JP2008277446A - 静電チャック - Google Patents

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Abstract

【課題】冷却性能及び絶縁性能に優れると共に、低パーティクル性能にも優れた、半導体集積回路の製造において基板を保持するのに好適な静電チャックを提供する。
【解決手段】金属基板、該金属基板上に直接又は接着剤層を介して形成された熱伝導率が0.5W/mK以上である熱伝導性シリコーンゴムからなる第1絶縁層、該第1絶縁層上に直接又は接着剤層を介して形成された導電性パターン、該導電性パターン上に直接又は接着剤層を介して形成された絶縁性ポリイミドフィルムからなる第2絶縁層、該第2絶縁層上に直接又は接着剤層を介して形成された第3絶縁層からなると共に、該第3絶縁層が平均粒子径0.5μm以上の熱伝導性充填剤を含まない補強性シリカ配合シリコーンゴムからなることを特徴とする静電チャック。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体集積回路の製造において基板の保持が必要となる工程で使用する静電チャックに関し、特に、イオン注入工程、スパッタリング工程、プラズマエッチング工程等において有用な静電チャックに関する。
従来、半導体集積回路の製造工程において基板を保持するために、静電吸着方式のウェハチャック、即ち、いわゆる静電チャックが用いられている。この静電チャックの絶縁層としては、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素等のセラミックス、ポリイミド等の有機樹脂、シリコーンゴム等のゴム弾性体を用いることが提案されている。
また、イオン注入工程においては、イオンビームの注入により発生する熱によるウェハの温度上昇を抑え、ウェハの温度を均一かつ一定にして、ウェハに熱ダメージを与えることなく安定したイオン注入を行うことが必要である。そこで、このようなイオン注入工程においては、静電チャックの裏面や台座内部に形成された流路に冷却チラーを流すなどの冷却機構を設けた、ウェハを冷却するプラテン機構が実用化されている。
例えば、セラミック製絶縁層を用いた静電チャックは、耐久性に優れると共に高熱伝導性であることが知られている。しかしながら、セラミック製絶縁層は硬度が高いため、凹凸を有するウェハとの密着性が悪く、その結果接触熱抵抗が大きくなるので十分な放熱性が得られない。そこで、熱移動を促進するために、ウェハと絶縁層との間にヘリウム等の不活性ガスを流すガス冷却方式が採られる。しかしながらこの方法では、不活性ガスを流す溝を絶縁層表面に設けるための微細加工が必要となるだけでなく、不活性ガスの供給設備が必要であり、静電チャックの構造も複雑になるので、静電チャックの製造コスト増を招くという欠点がある。また、絶縁層が硬いため、ウェハが接触して擦れることによりパーティクルが発生するので、ウェハの裏側に付着したまま工程内に持ち込まれると、ウェハの微細加工時に欠陥が発生する原因となるという問題がある。
また、ポリイミド製絶縁層を用いた静電チャックは容易に製造することができ安価でもあるが、熱伝導率が低い上硬いため接触熱抵抗が大きく、放熱性が悪いという問題がある。また、セラミック製絶縁層を用いた静電チャックの場合と同様に、パーティクルが発生するという欠点もある。
一方、金属板の上に、シリコーンゴムをガラスクロスに浸透させて得た放熱性シリコーンプリプレグからなる第1絶縁膜と、該第1絶縁膜上に電極として形成された銅パターンと、該銅パターン上にシリコーンゴムからなる第2絶縁膜が設けられてなる静電チャックが提案されている(特許文献1)。この静電チャックは、絶縁層として弾性体であるシリコーンゴムを用いているため、比較的接触熱抵抗が小さく放熱性が良いので、効率よく熱を放出し、ウェハの温度を均一に保ちやすい。また、シリコーンゴムは柔らかいためウェハと接触してもパーティクルが発生しにくく、低パーティクル化を実現することもできる。しかしながら近年においては、更に高い放熱性と低パーティクル化が求められるようになり、この静電チャックでは性能が不十分となっている。
特開昭59−64245号公報
