばシリコン基板やゲルマニウム基板、ガリウムヒ素やインジウムリンなどの化合物半導体基板が挙げられる。市販のシリコン基板としては、直径5インチ(125mm)、直径6インチ(150mm)、直径8インチ(200mm)、直径12インチ(300mm)サイズのものが代表的であり、その形状は円形のものがほとんどである。また、膜厚は1.5mm程度まで適宜選択できる。
次に、半導体基板2401の表面から電界で加速されたイオン2404を所定の深さに注入し、イオンドーピング層2403を形成する(図24(A)、図25(A)参照)。イオン2404の注入は、後にベース基板に転置するSOI層の膜厚を考慮して行われる。好ましくは、SOI層の膜厚が5nm乃至500nm、より好ましくは10nm乃至200nmの厚さとなるようにする。イオンを注入する際の加速電圧及びイオンのドーズ量は、転置するSOI層の膜厚を考慮して適宜選択する。イオン2404は、水素、ヘリウム、又はフッ素等のハロゲンのイオンを用いることができる。なお、イオン2404としては、水素、ヘリウム、又はハロゲン元素から選ばれたソースガスをプラズマ励起して生成された一の原子又は複数の同一の原子からなるイオン種を注入することが好ましい。水素イオンを注入する場合には、H+、H2 +、H3 +イオンを含ませると共に、H3 +イオンの割合を高めておくとイオンの注入効率を高めることができ、注入時間を短縮することができるため好ましい。また、このような構成とすることで、剥離を容易に行うことができる。
なお、所定の深さにイオンドーピング層2403を形成するために、イオン2404を高ドーズ条件で注入する必要がある場合がある。このとき、条件によっては半導体基板2401の表面が粗くなってしまう。そのため、半導体基板のイオンが注入される表面に、保護層として窒化シリコン層又は窒化酸化シリコン層などを膜厚50nm乃至200nmの範囲で設けておいてもよい。
次に、半導体基板2401に接合層2422を形成する(図24(B)、図25(B)参照)。接合層2422は、半導体基板2401がベース基板と接合を形成する面に形成する。ここで形成する接合層2422としては、上述のように有機シランを原料ガスに用いた化学気相成長法により成膜される酸化シリコン層が好ましい。その他に、シランを原料ガスに用いた化学気相成長法により成膜される酸化シリコン層を適用することもできる。化学気相成長法による成膜では、半導体基板2401に形成したイオンドーピング層2403から脱ガスが起こらない程度の温度が適用される。例えば、350℃以下の成膜温度が適用される。なお、単結晶半導体基板または多結晶半導体基板などの半導体基板からSOI層を剥離する加熱処理は、化学気相成長法による成膜温度よりも高い加熱処理温度が適用される。
ここで、半導体基板2401を所望の大きさ、形状に加工することができる(図24(C)、図25(C)参照)。具体的には、所望のパネルサイズとなるように加工することができる。図25(C)では、円形の半導体基板2401を分断して、矩形の半導体基板2402を形成する例を示している。この際、接合層2422及びイオンドーピング層2403も分断される。こうすることによって、所定の深さにイオンドーピング層2403が形成され、表面(ベース基板との接合面)に接合層2422が形成され、さらに所望のパネルサイズである半導体基板2402を得ることができる。
そして、半導体基板2402は、各種表示装置のパネルサイズとすることが好ましい。パネルサイズは組み込まれる最終製品等によって適宜選択すればよいが、例えば対角10インチ未満の中小型パネルのパネルサイズとすることができる。例えば、画面サイズ対角2.4インチの携帯電話機に適用する場合、画面サイズ対角2.4インチに画面額縁サイズを考慮したパネルサイズとする。また、半導体基板2402の形状も最終製品等、用途によって適宜選択すればよいが、ディスプレイ等の表示装置に適用する場合、アスペクト比3:4程度の矩形とすることが好ましい。また、半導体基板2402を矩形状にすると、後の製造工程における加工が容易になり、さらに半導体基板2401から効率的に切り出すことも可能になるため好ましい。半導体基板2401の分断は、ダイサー或いはワイヤソー等の切断装置、レーザー切断、プラズマ切断、電子ビーム切断、その他任意の切断手段を用いることができる。
なお、半導体基板表面に接合層を形成するまでの工程順序は、適宜入れ替えることが可能である。ここでは半導体基板にイオンドーピング層を形成し、前記半導体基板の表面に接合層を形成した後、前記半導体基板を所望のパネルサイズに加工する例を示している。これに対し、例えば、半導体基板を所望のパネルサイズに加工した後、前記所望のパネルサイズの半導体基板にイオンドーピング層を形成し、前記所望のパネルサイズの半導体基板の表面に接合層を形成することもできる。
次に、ベース基板2410と半導体基板2402を貼り合わせる。図24(D)には、ベース基板2410と半導体基板2402の接合層2422が形成された面とを密着させ、ベース基板2410と接合層2422を接合させて、ベース基板2410と半導体基板2402を貼り合わせる例を示す。なお、接合を形成する面(接合面)は十分に清浄化しておくことが好ましい。ベース基板2410と接合層2422を密着させることにより接合が形成される。この接合はファンデルワールス力が作用しており、ベース基板2410と半導体基板2402とを圧接することで、水素結合による強固な接合を形成することが可能である。
また、ベース基板2410と接合層2422との良好な接合を形成するために、接合面を活性化しておいてもよい。例えば、接合を形成する面の一方又は双方に原子ビーム若しくはイオンビームを照射する。原子ビーム若しくはイオンビームを利用する場合には、アルゴン等の不活性ガス中性原子ビーム若しくは不活性ガスイオンビームを用いることができる。その他に、プラズマ照射若しくはラジカル処理を行うことで接合面を活性化することもできる。このような表面処理により、400℃以下の温度であっても異種材料間の接合を形成することが容易となる。
また、接合層2422を介してベース基板2410と半導体基板2402を貼り合わせた後は、加熱処理又は加圧処理を行うことが好ましい。加熱処理又は加圧処理を行うことで接合強度を向上させることが可能となる。加熱処理の温度は、ベース基板2410の耐熱温度以下であることが好ましい。加圧処理においては、接合面に垂直な方向に圧力が加わるように行い、ベース基板2410及び半導体基板2402の耐圧性を考慮して行う。
次に、加熱処理を行いイオンドーピング層2403を劈開面として半導体基板2402の一部をベース基板2410から剥離する(図24(E)参照)。加熱処理の温度は接合層2422の成膜温度以上、ベース基板2410の耐熱温度以下で行うことが好ましい。例えば、400℃乃至600℃の加熱処理を行うことにより、イオンドーピング層2403に形成された微小な空洞の堆積変化が起こり、イオンドーピング層2403に沿って劈開することが可能となる。接合層2422はベース基板2410と接合しているので、ベース基板2410上には半導体基板2402と同じ結晶性のSOI層2430が残存することとなる。
以上で、ベース基板2410上に接合層2422を介してSOI層2430が設けられたSOI構造が形成される。なお、SOI基板は、1枚のベース基板上に接合層を介して複数のSOI層が設けられた構造であるとすることができる。例えば、イオンドーピング層が形成され、且つ表面に接合層が形成され、所望のパネルサイズに加工された半導体基板2402を、所望の個数だけ準備する。そして、図27(A)に示すようにベース基板2410に半導体基板2402を所望の個数貼り合わせた後、図27(B)に示すように加熱処理により一括で剥離を行うことで、SOI基板を製造することができる。なお、加熱処理による剥離を一括に行わず、1つ又はある程度の個数の半導体基板2402を貼り合わせ、剥離する工程を繰り返して、SOI基板を製造することもできる。
また、半導体基板2402は、ベース基板2410に規則的に配列させると、後の工程が容易になり好ましい。例えば、CCDカメラやコンピュータ等の制御装置を用いることで、規則的に半導体基板2402を配列させて貼り合わせていくことが可能になる。また、ベース基板2410や半導体基板2402にマーカ等を形成して、位置合わせを行ってもよい。なお、図27では隣接するSOI層間はある程度隙間を空けるような構成としているが、極力隙間を空けないように敷き詰めて設ける構成としてもよい。
なお、剥離により得られるSOI層は、その表面を平坦化するため、化学的機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing:CMP)を行ってもよい。また、CMP等の物理的研磨手段を用いず、SOI層の表面にレーザービームを照射して平坦化を行ってもよい。なお、レーザービームを照射する際は、酸素濃度が10ppm以下の窒素雰囲気下で行うことが好ましい。これは、酸素雰囲気下でレーザービームの照射を行うとSOI層表面が荒れる恐れがあるからである。また、得られたSOI層の薄膜化を目的として、CMP等を行ってもよい。
次に、ベース基板側に接合層を設けて、図26(D)に示すようなSOI層を形成する工程について説明する。
図26(A)は酸化シリコン層2426が形成された半導体基板2401に電界で加速されたイオン2404を所定の深さに注入し、イオンドーピング層2403を形成する工程を示している。酸化シリコン層2426は、CVD法やスパッタリング法を用いて形成することもできるが、好ましくは熱酸化法により形成する。また、酸化シリコン層2426として、オゾン含有水等で半導体基板表面を処理することにより形成されるケミカルオキサイドを適用してもよい。半導体基板2401は、上述の図24(A)の場合と同様のものを適用できる。また、水素、ヘリウム又はフッ素等のハロゲンのイオンの注入も、上述の図24(A)の場合と同様である。半導体基板2401の表面に酸化シリコン層2426を形成しておくことで、イオンの注入の際に半導体基板表面がダメージを受け、平坦性が損なわれるのを防ぐことができる。
図26(B)は、バリア層2452及び接合層2454が形成されたベース基板2410と、半導体基板2402の酸化シリコン層2426が形成された面を密着させて接合を形成する工程を示している。ベース基板2410上の接合層2454と半導体基板2402の酸化シリコン層2426を密着させることによって接合が形成される。なお、半導体基板2402は、イオンドーピング層2403が形成され、表面に酸化シリコン層2426が形成された半導体基板2401を所望のパネルサイズに加工したものである。バリア層2452は、CVD法やスパッタリング法により、酸化シリコン層、窒化シリコン層、酸化窒化シリコン層又は窒化酸化シリコン層を用いて単層構造又は積層構造で形成すればよい。接合層2454は、上述の接合層2422と同様の酸化シリコン層を形成すればよい。
そして、図26(C)に示すように半導体基板2402の一部を剥離する。剥離のための加熱処理は図24(E)の場合と同様に行い、イオンドーピング層2403を劈開面としてベース基板2410から剥離する。剥離処理後、ベース基板2410上に半導体基板2402と同じ結晶性のSOI層2430が残存することで、SOI基板を得ることができる。ここで、SOI基板は、ベース基板2410上にバリア層2452、接合層2454、酸化シリコン層2426を介してSOI層2430が設けられた構造とすることができる。なお、剥離処理後、得られたSOI層を平坦化又は薄膜化するため、CMPやレーザービームの照射等を行ってもよい。
本実施の形態において説明したSOI基板の製造方法によって、ベース基板2410の耐熱温度が600℃以下であっても、接合部の接着力が強固なSOI層2430を得ることができる。また、600℃以下の温度プロセスを適用すればよいため、ベース基板2410として、アルミノシリケートガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラスの如き無アルカリガラスと呼ばれる電子工業用に使われる各種ガラス基板を適用することが可能となる。もちろん、セラミック基板、サファイヤ基板、石英基板等を適用することも可能である。すなわち、一辺が1メートルを超える基板上に単結晶半導体層を形成することができる。このような大面積基板を使って液晶ディスプレイのような表示装置や、半導体集積回路を製造することができる。
本実施の形態において説明したSOI基板は、ベース基板上にパネルサイズのSOI層を設ける構成である。このようにすることで、1つのSOI層で所望の表示パネルを形成することができ、歩留まりの向上を図ることができる。また、1つのSOI層で所望の表示パネルを形成することができるため、表示パネルを形成する素子のばらつきを抑制することが可能である。
さらに、本実施の形態において説明したSOI基板は、ベース基板にSOI層を転写して形成する際にSOI層の結晶に欠陥が生じても、パネル毎に歩留まりを管理することができる。また、ベース基板へのSOI層の転写をパネルサイズで行うため、異種材料を貼り合わせる場合も応力等のストレスが緩和でき、歩留まりの向上を図ることができる。
さらに、本実施の形態において説明したSOI基板は、ベース基板上に複数のSOI層を設けることで大面積化を実現できる。よって、一度の製造プロセスで多数の表示パネルを製造することが可能となり、当該表示パネルを組み込んで製造する最終製品の生産性を向上させることができる。
なお、本実施の形態において、様々な図を用いて述べてきたが、各々の図で述べた内容(一部でもよい)は、別の図で述べた内容(一部でもよい)に対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことが出来る。さらに、これまでに述べた図において、各々の部分に関して、別の部分を組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることが出来る。
同様に、本実施の形態の各々の図で述べた内容(一部でもよい)は、別の実施の形態の図で述べた内容(一部でもよい)対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことが出来る。さらに、本実施の形態の図において、各々の部分に関して、別の実施の形態の部分を組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることが出来る。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態で述べた内容(一部でもよい)を、具現化した場合の一例、少し変形した場合の一例、一部を変更した場合の一例、改良した場合の一例、詳細に述べた場合の一例、応用した場合の一例、関連がある部分についての一例などを示している。したがって、他の実施の形態で述べた内容は、本実施の形態への適用、組み合わせ、又は置き換えを自由に行うことができる。
(実施の形態6)
本実施の形態においては、トランジスタの構造及び作製方法について説明する。
図28(A)乃至(G)は、トランジスタの構造及び作製方法の例を示す図である。図28(A)は、トランジスタの構造の例を示す図である。図28(B)乃至(G)は、トランジスタの作製方法の例を示す図である。
なお、トランジスタの構造及び作製方法は、図28(A)乃至(G)に示すものに限定されず、様々な構造及び作製方法を用いることができる。
まず、図28(A)を参照し、トランジスタの構造の例について説明する。図28(A)は複数の異なる構造を有するトランジスタの断面図である。ここで、図28(A)においては、複数の異なる構造を有するトランジスタを並置して示しているが、これは、トランジスタの構造を説明するための表現であり、トランジスタが、実際に図28(A)のように並置されている必要はなく、必要に応じてつくり分けることができる。
次に、トランジスタを構成する各層の特徴について説明する。
基板110111は、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、石英基板、セラミック基板又はステンレスを含む金属基板等を用いることができる。他にも、ポリエチレンテレフタレ−ト(PET)、ポリエチレンナフタレ−ト(PEN)、ポリエ−テルサルフォン(PES)に代表されるプラスチック又はアクリル等の可撓性を有する合成樹脂からなる基板を用いることも可能である。可撓性を有する基板を用いることによって、折り曲げが可能である半導体装置を作製することが可能となる。可撓性を有す基板であれば、基板の面積及び基板の形状に大きな制限はないため、基板110111として、例えば、1辺が1メ−トル以上であって、矩形状のものを用いれば、生産性を格段に向上させることができる。このような利点は、円形のシリコン基板を用いる場合と比較すると、大きな優位点である。
絶縁膜110112は、下地膜として機能する。基板110111からNaなどのアルカリ金属又はアルカリ土類金属が、半導体素子の特性に悪影響を及ぼすのを防ぐために設ける。絶縁膜110112としては、酸化珪素(SiOx)、窒化珪素(SiNx)、酸化窒化珪素(SiOxNy)(x>y)、窒化酸化珪素(SiNxOy)(x>y)等の酸素又は窒素を有する絶縁膜の単層構造若しくはこれらの積層構造で設けることができる。例えば、絶縁膜110112を2層構造で設ける場合、1層目の絶縁膜として窒化酸化珪素膜を設け、2層目の絶縁膜として酸化窒化珪素膜を設けるとよい。別の例として、絶縁膜110112を3層構造で設ける場合、1層目の絶縁膜として酸化窒化珪素膜を設け、2層目の絶縁膜として窒化酸化珪素膜を設け、3層目の絶縁膜として酸化窒化珪素膜を設けるとよい。
半導体層110113、110114、110115は、非晶質(アモルファス)半導体又はセミアモルファス半導体(SAS)で形成することができる。あるいは、多結晶半導体層を用いても良い。SASは、非晶質と結晶構造(単結晶、多結晶を含む)の中間的な構造を有し、自由エネルギー的に安定な第3の状態を有する半導体であって、短距離秩序を持ち格子歪みを有する結晶質な領域を含んでいる。少なくとも膜中の一部の領域には、0.5〜20nmの結晶領域を観測することができ、珪素を主成分とする場合にはラマンスペクトルが520cm−1よりも低波数側にシフトしている。X線回折では珪素結晶格子に由来するとされる(111)、(220)の回折ピ−クが観測される。未結合手(ダングリングボンド)の補償するものとして水素又はハロゲンを少なくとも1原子%又はそれ以上含ませている。SASは、材料ガスをグロ−放電分解(プラズマCVD)して形成する。材料ガスとしては、SiH4、その他にもSi2H6、SiH2Cl2、SiHCl3、SiCl4、SiF4などを用いることが可能である。あるいは、GeF4を混合させても良い。この材料ガスをH2、あるいは、H2とHe、Ar、Kr、Neから選ばれた一種又は複数種の希ガス元素で希釈してもよい。希釈率は2〜1000倍の範囲。圧力は概略0.1Pa〜133Paの範囲、電源周波数は1MHz〜120MHz、好ましくは13MHz〜60MHz。基板加熱温度は300℃以下でよい。膜中の不純物元素として、酸素、窒素、炭素などの大気成分の不純物は1×1020cm−1以下とすることが望ましく、特に、酸素濃度は5×1019/cm3以下、好ましくは1×1019/cm3以下とする。ここでは、公知の手段(スパッタ法、LPCVD法、プラズマCVD法等)を用いてシリコン(Si)を主成分とする材料(例えばSixGe1−x等)で非晶質半導体層を形成し、当該非晶質半導体層をレーザー結晶化法、RTA又はファーネスアニール炉を用いる熱結晶化法、結晶化を助長する金属元素を用いる熱結晶化法などの公知の結晶化法により結晶化させる。
絶縁膜110116は、酸化珪素(SiOx)、窒化珪素(SiNx)、酸化窒化珪素(SiOxNy)(x>y)、窒化酸化珪素(SiNxOy)(x>y)等の酸素又は窒素を有する絶縁膜の単層構造、若しくはこれらの積層構造で設けることができる。
ゲ−ト電極110117は、単層の導電膜、又は二層、三層の導電膜の積層構造とすることができる。ゲ−ト電極110117の材料としては、公知の導電膜を用いることができる。たとえば、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、クロム(Cr)、シリコン(Si)などの元素の単体膜、あるいは、前記元素の窒化膜(代表的には窒化タンタル膜、窒化タングステン膜、窒化チタン膜)、あるいは、前記元素を組み合わせた合金膜(代表的にはMo−W合金、Mo−Ta合金)、あるいは、前記元素のシリサイド膜(代表的にはタングステンシリサイド膜、チタンシリサイド膜)などを用いることができる。なお、上述した単体膜、窒化膜、合金膜、シリサイド膜などは、単層で用いてもよいし、積層して用いてもよい。
絶縁膜110118は、公知の手段(スパッタ法又はプラズマCVD法等)によって、酸化珪素(SiOx)、窒化珪素(SiNx)、酸化窒化珪素(SiOxNy)(x>y)、窒化酸化珪素(SiNxOy)(x>y)等の酸素又は窒素を有する絶縁膜やDLC(ダイヤモンドライクカ−ボン)等の炭素を含む膜の単層構造、若しくはこれらの積層構造で設けることができる。
絶縁膜110119は、シロキサン樹脂、あるいは、酸化珪素(SiOx)、窒化珪素(SiNx)、酸化窒化珪素(SiOxNy)(x>y)、窒化酸化珪素(SiNxOy)(x>y)等の酸素又は窒素を有する絶縁膜やDLC(ダイヤモンドライクカ−ボン)等の炭素を含む膜、あるいは、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルフェノ−ル、ベンゾシクロブテン、アクリル等の有機材料、からなる単層若しくは積層構造で設けることができる。なお、シロキサン樹脂とは、Si−O−Si結合を含む樹脂に相当する。シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される。置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。置換基として、フルオロ基を用いることもできる。あるいは、置換基として、少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを用いてもよい。なお、絶縁膜110118を設けずにゲ−ト電極110117を覆うように直接絶縁膜110119を設けることも可能である。
導電膜110123は、Al、Ni、C、W、Mo、Ti、Pt、Cu、Ta、Au、Mnなどの元素の単体膜、あるいは、前記元素の窒化膜、あるいは、前記元素を組み合わせた合金膜、あるいは、前記元素のシリサイド膜などを用いることができる。例えば、前記元素を複数含む合金として、C及びTiを含有したAl合金、Niを含有したAl合金、C及びNiを含有したAl合金、C及びMnを含有したAl合金等を用いることができる。例えば、積層構造で設ける場合、AlをMo又はTiなどで挟み込んだ構造とすることができる。こうすることで、Alの熱や化学反応に対する耐性を向上することができる。
次に、図28(A)に示した、複数の異なる構造を有するトランジスタの断面図を参照して、各々の構造の特徴について説明する。
110101は、シングルドレイントランジスタであり、簡便な方法で製造できるため、製造コストが低く、歩留まりを高く製造できる利点がある。ここで、半導体層110113、110115は、それぞれ不純物の濃度が異なり、半導体層110113はチャネル領域、半導体層110115はソース領域及びドレイン領域として用いる。このように、不純物の量を制御することで、半導体層の抵抗率を制御できる。半導体層と導電膜110123との電気的な接続状態を、オ−ミック接続に近づけることができる。なお、不純物の量の異なる半導体層を作り分ける方法としては、ゲ−ト電極110117をマスクとして半導体層に不純物をド−ピングする方法を用いることができる。
110102は、ゲ−ト電極110117に一定以上のテーパ角を有するトランジスタであり、簡便な方法で製造できるため、製造コストが低く、歩留まりを高く製造できる利点がある。ここで、半導体層110113、110114、110115は、それぞれ不純物濃度が異なり、半導体層110113はチャネル領域、半導体層110114は低濃度ドレイン(Lightly Doped Drain:LDD)領域、半導体層110115はソース領域及びドレイン領域として用いる。このように、不純物の量を制御することで、半導体層の抵抗率を制御できる。半導体層と導電膜110123との電気的な接続状態を、オ−ミック接続に近づけることができる。LDD領域を有するため、トランジスタ内部に高電界がかかりにくく、ホットキャリアによる素子の劣化を抑制することができる。なお、不純物の量の異なる半導体層を作り分ける方法としては、ゲ−ト電極110117をマスクとして半導体層に不純物をド−ピングする方法を用いることができる。110102においては、ゲ−ト電極110117が一定以上のテーパ角を有しているため、ゲ−ト電極110117を通過して半導体層にド−ピングされる不純物の濃度に勾配を持たせることができ、簡便にLDD領域を形成することができる。
110103は、ゲ−ト電極110117が少なくとも2層で構成され、下層のゲ−ト電極が上層のゲ−ト電極よりも長い形状を有するトランジスタである。本明細書中においては、上層のゲ−ト電極及び下層のゲ−ト電極の形状を、帽子型と呼ぶ。ゲ−ト電極110117の形状が帽子型であることによって、フォトマスクを追加することなく、LDD領域を形成することができる。なお、110103のように、LDD領域がゲ−ト電極110117と重なっている構造を、特にGOLD構造(Gate Overlapped LDD)と呼ぶ。なお、ゲ−ト電極110117の形状を帽子型とする方法としては、次のような方法を用いてもよい。
まず、ゲ−ト電極110117をパタ−ニングする際に、ドライエッチングにより、下層のゲ−ト電極及び上層のゲ−ト電極をエッチングして側面に傾斜(テーパ)のある形状にする。続いて、異方性エッチングにより上層のゲ−ト電極の傾斜を垂直に近くなるように加工する。これにより、断面形状が帽子型のゲ−ト電極が形成される。その後、2回、不純物元素をド−ピングすることによって、チャネル領域として用いる半導体層110113、LDD領域として用いる半導体層110114、ソ−ス電極及びドレイン電極として用いる半導体層110115が形成される。
なお、ゲ−ト電極110117と重なっているLDD領域をLov領域、ゲ−ト電極110117と重なっていないLDD領域をLoff領域と呼ぶことにする。ここで、Loff領域はオフ電流値を抑える効果は高いが、ドレイン近傍の電界を緩和してホットキャリアによるオン電流値の劣化を防ぐ効果は低い。一方、Lov領域はドレイン近傍の電界を緩和し、オン電流値の劣化の防止には有効であるが、オフ電流値を抑える効果は低い。よって、種々の回路毎に、求められる特性に応じた構造のトランジスタを作製することが好ましい。たとえば、半導体装置を表示装置として用いる場合、画素トランジスタは、オフ電流値を抑えるために、Loff領域を有するトランジスタを用いることが好適である。一方、周辺回路におけるトランジスタは、ドレイン近傍の電界を緩和し、オン電流値の劣化を防止するために、Lov領域を有するトランジスタを用いることが好適である。
110104は、ゲ−ト電極110117の側面に接して、サイドウォ−ル110121を有するトランジスタである。サイドウォ−ル110121を有することによって、サイドウォ−ル110121と重なる領域をLDD領域とすることができる。
110105は、半導体層にマスクを用いてド−ピングすることにより、LDD(Loff)領域を形成したトランジスタである。こうすることにより、確実にLDD領域を形成することができ、トランジスタのオフ電流値を低減することができる。
110106は、半導体層にマスクを用いてド−ピングすることにより、LDD(Lov)領域を形成したトランジスタである。こうすることにより、確実にLDD領域を形成することができ、トランジスタのドレイン近傍の電界を緩和し、オン電流値の劣化を低減することができる。
次に、図28(B)乃至(G)を参照して、トランジスタの作製方法の例を説明する。
なお、トランジスタの構造及び作製方法は、図28に示すものに限定されず、様々な構造及び作製方法を用いることができる。
本実施の形態においては、基板110111の表面に、絶縁膜110112の表面に、半導体層110113の表面に、110114の表面に、110115の表面に、絶縁膜110116の表面に、絶縁膜110118の表面に、又は絶縁膜110119の表面に、プラズマ処理を用いて酸化又は窒化を行うことにより、半導体層又は絶縁膜を酸化又は窒化することができる。このように、プラズマ処理を用いて半導体層又は絶縁膜を酸化又は窒化することによって、当該半導体層又は当該絶縁膜の表面を改質し、CVD法やスパッタ法により形成した絶縁膜と比較してより緻密な絶縁膜を形成することができるため、ピンホ−ル等の欠陥を抑制し半導体装置の特性等を向上させることが可能となる。
まず、基板110111の表面をフッ酸(HF)、アルカリ又は純水を用いて洗浄する。基板110111は、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、石英基板、セラミック基板又はステンレスを含む金属基板等を用いることができる。他にも、ポリエチレンテレフタレ−ト(PET)、ポリエチレンナフタレ−ト(PEN)、ポリエ−テルサルフォン(PES)に代表されるプラスチックや、アクリル等の可撓性を有する合成樹脂からなる基板を用いることも可能である。なお、ここでは基板110111としてガラス基板を用いる場合を示す。
ここで、基板110111の表面にプラズマ処理を行うことで、基板110111の表面を酸化又は窒化することによって、基板110111の表面に酸化膜又は窒化膜を形成してもよい(図28(B))。表面にプラズマ処理を行うことで形成された酸化膜又は窒化膜などの絶縁膜を、以下では、プラズマ処理絶縁膜とも記す。図28(B)においては、絶縁膜110131がプラズマ処理絶縁膜である。一般的に、ガラス又はプラスチック等の基板上に薄膜トランジスタ等の半導体素子を設ける場合、ガラス又はプラスチック等に含まれるNaなどの、アルカリ金属又はアルカリ土類金属等の不純物元素が半導体素子に混入して汚染することによって、半導体素子の特性に影響を及ぼす恐れがある。しかし、ガラス又はプラスチック等からなる基板の表面を窒化することにより、基板に含まれるNaなどの、アルカリ金属又はアルカリ土類金属等の不純物元素が半導体素子に混入するのを防止することができる。
なお、プラズマ処理により表面を酸化する場合には、酸素雰囲気下(例えば、酸素(O2)と希ガス(He、Ne、Ar、Kr、Xeの少なくとも一つを含む)雰囲気下、あるいは、酸素と水素(H2)と希ガス雰囲気下、あるいは、一酸化二窒素と希ガス雰囲気下)でプラズマ処理を行う。一方、プラズマ処理により半導体層を窒化する場合には、窒素雰囲気下(例えば、窒素(N2)と希ガス(He、Ne、Ar、Kr、Xeの少なくとも一つを含む)雰囲気下、あるいは、窒素と水素と希ガス雰囲気下、あるいは、NH3と希ガス雰囲気下)でプラズマ処理を行う。希ガスとしては、例えばArを用いることができる。あるいは、ArとKrを混合したガスを用いてもよい。そのため、プラズマ処理絶縁膜は、プラズマ処理に用いた希ガス(He、Ne、Ar、Kr、Xeの少なくとも一つを含む)を含んでいる。たとえば、Arを用いた場合にはプラズマ処理絶縁膜にArが含まれている。
プラズマ処理は、上記ガスの雰囲気中において、電子密度が1×1011cm−3以上1×1013cm−3以下であり、プラズマの電子温度が0.5ev以上1.5eV以下で行うことが好適である。プラズマの電子密度が高密度であり、被処理物付近での電子温度が低いため、被処理物に対するプラズマによる損傷を防止することができる。プラズマの電子密度が1×1011cm−3以上と高密度であるため、プラズマ処理を用いて、被照射物を酸化又は窒化することよって形成される酸化物又は窒化膜は、CVD法やスパッタ法等により形成された膜と比較して膜厚等が均一性に優れ、且つ緻密な膜を形成することができる。あるいは、プラズマの電子温度が1eV以下と低いため、従来のプラズマ処理や熱酸化法と比較して低温度で酸化又は窒化処理を行うことができる。たとえば、ガラス基板の歪点温度よりも100度以上低い温度でプラズマ処理を行っても十分に酸化又は窒化処理を行うことができる。なお、プラズマを形成するための周波数としては、マイクロ波(2.45GHz)等の高周波を用いることができる。なお、以下に特に断らない場合は、プラズマ処理として上記条件を用いて行うものとする。
なお、図28(B)においては、基板110111の表面をプラズマ処理することによってプラズマ処理絶縁膜を形成する場合を示しているが、本実施の形態は、基板110111の表面にプラズマ処理絶縁膜を形成しない場合も含む。
なお、図28(C)乃至(G)においては、被処理物の表面をプラズマ処理することによって形成されるプラズマ処理絶縁膜を図示しないが、本実施の形態においては、基板110111、絶縁膜110112、半導体層110113、110114、110115、絶縁膜110116、絶縁膜110118、又は絶縁膜110119の表面に、プラズマ処理を行なうことによって形成されるプラズマ処理絶縁膜が存在する場合も含む。
次に、基板110111上に公知の手段(スパッタ法、LPCVD法、プラズマCVD法等)を用いて絶縁膜110112を形成する(図28(C))。絶縁膜110112としては、酸化珪素(SiOx)又は酸化窒化珪素(SiOxNy)(x>y)を用いることができる。
ここで、絶縁膜110112の表面にプラズマ処理を行い、絶縁膜110112を酸化又は窒化することによって、絶縁膜110112の表面にプラズマ処理絶縁膜を形成してもよい。絶縁膜110112の表面を酸化することによって、絶縁膜110112の表面を改質しピンホ−ル等の欠陥の少ない緻密な膜を得ることができる。絶縁膜110112の表面を酸化することによって、N原子の含有率が低いプラズマ処理絶縁膜を形成することができるため、プラズマ処理絶縁膜に半導体層を設けた場合にプラズマ処理絶縁膜と半導体層界面特性が向上する。なお、プラズマ処理絶縁膜は、プラズマ処理に用いた希ガス(He、Ne、Ar、Kr、Xeの少なくとも一つを含む)を含んでいる。なお、プラズマ処理は上述した条件下で同様に行うことができる。
次に、絶縁膜110112上に島状の半導体層110113、110114を形成する(図28(D))。島状の半導体層110113、110114は、絶縁膜110112上に公知の手段(スパッタ法、LPCVD法、プラズマCVD法等)を用いてシリコン(Si)を主成分とする材料(例えばSixGe1−x等)等を用いて非晶質半導体層を形成し、当該非晶質半導体層を結晶化させ、半導体層を選択的にエッチングすることにより設けることができる。なお、非晶質半導体層の結晶化は、レーザー結晶化法、RTA又はファーネスアニール炉を用いる熱結晶化法、結晶化を助長する金属元素を用いる熱結晶化法又はこれら方法を組み合わせた方法等の公知の結晶化法により行うことができる。なお、ここでは、島状の半導体層の端部を直角に近い形状(θ=85〜100°)で設ける。あるいは、低濃度ドレイン領域となる半導体層110114は、マスクを用いて不純物をド−ピングすることによって形成されてもよい。
ここで、半導体層110113、110114の表面にプラズマ処理を行い、半導体層110113、110114の表面を酸化又は窒化することによって、半導体層110113、110114の表面にプラズマ処理絶縁膜を形成してもよい。例えば、半導体層110113、110114としてSiを用いた場合、プラズマ処理絶縁膜として、酸化珪素(SiOx)又は窒化珪素(SiNx)が形成される。あるいは、プラズマ処理により半導体層110113、110114を酸化させた後に、再度プラズマ処理を行うことによって窒化させてもよい。この場合、半導体層110113、110114に接して酸化珪素(SiOx)が形成され、当該酸化珪素の表面に窒化酸化珪素(SiNxOy)(x>y)が形成される。なお、プラズマ処理により半導体層を酸化する場合には、酸素雰囲気下(例えば、酸素(O2)と希ガス(He、Ne、Ar、Kr、Xeの少なくとも一つを含む)雰囲気下、あるいは、酸素と水素(H2)と希ガス雰囲気下又は一酸化二窒素と希ガス雰囲気下)、でプラズマ処理を行う。一方、プラズマ処理により半導体層を窒化する場合には、窒素雰囲気下(例えば、窒素(N2)と希ガス(He、Ne、Ar、Kr、Xeの少なくとも一つを含む)雰囲気下、あるいは、窒素と水素と希ガス雰囲気下又はNH3と希ガス雰囲気下)、でプラズマ処理を行う。希ガスとしては、例えばArを用いることができる。あるいは、ArとKrを混合したガスを用いてもよい。そのため、プラズマ処理絶縁膜は、プラズマ処理に用いた希ガス(He、Ne、Ar、Kr、Xeの少なくとも一つを含む)を含んでいる。たとえば、Arを用いた場合にはプラズマ処理絶縁膜にArが含まれている。
次に、絶縁膜110116を形成する(図28(E))。絶縁膜110116は、公知の手段(スパッタ法、LPCVD法、プラズマCVD法等)を用いて、酸化珪素(SiOx)、窒化珪素(SiNx)、酸化窒化珪素(SiOxNy)(x>y)、窒化酸化珪素(SiNxOy)(x>y)等の酸素又は窒素を有する絶縁膜の単層構造、又はこれらの積層構造で設けることができる。なお、半導体層110113、110114の表面をプラズマ処理することにより、半導体層110113、110114の表面にプラズマ処理絶縁膜を形成した場合には、プラズマ処理絶縁膜を絶縁膜110116として用いることも可能である。
ここで、絶縁膜110116の表面にプラズマ処理を行い、絶縁膜110116の表面を酸化又は窒化することによって、絶縁膜110116の表面にプラズマ処理絶縁膜を形成してもよい。なお、プラズマ処理絶縁膜は、プラズマ処理に用いた希ガス(He、Ne、Ar、Kr、Xeの少なくとも一つを含む)を含んでいる。なお、プラズマ処理は上述した条件下で同様に行うことができる。
あるいは、一旦酸素雰囲気下でプラズマ処理を行うことにより絶縁膜110116を酸化させた後に、再度窒素雰囲気下でプラズマ処理を行うことにより窒化させてもよい。このように、絶縁膜110116にプラズマ処理を行い、絶縁膜110116の表面を酸化又は窒化することによって、絶縁膜110116の表面を改質し緻密な膜を形成することができる。プラズマ処理を行うことによって得られた絶縁膜は、CVD法やスパッタ法で形成された絶縁膜と比較して緻密でピンホ−ル等の欠陥も少ないため、薄膜トランジスタの特性を向上させることができる。
次に、ゲ−ト電極110117を形成する(図28(F))。ゲ−ト電極110117は、公知の手段(スパッタ法、LPCVD法、プラズマCVD法等)を用いて形成することができる。
110101においては、ゲ−ト電極110117を形成した後に不純物ド−ピングを行なうことで、ソース領域及びドレイン領域として用いる半導体層110115を形成することができる。
110102においては、ゲ−ト電極110117を形成した後に不純物ド−ピングを行なうことで、LDD領域として用いる110114と、半導体層ソース領域及びドレイン領域として用いる半導体層110115を形成することができる。
110103においては、ゲ−ト電極110117を形成した後に不純物ド−ピングを行なうことで、LDD領域として用いる110114と、半導体層ソース領域及びドレイン領域として用いる半導体層110115を形成することができる。
110104においては、ゲ−ト電極110117の側面にサイドウォ−ル110121を形成した後、不純物ド−ピングを行なうことで、LDD領域として用いる110114と、半導体層ソース領域及びドレイン領域として用いる半導体層110115を形成することができる。
なお、サイドウォ−ル110121は、酸化珪素(SiOx)又は窒化珪素(SiNx)を用いることができる。サイドウォ−ル110121をゲ−ト電極110117の側面に形成する方法としては、たとえば、ゲ−ト電極110117を形成した後に、酸化珪素(SiOx)又は窒化珪素(SiNx)を公知の方法で成膜した後に、異方性エッチングによって酸化珪素(SiOx)又は窒化珪素(SiNx)膜をエッチングする方法を用いることができる。こうすることで、ゲ−ト電極110117の側面にのみ酸化珪素(SiOx)又は窒化珪素(SiNx)膜を残すことができるので、ゲ−ト電極110117の側面にサイドウォ−ル110121を形成することができる。
110105においては、ゲ−ト電極110117を覆うようにマスク110122を形成した後、不純物ド−ピングを行なうことで、LDD(Loff)領域として用いる110114と、半導体層ソース領域及びドレイン領域として用いる半導体層110115を形成することができる。
110106においては、ゲ−ト電極110117を形成した後に不純物ド−ピングを行なうことで、LDD(Lov)領域として用いる110114と、半導体層ソース領域及びドレイン領域として用いる半導体層110115を形成することができる。
次に、絶縁膜110118を形成する(図28(G))。絶縁膜110118は、公知の手段(スパッタ法やプラズマCVD法等)により、酸化珪素(SiOx)、窒化珪素(SiNx)、酸化窒化珪素(SiOxNy)(x>y)、窒化酸化珪素(SiNxOy)(x>y)等の酸素又は窒素を有する絶縁膜やDLC(ダイヤモンドライクカ−ボン)等の炭素を含む膜の単層構造、又はこれらの積層構造で設けることができる。
ここで、絶縁膜110118の表面にプラズマ処理を行い、絶縁膜110118の表面を酸化又は窒化することによって、絶縁膜110118の表面にプラズマ処理絶縁膜を形成してもよい。なお、プラズマ処理絶縁膜は、プラズマ処理に用いた希ガス(He、Ne、Ar、Kr、Xeの少なくとも一つを含む)を含んでいる。なお、プラズマ処理は上述した条件下で同様に行うことができる。
次に、絶縁膜110119を形成する。絶縁膜110119は、公知の手段(スパッタ法やプラズマCVD法等)により、酸化珪素(SiOx)、窒化珪素(SiNx)、酸化窒化珪素(SiOxNy)(x>y)、窒化酸化珪素(SiNxOy)(x>y)等の酸素又は窒素を有する絶縁膜やDLC(ダイヤモンドライクカ−ボン)等の炭素を含む膜を用いることができる他に、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルフェノ−ル、ベンゾシクロブテン、アクリル等の有機材料やシロキサン樹脂の単層構造、又はこれらの積層構造で設けることができる。なお、シロキサン樹脂とは、Si−O−Si結合を含む樹脂に相当する。シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される。置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。置換基として、フルオロ基を用いることもできる。あるいは、置換基として、少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを用いてもよい。なお、プラズマ処理絶縁膜には、プラズマ処理に用いた希ガス(He、Ne、Ar、Kr、Xeの少なくとも一つを含む)が含まれており、例えばArを用いた場合にはプラズマ処理絶縁膜中にArが含まれている。
絶縁膜110119としてポリイミド、ポリアミド、ポリビニルフェノ−ル、ベンゾシクロブテン、アクリル等の有機材料やシロキサン樹脂等を用いた場合、絶縁膜110119の表面をプラズマ処理により酸化又は窒化することにより、当該絶縁膜の表面を改質することができる。表面を改質することによって、絶縁膜110119の強度が向上し開口部形成時等におけるクラックの発生やエッチング時の膜減り等の物理的ダメ−ジを低減することが可能となる。絶縁膜110119の表面が改質されることによって、絶縁膜110119上に導電膜110123を形成する場合に導電膜との密着性が向上する。例えば、絶縁膜110119としてシロキサン樹脂を用いてプラズマ処理を用いて窒化を行った場合、シロキサン樹脂の表面が窒化されることにより窒素又は希ガスを含むプラズマ処理絶縁膜が形成され、物理的強度が向上する。
次に、半導体層110115と電気的に接続された導電膜110123を形成するため、絶縁膜110119、絶縁膜110118、絶縁膜110116にコンタクトホ−ルを形成する。なお、コンタクトホ−ルの形状はテーパ状であってもよい。こうすることで、導電膜110123のカバレッジを向上させることができる。
図32は、ボトムゲート型のトランジスタの断面構造及び容量素子の断面構造を示す。
基板110501上に第1の絶縁膜(絶縁膜110502)が全面に形成されている。第1の絶縁膜は、基板側からの不純物が半導体層に影響を及ぼし、トランジスタの性質が変化してしまうことを防ぐ機能を有する。つまり、第1の絶縁膜は下地膜としての機能を有する。したがって、信頼性の高いトランジスタを作製することができる。なお、第1の絶縁膜としては、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜又は酸化窒化シリコン膜(SiOxNy)などの単層、又はこれらの積層を用いることができる。
第1の絶縁膜上に、第1の導電層(導電層110503及び導電層110504)が形成されている。導電層110503は、トランジスタ110520のゲート電極として機能する部分を含む。導電層110504は、容量素子110521の第1の電極として機能する部分を含む。なお、第1の導電層としては、Ti、Mo、Ta、Cr、W、Al、Nd、Cu、Ag、Au、Pt、NA−Si、Zn、Fe、Ba、Geなど、又はこれらの合金を用いることができる。あるいは、これらの元素(合金も含む)の積層を用いることができる。
少なくとも第1の導電層を覆うように、第2の絶縁膜(絶縁膜110514)が形成されている。第2の絶縁膜は、ゲート絶縁膜としての機能を有する。なお、第2の絶縁膜としては、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜又は酸化窒化シリコン膜(SiOxNy)などの単層、又はこれらの積層を用いることができる。
なお、半導体層に接する部分の第2の絶縁膜としては、酸化シリコン膜を用いることが望ましい。なぜなら、半導体層と第2の絶縁膜とが接する界面におけるトラップ準位が少なくなるからである。
なお、第2の絶縁膜がMoと接する場合、Moと接する部分の第2の絶縁膜としては酸化シリコン膜を用いることが望ましい。なぜなら、酸化シリコン膜はMoを酸化させないからである。
第2の絶縁膜上のうち第1の導電層と重なって形成されている部分の一部に、フォトリソグラフィ法、インクジェット法又は印刷法などによって、半導体層が形成されている。そして、半導体層の一部は、第2の絶縁膜上のうち第1の導電層と重なって形成されていない部分まで延長されている。半導体層は、チャネル形成領域(チャネル形成領域110510)、LDD領域(LDD領域110508、LDD領域110509)、不純物領域(不純物領域110505、不純物領域110506、不純物領域110507)を有している。チャネル形成領域110510は、トランジスタ110520のチャネル形成領域として機能する。LDD領域110508及びLDD領域110509は、トランジスタ110520のLDD領域とし機能する。なお、LDD領域110508及びLDD領域110509は必ずしも必要ではない。不純物領域110505は、トランジスタ110520のソース電極及びドレイン電極の一方として機能する部分を含む。不純物領域100506は、トランジスタ110520のソース電極及びドレイン電極の他方として機能する部分を含む。不純物領域110507は、容量素子110521の第2の電極として機能する部分を含む。
全面に、第3の絶縁膜(絶縁膜110511)が形成されている。第3の絶縁膜の一部には、選択的にコンタクトホールが形成されている。絶縁膜110511は、層間膜としての機能を有する。第3の絶縁膜としては、無機材料(酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコンなど)あるいは、低誘電率の有機化合物材料(感光性又は非感光性の有機樹脂材料)などを用いることができる。あるいは、シロキサンを含む材料を用いることもできる。なお、シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される材料である。置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。あるいは、置換基としてフルオロ基を用いてもよい。あるいは、置換基として、少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを用いてもよい。
第3の絶縁膜上に、第2の導電層(導電層110512及び導電層110513)が形成されている。導電層110512は、第3の絶縁膜に形成されたコンタクトホールを介してトランジスタ110520のソース電極及びドレイン電極の他方と接続されている。したがって、導電層110512は、トランジスタ110520のソース電極及びドレイン電極の他方として機能する部分を含む。導電層110513は、容量素子110521の第1の電極として機能する部分を含む。なお、第2の導電層としては、Ti、Mo、Ta、Cr、W、Al、Nd、Cu、Ag、Au、Pt、NA−Si、Zn、Fe、Ba、Geなど、又はこれらの合金を用いることができる。あるいは、これらの元素(合金も含む)の積層を用いることができる。
なお、第2の導電層が形成された後の工程として、様々な絶縁膜、又は様々な導電膜が形成されていてもよい。
トランジスタの半導体層にアモルファスシリコン(a−Si:H)膜を用いた場合のトランジスタ及び容量素子の構造について説明する。
図29は、トップゲ−ト型のトランジスタの断面構造及び容量素子の断面構造を示す。
基板110201上に第1の絶縁膜(絶縁膜110202)が全面に形成されている。第1の絶縁膜は、基板側からの不純物が半導体層に影響を及ぼし、トランジスタの性質が変化してしまうことを防ぐ機能を有する。つまり、第1の絶縁膜は下地膜としての機能を有する。したがって、信頼性の高いトランジスタを作製することができる。なお、第1の絶縁膜としては、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜又は酸化窒化シリコン膜(SiOxNy)などの単層、又はこれらの積層を用いることができる。
なお、第1の絶縁膜を必ずしも形成する必要はない。この場合は、工程数の削減を図ることができる。製造コストの削減を図ることができる。構造を簡単にできるので、歩留まりの向上を図ることができる。
第1の絶縁膜上に、第1の導電層(導電層110203、導電層110204及び導電層110205)が形成されている。導電層110203は、トランジスタ110220のソ−ス電極及びドレイン電極の一方の電極として機能する部分を含む。導電層110204は、トランジスタ110220のソ−ス電極及びドレイン電極の他方の電極として機能する部分を含む。導電層110205は、容量素子110221の第1の電極として機能する部分を含む。なお、第1の導電層としては、Ti、Mo、Ta、Cr、W、Al、Nd、Cu、Ag、Au、Pt、NA−Si、Zn、Fe、Ba、Geなど、又はこれらの合金を用いることができる。あるいは、これらの元素(合金も含む)の積層を用いることができる。
導電層110203及び導電層110204の上部に、第1の半導体層(半導体層110206及び半導体層110207)が形成されている。半導体層110206は、ソ−ス電極とドレイン電極の一方の電極として機能する部分を含む。半導体層110207は、ソ−ス電極とドレイン電極の他方の電極として機能する部分を含む。なお、第1の半導体層としては、リン等を含んだシリコン等を用いることができる。
