JP2008279705A - 深絞り成型同時転写箔用ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 グリコール成分の5モル%以上が1,4−シクロヘキサンジメタノールからなるポリエステルとポリエチレンテレフタレート共重合体とを溶融混合した組成物からなる、融点170〜240℃の層の両面に、ポリエチレンテレフタレート共重合体からなる、融点200〜260℃の層を積層してなる二軸延伸ポリエステルフィルムであって、融点を少なくとも2つ有し、下記式(1)〜(3)を同時に満足することを特徴とする深絞り成型同時転写箔用ポリエステルフィルム。
1.0≦S≦10.0…(1)
50≦Tg≦80 …(2)
0.01≦Ra≦0.10 …(3)
[上記式中、Sは150℃で3分間処理後の加熱収縮率(%)、Tgはガラス転移点温度(℃)、Raは中心線平均粗さ(μm)を表す]
【選択図】 なし
Description
50≦Tg≦80 …(2)
0.01≦Ra≦0.10 …(3)
[上記式中、Sは150℃で3分間処理後の加熱収縮率(%)、Tgはガラス転移点温度(℃)、Raは中心線平均粗さ(μm)を表す]
本発明のポリエステルフィルムは、少なくとも3層からなる積層フィルムであって、全ての層が押出し機の口金から共溶融押出しされる、いわゆる共押出し法によって押出されたものを、延伸および熱処理されたものが挙げられる。以下、共押出3層フィルムについて説明するが、本発明の要旨を越えない限り、本発明は共押出3層フィルムに限定されず、4層またはそれ以上の多層であってもよい。
(株)インテスコ製恒温槽付き引っ張り試験機(2001型)を使用し、その恒温槽を100℃に設定し、幅15mmのフィルムをチャック間50mmとなるように試験機にセットして2分間放置後、200mm/分の速度で引っ張り、引っ張り応力−ひずみ曲線より、次式から算出した。フィルム縦方向と横方向に5点ずつ測定し、平均値を求めた。
FB(kg/mm2)=F/A
(上記式中、Fは破断時における荷重(kg)、Aは元のフィルムの断面積(mm2)を表す)
EB(%)=100×(L−L0)/L0
(上記式中、Lは破断時のフィルムの長さ(mm)、L0は元のフィルムの長さ(mm)を表す)
パーキンエルマー製示差熱走査カロリーメーターDSC7型を用いて測定した。DSC測定条件は以下のとおりである。すなわち、試料5mgを0℃から300℃まで20℃/分の速度で昇温し、ガラス転移点温度(Tg)および融点(Tm)を検知した。
上述の方法により得た融点のうち、中間層の融点(Tm2)は、フィルムの最外層を除去したフィルムから得られた融解ピーク温度とし、外層の融点(Tm1)は、Tm2と異なる融解ピーク温度とした。
試料を無張力状態で150℃に保ったオーブン中、3分間処理し、その前後の試料長さを測定して次式にてSを算出した。フィルム縦方向と横方向に5点ずつ測定し、平均値を求めた。
S(%)=100×(L0−L)/L0
(上記式中、L0は熱処理前のフィルムの長さ(mm)、Lは熱処理後のフィルムの長さ(mm)を表す)
小坂研究所(株)製表面粗さ計SE−3Fを用いて測定を行った。すなわち、触針径2μm、触針加重30mg、カットオフ値0.08mm、測定長2.5mmの条件で、中心線平均粗さを求め、これを12箇所の測定点で行い、このうち最大値と最小値をそれぞれカットし、10点の平均値を求めてRaとした。
透過型電子顕微鏡(TEM)によるフィルム断面の観察にて行った。すなわち、フィルムサンプルの小片を、エポキシ樹脂に硬化剤、加速剤を配合した樹脂に包埋処理し、ウルトラミクロトームにて厚み200nmの切片を作成し、観察用サンプルとした。得られたサンプルを日立(株)製透過型電子顕微鏡(H−9000)にて観察した。その断面のうちフィルム表面とほぼ平行に、明暗によってその界面が観察される。その界面とフィルム表面までの距離を透過型電子顕微鏡写真1枚について平均し、表層厚みを計算した。ただし、加速電圧は300kV、倍率は表層厚みに応じ、1〜10万倍の範囲で設定した。少なくとも50枚の写真について行い、測定値の厚い方から10点、薄い方から10点削除して30点を平均して測定値とした。
ポリエステルフィルムに離型層、印刷層および接着層を形成し、縦300mm、横200mm、最大深さ25mmの金型を用い、金型表面にフィルムを固定して、フィルムをIRヒーターで予備加熱後、金型内部に真空または圧空成型法により予備成型を実施した。成型によるフィルム破断の状況によりフィルム成型性の評価を行った。
○:フィルムの破断、クラックの発生がなく、均一な厚さで成型される
△:フィルムの破断はなく予備成型に追従できるが、局所的にフィルムが極めて薄い部分が存在する
×:フィルム融解によるフィルム破れ、フィルム軟化によるフィルム膨張および予備成型時に局所的に極めて薄い部分が発生したことによるフィルムの破断、クラックが発生する
上記(6)の方法にて予備成型を実施した後、樹脂を射出成型し、成型同時転写を行った。得られた成型品の外観、印刷の図柄のヌケや歪みの状態により、下記基準で成型品へのフィルム印刷性の評価を行った。
○:成型品の外観が良好で印刷ヌケや歪みが全くない
△:印刷ヌケや歪みはほとんどないが、樹脂射出によりフィルムが局所的に変形したことによる成型品へのシワ転写跡が発生する
×:樹脂射出時にフィルム軟化によるフィルム破れや、成型品にシワの転写跡、印刷ヌケおよび歪みが発生する
<ポリエステル(1)の製造>