そこで金属基板上に、熱伝導率が0.2W/mK以上である熱伝導性シリコーンゴムからなる第1絶縁層と、該第1絶縁層上に電極として形成された導電性パターンと、該導電性パターン上に形成された、熱伝導率が0.2W/mK以上であると共に硬さが85以下であり、表面粗さが5μm以下である熱伝導性シリコーンゴムからなる第2絶縁層とが設けられた静電チャックが、放熱性に優れウェハの温度を精度よく均一かつ一定に保つことができるものとして提案されている(特許文献2)。しかしながら、この静電チャックの場合には、スパッター金属を挟み込むために第2絶縁層に絶縁異常の起こることが懸念される。また、この静電チャックでは、シリコーンゴムに熱伝導性を付与するために添加しているアルミナや窒化ホウ素等の熱伝導性充填剤が脱落して、前記した望ましくないパーティクルとなることも懸念される。
特開平9−298233号公報
更に、金属基板上に直接又は接着剤層を介して形成され、熱伝導率が0.2W/mK以上である熱伝導性シリコーンゴムからなる第1絶縁層と、該第1絶縁層上に直接又は接着剤層を介して形成された導電性パターンと、該導電性パターン上に直接又は接着剤層を介して形成された絶縁性ポリイミドフィルムからなる第2絶縁層と、該第2絶縁層上に直接又は接着剤層を介して形成された熱伝導率が0.2W/mK以上であり、硬さが85以下であり表面粗さが5μm以下である熱伝導性シリコーンゴムからなる第3絶縁層とを含んでなることを特徴とする静電チャックが、冷却性能及び絶縁性能に優れることから、半導体集積回路の製造時における基板の保持に好適なものとして提案されている(特許文献3)。確かにこの静電チャックは、第2絶縁層に絶縁性ポリイミドフィルムを用いているので絶縁異常を起こす可能性が低いものの、第3絶縁層のシリコーンゴムに添加している熱伝導性充填剤の比表面積が小さい場合には、シリコーンポリマーとの絡みつきが弱いだけでなく、さらに表面にシリコーンポリマーと結合する活性点を有していないので脱落してパーティクルとなることが懸念される。また、熱伝導性充填剤は硬度が高くウェハと擦れることによりウェハが削れ、それによって更にパーティクルが発生する可能性がある。
特開2006−165160号公報
そこで本発明者等は、従来以上に厳しく要求される冷却性能及び絶縁性能、並びに、低パーティクル性能に優れた静電チャックを提供するために鋭意検討した結果、第3絶縁層を補強性シリカ配合シリコーンゴム層とすると共に、平均粒子径0.5μm以上の熱伝導性充填剤を含まない層とすることによって良好な結果を得ることができることを見出し本発明に到達した。
従って本発明の目的は、冷却性能、絶縁性能及び低パーティクル性能が従来以上に優れた、静電チャックを提供することにある。
即ち本発明は、金属基板、該金属基板上に直接又は接着剤層を介して形成された熱伝導率が0.5W/mK以上である熱伝導性シリコーンゴムからなる第1絶縁層、該第1絶縁層上に直接又は接着剤層を介して形成された導電性パターン、該導電性パターン上に直接又は接着剤層を介して形成された絶縁性ポリイミドフィルムからなる第2絶縁層、該第2絶縁層上に直接又は接着剤層を介して形成された第3絶縁層からなると共に、該第3絶縁層が平均粒子径0.5μm以上の熱伝導性充填剤を含まない補強性シリカ配合シリコーンゴムからなることを特徴とする静電チャックである(請求項1)。
本発明においては、前記第3絶縁層が、厚みが10〜150μmの範囲であると共に、BET比表面積が50m/g以上の煙霧質シリカ(乾式シリカ)を含み(請求項2)、硬さが50以上かつ引張強さが5MPa以上であって表面粗さが5μm以下であることが好ましく(請求項3)、前記第2絶縁層の厚さが5〜50μmの範囲であることが好ましい(請求項4)。
また、前記4つの接着剤層のうち、少なくとも1層の接着剤層が設けられていると共に、該接着剤層が、アルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化マグネシウム、石英粉からなる群より選ばれる少なくとも一つの熱伝導性付与剤を含むことが好ましい(請求項5)。
本発明の静電チャックは冷却性能及び絶縁性能に優れると共に、低パーティクル性能にも優れるので、半導体集積回路の製造において基板の保持が必要となる工程に好適である。特に、イオン注入工程で使用した場合には、ウェハの温度を均一かつ一定にして、ウェハに熱ダメージを与えることなく安定したイオン注入を行うことができる。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本発明における「平均粒子径」は、レーザー光回折法による粒度分布測定における体積平均粒子径を意味し、「硬さ」は、JIS K 6249に規定された、タイプAデュロメータにより測定された値、「引張強さ」は、JIS K 6249に規定された方法で測定された値であり、「表面粗さ」は、JIS B 0601−1982に規定された中心線平均粗さ(Ra)を意味する。