導電層110203と導電層110204との間であって、かつ第1の絶縁膜上に、第2の半導体層(半導体層110208)が形成されている。そして、半導体層110208の一部は、導電層110203上及び導電層110204上まで延長されている。半導体層110208は、トランジスタ110220のチャネル領域として機能する部分を含む。なお、第2の半導体層としては、アモルファスシリコン(a−Si:H)等の非結晶性を有する半導体層、又は微結晶半導体(μ−Si:H)等の半導体層などを用いることができる。
少なくとも半導体層110208及び導電層110205を覆うように、第2の絶縁膜(絶縁膜110209及び絶縁膜110210)が形成されている。第2の絶縁膜は、ゲ−ト絶縁膜としての機能を有する。なお、第2の絶縁膜としては、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜又は酸化窒化シリコン膜(SiOxNy)などの単層、又はこれらの積層を用いることができる。
なお、第2の半導体層に接する部分の第2の絶縁膜としては、酸化シリコン膜を用いることが望ましい。なぜなら、第2の半導体層と第2の絶縁膜とが接する界面におけるトラップ準位が少なくなるからである。
なお、第2の絶縁膜がMoと接する場合、Moと接する部分の第2の絶縁膜としては酸化シリコン膜を用いることが望ましい。なぜなら、酸化シリコン膜はMoを酸化させないからである。
第2の絶縁膜上に、第2の導電層(導電層110211及び導電層110212)が形成されている。導電層110211は、トランジスタ110220のゲ−ト電極として機能する部分を含む。導電層110212は、容量素子110221の第2の電極、又は配線としての機能を有する。なお、第2の導電層としては、Ti、Mo、Ta、Cr、W、Al、Nd、Cu、Ag、Au、Pt、NA−Si、Zn、Fe、Ba、Geなど、又はこれらの合金を用いることができる。あるいは、これらの元素(合金も含む)の積層を用いることができる。
なお、第2の導電層が形成された後の工程として、様々な絶縁膜、又は様々な導電膜が形成されていてもよい。
図30は、逆スタガ型(ボトムゲ−ト型)のトランジスタの断面構造及び容量素子の断面構造を示す。特に、図30に示すトランジスタは、チャネルエッチ型と呼ばれる構造である。
基板110301上に第1の絶縁膜(絶縁膜110302)が全面に形成されている。第1の絶縁膜は、基板側からの不純物が半導体層に影響を及ぼし、トランジスタの性質が変化してしまうことを防ぐ機能を有する。つまり、第1の絶縁膜は下地膜としての機能を有する。したがって、信頼性の高いトランジスタを作製することができる。なお、第1の絶縁膜としては、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜又は酸化窒化シリコン膜(SiOxNy)などの単層、又はこれらの積層を用いることができる。
なお、第1の絶縁膜を必ずしも形成する必要はない。この場合は、工程数の削減を図ることができる。製造コストの削減を図ることができる。構造を簡単にできるので、歩留まりの向上を図ることができる。
第1の絶縁膜上に、第1の導電層(導電層110303及び導電層110304)が形成されている。導電層110303は、トランジスタ110320のゲ−ト電極として機能する部分を含む。導電層110304は、容量素子110321の第1の電極として機能する部分を含む。なお、第1の導電層としては、Ti、Mo、TB、Cr、W、Bl、Nd、Cu、Bg、Bu、Pt、NA−Si、Zn、Fe、BB、Geなど、又はこれらの合金を用いることができる。あるいは、これらの元素(合金も含む)の積層を用いることができる。
少なくとも第1の導電層を覆うように、第2の絶縁膜(絶縁膜110302)が形成されている。第2の絶縁膜は、ゲ−ト絶縁膜としての機能を有する。なお、第2の絶縁膜としては、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜又は酸化窒化シリコン膜(SiOxNy)などの単層、又はこれらの積層を用いることができる。
なお、半導体層に接する部分の第2の絶縁膜としては、酸化シリコン膜を用いることが望ましい。なぜなら、半導体層と第2の絶縁膜とが接する界面におけるトラップ準位が少なくなるからである。
なお、第2の絶縁膜がMoと接する場合、Moと接する部分の第2の絶縁膜としては酸化シリコン膜を用いることが望ましい。なぜなら、酸化シリコン膜はMoを酸化させないからである。
第2の絶縁膜上のうち第1の導電層と重なって形成されている部分の一部に、フォトリソグラフィ法、インクジェット法又は印刷法などによって、第1の半導体層(半導体層110306)が形成されている。そして、半導体層110308の一部は、第2の絶縁膜上のうち第1の導電層と重なって形成されていない部分まで延長されている。半導体層110306は、トランジスタ110320のチャネル領域として機能する部分を含む。なお、半導体層110306としては、アモルファスシリコン(A−Si:H)等の非結晶性を有する半導体層、又は微結晶半導体(μ−Si:H)等の半導体層などを用いることができる。
第1の半導体層上の一部に、第2の半導体層(半導体層110307及び半導体層110307)が形成されている。半導体層110307は、ソ−ス電極とドレイン電極の一方の電極として機能する部分を含む。半導体層110308は、ソ−ス電極とドレイン電極の他方の電極として機能する部分を含む。なお、第2の導体層としては、リン等を含んだシリコン等を用いることができる。
第2の半導体層上及び第2の絶縁膜上に、第2の導電層(導電層110309、導電層110310及び導電層110311)が形成されている。導電層110309は、トランジスタ110320のソ−ス電極とドレイン電極の一方として機能する部分を含む。導電層110310は、トランジスタ110320のソ−スとドレイン電極の他方として機能する部分を含む。導電層110312は、容量素子110321の第2の電極として機能する部分を含む。なお、第2の導電層としては、Ti、Mo、Ta、Cr、W、Al、Nd、Cu、Ag、Au、Pt、NA−Si、Zn、Fe、Ba、Geなど、又はこれらの合金を用いることができる。あるいは、これらの元素(合金も含む)の積層を用いることができる。
なお、第2の導電層が形成された後の工程として、様々な絶縁膜、又は様々な導電膜が形成されていてもよい。
ここで、チャネルエッチ型のトランジスタが特徴とする工程の一例を説明する。同じマスクを用いて、第1の半導体層及び第2の半導体層を形成することができる。具体的には、第1の半導体層と第2の半導体層とは連続して成膜される。そして、第1の半導体層及び第2の半導体層は、同じマスクを用いて形成される。
チャネルエッチ型のトランジスタが特徴とする工程の別の一例を説明する。新たなマスクを用いることなく、トランジスタのチャネル領域を形成することができる。具体的には、第2の導電層が形成された後で、第2の導電層をマスクとして用いて第2の半導体層の一部を除去する。あるいは、第2の導電層と同じマスクを用いて第2の半導体層の一部を除去する。そして、除去された第2の半導体層の下部に形成されている第1の半導体層がトランジスタのチャネル領域となる。
図31は、逆スタガ型(ボトムゲ−ト型)のトランジスタの断面構造及び容量素子の断面構造を示す。特に、図31に示すトランジスタは、チャネル保護型(チャネルストップ型)と呼ばれる構造である。
基板110401上に第1の絶縁膜(絶縁膜110402)が全面に形成されている。第1の絶縁膜は、基板側からの不純物が半導体層に影響を及ぼし、トランジスタの性質が変化してしまうことを防ぐ機能を有する。つまり、第1の絶縁膜は下地膜としての機能を有する。したがって、信頼性の高いトランジスタを作製することができる。なお、第1の絶縁膜としては、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜又は酸化窒化シリコン膜(SiOxNy)などの単層、又はこれらの積層を用いることができる。
なお、第1の絶縁膜を必ずしも形成する必要はない。この場合は、工程数の削減を図ることができる。製造コストの削減を図ることができる。構造を簡単にできるので、歩留まりの向上を図ることができる。
第1の絶縁膜上に、第1の導電層(導電層110403及び導電層110404)が形成されている。導電層110403は、トランジスタ110420のゲ−ト電極として機能する部分を含む。導電層110404は、容量素子110421の第1の電極として機能する部分を含む。なお、第1の導電層としては、Ti、Mo、TC、Cr、W、Cl、Nd、Cu、Cg、Cu、Pt、NC、Si、Zn、Fe、CC、Geなど、又はこれらの合金を用いることができる。あるいは、これらの元素(合金も含む)の積層を用いることができる。
少なくとも第1の導電層を覆うように、第2の絶縁膜(絶縁膜110402)が形成されている。第2の絶縁膜は、ゲ−ト絶縁膜としての機能を有する。なお、第2の絶縁膜としては、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜又は酸化窒化シリコン膜(SiOxNy)などの単層、又はこれらの積層を用いることができる。
なお、半導体層に接する部分の第2の絶縁膜としては、酸化シリコン膜を用いることが望ましい。なぜなら、半導体層と第2の絶縁膜とが接する界面におけるトラップ準位が少なくなるからである。
なお、第2の絶縁膜がMoと接する場合、Moと接する部分の第2の絶縁膜としては酸化シリコン膜を用いることが望ましい。なぜなら、酸化シリコン膜はMoを酸化させないからである。
第2の絶縁膜上のうち第1の導電層と重なって形成されている部分の一部に、フォトリソグラフィ法、インクジェット法又は印刷法などによって、第1の半導体層(半導体層110406)が形成されている。そして、半導体層110408の一部は、第2の絶縁膜上のうち第1の導電層と重なって形成されていない部分まで延長されている。半導体層110406は、トランジスタ110420のチャネル領域として機能する部分を含む。なお、半導体層110406としては、アモルファスシリコン(C−Si:H)等の非結晶性を有する半導体層、又は微結晶半導体(μ−Si:H)等の半導体層などを用いることができる。
第1の半導体層上の一部に、第3の絶縁膜(絶縁膜110412)が形成されている。絶縁膜110412は、トランジスタ110420のチャネル領域がエッチングによって除去されることを防止する機能を有する。つまり、絶縁膜110412は、チャネル保護膜(チャネルストップ膜)として機能する。なお、第3の絶縁膜としては、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜又は酸化窒化シリコン膜(SiOxNy)などの単層、又はこれらの積層を用いることができる。
第1の半導体層上の一部及び第3の絶縁膜上の一部に、第2の半導体層(半導体層110407及び半導体層110408)が形成されている。半導体層110407は、ソ−ス電極とドレイン電極の一方の電極として機能する部分を含む。半導体層110408は、ソ−ス電極とドレイン電極の他方の電極として機能する部分を含む。なお、第2の導体層としては、リン等を含んだシリコン等を用いることができる。
第2の半導体層上に、第2の導電層(導電層110409、導電層110410及び導電層110411)が形成されている。導電層110409は、トランジスタ110420のソ−ス電極とドレイン電極の一方として機能する部分を含む。導電層110410は、トランジスタ110420のソ−スとドレイン電極の他方として機能する部分を含む。導電層110411は、容量素子110421の第2の電極として機能する部分を含む。なお、第2の導電層としては、Ti、Mo、Ta、Cr、W、Al、Nd、Cu、Ag、Au、Pt、NC、Si、Zn、Fe、Ca、Geなど、又はこれらの合金を用いることができる。あるいは、これらの元素(合金も含む)の積層を用いることができる。
なお、第2の導電層が形成された後の工程として、様々な絶縁膜、又は様々な導電膜が形成されていてもよい。
ここで、チャネル保護型のトランジスタが特徴とする工程の一例を説明する。同じマスクを用いて、第1の半導体層、第2の半導体層及び第2の導電層を形成することができる。同時に、チャネル領域を形成することができる。具体的には、第1の半導体層を成膜し、次に第3の絶縁膜(チャネル保護膜、チャネルストップ膜)をマスクを用いて形成し、次に第2の半導体層と第2の導電層とを連続して成膜する。そして、第2の導電層が成膜された後で、第1の半導体層、第2の半導体層及び第2の導電層が同じマスクを用いて形成される。ただし、第3の絶縁膜の下部の第1の半導体層は、第3の絶縁膜によって保護されるのでエッチングによって除去されない。この部分(第1の半導体層のうち上部に第3の絶縁膜が形成された部分)がチャネル領域となる。
次に、トランジスタを製造するための基板として、半導体基板を用いた例について説明する。半導体基板を用いて製造されたトランジスタは、移動度が高いため、トランジスタサイズを小さくすることができる。その結果、単位面積当たりのトランジスタ数を増やす(集積度を上げる)ことができ、同一の回路構成では集積度が大きいほど基板サイズを小さくすることができるため、製造コストを低減できる。さらに、同一の基板サイズでは集積度が大きいほど回路規模を大きくすることができるため、製造コストはほぼ同等のままで、より高い機能を持たせることが可能となる。その上、特性のばらつきが少ないため、製造の歩留まりも高くすることができる。さらに、動作電圧が小さいので、消費電力を低減することができる。さらに、移動度が高いため、高速動作が可能である。
半導体基板を用いて製造されたトランジスタを集積して構成された回路は、ICチップ等の形態をとって装置に実装されることで、当該装置に様々な機能を持たせることができる。たとえば、表示装置の周辺駆動回路(データドライバ(ソースドライバ)、スキャンドライバ(ゲートドライバ)、タイミングコントローラ、画像処理回路、インターフェース回路、電源回路、発振回路等)を、半導体基板を用いて製造されたトランジスタを集積して構成することで、サイズが小さく、消費電力が小さく、高速動作が可能な周辺駆動回路を、低コストで歩留まり高く製造することができる。なお、半導体基板を用いて製造されたトランジスタを集積して構成された回路は、単一の極性のトランジスタを有する構成であってもよい。こうすることで、製造プロセスを簡略化できるため、製造コストを低減できる。
半導体基板を用いて製造されたトランジスタを集積して構成された回路は、その他には、たとえば、表示パネルに用いることができる。より詳細には、LCOS(Liquid Crystal On Silicon)等の反射型液晶パネル、微小ミラーを集積したDMD(Digital Micromirror Device)素子、ELパネル等に用いることができる。これらの表示パネルを、半導体基板を用いて製造することで、サイズが小さく、消費電力が小さく、高速動作が可能な表示パネルを、低コストで歩留まり高く製造することができる。なお、表示パネルには、大規模集積回路(LSI)など、表示パネルの駆動以外の機能を持った素子上に形成されたものも含む。
以下に、半導体基板を用いてトランジスタを製造する方法について述べる。
まず、半導体基板110600に素子を分離した領域110604、110606(以下、領域110604、110606とも記す)を形成する(図33(A)参照)。半導体基板110600に設けられた領域110604、110606は、それぞれ絶縁膜110602(フィールド酸化膜ともいう)によって分離されている。ここでは、半導体基板110600としてn型の導電型を有する単結晶Si基板を用い、半導体基板110600の領域110606にpウェル110607を設けた例を示している。
半導体基板110600は、半導体基板であれば特に限定されず用いることができる。例えば、n型又はp型の導電型を有する単結晶Si基板、化合物半導体基板(GaAs基板、InP基板、GaN基板、SiC基板、サファイヤ基板、ZnSe基板等)、貼り合わせ法またはSIMOX(Separation by Implanted Oxygen)法を用いて作製されたSOI(Silicon on Insulator)基板等を用いることができる。
領域110604、110606は、選択酸化法(LOCOS(Local Oxidation of Silicon)法)又はトレンチ分離法等を適宜用いることができる。
半導体基板110600の領域110606に形成されたpウェルは、半導体基板110600にp型の導電型を有する不純物元素を選択的に導入することによって形成することができる。p型を示す不純物元素としては、ボロン(B)やアルミニウム(Al)やガリウム(Ga)等を用いることができる。
なお、本実施例では、半導体基板110600としてn型の導電型を有する半導体基板を用いているため、領域110604には不純物元素の導入を行っていないが、n型を示す不純物元素を導入することにより領域110604にnウェルを形成してもよい。n型を示す不純物元素としては、リン(P)やヒ素(As)等を用いることができる。一方、p型の導電型を有する半導体基板を用いる場合には、領域110604にn型を示す不純物元素を導入してnウェルを形成し、領域110606には不純物元素の導入を行わない構成としてもよい。
次に、領域110604、110606を覆うように絶縁膜110632、110634をそれぞれ形成する(図33(B)参照)。
絶縁膜110632、110634は、例えば、熱処理を行い半導体基板110600に設けられた領域110604、110606の表面を酸化させることにより酸化珪素膜で絶縁膜110632、110634を形成することができる。熱酸化法により酸化珪素膜を形成した後に、窒化処理を行うことによって酸化珪素膜の表面を窒化させることにより、酸化珪素膜と酸素と窒素を有する膜(酸窒化珪素膜)との積層構造で形成してもよい。
他にも、上述したように、プラズマ処理を用いて絶縁膜110632、110634を形成してもよい。例えば、半導体基板110600に設けられた領域110604、110606の表面に高密度プラズマ処理により酸化処理又は窒化処理を行うことにより、絶縁膜110632、110634として酸化珪素(SiOx)膜又は窒化珪素(SiNx)膜で形成することができる。別の例として高密度プラズマ処理により領域110604、110606の表面に酸化処理を行った後に、再度高密度プラズマ処理を行うことによって窒化処理を行ってもよい。この場合、領域110604、110606の表面に接して酸化珪素膜が形成され、当該酸化珪素膜に(酸窒化珪素膜)が形成され、絶縁膜110632、110634は酸化珪素膜と酸窒化珪素膜とが積層された膜となる。別の例として、熱酸化法により領域110604、110606の表面に酸化珪素膜を形成した後に高密度プラズマ処理により酸化処理又は窒化処理を行ってもよい。
半導体基板110600の領域110604、110606に形成された絶縁膜110632、110634は、後に完成するトランジスタにおいてゲート絶縁膜として機能する。
次に、領域110604、110606に形成された絶縁膜110632、110634を覆うように導電膜を形成する(図33(C)参照)。ここでは、導電膜として、導電膜110636と導電膜110638を順に積層して形成した例を示している。もちろん、導電膜は、単層又は3層以上の積層構造で形成してもよい。
導電膜110636、110638としては、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)等から選択された元素またはこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で形成することができる。あるいは、これらの元素を窒化した金属窒化膜で形成することもできる。他にも、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶珪素、金属材料を導入したシリサイド等に代表される半導体材料により形成することもできる。
ここでは、導電膜110636として窒化タンタルを用い、さらに、導電膜110638としてタングステンを用いた積層構造とする。他にも、導電膜110636としては、窒化タングステン、窒化モリブデン又は窒化チタンから選ばれた単層又は積層膜を用いることができる。導電膜110638としては、タンタル、モリブデン、チタンから選ばれた単層又は積層膜を用いることができる。
次に、積層して設けられた導電膜110636、110638を選択的にエッチングして除去することによって、領域110604、110606の一部に導電膜110636、110638を残存させ、それぞれゲート電極110640、110642を形成する(図34(A)参照)。
次に、領域110604を覆うようにレジストマスク110648を選択的に形成し、当該レジストマスク110648、ゲート電極110642をマスクとして領域110606に不純物元素を導入することによって不純物領域110652を形成する(図34(B)参照)。不純物元素としては、n型を付与する不純物元素又はp型を付与する不純物元素を用いる。n型を示す不純物元素としては、リン(P)やヒ素(As)等を用いることができる。p型を示す不純物元素としては、ボロン(B)やアルミニウム(Al)やガリウム(Ga)等を用いることができる。ここでは、不純物元素として、リン(P)を用いる。なお、不純物元素を導入後、不純物元素の拡散および結晶構造の修復のため、熱処理を行なってもよい。
図34(B)においては、不純物元素を導入することによって、領域110606にソース領域又はドレインを形成する不純物領域110652とチャネル形成領域110650が形成される。
次に、領域110606を覆うようにレジストマスク110666を選択的に形成し、当該レジストマスク110666、ゲート電極110640をマスクとして領域110604に不純物元素を導入することによって不純物領域110670を形成する(図34(C)参照)。不純物元素としては、n型を付与する不純物元素又はp型を付与する不純物元素を用いる。n型を示す不純物元素としては、リン(P)やヒ素(As)等を用いることができる。p型を示す不純物元素としては、ボロン(B)やアルミニウム(Al)やガリウム(Ga)等を用いることができる。ここでは、図34(C)で領域110606に導入した不純物元素と異なる導電型を有する不純物元素(例えば、ボロン(B))を導入する。その結果、領域110604にソース領域又はドレイン領域を形成する不純物領域110670とチャネル形成領域110668が形成される。なお、不純物元素を導入後、不純物元素の拡散および結晶構造の修復のため、熱処理を行なってもよい。
次に、絶縁膜110632、110634、ゲート電極110640、110642を覆うように第2の絶縁膜110672を形成する。さらに、領域110604、110606にそれぞれ形成された不純物領域110652、110670と電気的に接続する配線110674を形成する(図34(D)参照)。
第2の絶縁膜110672は、CVD法やスパッタ法等により、酸化珪素(SiOx)、窒化珪素(SiNx)、酸化窒化珪素(SiOxNy)(x>y)、窒化酸化珪素(SiNxOy)(x>y)等の酸素または窒素を有する絶縁膜やDLC(ダイヤモンドライクカーボン)等の炭素を含む膜、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルフェノール、ベンゾシクロブテン、アクリル等の有機材料またはシロキサン樹脂等のシロキサン材料からなる単層または積層構造で設けることができる。なお、シロキサン材料とは、Si−O−Si結合を含む材料に相当する。シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される。置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。置換基として、フルオロ基を用いることもできる。または置換基として、少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを用いてもよい。
配線110674は、CVD法やスパッタリング法等により、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、マンガン(Mn)、ネオジウム(Nd)、炭素(C)、シリコン(Si)から選択された元素、又はこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で、単層又は積層で形成する。アルミニウムを主成分とする合金材料とは、例えば、アルミニウムを主成分としニッケルを含む材料、又は、アルミニウムを主成分とし、ニッケルと、炭素と珪素の一方又は両方とを含む合金材料に相当する。配線110674は、例えば、バリア膜とアルミニウムシリコン(Al−Si)膜とバリア膜の積層構造、バリア膜とアルミニウムシリコン(Al−Si)膜と窒化チタン膜とバリア膜の積層構造を採用するとよい。なお、バリア膜とは、チタン、チタンの窒化物、モリブデン、又はモリブデンの窒化物からなる薄膜に相当する。アルミニウムやアルミニウムシリコンは抵抗値が低く、安価であるため、配線110674を形成する材料として最適である。例えば、上層と下層のバリア層を設けると、アルミニウムやアルミニウムシリコンのヒロックの発生を防止することができる。例えば、還元性の高い元素であるチタンからなるバリア膜を形成すると、結晶質半導体膜に薄い自然酸化膜ができていたとしても、この自然酸化膜を還元する。その結果、配線110674は、結晶質半導体膜と、電気的および物理的に良好に接続することができる。
なお、トランジスタの構造は図示した構造に限定されるものではないことを付記する。例えば、逆スタガ構造、フィンFET構造等の構造のトランジスタの構造を取り得る。フィンFET構造であることでトランジスタサイズの微細化に伴う短チャネル効果を抑制することができるため好適である。
次に、トランジスタを製造するための基板として、半導体基板を用いた別の例について説明する。
まず、基板110800に絶縁膜を形成する。ここでは、n型の導電型を有する単結晶Siを基板110800として用い、当該基板110800に絶縁膜110802と絶縁膜110804を形成する(図35(A)参照)。例えば、基板110800に熱処理を行うことにより絶縁膜110802として酸化珪素(SiOx)を形成する。さらに、CVD法等を用いて窒化珪素(SiNx)を成膜する。
基板110800は、半導体基板であれば特に限定されず用いることができる。例えば、n型又はp型の導電型を有する単結晶Si基板、化合物半導体基板(GaAs基板、InP基板、GaN基板、SiC基板、サファイヤ基板、ZnSe基板等)、貼り合わせ法またはSIMOX(Separation by IMplanted OXygen)法を用いて作製されたSOI(Silicon on Insulator)基板等を用いることができる。
絶縁膜110804は、絶縁膜110802を形成した後に高密度プラズマ処理により当該絶縁膜110802を窒化することにより設けてもよい。なお、絶縁膜は単層又は3層以上の積層構造であってもよい。
次に、選択的にレジストマスク110806のパターンを形成し、当該レジストマスク110806をマスクとして選択的にエッチングを行うことによって、基板110800に選択的に凹部110808を形成する(図35(B)参照)。基板110800、絶縁膜110802、110804のエッチングとしては、プラズマを利用したドライエッチングにより行うことができる。
次に、レジストマスク110806のパターンを除去した後、基板110800に形成された凹部110808を充填するように絶縁膜110810を形成する(図35(C)参照)。
絶縁膜110810は、CVD法やスパッタリング法等を用いて、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン(SiOxNy)(x>y>0)、窒化酸化シリコン(SiNxOy)(x>y>0)等の絶縁材料を用いて形成する。ここでは、絶縁膜110810として、常圧CVD法または減圧CVD法によりTEOS(テトラエチルオルソシリケート)ガスを用いて酸化珪素膜を形成する。
次に、研削処理、研磨処理又はCMP(Chemical Mechanical Polishing)処理を行うことによって、基板110800の表面を露出させる。すると、基板110800の表面は、基板110800の凹部110808に形成された絶縁膜110810によって分断される。(図36(A)参照)ここでは、分断された領域を、それぞれ領域110812、110813とする。なお、絶縁膜110811は、研削処理、研磨処理又はCMP処理によって、絶縁膜110810の一部が除去されることで得られたものである。
続いて、p型の導電型を有する不純物元素を選択的に導入することによって、基板110800の領域110813にpウェル110815を形成する。p型を示す不純物元素としては、ボロン(B)やアルミニウム(Al)やガリウム(Ga)等を用いることができる。ここでは、不純物元素として、ボロン(B)を領域110813に導入する。なお、不純物元素を導入後、不純物元素の拡散および結晶構造の修復のため、熱処理を行なってもよい。
なお、基板110800としてn型の導電型を有する半導体基板を用いた場合、領域110812には不純物元素の導入を行わなくてもよいが、n型を示す不純物元素を導入することにより領域110812にnウェルを形成してもよい。n型を示す不純物元素としては、リン(P)やヒ素(As)等を用いることができる。
一方、p型の導電型を有する半導体基板を用いる場合には、領域110812にn型を示す不純物元素を導入してnウェルを形成し、領域110812、110813には不純物元素の導入を行わない構成としてもよい。
次に、基板110800の領域110812、110813の表面に絶縁膜110832、110834をそれぞれ形成する(図36(B)参照)。
絶縁膜110832、110834は、例えば、熱処理を行い基板110800に設けられた領域110812、110813の表面を酸化させることにより酸化珪素膜で絶縁膜110832、110834を形成することができる。あるいは、熱酸化法により酸化珪素膜を形成した後に、窒化処理を行うことによって酸化珪素膜の表面を窒化させることにより、酸化珪素膜と酸素と窒素を有する膜(酸窒化珪素膜)との積層構造で形成してもよい。
他にも、上述したように、プラズマ処理を用いて絶縁膜110832、110834を形成してもよい。例えば、基板110800に設けられた領域110812、110813の表面に高密度プラズマ処理により酸化処理又は窒化処理を行うことにより、絶縁膜110832、110834として酸化珪素(SiOx)膜又は窒化珪素(SiNx)膜で形成することができる。別の例として、高密度プラズマ処理により領域110812、110813の表面に酸化処理を行った後に、再度高密度プラズマ処理を行うことによって窒化処理を行ってもよい。この場合、領域110812、110813の表面に接して酸化珪素膜が形成され、当該酸化珪素膜上に(酸窒化珪素膜)が形成され、絶縁膜110832、110834は酸化珪素膜と酸窒化珪素膜とが積層された膜となる。別の例として、熱酸化法により領域110812、110813の表面に酸化珪素膜を形成した後に高密度プラズマ処理により酸化処理又は窒化処理を行ってもよい。
なお、基板110800の領域110812、110813に形成された絶縁膜110832、110834は、後に完成するトランジスタにおいてゲート絶縁膜として機能する。
次に、基板110800に設けられた領域110812、110813に形成された絶縁膜110832、110834を覆うように導電膜を形成する(図36(C)参照)。ここでは、導電膜として、導電膜110836と導電膜110838を順に積層して形成した例を示している。もちろん、導電膜は、単層又は3層以上の積層構造で形成してもよい。
導電膜110836、110838としては、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)等から選択された元素またはこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で形成することができる。あるいは、これらの元素を窒化した金属窒化膜で形成することもできる。他にも、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶珪素、金属材料を導入したシリサイド等に代表される半導体材料により形成することもできる。
ここでは、導電膜110836として窒化タンタルを用い、さらに導電膜110838としてタングステンを用いた積層構造とする。他にも、導電膜110836としては、窒化タンタル、窒化タングステン、窒化モリブデン又は窒化チタンから選ばれた単層又は積層膜を用いることができる。導電膜110838としては、タングステン、タンタル、モリブデン、チタンから選ばれた単層又は積層膜を用いることができる。
次に、積層して設けられた導電膜110836、110838を選択的にエッチングして除去することによって、基板110800の領域110812、110813の一部に導電膜110836、110838を残存させ、それぞれゲート電極として機能する導電膜110840、110842を形成する(図36(D)参照)。ここでは、導電膜110840、110842と重ならない領域において、基板110800の表面が露出するようにする。
具体的には、基板110800の領域110812において、絶縁膜110832のうち導電膜110840と重ならない部分を選択的に除去し、導電膜110840と絶縁膜110832の端部が概略一致するように形成する。さらに、基板110800の領域110813において、絶縁膜110834のうち導電膜110842と重ならない部分を選択的に除去し、導電膜110842と絶縁膜110834の端部が概略一致するように形成する。
この場合、導電膜110840、110842の形成と同時に重ならない部分の絶縁膜等を除去してもよいし、導電膜110840、110842を形成後残存したレジストマスク又は当該導電膜110840、110842をマスクとして重ならない部分の絶縁膜等を除去してもよい。
次に、基板110800の領域110812、110813に不純物元素を選択的に導入する(図37(A)参照)。ここでは、領域110813に導電膜110842をマスクとしてn型を付与する低濃度の不純物元素を選択的に導入し、領域110812に導電膜110840をマスクとしてp型を付与する低濃度の不純物元素を選択的に導入する。n型を付与する不純物元素としては、リン(P)やヒ素(As)等を用いることができる。p型を付与する不純物元素としては、ボロン(B)やアルミニウム(Al)やガリウム(Ga)等を用いることができる。なお、不純物元素を導入後、不純物元素の拡散および結晶構造の修復のため、熱処理を行なってもよい。
次に、導電膜110840、110842の側面に接するサイドウォール110854を形成する。具体的には、プラズマCVD法やスパッタリング法等により、珪素、珪素の酸化物又は珪素の窒化物の無機材料を含む膜や、有機樹脂などの有機材料を含む膜を、単層又は積層して形成する。そして、当該絶縁膜を、垂直方向を主体とした異方性エッチングにより選択的にエッチングして、導電膜110840、110842の側面に接するように形成することができる。なお、サイドウォール110854は、LDD(Lightly Doped drain)領域を形成する際のドーピング用のマスクとして用いる。ここでは、サイドウォール110854は、導電膜110840、110842の下方に形成された絶縁膜や浮遊ゲート電極の側面にも接するように形成されている。
続いて、当該サイドウォール110854、導電膜110840、110842をマスクとして基板110800の領域110812、110813に不純物元素を導入することによって、ソース領域又はドレイン領域として機能する不純物領域を形成する(図37(B)参照)。ここでは、基板110800の領域110813にサイドウォール110854と導電膜110842をマスクとして高濃度のn型を付与する不純物元素を導入し、領域110812にサイドウォール110854と導電膜110840をマスクとして高濃度のp型を付与する不純物元素を導入する。
その結果、基板110800の領域110812には、ソース領域又はドレイン領域を形成する不純物領域110858と、LDD領域を形成する低濃度不純物領域110860と、チャネル形成領域110856が形成される。そして、基板110800の領域110813には、ソース領域又はドレイン領域を形成する不純物領域110864と、LDD領域を形成する低濃度不純物領域110866と、チャネル形成領域110862が形成される。
なお、ここでは、サイドウォールを用いてLDD領域を形成する例を示したが、これに限定されない。サイドウォールを用いずに、マスク等を用いてLDD領域を形成してもよいし、LDD領域を形成しなくてもよい。LDD領域を形成しない場合は、製造プロセスを簡単にすることができるため、製造コストを低減することができる。
なお、ここでは、導電膜110840、110842と重ならない領域において基板110800の表面を露出させた状態で不純物元素の導入を行っている。従って、基板110800の領域110812、110813にそれぞれ形成されるチャネル形成領域110856、110862は導電膜110840、110842によって自己整合的に形成することができる。
次に、基板110800の領域110812、110813に設けられた絶縁膜や導電膜等を覆うように第2の絶縁膜110877を形成し、当該絶縁膜110877に開口部110878を形成する(図37(C)参照)。
第2の絶縁膜110877は、CVD法やスパッタ法等により、酸化珪素(SiOx)、窒化珪素(SiNx)、酸化窒化珪素(SiOxNy)(x>y)、窒化酸化珪素(SiNxOy)(x>y)等の酸素または窒素を有する絶縁膜やDLC(ダイヤモンドライクカーボン)等の炭素を含む膜、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルフェノール、ベンゾシクロブテン、アクリル等の有機材料またはシロキサン樹脂等のシロキサン材料からなる単層または積層構造で設けることができる。なお、シロキサン材料とは、Si−O−Si結合を含む材料に相当する。シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される。置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。置換基として、フルオロ基を用いることもできる。または置換基として、少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを用いてもよい。
次に、CVD法を用いて開口部110878に導電膜110880を形成し、当該導電膜110880と電気的に接続するように絶縁膜110877上に導電膜110882a〜110882dを選択的に形成する(図37(D)参照)。
導電膜110880、110882a〜110882dは、CVD法やスパッタリング法等により、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、マンガン(Mn)、ネオジウム(Nd)、炭素(C)、シリコン(Si)から選択された元素、又はこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で、単層又は積層で形成する。アルミニウムを主成分とする合金材料とは、例えば、アルミニウムを主成分としニッケルを含む材料、又は、アルミニウムを主成分とし、ニッケルと、炭素と珪素の一方又は両方とを含む合金材料に相当する。導電膜110880、110882a〜110882dは、例えば、バリア膜とアルミニウムシリコン(Al−Si)膜とバリア膜の積層構造、バリア膜とアルミニウムシリコン(Al−Si)膜と窒化チタン膜とバリア膜の積層構造を採用するとよい。なお、バリア膜とは、チタン、チタンの窒化物、モリブデン、又はモリブデンの窒化物からなる薄膜に相当する。アルミニウムやアルミニウムシリコンは抵抗値が低く、安価であるため、導電膜110880を形成する材料として最適である。例えば、上層と下層のバリア層を設けると、アルミニウムやアルミニウムシリコンのヒロックの発生を防止することができる。例えば、還元性の高い元素であるチタンからなるバリア膜を形成すると、結晶質半導体膜上に薄い自然酸化膜ができていたとしても、この自然酸化膜を還元し、結晶質半導体膜と良好なコンタクトをとることができる。ここでは、導電膜110880はCVD法によりタングステン(W)を選択成長することにより形成することができる。
以上の工程により、基板110800の領域110812に形成されたp型のトランジスタと、領域110813に形成されたn型のトランジスタとを得ることができる。
なお本発明のトランジスタを構成するトランジスタの構造は図示した構造に限定されるものではないことを付記する。例えば、逆スタガ構造、フィンFET構造等の構造のトランジスタの構造を取り得る。フィンFET構造であることでトランジスタサイズの微細化に伴う短チャネル効果を抑制することができるため好適である。
ここまで、トランジスタの構造及びトランジスタの作製方法について説明した。ここで、配線、電極、導電層、導電膜、端子、ビア、プラグなどは、アルミニウム(Al)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、ネオジウム(Nd)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、マグネシウム (Mg) 、スカンジウム (Sc)、 コバルト( Co) 、亜鉛( Zn) 、ニオブ( Nb) 、シリコン(Si)、リン(P)、ボロン(B)、ヒ素(As)、ガリウム(Ga)、インジウム (In )、錫 (Sn )、酸素(O)で構成された群から選ばれた一つもしくは複数の元素、または、前記群から選ばれた一つもしくは複数の元素を成分とする化合物、合金材料(例えば、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITSO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化錫(SnO)、酸化錫カドミウム(CTO)、アルミネオジウム(Al−Nd)、マグネシウム銀(Mg−Ag)、モリブデンニオブ(Mo−Nb)など)で形成されることが望ましい。または、配線、電極、導電層、導電膜、端子などは、これらの化合物を組み合わせた物質などを有して形成されることが望ましい。もしくは、前記群から選ばれた一つもしくは複数の元素とシリコンの化合物(シリサイド)(例えば、アルミシリコン、モリブデンシリコン、ニッケルシリサイドなど)、前記群から選ばれた一つもしくは複数の元素と窒素の化合物(例えば、窒化チタン、窒化タンタル、窒化モリブデン等)を有して形成されることが望ましい。
なお、シリコン(Si)には、n型不純物(リンなど)またはp型不純物(ボロンなど)を含んでいてもよい。シリコンが不純物を含むことにより、導電率が向上する、或いは通常の導体と同様な振る舞いをすることが可能となる。従って、配線、電極などとして利用しやすくなる。
なお、シリコンは、単結晶、多結晶(ポリシリコン)、微結晶(マイクロクリスタルシリコン)など、様々な結晶性を有するシリコンを用いることが出来る。あるいは、シリコンは非晶質(アモルファスシリコン)などの結晶性を有さないシリコンを用いることが出来る。単結晶シリコンまたは多結晶シリコンを用いることにより、配線、電極、導電層、導電膜、端子などの抵抗を小さくすることが出来る。非晶質シリコンまたは微結晶シリコンを用いることにより、簡単な工程で配線などを形成することが出来る。
なお、アルミニウムまたは銀は、導電率が高いため、信号遅延を低減することができる。さらに、エッチングしやすいので、パターニングしやすく、微細加工を行うことが出来る。
なお、銅は、導電率が高いため、信号遅延を低減することが出来る。銅を用いる場合は、密着性を向上させるため、積層構造にすることが望ましい。
なお、モリブデンまたはチタンは、酸化物半導体(ITO、IZOなど)またはシリコンと接触しても、不良を起こさない、エッチングしやすい、耐熱性が高いなどの利点を有するため、望ましい。
なお、タングステンは、耐熱性が高いなどの利点を有するため、望ましい。
なお、ネオジウムは、耐熱性が高いなどの利点を有するため、望ましい。特に、ネオジウムとアルミニウムとの合金にすると、耐熱性が向上し、アルミニウムがヒロックをおこしにくくなる。
なお、シリコンは、トランジスタが有する半導体層と同時に形成できる、耐熱性が高いなどの利点を有するため、望ましい。
なお、ITO、IZO、ITSO、酸化亜鉛(ZnO)、シリコン(Si)、酸化錫(SnO)、酸化錫カドミウム(CTO)は、透光性を有しているため、光を透過させる部分に用いることができる。たとえば、画素電極や共通電極として用いることができる。
なお、IZOは、エッチングしやすく、加工しやすいため、望ましい。IZOは、エッチングしたときに、残渣が残ってしまう、ということも起こりにくい。したがって、画素電極としてIZOを用いると、液晶素子や発光素子に不具合(ショート、配向乱れなど)をもたらすことを低減出来る。
なお、配線、電極、導電層、導電膜、端子、ビア、プラグなどは、単層構造でもよいし、多層構造になっていてもよい。単層構造にすることにより、配線、電極、導電層、導電膜、端子などの製造工程を簡略化することができ、工程日数を少なくでき、コストを低減することが出来る。あるいは、多層構造にすることにより、それぞれの材料のメリットを生かしつつ、デメリットを低減させ、性能の良い配線、電極などを形成することが出来る。たとえば、低抵抗材料(アルミニウムなど)を多層構造の中に含むことにより、配線の低抵抗化を図ることができる。別の例として、低耐熱性の材料を、高耐熱性の材料で挟む積層構造にすることにより、低耐熱性の材料の持つメリットを生かしつつ、配線、電極などの耐熱性を高くすることが出来る。例えば、アルミニウムを含む層を、モリブデン、チタン、ネオジウムなどを含む層で挟む積層構造にすると望ましい。
ここで、配線、電極など同士が直接接する場合、お互いに悪影響を及ぼすことがある。例えば、一方の配線、電極などが他方の配線、電極など材料の中に入っていって、性質を変えてしまい、本来の目的を果たせなくなる。別の例として、高抵抗な部分を形成又は製造するときに、問題が生じて、正常に製造できなくなったりすることがある。そのような場合、積層構造により反応しやすい材料を、反応しにくい材料で挟んだり、覆ったりするとよい。例えば、ITOとアルミニウムとを接続させる場合は、ITOとアルミニウムとの間に、チタン、モリブデン、ネオジウム合金を挟むことが望ましい。別の例として、シリコンとアルミニウムとを接続させる場合は、ITOとアルミニウムとの間に、チタン、モリブデン、ネオジウム合金を挟むことが望ましい。
なお、配線とは、導電体が配置されているものを言う。線状に伸びていても良いし、伸びずに短く配置されていてもよい。したがって、電極は、配線に含まれている。
なお、配線、電極、導電層、導電膜、端子、ビア、プラグなどとして、カーボンナノチューブを用いても良い。さらに、カーボンナノチューブは、透光性を有しているため、光を透過させる部分に用いることができる。たとえば、画素電極や共通電極として用いることができる。
なお、本実施の形態において、様々な図を用いて述べてきたが、各々の図で述べた内容(一部でもよい)は、別の図で述べた内容(一部でもよい)に対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことが出来る。さらに、これまでに述べた図において、各々の部分に関して、別の部分を組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることが出来る。
同様に、本実施の形態の各々の図で述べた内容(一部でもよい)は、別の実施の形態の図で述べた内容(一部でもよい)対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことが出来る。さらに、本実施の形態の図において、各々の部分に関して、別の実施の形態の部分を組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることが出来る。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態で述べた内容(一部でもよい)を、具現化した場合の一例、少し変形した場合の一例、一部を変更した場合の一例、改良した場合の一例、詳細に述べた場合の一例、応用した場合の一例、関連がある部分についての一例などを示している。したがって、他の実施の形態で述べた内容は、本実施の形態への適用、組み合わせ、又は置き換えを自由に行うことができる。
(実施の形態7)
本実施の形態においては、表示装置の構成について説明する。
図38(A)を参照して、表示装置の構成について説明する。図38(A)は、表示装置の上面図である。
画素部170101、走査線側入力端子170103及び信号線側入力端子170104が基板170100上に形成され、走査線が走査線側入力端子170103から行方向に延在して基板170100上に形成され、信号線が信号線側入力端子170104から列方向に延在して基板170100上に形成されている。そして、画素170102が画素部170101に走査線と信号線とが交差するところで、マトリクス状に配置されている。
走査線側入力端子170103は、基板170100の行方向の両側に形成されている。そして、一方の走査線側入力端子170103から延在する走査線と、他方の走査線側入力端子170103から延在する走査線とは、交互に形成されている。この場合、画素170102を高密度に配置することができるため、高精細な表示装置を得ることができる。ただし、これに限定されず、走査線側入力端子170103が基板170100の行方向の一方だけに形成されていてもよい。この場合、表示装置の額縁を小さくすることができる。画素部170101の領域の拡大を図ることができる。別の例として、一方の走査線側入力端子170103から延在する走査線と、他方の走査線側入力端子170103から延在する走査線とが共通になっていてもよい。この場合、大型の表示装置などの、走査線の負荷が大きい表示装置などに適している。なお、信号が外付けの駆動回路から走査線側入力端子170103を介して走査線に入力されている。
信号線側入力端子170104は、基板170100の列方向の一方に形成されている。この場合、表示装置の額縁を小さくすることができる。画素部170101の領域の拡大を図ることができる。ただし、これに限定されず、信号線側入力端子170104は、基板170100の列方向の両側に形成されていてもよい。この場合、画素170102を高密度に配置することができる。なお、信号が外付けの駆動回路から信号線側入力端子170104を介して走査線に入力されている。
画素170102は、スイッチング素子と画素電極を有している。画素170102それぞれにおいて、スイッチング素子の第1端子が信号線に接続され、スイッチング素子の第2端子が画素電極に接続されている。そして、スイッチング素子のオンとオフが走査線によって制御されている。ただし、これに限定されず、様々な構成を用いることができる。例えば、画素170102は、容量素子を有していてもよい。この場合、容量線を基板170100上に形成することが望ましい。別の例として、画素170102は、駆動トランジスタなどの電流源を有していてもよい。この場合、電源線を基板170100上に形成することが望ましい。