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩0.09重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応の終了したこの反応混合物に平均粒径が2.3μmの非晶質シリカ粒子をエチレングリコールスラリーとして添加し、エチルアシッドフォスフェート0.04部を添加した後、三酸化アンチモン0.04部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、4時間を経た時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、ポリエステル(1)を製造した。ポリマー中での非晶質シリカ粒子の含有量は0.5重量%であった。
ポリエステル(1)の製造において、テレフタル酸ジメチル100重量部の替わりにテレフタル酸ジメチル78重量部、イソフタル酸ジメチル22重量部とし、粒子を無添加としたこと以外はポリエステル(1)と同様の方法でポリエステル(2)を得た。
テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコール54重量部、1,4−シクロヘキサンジメタノール25重量部、テトラブチルチタネート0.005重量%を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に210℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応の終了したこの反応混合物にテトラブチルチタネート0.005重量%を加えて重縮合反応を行った。この時、温度は220℃から徐々に昇温して250℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、5時間を経た時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ共重合ポリエステルを得た。得られたポリエステルの1,4−シクロヘキサンジメタノールの含有量は33モル%であった。
ポリエステル(A)60重量部、ポリエステル(1)20重量部、ポリエステル(2)20重量部を均一にブレンドしたものを中間層、ポリエステル(1)60重量部、ポリエステル(2)40重量部を均一にブレンドしたものを両外層として、別個の270℃に設定した押し出し機で溶融混練りし、これらのポリマーをフィードブロック内で合流して積層しスリット状ダイスより30℃に設定した回転冷却ドラムで静電印加冷却法を利用して急冷固化させ、積層未延伸シートを得た。得られた当該シートを縦方向に75℃で3.2倍、横方向に110℃で3.3倍に延伸し、さらに190℃で15秒間熱処理を施して、熱処理出口のクーリングゾーンで横方向に5%の弛緩を行いながら各層の厚さが3/69/3である積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を下記表1に示す。
実施例1において、ポリエステル(A)40重量部、ポリエステル(1)20重量部、ポリエステル(2)40重量部を均一にブレンドしたものを中間層とする以外は、実施例1と同様にして、各層の厚さが3/69/3(μm)である積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。
実施例1において、ポリエステル(1)35重量部、ポリエステル(2)65重量部を均一にブレンドしたものを両外層とする以外は、実施例1と同様にして、各層の厚さが3/69/3(μm)である積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。
実施例1において、ポリエステル(A)10重量部、ポリエステル(1)40重量部、ポリエステル(2)50重量部を均一にブレンドしたものを中間層とする以外は、実施例1と同様にして、各層の厚さが3/69/3(μm)である積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。
実施例1において、ポリエステル(1)20重量部、ポリエステル(2)80重量部を均一にブレンドしたものを両外層とする以外は、実施例1と同様にして、各層の厚さが3/69/3(μm)である積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。
実施例1において、ポリエステル(1)95重量部、ポリエステル(2)5重量部を均一にブレンドしたものを両外層とする以外は、実施例1と同様にして、各層の厚さが3/69/3(μm)である積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。
実施例1において、130℃で15秒間熱処理した以外は実施例1と同様にして、各層の厚さが3/69/3(μm)である積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。
実施例1において、ポリエステル(1)の添加粒子として、平均粒径3.5μmの非晶質シリカ粒子とする以外は、実施例1と同様の条件で製膜し、各層の厚さが3/69/3(μm)である積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。
Claims (1)
- グリコール成分の5モル%以上が1,4−シクロヘキサンジメタノールからなるポリエステルとポリエチレンテレフタレート共重合体とを溶融混合した組成物からなる、融点170〜240℃の層の両面に、ポリエチレンテレフタレート共重合体からなる、融点200〜260℃の層を積層してなる二軸延伸ポリエステルフィルムであって、融点を少なくとも2つ有し、下記式(1)〜(3)を同時に満足することを特徴とする深絞り成型同時転写箔用ポリエステルフィルム。
1.0≦S≦10.0…(1)
50≦Tg≦80 …(2)
0.01≦Ra≦0.10 …(3)
[上記式中、Sは150℃で3分間処理後の加熱収縮率(%)、Tgはガラス転移点温度(℃)、Raは中心線平均粗さ(μm)を表す]
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