図1は、本発明の静電チャックの一例を示す縦断面図である。図1において、符号1は金属基板2の中央に設けられた孔であり、符号3、5、7及び9は接着剤層である。また、符号4は第1絶縁層、符号8は第2絶縁層、符号10は第3絶縁層であり、符号6は導電性パターンである。第1絶縁層4は、中央に穴1を有する円盤状の金属基板2の上に、接着剤層3を介して設けられた熱伝導性シリコーンゴム層であり、該第1絶縁層4の上に接着剤層5を介して、電極として形成された導電性パターン6が設けられている。導電性パターン6は、接着剤層5に半分程度埋め込まれており、該パターン及び露出した接着剤層5の上に順次接着剤層7、第2絶縁層8、接着剤層9及び第3絶縁層10が設けられている。
図2は、第1絶縁層4上に導電性パターン6を配し、接着剤層7及びそれより上の層がいまだ形成されていない状態に対応した平面図である。図2から分かるように、この例では導電性パターン6は半円形状の2枚のパターンからなる。
図1において、導電性パターン6の上に接着剤層7を介して設けられた第2絶縁層8は絶縁性ポリイミドフィルムであり、該第2絶縁層8の上に接着剤層9を介して設けられた第3絶縁層10は、補強性シリカ配合シリコーンゴム層である。この第3絶縁層10は、平均粒子径0.5μm以上の熱伝導性充填剤を含まない層であり、硬さは50以上、引張強さは5MPa以上、表面粗さは5μm以下であることが好ましい。
二つの導電性パターン6のそれぞれからリード線11a、11bが、接着剤層5、第1絶縁層4及び接着剤層3を貫いて、金属基板2の中央の穴1を通して引き出されている。リード線11a及び11bは静電チャックの導電性パターン6に電源から電圧を供給するための導線であり、導電性パターン6にハンダにより結線されている。
本発明の静電チャックへの印加電圧は、通常、0〜±4000V程度であり、絶縁性能の試験では0〜±10kV程度印加する。よって、リード線11a及び11bは、絶縁耐圧に優れるフッ素樹脂(例えば、PTFE,FEP,PFA)で被覆されることが好ましい。
また、金属基板2と、リード線11a、11b及び導電性パターン6との間の絶縁性を確保するために、穴1には封止剤12が装填されている。封止剤12は、例えば、シリコーン系、エポキシ系、ポリイミド系等の公知の封止剤の中から適宜選択して使用することができる。
[金属基板]
本発明で使用する金属基板は、耐久性があるだけでなく発塵によって半導体回路を汚染しない金属からなることが好ましい。そのような金属としては、例えば、アルミニウム、アルマイト及びジュラルミン等が挙げられる。
[第1絶縁層]
第1絶縁層は、熱伝導率が0.5W/mK以上、好ましくは1W/mK以上、特に好ましくは3W/mK以上の熱伝導性シリコーンゴムからなる。この熱伝導率が低すぎると、イオンビームの注入により発生する熱によるウェハの温度上昇を抑えることが困難となるので、ウェハの温度を均一かつ一定にして、ウェハに熱ダメージを与えることなく安定したイオン注入を行うことができなくなる場合が生じる。また熱伝導率は、シリコーンゴムとしての特性が生かされる限り高いほど好ましく、例えば、熱伝導率が10W/mK程度の熱伝導性シリコーンゴムも好適に用いることができる。なお、第1絶縁層に用いられる熱伝導性シリコーンゴムの硬さ及び表面粗さは、特に制限されることはない。
上記第1絶縁層に使用する熱伝導性シリコーンゴムは、例えば、熱伝導性付与剤を含むシリコーンゴム組成物の硬化物であることが好ましい。硬化前のシリコーンゴム組成物としては、ミラブル型シリコーンゴム組成物及び液状シリコーンゴム組成物のいずれを用いてもよい。更に、硬化前のシリコーンゴム組成物としては、例えば、過酸化物硬化型、付加反応硬化型、縮合硬化型、紫外線硬化型のシリコーンゴム組成物等が挙げられるが、これらに制限されることはない。本発明においては、これらの中でも、作業性、成形性の点から過酸化物硬化型又は付加反応硬化型のシリコーンゴム組成物が好ましく、過酸化物硬化型又は付加反応硬化型のミラブル型シリコーンゴム組成物が特に好ましい。
過酸化物硬化型シリコーンゴム組成物としては、例えば、分子中にケイ素原子に結合した二個以上のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、より具体的には、分子鎖末端部分(片末端又は両末端)及び分子鎖非末端部分のどちらか一方又はその両方にビニル基等のアルケニル基を有する直鎖状オルガノポリシロキサンを、有機過酸化物の存在下でラジカル重合させて硬化させる、シリコーンゴム組成物が挙げられる。