なお、基板170100として、単結晶基板、SOI基板、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板、紙基板、セロファン基板、石材基板、木材基板、布基板(天然繊維(絹、綿、麻)、合成繊維(ナイロン、ポリウレタン、ポリエステル)若しくは再生繊維(アセテート、キュプラ、レーヨン、再生ポリエステル)などを含む)、皮革基板、ゴム基板、ステンレス・スチル基板、ステンレス・スチル・ホイルを有する基板などを用いることが出来る。あるいは、人などの動物の皮膚(皮表、真皮)又は皮下組織を基板として用いてもよい。ただし、これに限定されず、様々なものを用いることができる。
なお、画素170102が有するスイッチング素子として、トランジスタ(例えば、バイポーラトランジスタ、MOSトランジスタなど)、ダイオード(例えば、PNダイオード、PINダイオード、ショットキーダイオード、MIM(Metal Insulator Metal)ダイオード、MIS(Metal Insulator Semiconductor)ダイオード、ダイオード接続のトランジスタなど)、サイリスタなどを用いることができる。ただし、これに限定されず、様々なものを用いることができる。なお、画素170102が有するスイッチング素子としてMOSトランジスタを用いた場合、ゲート電極が走査線に接続され、第1端子が信号線に接続され、第2端子が画素電極に接続される。
ここまで、外付けの駆動回路によって信号を入力する場合について説明した。ただし、これに限定されず、ICチップを表示装置に実装することができる。
例えば、図39(A)に示すように、COG(Chip on Glass)方式によって、ICチップ170201を基板170100に実装することができる。この場合、ICチップ170201を基板170100に実装する前に検査できるので、表示装置の歩留まりの向上を図ることができる。信頼性を高めることができる。なお、図38(A)の構成と共通するところは共通の符号を用いて、その説明を省略する。
別の例として、図39(B)に示すように、TAB(Tape Automated Bonding)方式によって、ICチップ170201をFPC(Flexible Printed Circuit)170200に実装することができる。この場合、ICチップ170201をFPC170200に実装する前に検査できるので、表示装置の歩留まりの向上を図ることができる。信頼性を高めることができる。なお、図38(A)の構成と共通するところは共通の符号を用いて、その説明を省略する。
ここで、ICチップを基板170100に実装するだけでなく、駆動回路を基板170100上に形成することができる。
例えば、図38(B)に示すように、走査線駆動回路170105を基板170100上に形成することができる。この場合、部品点数の削減によるコストの低減を図ることができる。回路部品との接続点数の低減による信頼性の向上を図ることができる。走査線駆動回路170105は駆動周波数が低いので、トランジスタの半導体層として非結晶シリコン又は微結晶シリコンを用いて走査線駆動回路170105を容易に形成することができる。なお、信号線に信号を出力するためのICチップを基板170100にCOG方式で実装してもよい。あるいは、信号線に信号を出力するためのICチップをTAB方式で実装したFPCを基板170100に配置してもよい。なお、走査線駆動回路170105を制御するためのICチップを基板170100にCOG方式で実装してもよい。あるいは、走査線駆動回路170105を制御するためのICチップをTAB方式で実装したFPCを基板170100に配置してもよい。なお、図38(A)の構成と共通するところは共通の符号を用いて、その説明を省略する。
別の例として、図38(C)に示すように、走査線駆動回路170105及び信号線駆動回路170106を基板170100上に形成することができる。このため、部品点数の削減によるコストの低減を図ることができる。回路部品との接続点数の低減による信頼性の向上を図ることができる。なお、走査線駆動回路170105を制御するためのICチップを基板170100にCOG方式で実装してもよい。あるいは、走査線駆動回路170105を制御するためのICチップをTAB方式で実装したFPCを基板170100に配置してもよい。信号線駆動回路170106を制御するためのICチップを基板170100にCOG方式で実装してもよい。あるいは、信号線駆動回路170106を制御するためのICチップをTAB方式で実装したFPCを基板170100に配置してもよい。なお、図38(A)の構成と共通するところは共通の符号を用いて、その説明を省略する。
次に、図40を参照して、別の表示装置の構成について説明する。具体的には、TFT基板と、対向基板と、TFT基板と対向基板との間に挟持された表示層とを有する表示装置について説明する。図40は、表示装置の上面図である。
基板170300上に、画素部170301、走査線駆動回路170302a、走査線駆動回路170302b及び信号線駆動回路170303が形成されている。そして、これらの画素部170301、走査線駆動回路170302a、走査線駆動回路170302b及び信号線駆動回路170303は、シール材170321によって基板170300と基板170310との間に封止されている。
さらに、FPC107320が基板170300に配置されている。そして、ICチップ107321がFPC170320にTAB方式で実装されている。
画素部170301には、複数の画素がマトリクス状に配置されている。そして、走査線が走査線駆動回路170302aから行方向に延在して基板170300上に形成されている。走査線が走査線駆動回路170302bから行方向に延在して基板170300上に形成されている。信号線が信号線駆動回路170303から列方向に延在して基板170300上に形成されている。
走査線駆動回路170302aが基板170300の行方向の一方に形成され、走査線駆動回路170302bが基板170300の行方向の他方に形成されている。そして、走査線駆動回路170302aから延在する走査線と、走査線駆動回路170302bから延在する走査線とは、交互に形成されている。したがって、高精細な表示装置を得ることができる。ただし、これに限定されず、走査線駆動回路170302aと走査線駆動回路170302bのどちらか一方だけが、基板170300上に形成されていてもよい。この場合、表示装置の額縁を小さくすることができる。画素部170301の領域の拡大を図ることができる。別の例として、走査線駆動回路170302aから延在する走査線と、走査線駆動回路170302bから延在する走査線とが、共通になっていてもよい。この場合、大型の表示装置などの、走査線の負荷が大きい表示装置などに適している。
信号線駆動回路170303は、基板170300の列方向の一方に形成されている。このため、表示装置の額縁を小さくすることができる。画素部170301の領域の拡大を図ることができる。ただし、これに限定されず、信号線駆動回路170303が基板170300上の列方向の両側に形成されていてもよい。この場合、高精細な表示装置を得ることができる。
なお、基板170300として、単結晶基板、SOI基板、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板、紙基板、セロファン基板、石材基板、木材基板、布基板(天然繊維(絹、綿、麻)、合成繊維(ナイロン、ポリウレタン、ポリエステル)若しくは再生繊維(アセテート、キュプラ、レーヨン、再生ポリエステル)などを含む)、皮革基板、ゴム基板、ステンレス・スチル基板、ステンレス・スチル・ホイルを有する基板などを用いることが出来る。あるいは、人などの動物の皮膚(皮表、真皮)又は皮下組織を基板として用いてもよい。ただし、これに限定されず、様々なものを用いることができる。
なお、表示装置が有するスイッチング素子として、トランジスタ(例えば、バイポーラトランジスタ、MOSトランジスタなど)、ダイオード(例えば、PNダイオード、PINダイオード、ショットキーダイオード、MIM(Metal Insulator Metal)ダイオード、MIS(Metal Insulator Semiconductor)ダイオード、ダイオード接続のトランジスタなど)、サイリスタなどを用いることができる。ただし、これに限定されず、様々なものを用いることができる。
ここまで、駆動回路が画素部と同じ基板上に形成されている場合について説明した。ただし、これに限定されず、駆動回路の一部又は全部を形成した別の基板をICチップとして、画素部が形成されている基板に実装してもよい。
例えば、図41(A)に示すように、信号線駆動回路の代わりにICチップ170401を基板170300にCOG方式で実装することができる。この場合、信号線駆動回路の代わりにICチップ170401を基板170300にCOG方式で実装することによって、消費電力の増加を防ぐことができる。なぜなら、信号線駆動回路は駆動周波数が高いので、消費電力が大きいからである。ICチップ170401を基板170300に実装する前に検査できるので、表示装置の歩留まりの向上を図ることができる。信頼性を高めることができる。走査線駆動回路170302a及び走査線駆動回路170302bは駆動周波数が低いので、トランジスタの半導体層として非結晶シリコン又は微結晶シリコンを用いて走査線駆動回路170302a及び走査線駆動回路170302bを容易に形成することができる。よって、大型の基板を用いて表示装置を製造することができる。なお、図40の構成と共通するところは共通の符号を用いて、その説明を省略する。
別の例として、図41(B)に示すように、信号線駆動回路の代わりにICチップ170401を基板170300にCOG方式で実装し、走査線駆動回路170302aの代わりにICチップ170501aを基板170300にCOG方式で実装し、走査線駆動回路170302bの代わりにICチップ170501bを基板170300にCOG方式で実装してもよい。この場合、ICチップ170401、ICチップ170501a及びICチップ170501bを基板170300に実装する前に検査できるので、表示装置の歩留まりの向上を図ることができる。信頼性を高めることができる。基板170300に形成されるトランジスタの半導体層として非結晶シリコン又は微結晶シリコンを容易に用いることができる。よって、大型の基板を用いて表示装置を製造することができる。なお、図40の構成と共通するところは共通の符号を用いて、その説明を省略する。
なお、本実施の形態において、様々な図を用いて述べてきたが、各々の図で述べた内容(一部でもよい)は、別の図で述べた内容(一部でもよい)に対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことが出来る。さらに、これまでに述べた図において、各々の部分に関して、別の部分を組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることが出来る。
同様に、本実施の形態の各々の図で述べた内容(一部でもよい)は、別の実施の形態の図で述べた内容(一部でもよい)に対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことが出来る。さらに、本実施の形態の図において、各々の部分に関して、別の実施の形態の部分を組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることが出来る。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態で述べた内容(一部でもよい)を、具現化した場合の一例、少し変形した場合の一例、一部を変更した場合の一例、改良した場合の一例、詳細に述べた場合の一例、応用した場合の一例、関連がある部分についての一例などを示している。したがって、他の実施の形態で述べた内容は、本実施の形態への適用、組み合わせ、又は置き換えを自由に行うことができる。
(実施の形態8)
本実施の形態においては、表示装置の動作について説明する。
図42は、表示装置の構成例を示す図である。
表示装置180100は、画素部180101、信号線駆動回路180103及び走査線駆動回路180104を有する。画素部180101には、複数の信号線S1乃至Smが信号線駆動回路180103から列方向に延伸して配置されている。画素部180101には、複数の走査線G1乃至Gnが走査線駆動回路180104から行方向に延伸して配置されている。そして、複数の信号線S1乃至Smと複数の走査線G1乃至Gnとがそれぞれ交差するところで、画素180102がマトリクス状に配置されている。
なお、信号線駆動回路180103は、信号線S1乃至Snそれぞれに信号を出力する機能を有する。この信号をビデオ信号と呼んでもよい。なお、走査線駆動回路180104は、走査線G1乃至Gmそれぞれに信号を出力する機能を有する。この信号を走査信号と呼んでもよい。
なお、画素180102は、少なくとも信号線と接続されたスイッチング素子を有している。このスイッチング素子は、走査線の電位(走査信)によってオン、オフが制御される。そして、スイッチング素子がオンしている場合に画素180102は選択され、オフしている場合に画素180102は選択されない。
画素180102が選択されている場合(選択状態)は、信号線から画素180102にビデオ信号が入力される。そして、画素180102の状態(例えば、輝度、透過率、保持容量の電圧など)は、この入力されたビデオ信号に応じて変化する。
画素180102が選択されていない場合(非選択状態)は、ビデオ信号が画素180102に入力されない。ただし、画素180102は選択時に入力されたビデオ信号に応じた電位を保持しているため、画素180102はビデオ信号に応じた(例えば、輝度、透過率、保持容量の電圧など)を維持する。
なお、表示装置の構成は、図42に限定されない。例えば、画素180102の構成に応じて、新たに配線(走査線、信号線、電源線、容量線又はコモン線など)を追加してもよい。別の例として、様々な機能を有する回路を追加してもよい。
図43は、表示装置の動作を説明するためのタイミングチャートの一例を示す。
図43のタイミングチャートは、1画面分の画像を表示する期間に相当する1フレーム期間を示す。1フレーム期間は特に限定はしないが、画像を見る人がちらつき(フリッカ)を感じないように少なくとも1/60秒以下とすることが好ましい。
図43のタイミングチャートは、1行目の走査線G1、i行目の走査線Gi(走査線G1乃至Gmのうちいずれか一)、i+1行目の走査線Gi+1及びm行目の走査線Gmがそれぞれ選択されるタイミングを示している。
なお、走査線が選択されると同時に、当該走査線に接続されている画素180102も選択される。例えば、i行目の走査線Giが選択されていると、i行目の走査線Giに接続されている画素180102も選択される。
走査線G1乃至Gmの走査線それぞれは、1行目の走査線G1からm行目の走査線Gmまで順に選択される(以下、走査するともいう)。例えば、i行目の走査線Giが選択されている期間は、i行目の走査線Gi以外の走査線(G1乃至Gi−1、Gi+1乃至Gm)は選択されない。そして、次の期間に、i+1行目の走査線Gi+1が選択される。なお、1つの走査線が選択されている期間を1ゲート選択期間と呼ぶ。
したがって、ある行の走査線が選択されると、当該走査線に接続された複数の画素180102に、信号線G1乃至信号線Gmそれぞれからビデオ信号が入力される。例えば、i行目の走査線Giが選択されている間、i行目の走査線Giに接続されている複数の画素180102は、各々の信号線S1乃至Snから任意のビデオ信号をそれぞれ入力する。こうして、個々の複数の画素180102を走査信号及びビデオ信号によって、独立して制御することができる。
次に、1ゲート選択期間を複数のサブゲート選択期間に分割した場合について説明する。
図44は、1ゲート選択期間を2つのサブゲート選択期間(第1のサブゲート選択期間及び第2のサブゲート選択期間)に分割した場合のタイミングチャートを示す。
なお、1ゲート選択期間を3つ以上のサブゲート選択期間に分割することもできる。
図44のタイミングチャートは、1画面分の画像を表示する期間に相当する1フレーム期間を示す。1フレーム期間は特に限定はしないが、画像を見る人がちらつき(フリッカ)を感じないように少なくとも1/60秒以下とすることが好ましい。
なお、1フレームは2つのサブフレーム(第1のサブフレーム及び第2のサブフレーム)に分割されている。
図44のタイミングチャートは、i行目の走査線Gi、i+1行目の走査線Gi+1、j行目の走査線Gj(走査線Gi+1乃至Gmのうちいずれか一)、j+1行目の走査線及びGj+1行目の走査線Gj+1がそれぞれ選択されるタイミングを示している。
なお、走査線が選択されると同時に、当該走査線に接続されている画素180102も選択される。例えば、i行目の走査線Giが選択されていると、i行目の走査線Giに接続されている画素180102も選択される。
なお、走査線G1乃至Gmの走査線それぞれは、各サブゲート選択期間内で順に走査される。例えば、ある1ゲート選択期間において、第1のサブゲート選択期間ではi行目の走査線Giが選択され、第2のサブゲート選択期間ではj行目の走査線Gjが選択される。すると、1ゲート選択期間において、あたかも同時に2行分の走査信号を選択したかのように動作させることが可能となる。このとき、第1のサブゲート選択期間と第2のサブゲート選択期間とで、別々のビデオ信号が信号線S1乃至Snに入力される。したがって、i行目に接続されている複数の画素180102とj行目に接続されている複数の画素180102とには、別々のビデオ信号を入力することができる。
なお、本実施の形態において、様々な図を用いて述べてきたが、各々の図で述べた内容(一部でもよい)は、別の図で述べた内容(一部でもよい)に対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことが出来る。さらに、これまでに述べた図において、各々の部分に関して、別の部分を組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることが出来る。
同様に、本実施の形態の各々の図で述べた内容(一部でもよい)は、別の実施の形態の図で述べた内容(一部でもよい)対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことが出来る。さらに、本実施の形態の図において、各々の部分に関して、別の実施の形態の部分を組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることが出来る。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態で述べた内容(一部でもよい)を、具現化した場合の一例、少し変形した場合の一例、一部を変更した場合の一例、改良した場合の一例、詳細に述べた場合の一例、応用した場合の一例、関連がある部分についての一例などを示している。したがって、他の実施の形態で述べた内容は、本実施の形態への適用、組み合わせ、又は置き換えを自由に行うことができる。
(実施の形態9)
本実施の形態においては、液晶パネルの周辺部について説明する。
図45は、エッジライト式と呼ばれるバックライトユニット20101と、液晶パネル20107とを有している液晶表示装置の一例を示す。エッジライト式とは、バックライトユニットの端部に光源を配置し、その光源の蛍光を発光面全体から放射する方式である。エッジライト式のバックライトユニットは、薄型で省電力化を図ることができる。
バックライトユニット20101は、拡散板20102、導光板20103、反射板20104、ランプリフレクタ20105及び光源20106によって構成される。
光源20106は必要に応じて発光する機能を有している。例えば、光源20106としては冷陰極管、熱陰極管、発光ダイオード、無機EL又は有機ELなどが用いられる。ランプリフレクタ20105は、光源20106からの蛍光を効率よく導光板20103に導く機能を有する。導光板20103は、蛍光を全反射させて、全面に光を導く機能を有する。拡散板20102は、明度のムラを低減する機能を有する。反射板20104は、導光板20103から下方向(液晶パネル20107と反対方向)に漏れた光を反射して再利用する機能を有する。
なお、バックライトユニット20101には、光源20106の輝度を調整するための制御回路が接続されている。この制御回路によって、光源20106の輝度を調整することができる。
図46(A)、(B)、(C)及び(D)は、エッジライト式のバックライトユニットの詳細な構成を示す図である。なお、拡散板、導光板及び反射板などはその説明を省略する。
図46(A)に示すバックライトユニット20201は、光源として冷陰極管20203を用いた構成である。そして、冷陰極管20203からの光を効率よく反射させるため、ランプリフレクタ20202が設けられている。このような構成は、冷陰極管からの輝度の強度のため、大型表示装置に用いることが多い。
図46(B)に示すバックライトユニット20211は、光源として発光ダイオード(LED)20213を用いた構成である。例えば、白色に発する発光ダイオード(LED)20213は所定の間隔に配置される。そして、発光ダイオード(LED)20213からの光を効率よく反射させるため、ランプリフレクタ20212が設けられている。
発光ダイオードの輝度は高いので、発光ダイオードを用いた構成は大型表示装置に適する。発光ダイオードは色再現性に優れているので、より実物に近い画像を表示することが出来る。LEDはチップが小さいため、配置面積を小さくできる。したがって、表示装置の狭額縁化を図ることができる。
なお、発光ダイオードが大型の表示装置に搭載される場合、発光ダイオードを該基板の背面に配置することができる。発光ダイオードは、所定の間隔を維持し、各色の発光ダイオードが順に配置される。発光ダイオードの配置によって、色再現性を高めることができる。
図46(C)に示すバックライトユニット20221は、光源として各色RGBの発光ダイオード(LED)20223、発光ダイオード(LED)20224、発光ダイオード(LED)20225を用いた構成である。各色RGBの発光ダイオード(LED)20223、発光ダイオード(LED)20224、発光ダイオード(LED)20225は、それぞれ所定の間隔に配置される。各色RGBの発光ダイオード(LED)20223、発光ダイオード(LED)20224、発光ダイオード(LED)20225を用いることによって、色再現性を高くすることができる。そして、発光ダイオードからの光を効率よく反射させるため、ランプリフレクタ20222が設けられている。
発光ダイオードの輝度は高いので、光源として各色RGBの発光ダイオードを用いた構成は大型表示装置に適する。発光ダイオードは色再現性に優れているので、より実物に近い画像を表示することが出来る。LEDはチップが小さいため、配置面積を小さくできる。したがって、表示装置の狭額縁化を図ることができる。
なお、時間に応じてRGBの発光ダイオードを順次点灯させることによって、カラー表示を行うことができる。いわいるフィールドシーケンシャルモードである。
なお、白色を発する発光ダイオードと、各色RGBの発光ダイオード(LED)20223、発光ダイオード(LED)20224、発光ダイオード(LED)20225とを組み合わせることができる。
なお、発光ダイオードが大型の表示装置に搭載される場合、発光ダイオードを該基板の背面に配置することができる。発光ダイオードは、所定の間隔を維持し、各色の発光ダイオードが順に配置される。発光ダイオードの配置によって、色再現性を高めることができる。
図47(D)に示すバックライトユニット20231は、光源として各色RGBの発光ダイオード(LED)20233、発光ダイオード(LED)20234、発光ダイオード(LED)20235を用いた構成である。例えば、各色RGBの発光ダイオード(LED)20233、発光ダイオード(LED)20234、発光ダイオード(LED)20235のうち発光強度の低い色(例えば緑)は複数配置されている。各色RGBの発光ダイオード(LED)20233、発光ダイオード(LED)20234、発光ダイオード(LED)20235を用いることによって、色再現性を高くすることができる。そして、発光ダイオードからの光を効率よく反射させるため、ランプリフレクタ20232が設けられている。
発光ダイオードの輝度は高いので、光源として各色RGBの発光ダイオードを用いた構成は大型表示装置に適する。発光ダイオードは色再現性に優れているので、より実物に近い画像を表示することが出来る。LEDはチップが小さいため、配置面積を小さくできる。したがって、表示装置の狭額縁化を図ることができる。
なお、時間に応じてRGBの発光ダイオードを順次点灯させることによって、カラー表示を行うことができる。いわいるフィールドシーケンシャルモードである。
なお、白色を発する発光ダイオードと、各色RGBの発光ダイオード(LED)20233、発光ダイオード(LED)20234、発光ダイオード(LED)20235とを組み合わせることができる。
なお、発光ダイオードが大型の表示装置に搭載される場合、発光ダイオードを該基板の背面に配置することができる。発光ダイオードは、所定の間隔を維持し、各色の発光ダイオードが順に配置される。発光ダイオードの配置によって、色再現性を高めることができる。
図49(A)は、直下型と呼ばれるバックライトユニットと、液晶パネルとを有する液晶表示装置の一例を示す。直下式とは、発光面の直下に光源を配置することで、その光源の蛍光を発光面全体から放射する方式である。直下式のバックライトユニットは、発光光量を効率よく利用することができる。
バックライトユニット20500は、拡散板20501、遮光板20502、ランプリフレクタ20503及び光源20504によって構成される。
光源20504から発せられた光は、ランプリフレクタ20503によってバックライトユニット20500の一方の面に集められる。すなわち、バックライトユニット20500は、強く発光する面とほとんど発光しない面を有することになる。このとき、バックライトユニット20500の強く発光する面側に液晶パネル20505を配置することによって、光源20504から発せられた光を効率よく液晶パネル20505に照射することができる。
光源20504は、必要に応じて発光する機能を有している。例えば、光源20504としては、冷陰極管、熱陰極管、発光ダイオード、無機EL又は有機ELなどが用いられる。ランプリフレクタ20503は、光源20504の蛍光を効率よく拡散板20501及び遮光板20502に導く機能を有する。遮光板20502は、光源20504の配置に合わせて光が強いところほど遮光を多くすることで、明度のムラを低減する機能を有する。拡散板20501は、さらに明度のムラを低減する機能を有する。
なお、バックライトユニット20500には、光源20504の輝度を調整するための制御回路が接続されている。この制御回路によって、光源20504の輝度を調整することができる。
図49(B)は、直下型と呼ばれるバックライトユニットと、液晶パネルとを有する液晶表示装置の一例を示す。直下式とは、発光面の直下に光源を配置することで、その光源の蛍光を発光面全体から放射する方式である。直下式のバックライトユニットは、発光光量を効率よく利用することができる。
バックライトユニット20510は、拡散板20511、遮光板20512、ランプリフレクタ20513、各色RGBの光源(R)20514a、光源(G)20514b及び光源(B)20514cによって構成される。
光源(R)20514a、光源(G)20514b及び光源(B)20514cから発せられた光は、ランプリフレクタ20513によってバックライトユニット20510の一方の面に集められる。すなわち、バックライトユニット20510は、強く発光する面とほとんど発光しない面を有することになる。このとき、バックライトユニット20510の強く発光する面側に液晶パネル20515を配置することによって、光源(R)20514a、光源(G)20514b及び光源(B)20514cから発せられた光を効率よく液晶パネル20515に照射することができる。
各色RGBの光源(R)20514a、光源(G)20514b及び光源(B)20514cは、必要に応じて発光する機能を有する。例えば、光源(R)20514a、光源(G)20514b及び光源(B)20514cとしては、冷陰極管、熱陰極管、発光ダイオード、無機EL又は有機ELなどが用いられる。ランプリフレクタ20513は、光源20514の蛍光を効率よく拡散板20511及び遮光板20512に導く機能を有する。遮光板20512は、光源20514の配置に合わせて光が強いところほど遮光を多くすることで、明度のムラを低減する機能を有する。拡散板20511は、さらに明度のムラを低減する機能を有する。
なお、バックライトユニット20510には、各色RGBの光源(R)20514a、光源(G)20514b及び光源(B)20514cの輝度を調整するための制御回路が接続されている。この制御回路によって、各色RGBの光源(R)20514a、光源(G)20514b及び光源(B)20514cの輝度を調整することができる。
図47は、偏光板(偏光フィルムともいう)の構成の一例を示す図である。
偏光フィルム20300は、保護フィルム20301、基板フィルム20302、PVA偏光フィルム20303、基板フィルム20304、粘着剤層20305及び離型フィルム20306を有する。
PVA偏光フィルム20303は、ある振動方向だけの光(直線偏光)を作り出す機能を有する。具体的には、PVA偏光フィルム20303は、電子の密度が縦と横で大きく異なる分子(偏光子)を含んでいる。PVA偏光フィルム20303は、この電子の密度が縦と横で大きく異なる分子の方向を揃えることで、直線偏光を作り出すことができる。
一例として、PVA偏光フィルム20303は、ポリビニルアルコール(Poly Vinyl Alcohol)の高分子フィルムに、ヨウ素化合物をドープし、PVAフィルムをある方向に引っ張ることで、一定方向にヨウ素分子の並んだフィルムを得ることができる。そして、ヨウ素分子の長軸と平行な光は、ヨウ素分子に吸収される。なお、高耐久用途及び高耐熱用途として、ヨウ素の代わりに2色性の染料が用いてもよい。なお、染料は、車載用LCD又はプロジェクタ用LCDなどの耐久性、耐熱性が求められる液晶表示装置に用いられることが望ましい。
PVA偏光フィルム20303は、両側を基材となるフィルム(基板フィルム20302及び基板フィルム20304)で挟むことで、信頼性を増すことができる。なお、PVA偏光フィルム20303は、高透明性、高耐久性のトリアセチルロース(TAC)フィルムによって挟まれていてもよい。なお、基板フィルム及びTACフィルムは、PVA偏光フィルム20303が有する偏光子の保護層として機能する。
一方の基板フィルム(基板フィルム20304)には、液晶パネルのガラス基板に貼るための粘着剤層20305が貼られている。なお、粘着剤層20305は、粘着剤を片側の基板フィルム(基板フィルム20304)に塗布することで形成される。粘着剤層20305には、離型フィルム20306(セパレートフィルム)が備えられている。
他方の基板フィルム(基板フィルム20302)には、保護フィルム20301が備えられている。
なお、偏光フィルム20300表面に、ハードコート散乱層(アンチグレア層)が備えられていてもよい。ハードコート散乱層は、AG処理によって表面に微細な凹凸が形成されており、外光を散乱させる防眩機能を有するため、液晶パネルへの外光の映り込みを防ぐことができる。表面反射を防ぐことができる。
なお、偏光フィルム20300表面に、複数の屈折率の異なる光学薄膜層を多層化(アンチリフレクション処理、若しくはAR処理ともいう)してもよい。多層化された複数の屈折率のことなる光学薄膜層は、光の干渉効果によって表面の反射率を低減することができる。
図48は、液晶表示装置のシステムブロックの一例を示す図である。
画素部20405には、信号線20412が信号線駆動回路20403から延伸して配置されている。画素部20405には、走査線20410が走査線駆動回路20404から延伸して配置されている。そして、信号線20412と走査線20410との交差領域に、複数の画素がマトリクス状に配置されている。なお、複数の画素それぞれはスイッチング素子を有している。したがって、複数の画素それぞれに液晶分子の傾きを制御するための電圧を独立して入力することができる。このように各交差領域にスイッチング素子が設けられた構造をアクティブ型と呼ぶ。ただし、このようなアクティブ型に限定されず、パッシブ型の構成でもよい。パッシブ型は、各画素にスイッチング素子がないため、工程が簡便である。
駆動回路部20408は、制御回路20402、信号線駆動回路20403及び走査線駆動回路20404を有する。制御回路20402には映像信号20401が入力されている。制御回路20402は、この映像信号20401に応じて、信号線駆動回路20403及び走査線駆動回路20404を制御する。そのため、映像信号20401は、信号線駆動回路20403及び走査線駆動回路20404に、それぞれ制御信号を入力する。そして、この制御信号に応じて、信号線駆動回路20403はビデオ信号を信号線20412に入力し、走査線駆動回路20404は走査信号を走査線20410に入力する。そして、画素が有するスイッチング素子が走査信号に応じて選択され、画素の画素電極にビデオ信号が入力される。
なお、制御回路20402は、映像信号20401に応じて電源20407も制御している。電源20407は、照明手段20406へ電力を供給する手段を有している。照明手段20406としては、エッジライト式のバックライトユニット、又は直下型のバックライトユニットを用いることができる。ただし、照明手段20406としては、フロントライトを用いてもよい。フロントライトとは、画素部の前面側に取りつけ、全体を照らす発光体及び導光体で構成された板状のライトユニットである。このような照明手段により、低消費電力で、均等に画素部を照らすことができる。
図48(B)に示すように走査線駆動回路20404は、シフトレジスタ20441、レベルシフタ20442、バッファ20443として機能する回路を有する。シフトレジスタ20441にはゲートスタートパルス(GSP)、ゲートクロック信号(GCK)等の信号が入力される。
図48(C)に示すように信号線駆動回路20403は、シフトレジスタ20431、第1のラッチ20432、第2のラッチ20433、レベルシフタ20434、バッファ20435として機能する回路を有する。バッファ20435として機能する回路とは、弱い信号を増幅させる機能を有する回路であり、オペアンプ等を有する。レベルシフタ20434には、スタートパルス(SSP)等の信号が、第1のラッチ20432にはビデオ信号等のデータ(DATA)が入力される。第2のラッチ20433にはラッチ(LAT)信号を一時保持することができ、一斉に画素部20405へ入力させる。これを線順次駆動と呼ぶ。そのため、線順次駆動ではなく、点順次駆動を行う画素であれば、第2のラッチは不要とすることができる。
なお、本実施の形態において、液晶パネルは、公知のものを用いることができる。例えば、液晶パネルとして、2つの基板の間に液晶層が封止された構成を用いることができる。一方の基板上には、トランジスタ、容量素子、画素電極又は配向膜などが形成されている。なお、一方の基板の上面と反対側には、偏光板、位相差板又はプリズムシートが配置されていてもよい。他方の基板上には、カラーフィルタ、ブラックマトリクス、対向電極又は配向膜などが形成されている。なお、他方の基板の上面と反対側には、偏光板又は位相差板が配置されていてもよい。なお、カラーフィルタ及びブラックマトリクスは、一方の基板の上面に形成されてもよい。なお、一方の基板の上面側又はその反対側にスリット(格子)を配置することで、3次元表示を行うことができる。
なお、偏光板、位相差板及びプリズムシートをそれぞれ、2つの基板の間に配置することが可能である。あるいは、2つの基板のうちのいずれかと一体とすることが可能である。
なお、本実施の形態において、様々な図を用いて述べてきたが、各々の図で述べた内容(一部でもよい)は、別の図で述べた内容(一部でもよい)に対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことが出来る。さらに、これまでに述べた図において、各々の部分に関して、別の部分を組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることが出来る。
同様に、本実施の形態の各々の図で述べた内容(一部でもよい)は、別の実施の形態の図で述べた内容(一部でもよい)対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことが出来る。さらに、本実施の形態の図において、各々の部分に関して、別の実施の形態の部分を組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることが出来る。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態で述べた内容(一部でもよい)を、具現化した場合の一例、少し変形した場合の一例、一部を変更した場合の一例、改良した場合の一例、詳細に述べた場合の一例、応用した場合の一例、関連がある部分についての一例などを示している。したがって、他の実施の形態で述べた内容は、本実施の形態への適用、組み合わせ、又は置き換えを自由に行うことができる。
(実施の形態10)
本実施の形態においては、液晶表示装置に適用できる画素の構成及び画素の動作について説明する。
なお、本実施の形態において、液晶の動作モードとして、TN(Twisted Nematic)モード、IPS(In−Plane−Switching)モード、FFS(Fringe Field Switching)モード、MVA(Multi−domain Vertical Alignment)モード、PVA(Patterned Vertical Alignment)、ASM(Axially Symmetric aligned Micro−cell)モード、OCB(Optical Compensated Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)などを用いることができる。
図50(A)は、液晶表示装置に適用できる画素構成の一例を示す図である。
画素40100は、トランジスタ40101、液晶素子40102及び容量素子40103を有している。トランジスタ40101のゲートは配線40105に接続されている。トランジスタ40101の第1端子は配線40104に接続されている。トランジスタ40101の第2端子は液晶素子40102の第1電極及び容量素子40103の第1電極に接続される。液晶素子40102の第2電極は対向電極40107に相当する。容量素子40103の第2の電極が配線40106に接続されている。
配線40104は、信号線として機能する。配線40105は走査線として機能する。配線40106は容量線として機能する。トランジスタ40101は、スイッチとして機能する。容量素子40103は、保持容量として機能する。
トランジスタ40101はスイッチとして機能すればよく、トランジスタ40101の極性はPチャネル型でもよいし、Nチャネル型でもよい。
なお、配線40104にはビデオ信号が入力されている。配線40105には走査信号が入力されている。配線40106はある一定の電位が供給されている。なお、走査信号はHレベル又はLレベルのデジタル電圧信号である。トランジスタ40101がNチャネル型の場合、走査信号のHレベルはトランジスタ40101をオンできる電位、走査信号のLレベルはトランジスタ40101をオフできる電位である。あるいは、トランジスタ40101がPチャネル型の場合、走査信号のHレベルはトランジスタ40101をオフできる電位、走査信号のLレベルはトランジスタ40101をオンできる電位である。なお、ビデオ信号はアナログ電圧である。ただし、これに限定されず、ビデオ信号はデジタルの電圧でもよい。または、ビデオ信号は電流でもよい。そして、このビデオ信号の電流は、アナログでもデジタルでもよい。ビデオ信号は、走査信号のHレベルよりも低く、走査信号のLレベルよりも高い電位である。なお、配線40106に供給されている一定の電位は対向電極40107の電位と等しいことが好ましい。
画素40100の動作について、トランジスタ40101がオンしている場合とトランジスタ40101がオフしている場合に分けて説明する。
トランジスタ40101がオンしている場合は、配線40104と、液晶素子40102の第1電極(画素電極)及び容量素子40103の第1電極とが電気的に接続される。したがって、ビデオ信号は、配線40104からトランジスタ40101を介して、液晶素子40102の第1電極(画素電極)及び容量素子40103の第1電極に入力される。そして、容量素子40103はビデオ信号と配線40106に供給されている電位との電位差を保持する。
トランジスタ40101がオフしている場合は、配線40104と、液晶素子40102の第1電極(画素電極)及び容量素子40103の第1電極とが電気的に遮断される。したがって、液晶素子40102の第1電極及び容量素子40103の第1電極は浮遊状態となる。容量素子40103はビデオ信号と配線40106に供給されている電位との電位差を保持しているため、液晶素子40102の第1電極及び容量素子40103の第1電極は、ビデオ信号と同じ(対応した)電位を維持する。なお、液晶素子40102は、ビデオ信号に応じた透過率となる。
図50(B)は、液晶表示装置に適用できる画素構成の一例を示す図である。特に、図50(B)は、横電界モード(IPSモード、FFSモードを含む)に適した液晶表示装置に適用できる画素構成の一例を示す図である。
画素40110は、トランジスタ40111、液晶素子40112及び容量素子40113を有している。トランジスタ40111のゲートは配線40115に接続されている。トランジスタ40111の第1端子は配線40114に接続されている。トランジスタ40111の第2端子は液晶素子40112の第1電極及び容量素子40113の第1電極に接続される。液晶素子40112の第2電極は配線40116と接続されている。容量素子40113の第2の電極が配線40116に接続されている。
配線40114は、信号線として機能する。配線40115は走査線として機能する。配線40116は容量線として機能する。トランジスタ40111は、スイッチとして機能する。容量素子40113は、保持容量として機能する。
トランジスタ40111はスイッチとして機能すればよく、トランジスタ40111の極性はPチャネル型でもよいし、Nチャネル型でもよい。
なお、配線40114にはビデオ信号が入力されている。配線40115には走査信号が入力されている。配線40116はある一定の電位が供給されている。なお、走査信号はHレベル又はLレベルのデジタル電圧信号である。トランジスタ40111がNチャネル型の場合、走査信号のHレベルはトランジスタ40111をオンできる電位、走査信号のLレベルはトランジスタ40111をオフできる電位である。あるいは、トランジスタ40111がPチャネル型の場合、走査信号のHレベルはトランジスタ40111をオフできる電位、走査信号のLレベルはトランジスタ40111をオンできる電位である。なお、ビデオ信号はアナログ電圧である。ただし、これに限定されず、ビデオ信号はデジタルの電圧でもよい。または、ビデオ信号は電流でもよい。そして、ビデオ信号の電流は、アナログでもデジタルでもよい。ビデオ信号は、走査信号のHレベルよりも低く、走査信号のLレベルよりも高い電位である。
画素40110の動作について、トランジスタ40111がオンしている場合とトランジスタ40111がオフしている場合に分けて説明する。
トランジスタ40111がオンしている場合は、配線40114と、液晶素子40112の第1電極(画素電極)及び容量素子40113の第1電極とが電気的に接続される。したがって、ビデオ信号は、配線40114からトランジスタ40111を介して、液晶素子40112の第1電極(画素電極)及び容量素子40113の第1電極に入力される。そして、容量素子40113はビデオ信号と配線40116に供給されている電位との電位差を保持する。
トランジスタ40111がオフしている場合は、配線40114と、液晶素子40112の第1電極(画素電極)及び容量素子40113の第1電極とが電気的に遮断される。したがって、液晶素子40112の第1電極及び容量素子40113の第1電極は浮遊状態となる。容量素子40113はビデオ信号と配線40116に供給されている電位との電位差を保持しているため、液晶素子40112の第1電極及び容量素子40113の第1電極は、ビデオ信号と同じ(対応した)電位を維持する。なお、液晶素子40112は、ビデオ信号に応じた透過率となる。
図51は、液晶表示装置に適用できる画素構成の一例を示す図である。特に、図51は、配線数を減らして画素の開口率を大きくできる画素構成の一例である。
図51は、同じ列方向に配置された二つの画素(画素40200及び画素40210)を示す。例えば、画素40200がN行目に配置されている場合、画素40210はN+1行目に配置されている。
画素40200は、トランジスタ40201、液晶素子40202及び容量素子40203を有している。トランジスタ40201のゲートは配線40205に接続されている。トランジスタ40201の第1端子は配線40204に接続されている。トランジスタ40201の第2端子は液晶素子40202の第1電極及び容量素子40203の第1電極に接続される。液晶素子40202の第2電極は対向電極40207に相当する。容量素子40203の第2電極は、前行のトランジスタのゲートと同じ配線に接続されている。
画素40210は、トランジスタ40211、液晶素子40212及び容量素子40213を有している。トランジスタ40211のゲートは配線40215に接続されている。トランジスタ40211の第1端子は配線40204に接続されている。トランジスタ40211の第2端子は液晶素子40212の第1電極及び容量素子40213の第1電極に接続される。液晶素子40212の第2電極は対向電極40217に相当する。容量素子40213の第2電極は、前行のトランジスタのゲートと同じ配線(配線40205)に接続されている。
配線40204は、信号線として機能する。配線40205はN行目の走査線として機能する。配線40206はN行目の容量線として機能する。トランジスタ40201は、スイッチとして機能する。容量素子40203は、保持容量として機能する。
配線40214は、信号線として機能する。配線40215はN+1行目の走査線として機能する。配線40216はN+1行目の容量線として機能する。トランジスタ40211は、スイッチとして機能する。容量素子40213は、保持容量として機能する。
トランジスタ40201及びトランジスタ40211はスイッチとして機能すればよく、トランジスタ40201の極性及びトランジスタ40211の極性はPチャネル型でもよいし、Nチャネル型でもよい。
なお、配線40204にはビデオ信号が入力されている。配線40205には走査信号(N行目)が入力されている。配線40215には走査信号(N+1行目)が入力されている。
走査信号はHレベル又はLレベルのデジタル電圧信号である。トランジスタ40201(又はトランジスタ40211)がNチャネル型の場合、走査信号のHレベルはトランジスタ40201(又はトランジスタ40211)をオンできる電位、走査信号のLレベルはトランジスタ40201(又はトランジスタ40211)をオフできる電位である。あるいは、トランジスタ40201(又はトランジスタ40211)がPチャネル型の場合、走査信号のHレベルはトランジスタ40201(又はトランジスタ40211)をオフできる電位、走査信号のLレベルはトランジスタ40201(又はトランジスタ40211)をオンできる電位である。なお、ビデオ信号はアナログ電圧である。ただし、これに限定されず、ビデオ信号はデジタルの電圧でもよい。または、ビデオ信号は電流でもよい。そして、ビデオ信号の電流は、アナログでもデジタルでもよい。ビデオ信号は、走査信号のHレベルよりも低く、走査信号のLレベルよりも高い電位である。
画素40200の動作について、トランジスタ40201がオンしている場合とトランジスタ40201がオフしている場合に分けて説明する。
トランジスタ40201がオンしている場合は、配線40204と、液晶素子40202の第1電極(画素電極)及び容量素子40203の第1電極とが電気的に接続される。したがって、ビデオ信号は、配線40204からトランジスタ40201を介して、液晶素子40202の第1電極(画素電極)及び容量素子40203の第1電極に入力される。そして、容量素子40203はビデオ信号と前行のトランジスタのゲートと同じ配線に供給されている電位との電位差を保持する。
トランジスタ40201がオフしている場合は、配線40204と、液晶素子40202の第1電極(画素電極)及び容量素子40203の第1電極とが電気的に遮断される。したがって、液晶素子40202の第1電極及び容量素子40203の第1電極は浮遊状態となる。容量素子40203はビデオ信号と前行のトランジスタのゲートと同じ配線に供給されている電位との電位差を保持しているため、液晶素子40202の第1電極及び容量素子40203の第1電極は、ビデオ信号と同じ(対応した)電位を維持する。なお、液晶素子40202は、ビデオ信号に応じた透過率となる。
画素40210の動作について、トランジスタ40211がオンしている場合とトランジスタ40211がオフしている場合に分けて説明する。
トランジスタ40211がオンしている場合は、配線40204と、液晶素子40212の第1電極(画素電極)及び容量素子40213の第1電極とが電気的に接続される。したがって、ビデオ信号は、配線40204からトランジスタ40211を介して、液晶素子40212の第1電極(画素電極)及び容量素子40213の第1電極に入力される。そして、容量素子40213はビデオ信号と前行のトランジスタのゲートと同じ配線(配線40205)に供給されている電位との電位差を保持する。
トランジスタ40211がオフしている場合は、配線40204と、液晶素子40212の第1電極(画素電極)及び容量素子40213の第1電極とが電気的に遮断される。したがって、液晶素子40212の第1電極及び容量素子40213の第1電極は浮遊状態となる。容量素子40213はビデオ信号と前行のトランジスタのゲートと同じ配線(配線40205)に供給されている電位との電位差を保持しているため、液晶素子40212の第1電極及び容量素子40213の第1電極は、ビデオ信号と同じ(対応した)電位を維持する。なお、液晶素子40212は、ビデオ信号に応じた透過率となる。
図52は、液晶表示装置に適用できる画素構成の一例を示す図である。特に、図52は、サブ画素を用いることで視野角を向上できる画素構成の一例である。
画素40320は、サブ画素40300とサブ画素40310を有している。画素40320が2つのサブ画素を有している場合について説明するが、画素40320は3つ以上のサブ画素を有していてもよい。
サブ画素40300は、トランジスタ40301、液晶素子40302及び容量素子40303を有している。トランジスタ40301のゲートは配線40305に接続されている。トランジスタ40301の第1端子は配線40304に接続されている。トランジスタ40301の第2端子は液晶素子40302の第1電極及び容量素子40303の第1電極に接続される。液晶素子40302の第2電極は対向電極40307に相当する。容量素子40303の第2の電極が配線40306に接続されている。