付加反応硬化型シリコーンゴム組成物としては、例えば、上記のアルケニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンとを白金族金属系触媒の存在下で反応(ヒドロシリル化付加反応)させて硬化させる、シリコーンゴム組成物が挙げられる。
縮合硬化型シリコーンゴム組成物としては、例えば、両末端シラノール基封鎖オルガノポリシロキサンとテトラアルコキシシラン、オルガノトリアルコキシシラン等の加水分解性シラン及び/又はその部分加水分解縮合物とを、有機錫系触媒等の縮合反応触媒の存在下で反応させて硬化させるシリコーンゴム組成物、あるいは両末端がトリアルコキシシロキシ基、ジアルコキシオルガノシロキシ基、トリアルコキシシロキシエチル基、ジアルコキシオルガノシロキシエチル基等のアルコキシ含有シロキシ基又はアルコキシ含有シロキシアルキル基で封鎖されたオルガノポリシロキサンを、有機錫系触媒等の縮合反応触媒の存在下で反応させて硬化させる、シリコーンゴム組成物などが挙げられる。
紫外線硬化型シリコーンゴム組成物としては、例えば、波長200〜400nmの紫外線のエネルギーにより硬化するシリコーンゴム組成物が挙げられる。この場合、硬化機構が特に制限されることはない。その具体例としては、アクリル基あるいはメタクリル基を有するオルガノポリシロキサンと光重合開始剤とからなるアクリルシリコーン系シリコーンゴム組成物、メルカプト基含有オルガノポリシロキサンとビニル基等のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンと光重合開始剤とからなる、メルカプト−ビニル付加重合系シリコーンゴム組成物、熱硬化性の付加反応型と同じ白金族金属系触媒を用いた付加反応系シリコーンゴム組成物、エポキシ基を有するオルガノポリシロキサンとオニウム塩触媒とからなるカチオン重合系シリコーンゴム組成物などが挙げられ、これらのいずれも紫外線硬化型シリコーンゴム組成物として使用することができる。
シリコーンゴムに熱伝導性を付与する熱伝導性付与剤としては、例えば、アルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化マグネシウム、石英粉等が挙げられる。これらの熱伝導性付与剤は、単独で用いても二種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、第1絶縁層の熱伝導性シリコーンゴムには、公知の補強性充填剤(例えば、シリカ等)、着色剤、耐熱性付与剤、難燃性付与剤等の添加剤を更に配合してもよい。これらは単独で用いても二種以上を組み合わせて用いてもよい。
第1絶縁層の厚さは50〜1000μmであることが好ましく、特に300〜800μmであることが好ましい。厚さがこの範囲であると、第1絶縁層の絶縁耐圧が保たれるので、静電チャックに絶縁破壊が発生する可能性が低くなるだけでなく、静電チャックとしての放熱性が十分に確保される。
第1絶縁層は、金属基板上に直接形成されるか、図1に示されるように、金属基板上に接着剤層を介して形成(積層)される。前者の場合には、第1絶縁層を金属基板に直接、密着させるだけでよい。後者の場合に設けられる接着剤層は、シリコーンゴム系接着剤若しくはアクリル系接着剤等の接着剤、又はシランカップリング剤若しくはチタン系カップリング剤等を含有するプライマーを含んでなることが好ましい。この場合、第1絶縁層は、これらの接着剤又はプライマーによって金属基板上に接着される。
接着剤層の厚さは0.1〜30μmの範囲であることが好ましい。厚さがこの範囲であると、接着剤層の熱伝導性が低下せず、静電チャックの放熱性が十分に確保される。
接着剤層には、熱伝導性を高める目的で、アルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化マグネシウム、石英粉等の熱伝導性付与剤を配合してもよい。これらの熱伝導性付与剤は、単独で用いても二種以上を組み合わせて用いてもよい。
[導電性パターン]
導電性パターンは、静電チャックがウェハを吸着するときの電極として作用する。その材質としては、例えば、銅、アルミニウム、ニッケル、銀、タングステン等の金属、窒化チタン等の導電性セラミックスが挙げられる。