サブ画素40310は、トランジスタ40311、液晶素子40312及び容量素子40313を有している。トランジスタ40311のゲートは配線40315に接続されている。トランジスタ40301の第1端子は配線40304に接続されている。トランジスタ40311の第2端子は液晶素子40312の第1電極及び容量素子40313の第1電極に接続される。液晶素子40312の第2電極は対向電極40317に相当する。容量素子40313の第2の電極が配線40306に接続されている。
配線40304は、信号線として機能する。配線40305は走査線として機能する。配線40315は信号線として機能する。配線40306は容量線として機能する。トランジスタ40301は、スイッチとして機能する。トランジスタ40311は、スイッチとして機能する。容量素子40303は、保持容量として機能する。容量素子40313は、保持容量として機能する。
トランジスタ40301はスイッチとして機能すればよく、トランジスタ40301の極性はPチャネル型でもよいし、Nチャネル型でもよい。トランジスタ40311はスイッチとして機能すればよく、トランジスタ40311の極性はPチャネル型でもよいし、Nチャネル型でもよい。
なお、配線40304にはビデオ信号が入力されている。配線40305には走査信号が入力されている。配線40315には走査信号が入力されている。配線40306はある一定の電位が供給されている。
なお、走査信号はHレベル又はLレベルのデジタル電圧信号である。トランジスタ40301(又はトランジスタ40311)がNチャネル型の場合、走査信号のHレベルはトランジスタ40301(又はトランジスタ40311)をオンできる電位、走査信号のLレベルはトランジスタ40301(又はトランジスタ40311)をオフできる電位である。あるいは、トランジスタ40301(又はトランジスタ40311)がPチャネル型の場合、走査信号のHレベルはトランジスタ40301(又はトランジスタ40311)をオフできる電位、走査信号のLレベルはトランジスタ40301(又はトランジスタ40311)をオンできる電位である。なお、ビデオ信号はアナログ電圧である。ただし、これに限定されず、ビデオ信号はデジタルの電圧でもよい。または、ビデオ信号は電流でもよい。そして、ビデオ信号の電流は、アナログでもデジタルでもよい。ビデオ信号は、走査信号のHレベルよりも低く、走査信号のLレベルよりも高い電位である。なお、配線40306に供給されている一定の電位は対向電極40307の電位又は対向電極40317の電位と等しいことが好ましい。
画素40320の動作について、トランジスタ40301がオンしトランジスタ40311がオフしている場合と、トランジスタ40301がオフしトランジスタ40311がオンしている場合と、トランジスタ40301及びトランジスタ40311がオフしている場合とに分けて説明する。
トランジスタ40301がオンしトランジスタ40311がオフしている場合は、サブ画素40300において、配線40304と、液晶素子40302の第1電極(画素電極)及び容量素子40303の第1電極とが電気的に接続される。したがって、ビデオ信号は、配線40304からトランジスタ40301を介して、液晶素子40302の第1電極(画素電極)及び容量素子40303の第1電極に入力される。そして、容量素子40303はビデオ信号と配線40306に供給されている電位との電位差を保持する。このとき、サブ画素40310において、配線40304と、液晶素子40312の第1電極(画素電極)及び容量素子40313の第1電極とが電気的に遮断される。したがって、ビデオ信号は、サブ画素40310には入力されない。
トランジスタ40301がオフし、トランジスタ40311がオンしている場合は、サブ画素40300において、配線40304と、液晶素子40302の第1電極(画素電極)及び容量素子40303の第1電極とが電気的に遮断される。したがって、液晶素子40302の第1電極及び容量素子40303の第1電極は浮遊状態となる。容量素子40303はビデオ信号と配線40306に供給されている電位との電位差を保持しているため、液晶素子40302の第1電極及び容量素子40303の第1電極は、ビデオ信号と同じ(対応した)電位を維持する。このとき、サブ画素40310において、配線40304と、液晶素子40312の第1電極(画素電極)及び容量素子40313の第1電極とが電気的に接続される。したがって、ビデオ信号は、配線40304からトランジスタ40311を介して、液晶素子40312の第1電極(画素電極)及び容量素子40313の第1電極に入力される。そして、容量素子40313はビデオ信号と配線40316に供給されている電位との電位差を保持する。
トランジスタ40301及びトランジスタ40311がオフしている場合は、サブ画素40300において、配線40304と、液晶素子40302の第1電極(画素電極)及び容量素子40303の第1電極とが電気的に遮断される。したがって、液晶素子40302の第1電極及び容量素子40303の第1電極は浮遊状態となる。容量素子40303はビデオ信号と配線40306に供給されている電位との電位差を保持しているため、液晶素子40302の第1電極及び容量素子40303の第1電極は、ビデオ信号と同じ(対応した)電位を維持する。なお、液晶素子40302は、ビデオ信号に応じた透過率となる。このとき、このとき、サブ画素40310において、配線40304と、液晶素子40312の第1電極(画素電極)及び容量素子40313の第1電極とが電気的に遮断される。したがって、液晶素子40312の第1電極及び容量素子40313の第1電極は浮遊状態となる。容量素子40313はビデオ信号と配線40306に供給されている電位との電位差を保持しているため、液晶素子40312の第1電極及び容量素子40313の第1電極は、ビデオ信号と同じ(対応した)電位を維持する。なお、液晶素子40312は、ビデオ信号に応じた透過率となる。
サブ画素40300に入力するビデオ信号は、サブ画素40310に入力するビデオ信号と異なる値としてもよい。この場合、液晶素子40302の液晶分子の配向を液晶素子40312の液晶分子の配向と異ならせることができるため、視野角を広くすることができる。
なお、本実施の形態において、様々な図を用いて述べてきたが、各々の図で述べた内容(一部でもよい)は、別の図で述べた内容(一部でもよい)に対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことが出来る。さらに、これまでに述べた図において、各々の部分に関して、別の部分を組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることが出来る。
同様に、本実施の形態の各々の図で述べた内容(一部でもよい)は、別の実施の形態の図で述べた内容(一部でもよい)対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことが出来る。さらに、本実施の形態の図において、各々の部分に関して、別の実施の形態の部分を組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることが出来る。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態で述べた内容(一部でもよい)を、具現化した場合の一例、少し変形した場合の一例、一部を変更した場合の一例、改良した場合の一例、詳細に述べた場合の一例、応用した場合の一例、関連がある部分についての一例などを示している。したがって、他の実施の形態で述べた内容は、本実施の形態への適用、組み合わせ、又は置き換えを自由に行うことができる。
(実施の形態11)
本実施形態においては、表示装置の駆動方法について説明する。特に、液晶表示装置の駆動方法について説明する。
本実施形態において説明する液晶表示装置に用いることのできる液晶パネルは、液晶材料を2枚の基板によって挟んだ構造であるとする。2枚の基板は、それぞれ、液晶材料に印加する電界を制御するための電極を備えている。液晶材料は、外部から印加される電界によって、光学的および電気的な性質が変化する材料である。したがって、液晶パネルは、基板が有する電極を用いて液晶材料に印加する電圧を制御することによって、所望の光学的および電気的な性質を得ることができるデバイスである。そして、多数の電極を平面的に並置することでそれぞれを画素とし、画素に印加する電圧を個別に制御することにより、精細な画像を表示できる液晶パネルとすることができる。
ここで、電界の変化に対する液晶材料の応答時間は、2枚の基板の間隔(セルギャップ)および液晶材料の種類等に依存するが、一般的に数ミリ秒から数十ミリ秒である。さらに、電界の変化量が小さい場合は、液晶材料の応答時間はさらに長くなる。この性質は、液晶パネルによって動きのある画像を表示する場合に、残像、尾引き、コントラストの低下といった画像表示上の障害を引き起こし、特に中間調から別の中間調へ変化する場合(電界の変化が小さい)場合に、前述の障害の程度が著しくなる。
一方、アクティブマトリクスを用いた液晶パネルに特有の問題として、定電荷駆動による書き込み電圧の変化がある。以下に、本実施形態における定電荷駆動について説明する。
アクティブマトリクスにおける画素回路は、書き込みを制御するスイッチと、電荷を保持する容量素子を含む。アクティブマトリクスにおける画素回路の駆動方法は、スイッチをオン状態として所定の電圧を画素回路に書き込んだ後、直ちにスイッチをオフ状態として画素回路内の電荷を保持する(ホールド状態)というものである。ホールド状態時、画素回路の内部と外部には電荷のやり取りが行なわれない(定電荷)。通常、スイッチがオン状態となっている期間に比べて、オフ状態となっている期間は数百(走査線本数)倍程度長い。そのため、画素回路のスイッチは、ほとんどオフ状態となっていると考えてよい。以上より、本実施形態における定電荷駆動とは、液晶パネルの駆動時、画素回路はほとんどの期間においてホールド状態である駆動方法であるとする。
次に、液晶材料の電気的特性について説明する。液晶材料は、外部から印加される電界が変化すると、光学的性質が変化するのと同時に、誘電率も変化する。すなわち、液晶パネルの各画素を2枚の電極に挟まれた容量素子(液晶素子)として考えたとき、当該容量素子は、印加される電圧によって静電容量が変化する容量素子である。この現象を、ダイナミックキャパシタンスと呼ぶこととする。
このように、印加される電圧によって静電容量が変化する容量素子を、上述した定電荷駆動によって駆動する場合、次のような問題が生じる。すなわち、電荷の移動が行なわれないホールド状態において、液晶素子の静電容量が変化すると、印加される電圧も変化してしまうという問題である。これは、(電荷量)=(静電容量)×(印加電圧)という関係式において、電荷量が一定であるということから理解できる。
以上の理由により、アクティブマトリクスを用いた液晶パネルでは、定電荷駆動であることによって、ホールド状態時における電圧が、書き込み時における電圧から変化してしまう。その結果、液晶素子の透過率は、ホールド状態を取らない駆動法における変化とは異なったものとなる。この様子を示したのが、図56である。図56(A)は、横軸に時間、縦軸に電圧の絶対値をとり、画素回路に書き込む電圧の制御例を表したものである。図56(B)は、横軸に時間、縦軸に電圧をとった場合の、画素回路に書き込む電圧の制御例を表したものである。図56(C)は、横軸に時間、縦軸に液晶素子の透過率をとり、図56(A)または図56(B)によって表した電圧を画素回路に書き込んだ場合の、液晶素子の透過率の時間変化を表したものである。図56(A)乃至(C)において、期間Fは電圧の書き換え周期を表し、電圧を書き換える時刻をt1、t2、t3、t4〜として説明する。
ここで、液晶表示装置に入力される画像データに対応する書き込み電圧は、時刻0における書き換えでは|V1|、時刻t1、t2、t3、t4〜における書き換えでは|V2|であるとする。(図56(A)参照)
なお、液晶表示装置に入力される画像データに対応する書き込み電圧は、その極性を周期的に入れ替えてもよい。(反転駆動:図56(B)参照)この方法によって、液晶に直流電圧をできるだけ印加しないようにすることができるので、液晶素子の劣化による焼きつき等を防ぐことができる。なお、極性を入れ替える周期(反転周期)は、電圧の書き換え周期と同じでもよい。この場合は、反転周期が短いので、反転駆動によるフリッカの発生を低減することができる。さらに、反転周期は、電圧の書き換え周期の整数倍の周期であってもよい。この場合は、反転周期が長く、極性を変えて電圧を書き込む頻度を減少させることができるため、消費電力を低減することができる。
そして、図56(A)または図56(B)に示したような電圧を液晶素子に印加したときの液晶素子の透過率の時間変化を、図56(C)に示す。ここで、液晶素子に電圧|V1|が印加され、十分時間が経過した後の液晶素子の透過率をTR1とする。同様に、液晶素子に電圧|V2|が印加され、十分時間が経過した後の液晶素子の透過率をTR2とする。時刻t1において、液晶素子に印加される電圧が|V1|から|V2|に変化すると、液晶素子の透過率は、破線30401に示したように、すぐにTR2とはならず、ゆっくりと変化する。たとえば、電圧の書き換え周期が、60Hzの画像信号のフレーム周期(16.7ミリ秒)と同じであるとき、透過率がTR2に変化するまでは、数フレーム程度の時間が必要となる。
ただし、破線30401に示したような、滑らかな透過率の時間変化は、液晶素子に正確に電圧|V2|が印加されたときのものである。実際の液晶パネル、たとえば、アクティブマトリクスを用いた液晶パネルでは、定電荷駆動であることによって、ホールド状態時における電圧が、書き込み時における電圧から変化してしまうため、液晶素子の透過率は破線30401に示したような時間変化とはならず、かわりに、実線30402に示したような、段階的な時間変化となる。これは、定電荷駆動であることによって電圧が変化してしまうため、1回の書き込みでは目的の電圧に到達することができないためである。その結果、液晶素子の透過率の応答時間は、本来の応答時間(破線30401)よりも、見かけ上、さらに長くなってしまい、残像、尾引き、コントラストの低下といった画像表示上の障害を顕著に引き起こしてしまうということになる。
オーバードライブ駆動を用いることによって、液晶素子の本来の応答時間の長さと、ダイナミックキャパシタンスおよび定電荷駆動による書き込み不足に起因する見かけ上の応答時間がさらに長くなる現象を、同時に解決することができる。この様子を示したのが、図57である。図57(A)は、横軸に時間、縦軸に電圧の絶対値をとり、画素回路に書き込む電圧の制御例を表したものである。図57(B)は、横軸に時間、縦軸に電圧をとった場合の、画素回路に書き込む電圧の制御例を表したものである。図57(C)は、横軸に時間、縦軸に液晶素子の透過率をとり、図57(A)または図57(B)によって表した電圧を画素回路に書き込んだ場合の、液晶素子の透過率の時間変化を表したものである。図57(A)乃至(C)において、期間Fは電圧の書き換え周期を表し、電圧を書き換える時刻をt1、t2、t3、t4〜として説明する。
ここで、液晶表示装置に入力される画像データに対応する書き込み電圧は、時刻0における書き換えでは|V1|、時刻t1における書き換えでは|V3|、時刻t2、t3、t4〜における書き換えでは|V2|であるとする。(図57(A)参照)
なお、液晶表示装置に入力される画像データに対応する書き込み電圧は、その極性を周期的に入れ替えてもよい。(反転駆動:図57(B)参照)この方法によって、液晶に直流電圧をできるだけ印加しないようにすることができるので、液晶素子の劣化による焼きつき等を防ぐことができる。なお、極性を入れ替える周期(反転周期)は、電圧の書き換え周期と同じでもよい。この場合は、反転周期が短いので、反転駆動によるフリッカの発生を低減することができる。さらに、反転周期は、電圧の書き換え周期の整数倍の周期であってもよい。この場合は、反転周期が長く、極性を変えて電圧を書き込む頻度を減少させることができるため、消費電力を低減することができる。
そして、図57(A)または図57(B)に示したような電圧を液晶素子に印加したときの液晶素子の透過率の時間変化を、図57(C)に示す。ここで、液晶素子に電圧|V1|が印加され、十分時間が経過した後の液晶素子の透過率をTR1とする。同様に、液晶素子に電圧|V2|が印加され、十分時間が経過した後の液晶素子の透過率をTR2とする。同様に、液晶素子に電圧|V3|が印加され、十分時間が経過した後の液晶素子の透過率をTR3とする。時刻t1において、液晶素子に印加される電圧が|V1|から|V3|に変化すると、液晶素子の透過率は、破線30501に示したように、数フレームをかけて透過率をTR3まで変化しようとする。しかし、電圧|V3|の印加は時刻t2で終わり、時刻t2より後は、電圧|V2|が印加される。そのため、液晶素子の透過率は破線30501に示したようにはならず、実線30502に示したようになる。ここで、時刻t2の時点において、透過率が概ねTR2となっているように、電圧|V3|の値を設定するのが好ましい。ここで、電圧|V3|を、オーバードライブ電圧とも呼ぶこととする。
つまり、オーバードライブ電圧である|V3|を変化させれば、液晶素子の応答時間をある程度制御することができる。なぜならば、液晶の応答時間は、電界の強さによって変化するからである。具体的には、電界が強いほど、液晶素子の応答時間は短くなり、電界が弱いほど、液晶素子の応答時間は長くなる。
なお、オーバードライブ電圧である|V3|は、電圧の変化量、すなわち、目的とする透過率TR1およびTR2を与える電圧|V1|および|V2|、にしたがって変化させるのが好ましい。なぜならば、液晶素子の応答時間が電圧の変化量によって変わってしまっても、オーバードライブ電圧である|V3|をそれに合わせて変化させれば、常に最適な応答時間を得ることができるからである。
なお、オーバードライブ電圧である|V3|は、TN、VA、IPS、OCB等の液晶のモードによって変化させるのが好ましい。なぜならば、液晶の応答速度が液晶のモードによって異なってしまっても、オーバードライブ電圧である|V3|をそれに合わせて変化させれば、常に最適な応答時間を得ることができるからである。
なお、電圧書き換え周期Fは、入力信号のフレーム周期と同じでもよい。この場合は、液晶表示装置の周辺駆動回路を簡単にできるため、製造コストの低い液晶表示装置を得ることができる。
なお、電圧書き換え周期Fは、入力信号のフレーム周期よりも短くてもよい。たとえば、電圧書き換え周期Fは入力信号のフレーム周期の1/2倍でもよいし、1/3倍でもよいし、それ以下でもよい。この方法は、黒挿入駆動、バックライト点滅、バックライトスキャン、動き補償による中間画像挿入駆動等、液晶表示装置のホールド駆動に起因する動画品質の低下の対策法と合わせて用いるのが効果的である。すなわち、液晶表示装置のホールド駆動に起因する動画品質の低下の対策法は、要求される液晶素子の応答時間が短いため、本実施形態で説明したオーバードライブ駆動法を用いることで、比較的容易に液晶素子の応答時間を短くすることができる。液晶素子の応答時間は、セルギャップ、液晶材料および液晶モード等によって本質的に短くすることは可能ではあるが、技術的に困難である。そのため、オーバードライブのような、駆動方法から液晶素子の応答時間を短くする方法を用いることは、非常に重要である。
なお、電圧書き換え周期Fは、入力信号のフレーム周期よりも長くてもよい。たとえば、電圧書き換え周期Fは入力信号のフレーム周期の2倍でもよいし、3倍でもよいし、それ以上でもよい。この方法は、長期間電圧の書き換えが行なわれないか否かを判断する手段(回路)と合わせて用いるのが効果的である。すなわち、長期間電圧の書き換えが行なわれない場合は、電圧の書き換え動作自体を行わないことによって、回路の動作をその期間中は停止させることができるので、消費電力の低い液晶表示装置を得ることができる。
次に、オーバードライブ電圧|V3|を、目的とする透過率TR1およびTR2を与える電圧|V1|および|V2|、にしたがって変化させるための具体的な方法について説明する。
オーバードライブ回路は、目的とする透過率TR1およびTR2を与える電圧|V1|および|V2|にしたがって、オーバードライブ電圧|V3|を適切に制御するための回路であるため、オーバードライブ回路に入力される信号は、透過率TR1を与える電圧|V1|に関係する信号と、透過率TR2を与える電圧|V2|に関係する信号であり、オーバードライブ回路から出力される信号は、オーバードライブ電圧|V3|に関係する信号となる。ここで、これらの信号としては、液晶素子に印加する電圧(|V1|、|V2|、|V3|)のようなアナログの電圧値であってもよいし、液晶素子に印加する電圧を与えるためのデジタル信号であってもよい。ここでは、オーバードライブ回路に関係する信号はデジタル信号であるとして説明する。
まず、図53の(A)を参照して、オーバードライブ回路の全体的な構成について説明する。ここでは、オーバードライブ電圧を制御するための信号として、入力画像信号30101aおよび30101bを用いる。これらの信号を処理した結果、オーバードライブ電圧を与える信号として、出力画像信号30104が出力されるとする。
ここで、目的とする透過率TR1およびTR2を与える電圧|V1|および|V2|は、互いに隣り合ったフレームにおける画像信号であるため、入力画像信号30101aおよび30101bも、同様に互いに隣り合ったフレームにおける画像信号であることが好ましい。このような信号を得るためには、入力画像信号30101aを、図53の(A)における遅延回路30102に入力し、その結果出力される信号を、入力画像信号30101bとすることができる。遅延回路30102としては、たとえば、メモリが挙げられる。すなわち、入力画像信号30101aを1フレーム分遅延させるために、メモリに当該入力画像信号30101aを記憶させておき、同時に、1つ前のフレームにおいて記憶させておいた信号を、入力画像信号30101bとしてメモリから取り出し、入力画像信号30101aと、入力画像信号30101bを、同時に補正回路30103に入力することで、互いに隣り合ったフレームにおける画像信号を扱えるようにすることができる。そして、互いに隣り合ったフレームにおける画像信号を、補正回路30103に入力することで、出力画像信号30104を得ることができる。なお、遅延回路30102としてメモリを用いたときは、1フレーム分遅延させるために、1フレーム分の画像信号を記憶できる容量を持ったメモリ(すなわち、フレームメモリ)とすることができる。こうすることで、メモリ容量の過不足なく、遅延回路としての機能を有することができる。
次に、メモリの容量を削減することを主な目的として構成された遅延回路30102について説明する。遅延回路30102としてこのような回路を用いることで、メモリの容量を削減することができるため、製造コストを低減することができる。
このような特徴を持つ遅延回路30102として、具体的には、図53の(B)に示すようなものを用いることができる。図53の(B)に示す遅延回路30102は、エンコーダ30105と、メモリ30106と、デコーダ30107を有する。
図53の(B)に示す遅延回路30102の動作としては、次のようなものとなる。まず、入力画像信号30101aをメモリ30106に記憶させる前に、エンコーダ30105によって、圧縮処理を行なう。これによって、メモリ30106に記憶させるべきデータのサイズを減らすことができる。その結果、メモリの容量を削減することができるため、製造コストを低減することができる。そして、圧縮処理を施された画像信号は、デコーダ30107に送られ、ここで伸張処理を行なう。これによって、エンコーダ30105によって圧縮処理された前の信号を復元することができる。ここで、エンコーダ30105およびデコーダ30107によって行なわれる圧縮伸張処理は、可逆的な処理であってもよい。こうすることで、圧縮伸張処理を行なった後でも画像信号の劣化がないため、最終的に装置に表示される画像の品質を落とすことなく、メモリの容量を削減することができる。さらに、エンコーダ30105およびデコーダ30107によって行なわれる圧縮伸張処理は、非可逆的な処理であってもよい。こうすることで、圧縮後の画像信号のデータのサイズを非常に小さくすることができるため、メモリの容量を大幅に削減することができる。
なお、メモリの容量を削減するための方法としては、上に挙げたもの以外にも、様々な方法を用いることができる。エンコーダによって画像圧縮するのではなく、画像信号が有する色情報を削減する(たとえば、26万色から6万5千色に減色する)、またはデータ数を削減する(解像度を小さくする)、などの方法を用いることができる。
次に、補正回路30103の具体例について、図53の(C)乃至(E)を参照して説明する。補正回路30103は、2つの入力画像信号から、ある値の出力画像信号を出力するための回路である。ここで、2つの入力画像信号と出力画像信号の関係が非線形であり、簡単な演算で求めることが難しい場合には、補正回路30103として、ルックアップテーブル(LUT)を用いてもよい。LUTには、2つの入力画像信号と出力画像信号の関係が、測定によってあらかじめ求められているため、2つの入力画像信号に対応する出力画像信号を、LUTを参照するだけで求めることができる。(図53の(C)参照)補正回路30103としてLUT30108を用いることで、複雑な回路設計等を行なうことなく、補正回路30103を実現することができる。
ここで、LUTはメモリの1つであるため、メモリ容量をできるだけ削減することが、製造コストを低減する上で、好ましい。それを実現するための補正回路30103の例として、図53の(D)に示す回路が考えられる。図53の(D)に示す補正回路30103は、LUT30109と、加算器30110を有する。LUT30109には、入力画像信号30101aと、出力するべき出力画像信号30104の差分データが格納されている。つまり、入力画像信号30101aおよび入力画像信号30101bから、対応する差分データをLUT30109から取り出し、取り出した差分データと入力画像信号30101aを、加算器30110によって加算することで、出力画像信号30104を得ることができる。なお、LUT30109に格納するデータを差分データとすることで、LUTのメモリ容量の削減が実現できる。なぜならば、そのままの出力画像信号30104よりも、差分データの方がデータサイズが小さいため、LUT30109に必要なメモリ容量を小さくできるからである。
さらに、出力画像信号が、2つの入力画像信号の四則演算等の簡単な演算によって求められるならば、加算器、減算器、乗算器等の簡単な回路の組み合わせによって実現できる。その結果、LUTを用いる必要が無くなり、製造コストを大幅に低減することができる。このような回路としては、図53の(E)に示す回路を挙げることができる。図53の(E)に示す補正回路30103は、減算器30111と、乗算器30112と、加算器30113、を有する。まず、入力画像信号30101aと、入力画像信号30101bの差分を、減算器30111によって求める。その後、乗算器30112によって、適切な係数を差分値に乗ずる。そして、入力画像信号30101aに、適切な係数を乗じた差分値を、加算器30113によって加算することで、出力画像信号30104を得ることができる。このような回路を用いることによって、LUTを用いる必要が無くなり、製造コストを大幅に低減することができる。
なお、ある条件の下で、図53の(E)に示す補正回路30103を用いることによって、不適切な出力画像信号30104を出力することを防止することができる。その条件とは、オーバードライブ電圧を与える出力画像信号30104と、入力画像信号30101aおよび入力画像信号30101bの差分値に、線形性があることである。そして、この線形性の傾きを、乗算器30112によって乗ずる係数とする。すなわち、このような性質を持つ液晶素子に、図53の(E)に示す補正回路30103を用いることが好ましい。このような性質を持つ液晶素子としては、応答速度の階調依存性の小さい、IPSモードの液晶素子が挙げられる。このように、たとえば、IPSモードの液晶素子に図53の(E)に示す補正回路30103を用いることによって、製造コストを大幅に低減でき、かつ、不適切な出力画像信号30104を出力することを防止することができるオーバードライブ回路を得ることができる。
なお、図53の(A)乃至(E)に示した回路と同等の働きを、ソフトウェア処理によって実現してもよい。遅延回路に用いるメモリについては、液晶表示装置が有する他のメモリ、液晶表示装置に表示する画像を送り出す側の装置(たとえば、パーソナルコンピュータやそれに準じた装置が有するビデオカード等)が有するメモリ等を流用することができる。こうすることで、製造コストを低減できるだけでなく、オーバードライブの強さや利用する状況などを、ユーザが好みに応じて選択できるようにすることができる。
次に、コモン線の電位を操作する駆動について、図54を参照して説明する。図54の(A)は、液晶素子のような容量的な性質を持つ表示素子を用いた表示装置において、走査線一本に対し、コモン線が一本配置されているときの、複数の画素回路を表した図である。図54の(A)に示す画素回路は、トランジスタ30201、補助容量30202、表示素子30203、映像信号線30204、走査線30205、コモン線30206、を備えている。
トランジスタ30201のゲート電極は、走査線30205に電気的に接続され、トランジスタ30201のソース電極及びドレイン電極の一方は、映像信号線30204に電気的に接続され、トランジスタ30201のソース電極及びドレイン電極の他方は、補助容量30202の一方の電極、及び表示素子30203の一方の電極に電気的に接続されている。
また、補助容量30202の他方の電極は、コモン線30206に電気的に接続されている。
まず、走査線30205によって選択された画素は、トランジスタ30201がオンとなるため、それぞれ、映像信号線30204を介して、表示素子30203及び補助容量30202に映像信号に対応した電圧がかかる。このとき、その映像信号が、コモン線30206に接続された全ての画素に対して最低階調を表示させるものだった場合、あるいは、コモン線30206に接続された全ての画素に対して最高階調を表示させるものだった場合は、画素にそれぞれ映像信号線30204を介して映像信号を書き込む必要はない。映像信号線30204を介して映像信号を書き込む代わりに、コモン線30206の電位を動かすことで、表示素子30203にかかる電圧を変えることができる。
次に、図54の(B)は、液晶素子のような容量的な性質を持つ表示素子を用いた表示装置において、走査線一本に対し、コモン線が2本配置されているときの、複数の画素回路を表した図である。図54の(B)に示す画素回路は、トランジスタ30211、補助容量30212、表示素子30213、映像信号線30214、走査線30215、第1のコモン線30216、第2のコモン線30217、を備えている。
トランジスタ30211のゲート電極は、走査線30215に電気的に接続され、トランジスタ30211のソース電極及びドレイン電極の一方は、映像信号線30214に電気的に接続され、トランジスタ30211のソース電極及びドレイン電極の他方は、補助容量30212の一方の電極、及び表示素子30213の一方の電極に電気的に接続されている。
また、補助容量30212の他方の電極は、第1のコモン線30216に電気的に接続されている。
また、当該画素と隣接する画素においては、補助容量30212の他方の電極は、第2のコモン線30217に電気的に接続されている。
図54の(B)に示す画素回路は、コモン線一本に対し電気的に接続されている画素が少ないため、映像信号線30214を介して映像信号を書き込む代わりに、第1のコモン線30216又は第2のコモン線30217の電位を動かすことで、表示素子30213にかかる電圧を変えることができる頻度が、顕著に大きくなる。また、ソース反転駆動又はドット反転駆動が可能になる。ソース反転駆動又はドット反転駆動により、素子の信頼性を向上させつつ、フリッカを抑えることができる。
次に、走査型バックライトについて、図55を参照して説明する。図55の(A)は、冷陰極管を並置した走査型バックライトを示す図である。図55の(A)に示す走査型バックライトは、拡散板30301と、N個の冷陰極管30302―1から30302―Nと、を備える。N個の冷陰極管30302―1から30302―Nを、拡散板30301の後ろに並置することで、N個の冷陰極管30302―1から30302―Nは、その輝度を変化させて走査することができる。
走査するときの各冷陰極管の輝度の変化を、図55の(C)を用いて説明する。まず、冷陰極管30302―1の輝度を、一定時間変化させる。そして、その後に、冷陰極管30302―1の隣に配置された冷陰極管30302―2の輝度を、同じ時間だけ変化させる。このように、冷陰極管30302―1から30302―Nまで、輝度を順に変化させる。なお、図55の(C)においては、一定時間変化させる輝度は、元の輝度より小さいものとしたが、元の輝度より大きくてもよい。また、冷陰極管30302―1から30302―Nまで走査するとしたが、逆方向に冷陰極管30302―Nから30302―1まで走査してもよい。
図55のように駆動することで、バックライトの平均輝度を小さくすることができる。したがって、液晶表示装置の消費電力の大部分を占める、バックライトの消費電力を低減することができる。
なお、走査型バックライトの光源として、LEDを用いてもよい。その場合の走査型バックライトは、図55の(B)のようになる。図55の(B)に示す走査型バックライトは、拡散板30311と、LEDを並置した光源30312―1から30312―Nと、を備える。走査型バックライトの光源として、LEDを用いた場合、バックライトを薄く、軽くできる利点がある。また、色再現範囲を広げることができるという利点がある。さらに、LEDを並置した光源30312―1から30312―Nのそれぞれに並置したLEDも、同様に走査することができるので、点走査型のバックライトとすることもできる。点走査型とすれば、動画像の画質をさらに向上させることができる。
なお、バックライトの光源としてLEDを用いた場合も、図55の(C)に示すように輝度を変化させて駆動することができる。
なお、本実施の形態において、様々な図を用いて述べてきたが、各々の図で述べた内容(一部でもよい)は、別の図で述べた内容(一部でもよい)に対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことが出来る。さらに、これまでに述べた図において、各々の部分に関して、別の部分を組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることが出来る。
同様に、本実施の形態の各々の図で述べた内容(一部でもよい)は、別の実施の形態の図で述べた内容(一部でもよい)対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことが出来る。さらに、本実施の形態の図において、各々の部分に関して、別の実施の形態の部分を組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることが出来る。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態で述べた内容(一部でもよい)を、具現化した場合の一例、少し変形した場合の一例、一部を変更した場合の一例、改良した場合の一例、詳細に述べた場合の一例、応用した場合の一例、関連がある部分についての一例などを示している。したがって、他の実施の形態で述べた内容は、本実施の形態への適用、組み合わせ、又は置き換えを自由に行うことができる。
(実施の形態12)
本実施の形態においては、各種液晶モードについて説明する。
まず、断面図を用いて各種液晶モードについて説明する。
図58(A)、(B)は、TNモードの断面の模式図を示す。
互いに対向するように配置された第1の基板50101及び第2の基板50102に、液晶層50100が挟持されている。第1の基板50101の上面には、第1の電極50105が形成されている。第2の基板50102の上面には、第2の電極50106が形成されている。第1の基板50101の液晶層と反対側には、第1の偏光板50103が配置されている。第2の基板50102の液晶層と反対側には、第2の偏光板50104が配置されている。なお、第1の偏光板50103と第2の偏光板50104とは、クロスニコルになるように配置されている。
第1の偏光板50103は、第1の基板50101の上面に配置されてもよい。第2の偏光板50104は、第2の基板50102の上面に配置されてもよい。
第1の電極50105及び第2の電極50106のうち、少なくとも一方(又は両方)の電極が透光性を有していればよい(透過型又は反射型)。あるいは、両方の電極が透光性を有し、かつ一方の電極の一部が反射性を有していてもよい(半透過型)。
図58(A)は、第1の電極50105及び第2の電極50106に電圧が印加(縦電界方式と呼ぶ)された場合の断面の模式図である。液晶分子が縦に並んだ状態となるため、バックライトからの光は液晶分子の複屈折の影響を受けない。そして、第1の偏光板50103と第2の偏光板50104とがクロスニコルになるように配置されているため、バックライトからの光は基板を通過できない。したがって、黒色表示が行われる。
なお、第1の電極50105及び第2の電極50106に印加する電圧を制御することで、液晶分子の状態を制御することが可能である。したがって、バックライトからの光が基板を通過する量を制御できるため、所定の映像表示を行うことが可能である。
図58(B)は、第1の電極50105及び第2の電極50106に電圧が印加されていない場合の断面の模式図である。液晶分子が横に並び、平面内で回転している状態となるため、バックライトからの光は液晶分子の複屈折の影響を受ける。そして、第1の偏光板50103と第2の偏光板50104とがクロスニコルになるように配置されているため、バックライトからの光は基板を通過する。したがって、白色表示が行われる。いわゆるノーマリーホワイトモードである。
図58(A)、(B)に示した構成を有する液晶表示装置は、カラーフィルタを設けることで、フルカラー表示を行うことができる。カラーフィルタは、第1の基板50101側又は第2の基板50102側に設けることができる。
TNモードに使用される液晶材料は、公知のものを使用すればよい。
図59(A)、(B)は、VAモードの断面の模式図を示す。VAモードは、無電界の時に液晶分子が基板に垂直となるように配向されているモードである。
互いに対向するように配置された第1の基板50201及び第2の基板50202に、液晶層50200が挟持されている。第1の基板50201の上面には、第1の電極50205が形成されている。第2の基板50202の上面には、第2の電極50206が形成されている。第1の基板50201の液晶層と反対側には、第1の偏光板50203が配置されている。第2の基板50202の液晶層と反対側には、第2の偏光板50204が配置されている。なお、第1の偏光板50203と第2の偏光板50204とは、クロスニコルになるように配置されている。
第1の偏光板50203は、第1の基板50201の上面に配置されてもよい。第2の偏光板50204は、第2の基板50202の上面に配置されてもよい。
第1の電極50205及び第2の電極50206のうち、少なくとも一方(又は両方)の電極が透光性を有していればよい(透過型又は反射型)。あるいは、両方の電極が透光性を有し、かつ一方の電極の一部が反射性を有していてもよい(半透過型)。
図59(A)は、第1の電極50205及び第2の電極50206に電圧が印加(縦電界方式と呼ぶ)された場合の断面の模式図である。液晶分子が横に並んだ状態となるため、バックライトからの光は液晶分子の複屈折の影響を受ける。そして、第1の偏光板50203と第2の偏光板50204とがクロスニコルになるように配置されているため、バックライトからの光は基板を通過する。したがって、白色表示が行われる。
なお、第1の電極50205及び第2の電極50206に印加する電圧を制御することで、液晶分子の状態を制御することが可能である。したがって、バックライトからの光が基板を通過する量を制御できるため、所定の映像表示を行うことが可能である。
図59(B)は、第1の電極50205及び第2の電極50206に電圧が印加されていない場合の断面の模式図である。液晶分子が縦に並んだ状態となるため、バックライトからの光は液晶分子の複屈折の影響を受けない。そして、第1の偏光板50203と第2の偏光板50204とがクロスニコルになるように配置されているため、バックライトからの光は基板を通過しない。したがって、黒色表示が行われる。いわゆるノーマリーブラックモードである。
図59(A)、(B)に示した構成を有する液晶表示装置は、カラーフィルタを設けることで、フルカラー表示を行うことができる。カラーフィルタは、第1の基板50201側又は第2の基板50202側に設けることができる。
VAモードに使用される液晶材料は、公知のものを使用すればよい。
図59(C)、(D)は、MVAモードの断面の模式図を示す。MVAモードは、それぞれの部分の視野角依存性を互いに補償する方法である。
互いに対向するように配置された第1の基板50211及び第2の基板50212に、液晶層50210が挟持されている。第1の基板50211の上面には、第1の電極50215が形成されている。第2の基板50212の上面には、第2の電極50216が形成されている。第1の電極50215上には、配向制御用に第1の突起物502117が形成されている。第2の電極50216上には、配向制御用に第2の突起物502118が形成されている。第1の基板50211の液晶層と反対側には、第1の偏光板50213が配置されている。第2の基板50212の液晶層と反対側には、第2の偏光板50214が配置されている。なお、第1の偏光板50213と第2の偏光板50214とは、クロスニコルになるように配置されている。
第1の偏光板50213は、第1の基板50211の上面に配置されてもよい。第2の偏光板50214は、第2の基板50212の上面に配置されてもよい。
第1の電極50215及び第2の電極50216のうち、少なくとも一方(又は両方)の電極が透光性を有していればよい(透過型又は反射型)。あるいは、両方の電極が透光性を有し、かつ一方の電極の一部が反射性を有していてもよい(半透過型)。
図59(C)は、第1の電極50215及び第2の電極50216に電圧が印加(縦電界方式と呼ぶ)された場合の断面の模式図である。液晶分子が第1の突起物502117及び第2の突起物502118に対して倒れて並んだ状態となるため、バックライトからの光は液晶分子の複屈折の影響を受ける。そして、第1の偏光板50213と第2の偏光板50214とがクロスニコルになるように配置されているため、バックライトからの光は基板を通過する。したがって、白色表示が行われる。
なお、第1の電極50215及び第2の電極50216に印加する電圧を制御することで、液晶分子の状態を制御することが可能である。したがって、バックライトからの光が基板を通過する量を制御できるため、所定の映像表示を行うことが可能である。
図59(D)は、第1の電極50215及び第2の電極50216に電圧が印加されていない場合の断面の模式図である。液晶分子が縦に並んだ状態となるため、バックライトからの光は液晶分子の複屈折の影響を受けない。そして、第1の偏光板50213と第2の偏光板50214とがクロスニコルになるように配置されているため、バックライトからの光は基板を通過しない。したがって、黒色表示が行われる。いわゆるノーマリーブラックモードである。
図59(C)、(D)に示した構成を有する液晶表示装置は、カラーフィルタを設けることで、フルカラー表示を行うことができる。カラーフィルタは、第1の基板50211側又は第2の基板50212側に設けることができる。
MVAモードに使用される液晶材料は、公知のものを使用すればよい。
図60(A)、(B)は、OCBモードの断面の模式図を示す。OCBモードは、液晶層内で液晶分子の配列が光学的に補償状態を形成しているため、視野角依存が少ない。この液晶分子の状態は、ベンド配向と呼ばれる。
互いに対向するように配置された第1の基板50301及び第2の基板50302に、液晶層50300が挟持されている。第1の基板50301の上面には、第1の電極50305が形成されている。第2の基板50302の上面には、第2の電極50306が形成されている。第1の基板50301の液晶層と反対側には、第1の偏光板50303が配置されている。第2の基板50302の液晶層と反対側には、第2の偏光板50304が配置されている。なお、第1の偏光板50303と第2の偏光板50304とは、クロスニコルになるように配置されている。
第1の偏光板50303は、第1の基板50301の上面に配置されてもよい。第2の偏光板50304は、第2の基板50302の上面に配置されてもよい。
第1の電極50305及び第2の電極50306のうち、少なくとも一方(又は両方)の電極が透光性を有していればよい(透過型又は反射型)。あるいは、両方の電極が透光性を有し、かつ一方の電極の一部が反射性を有していてもよい(半透過型)。
図60(A)は、第1の電極50305及び第2の電極50306に電圧が印加(縦電界方式と呼ぶ)された場合の断面の模式図である。液晶分子が縦に並んだ状態となるため、バックライトからの光は液晶分子の複屈折の影響を受けない。そして、第1の偏光板50303と第2の偏光板50304とがクロスニコルになるように配置されているため、バックライトからの光は基板を通過しない。したがって、黒色表示が行われる。
なお、第1の電極50305及び第2の電極50306に印加する電圧を制御することで、液晶分子の状態を制御することが可能である。したがって、バックライトからの光が基板を通過する量を制御できるため、所定の映像表示を行うことが可能である。
図60(B)は、第1の電極50305及び第2の電極50306に電圧が印加されていない場合の断面の模式図である。液晶分子がベンド配向の状態となるため、バックライトからの光は液晶分子の複屈折の影響を受ける。そして、第1の偏光板50303と第2の偏光板50304とがクロスニコルになるように配置されているため、バックライトからの光は基板を通過する。したがって、白色表示が行われる。いわゆるノーマリーホワイトモードである。
図60(A)、(B)に示した構成を有する液晶表示装置は、カラーフィルタを設けることで、フルカラー表示を行うことができる。カラーフィルタは、第1の基板50301側又は第2の基板50302側に設けることができる。
OCBモードに使用される液晶材料は、公知のものを使用すればよい。
図60(C)、(D)は、FLCモード又はAFLCモードの断面の模式図を示す。
互いに対向するように配置された第1の基板50311及び第2の基板50312に、液晶層50310が挟持されている。第1の基板50311の上面には、第1の電極50315が形成されている。第2の基板50312の上面には、第2の電極50316が形成されている。第1の基板50311の液晶層と反対側には、第1の偏光板50313が配置されている。第2の基板50312の液晶層と反対側には、第2の偏光板50314が配置されている。なお、第1の偏光板50313と第2の偏光板50314とは、クロスニコルになるように配置されている。
第1の偏光板50313は、第1の基板50311の上面に配置されてもよい。第2の偏光板50314は、第2の基板50312の上面に配置されてもよい。
第1の電極50315及び第2の電極50316のうち、少なくとも一方(又は両方)の電極が透光性を有していればよい(透過型又は反射型)。あるいは、両方の電極が透光性を有し、かつ一方の電極の一部が反射性を有していてもよい(半透過型)。
図60(C)は、第1の電極50315及び第2の電極50316に電圧が印加(縦電界方式と呼ぶ)された場合の断面の模式図である。液晶分子がラビング方向からずれた方向で横に並んでいる状態となるため、バックライトからの光は液晶分子の複屈折の影響を受ける。そして、第1の偏光板50313と第2の偏光板50314とがクロスニコルになるように配置されているため、バックライトからの光は基板を通過する。したがって、白色表示が行われる。
なお、第1の電極50315及び第2の電極50316に印加する電圧を制御することで、液晶分子の状態を制御することが可能である。したがって、バックライトからの光が基板を通過する量を制御できるため、所定の映像表示を行うことが可能である。
図60(D)は、第1の電極50315及び第2の電極50316に電圧が印加されていない場合の断面の模式図である。液晶分子がラビング方向に沿って横に並んだ状態となるため、バックライトからの光は液晶分子の複屈折の影響を受けない。そして、第1の偏光板50313と第2の偏光板50314とがクロスニコルになるように配置されているため、バックライトからの光は基板を通過しない。したがって、黒色表示が行われる。いわゆるノーマリーブラックモードである。
図60(C)、(D)に示した構成を有する液晶表示装置は、カラーフィルタを設けることで、フルカラー表示を行うことができる。カラーフィルタは、第1の基板50311側又は第2の基板50312側に設けることができる。
FLCモード又はAFLCモードに使用される液晶材料は、公知のものを使用すればよい。
図61(A)、(B)は、IPSモードの断面の模式図を示す。IPSモードは、液晶層内で液晶分子の配列が光学的に補償状態を形成しているため、液晶分子を基板に対して常に平面内で回転させるモードであり、電極は一方の基板側のみに設けた横電界方式をとる。
互いに対向するように配置された第1の基板50401及び第2の基板50402に、液晶層50400が挟持されている。第1の基板50401の上面には、第1の電極50405及び第2の電極50406が形成されている。第1の基板50401の液晶層と反対側には、第1の偏光板50403が配置されている。第2の基板50402の液晶層と反対側には、第2の偏光板50404が配置されている。なお、第1の偏光板50403と第2の偏光板50404とは、クロスニコルになるように配置されている。
第1の偏光板50403は、第1の基板50401の上面に配置されてもよい。第2の偏光板50404は、第2の基板50402の上面に配置されてもよい。
第1の電極50405及び第2の電極50406のうち、少なくとも一方(又は両方)の電極が透光性を有していればよい(透過型又は反射型)。あるいは、両方の電極が透光性を有し、かつ一方の電極の一部が反射性を有していてもよい(半透過型)。
図61(A)は、第1の電極50405及び第2の電極50406に電圧が印加(縦電界方式と呼ぶ)された場合の断面の模式図である。液晶分子がラビング方向からずれた電気力線に沿って配向した状態となるため、バックライトからの光は液晶分子の複屈折の影響を受ける。そして、第1の偏光板50403と第2の偏光板50404とがクロスニコルになるように配置されているため、バックライトからの光は基板を通過する。したがって、白色表示が行われる。
なお、第1の電極50405及び第2の電極50406に印加する電圧を制御することで、液晶分子の状態を制御することが可能である。したがって、バックライトからの光が基板を通過する量を制御できるため、所定の映像表示を行うことが可能である。