導電性パターンの厚さは1〜100μmであることが好ましく、特に10〜50μmであることが好ましい。厚さがこの範囲であると、導電性パターンの機械的強度が確保されるので、第2絶縁層及び第3絶縁層を積層する工程や、導電性パターンに電圧供給用のリード線をハンダ付けにより接合する工程で、導電性パターンが破損するのを防止することができる上、無駄に厚くすることなく導電性パターンの機械的強度や電気的性能を確保することができるので、材料コストの面からも有利である。
導電性パターンは、単極型であっても多極型であってもよい。多極型の導電性パターンとしては、例えば、図2に示すような双極型の導電性パターンが挙げられる。
導電性パターンは、第1絶縁層上に直接形成されるか、又は、図1に示されるように、第1絶縁層上に接着剤層を介して形成(積層)される。接着剤層の成分及び厚さ等は、金属基板と第1絶縁層との間の接着剤層の場合と同様でよい。
[第2絶縁層]
第2絶縁層は、絶縁性ポリイミドフィルムからなる。この第2絶縁層の存在により、スパッター金属をウェハとの間に挟み込んでも、絶縁異常が発生することを抑えることができる。上記の絶縁性ポリイミドフィルムとしては、例えば、カプトン(商品名、東レ・デュポン(株)製)、アピカル(商品名、鐘淵化学工業(株)製)、ユーピレックス(商品名、宇部興産(株)製)が挙げられる。
第2絶縁層の厚さは5〜50μmであることが好ましく、7.5〜25μmであることが特に好ましい。厚さがこの範囲内であると、第2絶縁層の絶縁耐圧が保たれるので、静電チャックに絶縁破壊が発生する可能性が低く、また、静電チャックの放熱性能を十分に確保することもできる。上記の第2絶縁層は、導電性パターン上に直接形成されるか、又は、図1に示されるように、導電性パターン上に接着剤層を介して形成(積層)される。接着剤層の成分及び厚さ等は、金属基板と第1絶縁層との間で設けられる接着剤層の場合と同様でよい。
[第3絶縁層]
第3絶縁層は、補強性シリカ配合シリコーンゴムからなる。この第3絶縁層により、本発明の静電チャックがウェハと接触したり擦れた場合にパーティクルが発生することを抑えることができる。上記第3絶縁層に用いられる補強性シリカ配合シリコーンゴムは、平均粒子径0.5μm以上の熱伝導性充填剤を含まないことが必要であり、平均粒子径0.2μm以上の熱伝導性充填剤を含まないことが好ましい。平均粒子径0.5μm以上の熱伝導性充填剤を含むと、ウェハと接触したり擦れた場合に脱落してパーティクルが発生することが懸念される。第3絶縁層の硬さは、通常50以上であり、好ましくは60〜95である。50未満では表面の粘着性が強くなり、ウェハにゴムが移行するおそれがある。また、引張強さは、通常5MPa以上であり、好ましくは6〜15MPaである。5MPa未満ではゴムの強度が不足するので、ウェハの吸着を繰り返すことによってゴムが破壊するおそれがある。
本発明で設けられる第3絶縁層に用いられる補強性シリカ配合シリコーンゴムの表面粗さは、通常5μm以下であり、好ましくは2μm以下である。表面粗さが5μmより大きくなると、第3絶縁層とウェハとの密着性が低下して両者の界面における接触熱抵抗が大きくなるので、ウェハの温度を均一かつ一定に保つことができなくなる場合がある。
補強性シリカ配合シリコーンゴムは、例えば、補強性シリカを含むシリコーンゴム組成物の硬化物であることが好ましい。硬化前のシリコーンゴム組成物としては、第1絶縁層の場合と同様に、ミラブル型シリコーンゴム組成物及び液状シリコーンゴム組成物のいずれを用いてもよい。更に、硬化前のシリコーンゴム組成物としては、例えば、過酸化物硬化型、付加反応硬化型、縮合硬化型、紫外線硬化型のシリコーンゴム組成物等が挙げられるが、これらに制限されるものではない。これらの中でも、作業性、成形性の点から過酸化物硬化型又は付加反応硬化型のシリコーンゴム組成物を使用することが好ましく、過酸化物硬化型又は付加反応硬化型のミラブル型シリコーンゴム組成物を使用することが特に好ましい。
シリコーンゴムに補強性を付与する充填剤としては、例えば、煙霧質シリカ(乾式シリカ)、沈降シリカ(湿式シリカ)等が挙げられるが、本発明においては、不純物の少ない煙霧質シリカ(乾式シリカ)を使用することがより好ましい。また、補強性シリカはBET法によって測定した比表面積が50m/g以上であることが好ましく、100〜400m/gであることがより好ましい。なお、補強性シリカの表面をオルガノポリシロキサン、オルガノシラザン、クロロシラン、アルコキシシラン等で疎水化処理を行ってもよい。
また、補強性シリカ配合シリコーンゴムには、公知の着色剤、耐熱性付与剤、難燃性付与剤等の添加剤を配合してもよい。これらは単独で用いても二種以上を組み合わせて用いてもよい。