図61(B)は、第1の電極50405及び第2の電極50406に電圧が印加されていない場合の断面の模式図である。液晶分子がラビング方向に沿って横に並んだ状態となるため、バックライトからの光は液晶分子の複屈折の影響を受けない。そして、第1の偏光板50403と第2の偏光板50404とがクロスニコルになるように配置されているため、バックライトからの光は基板を通過しない。したがって、黒色表示が行われる。いわゆるノーマリーブラックモードである。
図61(A)、(B)に示した構成を有する液晶表示装置は、カラーフィルタを設けることで、フルカラー表示を行うことができる。カラーフィルタは、第1の基板50401側又は第2の基板50402側に設けることができる。
IPSモードに使用される液晶材料は、公知のものを使用すればよい。
図61(C)、(D)は、FFSモードの断面の模式図を示す。FFSモードは、液晶層内で液晶分子の配列が光学的に補償状態を形成しているため、液晶分子を基板に対して常に平面内で回転させるモードであり、電極は一方の基板側のみに設けた横電界方式をとる。
互いに対向するように配置された第1の基板50411及び第2の基板50412に、液晶層50410が挟持されている。第1の基板50411の上面には、第2の電極50416が形成されている。第2の電極50416の上面には、絶縁膜50417が形成されている。絶縁膜50417上には、第2の電極50416が形成されている。第1の基板50411の液晶層と反対側には、第1の偏光板50413が配置されている。第2の基板50412の液晶層と反対側には、第2の偏光板50414が配置されている。なお、第1の偏光板50413と第2の偏光板50414とは、クロスニコルになるように配置されている。
第1の偏光板50413は、第1の基板50411の上面に配置されてもよい。第2の偏光板50414は、第2の基板50412の上面に配置されてもよい。
第1の電極50415及び第2の電極50416のうち、少なくとも一方(又は両方)の電極が透光性を有していればよい(透過型又は反射型)。あるいは、両方の電極が透光性を有し、かつ一方の電極の一部が反射性を有していてもよい(半透過型)。
図61(C)は、第1の電極50415及び第2の電極50416に電圧が印加(縦電界方式と呼ぶ)された場合の断面の模式図である。液晶分子がラビング方向からずれた電気力線に沿って配向した状態となるため、バックライトからの光は液晶分子の複屈折の影響を受ける。そして、第1の偏光板50413と第2の偏光板50414とがクロスニコルになるように配置されているため、バックライトからの光は基板を通過する。したがって、白色表示が行われる。
なお、第1の電極50415及び第2の電極50416に印加する電圧を制御することで、液晶分子の状態を制御することが可能である。したがって、バックライトからの光が基板を通過する量を制御できるため、所定の映像表示を行うことが可能である。
図61(D)は、第1の電極50415及び第2の電極50416に電圧が印加されていない場合の断面の模式図である。液晶分子がラビング方向に沿って横に並んだ状態となるため、バックライトからの光は液晶分子の複屈折の影響を受けない。そして、第1の偏光板50413と第2の偏光板50414とがクロスニコルになるように配置されているため、バックライトからの光は基板を通過しない。したがって、黒色表示が行われる。いわゆるノーマリーブラックモードである。
図61(C)、(D)に示した構成を有する液晶表示装置は、カラーフィルタを設けることで、フルカラー表示を行うことができる。カラーフィルタは、第1の基板50411側又は第2の基板50412側に設けることができる。
FFSモードに使用される液晶材料は、公知のものを使用すればよい。
次に、上面図を用いて各種液晶モードを説明する。
図62は、MVAモードを適用した画素部の上面図を示す。MVAモードは、それぞれの部分の視野角依存性を互いに補償する方法である。
図62は、第1の画素電極50501、第2の画素電極(50502a、50502b、50502c)、及び突起物50503を示している。第1の画素電極50501は、対向基板の全面に形成されている。形状がくの字型となるように、第2の画素電極(50502a、50502b、50502c)が形成されている。形状が第2の画素電極(50502a、50502b、50502c)と対応するように、第1の画素電極50501上に第2の画素電極(50502a、50502b、50502c)が形成されている。
第2の画素電極(50502a、50502b、50502c)の開口部は、突起物のように機能する。
第1の画素電極50501及び第2の画素電極(50502a、50502b、50502c)に電圧が印加(縦電界方式と呼ぶ)された場合、液晶分子が第2の画素電極(50502a、50502b、50502c)の開口部及び突起物50503に対して倒れて並んだ状態となる。一対の偏光板がクロスニコルとなるように配置されているときには、バックライトからの光が基板を通過するため、白色表示が行われる。
なお、第1の画素電極50501及び第2の画素電極(50502a、50502b、50502c)に印加する電圧を制御することで、液晶分子の状態を制御することが可能である。したがって、バックライトからの光が基板を通過する量を制御できるため、所定の映像表示を行うことが可能である。
第1の画素電極50501及び第2の画素電極(50502a、50502b、50502c)に電圧が印加されていない場合、液晶分子が縦に並んだ状態となる。一対の偏光板がクロスニコルとなるように配置されているときには、バックライトからの光がパネルを通過しないため、黒色表示が行われる。いわゆる、ノーマリーブラックモードである。
MVAモードに使用される液晶材料は、公知のものを使用すればよい。
図63(A)、(B)、(C)、(D)は、IPSモードを適用した画素部の上面図を示す。IPSモードは、液晶層内で液晶分子の配列が光学的に補償状態を形成しているため、液晶分子を基板に対して常に平面内で回転させるモードであり、電極は一方の基板側のみに設けた横電界方式をとる。
IPSモードでは、一対の電極が異なる形状となるように形成される。
図63(A)は、第1の画素電極50601及び第2の画素電極50602を示している。第1の画素電極50601及び第2の画素電極50602は、波状形状である。
図63(B)は、第1の画素電極50611及び第2の画素電極50612を示している。第1の画素電極50611及び第2の画素電極50612は、同心円状の開口部を有する形状である。
図63(C)は、第1の画素電極50631及び第2の画素電極50632を示している。第1の画素電極50631及び第2の画素電極50632は、櫛場状であり一部重なっている形状である。
図63(D)は、第1の画素電極50641及び第2の画素電極50642を示している。第1の画素電極50641及び第2の画素電極50642は、櫛場状であり電極同士がかみ合うような形状である。
第1の電極(50601、50611、50621、50631)及び第2の電極(50602、50612、50622、50632)に電圧が印加(縦電界方式と呼ぶ)された場合、液晶分子がラビング方向からずれた電気力線に沿って配向した状態となる。一対の偏光板がクロスニコルとなるように配置されているときには、バックライトからの光が基板を通過するため、白色表示が行われる。
なお、第1の電極(50601、50611、50621、50631)及び第2の電極(50602、50612、50622、50632)に印加する電圧を制御することで、液晶分子の状態を制御することが可能である。したがって、バックライトからの光が基板を通過する量を制御できるため、所定の映像表示を行うことが可能である。
第1の電極(50601、50611、50621、50631)及び第2の電極(50602、50612、50622、50632)に電圧が印加されていない場合、液晶分子がラビング方向に沿って横に並んだ状態となる。一対の偏光板がクロスニコルとなるように配置されているときには、バックライトからの光が基板を通過しないため、黒色表示が行われる。いわいるノーマリーブラックモードである。
IPSモードに使用される液晶材料は、公知のものを使用すればよい。
図64(A)、(B)、(C)、(D)は、FFSモードを適用した画素部の上面図を示す。FFSモードは、液晶層内で液晶分子の配列が光学的に補償状態を形成しているため、液晶分子を基板に対して常に平面内で回転させるモードであり、電極は一方の基板側のみに設けた横電界方式をとる。
FFSモードでは、第2の電極の上面に、第1の電極が様々な形状となるように形成される。
図64(A)は、第1の画素電極50701及び第2の画素電極50702を示している。第1の画素電極50701は、屈曲したくの字形状である。第2の画素電極50702は、パターン形成されていなくてもよい。
図64(B)は、第1の画素電極50711及び第2の画素電極50712を示している。第1の画素電極50711は、同心円状の形状である。第2の画素電極50712は、パターン形成されていなくてもよい。
図64(C)は、第1の画素電極50731及び第2の画素電極50732を示している。第1の画素電極50731は、櫛場状で電極同士がかみ合うような形状である。第2の画素電極50732は、パターン形成されていなくてもよい。
図64(D)は、第1の画素電極50741及び第2の画素電極50742を示している。第1の画素電極50741は、櫛場状の形状である。第2の画素電極50742は、パターン形成されていなくてもよい。
第1の電極(50701、50711、50721、50731)及び第2の電極(50702、50712、50722、50732)に電圧が印加(縦電界方式と呼ぶ)された場合、液晶分子がラビング方向からずれた電気力線に沿って配向した状態となる。一対の偏光板がクロスニコルとなるように配置されているときには、バックライトからの光が基板を通過するため、白色表示が行われる。
なお、第1の電極(50701、50711、50721、50731)及び第2の電極(50702、50712、50722、50732)に印加する電圧を制御することで、液晶分子の状態を制御することが可能である。したがって、バックライトからの光が基板を通過する量を制御できるため、所定の映像表示を行うことが可能である。
第1の電極(50701、50711、50721、50731)及び第2の電極(50702、50712、50722、50732)に電圧が印加されていない場合、液晶分子がラビング方向に沿って横に並んだ状態となる。一対の偏光板がクロスニコルとなるように配置されているときには、バックライトからの光が基板を通過しないため、黒色表示が行われる。いわいるノーマリーブラックモードである。
IPSモードに使用される液晶材料は、公知のものを使用すればよい。
なお、本実施の形態において、様々な図を用いて述べてきたが、各々の図で述べた内容(一部でもよい)は、別の図で述べた内容(一部でもよい)に対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことが出来る。さらに、これまでに述べた図において、各々の部分に関して、別の部分を組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることが出来る。
同様に、本実施の形態の各々の図で述べた内容(一部でもよい)は、別の実施の形態の図で述べた内容(一部でもよい)対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことが出来る。さらに、本実施の形態の図において、各々の部分に関して、別の実施の形態の部分を組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることが出来る。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態で述べた内容(一部でもよい)を、具現化した場合の一例、少し変形した場合の一例、一部を変更した場合の一例、改良した場合の一例、詳細に述べた場合の一例、応用した場合の一例、関連がある部分についての一例などを示している。したがって、他の実施の形態で述べた内容は、本実施の形態への適用、組み合わせ、又は置き換えを自由に行うことができる。
(実施の形態13)
本実施の形態においては、表示装置の画素構造について説明する。特に、液晶表示装置の画素構造について説明する。
各液晶モードとトランジスタとを組み合わせた場合の画素構造について、画素の断面図を参照して説明する。
なお、トランジスタとしては、非晶質シリコン、多結晶シリコン、微結晶(マイクロクリスタル、セミアモルファスとも言う)シリコンなどに代表される非単結晶半導体層を有する薄膜トランジスタ(TFT)などを用いることが出来る。
なお、トランジスタの構造としては、トップゲート型又はボトムゲート型などを用いることができる。なお、ボトムゲート型のトランジスタとしては、チャネルエッチ型又はチャネル保護型などを用いることができる。
図65は、TN方式とトランジスタとを組み合わせた場合の画素の断面図の一例である。図65に示す画素構造を液晶表示装置に適用することによって、安価に液晶表示装置を製造することができる。
図65に示す画素構造の特徴について説明する。図65に示した液晶分子10118は、長軸と短軸を持った細長い分子である。液晶分子10118の向きを示すため、図65においては、その長さによって表現している。すなわち、長く表現された液晶分子10118は、その長軸の向きが紙面に平行であり、短く表現された液晶分子10118ほど、その長軸の向きが紙面の法線方向に近くなっているとする。つまり、図65に示した液晶分子10118は、第1の基板10101に近いものと、第2の基板10116に近いものとでは、その長軸の向きが90度異なっており、これらの中間に位置する液晶分子10118の長軸の向きは、これらを滑らかにつなぐような向きとなる。すなわち、図65に示した液晶分子10118は、第1の基板10101と第2の基板10116の間で、90度ねじれているような配向状態となっている。
なお、トランジスタとして、非晶質半導体を用いたボトムゲート型のトランジスタを用いた場合について説明する。非晶質半導体を用いたトランジスタを用いた場合、大面積の基板を用いて、安価に液晶表示装置を製造することができる。
液晶表示装置は、液晶パネルと呼ばれる、画像を表示する基幹部分を有する。液晶パネルは、加工を施した2枚の基板を、数マイクロメートルのギャップを持たせて貼り合わせ、2枚の基板間に液晶材料を注入することで作製される。図65において、2枚の基板は、第1の基板10101及び第2の基板10116である。第1の基板には、トランジスタ及び画素電極が形成される。第2の基板には、遮光膜10114、カラーフィルタ10115、第4の導電層10113、スペーサ10117、及び第2の配向膜10112が形成される。
なお、第2の基板10116に遮光膜10114が形成されていなくてもよい。遮光膜10114を形成しない場合は、工程数が減少するため、製造コストを低減することができる。構造が簡単であるので、歩留まりの向上を図ることができる。一方、遮光膜10114を形成する場合は、黒表示時に光漏れの少ない表示装置を得ることができる。
なお、第2の基板10116にカラーフィルタ10115が形成されていなくてもよい。カラーフィルタ10115を形成しない場合は、工程数が減少するため、製造コストを低減することができる。構造が簡単であるので、歩留まりの向上を図ることができる。ただし、カラーフィルタ10115を形成しない場合でも、フィールドシーケンシャル駆動によってカラー表示ができる表示装置を得ることができる。一方、カラーフィルタ10115を形成する場合は、カラー表示ができる表示装置を得ることができる。
なお、スペーサ10117の代わりに、球状のスペーサを散布してもよい。球状のスペーサを散布する場合は、工程数が減少するため、製造コストを低減することができる。構造が簡単であるので、歩留まりの向上を図ることができる。一方、スペーサ10117を形成する場合は、スペーサの位置がばらつかないため、2枚の基板間の距離を一様にすることができ、表示ムラの少ない表示装置を得ることができる。
第1の基板10101に施す加工について説明する。
まず、第1の基板10101上に、第1の絶縁膜10102がスパッタ法、印刷法又は塗布法などによって成膜される。ただし、第1の絶縁膜10102は成膜されていなくてもよい。第1の絶縁膜10102は、基板からの不純物が半導体層に影響を及ぼし、トランジスタの性質が変化してしまうのを防ぐ機能を有する。
次に、第1の絶縁膜10102上に、第1の導電層10103がフォトリソグラフィ法、レーザー直描法又はインクジェット法などによって形成される。
次に、第2の絶縁膜10104がスパッタ法、印刷法又は塗布法などによって全面に成膜されている。第2の絶縁膜10104は、基板からの不純物が半導体層に影響を及ぼし、トランジスタの性質が変化してしまうのを防ぐ機能を有する。
次に、第1の半導体層10105及び第2の半導体層10106が形成される。なお、第1の半導体層10105及び第2の半導体層10106は連続して成膜され、同時にその形状が加工される。
次に、第2の導電層10107がフォトリソグラフィ法、レーザー直描法又はインクジェット法などによって形成される。なお、第2の導電層10107の形状が加工されるときに行われるエッチング方法としては、ドライエッチングで行なうのが好適である。なお、第2の導電層10107としては、透明性を有する材料を用いてもよいし、反射性を有する材料を用いてもよい。
次に、トランジスタのチャネル領域を形成する。その工程の一例を説明する。第2の半導体層10106は、第2の導電層10107をマスクとして用いてエッチングされる。あるいは、第2の導電層10107の形状を加工するためのマスクを用いてエッチングされる。そして、第2の半導体層10106が除去された部分の第1の導電層10103がトランジスタとチャネル領域となる。こうすることで、マスク枚数を減らすことができるので、製造コストを低減することができる。
次に、第3の絶縁膜10108が形成され、第3の絶縁膜10108には選択的にコンタクトホールが形成されている。なお、第3の絶縁膜10108にコンタクトホールを形成すると同時に、第2の絶縁膜10104にもコンタクトホールを形成してもよい。なお、第3の絶縁膜10108の表面は、できるだけ平坦であることが好適である。なぜならば、液晶が接する面の凹凸により、液晶分子の配向が影響を受けてしまうからである。
次に、第3の導電層10109がフォトリソグラフィ法、レーザー直描法又はインクジェット法などによって形成される。
次に、第1の配向膜10110が形成される。なお、第1の配向膜10110を形成後、液晶分子の配向を制御するために、ラビングを行なってもよい。ラビングは、布で配向膜をこすることによって、配向膜にスジをつける工程である。ラビングを行なうことによって、配向膜に配向性を持たせることができる。
以上のように作製した第1の基板10101と、遮光膜10114、カラーフィルタ10115、第4の導電層10113、スペーサ10117及び第2の配向膜10112が形成された第2の基板10116とがシール材によって数マイクロメートルのギャップを持たせて貼り合わせられる。そして、2枚の基板間に液晶材料が注入される。なお、TN方式では、第4の導電層10113は、第2の基板10116の全面に形成される。
図66(A)は、MVA(Multi−domain Vertical Alignment)方式とトランジスタとを組み合わせた場合の画素の断面図の一例である。図66(A)に示す画素構造を液晶表示装置に適用することによって、視野角が大きく、応答速度が速く、コントラストの大きい液晶表示装置を得ることができる。
図66(A)に示す画素構造の特徴について説明する。MVA方式の液晶パネルの画素構造の特徴について説明する。図66(A)に示した液晶分子10218は、長軸と短軸を持った細長い分子である。液晶分子10218の向きを示すため、図66(A)においては、その長さによって表現している。すなわち、長く表現された液晶分子10218は、その長軸の向きが紙面に平行であり、短く表現された液晶分子10218ほど、その長軸の向きが紙面の法線方向に近くなっているとする。つまり、図66(A)に示した液晶分子10218は、その長軸の向きが配向膜の法線方向を向くように配向している。よって、配向制御用突起10219のある部分の液晶分子10218は、配向制御用突起10219を中心として放射状に配向する。この状態となることによって、視野角の大きい液晶表示装置を得ることができる。
なお、トランジスタとして、非晶質半導体を用いたボトムゲート型のトランジスタを用いた場合について説明する。非晶質半導体を用いたトランジスタを用いた場合、大面積の基板を用いて、安価に液晶表示装置を製造することができる。
液晶表示装置は、液晶パネルと呼ばれる、画像を表示する基幹部分を有する。液晶パネルは、加工を施した2枚の基板を、数マイクロメートルのギャップを持たせて貼り合わせ、2枚の基板間に液晶材料を注入することで作製される。図66(A)において、2枚の基板は、第1の基板10201及び第2の基板10216である。第1の基板には、トランジスタ及び画素電極が形成されている。第2の基板には、遮光膜10214、カラーフィルタ10215、第4の導電層10213、スペーサ10217、第2の配向膜10212、及び配向制御用突起10219が形成されている。
なお、第2の基板10216に遮光膜10214が形成されていなくてもよい。遮光膜10214を形成しない場合は、工程数が減少するため、製造コストを低減することができる。構造が簡単であるので、歩留まりの向上を図ることができる。一方、遮光膜10214を形成する場合は、黒表示時に光漏れの少ない表示装置を得ることができる。
なお、第2の基板10216にカラーフィルタ10215が形成されていなくてもよい。カラーフィルタ10215を形成しない場合は、工程数が減少するため、製造コストを低減することができる。構造が簡単であるので、歩留まりの向上を図ることができる。ただし、カラーフィルタ10215を作製しない場合でも、フィールドシーケンシャル駆動によってカラー表示ができる表示装置を得ることができる。一方、カラーフィルタ10215を形成する場合は、カラー表示ができる表示装置を得ることができる。
なお、第2の基板10216にスペーサ10217の代わりに、球状のスペーサを散布してもよい。球状のスペーサを散布する場合は、工程数が減少するため、製造コストを低減することができる。構造が簡単であるので、歩留まりを向上させることができる。一方、スペーサ10217を形成する場合は、スペーサの位置がばらつかないため、2枚の基板間の距離を一様にすることができ、表示ムラの少ない表示装置を得ることができる。
第1の基板10201に施す加工について説明する。
まず、第1の基板10201上に、第1の絶縁膜10202がスパッタ法、印刷法又は塗布法などによって成膜される。ただし、第1の絶縁膜10202は成膜されていなくてもよい。第1の絶縁膜10202は、基板からの不純物が半導体層に影響を及ぼし、トランジスタの性質が変化してしまうのを防ぐ機能を有する。
次に、第1の絶縁膜10202上に、第1の導電層10203がフォトリソグラフィ法、レーザー直描法又はインクジェット法などによって形成される。
次に、第2の絶縁膜10204がスパッタ法、印刷法又は塗布法などによって全面に成膜されている。第2の絶縁膜10204は、基板からの不純物が半導体層に影響を及ぼし、トランジスタの性質が変化してしまうのを防ぐ機能を有する。
次に、第1の半導体層10205及び第2の半導体層10206が形成される。なお、第1の半導体層10205及び第2の半導体層10206は連続して成膜され、同時にその形状が加工される。
次に、第2の導電層10207がフォトリソグラフィ法、レーザー直描法又はインクジェット法などによって形成される。なお、第2の導電層10207の形状が加工されるときに行われるエッチング方法としては、ドライエッチングで行なうのが好適である。なお、第2の導電層10207としては、透明性を有する材料を用いてもよいし、反射性を有する材料を用いてもよい。
次に、トランジスタのチャネル領域を形成する。その工程の一例を説明する。第2の半導体層10206は、第2の導電層10207をマスクとして用いてエッチングされる。あるいは、第2の導電層10207の形状を加工するためのマスクを用いてエッチングされる。そして、第2の半導体層10206が除去された部分の第1の導電層10203がトランジスタとチャネル領域となる。こうすることで、マスク枚数を減らすことができるので、製造コストを低減することができる。
次に、第3の絶縁膜10208が形成され、第3の絶縁膜10208には選択的にコンタクトホールが形成されている。なお、第3の絶縁膜10208にコンタクトホールを形成すると同時に、第2の絶縁膜10204にもコンタクトホールを形成してもよい。
次に、第3の導電層10209がフォトリソグラフィ法、レーザー直描法又はインクジェット法などによって形成される。
次に、第1の配向膜10210が形成される。なお、第1の配向膜10210を形成後、液晶分子の配向を制御するために、ラビングを行なってもよい。ラビングは、布で配向膜をこすることによって、配向膜にスジをつける工程である。ラビングを行なうことによって、配向膜に配向性を持たせることができる。
以上のように作製した第1の基板10201と、遮光膜10214、カラーフィルタ10215、第4の導電層10213、スペーサ10217、及び第2の配向膜10212を作製した第2の基板10216とがシール材によって数マイクロメートルのギャップを持たせて貼り合わせられる。そして、2枚の基板間に液晶材料が注入される。なお、MVA方式では、第4の導電層10213は、第2の基板10216の全面に形成されている。なお、第4の導電層10213に接して、配向制御用突起10219が形成されている。配向制御用突起10219の形状は、滑らかな曲面を持った形状であることが好ましい。こうすることで、近接する液晶分子10218の配向が極近いものとなるため、配向不良を低減することができる。配向膜の段切れによって起こる配向膜の不良を低減することができる。
図66(B)は、PVA(Paterned Vertical Alignment)方式とトランジスタとを組み合わせた場合の画素の断面図の一例である。図66(B)に示す画素構造を液晶表示装置に適用することによって、視野角が大きく、応答速度が速く、コントラストの大きい液晶表示装置を得ることができる。
図66(B)に示す画素構造の特徴について説明する。図66(B)に示した液晶分子10248は、長軸と短軸を持った細長い分子である。液晶分子10248の向きを示すため、図66(B)においては、その長さによって表現している。すなわち、長く表現された液晶分子10248は、その長軸の向きが紙面に平行であり、短く表現された液晶分子10248ほど、その長軸の向きが紙面の法線方向に近くなっているとする。つまり、図66(B)に示した液晶分子10248は、その長軸の向きが配向膜の法線方向を向くように配向している。よって、電極切り欠き部10249のある部分の液晶分子10248は、電極切り欠き部10249と第4の導電層10243の境界を中心として放射状に配向する。この状態となることによって、視野角の大きい液晶表示装置を得ることができる。
なお、トランジスタとして、非晶質半導体を用いたボトムゲート型のトランジスタを用いた場合について説明する。非晶質半導体を用いたトランジスタを用いた場合、大面積の基板を用いて、安価に液晶表示装置を製造することができる。
液晶表示装置は、液晶パネルと呼ばれる、画像を表示する基幹部分を有する。液晶パネルは、加工を施した2枚の基板を、数マイクロメートルのギャップを持たせて貼り合わせ、2枚の基板間に液晶材料を注入することで作製される。図66(B)において、2枚の基板は、第1の基板10231、及び第2の基板10246である。第1の基板には、トランジスタ及び画素電極が形成されている。第2の基板には、遮光膜10244、カラーフィルタ10245、第4の導電層10243、スペーサ10247、及び第2の配向膜10242が形成されている。
なお、第2の基板10246に遮光膜10244が形成されていなくてもよい。遮光膜10244を形成しない場合は、工程数が減少するため、製造コストを低減することができる。構造が簡単であるので、歩留まりの向上を図ることができる。一方、遮光膜10244を形成する場合は、黒表示時に光漏れの少ない表示装置を得ることができる。
なお、第2の基板10246にカラーフィルタ10245が形成されていなくてもよい。カラーフィルタ10245を形成しない場合は、工程数が減少するため、製造コストを低減することができる。構造が簡単であるので、歩留まりの向上を図ることができる。ただし、カラーフィルタ10245を作製しない場合でも、フィールドシーケンシャル駆動によってカラー表示ができる表示装置を得ることができる。一方、カラーフィルタ10245を形成する場合は、カラー表示ができる表示装置を得ることができる。
なお、第2の基板10246にスペーサ10247の代わりに、球状のスペーサを散布してもよい。球状のスペーサを散布する場合は、工程数が減少するため、製造コストを低減することができる。構造が簡単であるので、歩留まりを向上させることができる。一方、スペーサ10247を形成する場合は、スペーサの位置がばらつかないため、2枚の基板間の距離を一様にすることができ、表示ムラの少ない表示装置を得ることができる。
第1の基板10231に施す加工について説明する。
まず、第1の基板10231上に、第1の絶縁膜10232がスパッタ法、印刷法又は塗布法などによって成膜される。ただし、第1の絶縁膜10232は成膜されていなくてもよい。第1の絶縁膜10232は、基板からの不純物が半導体層に影響を及ぼし、トランジスタの性質が変化してしまうのを防ぐ機能を有する。
次に、第1の絶縁膜10232上に、第1の導電層10233がフォトリソグラフィ法、レーザー直描法又はインクジェット法などによって形成される。
次に、第2の絶縁膜10234がスパッタ法、印刷法又は塗布法などによって全面に成膜されている。第2の絶縁膜10234は、基板からの不純物が半導体層に影響を及ぼし、トランジスタの性質が変化してしまうのを防ぐ機能を有する。
次に、第1の半導体層10235及び第2の半導体層10236が形成される。なお、第1の半導体層10235及び第2の半導体層10236は連続して成膜され、同時にその形状が加工される。
次に、第2の導電層10237がフォトリソグラフィ法、レーザー直描法又はインクジェット法などによって形成される。なお、第2の導電層10237の形状が加工されるときに行われるエッチング方法としては、ドライエッチングで行なうのが好適である。なお、第2の導電層10237としては、透明性を有する材料を用いてもよいし、反射性を有する材料を用いてもよい。
次に、トランジスタのチャネル領域を形成する。その工程の一例を説明する。第2の半導体層10236は、第2の導電層10237をマスクとして用いてエッチングされる。あるいは、第2の導電層10237の形状を加工するためのマスクを用いてエッチングされる。そして、第2の半導体層10236が除去された部分の第1の導電層10233がトランジスタとチャネル領域となる。こうすることで、マスク枚数を減らすことができるので、製造コストを低減することができる。
次に、第3の絶縁膜10238が形成され、第3の絶縁膜10238には選択的にコンタクトホールが形成されている。なお、第3の絶縁膜10238にコンタクトホールを形成すると同時に、第2の絶縁膜10234にもコンタクトホールを形成してもよい。なお、第3の絶縁膜10238の表面は、できるだけ平坦であることが好適である。なぜならば、液晶が接する面の凹凸により、液晶分子の配向が影響を受けてしまうからである。
次に、第3の導電層10239がフォトリソグラフィ法、レーザー直描法又はインクジェット法などによって形成される。
次に、第1の配向膜10240が形成される。なお、第1の配向膜10240を形成後、液晶分子の配向を制御するために、ラビングを行なってもよい。ラビングは、布で配向膜をこすることによって、配向膜にスジをつける工程である。ラビングを行なうことによって、配向膜に配向性を持たせることができる。
以上のように作製した第1の基板10231と、遮光膜10244、カラーフィルタ10245、第4の導電層10243、スペーサ10247、及び第2の配向膜10242を作製した第2の基板10246とがシール材によって数マイクロメートルのギャップを持たせて貼り合わせられる。そして、2枚の基板間に液晶材料が注入される。なお、PVA方式では、第4の導電層10243にパターン加工が施され、電極切り欠き部10249が形成される。なお、電極切り欠き部10249の形状に限定はないが、異なる向きを持った複数の矩形を組み合わせた形状であるのが好適である。こうすることで、配向の異なる複数の領域が形成できるので、視野角の大きな液晶表示装置を得ることができる。なお、電極切り欠き部10249と第4の導電層10243の境界における第4の導電層10243の形状は、滑らかな曲線であることが好適である。こうすることで、近接する液晶分子10248の配向が極近いものとなるため、配向不良が低減する。第2の配向膜10242が、電極切り欠き部10249によって段切れを起こしてしまうことによる、配向膜の不良も低減することができる。
図67(A)は、IPS(In−Plane−Switching)方式とトランジスタとを組み合わせた場合の画素の断面図の一例である。図67(A)に示す画素構造を液晶表示装置に適用することによって、原理的に視野角が大きく、応答速度の階調依存性の小さい液晶表示装置を得ることができる。
図67(A)に示す画素構造の特徴について説明する。図67(A)に示した液晶分子10318は、長軸と短軸を持った細長い分子である。液晶分子10318の向きを示すため、図67(A)においては、その長さによって表現している。すなわち、長く表現された液晶分子10318は、その長軸の向きが紙面に平行であり、短く表現された液晶分子10318ほど、その長軸の向きが紙面の法線方向に近くなっているとする。つまり、図67(A)に示した液晶分子10318は、その長軸の向きが常に基板と水平の方向を向くように配向している。図67(A)においては、電界のない状態における配向を表しているが、液晶分子10318に電界がかかったときは、その長軸の向きが常に基板と水平の方向を保ったまま、水平面内で回転する。この状態となることによって、視野角の大きい液晶表示装置を得ることができる。
なお、トランジスタとして、非晶質半導体を用いたボトムゲート型のトランジスタを用いた場合について説明する。非晶質半導体を用いたトランジスタを用いた場合、大面積の基板を用いて、安価に液晶表示装置を製造することができる。
液晶表示装置は、液晶パネルと呼ばれる、画像を表示する基幹部分を有する。液晶パネルは、加工を施した2枚の基板を、数マイクロメートルのギャップを持たせて貼り合わせ、2枚の基板間に液晶材料を注入することで作製される。図67(A)において、2枚の基板は、第1の基板10301、及び第2の基板10316である。第1の基板には、トランジスタ及び画素電極が形成されている。第2の基板には、遮光膜10314、カラーフィルタ10315、スペーサ10317、及び第2の配向膜10312が形成されている。
なお、第2の基板10316に遮光膜10314が形成されていなくてもよい。遮光膜10314を形成しない場合は、工程数が減少するため、製造コストを低減することができる。構造が簡単であるので、歩留まりの向上を図ることができる。一方、遮光膜10314を形成する場合は、黒表示時に光漏れの少ない表示装置を得ることができる。
なお、第2の基板10316にカラーフィルタ10315が形成されていなくてもよい。カラーフィルタ10315を形成しない場合は、工程数が減少するため、製造コストを低減することができる。ただし、カラーフィルタ10315を形成しない場合でも、フィールドシーケンシャル駆動によってカラー表示ができる表示装置を得ることができる。構造が簡単であるので、歩留まりの向上を図ることができる。一方、カラーフィルタ10315を形成する場合は、カラー表示ができる表示装置を得ることができる。
なお、第2の基板10316にスペーサ10317の代わりに、球状のスペーサを散布してもよい。球状のスペーサを散布する場合は、工程数が減少するため、製造コストを低減することができる。構造が簡単であるので、歩留まりを向上させることができる。一方、スペーサ10317を形成する場合は、スペーサの位置がばらつかないため、2枚の基板間の距離を一様にすることができ、表示ムラの少ない表示装置を得ることができる。
第1の基板10301に施す加工について説明する。
まず、第1の基板10301上に、第1の絶縁膜10302がスパッタ法、印刷法又は塗布法などによって成膜される。ただし、第1の絶縁膜10302は成膜されていなくてもよい。第1の絶縁膜10302は、基板からの不純物が半導体層に影響を及ぼし、トランジスタの性質が変化してしまうのを防ぐ機能を有する。
次に、第1の絶縁膜10302上に、第1の導電層10303がフォトリソグラフィ法、レーザー直描法又はインクジェット法などによって形成される。
次に、第2の絶縁膜10304がスパッタ法、印刷法又は塗布法などによって全面に成膜されている。第2の絶縁膜10304は、基板からの不純物が半導体層に影響を及ぼし、トランジスタの性質が変化してしまうのを防ぐ機能を有する。
次に、第1の半導体層10305及び第2の半導体層10306が形成される。なお、第1の半導体層10305及び第2の半導体層10306は連続して成膜され、同時にその形状が加工される。
次に、第2の導電層10307がフォトリソグラフィ法、レーザー直描法又はインクジェット法などによって形成される。なお、第2の導電層10307の形状が加工されるときに行われるエッチング方法としては、ドライエッチングで行なうのが好適である。なお、第2の導電層10307としては、透明性を有する材料を用いてもよいし、反射性を有する材料を用いてもよい。
次に、トランジスタのチャネル領域を形成する。その工程の一例を説明する。第2の半導体層10306は、第2の導電層10307をマスクとして用いてエッチングされる。あるいは、第2の導電層10307の形状を加工するためのマスクを用いてエッチングされる。そして、第2の半導体層10306が除去された部分の第1の導電層10303がトランジスタとチャネル領域となる。こうすることで、マスク枚数を減らすことができるので、製造コストを低減することができる。
次に、第3の絶縁膜10308が形成され、第3の絶縁膜10308には選択的にコンタクトホールが形成されている。なお、第3の絶縁膜10308にコンタクトホールを形成すると同時に、第2の絶縁膜10304にもコンタクトホールを形成してもよい。
次に、第3の導電層10309がフォトリソグラフィ法、レーザー直描法又はインクジェット法などによって形成される。ここで、第3の導電層10309の形状は、互いにかみ合った2つの櫛歯状とする。一方の櫛歯状の電極がトランジスタのソース電極及びドレイン電極の一方と電気的に接続され、他方の櫛歯状の電極が共通電極と電気的に接続される。こうすることで、液晶分子10318に効果的に横方向の電界をかけることができる。
次に、第1の配向膜10310が形成される。なお、第1の配向膜10310を形成後、液晶分子の配向を制御するために、ラビングを行なってもよい。ラビングは、布で配向膜をこすることによって、配向膜にスジをつける工程である。ラビングを行なうことによって、配向膜に配向性を持たせることができる。
以上のように作製した第1の基板10301と、遮光膜10314、カラーフィルタ10315、スペーサ10317、及び第2の配向膜10312とがシール材によって数マイクロメートルのギャップを持たせて貼り合わせられる。そして、2枚の基板間に液晶材料が注入される。
図67(B)は、FFS(Fringe Field Switching)方式とトランジスタとを組み合わせた場合の画素の断面図の一例である。図67(B)に示す画素構造を液晶表示装置に適用することによって、原理的に視野角が大きく、応答速度の階調依存性の小さい液晶表示装置を得ることができる。
図69(B)に示す画素構造の特徴について説明する。図69(B)に示した液晶分子10348は、長軸と短軸を持った細長い分子である。液晶分子10348の向きを示すため、図69(B)においては、その長さによって表現している。すなわち、長く表現された液晶分子10348は、その長軸の向きが紙面に平行であり、短く表現された液晶分子10348ほど、その長軸の向きが紙面の法線方向に近くなっているとする。つまり、図69(B)に示した液晶分子10348は、その長軸の向きが常に基板と水平の方向を向くように配向している。図69(B)においては、電界のない状態における配向を表しているが、液晶分子10348に電界がかかったときは、その長軸の向きが常に基板と水平の方向を保ったまま、水平面内で回転する。この状態となることによって、視野角の大きい液晶表示装置を得ることができる。
なお、トランジスタとして、非晶質半導体を用いたボトムゲート型のトランジスタを用いた場合について説明する。非晶質半導体を用いたトランジスタを用いた場合、大面積の基板を用いて、安価に液晶表示装置を製造することができる。
液晶表示装置は、液晶パネルと呼ばれる、画像を表示する基幹部分を有する。液晶パネルは、加工を施した2枚の基板を、数マイクロメートルのギャップを持たせて貼り合わせ、2枚の基板間に液晶材料を注入することで作製される。図69(B)において、2枚の基板は、第1の基板10331及び第2の基板10346である。第1の基板には、トランジスタ及び画素電極が形成され、第2の基板には、遮光膜10344、カラーフィルタ10345、スペーサ10347、及び第2の配向膜10342が形成されている。
なお、第2の基板10346に遮光膜10344が形成されていなくてもよい。遮光膜10344を形成しない場合は、工程数が減少するため、製造コストを低減することができる。構造が簡単であるので、歩留まりの向上を図ることができる。一方、遮光膜10344を形成する場合は、黒表示時に光漏れの少ない表示装置を得ることができる。
なお、第2の基板10346にカラーフィルタ10345を形成されていなくてもよい。カラーフィルタ10345を形成しない場合は、工程数が減少するため、製造コストを低減することができる。構造が簡単であるので、歩留まりの向上を図ることができる。ただし、カラーフィルタ10345を形成しない場合でも、フィールドシーケンシャル駆動によってカラー表示ができる表示装置を得ることができる。一方、カラーフィルタ10345を形成する場合は、カラー表示ができる表示装置を得ることができる。
なお、第2の基板10346にスペーサ10347の代わりに、球状のスペーサを散布してもよい。球状のスペーサを散布する場合は、工程数が減少するため、製造コストを低減することができる。構造が簡単であるので、歩留まりを向上させることができる。一方、スペーサ10347を形成する場合は、スペーサの位置がばらつかないため、2枚の基板間の距離を一様にすることができ、表示ムラの少ない表示装置を得ることができる。
第1の基板10331に施す加工について説明する。
まず、第1の基板10331上に、第1の絶縁膜10332がスパッタ法、印刷法又は塗布法などによって成膜される。ただし、第1の絶縁膜10332は成膜されていなくてもよい。第1の絶縁膜10332は、基板からの不純物が半導体層に影響を及ぼし、トランジスタの性質が変化してしまうのを防ぐ機能を有する。
次に、第1の絶縁膜10332上に、第1の導電層10333がフォトリソグラフィ法、レーザー直描法又はインクジェット法などによって形成される。
次に、第2の絶縁膜10334がスパッタ法、印刷法又は塗布法などによって全面に成膜されている。第2の絶縁膜10334は、基板からの不純物が半導体層に影響を及ぼし、トランジスタの性質が変化してしまうのを防ぐ機能を有する。
次に、第1の半導体層10335及び第2の半導体層10336が形成される。なお、第1の半導体層10335及び第2の半導体層10336は連続して成膜され、同時にその形状が加工される。
次に、第2の導電層10337がフォトリソグラフィ法、レーザー直描法又はインクジェット法などによって形成される。なお、第2の導電層10337の形状が加工されるときに行われるエッチング方法としては、ドライエッチングで行なうのが好適である。なお、第2の導電層10337としては、透明性を有する材料を用いてもよいし、反射性を有する材料を用いてもよい。
次に、トランジスタのチャネル領域を形成する。その工程の一例を説明する。第2の半導体層10336は、第2の導電層10337をマスクとして用いてエッチングされる。あるいは、第2の導電層10337の形状を加工するためのマスクを用いてエッチングされる。そして、第2の半導体層10336が除去された部分の第1の導電層10333がトランジスタとチャネル領域となる。こうすることで、マスク枚数を減らすことができるので、製造コストを低減することができる。
次に、第3の絶縁膜10338が形成され、第3の絶縁膜10338には選択的にコンタクトホールが形成されている。
次に、第4の導電層10343がフォトリソグラフィ法、レーザー直描法又はインクジェット法などによって形成されている。
次に、第4の絶縁膜10349が形成され、第4の絶縁膜10349には選択的にコンタクトホールが形成されている。なお、第4の絶縁膜10349の表面は、できるだけ平坦であることが好適である。なぜならば、液晶が接する面の凹凸により、液晶分子の配向が影響を受けてしまうからである。
次に、第3の導電層10339がフォトリソグラフィ法、レーザー直描法又はインクジェット法などによって形成される。ここで、第3の導電層10339の形状は、櫛歯状とする。
次に、第1の配向膜10340が形成される。なお、第1の配向膜10340を形成後、液晶分子の配向を制御するために、ラビングを行なってもよい。ラビングは、布で配向膜をこすることによって、配向膜にスジをつける工程である。ラビングを行なうことによって、配向膜に配向性を持たせることができる。
以上のように作製した第1の基板10331と、遮光膜10344、カラーフィルタ10345、スペーサ10347、及び第2の配向膜10342を、シール材によって数マイクロメートルのギャップを持たせて貼り合わせ、2枚の基板間に液晶材料を注入することで、液晶パネルが作製できる。
ここで、各導電層又は各絶縁膜に用いることができる材料について説明する。
図65の第1の絶縁膜10102、図66(A)の第1の絶縁膜10202、図66(B)の第1の絶縁膜10232、図67(A)の第1の絶縁膜10302、図67(B)の第1の絶縁膜10332としては、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜又は酸化窒化シリコン膜(SiOxNy)等の絶縁膜を用いることができる。あるいは、第1の絶縁膜10102は、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜又は酸化窒化シリコン膜(SiOxNy)等のうちの2つ以上の膜を組み合わせた積層構造の絶縁膜を用いることができる。
図65の第1の導電層10103、図66(A)の第1の導電層10203、図66(B)の第1の導電層10233、図67(A)の第1の導電層10303、図67(A)の第1の導電層10303、図67(B)の第1の導電層10333としては、Mo、Ti、Al、Nd、Crなどを用いることができる。あるいは、Mo、Ti、Al、Nd、Crなどのうちの2つ以上を組み合わせた積層構造を用いることもできる。
図65の第2の絶縁膜10104、図66(A)の第2の絶縁膜10204、図66(B)の第2の絶縁膜10234、図67(A)の第2の絶縁膜10304、図67(B)の第2の絶縁膜10334としては、熱酸化膜、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜又は酸化窒化シリコン膜などを用いることができる。あるいは、熱酸化膜、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜又は酸化窒化シリコン膜などのうち2以上を組み合わせた積層構造などを用いることができる。なお、半導体層と接する部分では、酸化シリコン膜であることが好ましい。なぜなら、酸化シリコン膜にすると半導体層との界面におけるトラップ準位が少なくなるからである。なお、Moと接する部分では、窒化シリコン膜であることが好ましい。なぜなら、窒化シリコン膜はMoを酸化させないからである。
図65の第1の半導体層10105、図66(A)の第1の半導体層10205、図66(B)の第1の半導体層10235、図67(A)の第1の半導体層10305、図67(B)の第1の半導体層10335としては、シリコン又はシリコンゲルマニウム(SiGe)などを用いることができる。
図65の第2の半導体層10106、図66(A)の第2の半導体層10206、図66(B)の第2の半導体層10236、図67(A)の第2の半導体層10306、図67(B)の第2の半導体層10336としては、リン等を含んだシリコン等を用いることができる。
図65の第2の導電層10107及び第3の導電層10109、図66(A)の第2の導電層10207及び第3の導電層10209、図66(B)の第2の導電層10237及び第2の導電層10239、図67(A)の第2の導電層10307及び第2の導電層10309、もしくは図67(B)の第2の導電層10337、第2の導電層10339及び第4の導電層10343の透明性を有する材料としては、酸化インジウムに酸化スズを混ぜたインジウムスズ酸化物(ITO)膜、インジウムスズ酸化物(ITO)に酸化珪素を混ぜたインジウムスズ珪素酸化物(ITSO)膜、酸化インジウムに酸化亜鉛を混ぜたインジウム亜鉛酸化物(IZO)膜、酸化亜鉛膜又は酸化スズ膜などを用いることができる。なお、IZOとは、ITOに2〜20wt%の酸化亜鉛(ZnO)を混合させたターゲットを用いてスパッタリングにより形成される透明導電材料である。
図65の第2の導電層10107及び第3の導電層10109、図66(A)の第2の導電層10207及び第3の導電層10209、図66(B)の第2の導電層10237及び第2の導電層10239、図67(A)の第2の導電層10307及び第2の導電層10309、もしくは図67(B)の第2の導電層10337、第2の導電層10339及び第4の導電層10343の反射性を有する材料としては、Ti、Mo、Ta、Cr、W、Alなどを用いることができる。あるいは、Ti、Mo、Ta、Cr、WとAlを積層させた2層構造、AlをTi、Mo、Ta、Cr、Wなどの金属で挟んだ3層積層構造としてもよい。
図65の第3の絶縁膜10108、図66(A)の第3の絶縁膜10208、図66(B)の第3の絶縁膜10238、図66(B)の第3の導電層10239、図67(A)の第3の絶縁膜10308、図67(B)の第3の絶縁膜10338及び第4の絶縁膜10349としては、無機材料(酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコンなど)あるいは、低誘電率の有機化合物材料(感光性又は非感光性の有機樹脂材料)などを用いることができる。あるいは、シロキサンを含む材料を用いることもできる。なお、シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される材料である。置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。あるいは、置換基としてフルオロ基を用いてもよい。あるいは、置換基として、少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを用いてもよい。