第3絶縁層に用いられる補強性シリカ配合シリコーンゴムはウェハと直接接触するので、これを汚染しないように、導電性不純物、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、及び、銅、鉄、クロム、ニッケル等の重金属、並びにこれらの化合物を極力含まないことが好ましい。具体的には、導電性不純物の含有量は、金属元素に換算した質量基準で、1ppm以下とすることが好ましい。
第3絶縁層の厚さは、好ましくは10〜150μmであり、より好ましくは20〜80μmである。厚さがこの範囲であると第3絶縁層の機械的強度が確保されるので、ウェハとの接触や擦れによってパーティクルが発生することを抑えることができる。また、150μmより厚くなると熱伝導性が低下するので、静電チャックとしての放熱性が十分に確保されない場合がある。
第3絶縁層は、第2絶縁層上に直接形成されるか、又は、図1に示されるように、第2絶縁層上に接着剤層を介して形成(積層)される。接着剤層の成分及び厚さ等は、金属基板と第1絶縁層との間の接着剤層の場合と同様でよい。
[接着剤層]
各絶縁層及び導電性パターンの説明中で記載したとおり、金属基板と第1絶縁層との間の接着剤層、第1絶縁層と導電性パターンとの間の接着剤層、導電性パターンと第2絶縁層との間の接着剤層、及び第2絶縁層と第3絶縁層との間の接着剤層は、形成される場合には、それぞれ独立に、シリコーンゴム系接着剤若しくはアクリル系接着剤等の接着剤、又は、シランカップリング剤若しくはチタン系カップリング剤等を含有するプライマーを含んでなる層であり、その厚さは0.1〜30μmの範囲であることが好ましい。厚さがこの範囲であると、接着剤層の熱伝導性が低下せず、静電チャックとしての放熱性が十分に確保される。また、接着剤層には、熱伝導性を高める目的で、アルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化マグネシウム、石英粉等の熱伝導性付与剤を配合してもよい。これらの熱伝導性付与剤は、単独で用いても二種以上を組み合わせて用いてもよい。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。
図1に示す構造を有する静電チャックを次のようにして作製した。
電解銅箔(厚さ35μm)の片面に、接着剤としてプライマーNo24T(商品名、信越化学工業(株)製)を、ハケを用いて塗布し、室温で30分間風乾して、接着剤層5(厚さ10μm)を得た。接着剤層5と、窒化ホウ素が配合された熱伝導性シリコーンゴムTC−65BG(商品名、信越化学工業(株)製、厚さ650μm、熱伝導率4W/mK)の未加硫シートからなる第1絶縁層4とを貼り合わせ、圧力5MPa、温度170℃で10分間プレス接着させた。その後、前記電解銅箔を化学エッチングして、図2に示す形状の導電性パターン6(銅電極)を第1絶縁層4上に形成させた。
次に、第1絶縁層4/接着剤層5/導電性パターン6からなる上記積層複合シートの導電性パターン6側に液状シリコーンゴム系接着剤KE1825(商品名、信越化学工業(株)製)を、厚さが25μmとなるようにスクリーン印刷により塗布して、接着剤層7を得た。接着剤層7と、厚さ25μmのポリイミドフィルム(カプトン、商品名、東レ・デュポン(株)製)からなる第2絶縁層8とを貼り合わせ、圧力4MPa、温度120℃で10分間プレス接着させて、第1絶縁層4/接着剤層5/導電性パターン6/接着剤層7/第2絶縁層8からなる積層複合シートを作製した。
次に、上記積層複合シートのポリイミドフィルム(第2絶縁層8)側に接着剤としてプライマーC(商品名、信越化学工業(株)製)を、ハケを用いて塗布し、室温で15分間風乾して接着剤層9(厚さ2μm)を得た。接着剤層9と、オルガノポリシロキサン(組成、ジメチルシロキサン単位99.7モル%、メチルビニルシロキサン単位0.3モル%からなる平均重合度8000のメチルビニルポリシロキサン)100質量部に、比表面積が300m/gであり平均粒子径が0.02μmである煙霧質シリカAerosil300(商品名、日本アエロジル(株)製)65質量部、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン0.7質量部が配合された補強性シリカ配合シリコーンゴムA(厚さ50μm、硬さ80、引張強さ8.2MPa、表面粗さ0.5μm)の未加硫シートからなる第3絶縁層10とを貼り合わせ、圧力4MPa、温度170℃で10分間プレス接着させて、第1絶縁層4/接着剤層5/導電性パターン6/接着剤層7/第2絶縁層8/接着剤層9/第3絶縁層10からなる積層複合シートを作製した。
次に、アルミニウム基板2に、前記液状シリコーンゴム系接着剤KE1825を厚さが25μmとなるようにスクリーン印刷により塗布して、接着剤層3を得た。該接着剤層3と上記積層複合シートの第1絶縁層4側とを貼り合わせ、圧力3MPa、温度120℃で15分間プレス接着させて、アルミニウム基板2/接着剤層3/第1絶縁層4/接着剤層5/導電性パターン6/接着剤層7/第2絶縁層8/接着剤層9/第3絶縁層10からなる積層複合シートを作製した。
最後に、上記積層複合シートの導電性パターン6にPTFE被覆電線11a及び11bをハンダ付けし、更に封止剤12としてエポキシ系封止剤セミコート114A(商品名、信越化学工業(株)製)を穴1に装填し、120℃で5時間硬化させて静電チャックを作製した。
次のように条件を変更したこと以外は、実施例1と同様にして静電チャックを作製した。
(1)補強性シリカ配合シリコーンゴムAの未加硫シートからなる第3絶縁層10の代わりに、オルガノポリシロキサン(組成、ジメチルシロキサン単位99.85モル%、メチルビニルシロキサン単位0.15モル%からなる平均重合度8000のメチルビニルポリシロキサン)100質量部に、比表面積200m/gの煙霧質シリカAerosil200(商品名、日本アエロジル(株)製)50質量部、及び2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン0.7質量部が配合された補強性シリカ配合シリコーンゴムB(厚さ120μm、硬さ63、引張強さ8.8MPa、表面粗さ0.5μm)の未加硫シートからなる第3絶縁層10を用いた。
(2)厚さ25μmのポリイミドフィルムからなる第2絶縁層8の代わりに、厚さ12.5μmのポリイミドフィルム(アピカル、商品名、鐘淵化学工業(株)製)からなる第2絶縁層8を用いた。
接着剤層7及び接着剤層3として使用した液状シリコーンゴム系接着剤KE1825の代わりに、熱伝導性シリコーンゴム系接着剤KE1862(商品名、信越化学工業(株)製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして静電チャックを作製した。
〔実施例1〜3の静電チャックの評価〕
(冷却性能)
実施例1〜3で得られた各静電チャックについて、冷却性能を評価した。評価には冷却性能試験器を使用した。図3は、冷却性能試験器の構成の概略を示す縦断面図である。図3における符合13は静電チャック、符合14はチャンバー、符合15は台、符合16は冷却管、符合17はウェハ、符合18は電源である。静電チャック13はチャンバー14内の台15の上に装着され、台15に設けられた冷却管に冷却水を循環させ、静電チャック13を冷却した。ウェハ17を静電チャック13の上に設置した後、チャンバー14内の圧力を0.01Torrに減圧した。次いで、電源18から静電チャック13に、±500Vの直流電圧を供給し、静電チャック13上にウェハ17を静電吸着させて固定した。
次いで、ヒーター19を用いてウェハ17を150℃に加熱した後、5℃の冷却水を冷却管16内で循環させた。ウェハ17の温度が平衡状態になった時に、表面温度計20を用いてウェハ17表面の温度を測定した。結果を表1に示す。
(絶縁性能)
実施例1〜3で得られた各静電チャックについて、絶縁性能を評価した。評価には耐電圧試験器を使用した。図4は、耐電圧試験器の構成の概略を示す縦断面図である。図4に示すように、静電チャック13を電源21と接続し、ウェハ17を静電チャック13の上に設置した後、±10kVの直流電圧を10分間印加して、絶縁破壊が発生するか否かを観察した。結果を表1に示す。
(パーティクル性能)
実施例1〜3で得られた各静電チャックについて、パーティクル性能を評価した。評価にはイオン注入装置を使用した。静電チャックをイオン注入装置に装着し、吸着電圧±1200V、注入熱量0.5W/cm、ドーズ量5×1015ions/cm、注入時間500秒の条件で、8インチのウェハにイオン注入を行ったところ、ウェハの温度を60℃に保った状態で、良好なイオン注入を行うことができた。また、ウェハへの金属不純物の付着量を、全反射蛍光X線分析によって定量分析した結果、何れの測定点においても、金属不純物(Cu、Fe、Cr、Al、Na、Niなど)は5×1010atoms/cm以下と、良好な結果であった。更に、パーティクルカウンターにより、ウェハ裏面に付着した0.16μm以上のパーティクルの数を測定した。結果を表1に示す。
〔比較例1〕