図65の第1の配向膜10110、図66(A)の第1の配向膜10210、図66(B)の第1の配向膜10240、図66(B)の第1の配向膜10310、図67(B)の第1の配向膜10340としては、ポリイミドなどの高分子膜を用いることができる。
次に、各液晶モードとトランジスタとを組み合わせた場合の画素構造について、画素の上面図(レイアウト図)を参照して説明する。
なお、液晶モードとしては、TN(Twisted Nematic)モード、IPS(In−Plane−Switching)モード、FFS(Fringe Field Switching)モード、MVA(Multi−domain Vertical Alignment)モード、PVA(Patterned Vertical Alignment)、ASM(Axially Symmetric aligned Micro−cell)モード、OCB(Optical Compensated Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)などを用いることができる。
なお、トランジスタとしては、非晶質シリコン、多結晶シリコン、微結晶(マイクロクリスタル、セミアモルファスとも言う)シリコンなどに代表される非単結晶半導体層を有する薄膜トランジスタ(TFT)などを用いることが出来る。
なお、トランジスタの構造としては、トップゲート型又はボトムゲート型などを用いることができる。ボトムゲート型のトランジスタとしては、チャネルエッチ型又はチャネル保護型などを用いることができる。
図68は、TN方式とトランジスタとを組み合わせた場合の画素の上面図の一例である。図68に示す画素構造を液晶表示装置に適用することによって、安価に液晶表示装置を製造することができる。
図68に示す画素は、走査線10401と、映像信号線10402と、容量線10403と、トランジスタ10404と、画素電極10405と、画素容量10406と、を有している。
走査線10401は、信号(走査信号)を画素に伝達する機能を有する。映像信号線10402は、信号(映像信号)を画素に伝達するための機能を有する。なお、走査線10401と映像信号線10402とは、マトリックス状に配置されるため、異なる層の導電層で形成されている。なお、走査線10401と。映像信号線10402との交差部に、半導体層が配置されていてもよい。こうすることで、走査線10401と。映像信号線10402と交差容量を低減することができる。
容量線10403は、画素電極10405と平行に配置されている。容量線10403と画素電極10405とが重なって配置されている部分が画素容量10406となる。なお、容量線10403の一部は、映像信号線10402に沿って、映像信号線10402を囲むように延設されている。こうすることで、クロストークを低減することができる。クロストークとは、映像信号線10402の電位変化に伴って、電位を保持するべき電極の電位が変化してしまう現象のことである。なお、容量線10403と映像信号線10402との間に半導体層を配置することによって、交差容量を低減することができる。なお、容量線10403は、走査線10401と同様な材料で構成されている。
トランジスタ10404は、映像信号線10402と画素電極10405を導通させるスイッチとしての機能を有する。なお、トランジスタ10404のソース領域及びドレイン領域の一方は、トランジスタ10404のソース領域及びドレイン領域の他方に囲まれるように配置されている。こうすることで、トランジスタ10404のチャネル幅が大きくなるため、スイッチング能力の向上を図ることができる。なお、トランジスタ10404のゲート電極は、半導体層を囲むように配置されている。
画素電極10405は、トランジスタ10404のソース電極及びドレイン電極の一方に電気的に接続される。画素電極10405は、映像信号線10402によって伝達された信号電圧を液晶素子に与えるための電極である。なお、画素電極10405は、矩形である。こうすることで、画素の開口率を大きくすることができる。なお、画素電極10405としては、透明性を有する材料又は反射性を有する材料を用いることができる。あるいは、透明性を有する材料と反射性を有する材料とを組み合わせて、画素電極10405に用いてもよい。
図69(A)は、MVA方式とトランジスタとを組み合わせた場合の画素の上面図の一例である。図69(A)に示す画素構造を液晶表示装置に適用することによって、視野角が大きく、応答速度が速く、コントラストの大きい液晶表示装置を得ることができる。
図69(A)に示す画素は、走査線10501と、映像信号線10502と、容量線10503と、トランジスタ10504と、画素電極10505と、画素容量10506と、配向制御用突起10507と、を有する。
走査線10501は、信号(走査信号)を画素に伝達する機能を有する。映像信号線10502は、信号(映像信号)を画素に伝達するための機能を有する。なお、走査線10501と映像信号線10502とは、マトリックス状に配置されるため、異なる層の導電層で形成されている。なお、走査線10501と。映像信号線10502との交差部に、半導体層が配置されていてもよい。こうすることで、走査線10501と。映像信号線10502と交差容量を低減することができる。
容量線10503は、画素電極10505と平行に配置されている。容量線10503と画素電極10505とが重なって配置されている部分が画素容量10506となる。なお、容量線10503の一部は、映像信号線10502に沿って、映像信号線10502を囲むように延設されている。こうすることで、クロストークを低減することができる。クロストークとは、映像信号線10502の電位変化に伴って、電位を保持するべき電極の電位が変化してしまう現象のことである。なお、容量線10503と映像信号線10502との間に半導体層を配置することによって、交差容量を低減することができる。なお、容量線10503は、走査線10501と同様な材料で構成されている。
トランジスタ10504は、映像信号線10502と画素電極10505を導通させるスイッチとしての機能を有する。なお、トランジスタ10504のソース領域及びドレイン領域の一方は、トランジスタ10504のソース領域及びドレイン領域の他方に囲まれるように配置されている。こうすることで、トランジスタ10504のチャネル幅が大きくなるため、スイッチング能力の向上を図ることができる。なお、トランジスタ10504のゲート電極は、半導体層を囲むように配置されている。
画素電極10505は、トランジスタ10504のソース電極及びドレイン電極の一方に電気的に接続される。画素電極10505は、映像信号線10502によって伝達された信号電圧を液晶素子に与えるための電極である。なお、画素電極10505は、矩形である。こうすることで、画素の開口率を大きくすることができる。なお、画素電極10505としては、透明性を有する材料又は反射性を有する材料を用いることができる。あるいは、透明性を有する材料と反射性を有する材料とを組み合わせて、画素電極10505に用いてもよい。
配向制御用突起10507は、対向基板に形成されている。配向制御用突起10507は、液晶分子を放射状に配向させる機能を有する。なお、配向制御用突起10507の形状に限定はない。例えば、配向制御用突起10507の形状は、くの字型となっていてもよい。こうすることで、液晶分子の配向が異なる複数の領域を形成することができる。視野角の向上を図ることができる。
図69(B)は、PVA方式とトランジスタとを組み合わせた場合の画素の上面図の一例である。図69(B)に示す画素構造を液晶表示装置に適用することによって、視野角が大きく、応答速度が速く、コントラストの大きい液晶表示装置を得ることができる。
図69(B)に示す画素は、走査線10511と、映像信号線10512と、容量線10513と、トランジスタ10514と、画素電極10515と、画素容量10516と、電極切り欠き部10517、を有する。
走査線10511は、信号(走査信号)を画素に伝達する機能を有する。映像信号線10512は、信号(映像信号)を画素に伝達するための機能を有する。なお、走査線10511と映像信号線10512とは、マトリックス状に配置されるため、異なる層の導電層で形成されている。なお、走査線10511と。映像信号線10512との交差部に、半導体層が配置されていてもよい。こうすることで、走査線10511と。映像信号線10512と交差容量を低減することができる。
容量線10513は、画素電極10515と平行に配置されている。容量線10513と画素電極10515とが重なって配置されている部分が画素容量10516となる。なお、容量線10513の一部は、映像信号線10512に沿って、映像信号線10512を囲むように延設されている。こうすることで、クロストークを低減することができる。クロストークとは、映像信号線10512の電位変化に伴って、電位を保持するべき電極の電位が変化してしまう現象のことである。なお、容量線10513と映像信号線10512との間に半導体層を配置することによって、交差容量を低減することができる。なお、容量線10513は、走査線10511と同様な材料で構成されている。
トランジスタ10514は、映像信号線10512と画素電極10515を導通させるスイッチとしての機能を有する。なお、トランジスタ10514のソース領域及びドレイン領域の一方は、トランジスタ10514のソース領域及びドレイン領域の他方に囲まれるように配置されている。こうすることで、トランジスタ10514のチャネル幅が大きくなるため、スイッチング能力の向上を図ることができる。なお、トランジスタ10514のゲート電極は、半導体層を囲むように配置されている。
画素電極10515は、トランジスタ10514のソース電極及びドレイン電極の一方に電気的に接続される。画素電極10515は、映像信号線10512によって伝達された信号電圧を液晶素子に与えるための電極である。なお、画素電極10515は、電極切り欠き部10517の形状に合わせた形状である。具体的には、電極切り欠き部10517のない部分に、画素電極10515を切り欠いた部分を形成したような形状である。こうすることで、液晶分子の配向が異なる複数の領域を形成することができる。視野角の向上を図ることができる。なお、画素電極10515としては、透明性を有する材料又は反射性を有する材料を用いることができる。あるいは、透明性を有する材料と反射性を有する材料とを組み合わせて、画素電極10515に用いてもよい。
図70(A)は、IPS方式とトランジスタとを組み合わせた場合の画素の上面図の一例である。図70(A)に示す画素構造を液晶表示装置に適用することによって、原理的に視野角が大きく、応答速度の階調依存性の小さい液晶表示装置を得ることができる。
図70(A)に示す画素は、走査線10601と、映像信号線10602と、共通電極10603と、トランジスタ10604と、画素電極10605と、を有する。
走査線10601は、信号(走査信号)を画素に伝達する機能を有する。映像信号線10602は、信号(映像信号)を画素に伝達するための機能を有する。なお、走査線10601と映像信号線10602とは、マトリックス状に配置されるため、異なる層の導電層で形成されている。なお、走査線10601と映像信号線10602との交差部に、半導体層が配置されていてもよい。こうすることで、走査線10601と。映像信号線10602と交差容量を低減することができる。なお、映像信号線10602は、画素電極10605の形状に合わせて形成されている。
共通電極10603は、画素電極10605と平行に配置されている。共通電極10603は、横方向の電界を発生させるための電極である。なお、共通電極10603の形状は、屈曲した櫛歯状である。なお、共通電極10603の一部は、映像信号線10602に沿って、映像信号線10602を囲むように延設されている。こうすることで、クロストークを低減することができる。クロストークとは、映像信号線10602の電位変化に伴って、電位を保持するべき電極の電位が変化してしまう現象のことである。なお、共通電極10603と映像信号線10602との間に半導体層を配置することによって、交差容量を低減することができる。なお、共通電極10603の走査線10601と平行に配置されている部分では、走査線10601と同様な材料で構成されている。共通電極10603の画素電極10605と平行に配置されている部分では、画素電極10605と同様な材料で構成されている。
トランジスタ10604は、映像信号線10602と画素電極10605を導通させるスイッチとしての機能を有する。なお、トランジスタ10604のソース領域及びドレイン領域の一方は、トランジスタ10604のソース領域及びドレイン領域の他方に囲まれるように配置されている。こうすることで、トランジスタ10604のチャネル幅が大きくなるため、スイッチング能力の向上を図ることができる。なお、トランジスタ10604のゲート電極は、半導体層を囲むように配置されている。
画素電極10605は、トランジスタ10604のソース電極及びドレイン電極の一方に電気的に接続される。画素電極10505は、映像信号線10602によって伝達された信号電圧を液晶素子に与えるための電極である。なお、画素電極10605の形状は、屈曲した櫛歯状の形状である。こうすることで、液晶分子に横電界をかけることができる。液晶分子の配向が異なる複数の領域を形成することができる。視野角の向上を図ることができる。なお、画素電極10605としては、透明性を有する材料又は反射性を有する材料を用いることができる。あるいは、透明性を有する材料と反射性を有する材料とを組み合わせて、画素電極10605に用いてもよい。
なお、共通電極10603のうち櫛歯状の部分と画素電極10605とは、別々の導電層で形成されていてもよい。例えば、共通電極10603のうち櫛歯状の部分は、走査線10601又は映像信号線10602と同じ導電層で形成されていてもよい。同様に、画素電極10605は、走査線10601又は映像信号線10602と同じ導電層で形成されていてもよい。
図70(B)は、FFS方式とトランジスタとを組み合わせた場合の画素の上面図である。図70(B)に示す画素構造を液晶表示装置に適用することによって、原理的に視野角が大きく、応答速度の階調依存性の小さい液晶表示装置を得ることができる。
図70(B)に示す画素は、走査線10611と、映像信号線10612と、共通電極10613と、トランジスタ10614と、画素電極10615と、を備えていてもよい。
走査線10611は、信号(走査信号)を画素に伝達する機能を有する。映像信号線10612は、信号(映像信号)を画素に伝達するための機能を有する。なお、走査線10611と映像信号線10612とは、マトリックス状に配置されるため、異なる層の導電層で形成されている。なお、走査線10611と。映像信号線10612との交差部に、半導体層が配置されていてもよい。こうすることで、走査線10611と。映像信号線10612と交差容量を低減することができる。なお、映像信号線10612は、画素電極10615の形状に合わせて形成されている。
共通電極106013は、画素電極10615の下部、及び画素電極10615と画素電極10615との間の下部に一様に形成されている。なお、共通電極106013としては、透明性を有する材料又は反射性を有する材料を用いることができる。あるいは、透明性を有する材料と反射性を有する材料とを組み合わせて、共通電極106013に用いてもよい。
トランジスタ10614は、映像信号線10612と画素電極10615を導通させるスイッチとしての機能を有する。なお、トランジスタ10604のソース領域及びドレイン領域の一方は、トランジスタ10614のソース領域及びドレイン領域の他方に囲まれるように配置されている。こうすることで、トランジスタ10614のチャネル幅が大きくなるため、スイッチング能力の向上を図ることができる。なお、トランジスタ10614のゲート電極は、半導体層を囲むように配置されている。
画素電極10615は、トランジスタ10614のソース電極及びドレイン電極の一方に電気的に接続される。画素電極10515は、映像信号線10612によって伝達された信号電圧を液晶素子に与えるための電極である。なお、画素電極10615の形状は、屈曲した櫛歯状の形状である。こうすることで、液晶分子に横電界をかけることができる。なお、櫛歯状の画素電極10615は、共通電極10613の一様な部分よりも液晶層に近いところに配置される。液晶分子の配向が異なる複数の領域を形成することができる。視野角の向上を図ることができる。なお、画素電極10615としては、透明性を有する材料又は反射性を有する材料を用いることができる。あるいは、透明性を有する材料と反射性を有する材料とを組み合わせて、画素電極10615に用いてもよい。
なお、本実施の形態において、様々な図を用いて述べてきたが、各々の図で述べた内容(一部でもよい)は、別の図で述べた内容(一部でもよい)に対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことが出来る。さらに、これまでに述べた図において、各々の部分に関して、別の部分を組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることが出来る。
同様に、本実施の形態の各々の図で述べた内容(一部でもよい)は、別の実施の形態の図で述べた内容(一部でもよい)対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことが出来る。さらに、本実施の形態の図において、各々の部分に関して、別の実施の形態の部分を組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることが出来る。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態で述べた内容(一部でもよい)を、具現化した場合の一例、少し変形した場合の一例、一部を変更した場合の一例、改良した場合の一例、詳細に述べた場合の一例、応用した場合の一例、関連がある部分についての一例などを示している。したがって、他の実施の形態で述べた内容は、本実施の形態への適用、組み合わせ、又は置き換えを自由に行うことができる。
(実施の形態14)
本実施の形態では、液晶セル(液晶パネルともいう)の作製工程を説明する。
液晶の充填方法として真空注入法を用いた場合の液晶セルの作製工程について、図71(A)乃至(E)、及び図72(A)乃至(C)を参照して説明する。
図72(C)は、液晶セルを示す断面図である。第1の基板70101と第2の基板70107とが、スペーサ70106及びシール材70105を介して貼り付けられている。そして、液晶70109が第1の基板70101と第2の基板70107との間に配置されている。なお、配向膜70102が第1の基板70101上に形成され、配向膜70108が第2の基板70107上に形成されている。
第1の基板70101には、複数の画素がマトリクス状に形成されている。そして、複数の画素それぞれは、トランジスタを有していてもよい。なお、第1の基板70101をTFT基板、アレイ基板、TFTアレイ基板と呼んでもよい。第1の基板70101としては、単結晶基板、SOI基板、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板、紙基板、セロファン基板、石材基板、木材基板、布基板(天然繊維(絹、綿、麻)、合成繊維(ナイロン、ポリウレタン、ポリエステル)若しくは再生繊維(アセテート、キュプラ、レーヨン、再生ポリエステル)などを含む)、皮革基板、ゴム基板、ステンレス・スチル基板、ステンレス・スチル・ホイルを有する基板などを用いることができる。あるいは、人などの動物の皮膚(皮表、真皮)又は皮下組織を基板として用いてもよい。ただし、これに限定されず、様々なものを用いることができる。
第2の基板70107には、共通電極、カラーフィルタ、ブラックマトリクスなどが形成されている。なお、第2の基板70107を対向基板又はカラーフィルタ基板と呼んでもよい。
配向膜70102は、液晶分子を一定方向に配向させる機能を有する。配向膜70102としては、ポリイミド樹脂などを用いることができる。ただし、これに限定されず、様々なものを用いることができる。なお、配向膜70108は、配向膜70102と同様である。
シール材70105は、液晶70109が漏れないように、第1の基板70101と第2の基板70107を接着する機能を有する。つまり、封止材として機能する。
スペーサ70106は、第1の基板70101と第2の基板70107との間の空間(液晶のセルギャップ)を一定に保つための機能を有する。スペーサ70106としては、粒状スペーサ又は柱状スペーサを用いることができる。粒状スペーサとしては、ファイバ状のものと球状のもとがある。そして、粒状スペーサの材料としては、プラスチック又はガラスなどがある。なお、プラスチックで形成された球状スペーサは、プラスチックビーズと呼ばれ、広く利用されている。なお、ガラスで形成されたファイバ状のスペーサは、ガラスファイバと呼ばれ、シール材に混入されて利用される。
図71(A)は、第1の基板70101上に配向膜70102を形成する工程を示した断面図である。配向膜70102は、ローラ70103を用いたローラーコート法によって第1の基板70101上に形成される。ただし、第1の基板70101上に配向膜70102を形成する方法としては、ローラーコート法の他に、オフセット印刷法、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、エクストルージョンコート法などを用いることができる。その後、仮焼成、本焼成が配向膜70102に順に施される。
図71(B)は、配向膜70102にラビング処理を施す工程を示した断面図である。ラビング処理は、ドラムに布を巻きつけたラビング用ローラ70104を回転させて配向膜70102を擦ることによって行われる。このラビング処理が配向膜70102に施されると、液晶分子を一定方向に配向させるための溝が、配向膜70102に形成される。ただし、これに限定されず、イオンビームを用いて配向膜に溝を形成してもよい。その後、水洗浄処理が第1の基板70101に施される。こうすることで、第1の基板70101の表面の異物又は汚れなどを除去することができる。
なお、図示はしないが、第1の基板70101と同様に、配向膜70108が第2の基板70107に形成され、ラビング処理が配向膜70108に施される。ただし、これに限定されず、イオンビームを用いて配向膜に溝を形成してもよい。
図71(C)は、シール材70105を配向膜70102上に形成する工程を示した断面図である。シール材70105は描画装置又はスクリーン印刷などによって塗布され、シールパターンが形成される。このシールパターンは第1の基板70101の外周に沿って形成され、シールパターンの一部に液晶注入口が設けられている。そして、仮止め用のUV樹脂が第1の基板70101の表示領域外にディスペンサなどでスポット塗布される。
なお、シール材70105は、第2の基板70107に形成されてもよい。
図71(D)は、スペーサ70106を第1の基板70101に散布する工程を示した断面図である。スペーサ70106は、圧縮された気体とともにのノズルから噴出して散布される(乾式散布)。あるいは、スペーサ70106は、揮発性の液体に混合され、この液体を噴路露するようにして散布される(湿式散布)。このような乾式散布又は湿式散布によって、スペーサ70106を第1の基板70101に均一に散布することができる。
ここで、スペーサ70106として、球状の粒状スペーサを用いた場合について説明した。ただし、これに限定されず、柱状スペーサを用いることもできる。柱状スペーサは、第1の基板70101に形成されていてもよいし、第2の基板70107に形成されていてもよい。あるいは、スペーサの一部が第1の基板70101に形成され、残りが第2の基板70107に形成されていてもよい。
なお、スペーサがシール材の中に混入していてもよい。こうすることで、液晶のセルギャップを一定に保ちやすくできる。
図71(E)は、第1の基板70101と第2の基板70107とを張り合わせる工程を示した断面図である。第1の基板70101と第2の基板70107とは、大気中で張り合わされる。そして、第1の基板70101と第2の基板70107と間のギャップが一定となるように、両基板が加圧される。その後、紫外線照射又は熱処理がシール材70105に施されることによって、シール材70105が硬化する。
図72(A)及び(B)は、液晶を充填する工程を示した上面図である。第1の基板70101と第2の基板70107とが張り合わされたセル(空セルともいう)が真空槽内に入れられる。その後、真空槽内が減圧された後に、空セルの液晶注入口70113が液晶に浸漬される。そして、真空槽内が大気に開放されると、液晶70109が差圧と毛細管現象によって空セル内に充填される。
必要な量の液晶70109が空セルに充填されると、液晶注入口が樹脂70110によって封口される。そして、空セルに余分に付着した液晶が洗浄される。その後、アニール処理によって、再配向処理が液晶70109に施される。こうして、液晶セルが完成する。
次に、液晶の充填方法として滴下法を用いた場合の液晶セルの作製工程について、図73(A)乃至(D)、及び図74(A)乃至(C)を参照して説明する。
図74(C)は、液晶セルを示す断面図である。第1の基板70301と第2の基板70307とが、スペーサ70306及びシール材70305を介して貼り付けられている。そして、液晶70309が第1の基板70301と第2の基板70307との間に配置されている。なお、配向膜70302が第1の基板70301上に形成され、配向膜70308が第2の基板70307上に形成されている。
第1の基板70301には、複数の画素がマトリクス状に形成されている。そして、複数の画素それぞれは、トランジスタを有していてもよい。なお、第1の基板70301をTFT基板、アレイ基板、TFTアレイ基板と呼んでもよい。第1の基板70301としては、単結晶基板、SOI基板、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板、紙基板、セロファン基板、石材基板、木材基板、布基板(天然繊維(絹、綿、麻)、合成繊維(ナイロン、ポリウレタン、ポリエステル)若しくは再生繊維(アセテート、キュプラ、レーヨン、再生ポリエステル)などを含む)、皮革基板、ゴム基板、ステンレス・スチル基板、ステンレス・スチル・ホイルを有する基板などを用いることができる。あるいは、人などの動物の皮膚(皮表、真皮)又は皮下組織を基板として用いてもよい。ただし、これに限定されず、様々なものを用いることができる。
第2の基板70307には、共通電極、カラーフィルタ、ブラックマトリクスなどが形成されている。なお、第2の基板70307を対向基板又はカラーフィルタ基板と呼んでもよい。
配向膜70302は、液晶分子を一定方向に配向させる機能を有する。配向膜70302としては、ポリイミド樹脂などを用いることができる。ただし、これに限定されず、様々なものを用いることができる。なお、配向膜70308は、配向膜70302と同様である。
シール材70305は、液晶70309が漏れないように、第1の基板70301と第2の基板70307を接着する機能を有する。つまり、封止材として機能する。
スペーサ70306は、第1の基板70301と第2の基板70307との間の空間(液晶のセルギャップ)を一定に保つための機能を有する。スペーサ70306としては、粒状スペーサ又は柱状スペーサを用いることができる。粒状スペーサとしては、ファイバ状のものと球状のもとがある。そして、粒状スペーサの材料としては、プラスチック又はガラスなどがある。なお、プラスチックで形成された球状スペーサは、プラスチックビーズと呼ばれ、広く利用されている。なお、ガラスで形成されたファイバ状のスペーサは、ガラスファイバと呼ばれ、シール材に混入されて利用される。
図73(A)は、第1の基板70301上に配向膜70302を形成する工程を示した断面図である。配向膜70302は、ローラ70303を用いたローラーコート法によって第1の基板70301上に形成される。ただし、第1の基板70301上に配向膜70302を形成する方法としては、ローラーコート法の他に、オフセット印刷法、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、エクストルージョンコート法などを用いることもできる。その後、仮焼成、本焼成が配向膜70302に順に施される。
図73(B)は、配向膜70302にラビング処理を施す工程を示した断面図である。ラビング処理は、ドラムに布を巻きつけたラビング用ローラ70304を回転させて配向膜70302を擦ることによって行われる。このラビング処理が配向膜70302に施されると、液晶分子を一定方向に配向させるための溝が、配向膜70302に形成される。ただし、これに限定されず、イオンビームを用いて配向膜に溝を形成してもよい。その後、水洗浄処理が第1の基板70301に施される。こうすることで、第1の基板70301の表面の異物又は汚れなどを除去することができる。
なお、図示はしないが、第1の基板70301と同様に、配向膜70308が第2の基板70307に形成され、ラビング処理が配向膜70308に施される。ただし、これに限定されず、イオンビームを用いて配向膜に溝を形成してもよい。
図73(C)は、シール材70305を配向膜70302上に形成する工程を示した断面図である。シール材70305は描画装置又はスクリーン印刷などによって塗布され、シールパターンが形成される。このシールパターンは第1の基板70301の外周に沿って形成される。ここで、シール材70305は、ラジカル型のUV樹脂又はカチオン型のUV樹脂を用いる。そして、導電性樹脂がスポット的にディスペンサで塗布される。
なお、シール材70305は、第2の基板70307に形成されてもよい。
図73(D)は、スペーサ70306を第1の基板70301に散布する工程を示した断面図である。スペーサ70306は、圧縮された気体とともにのノズルから噴出して散布される(乾式散布)。あるいは、スペーサ70306は、揮発性の液体に混合され、この液体を噴路露するようにして散布される(湿式散布)。このような乾式散布又は湿式散布によって、スペーサ70306を第1の基板70301に均一に散布することができる。
ここで、スペーサ70306として、球状の粒状スペーサを用いた場合について説明した。ただし、これに限定されず、柱状スペーサを用いることもできる。柱状スペーサは、第1の基板70301に形成されていてもよいし、第2の基板70307に形成されていてもよい。あるいは、スペーサの一部が第1の基板70301に形成され、残りが第2の基板70307に形成されていてもよい。
なお、スペーサがシール材の中に混入していてもよい。こうすることで、液晶のセルギャップを一定に保ちやすくできる。
図74(A)は、液晶70309を滴下する工程を示した断面図である。脱泡処理が液晶70309に施された後に、液晶70309がシール材70305の内側に滴下される。
なお、図74(B)は、液晶70309を滴下した後の上面図である。シール材70305が第1の基板70301の外周に沿って形成されているため、液晶70309が漏れることはない。
図74(C)は、第1の基板70301と第2の基板70307とを張り合わせる工程を示した断面図である。第1の基板70301と第2の基板70307とは、真空槽内で張り合わされる。そして、第1の基板70301と第2の基板70307と間のギャップが一定となるように、両基板が加圧される。その後、紫外線照射がシール材70305に施されることによって、シール材70305が硬化する。ここで、表示部をマスクで隠して、紫外線照射をシール材70305に施すことが望ましい。なぜなら、液晶70309が紫外線によって劣化することを防止できるからである。その後、アニール処理によって、再配向処理が液晶70309に施される。こうして、液晶セルが完成する。
なお、本実施の形態において、様々な図を用いて述べてきたが、各々の図で述べた内容(一部でもよい)は、別の図で述べた内容(一部でもよい)に対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことが出来る。さらに、これまでに述べた図において、各々の部分に関して、別の部分を組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることが出来る。
同様に、本実施の形態の各々の図で述べた内容(一部でもよい)は、別の実施の形態の図で述べた内容(一部でもよい)対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことが出来る。さらに、本実施の形態の図において、各々の部分に関して、別の実施の形態の部分を組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることが出来る。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態で述べた内容(一部でもよい)を、具現化した場合の一例、少し変形した場合の一例、一部を変更した場合の一例、改良した場合の一例、詳細に述べた場合の一例、応用した場合の一例、関連がある部分についての一例などを示している。したがって、他の実施の形態で述べた内容は、本実施の形態への適用、組み合わせ、又は置き換えを自由に行うことができる。
(実施の形態15)
本実施の形態においては、表示装置の画素の構成及び画素の動作について説明する。
図75(A)、(B)は、デジタル時間階調駆動の一例を示すタイミングチャートである。図75(A)のタイミングチャートは、画素への信号書き込み期間(アドレス期間)と発光期間(サステイン期間)とが分離されている場合の駆動方法を示す。
なお、1表示領域分の画像を完全に表示するための期間を1フレーム期間という。1フレーム期間は複数のサブフレーム期間を有し、1サブフレーム期間はアドレス期間とサステイン期間とを有する。アドレス期間Ta1〜Ta4は、全行分の画素への信号書き込みにかかかる時間を示し、期間Tb1〜Tb4は一行分の画素(又は一画素分)への信号書き込みにかかる時間を示している。サステイン期間Ts1〜Ts4は、画素へ書き込まれたビデオ信号にしたがって点灯又は非点灯状態を維持する時間を示し、その長さの比をTs1:Ts2:Ts3:Ts4=23:22:21:20=8:4:2:1としている。どのサステイン期間で発光するかによって階調を表現している。
動作について説明する。まず、アドレス期間Ta1において、1行目から順に走査線に画素選択信号が入力され、画素が選択される。そして、画素が選択されているときに、信号線から画素へビデオ信号が入力される。そして、画素にビデオ信号が書き込まれると、画素は再び信号が入力されるまでその信号を保持する。この書き込まれたビデオ信号によってサステイン期間Ts1における各画素の点灯、非点灯が制御される。同様に、アドレス期間Ta2、Ta3、Ta4において画素へビデオ信号が入力され、そのビデオ信号によってサステイン期間Ts2、Ts3、Ts4における各画素の点灯、非点灯が制御される。そして、それぞれのサブフレーム期間において、アドレス期間中は点灯せず、アドレス期間が終了した後、サステイン期間が始まり、点灯させるための信号が書き込まれている画素が点灯する。
ここで、図75(B)を参照して、i行目の画素行に着目して説明する。まず、アドレス期間Ta1において、1行目から順に走査線に画素選択信号が入力され、アドレス期間Ta1のうち期間Tb1(i)においてi行目の画素が選択される。そして、i行目の画素が選択されているときに、信号線からi行目の画素へビデオ信号が入力される。そして、i行目の画素にビデオ信号が書き込まれると、i行目の画素は再び信号が入力されるまでその信号を保持する。この書き込まれたビデオ信号によってサステイン期間Ts1におけるi行目の画素の点灯、非点灯が制御される。同様に、アドレス期間Ta2、Ta3、Ta4においてi行目の画素へビデオ信号が入力され、そのビデオ信号によってサステイン期間Ts2、Ts3、Ts4におけるi行目の画素の点灯、非点灯が制御される。そして、それぞれのサブフレーム期間において、アドレス期間中は点灯せず、アドレス期間が終了した後、サステイン期間が始まり、点灯させるための信号が書き込まれている画素が点灯する。
なお、ここでは4ビット階調を表現する場合について説明したが、ビット数及び階調数はこれに限定されない。なお、点灯の順番はTs1、Ts2、Ts3、Ts4である必要はなく、ランダムでもよいし、複数に分割して発光をさせてもよい。なお、Ts1、Ts2、Ts3、Ts4の点灯時間は、2のべき乗にする必要はなく、同じ長さの点灯時間にしてもよいし、2のべき乗からすこしだけずらしてもよい。
続いて、画素への信号書き込み期間(アドレス期間)と発光期間(サステイン期間)とが分離されていない場合の駆動方法について説明する。つまり、ビデオ信号の書き込み動作が完了した行の画素は、次に画素へ信号の書き込み(又は消去)が行われるまで、信号を保持する。書き込み動作から次にこの画素へ信号の書き込みが行われるまでの期間をデータ保持時間という。そして、このデータ保持時間中は画素に書き込まれたビデオ信号に従って、画素が点灯又は非点灯となる。同じ動作が、最終行まで行われ、アドレス期間が終了する。そして、データ保持時間が終了した行から順に次のサブフレーム期間の信号書き込み動作へ移る。
このように、信号書き込み動作が完了しデータ保持時間となると、直ちに画素へ書き込まれたビデオ信号に従って画素が点灯又は非点灯となる駆動方法の場合には、データ保持時間をアドレス期間より短くしようとしても、同時に2行に信号を入力できないため、アドレス期間を重ならないようにしなければならないので、データ保持時間を短くすることができない。よって、その結果、高階調表示を行うことが困難になる。
よって、消去期間を設けることによって、アドレス期間より短いデータ保持時間を設定する。消去期間を設けアドレス期間より短いデータ保持時間を設定する場合の駆動方法について図76(A)を用いて説明する。
まず、アドレス期間Ta1において、1行目から順に走査線に画素走査信号が入力され、画素が選択される。そして、画素が選択されているときに、信号線から画素へビデオ信号が入力される。そして、画素にビデオ信号が書き込まれると、画素は再び信号が入力されるまでその信号を保持する。この書き込まれたビデオ信号によってサステイン期間Ts1における各画素の点灯、非点灯が制御される。ビデオ信号の書き込み動作が完了した行においては、直ちに書き込まれたビデオ信号にしたがって、画素が点灯又は非点灯の状態となる。同じ動作が、最終行まで行われ、アドレス期間Ta1が終了する。そして、データ保持時間が終了した行から順に次のサブフレーム期間の信号書き込み動作へ移る。同様に、アドレス期間Ta2、Ta3、Ta4において画素へビデオ信号が入力され、そのビデオ信号によってサステイン期間Ts2、Ts3、Ts4における各画素の点灯、非点灯が制御される。そして、サステイン期間TS4はその終期を消去動作の開始によって設定される。なぜなら、各行の消去時間Teに画素に書き込まれた信号の消去が行われると、次の画素への信号の書き込みが行われるまでは、アドレス期間に画素に書き込まれたビデオ信号に関わらず、強制的に非点灯となるからである。つまり、消去時間Teが始まった行の画素からデータ保持時間が終了する。
ここで、図76(B)を参照して、i行目の画素行に着目して説明する。i行目の画素行において、アドレス期間Ta1において、1行目から順に走査線に画素走査信号が入力され、画素が選択される。そして、期間Tb1(i)においてi行目の画素が選択されているときに、i行目の画素にビデオ信号が入力される。そして、i行目の画素にビデオ信号が書き込まれると、i行目の画素は再び信号が入力されるまでその信号を保持する。この書き込まれたビデオ信号によって、サステイン期間Ts1(i)におけるi行目の画素の点灯、非点灯が制御される。つまり、i行目にビデオ信号の書き込み動作が完了したら、直ちに書き込まれたビデオ信号にしたがって、i行目の画素が点灯又は非点灯の状態となる。同様に、アドレス期間Ta2、Ta3、Ta4においてi行目の画素へビデオ信号が入力され、そのビデオ信号によってサステイン期間Ts2、Ts3、Ts4におけるi行目の画素の点灯、非点灯が制御される。そして、サステイン期間Ts4(i)はその終期を消去動作の開始によって設定される。なぜなら、i行目の消去時間Ts(i)にi行目の画素に書き込まれたビデオ信号に関わらず、強制的に非点灯となるからである。つまり、消去時間Te(i)が始まるとi行目の画素のデータ保持時間が終了する。
よって、アドレス期間とサステイン期間とを分離せずに、アドレス期間より短い高階調且つデューティー比(1フレーム期間中の点灯期間の割合)の高い表示装置を提供することができる。瞬間輝度を低くすることが可能であるため表示素子の信頼性の向上を図ることが可能である。
なお、ここでは4ビット階調を表現する場合について説明したが、ビット数及び階調数はこれに限定されない。また、点灯の順番はTs1、Ts2、Ts3、Ts4である必要はなく、ランダムでもよいし、複数に分割して発光をしてもよい。また、Ts1、Ts2、Ts3、Ts4の点灯時間は、2のべき乗にする必要はなく、同じ長さの点灯時間にしてもよいし、2のべき乗からすこしだけずらしてもよい。
デジタル時間階調駆動を適用可能な画素の構成及び画素の動作について説明する。
図77は、デジタル時間階調駆動を適用可能な画素構成の一例を示す図である。
画素80300は、スイッチング用トランジスタ80301、駆動用トランジスタ80302、発光素子80304及び容量素子80303を有している。スイッチング用トランジスタ80301はゲートが走査線80306に接続され、第1電極(ソース電極及びドレイン電極の一方)が信号線80305に接続され、第2電極(ソース電極及びドレイン電極の他方)が駆動用トランジスタ80302のゲートに接続されている。駆動用トランジスタ80302は、ゲートが容量素子80303を介して電源線80307に接続され、第1電極が電源線80307に接続され、第2電極が発光素子80304の第1電極(画素電極)に接続されている。発光素子80304の第2電極は共通電極80308に相当する。
なお、発光素子80304の第2電極(共通電極80308)には低電源電位が設定されている。なお、低電源電位とは、電源線80307に設定される高電源電位を基準にして低電源電位<高電源電位を満たす電位であり、低電源電位としては例えばGND、0Vなどが設定されていても良い。この高電源電位と低電源電位との電位差を発光素子80304に印加して、発光素子80304に電流を流して発光素子80304を発光させるため、高電源電位と低電源電位との電位差が発光素子80304の順方向しきい値電圧以上となるようにそれぞれの電位を設定する。
なお、容量素子80303は駆動用トランジスタ80302のゲート容量を代用して省略することも可能である。駆動用トランジスタ80302のゲート容量については、ソース領域、ドレイン領域又はLDD領域などとゲート電極とが重なってオーバーラップしているような領域で容量が形成されていてもよいし、チャネル領域とゲート電極との間で容量が形成されていてもよい。
走査線80306で画素が選択されているとき、つまりスイッチング用トランジスタ80301がオンになっているときに信号線80305から画素にビデオ信号が入力される。そして、ビデオ信号に相当する電圧分の電荷が容量素子80303に蓄積され、容量素子80303はその電圧を保持する。この電圧は駆動用トランジスタ80302のゲートと第1電極間の電圧であり、駆動用トランジスタ80302のゲートソース間電圧Vgsに相当する。
一般に、トランジスタの動作領域は、線形領域と飽和領域とに分けることが出来る。その境目は、ドレイン・ソース間電圧をVds、ゲートソース間電圧をVgs、しきい値電圧をVthとすると、(Vgs−Vth)=Vdsの時になる。(Vgs−Vth)>Vdsの場合は、線形領域であり、Vds、Vgsの大きさによって電流値が決まる。一方、(Vgs−Vth)<Vdsの場合は飽和領域になり、理想的には、Vdsが変化しても、電流値はほとんど変わらない。つまり、Vgsの大きさだけによって電流値が決まる。
ここで、電圧入力電圧駆動方式の場合には、駆動用トランジスタ80302のゲートには、駆動用トランジスタ80302が十分にオンするか、オフするかの二つの状態となるようなビデオ信号を入力する。つまり、駆動用トランジスタ80302は線形領域で動作させる。
よって、駆動用トランジスタ80302がオンするビデオ信号であるときには、理想的には電源線80307に設定されている電源電位VDDをそのまま発光素子80304の第1の電極に設定する。
つまり、理想的には発光素子80304に印加する電圧を一定にし、発光素子80304から得られる輝度を一定にする。そして、1フレーム期間内に複数のサブフレーム期間を設け、サブフレーム期間毎に画素へのビデオ信号の書き込みを行い、サブフレーム期間毎に画素の点灯又は非点灯を制御し、その点灯しているサブフレーム期間の合計によって、階調を表現する。
なお、駆動用トランジスタ80302が飽和領域で動作するようなビデオ信号を入力することで、発光素子80304に電流を流すことができる。発光素子80304が電流に応じて輝度を決定するような素子であれば、発光素子80304の劣化による輝度の低下を抑制することができる。さらに、ビデオ信号をアナログとすることで、発光素子80304にビデオ信号に応じた電流を流すことができる。この場合、アナログ階調駆動を行うことができる。
図78は、デジタル時間階調駆動を適用可能な画素構成の一例を示す図である。
画素80400は、スイッチング用トランジスタ80401、駆動用トランジスタ80402、容量素子80403、発光素子80404及び整流素子80409を有している。スイッチング用トランジスタ80401はゲートが第2の走査線80406に接続され、第1電極(ソース電極及びドレイン電極の一方)が信号線80405に接続され、第2電極(ソース電極及びドレイン電極の他方)が駆動用トランジスタ80402のゲートに接続されている。駆動用トランジスタ80402は、ゲートが容量素子80403を介して電源線80407に接続され、ゲートが整流素子80309を介して第2の走査線80410に接続され、第1電極が電源線80407に接続され、第2電極が発光素子80404の第1電極(画素電極)に接続されている。発光素子80404の第2電極は共通電極80408に相当する。
なお、発光素子80404の第2電極(共通電極80408)には低電源電位が設定されている。なお、低電源電位とは、電源線80407に設定される高電源電位を基準にして低電源電位<高電源電位を満たす電位であり、低電源電位としては例えばGND、0Vなどが設定されていても良い。この高電源電位と低電源電位との電位差を発光素子80404に印加して、発光素子80404に電流を流して発光素子80404を発光させるため、高電源電位と低電源電位との電位差が発光素子80404の順方向しきい値電圧以上となるようにそれぞれの電位を設定する。
なお、容量素子80403は駆動用トランジスタ80402のゲート容量を代用して省略することも可能である。駆動用トランジスタ80402のゲート容量については、ソース領域、ドレイン領域又はLDD領域などとゲート電極とが重なってオーバーラップしているような領域で容量が形成されていてもよいし、チャネル領域とゲート電極との間で容量が形成されていてもよい。
なお、整流素子80409として、ダイオード接続したトランジスタを用いることが可能である。ダイオード接続したトランジスタの他にも、PN接合のダイオード、PIN接合のダイオード、ショットキー型のダイオード又はカーボンナノチューブで形成されたダイオードなどを用いてもよい。ダイオード接続されたトランジスタの極性は、Nチャネル型でもよいし、Pチャネル型でもよい。
画素80400は、図77に示した画素に、整流素子80409と第2の走査線80410を追加したものである。よって、図78に示すスイッチング用トランジスタ80401、駆動用トランジスタ80402、容量素子80403、発光素子80404、信号線80405、第1の走査線80406、電源線80407及び共通電極80408は、それぞれ図77に示したスイッチング用トランジスタ80301、駆動用トランジスタ80302、容量素子80303、発光素子80304、信号線80305、走査線80306、電源線80307及び共通電極80308に相当する。したがって、図78の書き込みの動作及び発光動作は、図77で説明した書き込みの動作及び発光動作と同様であるため、その説明を省略する。
消去動作について説明する。消去動作時には、第2の走査線80410にHレベルの信号を入力する。すると、整流素子80409に電流が流れ、容量素子80403によって保持されていた駆動用トランジスタ80402のゲート電位をある電位に設定することができる。つまり、駆動用トランジスタ80402のゲートの電位を、ある電位に設定し、画素へ書き込まれたビデオ信号に関わらず、駆動用トランジスタ80402を強制的にオフすることができる。
なお、第2の走査線80410に入力するLレベルの信号は、画素に非点灯となるビデオ信号が書き込まれているときに整流素子80409に電流が流れないような電位とする。第2の走査線80410に入力するHレベルの信号は、画素に書き込まれたビデオ信号に関わらず、駆動用トランジスタ80402がオフするような電位をゲートに設定することができるような電位とする。
なお、整流素子80409として、ダイオード接続したトランジスタを用いることが可能である。さらに、ダイオード接続したトランジスタの他にも、PN接合のダイオード、PIN接合のダイオード、ショットキー型のダイオード又はカーボンナノチューブで形成されたダイオードなどを用いてもよい。ダイオード接続されたトランジスタの極性は、Nチャネル型でもよいし、Pチャネル型でもよい。
図79は、デジタル時間階調駆動を適用可能な画素構成の一例を示す図である。
画素80500は、スイッチング用トランジスタ80501、駆動用トランジスタ80502、容量素子80503、発光素子80504及び消去用トランジスタ80509を有している。スイッチング用トランジスタ80501はゲートが第2の走査線80506に接続され、第1電極(ソース電極及びドレイン電極の一方)が信号線80505に接続され、第2電極(ソース電極及びドレイン電極の他方)が駆動用トランジスタ80502のゲートに接続されている。駆動用トランジスタ80502は、ゲートが容量素子80503を介して電源線80507に接続され、ゲートが消去用トランジスタ80509の第1電極に接続され、第1電極が電源線80507に接続され、第2電極が発光素子80504の第1電極(画素電極)に接続されている。消去用トランジスタは、ゲートが第2の走査線80510に接続され、第2電極が電源線80507に接続されている。発光素子80504の第2電極は共通電極80508に相当する。
なお、発光素子80504の第2電極(共通電極80508)には低電源電位が設定されている。なお、低電源電位とは、電源線80507に設定される高電源電位を基準にして低電源電位<高電源電位を満たす電位であり、低電源電位としては例えばGND、0Vなどが設定されていても良い。この高電源電位と低電源電位との電位差を発光素子80504に印加して、発光素子80504に電流を流して発光素子80504を発光させるため、高電源電位と低電源電位との電位差が発光素子80504の順方向しきい値電圧以上となるようにそれぞれの電位を設定する。
なお、容量素子80503は駆動用トランジスタ80502のゲート容量を代用して省略することも可能である。駆動用トランジスタ80502のゲート容量については、ソース領域、ドレイン領域又はLDD領域などとゲート電極とが重なってオーバーラップしているような領域で容量が形成されていてもよいし、チャネル領域とゲート電極との間で容量が形成されていてもよい。