第3絶縁層10として使用した補強性シリカ配合シリコーンゴムAの代わりに、平均粒子径が4μmであるアルミナが配合された熱伝導性シリコーンゴムTC−20A(商品名、信越化学工業(株)製、厚さ200μm、硬さ70、熱伝導率1.1W/mK、表面粗さ1μm)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして静電チャックを作製した。
〔比較例2〕
第2絶縁層8及び接着剤層7を形成させなかったこと以外は、比較例1と同様にして静電チャックを作製した。この場合、プライマーCを、第1絶縁層4/接着剤層5/導電性パターン6/接着剤層7/第2絶縁層8からなる積層複合シートのポリイミドフィルム(第2絶縁層8)側に塗布する代わりに、第1絶縁層4/接着剤層5/導電性パターン6からなる積層複合シートの導電性パターン6側に塗布し、第2絶縁層8及び接着剤層7を設けなかった。
〔比較例1及び2の静電チャックの評価〕
実施例1〜3の静電チャックの評価と同様にして、比較例1及び2で得られた各静電チャックについて冷却性能と絶縁性能とパーティクル性能を評価した。その結果を表2に示す。
〔評価〕
実施例の静電チャックと比較例2の静電チャックとの間で冷却性能に大きな差はなく、本発明の静電チャックが比較例2の場合よりも絶縁層が多いにもかかわらず、冷却性能に優れることが確認された。
一方、絶縁性能の評価においては、表1に示すとおり、実施例の静電チャックでは絶縁破壊が発生しなかったのに対し、比較例2の静電チャックでは第3絶縁層で絶縁破壊が発生した。このことから、本発明の静電チャックは絶縁性能に優れることが確認された。
また、パーティクル性能の評価においては、表1に示すとおり、実施例の静電チャックではパーティクルの数が少なかったのに対し、比較例1及び2の静電チャックではパーティクルの数が桁違いに多かった。このことから、本発明の静電チャックはパーティクル性能に優れることが確認された。
本発明の静電チャックは、冷却性能、絶縁性能及びパーティクル性能に優れるので、ウェハに対するイオン注入工程に特に有用である。
本発明の静電チャックの一例を示す縦断面図である。 図1の静電チャックに用いられた第1絶縁層上に配された導電性パターンを、導電性パターン上に形成された接着剤層及びそれより上の層がいまだ形成されていない状態を仮想して示した平面図である。 実施例において静電チャックの冷却性能を評価するのに使用された冷却性能試験器の構成の概略を示す縦断面図である。 実施例において静電チャックの絶縁性能を評価するのに使用された耐電圧試験器の構成の概略を示す縦断面図である。
符号の説明
1 穴
2 金属基板
3 接着剤層
4 第1絶縁層
5 接着剤層
6 導電性パターン
7 接着剤層
8 第2絶縁層
9 接着剤層
10 第3絶縁層
11a、11b リード線
12 封止剤
13 静電チャック
14 チャンバー
15 台
16 冷却管
17 ウェハ
18 電源
19 ヒーター
20 表面温度計
21 電源

Claims (5)

  1. 金属基板、該金属基板上に直接又は接着剤層を介して形成された熱伝導率が0.5W/mK以上である熱伝導性シリコーンゴムからなる第1絶縁層、該第1絶縁層上に直接又は接着剤層を介して形成された導電性パターン、該導電性パターン上に直接又は接着剤層を介して形成された絶縁性ポリイミドフィルムからなる第2絶縁層、該第2絶縁層上に直接又は接着剤層を介して形成された第3絶縁層からなると共に、該第3絶縁層が平均粒子径0.5μm以上の熱伝導性充填剤を含まない補強性シリカ配合シリコーンゴムからなることを特徴とする静電チャック。
  2. 前記第3絶縁層が、厚みが10〜150μmの範囲であると共に、BET比表面積が50m/g以上の煙霧質シリカ(乾式シリカ)を含む層である、請求項1に記載された静電チャック。
  3. 前記第3絶縁層が、硬さが50以上かつ引張強さが5MPa以上であって表面粗さが5μm以下である、請求項1又は2に記載された静電チャック。
  4. 前記第2絶縁層の厚さが5〜50μmの範囲である、請求項1〜3のいずれかに記載された静電チャック。
  5. 前記4つの接着剤層のうち、少なくとも1層の接着剤層が設けられていると共に、該接着剤層が、アルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化マグネシウム、石英粉からなる群より選ばれる少なくとも一つの熱伝導性付与剤を含む、請求項1〜4のいずれかに記載された静電チャック。
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