画素80500は、図77に示した画素に、消去用トランジスタ80509と第2の走査線80510を追加したものである。よって、図79に示すスイッチング用トランジスタ80501、駆動用トランジスタ80502、容量素子80503、発光素子80504、信号線80505、第1の走査線80506、電源線80507及び共通電極80508は、それぞれ図77に示したスイッチング用トランジスタ80301、駆動用トランジスタ80302、容量素子80303、発光素子80304、信号線80305、走査線80306、電源線80307及び共通電極80308に相当する。したがって、図79の書き込みの動作及び発光動作は、図77で説明した書き込みの動作及び発光動作と同様であるため、その説明を省略する。
消去動作について説明する。消去動作時には、第2の走査線80510にHレベルの信号を入力する。すると、消去用トランジスタ80509がオンして、駆動用トランジスタのゲートと第1電極を同電位にすることができる。つまり、駆動用トランジスタ80502のVgsを0Vにすることができる。こうして、駆動用トランジスタ80502を強制的にオフすることができる。
しきい値電圧補正型と呼ばれる画素の構成及び動作について説明する。しきい値電圧補正型の画素は、デジタル時間階調駆動及びアナログ階調駆動に適用することができる。
図80は、しきい値電圧補正型と呼ばれる画素の構成の一例を示す図である。
図80に示す画素は、駆動用トランジスタ80600、第1のスイッチ80601、第2のスイッチ80602、第3のスイッチ80603、第1の容量素子80604、第2の容量素子80605及び発光素子80620を有している。駆動用トランジスタ80600のゲートは、第1の容量素子80604と第1のスイッチ80601とを順に介して信号線80611と接続されている。駆動用トランジスタ80600のゲートは、第2の容量素子80605を介して電源線80612と接続されている。駆動用トランジスタ80600の第1電極は、電源線80612と接続されている。駆動用トランジスタ80600の第2電極は、第3のスイッチ80603を介して発光素子80620の第1の電極と接続されている。駆動用トランジスタ80600の第2電極は、第2のスイッチ80602を介して駆動用トランジスタ80600のゲートと接続されている。発光素子80620の第2の電極は、共通電極80621に相当する。
発光素子80620の第2の電極には低電源電位が設定されている。なお、低電源電位とは、電源線80612に設定される高電源電位を基準にして低電源電位<高電源電位を満たす電位であり、低電源電位としては例えばGND、0Vなどが設定されていても良い。この高電源電位と低電源電位との電位差を発光素子80620に印加して、発光素子80620に電流を流して発光素子80620を発光させるため、高電源電位と低電源電位との電位差が発光素子80620の順方向しきい値電圧以上となるようにそれぞれの電位を設定する。なお、第2の容量素子80605は駆動用トランジスタ80600のゲート容量を代用して省略することも可能である。駆動用トランジスタ80600のゲート容量については、ソース領域、ドレイン領域又はLDD領域などとゲート電極とが重なってオーバーラップしているような領域で容量が形成されていてもよいし、チャネル領域とゲート電極との間で容量が形成されていてもよい。なお、第1のスイッチ80601、第2のスイッチ80602、第3のスイッチ80603は、それぞれ第1の走査線80613、第2の走査線80614、第3の走査線80614によってオンとオフが制御される。
図80に示す画素の駆動方法について、動作期間を初期化期間、データ書き込み期間、しきい値取得期間、発光期間に分割して説明する。
初期化期間では、第2のスイッチ80602及び第3のスイッチ80603がオンする。そして、駆動用トランジスタ80600のゲートの電位が少なくとも電源線80612の電位よりも低くなる。このとき、第1のスイッチ80601は、オンしていても、オフしていてもよい。なお、初期化期間は必ずしも必要ではない。
しきい値取得期間では、第1の走査線80613によって画素が選択される。つまり、第1のスイッチ80601がオンし、信号線80611からある一定電圧が入力される。このとき、第2のスイッチ80602がオンし、第3のスイッチ80603がオフしている。したがって、駆動用トランジスタ80600はダイオード接続され、駆動用トランジスタ80600の第2電極及びゲートが浮遊状態(フローティング状態)となる。そして、駆動用トランジスタ80600のゲートの電位は、電源線80612の電位から駆動用トランジスタ80600のしきい値電圧を引いた値となる。よって、第1の容量素子80604には駆動用トランジスタ80600のしきい値電圧が保持される。第2の容量素子80605には、駆動用トランジスタ80600のゲートの電位と信号線80611から入力されている一定電圧との電位差が保持される。
データ書き込み期間では、信号線80611からビデオ信号(電圧)が入力される。このとき、第1のスイッチ80601はオンのままであり、第2のスイッチ80602はオフし、第3のスイッチ80603がオフのままである。そして、駆動用トランジスタ80600のゲートは浮遊状態(フローティング状態)となっているので、駆動用トランジスタ80600のゲートの電位は、しきい値取得期間において信号線80611入力される一定電圧と、データ書き込み期間において信号線80611入力されるビデオ信号との電位差に応じて変化する。例えば、第1の容量素子80604の容量値<<第2の容量素子80605の容量値であれば、データ書き込み期間における駆動用トランジスタ80600のゲートの電位は、しきい値取得期間における信号線80611の電位とデータ書込み期間における信号線80611の電位と電位差(変化量)と、電源線80612の電位から駆動用トランジスタ80600のしきい値電圧を引いた値との和とおおむね等しくなる。つまり、駆動用トランジスタ80600のゲートの電位は、駆動用トランジスタ80600のしきい値電圧を補正した電位となる。
発光期間では、駆動用トランジスタ80600のゲートと電源線80612との電位差(Vgs)に応じた電流が発光素子80620に流れる。このとき、第1のスイッチ80601がオフし、第2のスイッチ80602がオフのままであり、第3のスイッチ80603がオンする。なお、発光素子80620に流れる電流は、駆動用トランジスタ80600のしきい値電圧によらず一定である。
なお、図80に示す画素構成は、これに限定されない。例えば、図80に示す画素に新たにスイッチ、抵抗素子、容量素子、トランジスタ又は論理回路などを追加してもよい。例えば、第2のスイッチ80602をPチャネル型トランジスタ又はNチャネル型のトランジスタで構成し、第3のスイッチ80603を第2のスイッチ80602とは別の極性のトランジスタで構成し、第2のスイッチ80602及び第3のスイッチ80603を同じ走査線で制御してもよい。
電流入力型と呼ばれる画素の構成及び動作について説明する。電流入力正型の画素は、デジタル階調駆動及びアナログ階調駆動に適用することができる。
図81は、電流入力型と呼ばれる画素の構成の一例を示す図である。
図81に示す画素は、駆動用トランジスタ80700、第1のスイッチ80701、第2のスイッチ80702、第3のスイッチ80703、容量素子80704及び発光素子80730を有している。駆動用トランジスタ80700のゲートは、第2のスイッチ80702と第1のスイッチ80701とを順に介して信号線80711に接続されている。駆動用トランジスタ80700のゲートは、容量素子80704を介して電源線80712に接続されている。駆動用トランジスタ80700の第1電極は、電源線80712に接続されている。駆動用トランジスタ80700の第2電極は、第1のスイッチ80701を介して電源線80712に接続されている。駆動用トランジスタ80700の第2電極は、第3のスイッチ80703を介して発光素子80730の第1の電極に接続されている。発光素子80730の第2の電極は、共通電極80731に相当する。
発光素子80730の第2の電極には低電源電位が設定されている。なお、低電源電位とは、電源線80712に設定される高電源電位を基準にして低電源電位<高電源電位を満たす電位であり、低電源電位としては例えばGND、0Vなどが設定されていても良い。この高電源電位と低電源電位との電位差を発光素子80730に印加して、発光素子80730に電流を流して発光素子80730を発光させるため、高電源電位と低電源電位との電位差が発光素子80730の順方向しきい値電圧以上となるようにそれぞれの電位を設定する。なお、容量素子80704は駆動用トランジスタ80700のゲート容量を代用して省略することも可能である。駆動用トランジスタ80700のゲート容量については、ソース領域、ドレイン領域又はLDD領域などとゲート電極とが重なってオーバーラップしているような領域で容量が形成されていてもよいし、チャネル領域とゲート電極との間で容量が形成されていてもよい。なお、第1のスイッチ80701、第2のスイッチ80702、第3のスイッチ80703は、それぞれ第1の走査線80713、第2の走査線80714、第3の走査線80734によってオンとオフが制御される。
図81に示す画素の駆動方法について、動作期間をデータ書き込み期間、発光期間に分割して説明する。
データ書き込み期間では、第1の走査線80713によって画素が選択される。つまり、第1のスイッチ80701がオンし、信号線80711からビデオ信号として電流が入力される。このとき、第2のスイッチ80702がオンし、第3のスイッチ80703がオフする。したがって、駆動用トランジスタ80700のゲートの電位は、ビデオ信号に応じた電位となる。つまり、容量素子80704には、駆動用トランジスタ80700がビデオ信号と同じ電流を流すような駆動用トランジスタ80700のゲート電極とソース電極との間の電圧が保持される。
次に、発光期間では、第1のスイッチ80701及び第2のスイッチ80702がオフし、第3のスイッチ80703がオンする。したがって、発光素子80730にはビデオ信号と同じ値の電流が流れる。
なお、図81に示す画素構成は、これに限定されない。例えば、図81に示す画素に新たにスイッチ、抵抗素子、容量素子、トランジスタ又は論理回路などを追加してもよい。例えば、第1のスイッチ80701をPチャネル型トランジスタ又はNチャネル型トランジスタで構成し、第2のスイッチ80702を第1のスイッチ80701と同じ極性のトランジスタで構成し、第1のスイッチ80701及び第2のスイッチ80702を同じ走査線で制御してもよい。第2のスイッチ80702は駆動用トランジスタ80700のゲートと信号線80711との間に配置されていてもよい。
なお、本実施の形態において、様々な図を用いて述べてきたが、各々の図で述べた内容(一部でもよい)は、別の図で述べた内容(一部でもよい)に対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことが出来る。さらに、これまでに述べた図において、各々の部分に関して、別の部分を組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることが出来る。
同様に、本実施の形態の各々の図で述べた内容(一部でもよい)は、別の実施の形態の図で述べた内容(一部でもよい)対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことが出来る。さらに、本実施の形態の図において、各々の部分に関して、別の実施の形態の部分を組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることが出来る。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態で述べた内容(一部でもよい)を、具現化した場合の一例、少し変形した場合の一例、一部を変更した場合の一例、改良した場合の一例、詳細に述べた場合の一例、応用した場合の一例、関連がある部分についての一例などを示している。したがって、他の実施の形態で述べた内容は、本実施の形態への適用、組み合わせ、又は置き換えを自由に行うことができる。
(実施の形態16)
本実施形態においては、表示装置の画素構造について説明する。特に、有機EL素子を用いた表示装置の画素構造について説明する。
図82(A)は、1つの画素に2つのトランジスタを有する画素の上面図(レイアウト図)の一例である。図82(B)は、図82(A)に示すX−X’の部分の断面図の一例である。
図82(A)は、第1のトランジスタ60105、第1の配線60106、第2の配線60107、第2のトランジスタ60108、第3の配線60111、対向電極60112、コンデンサ60113、画素電極60115、隔壁60116、有機導電体膜60117、有機薄膜60118及び基板60119を示している。なお、第1のトランジスタ60105はスイッチング用トランジスタとして、第1の配線60106はゲート信号線として、第2の配線60107はソース信号線として、第2のトランジスタ60108は駆動用トランジスタとして、第3の配線60111は電流供給線として、それぞれ用いられるのが好適である。
第1のトランジスタ60105のゲート電極は、第1の配線60106と電気的に接続され、第1のトランジスタ60105のソース電極及びドレイン電極の一方は、第2の配線60107と電気的に接続され、第1のトランジスタ60105のソース電極及びドレイン電極の他方は、第2のトランジスタ60108のゲート電極及びコンデンサ60113の一方の電極と電気的に接続されている。なお、第1のトランジスタ60105のゲート電極は、複数のゲート電極によって構成されている。こうすることで、第1のトランジスタ60105のオフ状態におけるリーク電流を低減することができる。
第2のトランジスタ60108のソース電極及びドレイン電極の一方は、第3の配線60111と電気的に接続され、第2のトランジスタ60108のソース電極及びドレイン電極の他方は、画素電極60115と電気的に接続されている。こうすることで、画素電極60115に流れる電流を、第2のトランジスタ60108によって制御することができる。
画素電極60115上には、有機導電体膜60117が設けられ、さらに有機薄膜60118(有機化合物層)が設けられている。有機薄膜60118(有機化合物層)上には、対向電極60112が設けられている。なお、対向電極60112は、全ての画素で共通に接続されるように、一面に形成されていてもよく、シャドーマスクなどを用いてパターン形成されていてもよい。
有機薄膜60118(有機化合物層)から発せられた光は、画素電極60115又は対向電極60112のうちいずれかを透過して発せられる。
図82(B)において、画素電極側、すなわちトランジスタ等が形成されている側に光が発せられる場合を下面放射、対向電極側に光が発せられる場合を上面放射と呼ぶ。
下面放射の場合、画素電極60115は透明導電膜によって形成されるのが好適である。逆に、上面放射の場合、対向電極60112は透明導電膜によって形成されるのが好適である。
カラー表示の発光装置においては、R,G,Bそれぞれの発光色を持つEL素子を塗り分けても良いし、単色のEL素子を一面に塗り、カラーフィルタによってR,G,Bの発光を得るようにしても良い。
なお、図82に示した構成はあくまで一例であり、画素レイアウト、断面構成、EL素子の電極の積層順等に関して、図82に示した構成以外にも、様々な構成をとることができる。また、発光層は、図示した有機薄膜で構成される素子の他に、LEDのような結晶性の素子、無機薄膜で構成される素子など、様々な素子を用いることができる。
図83(A)は、1つの画素に3つのトランジスタを有する画素の上面図(レイアウト図)の一例である。図83(B)は、図83(A) に示すX−X’の部分の断面図の一例である。
図83(A)は、基板60200、第1の配線60201、第2の配線60202、第3の配線60203、第4の配線60204、第1のトランジスタ60205、第2のトランジスタ60206、第3のトランジスタ60207、画素電極60208、隔壁60211、有機導電体膜60212、有機薄膜60213及び対向電極60214を示す。なお、第1の配線60201はソース信号線として、第2の配線60202は書込用ゲート信号線として、第3の配線60203は消去用ゲート信号線として、第4の配線60204は電流供給線として、第1のトランジスタ60205はスイッチング用トランジスタとして、第2のトランジスタ60206は消去用トランジスタとして、第3のトランジスタ60207は駆動用トランジスタとして、それぞれ用いられるのが好適である。
第1のトランジスタ60205のゲート電極は、第2の配線60202と電気的に接続され、第1のトランジスタ60205のソース電極及びドレイン電極の一方は、第1の配線60201と電気的に接続され、第1のトランジスタ60205のソース電極及びドレイン電極の他方は、第3のトランジスタ60207のゲート電極と電気的に接続されている。なお、第1のトランジスタ60205のゲート電極は、複数のゲート電極によって構成されている。こうすることで、第1のトランジスタ60205のオフ状態におけるリーク電流を低減することができる。
第2のトランジスタ60206のゲート電極は、第3の配線60203と電気的に接続され、第2のトランジスタ60206のソース電極及びドレイン電極の一方は、第4の配線60204と電気的に接続され、第2のトランジスタ60206のソース電極及びドレイン電極の他方は、第3のトランジスタ60207のゲート電極と電気的に接続されている。なお、第2のトランジスタ60206のゲート電極は、複数のゲート電極によって構成されている。こうすることで、第2のトランジスタ60206のオフ状態におけるリーク電流を低減することができる。
第3のトランジスタ60207のソース電極及びドレイン電極の一方は、第4の配線60204と電気的に接続され、第3のトランジスタ60207のソース電極及びドレイン電極の他方は、画素電極60208と電気的に接続されている。こうすることで、画素電極60208に流れる電流を、第3のトランジスタ60207によって制御することができる。
画素電極60208上には、有機導電体膜60212が設けられ、さらに有機薄膜60213(有機化合物層)が設けられている。有機薄膜60213(有機化合物層)上には、対向電極60214が設けられている。なお、対向電極60214は、全ての画素で共通に接続されるように、一面に形成されていてもよく、シャドーマスクなどを用いてパターン形成されていてもよい。
有機薄膜60213(有機化合物層)から発せられた光は、画素電極60208もしくは対向電極60214のうちいずれかを透過して発せられる。
図83(B)において、画素電極側、すなわちトランジスタ等が形成されている側に光が発せられる場合を下面放射、対向電極側に光が発せられる場合を上面放射と呼ぶ。
下面放射の場合、画素電極60208は透明導電膜によって形成されるのが好適である。逆に、上面放射の場合、対向電極60214は透明導電膜によって形成されるのが好適である。
カラー表示の発光装置においては、R,G,Bそれぞれの発光色を持つEL素子を塗り分けても良いし、単色のEL素子を一面に塗り、カラーフィルタによってR,G,Bの発光を得るようにしても良い。
なお、図83に示した構成はあくまで一例であり、画素レイアウト、断面構成、EL素子の電極の積層順等に関して、図83に示した構成以外にも、様々な構成をとることができる。また、発光層は、図示した有機薄膜で構成される素子の他に、LEDのような結晶性の素子、無機薄膜で構成される素子など、様々な素子を用いることができる。
図84(A)は、1つの画素に4つのトランジスタを有する画素の上面図(レイアウト図)の一例である。図84(B)は、図84(A) に示すX−X’の部分の断面図の一例である。
図84(A)は、基板60300、第1の配線60301、第2の配線60302、第3の配線60303、第4の配線60304、第1のトランジスタ60305、第2のトランジスタ60306、第3のトランジスタ60307、第4のトランジスタ60308、画素電極60309、第5の配線60311、第6の配線60312、隔壁60321、有機導電体膜60322、有機薄膜60323及び対向電極60324を示している。なお、第1の配線60301はソース信号線として、第2の配線60302は書込用ゲート信号線として、第3の配線60303は消去用ゲート信号線として、第4の配線60304は逆方向バイアス用信号線として、第1のトランジスタ60305はスイッチング用トランジスタとして、第2のトランジスタ60306は消去用トランジスタとして、第3のトランジスタ60307は駆動用トランジスタとして、第4のトランジスタ60308は逆方向バイアス用トランジスタとして、第5の配線60311は電流供給線として、第6の配線60312は逆方向バイアス用電源線として、それぞれ用いられるのが好適である。
第1のトランジスタ60305のゲート電極は、第2の配線60302と電気的に接続され、第1のトランジスタ60305のソース電極及びドレイン電極の一方は、第1の配線60301と電気的に接続され、第1のトランジスタ60305のソース電極及びドレイン電極の他方は、第3のトランジスタ60307のゲート電極と電気的に接続されている。なお、第1のトランジスタ60305のゲート電極は、複数のゲート電極によって構成されている。こうすることで、第1のトランジスタ60305のオフ状態におけるリーク電流を低減することができる。
第2のトランジスタ60306のゲート電極は、第3の配線60303と電気的に接続され、第2のトランジスタ60306のソース電極及びドレイン電極の一方は、第5の配線60311と電気的に接続され、第2のトランジスタ60306のソース電極及びドレイン電極の他方は、第3のトランジスタ60307のゲート電極と電気的に接続されている。なお、第2のトランジスタ60306のゲート電極は、複数のゲート電極によって構成されている。こうすることで、第2のトランジスタ60306のオフ状態におけるリーク電流を低減することができる。
第3のトランジスタ60307のソース電極及びドレイン電極の一方は、第5の配線60311と電気的に接続され、第3のトランジスタ60307のソース電極及びドレイン電極の他方は、画素電極60309と電気的に接続されている。こうすることで、画素電極60309に流れる電流を、第3のトランジスタ60307によって制御することができる。
第4のトランジスタ60308のゲート電極は、第4の配線60304と電気的に接続され、第4のトランジスタ60308のソース電極及びドレイン電極の一方は、第6の配線60312と電気的に接続され、第4のトランジスタ60308のソース電極及びドレイン電極の他方は、画素電極60309と電気的に接続されている。こうすることで、画素電極60309の電位を、第4のトランジスタ60308によって制御することができるので、有機導電体膜60322及び有機薄膜60323に、逆方向のバイアスを印加することができる。有機導電体膜60322及び有機薄膜60323などで構成される発光素子に逆方向のバイアスを印加することによって、発光素子の信頼性を大きく向上させることができる。
画素電極60309上には、有機導電体膜60322が設けられ、さらに有機薄膜60323(有機化合物層)が設けられている。有機薄膜60323(有機化合物層)上には、対向電極60324が設けられている。なお、対向電極60324は、全ての画素で共通に接続されるように、一面に形成されていてもよく、シャドーマスクなどを用いてパターン形成されていてもよい。
有機薄膜60323(有機化合物層)から発せられた光は、画素電極60309もしくは対向電極60324のうちいずれかを透過して発せられる。
図84(B)において、画素電極側、すなわちトランジスタ等が形成されている側に光が発せられる場合を下面放射、対向電極側に光が発せられる場合を上面放射と呼ぶ。
下面放射の場合、画素電極60309は透明導電膜によって形成されるのが好適である。逆に、上面放射の場合、対向電極60324は透明導電膜によって形成されるのが好適である。
カラー表示の発光装置においては、R,G,Bそれぞれの発光色を持つEL素子を塗り分けても良いし、単色のEL素子を一面に塗り、カラーフィルタによってR,G,Bの発光を得るようにしても良い。
なお、図84に示した構成はあくまで一例であり、画素レイアウト、断面構成、EL素子の電極の積層順等に関して、図84に示した構成以外にも、様々な構成をとることができる。また、発光層は、図示した有機薄膜で構成される素子の他に、LEDのような結晶性の素子、無機薄膜で構成される素子など、様々な素子を用いることができる。
なお、本実施の形態において、様々な図を用いて述べてきたが、各々の図で述べた内容(一部でもよい)は、別の図で述べた内容(一部でもよい)に対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことが出来る。さらに、これまでに述べた図において、各々の部分に関して、別の部分を組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることが出来る。
同様に、本実施の形態の各々の図で述べた内容(一部でもよい)は、別の実施の形態の図で述べた内容(一部でもよい)対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことが出来る。さらに、本実施の形態の図において、各々の部分に関して、別の実施の形態の部分を組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることが出来る。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態で述べた内容(一部でもよい)を、具現化した場合の一例、少し変形した場合の一例、一部を変更した場合の一例、改良した場合の一例、詳細に述べた場合の一例、応用した場合の一例、関連がある部分についての一例などを示している。したがって、他の実施の形態で述べた内容は、本実施の形態への適用、組み合わせ、又は置き換えを自由に行うことができる。
(実施の形態17)
本実施の形態においては、EL素子の構造について説明する。特に、有機EL素子の構造について説明する。
混合接合型のEL素子の構成について説明する。その一例として、正孔注入材料からなる正孔注入層、正孔輸送材料からなる正孔輸送層、発光材料からなる発光層、電子輸送材料からなる電子輸送層、電子注入材料からなる電子注入層等が、明確に区別されるような積層構造ではなく、正孔注入材料、正孔輸送材料、発光材料、電子輸送材料、電子注入材料等の材料のうち、複数の材料が混合された層(混合層)を有する構成(以下、混合接合型のEL素子と表記する)について説明する。
図85(A)、(B)、(C)及び(D)は、混合接合型のEL素子の構造を示す模式図である。なお、陽極190101と陰極190102の間に挟まれた層が、EL層に相当する。
図85(A)に、EL層が正孔輸送材料からなる正孔輸送領域190103と、電子輸送材料からなる電子輸送領域190104とを含み、正孔輸送領域190103は電子輸送領域190104よりも陽極側に位置し、且つ、正孔輸送領域190103と、電子輸送領域190104の間に、正孔輸送材料及び電子輸送材料の両方を含む混合領域190105が設けられた構成を示す。
なお、陽極190101から陰極190102の方向に、混合領域190105内の正孔輸送材料の濃度が減少し、混合領域190105内の電子輸送材料の濃度が増加することを特徴とする。
なお、濃度勾配の設定の仕方は、自由に設定することが可能である。例えば、正孔輸送材料のみからなる正孔輸送領域190103が存在せず、正孔輸送材料及び電子輸送材料の両方を含む混合領域190105内部で各機能材料の濃度の割合が変化する(濃度勾配を有する)構成であってもよい。あるいは、正孔輸送材料のみからなる正孔輸送領域190103及び電子輸送材料のみからなる電子輸送領域190104が存在せず、正孔輸送材料及び電子輸送材料の両方を含む混合領域190105内部で各機能材料の濃度の割合が変化する(濃度勾配を有する)構成であってもよい。あるいは、濃度の割合は、陽極又は陰極からの距離に依存して変化する構成であってもよい。なお、濃度の割合の変化は連続的であってもよい。
混合領域190105内に、発光材料が添加された領域190106を有する。発光材料によって、EL素子の発光色を制御することができる。発光材料によって、キャリアをトラップすることができる。発光材料としては、キノリン骨格を含む金属錯体、ベンゾオキサドール骨格を含む金属錯体、ベンゾチアゾ−ル骨格を含む金属錯体等の他、各種蛍光色素を用いることができる。これらの発光材料を添加することによって、EL素子の発光色を制御することができる。
陽極190101としては、効率よく正孔を注入するため、仕事関数の大きな電極材料を用いることが好ましい。例えば、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)、ZnO、SnO2又はIn2O3等の透明電極を用いることができる。あるいは、透光性を有する必要が無いならば、陽極190101は、不透明の金属材料でもよい。
正孔輸送材料としては、芳香族アミン系の化合物等を用いることができる。
電子輸送材料としては、キノリン誘導体、8−キノリノール又はその誘導体を配位子とする金属錯体(特に、トリス(8−キノリノライト)アルミニウム(Alq3))等を用いることができる。
陰極190102としては、効率よく電子を注入するため、仕事関数の小さな電極材料を用いることが好ましい。アルミニウム、インジウム、マグネシウム、銀、カルシウム、バリウム、リチウム等の金属を単体で用いることができる。あるいは、これらの金属の合金であっても良いし、これらの金属と他の金属との合金であっても良い。
図85(A)とは異なる構成のEL素子の模式図を図85(B)に示す。なお、図85(A)と同じ部分は同じ符号を用いて示し、説明は省略する。
図85(B)では、発光材料が添加された領域を有さない。しかし、電子輸送領域190104に添加する材料として、電子輸送性及び発光性の両方を有する材料(電子輸送発光材料)、例えば、トリス(8−キノリノライト)アルミニウム(Alq3)を用いる構成とし、発光を行うことができる。
あるいは、正孔輸送領域190103に添加する材料として、正孔輸送性及び発光性の両方を有する材料(正孔輸送発光材料)を用いてもよい。
図85(A)及び図85(B)とは異なる構成のEL素子の模式図を図85(C)に示す。なお、図85(A)及び図85(B)と同じ部分は同じ符号を用いて示し、説明は省略する。
図85(C)において、正孔輸送材料に比べて最高被占分子軌道と最低被占分子軌道とのエネルギー差が大きい正孔ブロッキング性材料が、混合領域190105内に添加された領域190107を有する。正孔ブロッキング性材料が添加された領域190107を、混合領域190105内の発光材料が添加された領域190106より陰極190102側に配置することによって、キャリアの再結合率を上げ、発光効率を上げることができる。上記、正孔ブロッキング性材料が添加された領域190107を設ける構成は、特に、三重光励起子のよる発光(燐光)を利用するEL素子において有効である。
図85(A)、図85(B)及び図85(C)とは異なる構成のEL素子の模式図を図85(D)に示す。なお、図85(A)、図85(B)及び図85(C)と同じ部分は同じ符号を用いて示し、説明は省略する。
図85(D)において、電子輸送材料に比べて最高被占分子軌道と最低被占分子軌道とのエネルギー差が大きい電子ブロッキング性材料が、混合領域190105内に添加された領域190108を有する。電子ブロッキング性材料が添加された領域190108を、混合領域190105内の発光材料が添加された領域190106より陽極190101側に配置することによって、キャリアの再結合率を上げ、発光効率を上げることができる。上記、電子ブロッキング性材料が添加された領域190108を設ける構成は、特に、三重光励起子のよる発光(燐光)を利用するEL素子において有効である。
図85(E)は、図85(A)、図85(B)、図85(C)及び図85(D)とは異なる混合接合型のEL素子の構成を示す模式図である。図85(E)では、EL素子の電極に接するEL層の部分に、金属材料を添加した領域190109を有する構成の例を示す。図85(E)において、図85(A)〜図85(D)と同じ部分は同じ符号を用いて示し説明は省略する。図85(E)に示す構成は、たとえば、陰極190102としてMgAg(Mg―Ag合金)を用い、電子輸送材料が添加された電子輸送領域190104の、陰極190102に接する領域にAl(アルミニウム)合金を添加した領域190109を有する構成であってもよい。上記構成によって、陰極の酸化を防止し、且つ、陰極からの電子の注入効率を高めることができる。こうして、混合接合型のEL素子では、その寿命を長くすることができる。駆動電圧も低くすることができる。
上記混合接合型のEL素子を作製する手法としては、共蒸着法等を用いることができる。
図85(A)〜図85(E)に示したような混合接合型のEL素子では、明確な層の界面が存在せず、電荷の蓄積を低減することができる。こうして、その寿命を長くすることができる。駆動電圧も低くすることができる。
なお、図85(A)〜図85(E)に示した構成は、自由に組み合わせて実施することが可能である。
なお、混合接合型のEL素子の構成は、これに限定されない。公知の構成を自由に用いることができる。
なお、EL素子のEL層を構成する有機材料としては、低分子材料でも高分子材料でもよい。あるいは、これらの材料を両方用いてもよい。有機化合物材料として低分子材料を用いる場合は、蒸着法によって成膜することができる。一方、EL層として高分子材料を用いる場合では、高分子材料を溶媒に溶かし、スピン塗布法又はインクジェット方式で成膜することができる。
EL層は、中分子材料によって構成されていても良い。本明細書中において、中分子系有機発光材料とは、昇華性を有さず、かつ、重合度が20程度以下の有機発光材料を示すものとする。EL層として中分子材料を用いる場合では、インクジェット方式等で成膜することができる。
なお、低分子材料と、高分子材料と、中分子材料とを組み合わせて用いても良い。
EL素子は、一重項励起子からの発光(蛍光)を利用するものでも、三重項励起子からの発光(燐光)を利用するものでも、どちらでも良い。
次に、表示装置を製造するための蒸着装置について、図面を参照して説明する。
表示装置は、EL層を形成して製造されてもよい。EL層は、エレクトロルミネセンスを発現する材料を少なくとも一部に含んで形成される。EL層は機能の異なる複数の層で構成されても良い。その場合、EL層は、正孔注入輸送層、発光層、電子注入輸送層などとも呼ばれる機能の異なる層が組み合わさって構成されていてもよい。
トランジスタが形成された素子基板に、EL層を形成するための蒸着装置の構成を図86に示す。この蒸着装置は、搬送室190260、190261に複数の処理室を連結している。処理室には、基板を供給するロード室190262、基板を回収するアンロード室190263、その他、加熱処理室190268、プラズマ処理室190272、EL材料を蒸着する成膜処理室190269〜190275、EL素子の一方の電極として、アルミニウム若しくはアルミニウムを主成分とする導電膜を形成する成膜処理室190276を含んでいる。搬送室と各処理室の間にはゲートバルブ190277a〜190277mが設けられていて、各処理室の圧力は独立して制御可能とされており、処理室間の相互汚染を防いでいる。
ロード室190262から搬送室190260に導入された基板は、回転自在に設けられたアーム方式の搬送手段190266により、所定の処理室へ搬入される。基板は搬送手段190266により、ある処理室から他の処理室へ搬送される。搬送室190260と搬送室190261とは成膜処理室190270で連結され、ここで搬送手段190266と搬送手段190267により基板の受け渡しが行う。
搬送室190260及び搬送室190261に連結する各処理室は減圧状態に保持されている。従って、この蒸着装置では、基板は大気に触れることなく連続してEL層の成膜処理が行われる。EL層の成膜処理が終わった表示パネルは、水蒸気などにより劣化する場合があるので、この蒸着装置では、品質を保持するために大気に触れさせる前に封止処理を行うための封止処理室190265が搬送室190261に連結されている。封止処理室190265は大気圧若しくはそれに近い減圧下におかれているので、搬送室190261と封止処理室190265の間にも中間処理室190264が備えられている。中間処理室190264は基板の受け渡しと、室間の圧力を緩衝するために設けられている。
ロード室、アンロード室、搬送室及び成膜処理室には室内を減圧に保持するための排気手段が備えられている。排気手段としては、ドライポンプ、ターボ分子ポンプ、拡散ポンプなど各種の真空ポンプを用いることができる。
図86の蒸着装置において、搬送室190260及び搬送室190261に連結される処理室の数及びその構成は、EL素子の積層構造に応じて適宜組み合わせることができる。以下に、その組み合わせの一例を示す。
加熱処理室190268は、最初に下部電極又は絶縁隔壁等が形成された基板を加熱して脱ガス処理を行う。プラズマ処理室190272は、下地電極表面を希ガス又は酸素プラズマ処理を行う。このプラズマ処理は、表面を清浄化、表面状態の安定化、表面の物理的若しくは化学的状態(例えば、仕事関数など)を安定化させるために行う。
成膜処理室190269は、EL素子の一方の電極と接触する電極バッファ層を形成する処理室である。電極バッファ層はキャリア注入性(正孔注入若しくは電子注入)があり、EL素子の短絡又は暗点欠陥の発生を抑制する層である。代表的には、電極バッファ層は、有機無機混合材料であって、抵抗率が5×104〜1×106Ωcmであり、30〜300nmの厚さに形成される。なお、成膜室190271は正孔輸送層を成膜する処理室である。
EL素子における発光層は、単色発光をする場合と白色発光をする場合とで、その構成が異なる。蒸着装置において成膜処理室もそれに応じて配置することが好ましい。例えば、表示パネルに発光色が異なる三種類のEL素子を形成する場合には、各発光色に対応した発光層を成膜する必要がある。この場合、成膜処理室190270を第1の発光層の成膜用として、成膜処理室190273を第2の発光層の成膜用として、成膜処理室190274を第3の発光層の成膜用として用いることができる。発光層ごとに成膜処理室を分けることで、異なる発光材料による相互汚染を防止することが出来、成膜処理のスループットを向上させることが出来る。
なお、成膜処理室190270、成膜処理室190273、成膜処理室190274のそれそれで、発光色が異なる三種類のEL材料を順次蒸着しても良い。この場合、シャドーマスクを使い、蒸着する領域に応じて当該マスクをずらして蒸着を行うことになる。
白色発光するEL素子を形成する場合には、異なる発光色の発光層を縦積みにして形成する。その場合にも、素子基板が成膜処理室を順次移動して、発光層ごとに成膜することができる。あるいは、同じ成膜処理室で異なる発光層を連続して成膜することもできる。
成膜処理室190276では、EL層の上に電極を成膜する。電極の形成は、電子ビーム蒸着法又はスパッタリング法を適用することもできるが、好ましくは抵抗加熱蒸着法を用いることが好ましい。
電極の形成まで終了した素子基板は、中間処理室190264を経て封止処理室190265に搬入される。封止処理室190265は、ヘリウム、アルゴン、ネオン、若しくは窒素などの不活性な気体が充填されており、その雰囲気下で素子基板のEL層が形成された側に封止板を貼り付けて封止する。封止された状態において、素子基板と封止板との間には、不活性気体が充填されていても良いし、樹脂材料を充填しておいても良い。封止処理室190265には、シール材を描画するディスペンサ、又は素子基板に対向して封止板を固定する固定ステージ又はアームなどの機械的要素、樹脂材料を充填するディスペンサ若しくはスピンコーターなどが備えられている。
図87は、成膜処理室の内部構成を示す。成膜処理室は減圧下に保たれていて、図87では天板190391と底板190392で挟まれる内側が室内であり、減圧状態に保たれる室内を示している。
処理室内には、一つ又は複数個の蒸発源が備えられている。組成の異なる複数の層を成膜する場合、又は異なる材料を共蒸着する場合は、複数個の蒸発源を設けることが好ましいからである。図87では、蒸発源190381a、190381b、190381cが蒸発源ホルダ190380に装着されている。蒸発源ホルダ190380は多関節アーム190383によって保持されている。多関節アーム190383は関節の伸縮によって、蒸発源ホルダ190380の位置をその可動範囲内で自在に移動可能としている。あるいは、蒸発源ホルダ190380に距離センサ190382を設け、蒸発源190381a〜190381cと基板190389との間隔をモニタして、蒸着時における最適な間隔を制御しても良い。その場合には、多関節アームに上下方向(Z方向)にも変位する多関節アームとしても良い。
基板ステージ190386と基板チャック190387は一対となって基板190389を固定する。基板ステージ190386はヒータを内蔵させて基板190389を加熱できるように構成しても良い。基板190389は、基板チャック190387の禁緩により、基板ステージ190386に固定されまた搬出入される。蒸着に際しては、必要に応じて蒸着するパターンに対応して開口部を備えたシャドーマスク190390を用いることもできる。その場合、シャドーマスク190390は、基板190389と蒸発源190381a〜190381cの間に配置されるようにする。シャドーマスク190390はマスクチャック190388により、基板190389と密着若しくは一定の間隔を持って固定される。シャドーマスク190390のアライメントが必要な場合には、処理室内にカメラを配置し、マスクチャック190388にX−Y−θ方向に微動する位置決め手段を備えることで、その位置合わせを行う。
蒸発源190381には、蒸着材料を蒸発源に連続して供給する蒸着材料供給手段が付加されている。蒸着材料供給手段は、蒸発源190381と離れた位置に配置される材料供給源190385a、190385b、190385cと、その両者の間を繋ぐ材料供給管190384を有している。典型的には、材料供給源190385a、190385b、190385cは蒸発源190381に対応して設けられている。図87の場合は、材料供給源190385aと蒸発源190381aが対応している。材料供給源190385bと蒸発源190381b、材料供給源190385cと蒸発源190381cについても同様である。
蒸着材料の供給方式には、気流搬送方式、エアロゾル方式などが適用できる。気流搬送方式は、蒸着材料の微粉末を気流に乗せて搬送するもので、不活性ガスなどを用いて蒸発源190381に搬送する。エアロゾル方式は、蒸着材料を溶剤中に溶解又は分散させた原料液を搬送し、噴霧器によりエアロゾル化し、エアロゾル中の溶媒を気化させながら行う蒸着である。いずれの場合にも、蒸発源190381には加熱手段が設けられ、搬送された蒸着材料を蒸発させて基板190389に成膜する。図87の場合、材料供給管190384は柔軟に曲げることができ、減圧状態下においても変形しない程度の剛性を持った細管で構成されている。
気流搬送方式又はエアロゾル方式を適用する場合には、成膜処理室内を大気圧若しくはそれ以下であって、好ましくは133Pa〜13300Paの減圧下で成膜を行えば良い。成膜処理室内にはヘリウム、アルゴン、ネオン、クリプトン、キセノン、若しくは窒素などの不活性気体を充填し、又は当該気体を供給しながら(同時に排気しながら)、圧力の調節を行うことができる。なお、酸化膜を形成する成膜処理室では、酸素、亜酸化窒素などの気体を導入して酸化雰囲気としておいても良い。あるいは、有機材料を蒸着する成膜処理室内には水素などの気体を導入して還元雰囲気にしておいても良い。
その他の蒸着材料の供給方法として、材料供給管190384の中にスクリューを設け蒸着材料を蒸発源に向けて連続的に押し出す構成としても良い。
この蒸着装置によれば、大画面の表示パネルであっても、均一性良く、連続して成膜することができる。蒸発源に蒸着材料が無くなる度に、その都度蒸着材料を補給する必要がないので、スループットを向上することができる。
なお、本実施の形態において、様々な図を用いて述べてきたが、各々の図で述べた内容(一部でもよい)は、別の図で述べた内容(一部でもよい)に対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことが出来る。さらに、これまでに述べた図において、各々の部分に関して、別の部分を組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることが出来る。
同様に、本実施の形態の各々の図で述べた内容(一部でもよい)は、別の実施の形態の図で述べた内容(一部でもよい)対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことが出来る。さらに、本実施の形態の図において、各々の部分に関して、別の実施の形態の部分を組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることが出来る。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態で述べた内容(一部でもよい)を、具現化した場合の一例、少し変形した場合の一例、一部を変更した場合の一例、改良した場合の一例、詳細に述べた場合の一例、応用した場合の一例、関連がある部分についての一例などを示している。したがって、他の実施の形態で述べた内容は、本実施の形態への適用、組み合わせ、又は置き換えを自由に行うことができる。
(実施の形態18)
本実施の形態においては、EL素子の構造について説明する。特に、無機EL素子の構造について説明する。
無機EL素子は、その素子構成により、分散型無機EL素子と薄膜型無機EL素子とに分類される。前者は、発光材料の粒子をバインダ中に分散させた電界発光層を有し、後者は、発光材料の薄膜からなる電界発光層を有している点に違いはあるが、高電界で加速された電子を必要とする点では共通である。なお、得られる発光のメカニズムとしては、ドナー準位とアクセプター準位を利用するドナー−アクセプター再結合型発光と、金属イオンの内殻電子遷移を利用する局在型発光とがある。一般的に、分散型無機ELではドナー−アクセプター再結合型発光、薄膜型無機EL素子では局在型発光である場合が多い。
発光材料は、母体材料と発光中心となる不純物元素とで構成される。含有させる不純物元素を変化させることで、様々な色の発光を得ることができる。発光材料の作製方法としては、固相法又は液相法(共沈法)などの様々な方法を用いることができる。あるいは、噴霧熱分解法、複分解法、プレカーサーの熱分解反応による方法、逆ミセル法又はこれらの方法と高温焼成を組み合わせた方法、凍結乾燥法などの液相法なども用いることができる。
固相法は、母体材料と、不純物元素又は不純物元素を含む化合物を秤量し、乳鉢で混合、電気炉で加熱、焼成を行い反応させ、母体材料に不純物元素を含有させる方法である。焼成温度は、700〜1500℃が好ましい。温度が低すぎる場合は固相反応が進まず、温度が高すぎる場合は母体材料が分解してしまうからである。なお、粉末状態で焼成を行ってもよいが、ペレット状態で焼成を行うことが好ましい。比較的高温での焼成を必要とするが、簡単な方法であるため、生産性がよく大量生産に適している。
液相法(共沈法)は、母体材料又は母体材料を含む化合物と、不純物元素又は不純物元素を含む化合物を溶液中で反応させ、乾燥させた後、焼成を行う方法である。発光材料の粒子が均一に分布し、粒径が小さく低い焼成温度でも反応が進むことができる。
発光材料に用いる母体材料としては、硫化物、酸化物、窒化物を用いることができる。硫化物としては、例えば、硫化亜鉛(ZnS)、硫化カドミウム(CdS)、硫化カルシウム(CaS)、硫化イットリウム(Y2S3)、硫化ガリウム(Ga2S3)、硫化ストロンチウム(SrS)、硫化バリウム(BaS)等を用いることができる。酸化物としては、例えば、酸化亜鉛(ZnO)、酸化イットリウム(Y2O3)等を用いることができる。窒化物としては、例えば、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ガリウム(GaN)、窒化インジウム(InN)等を用いることができる。さらに、セレン化亜鉛(ZnSe)、テルル化亜鉛(ZnTe)等も用いることができ、硫化カルシウム−ガリウム(CaGa2S4)、硫化ストロンチウム−ガリウム(SrGa2S4)、硫化バリウム−ガリウム(BaGa2S4)、等の3元系の混晶であってもよい。
局在型発光の発光中心として、マンガン(Mn)、銅(Cu)、サマリウム(Sm)、テルビウム(Tb)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、ユーロピウム(Eu)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)などを用いることができる。なお、電荷補償として、フッ素(F)、塩素(Cl)などのハロゲン元素が添加されていてもよい。
一方、ドナー−アクセプター再結合型発光の発光中心として、ドナー準位を形成する第1の不純物元素及びアクセプター準位を形成する第2の不純物元素を含む発光材料を用いることができる。第1の不純物元素は、例えば、フッ素(F)、塩素(Cl)、アルミニウム(Al)等を用いることができる。第2の不純物元素としては、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)等を用いることができる。
ドナー−アクセプター再結合型発光の発光材料を固相法を用いて合成する場合、母体材料と、第1の不純物元素又は第1の不純物元素を含む化合物と、第2の不純物元素又は第2の不純物元素を含む化合物をそれぞれ秤量し、乳鉢で混合した後、電気炉で加熱、焼成を行う。母体材料としては、上述した母体材料を用いることができ、第1の不純物元素又は第1の不純物元素を含む化合物としては、例えば、フッ素(F)、塩素(Cl)、硫化アルミニウム(Al2S3)等を用いることができ、第2の不純物元素又は第2の不純物元素を含む化合物としては、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、硫化銅(Cu2S)、硫化銀(Ag2S)等を用いることができる。焼成温度は、700〜1500℃が好ましい。温度が低すぎる場合は固相反応が進まず、温度が高すぎる場合は母体材料が分解してしまうからである。なお、粉末状態で焼成を行ってもよいが、ペレット状態で焼成を行うことが好ましい。
固相反応を利用する場合の不純物元素として、第1の不純物元素と第2の不純物元素で構成される化合物を組み合わせて用いてもよい。この場合、不純物元素が拡散されやすく、固相反応が進みやすくなるため、均一な発光材料を得ることができる。さらに、余分な不純物元素が入らないため、純度の高い発光材料が得ることができる。第1の不純物元素と第2の不純物元素で構成される化合物としては、例えば、塩化銅(CuCl)、塩化銀(AgCl)等を用いることができる。
なお、これらの不純物元素の濃度は、母体材料に対して0.01〜10atom%であればよく、好ましくは0.05〜5atom%の範囲である。
薄膜型無機ELの場合、電界発光層は、上記発光材料を含む層であり、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着(EB蒸着)法等の真空蒸着法、スパッタリング法等の物理気相成長法(PVD)、有機金属CVD法、ハイドライド輸送減圧CVD法等の化学気相成長法(CVD)、原子層エピタキシ法(ALE)等を用いて形成することができる。
図88(A)乃至(C)に発光素子として用いることのできる薄膜型無機EL素子の一例を示す。図88(A)乃至(C)において、発光素子は、第1の電極層120100、電界発光層120102、第2の電極層120103を含む。
図88(B)及び図88(C)に示す発光素子は、図88(A)の発光素子において、電極層と電界発光層間に絶縁膜を設ける構造である。図88(B)に示す発光素子は、第1の電極層120100と電界発光層120102との間に絶縁膜120104を有し、図88(C)に示す発光素子は、第1の電極層120100と電界発光層120102との間に絶縁膜120105、第2の電極層120103と電界発光層120102との間に絶縁膜120106とを有している。このように絶縁膜は電界発光層を挟持する一対の電極層のうち一方の間にのみ設けてもよいし、両方の間に設けてもよい。絶縁膜は単層でもよいし複数層を有する積層でもよい。
なお、図88(B)では第1の電極層120100に接するように絶縁膜120104が設けられているが、絶縁膜と電界発光層の順番を逆にして、第2の電極層120103に接するように絶縁膜120104を設けてもよい。
分散型無機ELの場合、粒子状の発光材料をバインダ中に分散させ膜状の電界発光層を形成する。粒子状に加工する。発光材料の作製方法によって、十分に所望の大きさの粒子が得られない場合は、乳鉢等で粉砕などによって粒子状に加工すればよい。バインダとは、粒状の発光材料を分散した状態で固定し、電界発光層としての形状に保持するための物質である。発光材料は、バインダによって電界発光層中に均一に分散し固定される。
分散型無機ELの場合、電界発光層の形成方法は、選択的に電界発光層を形成できる液滴吐出法、印刷法(スクリーン印刷やオフセット印刷など)、又はスピンコート法などの塗布法、ディッピング法、ディスペンサ法などを用いることもできる。膜厚は特に限定されることはないが、好ましくは、10〜1000nmの範囲である。発光材料及びバインダを含む電界発光層において、発光材料の割合は50wt%以上80wt%以下とするよい。
図89(A)乃至(C)に発光素子として用いることのできる分散型無機EL素子の一例を示す。図89(A)における発光素子は、第1の電極層120200、電界発光層120202、第2の電極層120203の積層構造を有し、電界発光層120202中にバインダによって保持された発光材料120201を含む。
バインダは、絶縁材料を用いることができる。絶縁材料としては、有機材料及び無機材料を用いることができる。あるいは、有機材料及び無機材料の混合材料を用いてもよい。有機絶縁材料としては、シアノエチルセルロース系樹脂のように、比較的誘電率の高いポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン系樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、又はフッ化ビニリデンなどの樹脂を用いることができる。あるいは、芳香族ポリアミド、又はポリベンゾイミダゾール(polybenzimidazole)などの耐熱性高分子、又はシロキサン樹脂を用いてもよい。なお、シロキサン樹脂とは、Si−O−Si結合を含む樹脂に相当する。シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される。置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。置換基として、フルオロ基を用いてもよい。又は置換基として、少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを用いてもよい。あるいは、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラールなどのビニル樹脂、フェノール樹脂、ノボラック樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、オキサゾール樹脂(ポリベンゾオキサゾール)等の樹脂材料を用いてもよい。これらの樹脂に、チタン酸バリウム(BaTiO3)、又はチタン酸ストロンチウム(SrTiO3)などの高誘電率の微粒子を適度に混合して誘電率を調整することもできる。
バインダに含まれる無機絶縁材料としては、酸化珪素(SiOx)、窒化珪素(SiNx)、酸素及び窒素を含む珪素、窒化アルミニウム(AlN)、酸素及び窒素を含むアルミニウム、酸素及び窒素を含む酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化チタン(TiO2)、BaTiO3、SrTiO3、チタン酸鉛(PbTiO3)、ニオブ酸カリウム(KNbO3)、ニオブ酸鉛(PbNbO3)、酸化タンタル(Ta2O5)、タンタル酸バリウム(BaTa2O6)、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、酸化イットリウム(Y2O3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、ZnSその他の無機絶縁性材料を含む物質から選ばれた材料で形成することができる。有機材料に、誘電率の高い無機材料を含ませる(添加等によって)ことによって、発光材料及びバインダよりなる電界発光層の誘電率をより制御することができ、より誘電率を大きくすることができる。
作製工程において、発光材料はバインダを含む溶液中に分散される。バインダを含む溶液の溶媒としては、バインダ材料が溶解し、電界発光層を形成する方法(各種ウエットプロセス)及び所望の膜厚に適した粘度の溶液を作製できるような溶媒を適宜選択すればよい。たとえば、溶媒として有機溶媒等を用いることができる。バインダとしてシロキサン樹脂を用いる場合は、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEAともいう)、3−メトシキ−3メチル−1−ブタノール(MMBともいう)などを溶媒として用いることができる。
図89(B)及び図89(C)に示す発光素子は、図89(A)の発光素子において、電極層と電界発光層間に絶縁膜を設ける構造である。図89(B)に示す発光素子は、第1の電極層120200と電界発光層120202との間に絶縁膜120204を有し、図89(C)に示す発光素子は、第1の電極層120200と電界発光層120202との間に絶縁膜120205、第2の電極層120203と電界発光層120202との間に絶縁膜120206とを有している。このように絶縁膜は電界発光層を挟持する一対の電極層のうち一方の間にのみ設けてもよいし、両方の間に設けてもよい。絶縁膜は、単層でもよいし複数層を有する積層でもよい。
図89(B)では第1の電極層120200に接するように絶縁膜120204が設けられているが、絶縁膜と電界発光層の順番を逆にして、第2の電極層120203に接するように絶縁膜120204を設けてもよい。
図88における絶縁膜120104、図89における絶縁膜120204のような絶縁膜に用いることのできる材料は、絶縁耐圧が高く、緻密な膜質であることが好ましい。さらには、誘電率が高いことが好ましい。例えば、酸化シリコン(SiO2)、酸化イットリウム(Y2O3)、酸化チタン(TiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化ハフニウム(HfO2)、酸化タンタル(Ta2O5)、チタン酸バリウム(BaTiO3)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、チタン酸鉛(PbTiO3)、窒化シリコン(Si3N4)又は酸化ジルコニウム(ZrO2)等、若しくはこれらの混合膜又は2種以上の積層膜を用いることができる。これらの絶縁膜は、スパッタリング、蒸着、CVD等により成膜することができる。絶縁膜はこれら絶縁材料の粒子をバインダ中に分散して成膜してもよい。バインダ材料は、電界発光層に含まれるバインダと同様な材料、方法を用いて形成すればよい。膜厚は特に限定されることはないが、好ましくは10〜1000nmの範囲である。
なお、発光素子は、電界発光層を挟持する一対の電極層間に電圧を印加することで発光が得られるが、直流駆動又は交流駆動のいずれにおいても動作することができる。
なお、本実施の形態において、様々な図を用いて述べてきたが、各々の図で述べた内容(一部でもよい)は、別の図で述べた内容(一部でもよい)に対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことが出来る。さらに、これまでに述べた図において、各々の部分に関して、別の部分を組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることが出来る。
同様に、本実施の形態の各々の図で述べた内容(一部でもよい)は、別の実施の形態の図で述べた内容(一部でもよい)対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことが出来る。さらに、本実施の形態の図において、各々の部分に関して、別の実施の形態の部分を組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることが出来る。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態で述べた内容(一部でもよい)を、具現化した場合の一例、少し変形した場合の一例、一部を変更した場合の一例、改良した場合の一例、詳細に述べた場合の一例、応用した場合の一例、関連がある部分についての一例などを示している。したがって、他の実施の形態で述べた内容は、本実施の形態への適用、組み合わせ、又は置き換えを自由に行うことができる。
(実施の形態19)
本実施の形態においては、表示装置の一例、特に光学的な取り扱いを行なう場合について説明する。
図90(A)及び(B)に示す背面投影型表示装置130100は、プロジェクタユニット130111、ミラー130112、スクリーンパネル130101を備えている。その他に、スピーカ130102、操作スイッチ類130104を備えていてもよい。このプロジェクタユニット130111は、背面投影型表示装置130100の筐体130110の下部に配設され、映像信号に基づいて映像を映し出す投射光をミラー130112に向けて投射する。背面投影型表示装置130100はスクリーンパネル130101の背面から投影される映像を表示する構成となっている。
一方、図91は、前面投影型表示装置130200を示している。前面投影型表示装置130200は、プロジェクタユニット130111と投射光学系130201を備えている。この投射光学系130201は前面に配設するスクリーン等に映像を投影する構成となっている。
図90に示す背面投影型表示装置130100、図91に示す前面投影型表示装置130200に適用されるプロジェクタユニット130111の構成を以下に説明する。
図92は、プロジェクタユニット130111の一構成例を示している。このプロジェクタユニット130111は、光源ユニット130301及び変調ユニット130304を備えている。光源ユニット130301は、レンズ類を含んで構成される光源光学系130303と、光源ランプ130302を備えている。光源ランプ130302は迷光が拡散しないように筐体内に収納されている。光源ランプ130302としては、大光量の光を放射可能な、例えば、高圧水銀ランプ又はキセノンランプなどが用いられる。光源光学系130303は、光学レンズ、偏光機能を有するフィルム、位相差を調節するためのフィルム、IRフィルム等を適宜設けて構成される。そして、光源ユニット130301は、放射光が変調ユニット130304に入射するように配設されている。変調ユニット130304は、複数の表示パネル130308、カラーフィルタ、ダイクロイックミラー130305、全反射ミラー130306、プリズム130309、投射光学系130310を備えている。光源ユニット130301から放射された光は、ダイクロイックミラー130305で複数の光路に分離される。
各光路には、所定の波長若しくは波長帯の光を透過するカラーフィルタと、表示パネル130308が備えられている。透過型である表示パネル130308は映像信号に基づいて透過光を変調する。表示パネル130308を透過した各色の光は、プリズム130309に入射し投射光学系130310を通して、スクリーン上に映像を表示する。なお、フレネルレンズがミラー及びスクリーンの間に配設されていてもよい。そして、プロジェクタユニット130111によって投射されミラーで反射される投影光は、フレネルレンズによって概略平行光に変換され、スクリーンに投影される。
図93で示すプロジェクタユニット130111は、反射型表示パネル130407、130408、130409を備えた構成を示している。
図93で示すプロジェクタユニット130111は、光源ユニット130301と変調ユニット130400を備えている。光源ユニット130301は、図92と同様の構成であってもよい。光源ユニット130301からの光は、ダイクロイックミラー130401、130402、全反射ミラー130403により、複数の光路に分けられて、偏光ビームスプリッタ130404、130405、130406に入射する。偏光ビームスプリッタ130404、130405、130406は、各色に対応する反射型表示パネル130407、130408、130409に対応して設けられている。反射型表示パネル130407、130408、130409は、映像信号に基づいて反射光を変調する。反射型表示パネル130407、130408、130409で反射された各色の光は、プリズム130309に入射することで合成されて、投射光学系130411を通して投射される。
光源ユニット130301から放射された光は、ダイクロイックミラー130401で赤の波長領域の光のみを透過し、緑及び青の波長領域の光を反射する。さらに、ダイクロイックミラー130402では、緑の波長領域の光のみが反射される。ダイクロイックミラー130401を透過した赤の波長領域の光は、全反射ミラー130403で反射され、偏光ビームスプリッタ130404へ入射し、青の波長領域の光は偏光ビームスプリッタ130405へ入射し、緑の波長領域の光は偏光ビームスプリッタ130406に入射する。偏光ビームスプリッタ130404、130405、130406は、入射光をP偏光とS偏光とに分離する機能を有し、且つP偏光のみを透過させる機能を有している。反射型表示パネル130407、130408、130409は、映像信号に基づいて、入射した光を偏光する。
各色に対応する反射型表示パネル130407、130408、130409には各色に対応するS偏光のみが入射する。なお、反射型表示パネル130407、130408、130409は液晶パネルであってもよい。このとき、液晶パネルは電界制御複屈折モード(ECB)で動作する。そして、液晶分子は基板に対してある角度をもって垂直配向している。よって、反射型表示パネル130407、130408、130409は画素がオフ状態にある時は入射光の偏光状態を変化させないで反射させるように表示分子が配向している。そして、画素がオン状態にある時は表示分子の配向状態が変化し、入射光の偏光状態が変化する。
図93に示すプロジェクタユニット130111は、図90に示す背面投影型表示装置130100及び、図91に示す前面投影型表示装置130200に適用することができる。
図94で示すプロジェクタユニットは単板式の構成を示している。図94(A)に示したプロジェクタユニット130111は、光源ユニット130301、表示パネル130507、投射光学系130511、位相差板130504を備えている。投射光学系130511は一つ又は複数のレンズにより構成されている。表示パネル130507にはカラーフィルタが備えられていてもよい。
図94(B)は、フィールドシーケンシャル方式で動作するプロジェクタユニット130111の構成を示している。フィールドシーケンシャル方式は、赤、緑、青などの各色の光を時間的にずらせて順次表示パネルに入射させて、カラーフィルタ無しでカラー表示を行う方式である。特に、入力信号変化に対する応答速度の大きい表示パネルと組み合わせると、高精細な映像を表示することができる。図94(B)では、光源ユニット130301と表示パネル130508の間に、赤、緑、青などの複数のカラーフィルタが備えられた回動式のカラーフィルタ板130505を備えている。
図94(C)で示すプロジェクタユニット130111は、カラー表示の方式として、マクロレンズを使った色分離方式の構成を示している。この方式は、マイクロレンズアレイ130506を表示パネル130509の光入射側に備え、各色の光をそれぞれの方向から照明することでカラー表示を実現する方式である。この方式を採用するプロジェクタユニット130111は、カラーフィルタによる光の損失が少ないので、光源ユニット130301からの光を有効に利用することができるという特徴を有している。図94(C)に示すプロジェクタユニット130111は、表示パネル130509に対して各色の光をそれぞれの方向から照明するように、ダイクロイックミラー130501、ダイクロイックミラー130502、赤色光用ダイクロイックミラー130503を備えている。
なお、本実施の形態において、様々な図を用いて述べてきたが、各々の図で述べた内容(一部でもよい)は、別の図で述べた内容(一部でもよい)に対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことが出来る。さらに、これまでに述べた図において、各々の部分に関して、別の部分を組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることが出来る。
同様に、本実施の形態の各々の図で述べた内容(一部でもよい)は、別の実施の形態の図で述べた内容(一部でもよい)対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことが出来る。さらに、本実施の形態の図において、各々の部分に関して、別の実施の形態の部分を組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることが出来る。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態で述べた内容(一部でもよい)を、具現化した場合の一例、少し変形した場合の一例、一部を変更した場合の一例、改良した場合の一例、詳細に述べた場合の一例、応用した場合の一例、関連がある部分についての一例などを示している。したがって、他の実施の形態で述べた内容は、本実施の形態への適用、組み合わせ、又は置き換えを自由に行うことができる。
(実施の形態20)
本実施形態においては、電子機器の例について説明する。
図95は表示パネル900101と、回路基板900111を組み合わせた表示パネルモジュールを示している。表示パネル900101は画素部900102、走査線駆動回路900103及び信号線駆動回路900104を有している。回路基板900111には、例えば、コントロール回路900112及び信号分割回路900113などが形成されている。表示パネル900101と回路基板900111とは接続配線900114によって接続されている。接続配線にはFPC等を用いることができる。
表示パネル900101は、画素部900102と一部の周辺駆動回路(複数の駆動回路のうち動作周波数の低い駆動回路)を基板上にトランジスタを用いて一体形成し、一部の周辺駆動回路(複数の駆動回路のうち動作周波数の高い駆動回路)をICチップ上に形成し、そのICチップをCOG(Chip On Glass)などで表示パネル900101に実装してもよい。こうすることで、回路基板900111の面積を削減でき、小型の表示装置を得ることができる。あるいは、そのICチップをTAB(Tape Auto Bonding)又はプリント基板を用いて表示パネル900101に実装してもよい。こうすることで、表示パネル900101の面積を小さくできるので、額縁サイズの小さい表示装置を得ることができる。
例えば、消費電力の低減を図るため、ガラス基板上にトランジスタを用いて画素部を形成し、全ての周辺駆動回路をICチップ上に形成し、そのICチップをCOG又はTABで表示パネルに実装してもよい。
図95に示した表示パネルモジュールによって、テレビ受像機を完成させることができる。図96は、テレビ受像機の主要な構成を示すブロック図である。チューナ900201は映像信号と音声信号を受信する。映像信号は、映像信号増幅回路900202と、映像信号増幅回路900202から出力される信号を赤、緑、青の各色に対応した色信号に変換する映像信号処理回路900203と、その映像信号を駆動回路の入力仕様に変換するためのコントロール回路900212により処理される。コントロール回路900212は、走査線側と信号線側にそれぞれ信号を出力する。デジタル駆動する場合には、信号線側に信号分割回路900213を設け、入力デジタル信号をm個(mは正の整数)に分割して供給する構成としても良い。
チューナ900201で受信した信号のうち、音声信号は音声信号増幅回路900205に送られ、その出力は音声信号処理回路900206を経てスピーカ900207に供給される。制御回路900208は受信局(受信周波数)及び音量の制御情報を入力部900209から受け、チューナ900201又は音声信号処理回路900206に信号を送出する。
図96とは別の形態の表示パネルモジュールを組み込んだテレビ受像器について図97(A)に示す。図97(A)において、筐体900301内に収められた表示画面900302は、表示パネルモジュールで形成される。なお、スピーカ900303、操作スイッチ900304、入力手段900305、センサ900306(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン900307などが適宜備えられていてもよい。
図97(B)に、ワイヤレスでディスプレイのみを持ち運び可能なテレビ受像器を示す。筐体900312にはバッテリー及び信号受信器が収められており、そのバッテリーで表示部900313、スピーカ部900317、センサ900319(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)及びマイクロフォン900320を駆動させる。バッテリーは充電器900310で繰り返し充電が可能となっている。充電器900310は映像信号を送受信することが可能で、その映像信号をディスプレイの信号受信器に送信することができる。図97(B)に示す装置は、操作キー900316によって制御される。あるいは、図97(B)に示す装置は、操作キー900316を操作することによって、充電器900310に信号を送ることが可能である。つまり、映像音声双方向通信装置であってもよい。あるいは、図97(B)に示す装置は、操作キー900316を操作することによって、充電器900310に信号を送り、さらに充電器900310が送信できる信号を他の電子機器に受信させることによって、他の電子機器の通信制御も可能である。つまり、汎用遠隔制御装置であってもよい。なお、入力手段900318などが適宜備えられていてもよい。なお、本実施の形態の各々の図で述べた内容(一部でもよい)を表示部900313に適用することができる。
図98(A)は、表示パネル900401とプリント配線基板900402を組み合わせたモジュールを示している。表示パネル900401は、複数の画素が設けられた画素部900403と、第1の走査線駆動回路900404、第2の走査線駆動回路900405と、選択された画素にビデオ信号を供給する信号線駆動回路900406を備えていてもよい。
プリント配線基板900402には、コントローラ900407、中央処理装置(CPU)900408、メモリ900409、電源回路900410、音声処理回路900411及び送受信回路900412などが備えられている。プリント配線基板900402と表示パネル900401は、フレキシブル配線基板(FPC)900413により接続されている。フレキシブル配線基板(FPC)900413には、保持容量、バッファ回路などを設け、電源電圧又は信号にノイズの発生、及び信号の立ち上がり時間の増大を防ぐ構成としても良い。なお、コントローラ900407、音声処理回路900411、メモリ900409、中央処理装置(CPU)900408、電源回路900410などは、COG(Chip On Glass)方式を用いて表示パネル900401に実装することもできる。COG方式により、プリント配線基板900402の規模を縮小することができる。
プリント配線基板900402に備えられたインターフェース(I/F)部900414を介して、各種制御信号の入出力が行われる。そして、アンテナとの間の信号の送受信を行うためのアンテナ用ポート900415が、プリント配線基板900402に設けられている。
図98(B)は、図98(A)に示したモジュールのブロック図を示す。このモジュールは、メモリ900409としてVRAM900416、DRAM900417、フラッシュメモリ900418などが含まれている。VRAM900416にはパネルに表示する画像のデータが、DRAM900417には画像データ又は音声データが、フラッシュメモリには各種プログラムが記憶されている。
電源回路900410は、表示パネル900401、コントローラ900407、中央処理装置(CPU)900408、音声処理回路900411、メモリ900409、送受信回路900412を動作させる電力を供給する。ただし、パネルの仕様によっては、電源回路900410に電流源が備えられている場合もある。
中央処理装置(CPU)900408は、制御信号生成回路900420、デコーダ900421、レジスタ900422、演算回路900423、RAM900424、中央処理装置(CPU)900408用のインターフェース(I/F)部900419などを有している。インターフェース(I/F)部900419を介して中央処理装置(CPU)900408に入力された各種信号は、一旦レジスタ900422に保持された後、演算回路900423、デコーダ900421などに入力される。演算回路900423では、入力された信号に基づき演算を行い、各種命令を送る場所を指定する。一方デコーダ900421に入力された信号はデコードされ、制御信号生成回路900420に入力される。制御信号生成回路900420は入力された信号に基づき、各種命令を含む信号を生成し、演算回路900423において指定された場所、具体的にはメモリ900409、送受信回路900412、音声処理回路900411、コントローラ900407などに送る。
メモリ900409、送受信回路900412、音声処理回路900411、コントローラ900407は、それぞれ受けた命令に従って動作する。以下その動作について簡単に説明する。
入力手段900425から入力された信号は、インターフェース(I/F)部900414を介してプリント配線基板900402に実装された中央処理装置(CPU)900408に送られる。制御信号生成回路900420は、ポインティングデバイス又はキーボードなどの入力手段900425から送られてきた信号に従い、VRAM900416に格納してある画像データを所定のフォーマットに変換し、コントローラ900407に送付する。
コントローラ900407は、パネルの仕様に合わせて中央処理装置(CPU)900408から送られてきた画像データを含む信号にデータ処理を施し、表示パネル900401に供給する。コントローラ900407は、電源回路900410から入力された電源電圧、又は中央処理装置(CPU)900408から入力された各種信号をもとに、Hsync信号、Vsync信号、クロック信号CLK、交流電圧(AC Cont)、切り替え信号L/Rを生成し、表示パネル900401に供給する。
送受信回路900412では、アンテナ900428において電波として送受信される信号が処理されており、具体的にはアイソレータ、バンドパスフィルタ、VCO(Voltage Controlled Oscillator)、LPF(Low Pass Filter)、カプラ、バランなどの高周波回路を含んでいてもよい。送受信回路900412において送受信される信号のうち音声情報を含む信号が、中央処理装置(CPU)900408からの命令に従って、音声処理回路900411に送られる。
中央処理装置(CPU)900408の命令に従って送られてきた音声情報を含む信号は、音声処理回路900411において音声信号に復調され、スピーカ900427に送られる。マイク900426から送られてきた音声信号は、音声処理回路900411において変調され、中央処理装置(CPU)900408からの命令に従って、送受信回路900412に送られる。
コントローラ900407、中央処理装置(CPU)900408、電源回路900410、音声処理回路900411、メモリ900409を、本実施形態のパッケージとして実装することができる。
勿論、本実施の形態はテレビ受像機に限定されず、パーソナルコンピュータのモニタをはじめ、鉄道の駅又は空港などにおける情報表示盤、街頭における広告表示盤など特に大面積の表示媒体として様々な用途に適用することができる。
次に、図99を参照して、携帯電話の構成例について説明する。
表示パネル900501はハウジング900530に脱着自在に組み込まれる。ハウジング900530は表示パネル900501のサイズに合わせて、形状又は寸法を適宜変更することができる。表示パネル900501を固定したハウジング900530はプリント基板900531に嵌入されモジュールとして組み立てられる。
表示パネル900501はFPC900513を介してプリント基板900531に接続される。プリント基板900531には、スピーカ900532、マイクロフォン900533、送受信回路900534、CPU、コントローラなどを含む信号処理回路900535及びセンサ900541(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)が形成されている。このようなモジュールと、入力手段900536、バッテリー900537を組み合わせ、筐体900539に収納する。表示パネル900501の画素部は筐体900539に形成された開口窓から視認できように配置する。
表示パネル900501は、画素部と一部の周辺駆動回路(複数の駆動回路のうち動作周波数の低い駆動回路)を基板上にトランジスタを用いて一体形成し、一部の周辺駆動回路(複数の駆動回路のうち動作周波数の高い駆動回路)をICチップ上に形成し、そのICチップをCOG(Chip On Glass)で表示パネル900501に実装しても良い。あるいは、そのICチップをTAB(Tape Auto Bonding)又はプリント基板を用いてガラス基板と接続してもよい。このような構成とすることで、表示装置の低消費電力化を図り、携帯電話機の一回の充電による使用時間を長くすることができる。携帯電話機の低コスト化を図ることができる。
図99に示した携帯電話は、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示する機能を有する。カレンダー、日付又は時刻などを表示部に表示する機能を有する。表示部に表示した情報を操作又は編集する機能を有する。様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能を有する。無線通信機能を有する。無線通信機能を用いて他の携帯電話、固定電話又は音声通信機器と通話する機能を有する。無線通信機能を用いて様々なコンピュータネットワークに接続する機能を有する。無線通信機能を用いて様々なデータの送信又は受信を行う機能を有する。着信、データの受信、又はアラームに応じてバイブレータが動作する機能を有する。着信、データの受信、又はアラームに応じて音が発生する機能を有する。なお、図99に示した携帯電話が有する機能はこれに限定されず、様々な機能を有することができる。
図100で示す携帯電話機は、操作スイッチ類900604、マイクロフォン900605などが備えられた本体(A)900601と、表示パネル(A)900608、表示パネル(B)900609、スピーカ900606、センサ900611(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、入力手段900612などが備えられた本体(B)900602とが、蝶番900610で開閉可能に連結されている。表示パネル(A)900608と表示パネル(B)900609は、回路基板900607と共に本体(B)900602の筐体900603の中に収納される。表示パネル(A)900608及び表示パネル(B)900609の画素部は筐体900603に形成された開口窓から視認できるように配置される。
表示パネル(A)900608と表示パネル(B)900609は、その携帯電話機900600の機能に応じて画素数などの仕様を適宜設定することができる。例えば、表示パネル(A)900608を主画面とし、表示パネル(B)900609を副画面として組み合わせることができる。
本実施形態に係る携帯電話機は、その機能又は用途に応じてさまざまな態様に変容し得る。例えば、蝶番900610の部位に撮像素子を組み込んで、カメラ付きの携帯電話機としても良い。操作スイッチ類900604、表示パネル(A)900608、表示パネル(B)900609を一つの筐体内に納めた構成としても、上記した作用効果を奏することができる。表示部を複数個そなえた情報表示端末に本実施形態の構成を適用しても、同様な効果を得ることができる。
図100に示した携帯電話は、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示する機能を有する。カレンダー、日付又は時刻などを表示部に表示する機能を有する。表示部に表示した情報を操作又は編集する機能を有する。様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能を有する。無線通信機能を有する。無線通信機能を用いて他の携帯電話、固定電話又は音声通信機器と通話する機能を有する。無線通信機能を用いて様々なコンピュータネットワークに接続する機能を有する。無線通信機能を用いて様々なデータの送信又は受信を行う機能を有する。着信、データの受信、又はアラームに応じてバイブレータが動作する機能を有する。着信、データの受信、又はアラームに応じて音が発生する機能を有する。なお、図100に示した携帯電話が有する機能はこれに限定されず、様々な機能を有することができる。
本実施の形態の各々の図で述べた内容(一部でもよい)を様々な電子機器に適用することができる。具体的には、電子機器の表示部に適用することができる。そのような電子機器として、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、コンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機又は電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatile Disc(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを備えた装置)などが挙げられる。
図101(A)はディスプレイであり、筐体900711、支持台900712、表示部900713、入力手段900714、センサ900715(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン900716、スピーカ900717、操作キー900718、LEDランプ900719等を含む。図101(A)に示すディスプレイは、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能を有する。なお、図101(A)に示すディスプレイが有する機能はこれに限定されず、様々な機能を有することができる。
図101(B)はカメラであり、本体900731、表示部900732、受像部900733、操作キー900734、外部接続ポート900735、シャッターボタン900736、入力手段900737、センサ900738(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン900739、スピーカ900740、LEDランプ900741等を含む。図101(B)に示すカメラは、静止画を撮影する機能を有する。動画を撮影する機能を有する。撮影した画像(静止画、動画)を自動で補正する機能を有する。撮影した画像を記録媒体(外部又はデジタルカメラに内臓)に保存する機能を有する。撮影した画像を表示部に表示する機能を有する。なお、図101(B)に示すカメラが有する機能はこれに限定されず、様々な機能を有することができる。
図101(C)はコンピュータであり、本体900751、筐体900752、表示部900753、キーボード900754、外部接続ポート900755、ポインティングデバイス900756、入力手段900757、センサ900758(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン900759、スピーカ900760、LEDランプ900761、リーダ/ライタ900762等を含む。図101(C)に示すコンピュータは、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能を有する。様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能を有する。無線通信又は有線通信などの通信機能を有する。通信機能を用いて様々なコンピュータネットワークに接続する機能を有する。通信機能を用いて様々なデータの送信又は受信を行う機能を有する。なお、図101(C)に示すコンピュータが有する機能はこれに限定されず、様々な機能を有することができる。
図108(A)はモバイルコンピュータであり、本体901411、表示部901412、スイッチ901413、操作キー901414、赤外線ポート901415、入力手段901416、センサ901417(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン901418、スピーカ901419、LEDランプ901420等を含む。図108(A)に示すモバイルコンピュータは、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能を有する。表示部にタッチパネルの機能を有する。カレンダー、日付又は時刻などを表示する機能を表示部に有する。様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能を有する。無線通信機能を有する。無線通信機能を用いて様々なコンピュータネットワークに接続する機能を有する。無線通信機能を用いて様々なデータの送信又は受信を行う機能を有する。なお、図108(A)に示すモバイルコンピュータが有する機能はこれに限定されず、様々な機能を有することができる。
図108(B)は記録媒体を備えた携帯型の画像再生装置(たとえば、DVD再生装置)であり、本体901431、筐体901432、表示部A901433、表示部B901434、記録媒体(DVD等)読み込み部901435、操作キー901436、スピーカ部901437、入力手段901438、センサ901439(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン901440、LEDランプ901441等を含む。表示部A901433は主として画像情報を表示し、表示部B901434は主として文字情報を表示することができる。
図108(C)はゴーグル型ディスプレイであり、本体901451、表示部901452、イヤホン901453、支持部901454、入力手段901455、センサ901456(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン901457、スピーカ901458等を含む。図108(C)に示すゴーグル型ディスプレイは、外部から取得した画像(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能を有する。なお、図108(C)に示すゴーグル型ディスプレイが有する機能はこれに限定されず、様々な機能を有することができる。
図109(A)は携帯型遊技機であり、筐体901511、表示部901512、スピーカ部901513、操作キー901514、記憶媒体挿入部901515、入力手段901516、センサ901517(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン901518、LEDランプ901519等を含む。図109(A)に示す携帯型遊技機は、記録媒体に記録されているプログラム又はデータを読み出して表示部に表示する機能を有する。他の携帯型遊技機と無線通信を行って情報を共有する機能を有する。なお、図109(A)に示す携帯型遊技機が有する機能はこれに限定されず、様々な機能を有することができる。
図109(B)はテレビ受像機能付きデジタルカメラであり、本体901531、表示部901532、操作キー901533、スピーカ901534、シャッターボタン901535、受像部901536、アンテナ901537、入力手段901538、センサ901539(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン901540、LEDランプ901541等を含む。図109(B)に示すテレビ受像機付きデジタルカメラは、静止画を撮影する機能を有する。動画を撮影する機能を有する。撮影した画像を自動で補正する機能を有する。アンテナから様々な情報を取得する機能を有する。撮影した画像、又はアンテナから取得した情報を保存する機能を有する。撮影した画像、又はアンテナから取得した情報を表示部に表示する機能を有する。なお、図101(H)に示すテレビ受像機付きデジタルカメラが有する機能はこれに限定されず、様々な機能を有することができる。
図110は携帯型遊技機であり、筐体901611、第1表示部901612、第2表示部901613、スピーカ部901614、操作キー901615、記録媒体挿入部901616、入力手段901617、センサ901618(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン901619、LEDランプ901620等を含む。図110に示す携帯型遊技機は、記録媒体に記録されているプログラム又はデータを読み出して表示部に表示する機能を有する。他の携帯型遊技機と無線通信を行って情報を共有する機能を有する。なお、図110に示す携帯型遊技機が有する機能はこれに限定されず、様々な機能を有することができる。
図101(A)乃至(C)、図108(A)乃至(C)、図109(A)乃至(C)、及び図110に示したように、電子機器は、何らかの情報を表示するための表示部を有することを特徴とする。このような電子機器は、画質が向上された表示部を有することができる。さらに、動画ボケの問題を低減することができる。さらに、フリッカの問題を低減することができる。さらに、特に液晶を用いた表示部を有する電子機器は、視野角が向上された表示部を有することができる。さらに、応答速度が向上された表示部を有することができる。さらに、消費電力が低減された表示部を有することができるため、消費電力が低減された電子機器を得ることができる。さらに、製造コストが低減された表示部を有することができるため、製造コストが低減された電子機器を得ることができる。
次に、半導体装置の応用例を説明する。
図102に、半導体装置を、建造物と一体にして設けた例について示す。図102は、筐体900810、表示部900811、操作部であるリモコン装置900812、スピーカ部900813等を含む。半導体装置は、壁かけ型として建物と一体となっており、設置するスペースを広く必要とすることなく設置可能である。
図103に、建造物内に半導体装置を、建造物と一体にして設けた別の例について示す。表示パネル900901は、ユニットバス900902と一体に取り付けられており、入浴者は表示パネル900901の視聴が可能になる。表示パネル900901は入浴者が操作することで情報を表示する機能を有する。広告又は娯楽手段として利用できる機能を有する。
なお、半導体装置は、図103で示したユニットバス900902の側壁だけではなく、様々な場所に設置することができる。たとえば、鏡面の一部又は浴槽自体と一体にするなどとしてもよい。このとき、表示パネル900901の形状は、鏡面又は浴槽の形状に合わせたものとなっていてもよい。
図104に、半導体装置を、建造物と一体にして設けた別の例について示す。表示パネル901002は、柱状体901001の曲面に合わせて湾曲させて取り付けられている。なお、ここでは柱状体901001を電柱として説明する。
図104に示す表示パネル901002は、人間の視点より高い位置に設けられている。電柱のように屋外で繰り返し林立している建造物に表示パネル901002を設置することで、不特定多数の視認者に広告を行なうことができる。ここで、表示パネル901002は、外部からの制御により、同じ画像を表示させること、及び瞬時に画像を切替えることが容易であるため、極めて効率的な情報表示、及び広告効果が期待できる。表示パネル901002に自発光型の表示素子を設けることで、夜間であっても、視認性の高い表示媒体として有用であるといえる。電柱に設置することで、表示パネル901002の電力供給手段の確保が容易である。災害発生時などの非常事態の際には、被災者に素早く正確な情報を伝達する手段ともなり得る。
なお、表示パネル901002としては、たとえば、フィルム状の基板に有機トランジスタなどのスイッチング素子を設けて表示素子を駆動することにより画像の表示を行なう表示パネルを用いることができる。
なお、本実施形態において、建造物として壁、柱状体、ユニットバスを例としたが、本実施形態はこれに限定されず、様々な建造物に半導体装置を設置することができる。
次に、半導体装置を、移動体と一体にして設けた例について示す。
図105は、半導体装置を、自動車と一体にして設けた例について示した図である。表示パネル901102は、自動車の車体901101と一体に取り付けられており、車体の動作又は車体内外から入力される情報をオンデマンドに表示することができる。なお、ナビゲーション機能を有していてもよい。
なお、半導体装置は、図105で示した車体901101だけではなく、様々な場所に設置することができる。たとえば、ガラス窓、ドア、ハンドル、シフトレバー、座席シート、ルームミラー等と一体にしてもよい。このとき、表示パネル901102の形状は、設置するもの形状に合わせたものとなっていてもよい。
図106は、半導体装置を、列車車両と一体にして設けた例について示した図である。
図106(a)は、列車車両のドア901201のガラスに表示パネル901202を設けた例について示した図である。従来の紙による広告に比べて、広告切替えの際に必要となる人件費がかからないという利点がある。表示パネル901202は、外部からの信号により表示部で表示される画像の切り替えを瞬時に行なうことが可能であるため、たとえば、電車の乗降客の客層が入れ替わる時間帯ごとに表示パネルの画像を切り替えることができ、より効果的な広告効果が期待できる。
図106(b)は、列車車両のドア901201のガラスの他に、ガラス窓901203、及び天井901204に表示パネル901202を設けた例について示した図である。このように、半導体装置は、従来では設置が困難であった場所に容易に設置することが可能であるため、効果的な広告効果を得ることができる。半導体装置は、外部からの信号により表示部で表示される画像の切り替えを瞬時に行なうことが可能であるため、広告切替え時のコスト及び時間が削減でき、より柔軟な広告の運用及び情報伝達が可能となる。
なお、半導体装置は、図106で示したドア901201、ガラス窓901203、及び天井901204だけではなく、様々な場所に設置することができる。たとえば、つり革、座席シート、てすり、床等と一体にしてもよい。このとき、表示パネル901202の形状は、設置するもの形状に合わせたものとなっていてもよい。
図107は、半導体装置を、旅客用飛行機と一体にして設けた例について示した図である。
図107(a)は、旅客用飛行機の座席上部の天井901301に表示パネル901302を設けたときの、使用時の形状について示した図である。表示パネル901302は、天井901301とヒンジ部901303を介して一体に取り付けられており、ヒンジ部901303の伸縮により乗客は表示パネル901302の視聴が可能になる。表示パネル901302は乗客が操作することで情報を表示する機能を有する。広告又は娯楽手段として利用できる機能を有する。図107(b)に示すように、ヒンジ部を折り曲げて天井901301に格納することにより、離着陸時の安全に配慮することができる。なお、緊急時に表示パネルの表示素子を点灯させることで、情報伝達手段及び誘導灯としても利用可能である。
なお、半導体装置は、図107で示した天井901301だけではなく、様々な場所に設置することができる。たとえば、座席シート、座席テーブル、肘掛、窓等と一体にしてもよい。多数の人が同時に視聴できる大型の表示パネルを、機体の壁に設置してもよい。このとき、表示パネル901302の形状は、設置するもの形状に合わせたものとなっていてもよい。
なお、本実施形態において、移動体としては電車車両本体、自動車車体、飛行機車体について例示したがこれに限定されず、自動二輪車、自動四輪車(自動車、バス等を含む)、電車(モノレール、鉄道等を含む)、船舶等、様々なものに設置することができる。半導体装置は、外部からの信号により、移動体内における表示パネルの表示を瞬時に切り替えることが可能であるため、移動体に半導体装置を設置することにより、移動体を不特定多数の顧客を対象とした広告表示板、災害発生時の情報表示板、等の用途に用いることが可能となる。
なお、本実施の形態において、様々な図を用いて述べてきたが、各々の図で述べた内容(一部でもよい)は、別の図で述べた内容(一部でもよい)に対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことが出来る。さらに、これまでに述べた図において、各々の部分に関して、別の部分を組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることが出来る。
同様に、本実施の形態の各々の図で述べた内容(一部でもよい)は、別の実施の形態の図で述べた内容(一部でもよい)対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことが出来る。さらに、本実施の形態の図において、各々の部分に関して、別の実施の形態の部分を組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることが出来る。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態で述べた内容(一部でもよい)を、具現化した場合の一例、少し変形した場合の一例、一部を変更した場合の一例、改良した場合の一例、詳細に述べた場合の一例、応用した場合の一例、関連がある部分についての一例などを示している。したがって、他の実施の形態で述べた内容は、本実施の形態への適用、組み合わせ、又は置き換えを自由に行うことができる。